説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】1対N認証において認証候補として用いられる登録データの個数を演算負荷の比較的少ない方法を用いて容易に絞りこむことが可能な情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置に対して、背景を表す画素値を有する画素である背景画素と、輪郭を表す画素値を有する画素である輪郭画素とから構成された、生体に固有な情報である生体情報を表すバイナリ画像に対してランレングス符号化処理を行い、生体情報を表すバイナリ画像中の背景画素の連続数を表す情報である背景ランレングスベクトル情報を生成するランレングスベクトル生成部と、予め登録されている背景ランレングスベクトル情報である登録背景ランレングスベクトル情報に基づいて、ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報の認証を行う認証部と、を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体の指紋をバイオメトリクス認証の対象とした認証装置が数多く提案されているが、近年、生体における血管(静脈)自体がバイオメトリクス認証の対象の1つとして着目されている。
【0003】
このような認証装置は、血管を通るヘモグロビンが近赤外線帯域の光(近赤外光)を特異的に吸収するといった性質を利用して登録者の血管を撮像し、この撮像結果として得られる血管画像のデータを、所定のデータベースに登録する。
【0004】
また認証装置は、照合者の血管を撮像して、撮像結果として得られる血管画像のデータと、データベースに登録された複数の血管画像データとを順次照合し登録者本人を認証する、いわゆる「1対N認証」を実施する。(例えば、以下の特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−242492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大規模な生体認証システムが必要な場合において、上記特許文献1に記載の方法のような1対N認証を行うと、照合すべきデータの個数Nが膨大であるために、ある一つの入力に対して必要な認証時間が、莫大な長さになってしまう。その結果、生体認証システムを利用する利用者の利便性が低下してしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、1対N認証において認証候補として用いられる登録データの個数を演算負荷の比較的少ない方法を用いて容易に絞りこむことが可能な、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、背景を表す画素値を有する画素である背景画素と、輪郭を表す画素値を有する画素である輪郭画素とから構成された、生体に固有な情報である生体情報を表すバイナリ画像に対してランレングス符号化処理を行い、前記生体情報を表すバイナリ画像中の前記背景画素の連続数を表す情報である背景ランレングスベクトル情報を生成するランレングスベクトル生成部と、予め登録されている背景ランレングスベクトル情報である登録背景ランレングスベクトル情報に基づいて、前記ランレングスベクトル生成部により生成された前記背景ランレングスベクトル情報の認証を行う認証部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0009】
かかる構成によれば、ランレングスベクトル生成部は、生体情報を表すバイナリ画像に対してランレングス符号化処理を行い、生体情報を表すバイナリ画像中の背景画素の連続数を表す情報である背景ランレングスベクトル情報を生成する。また、認証部は、予め登録されている背景ランレングスベクトル情報である登録背景ランレングスベクトル情報に基づいて、ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報の認証を行う。
【0010】
前記認証部は、前記登録背景ランレングスベクトル情報および前記ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報のうちベクトル長の短いものをシフトさせながら、前記登録背景ランレングスベクトル情報および前記ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報のうちベクトル長の長いものとの類似度を算出することが好ましい。
【0011】
前記認証部は、前記登録背景ランレングスベクトル情報および前記ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報のうちベクトル長の短いものを構成する要素について、所定の要素数だけ予めシフトさせておき、シフト後の要素と、前記登録背景ランレングスベクトル情報および前記ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報のうちベクトル長の長いものを構成する要素との類似度を算出してもよい。
【0012】
前記ランレングスベクトル生成部は、前記生体情報を表すバイナリ画像について、前記背景画素のみから構成される行または列の有無を判定して、前記バイナリ画像を表す画素の中から前記背景画素のみから構成される行および列が除去された領域である処理対象領域を選定し、選定された前記処理対象領域に対してランレングス符号化処理を行ってもよい。
【0013】
前記ランレングスベクトル生成部は、前記処理対象領域を画素単位で複数の行または列に区分し、前記複数の行または列を順に連結した一つのデータ配列に対して、前記ランレングス符号化処理を行ってもよい。
【0014】
前記登録背景ランレングスベクトル情報には、当該登録背景ランレングスベクトル情報に対応する前記生体情報を表すバイナリ画像が予め関連付けられており、前記認証部は、入力された前記生体情報を表すバイナリ画像から生成された前記背景ランレングスベクトル情報と類似している前記登録背景ランレングスベクトル情報に関連付けられている前記バイナリ画像に基づいて、前記入力された生体情報を表すバイナリ画像の認証を行ってもよい。
【0015】
前記登録背景ランレングスベクトル情報には、当該登録背景ランレングスベクトル情報とは異なる登録生体情報が更に関連付けられており、前記認証部は、前記バイナリ画像に基づく認証に先立ち、前記登録生体情報に基づく認証を行ってもよい。
【0016】
前記輪郭画素から構成される輪郭を表す曲線は、略同一の幅を有してもよい。
【0017】
前記バイナリ画像は、生体内に存在する静脈に関するバイナリ画像であってもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、背景を表す画素値を有する画素である背景画素と、輪郭を表す画素値を有する画素である輪郭画素とから構成された、生体に固有な情報である生体情報を表すバイナリ画像に対してランレングス符号化処理を行い、前記生体情報を表すバイナリ画像中の前記背景画素の連続数を表す情報である背景ランレングスベクトル情報を生成するステップと、予め登録されている背景ランレングスベクトル情報に基づいて、入力された前記生体情報を表すバイナリ画像から生成された前記背景ランレングスベクトル情報の認証を行うステップと、を含む情報処理方法が提供される。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、コンピュータに、背景を表す画素値を有する画素である背景画素と、輪郭を表す画素値を有する画素である輪郭画素とから構成された、生体に固有な情報である生体情報を表すバイナリ画像に対してランレングス符号化処理を行い、前記生体情報を表すバイナリ画像中の前記背景画素の連続数を表す情報である背景ランレングスベクトル情報を生成するランレングスベクトル生成機能と、予め登録されている背景ランレングスベクトル情報に基づいて、前記ランレングスベクトル生成機能により生成された前記背景ランレングスベクトル情報の認証を行う認証機能と、を実現させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、1対N認証において認証候補として用いられる登録データの個数を演算負荷の比較的少ない方法を用いて容易に絞りこむことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【図1B】本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【図1C】本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報処理方法の概要を説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る情報処理方法の概要を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図10】同実施形態に係る情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】ランレングスベクトルの認証方法について説明するための説明図である。
【図12】ランレングスベクトルの認証方法について説明するための説明図である。
【図13】ランレングスベクトルの認証方法について説明するための説明図である。
【図14】同実施形態に係る認証部の変形例を説明するためのブロック図である。
【図15A】同実施形態に係る認証部の変形例を説明するための説明図である。
【図15B】同実施形態に係る認証部の変形例を説明するための説明図である。
【図16】同実施形態に係る情報処理方法を説明するための流れ図である。
【図17】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
なお、説明は、以下の順序で行うものとする。
(1)ランレングス符号化処理について
(2)情報処理方法の概要について
(3)第1の実施形態
(3−1)情報処理装置の構成について
(3−2)認証部の変形例について
(3−3)情報処理方法について
(3−4)背景ランレングスベクトル情報の認証におけるパラメータの設定について
(4)本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について
(5)まとめ
【0024】
(ランレングス符号化処理について)
本発明の実施形態に係る情報処理装置および情報処理方法の説明に先立ち、本発明の実施形態に係る情報処理装置で実施されるランレングス符号化処理について、図1A〜図6を参照しながら、詳細に説明する。図1A〜図5は、本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。
【0025】
ランレングス符号化処理は、ある画素値を有する画素が画像中にどのくらい連続して現れるかに基づいて、画像の符号化処理(圧縮処理)を行う方法である。例えば、図1Aに示したようなバイナリ画像を圧縮処理する場合を考える。この画像は、図1Aに示したように、縦16画素×横16画素から構成される画像である。この画像を、例えば横方向のラインごとにランレングス符号化処理により圧縮処理を行うことを考える。
【0026】
図1Aに示した画像は、図から明らかなように、横方向のライン上で、同じ値を有する画素が連続的に続くことが多い画像である。ランレングス符号化処理では、それぞれのラインで、白または黒画素が何点ずつ表れるかに着目する。
【0027】
図1Aにおける一番上のラインおよび上から2番目のラインでは、全ての画素が画素値0を有している。そのため、これらのラインにおける画素のデータとして、画素値「0」が16個連続して記載されたものを作成するよりも、画素値「0」と連続数「16」をデータとして記載することで、データの圧縮を図ることができる。また、図1Aの上から3番目のラインでは、ライン左端から、画素値「0」が6回連続し、続いて画素値「1」が6回連続し、続いて画素値「0」が4回連続している。この場合も、ラインを構成する16画素それぞれの画素値を記録するよりも、画素値を表す配列として「0,1,0」を記録し、連続数を表す配列として「6,6,4」を記録することで、データの圧縮を図ることができる。つまり、ランレングス符号化処理では、図1Aに示したような縦横2次元の画像に対して、一次元の「画素値を表す配列」と、一次元の「連続数を表す配列」という2種類の配列を準備すれば良いことになる。
【0028】
ここで、バイナリ画像は、画素値の値として「0」または「1」のどちらかしか現れない。そのため、画素値を表す配列を設ける代わりに、連続数を表す配列の先頭に各ラインの先頭画素(例えば、図1Aにおける左端の画素)の値を記録し、更に、上述の方法で、各画素値の連続数を表す情報を記載する。このように先頭画素の画素値のみを記録しておくことで、偶数番目に記録されている数字が先頭画素とは異なる値の画素値の連続数であり、奇数番目に記録されている数字が先頭画素と同じ値の画素値の連続数であることが認識できる。例えば、図1Aにおける上から三番目のラインの場合、先頭画素の画素値が記載されるバッファーに「1」を記録し、続けて連続数を表す配列として「6,6,4」を記録する。このような記録方法を採用することで、データを読み取る際に、連続数を表す配列の第一要素には先頭画素の画素値に当てはめ、連続数を表す配列の残りの要素には、先頭画素の画素値とは異なる値から交互に「0」または「1」を当てはめていけばよい。このような方式を採用することで、図1Aに示した画像の各ラインは、図1Bに示したようなデータで表すことができる。
【0029】
ここで、図1Bに示した記載方法において「:」の左側に記載されている数字は、ラインの左端に位置する画素の画素値を表す。また、「:」の右側に記載されている数字は、「:」の左側に記載されている値の画素値を有する画素が、いくつ連続しているかを表す数値である。
【0030】
上述のような方法でランレングス符号化処理を実施することにより、216ビットのデータであった図1Aの画像を、174ビットに圧縮することが可能である。
【0031】
また、「0」と「1」とが交互に現れるという特徴を用いると、図1Bに示したように画像の各ラインを別々のものとして扱わず、図1Cに示したように画像全体を一本のラインとして扱うことで、更なる圧縮の効率化を図ることが可能である。
【0032】
すなわち、図1Cに示したように、図中の矢印方向に沿って処理を行い、画像全体を一本のラインとして考える。この場合、図1Cに示した画像は、16画素からなる1つのラインが16行分存在するもの(16画素×16行)として扱われずに、256画素×1行の画像として扱われることとなる。この場合、各ラインの先頭画素の画素値ではなく、画像の先頭画素の画素値だけを記録し、ランレングス符号化処理で画像を符号化していけばよいことになる。この方法を用いると、図1Aに示した216ビットの画像を、図1Cに示したように、169ビットまで圧縮することができる。
【0033】
本発明の実施形態では、図1Cに示したような圧縮後のデータを、更に、画素値が1である画素の連続数を表すデータと、画素値が0である画素の連続数を表すデータと、に分割する。このような2種類の連続数を表すデータのうち、画像の背景を構成する画素(例えば、画素値が0である、白色で表された画素)の連続数を表すデータを、1つのベクトルとみなし、画素値0のランレングスベクトルと称することとする。同様に、画像の輪郭を構成する画素(例えば、画素値が1である、黒色で表された画素)の連続数を表すデータを、1つのベクトルとみなし、画素値1のランレングスベクトルと称することとする。
【0034】
指紋認証、静脈認証、虹彩認証等の生体部位を用いる認証では、センサやカメラといった撮像装置を備えた装置を用いて所定の生体部位の撮像を行い、例えば図1Aに示したようなバイナリ画像を生成して生体情報とする。ここで、撮像装置を備えた装置への生体部位のかざし方や載置の仕方に応じて、生成される2次元バイナリ画像の縦方向や横方向やこれら両方向に、画像のシフトが生じる。以下では、このような画像のシフトと、生成されるランレングスベクトルとの関係について、図2を参照しながら説明する。
【0035】
以下では、図2(a)に示したような2次元バイナリ画像を考える。図2(a)に示したバイナリ画像の左上の画素を出発点として、横方向(右方向)へと着目する画素を変化させた場合のランレングスベクトルは、各画素について図2(a)に示したようになる。ここで、画素値0のランレングスベクトルが、図2(a)に示したバイナリ画像の背景画素に対応するランレングスベクトルであり、画素値1のランレングスベクトルが、図2(a)に示したバイナリ画像の輪郭を表す画素に対応するランレングスベクトルである。
【0036】
次に、図2(a)に示したバイナリ画像にシフト(平行移動)が生じた場合を考える。図2(b)は、図2(a)に示した画像が右方向に1画素シフトした場合の画像であり、図2(c)は、図2(a)に示した画像が下方向に1画素シフトした場合の画像である。また、図2(d)は、図2(a)に示した画像が、右方向に1画素シフトし、下方向に1画素シフトした場合の画像である。それぞれの画像に付したランレングスベクトルの内容から明らかなように、輪郭を表す画素に対応するランレングスベクトルには変化はないが、背景画素に対応するランレングスベクトルに変化が生じていることがわかる。より詳細には、背景画素に対応するランレングスベクトルのうち、左端の要素の値と右端の要素の値に変化が生じており、中間に存在する要素の値には、変化が生じていないことがわかる。このような変化は、被撮像体のシフトによって背景画素のみが存在する行や列に変化が生じるために起こる変化である。
【0037】
このようなシフトによる背景ランレングスベクトルの変化を防止するため、例えば図3に示したように、ランレングスベクトルを生成すべきバイナリ画像の中から背景画素のみからなる行および列を取り除いた部分を、処理対象領域として選定する。このようにして選定された処理対象領域について、輪郭を表す画素を出発点としてランレングスベクトルの生成を開始し、輪郭を表す画素が最後に現れる点を終点とすることで、シフトによる変化の影響が少ない背景ランレングスベクトルを生成することができる。
【0038】
続いて、図4および図5を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置で実施されるランレングス符号化処理の流れを再度説明する。
【0039】
図4に示した18列×20行のバイナリ画像を考える。このバイナリ画像は、白色で表された画素値0の背景画素と、黒色で表された画素値1の輪郭を表す画素から構成されている。ここで、このバイナリ画像のうち、上4行が背景画素のみから構成される行であり、左2列および右3列が背景画素のみから構成される列である。そのため、入力された18列×20行の画像のうち、上4行分、左2列分および右3列分を除いた13列×16行のバイナリ画像が、処理対象領域として選定される。
【0040】
図4に示した処理対象領域に対してランレングス符号化処理が施されると、まず、図5に示したように、画素値を表す配列と連続数を表す配列の2種類の配列が、符号化情報として生成される。この符号化情報の中から画素値を現す配列が削除され、画素値の連続数を表す配列からなる画素連続数情報が生成される。続いて、この画素連続数情報が2つに分割され、画素値0のランレングスベクトル(すなわち、背景ランレングスベクトル)と、画素値1のランレングスベクトルが生成される。
【0041】
(情報処理方法の概要について)
続いて、図6〜図8を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理装置で実施される情報処理方法の概要について説明する。図6は、本発明の実施形態に係るランレングス符号化処理について説明するための説明図である。図7および図8は、本発明の実施形態に係る情報処理装置で実施される情報処理方法の概要について説明するための説明図である。
【0042】
本発明者らは、上述のような問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、先に説明したようなランレングス符号化処理を用いることで、1対N生体認証において用いられる登録生体情報の個数を容易に絞りこむことが可能であることに想到した。
【0043】
ここで問題となるのは、実際の生体部位の撮像において、先に説明したような画像のシフトだけではなく、撮影状況やノイズ等によって、例えば図6に示したように、輪郭を表す画素に変化が生じる可能性があることである。
【0044】
本来背景画素のみから構成される部分に変化が生じ、図6に示したように輪郭を表す画素が生じた場合、処理対象領域の大きさも変化することとなり、結果的に、生成されるランレングスベクトルにも変化が生じることとなる。例えば図6に示した画像の場合、左側に示した原画像においては、処理対象領域は8列×7行の大きさであるのに対し、右側に示した変化後の画像においては、処理対象領域は8列×8行の大きさとなる。その結果、各処理対象領域から生成されるランレングスベクトルを構成する要素数に変化が生じてしまう。
【0045】
このような変化は、上述のようにノイズや撮影状況に起因して発生するため、画像処理アルゴリズムによる処理では対策が困難となる。なぜなら、既に登録されている登録生体情報と新たに生成された入力画像のどちらに、上記原因による画像の変化が生じているかを判定することが困難だからである。
【0046】
そこで、本発明者らは、上述のようなバイナリ画像の変化が生じた場合にも対応可能な登録生体情報の絞り込み方法について検討を行った結果、以下で説明するような、本発明の実施形態に係る情報処理方法に想到した。以下では、図7および図8を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理方法の概要について説明する。
【0047】
なお、以下の説明では、生体認証の一例として、静脈認証を例にとって説明を行なうものとする。しかしながら、本発明は、静脈認証のみに限定されるわけではなく、指紋認証や虹彩認証など、他の様々な生体認証についても適用することが可能である。
【0048】
また、以下の説明では、黒色で表示される静脈部分に対応する画素の画素値が1であり、白色で表示される背景画素の画素値が0である場合について説明する。しかしながら、静脈部分および背景部分が異なる色の組み合わせで表示される場合や、静脈部分および背景部分に対応する画素値がそれぞれ0および1である場合についても、以下で説明する情報処理方法が同様に適用可能であることはいうまでもない。
【0049】
図7に示したような細線化された静脈画像は、先に説明したようなランレングス符号化処理が可能なバイナリ画像の一つである。図7(a)および図7(b)に例示したように、静脈が存在する部分の外形は、それぞれの静脈画像によって異なっており、独特の形状を有していることがわかる。図7(a)における左右の画像を比較してみると明らかなように、静脈部分の外形を特徴づける画素は、静脈画像を構成する背景画素であることがわかる。多少のノイズが静脈画像に重畳していたとしても、同じ生体部位における静脈を表す曲線の相対的な方向性(orientation)は保たれると考えられるため、このような背景画素の連続性は、同一の生体部位であれば類似すると考えられる。
【0050】
この背景画素の連続性(すなわち、静脈部分の外形)を表す情報は、先に説明したように、背景画素のランレングスベクトル(背景ランレングスベクトル)で表すことが可能である。従って、予め登録されている静脈画像(以下、テンプレートと称する。)を用いた生体認証に先立ち、このようなランレングスベクトルによる認証を行うことで、認証候補として用いられるテンプレートの個数を絞りこむことが可能である。
【0051】
本発明の実施形態に係る情報処理方法では、図8にその概要を示したように、まず、生体の一部を撮像して生成された撮像画像から、バイナリ画像である細線化された静脈画像を抽出する。その後、本発明の実施形態に係る情報処理方法では、細線化された静脈画像に含まれる複数の曲線のうち、所定の長さ未満の曲線をノイズとして除去する。図8における細線化された静脈画像と、ノイズ除去後の静脈画像とを対比すると明らかなように、図中において点線で囲った領域に存在していた曲線が、所定の長さに満たない曲線であるとして除去される。
【0052】
次に、本発明の実施形態に係る情報処理方法では、ノイズ等が除去された静脈画像から、背景画素のみから構成される行および列が除去され、処理対象領域が選定される。続いて、本発明の実施形態に係る情報処理方法では、選定された処理対象領域に対して、ランレングス符号化処理を行い、背景画素のランレングスベクトルを生成する。生成されたランレングスベクトルは、上述のように一次元のデータであるが、このランレングスベクトルを記載されている要素の順ごとに連続数についてプロットすると、例えば図8の右端に示したように、ランレングスベクトルに対応するグラフ図が得られる。
【0053】
本発明の実施形態に係る情報処理方法では、予め登録されているテンプレートについて、上述のような背景ランレングスベクトルを生成しておき、テンプレートに関連付けて記録しておく。認証処理を実施する際には、撮像画像から得られたランレングスベクトルと、登録されているランレングスベクトルとのマッチングを行い、生成したランレングスベクトルに類似する登録されたランレングスベクトルを検索する。
【0054】
ここで、先に説明したような輪郭を表す画素に生じた変化の影響を考慮するために、本発明の実施形態に係る情報処理方法では、要素を表す軸方向にランレングスベクトルをシフトさせながら、マッチングを行う。
【0055】
なお、撮像画像からランレングスベクトルを抽出する処理は高速に行うことが可能であるため(例えば、マイクロセカンドのオーダー)、1対N認証処理全体に要する認証時間には、ほとんど影響しない。また、ランレングスベクトル自体は、数値が羅列された一次元のデータであるため、ランレングスベクトル同士の比較は、2次元の画像データを比較する場合に比べて、演算付加の少ない処理となる。その結果、本発明の実施形態に係る情報処理方法では、1対N認証において認証候補として用いられる登録データの個数を演算負荷の比較的少ない方法を用いて容易に絞りこむことが可能となる。
【0056】
(第1の実施形態)
<情報処理装置の構成について>
続いて、図9〜図14を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成について、詳細に説明する。
【0057】
本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば図9に示したように、撮像部101と、撮像制御部103と、生体情報抽出部105と、ランレングスベクトル生成部107と、認証部109と、表示制御部111と、記憶部113と、を主に備える。また、本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば図9に示したように、特徴量抽出部115を更に備えてもよい。
【0058】
撮像部101は、体表面BSに対して所定の波長帯域を有する近赤外光を照射する光源部と、撮像素子およびレンズ等の光学素子から構成される光学系と、を含む。
【0059】
近赤外光は、身体組織に対して透過性が高い一方で、血液中のヘモグロビン(還元ヘモグロビン)に吸収されるという特徴を有するため、近赤外光を指や手のひらや手の甲に照射すると、指や手のひらや手の甲の内部に分布している静脈が影となって画像に現れる。画像に表れる静脈の影を、静脈パターンという。このような静脈パターンを良好に撮像するために、発光ダイオード等の光源部は、約600nm〜1300nm程度の波長、好ましくは、700nm〜900nm程度の波長を有する近赤外光を照射する。
【0060】
ここで、光源部が照射する近赤外光の波長が600nm未満または1300nm超過である場合には、血液中のヘモグロビンに吸収される割合が小さくなるため、良好な静脈パターンを得ることが困難となる。また、光源部が照射する近赤外光の波長が700nm〜900nm程度である場合には、近赤外光は、脱酸素化ヘモグロビンと酸素化ヘモグロビンの双方に対して特異的に吸収されるため、良好な静脈パターンを得ることができる。
【0061】
光源部から射出された近赤外光は、体表面BSに向かって伝搬し、直接光として、生体の側面などから内部に入射する。ここで、人体は良好な近赤外光の散乱体であるため、生体内に入射した直接光は四方に散乱しながら伝搬する。生体内を透過した近赤外光は、光学系を構成する光学素子に入射することとなる。
【0062】
撮像部101を構成する光学系は、1または複数の光学素子と、1または複数の撮像素子と、から構成される。
【0063】
人体の皮膚は、表皮層、真皮層および皮下組織層の3層構造となっていることが知られているが、静脈の存在する静脈層は、真皮層に存在している。真皮層は、指表面に対して0.1mm〜0.3mm程度の位置から2mm〜3mm程度の厚みで存在している層である。したがって、このような真皮層の存在位置(例えば、指表面から1.5mm〜2.0mm程度の位置)にレンズ等の光学素子の焦点位置を設定することで、静脈層を透過した透過光を、効率よく集光することが可能となる。
【0064】
光学素子によって集光された静脈層を透過した透過光は、CCDやCMOS等の撮像素子に結像されて、静脈撮像データとなる。生成された静脈撮像画像に対応する静脈撮像データは、後述する生体情報抽出部105に伝送される。
【0065】
撮像制御部103は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現される。撮像制御部103は、光源部、光学系および撮像素子を制御して、撮像データを生成する。
【0066】
撮像制御部103は、撮像素子によって生成された撮像データを、後述する生体情報抽出部105に出力させる。また、撮像制御部103は、得られた撮像データを、後述する記憶部113に記録してもよい。また、記憶部113への記録に際して、撮像制御部103は、生成した撮像データに撮像日や撮像時刻等を関連づけてもよい。なお、生成される撮像データは、RGB(Red−Green−Blue)信号であってもよいし、それ以外の色やグレースケール等の画像データであってもよい。
【0067】
また、撮像制御部103は、必要に応じて、後述する表示制御部111を介して、情報処理装置10が備えるディスプレイ等の表示装置に対して、各種のメッセージを表示することが可能である。
【0068】
生体情報抽出部105は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。生体情報抽出部105は、撮像部101から伝送された近赤外撮像データのなかから、ユーザの静脈パターンを表す情報である生体情報(静脈情報)を抽出する。この生体情報抽出部105は、例えば、画像平滑化部、輪郭抽出部、マスク画像生成部、切出部、静脈平滑化部、2値化部、太線化部、細線化部、サムネイル画像生成部といった処理部を更に有する。
【0069】
画像平滑化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。画像平滑化部は、撮像制御部103から撮像結果として与えられる静脈撮像データに対して、例えばガウシアンと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈撮像データに対応する静脈画像を平滑化する。
【0070】
輪郭抽出部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。輪郭抽出部は、画像平滑化部によって平滑化された静脈画像に対して、例えばLog(Laplacian of Gaussian)フィルタと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈画像における輪郭を強調して浮き彫りにする。
【0071】
マスク画像生成部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。マスク画像生成部は、輪郭抽出部によって輪郭が強調された静脈画像から、背景部分とのコントラストを基に、指輪郭などの輪郭線を検出する。また、マスク画像生成部は、検出された輪郭線に囲まれる指領域と、それ以外の領域とを、2値で示す画像(以下、これをマスク画像とも称する。)を生成する。
【0072】
切出部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。切出部は、輪郭抽出部によって輪郭が強調された静脈画像から、マスク画像生成部によって生成されたマスク画像を用いて、指輪郭に囲まれる指領域を含む所定サイズの画像を切り出す。
【0073】
静脈平滑化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。静脈平滑部は、切出部によって切り出された静脈画像に対して、例えばメディアンと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈画像における静脈部分を平滑化する。
【0074】
2値化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。2値化部は、静脈平滑化部によって静脈部分が平滑化された静脈画像を、設定された輝度レベルを基準として、2値レベルに変換する。ここで、仮に、静脈が平滑化される前の静脈画像を2値化対象の画像とした場合、実際には一本の静脈が、2値化によって2本の静脈として分離される確率が高くなる。したがって、静脈が平滑化された静脈画像を2値化対象とすることで、実際の静脈に近似する状態での2値化が可能となる。
【0075】
太線化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。太線化部は、2値化部によって2値化された静脈画像に対して、例えばダイレーションと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈画像に含まれる静脈を太線化する。この結果、本来連結された静脈箇所であるにもかかわらず途切れていた静脈箇所が連結される。
【0076】
細線化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。細線化部は、太線化部によって静脈部分が太線化された静脈画像に対して、例えばエロージョンと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈部分の静脈幅を一定とする。
【0077】
サムネイル画像生成部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。サムネイル画像生成部は、静脈幅が一定となった静脈部分と、背景部分とを2値で示す静脈画像を細線化部から取得し、この静脈画像から、縦横サイズをn分の1倍に圧縮した画像であるサムネイル画像を生成する。
【0078】
このようにして生体情報抽出部105は、静脈幅が一定とされる静脈部分と背景部分とを2値で示す画像を、静脈情報として抽出する。生体情報抽出部105は、抽出した静脈情報(細線化された静脈画像)を、後述するランレングスベクトル生成部107へと伝送する。また、生体情報抽出部105は、抽出された静脈情報およびサムネイル画像と、生体情報抽出部105が備える各処理部が生成した各種の情報とを、後述する特徴量抽出部115に伝送することが可能である。なお、生体情報抽出部105は、抽出した静脈情報およびサムネイル画像や、生体情報抽出部105が備える各処理部が生成した各種の情報を、後述する記憶部113に記録してもよい。
【0079】
ランレングスベクトル生成部107は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。ランレングスベクトル生成部107は、背景画素と輪郭画素とから構成された、生体に固有な情報である生体情報を表すバイナリ画像に対して、先に図3〜図5を参照しながら説明したランレングス符号化処理を行う。ここで、背景画素とは、バイナリ画像を構成する画素のうち、背景を表す画素値を有する画素のことであり、輪郭画素とは、バイナリ画像を構成する画素のうち、輪郭を表す画素値を有する画素のことである。ランレングスベクトル生成部107は、バイナリ画像である生体情報(細線化された静脈画像)に対してランレングス符号化処理を行うことで、背景画素に関するランレングスベクトル(背景ランレングスベクトル)についての情報を少なくとも生成する。また、ランレングスベクトル生成部107は、背景ランレングスベクトル情報とあわせて、輪郭画素に関するランレングスベクトル情報を生成してもよい。
【0080】
より詳細には、ランレングスベクトル生成部107は、まず、生体情報を表すバイナリ画像について、背景画素のみから構成される行または列の有無を判定する。その後、ランレングスベクトル生成部107は、判定結果に基づいて、バイナリ画像を表す画素の中から背景画素のみから構成される行および列が除去された領域である処理対象領域を選定する。続いて、ランレングスベクトル生成部107は、処理対象領域を画素単位で複数の行または列に区分し、複数の行または列を順に連結した一つのデータ配列に対して、先に説明したランレングス符号化処理を行う。
【0081】
ランレングスベクトル生成部107は、このようにして生成された背景ランレングスベクトル情報を、後述する認証部109に伝送する。また、ランレングスベクトル生成部107は、生成した背景ランレングスベクトル情報や輪郭画素に関するランレングスベクトル情報を、後述する記憶部113に記録してもよい。
【0082】
認証部109は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。認証部109は、予め登録されている背景ランレングスベクトル情報である登録背景ランレングスベクトル情報に基づいて、ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報の認証を行う。生成された背景ランレングスベクトル情報の認証を行うことで、この背景ランレングスベクトル情報に類似した登録背景ランレングスベクトル情報を抽出することができる。
【0083】
認証部109は、さらに、背景ランレングスベクトル情報に類似した登録背景ランレングスベクトル情報に関連付けられた登録バイナリ画像(すなわち、テンプレート)を用いて、生体情報抽出部105により抽出された静脈画像の認証を行う。また、認証部109は、登録バイナリ画像の認証に先立って、登録背景ランレングスベクトル情報とは異なる登録生体情報の認証を行ってもよい。登録背景ランレングスベクトル情報とは異なる登録生体情報の例として、例えば、サムネイル画像による認証や、特徴量情報による認証を挙げることができる。
【0084】
このように、認証部109は、背景ランレングスベクトル情報による認証を実行し、続いて、認証に伴う演算負荷が大きい認証処理を、順を追って段階的に実行していく。背景ランレングスベクトル情報による認証のような演算負荷の小さな認証処理を用いて、認証すべき登録生体情報の個数を絞り込んでいくことで、演算負荷の大きな認証処理をする必要のある登録生体情報の個数が削減可能である。その結果、生体認証処理全体に要する演算負荷を大幅に削減することが可能であり、ひいては、生体認証処理に要する処理時間を削減することができる。
【0085】
上述のような処理を行う認証部109は、例えば図10に示したように、ランレングスベクトル認証部121と、サムネイル認証123と、テンプレート認証部125と、を更に備える。また、認証部109は、特徴量認証部127を更に備えてもよい。
【0086】
ランレングスベクトル認証部121は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。ランレングスベクトル認証部121は、ランレングスベクトル生成部107から伝送された背景ランレングスベクトル情報について、登録背景ランレングスベクトル情報に基づいて認証処理を行う。この際、ランレングスベクトル認証部121は、登録背景ランレングスベクトル情報を、後述する記憶部113または情報処理装置10の外部に設けられた登録生体情報管理装置から取得し、背景ランレングスベクトル情報の認証を行う。
【0087】
より詳細には、ランレングスベクトル認証部121は、登録背景ランレングスベクトル情報および背景ランレングスベクトル情報について、どちらか一方のベクトル情報を固定し、他方のベクトル情報をシフトさせながら、類似度を算出する。
【0088】
例えば、図11に示したような2つの背景ランレングスベクトル情報を考える。ここで、情報Aが、登録背景ランレングスベクトル情報であり、情報Bが、生成した背景ランレングスベクトル情報であるとする。図11に示した2種類の情報の場合、ランレングスベクトル認証部121は、情報Bを1つずつ下方にシフトさせながら、情報Aとの類似度を算出する。
【0089】
ここで、ランレングスベクトル情報のシフト方向は、ランレングスベクトル情報を図11に示したようなグラフ図で表した場合における、要素に関する軸の方向である。例えば、比較の基準となる情報のn番目の要素と比較対象である情報のt番目の要素を比較した場合、ランレングスベクトル認証部121は、比較の基準となる情報のn番目の要素と比較対象である情報のt+1番目の要素とを比較する。
【0090】
ここで、ランレングスベクトル認証部121が算出する類似度としては、2つの画像のマッチングを行う際に利用される任意のマッチング方法を利用することができる。このようなマッチング方法として、例えば、相関を用いる方法や差分の総和を用いる方法がある。相関を用いる方法の一例としては、一次元相互相関法および位相限定相関法がある。また、差分の総和を用いる方法の一例としては、差分絶対値和(Sum of Absolute Difference:SAD)および差分自乗和(Sum of Squared Difference:SSD)がある。
【0091】
ランレングスベクトル認証部121は、相関を用いる方法を利用する場合には、算出した相関値が所定の閾値以上となった場合に、生成した背景ランレングスベクトル情報が登録背景ランレングスベクトル情報と類似していると判定し、認証に成功したと判定する。ランレングスベクトル認証部121は、差分の総和を用いる方法を利用する場合、算出した総和が所定の閾値以下となった場合に、生成した背景ランレングスベクトル情報が登録背景ランレングスベクトル情報と類似していると判定し、認証に成功したと判定する。
【0092】
図11に示した場合では、情報Bを4回下方にシフトさせた時点で、最も2つの背景ランレングスベクトル情報の類似度が高くなることがわかる。
【0093】
次に、背景ランレングスベクトル情報のシフト方法について、図12を参照しながら、詳細に説明する。
ランレングスベクトル認証部121は、まず、登録背景ランレングスベクトル情報および背景ランレングスベクトル情報について、どちらがランレングスベクトルのベクトル長が長いかを判定する。ここで、ランレングスベクトルのベクトル長は、ランレングスベクトル情報を構成する要素の個数を用いて表すことができる。
【0094】
次に、ランレングスベクトル認証部121は、例えば図12に示したように、ベクトル長が相対的に短いランレングスベクトル情報を図中のシフト方向にシフトさせながら、ベクトル長が相対的に長いランレングスベクトル情報との類似度を算出する。
【0095】
この際、ランレングスベクトル認証部121は、ベクトル長の短いものについて、所定の要素数だけ予めシフトさせておき、シフト後の要素と、ベクトル長の長いものとの類似度を算出する。ランレングスベクトル認証部121がシフトさせる要素数の最大値は、生体の一部の置き方等によって生じうる背景ランレングスベクトルの最大シフト量に設定する。この最大シフト量は、撮像部101により生成される画像の画像サイズや、テンプレートとして登録されている生体画像の画像サイズ等に応じて決定される。
【0096】
ここで、ランレングスベクトル生成部107により生成された背景ランレングスベクトル情報をIと表し、登録背景ランレングスベクトル情報をTと表すこととする。また、ランレングスベクトル情報の長さを、それぞれL,Lと表すこととし、LとLとの差|L−L|をlと表すこととする。また、任意のベクトルXのi番目の要素からj番目の要素までを切り取ったベクトルをXと表すこととし、相互相関、位相相関、SAD、SSD等に基づいて算出された一次元ベクトルX,Yのマッチング結果(類似度)をf(X,Y)と表すこととする。背景ランレングスベクトルの最大シフト量をlmaxと表すこととすると、ランレングスベクトル認証部121は、以下の式101または式102で表されるような複数のマッチング結果を算出する。
【0097】
【数1】

・・・(式101)
【0098】
【数2】


・・・(式102)
【0099】
ここで、上記式101は、LがLよりも大きい場合にランレングスベクトル認証部121が算出するマッチング結果であり、上記102は、LがLよりも大きい場合にランレングスベクトル認証部121が算出するマッチング結果である。
【0100】
ランレングスベクトル認証部121は、上記式101または式102で表された一つのマッチング結果f(I,T)またはf(T,I)を算出する毎に、所定の閾値との大小関係を判定して、2つのベクトルが類似しているかを判断してもよい。このような判定方法を用いると、マッチング結果fが所定の閾値との関係を満足した場合に、マッチング結果の算出を終了することができるため、認証時間の短縮を図ることが可能となる。ここで、マッチング結果fと所定の閾値との関係とは、マッチング方法が相関を利用した方法である場合には、所定の閾値以上となったかというものであり、マッチング方法が総和を利用した方法である場合には、所定の閾値以下となったかというものである。
【0101】
また、ランレングスベクトル認証部121は、全てのマッチング結果f(I,T)またはf(T,I)を算出し、算出した全てのマッチング結果の最大値または最小値を判定する。その後、検出した最大値または最小値と所定の閾値との大小関係を判定して、2つのベクトルが類似しているかを判断してもよい。すなわち、マッチング方法が相関を利用した方法である場合、ランレングスベクトル認証部121は、検出した最大値が所定の閾値以上となったかを判断してもよい。また、マッチング方法が総和を利用した方法である場合、ランレングスベクトル認証部121は、検出した最小値が所定の閾値以下となったかを判断してもよい。このような判定方法を用いると、ランレングスベクトル生成部107で生成された背景ランレングスベクトル情報のうち、登録背景ランレングスベクトル情報と最も類似度が高い部分を知ることができる。ランレングスベクトル認証部121は、この最も類似度が高い部分を特定するための情報(以下、最適領域情報と称する。)を後述するサムネイル認証部123、テンプレート認証部125、特徴量認証部127等に伝送することが好ましい。各認証部は、この最適領域情報で特定される部分について最初に認証処理を実行することで、一回の演算処理で認証に成功する可能性が高まることとなり、当該認証部における認証処理を効率よく実行することができる。
【0102】
なお、SADまたはSSDを用いて類似度を判定する場合、得られた総和をマッチングに用いたベクトル長で割って規格化したものを、算出した総和の換わりに用いても良い。規格化された総和を用いることで、より正確な類似度の比較を行うことができる。
【0103】
ランレングスベクトル認証部121は、生成された背景ランレングスベクトル情報に類似していると判定された登録背景ランレングスベクトル情報に関連づけられている識別情報を、後述するサムネイル認証部123、テンプレート認証部125、特徴量認証部127に伝送する。上記識別情報の一例として、互いに関連づけられている登録背景ランレングスベクトル情報、サムネイル、テンプレートおよび特徴量から構成されるグループに固有の識別番号を挙げることができる。また、ランレングスベクトル認証部121は、最適領域情報を特定した場合には、上記識別情報にあわせて最適領域情報を伝送する。また、生成された背景ランレングスベクトル情報の認証に失敗した場合には、ランレングスベクトル認証部121は、入力された生体情報の認証に失敗した旨を後述する表示制御部111に伝送する。
【0104】
なお、2つのランレングスベクトルのベクトル長が等しい場合には、どちらのランレングスベクトル情報をシフトさせてもよい。
【0105】
また、上述の説明では、図12に示したように、ベクトル長の短い背景ランレングスベクトル情報を一つの方向にシフトさせる場合について説明したが、この例に限定されるわけではない。すなわち、例えば図13に示したように、ベクトル長の短い背景ランレングスベクトル情報を、2つの方向に交互にシフトさせて類似度を算出するようにしてもよい。
【0106】
再び図10に戻って、サムネイル認証部123について説明する。
サムネイル認証部123は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。サムネイル認証部123は、生体情報抽出部105から伝送された静脈画像のサムネイルについて、予め登録されているサムネイルに関する情報である登録サムネイル情報に基づいて認証処理を行う。この際、サムネイル認証部123は、登録サムネイル情報を、後述する記憶部113または情報処理装置10の外部に設けられた登録生体情報管理装置から取得し、サムネイルの認証を行う。
【0107】
ここで、サムネイル認証部123は、ランレングスベクトル認証部121から伝送された識別情報に基づいて、認証に成功した登録背景ランレングスベクトル情報に関連付けられているサムネイルを、記憶部113または登録生体情報管理装置から取得する。
【0108】
サムネイル認証部123は、生体情報抽出部105により抽出されたサムネイルと登録サムネイル情報との類似度(例えば、相互相関値)を算出し、算出した類似度が所定の閾値以上であった場合に、認証に成功したと判断する。サムネイル認証部123は、認証に成功した登録サムネイル情報に関連づけられている識別情報を、後述するテンプレート認証部125に伝送する。また、サムネイルの認証に失敗した場合には、サムネイル認証部123は、入力された生体情報の認証に失敗した旨を後述する表示制御部111に伝送する。
【0109】
テンプレート認証部125は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。テンプレート認証部125は、生体情報抽出部105から伝送された静脈画像(細線化された静脈画像)について、予め登録されているテンプレートに基づいて認証処理を行う。この際、テンプレート認証部125は、上記テンプレートを、後述する記憶部113または情報処理装置10の外部に設けられた登録生体情報管理装置から取得し、テンプレートの認証を行う。
【0110】
ここで、テンプレート認証部125は、サムネイル認証部123から伝送された識別情報に基づいて、認証に成功した登録サムネイル情報に関連付けられているテンプレートを、記憶部113または登録生体情報管理装置から取得する。
【0111】
テンプレート認証部125は、生体情報抽出部105により抽出された生体情報(細線化された静脈画像)とテンプレートとの類似度(例えば、相互相関値)を算出し、算出した類似度が所定の閾値以上であった場合に、認証に成功したと判断する。その後、テンプレート認証部125は、入力された生体情報の認証に成功した旨を表す認証結果情報を、後述する表示制御部111に伝送する。また、細線化した静脈画像の認証に失敗した場合には、テンプレート認証部125は、入力された生体情報の認証に失敗した旨を表示制御部111に伝送する。
【0112】
特徴量認証部127は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。特徴量認証部127は、前述したサムネイル認証の換わりに、後述する特徴量抽出部115から伝送された特徴量情報について、予め登録されている特徴量情報である登録特徴量情報に基づいて認証処理を行う。この際、特徴量認証部127は、登録特徴量情報を、後述する記憶部113または情報処理装置10の外部に設けられた登録生体情報管理装置から取得し、特徴量情報の認証を行う。
【0113】
ここで、特徴量認証部127は、ランレングスベクトル認証部121から伝送された識別情報に基づいて、認証に成功した登録ランレングスベクトル情報に関連付けられている特徴量情報を、記憶部113または登録生体情報管理装置から取得する。
【0114】
特徴量認証部127は、特徴量抽出部115により抽出された特徴量情報と登録特徴量情報との類似度(例えば、相互相関値)を算出し、算出した類似度が所定の閾値以上であった場合に、認証に成功したと判断する。特徴量認証部127は、認証に成功した登録特徴量情報に関連づけられている識別情報を、テンプレート認証部125に伝送する。また、特徴量情報の認証に失敗した場合には、特徴量認証部127は、入力された生体情報の認証に失敗した旨を後述する表示制御部111に伝送する。
【0115】
なお、特徴量認証部127は、認証に成功した登録特徴量情報に関連づけられている識別情報をサムネイル認証部123に伝送してもよい。識別情報をサムネイル認証部123に伝送することで、本実施形態に係る認証部109は、ランレングスベクトル情報、特徴量情報、サムネイルおよびテンプレートと、4段階の認証処理によって生体情報の認証を行うことができる。
【0116】
再び図9に戻って、表示制御部111について説明する。
表示制御部111は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。表示制御部111は、情報処理装置10が備える表示部(図示せず。)が表示する表示内容の表示制御を行う。より詳細には、表示制御部111は、認証部109や認証部109が備える各認証部から伝送された要請に応じて、表示部(図示せず。)に、生体情報の入力を行ったユーザの認証結果を表示させる。また、表示制御部111は、撮像制御部103から伝送された要請に応じて、表示部(図示せず。)に、生体の一部を撮像する際にユーザに提示すべき各種のメッセージを表示させる。
【0117】
記憶部113には、本実施形態に係る情報処理装置10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベース等が、適宜記録される。この記憶部113は、撮像部101、撮像制御部103、生体情報抽出部105、ランレングスベクトル生成部107、認証部109、表示制御部111、特徴量抽出部115等が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0118】
また、記憶部113には、登録背景ランレングスベクトル情報、サムネイル、テンプレートおよび特徴量から構成されるグループが、各グループに固有な識別情報が関連づけられた上で格納されていてもよい。
【0119】
特徴量抽出部115は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。特徴量抽出部115は、生体情報抽出部105から伝送された静脈情報や、各種の情報に基づいて、ユーザの静脈パターンに固有な特徴量に関する情報である特徴量情報を抽出する。ユーザの静脈パターンに固有な特徴量として、例えば、体の一部(例えば指等)の輪郭に関する情報や、静脈画像の輝度分布に関する情報や、静脈画像の血管量に関する情報等がある。この特徴量抽出部115は、例えば、輪郭形状抽出部、度数分布抽出部、血管量抽出部等を更に有する。
【0120】
輪郭形状抽出部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。輪郭形状抽出部は、ノイズ成分の除去段階で生成される静脈画像を用いて、体の一部(例えば、指等)の輪郭形状を表す情報を抽出する。
【0121】
この抽出手法の具体的な一例を説明する。輪郭形状抽出部は、マスク画像生成部からマスク画像を取得し、取得したマスク画像から、指輪郭(指枠を構成する画素)の一部を含む特定領域を切り出す。
【0122】
その後、輪郭形状抽出部は、特定領域を、縦横サイズがn分の1倍となるように圧縮し、圧縮された特定領域に含まれる指輪郭(指枠を構成する画素)の位置を、特定領域での基準(例えば、左端)からの距離を示す座標値(x座標値)として抽出する。
【0123】
度数分布抽出部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。度数分布抽出部は、ノイズ成分の除去段階で生成される静脈画像を用いて、指などの体の一部の輪郭に囲まれる生体領域の度数分布を表す情報を抽出する。
【0124】
この抽出手法の具体的な一例を説明する。度数分布抽出部は、画像平滑化部から、平滑化された静脈画像を取得するとともに、マスク画像生成部からマスク画像を取得する。
【0125】
そして度数分布抽出部は、平滑化された静脈画像から、マスク画像を用いて体の部分に該当する領域(例えば指領域)を認識し、体の部分に該当する領域から、設定された輝度階級ごとの画素数を抽出する。
【0126】
血管量抽出部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。血管量抽出部は、2値画像における静脈の太線化段階で生成される静脈画像を用いて、指等の体の一部の輪郭に囲まれる領域内の静脈量を表す情報を抽出する。この抽出手法の具体的な一例を説明する。血管量抽出部は、静脈が太線化された2値の静脈画像を太線化部から取得し、静脈画像から、静脈を構成する画素の数(血管量)を表す情報を抽出する。
【0127】
特徴量抽出部115は、輪郭形状を表す情報、度数分布を表す情報、および血管量を表す情報を、認証部109に伝送することが可能である。また、特徴量抽出部115は、輪郭形状を表す情報、度数分布を表す情報、および血管量を表す情報を、記憶部113に記録してもよい。
【0128】
<認証部の変形例について>
続いて、図14〜図15Bを参照しながら、本実施形態に係る認証部の変形例について詳細に説明する。図14〜図15Bは、本実施形態に係る認証部の変形例について説明するための説明図である。
【0129】
先の説明では、認証部109が情報処理装置10内に設けられる場合について説明したが、本実施形態に係る認証部は、情報処理装置10内に設けられなくても良い。
【0130】
例えば図14に示したように、情報処理装置10の生体情報抽出部105により抽出された生体情報およびランレングスベクトル生成部107により生成されたランレングスベクトル情報は、認証装置Aに伝送される。認証装置Aには、本実施形態に係るランレングスベクトル認証部121が設けられており、認証装置Aでは、ランレングスベクトル情報の認証処理が実施される。
【0131】
認証装置Aにおける認証に成功した登録背景ランレングスベクトル情報に関連づけられている識別情報は、認証装置Bに伝送される。認証装置Bには、本実施形態に係るサムネイル認証部123が設けられており、認証装置Bでは、サムネイルの認証処理が実施される。
【0132】
認証装置Bにおける認証に成功した登録サムネイル情報に関連づけられている識別情報は、認証装置Cに伝送される。認証装置Cには、本実施形態に係るテンプレート認証部125が設けられており、認証装置Cでは、テンプレートの認証処理が実施される。その後、認証装置Cで行われた認証処理の認証結果に関する情報が、情報処理装置10に伝送されることとなる。
【0133】
また、図14に示した例では、認証装置A、認証装置Bおよび認証装置Cがそれぞれ1台ずつ存在する場合について説明したが、これらの認証装置A〜認証装置Cは、例えば図15Aおよび図15Bに示したように、それぞれ複数台存在してもよい。
【0134】
例えば図15Aに示した例のように、複数台の認証装置Aが第1階層に属する認証装置として存在しており、複数台の認証装置Bが第2階層に属する認証装置として存在しており、複数台の認証装置Cが第3階層に属する認証装置として存在している。また、第1階層と第2階層との間、および、第2階層および第3階層との間には、待ち行列が設けられている。第1階層を通過した認証情報は、第1階層および第2階層の間に設けられた待ち行列の末尾に入力され、第2階層に属する認証装置Bは、待ち行列の先頭から識別情報を順に取得して、認証装置Bにおける認証処理を実行する。同様に、第2階層を通過した認証情報は、第2階層および第3階層の間に設けられた待ち行列の末尾に入力され、第3階層に属する認証装置Cは、待ち行列の先頭から識別情報を順に取得して、認証装置Cにおける認証処理を実行する。
【0135】
また、図15Aに示した例のように階層間に待ち行列を設けるかわりに、例えば図15Bに示した例のように、認証装置A、認証装置Bおよび認証装置Cから構成されるスレッドが複数存在していてもよい。
【0136】
図15Aおよび図15Bに示した複数の認証装置A〜認証装置Cを備える生体認証システムでは、一つの生体情報を複数台の認証装置で認証することが可能となるため、認証処理の高速化を図ることができる。
【0137】
また、情報処理装置10は、図15Aおよび図15Bに示した認証装置Aに伝送する生体情報の伝送制御を行うことで、図15Aおよび図15Bに示したような生体認証システムにおいて、複数の生体情報を同時に認証することも可能である。
【0138】
以上、本実施形態に係る認証部の変形例について説明した。
なお、本実施形態に係る情報処理装置10のユーザは、本実施形態に係る情報処理装置10の生体情報抽出部105、ランレングスベクトル生成部107、特徴量抽出部115と同様の機能を有する装置を用いて、予め、各種の生体情報を登録可能である。
【0139】
以上、本実施形態に係る情報処理装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0140】
なお、上述のような本実施形態に係る情報処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0141】
<情報処理方法について>
続いて、図16を参照しながら、本実施形態に係る情報処理方法について、詳細に説明する。図16は、本実施形態に係る情報処理方法を説明するための流れ図である。
【0142】
本実施形態に係る情報処理装置10で実行される情報処理方法では、まず、指などの生体の一部を、撮像制御部103によって制御された撮像部101が撮像し、生体撮像データが生成される。続いて、生体情報抽出部105は、生体撮像データから細線化されたバイナリ画像である静脈画像を生成し(ステップS101)、生成した静脈画像をランレングスベクトル生成部107および認証部109に伝送する。また、生体情報抽出部105は、細線化された静脈画像の生成とあわせて、この静脈画像のサムネイル等も生成し、認証部109に伝送する。
【0143】
続いて、ランレングスベクトル生成部107は、細線化された静脈画像について、背景ランレングスベクトル情報を生成し(ステップS103)、認証部109に伝送する。
【0144】
次に、認証部109内に設けられたランレングスベクトル認証部121は、伝送された背景ランレングスベクトル情報を、予め登録されている登録背景ランレングスベクトル情報に基づいて認証する(ステップS105)。
【0145】
背景ランレングスベクトル情報の認証に成功した場合には、認証部109は、伝送されたサムネイル等の異なる生体情報を、登録背景ランレングスベクトル情報とは異なる登録生体情報に基づいて認証する(ステップS109)。認証部109に設けられた他の認証部は、異なる生体情報を認証する際に、背景ランレングスベクトル情報の認証に成功した登録背景ランレングスベクトル情報に付加された識別情報に基づいて、異なる登録生体情報を取得する。そのため、本実施形態に係る認証部109は、照合すべき生体情報の個数の削減を図ることが可能となるため、認証処理に要する時間の削減を図ることができる。また、背景ランレングスベクトル情報の認証に失敗した場合には、認証部109は、認証に失敗した旨を表示制御部111に伝送して、認証処理を終了する。
【0146】
このように、本実施形態に係る情報処理方法では、1対N認証において認証候補として用いられる登録データの個数を演算負荷の比較的少ない方法を用いて容易に絞りこむことが可能である。
【0147】
<背景ランレングスベクトル情報の認証におけるパラメータの設定について>
次に、背景ランレングスベクトル情報の認証におけるパラメータの設定について、例を挙げて説明する。本実施形態に係る情報処理方法では、情報処理方法を実行する情報処理装置におけるシステム要求に応じて、背景ランレングスベクトル情報の認証におけるパラメータを適宜変更することが可能である。
【0148】
160×60ピクセルのバイナリ画像(細線化された静脈画像)について、本人拒否率(False Rejection Rate:FRR)と、他人受け入れ率(False Acceptance Rate:FAR)と、を測定した。この大きさのバイナリ画像の場合、背景ランレングスベクトルの長さは、平均的に350〜450要素となる。また、生体の一部(指)を置く位置に応じて生じるばらつきの影響を削除するためには、式101または式102において、lmaxを20〜25に設定すると、最適な結果が得られることがわかった。
【0149】
しかしながら、lmaxの大きさを例えば25とすると、SADを用いた場合、約1万回(25×400回)の引き算が必要となり、認証の精度は良くなるものの、多くの演算が必要となって、処理に時間がかかってしまう。
【0150】
ここで、背景ランレングスベクトル情報をダウンサンプリングし、ダウンサンプリングした分lmaxの値も下げることによって、ダウンサンプリング係数の二乗倍早い計算が実現可能となる。例えば、ダウンサンプリング計数を5とすると、背景ランレングスベクトル情報の長さが80程度となり、lmax=5に設定すればよいことが分かる。これによって、引き算回数を400(80×5)まで減少させ、計算時間を25分の1にまで低下させることができる。
【0151】
以下では、30本の指データを用いた実験を実施した。各指について3個ずつ登録データを登録し、また、各指を3回ずつ入力して認証を行った。ここで、任意の入力指に対して対応する3本の登録データのいずれかに認証されればFRRが起きないとし、残り87本の指のうち何本と認証が取れなかったのかを計算した。ちなみに、この本数が多いほど提案手法の精度が高いといえる。
【0152】
maxの値を1から5から100まで変化させながら、最も適した値を選定した。以下の表1では、lmaxの各値に対するFRR、FARの値を示した。ちなみに、本実施形態に係るランレングスベクトルの認証手法はメタデータ認証の一種であるため、あくまでも本認証の前段階の処理であり、FRRが0であること、および、FARがある程度大きくても構わないことが条件になる。
【0153】
【表1】

【0154】
表1より、lmaxの値を20に設定することで、FRRおよびFARが最小となることがわかる。この最適なlmaxの値は、バイナリ画像のデータの大きさによって変動するものであるが、平均長さが大体400程度である今回のデータに対して、おおよそ5%(lmax=20)ぐらいのばらつきが指の置く位置の変動によって生じているといえる。
【0155】
また、背景ランレングスベクトル情報を複数のダウンサンプリング係数によってダウンサンプリングし、それに合わせて上記lmaxを調整して同様の実験を繰り返した。その結果を、以下の表2に示す。なお、ダウンサンプリング係数=1の場合におけるlmaxの設定値は20とした。
【0156】
【表2】

【0157】
表2から明らかなように、ダウンサンプリング係数を大きくすると、演算時間の短縮を図ることは可能となるが、FARの値も増加することがわかる。従って、システムの要求にあわせてlmaxやダウンサンプリング係数を設定することにより、演算時間と精度の均衡を保つことが可能となることがわかった。なお、本実験例では、ダウンサンプリング係数を5と設定することで、演算時間と精度の均衡が維持できることがわかった。
【0158】
(ハードウェア構成について)
次に、図17を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成について、詳細に説明する。図17は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0159】
情報処理装置10は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置10は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
【0160】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置10内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
【0161】
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0162】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、情報処理装置10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置10のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0163】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、情報処理装置10が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置10が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0164】
ストレージ装置919は、情報処理装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種データなどを格納する。
【0165】
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、メモリースティック、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
【0166】
接続ポート923は、機器を情報処理装置10に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、i.Link等のIEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置10は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に各種のデータを提供したりする。
【0167】
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
【0168】
以上、本発明の実施形態に係る情報処理装置10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0169】
(まとめ)
以上説明したように、背景ランレングスベクトル情報という、符号化された生体情報そのものを利用することで、1対N認証において認証候補として用いられる登録データの個数を演算負荷の比較的少ない方法を用いて容易に絞りこむことが可能となる。背景ランレングスベクトル情報の生成処理は、非常に高速処理(マイクロセカンド程度)であるため、1対N認証処理全体にほとんど影響をしない。また、認証のため行うマッチングの際、入力画像の背景ランレングスベクトル情報と登録画像の背景ランレングスベクトル情報のどちらも復号化する必要がない。その結果、入力画像の背景ランレングスベクトル情報を作成後、登録データベースから何らかの順番で登録画像それぞれの背景ランレングスベクトル情報を読み取り、ベクトル同士のマッチングを行うだけで、生体情報の一次認証を行うことができる。
【0170】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0171】
10 情報処理装置
20,30,40 認証装置
101 撮像部
103 撮像制御部
105 生体情報抽出部
107 ランレングスベクトル生成部
109 認証部
111 表示制御部
113 記憶部
115 特徴量抽出部
121 ランレングスベクトル認証部
123 サムネイル認証部
125 テンプレート認証部
127 特徴量認証部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景を表す画素値を有する画素である背景画素と、輪郭を表す画素値を有する画素である輪郭画素とから構成された、生体に固有な情報である生体情報を表すバイナリ画像に対してランレングス符号化処理を行い、前記生体情報を表すバイナリ画像中の前記背景画素の連続数を表す情報である背景ランレングスベクトル情報を生成するランレングスベクトル生成部と、
予め登録されている背景ランレングスベクトル情報である登録背景ランレングスベクトル情報に基づいて、前記ランレングスベクトル生成部により生成された前記背景ランレングスベクトル情報の認証を行う認証部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記認証部は、前記登録背景ランレングスベクトル情報および前記ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報のうちベクトル長の短いものをシフトさせながら、前記登録背景ランレングスベクトル情報および前記ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報のうちベクトル長の長いものとの類似度を算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記認証部は、
前記登録背景ランレングスベクトル情報および前記ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報のうちベクトル長の短いものを構成する要素について、所定の要素数だけ予めシフトさせておき、
シフト後の要素と、前記登録背景ランレングスベクトル情報および前記ランレングスベクトル生成部により生成された背景ランレングスベクトル情報のうちベクトル長の長いものを構成する要素との類似度を算出する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ランレングスベクトル生成部は、
前記生体情報を表すバイナリ画像について、前記背景画素のみから構成される行または列の有無を判定して、前記バイナリ画像を表す画素の中から前記背景画素のみから構成される行および列が除去された領域である処理対象領域を選定し、
選定された前記処理対象領域に対してランレングス符号化処理を行う、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ランレングスベクトル生成部は、前記処理対象領域を画素単位で複数の行または列に区分し、前記複数の行または列を順に連結した一つのデータ配列に対して、前記ランレングス符号化処理を行う、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記登録背景ランレングスベクトル情報には、当該登録背景ランレングスベクトル情報に対応する前記生体情報を表すバイナリ画像が予め関連付けられており、
前記認証部は、入力された前記生体情報を表すバイナリ画像から生成された前記背景ランレングスベクトル情報と類似している前記登録背景ランレングスベクトル情報に関連付けられている前記バイナリ画像に基づいて、前記入力された生体情報を表すバイナリ画像の認証を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記登録背景ランレングスベクトル情報には、当該登録背景ランレングスベクトル情報とは異なる登録生体情報が更に関連付けられており、
前記認証部は、前記バイナリ画像に基づく認証に先立ち、前記登録生体情報に基づく認証を行う、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記輪郭画素から構成される輪郭を表す曲線は、略同一の幅を有する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記バイナリ画像は、生体内に存在する静脈に関するバイナリ画像である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
背景を表す画素値を有する画素である背景画素と、輪郭を表す画素値を有する画素である輪郭画素とから構成された、生体に固有な情報である生体情報を表すバイナリ画像に対してランレングス符号化処理を行い、前記生体情報を表すバイナリ画像中の前記背景画素の連続数を表す情報である背景ランレングスベクトル情報を生成するステップと、
予め登録されている背景ランレングスベクトル情報に基づいて、入力された前記生体情報を表すバイナリ画像から生成された前記背景ランレングスベクトル情報の認証を行うステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
背景を表す画素値を有する画素である背景画素と、輪郭を表す画素値を有する画素である輪郭画素とから構成された、生体に固有な情報である生体情報を表すバイナリ画像に対してランレングス符号化処理を行い、前記生体情報を表すバイナリ画像中の前記背景画素の連続数を表す情報である背景ランレングスベクトル情報を生成するランレングスベクトル生成機能と、
予め登録されている背景ランレングスベクトル情報に基づいて、前記ランレングスベクトル生成機能により生成された前記背景ランレングスベクトル情報の認証を行う認証機能と、
を実現させるためのプログラム。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−277196(P2010−277196A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126948(P2009−126948)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】