説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、記憶媒体及びプログラム

【課題】セキュリティの低下を抑制しつつ、ユーザに対する利便性を向上させること。
【解決手段】操作画面を表示する表示手段と、ユーザの操作を受付ける受付手段と、受付手段によってユーザの操作を受付けない状態で、所定時間が経過した場合に、操作画面を所定の状態に変更する表示制御手段と、ユーザの生体情報を取得する取得手段とを有し、表示制御手段は、所定時間内に、取得手段によって所定時間の計時前に最後に受付手段によって操作を受付けたユーザの生体情報が取得された場合に、受付手段によってユーザの操作を受付けない状態で所定時間が経過しても、操作画面を所定の状態に変更しないよう制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、記憶媒体及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置の一例である画像処理装置には、ユーザの認証を行うことによって使用者や使用機能を制限するものがある。これらの画像処理装置は、例えば、使用者を制限するために、使用権限を有するユーザのユーザIDを予め登録しておく。そして、ユーザIDの入力を受付け、入力されたユーザIDが予め登録されているユーザIDと一致する場合に、当該ユーザの画像処理装置へのログインを許可する。このような画像処理装置は、ユーザのログインを許可した後、ユーザがログアウトするまでは、ユーザから受付けた設定を保持し、保持された設定に従った設定画面を表示し続ける。そして、ユーザが画像処理装置からログアウトした場合に、それまで保持していた設定を破棄し、ユーザが再度ログインした場合には初期画面を表示する。ログアウトの方法としては、ユーザからログアウトの要求があった場合、又は、所定の時間、ユーザからの操作がなかった場合に、当該ユーザを画像処理装置からログアウトするものがある。
【0003】
しかし、上述のようなログアウトの方法では、ユーザがログアウトの要求をし忘れた場合や、ログアウトされる前の所定の時間内であれば、使用権限を持たない他のユーザが画像処理装置を使用できてしまう。そのため、セキュリティが低下する。そこで、赤外線センサにより、装置の前に存在するユーザの存在を検知する技術が知られている(特許文献1参照)。当該特許文献1では、人体センサを用いてユーザが装置の近辺に存在するか否かを検知し、存在を検知しなくなった時点で、装置をオフモード又はサスペンドモードと呼ばれる低消費電力状態に移行させる。
【特許文献1】特開平10−207584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の方法では以下に記載する問題がある。例えば、ユーザが人体センサによって存在を検知できない場所まで離れた後、すぐに戻ってきた場合に、再度、設定をやり直す必要がある。このように、従来の方法では、セキュリティの低下を防ぐ一方で、ユーザに対する利便性が損なわれていた。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、セキュリティの低下を抑制しつつ、ユーザに対する利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、情報処理装置として実現できる。情報処理装置は、操作画面を表示する表示手段と、ユーザの操作を受付ける受付手段と、受付手段によってユーザの操作を受付けない状態で、所定時間が経過した場合に、操作画面を所定の状態に変更する表示制御手段と、ユーザの生体情報を取得する取得手段とを有し、表示制御手段は、所定時間の内に、取得手段によって所定時間の計時前に最後に受付手段によって操作を受付けたユーザの生体情報が取得された場合に、受付手段によってユーザの操作を受付けない状態で所定時間が経過しても、操作画面を所定の状態に変更しないよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、例えば、セキュリティの低下を抑制しつつ、ユーザに対する利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0009】
<第1の実施形態>
以下では、図1乃至図8を参照して、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置の一例である画像処理装置100の構成を示すブロック図である。以下で説明する画像処理装置100は、主に本発明を説明する上で必要となるブロックを含んで構成される。しかし、本発明に係る画像処理装置は、この構成に限定されず、他のブロックを含んで構成されてもよい。
【0010】
画像処理装置100は、CPU101、ROM102、RAM103、データバス104、プリンタ制御部105、プリンタデバイス106、スキャナ制御部107及びスキャナデバイス108を備える。また、画像処理装置100は、インタフェース制御部109、NIC110、モデム111、ストレージ制御部112、ストレージ113、操作部118、認証制御部119、カード認証デバイス120及び顔情報取得デバイス121を備える。さらに、画像処理装置100は、センサ制御部122及び人体検知センサ123を備える。
【0011】
CPU101は、画像処理装置100全体を制御するための中央処理装置である。CPU101は、ROM102に格納されているブートプログラムによりOS(Operating System)を起動する。このOS上で大容量のストレージ113に記憶されているコントローラプログラムや各種アプリケーションプログラムを実行させる。また、CPU101は、内部バスであるデータバス104によって各ブロックと接続されている。
【0012】
RAM103は、CPU101の主メモリやワークエリア等の一時記憶領域として動作する。さらに、画像処理の一時記憶領域としても使用される。
【0013】
プリンタ制御部105は、画像データに従った画像を、給紙されたシートに印刷するために、プリンタデバイス106を制御する。プリンタデバイス106は、プリンタ制御部105の制御に従って、シート上に画像を印刷する。プリンタデバイス106は、電子写真方式やインクジェット方式等で実装される。
【0014】
スキャナ制御部107は、スキャナデバイス108を制御して画像データを取得する。スキャナデバイス108は、CCDなどの光学読み取り装置を備え、原稿上の画像情報を電気信号データに変換する。
【0015】
インタフェース制御部109は、NIC(Network Interface Card)110のネットワークI/Fを制御して、LANなどのネットワークに対して、画像データなどのデータの送受信を行う。また、インタフェース制御部109は、モデム111を制御して、電話回線に対してデータの送受信を行う。
【0016】
ストレージ制御部112は、ストレージ113を制御する。ストレージ113は、HDD等の読み出し/書き込みが可能な記憶装置である。ストレージ113には、システム全体を制御するためのコントロールプログラムや各アプリケーションプログラム、スキャンされた画像データなどのデータが保存される。さらに、ストレージ113は、蓄積された画像データを不図示の他のリモート機器からでも使用できるようにNIC110によりネットワーク124を介して共有化される。
【0017】
操作部118は、入力制御部114、入力デバイス115、表示制御部116及び表示デバイス117(表示部ともいう。)を備える。入力制御部114は、タッチパネルやハードキーといった入力デバイス115を備え、ユーザ(操作者)の操作指示を入力する。表示制御部116は、LCDやCRTなどの表示デバイス117を制御して、操作画面をユーザに対して表示する。
【0018】
認証制御部119は、カード認証デバイス120、及び、顔情報(顔画像データ)を取得する顔情報取得デバイス121を制御する。カード認証デバイス120は、ユーザの情報が記録されたIDカードを読み取り、読み取った情報を電気信号データに変換してCPU101に送信する。なお、本実施形態では、IDカードは無線通信部を備えており、当該カード認証デバイス120は、無線でIDカードとデータを送受するものとして説明する。なお、カード認証デバイス120は、IDカードを挿入することができるように構成されており、挿入されたIDカードからデータを送受するものとしてもよい。顔情報取得デバイス121は、カメラ等で構成され、ユーザの顔を撮影し、個人を特定するための顔情報を取得し、顔画像データに変換する。これらの変換されたデータは、ユーザ認証等に用いられる。
【0019】
センサ制御部122は、人体検知センサ123を制御する。人体検知センサ123は、赤外線等を用いて画像処理装置100の前に人物がいることを検知するセンサである。
【0020】
次に、図2及び図3を参照して、ユーザ認証時の操作画面について説明する。図2及び図3は、第1の実施形態に係る画像処理装置100の操作画面の一例を示す図であり、CPU101からの指示によって、表示制御部116が表示制御する。ユーザは、画像処理装置100を利用する際に、図2又は図3の画面を介して、画像処理装置100に認証処理を行わせ、画像処理装置100にログインする。図2や図3に示す画面は、画像処理装置100の起動時や、ユーザからログイン要求を受けたとき、又は画像処理装置100にログインしているユーザがいないときに、表示制御部116によって表示されるものである。
【0021】
図2の画面201は、ROM102に格納された認証アプリケーションがCPU101によって実行されることによって表示される。画面201には、フィールド202、203に示されるように、ユーザに対してIDカードの読み込みを促す。図2の画面201が、表示デバイス117に表示された状態で、IDカードが近づけられると、認証制御部119は、カード認証デバイス120を介して、IDカードからユーザIDとパスワードを読取る。そして、認証制御部119は予めストレージ113に格納されているユーザID及びパスワードと比較することによって、ユーザの認証を行い、ユーザの認証に成功した場合にユーザの画像処理装置100へのログインを許可する。
【0022】
また、図3の画面301は、ユーザのログイン認証を行うための入力画面を示す。図3の画面が表示された状態で、ユーザは、操作部118が備えるソフトウェアキーボード401(図4参照)を介して、ユーザIDとパスワードを入力する。ユーザによって、ユーザIDとパスワードが入力されると、表示制御部116は、フィールド303にユーザIDを表示し、フィールド304にパスワードを表示する。
【0023】
図4は、ソフトウェアキーボード401の一例を示す図であり、図3に示すフィールド303や304が押されたときに、表示制御部116によって表示される。ユーザは、ソフトウェアキーボード401のキー群403を操作して、パスワードを入力する。ユーザがパスワードを入力すると、表示制御部118は、ソフトウェアキーボード401上の入力文字列表示ラベル402に、入力した文字数に応じた“*”を表示する。それによって、入力内容がマスクされる。キャンセルボタン404は、入力した内容をキャンセルするボタンである。OKボタン405は、入力した内容を確定するボタンである。OKボタン405が押されると、表示制御部118は、ソフトウェアキーボード401の表示をやめ、図3に示す画面を表示する。このとき図3のフィールド304には、ソフトウェアキーボード401によって入力されたパスワードが“*”の状態で表示される。
【0024】
そして、図3に示すように、ユーザによってユーザIDと、ユーザIDに対応するパスワードが入力された状態で、OKボタン305が押下されると、認証制御部119は、ユーザの認証を行う。ユーザの認証に成功した場合に、認証制御部119は、ユーザの画像処理装置100へのログインを許可する。また、認証が成功すると、CPU101は、ユーザから画像処理装置100を操作するための画面を表示制御部116に表示させ、当該ユーザに対して画像処理装置100の使用を許可する。即ち、CPU101は、認証が成功すると、ユーザを当該画像処理装置100にログインした状態とする。
【0025】
次に、図5を参照して、本実施形態に係るCPU101の制御について説明する。図5は、CPU101の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU101がROM102に記憶されているプログラムをRAM103にロードしてそのプログラムを実行することによって行われる。
【0026】
ステップS501において、CPU101は、認証制御部119によって、図2又は図3を用いて説明したユーザ認証を行う。図2でIDカードからユーザID及びパスワードを取得した場合、又は図3でOKボタン305が押された場合に、CPU101は、S502に処理を進める。
【0027】
ステップS502において、CPU101は、S501で取得したユーザID又はパスワードに基づいて、ユーザが予め登録されているユーザであるか否かを判定する。ここで、予め登録されているユーザでなければ、CPU101は、表示制御部116によって、表示デバイス117に「登録ユーザではありません」等のメッセージを表示させ、処理を終了する。一方、予め登録されているユーザであれば、CPU101は、ステップS503において、CPU101は、顔情報取得デバイス121を用いてユーザの顔情報1を取得し、顔の特徴点データの抽出を行う。なお、CPU101は、S501で、顔情報取得デバイス121を用いて、ユーザの認証行ってもよい。その場合、CPU101は、顔情報取得デバイス121を用いて撮影したユーザの顔情報が、ストレージ113に予め登録されているか否かを判定する。CPU101は、ユーザの顔情報が、ストレージ113に予め登録されていると判定した場合に、ユーザのログインを許可する。このようにユーザの顔情報を用いてユーザの認証を行っている場合には、S503で、改めてユーザの顔情報を取得する必要はないため、S503の処理をスキップするとよい。S503の詳細な説明については、図6を用いて後述する。
【0028】
次に、ステップS504において、CPU101は、不在カウンタをリセット(0で初期化)する。不在カウンタとは、ユーザが装置の前に存在しない場合、及び、操作部118からの入力が検知されていない期間を計時するためのカウンタである。ステップS505において、CPU101は、ユーザが操作中であるか否かを判定する。ここで、操作中であれば、CPU101は、処理をステップS504に戻す。一方、操作中でなければ、CPU101は、処理をステップS506に移行する。操作中であるか否かの判定は、例えば、入力デバイス115からのユーザの入力を、入力制御部114で検出しているか否かを判定することによって行われる。
【0029】
次に、ステップS506において、CPU101は、人体検知センサ123からの入力の有無をセンサ制御部122で判断し、ユーザが画像処理装置100の前に存在するか否かを判定する。人体検知については、顔情報取得デバイス121から得られた撮影データに基づいて、その画像中に人物が写っているか否かを認証制御部119で判定することにより実現されてもよい。ユーザの存在が検出された場合、CPU101は、ステップS507に処理を進める。一方、検出されなかった場合、CPU101は、ステップS509に処理を進める。ユーザの存在が検出された場合、ステップS507において、CPU101は、顔情報取得デバイス121によって顔情報2を取得し、顔の特徴点データの抽出を行う。
【0030】
次に、ステップS508において、CPU101は、ステップS503とステップS507で得られた顔情報1、2の特徴点データを比較する。特徴点データの比較は、RAM103に格納された顔情報1、2の特徴点データを用いて行われる。当該比較結果が予め定められた条件を満たし、類似していると判断された場合には、CPU101は、現在ログイン中のユーザと同一であると判断し、処理をステップS504に戻す。一方、当該比較結果が予め定められた条件を満たしていない場合は、現在ログイン中のユーザと別のユーザであると判断し、ステップS511においてログアウト処理を実行する。ログアウト処理を実行する場合、CPU101は、それまでにユーザから受付けて、RAM103やストレージ113などに保持していた設定情報を破棄し、RAM103やストレージ113内のメモリ領域を解放する。次回、同じユーザが画像処理装置100にログインした場合には、CPU101は、操作部118には初期状態の画面を表示する。なお、初期状態の画面に代えて、ユーザによって予め定められた状態の画面を表示するようにしてもよい。また、上述した予め定められた条件とは、任意に設定することができる。例えば、各位置データが全て一致することを条件としてもよい。しかし、デバイスの精度等により、例えば、全位置データのうち70%以上が一致することを条件としてもよい。
【0031】
また、ステップS506でユーザが画像処理装置100の前に存在しないと判定された場合、ステップS509において、CPU101は、不在カウンタをインクリメントする。続いて、ステップS510において、CPU101は、不在カウンタの値が所定の値と等しいか否かを判定する。ここで、等しいと判定した場合、CPU101は、画像処理装置100の前に所定時間ユーザが不在であったと判断し、処理をS511に移行させてログアウト処理を実行する。一方、等しくないと判定した場合、CPU101は、処理をステップS505に戻し、S505乃至S510の処理を繰り返す。この繰り返しにより、ユーザによって操作を受付けず、人体検知センサ123によって、ユーザの存在の検知もされない間、不在カウンタは、CPU101によってインクリメントされ続ける。
【0032】
上述した不在カウンタの所定の値は、ユーザによって操作118を介して変更可能となっていてもよい。この値を短くするほど、ユーザ不在の場合に、短時間でユーザは画像処理装置100からログアウトされることとなる。また、上述のフローチャートには示していないが、ユーザから操作部118に設けられたログアウトボタンが押された場合にも、CPU101は、ユーザを画像処理装置100からログアウトさせる。
【0033】
次に、図6を参照して、顔情報取得処理について説明する。図6は、第1の実施形態に係る顔情報を取得する処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU101がROM102に格納されたプログラムを実行することによって、認証制御部119に行わせる処理である。
【0034】
ステップS601において、認証制御部119によって、顔情報取得デバイス121を制御して、ユーザの顔を撮影し、ユーザの顔画像データを取得する。顔画像データは、例えば、図7の701に示す。図7は、顔画像データの一例を示す図である。701は顔画像データの一例である。認証制御部119では顔画像データ701に基づいて以下の処理を行う。
【0035】
まず、ステップS602において、認証制御部119は、顔画像データ701から、顔の部分の切り出しを行う。続いて、ステップS603において、認証制御部119は、顔の特徴点を抽出する。顔の特徴点とは、図8に示す顔画像データ801内の802に示す顔の輪郭や顔のパーツの複数の位置データ(白丸)を示す。図8は、顔画像データ801の特徴点を示す図である。
【0036】
特徴点が抽出されると、ステップS604において、認証制御部119は、抽出した特徴点を示す位置データをストレージ制御部112を介して、ストレージ113に格納する。したがって、上述したステップS508で、CPU101は、顔情報1の位置データと、顔情報2の位置データとを照合し、それらの類似度に基づいて、予め定められた条件を満たしているか否かを判定することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置100は、ログイン中のユーザから入力を所定時間が経過するまでに受付けなかった場合に、当該ユーザのログアウト処理を実行する。さらに、画像処理装置100は、上述の不在カウンタによる所定時間内に、人体検知センサ123を用いて人体が検知された場合、検知された人物が当該ログイン中のユーザであるか否かを判定する。ここで、検知された人体が当該ログイン中のユーザとは異なる人物であった場合に、ログイン中のユーザのログアウト処理を行う。このように、本画像処理装置100は、ログアウト処理までの所定時間を計測している間に他のユーザによる使用を防止する。即ち、本画像処理装置100は、自装置を使用するユーザが変更されたことを検知して、ログアウト制御を行うため、使用権限のないユーザによる画像処理装置の使用を抑制することができる。また、入力がない場合の所定時間の計測中にログイン中のユーザの存在を再度確認できた場合、画像処理装置100は、不在カウンタを初期化し、ユーザによる画像処理装置100の使用を許可した状態を維持する。これにより、ログイン中のユーザが一時的に装置前を離れて戻った場合(人体検知センサ123によってユーザの存在が検知できない場所まで離れて戻った場合)であっても、ユーザは再度ログインすることなく、画像処理装置100を使用できる。このような画像処理装置100は、次のような状況の場合に有用である。例えば、ユーザAが、画像処理装置100の使用中に、画像処理装置100のマニュアルを読みたい場合がある。そのような場合、ユーザAは、マニュアルを探すために画像処理装置100の前を離れて、画像処理装置100の前に戻ってくることが想定される。
【0038】
ユーザAが、所定時間の計時前に画像処理装置100の操作部118を介して最後に操作した後、画像処理装置100の前を離れて、誰も画像処理装置100の前に近づかないまま、不在カウンタの値が所定の値になったとする。その場合には、自動的にユーザAは画像処理装置100からログアウトさせる。それによって、ユーザAが長時間戻ることができないような場合に、ユーザAとは異なるユーザBがユーザAの権限で画像処理装置100を使用することを防ぐことができる。例えば、ユーザAの権限がないと利用できない機能や参照できないアドレス帳等の情報が、ユーザBによって利用、参照されることを防ぐことができる。
【0039】
一方、ユーザAが画像処理装置100の前を離れた後、不在カウンタの値が所定の値になる前に、ユーザAが画像処理装置100の前に戻ってきた場合には、ユーザAの操作を受付けなくても、ユーザAをログアウトさせない。それによって、ユーザAが画像処理装置100を続けて操作したい場合に、ユーザは再度ログインせずとも、ユーザAは、画像処理装置100の操作を続けることができる。
【0040】
また、ユーザAが画像処理装置100の前を離れて、戻ってくるまでに、ユーザAとは異なるユーザBが画像処理装置100を利用するために、画像処理装置100に近づいたとする。その場合、画像処理装置100は、ユーザBの顔を撮影し、画像処理装置100にログインしているユーザAの顔とは異なることを検知する。そして、画像処理装置100は、ユーザAを画像処理装置100からログアウトさせる。それによって、ユーザAが画像処理装置100にログインした状態のまま、ユーザBが画像処理装置100を使用し、ユーザAの権限がないと利用できない機能や参照できないアドレス帳が利用されることを防ぐことができる。
【0041】
以上のように、本画像処理装置100は、セキュリティが低下することを抑制しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限らず様々な変形が可能である。例えば、本画像処理装置100は、顔画像データから特徴点を示す複数の位置データを抽出してもよい。この場合、本画像処理装置は、2つの顔画像データを比較する場合に、2つの位置データを照合し、当該結果が予め定められた条件を満たしているか否かを判定する。このように、顔画像データの特徴点を抽出することで、比較処理を容易にすることができ、処理負荷を軽減することができる。
【0043】
<第2の実施形態>
次に、図9乃至図11を参照して、第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、画像処理装置100において、ユーザのログアウト処理に顔情報を用いる形態について説明した。本実施形態では、さらに、ユーザが画像処理装置100の処理の設定途中に自動的にログアウト処理がなされてしまった場合において、ユーザの利便性を高めるための形態について説明する。
【0044】
本実施形態に係る画像処理装置の構成は、図1の構成で示され、上述した第1の実施形態と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。同様に、操作画面図2及び図3についても説明を省略する。
【0045】
図9は、第2の実施形態に係るCPU101の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU101がROM102に記憶されているプログラムをRAM103にロードしてそのプログラムを実行することによって統括的に制御される。
【0046】
ステップ901において、CPU101は、認証制御部119によって、図2又は図3を用いて説明したユーザ認証を行う。図2でIDカードからユーザID及びパスワードを取得した場合、又は図3でOKボタン305が押された場合に、CPU101は、S502に処理を進める。
【0047】
ステップS902において、CPU101は、S501で取得したユーザID又はパスワードに基づいて、ユーザが予め登録されているユーザであるか否かを判定する。ここで、予め登録されているユーザでなければ、CPU101は、表示制御部116によって、表示デバイス117に「登録ユーザではありません」等のメッセージを表示させ、処理を終了する。一方、予め登録されているユーザであれば、CPU101は、ステップS903において、ユーザの顔情報1を取得し、顔の特徴点データの抽出を行う。なお、CPU101は、S501で、顔情報取得デバイス121を用いて、ユーザの認証行ってもよい。その場合、CPU101は、顔情報取得デバイス121を用いて撮影したユーザの顔情報が、ストレージ113に予め登録されているか否かを判定する。CPU101は、ユーザの顔情報が、ストレージ113に予め登録されていると判定した場合に、ユーザのログインを許可する。このようにユーザの顔情報を用いてユーザの認証を行っている場合には、S903で、改めてユーザの顔情報を取得する必要はないため、S903の処理をスキップするとよい。S903の詳細な説明については、第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0048】
次に、ステップS904において、CPU101は、前回の当該ユーザのログイン時に保持画面があるか否かを判定する。保持画面とは、後述するステップS915にて、CPU101によってストレージ112に格納される、ユーザによって受付けた設定を保持した画面である。保持画面を保持している場合、CPU101は、ステップS905において、該当する保持画面を表示デバイス117に表示する。図10は、保持画面1001の一例を示す図である。図10に示す画面は、ユーザによってメールアドレスの設定を行っている途中の画面である。また、保持画面の例はこれに限らず、コピー設定画面において、ユーザがコピー部数や、画像濃度の設定等の設定がなされた画面であってもよい。一方、保持画面1001を保持していない場合、CPU101は、ステップS906において、初期画面を表示する。
【0049】
続いて、ステップS907において、CPU101は、不在カウンタをリセット(0で初期化)する。不在カウンタとは、ユーザが装置の前にいない場合、及び、入力が検知されていない期間を計時するためのカウンタである。ステップS908において、CPU101は、ユーザが操作中であるか否かを判定する。ここで、操作中であれば、CPU101は、ステップS907に処理を進める。一方、操作中でなければ、CPU101は、ステップS909に処理を進める。操作中であるか否かの判定は、例えば、入力デバイス115からのユーザの入力を入力制御部114で検出しているか否かを判定することによって行われる。
【0050】
次に、ステップS909において、CPU101は、人体検知センサ123からの入力の有無をセンサ制御部122で判断し、ユーザが画像処理装置100の前にいるか否かを検出する。人体検知については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。ユーザの存在が検出された場合、CPU101は、ステップS910に処理を進める。一方、検出されなかった場合、CPU101は、ステップS912に処理を進める。ユーザが検出された場合、ステップS910において、顔情報取得デバイス121によって顔情報2を取得し、顔の特徴点データの抽出を行う。
【0051】
次に、ステップS911において、CPU101は、ステップS903とステップS910で得られた顔情報1,2の特徴点データを比較する。特徴点データの比較は、RAM103に置かれた顔情報1,2の特徴点データを用いて行われる。当該比較結果が予め定められた条件を満たし、類似していると判断された場合には、CPU101は、現在ログイン中のユーザと同一であると判断し、処理をステップS907に戻す。一方、当該比較結果が予め定められた条件を満たしていない場合は、現在ログイン中のユーザと別のユーザであると判断し、処理をステップS914に移行する。また、上述した予め定められた条件とは、任意に設定することができる。例えば、各位置データが全て一致することを条件としてもよい。しかし、デバイスの精度等により、例えば、全位置データのうち70%以上が一致することを条件としてもよい。
【0052】
また、ステップS909でユーザが画像処理装置100の前にいないと判断された場合、ステップS912において、CPU101は、不在カウンタをインクリメントする。続いて、ステップS913において、CPU101は、不在カウンタの値が所定の値と等しいか否かを判定する。ここで、等しいと判定した場合、CPU101は、画像処理装置100の前に所定時間ユーザが不在であったと判断し、処理をS914に移行する。一方、等しくないと判定した場合、CPU101は、処理をステップS908に戻し、S908乃至S913の処理を繰り返す。
【0053】
ユーザが変更になった場合、又は、所定時間入力がなかった場合には、S914乃至S916においてログアウト処理が実行される。ステップS914において、CPU101は、現在のユーザが操作している画面を保持すべきか否かを判定する。保持すべき画面がない場合には、CPU101は、そのままS916のログアウト処理に移行する。一方、保持すべき画面がある場合には、CPU101は、ステップS915において、各ユーザに対して固有に割り当てられた識別情報(ユーザID)に対応付けて、現在使用されている画面及び設定をストレージ112に保存する。
【0054】
ここで、保持すべき画面があるか否かの判定は、ユーザが操作している画面の種別によって判定することにより行われる。例えば、初期設定画面と比較して所定の設定がなされた状態の場合には、CPU101は、保持すべき画面であると判断する。例えば、図10に示す保持画面1001は、ユーザが操作中の電子メールアドレスの入力画面を示す。フィールド1002には、ユーザが送信を行う宛先の電子メールアドレスが入力されている。本実施形態によれば、上述の状態でログアウト処理が行われる場合には、S916のログアウト処理に先立って、S915の画面及び設定の保存処理が行われる。
【0055】
次に、図11を参照して、本実施形態に係るユーザごとの登録情報について説明する。図11は、ユーザ固有の登録情報1101を示す図である。登録情報1101は、画像処理装置100のRAM103又はストレージ113に保持され管理される。
【0056】
図11に示すように、登録情報1101には、登録ID1102及び登録データポインタ1103が含まれる。登録データポインタ1103は、登録ID1102に対応するデータを管理する管理テーブル1104へのポインタが格納される。
【0057】
また、管理テーブル1104には、ユーザ名1105、保持情報1106、保持画面ID1107、保持テキストポインタ1108及び保持期限1109が含まれる。ユーザ名1105には、当該ユーザの名前、例えば、「yamada」などの文字列が格納される。保持情報1106には、上述した保持画面が保持されているか否かを示す保持情報フラグを格納する。保持画面ID1107には、保持されている画面の画面IDが格納される。保持テキストポインタ1108は、保持画面に入力されたテキストへのポインタが格納される。保持期限1109には、保持している画面の保持期限が含まれる。また、図11に示す1110は、テキストデータの内容を示す。
【0058】
本実施形態に係る画像処理装置100は、同一ユーザが次回ログインした際に、この登録情報1101に基づいてステップS904で保持画面があるか否かを判定し、保持画面がある場合には、これを表示する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置100は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。それに加えて、第2の実施形態によれば、画像処理装置100は、ユーザが自動的にログアウトされた場合であっても、操作中の画面(自動ログアウトによる初期状態の画面への変更前の画面)、設定を保存し、次回ログイン時に当該画面を復帰させる。それによって、セキュリティが低下することを抑制しつつ、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0060】
<第3の実施形態>
次に、図12を参照して、第3の実施形態について説明する。図12は、第3の実施形態に係る画像処理システム1200の構成を示す図である。画像処理システム1200は、画像処理装置100及び認証サーバ1201を備える。各装置は、ネットワーク124を介して接続され、相互に通信可能に設定される。
【0061】
第1及び第2の実施形態では、顔情報取得デバイス121で取得した顔画像データの特徴点抽出を認証制御部119で行う形態を説明した。しかし、本実施形態によれば、画像処理装置100は、顔画像データから特徴点を抽出すると、当該抽出結果を認証サーバ1201に送信する。そして、認証サーバ1201は、送信された抽出結果と、自装置のメモリに予め格納されている特徴点の登録データとを比較することにより、予め定められた条件を満たしているか否かを判定する。また、図5に示すS508において、本実施形態に係る画像処理装置100のCPU101は、上述の判定を行うことなく認証サーバ1201から予め定められた条件が満たされているか否かの判定結果を取得する。
【0062】
したがって、本実施形態による画像処理システム1200では、図5に示すステップS501、図9に示すステップS901のユーザ認証を認証サーバ1201で行ってもよい。これにより、顔認証に関する処理を複数の装置に分散することができ、画像処理装置100の処理負荷を低減することができる。また、認証制御部119によって行っていた顔情報の比較処理を行う構成をネットワーク124に接続された各画像処理装置100が備えなくても、認証サーバ1201が備えるだけで、上述の実施形態のような処理を実現できる。顔認証を認証サーバ1201で行った場合であっても第1及び第2の実施形態における効果を低減させることはない。
【0063】
なお、第1の実施形態においては、S501〜S502で認証したユーザの顔情報をS503で取得し、S507で撮影された顔情報と比較する方法で、画像処理装置100を利用するユーザが変わったか否かを判定していた。しかし、画像処理装置100が、ユーザごとの顔情報とユーザIDとを予め関連付けて、例えばテーブルのような形式で保存してある場合、次のように判定してもよい。例えば、画像処理装置100のCPU101は、S501で取得したユーザIDをストレージ113等のメモリに格納しておく。そして、S507で取得した顔情報に対応するユーザIDをテーブルから割り出し、S501で取得したユーザIDと同じであるか否かを判定する。CPU101は、同じであると判定した場合に、S504に処理を進め、同じではないと判定した場合には、S511に処理を進める。それによって、S503で、必ずしも顔情報を取得せずとも、画像処理装置100を操作しているユーザが同一か否かを判定することができる。また、このような方法と比較して、第1の実施形態では、予めユーザごとの顔情報とユーザIDとを関連付けた情報を予め記憶しておかずとも、S503で顔情報を取得するため、操作中のユーザが同一か否かを判定できる。なお、ここでは第1の実施形態について説明したが、第2の実施形態にも同様の方法を適用できる。
【0064】
また、上述の実施の形態においては、生体情報として顔の撮影を行って顔情報を取得する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、ユーザから又は指紋情報、又は静脈情報、又は声紋情報、又は掌形情報、又は網膜情報、又は虹彩情報、又はそれらの組合せを取得するようにしてもよい。取得の方法としては、それぞれの情報に対応する生体情報検知センサを用いればよい。
【0065】
例えば、第1の実施形態を例に説明すると、ユーザの生体情報として指紋情報を取得する場合には、画像処理装置100に指紋読取部を設け、CPU101は、図5のフローチャートに示す処理とほぼ同様の処理を行う。そして、画像処理装置100は、S506で、人体検知センサ123によってユーザの存在を検知すると、S507に処理を進め、S507で、指紋読取部にユーザの指紋の取得を試みる。CPU101は、指紋読取部にユーザの指が置かれており、ユーザの指紋を正常に取得できた場合には、S508にて、S503で取得されたユーザの指紋情報と一致するか否かを判定する。一致すると判定された場合には、S504に処理を進め、CPU101は、不在カウンタをリセットする。すなわち、CPU101は、ユーザが画像処理装置100からログアウトされるまでの時間を延長する。また、S508にて、一致しないと判定された場合には、S511に処理を進め、S501で認証され、ログイン状態にあるユーザのログアウト処理を実行する。このように制御することにより、ユーザは、指紋読取部に指紋情報を読み取らせるだけで、自動的にログアウトされるまでの時間を延長することができる。また、指紋読取部にて自動的にログアウトされるまでの時間を延長する場合、操作部118の操作によって当該時間を延長する場合と異なり、他のユーザによる操作で当該時間が延長されることを防ぐことができる。なお、上述の実施形態のように、顔情報の取得によって、当該時間を延長する場合、指紋情報を読み取らせる場合と比較して、ユーザは意図的に指紋読取部に指を置く等の行為を注意して行う必要がないというメリットがある。ユーザは、カメラで顔情報を撮影できる範囲にいれば、当該時間を延長することができる。なお、ここでは第1の実施形態について説明したが、第2の実施形態にも同様の方法を適用できる。
【0066】
以下、図13に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0067】
図13は、本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0068】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0069】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0070】
本実施形態におけるフローチャートに示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0071】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0072】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0073】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0074】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0075】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0076】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0077】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0078】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0079】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0080】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0081】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】第1の実施形態に係る画像処理装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像処理装置100の操作画面の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像処理装置100の操作画面の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るソフトウェアキーボード401の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るCPU101の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る顔情報を取得する処理手順を示すフローチャートである。
【図7】顔画像データの一例を示す図である。
【図8】顔画像データ801の特徴点を示す図である。
【図9】第2の実施形態に係るCPU101の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係る保持画面1001の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態に係るユーザ固有の登録情報1101を示す図である。
【図12】第3の実施形態に係る画像処理システム1200の構成を示す図である。
【図13】本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0083】
100:画像処理装置
101:CPU
102:ROM
103:RAM
118:操作部
119:認証制御部
120:カード認証デバイス
121:顔情報取得デバイス
122:センサ制御部
123:人体検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を表示する表示手段と、
ユーザの操作を受付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記ユーザの操作を受付けない状態で、所定時間が経過した場合に、前記操作画面を所定の状態に変更する表示制御手段と、
ユーザの生体情報を取得する取得手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記所定時間の内に、前記取得手段によって前記所定時間の計時前に最後に前記受付手段によって操作を受付けたユーザの生体情報が取得された場合に、前記受付手段によって前記ユーザの操作を受付けない状態で前記所定時間が経過しても、前記操作画面を所定の状態に変更しないよう制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段によって取得された前記所定時間の計時前に最後に前記受付手段によって操作を受付けたユーザの生体情報を格納する格納手段と、
前記取得手段によって前記所定時間の内に新たに取得された生体情報と、前記格納手段に格納された生体情報とに基づいて、前記所定時間の計時前に最後に前記受付手段によって操作を受付けたユーザと、前記所定時間の内に新たに取得された生体情報に対応するユーザが同じユーザであるか否かを判定する判定手段とをさらに有し、
前記判定手段によって同じユーザではないと判定されたことに応じて、前記操作画面を所定の状態に変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段によって前記操作画面が所定の状態に変更される場合に、変更前の操作画面の設定を、ユーザを識別するための識別情報に対応付けて記憶する記憶手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された前記生体情報が、前記識別情報で識別されるユーザの生体情報である場合に、前記識別情報で識別されるユーザに対応付けて前記記憶手段に記憶された前記操作画面の設定に基づいて前記表示手段に操作画面を表示するよう制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
センサによってユーザの存在を検知する検知手段をさらに備え、
前記取得手段は、前記検知手段によって、前記ユーザの存在が検知される場合に、前記ユーザの生体情報を取得し、
前記検知手段によって、前記ユーザの存在が検知されない場合に、前記ユーザの生体情報を取得しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生体情報は、ユーザの顔情報、指紋情報、静脈情報、声紋情報、掌形情報、網膜情報、又は虹彩情報であり、
前記取得手段は、生体情報検知センサによって前記生体情報を検知することにより取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
表示部に操作画面を表示する表示工程と、
操作部を介してユーザの操作を受付ける受付工程と、
前記操作部を介して前記ユーザの操作を受付けない状態で、所定時間が経過した場合に、前記操作画面を所定の状態に変更する表示制御工程と、
ユーザの生体情報を取得する取得工程とを有し、
前記表示制御工程では、前記所定時間の内に、前記取得工程にて前記所定時間の計時前に最後に前記操作部を介して操作を受付けたユーザの生体情報が取得された場合に、前記受付工程にて前記ユーザの操作を受付けない状態で前記所定時間が経過しても、前記操作画面を所定の状態に変更しないよう制御することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
前記取得工程にて取得された前記所定時間の計時前に最後に前記受付工程によって操作を受付けたユーザの生体情報を格納手段に格納する格納工程と、
前記取得工程にて前記所定時間の内に新たに取得された生体情報と、前記格納手段に格納された生体情報とに基づいて、前記所定時間の計時前に最後に前記操作部にて操作を受付けたユーザと、前記所定時間の内に新たに取得された生体情報に対応するユーザが同じユーザであるか否かを判定する判定工程とをさらに有し、
前記判定工程にて同じユーザではないと判定されたことに応じて、前記操作画面を所定の状態に変更することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記表示制御工程にて前記操作画面が所定の状態に変更される場合に、変更前の操作画面の設定を、ユーザを識別するための識別情報に対応付けて記憶手段に記憶する記憶工程をさらに備え、
前記表示制御工程では、前記取得工程にて取得された前記生体情報が、前記識別情報で識別されるユーザの生体情報である場合に、前記識別情報で識別されるユーザに対応付けて前記記憶手段に記憶された前記操作画面の設定に基づいて前記表示部に操作画面を表示するよう制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
センサによってユーザの存在を検知する検知工程をさらに備え、
前記取得工程では、前記センサによって前記ユーザの存在が検知される場合に、前記ユーザの生体情報を取得し、
前記取得工程では、前記センサによって前記ユーザの存在が検知されない場合に、前記ユーザの生体情報を取得しないことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
前記生体情報は、ユーザの顔情報、指紋情報、静脈情報、声紋情報、掌形情報、網膜情報、又は虹彩情報であり、
前記取得工程では、生体情報検知センサによって前記生体情報を検知することにより取得することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項12】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−20488(P2010−20488A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179462(P2008−179462)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】