説明

情報処理装置および方法、並びに、情報処理システムおよび方法

【課題】より多様な状況下での正当なコンテンツの流通機会を増大させることができるようにする。
【解決手段】ハンドオーバ処理部311は、近接無線通信を確立し、メッセージ交換部312は、その近接無線通信を介して、流通可能なコンテンツリストや移動体通信網用無線通信に関する情報を含むメッセージの交換を行う。コンテンツ選択部313が、流通させるコンテンツを選択すると、流通方法選択部314は、選択されたコンテンツおよび移動体通信網用無線通信の状況に応じて、選択されたコンテンツを流通させる方法を選択する。流通禁止部315は、並びに、第1流通処理部316乃至第4流通処理部319は、流通方法選択部314の選択に応じて、互いに異なる方法でコンテンツの流通に関する処理を行う。本発明は、例えば、コンテンツ流通システムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法、並びに、情報処理システムおよび方法に関し、特に、正当なコンテンツの流通機会を増大させることができるようにした情報処理装置および方法、並びに、情報処理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機向けに様々なコンテンツ(音楽、動画など)が提供されている。一般的に、そのようなサービスにおいてユーザが携帯電話機を操作してサーバからコンテンツを購入して再生する場合、その携帯電話機は、移動体通信網を経由してコンテンツ管理サーバに接続し、購入処理を行った後、そのコンテンツデータをダウンロードしてローカルディスクに保存してから再生する。
【0003】
このようにコンテンツが蓄積されるにつれて、携帯電話機は、本来持つ通話機能の他に、音楽プレイヤ等のコンテンツプレイヤとしての機能を有するようになり、さらにコンテンツが蓄積されることにより、その機能の重要性が増してくる。また携帯電話機に蓄積されるコンテンツは、人目に触れることも多く、実際に、このような携帯電話機のユーザ同士が出会って、携帯電話機に蓄積されているコンテンツに関する評判が伝わる、いわゆる「口コミ」効果によるコンテンツ流通量が増加してきている。現在、これらの「口コミ」によって伝播するコンテンツをさらに効率的にかつ適正に配布する仕組みが求められている。
【0004】
さらに、携帯電話機がBluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の近距離無線通信手段を有する場合がある。その場合携帯電話同士が直接(ローカルで)通信可能である。さらに、携帯電話機が、非接触通信(NFC(Near Field Communication))デバイスを有する場合がある。その場合、ユーザが携帯電話機同士を近接(または接触)させることにより、非接触通信デバイスによって接続認証が行われ、近距離無線通信が可能となるようにすることができる(ハンドオーバ)。
【0005】
このようなハンドオーバ機能を利用することにより、ユーザは、携帯電話機同士をタッチするだけで、近距離無線通信によって携帯電話機に蓄積されているコンテンツの交換を容易に行うことができる。
【0006】
つまり、ユーザは、従来のようにサーバに接続してから所望のコンテンツを検索してダウンロードするといった煩雑な操作をすることなく、ローカル通信によって近隣のユーザの携帯電話機から容易にコンテンツを入手することができる。
【0007】
一方、コンテンツの著作権(管理)者の立場を考慮すれば、コンテンツ流通量そのものは増加させつつも、その対価を確実に回収する仕組みを構築する必要がある。つまり、コンテンツファイル自体の流通は許容するものの、その再生前までに購入処理が完了していることが求められる。
【0008】
例えば、著作権フリーのコンテンツであれば、ユーザ同士が任意にコンテンツを交換可能であるが、著作権が設定されているコンテンツ配布には、不正なコピー等を防止しつつ課金等の然るべき処理が施される流通の仕組みが必要である。一般的に、コンテンツの不正配布(不正複製)を防止するための仕組みとしては、決済と購入者へのコンテンツ配布制御と再生機器上の再生権限を管理するサーバと、その再生用権限に従って動作する再生機器で構成されるシステム(DRM(Digital Rights Management))が導入されている。
【0009】
このような携帯電話機を用いたコンテンツ再生時の課金方式も考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
特許文献1に記載の方法の場合、再生機器は、コンテンツ利用情報を生成し、これをコンテンツ再生時にサーバへ送信する。サーバは、順次受信する再生状態と課金状態に応じて再生機のコンテンツ再生権を管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−252806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、コンテンツ再生情報が再生機器と管理サーバ側で再生状態に関して同期を取る必要があるため、基本的には再生機器(携帯電話機)がサーバと通信できることを前提としている。
【0013】
したがって、通信圏外となり再生時間が一定以上になった場合には再生は中断されてしまう。つまり、管理サーバへ継続的に接続することができない場合、再生機器は、連続的なコンテンツ再生を行うことができない恐れがあった。
【0014】
本発明は、このような状況に鑑みて提案されたものであり、より多様な状況下でのコンテンツ流通を実現し、正当なコンテンツの流通機会を増大させることにより、ユーザがより容易に、コンテンツを楽しむことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一側面は、第1の通信を用いたサーバとの通信状態に関する情報を、第2の通信の通信相手である他の情報処理装置と交換する交換手段と、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記他の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する方法選択手段とを備える情報処理装置である。
【0016】
前記交換手段は、さらに、前記コンテンツデータの取得に関する決済処理を行うタイミングを示す情報も交換することができる。
【0017】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記決済処理の前に前記コンテンツデータの送受信が可能であり、かつ、前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置との両方が、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続する機能を有すると判定された場合、前記情報処理装置自身が、暗号鍵を生成して、前記コンテンツデータを前記決済処理の前に暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記暗号鍵を前記サーバに登録し、前記他の情報処理装置が、前記決済処理を行った後前記暗号鍵を前記サーバから取得し、暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0018】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記決済処理の前に前記コンテンツデータの送受信が可能であり、かつ、前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置との両方が、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続する機能を有すると判定された場合、前記他の情報処理装置が、暗号鍵を生成して、前記コンテンツデータを前記決済処理の前に暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記暗号鍵を前記サーバに登録し、前記情報処理装置自身が、前記決済処理を行った後前記暗号鍵を前記サーバから取得し、暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0019】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置との両方が、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記他の情報処理装置による前記決済処理後に前記サーバが、暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0020】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置との両方が、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記情報処理装置自身による前記決済処理後に前記サーバが、暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0021】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記他の情報処理装置のみが、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記他の情報処理装置による前記決済処理後に前記サーバが、証明書を発行し、前記他の情報処理装置が、前記証明書と公開鍵を前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記公開鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記公開鍵に対応する秘密鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0022】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記情報処理装置自身のみが、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記情報処理装置自身による前記決済処理後に前記サーバが、証明書を発行し、前記情報処理装置自身が、前記証明書と公開鍵を前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記公開鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記公開鍵に対応する秘密鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0023】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記情報処理装置自身のみが、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記他の情報処理装置と前記サーバとが、前記情報処理装置自身を介してVPN接続を確立し、前記サーバが、前記他の情報処理装置による前記VPNを介した前記決済処理後に暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0024】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記他の情報処理装置のみが、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記情報処理装置自身と前記サーバとが、前記他の情報処理装置を介してVPN接続を確立し、前記サーバが、前記情報処理装置自身による前記VPNを介した前記決済処理後に暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記他の情報処理装置と前記情報処理装置自身に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0025】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、他の情報処理装置が前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記サーバが、鍵に関する情報を前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記鍵に関する情報を前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記鍵に関する情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記鍵に関する情報を用いて前記コンテンツデータを復号する方法を選択することができる。
【0026】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、情報処理装置自身が前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記サーバが、鍵に関する情報を前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記鍵に関する情報を前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記鍵に関する情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記鍵に関する情報を用いて前記コンテンツデータを復号する方法を選択することができる。
【0027】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記他の情報処理装置が前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記他の情報処理装置と前記サーバとが、前記情報処理装置自身を介して接続を確立し、前記サーバが、暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号する方法を選択することができる。
【0028】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記他の情報処理装置が前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記情報処理装置自身と前記サーバとが、前記他の情報処理装置を介して接続を確立し、前記サーバが、暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記他の情報処理装置と前記情報処理装置自身に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択することができる。
【0029】
本発明の一側面は、また、情報処理装置の情報処理方法であって、前記情報処理装置の交換手段が、第1の通信を用いたサーバとの通信状態に関する情報を、第2の通信の通信相手である他の情報処理装置と交換し、前記情報処理装置の方法選択手段が、交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記他の情報処理装置に対するコンテンツデータの送信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する情報処理方法である。
【0030】
本発明の他の側面は、コンテンツを送信する第1の情報処理装置、前記コンテンツを受信する第2の情報処理装置、および、前記コンテンツの送受信を管理するサーバを備える情報処理システムであって、前記第1の情報処理装置は、第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に関する情報を、第2の通信の通信相手である前記第2の情報処理装置と交換する第1の交換手段と、前記第1の交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記第2の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する第1の方法選択手段とを備え、前記第2の情報処理装置は、前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に関する情報を、前記第1の情報処理装置と交換する第2の交換手段と、前記第2の交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記第1の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する第2の方法選択手段とを備える情報処理システムである。
【0031】
本発明の他の側面は、また、コンテンツを送信する第1の情報処理装置、前記コンテンツを受信する第2の情報処理装置、および、前記コンテンツの送受信を管理するサーバを備える情報処理システムの情報処理方法であって、前記第1の情報処理装置の第1の交換手段が、第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に関する情報を、第2の通信の通信相手である前記第2の情報処理装置と交換し、前記第1の情報処理装置の第1の方法選択手段が、交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記第2の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択し、前記第2の情報処理装置の第2の交換手段が、前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に関する情報を、前記第1の情報処理装置と交換し、前記第2の情報処理装置の第2の方法選択手段が、交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記第1の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する情報処理方法である。
【0032】
本発明の一側面においては、第1の通信を用いたサーバとの通信状態に関する情報が、第2の通信の通信相手である他の情報処理装置と交換され、交換された情報に基づいて、第2の通信を用いた他の情報処理装置に対するコンテンツデータの送信方法が、互いの第1の通信を用いたサーバとの通信状態に応じて選択される。
【0033】
本発明の他の側面においては、第1の通信を用いたサーバとの通信状態に関する情報が、第2の通信の通信相手である第2の情報処理装置と交換され、交換された情報に基づいて、第2の通信を用いた第2の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法が、互いの第1の通信を用いたサーバとの通信状態に応じて選択され、第1の通信を用いたサーバとの通信状態に関する情報が、第1の情報処理装置と交換され、交換された情報に基づいて、第2の通信を用いた第1の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法が、互いの第1の通信を用いたサーバとの通信状態に応じて選択される。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、コンテンツを流通させることができる。特に、より多様な状況下での正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用したコンテンツ流通システムの主な構成例を示す図である。
【図2】無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】無線基地局の構成例を示すブロック図である。
【図4】コンテンツ管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【図5】決済サーバの構成例を示すブロック図である。
【図6】コンテンツを流通させる際の主なユーザ操作の例を説明する図である。
【図7】無線通信装置が有する機能の構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】メッセージの構成例を説明する図である。
【図9】ハンドオーバ処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図10】コンテンツ流通方式の動作条件を説明する図である。
【図11】流通方式選択処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図12】流通方式選択処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図13】第1の流通方式の主な流れの例を説明する図である。
【図14】第1の流通方式に関する機能ブロックを説明する機能ブロック図である。
【図15】第1のコンテンツ流通処理の主な流れの例を説明するフローチャートである。
【図16】第2の流通方式の主な流れの例を説明する図である。
【図17】第2の流通方式に関する機能ブロックを説明する機能ブロック図である。
【図18】第2のコンテンツ流通処理の主な流れの例を説明するフローチャートである。
【図19】第3の流通方式の主な流れの例を説明する図である。
【図20】第3の流通方式に関する機能ブロックを説明する機能ブロック図である。
【図21】第3のコンテンツ流通処理の主な流れの例を説明するフローチャートである。
【図22】第4の流通方式の主な流れの例を説明する図である。
【図23】第4の流通方式に関する機能ブロックを説明する機能ブロック図である。
【図24】第4のコンテンツ流通処理の主な流れの例を説明するフローチャートである。
【図25】移動体通信網接続の他の例を説明する図である。
【図26】移動体通信網接続の他の例を説明する図である。
【図27】移動体通信網接続処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(コンテンツ流通システム)
【0037】
<1.第1の実施の形態>
[コンテンツ流通システム]
図1は、本発明を適用したコンテンツ流通システムの主な構成例を示す図である。
【0038】
図1に示されるコンテンツ流通システム100は、端末で利用される画像や音声等のコンテンツのデータ(コンテンツデータ)を流通させるシステムである。
【0039】
図1において、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bは、いずれもコンテンツ流通システム100の端末として動作する。互いを区別して説明する必要の無い場合、単に無線通信装置101と称する。
【0040】
無線通信装置101は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA、ネットブック、ノート型パーソナルコンピュータ等の、後述する所定の無線通信機能を有する情報処理装置である。無線通信装置101は、少なくとも、近距離に位置する、若しくは、近接する他の無線通信装置101と、移動体通信網(無線基地局102)を介さずにローカルな(狭域の)無線通信(近距離無線通信若しくは近接無線通信)を行うことができる。
【0041】
また、少なくとも、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bのうちいずれか一方は、広域の公衆回線網である移動体通信網の無線基地局102を介して他の装置(例えば他の無線通信装置101等)と通信を行うことができる。
【0042】
例えば、無線通信装置101は、このような無線通信機能を用いて、他の装置から画像や音声等のコンテンツデータを取得することができる。また、無線通信装置101は記憶部を有しており、その取得したコンテンツデータを記憶することができる。さらに、無線通信装置101は、そのコンテンツデータの再生機能も有しており、画像を表示したり音声を出力したりすることができる。
【0043】
例えば、無線通信装置101は、無線基地局102を介して、移動体通信網からインターネットに接続し、サーバからコンテンツデータを取得(ダウンロード)し、そのコンテンツデータを記憶する。
【0044】
無線通信装置101は、このコンテンツデータを、自身において再生出力することもできるが、近距離無線通信等のローカルな無線通信を用いて他の無線通信装置101に供給することもできる。このような端末(無線通信装置101)間のローカルな無線通信によるコンテンツデータの授受を流通と称する。
【0045】
図1においては、コンテンツの流通の例として、供給側無線通信装置101Aが、自身が記憶するコンテンツデータを、取得側無線通信装置101Bに供給する場合を示している。
【0046】
つまり、供給側無線通信装置101Aは、コンテンツデータを供給する無線通信装置101を示しており、取得側無線通信装置101Bは、そのコンテンツデータを取得する無線通信装置101を示している。
【0047】
当然、実際には、互いが有するコンテンツデータを互いに授受する(交換する)等、様々なコンテンツの流通パターンが想定されるので、1つの無線通信装置101が供給側無線通信装置101Aと取得側無線通信装置101Bの両方の機能を有する場合も考えられる。
【0048】
つまり、以下の説明において、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bは、それぞれ、無線通信装置101が有する、コンテンツを供給するための機能と、コンテンツを取得するための機能をモデル化したものであり、各無線通信装置101が、供給側無線通信装置101A若しくは取得側無線通信装置101Bに分類されることを示すものではない。
【0049】
無線基地局102を含む移動体通信網は、インターネット等の外部のネットワークとも接続されている。図1のネットワーク103は、このような移動体通信網やインターネット等のあらゆる通信網を含む。
【0050】
無線基地局102は、移動体通信網の、無線通信装置101に対するインタフェースとなる装置を説明するものであり、個別の装置を示すものではない。したがって、供給側無線通信装置101Aと取得側無線通信装置101Bとが、互いに異なる無線基地局102を介して移動体通信網に接続することもできる。
【0051】
無線通信装置101間のコンテンツの流通は、ネットワーク103に接続されるコンテンツ管理サーバ104により管理される。もちろん、例えば著作権フリーのコンテンツやユーザ等により作成された私的なコンテンツ等も無線通信装置101間で流通させることは可能であるが、本発明とは関連性がないので、以下においては、コンテンツ管理サーバ104により管理されるコンテンツの流通についてのみ説明する。
【0052】
コンテンツ管理サーバ104は、端末である無線通信装置101間で行われるコンテンツの授受を管理する。例えば、コンテンツ管理サーバ104は、暗号鍵の提供や、コンテンツの購入に関する処理等を行う。
【0053】
以下の説明においては、このコンテンツ管理サーバ104により管理される流通が正規の流通であり、それ以外は不正行為であるものとする。
【0054】
無線通信装置101は、不正な流通を抑制するために、コンテンツデータを暗号化して流通させる。コンテンツ管理サーバ104は、この流通の事実の管理、暗号鍵の管理、および、課金処理等を行うことにより、コンテンツの流通を管理する。
【0055】
コンテンツ管理サーバ104は、課金処理を行う場合、ネットワーク103に接続される決済サーバ105を利用して行う。なお、コンテンツ管理サーバ104がコンテンツを提供するようにしてもよい。
【0056】
上述したように、無線通信装置101は、ローカルな無線通信によりコンテンツデータを正規に授受する際に、コンテンツ管理サーバ104にアクセスし、その流通を管理してもらう必要がある。
【0057】
従来のシステムの場合、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bの両方がコンテンツ管理サーバ104に継続的にアクセス可能な状態でしかコンテンツを流通させることができなかったが、コンテンツ流通システム100の場合、無線通信装置101は、通信状況や通信機能等の事情に応じてコンテンツの流通方法を選択することができる。
【0058】
これにより、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bのうち、少なくともいずれか一方がコンテンツ管理サーバ104にアクセス可能であれば、コンテンツを流通させる事ができる場合がある。
【0059】
つまり、コンテンツ流通システム100は、より多様な状況下での正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【0060】
[無線通信装置の構成]
次に、各装置の構成について説明する。図2は、無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
【0061】
図2において、無線通信装置101のCPU(Central Processing Unit)111は、ROM(Read Only Memory)112に記憶されているプログラム、または記憶部123からRAM(Random Access Memory)113にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM113にはまた、CPU111が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0062】
CPU111、ROM112、およびRAM113は、バス114を介して相互に接続されている。このバス114にはまた、入出力インタフェース120も接続されている。
【0063】
入出力インタフェース120には、キーボード、マウスなどよりなる入力部121、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部122、および、ハードディスクやフラッシュメモリなどより構成される記憶部123が接続されている。
【0064】
入出力インタフェース120にはまた、必要に応じてドライブ125が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア126が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部123にインストールされる。
【0065】
入出力インタフェース120にはさらに、移動体通信網用無線通信部131、近距離無線通信部132、近接無線通信部133、およびコンテンツデータベース134が接続されている。
【0066】
移動体通信網用無線通信部131は、無線基地局102と無線通信を行い、移動体通信網を介した通信を行う無線通信デバイスである。移動体通信網用無線通信部131は、例えば2GHzの周波数帯を使い、通話アプリケーションだけでなく、最大2Mbpsのデータ通信を用いてインターネット接続など各種通信アプリケーションに利用される。例えば、移動体通信網用無線通信部131による無線通信は、コンテンツデータのダウンロードやコンテンツ管理サーバ104との通信等に用いられる。
【0067】
近距離無線通信部132は、例えば、Bluetooth(登録商標)やIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11x等の近距離無線通信デバイスである。ここで、近距離無線通信とは、通信可能最大距離が数メートル乃至数十メートル程度のローカルな(狭域の)無線通信を示す。通信規格は任意である。例えば、近距離無線通信部132は、アンテナを経由して2.4GHz帯にて最大通信速度3Mビット/秒(バージョン2.0+EDR以降)の通信を行う。例えば、近距離無線通信部132による近距離無線通信は、コンテンツデータの送受信(コンテンツの流通)に用いられる。
【0068】
近接無線通信部133は、NFC(Near Field Communication)デバイスである。ここで近接無線通信とは、通信可能最大距離が数十センチ程度のローカルな(狭域の)無線通信を示す。通信規格は任意である。例えば、近接無線通信部133は、アンテナを経由して13.56MHz帯の周波数を使い、10cm程度の極近距離で最大424Kビット/秒の通信レートにて通信を行う。
【0069】
近接無線通信部133による近接無線通信は、筐体を接触若しくは近接された無線通信装置101に対して、近距離無線通信部132による近距離無線通信接続の確立に必要な情報や、流通可能なコンテンツのリスト等が記述されたメッセージを授受するのに利用される。
【0070】
コンテンツデータベース134は、無線通信装置101がサーバからダウンロードしたり、他の無線通信装置101から取得したりしたコンテンツデータを記憶し、管理するデータベースである。コンテンツデータベース134は、コンテンツデータだけでなく、コンテンツに関する情報も記憶し、管理する。
【0071】
無線通信装置101の各処理部は、CPU111により制御される。制御プログラムの実行バイナリコードはROM112や記憶部123に保存されており、各種演算処理のためスタック、ヒープ領域はRAM113上に展開される。
【0072】
[無線基地局の構成]
図3は、無線基地局の構成例を示すブロック図である。
【0073】
図3に示されるように、無線基地局102は、無線通信装置101の場合と同様に、バス154を介して互いに接続されるCPU151、ROM152、およびRAM153を有する。また、バス154には、入出力インタフェース160が接続される。
【0074】
この入出力インタフェース160には、無線通信装置101の場合と同様に、入力部161、出力部162、記憶部163、およびリムーバブルメディア166用のドライブ165が接続される。
【0075】
図3のCPU151、ROM152、RAM153、バス154、入出力インタフェース160、入力部161、出力部162、記憶部163、ドライブ165、およびリムーバブルメディア166は、それぞれ、図2のCPU111、ROM112、RAM113、バス114、入出力インタフェース120、入力部121、出力部122、記憶部123、ドライブ125、およびリムーバブルメディア126に対応する。
【0076】
無線基地局102は、さらに、入出力インタフェース160に接続される有線通信部171および移動体通信網用無線通信部172を有する。
【0077】
有線通信部171は、移動体通信網やインターネット等を含むネットワーク103を介して他の装置との通信を行う。通信規格は任意である。有線通信部171は、例えば、コンテンツ管理サーバ104との通信(無線通信装置101とコンテンツ管理サーバ104との通信の中継)に用いられる。
【0078】
移動体通信網用無線通信部172は、図2の移動体通信網用無線通信部131に対応し、無線通信装置101との無線通信に用いられる。
【0079】
[コンテンツ管理サーバの構成]
図4は、コンテンツ管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【0080】
図4に示されるように、コンテンツ管理サーバ104は、無線通信装置101の場合と同様に、バス204を介して互いに接続されるCPU201、ROM202、およびRAM203を有する。また、バス204には、入出力インタフェース210が接続される。
【0081】
この入出力インタフェース210には、無線通信装置101の場合と同様に、入力部211、出力部212、記憶部213、およびリムーバブルメディア216用のドライブ215が接続される。
【0082】
図4のCPU201、ROM202、RAM203、バス204、入出力インタフェース210、入力部211、出力部212、記憶部213、ドライブ215、およびリムーバブルメディア216は、それぞれ、図2のCPU111、ROM112、RAM113、バス114、入出力インタフェース120、入力部121、出力部122、記憶部123、ドライブ125、およびリムーバブルメディア126に対応する。
【0083】
コンテンツ管理サーバ104は、また、入出力インタフェース210に接続される通信部214を有する。この通信部214は、ネットワーク103を介して他の装置と通信を行う通信デバイスである。例えば、通信部214は、無線通信装置101や決済サーバ105との通信に利用される。
【0084】
入出力インタフェース210には、さらに、コンテンツ情報データベース221およびユーザ情報データベース222が接続される。
【0085】
コンテンツ情報データベース221は、無線通信装置101間で流通されるコンテンツに関する情報を記憶し、管理する。この情報は、例えば、コンテンツデータの流通の際に利用される暗号鍵の管理等に利用される。
【0086】
ユーザ情報データベース222は、コンテンツを流通させるユーザに関する情報を記憶し、管理する。この情報は例えば決済処理等に利用される。
【0087】
[決済サーバの構成]
図5は、決済サーバの構成例を示すブロック図である。
【0088】
図5に示されるように、決済サーバ105は、無線通信装置101の場合と同様に、バス254を介して互いに接続されるCPU251、ROM252、およびRAM253を有する。また、バス254には、入出力インタフェース260が接続される。
【0089】
この入出力インタフェース260には、無線通信装置101の場合と同様に、入力部261、出力部262、記憶部263、およびリムーバブルメディア266用のドライブ265が接続される。また、コンテンツ管理サーバ104の場合と同様に、入出力インタフェース260には、通信部264も接続される。
【0090】
図5のCPU251、ROM252、RAM253、バス254、入出力インタフェース260、入力部261、出力部262、記憶部263、通信部264、ドライブ265、およびリムーバブルメディア266は、それぞれ、図4のCPU201、ROM202、RAM203、バス204、入出力インタフェース210、入力部211、出力部212、記憶部213、通信部214、ドライブ215、およびリムーバブルメディア216に対応する。
【0091】
入出力インタフェース210には、さらに、決済処理部271および顧客データベース272が接続される。
【0092】
決済処理部271は、コンテンツ管理サーバ104等からの要求に応じて、決済処理を行う。その際、決済処理部271は、顧客データベース272により記憶され、管理される情報を用いる。
【0093】
顧客データベース272は、例えば、ユーザの代金支払方法等の、決済処理に必要な予め登録された情報を記憶し、管理する。また、各ユーザの決済情報等もこの顧客データベース272に記憶され、管理される。
【0094】
[ユーザ操作]
次に、コンテンツ流通のための主なユーザ操作等について説明する。図6は、コンテンツを流通させる際の主なユーザ操作の例を説明する図である。
【0095】
図6に示されるように、ユーザがコンテンツを再生するまでの過程は、大きく「無線通信装置101同士をタッチ(コンテンツ情報の交換)」、「画面上でのコンテンツ選択操作(購入処理およびパッケージのローカル伝送)」、および「コンテンツ再生」の3段階を経る。
【0096】
なお、以下において、無線通信装置101の筐体同士を短期間(数秒程度)接触若しくは数十センチメートル以下程度まで近接させることを、「タッチ」と称する。
【0097】
以上の各過程を経る間に、取得側無線通信装置101Bの表示部には以下の4つの画面が表示される。
【0098】
第1の画面は、「対向コンテンツ一覧」画面301である。
【0099】
無線通信装置101が所定の状態において他の無線通信装置101と「タッチ」されると、それぞれの近接無線通信部133が、近接無線通信(NFC通信)の接続を確立し、メッセージの交換(情報交換)を行う。
【0100】
取得側無線通信装置101Bの表示部には、このメッセージ交換により授受された、供給側無線通信装置101Aに記憶されている流通可能なコンテンツの一覧が、対向コンテンツ一覧画面301として表示される。この対向コンテンツ一覧画面301においては、コンテンツ毎に、決済タイミングに関して送信前の購入が必要なものには「要」、不要なものには、「不要」と表示される。
【0101】
この対向コンテンツ一覧画面301において、ユーザは、流通させるコンテンツの指定を行うことができる。ユーザが指定したコンテンツが、送信前の購入が必要である場合、取得側無線通信装置101Bは、コンテンツ管理サーバ104にアクセスする。そしてコンテンツの購入作業に入ると、取得側無線通信装置101Bの表示部に表示される画面は、コンテンツ購入画面302へと遷移する。
【0102】
また、送信前の購入が「不要」のコンテンツが指定された場合、供給側無線通信装置101Aは、選択されたコンテンツと、他の「不要」コンテンツとをパッケージ化し、近距離無線通信により、そのパッケージを供給する。取得側無線通信装置101Bは、近距離無線通信によりそのパッケージを取得する。このようにコンテンツが流通されると、取得側無線通信装置101Bの表示部に表示される画面は、その流通されたコンテンツの一覧を表示する「未開封コンテンツ一覧」画面303へと遷移する。
【0103】
第2の画面は、「購入(販社)」画面302である。取得側無線通信装置101Bは、コンテンツ購入処理を行うコンテンツ管理サーバ104に接続した後にこの購入画面302を表示する。取得側無線通信装置101Bのユーザは、この購入画面302に表示されたコンテンツ内容、価格、利用条件等に合意した場合、「購入ボタン」を押下する。これにより、コンテンツ管理サーバ104によって購入処理が行われる。
【0104】
流通前にこの購入処理が行われた場合、供給側無線通信装置101Aは、購入されたコンテンツを取得側無線通信装置101Bに供給する。このとき、購入されたコンテンツは、流通前の購入が不要な他のコンテンツとともにパッケージ化されて、取得側無線通信装置101Bに供給される。
【0105】
取得側無線通信装置101Bのユーザは、購入したコンテンツを、「購入コンテンツ一覧」画面304上で確認することが出来る。また、取得側無線通信装置101Bのユーザは、その購入したコンテンツ以外のコンテンツを、「未開封コンテンツ一覧」画面303上で確認することができる。
【0106】
第3の画面は、「未開封コンテンツ一覧」画面303である。この「未開封コンテンツ一覧」画面303には、近距離無線通信により取得した未購入のコンテンツ一覧が表示される。この一覧にあるコンテンツを再生したい場合、ユーザは、そのコンテンツを購入する必要がある。ユーザがコンテンツを選択すると、取得側無線通信装置101Bは、コンテンツ管理サーバ104へアクセスする。表示部に表示される画面は、コンテンツ購入画面へと遷移する。
【0107】
第4の画面は、「購入コンテンツ一覧」画面304である。この「購入コンテンツ一覧」画面304には、近距離無線通信で取得した購入済みのコンテンツ一覧が表示される。この一覧にあるコンテンツ全ては、再生可能な状態にある。
【0108】
[機能ブロック]
図7は、無線通信装置101が有する機能の構成例を示す機能ブロック図である。
【0109】
図7に示されるように、無線通信装置101のCPU111は、ハンドオーバ処理部311、メッセージ交換部312、コンテンツ選択部313、流通方法選択部314、流通禁止部315、第1流通処理部316、第2流通処理部317、第3流通処理部318、および、第4流通処理部319を有する。
【0110】
ハンドオーバ処理部311は、ユーザが無線通信装置101同士をタッチさせるだけで、近距離無線通信接続を確立することができるようにするハンドオーバ処理に関する処理を行う。
【0111】
メッセージ交換部312は、近接無線通信を用いたメッセージの授受を行う。コンテンツ選択部313は、コンテンツの選択に関する処理を行う。流通方法選択部314は、コンテンツを流通させる方法の選択についての処理を行う。流通禁止部315は、コンテンツの流通を禁止する。第1流通処理部316乃至第4流通処理部319は、それぞれ、互いに異なる方法でコンテンツを流通させる処理を行う。
【0112】
[メッセージ]
図8は、近接無線通信により送受信されるメッセージの構成例を説明する図である。本発明で用いられるNFC 通信パケットは、「Connection Handover Technical Specification」(NFC Forum)を基礎に構成される。
【0113】
NFC通信用のパケットフォーマットは、「NFC Data Exchange Format Technical Specification」(NFC Forum)で定義されている。第1のNDEFRecordのヘッダ部分にはこのNDEFメッセージがハンドオーバ用であることを示すハンドオーバ用RecordType(“Hr”または“Hs”)が格納されている。ここでハンドオーバとは、上述したように、NFC通信(近接無線通信)から近距離無線通信(セカンドキャリア)への切り替え処理を指している。
【0114】
第2のNDEFRecordはセカンドキャリア候補を格納する役割を負っており、ヘッダ部分のRecordTypeに”ac(Alternative Carrier)“が格納され、ペイロード部には各セカンドキャリアのRecordへのポインタが格納される。
【0115】
第3のNDEFRecordのヘッダ部分のRecordTypeには、セカンドキャリアに関する情報(セカンドキャリア情報)が格納される。例えば、セカンドキャリアがBluetooth(登録商標)である場合、Bluetooth認証情報を示す“application/vnd.bluetooth.ep.oob”という識別子が格納されており、ペイロード部分にはBluetoothコアバージョン2.1の仕様で規定される認証情報(BDアドレス(Bluetooth Device Address)、乱数およびハッシュ値等)が格納される。
【0116】
メッセージ交換部312は、これらのNDEFRecord(NFC Data Exchange Format Record)の最後尾に、第4以降のRecordを付加する。
【0117】
第4のRecordには移動体通信網接続情報が格納される。ヘッダ部分であるRecordTypeには移動体通信網接続情報を示す識別子が格納される。ペイロード部分には、移動体通信網への接続手段数、現在の移動体通信網接続状態、各接続手段の方法が順番に格納される。
【0118】
移動体通信網への接続は、移動体通信網用無線通信部131以外の通信方式のデバイスによっても可能である場合がある。例えば、WiFi(登録商標)デバイスは、アクセスポイントなどの中継局を経ることで移動体通信網へ接続が可能である。このような場合、図8に示されるように、このWiFi(登録商標)に関する情報も接続手段の1つとして第4のRecordに格納される。したがって、移動体通信網への接続手段数は、「2」となる。
【0119】
第5のRecord以降のRecordには、各コンテンツの属性情報が格納される。ヘッダ部であるRecordTypeにはコンテンツ属性情報を示す“contents_attr”という識別子が格納される。そして、ペイロード部分には、例えば、コンテンツID、コンテンツ名称、価格、コンテンツサーバのURL、決済タイミング、試用フラグ、および改ざん検出用の証明書等の、各コンテンツの属性情報が格納される。このコンテンツ属性用Recordはコンテンツの数だけ用意される。
【0120】
[ハンドオーバ処理の流れ]
無線通信装置101は、タッチされた他の無線通信装置101と近接無線通信を行い、メッセージを交換し、そのメッセージに含まれる近距離無線通信用の情報を用いて近距離無線通信の接続を確立する。
【0121】
このようなハンドオーバ処理の流れの例を、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0122】
互いの近接無線通信部133は、ハンドオーバ処理部311に制御され、「タッチ」された相手(他の無線通信装置101)との近接無線通信の接続を確立する(ステップS101、および、ステップS111)。
【0123】
近接無線通信の接続が確立すると、互いのメッセージ交換部312が、近接無線通信部133を介して互いのメッセージを交換する(ステップS102、ステップS103、ステップS112、およびステップS113)。
【0124】
互いの近距離無線通信部132は、ハンドオーバ処理部311に制御され、メッセージに含まれる、近距離無線通信の接続に関する情報を用いて、相手(他の無線通信装置101)との近距離無線通信の接続を確立する(ステップS104、および、ステップS114)。
【0125】
以上のようにハンドオーバ処理が行われる。従来、近距離無線通信の接続を確立させるためには、複雑な設定が必要であり、煩雑な作業を必要としたが、このようにハンドオーバ処理を行うことにより、その各種設定を近接無線通信により交換することができるので、無線通信装置101のユーザは、筐体をタッチさせるだけで容易に近距離無線通信を確立させることができる。
【0126】
[コンテンツ流通方式]
以上のように近距離無線通信の接続が確立すると、その近距離無線通信を用いたコンテンツの流通方式が決定される。コンテンツ流通方式には以下のような方法があり、それぞれ以下のような動作条件を有する。
【0127】
図10は、コンテンツ流通方式の動作条件を説明する図である。
【0128】
図10に示されるように、流通方式としては、まず、決済前にコンテンツを送受信する第1の流通方式がある。この第1の流通方式の場合、供給側無線通信装置101Aと取得側無線通信装置101Bの両方が、任意のタイミングでコンテンツ管理サーバ104にアクセスすることができればよい。ただし、取得側無線通信装置101Bは、コンテンツを視聴する前に、コンテンツ管理サーバ104に接続する必要があり、供給側無線通信装置101Aは、その取得側無線通信装置101Bよりも前に、コンテンツ管理サーバ104に接続する必要がある。
【0129】
また、決済後のコンテンツを送受信する第2の流通方式がある。この第2の流通方式の場合、供給側無線通信装置101Aと取得側無線通信装置101Bの両方がコンテンツ管理サーバ104にアクセス可能である必要がある。
【0130】
さらに、決済後のコンテンツを送受信する第3の流通方式がある。この第3の流通方式の場合、取得側無線通信装置101Bは、コンテンツ管理サーバ104にアクセス可能である必要があるが、供給側無線通信装置101Aは、コンテンツ管理サーバ104とアクセス不可能であってもよい(取得側無線通信装置101Bと通信可能であればよい)。
【0131】
なお、アクセス不可能な状態には、無線通信装置101がコンテンツ管理サーバ104に接続する機能を有するが、トンネルなどの遮蔽物によって電波が届かない状況、SIMカードのような認証情報が失われた状況等によって一時的にアクセス不可能な場合(状態による圏外)と、無線通信装置101が始めからコンテンツ管理サーバ104に接続する機能を有していない場合(通信特性による圏外)とがある。
【0132】
さらに、決済後のコンテンツを送受信する第4の流通方式がある。この第4の流通方式の場合、供給側無線通信装置101Aは、コンテンツ管理サーバ104にアクセス可能である必要があるが、取得側無線通信装置101Bは、コンテンツ管理サーバ104とアクセス不可能であってもよい(供給側無線通信装置101Aと通信可能であればよい)。
【0133】
[流通方式選択処理の流れ]
取得側無線通信装置101Bのユーザが、メッセージ交換により取得した供給側無線通信装置101Aのコンテンツのリストから所望のコンテンツを選択すると、そのコンテンツを竜写させるために、無線通信装置101は、流通させるコンテンツや通信状況等に応じて、以上のような流通方式の中から1つを選択する。
【0134】
最初に、供給側無線通信装置101Aによる流通方式選択処理の流れの例を図11のフローチャートを参照して説明する。
【0135】
流通方式選択処理が開始されると、コンテンツ選択部313は、ステップS131において、近距離無線通信部132を介して、取得側無線通信装置101Bから選択コンテンツ指示を取得する。この選択コンテンツ指示は、取得側無線通信装置101Bのユーザが選択したコンテンツを示す情報であり、その選択コンテンツ指示より指定されるコンテンツの流通を要求するものである。
【0136】
コンテンツ選択部313は、ステップS132において、供給側無線通信装置101Aに記憶されている流通可能なコンテンツを、取得側無線通信装置101Bのユーザが選択したコンテンツとそれ以外のコンテンツに分類する。
【0137】
コンテンツ選択部313は、取得側無線通信装置101Bのユーザが選択したコンテンツについては、ステップS137以降の処理を行うように制御し、それ以外のコンテンツについては、ステップS133以降の処理を行うように制御する。
【0138】
先に、それ以外のコンテンツに対する処理について説明する。ステップS133において、コンテンツ選択部313は、供給側無線通信装置101Aに記憶されている流通可能なコンテンツ群の中から、送信前に決済が不要なコンテンツ群を抽出する。
【0139】
送信前に決済が不要なコンテンツは、コンテンツの視聴の前に決済が完了していればよく、コンテンツデータの流通そのものは、その自由が認められているコンテンツである。つまり、コンテンツデータの流通を優先させる思想の設定であるので、この設定のコンテンツは、より多く流通させることが望ましい。
【0140】
そこで、供給側無線通信装置101Aは、ユーザに選択されていなくても、このように送信前(流通前)に決済が不要なコンテンツを流通させる。
【0141】
ステップS134において、流通方法選択部314は、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bの両方が移動体通信網に接続する機能を有しているか否かを判定する。
【0142】
少なくともいずれか一方が、移動体通信網に接続する機能を有しておらず、コンテンツ管理サーバ104に接続不可能であると判定された場合、ステップS135に進む。
【0143】
ステップS135において、流通禁止部315は、それ以外のコンテンツの流通を禁止する。
【0144】
また、ステップS134において、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bの両方が移動体通信網に接続する機能を有していると判定された場合、ステップS136に進む。
【0145】
ステップS136において、第1流通処理部316は、第1の流通方式(ケース1)でそれ以外のコンテンツの流通を行う。
【0146】
次に、取得側無線通信装置101Bのユーザが選択したコンテンツに対する処理について説明する。ステップS137において、流通方法選択部314は、ユーザが選択したコンテンツが、送信前に決済が必要なコンテンツであるか否かを判定する。決済が不要であると判定された場合、ステップS134に戻り、それ以外のコンテンツの場合と同様に流通方法が決定される。
【0147】
ステップS137において、コンテンツ送信前に決済が必要であると判定された場合、ステップS138に進む。ステップS138において、流通方法選択部314は、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bの両方が圏内(移動体通信網に接続する機能を有しており、かつ、現在、接続可能な状況)であるか否かを判定する。
【0148】
両方とも圏内であると判定された場合、ステップS139に進む。ステップS139において、第2流通処理部317は、第2の流通方式(ケース2)でユーザが選択したコンテンツの流通を行う。
【0149】
ステップS138において、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bのうち、少なくともいずれか一方が圏外(移動体通信網に接続する機能を有していないか、若しくは、現在、接続不可能な状況)であると判定された場合、ステップS140に進む。
【0150】
ステップS140において、流通方法選択部314は、取得側無線通信装置101Bが圏内(移動体通信網に接続する機能を有しており、かつ、現在、接続可能な状況)であるか否かを判定する。
【0151】
取得側無線通信装置101Bが圏内であると判定された場合、ステップS141に進む。ステップS141において、第3流通処理部318は、第3の流通方式(ケース3)でユーザが選択したコンテンツの流通を行う。
【0152】
ステップS140において、取得側無線通信装置101Bが圏外(移動体通信網に接続する機能を有していないか、若しくは、現在、接続不可能な状況)であると判定された場合、ステップS142に進む。
【0153】
ステップS142において、流通方法選択部314は、供給側無線通信装置101Aが圏内(移動体通信網に接続する機能を有しており、かつ、現在、接続可能な状況)であるか否かを判定する。
【0154】
供給側無線通信装置101Aが圏内であると判定された場合、ステップS143に進む。ステップS143において、第4流通処理部319は、第4の流通方式(ケース4)でユーザが選択したコンテンツの流通を行う。
【0155】
ステップS142において、供給側無線通信装置101Aが圏外(移動体通信網に接続する機能を有していないか、若しくは、現在、接続不可能な状況)であると判定された場合、ステップS144に進む。
【0156】
この場合、供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bの両方が圏外であるので、ステップS144において、流通禁止部315は、ユーザが選択したコンテンツの流通を禁止する。
【0157】
次に、取得側無線通信装置101Bによる流通方式選択処理の流れの例を図12のフローチャートを参照して説明する。
【0158】
取得側無線通信装置101Bは、ユーザが選択したコンテンツについてのみ流通方式を選択する。上述したそれ以外のコンテンツについての流通方式については、供給側無線通信装置101Aの選択に従う。
【0159】
ユーザによりコンテンツが選択されると、コンテンツ選択部313は、ステップS161において、選択コンテンツ指示を供給側無線通信装置101Aに供給する。
【0160】
選択コンテンツ指示を供給すると、流通方法選択部314は、そのユーザが選択したコンテンツについて、コンテンツの流通方式の選択を行う。ただし、このときの選択が供給側無線通信装置101Aによる選択と異なると不都合が生じるので、取得側無線通信装置101Bの流通方法選択部314は、供給側無線通信装置101Aと同様の方法で選択を行う。
【0161】
つまり、ステップS162乃至ステップS172の各処理は、図11のステップS135乃至ステップS144の各処理と同様に行われる。
【0162】
以上のように、コンテンツや通信状況等に応じて流通方式を選択することにより、無線通信装置101は、より多様な状況下での正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【0163】
次に、各流通方式について説明する。
【0164】
[第1の流通方式]
図13は、第1の流通方式の主な流れの例を説明する図である。
【0165】
第1の流通方式は、コンテンツ(暗号化処理は必須)が決済前に送付可能であり、また供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bの両方が移動体通信網に接続可能である場合に適用される。
【0166】
最初に、近接無線通信(NFC通信)によって近距離無線通信の接続情報とともに、コンテンツリストが交換される(処理0)。取得側無線通信装置101Bは、ユーザが選択したコンテンツのコンテンツIDを含む選択コンテンツ指示を供給側無線通信装置101Aに供給する。この選択コンテンツ指示の送受信は、近接無線通信と近距離無線通信のどちらで行われるようにしてもよい。
【0167】
流通方法選択処理が行われ、第1の流通方式が選択されると、供給側無線通信装置101Aは、抽出されたコンテンツデータを暗号化するための暗号鍵を生成する(処理1)。供給側無線通信装置101Aは、生成した暗号鍵を用いて、送信するコンテンツデータを暗号化し(処理2)、コンテンツデータが複数ある場合は、それらをパッケージ化してまとめる(処理3)。
【0168】
なお、コンテンツデータの暗号化は、コンテンツデータ毎に行われる(コンテンツデータ毎に異なる暗号鍵で暗号化する)ようにしてもよいし、パッケージ化された状態で行われる(複数のコンテンツデータを単一の暗号鍵で暗号化する)ようにしてもよい。もちろん、その両方を行う(各コンテンツデータ専用の暗号鍵で各コンテンツデータを暗号化した後、暗号化された複数のコンテンツデータをパッケージ化し、さらにパッケージ用の暗号鍵でそのパッケージを暗号化する)ようにしてもよい。
【0169】
供給側無線通信装置101Aは、近距離無線通信によって、暗号化されたコンテンツデータを取得側無線通信装置101Bに供給する(処理4)。取得側無線通信装置101Bは、それを取得する(処理5)。
【0170】
供給側無線通信装置101Aは、移動体通信網を介して、使用した暗号鍵をコンテンツ管理サーバ104に供給する(処理6)。コンテンツ管理サーバ104は、その暗号鍵を取得し(処理7)、保持する(処理8)。
【0171】
取得側無線通信装置101Bは、コンテンツデータを再生する前に、購入処理を行う。取得側無線通信装置101Bは、ユーザからの購入操作があると、選択したコンテンツの属性情報から取得したURLよりコンテンツ管理サーバ104に接続し、コンテンツID、および、決済方法に関する情報含む購入コマンドをコンテンツ管理サーバ104に供給する(処理9)。
【0172】
コンテンツ管理サーバ104は、その購入コマンドを取得すると(処理10)、決済方法に応じて適切な決済サーバ105に接続し、ユーザと決済サーバ105の中継を行い、決済処理が完了したことを確認する(処理11)。
【0173】
決済が完了すると、コンテンツ管理サーバ104は、コンテンツに対応する暗号鍵を取得側無線通信装置101Bに供給する(処理12)。取得側無線通信装置101Bは、この暗号鍵を取得すると(処理13)、その暗号鍵を用いてコンテンツデータを復号し(処理14)、再生する(処理15)。
【0174】
図14は、第1の流通方式に関する機能ブロックを説明する機能ブロック図である。
【0175】
図14Aに示されるように、供給側無線通信装置101Aの第1流通処理部316(以下、第1流通処理部316Aと称する)は、鍵生成部341、暗号化部342、パッケージ化部343、コンテンツ供給部344、および鍵供給部345を有する。
【0176】
図14Bに示されるように、取得側無線通信装置101Bの第1流通処理部316(以下、第1流通処理部316Bと称する)は、コンテンツ取得部361、購入処理部362、鍵取得部363、復号部364、および再生部365を有する。
【0177】
図14Cに示されるように、コンテンツ管理サーバ104のCPU201は、機能ブロックとして、鍵取得部381、鍵保持部382、購入処理部383、決済処理部384、および鍵供給部385を有する。
【0178】
図15のフローチャートを参照して、この第1の流通方式において実行される第1のコンテンツ流通処理の主な流れの例を説明する。
【0179】
流通させるコンテンツが選択されると、鍵生成部341は、ステップS201において、暗号鍵を生成する。暗号化部342は、ステップS202において、その暗号鍵を用いて流通させる各コンテンツデータを暗号化する。ステップS203において、パッケージ化部343は、流通させるコンテンツデータ群をパッケージ化する。ステップS204において、暗号化部342は、暗号鍵を用いてそのパッケージを暗号化する。上述したように、ステップS202およびステップS204の暗号化は、いずれか一方のみ行うようにしてもよい。
【0180】
ステップS205において、コンテンツ供給部344は、近距離無線通信部132を介して、暗号化されたコンテンツデータである暗号化コンテンツを取得側無線通信装置101Bに供給する。コンテンツ取得部361は、ステップS211において、その暗号化コンテンツを、近距離無線通信部132を介して取得する。
【0181】
ステップS206において、鍵供給部345は、暗号化に用いられた暗号鍵を、移動体通信網用無線通信部131を介してコンテンツ管理サーバ104に供給する。鍵取得部381は、ステップS221において、通信部214を介してその暗号鍵を取得する。鍵保持部382は、ステップS222において、取得した暗号鍵をコンテンツ情報データベース221等に保持させる。
【0182】
ステップS212において、購入処理部362は、移動体通信網用無線通信部131を介してコンテンツ管理サーバ104にアクセスし、購入処理を行う。これに対応して、購入処理部383は、ステップS223において、通信部214を介して購入処理を行う。
【0183】
ステップS224において、決済処理部384は、ユーザ情報データベース222のユーザ情報を参照し、通信部214を介して正当な決済サーバ105にアクセスし、決済処理を行う。これに対応して、決済サーバ105の決済処理部271は、ステップS231において、顧客データベース272の情報を用いて、通信部264を介して決済処理を行う。
【0184】
決済処理が完了すると、鍵供給部385は、ステップS225において、決済処理を済ませたコンテンツに対応する暗号鍵を、通信部214を介して取得側無線通信装置101Bに供給する。鍵取得部363は、ステップS213において、移動体通信網用無線通信部131を介してその暗号鍵を取得する。
【0185】
復号部364は、ステップS214において、取得された暗号鍵を用いて暗号化コンテンツを復号する。再生部365は、ステップS215において、復号されて得られたコンテンツデータを再生する。
【0186】
以上のように第1の流通方式の場合、購入処理を行わずにコンテンツの流通を行うことができる。したがって、コンテンツの流通時や再生時に、供給側無線通信装置101Aと取得側無線通信装置101Bの両方がコンテンツ管理サーバ104に接続している必要がない。つまり、このような流通方式を用いることにより、コンテンツ流通システム100は、正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【0187】
なお、供給側無線通信装置101Aが圏外であり、暗号鍵をコンテンツ管理サーバ104に送信する前に、取得側無線通信装置101Bがコンテンツ管理サーバ104に接続を行った場合、取得側無線通信装置101Bは、先に購入意思をコンテンツ管理サーバ104に登録する(購入予約を行う)こともできる。
【0188】
その後、供給側無線通信装置101Aが圏内になり、暗号鍵をコンテンツ管理サーバ104に送信完了したら、コンテンツ管理サーバ104は、購入処理をして、購入完了通知と暗号鍵を取得側無線通信装置101Bに送付する。
【0189】
[第2の流通方式]
次に第2の流通方式について説明する。図16は、第2の流通方式の主な流れの例を説明する図である。
【0190】
第2の流通方式は、コンテンツ送付前の決済が必須であり、また供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bの両方が移動体通信網に接続可能な状況である場合に適用される。
【0191】
最初に、近接無線通信(NFC通信)によって近距離無線通信の接続情報とともに、コンテンツリストが交換される(処理0)。取得側無線通信装置101Bは、ユーザが選択したコンテンツのコンテンツIDを含む選択コンテンツ指示を供給側無線通信装置101Aに供給する。この選択コンテンツ指示の送受信は、近接無線通信と近距離無線通信のどちらで行われるようにしてもよい。
【0192】
流通方法選択処理が行われ、第2の流通方式が選択されると、取得側無線通信装置101Bは、選択したコンテンツの属性情報から取得したURLよりコンテンツ管理サーバ104に接続し、コンテンツID、および、決済方法に関する情報含む購入コマンドをコンテンツ管理サーバ104に供給する(処理1)。
【0193】
コンテンツ管理サーバ104は、その購入コマンドを取得すると(処理2)、決済方法に応じて適切な決済サーバ105に接続し、ユーザと決済サーバ105の中継を行い、決済処理が完了したことを確認する(処理3)。
【0194】
決済が完了すると、コンテンツ管理サーバ104は、そのコンテンツに対応する暗号鍵を生成し(処理4)、その暗号鍵を供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bに供給する(処理5)。取得側無線通信装置101Bは、この暗号鍵を取得する(処理6)。供給側無線通信装置101Aも、この暗号鍵を取得する(処理7)。
【0195】
供給側無線通信装置101Aは、取得した暗号鍵を用いて、送信するコンテンツデータを暗号化し(処理8)、コンテンツデータが複数ある場合は、それらをパッケージ化してまとめる(処理9)。
【0196】
なお、コンテンツデータの暗号化は、コンテンツデータ毎に行われる(コンテンツデータ毎に異なる暗号鍵で暗号化する)ようにしてもよいし、パッケージ化された状態で行われる(複数のコンテンツデータを単一の暗号鍵で暗号化する)ようにしてもよい。もちろん、その両方を行う(各コンテンツデータ専用の暗号鍵で各コンテンツデータを暗号化した後、暗号化された複数のコンテンツデータをパッケージ化し、さらにパッケージ用の暗号鍵でそのパッケージを暗号化する)ようにしてもよい。
【0197】
供給側無線通信装置101Aは、近距離無線通信によって、暗号化されたコンテンツデータを取得側無線通信装置101Bに供給する(処理10)。取得側無線通信装置101Bは、それを取得する(処理11)。
【0198】
取得側無線通信装置101Bは、コンテンツ管理サーバ104から供給された暗号鍵を用いてコンテンツデータを復号し(処理12)、再生する(処理13)。
【0199】
図17は、第2の流通方式に関する機能ブロックを説明する機能ブロック図である。
【0200】
図17Aに示されるように、供給側無線通信装置101Aの第2流通処理部317(以下、第2流通処理部317Aと称する)は、鍵取得部401、暗号化部402、パッケージ化部403、およびコンテンツ供給部404を有する。
【0201】
図17Bに示されるように、取得側無線通信装置101Bの第2流通処理部317(以下、第2流通処理部317Bと称する)は、購入処理部421、鍵取得部422、コンテンツ取得部423、復号部424、および再生部425を有する。
【0202】
図17Cに示されるように、コンテンツ管理サーバ104のCPU201は、機能ブロックとして、購入処理部441、決済処理部442、鍵生成部443、および鍵供給部444を有する。
【0203】
図18のフローチャートを参照して、この第2の流通方式において実行される第2のコンテンツ流通処理の主な流れの例を説明する。
【0204】
流通させるコンテンツが選択されると、購入処理部421は、ステップS261において、移動体通信網用無線通信部131を介してコンテンツ管理サーバ104にアクセスし、購入処理を行う。これに対応して、購入処理部441は、ステップS271において、通信部214を介して購入処理を行う。
【0205】
ステップS272において、決済処理部442は、ユーザ情報データベース222のユーザ情報を参照し、通信部214を介して正当な決済サーバ105にアクセスし、決済処理を行う。これに対応して、決済サーバ105の決済処理部271は、ステップS281において、顧客データベース272の情報を用いて、通信部264を介して決済処理を行う。
【0206】
決済処理が完了すると、鍵生成部443は、ステップS273において、購入処理されたコンテンツデータに対する暗号鍵を生成する。ステップS274において、鍵供給部444は、生成した暗号鍵を、通信部214を介して供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bに供給する。鍵取得部401は、ステップS251において、移動体通信網用無線通信部131を介してその暗号鍵を取得する。同様に、鍵取得部422は、ステップS262において、移動体通信網用無線通信部131を介してその暗号鍵を取得する。
【0207】
暗号化部402は、ステップS252において、その暗号鍵を用いて流通させる各コンテンツデータを暗号化する。ステップS253において、パッケージ化部403は、流通させるコンテンツデータ群をパッケージ化する。ステップS254において、暗号化部402は、暗号鍵を用いてそのパッケージを暗号化する。上述したように、ステップS252およびステップS254の暗号化は、いずれか一方のみ行うようにしてもよい。
【0208】
ステップS255において、コンテンツ供給部404は、近距離無線通信部132を介して、暗号化されたコンテンツデータである暗号化コンテンツを取得側無線通信装置101Bに供給する。コンテンツ取得部423は、ステップS263において、その暗号化コンテンツを、近距離無線通信部132を介して取得する。
【0209】
復号部424は、ステップS264において、コンテンツ管理サーバ104から供給された暗号鍵を用いて、供給側無線通信装置101Aから供給された暗号化コンテンツを復号する。再生部425は、ステップS265において、復号されて得られたコンテンツデータを再生する。
【0210】
以上のように第2の流通方式の場合、購入処理を行ってからコンテンツの流通を行うことができる。また、コンテンツの流通時や再生時に、供給側無線通信装置101Aと取得側無線通信装置101Bの両方がコンテンツ管理サーバ104に接続している必要がある。したがって、コンテンツの不正な流通の抑制を重要視するコンテンツも安全に流通させることができる。つまり、このような流通方式を用いることにより、コンテンツ流通システム100は、正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【0211】
[第3の流通方式]
次に第3の流通方式について説明する。図19は、第3の流通方式の主な流れの例を説明する図である。
【0212】
第3の流通方式は、コンテンツ送付前の決済が必須であり、また取得側無線通信装置101Bのみが移動体通信網に接続可能な状況である場合に適用される。
【0213】
最初に、近接無線通信(NFC通信)によって近距離無線通信の接続情報とともに、コンテンツリストが交換される(処理0)。取得側無線通信装置101Bは、ユーザが選択したコンテンツのコンテンツIDを含む選択コンテンツ指示を供給側無線通信装置101Aに供給する。この選択コンテンツ指示の送受信は、近接無線通信と近距離無線通信のどちらで行われるようにしてもよい。
【0214】
流通方法選択処理が行われ、第3の流通方式が選択されると、取得側無線通信装置101Bは、公開鍵(それに対応した秘密鍵)を生成し、選択したコンテンツの属性情報から取得したURLよりコンテンツ管理サーバ104に接続し、コンテンツID、決済方法に関する情報、および公開鍵を含む購入コマンドをコンテンツ管理サーバ104に供給する(処理1)。
【0215】
コンテンツ管理サーバ104は、その購入コマンドを取得すると(処理2)、決済方法に応じて適切な決済サーバ105に接続し、ユーザと決済サーバ105の中継を行い、決済処理が完了したことを確認する(処理3)。
【0216】
決済が完了すると、コンテンツ管理サーバ104は、購入済みコンテンツIDに対して証明書を発行し、これを公開鍵で暗号化する。その後、この暗号化された証明書を取得側無線通信装置101Bに供給する(処理4)。取得側無線通信装置101Bは、この証明書を取得する(処理5)。
【0217】
取得側無線通信装置101Bは、秘密鍵で証明書を復号し、この証明書、公開鍵、およびコンテンツIDを、近距離無線通信を用いて供給側無線通信装置101Aに供給する(処理6)。供給側無線通信装置101Aは、これらを取得する(処理7)。
【0218】
供給側無線通信装置101Aは、証明書の真偽を判断した後、真であれば取得した公開鍵を用いて、コンテンツデータを暗号化し(処理8)、コンテンツデータが複数ある場合は、それらをパッケージ化してまとめる(処理9)。
【0219】
なお、コンテンツデータの暗号化は、コンテンツデータ毎に行われる(コンテンツデータ毎に異なる暗号鍵で暗号化する)ようにしてもよいし、パッケージ化された状態で行われる(複数のコンテンツデータを単一の暗号鍵で暗号化する)ようにしてもよい。もちろん、その両方を行う(各コンテンツデータ専用の暗号鍵で各コンテンツデータを暗号化した後、暗号化された複数のコンテンツデータをパッケージ化し、さらにパッケージ用の暗号鍵でそのパッケージを暗号化する)ようにしてもよい。
【0220】
供給側無線通信装置101Aは、近距離無線通信によって、暗号化されたコンテンツデータを取得側無線通信装置101Bに供給する(処理10)。取得側無線通信装置101Bは、それを取得する(処理11)。
【0221】
取得側無線通信装置101Bは、秘密鍵を用いてコンテンツデータを復号し(処理12)、再生する(処理13)。
【0222】
図20は、第3の流通方式に関する機能ブロックを説明する機能ブロック図である。
【0223】
図20Aに示されるように、供給側無線通信装置101Aの第3流通処理部318(以下、第3流通処理部318Aと称する)は、鍵証明書取得部461、暗号化部462、パッケージ化部463、およびコンテンツ供給部464を有する。
【0224】
図20Bに示されるように、取得側無線通信装置101Bの第3流通処理部318(以下、第3流通処理部318Bと称する)は、購入処理部481、証明書取得部482、鍵証明書供給部483、コンテンツ取得部484、復号部485、および再生部486を有する。
【0225】
図20Cに示されるように、コンテンツ管理サーバ104のCPU201は、機能ブロックとして、購入処理部501、決済処理部502、および証明書発行部503を有する。
【0226】
図21のフローチャートを参照して、この第3の流通方式において実行される第3のコンテンツ流通処理の主な流れの例を説明する。
【0227】
流通させるコンテンツが選択されると、購入処理部481は、ステップS311において、移動体通信網用無線通信部131を介してコンテンツ管理サーバ104にアクセスし、購入処理を行う。これに対応して、購入処理部501は、ステップS321において、通信部214を介して購入処理を行う。
【0228】
ステップS322において、決済処理部502は、ユーザ情報データベース222のユーザ情報を参照し、通信部214を介して正当な決済サーバ105にアクセスし、決済処理を行う。これに対応して、決済サーバ105の決済処理部271は、ステップS331において、顧客データベース272の情報を用いて、通信部264を介して決済処理を行う。
【0229】
決済処理が完了すると、証明書発行部503は、ステップS323において、購入処理されたコンテンツデータに対する証明書を発行し、その証明書を秘密鍵で暗号化し、暗号化された証明書を、通信部214を介して取得側無線通信装置101Bに供給する。ステップS312において、証明書取得部482は、移動体通信網用無線通信部131を介してその暗号化された証明書を取得する。
【0230】
鍵証明書供給部483は、取得された証明書を秘密鍵で復号すると、ステップS313において、その証明書、公開鍵、および流通させるコンテンツデータのコンテンツIDを、近距離無線通信部132を介して供給側無線通信装置101に供給する。鍵証明書取得部461は、ステップS301において、近距離無線通信部132を介してそれらを取得する。
【0231】
暗号化部462は、証明書の真偽を判断した後、真であれば、ステップS302において、取得した公開鍵を用いて流通させる各コンテンツデータを暗号化する。ステップS303において、パッケージ化部463は、流通させるコンテンツデータ群をパッケージ化する。ステップS304において、暗号化部462は、公開鍵を用いてそのパッケージを暗号化する。上述したように、ステップS302およびステップS304の暗号化は、いずれか一方のみ行うようにしてもよい。
【0232】
ステップS305において、コンテンツ供給部464は、近距離無線通信部132を介して、暗号化されたコンテンツデータである暗号化コンテンツを取得側無線通信装置101Bに供給する。コンテンツ取得部484は、ステップS314において、その暗号化コンテンツを、近距離無線通信部132を介して取得する。
【0233】
復号部485は、ステップS315において、秘密鍵を用いて、供給側無線通信装置101Aから供給された暗号化コンテンツを復号する。再生部486は、ステップS316において、復号されて得られたコンテンツデータを再生する。
【0234】
以上のように第3の流通方式の場合、購入処理を行ってからコンテンツの流通を行うことができる。また、コンテンツの流通時や再生時に、取得側無線通信装置101Bがコンテンツ管理サーバ104に接続している必要があるが、供給側無線通信装置101Aは、その必要が無い。したがって、コンテンツの不正な流通の抑制を重要視するコンテンツを、第2の流通方式で対応不可能な状況においても安全に流通させることができる。つまり、このような流通方式を用いることにより、コンテンツ流通システム100は、正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【0235】
[第4の流通方式]
次に第4の流通方式について説明する。図22は、第4の流通方式の主な流れの例を説明する図である。
【0236】
第4の流通方式は、コンテンツ送付前の決済が必須であり、また供給側無線通信装置101Aのみが移動体通信網に接続可能な状況である場合に適用される。
【0237】
最初に、近接無線通信(NFC通信)によって近距離無線通信の接続情報とともに、コンテンツリストが交換される(処理0)。取得側無線通信装置101Bは、ユーザが選択したコンテンツのコンテンツIDを含む選択コンテンツ指示を供給側無線通信装置101Aに供給する。この選択コンテンツ指示の送受信は、近接無線通信と近距離無線通信のどちらで行われるようにしてもよい。
【0238】
流通方法選択処理が行われ、第4の流通方式が選択されると、取得側無線通信装置101Bは、近距離無線通信を用いて供給側無線通信装置101Aに対して、処理0で取得したURLのサーバに対するVPN(Virtual Private Network)接続用コマンドを供給する。このコマンドを取得した供給側無線通信装置101Aは、移動体通信網を経由して、コンテンツ管理サーバ104にアクセスする。取得側無線通信装置101Bおよびコンテンツ管理サーバ104は、供給側無線通信装置101Aを中継点として、伝送路の暗号化を行い、仮想的な伝送路(VPN)を確立する(処理1、処理2)。なお、このVPNを介して送受信される情報は、暗号化されており、供給側無線通信装置101Aは、その情報を参照することはできない。
【0239】
取得側無線通信装置101Bは、このVPNを利用して、コンテンツIDを含む購入コマンドをコンテンツ管理サーバ104に供給する(処理3)。
【0240】
コンテンツ管理サーバ104は、その購入コマンドを取得すると(処理4)、決済方法に応じて適切な決済サーバ105に接続し、ユーザと決済サーバ105の中継を行い、決済処理が完了したことを確認する(処理5)。
【0241】
決済が完了すると、コンテンツ管理サーバ104は、そのコンテンツに対応する暗号鍵を生成し(処理6)、その暗号鍵を供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bに供給する(処理7)。取得側無線通信装置101Bへの暗号鍵の供給は、VPNを介して行われる。
【0242】
取得側無線通信装置101Bは、この暗号鍵を取得する(処理8)。供給側無線通信装置101Aも、この暗号鍵を取得する(処理9)。
【0243】
供給側無線通信装置101Aは、取得した暗号鍵を用いて、送信するコンテンツデータを暗号化し(処理10)、コンテンツデータが複数ある場合は、それらをパッケージ化してまとめる(処理11)。
【0244】
なお、コンテンツデータの暗号化は、コンテンツデータ毎に行われる(コンテンツデータ毎に異なる暗号鍵で暗号化する)ようにしてもよいし、パッケージ化された状態で行われる(複数のコンテンツデータを単一の暗号鍵で暗号化する)ようにしてもよい。もちろん、その両方を行う(各コンテンツデータ専用の暗号鍵で各コンテンツデータを暗号化した後、暗号化された複数のコンテンツデータをパッケージ化し、さらにパッケージ用の暗号鍵でそのパッケージを暗号化する)ようにしてもよい。
【0245】
供給側無線通信装置101Aは、近距離無線通信によって、暗号化されたコンテンツデータを取得側無線通信装置101Bに供給する(処理12)。取得側無線通信装置101Bは、それを取得する(処理13)。
【0246】
取得側無線通信装置101Bは、コンテンツ管理サーバ104からVPNを介して供給された暗号鍵を用いてコンテンツデータを復号し(処理14)、再生する(処理15)。
【0247】
図23は、第4の流通方式に関する機能ブロックを説明する機能ブロック図である。
【0248】
図23Aに示されるように、供給側無線通信装置101Aの第4流通処理部319(以下、第4流通処理部319Aと称する)は、VPN中継部521、鍵取得部522、暗号化部523、パッケージ化部524、およびコンテンツ供給部525を有する。
【0249】
図23Bに示されるように、取得側無線通信装置101Bの第4流通処理部319(以下、第4流通処理部319Bと称する)は、VPN接続部541、購入処理部542、鍵取得部543、コンテンツ取得部544、復号部545、および再生部546を有する。
【0250】
図23Cに示されるように、コンテンツ管理サーバ104のCPU201は、機能ブロックとして、VPN接続部561、購入処理部562、決済処理部563、鍵生成部564、および鍵供給部565を有する。
【0251】
図24のフローチャートを参照して、この第4の流通方式において実行される第4のコンテンツ流通処理の主な流れの例を説明する。
【0252】
流通させるコンテンツが選択されると、VPN接続部541は、ステップS361において、近距離無線通信部132を制御し、供給側無線通信装置101Aを介してコンテンツ管理サーバ104とのVPN接続を確立する。
【0253】
VPN中継部521は、ステップS351において、移動体通信網用無線通信部131および近距離無線通信部132を制御し、そのVPN接続を中継する。VPN接続部561は、ステップS371において、それらの処理に対応して通信部214を制御し、VPN接続を確立する。
【0254】
供給側無線通信装置101Aを介して、取得側無線通信装置101Bとコンテンツ管理サーバ104との間にVPNが確立すると、購入処理部542は、ステップS362において、近距離無線通信部132を介してコンテンツ管理サーバ104にアクセスし、購入処理を行う。これに対応して、購入処理部562は、ステップS372において、通信部214を介して購入処理を行う。
【0255】
なお、この購入処理は、VPNを介して行われる。このようなVPNを介した通信は、物理的には、供給側無線通信装置101Aを介するが、実質的には、取得側無線通信装置101Bとコンテンツ管理サーバ104との間で情報が授受される(供給側無線通信装置101Aはその情報の授受に干渉しないので)。図24においては、このようなVPNを介した情報の授受を点線で示す。
【0256】
ステップS373において、決済処理部563は、ユーザ情報データベース222のユーザ情報を参照し、通信部214を介して正当な決済サーバ105にアクセスし、決済処理を行う。これに対応して、決済サーバ105の決済処理部271は、ステップS381において、顧客データベース272の情報を用いて、通信部264を介して決済処理を行う。
【0257】
決済処理が完了すると、鍵生成部564は、ステップS374において、購入処理されたコンテンツデータに対して暗号鍵を生成する。鍵供給部565は、ステップS375において、その暗号鍵を、通信部214を介して供給側無線通信装置101Aおよび取得側無線通信装置101Bに供給する。なお、取得側無線通信装置101Bへの暗号鍵の供給は、VPNを介して行われる。
【0258】
ステップS352において、鍵取得部522は、移動体通信網用無線通信部131を介してその暗号鍵を取得する。同様に、鍵取得部543は、ステップS363において、近距離無線通信部132を介してその暗号鍵を取得する。
【0259】
暗号化部523は、ステップS353において、取得した暗号鍵を用いて流通させる各コンテンツデータを暗号化する。ステップS354において、パッケージ化部524は、流通させるコンテンツデータ群をパッケージ化する。ステップS355において、暗号化部523は、暗号鍵を用いてそのパッケージを暗号化する。上述したように、ステップS353およびステップS355の暗号化は、いずれか一方のみ行うようにしてもよい。
【0260】
ステップS356において、コンテンツ供給部525は、近距離無線通信部132を介して、暗号化されたコンテンツデータである暗号化コンテンツを取得側無線通信装置101Bに供給する。コンテンツ取得部525は、ステップS364において、その暗号化コンテンツを、近距離無線通信部132を介して取得する。
【0261】
復号部545は、ステップS365において、取得した暗号鍵を用いて、供給側無線通信装置101Aから供給された暗号化コンテンツを復号する。再生部546は、ステップS366において、復号されて得られたコンテンツデータを再生する。
【0262】
以上のように第4の流通方式の場合、購入処理を行ってからコンテンツの流通を行うことができる。また、コンテンツの流通時や再生時に、供給側無線通信装置101Aがコンテンツ管理サーバ104に接続している必要があるが、取得側無線通信装置101Bは、その必要が無い。したがって、コンテンツの不正な流通の抑制を重要視するコンテンツを、第2の流通方式や第3の流通方式で対応不可能な状況においても安全に流通させることができる。つまり、このような流通方式を用いることにより、コンテンツ流通システム100は、正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【0263】
以上のように、コンテンツ流通システム100は、複数の流通方式でコンテンツを正当に流通させることができるので、より多様な状況下での正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【0264】
なお、以上においては、コンテンツリストの授受が、近接無線通信により行われるように説明したが、これに限らず、近距離無線通信により行われるようにしてもよい。
【0265】
また、以上においては、近距離無線通信の接続の確立を、近接無線通信を用いたハンドオーバ処理により行うように説明したが、ハンドオーバ処理を用いずに近距離無線通信の接続を行うようにしてもよい。つまり、近接無線通信は必須ではない。もちろん、近距離無線通信を省略し、無線通信装置101間での情報の授受を全て近接無線通信により行うようにしてもよい。ただし、その場合、無線通信装置101間で情報の授受を行う際に、無線通信装置101同士の近接状態の維持が必要となる。
【0266】
[移動体通信網接続の他の例]
以上においては、無線通信装置101が、移動体通信網用無線通信部131を用いて移動体通信網に接続するように説明したが、これ以外にも、他の通信デバイスを用いて、他の通信網を介して移動体通信網に接続することも可能である。
【0267】
その様子を図25に示す。図25に示される例では、無線通信装置101は、無線基地局102から電波の入らない環境にいる。そのため移動体通信網用無線通信部131は通信不可状態である。ただし、この場合、無線通信装置101はWiFiデバイスも搭載している。
【0268】
このWiFiデバイスは、ホットスポット(公衆網接続用アクセスポイント)のルータ601とは接続状態である。つまり、無線通信装置101は、ルータ601を経由してインターネット602に接続している。
【0269】
ところで、移動体通信網603のゲートウェイサーバ604は、インターネット602向けにポートを備えている。したがって、無線通信装置101は、このインターネット602を介して、ゲートウェイサーバ604にアクセスし、認証に成功すれば移動体通信網603に接続することができる。
【0270】
WiFiによるホットスポット(インターネット)を経由して、移動体通信網に接続する方法は、図26に示されるとおり、署名入り証明書を用いて認証を行う方法と、SIM(Subscriber Identity Module)カード内に記憶される共通鍵を用いて認証を行う方法と、ワンタイムパスワードを用いて認証を行う方法の、大きく3通りが実現されている。
【0271】
無線通信装置101による、このような移動体通信網への接続を確認する処理の流れの例を図27のフローチャートを参照して説明する。この確認処理は、例えば、図11や図12のフローチャートを参照して説明した流通方法選択処理において、無線通信装置101が圏外か否かを判定する際に行われる。
【0272】
流通方法選択部314は、ステップS401において、無線通信装置101が、移動体通信網接続圏内に位置するか否かを判定する。圏内であると判定された場合、ステップS402に進み、流通方法選択部314は、移動体通信網接続圏内に位置するものとする。
【0273】
ステップS401において、無線通信装置101が、移動体通信網接続圏内に位置しないと判定された場合、ステップS403に進む。ステップS403において、流通方法選択部314は、無線通信装置101がホットスポット接続圏内であるか否かを判定する。圏内であると判定された場合、ステップS404に進む。
【0274】
ステップS404において、流通方法選択部314は、移動体通信網CA局の証明書を有しているか否かを判定する。証明書があると判定された場合、ステップS405に進み、流通方法選択部314は、EAP-TLSで移動体通信網ゲートウェイ(GW)に接続する。接続が完了すると流通方法選択部314は、ステップS406において、移動体通信網接続圏内とみなす。
【0275】
ステップS404において、証明書がないと判定された場合、ステップS407に進み、流通方法選択部314は、SIMカードが存在するか否かを判定する。SIMカードがあると判定された場合、ステップS408に進み、流通方法選択部314は、EAP-AKA(SIM)で移動体通信網ゲートウェイ(GW)に接続する。接続が完了すると流通方法選択部314は、ステップS406に戻り、移動体通信網接続圏内とみなす。
【0276】
ステップS407において、SIMカードがないと判定された場合、ステップS409に進み、流通方法選択部314は、CA局へのワンタイムパスワード(OTP)取得が可能であるか否かを判定する。ワンタイムパスワードが取得可能であると判定された場合、ステップS410に進み、流通方法選択部314は、EAP-TTLS/PEAPで移動体通信網ゲートウェイ(GW)に接続する。接続が完了すると流通方法選択部314は、ステップS406に戻り、移動体通信網接続圏内とみなす。
【0277】
ステップS409において、ワンタイムパスワードが取得不可能であると判定された場合、ステップS411に進み、流通方法選択部314は、移動体通信網の圏外とみなす。
【0278】
また、ステップS403において、ホットスポット接続圏外であると判定された場合、ステップS411に進み、流通方法選択部314は、移動体通信網の圏外とみなす。
【0279】
以上のように接続を確認することにより、流通方法選択部314は、直接移動体通信網に接続可能な場合だけでなく、図25に示されるように他の通信網を介して、図26のいずれかの方法で移動体通信網に接続可能な状態も圏内として扱うことができる。
【0280】
これにより、コンテンツ流通システム100は、より多様な状況下での正当なコンテンツの流通機会を増大させることができる。
【0281】
なお、以上においては、コンテンツ流通方法の選択を供給側無線通信装置101Aと取得側無線通信装置101Bとが行うように説明したが、これに限らず、それらとは異なる他の装置が行うようにしてもよい。ただし、その場合、コンテンツ流通方法を選択する他の装置は、供給側無線通信装置101Aと取得側無線通信装置101Bとから必要な情報を取得し、選択結果を通知する必要がある。
【0282】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0283】
この記録媒体は、例えば、図2乃至図5に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROMや、記憶部に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0284】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0285】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0286】
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
【0287】
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0288】
100 コンテンツ流通システム, 101 無線通信装置, 102 無線基地局, 103 ネットワーク, 104 コンテンツ管理サーバ, 105 決済サーバ, 311 ハンドオーバ処理部, 312 メッセージ交換部, 313 コンテンツ選択部, 314 流通方法選択部, 315 流通禁止部, 316 第1流通処理部, 317 第2流通処理部, 318 第3流通処理部, 319 第4流通処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信を用いたサーバとの通信状態に関する情報を、第2の通信の通信相手である他の情報処理装置と交換する交換手段と、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記他の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する方法選択手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記交換手段は、さらに、前記コンテンツデータの取得に関する決済処理を行うタイミングを示す情報も交換する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記方法選択手段は、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記決済処理の前に前記コンテンツデータの送受信が可能であり、かつ、前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置との両方が、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続する機能を有すると判定された場合、
前記情報処理装置自身が、暗号鍵を生成して、前記コンテンツデータを前記決済処理の前に暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記暗号鍵を前記サーバに登録し、前記他の情報処理装置が、前記決済処理を行った後前記暗号鍵を前記サーバから取得し、暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記方法選択手段は、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記決済処理の前に前記コンテンツデータの送受信が可能であり、かつ、前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置との両方が、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続する機能を有すると判定された場合、
前記他の情報処理装置が、暗号鍵を生成して、前記コンテンツデータを前記決済処理の前に暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記暗号鍵を前記サーバに登録し、前記情報処理装置自身が、前記決済処理を行った後前記暗号鍵を前記サーバから取得し、暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記方法選択手段は、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置との両方が、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、
前記他の情報処理装置による前記決済処理後に前記サーバが、暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記方法選択手段は、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置との両方が、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、
前記情報処理装置自身による前記決済処理後に前記サーバが、暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記方法選択手段は、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記他の情報処理装置のみが、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、
前記他の情報処理装置による前記決済処理後に前記サーバが、証明書を発行し、前記他の情報処理装置が、前記証明書と公開鍵を前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記公開鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記公開鍵に対応する秘密鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記方法選択手段は、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記情報処理装置自身のみが、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、
前記情報処理装置自身による前記決済処理後に前記サーバが、証明書を発行し、前記情報処理装置自身が、前記証明書と公開鍵を前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記公開鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記公開鍵に対応する秘密鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記方法選択手段は、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記情報処理装置自身のみが、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、
前記他の情報処理装置と前記サーバとが、前記情報処理装置自身を介してVPN接続を確立し、前記サーバが、前記他の情報処理装置による前記VPNを介した前記決済処理後に暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記方法選択手段は、
前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記コンテンツデータの送受信の前に前記決済処理が必要であり、かつ、前記他の情報処理装置のみが、前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、
前記情報処理装置自身と前記サーバとが、前記他の情報処理装置を介してVPN接続を確立し、前記サーバが、前記情報処理装置自身による前記VPNを介した前記決済処理後に暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記他の情報処理装置と前記情報処理装置自身に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、他の情報処理装置が前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記サーバが、鍵に関する情報を前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記鍵に関する情報を前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記鍵に関する情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記鍵に関する情報を用いて前記コンテンツデータを復号する方法を選択する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、情報処理装置自身が前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記サーバが、鍵に関する情報を前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記鍵に関する情報を前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記鍵に関する情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記鍵に関する情報を用いて前記コンテンツデータを復号する方法を選択する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記他の情報処理装置が前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記他の情報処理装置と前記サーバとが、前記情報処理装置自身を介して接続を確立し、前記サーバが、暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記情報処理装置自身と前記他の情報処理装置に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記他の情報処理装置に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号する方法を選択する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記方法選択手段は、前記交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記他の情報処理装置が前記第1の通信を用いて前記サーバと接続可能な状態であると判定された場合、前記情報処理装置自身と前記サーバとが、前記他の情報処理装置を介して接続を確立し、前記サーバが、暗号鍵を生成し、生成した暗号鍵を前記他の情報処理装置と前記情報処理装置自身に送信し、前記他の情報処理装置が、前記暗号鍵を用いて前記コンテンツデータを暗号化して前記情報処理装置自身に送信し、前記情報処理装置自身が、前記暗号鍵を用いて暗号化された前記コンテンツデータを復号して再生する方法を選択する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置の情報処理方法であって、
前記情報処理装置の交換手段が、第1の通信を用いたサーバとの通信状態に関する情報を、第2の通信の通信相手である他の情報処理装置と交換し、
前記情報処理装置の方法選択手段が、交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記他の情報処理装置に対するコンテンツデータの送信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する
情報処理方法。
【請求項16】
コンテンツを送信する第1の情報処理装置、前記コンテンツを受信する第2の情報処理装置、および、前記コンテンツの送受信を管理するサーバを備える情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に関する情報を、第2の通信の通信相手である前記第2の情報処理装置と交換する第1の交換手段と、
前記第1の交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記第2の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する第1の方法選択手段と
を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に関する情報を、前記第1の情報処理装置と交換する第2の交換手段と、
前記第2の交換手段により交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記第1の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する第2の方法選択手段と
を備える情報処理システム。
【請求項17】
コンテンツを送信する第1の情報処理装置、前記コンテンツを受信する第2の情報処理装置、および、前記コンテンツの送受信を管理するサーバを備える情報処理システムの情報処理方法であって、
前記第1の情報処理装置の第1の交換手段が、第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に関する情報を、第2の通信の通信相手である前記第2の情報処理装置と交換し、
前記第1の情報処理装置の第1の方法選択手段が、交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記第2の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択し、
前記第2の情報処理装置の第2の交換手段が、前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に関する情報を、前記第1の情報処理装置と交換し、
前記第2の情報処理装置の第2の方法選択手段が、交換された前記情報に基づいて、前記第2の通信を用いた前記第1の情報処理装置との間のコンテンツデータの送受信方法を、互いの前記第1の通信を用いた前記サーバとの通信状態に応じて選択する
情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−145787(P2011−145787A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4540(P2010−4540)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】