説明

情報提供システム、情報処理装置、情報端末装置、情報処理プログラム、情報通知プログラム

【課題】 特別な設備を必要とせず、適切な道路交通情報を適切なタイミングで運転者へ自動的に通知することが可能な情報提供システムを提供する。
【解決手段】 道路交通情報収集ネットワーク3で収集された道路交通情報は、道路交通情報処理システム4で道路・区間毎にまとめてデータ処理される。運転者は、運転前に携帯電話機2を用いて道路交通情報処理システム4へ接続し、道路交通情報の提供を希望する道路名および区間を送信する。道路交通情報処理システム4は、運転者の希望する道路交通情報のみを選択して携帯電話機2へ送信する。携帯電話機2は、現在位置と、受信した道路交通情報の発生位置との距離から判断し、適切なタイミングで運転者への通知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路交通情報を利用者に提供する情報提供システム、情報処理装置、情報端末装置、情報処理プログラム、情報通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば道路交通情報を自動車の運転者に提供するシステムとしては、道路交通情報通信システム(以下では、VICS(Vehicle Information and Communication System)と呼ぶ。)が使用されている。VICSとは、道路管理者や都道府県警察が設置した車両検出器で監視する道路交通情報や各種規制情報をVICSセンターで収集・編集し、FM多重放送、電波ビーコン、光ビーコン等のメディアを介して運転者に提供するシステムである。
【0003】
VICSを提供するメディアがFM多重放送の場合は、送信アンテナから10km〜50kmの可聴範囲内で受信することが可能であり、県単位等で広域の道路交通情報を提供する。一方、VICSを提供するメディアが電波ビーコンの場合は、電波ビーコンを配信する路上機から約100m以内でしか受信できず、光ビーコンの場合は、光ビーコンを配信する路上機から数m以内の範囲内でしか受信できないが、FM多重放送の場合よりも詳細な道路情報を提供する。
【0004】
VICSにより提供される道路交通情報(以下では、VICS情報と呼ぶ。)で示される事象の発生位置は、2次メッシュ座標系、隣り合う道路交差点間の区間を定めたリンクの番号、リンク終端位置からの距離等を用いて表される。そのため、道路のどこで起きた事象かをVICS情報から特定するためには、上述の2次メッシュ座標系やリンク番号の情報を持つ地図情報と結びつける必要がある。
【0005】
従来は、車両にカーナビゲーション・システムを搭載し、カーナビゲーション・システムでVICS情報と地図情報との結びつけを行っていた。カーナビゲーション・システムは、車両の現在位置や進行方向に基づいて運転者に必要なVICS情報を取捨選択し、適切なタイミングで適切なVICS情報を運転者に通知していた。
【0006】
なお、本出願に関する従来技術の参考文献として、特許文献1から特許文献5が知られている。
【特許文献1】特開2001−243141号公報
【特許文献2】特開2001−250026号公報
【特許文献3】特開2002−366839号公報
【特許文献4】特表2002−530746号公報
【特許文献5】特開2003−242169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、VICS情報を受信するためには車両にVICS受信機を取り付ける必要がある。さらに、VICS情報で示される位置情報から道路のどこで起きているかを特定するために、カーナビゲーション・システム等で地図情報に結びつける仕組みが必要であった。また、VICS情報を受信し解釈する設備が車両に備わっていたとしても、電波ビーコンや光ビーコンの路上機が設置されていない地域では、詳細な道路交通情報を得る手段がなく、この課題を解決するためには路上機の整備・拡充を行う必要があった。
【0008】
一方、道路交通情報は、無線電波の届くエリア内であれば携帯電話機等の無線端末からインターネットへ接続することにより入手可能であり、VICS情報を受信できない車両においても最新の道路交通情報を検索・閲覧することが可能である。しかし、運転者が運転中に無線端末を操作して最新の道路交通情報を検索・閲覧することは道路交通法第71条五の五において禁止されている。また、無線端末を操作してインターネットで検索を行う方法では、運転者が必要とする情報だけを取捨選択することが困難である。
【0009】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、VICS受信機等の特別な設備を必要とせず、適切な道路交通情報を適切なタイミングで運転者へ自動的に通知することが可能な情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、自機の現在位置を測位する現在位置測位手段を有する情報端末装置と、道路交通情報を収集する情報収集手段と前記情報収集手段で収集した道路交通情報を前記情報端末装置に提供する情報提供手段とを有する情報処理装置とで構成される情報提供システムであって、前記情報端末装置は、道路名及び又は道路区間の選択条件を前記情報処理装置へ送信する選択条件送信手段と、前記情報処理装置から提供される前記道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段で受信した道路交通情報の発生位置と、前記現在位置測位手段で測位した自機の現在位置との情報から、前記道路交通情報の発生位置が前記自機の現在位置より自機の進行方向側にあるかを判定する情報発生位置判定手段と、前記情報発生位置判定手段で自機の進行方向側にあると判定された前記道路交通情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は前記道路交通情報に付与された優先度に基づいて、自機の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手段と、前記情報通知判定手段で判定したタイミングに従って自機の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手段と、を備え、前記情報処理装置は、前記情報端末装置から送信された前記選択条件を受信する選択条件受信手段と、前記情報収集手段で収集した道路交通情報から、前記選択条件受信手段で受信した選択条件に基づいて道路交通情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段で選択した道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を前記情報端末装置へ送信する情報送信手段と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、道路交通情報を収集する情報収集手段と前記情報収集手段で収集した道路交通情報を提供する情報提供手段とを有する情報処理装置であって、道路名及び又は道路区間の選択条件を受信する選択条件受信手段と、前記情報収集手段で収集した道路交通情報から、前記選択条件受信手段で受信した選択条件に基づいて道路交通情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段で選択した道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を送信する情報送信手段と、を備えていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、自機の現在位置を測位する現在位置測位手段を有する情報端末装置であって、道路名及び又は道路区間の選択条件を送信する選択条件送信手段と、道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段で受信した道路交通情報の発生位置と、前記現在位置測位手段で測位した自機の現在位置との情報から、前記道路交通情報の発生位置が前記自機の現在位置より自機の進行方向側にあるかを判定する情報発生位置判定手段と、前記情報発生位置判定手段で自機の進行方向側にあると判定された前記道路交通情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は前記道路交通情報に付与された優先度に基づいて、自機の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手段と、前記情報通知判定手段で判定したタイミングに従って自機の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手段と、を備えていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、コンピュータに、道路交通情報を収集する情報収集手順と、道路名及び又は道路区間の選択条件を受信する選択条件受信手順と、前記情報収集手順で収集した道路交通情報から、前記選択条件受信手順で受信した選択条件に基づいて道路交通情報を選択する情報選択手順と、前記情報選択手順で選択した道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を送信する情報送信手順と、を実行させるための情報処理プログラムである。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、自機の現在位置を測位する現在位置測位手段を有する情報端末装置と、道路交通情報を収集する情報収集手段と前記情報収集手段で収集した道路交通情報を前記情報端末装置に提供する情報提供手段とを有する情報処理装置とで構成される情報提供システムであって、前記道路交通情報は、発生位置が距離標を用いて表されており、前記情報端末装置は、自機の現在位置、道路名及び又は道路区間の選択条件を前記情報処理装置へ送信する選択条件送信手段と、前記情報処理装置から提供される、距離標の昇順又は降順に並び替えられた前記道路交通情報及び又は前記道路交通情報の優先度を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段で受信した道路交通情報のうち、前記自機の現在位置より自機の進行方向側で発生し、かつ前記自機の現在位置に最も近接する情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は道路交通情報の優先度に基づいて、前記情報端末装置の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手段と、前記情報通知判定手段で判定したタイミングに従って前記情報端末装置の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手段と、を備え、前記情報処理装置は、前記情報収集手段で収集した道路交通情報を、前記道路交通情報の距離標の昇順または降順に並び替える情報並び替え手段と、前記情報端末装置から送信された前記選択条件を受信する選択条件受信手段と、前記情報並び替え手段で並べ替えを行った道路交通情報から、前記選択条件受信手段で受信した選択条件に基づいて、前記道路名及び又は道路区間に一致する情報でかつ前記自機の現在位置よりも進行方向側で発生する道路交通情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段で選択した各種道路交通及び又は前記道路交通情報の優先度を前記情報端末装置へ送信する情報送信手段と、を備えていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、道路交通情報を収集する情報収集手段と前記情報収集手段で収集した道路交通情報を提供する情報提供手段とを有する情報処理装置であって、前記道路交通情報は、発生位置が距離標を用いて表されており、前記情報収集手段で収集した道路交通情報を、前記道路交通情報の距離標の昇順または降順に並び替える情報並び替え手段と、現在位置情報、道路名及び又は道路区間の選択条件を受信する選択条件受信手段と、前記情報並び替え手段で並べ替えを行った道路交通情報から、前記選択条件受信手段で受信した選択条件に基づいて、前記道路名及び又は道路区間に一致する情報でかつ前記現在位置情報よりも進行方向側で発生する道路交通情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段で選択した道路交通情報及び又は前記道路交通情報の優先度を送信する情報送信手段と、を備えていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、自機の現在位置を測位する現在位置測位手段を有する情報端末装置であって、自機の現在位置、道路名及び又は道路区間の選択条件を送信する選択条件送信手段と、距離標の昇順又は降順に並び替えられた道路交通情報及び又は前記道路交通情報の優先度を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段で受信した道路交通情報のうち、前記自機の現在位置より自機の進行方向側で発生し、かつ前記自機の現在位置に最も近接する情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は道路交通情報の優先度に基づいて、自機の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手段と、前記情報通知判定手段で判定したタイミングに従って自機の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手段と、を備えていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、コンピュータに、自機の現在位置を測位する現在位置測位手順と、自機の現在位置、道路名及び又は道路区間の選択条件を送信する選択条件送信手順と、距離標の昇順又は降順に並び替えられた道路交通情報及び又は前記道路交通情報の優先度を受信する情報受信手順と、前記情報受信手順で受信した道路交通情報のうち、前記自機の現在位置より自機の進行方向側で発生し、かつ前記自機の現在位置に最も近接する情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は道路交通情報の優先度に基づいて、自機の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手順と、前記情報通知判定手順で判定したタイミングに従って自機の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手順と、を実行させるための情報通知プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯電話機等既存の無線端末を利用して道路交通情報を受信するため、VICS受信機やカーナビゲーション・システムを備えていない車両においても、運転者は道路交通情報の提供を受けることができる。また、無線電波の届くエリア内であればどこでも運転者は詳細な道路交通情報を得ることが可能になり、従来技術のようにVICS路上機の設置されたエリアに限定されることがない。さらに、無線端末が取得した道路交通情報から、車両の現在位置や進行方向に応じて適切な情報だけが自動的に取捨選択されることで、運転者に無線端末の操作を要求することなく、最新の道路交通情報を適切なタイミングで運転者に通知することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態にかかる情報提供システムの概略図である。図1において、自動車1の車内には運転者の所有する携帯電話機2(情報端末装置)が置かれてある。自動車1が走行する道路には、緊急通報用の通信端末31、各種センサー32、定点カメラ33等の設備が備え付けられており、これら設備からの情報は道路交通情報収集ネットワーク3へ送信される。
【0020】
道路交通情報処理システム(情報処理装置)4は、道路交通情報収集ネットワーク3から道路交通情報を受信し、受信した道路交通情報を携帯電話機等のネットワーク5へ送信するものである。全地球測位システム衛星群(以下では、GPS(Global Positioning System)衛星と呼ぶ)6は、人工衛星からの電波を利用して自分の位置を正確に割り出すGPSシステムで使用される衛星の集合である。
【0021】
図2は図1に示した情報提供システムにおいて、携帯電話機2と道路交通情報処理システム4の構成を表したブロック図である。携帯電話機2内のGPS受信部201は、GPS衛星6からの電波を受信するものである。GPS処理部(現在位置測位手段)202は、GPS受信部201で受信した情報から携帯電話機2の位置する位置情報を算出するものである。主制御部203は携帯電話機2内の各ブロックの処理を司るものである。
【0022】
表示部204は、主制御部203から入力する信号に基づいて画像や文字等を表示する液晶ディスプレイである。主操作部205は、テンキー及びファンクションキーを有し、ユーザの指示入力を取り込んで主制御部203へ出力するものである。通知部206は、スピーカ、バイブレータ、発光ダイオード等を備え、着信やメール受信等を音、振動、光等によってユーザに通知するものである。変復調部207は、主制御部203から入力したデータをキャリアに変調し送受信部208へ出力するものであり、また、送受信部208で受信した信号を復調して主制御部203へ出力するものである。送受信部208は、変復調部207で変調された信号を無線送信するものであり、また、他の携帯電話機や道路交通情報処理システム4から無線で送信された信号を受信するものである。
【0023】
道路交通情報処理システム4内の道路交通情報蓄積部(情報収集手段)41は、受信した道路交通情報を蓄積するものである。道路交通情報データ加工部42は、道路交通情報蓄積部41で蓄積した情報を加工して携帯電話機2に送信するデータに変換するものである。道路交通情報データ配信部(情報送信手段)43は、道路交通情報データ加工部42で加工した道路交通情報を携帯電話機のネットワーク5へ送信するものである。ユーザ情報管理部44は、携帯電話機2との接続を管理し、携帯電話機2からのログイン・ログアウトの情報等を保持するものである。
【0024】
次に、上述した第1の実施形態の動作を図1から図5を参照して説明する。図2において、道路交通情報処理システム4内の道路交通情報蓄積部41は、道路交通情報収集ネットワーク3から受信した道路交通情報を蓄積し、蓄積した道路交通情報を整理し定期的にマスターファイルを作成する。ここで、道路交通情報は、VICS等の現状のシステムに提供している情報を利用することができ、道路交通情報の事象を示す情報コードにその事象の発生位置を示す位置情報が付加された形式で道路交通情報蓄積部41に蓄積される。なお、上記位置情報は、道路名・方向と各道路に固有の距離標等によって表される。距離標とは、道路や鉄道路線において定められた所定の起点からの距離を示すものであり、道路管理者等が場所を特定するのに用いるほか、高速道路等では一般通行者にも見やすく表示されているなど、路線上の位置特定を容易としている。
しかしながら、上記位置情報を距離標に限定するものではなく、VICSの位置情報と同様の形式でも良く、距離標ではない場合には、道路交通情報データ加工部42にて距離標に変換する。
【0025】
道路交通情報データ加工部42は、道路交通情報蓄積部41で作成したマスターファイルを元に道路・方向ごとの情報提供用ファイルを作成する。情報提供用ファイルは、道路交通情報の事象を示す情報コードにその事象の発生位置を示す位置情報(道路名、距離標等)とで構成され、道路名や区間単位、例えば高速道路におけるインターチェンジ間の単位で作成してもよい。さらに、道路名・方向と各道路に固有の距離標によって表される位置情報を、道路交通情報データ加工部42で緯度および経度での位置情報に変換する。
【0026】
ここで、道路交通情報データ加工部42が緯度・経度の情報に変換を行うのは、情報提供用ファイルを受信する本実施形態の携帯電話機2が、GPS等を用い緯度・経度で表される現在位置と事象発生場所までの相対距離を計算することを想定しているためである。現在位置が距離標として特定することの可能な携帯電話機を使用して本実施形態の構成を実現する場合においては、道路交通情報データ加工部42で位置情報を緯度・経度の情報に変換する必要はない。また、道路交通情報が事象位置として距離標を用いず、緯度・経度を用いる場合にも位置情報を緯度・経度の情報に変換する必要はない。なお、道路交通情報データ加工部42は、マスターファイルが更新されたタイミングで情報提供用ファイルの更新を行う。
【0027】
道路交通情報データ配信部43は、ユーザ情報管理部44との間で情報を交換し、どの携帯電話機にどの情報提供用ファイルを送信するかを判断する。本実施形態では、携帯電話機2が道路交通情報処理システム4に接続を行う方法を採用しており、携帯電話機2は道路交通情報処理システム4に対して送信を希望する道路名・区間(起点・終点)を指定する。ユーザ情報管理部44は、接続中の携帯電話機の情報及びその携帯電話機に送信する情報提供用ファイルの種類を管理し、道路交通情報データ配信部43に伝える。
【0028】
道路交通情報データ配信部43はユーザ情報管理部44からの情報に基づいて、各情報提供用ファイルを、それを必要とする全ての携帯電話機へ送信する。情報提供用ファイルの更新時には、その情報提供用ファイルを利用中の全ての携帯電話機に対して送信を行う。なお、マスターファイルの定期更新時に伴う情報提供用ファイルの更新において、更新前と更新後とで変更のない情報提供用ファイルに関しては送信を行わない。
【0029】
続いて、図3を参照して、携帯電話機2で道路交通情報を受信する手順を説明する。図3において、運転者は、運転を開始する前に携帯電話機2を操作して道路交通情報処理システム4にログインする(ステップS301)。ログイン時には、携帯電話機2に固有の情報、例えば電話番号やIPアドレス、を道路交通情報処理システム4へ送信する。
【0030】
道路交通情報処理システム4へのログインが完了すると、運転者は道路交通情報を希望する道路名・区間を指定して携帯電話機2から道路交通情報処理システム4へ送信し(選択条件送信手段、ステップS302)、情報提供用ファイルの受信を待つ(情報受信手段、ステップS303)。これ以降、運転者が携帯電話機2の操作を行う必要はなく、運転者は携帯電話機2を車内に置いて自動車1の運転を開始する。
【0031】
携帯電話機2の送受信部208で、道路交通情報処理システム4の道路交通情報データ配信部43からの情報提供用ファイルを受信すると(ステップS303:Yes)、情報提供用ファイルに格納された各事象の発生位置(緯度・経度の情報)と、図2のGPS受信部201で受信した情報からGPS処理部202で算出した携帯電話機2の現在位置情報(緯度・経度の情報)とから、その事象の発生位置までの相対距離を主制御部203で算出する(図3のステップS304)。事象の発生位置までの相対距離の算出は一定の(時間もしくは走行距離の)間隔で行い、算出する度にその相対距離が増加する事象は運転者に必要ではないと判断し(情報発生位置判定手段、ステップS305:No)、その事象の情報は削除する(ステップS309)。
【0032】
事象の発生位置までの相対距離が増加せず、運転者に必要な情報であると判断した場合は(ステップS305:Yes)、続いてその事象を運転者に通知するタイミングを算出する(情報通知判定手段、ステップS306)。図1において、例えば、自動車1がL0で示した位置にあるときに携帯電話機2が道路交通情報処理システム4から道路交通事象Aを記した情報提供用ファイルを受信し、事象Aの発生地点から300m以内に近づいたときに携帯電話機2は運転者へ通知するものとする。この時点(L0の位置)では、自動車1と事象Aとの相対距離は300m以上離れているため、携帯電話機2は運転者への通知は行わない(図3のステップS306:No)。
【0033】
その後、自動車1が走行を続けL1で示した位置に来ると、事象Aの発生地点から300mであるため、携帯電話機2は運転者に事象Aの情報を通知する(情報通知手段、図3のステップS307)。ここで、通知する手段は図2の表示部204に情報を表示するだけでなく、音声案内、通知部206での警報音発生や振動、発光ダイオードの点滅等を行うのが望ましい。なお、運転者に通知するタイミングは事象の種類によって異なってもよい。例えば、各交通情報に優先度を設定すると、通行止めの情報を渋滞等の情報より優先度を高く設定し、早めに運転者に通知するといった方法を取ることができる。
【0034】
さらに自動車1が走行を続け事象Aの発生地点を越えたL2の位置に達すると(図3のステップS308:Yes)、携帯電話機2は事象Aの情報を削除する(ステップS309)。ここで、図4および図5を参照して、事象Aの発生地点を越えたかどうかを判定する方法を説明する。図4において、事象Aの発生位置と携帯電話機2との相対距離は一定時間間隔t秒毎に算出しており、携帯電話機2が事象Aを運転者に通知した時刻をT0とする。運転者に必要な事象かを判断する図3のステップ305では相対距離の絶対値で判定したが、ステップS308では緯度差および経度差の2つの情報を組にしたベクトル情報としての相対距離(以下では、相対距離ベクトルと呼ぶ。)を使用する。
【0035】
図2の主制御部203は、各時刻における相対距離ベクトルと、その1つ前の時刻における相対距離ベクトルとの内積を計算し、その内積の演算結果の符号がプラスからマイナス或いは零に変化した時刻を事象Aの発生地点を越えた時刻と判断し、事象Aの情報を削除する。具体的には、図4において時刻T1では、時刻T1における相対距離ベクトルV1と、その1つ前(t秒前)の時刻T0における相対距離ベクトルV0との内積を主制御部203で計算する。V0とV1との相対角度は90度未満であるため、V0・V1の内積結果の符号はプラスとなる。次に、時刻T2でのV1・V2の内積結果は、V1とV2との相対角度が90度以上であるため、符号はマイナスとなる。この場合、時刻T2で事象Aの発生地点を越えたと判断し、主制御部203は運転者への通知を終了し、事象Aの情報を削除する。
【0036】
このように、図3のステップS308では、事象Aの発生地点を越える前後で相対距離ベクトルの向きが大きく変わることを利用して判定を行う。しかし、事象Aの発生地点付近で道路が大きく曲がっている場合には、上述の内積演算による判定方法では事象Aの発生地点を越えたことを検出できない場合も考えられる。そのため、携帯電話機2が運転者に情報を通知後に、事象Aの発生地点から一定距離以上離れた場合は事象Aの情報を削除するという第2の判定方法を上述の内積演算による判定方法と合わせて図3のステップS308で使用する。
上記第2の判定方法により、事象Aの発生地点通過の前後において、自機の位置測位が不能、或いは測位誤差が大きく、ベクトルの内積結果の符号が負或いは零となることが確認できない場合にも有効な手段となる。
【0037】
具体的には、図5において、事象Aの発生地点を通過した時刻T2における内積演算V1・V2の結果は、V1とV2の相対角度が90度未満であるため、符号はプラスとなり、内積演算による判定では事象Aの発生地点を通過していないと判断される。同様に、時刻T3における内積演算V2・V3の結果も符合はプラスとなる。しかし、時刻T3における携帯電話機2の位置は、事象Aの発生地点から一定距離(300m)以上離れた位置であるため、主制御部203は事象Aの発生地点を通過したと判断し事象Aの情報を削除する。
【0038】
図3に戻って、ステップS309で事象Aの情報を削除すると、情報提供用ファイル内の1つの事象に対する処理が終了する。実際には、情報提供用ファイル内に格納された全ての事象に対してステップS304〜ステップS309の手順を実施する。以上が終了すると、1回の情報提供用ファイル受信に対する処理が終了し、以後、道路交通情報処理システム4から情報提供用ファイルを受信する度にステップS303〜ステップS310を繰り返し実施する。
【0039】
自動車1が目的地に到着し、情報提供用ファイルの受信を終了する場合は(ステップS310:Yes)、運転終了後に運転者が携帯電話機1を操作して道路交通情報処理システム4からログアウトする(ステップS311)。ログアウトの方法としては、道路交通情報処理システム4が、ログイン時に運転者が道路交通情報受信を希望する区間として指定した区間の終点位置を情報提供用ファイルに組み込み、ステップS308と同様の方法でその終点位置の通過を携帯電話機2内の主制御部203が確認すると、自動的に道路交通情報処理システム4からログアウトするという方法も考えられる。
【0040】
以上、図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施形態を詳述してきたが、携帯電話機2の処理で地図情報を必要としない点で従来のVICSやカーナビゲーション・システムによる道路交通情報提供システムとは大きく異なる。本実施形態の携帯電話機2は、図3に示したフローチャートの処理を実行可能なアプリケーションソフトを従来の携帯電話機に導入するだけで実現可能である。また、GPS測位機能を有しない携帯電話機においても、他のGPS測位機能を有する装置と組み合わせることで、本実施形態の携帯電話機2と同様の処理を行うことが可能である。
【0041】
続いて、図1および図2、図6および図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、その構成は図1、図2に示した第1の実施形態における構成と同じであるため、各部の構成の説明は省略する。以下では、図6および図7を参照して、本発明の第2の実施形態における動作を説明する。
【0042】
図6は本発明の第2の実施形態にかかる道路交通情報システム4のフローチャートであり、図7は本発明の第2の実施形態にかかる携帯電話機2のフローチャートである。まず始めに、運転者が運転前に携帯電話機2を操作して道路交通情報システム4にログインを行う(図6のステップS601、図7のステップS701)。ログインが完了すると、携帯電話機2は、道路交通情報を希望する道路名・方向の他に、図2のGPS処理部202で算出した携帯電話機2の現在位置を道路交通情報システム4へ送信し(選択条件送信手段、図7のステップS702)、情報提供用ファイルの受信を待つ(ステップS703)。これ以降、運転者が携帯電話機2の操作を行う必要はなく、運転者は携帯電話機2を車内に置いて運転を開始する。
【0043】
一方、携帯電話機2からの情報を受信した道路交通情報処理システム4では、携帯電話機2より指定された道路名・区間に対応する情報提供用ファイルに、携帯電話機2の現在位置を追加し、携帯電話機2にのみ送信する個別の情報提供用ファイル(以下では、個別情報ファイルと呼ぶ)を作成する(図6のステップS602)。
【0044】
個別情報ファイルの作成では、まず、ファイル内に格納されている道路交通情報を、その道路交通情報が示す事象の発生地点で並べ替えを行う(情報並び替え手段)。並び替えの操作後は、個別情報ファイルで管理する道路区間の起点から終点への順序で道路交通情報が並ぶ。次に、受信した携帯電話機2の現在位置をひとつの情報として個別情報ファイル内に挿入する。挿入する位置は、携帯電話機2の位置情報から自動車1が個別情報ファイルの道路区間内を走行していると判断される場合は、上述の並び替えの順序に従って適切な位置に挿入する。その後、携帯電話機2の現在位置より起点側の道路交通情報は、自動車1の進行方向とは逆方向の道路交通情報となるため、個別情報ファイルより削除する。一方、携帯電話機2の位置情報から自動車1が個別情報ファイルの区間内を走行していないと判断される場合は、個別情報ファイルの最も起点側に挿入し、個別情報ファイル内の情報は削除しない。
【0045】
この方法では、道路交通情報処理システム4側で運転者に必要のない道路交通情報を予め削除するため、携帯電話機2へ送信する情報量を節約できる。また、携帯電話機2での処理量も第1の実施形態と比較して少なく抑えることが可能になる。
【0046】
個別情報ファイルの作成が終了すると、道路交通情報処理システム4は携帯電話機2へその個別情報ファイルを送信する(図6のステップS603)。この個別情報ファイルを受信した携帯電話機2の処理(図7のステップS703〜ステップS710)は、第1の実施形態における処理(図3のステップS302〜ステップS310)とほぼ同じであり、異なるのは、道路交通情報で示される事象の発生地点までの相対距離の変遷からその道路交通情報の必要性を判断したステップS304の処理が必要なくなるという点のみである。
【0047】
図6に戻って、個別情報ファイルを送信後に図2の道路交通情報蓄積部41で作成するマスターファイルが更新されると、個別情報ファイルが管理する区間内の道路交通情報に変更があるかを確認する(ステップS604)。変更がなければ(ステップS604:No)、個別情報ファイルの送信は行わず、再びマスターファイルが更新されるまで待機する。一方、変更がある場合は(ステップS604:Yes)、携帯電話機2へ道路交通情報が更新された旨を通知し(ステップS605)、再び携帯電話機2から現在の位置情報を取得する(ステップS606)。
【0048】
取得した携帯電話機2の位置情報をステップS602と同様に個別情報ファイル内の適切な位置に挿入し、携帯電話機2の位置情報より終点側に変更がなければ運転者に影響はないと判断し(ステップS607:No)、個別情報ファイルの送信は行わない。一方、携帯電話機2の位置情報より終点側に変更があれば運転者に影響ありと判断し(ステップS607:Yes)、個別情報ファイルを携帯電話機2へ送信する(ステップS608)。この後、携帯電話機2と接続している間は、ステップS604〜ステップS608を繰り返し実行し、最新の道路交通情報を携帯電話機2へ送信する。
【0049】
自動車1が目的地に到達し道路交通情報の提供を受ける必要がなくなると、運転終了後に運転者が携帯電話機2を操作して道路交通情報処理システム4からログアウトする(図6のステップS609:Yes、図7のステップS710)。なお、ログアウトの方法は、第1の実施形態と同様に、携帯電話機2が個別情報ファイルの終点を通過したと判定したときに行ってもよい。
【0050】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記2つの実施形態に限られることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更を行うことも可能である。さらに、上記2つの実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件を適宜組み合わせることで様々な発明が抽出されうる。例えば、上記2つの実施形態に示した全構成要件から幾つかの構成要件を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べた効果が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
【0051】
また、上記2つの実施形態では、通信回線として無線通信を利用しているが、有線通信あるいは無線通信・有線通信の組み合わせ、もしくはインターネットや他の公衆回線方式で実現するものであってもよい。また更に、運転者の利用する通信端末へ情報を送信する中継基地局として、PHS基地局、ミニFM局やインターネット等を用いてもよい。また更に、情報を受信する通信端末は電話機としての機能を持つ必要はない。
【0052】
また更に、道路交通情報システム4で受信する道路情報は、距離標で発生位置を示す情報だけでなく、その他の手段(緯度・経度等)で発生位置を示す情報であってもよい。また更に、運転者に通知する情報は、道路交通情報だけでなく、災害時の避難誘導、観光名所の案内や催し物の紹介等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、交通情報を利用者に提供する情報提供システムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態にかかる情報提供システムを示す概略図である。
【図2】図1の携帯電話機1と道路交通情報処理システム4との構成を示したブロック図である。
【図3】本発明に第1の実施形態にかかる携帯電話機2の処理を示したフローチャートである。
【図4】図3のステップS306における処理を説明するための模式図である。
【図5】図3のステップS306における処理を説明するための模式図である。
【図6】本発明に第2の実施形態にかかる携帯電話機2の処理を示したフローチャートである。
【図7】本発明に第2の実施形態にかかる道路交通情報処理システム4の処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 … 自動車
2 … 携帯電話機(情報端末装置)
3 … 道路交通情報ネットワーク
4 … 道路交通情報処理システム(情報処理装置)
5 … 携帯電話機等のネットワーク
6 … 全地球測位システム衛星群(GPS衛星)
41 … 道路交通情報蓄積部(情報収集手段)
42 … 道路交通情報データ加工部
43 … 道路交通情報データ配信部(情報送信手段)
201 … GPS受信部
202 … GPS制御部(現在位置測位手段)
203 … 主制御部
204 … 表示部
205 … 主操作部
206 … 通知部
207 … 変復調部
208 … 送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の現在位置を測位する現在位置測位手段を有する情報端末装置と、道路交通情報を収集する情報収集手段と前記情報収集手段で収集した道路交通情報を前記情報端末装置に提供する情報提供手段とを有する情報処理装置とで構成される情報提供システムにおいて、
前記情報端末装置は、
道路名及び又は道路区間の選択条件を前記情報処理装置へ送信する選択条件送信手段と、
前記情報処理装置から提供される前記道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段で受信した道路交通情報の発生位置と、前記現在位置測位手段で測位した自機の現在位置との情報から、前記道路交通情報の発生位置が前記自機の現在位置より自機の進行方向側にあるかを判定する情報発生位置判定手段と、
前記情報発生位置判定手段で自機の進行方向側にあると判定された前記道路交通情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は前記道路交通情報に付与された優先度に基づいて、自機の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手段と、
前記情報通知判定手段で判定したタイミングに従って自機の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記情報端末装置から送信された前記選択条件を受信する選択条件受信手段と、
前記情報収集手段で収集した道路交通情報から、前記選択条件受信手段で受信した選択条件に基づいて道路交通情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段で選択した道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を前記情報端末装置へ送信する情報送信手段と、
を備えていることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
道路交通情報を収集する情報収集手段と前記情報収集手段で収集した道路交通情報を提供する情報提供手段とを有する情報処理装置において、
道路名及び又は道路区間の選択条件を受信する選択条件受信手段と、
前記情報収集手段で収集した道路交通情報から、前記選択条件受信手段で受信した選択条件に基づいて道路交通情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段で選択した道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を送信する情報送信手段と、
を備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
自機の現在位置を測位する現在位置測位手段を有する情報端末装置において、
道路名及び又は道路区間の選択条件を送信する選択条件送信手段と、
道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段で受信した道路交通情報の発生位置と、前記現在位置測位手段で測位した自機の現在位置との情報から、前記道路交通情報の発生位置が前記自機の現在位置より自機の進行方向側にあるかを判定する情報発生位置判定手段と、
前記情報発生位置判定手段で自機の進行方向側にあると判定された前記道路交通情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は前記道路交通情報に付与された優先度に基づいて、自機の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手段と、
前記情報通知判定手段で判定したタイミングに従って自機の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手段と、
を備えていることを特徴とする情報端末装置。
【請求項4】
コンピュータに、
道路交通情報を収集する情報収集手順と、
道路名及び又は道路区間の選択条件を受信する選択条件受信手順と、
前記情報収集手順で収集した道路交通情報から、前記選択条件受信手順で受信した選択条件に基づいて道路交通情報を選択する情報選択手順と、
前記情報選択手順で選択した道路交通情報及び又は前記道路交通情報に付与された優先度を送信する情報送信手順と、
を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項5】
自機の現在位置を測位する現在位置測位手段を有する情報端末装置と、道路交通情報を収集する情報収集手段と前記情報収集手段で収集した道路交通情報を前記情報端末装置に提供する情報提供手段とを有する情報処理装置とで構成される情報提供システムにおいて、
前記道路交通情報は、
発生位置が距離標を用いて表されており、
前記情報端末装置は、
自機の現在位置、道路名及び又は道路区間の選択条件を前記情報処理装置へ送信する選択条件送信手段と、
前記情報処理装置から提供される、距離標の昇順又は降順に並び替えられた前記道路交通情報及び又は前記道路交通情報の優先度を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段で受信した道路交通情報のうち、前記自機の現在位置より自機の進行方向側で発生し、かつ前記自機の現在位置に最も近接する情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は道路交通情報の優先度に基づいて、前記情報端末装置の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手段と、
前記情報通知判定手段で判定したタイミングに従って前記情報端末装置の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記情報収集手段で収集した道路交通情報を、前記道路交通情報の距離標の昇順または降順に並び替える情報並び替え手段と、
前記情報端末装置から送信された前記選択条件を受信する選択条件受信手段と、
前記情報並び替え手段で並べ替えを行った道路交通情報から、前記選択条件受信手段で受信した選択条件に基づいて、前記道路名及び又は道路区間に一致する情報でかつ前記自機の現在位置よりも進行方向側で発生する道路交通情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段で選択した各種道路交通及び又は前記道路交通情報の優先度を前記情報端末装置へ送信する情報送信手段と、
を備えていることを特徴とする情報提供システム。
【請求項6】
道路交通情報を収集する情報収集手段と前記情報収集手段で収集した道路交通情報を提供する情報提供手段とを有する情報処理装置において、
前記道路交通情報は、
発生位置が距離標を用いて表されており、
前記情報収集手段で収集した道路交通情報を、前記道路交通情報の距離標の昇順または降順に並び替える情報並び替え手段と、
現在位置情報、道路名及び又は道路区間の選択条件を受信する選択条件受信手段と、
前記情報並び替え手段で並べ替えを行った道路交通情報から、前記選択条件受信手段で受信した選択条件に基づいて、前記道路名及び又は道路区間に一致する情報でかつ前記現在位置情報よりも進行方向側で発生する道路交通情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段で選択した道路交通情報及び又は前記道路交通情報の優先度を送信する情報送信手段と、
を備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
自機の現在位置を測位する現在位置測位手段を有する情報端末装置において、
自機の現在位置、道路名及び又は道路区間の選択条件を送信する選択条件送信手段と、
距離標の昇順又は降順に並び替えられた道路交通情報及び又は前記道路交通情報の優先度を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段で受信した道路交通情報のうち、前記自機の現在位置より自機の進行方向側で発生し、かつ前記自機の現在位置に最も近接する情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は道路交通情報の優先度に基づいて、自機の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手段と、
前記情報通知判定手段で判定したタイミングに従って自機の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手段と、
を備えていることを特徴とする情報端末装置。
【請求項8】
コンピュータに、
自機の現在位置を測位する現在位置測位手順と、
自機の現在位置、道路名及び又は道路区間の選択条件を送信する選択条件送信手順と、
距離標の昇順又は降順に並び替えられた道路交通情報及び又は前記道路交通情報の優先度を受信する情報受信手順と、
前記情報受信手順で受信した道路交通情報のうち、前記自機の現在位置より自機の進行方向側で発生し、かつ前記自機の現在位置に最も近接する情報に対して、前記道路交通情報の発生位置と前記自機の現在位置との相対距離及び又は道路交通情報の優先度に基づいて、自機の利用者に通知するタイミングを判定する情報通知判定手順と、
前記情報通知判定手順で判定したタイミングに従って自機の利用者に前記道路交通情報を通知する情報通知手順と、
を実行させるための情報通知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−301819(P2006−301819A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120423(P2005−120423)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成16年10月18日から10月24日 ITS世界会議愛知・名古屋2004日本組織委員会主催の「第11回 ITS世界会議愛知・名古屋2004」に出品
【出願人】(500158443)日本通信エンジニアリングサービス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】