説明

情報提供装置

【課題】複数の候補物件からの絞込み処理を改善する。
【解決手段】候補選択ステップ110において、複数の候補物件から少数の候補物件への絞込み処理が実行される。候補選択ステップ110には、到達時間別選択ステップ140が含まれている。この処理においては、複数の候補物件との間の道路を経由した移動に要する到達時間が、指標として提供される。到達時間の提供にあたっては、所定の到達時間範囲ごとに設けられた複数の区分が利用される。複数の候補物件は、その到達時間に応じて、いずれかの区分にグルーピングされる。使用者に対して、複数の区分が選択の対象として提示される。使用者による選択操作は、ナビゲーション装置に入力される。到達時間の区分毎の選択処理は、任意の到達時間をもつ候補物件を使用者が容易に選択することを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、候補物件に関する情報を提供する情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、選択された候補物件に関する情報を提供する情報提供装置が知られている。このような装置は、複数の候補物件の中から少数の候補物件へ絞り込む候補選択手段と、情報提供手段とを備える。情報提供手段は、候補選択手段によって選択されたひとつまたは少数の候補物件に関する情報を提供する。例えば、車両に搭載されたナビゲーション装置では、地上の目標地点を選択する手段を備え、当該目標地点までの経路情報が提供される。このような装置として、特許文献1および特許文献2に記載の装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の装置は、いわゆる読みによる検索を実行する手段と、検索結果からひとつを選択する操作を入力する手段とを備えている。
【0004】
特許文献2に記載の装置は、車両と地上施設との間の移動時間の順に表示する手段と、表示された地上施設を選択する操作を入力する手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−85778号公報
【特許文献2】特開2003−232641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の装置では、多数の候補物件が順に表示されるため、使用者は候補物件を順に目視して取捨選択する必要があった。例えば、特許文献2の装置では、最短の移動時間の候補物件を素早く選択できるが、所定の移動時間を望む使用者にとっては、条件を満たす候補物件に到達するまでのスクロール操作が煩雑となり、絞込み作業に長時間を要するという問題点があった。
【0007】
本発明は、複数の候補物件からの絞込み処理を改善した情報提供装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、対象物件と複数の候補物件との間の道路を経由した移動に要する到達時間を指標として提供するとともに、使用者が望む任意の移動時間に対応する候補物件への絞込みが容易な情報提供装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用することができる。
【0010】
請求項1に記載の発明は、複数の候補物件から少数の候補物件を選択する候補選択手段(110)と、選択された候補物件に関する情報を提供する情報提供手段(180)とを備え、候補選択手段は、対象物件と複数の候補物件との間を道路を経由して移動するのに要する到達時間を算出する到達時間算出手段(142)と、複数の候補物件を算出された到達時間に基づいて所定の到達時間範囲ごとに設けられた複数の区分にグルーピングするグルーピング手段(143)と、区分を表示する区分表示手段(144)と、区分を選択する操作を入力する区分入力手段(145)とを備えることを特徴とする情報提供装置という技術的手段を採用する。
【0011】
この発明によると、到達時間の区分毎の選択を可能としたので、使用者が理解しやすく、しかも任意の候補物件を容易に選択できる選択手段を提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、対象物件が移動体であり、候補物件が地図上の地点であるという技術的手段を採用する。この発明によると、移動体と地図上の地点との間の到達時間に基づいて地図上の地点を選択することができる。使用者にとって利便性の高い指標を提供することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、情報提供手段(180)は、対象物件と候補物件との間の経路に関する情報を提供するという技術的手段を採用する。この発明によると、使用者にとって利便性の高い指標を提供することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、区分表示手段(144)は、複数の区分に対応する複数の区分欄(140a)と、各区分欄の到達時間範囲(140b)と、各区分欄の区分に属する候補物件の数(140c)とを表示するという技術的手段を採用する。この発明によると、使用者がいずれかの区分を選択するために有用な情報を、区分欄とともに提示することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、候補選択手段(110)は、区分入力手段(145)により入力された区分に属する複数の候補物件から少数の候補物件を選択する後置選択手段(130、140、150、160)を備えるという技術的手段を採用する。この発明によると、他の選択手段との併用によって単一のまたは少数の候補物件への絞込みを改善することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、候補選択手段(110)は、複数の候補物件を選択し、到達時間算出手段(142)に提供する前置選択手段(120、150)を備えるという技術的手段を採用する。この発明によると、他の選択手段との併用によって単一のまたは少数の候補物件への絞込みを改善することができる。
【0017】
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した第1実施形態の情報提供装置を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の情報提供装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の検索画面を示す平面図である。
【図4】第1実施形態の名称順表示を示す平面図である。
【図5】第1実施形態の到達時間別表示を示す平面図である。
【図6】第1実施形態の名称順表示を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る情報提供装置の一実施形態を説明する。本発明に係る情報提供装置は、ナビゲーション装置に適用されている。ナビゲーション装置は、対象物件であるナビゲーション装置自身の位置を、地図上に表示する。例えば、ナビゲーション装置は、移動体である車両に搭載されており、ナビゲーション装置は、車両の位置を表示する。さらに、ナビゲーション装置は、地図上の施設、地点、道路、他の移動体などの候補物件に関する情報を表示して、使用者に提供する。ナビゲーション装置が提供する情報としては、例えば地上の施設の内容、道路の属性、道路の規制内容、あるいは候補物件である施設まで道路を経由して移動する場合の経路情報などである。
【0020】
図1は、ナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。図2は、ナビゲーション装置1の情報提供処理を示すフローチャートである。図3ないし図6は、ナビゲーション装置1の表示画面を示す平面図である。
【0021】
図1において、ナビゲーション装置1は、処理装置2と、位置情報取得装置3と、通信装置4と、記憶装置5と、インターフェース装置6とを備える。処理装置2は、マイクロコンピュータを備える電子制御装置によって提供される。位置情報取得装置3は、誘導的な位置情報取得装置と、自律的な位置情報取得装置とを備え、それらを組み合わせて自らの位置、すなわち車両の位置を計測する。誘導的な位置情報取得装置として、地上局あるいは人工衛星などの外部装置からの信号を受信して、自らの位置を計測する装置が用いられる。例えば、人工衛星を利用した測位システムであるGPS(Global Positioning System)装置が用いられる。自立的な位置情報取得装置として、車両の走行速度を計測する速度センサ、車両の加速度を計測する加速度センサ、車両の走行方位を計測する地磁気センサ、車両の走行方位変化を計測するジャイロセンサなどのセンサ類と、それらの信号を処理する処理装置とを備える。自立的な位置情報取得装置により、初期位置からの移動量が算出され、自らの位置が計測される。通信装置4は、地上局との通信、あるいは他の移動体である他の車両との通信を提供する。通信装置4を介して候補物件に関する情報の一部が提供される。記憶装置5は、地図情報、候補物件に関する情報などを記憶する記憶媒体である。インターフェース装置6は、出力装置と、入力装置とを備える。出力装置として、表示装置6aおよびスピーカを備える。入力装置として、表示装置6a上に設けられたタッチパネル6bおよびスイッチ類を備える。タッチパネル6bは、表示装置6a上に表示されたキー領域が使用者によって触れられたことを検出する。処理装置2は、タッチパネル6bにより検出された領域に相当するキーに応じた処理を実行する。
【0022】
図2において、ナビゲーション装置1が経路案内を提供するための一連の処理が示されている。フローチャートの各ステップは、それぞれがマイクロコンピュータによる処理を示しており、機能を実現する手段でもある。ナビゲーション装置1は、候補選択ステップ110と、情報提供ステップ180とを備えている。候補選択ステップ110は、多数の候補物件から少数の候補物件への絞込み処理を提供する。使用者は、候補選択ステップ110により多数の候補物件の中から単一のまたは少数の候補物件を選択する。この候補選択ステップ110の後に、情報提供ステップ180によって、選択された候補物件に関する情報が提供される。この実施形態では、選択された候補物件の名称、属性、および内容の情報が表示される。さらに、現在の車両位置から候補物件までの経路が地図上に表示される。加えて、現在の車両位置から候補物件へ到達するための運転操作が指示される。
【0023】
候補選択ステップ110においては、多数の候補物件の中から、使用者が求める特性をもった単一のまたは少数の候補物件を選択するための複数の選択手段120、130、140,150、160が提供される。複数の選択手段は、一連の選択操作において予め定められた順序で、または使用者の要求に応じて提供される。この実施形態では、候補選択ステップ110は、最初に読みに基づく検索ステップ120を実行し、続いて名称順の選択ステップ130が実行されるように予め定められている。このような既定の実行順序に加えて、使用者の要求に応じて任意の選択手段が起動される。
【0024】
いずれかの選択手段により使用者の選択操作が入力されると、選択された候補物件の数が情報提供ステップ180による処理に適した数か否かがステップ170において判断される。例えば、ステップ170においては、選択された候補物件の数が単一か否かが判断される。単一の候補物件が選択されると、処理は情報提供ステップ180に進み、選択された候補物件に関する情報が提供される。例えば、候補物件に関する名称、特徴などの情報が、通信装置4または記憶装置5から取得され、表示装置6a上に表示される。
【0025】
選択手段のひとつは、読みに基づく検索ステップ120である。検索ステップ120では、使用者が入力した読みに一致する名称をもつ候補物件を抽出する。この結果、単一のまたは複数の候補物件が選択される。
【0026】
図3は、検索ステップ120における表示装置6a上の表示を示す。検索ステップ120においては、読みを示す文字を入力するためのキー120aと、入力された文字120bと、検索条件に一致した件数120cとが表示される。
【0027】
選択手段のひとつは、名称順選択ステップ130である。名称順選択ステップ130では、複数の候補物件がその名称順、すなわち読み順に表示され、名称に対する使用者の選択操作が入力されることによって、ひとつの候補物件が選択される。名称順選択ステップ130は、以下のステップを含むことができる。ステップ131では、検索ステップ120などの前置選択ステップにより選択された複数の候補物件を入力する。次に、ステップ132では、複数の候補物件を名称順に配列する。ステップ133では、複数の候補物件を名称順に表示する。ステップ134では、使用者の選択操作を入力する。
【0028】
図4は、名称順選択ステップ130における表示装置6a上の表示を示す。名称順選択ステップ130においては、候補物件の名称130aが、順に列挙して表示される。さらに、表示装置6a上には、他の選択手段への切換を指示するための切換キー62、63、64が表示される。名称130aのひとつが使用者によって触れられると、これがタッチパネル6bによって検出される。フローチャートは、ステップ134の処理を経て、ステップ170へ進む。切換キー62、63、64のひとつが使用者によって触れられると、割り込み処理が起動され、操作された切換キーによって示された選択ステップに進む。
【0029】
選択手段のひとつは、到達時間別選択ステップ140である。到達時間別選択ステップ140では、複数の候補物件が、その到達時間の区分毎にグルーピングされ、区分が表示される。そして、区分に対する使用者の選択操作が入力されることによって、区分に属する候補物件が選択される。
【0030】
到達時間別選択ステップ140は、以下のステップを含むことができる。ステップ141では、検索ステップ120などの前置選択ステップにより選択された複数の候補物件を入力する。次に、ステップ142では、複数の候補物件のそれぞれに関して、現在位置と複数の候補物件との間を道路を経由して移動するのに要する到達時間を算出する。ステップ142が到達時間算出手段を提供する。ステップ142では、車両の現在位置と複数の候補物件の位置とに基づいて、車両と複数の候補物件との間を道路を経由して移動するのに要する到達時間を算出される。ステップ143では、複数の候補物件が、算出された到達時間に基づいて複数の区分にグルーピングされる。このグルーピングは、分類処理とも呼べる。複数の区分は、所定の到達時間範囲ごとに設けられる。例えば、30分毎に設けられる区分である。このステップ143により、複数の候補物件のそれぞれが属する区分が特定される。ステップ143がグルーピング手段を提供する。ステップ144では、複数の区分が表示される。複数の区分の表示は、それらのうちのいずれかを使用者が選択するために実施される。ステップ145では、使用者の選択操作が入力される。ステップ144が区分表示手段を提供し、ステップ145が区分入力手段を提供する。
図5は、到達時間別選択ステップ140における表示装置6a上の表示を示す。表示装置6aには、区分に対応する複数の区分欄140aが表示される。それぞれの区分欄140aには、各区分が示す到達時間の範囲140bと、各区分に属する候補物件の数140cとが表示されている。ひとつの区分欄140a上が使用者によって触れられると、そのことがタッチパネル6bによって検出される。フローチャートは、ステップ145の処理を経て、ステップ170へ進む。切換キー61、63、64のひとつが使用者によって触れられると、割り込み処理が起動され、操作された切換キーによって示された選択ステップに進む。
【0031】
選択手段のひとつは、ジャンル別選択ステップ150である。ジャンル別選択ステップ150では、候補物件のジャンルを指標として、複数の候補物件から単一のまたは少数の候補物件が選択される。ジャンル別選択ステップ150は、複数の候補物件を、予め定められたジャンル別にグルーピングする。それぞれのジャンルは、飲食店、公共機関などの施設の種類、交差点、急カーブなど地点の特徴などが当てられる。ジャンル別選択ステップ150は、先行して実行された前置選択手段から複数の候補物件を入力するステップと、入力した候補物件を複数のジャンルに分類するステップと、複数のジャンルを表示し、そのひとつを選択することを促す表示ステップと、使用者による選択操作を入力するステップとを備えることができる。ジャンル別選択ステップ150は、他の選択手段における表示画面において、切換キー63が操作された場合に、割り込み処理により起動される。
【0032】
選択手段のひとつは、距離順選択ステップ160である。距離順選択ステップ160では、車両と候補物件との間の距離を指標として、複数の候補物件から単一のまたは少数の候補物件が選択される。距離順選択ステップ160は、複数の候補物件について、対象物件である車両と候補物件との間の距離を求める。距離は、車両の位置情報と、候補物件の位置情報と、地図データとに基づいて求めることができる。距離順選択ステップ160は、先行して実行された前置選択手段から複数の候補物件を入力するステップと、入力した候補物件に関してそれぞれの距離を算出するステップと、複数の候補物件をその距離順に配列するステップと、複数の候補物件を距離順に表示するステップと、表示された候補物件に対する使用者の選択操作を入力するステップとを含むことができる。距離順選択ステップ160は、他の選択手段における表示画面において、切換キー64が操作された場合に、割り込み処理により起動される。
【0033】
次に、ナビゲーション装置の作動を説明する。図2の処理は、使用者が候補物件の絞込みと、情報提供処理とを求めると、開始される。まず、読みに基づく検索ステップ120が前置選択処理として実行される。検索ステップ120によって単一の候補物件が抽出された場合には、もはや名称順選択ステップ130は処理対象を持たないから、ステップ170へ進み、さらにステップ180へ進む。
【0034】
図3に図示されるように、多くの場合、検索ステップ120によると、多数の候補物件が選択される。次に、処理装置2は、デフォルトの選択処理である名称順選択ステップ130を実行する。使用者は、順に表示される候補物件の名称を指標として候補物件を選択することができる。この処理により単一の候補物件が選択されると、ステップ170を経由して、ステップ180に進む。
【0035】
図4に図示される名称順選択ステップ130における表示画面において、使用者が到達時間別選択ステップ140を求めて、切換キー62を操作すると、到達時間別選択ステップ140が実行される。前置選択処理としての検索ステップ120によって選択された複数の候補物件は、到達時間別選択ステップ140に入力され、それら複数の候補物件について、車両から候補物件まで道路を移動した場合に要する到達時間が算出される。さらに、複数の候補物件は、到達時間の区分毎にグルーピングされる。表示装置6aには、複数の区分が表示される。
【0036】
図5に図示される表示画面において、使用者がひとつの区分を選択すると、その区分に属する候補物件が単一か否かがステップ170により判断される。選択された区分に単一の候補物件だけが属する場合には、ステップ170を経由して、ステップ180へ進む。選択された区分に依然として複数の候補物件が属する場合、後置選択手段としての名称順選択ステップ130へ再び進む。
【0037】
図6に図示される表示画面が、後置選択手段としての名称順選択ステップ130によって提供される。この表示画面上では、比較的少数の候補物件が表示されるため、使用者は比較的容易に目指す候補物件を選択することができる。
【0038】
この実施形態では、到達時間別選択ステップ140と、検索ステップ120と、ジャンル別選択ステップ150とは、複数の候補物件を選択する可能性がある処理であるから、これらの処理が、到達時間別選択ステップ140に対しての前置選択処理となりうる。一方、到達時間別選択ステップ140は、複数の候補物件を選択する可能性がある処理であるから、それら複数の候補物件からの絞込みを実行できるすべての選択ステップが後置選択処理となり得る。
【0039】
この実施形態によると、到達時間の区分毎の選択を可能としたので、使用者が理解しやすく、しかも任意の候補物件を容易に選択できる選択手段を提供することができる。使用者は、到達時間を分単位、秒単位まで理解して候補物件を選択する必要がなく、区分毎の大まかな把握に基づいて選択することができる。また、使用者は、到達時間を指標とした選択を希望するときに、複数の候補物件からの絞込みを容易に遂行することができる。任意の到達時間をもつ候補物件を使用者が容易に素早く見つけ出し、選択することを可能とすることができる。
【0040】
(他の実施形態)
本発明の技術的範囲は、上述した実施形態にのみ限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で、多様な変形、改良、または拡張を伴うことができる。本発明は、少なくとも次のような変形、改良または拡張を伴う実施形態を包含する。
【0041】
到達時間別選択ステップ140において用いられる区分の数は、30分毎に代えて、15分毎、1時間毎などの種々の時間間隔とすることができる。さらに、区分の数と、区分の範囲とは、一画面上に表示可能な区分の数としてもよい。
【0042】
また、到達時間を算出するステップ142においては、前置選択手段から入力されたすべての候補物件の到達時間を算出する処理に代えて、予め定められた、または使用者によって指定された一部の候補物件についてだけ到達時間を算出する処理を実行してもよい。例えば、10Km以内に存在する候補物件だけについて到達時間を算出するといった処理や、距離順に配列した後に、距離が近い上位10件だけについて到達時間を算出するといった処理を付加してもよい。
【0043】
また、到達時間を算出するステップ142においては、種々の算出手法を採用することができる。例えば、道路上の走行距離と、平均的な走行速度とに基づいて到達時間を算出する手法を採用してもよい。また、道路上の走行距離と、各道路の制限速度と、信号機における待ち時間とに基づいて到達時間を算出する手法を採用してもよい。また、特開2003−232641号公報に記載の手法により到達時間を算出してもよい。ステップ142においては、通信装置4を介して道路渋滞情報を取得し、渋滞に起因する時間経過も付加して到達時間を算出してもよい。さらに、ステップ142においては、渋滞情報など大量の道路情報を収集する地上の基地局に到達時間情報の提供を求め、この基地局から提供される到達時間を提供してもよい。
【0044】
上記実施形態では、検索ステップ120の後にデフォルトで実行される処理として名称順選択ステップ130を設定したが、到達時間別選択ステップ140が検索ステップ120の後に実行されるように設定してもよい。また、到達時間別選択ステップ140は、所定の数以下の少数の候補物件に絞り込まれるまで、区分を徐々に細分化しながら所定回数繰り返すように設定してもよい。例えば、第1回目の到達時間別選択ステップ140では、30分毎の区分を提供し、ひとつの区分が選択されると、その区分に属する複数の候補物件について、5分毎の区分に基づく到達時間別選択ステップ140を提供するといった処理を実行することができる。
【0045】
また、上記実施形態の選択手段に代えて、または加えて、他の指標を提示する選択手段を備えてもよい。例えば、候補物件の文字つづりに基づく選択手段などを備えることができる。
【0046】
また、上記実施形態では、車載のナビゲーション装置に本発明を適用したが、本発明は可搬型のナビゲーション装置に適用されてもよい。例えば、歩行者が所持するナビゲーション装置、携帯電話、携帯情報端末などの携帯機器に適用することができる。さらに、地上に固定された基地局における経路案内装置あるいは配車支援装置に本発明を適用してもよい。例えば、複数の車両を候補物件とし、地上の顧客を対象物件として、複数の車両のいずれかを選択する処理に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 ナビゲーション装置(情報提供装置)
2 処理装置
3 位置情報取得装置
4 通信装置
5 記憶装置
6 インターフェース装置
6a 表示装置
6b タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の候補物件から少数の候補物件を選択する候補選択手段(110)と、
選択された候補物件に関する情報を提供する情報提供手段(180)とを備え、
前記候補選択手段は、
対象物件と複数の候補物件との間を道路を経由して移動するのに要する到達時間を算出する到達時間算出手段(142)と、
複数の候補物件を算出された到達時間に基づいて所定の到達時間範囲ごとに設けられた複数の区分にグルーピングするグルーピング手段(143)と、
前記区分を表示する区分表示手段(144)と、
前記区分を選択する操作を入力する区分入力手段(145)と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記対象物件が移動体であり、前記候補物件が地図上の地点であることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記情報提供手段(180)は、
対象物件と候補物件との間の経路に関する情報を提供することを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記区分表示手段(144)は、
複数の区分に対応する複数の区分欄(140a)と、
各区分欄の到達時間範囲(140b)と、
各区分欄の区分に属する候補物件の数(140c)と
を表示することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記候補選択手段(110)は、
前記区分入力手段(145)により入力された区分に属する複数の候補物件から少数の候補物件を選択する後置選択手段(130、140、150、160)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記候補選択手段(110)は、
複数の候補物件を選択し、前記到達時間算出手段(142)に提供する前置選択手段(120、150)を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−169588(P2010−169588A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13461(P2009−13461)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】