説明

情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラム

【課題】走行中の車両に関する情報を容易に取得させ、表示画面を用いた走行中のエンターテインメント性を向上させること。
【解決手段】車両に搭載される情報表示装置であって、車両の走行時に走行位置および車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得部101と、表示画面103を制御して、走行位置を含む所定の走行範囲におけるGの情報を表示する表示制御部102と、を備え、表示制御部102は、車両の走行状態に対応して走行位置毎のGの情報を更新して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムに関する。ただし、本発明の利用は前述の情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムには限らない。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行状態である速度やエンジン回転数等の変化は、車両の計器パネルを用いて表示するのが一般的であった。また、車載ナビゲーション装置は、車両が走行する現在地や走行予定経路を地図情報を用いて表示する表示画面が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来技術では、計器パネルは表示エリアが限られており、各種の走行データを表示することができなかった。車載ナビゲーション装置においても地図情報を表示する程度であった。このため、車両の速度やエンジン回転数以外の各種の走行データ、たとえば車両の走行時における進行方向Gや、横G等の情報を表示することができないという問題が一例として挙げられる。これらのGは走行している道路の曲がり具合や山道、坂道等においてハンドルやブレーキ等の車両の運転操作をおこなったり、エンターテインメント性を向上させる情報として有効であり、効果的な表示が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明にかかる情報表示装置は、車両に搭載される情報表示装置であって、前記車両の走行時に走行位置および前記車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得手段と、表示画面を制御して、前記走行位置を含む所定の走行範囲における前記Gの情報を表示する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記車両の走行状態に対応して前記走行位置毎の前記Gの情報を更新して表示することを特徴とする。
【0005】
また、請求項3に記載の発明にかかる情報表示装置は、車両に搭載される情報表示装置であって、前記車両の過去の走行時の走行位置および前記車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記Gの情報を前記走行位置と対応付けて格納する格納手段と、前記車両の走行予定の経路を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記車両の走行予定の経路上に位置する前記走行位置および前記Gの情報を前記格納手段から読み出し、表示画面を制御して、前記走行位置を含む所定の走行範囲における前記Gの情報を表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項8に記載の発明にかかる情報表示方法は、車両に搭載される情報表示装置に情報を表示する情報表示方法であって、前記車両の走行時に走行位置および前記車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得工程と、表示画面を制御して、前記走行位置を含む所定の走行範囲における前記Gの情報を表示する表示工程と、を含み、前記表示工程は、前記車両の走行状態に対応して前記走行位置毎の前記Gの情報を更新して表示することを特徴とする。
【0007】
また、請求項9に記載の発明にかかる情報表示方法は、車両に搭載される情報表示装置に情報を表示する情報表示方法であって、前記車両の過去の走行時の走行位置および前記車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得工程と、前記取得工程により取得された前記Gの情報を前記走行位置と対応付け、前記車両の走行予定の経路上に位置する前記走行位置および前記Gの情報を、表示画面を制御して、前記走行位置を含む所定の走行範囲を表示する表示工程と、を含み、前記表示工程は、前記車両の走行状態に対応して前記走行位置毎の前記Gの情報を更新して表示することを特徴とする。
【0008】
また、請求項10に記載の発明にかかる情報表示プログラムは、請求項8または9に記載の情報表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(情報表示装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の内容について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
図1において、車両(四輪車、二輪車を含む)等に備えられた情報表示装置は、取得部101と、表示制御部102と、表示画面103と、格納部104と、設定部105とを含む構成となっている。
【0012】
取得部101は、車両の速度情報やエンジン回転数情報、車両の傾斜角情報、G(gravity)である横G情報、進行方向G情報を取得する。さらに、取得部101は、上記情報以外の車両の状態に関する情報、たとえば、加速度情報、角速度情報、電圧情報、方向情報、時刻情報、緯度経度情報、トルク情報、馬力情報等をあわせて取得するようにしてもよい。
【0013】
さらに、取得部101は、車両の現在地情報および現在地情報に対応する地図情報をあわせて取得するようにしてもよい。現在地情報および地図情報は、目的地までの道路を経路案内する車載ナビゲーション装置の機能を用いることができる。地図情報には、緯度経度毎に道路の道すじ等の情報を含んでいる。
【0014】
表示制御部102は、車両が走行する道路の進行方向G情報や、横G情報を表示する。これらのGの情報は、車両の走行時に限らず、過去に走行した道路を再び走行する際に走行予定経路上のGの情報として表示することもできる。車両が走行した際のGの情報は、格納部104に緯度経度情報とともに格納しておくことができる、そして、再び同じ道路を走行する際に格納部104から読み出して表示することができる。なお、車両の走行位置や、走行予定経路は、地図情報を用いて表示させることができる。
【0015】
また、表示制御部102は、車両の走行中においては、現在地におけるGの情報と、通過した過去の位置におけるGの情報を所定範囲で更新して表示することができる。たとえば、現在地を基準にして所定の距離の範囲のGの情報を更新して履歴表示することができる。この場合、現在地におけるGの情報を常に表示させ、通過した位置のGの情報をスクロールして表示することができる。
【0016】
Gの情報は、Gの値の大きさに対応したバーグラフを用いて表示することができる。たとえば横Gであれば、車両の左右それぞれの方向のGの大きさに対応して表示画面103の左右方向に伸びる長さを有したバーを表示させる。これにより、たとえば、車両が右側へカーブを切っていときには、左側の方向に、曲がり具合に対応した大きさの横Gが発生し、車両が左側へカーブを切っていときには、右側の方向に、曲がり具合に対応した大きさの横Gが発生する。なお、横Gが左右いずれにも発生していない場合は、直進しているときであり、道路が前方方向を向いている(左右いずれにもハンドル操作していない)。
【0017】
また、進行方向Gであれば、車両の前後それぞれの方向のGの大きさに対応して表示画面103の上下方向に伸びる長さを有したバーを表示させる。これにより、たとえば、車両が加速したときには、後方にGが発生し、車両が停止したときには、前側にGが発生する。急発進時や急停止時にはGの大きさが大きくなる。
【0018】
このように、上記本実施の形態によれば、車両の走行データを表示することができ、これにより、車両の運転操作の状態を表示できるとともに、エンターテインメント性を向上させることができる。
【0019】
また、表示画面103は、専用の表示画面であってもよく、また、車載ナビゲーション装置の表示画面であってもよい。表示画面103が、車載ナビゲーション装置の表示画面を用いることによって、車載ナビゲーション装置を備えた車両にあっては、別途表示画面103を装着しなくてもよい。また、車載ナビゲーション装置の表示画面を用いることによって、運転者だけでなく助手席の同乗者も表示内容を容易に確認することができ、走行データの変化によって運転状態を確認でき、また運転者に対する運転操作の注意を促す等のナビゲーションをおこなうこともできる。
【0020】
格納部104は、取得部101によって取得された情報を格納する。本実施の形態における格納部104には、車両が走行する位置情報(緯度経度)と、この位置情報毎の走行データとしてGの情報を格納しておく。これにより車両が走行した道路におけるGの状態が履歴として格納される。
【0021】
設定部105は、車両の走行予定経路を設定する。車載ナビゲーション装置に対して目的地を設定することにより、車載ナビゲーション装置は、現在地から目的地に対して所定の走行予定経路を算出する。この算出された走行予定経路が設定部105に設定される。設定された走行予定経路は、表示制御部102に出力される。表示制御部102は、設定部105に走行予定経路が設定されているときには、この走行予定経路に対応する走行データ(Gの情報)を格納部104から読み出す。これにより、車両が走行しようとする走行予定経路上における走行データであるGの情報を走行前、あるいは走行しながら表示できるようになる。
【0022】
(情報表示装置の処理の手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の処理の手順について説明する。図2は、この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0023】
図2のフローチャートにおいて、まず、表示画面103がONされているか否かを判断する(ステップS201)。そして、ONされるのを待って、ONされた場合は(ステップS201:Yes)、走行データを取得する(ステップS202)。走行データとしては、G(gravity)の情報である。
【0024】
また、車両の走行の位置情報を取得する(ステップS203)。そして、取得した走行位置毎の走行データを表示画面103の所定の領域にあらかじめ定められた表示方法で表示する(ステップS204)。つぎに、表示画面103がOFFされたか否かを判断し(ステップS205)、OFFされていない場合は(ステップS205:No)、所定の時間(たとえば数msec)が経過したかを判断する(ステップS206)。ここで、所定時間が経過するのを待って、経過した場合は(ステップS206:Yes)、ステップS202へ戻って、走行データおよび位置情報の取得・表示を繰り返しておこなう。
【0025】
このように処理することによって、刻々と変化する走行データ(Gの情報)を表示画面103に表示することができる。そして、ステップS205において、表示画面103がOFFされた場合は(ステップS205:Yes)、一連の処理を終了する。
【0026】
ステップS204により表示する走行データは、前述したように、走行位置毎のGの情報として表示画面103に走行データの履歴として表示することができる。
【実施例】
【0027】
(ハードウエア構成)
つぎにこの発明の実施例にかかる情報表示装置のハードウエア構成について説明する。図3は、この発明の実施例にかかる情報表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図3において、情報表示装置は、表示制御部102として機能するCPU301と、RAM302と、ROM303と、メモリ304と、時計305とを含む構成となっている。また、ユーザ操作部310と、走行中の車両の速度を検出する速度センサ311と、車両のエンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ312と、車両の傾斜角を検出する傾斜角センサ313と、車両の加速度を検出する加速度センサ314と、コーナリングの際の車両の角速度を検出する角速度センサ315と、Gを検出するGセンサ316とが、表示制御部102に接続されている。Gセンサ316は、コーナリングの際、遠心力によって発生する外向きの力である横Gや、加速および停止時に発生する前後の力である進行方向Gをそれぞれ検出する。進行方向Gは加速度センサ314を用いて検出することもできる。
【0029】
また、人工衛星からの電波を受信することによって車両の位置(緯度経度情報)を検出するGPS317、車両の進行方向を検出するジャイロセンサ318、車両の電気系統の電圧センサ319とが、表示制御部102に接続されている。これらの各センサ311〜319によって取得部101の機能を実現する。また、表示画面103として機能するディスプレイ320と、さらには、アンプ321が、表示制御部102に接続されている。
【0030】
また、図示しない外部の装置から出力される各種の情報は、インタフェース(I/F)323を介して入力される。このほか、インタフェース323は、外部の通信装置と無線によってデータ通信をおこなうことができる。
【0031】
ここで、CPU301は表示制御をするとともに、情報表示装置の全体を制御する。RAM302は、CPU301のワークエリアとして使用される。ROM303は、情報表示装置の基本処理プログラムを記憶している。メモリ304は、各種情報を記憶するものであり、格納部104を構成している。具体的には、たとえば、ハードディスク(HD)であり、その代わりにあるいはHDに加えて、DVD、コンパクトディスク(CD)等の着脱可能な記録媒体であってもよい。また、時計305は、現在時刻に関する情報を計時し記憶する。
【0032】
ユーザ操作部310は、たとえば、リモコン、タッチパネル、情報表示装置に備えられたボタン等によってその機能を実現するものであり、設定部105を構成している。また、ディスプレイ320は、具体的には、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を含む。
【0033】
さらに、図示を省略するが、一般的な車載ナビゲーション装置が備える地図DBと、ナビゲーション制御部と、位置認識部と、案内音出力部と、地点検索部と、経路取得部と、経路誘導部と、案内音生成部と、を含む構成となっている。
【0034】
ここで、ナビゲーション制御部は、位置認識部によって算出された自車位置情報と、地図DBとに基づいて、ディスプレイ320へ車両が地図上のどの位置を走行しているかを出力する。
【0035】
案内音出力部は、アンプ321を用いて一つまたは複数のスピーカ322への出力を制御することによって、案内音を再生する。
【0036】
地点検索部は、ユーザ操作部310から入力された情報に基づいて、任意の地点を検索し、これをディスプレイ320へ出力する。また、経路取得部は、地点検索部によって得られた地点情報に基づいて、当該地点までの最適な経路を算出する。また、経路誘導部は、経路取得部によって得られた情報と自車位置情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなう。
【0037】
案内音生成部は、パターンに対応したトーンと音声のデータを生成する。すなわち、経路情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこない、これを案内音出力部へ出力する。
【0038】
(情報表示装置の表示例)
つぎに、この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示の一例について説明する。図4および図5は、この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示画面の表示内容の一例を示す説明図である。
【0039】
図4において、表示画面103上には、走行データとして横Gの表示エリア400が設けられている。この横Gの表示エリア400は、中央の縦軸がG=0であり、右側にかかる横G(プラス)の表示領域400aと、左側にかかる横G(マイナス)の表示領域400bとが設けられている。そして、横Gの大きさに対応した長さのレベル・バー401が横(左右)方向に伸びるように表示される。
【0040】
横Gの表示エリア400に表示される一番下のレベル・バー401aには、車両の現在地における横Gが表示される。この一番下のレベル・バー401aより上に位置するレベル・バー401は、過去の位置であり、一番下のレベル・バー401aが常に現在地の横Gとして表示され、また、過去の所定距離(所定期間)分の横Gの履歴を表示するようになっている。現在地のレベル・バー401aは他のレベル・バー401の表示色と異なる色を用いて表示してもよい。また、横Gの表示エリア400に表示される一番上のレベル・バーを車両の現在地における横Gとして表示し、この一番上のレベル・バーより下に位置するレベル・バー401は、過去の位置の横Gとして表示してもよい。
【0041】
また、横Gの表示エリア400の側部には、横Gの値を数値表示する表示エリア402が設けられている。この表示エリア402には、現在の横Gの値の表示エリア402aと、過去の横Gのうち右側(プラス)および左側(マイナス)のそれぞれの最大値(MAX)402bを表示するようになっている。これら最大値の横Gの表示は、横Gの表示エリア400として設定されている所定距離における最大値を表示する。
【0042】
また、横Gの表示エリア400の側部には、地図情報の表示エリア410を表示させてもよい。この表示エリア410に表示される411は、車両の現在地であり、412は道路である。このように、車両の走行位置をあわせて表示することにより、道路の曲がり具合と、横Gの大きさとを関連づけて表示させることができるようになる。
【0043】
このほか、表示画面103には、メニュー表示用のキー421、横Gの表示エリア400を表示/非表示に切り換えるキー422、地図情報の表示エリア410を表示/非表示に切り換えるキー423が設けられる。424は、時刻情報表示領域であり、デジタル表示によって現在の日付と時刻である『2004(年)3(月)30(日)、04:46(AM)』を示している。この表示は針式時計によるアナログ表示であってもよい。また、24時間表示であってもよい。
【0044】
図5は、この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示画面の表示内容の別の一例を示す説明図である。図5において図4と同様の表示内容には同一の番号を附してある。図5においては、車両の進行方向Gの表示エリア500を設けた構成である。
【0045】
この進行方向Gの表示エリア500は、中央の横軸がG=0であり、上側にかかる進行方向G(プラス)の表示領域500aと、下側にかかる進行方向G(マイナス)の表示領域500bとが設けられている。そして、進行方向Gの大きさに対応した長さのレベル・バー501が上下方向に伸びるように表示される。
【0046】
進行方向Gの表示エリア500に表示される一番左のレベル・バー501aには、車両の現在地における進行方向Gが表示される。この一番左のレベル・バー501aより右に位置するレベル・バー501は、過去の位置であり、一番左のレベル・バー501aが常に現在地の進行方向Gとして表示され、また過去の所定距離(所定期間)分の進行方向Gの履歴を表示するようになっている。現在地のレベル・バー501aは他のレベル・バー501の表示色と異なる色を用いて表示してもよい。また、進行方向Gの表示エリア500に表示される一番右のレベル・バーを車両の現在地における進行方向Gとして表示し、この一番右のレベル・バーより左に位置するレベル・バー501は、過去の位置の進行方向Gとして表示してもよい。
【0047】
また、進行方向Gの表示エリア500の側部には、進行方向Gの値を数値表示する表示エリア402が設けられている。この表示エリア402には、現在の進行方向Gの値の表示エリア402aと、過去の進行方向Gのうち上側(プラス)および下側(マイナス)のそれぞれの最大値(MAX)402bを表示するようになっている。これら最大値の進行方向Gの表示は、表示エリア500に表示している所定距離における最大値を表示する。
【0048】
図4および図5を用いて表示画面103に表示する横Gや進行方向Gは、車両の走行時に現在地および過去の道路に関する履歴として表示するものとした。取得部101(図1参照)は、車両の走行時における位置情報と、Gの情報とを関連づけて格納部104に格納しておくことができる。したがって、車載ナビゲーション装置によって新たな走行予定経路が算出された際には、設定部105に設定された走行予定経路上におけるGの情報を走行前にあらかじめ所定距離分表示することができる。これにより、車両の走行開始前において道路の状況、たとえば曲がり具合や坂道に応じた横Gおよび進行方向Gの発生状態を確認でき、車両各部の点検や安全運転の励行に役立てることができるようになる。
【0049】
また、格納部104からGの情報を読み出す構成の場合、車両が走行している状態において、常に進行方向(未来)のGの情報を予告して表示することもできる。たとえば、横Gの表示エリア400(図4参照)に表示された横Gのレベル・バー401の大きさが大きいときには、急な曲がりが多いことを事前に表示させることができる。また、進行方向Gの表示エリア500(図5参照)に表示された進行方向Gのレベル・バー501の大きさが大きいときには、急な登り、あるいは下りの坂が多いことを事前に表示させることができる。これにより、今後進行する道路状態を把握して運転操作に役立てることができるようになる。
【0050】
(情報表示装置の実装例)
図6は、この発明の実施例にかかる情報表示装置の実装の一例を示す説明図である。図6に示すように、車両内の運転席と助手席との間に車載ナビゲーション装置601が装着されている。車載ナビゲーション装置601のディスプレイはオンダッシュ、インダッシュのいずれの方式であってもよい。
【0051】
また、表示画面103は、車載ナビゲーション装置601の表示画面であってもよい。表示画面103が、車載ナビゲーション装置601の表示画面を用いることによって、車載ナビゲーション装置601を備えた車両にあっては、別途表示画面103を装着しなくてもよい。また、車載ナビゲーション装置601の表示画面を用いることによって、運転者だけでなく助手席の同乗者も表示内容を容易に確認することができ、運転のナビゲーションを容易におこなうことができる。このような車載ナビゲーション装置601を用いて、運転時の走行データを表示させてエンターテインメント性の向上も図ることができる。
【0052】
以上説明したように、本実施例によれば、車両の走行データとしてGの情報をレベル・バーを用いて表示することにより、車両が走行している道路の曲がりや坂の状態を可視的に表示することができるようになる。対応してハンドル、アクセル、ブレーキ操作等の運転操作の状態を表示できるようになる。また、車両が走行した過去の道路に関するGの情報を格納しておくことにより、走行予定の道路で必要な運転操作の状態を事前に表示でき、安全運転の励行に効果的な表示をおこなえるようになる。
【0053】
なお、本実施の形態における情報表示方法は、あらかじめ用意されたコンピュータ読み取り可能なプログラムであってもよく、またそのプログラムをサーバーを含むパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現される。このプログラムは、HD、FD、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施例にかかる情報表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示画面の表示内容の一例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示画面の表示内容の別の一例を示す説明図である。
【図6】この発明の実施例にかかる情報表示装置の実装の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0055】
101 取得部
102 表示制御部
103 表示画面
104 格納部
105 設定部
400 横Gの表示エリア
500 進行方向Gの表示エリア
401、501 レベル・バー
601 車載ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される情報表示装置であって、
前記車両の走行時に走行位置および前記車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得手段と、
表示画面を制御して、前記走行位置を含む所定の走行範囲における前記Gの情報を表示する表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記車両の走行状態に対応して前記走行位置毎の前記Gの情報を更新して表示することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、現在の走行位置の前記Gの情報を常に表示し、過去の走行位置の前記Gの情報を所定方向にスクロールさせて表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
車両に搭載される情報表示装置であって、
前記車両の過去の走行時の走行位置および前記車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記Gの情報を前記走行位置と対応付けて格納する格納手段と、
前記車両の走行予定の経路を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記車両の走行予定の経路上に位置する前記走行位置および前記Gの情報を前記格納手段から読み出し、表示画面を制御して、前記走行位置を含む所定の走行範囲における前記Gの情報を表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記格納手段に格納された過去の走行時の走行位置の前記Gの情報に基づいて、現在の走行位置の前記Gの情報とともに、走行予定の経路上における未来の走行位置のGの情報を表示することを特徴とする請求項3に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記Gの情報として前記車両の走行時に左右方向に加わる横G(gravity)の情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記横Gの大きさと、当該横Gが加わる方向とを前記所定の走行位置の範囲を有して表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記Gの情報として前記車両の走行時に進行方向前後に加わる進行方向G(gravity)の大きさを取得し、
前記表示制御手段は、前記横Gの大きさと、当該進行方向Gが加わる方向とを前記所定の走行位置の範囲を有して表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記走行位置の所定範囲における前記Gの情報とともに、前記車両の走行位置を示す地図表示画面をあわせて表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の情報表示装置。
【請求項8】
車両に搭載される情報表示装置に情報を表示する情報表示方法であって、
前記車両の走行時に走行位置および前記車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得工程と、
表示画面を制御して、前記走行位置を含む所定の走行範囲における前記Gの情報を表示する表示工程と、
を含み、
前記表示工程は、前記車両の走行状態に対応して前記走行位置毎の前記Gの情報を更新して表示することを特徴とする情報表示方法。
【請求項9】
車両に搭載される情報表示装置に情報を表示する情報表示方法であって、
前記車両の過去の走行時の走行位置および前記車両に加わるG(gravity)の情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記Gの情報を前記走行位置と対応付け、前記車両の走行予定の経路上に位置する前記走行位置および前記Gの情報を、表示画面を制御して、前記走行位置を含む所定の走行範囲を表示する表示工程と、
を含み、
前記表示工程は、前記車両の走行状態に対応して前記走行位置毎の前記Gの情報を更新して表示することを特徴とする情報表示方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の情報表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報表示プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−160191(P2006−160191A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358401(P2004−358401)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(596125930)パイオニアデザイン株式会社 (21)
【Fターム(参考)】