説明

情報記憶媒体管理システム

【課題】 情報記憶媒体を返却しない場合には、利用者が退室できないようにした情報記憶媒体管理システムを提供する。
【解決手段】 入室/退室管理部と、認証用情報を入力する入力部と、情報記憶媒体の保管部と、情報記憶媒体を排出する排出部と、情報記憶媒体の返却部と、返却された情報記憶媒体からID情報を読み取るID情報読取部と、認証用情報とID情報と保管位置情報とが登録されているデータベースと、処理管理部と、を備え、前記処理管理部は、入力された認証用情報と、データベースに登録されている認証用情報とを照合し、一致した場合に情報記憶媒体を排出させ、読み取ったID情報とデータベースに登録されているID情報とを照合し、一致した認証用情報と関係付けられた保管位置情報の保管位置に返却された情報記憶媒体を保管させ、更に入室/退室管理部に対して入室又は退室を可能な状態にさせる指示信号を送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理エリアに入室する際に、利用者にその管理エリア内で使用する情報記憶媒体の発行を行い、また前記情報記憶媒体を返却しない場合には、前記利用者が退室できないようにした情報記憶媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会社などの組織において、その従業員に対して社員証としてICカードなどの情報記憶媒体を発行し、従業員が会社の敷地や建物へ入室する時に、情報記憶媒体に記憶された認証用情報を利用して本人認証を行ない、認証が受けられた場合に入室可能な状態にしたり、また、従業員が、建物内に備えられた設備や装置の使用をする際にも、情報記憶媒体に記憶された認証用情報を読取装置で読み取って、本人認証を行なうことで、認証が受けられた場合に、それらの装置や設備を使用可能な状態に切り替えるようにするなどして、不審者が入室することを防止したり、装置や設備の不正使用を防止するなどしたセキュリティシステムが普及している。
上記のように、社員証などのICカードを利用したセキュリティ方法およびシステムは、既に下記の特許文献1にも記載されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】特開2002−197500号公報
【0004】
しかしながら、例えば社員証として、ICカードなどの情報記憶媒体を使用した認証処理を行う場合においては、社外においても社員が社員証を所持しているために、昼休みなどで外出した際に、社員証を外部でうっかり落として紛失することも考えられる。
そして、紛失した社員証が、その後に第三者の手に渡って不正に使用される危険性があるという問題がある。
【0005】
また、他の例として社員でない来客者に対して、受付で入管証としてICカードなどの情報記憶媒体の発行を行い、建物内での入室管理を入管証から読み取った認証用情報に基づいて行う管理システムが既に知られているが、来客者が帰る際に、受付で発行された入館証の返却を行わないで持ち帰ることも考えられる。
このように、持ち帰った入館証を用いて、その後に不正な行為が行われる危険性があるという問題もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、ICカードなどの情報記憶媒体を使用した認証処理が行われている建物において、紛失された情報記憶媒体を用いた不正使用や、また返却されなかった情報記憶媒体を用いた不正行為を防止するために、利用者に対して、入室時にその管理エリア内で使用する情報記憶媒体の発行を行い、また前記情報記憶媒体を返却しない場合には、前記利用者が退室できないようにした情報記憶媒体管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報記憶媒体管理システムは、管理エリアに入室する際に、利用者に対して、前記管理エリア内で使用する情報記憶媒体の発行を行い、また前記情報記憶媒体を返却しない場合には、前記利用者が退室できないようにした情報記憶媒体管理システムであって、前記管理エリアへの入室又は退室を物理的に可能又は不可能な状態に切り替える入室/退室管理部と、前記管理エリアへの入室前に利用者が認証用情報を入力する入力部と、前記情報記憶媒体が保管された保管部と、前記保管部で保管されている情報記憶媒体を利用者が受け取れる状態に排出する排出部と、前記管理エリア内から利用者が退室する際に、前記情報記憶媒体を返却するために設けられた返却部と、前記返却部から返却された情報記憶媒体に記憶されているID情報を読み取るID情報読取部と、前記認証用情報と、前記各情報記憶媒体毎に記憶されているID情報と、前記保管部に保管されている各情報記憶媒体毎の保管位置情報とが関係付けられて登録されているデータベースと、制御プログラムに基づいて処理を行わせる処理管理部と、を備え、利用者の入室時に、前記処理管理部は、前記入力部から入力された認証用情報と、前記データベースに登録されている認証用情報とを照合し、一致した場合に、その認証用情報と関係付けられた保管位置情報で特定される保管位置に保管されている情報記憶媒体を、前記排出部に排出し、利用者の退室時に、前記処理管理部は、前記ID情報読取部で読み取ったID情報と前記データベースに登録されているID情報とを照合して、一致した認証用情報と関係付けられた保管位置情報で特定される保管位置に返却された情報記憶媒体を保管させ、前記認証用情報に基づく照合が一致した場合、又は前記返却部から返却された情報記憶媒体から読み取られたID情報に基づく照合が一致した場合に、前記入室/退室管理部に対して入室又は退室を可能な状態にさせる指示信号を送信させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の情報記憶媒体管理システムは、管理エリアに入室する際に、利用者に対して、前記管理エリア内で使用する情報記憶媒体の発行を行い、また前記情報記憶媒体を返却しない場合には、前記利用者が退室できないようにした情報記憶媒体管理システムであって、前記管理エリアへの入室又は退室を物理的に可能又は不可能な状態に切り替える入室/退室管理部と、前記管理エリアへの入室前に利用者が認証用情報を入力する入力部と、前記情報記憶媒体が保管された保管部と、前記保管部で保管されている情報記憶媒体を利用者が受け取れる状態に排出する排出部と、前記管理エリア内からの前記利用者が退室する際に、前記情報記憶媒体を返却するために設けられた返却部と、前記返却部から返却された情報記憶媒体に記憶されているID情報を消去する消去部と、前記認証用情報が登録されているデータベースと、制御プログラムに基づいて処理を行わせる処理管理部と、を備え、利用者の入室時に、前記処理管理部は、前記入力部から入力された認証用情報と、前記データベースに登録されている認証用情報とを照合し、一致した場合に、発行する情報記憶媒体の記憶手段にID情報を記憶させ、前記情報記憶媒体に記憶させたID情報を、前記データベースに登録されている認証用情報と関係付けて登録させ、ID情報を記憶させた情報記憶媒体を、前記排出部に排出し、利用者の退室時に、前記処理管理部は、前記認証用情報に基づく照合が一致した場合、又は前記返却部から情報記憶媒体が返却された場合に、前記入室/退室管理部に対して入室又は退室を可能な状態にする指示信号を送信させることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明の情報記憶媒体管理システムは、前記認証用情報が、生体情報であり、前記入力部が、生体情報入力部であることを特徴とする。
入力部を生体情報入力部とすることで、認証情報が盗まれることがないという効果がある。
【0010】
また、本発明の情報記憶媒体管理システムは、前記特定の管理エリアが、建物又は部屋であり、前記入室/退室管理部が、建物又は部屋の出入口に備えられた電子錠を有するドアについて、前記電子錠の施錠又は解錠状態を制御する施錠/解錠制御部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
したがって、本発明は、ICカードなどの情報記憶媒体を使用した認証処理が行われている建物において、紛失された情報記憶媒体を用いた不正使用や、また返却されなかった情報記憶媒体を用いた不正行為を防止することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体管理システムについて、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報記憶媒体管理システムの概要を説明する図である。
第1実施形態では、管理エリアとして、入退室が管理されている部屋1について説明し、また情報記憶媒体としてICカード2を用いて場合に関して説明する。
そして、部屋1に入室した後には、ICカード2を使用する認証処理が必要な装置や設備などが備えられ、ICカード2を使用しないと例えばパソコン3などが使用できないようにセキュリティ管理がされている。
また、図1では、ICカード2に記憶されている固有情報に基づく認証処理を行うパソコン3だけが備えられている状況が示されているが、図示しないものの、部屋1内に、更に小部屋が備えられ、それらの小部屋に入る際にもICカード2に記憶されている固有情報に基づく認証処理で認証が受けられた場合に、施錠された電子錠を解錠させて入室可能とする機能を備えるなど、種々のICカード2を用いた認証が必要な装置又は設備が備えられている。
いずれにしても、部屋1への利用者は、入室の際にICカード2が渡されないと、部屋1内での行動が制限されることになる。
【0013】
したがって、図1に示すように、部屋1の入退室ドア5付近には、ICカード2の発行と返却の管理を行うICカード発行返却管理装置6が備えられている。
部屋1の外にいる利用者4は、入退室ドア5を開けて入室する前の段階であり、ICカード発行返却管理装置6は、利用者4にICカード2を発行する。
そして、利用者4にICカード2を渡してから入室するように構成され、また、その利用者4が退室する際には、そのICカード2をICカード発行返却管理装置6に返却する構成を備えると共に、退室する際にICカード2を返却しない場合には、入退室ドアの電子錠を解錠しないように制限して、利用者4がICカード2を外部に持ち出せないようにして管理している。
具体的な処理は後述する。
【0014】
図2には、入退室ドア5付近に備えられているICカード発行返却管理装置6の構成が示されている。
ICカード発行返却管理装置6には、入室/退室管理部7、入力部8、保管部9、発行用の排出部10、返却部11、ID情報読取部13、データベース14、処理管理部15、処理エラー用の排出部16、が備えられている。
【0015】
まず、入室/退室管理部7は、部屋1への入室又は退室を物理的に可能又は不可能な状態に切り替える機能を有している。
つまり、電子錠を施錠又は解錠させて、入退室ドア5をロック状態にしたり、また入退室ドア5を開けて入室可能にしたりする機能を備えている。
入力部8は、入室前に利用者4が認証用情報を入力するために備えられており、図2に示す例では、指紋を読み取る機能を有する指紋情報入力部が備えられた場合が示されている。
利用者4は、入力部8から本人であることの認証処理を行う際に、認証用情報として指4aを入力部8の所定の読取部分に押し当てることで、指4aの指紋情報を入力できるように構成されている。
【0016】
また、保管部9には、入力部8から入力された指紋情報に基づく認証処理で認証された場合に、利用者4に対して発行するためのICカード2が保管されている。
保管部9に保管されているICカード2は、社員証のようにそのICカード2の使用者が決まっている場合には、各々のICカード2毎に定められた位置に保管する。
また、訪問者のようにICカード2毎に使用者が不特定である場合には、1枚のICカード2を異なる訪問者に共通して使用できるように、保管部9に保管する位置を特定されることなく、保管してもよい。
発行用の排出部10は、保管部9で保管されているICカード2を利用者4が入口側において、受け取れる状態に排出するための部分であり、前記認証処理において認証が受けられた場合に、利用者4は保管部9から排出部10に排出されたICカード2を受け取れるように構成されている。
【0017】
また、返却部11は、利用者4が部屋1から退室する際に、ICカード2を返却するために設けられており、返却部11の返却口からICカード2を入れることで、ICカード2が保管部9に回収され、その後、再度発行されて再使用できるように構成されている。
つまり、保管部9で保管されているICカード2は、利用者4に対して発行用の排出部10から排出されて利用者4に渡され、部屋1に入室して使用された後、利用者4が部屋1から出る際に返却部11にICカード2を入れることで、再び保管部9に戻されるというリサイクルが行われるように構成されている。
【0018】
また、返却部11から保管部9までの間には、ID情報読取部13が備えられている。
消去部12は、返却部11から返却されたICカード2に記憶されているID情報を消去する機能を有している。
また、ID情報読取部13は、返却部から返却されたICカード2に記憶されているID情報を読み取る機能を有している。
ICカード発行返却管理装置6の利用目的として、不特定の訪問者に発行するICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっていない場合には、消去部12の機能だけを使用する設定を行い、また、ICカード発行返却管理装置6の利用目的として、社員証のICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっている場合には、読取部13の機能だけを使用する設定を行うことで、2つの処理方法を選択することができる。
【0019】
また、データベース14には、予め認証用情報と保管位置情報が関係付けられて登録されている。
図3には、データベース14に登録されている保管位置情報テーブルの内容が示されている。
ここで、保管位置情報とは、保管部9で保管されているICカード2の保管位置を特定する情報である。
この認証用情報は、入力部8から入力された本人認証用の情報と照合処理するための情報であり、上記のように本人認証用の情報が指紋情報である場合には、予め指紋情報が登録されている。
データベース14の保管位置情報テーブル22には、図3に示すように、保管位置情報と社員番号や本人認証用の情報が関係付けられて登録されている。
認証用情報としては、指紋情報、静脈情報、虹彩情報、などの生体情報を用いることが本人であるか否かを判断する上で確実であることから好ましいが、暗証番号など種々の内容の情報を用いることができる。
【0020】
処理管理部15は、制御プログラムに基づいて処理を行わせる機能を有している。
この制御プログラムは、ICカード発行返却管理装置6の利用目的として、社員証のICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっている場合と、また不特定の訪問者に発行するICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっていない場合とによって2種類の処理手順の制御プログラムが用意されている。
【0021】
第1実施形態において、入室時は、まず、ICカード発行返却管理装置6の利用時に、社員証のICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっている場合、処理管理部15は、制御プログラムに基づいて、入力部8から入力された認証用情報と、データベース14に登録されている認証用情報とを照合し、一致した場合に、その認証用情報と関係付けられた保管位置情報で特定される保管位置に保管されているICカード2を排出部10へ排出する。
そして、退室時は、更に、ID情報読取部13でICカード2から読み取ったID情報とデータベース14に登録されているID情報とを照合して、一致したID情報と関係付けられた保管位置情報で特定される保管位置に、返却されたICカード2を保管させ、認証用情報に基づく照合が一致した場合、又は前記返却部から返却されたICカード2から読み取られたID情報に基づく照合が一致した場合に、入室/退室管理部7に対して入室又は退室を可能な状態にさせる指示信号を送信させる。
【0022】
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、図4に示すように、ICカード発行返却管理装置20には、入室/退室管理部7、入力部8、保管部21、発行用の排出部10、返却部11、消去部12、データベース14、処理管理部15、処理エラー用の排出部16、ID情報書込部17が備えられている。
第2実施形態において、入室時に、ICカード発行返却管理装置6を利用する時に、不特定の訪問者に発行するICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっていない場合、処理管理部15は、入力部8から入力された認証用情報と、データベース14に登録されている認証用情報とを照合し、一致した場合に、発行するICカード2の記憶部にID情報を記憶し、ICカード2に記憶されたID情報を、データベース14に登録されている認証用情報と関係付けて登録し、ID情報を記憶させたICカード2を、排出部10に排出させる。
その後、利用者は、排出部10のICカード2を受け取って部屋1に入室することとなる。
【0023】
そして、退室時は、返却部11からICカード2を返却することで、消去部12が返却されたICカード2の記憶手段に記憶されているID情報を消去した後、保管部21でICカード2を保管し、再使用可能な状態とする。
【0024】
また、処理エラー用の排出部16は、返却部11から返却されたICカード2に対する消去処理や、ID情報の読取処理がうまく実行できなかった場合、つまりエラーがあった場合に排出される部分である。
ID情報書込部17は、不特定の訪問者に発行するICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっていない場合に、ICカード2の発行を行う際にその都度、新しいID情報をICカード2の記憶手段に書き込んで記憶する機能を有する。
【0025】
次に、第1実施形態に係る情報記憶媒体管理システムの処理手順を、図4に示すフローチャート図に基づいて説明する。
処理手順としては、第1実施形態では、ICカード発行返却管理装置6の利用目的として、社員証のICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっている場合であり、第2実施形態では、不特定の訪問者に発行するICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっていない場合であり、まず、第1実施形態では、ICカード2毎に使用者が決まっている場合の処理手順について説明する。
【0026】
利用者4は、部屋1に入室する際に、ICカード発行返却管理装置6の入力部8の指紋読取部分に指4aを置いて指紋情報を入力する。(ステップS1)
入力部8から入力された指紋情報は、データベース14に登録されている認証用情報である指紋情報と照合処理される。(ステップS2)
そして、照合一致した場合には、その認証用情報と関係付けられた保管位置情報で特定される保管位置に保管されているICカード2が排出部10に排出させる。(ステップS3)
更に、照合一致した場合には、入室/退室管理部7で電子錠を解錠させて、入退室ドア5のロック状態を解除させて、利用者4が入退室ドア5を開けて入室可能にする。(ステップS4)
以上の処理により、利用者4は、社員証であるICカード2を入手して、入退室ドア5を開けて入室できる。
【0027】
次に、利用者4が部屋1から退室する際には、返却部11からICカード2を返却する。(ステップS5)
ID情報読取部13は、返却されたICカード2からID情報を読み取る。(ステップS6)
そして、読み取られたID情報と、データベース14に登録されているID情報とを照合処理する。(ステップS7)
照合一致したID情報と関係付けられた保管位置情報で特定される保管位置に、返却されたICカード2を保管させる。(ステップS8)
更に、入室/退室管理部7で電子錠を解錠させて、入退室ドア5のロック状態を解除させて、利用者4が入退室ドア5を開けて退室可能にする。(ステップS9)
【0028】
以上の処理により、利用者4が社員などの場合であっても、社員証のICカード2を外部で持ち歩く必要がなく、入室する際に入口で発行され、また退室する際に返却して、繰り返し同じICカード2を使用できるようになっている。
【0029】
次に、第2実施形態の場合で、不特定の訪問者に発行するICカード2のように予めICカード2毎に使用者が決まっていない場合の処理手順について説明する。
訪問者などの利用者4は、部屋1に入室する際に、ICカード発行返却管理装置6の入力部8の指紋読取部分に指4aを置いて指紋情報を入力する。(ステップS11)
入力部8から入力された指紋情報は、データベース14に登録されている認証用情報である指紋情報と照合処理される。(ステップS12)
そして、照合一致した場合には、ID情報書込部17からICカード2の記憶手段にID情報を書き込んで記憶させた後に排出部10に排出させる。(ステップS13)
更に、照合一致した場合には、入室/退室管理部7で電子錠を解錠させて、入退室ドア5のロック状態を解除させて、利用者4が入退室ドア5を開けて入室可能にする。(ステップS14)
以上の処理により、利用者4は、ICカード2を入手して、入退室ドア5を開けて入室できる。
【0030】
次に、利用者4が部屋1から退室する際には、返却部11からICカード2を返却することで、ICカード2に返却される。(ステップS15)
消去部12は、返却されたICカード2の記憶手段に記憶されているID情報を消去する。(ステップS16)
更に、入室/退室管理部7で電子錠を解錠させて、入退室ドア5のロック状態を解除させて、利用者4が入退室ドア5を開けて退室可能にする。(ステップS17)
【0031】
以上の処理により、利用者4が訪問者などの場合であっても、その都度ICカード2を入室する際に入口で発行し、また退室する際に返却して、繰り返しICカード2を使用できるようにしてあり、ICカード2を返却しない場合には退室できないように構成されている。
【0032】
上記実施形態では、ICカード発行返却管理装置6を使用して、部屋1の入口側で認証用情報の読み取り、ICカード2の排出を行い、また出口側でICカード2の返却が行えるように構成されているが、本発明の情報記憶媒体管理システムは、必ずしも1つの装置内にこれらの機能を設けることに限定されない。
例えば、認証用情報の読み取り、ICカード2の排出を行う部分と、ICカード2の返却を行う返却部の部分と、処理管理部やデータベースなどの部分を異なる場所に分散して設けるように構成させてもよい。
生体情報も指紋だけでなく、静脈、虹彩のいずれでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る情報記憶媒体管理システムの概要を説明する図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る情報記憶媒体管理システムのシステムブロック図である。
【図3】保管位置情報テーブルを説明する図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る情報記憶媒体管理システムのシステムブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る情報記憶媒体管理システムにおいて、入室時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る情報記憶媒体管理システムにおいて、退室時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る情報記憶媒体管理システムにおいて、入室時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る情報記憶媒体管理システムにおいて、退室時の処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0034】
1 部屋
2 ICカード
3 パソコン
4 利用者
4a 指
5 入退室ドア
6,20 ICカード発行返却管理装置
7 入室/退室管理部
8 入力部
9,21 保管部
10 発行用の排出部
11 返却部
12 消去部
13 ID情報読取部
14 データベース
15 処理管理部
16 処理エラー用の排出部
17 ID情報書込部
22 保管位置情報テーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理エリアに入室する際に、利用者に対して、前記管理エリア内で使用する情報記憶媒体の発行を行い、また前記情報記憶媒体を返却しない場合には、前記利用者が退室できないようにした情報記憶媒体管理システムであって、
前記管理エリアへの入室又は退室を物理的に可能又は不可能な状態に切り替える入室/退室管理部と、
前記管理エリアへの入室前に利用者が認証用情報を入力する入力部と、
前記情報記憶媒体が保管された保管部と、
前記保管部で保管されている情報記憶媒体を利用者が受け取れる状態に排出する排出部と、
前記管理エリア内から利用者が退室する際に、前記情報記憶媒体を返却するために設けられた返却部と、
前記返却部から返却された情報記憶媒体に記憶されているID情報を読み取るID情報読取部と、
前記認証用情報と、前記各情報記憶媒体毎に記憶されているID情報と、前記保管部に保管されている各情報記憶媒体毎の保管位置情報とが関係付けられて登録されているデータベースと、
制御プログラムに基づいて処理を行わせる処理管理部と、
を備え、
利用者の入室時に、前記処理管理部は、前記入力部から入力された認証用情報と、前記データベースに登録されている認証用情報とを照合し、一致した場合に、その認証用情報と関係付けられた保管位置情報で特定される保管位置に保管されている情報記憶媒体を、前記排出部に排出し、利用者の退室時に、前記処理管理部は、前記ID情報読取部で読み取ったID情報と前記データベースに登録されているID情報とを照合して、一致した認証用情報と関係付けられた保管位置情報で特定される保管位置に返却された情報記憶媒体を保管させ、前記認証用情報に基づく照合が一致した場合、又は前記返却部から返却された情報記憶媒体から読み取られたID情報に基づく照合が一致した場合に、前記入室/退室管理部に対して入室又は退室を可能な状態にさせる指示信号を送信させることを特徴とする情報記憶媒体管理システム。
【請求項2】
管理エリアに入室する際に、利用者に対して、前記管理エリア内で使用する情報記憶媒体の発行を行い、また前記情報記憶媒体を返却しない場合には、前記利用者が退室できないようにした情報記憶媒体管理システムであって、
前記管理エリアへの入室又は退室を物理的に可能又は不可能な状態に切り替える入室/退室管理部と、
前記管理エリアへの入室前に利用者が認証用情報を入力する入力部と、
前記情報記憶媒体が保管された保管部と、
前記保管部で保管されている情報記憶媒体を利用者が受け取れる状態に排出する排出部と、
前記管理エリア内からの前記利用者が退室する際に、前記情報記憶媒体を返却するために設けられた返却部と、
前記返却部から返却された情報記憶媒体に記憶されているID情報を消去する消去部と、
前記認証用情報が登録されているデータベースと、
制御プログラムに基づいて処理を行わせる処理管理部と、
を備え、
利用者の入室時に、前記処理管理部は、前記入力部から入力された認証用情報と、前記データベースに登録されている認証用情報とを照合し、一致した場合に、発行する情報記憶媒体の記憶手段にID情報を記憶させ、前記情報記憶媒体に記憶させたID情報を、前記データベースに登録されている認証用情報と関係付けて登録させ、ID情報を記憶させた情報記憶媒体を、前記排出部に排出し、利用者の退室時に、前記処理管理部は、前記認証用情報に基づく照合が一致した場合、又は前記返却部から情報記憶媒体が返却された場合に、前記入室/退室管理部に対して入室又は退室を可能な状態にする指示信号を送信させることを特徴とする情報記憶媒体管理システム。
【請求項3】
前記認証用情報が、生体情報であり、前記入力部が、生体情報入力部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報記憶媒体管理システム。
【請求項4】
前記特定の管理エリアが、建物又は部屋であり、前記入室/退室管理部が、建物又は部屋の出入口に備えられた電子錠を有するドアについて、前記電子錠の施錠又は解錠状態を制御する施錠/解錠制御部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報記憶媒体管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−282060(P2008−282060A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122920(P2007−122920)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】