説明

情報通信端末、駅情報表示方法、プログラム及び記録媒体

【課題】駅情報を表示するためのユーザ操作が容易で且つ電池消費量を抑制する情報通信端末、駅情報表示方法、プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】情報通信端末1は、スクランブリングコードを含む駅情報を格納する情報格納部14と、スクランブリングコードを受信する無線部15及びアンテナ16と、情報格納部に格納された駅情報と無線部15及びアンテナ16により受信されたスクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する制御部13と、制御部により抽出された最寄り駅の情報を表示する表示部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駅情報を表示する情報通信端末、駅情報表示方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
列車やバス等の交通機関に乗車中に停車駅や停留所を確認する手段は車内放送確認又は駅や車内の表示確認に限られている。しかし、混雑状況、乗車位置によっては表示や放送を確認できない場合もあるという問題があった。特に、交通機関に乗車中に音楽等を聴いている場合や眠ってしまった場合には、放送を確認することができない場合が多い。
【0003】
上記問題を解決するために、目的駅名を予め入力して、現在の位置情報とデータベースに登録された目的駅の位置情報を比較することによって、目的駅が近づいた場合にはアラームで知らせる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、上述した技術では、目的駅の事前登録が必要となり、ユーザの操作が煩雑であるという問題があった。また、目的駅のみを知らせる技術であるので、現在どこを走行しているのかを知りたいという要望には対応できないという問題もあった。これらの問題を解決するために、ユーザがユーザ携帯端末を自動改札機にかざして該自動改札機から改札情報を取得することにより加速度測定を開始し、加速度測定結果に基づいて現在の位置情報を測位し、現在位置測位結果に基づいて予め登録されたデータベースの駅の位置情報から最寄り駅を抽出することにより、駅名を表示する技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−293240号公報
【特許文献2】特開2008−222086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献2に記載の技術では、ユーザがユーザ携帯端末を自動改札機にかざす必要があり、自動改札機にかざすことを忘れた場合には、駅名を表示するシステムが起動しないという課題があった。また、上記特許文献2に記載の技術では自動改札機が必須であり、自動改札駅が設置されていない駅を使用しているユーザには適用することができないという課題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の技術では、加速度測定結果に基づいて、加速度が一定以下に減速した場合には必ず現在位置を測定するため、駅を表示するシステムを実行している場合には、多くの電流を消費してしまうという課題があった。
【0008】
本発明はこのような実情を鑑みてなされたものであり、上記課題を解決する、駅情報を表示するためのユーザ操作が容易で且つ電池消費量を抑制する情報通信端末、駅情報表示方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報通信端末は、スクランブリングコードを含む駅情報を格納する情報格納手段と、スクランブリングコードを受信する無線手段と、情報格納手段により格納された駅情報と無線手段により受信されたスクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する制御手段と、制御手段により抽出された最寄り駅の情報を表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の駅情報表示方法は、スクランブリングコードを含む駅情報を格納する情報格納ステップと、スクランブリングコードを受信する無線ステップと、情報格納ステップにより格納された駅情報と無線ステップにより受信されたスクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する制御ステップと、制御ステップにより抽出された最寄り駅の情報を表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、スクランブリングコードを含む駅情報を格納する処理と、スクランブリングコードを受信する処理と、格納された駅情報と受信されたスクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する処理と、抽出された最寄り駅の情報を表示する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明の記録媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成で駅情報表示することが可能となり、さらに駅情報を表示するためのユーザ操作を容易にし且つ電池消費量を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る情報通信端末の概略構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る情報通信端末の情報格納部に格納された駅情報例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る情報通信端末において、駅情報を表示する処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る情報通信端末の概略構成例を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る情報通信端末の情報格納部に格納された駅情報例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る情報通信端末において、駅情報を表示する処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る情報通信端末の概略構成例を示すブロック図である。
【図8】本実施形態に係る情報通信端末の情報格納部に格納された駅情報例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る情報通信端末において、駅情報を表示する処理の流れの例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の実施形態では、情報通信端末として携帯電話端末を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0016】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る情報通信端末の概略構成例を示す。図1に示すように、本実施形態に係る情報通信端末1は、速度検出部10、測位実行部11、表示部12、制御部13、情報格納部14を備える。
【0017】
速度検出部10は、情報通信端末の移動速度を検出する。測位実行部11は、位置情報を測位する。表示部12は、ディスプレイ等であり、駅情報等を表示する。制御部13は、各種動作を制御する。情報格納部14は、駅の位置情報を格納する。情報格納部14が格納している駅情報の例を図2に示す。本実施形態では、情報格納部14は駅情報として駅名、駅の緯度及び経度等の情報を格納しているが、これに限定されるものではない。
【0018】
制御部13は、速度検出部10で検出された速度が所定速度以上から所定速度以下に変化したと判定した場合に、駅や停留所に近づいて交通機関が減速していると判断し、測位実行部11に測位を実行させる。次に、制御部13は、測位実行部11により測位された位置情報と、情報格納部14に格納された駅の位置情報を照合する。そして、表示部12は、照合結果により抽出された最寄り駅を次に到着する駅情報として、該駅の情報を表示する。
【0019】
図3は、本実施形態に係る情報通信端末1により駅情報を表示する処理の流れの例を示す。次に、本実施形態に係る情報通信端末1による駅情報を表示する処理の流れの例について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0020】
まず、制御部13は、速度検出部10が検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以上であるか否かを判定する(ステップS301)。情報通信端末1の移動速度が所定速度以下である場合(ステップS301/NO)、制御部13は、情報通信端末1の移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS302)。情報通信端末1の移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続している場合(ステップS302/YES)は、制御部13は、ユーザが目的地に到着したと判断し、駅情報を表示する処理を終了する。他方、情報通信端末1の移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続していない場合(ステップS302/NO)は、上記ステップS301の処理に移行し、再び制御部13は、速度検出部10が検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以上であるか否かを判定する。
【0021】
上記ステップS301の処理において、情報通信端末1の移動速度が所定速度以上である場合(ステップS301/YES)は、制御部13は、速度検出部10により検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以下に変化したか否かを判定する(ステップS303)。速度検出部10により検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以下に変化していないと判定した場合(ステップS303/NO)は、上記ステップS303の処理に移行し、制御部13は、速度検出部10により検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以下に変化したか否かを判定する。
【0022】
他方、上記ステップS303の処理において、速度検出部10により検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以下に変化したと判定した場合(ステップS303/YES)は、制御部13は交通機関が駅や停留所に近づいたために速度が低下したと判断する。そして、測位実行部11は、位置測位を実行して位置情報を取得する(ステップS304)。制御部13は、上記ステップS304で取得した位置情報と、情報格納部14に格納されている駅の位置情報を照合し、次の到着駅であると考えられる最寄りの駅情報を抽出する(ステップS305)。表示部12は、上記ステップS305で抽出された最寄りの駅名等の情報を表示する(ステップS306)。そして、再び上記ステップS301に移行し、ユーザが目的地に到着したと制御部13が判断するまで、上述した処理を繰り返し行う。
【0023】
本実施形態により、ユーザが保有している情報通信端末において次の到着駅の情報を確認するので、混雑状況や乗車位置にかかわらず、ユーザは次の到着駅の情報を確認することが可能となる。また、本実施形態では測位実行部により測位した位置情報を使用するので、初めて利用する路線においても、ユーザは次の到着駅情報の表示を確認することが可能である。
【0024】
また、本実施形態により、情報通信端末の移動速度の変化を起因として駅情報表示動作を開始させるので、ユーザは目的地事前登録等の操作や情報通信端末を自動改札機にかざすとういう操作を行う必要がなくなり、より容易に次の到着駅の情報を得ることが可能となる。また、本実施形態では、自動改札機からの改札情報を取得する必要がないため、自動改札が設置されていない駅を使用するユーザも、次の到着駅の情報を情報通信端末に表示させることが可能となる。さらに、情報通信端末の移動速度の変化を検出した場合にのみ測位実行部による位置確認を行うので、電池の消費を抑制することが可能である。
【0025】
また、本実施形態では、測位実行部によって測位された位置情報に基づいて抽出された最寄りの駅情報を表示する例を挙げて説明したが、複数の駅が隣接している場合であって、位置情報に基づいて複数の駅が抽出された場合には、複数の駅情報を交互に表示部に表示するようにしてもよい。
【0026】
尚、本実施形態では、測位実行部が位置を測位することが可能であれば、駅情報表示処理を実行することが可能である。例えば、地下等において情報通信端末である携帯電話端末が圏外であっても、測位が可能なGPS方式が採用された環境であれば、上記実施形態を実行可能である。地下でも測位可能なGPS方式の具体的な例を以下に示すが、これに限定されるものではなく、地下等情報通信端末が電波を受信できない環境であっても測位可能であれば、何れの測位方式も適用することが可能である。
【0027】
まず、複数のGPS衛星が発射するGPS信号を受信するための受信機を地上に設ける。さらに、上記受信機とケーブル等で接続され、上記受信機が受信したGPS信号を再発射する再放射器を、地下又は建築構造物内の天井等に分散して設ける。各再放射器は、地上で受信した複数のGPS信号から選択された1つのGPS信号を発射する。これにより、再放射器から発射されるGPS信号をあたかもGPS衛星から発射されたGPS信号と見なすことができ、地下や建築構造物内においても、地上と同等に位置を測位することが可能となる。
【0028】
(実施形態2)
図4は、本実施形態に係る情報通信端末の概略構成例を示す。図4に示すように、本実施形態に係る情報通信端末と上記実施形態1の情報通信端末の異なるところは、無線部15、アンテナ16を備えており、測位実行部11を必ずしも備える必要がないところである。尚、同様の構成には同符号を付し、説明を省略する。
【0029】
無線部15は、無線通信に必要な処理を行う。アンテナ16は、入力信号を受信する。情報格納部14は、無線部15を介してダウンロードした駅情報を格納する。情報格納部14が格納している、ダウンロードした駅情報の例を図5に示す。本実施形態では、駅情報として、駅名、スクランブリングコード、電界等の情報を格納しているが、これに限定されるものではない。ここで、スクランブリングコードとは、例えば、携帯電話端末に使用される電波の基地局が送信するコードである。また、基地局が送信するスクランブリングコードには、該基地局に対応するスクランブリングコードとその周辺の基地局に対応するスクランブリングコードとが含まれている。
【0030】
図6は、本実施形態に係る情報通信端末1により駅情報を表示する処理の流れの例を示す。次に、本実施形態に係る情報通信端末1による駅情報を表示する処理の流れの例について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0031】
まず、制御部13は、速度検出部10が検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以上であるか否かを判定する(ステップS601)。情報通信端末1の移動速度が所定速度以下である場合(ステップS601/NO)、制御部13は、情報通信端末1の移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS602)。情報通信端末1の移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続している場合(ステップS602/YES)は、制御部13は、ユーザが目的地に到着したと判断し、駅情報を表示する処理を終了する。他方、情報通信端末1の移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続していない場合(ステップS602/NO)は、上記ステップS601の処理に移行し、再び制御部13は、速度検出部10が検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以上であるか否かを判定する。
【0032】
上記ステップS601の処理において、情報通信端末1の移動速度が所定速度以上である場合(ステップS601/YES)は、制御部13は、速度検出部10により検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以下に変化したか否かを判定する(ステップS603)。速度検出部10により検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以下に変化していないと判定した場合(ステップS603/NO)は、上記ステップS603の処理に移行し、制御部13は、速度検出部10により検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以下に変化したか否かを判定する。
【0033】
他方、上記ステップS603の処理において、速度検出部10により検出した情報通信端末1の移動速度が所定速度以下に変化したと判定した場合(ステップS603/YES)は、制御部13は交通機関が駅や停留所に近づいたために速度が低下したと判断する。そして、アンテナ16は、電界情報及びスクランブリングコードを受信する(ステップS604)。
【0034】
制御部13は、上記ステップS604で受信した電界情報及びスクランブリングコードと、情報格納部14に格納されている駅情報の電界情報及びスクランブリングコードとを照合し、次の到着駅であると考えられる最寄りの駅情報を抽出する(ステップS605)。表示部12は、上記ステップS605で抽出された最寄りの駅名等の情報を表示する(ステップS606)。そして、再び上記ステップS601に移行し、ユーザが目的地に到着したと制御部13が判断するまで、上述した処理を繰り返し行う。尚、上記ステップS605で使用する情報格納部14に格納されている駅情報は、予め登録されていた駅情報でもよく、ダウンロードして取得した駅情報でもよい。
【0035】
本実施形態により、ユーザが保有している情報通信端末において次の到着駅の情報を確認するので、混雑状況や乗車位置にかかわらず、ユーザは次の到着駅の情報を確認することが可能となる。また、情報通信端末が携帯情報端末として機能するために通常有しているアンテナにより受信したスクランブリングコード等の情報を使用して位置情報を取得するので、初めて利用する路線においても、ユーザは次の到着駅情報の表示を確認することが可能である。さらに、本実施形態において情報通信端末が測位実行部を備えていなくても駅情報表示動作を実行可能であるので、より簡易な構成で駅情報の表示処理を実行することが可能となる。
【0036】
また、本実施形態により、情報通信端末の移動速度の変化を起因として駅情報表示動作を開始させるので、ユーザは目的地事前登録等の操作や情報通信端末を自動改札機にかざすとういう操作を行う必要がなくなり、より容易に次の到着駅の情報を得ることが可能となる。また、本実施形態では、自動改札機からの改札情報を取得する必要がないため、自動改札が設置されていない駅を使用するユーザも、次の到着駅の情報を情報通信端末に表示させることが可能となる。さらに、情報通信端末の移動速度の変化を検出した場合にのみ、電界情報及びスクランブリングコードを用いて位置確認を行うので、電池の消費を抑制することが可能である。
【0037】
尚、本実施形態では、駅情報表示処理により最寄りの駅情報を表示する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、駅構造情報である出口情報やテナント情報、又は駅周辺情報等も表示するようにしてもよく、又は上述した情報をユーザが要望する場合にのみ無線を介して情報をダウンロードするために、上述した情報を示すアドレスを表示するようにしてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、受信した電界情報及びスクランブリングコードにより位置情報を確認し、該位置情報に基づいて抽出された最寄りの駅情報を表示する例を挙げて説明したが、複数の駅が隣接している場合であって、位置情報に基づいて複数の駅が抽出された場合には、複数の駅情報を交互に表示部に表示するようにしてもよい。
【0039】
(実施形態3)
図7は、本実施形態に係る情報通信端末の概略構成例を示す。図7に示すように、本実施形態に係る情報通信端末と上記実施形態2の情報通信端末の異なるところは、速度検出部10を必ずしも備える必要がないところである。尚、同様の構成には同符号を付し、説明を省略する。図8は、本実施形態に係る情報通信端末の情報格納部14が格納している、ダウンロードした駅情報の例を示す。本実施形態では、駅情報として、駅名、スクランブリングコード等の情報を格納しているが、これに限定されるものではない。
【0040】
図9は、本実施形態に係る情報通信端末1により駅情報を表示する処理の流れの例を示す。次に、本実施形態に係る情報通信端末1による駅情報を表示する処理の流れの例について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0041】
まず、制御部13は、駅特有のスクランブリングコードを特定することが可能な情報を有しているか否かを判断する(ステップS901)。ここで、駅特有のスクランブリングコードを特定することが可能な情報を有していない場合(ステップS901/NO)は、駅情報表示動作を実行せずに、終了する。
【0042】
駅特有のスクランブリングコードを特定することが可能な情報を有している場合(ステップS901/YES)には、アンテナ16がスクランブリングコードを受信したか否かを判定する(ステップS902)。例えば、地下鉄等において駅のみに基地局を設置しており、駅間は圏外になるような状況では、駅から発車後しばらく圏外状態が続き、次の駅に近づくと、次の駅のスクランブリングコードを受信する。アンテナ16がスクランブリングコードを受信していないと判断した場合(ステップS902/NO)は、上記ステップS902の処理に移行し、再び制御部13は、アンテナ16がスクランブリングコードを受信したか否かを判定する。
【0043】
上記ステップS902の処理において、アンテナ16がスクランブリングコードを受信したと判断した場合(ステップS902/YES)は、制御部13は、受信したスクランブリングコードと、情報格納部14に格納されている駅特有のスクランブリングコードとを照合し、次の到着駅の駅情報を抽出する(ステップS903)。表示部12は、上記ステップS605で抽出された次の到着駅の駅名等の情報を表示する(ステップS904)。そして、再び上記ステップS901に移行し、上述した処理を繰り返し行う。尚、上記ステップS903で使用する情報格納部14に格納されている駅情報は、予め登録されていた駅情報でもよく、ダウンロードして取得した駅情報でもよい。
【0044】
本実施形態により、ユーザが保有している情報通信端末において次の到着駅の情報を確認するので、混雑状況や乗車位置にかかわらず、ユーザは次の到着駅の情報を確認することが可能となる。また、情報通信端末が携帯情報端末として機能するために通常有しているアンテナにより受信したスクランブリングコードの情報を使用して次の到着駅情報を取得するので、初めて利用する路線においても、ユーザは次の到着駅情報の表示を確認することが可能である。さらに、本実施形態において情報通信端末が速度検出部及び測位実行部を備えていなくても駅情報表示動作を実行可能であるので、より簡易な構成で駅情報の表示処理を実行することが可能となる。
【0045】
尚、本実施形態では、駅情報表示処理により次の到着駅情報を表示する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、駅構造情報である出口情報やテナント情報、又は駅周辺情報等も表示するようにしてもよく、又は上述した情報をユーザが要望する場合にのみ無線を介して情報をダウンロードするために、上述した情報を示すアドレスを表示するようにしてもよい。
【0046】
また、駅特有のスクランブリングコードとは、駅に設けられた基地局に対応するスクランブリングコードである。例えば、地下鉄などでは駅にのみ基地局が設置してあり、他のスクランブリングコードは存在しないので、スクランブリングコードの照会のみで到着駅を特定することが可能となる。これにより、受信したスクランブリングコードと駅特有のスクランブリングコードとを照合するだけで次の到着駅を抽出することが可能となり、電池の消費を抑制することが可能である。また、上述した実施形態において、例えば、1つのスクランブリングコードしか受信しなかった場合にのみ、駅情報表示動作を実行するようにしてもよい。
【0047】
尚、制御部が状況に応じて上記実施形態1〜3を使い分けるように制御することも可能である。また、ユーザから上記実施形態1〜3の何れを優先させるか等の設定を受け付けるようにすることも可能であり、これに限定されるものではない。
【0048】
尚、各図のフローチャートに示す処理を、制御部が実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このプログラムを記録するコンピュータ読取り可能な記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部等を用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した各実施形態とは異なる構成のシステム等で用い、そこの制御部で上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
【0049】
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した情報通信端末、駅情報表示方法、プログラム及び記録媒体に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
1 情報通信端末
10 速度検出部
11 測位実行部
12 表示部
13 制御部
14 情報格納部
15 無線部
16 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクランブリングコードを含む駅情報を格納する情報格納手段と、
スクランブリングコードを受信する無線手段と、
前記情報格納手段により格納された駅情報と前記無線手段により受信されたスクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する制御手段と、
前記制御手段により抽出された最寄り駅の情報を表示する表示手段と、を有することを特徴とする情報通信端末。
【請求項2】
移動速度を検出する速度検出手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記速度検出手段により検出された移動速度が所定速度以上から所定速度以下に変化した場合に、最寄り駅の情報を抽出することを特徴とする請求項1記載の情報通信端末。
【請求項3】
移動速度を検出する速度検出手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記速度検出手段により検出された移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続したと判断した場合、最寄り駅の情報を抽出する動作を終了することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報通信端末。
【請求項4】
前記情報格納手段は、スクランブリングコード及び電界情報を含む駅情報を格納し、
前記無線手段は、スクランブリングコード及び電界情報を受信し、
前記制御手段は、前記情報格納手段により格納された駅情報と前記無線手段により受信されたスクランブリングコード及び電界情報とを照会して最寄り駅の情報を抽出することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報通信端末。
【請求項5】
前記無線手段は、駅情報をダウンロードし、
前記情報格納手段は、前記無線手段によりダウンロードされた駅情報を格納することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の情報通信端末。
【請求項6】
前記表示手段は、前記制御手段により少なくとも2以上の最寄り駅の情報が抽出された場合、少なくとも2以上の最寄り駅の情報を交互に表示することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の情報通信端末。
【請求項7】
前記表示手段は、前記制御手段により抽出された駅名、駅構造情報、駅周辺情報を表示することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報通信端末。
【請求項8】
スクランブリングコードを含む駅情報を格納する情報格納ステップと、
スクランブリングコードを受信する無線ステップと、
前記情報格納ステップにより格納された駅情報と前記無線ステップにより受信されたスクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する制御ステップと、
前記制御ステップにより抽出された最寄り駅の情報を表示する表示ステップと、を有することを特徴とする駅情報表示方法。
【請求項9】
移動速度を検出する速度検出ステップをさらに有し、
前記制御ステップは、前記速度検出ステップにより検出された移動速度が所定速度以上から所定速度以下に変化した場合に、最寄り駅の情報を抽出することを特徴とする請求項8記載の駅情報表示方法。
【請求項10】
移動速度を検出する速度検出ステップをさらに有し、
前記制御ステップは、前記速度検出ステップにより検出された移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続したと判断した場合、最寄り駅の情報を抽出する動作を終了することを特徴とする請求項8又は9に記載の駅情報表示方法。
【請求項11】
前記情報格納ステップは、スクランブリングコード及び電界情報を含む駅情報を格納し、
前記無線ステップは、スクランブリングコード及び電界情報を受信し、
前記制御ステップは、前記情報格納ステップにより格納された駅情報と前記無線ステップにより受信されたスクランブリングコード及び電界情報とを照会して最寄り駅の情報を抽出することを特徴とする請求項8から10の何れか1項に記載の駅情報表示方法。
【請求項12】
前記情報格納ステップは、無線手段によりダウンロードされた駅情報を格納することを特徴とする請求項8から11の何れか1項に記載の駅情報表示方法。
【請求項13】
前記表示ステップは、前記制御ステップにより少なくとも2以上の最寄り駅の情報が抽出された場合、少なくとも2以上の最寄り駅の情報を交互に表示することを特徴とする請求項8から12の何れか1項に記載の駅情報表示方法。
【請求項14】
前記表示ステップは、前記制御ステップにより抽出された駅名、駅構造情報、駅周辺情報を表示することを特徴とする請求項8から13の何れか1項に記載の駅情報表示方法。
【請求項15】
スクランブリングコードを含む駅情報を格納する処理と、
スクランブリングコードを受信する処理と、
格納された前記駅情報と受信された前記スクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する処理と、
抽出された前記最寄り駅の情報を表示する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
移動速度を検出する処理と、
検出された前記移動速度が所定速度以上から所定速度以下に変化した場合に、格納された前記駅情報と受信された前記スクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
移動速度を検出する処理と、
検出された前記移動速度が所定速度以下である状態が所定時間以上継続したと判断した場合、格納された前記駅情報と受信された前記スクランブリングコードとを照会して最寄り駅の情報を抽出する処理を終了する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項15又は16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記格納する処理は、スクランブリングコード及び電界情報を含む駅情報を格納し、
前記受信する処理は、スクランブリングコード及び電界情報を受信し、
前記抽出する処理は、格納された前記駅情報と受信された前記スクランブリングコード及び電界情報とを照会して最寄り駅の情報を抽出することをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項15から17の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
請求項15から18の何れか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−173526(P2010−173526A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19592(P2009−19592)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】