説明

情報配信装置

【課題】通信障害が発生しやすい状況下にあっても不特定多数の人に対する情報の同報配信機能を維持し、これにより堅牢で信頼性の高い情報配信を可能にする。
【解決手段】制御サーバSVと、サービスエリアに分散配置した各子局SMM、SMI、SMA、SMFとの間を、携帯電話ネットワークNW1、IPネットワークNW2、MCAネットワークNW3を介して選択的に接続可能とする。また、上記制御サーバSVに、上記各ネットワークに対応する連携I/F221〜22nと、連携制御応答管理モジュール24を備え、このモジュール24により、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCからの配信要求の入力に応じて、上記複数の子局に伝送するための要求電文を生成し、この要求電文のデータフォーマットを使用するネットワークに対応するフォーマットに変換したのち、対応する連携I/F221〜22nから子局に向け送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば災害発生時に災害情報を不特定多数の人に同報配信する機能を備えた情報配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や集中豪雨等により災害が発生した場合には、その発生状況や避難に関する情報を多くの人に洩れなくかつ迅速に伝達する必要があり、そのために防災行政無線システムが構築されている。防災行政無線システムは、例えば以下のように構成される。すなわち、地域内に複数の防災無線基地局とこれらの基地局との間で無線通信が可能な複数の音声放送受信機をそれぞれ分散配置し、上記各防災無線基地局を伝送路を介して防災用制御局に接続し、さらにこの制御局から伝送路を介して防災センタに接続する。そして、地震等の災害が発生した場合に、防災センタにおいて災害情報を生成してこの情報を防災用制御局を介して各防災無線基地局へ伝送し、これらの基地局から無線送信する。この無線送信された災害情報は音声放送受信機で受信され、この音声放送受信機に接続された屋外スピーカからその地域にいる不特定多数の人々(住民や通行人)に向けて音声やサイレンにより情報内容が拡声報知される。
【0003】
ところが、このような従来の防災行政無線システムは、各防災無線基地局から各音声放送受信機に対し、単一の専用無線ネットワークを使用して災害情報を送信するようにしている。このため、災害の影響により上記専用無線ネットワークに障害が発生すると、防災無線基地局から音声放送受信機へ災害情報が伝送されず、この結果地域の人々への災害情報の配信が行えなくなるおそれがある。
【0004】
一方、音声放送受信機から拡声放送される音声が届きにくい場所にいる個人に災害情報を配信するために、個人が所持する携帯無線端末機を利用し、災害情報を公衆移動通信ネットワークを介して上記携帯無線端末機に送信するシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。このシステムを用いれば、上記防災行政無線システムの専用無線ネットワークに障害が発生した場合でも、個人に対し災害情報を配信することが可能となる。
【0005】
しかしながらこのシステムでは、携帯無線端末機を所持しない人や所持していても携帯無線端末機の電源を投入していない人には災害情報を配信することができない。また、基本的に特定の個人に対し災害情報を配信するものであるため、災害発生時の公衆移動通信ネットワークの輻輳等を考慮すると、不特定多数の人々に同時に災害情報を配信することは現状では困難である。すなわち、このシステムはあくまでも音声放送受信機による音声放送の補助的手段に過ぎず、不特定多数の人に対する災害情報の同報配信を担うものではない。
【0006】
【特許文献1】特開2001−36645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上述べたように従来の防災行政無線システムでは、防災無線基地局と音声放送受信機との間の専用無線ネットワークに障害が発生すると、防災無線基地局から音声放送受信機へ災害情報が伝送されず、この結果地域の人々へ災害情報が配信できなくなる。また、個人が所持する携帯無線端末機を利用して災害情報を配信するシステムでは、不特定多数の人に対し災害情報を同報配信することが困難である。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、通信障害が発生しやすい状況下にあっても不特定多数の人に対する情報の同報配信機能を維持し、これにより堅牢で信頼性の高い情報配信を可能にした情報配信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためにこの発明の一観点は、配信対象エリアに分散配置され不特定多数の人に向けて情報を配信する複数の子局に対し、上記配信情報を表す伝送情報を互いに独立する複数のネットワークを選択的に介して送信する情報配信装置にあって、
上記複数のネットワークに対応して、当該ネットワークにおいて規定される通信プロトコルに従い上記複数の子局との間で通信を行う複数のネットワーク・インタフェースを設けると共に、外部端末からの配信要求の入力を受け付ける入力インタフェースと、上記複数のネットワーク・インタフェースを統括的に管理するネットワーク連携制御モジュールを設ける。
そして、上記ネットワーク連携制御モジュールにおいて、上記入力インタフェースが配信要求の入力を受け付けた場合に、当該配信要求の内容を上記複数の子局に伝送するための伝送情報を生成すると共に、上記伝送情報の送信に使用するネットワーク・インタフェースを上記複数のネットワーク・インタフェースの中から選択し、上記生成された伝送情報のデータフォーマットを、上記選択されたネットワークにおいて規定される通信プロトコルに対応するデータフォーマットに変換したのち、このデータフォーマットが変換された伝送情報を上記選択されたネットワーク・インタフェースから上記複数の子局に向け送信させるように構成したものである。
【0010】
したがってこの発明によれば、伝送情報が上記複数のネットワークを選択的に使用して子局に伝送されるので、複数のネットワークのいずれかで障害が発生しても、他のネットワークを介して伝送情報を伝送することが可能となる。このため、災害等に対し堅牢で信頼性の高い情報配信が可能となる。また、配信情報はユーザ個人の携帯端末に直接配信されるのではなく、一旦子局に伝送されてこの子局から例えば音声放送により不特定多数の人に向けて同報配信されるので、携帯端末を所持していない人に対しても、またネットワークの輻輳の影響を大きく受けることなく、不特定多数の人に対し情報を洩れなく迅速に配信することが可能となる。
【0011】
この発明の一観点は、以下のような各種具体的構成を備えることも特徴とする。
第1の構成は、複数の子局が、配信情報を表す音声ファイルをその識別情報に対応付けて記憶する手段と、この記憶された音声ファイルを選択的に読み出して当該音声ファイルにより表される音声を拡声器から出力する手段とを備える場合に、伝送情報を生成する際に、配信要求の入力に応じて、配信を要求する旨のメッセージと、配信すべき音声ファイルに対応する識別情報と含む伝送情報を生成するものである。
このような構成であれば、情報配信装置は子局に対し音声ファイルの識別情報を伝送すればよく、音声ファイルそれ自体を伝送する必要がないので、伝送情報のデータ量を削減してネットワークのトラフィックの増加を抑えることが可能となる。
【0012】
第2の構成は、複数の子局が、配信情報の種類をチャイム又はサイレンにより表す第1の音声ファイルと、配信情報の内容を音声メッセージにより表す第2の音声ファイルを、その識別情報に対応付けてそれぞれ記憶する手段と、この記憶された第1及び第2の音声ファイルを識別情報に応じて選択的に読み出し、この読み出された音声ファイルにより表されるチャイム又はサイレン、及び音声メッセージを拡声器から出力する手段とを備える場合に、伝送情報を生成する際に、配信要求の入力に応じて、配信を要求する旨のメッセージと、配信情報の種類を表す第1の音声ファイルに対応する識別情報と、配信情報の内容を表す第2の音声ファイルに対応する識別情報とを含む伝送情報を生成するものである。
このように構成すると、配信情報の内容だけでなく、配信情報の種類をチャイム又はサイレンにより報知することが可能となり、人々に配信情報の種類を認知しやすくすることが可能となる。
【0013】
第3の構成は、上記入力インタフェースに、上記配信要求及び配信情報の内容を入力するための複数の入力欄を有しかつこれらの入力欄が上記複数のネットワークに対し共通に構成された入力支援画面データを上記外部端末へ送信して表示させる手段と、上記共通入力画面データの複数の入力欄に入力された配信要求及び配信情報の内容を表す情報を、上記外部端末から受信する手段とを備える。そして、ネットワーク連携制御モジュールにおいて伝送情報を生成する際に、上記入力インタフェースにより受信された配信要求及び配信情報の内容を表す情報をもとに伝送情報を生成するものである。
このように構成すると、情報配信の管理者は、配信要求と配信情報の内容を入力する際に、表示された入力支援画面に従い必要項目を洩れなくかつ誤ることなく入力することが可能となり、これにより入力作業の効率を高めることができる。しかも、入力支援画面は複数のネットワークに対し共通に構成されているため、管理者は複数のネットワークのそれぞれについて専用の配信情報を入力する必要がない。このため、管理者の負担を軽減して入力作業効率をさらに高めることができる。
【0014】
第4の構成は、入力インタフェースに、上記外部端末から通信ネットワークを介して送られる起動パケットを受信した場合に、上記複数のネットワーク・インタフェース及び上記ネットワーク連携制御モジュールを起動する手段と、上記起動後に上記外部端末から通信ネットワークを介して送られる配信要求を受信する手段とを備えたものである。
このように構成すると、管理者は、遠隔地に設置されたパーソナル・コンピュータや自身が所持する携帯端末等の外部端末を使用して情報配信装置に対し配信要求を入力することが可能となり、これにより地震等の災害が発生した場合に、どこからでも迅速に情報配信を指示することができる。
【0015】
第5の構成は、複数のネットワーク・インタフェースとして、インターネット・プロトコル(IP;Internet Protocol)を使用するネットワークに対応するインタフェースと、携帯パケットネットワークに対応するインタフェースと、マルチチャネルアクセス(MCA;Multi Channel Access)ネットワークに対応するインタフェースと、FM放送ネットワークに対応するインタフェースのうち少なくとも2つを備えるようにしたものである。
このように構成すると、種類の異なる2以上のネットワークを選択的に使用することができる。
【発明の効果】
【0016】
要するにこの発明によれば、通信障害が発生しやすい状況下にあっても不特定多数の人に対する情報の同報配信機能を維持し、これにより堅牢で信頼性の高い情報配信を可能にした情報配信装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わる情報配信装置を備えた防災情報配信システムの概略構成図である。
この防災情報配信システムは、防災センタCT内に情報配信装置としての制御サーバ(親局)SVを設置すると共に、配信対象エリア内の学校や支所、集会所等に複数の子局を分散配置している。上記制御サーバSVには、システム管理者等が使用するクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCが、例えば防災センタCT内に敷設されたLAN(Local Area Network)を介して接続され、また防災センタCTの職員又は住民が所持する携帯電話機MSCが携帯電話ネットワークNW1を介して接続される。
【0018】
上記クライアント用のパーソナル・コンピュータPCC及び携帯電話機MSCは、システム管理者又は職員が制御サーバSVに対し配信要求を入力するために使用される。配信要求には、行政同報案内における定時放送を要求するものと、防災同報放送及び避難所ラジオ放送を要求するものがある。
【0019】
上記制御サーバSVと複数の子局との間は、携帯電話ネットワークNW1と、IP(Internet Protocol)ネットワークNW2と、MCA(Multi Channel Access)ネットワークNW3とを選択的に使用して接続される。また、上記制御サーバSVから子局への情報伝送にミニFMラジオ放送システムを利用することも可能となっている。
【0020】
図2は、上記制御サーバSVと複数の子局との間の接続構成を示すものである。同図に示すように、携帯電話ネットワークNW1を使用する場合には、制御サーバSVから子局SMMに向けて、携帯電話ネットワークNW1に設けられるメールサーバSVMを介して配信要求が電子メールにより送られる。通信プロトコルとしてはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)が用いられる。子局SMMには携帯端末MSSが接続されており、上記配信要求はこの携帯端末MSSにより受信され子局SMMに入力される。子局SMMには拡声器SPMが接続されており、子局SMMは上記受信された配信要求により指定される配信情報を拡声器SPMから音声により出力する。出力される配信情報の種類には、チャイム、サイレン及び音声メッセージがある。
【0021】
IPネットワークNW2を使用する場合には、制御サーバSVから子局SMIに向けて、IPネットワークNW2を介して配信要求が送られる。通信プロトコルとしては、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が用いられる。子局SMIには拡声器SPIが接続されており、子局SMIは上記受信された配信要求に従い配信情報を拡声器SPIから音声により出力する。
【0022】
MCA無線ネットワークNW3を使用する場合には、制御サーバSVにおいて配信情報を表す音声信号を生成し、この音声信号をMCA送受信機ATからMCA基地局ABを介してMCA送受信機ARへ送信する。通信プロトコルとしては、ARIB STD-T85が用いられる。MCA送受信機ARにより受信された音声信号は子局SMAに入力される。子局SMAは、上記入力された音声信号を拡声器SPAから音声として拡声出力する。
なお、上記各拡声器SPM,SPI,SPAはいずれも増幅器と野外スピーカとを備えたもので、子局SMM,SMI,SMAから出力される音声信号を所定のレベルに増幅したのち野外スピーカから拡声出力する。
【0023】
ミニFMラジオ放送を利用する場合には、制御サーバSVから子局SMFに対しIPネットワークNW2を介して配信要求を送信する。子局SMFにはミニFM送信機FTが接続されている。子局SMFは、制御サーバSVから送られた配信要求により指定されるチャイム、サイレン又は音声メッセージからなる音声信号を、ミニFM送信機FTからエリア内のFMラジオ受信機RDに向けて予め規定された小電力により放送する。
【0024】
なお、上記各子局SMM,SMI,SMA,SMFは、その機能を個別に備えた単一機能の子局としてこれらの集合体を支所や学校等の各音声放送所にそれぞれ設置するようにしてもよいが、上記各機能をすべて備えた統合子局としてこれを上記各音声放送所にそれぞれ設置するようにしてもよい。
【0025】
ところで、制御サーバSVは次のように構成される。図3はそのハードウエアの構成を示すブロック図である。
すなわち、制御サーバSVは、マイクロプロセッサからなる中央処理ユニット(CPU;Central Processing Unit)を備え、このCPU11にはバスを介してプログラムメモリ13と、データメモリ14と、通信端子群15と、外部接続端子群16がそれぞれ接続されている。通信端子群15は利用する複数種のネットワークNW1,NW2,NW3に対応する複数の通信ポートを備える。外部接続端子16には、例えば構内LANを介してクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCが接続される。
【0026】
データメモリ14には、配信情報データベースと、子局情報管理テーブルが設けられている。配信情報データベースには、配信が想定される複数の配信情報のコンテンツファイルが、その識別情報(コンテンツID)に対応付けて格納されている。コンテンツファイルには、定時放送を知らせるチャイム音を表す音声ファイルと、防災同報放送又は避難所ラジオ放送を知らせるサイレン音を表す音声ファイルと、放送内容である音声メッセージを表す音声ファイルがある。
【0027】
子局情報管理テーブルは、子局回線テーブルと、子局属性テーブルと、群メンバテーブルとから構成される。子局回線テーブルには、「子局ID」、「回線ID」、「地域コード」、「利用者番号」、「グループ番号」及び「受信機器ID」が記憶可能となっている。また子局属性テーブルには、「子局ID」、「子局名」、「最優先回線」、「商用電源」、「蓄電池電圧」及び「扉開閉状態」等の子局属性を表す各情報が記憶可能となっている。これらの子局回線テーブル及び子局属性テーブルに記憶される各情報は、利用するネットワークの種類に応じて選択的に登録される。群テーブルには、「群名」及び「群ID」と、当該群に属する子局の「子局ID」が記憶される。
【0028】
一方、制御サーバSVのプログラムメモリ13には以下のようなアプリケーション・プログラムが格納されている。図4はそのソフトウエア構成を示すブロック図である。
すなわち、制御サーバSVは、本発明を実現する上で必要なアプリケーション・プログラムとして、ユーザインタフェースモジュール(ユーザI/F)21と、複数の連携インタフェースモジュール(連携I/F)221〜22nと、配信コンテンツ作成・管理モジュール23と、連携制御応答管理モジュール24と、グループ管理モジュール25と、システム間インタフェースモジュール(システム間I/F)26とを備えている。なお、これらのアプリケーション・プログラムはいずれも、オペレーティングシステム(OS;Operating System)及びミドルウエア上を介してCPU11により実行される。
【0029】
ユーザI/F21は、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCとの間で子局管理情報や配信要求等の操作情報の入出力を行うもので、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCに対し入力画面データを出力して表示させると共に、この入力画面データに従い入力された操作情報を取り込む処理を、上記CPU11に実行させる。
【0030】
連携I/F221〜22nは、システムが使用する携帯電話ネットワークNW1、IPネットワークNW2、MCA無線ネットワークNW3、及びミニFMラジオ放送用のネットワークに一対一に対応して設けられる。これらの連携I/F221〜22nは、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCの操作に応じて、図中の連携I/F22iに示すように選択的に削除及び追加が可能である。
【0031】
上記連携I/F221〜22nのうち、携帯電話ネットワークNW1に対応する連携I/Fは、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)によるメールサーバSVMへの「メッセージR」の送信要求と、HTTP(Hyper Text Transport Protocol)による子局SMMとの間の要求電文ダウンロードリクエスト及び要求電文ダウンロードレスポンスの送受信と、子局SMMからの応答電文アップロードリクエストの受信処理などを、上記CPU11に実行させる。
【0032】
IPネットワークNW2に対応する連携I/Fは、TCP/IPによる子局SMIへの要求電文の送信処理と、子局SMIからの応答電文の受信処理を、上記CPU11に実行させる。MCA無線ネットワークNW3に対応する連携I/Fは、RS232CによるMCA送受信機ATへのアクセス制御等を、上記CPU11に実行させる。ミニFMラジオ放送に対応する連携I/Fは、上記IPネットワークNW2に対応する連携I/Fと同様に、TCP/IPによる子局SMFへの要求電文の送信処理と、子局SMFからの応答電文の受信処理を、上記CPU11に実行させる。
【0033】
配信コンテンツ作成・管理モジュール23は、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCの操作に応じて配信情報のコンテンツファイルを作成し、この作成したコンテンツファイルをその識別IDに対応付けてデータメモリ14内の配信情報データベースに格納する処理を、上記CPU11に実行させる。
【0034】
連携制御応答管理モジュール24は、上記連携I/F221〜22nを統括制御することにより複数種のネットワークを選択的に使用した配信電文の送信制御とその応答電文の受信制御を、上記CPU11に実行させる。またその際、上記ユーザI/F21において入力された配信要求の内容をもとにデータメモリ14に記憶された子局情報管理テーブルを検索し、配信先の子局を特定する。さらに、上記ユーザI/F21において共通フォーマットに従い入力された配信要求の情報を、送信対象のネットワークが使用する通信プロトコルに対応したデータフォーマットに変換する処理も行う。また、複数種類のネットワークの輻輳状態や通信品質を監視し、この監視結果をもとに送信先の子局の再選択を行う機能を持たせることも可能である。
【0035】
グループ管理モジュール25は、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにおける入力操作に応じて、上記子局情報管理テーブルに対する同報配信先の子局の登録と削除、群の登録と削除、群メンバの設定処理等を、上記CPU11に実行させる。
システム間I/F26は、同一の目的で構築された他の自治体の防災情報配信システムや、他の目的で構築されている国や自治体、企業のシステムとの連携を想定し、これらのシステムのサーバとの間で情報転送を行う処理を、上記CPU11に実行させる。
【0036】
次に、以上のように構成された防災情報配信システムの動作を制御サーバSVの制御手順に従い説明する。
(1)子局情報の管理
(1−1)子局情報の登録
図5は子局情報の登録処理の概要を示す図である。
クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから制御サーバSVに対しアクセスすると、制御サーバSVのユーザI/F21からパーソナル・コンピュータPCCに先ずメニューがダウンロードされて表示される。この状態で管理者が上記メニュー中の「子局情報の登録」を選択すると、制御サーバSVのユーザI/F21から子局情報登録画面データがダウンロードされてパーソナル・コンピュータPCCに表示される。図14はこの子局情報登録画面の一例を示すものである。
【0037】
管理者は、上記表示された子局情報登録画面に従い、先ず群名及び子局名をそれぞれ入力してその都度「登録」ボタンを押下する。また、回線選択欄に表示された、「MCAスピーカ」、「携帯スピーカ」、「IPスピーカ」、「避難所ラジオ」の中から一つを選択することにより、上記入力した子局に対応する回線種別を設定する。さらに、上記回線の選択操作に応じて表示される回線属性入力欄において、「地域コード」、「利用者番号」、「グループ番号」、「受信機器ID」を回線種別に応じて選択的に入力する。例えば、MCAスピーカが選択された場合には、「地域コード」、「利用者番号」、「グループ番号」及び「受信機器ID」を入力し、携帯スピーカ、IPスピーカ及び避難所ラジオが選択された場合には、「受信機器ID」のみを入力する。また、上記回線属性入力欄と共に表示される子局属性設定欄において、「最優先回線名」、「商用電源」、「蓄電池電圧」、「扉開放」のうち、「最優先回線」のみを入力する。
【0038】
そうして必要項目の入力が終了し、管理者が登録終了操作を行うと、制御サーバSVのユーザI/F21はパーソナル・コンピュータPCCに「登録してもよろしいですか?」なる登録確認メッセージを表示する。ここで、管理者が「OK」ボタンを押下すると、制御サーバSVはグループ管理モジュール25により、自動採番機能を動作させて子局IDを生成する。そして、図5に示すように、上記子局IDに対応付けて、上記選択された回線種別を表す「回線ID」、「地域コード」、「利用者番号」、「グループ番号」及び「受信機器ID」を子局情報管理テーブル内の子局回線テーブル42に記憶する。なお、上記記憶項目のうち「地域コード」及び「利用者番号」は、別に用意した記憶エリア43に分離して記憶してもよい。また、それと共に制御サーバSVのグループ管理モジュール25は、「子局ID」、「子局名」、「最優先回線名」、「商用電源」、「蓄電池電圧」及び「扉開放」の各項目情報を子局属性テーブルに記憶する。図6は、上記登録項目の引数の一覧を示すものである。
【0039】
上記登録制御において制御サーバSVのグループ管理モジュール25は、登録情報に重複等の矛盾があるか否かを判定する。そして、矛盾がなければ「登録しました」なるメッセージを、一方矛盾が発見された場合には「内部矛盾が発生しました」なるメッセージを、ユーザI/F21からクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCへそれぞれ送り表示させる。
【0040】
かくして、子局情報管理テーブルに対する子局情報の登録がなされる。子局は“0001”〜“9999”により表される子局IDにて管理される。また、それぞれの子局について、その子局ID及び子局名には子局の種別に応じて異なる宛先情報が関連付けられる。図12にその関連付けの一例を示す。
【0041】
(1−2)子局情報の削除
図7は子局情報の削除処理の概要を示す図である。
子局情報管理テーブルに記憶されている子局情報を削除する場合、管理者はクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにおいて、制御サーバSVに対しアクセスしてメニュー選択により「子局情報の削除」を選択する。この結果、制御サーバSVのグループ管理モジュール25により子局回線テーブル42に記憶された子局情報が読み出され、この子局情報の一覧がユーザI/F21からパーソナル・コンピュータPCCにダウンロードされ表示される。
【0042】
この状態で管理者が削除対象の子局名を選択して削除操作を行うと、制御サーバSVのグループ管理モジュール25はパーソナル・コンピュータPCCに、「削除してもよろしいですか?」なる削除確認メッセージを表示させる。この状態で管理者が「OK」ボタンを押下すると、制御サーバSVのグループ管理モジュール25は上記子局情報の一覧において削除対象として選択された子局名を取得する。そして、この子局名に対応する子局IDをもとに子局回線テーブル42を検索して対応する回線属性情報を削除すると共に、上記子局IDに対応する子局属性情報を子局属性テーブル41から削除する。また、群テーブル44から上記削除対象の子局に関する情報を削除する。
【0043】
上記削除処理において制御サーバSVのグループ管理モジュール25は、削除対象の子局情報の有無を判定する。そして、該当する子局情報が存在すれば「削除しました」なるメッセージを、一方該当する子局情報が存在しない場合には「内部矛盾が発生しました」なるメッセージを、ユーザI/F21からクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにそれぞれ表示させる。
【0044】
(1−3)群情報の登録
図8は群情報の登録処理の概要を示す図である。
図14に示した子局情報登録画面において群名の入力操作が終了したのち、管理者が「OK」ボタンを押下すると、制御サーバSVのグループ管理モジュール25は自動採番により群IDを生成する。そして、図8に示すように上記群IDに対応付けて上記入力された群名を子局情報管理テーブル内の群テーブル44に記憶する。
【0045】
上記登録制御において制御サーバSVのグループ管理モジュール25は、登録情報に重複等の矛盾があるか否かを判定する。そして、矛盾がなければ「登録しました」なるメッセージを、一方矛盾が発見された場合には「内部矛盾が発生しました」なるメッセージを、ユーザI/F21からクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにそれぞれ表示させる。
【0046】
(1−4)群情報の削除
図9は子局情報の削除処理の概要を示す図である。
子局情報管理テーブル中の群テーブルに記憶されている群情報を削除する場合、管理者はクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにおいて、先に述べた子局情報削除の場合と同様に、制御サーバSVに対しアクセスしてメニュー選択により「子局情報の削除」を選択する。この結果、制御サーバSVのグループ管理モジュール25により子局情報管理テーブルに記憶された子局情報が読み出され、この子局情報の一覧がユーザI/F21からパーソナル・コンピュータPCCにダウンロードされ表示される。
【0047】
この状態で管理者が削除対象の群名を選択して削除操作を行うと、制御サーバSVのグループ管理モジュール25はユーザI/F21からパーソナル・コンピュータPCCに、「削除してもよろしいですか?」なる削除確認メッセージを送り表示させる。この状態で管理者が「OK」ボタンを押下すると、制御サーバSVのグループ管理モジュール25は上記子局情報の一覧において削除対象として選択された群名を取得する。そして、この群名に対応する群IDを群テーブル44から検索し、この群IDをもとに対応する群情報を群テーブル44から削除する。
【0048】
上記削除処理において制御サーバSVのグループ管理モジュール25は、削除対象の群情報の有無を判定する。そして、該当する群情報が存在すれば「削除しました」なるメッセージを、一方該当する群情報が存在しない場合には「内部矛盾が発生しました」なるメッセージを、ユーザI/F21からクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにそれぞれ表示させる。
【0049】
(1−5)群メンバの設定
図10は群メンバの設定処理の概要を示す図である。
群メンバを設定する場合、管理者は先に述べた子局情報の設定の場合と同様に、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから制御サーバSVにアクセスして、子局情報登録画面を表示させる。そして、この表示された子局情報登録画面において、群メンバに関する情報を入力する。入力する情報は、「群名」、群の「グループ番号」、「サブグループ番号」及び当該グループに属する「子局名」である。
【0050】
上記必要情報の入力が終了し、管理者が設定終了操作を行うと、制御サーバSVのグループ管理モジュール25はユーザI/F21からパーソナル・コンピュータPCCに「設定してもよろしいですか?」なる設定確認メッセージを表示する。ここで、管理者が「OK」ボタンを押下すると、制御サーバSVはユーザI/D21によりパーソナル・コンピュータPCCから上記入力された群メンバに関する情報、つまり「群名」、「群グループ番号」及び当該グループに属する子局の「子局ID」を取得する。そして、グループ管理モジュール25により、上記取得された「群名」をもとに群テーブルから「群ID」を取得する。そして、群情報をメンバから削除する場合には、上記取得した「群ID」をもとに該当する群情報を群メンバテーブル45から削除する。一方、群情報をメンバに挿入する場合には、上記子局情報登録画面において入力された情報に対応する「群ID」、「グループID」、「サブグループID」及び「子局ID」をもとに、群メンバテーブル45に群グループに関する情報を挿入する。
【0051】
以上の設定処理において制御サーバSVのグループ管理モジュール25は、設定対象の群情報に重複等の矛盾があるか否かを判定する。そして、矛盾がなければ「設定しました」なるメッセージを、一方矛盾が発見された場合には「内部矛盾が発生しました」なるメッセージを、ユーザI/F21からクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにそれぞれ表示させる。
【0052】
すなわち、群メンバの設定は、群テーブルに記憶された群情報をもとに、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCの画面上において登録済みの子局を選択することにより行われる。一つの子局は複数の群に所属することができる。また、群には子局のほかMCAのグループを所属させることができる。図13にこの群メンバの設定結果の一例を示す。
【0053】
(2)子局への情報配信
(2−1)配信先の設定
配信先の設定は、複数種のネットワークに対し共通の通報呼出画面を用いて行われる。すなわち、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにおいて、管理者が制御サーバSVのユーザI/F21からダウンロードされたメニューの中の「通報呼出先の設定」を選択すると、制御サーバSVのユーザI/F21から通報呼出画面データがダウンロードされてパーソナル・コンピュータPCCに表示される。図15は防災同報・避難所ラジオ放送用の通報呼出画面の一例を示すものである。
【0054】
図15に示すように通報呼出画面には、宛先入力欄と、サイレン送出設定欄と、音声ファイル送出設定欄が設けられている。宛先入力欄には、呼出の種類として「一斉」、「群」、「個別」、「避難所」及び「親局」が表示されており、管理者はこれらの中から一つを選択する。
【0055】
サイレン送出設定欄には、設定項目として「サイレン番号」、「視聴」、「ボリューム」、「回数」及び「送出時差」が表示され、さらに「送出ボタン」が表示されている。管理者は、これらの項目ごとに、その入力欄に表示される複数の候補の中から所望の候補を選択する。
【0056】
例えば、「サイレン番号」については、サイレンの種類に対し自動採番機能により予め番号S00000001〜S99999999が設定されており、管理者はこれらのサイレン番号の中から所望の番号を選択する。「視聴」を選択すると、制御サーバSVからパーソナル・コンピュータPCCへ上記選択されたサイレン番号の音声ファイルがダウンロードされ、これにより管理者はサイレンの視聴が可能となる。「ボリューム」については“1〜10”の10段階の中から所望のレベルを選択する。「回数」については、“1〜20”の範囲で設定可能であり、管理者はこの中から所望の回数を選択する。「送出時差」については、5秒刻みで0〜60秒の範囲で設定可能であり、管理者はこの範囲の中から所望の数値を選択する。
【0057】
また、音声ファイル送出設定欄には、設定項目として「ファイル名」、「参照」、「視聴」、「ボリューム」、「回数」、「送出時差」が表示され、さらに「送出ボタン」が表示されている。管理者は、これらの項目ごとに、その選択欄に表示される複数の候補の中から所望の候補を選択する。
【0058】
例えば、「音声ファイル」については、配信情報データベースに予め記憶されている複数の音声メッセージに対し予めファイル名又はファイルIDが付与されており、管理者は所望のファイル名又はIDを入力欄に入力する。「参照」を選択すると、上記複数のファイル名の一覧表示画面が制御サーバSVからダウンロードされて表示され、管理者はこの表示された複数のファイル名の中から所望のファイル名を選択することも可能である。「視聴」を選択すると、制御サーバSVからパーソナル・コンピュータPCCへ上記選択されたファイル名又はIDに対応する音声メッセージファイルがダウンロードされ、これにより管理者は音声メッセージの視聴が可能となる。「ボリューム」については“1〜10”の10段階の中から所望のレベルを選択する。「回数」については、“1〜20”の範囲で設定可能であり、管理者はこの中から所望の回数を選択する。「送出時差」については、5秒刻みで0〜60秒の範囲で設定可能であり、管理者はこの範囲の中から所望の数値を選択する。
なお、定時放送を行うときの宛先の設定処理も同様に行われる。ただし、定時放送の場合には「サイレンの」代わりに「チャイム」となる。
【0059】
(2−2)配信要求電文の作成
上記通報呼出画面における必要項目の選択入力操作が終了し、管理者がサイレン及び音声ファイルの「送出ボタン」を押下したとする。そうすると、上記必要項目の選択入力情報がクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから制御サーバSVのユーザI/F21に配信要求として送られる。この配信要求をユーザI/F21で受け取ると、制御サーバSVは連携制御応答管理モジュール24により、上記送られた必要項目のうちサイレン送出設定情報及び音声ファイル送出設定情報をもとに以下のように配信要求電文を作成する。
【0060】
すなわち、要求電文のフォーマットは、このシステムで使用される実行要求の種類(定時放送実行要求、コンテンツ実行要求、コンテンツ転送実行要求、コンテンツ転送要求、監視項目収集要求)に対し共通に設定されている。図33はこの要求電文フォーマットのヘッダ部の構成の一例を示すものである。
【0061】
すなわち、要求電文フォーマットのヘッダ部(96バイト)には、メッセージタイプを表すMessageIDと、実行要求の種類(定時放送実行要求、コンテンツ実行要求、コンテンツ転送実行要求、コンテンツ転送要求、監視項目収集要求)を表すMessage Typeと、時刻を設定するTime stampと、配信コンテンツを表すContentIDと、ファイルタイプを表すContent Typeと、音量を表すVolume(00〜10)と、再生回数を表すRepeat Countと、再生するまでの遅延時間を表すTime Diff(00〜60)と、子局IDを表すChild NodeID(0001〜9999)と、ファイルのサイズを表すContent Sizeと、定時放送用の開始チャイムの種類を表すStart ContentIDと、定時放送用の開始チャイムのファイルタイプを表すStart Content Typeと、定時放送用の終了チャイムの種類を表すEnd ContentIDと、定時放送用の終了チャイムのファイルタイプを表すEnd Content Typeが、いずれも文字列として記述される。
【0062】
制御サーバSVの連携制御応答管理モジュール24は、上記クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから取得したチャイム/サイレンIDや音声メッセージのコンテンツID等の送信設定情報を、上記要求電文のヘッダ部に記述する。また、上記チャイム/サイレンの音声ファイルデータ及び音声メッセージの音声ファイルデータを送信する必要がある場合には、データメモリ14内の配信情報データベースから上記各音声ファイルデータを読み出して、要求電文のボディ部にContent Dataとして添付する。なお、音声ファイルデータは可変長である。
【0063】
次に制御サーバSVの連携制御応答管理モジュール24は、上記クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから取得した入力情報のうち、呼出の種類を表す情報、つまり「一斉」、「群」、「個別」、「避難所」のいずれかに応じて、該当する宛先の群及び子局を特定する。この宛先となる群及び子局の特定は、図11(a),(b)に示すように子局情報管理テーブル中の群テーブル44、子局属性テーブル41及び子局回線テーブル42を検索して、それぞれ該当する群IDと群名、及び子局IDと子局名を読み出すことにより行われる。
【0064】
続いて、上記特定された子局ごとに、上記読み出された子局IDをもとに配信電文の送信に使用するネットワーク種別を判定し、この判定結果に基づいて上記共通フォーマットからなる要求電文のデータフォーマットを上記ネットワークの通信プロトコルに対応するフォーマットに変換する。例えば、IPネットワークNW2を使用してIPスピーカとしての子局SMI又はミニFMラジオ放送用の子局SMFに対し要求電文を送信する場合には、TCP/IPに対応するデータフォーマットに変換する。また、携帯電話ネットワークNW1を使用して携帯用の子局SMMへ要求電文を送信する場合には、SMTPに対応するデータフォーマットに変換する。
【0065】
また、MCA無線ネットワークNW3を使用してMCA用の子局SMAに対し要求電文を送信する場合には、以下のように行われる。すなわち、MCAシステムはARIB STD-T85を使用することから、制御サーバSVの連携制御応答管理モジュール24において、データメモリ14内の配信情報データベースから音声メッセージの音声ファイルデータを選択的に読み出す。そして、この音声ファイルデータをアナログ音声信号に変換する。
【0066】
(2−3)要求電文の送信
以上のように要求電文の作成及びデータのフォーマット変換処理が終了すると、制御サーバSVの連携制御応答管理モジュール24は、上記フォーマット変換された配信電文の送信データを対応する連携I/F221〜22nへ振り分けて転送する。連携I/F221〜22nは、上記転送された配信電文の送信データを接続されたネットワークで規定される通信プロトコルに従い配信先の子局に向けて送信する。
【0067】
これに対し各子局SMI,SMM,SMA,SMFは、上記制御サーバSVから自己宛の配信電文が伝送されると、この配信電文を受信する。そして、この配信電文に記述されているサイレン及び音声ファイルの各設定情報をもとに、以下のようにサイレン音及び音声メッセージの再生処理を行う。
【0068】
例えば、IPネットワークNW2に対応する子局SMI及び携帯電話ネットワークNW1に対応する子局SMMは、先ず受信された配信電文に記述されたタイムスタンプ及び送出時差の情報をもとにチャイム/サイレン音の送出タイミングを決定する。そして、送出タイミングになると、上記配信電文に記述されたチャイム/サイレンIDをもとに、予め子局内のメモリに記憶しておいたチャイム/サイレンの音声ファイルを読み出し、このチャイム/サイレンの音声ファイルをアナログ音声信号に復号する。そして、この復号されたチャイム/サイレン音のアナログ信号を拡声器SPI,SPMから拡声出力させる。
【0069】
次に、上記受信された配信電文に記述されたタイムスタンプ及び送出時差の情報をもとに音声メッセージの送出タイミングを決定する。そして、送出タイミングになると、上記配信電文に記述された音声ファイルIDをもとに、予め子局内のメモリに記憶しておいた音声メッセージの音声ファイルを読み出し、この音声ファイルをアナログ信号に復号する。そして、この復号された音声メッセージのアナログ信号を拡声器SPI,SPMから拡声出力させる。
【0070】
MCA無線ネットワークNW3に対応する子局SMAは、上記制御サーバSVから送信されたチャイム/サイレンのIDを含む配信電文をMCA送受信機ARを介して受信すると、この受信された配信電文に記述されたタイムスタンプ及び送出時差の情報をもとにチャイム/サイレン音の送出タイミングを決定する。そして、送出タイミングになると、上記配信電文に記述されたチャイム/サイレンIDをもとに、予め子局内のメモリに記憶しておいたチャイム/サイレンの音声ファイルを読み出し、このチャイム/サイレンの音声ファイルをアナログ音声信号に復号する。そして、この復号されたチャイム/サイレン音のアナログ信号を拡声器SPAから拡声出力させる。続いて制御サーバSVから音声メッセージのアナログ信号をMCA送受信機ARを介して受信すると、この受信した音声メッセージのアナログ信号を拡声器SPAに供給して拡声出力させる。
【0071】
ミニFMラジオ放送用の子局SMFは、制御サーバSVから自局宛ての配信電文が到来すると、この配信電文に記述されたタイムスタンプ及び送出時差の情報をもとに、先ずチャイム/サイレン音の送出タイミングを決定する。そして、送出タイミングになると、上記配信電文に記述されたチャイム/サイレンIDをもとに、予め子局内のメモリに記憶しておいたチャイム/サイレンの音声ファイルを読み出し、このチャイム/サイレンの音声ファイルをアナログ音声信号に復号する。そして、この復号されたチャイム/サイレン音のアナログ信号をFM変調信号に変換して避難所ラジオに向け送信する。
【0072】
続いて、ミニFMラジオ放送用の子局SMFは、上記配信電文に記述されたタイムスタンプ及び送出時差の情報をもとに、音声メッセージの送出タイミングを決定する。そして、送出タイミングになると、上記配信電文に記述された音声メッセージのIDをもとに、予め子局内のメモリに記憶しておいた音声メッセージの音声ファイルを読み出し、この音声ファイルをアナログ音声信号に復号する。そして、この復号された音声メッセージのアナログ信号をFM変調信号に変換して避難所ラジオに向け送信する。
【0073】
なお、上記要求電文を受信すると各子局SMI,SMM,SMA,SMFは、応答電文を作成して制御サーバSVへ返送する。この応答電文も先に述べた要求電文と同様に、そのフォーマットがこのシステムで使用される実行要求の種類(完了応答、監視項目収集応答)に対し共通に設定されている。図34はこの応答電文フォーマットのヘッダ部の構成の一例を示すものである。
【0074】
すなわち、応答電文フォーマットのヘッダ部(64バイト)には、メッセージタイプを表すMessageIDと、実行要求の種類(完了応答、監視項目収集応答)を表すMessage Typeと、時刻を設定するTime stampと、通信結果を表すResult(00:正常、01:エラー)と、エラーの場合の通信結果の詳細を表すDetail(00〜99)と、子局IDを表すChild NodeID(0001〜9999)と、子局の監視項目である商用電源の監視結果を表すPower Supply(00:正常、01:エラー)と、子局の監視項目である蓄電池の監視結果を表すBattery(00:正常、01:エラー)と、子局の監視項目である扉開放の監視結果を表すDoor(00:正常、01:エラー)が、いずれも文字列として記述される。
【0075】
(3)制御サーバSVの通信処理
以上述べた制御サーバSVと子局SMI,SMM,SMA,SMFとの間における情報配信のための制御サーバSVの通信処理手順とその処理内容を以下に説明する。
(3−1)IPネットワークNW2を使用する場合の通信処理
図16は制御サーバSVによる送信処理手順とその内容を示すフローチャート、図17は制御サーバSVにおける受信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
制御サーバSVは、図16に示すように、ステップS161によりユーザI/F21を動作させ、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCからの送信キューへの配信要求の入力を監視している。この状態で、送信キューへの配信要求の入力を検出すると、先ずステップS162により上記パーソナル・コンピュータPCCとの間で、複数のネットワークに対し共通となるデータフォーマットで送信情報を受け付けるための処理を実行する。
【0076】
次に、ステップS163により連携制御応答管理モジュール24を起動し、先ず配信電文(送信電文)を作成して、この配信電文をIPネットワークNW2で規定される通信プロトコルTCP/IPに対応するデータフォーマットに変換する。続いて、ステップS164でタイムオブジェクトを生成して、このタイムオブジェクトをタイマキューに設定する。また、ステップS165において受信情報を作成してこれを受信キューに設定する。
【0077】
次に、ステップS166において、上記配信電文をIPネットワーク用の連携I/Fから子局SMIへ向けて送信する。そして、この配信電文の送信後、ステップS167において上記配信電文の送信に成功したか否かを判定する。この判定の結果、配信電文の送信が成功すればキューから次の配信データを取り出して送信し、一方送信に失敗した場合にはステップS168によりエラーログを生成して、このエラーログをユーザI/F21からクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCへ出力する。
【0078】
一方、子局SMIから応答電文を受信する場合、制御サーバSVは図17に示すようにステップS171において受信キューから応答電文を受信し、ステップS172により取得したソケットオブジェクトを受信する。次に、ステップS173により上記受信された応答電文を解析し、ステップS174において、上記解析結果を条件としてタイマキューを検索し、条件に一致するタイマオブジェクトを削除する。
【0079】
(3−2)携帯電話ネットワークNW1を使用する場合の通信処理
図18は制御サーバSVによる送信処理手順とその内容を示すフローチャート、図19は制御サーバSVにおける受信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
制御サーバSVは、先に述べたIPネットワークを使用する場合と同様に、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCからの送信キューへの入力をステップS181で検出すると、先ずステップS182により上記パーソナル・コンピュータPCCとの間で、複数のネットワークに対し共通となるデータフォーマットで送信情報を受け付けるための処理を実行する。
【0080】
次に、ステップS183により連携制御応答管理モジュール24を起動し、先ず配信電文(送信電文)を作成して、この配信電文を携帯電話ネットワークNW1で規定される通信プロトコルSMTPに対応するデータフォーマットに変換する。続いて、ステップS184によりタイムオブジェクトを生成して、このタイムオブジェクトをタイマキューに設定する。また、ステップS185において受信情報を作成してこれを受信キューに設定する。
【0081】
次に、ステップS186において、上記作成した配信電文を携帯電話ネットワークNW1用の連携I/Fから子局SMMへ向けて送信する。そして、この配信電文の送信後、ステップS187において上記配信電文の送信に成功したか否かを判定する。この判定の結果、配信電文の送信が成功すればキューから次の配信データを取り出して送信し、一方送信に失敗した場合にはステップS188によりエラーログを生成して、このエラーログをユーザI/F21からクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCへ出力する。
【0082】
一方、子局SMIから電文を受信する場合、制御サーバSVは図19に示すように、先ずステップS191において携帯電話ネットワークNW1用の子局SMMからのHTTP(Hyper Text Transport Protocol)リクエストを受信する。そしてこの受信したリクエストをステップS192で解析し、リクエストの内容が要求電文であるか応答電文であるかをステップS193及びステップS194で判定する。この判定の結果、受信された電文が応答電文であれば、ステップS197に移行して、電文IDと子局IDを検索条件としてタイマキューを検索し、見つかったタイムオブジェクトを削除する。なお、受信された電文が要求電文であれば、制御サーバSVはステップS194に移行し、ここで携帯電話番号を検索条件として受信キューを検索し、先に見つかった要求電文を取得してステップS195により要求元の子局へ応答する。
【0083】
(3−3)MCA無線ネットワークNW3を使用する場合の通信処理
図20は制御サーバSVによる送信処理手順とその内容を示すフローチャート、図21は制御サーバSVにおける受信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
制御サーバSVは、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCからの送信キューへの入力をステップS201で検出すると、先ずステップS202により上記パーソナル・コンピュータPCCとの間で、複数のネットワークに対し共通となるデータフォーマットで送信情報を受け付けるための処理を実行する。
【0084】
次に、ステップS203により連携制御応答管理モジュール24を起動し、先ず配信電文(送信電文)を作成して、この配信電文をMCA無線ネットワークNW3で規定される通信プロトコルARIB STD-T85に対応するアナログ信号に変換する。続いて、ステップS204によりタイムオブジェクトを生成して、このタイムオブジェクトをタイマキューに設定する。このとき、タイムオブジェクトは送信先の子局ごとに作成する。またタイムオブジェクトキーはメッセージID+受信機IDにより生成し、メッセージIDはタイムスタンプ+採番機能により生成する。
【0085】
次に、ステップS205において、上記作成した配信電文を表すアナログ信号をMCA無線ネットワークNW3用の連携I/Fから子局SMAに向けて送信する。そして、この配信電文の送信後、ステップS206において上記配信電文の送信に成功したか否かを判定する。この判定の結果、配信電文の送信が成功すればキューから次の配信情報を取り出して送信し、一方送信に失敗した場合にはステップS207によりエラーログを生成して、このエラーログをユーザI/F21からクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCへ出力する。
【0086】
一方、子局SMAから電文を受信する場合、制御サーバSVは図21に示すように、先ずステップS211において子局SMAからの電文を受信し、ステップS212において上記受信された電文を解析する。そして、ステップS213において、その解析結果を条件としてタイマキューを検索し、条件に一致するタイムオブジェクトを削除する。
【0087】
(4)具体的な動作例(その1)
(4−1)定時放送(MCA用の子局SMAを使用する場合)
先ず、定時放送画面を用いた定時放送用音声メッセージの登録処理が行われる。例えば、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにおいて、管理者が制御サーバSVのユーザI/F21からダウンロードされたメニューの中の「定時放送」を選択すると、制御サーバSVのユーザI/F21から定時放送画面データがダウンロードされてパーソナル・コンピュータPCCに表示される。図22は、この定時放送画面の一例を示すものである。
【0088】
図22に示すように定時放送画面には、音声編集欄と、ボリューム設定欄と、「放送」ボタンが設けられている。音声編集欄には、音声編集操作ボタンとして「再生」ボタン、「録音」ボタン、「停止」ボタンが表示されており、管理者はこれらの中から一つを選択する。ボリューム設定欄には、“1〜10”のレベルがスクロール表示され、管理者はこれらのレベルの中から所望のレベルを選択する。この編集されかつボリュームレベルが設定された定時放送用の音声メッセージのファイルデータは、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから制御サーバSVに送られ、配信コンテンツ作成・管理モジュール23により制御サーバSV内のデータメモリ14に記憶される。
【0089】
上記定時放送用の音声メッセージのファイルデータが記憶された状態で、管理者がパーソナル・コンピュータPCCにおいて定時放送の放送ボタンを押下するか、または予め設定された定時放送時刻が到来したとする。そうすると制御サーバSVとMCA無線子局SMAとの間では、以下のような定時放送のための通信動作が行われる。図23はそのシーケンスを示す図である。なお、同図において通信手順にはシーケンス番号(1)〜(8)を付してある。
【0090】
すなわち、制御サーバSVでは、連携制御応答管理モジュール24により、先ずデータメモリ14から定時放送開始チャイムを表すコンテンツIDと当該チャイムの制御情報が読み出され、この読み出された定時放送開始チャイムのコンテンツID及び制御情報が配信電文として連携I/FからRS232Cケーブルを介してMCA送受信機ATへ送られる(1)。この結果、上記配信電文はMCA送受信機ATからMCA無線ネットワークを介して宛先となるMCA送受信機ARに伝送される(2)。この伝送された配信電文はMCA送受信機ARからRS232Cケーブルを介してMCA無線子局SMAへ転送される(3)。MCA無線子局SMAでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送開始チャイムの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記定時放送開始チャイムのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPAに供給される(4)。この結果、拡声器SPAから定時放送開始チャイムが拡声出力される。
【0091】
次に制御サーバSVでは、連携制御応答管理モジュール24により、データメモリ14から定時放送の内容を表す音声メッセージの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがMCA無線ネットワークの通信プロトコルに応じてアナログ信号に変換される。そして、この定時放送用の音声メッセージのアナログ信号が、連携I/FからRS232Cケーブルを介してMCA送受信機ATへ送られる(5)。この結果、上記アナログ信号はMCA送受信機ATで変調されたのち宛先となるMCA送受信機ARに向け送信され(6)、このMCA送受信機ARにより受信復調されたのち拡声器SPAに供給される(7)。この結果、拡声器SPAから定時放送の内容を表す音声メッセージが拡声出力される。
【0092】
上記音声メッセージの送信が終了すると、制御サーバSVでは連携制御応答管理モジュール24により、データメモリ14から定時放送終了チャイムを表すコンテンツIDと当該チャイムの制御情報が読み出され、この読み出された定時放送終了チャイムのコンテンツID及び制御情報が配信電文として連携I/FからRS232Cケーブルを介してMCA送受信機ATへ送られる(8)。この結果、上記配信電文はMCA送受信機ATからMCA無線ネットワークを介して宛先となるMCA送受信機ARに伝送される(9)。この伝送された配信電文はMCA送受信機ARからRS232Cケーブルを介してMCA無線子局SMAへ転送される(10)。MCA無線子局SMAでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送終了チャイムの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記定時放送終了チャイムのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPAに供給される(11)。この結果、拡声器SPAから定時放送終了チャイムが拡声出力される。
【0093】
(4−2)定時放送(携帯電話用の子局SMMを使用する場合)
管理者がパーソナル・コンピュータPCCにおいて定時放送の放送ボタンを押下するか、または予め設定された定時放送時刻が到来したとする。そうすると制御サーバSVと携帯電話子局SMMとの間では、以下のような定時放送のための通信動作が行われる。図24はそのシーケンスを示す図である。なお、同図において通信手順にはシーケンス番号(1)〜(7)を付してある。
【0094】
制御サーバSVは、先ず定時放送開始用チャイムを携帯電話子局SMMから拡声出力させるための通信制御を実行する。すなわち、先ずSMTPによりメールサーバSVMに対し配信依頼メールの送信を指示する(1)。この配信依頼メールは、子局側から制御サーバSVに対し配信電文の送信を要求するリクエストを送信させるものであり、ここでは先ず定時放送開始チャイムの情報取得を目的として送られる。上記メールサーバSVMは例えばマイボックスサーバからなり、上記配信依頼メールの送信要求を受けると、メッセージRの同報送信機能を用いて配信対象の各携帯電話子局SMMに対応する携帯端末MSSへ上記配信依頼メールを同報配信する(2)。図25は、メッセージRを用いた配信依頼メールの具体的な記述例を示したものである。
【0095】
上記配信依頼メールを受信すると各携帯端末SMMは、HTTPにより配信電文のダウンロードリクエストを制御サーバSVへ送信する(3)。配信電文のダウンロードリクエストを受信すると制御サーバSVは、送信元の各携帯端末SMMに対しHTTPにより要求電文のダウンロードレスポンスを送信する(4)。この配信電文には定時放送開始チャイムを表すコンテンツIDと制御情報が挿入される。
【0096】
上記配信電文は、携帯端末MSSにより受信されたのち携帯電話子局SMMに転送される(5)。携帯電話子局SMMでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送開始チャイムの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記定時放送開始チャイムのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPMに供給される(6)。この結果、拡声器SPMから定時放送開始チャイムが拡声出力される。なお、上記携帯端末MSSは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文アップロードリクエストを制御サーバSVに対し返送する(7)。
【0097】
次に制御サーバSVは、SMTPによりメールサーバSVMに対し、定時放送用音声メッセージの情報取得を目的とする配信依頼メールの送信を指示する(1)。メールサーバSVMは、上記配信依頼メールの送信要求を受けると、メッセージRの同報送信機能を用いて、上記配信依頼メールを図25に示すフォーマットに従い、配信対象の各携帯電話子局SMMに対応する携帯端末MSSへ向け同報配信する(2)。上記配信依頼メールを受信すると各携帯端末SMMは、HTTPにより配信電文のダウンロードリクエストを制御サーバSVへ送信する(3)。配信電文のダウンロードリクエストを受信すると制御サーバSVは、送信元の各携帯端末SMMに対しHTTPにより要求電文のダウンロードレスポンスを送信する(4)。この配信電文には定時放送用音声メッセージを表すコンテンツIDと制御情報が挿入される。
【0098】
上記配信電文は、携帯端末MSSにより受信されたのち携帯電話子局SMMに転送される(5)。携帯電話子局SMMでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送用音声メッセージの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記定時放送用音声メッセージのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPMに供給される(6)。この結果、拡声器SPMから定時放送用の音声メッセージが拡声出力される。なお、上記携帯端末MSSは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文アップロードリクエストを制御サーバSVに対し返送する(7)。
【0099】
上記音声メッセージの送信が終了すると、制御サーバSVはSMTPによりメールサーバSVMに対し、定時放送終了チャイムの情報取得を目的とする配信依頼メールの送信を指示する(1)。メールサーバSVMは、上記配信依頼メールの送信要求を受けると、メッセージRの同報送信機能を用いて、上記配信依頼メールを図25に示すフォーマットに従い、配信対象の各携帯電話子局SMMに対応する携帯端末MSSへ向け同報配信する(2)。上記配信依頼メールを受信すると各携帯端末SMMは、HTTPにより配信電文のダウンロードリクエストを制御サーバSVへ送信する(3)。配信電文のダウンロードリクエストを受信すると制御サーバSVは、送信元の各携帯端末SMMに対しHTTPにより要求電文のダウンロードレスポンスを送信する(4)。このとき配信電文には定時放送終了チャイムを表すコンテンツIDと制御情報が挿入される。
【0100】
上記配信電文は、携帯端末MSSにより受信されたのち携帯電話子局SMMに転送される(5)。携帯電話子局SMMでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送終了チャイムの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記定時放送終了チャイムのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPMに供給される(6)。この結果、拡声器SPMから定時放送終了チャイムが拡声出力される。なお、上記携帯端末MSSは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文アップロードリクエストを制御サーバSVに対し返送する(7)。
【0101】
(4−3)定時放送(IP子局SMIを使用する場合)
管理者がクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにおいて定時放送の放送ボタンを押下するか、または予め設定された定時放送時刻が到来したとする。そうすると制御サーバSVとIP子局SMIとの間では、以下のような定時放送のための通信動作が行われる。図26はそのシーケンスを示す図である。なお、同図において通信手順にはシーケンス番号(1)(2)を付してある。
【0102】
すなわち、制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、先ず定時放送開始チャイムのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるIP子局に向け送信する(1)。IP子局SMIでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送開始チャイムの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記定時放送開始チャイムのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPIに供給される。この結果、拡声器SPIから定時放送開始チャイムが拡声出力される。なお、上記IP子局SMIは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0103】
次に制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、定時放送用音声メッセージのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるIP子局に向け送信する(1)。IP子局SMIでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送用音声メッセージの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記定時放送用音声メッセージのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPIに供給される。この結果、拡声器SPIから定時放送用音声メッセージが拡声出力される。なお、上記IP子局SMIは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0104】
最後に制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、定時放送終了チャイムのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるIP子局に向け送信する(1)。IP子局SMIでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送終了チャイムの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記定時放送終了チャイムのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPIに供給される。この結果、拡声器SPIから定時放送終了チャイムが拡声出力される。なお、上記IP子局SMIは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0105】
(5)具体的な動作例(その2)
(5−1)災害が発生した場合の防災放送(MCA用の子局SMAを使用する場合)
図15に示した通報呼出画面における必要項目の選択入力操作が終了し、管理者がサイレン及び音声メッセージファイルの「送出ボタン」を押下したとする。そうすると、上記必要項目の選択入力情報がクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから制御サーバSVのユーザI/F21に配信要求として送られる。この配信要求をユーザI/F21で受け取ると、制御サーバSVはMCA無線子局SMAからサイレン及び音声メッセージを音声出力させるための通信処理を以下のように実行する。
【0106】
制御サーバSVは、先ず防災放送開始用サイレンを拡声出力させるための通信制御を実行する。図27はこの場合の通信シーケンスを示す図である。同図において、通信手順にはシーケンス番号(1)〜(4)を付してある。
すなわち、制御サーバSVでは、連携制御応答管理モジュール24により、先ずデータメモリ14から防災放送開始用のサイレンを表すコンテンツIDと当該サイレンの制御情報が読み出され、この読み出された防災放送開始用サイレンのコンテンツID及び制御情報が配信電文として連携I/FからRS232Cケーブルを介してMCA送受信機ATへ送られる(1)。この結果、上記配信電文はMCA送受信機ATからMCA無線ネットワークを介して宛先となるMCA送受信機ARに伝送される(2)。この伝送された配信電文はMCA送受信機ARからRS232Cケーブルを介してMCA無線子局SMAへ転送される(3)。
【0107】
MCA無線子局SMAでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送開始用サイレンの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記防災放送開始用サイレンのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPAに供給される(4)。この結果、拡声器SPAから防災放送開始用のサイレンが拡声出力される。
【0108】
次に制御サーバSVは、防災放送の内容を表す音声メッセージを拡声出力させるための通信制御を実行する。図28はこの場合の通信シーケンスを示す図である。
すなわち、制御サーバSVでは、連携制御応答管理モジュール24により、データメモリ14から防災放送の内容を表す音声メッセージの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがMCA無線ネットワークの通信プロトコルに従いアナログ信号に変換される。そして、この防災放送の内容を示す音声メッセージのアナログ信号が、連携I/FからRS232Cケーブルを介してMCA送受信機ATへ送られる(1)。この結果、上記アナログ信号はMCA送受信機ATで変調されたのち宛先となるMCA送受信機ARに向け送信され(2)、このMCA送受信機ARにより受信復調されたのち拡声器SPAに供給される(5)。この結果、拡声器SPAから防災放送の内容を表す音声メッセージが拡声出力される。
【0109】
上記防災放送用音声メッセージの送信が終了すると制御サーバSVは、最後に防災放送終了サイレンを拡声出力させるための通信制御を実行する。この場合の通信シーケンスは図27に示したものと同じである。
すなわち、制御サーバSVでは連携制御応答管理モジュール24により、データメモリ14から防災放送終了サイレンを表すコンテンツIDと当該サイレンの制御情報が読み出され、この読み出された防災放送終了サイレンのコンテンツID及び制御情報が配信電文として連携I/FからRS232Cケーブルを介してMCA送受信機ATへ送られる(1)。この結果、上記配信電文はMCA送受信機ATからMCA無線ネットワークを介して宛先となるMCA送受信機ARに伝送される(2)。この伝送された配信電文はMCA送受信機ARからRS232Cケーブルを介してMCA無線子局SMAへ転送される(3)。MCA無線子局SMAでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送終了サイレンの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記防災放送終了サイレンのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPAに供給される(4)。この結果、拡声器SPAから防災放送終了サイレンが拡声出力される。
【0110】
(5−2)災害が発生した場合の防災放送(携帯電話子局SMMを使用する場合)
クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから、通報呼出画面において入力された必要項目の選択入力情報の配信要求を受け取ると、制御サーバSVは携帯電話子局SMMからサイレン及び音声メッセージを音声出力させるための通信処理を以下のように実行する。その通信シーケンスは図24に示したものと同じである。
【0111】
制御サーバSVは、先ず防災放送開始用サイレンを拡声出力させるための通信制御を実行する。すなわち、先ずSMTPによりメールサーバSVMに対し、防災放送開始用サイレンの情報取得を目的とする配信依頼メールの送信を指示する(1)。メールサーバSVMは、上記配信依頼メールの送信要求を受けると、メッセージRの同報送信機能を用いて、上記配信依頼メールを配信先の各携帯電話子局SMMに対応する携帯端末MSSへ向け同報配信する(2)。図25は、メッセージRを用いた配信依頼メールの具体的な記述例を示したものである。
【0112】
上記配信依頼メールを受信すると各携帯端末SMMは、HTTPにより配信電文のダウンロードリクエストを制御サーバSVへ送信する(3)。配信電文のダウンロードリクエストを受信すると制御サーバSVは、送信元の各携帯端末SMMに対しHTTPにより要求電文のダウンロードレスポンスを送信する(4)。この要求電文には防災放送開始サイレンを表すコンテンツIDと制御情報が挿入される。上記要求電文は、携帯端末MSSにより受信されたのち携帯電話子局SMMに転送される(5)。
【0113】
携帯電話子局SMMでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送開始サイレンの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記防災放送開始サイレンのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPMに供給される(6)。この結果、拡声器SPMから防災放送開始サイレンが拡声出力される。なお、上記携帯端末MSSは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文アップロードリクエストを制御サーバSVに対し返送する(7)。
【0114】
次に制御サーバSVは、SMTPによりメールサーバSVMに対し、防災放送の内容を表す音声メッセージの情報取得を目的とする配信依頼メールの送信を指示する(1)。メールサーバSVMは、上記配信依頼メールの送信要求を受けると、メッセージRの同報送信機能を用いて、上記配信依頼メールを図25に示すフォーマットに従い、配信対象の各携帯電話子局SMMに対応する携帯端末MSSへ向け同報配信する(2)。上記配信依頼メールを受信すると各携帯端末SMMは、HTTPにより配信電文のダウンロードリクエストを制御サーバSVへ送信する(3)。配信電文のダウンロードリクエストを受信すると制御サーバSVは、送信元の各携帯端末SMMに対しHTTPにより要求電文のダウンロードレスポンスを送信する(4)。この配信電文には防災放送用の音声メッセージを表すコンテンツIDと制御情報が挿入される。
【0115】
上記配信電文は、携帯端末MSSにより受信されたのち携帯電話子局SMMに転送される(5)。携帯電話子局SMMでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送用音声メッセージの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記防災放送用音声メッセージのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPMに供給される(6)。この結果、拡声器SPMから防災放送の内容を表す音声メッセージが拡声出力される。なお、上記携帯端末MSSは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文アップロードリクエストを制御サーバSVに対し返送する(7)。
【0116】
上記音声メッセージの送信が終了すると、制御サーバSVはSMTPによりメールサーバSVMに対し、防災放送終了サイレンの情報取得を目的とする配信依頼メールの送信を指示する(1)。メールサーバSVMは、上記配信依頼メールの送信要求を受けると、メッセージRの同報送信機能を用いて、上記配信依頼メールを図25に示すフォーマットに従い、配信対象の各携帯電話子局SMMに対応する携帯端末MSSへ向け同報配信する(2)。上記配信依頼メールを受信すると各携帯端末SMMは、HTTPにより配信電文のダウンロードリクエストを制御サーバSVへ送信する(3)。配信電文のダウンロードリクエストを受信すると制御サーバSVは、送信元の各携帯端末SMMに対しHTTPにより要求電文のダウンロードレスポンスを送信する(4)。このとき配信電文には防災放送終了サイレンを表すコンテンツIDと制御情報が挿入される。
【0117】
上記配信電文は、携帯端末MSSにより受信されたのち携帯電話子局SMMに転送される(5)。携帯電話子局SMMでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送終了サイレンの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記防災放送終了サイレンのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPMに供給される(6)。この結果、拡声器SPMから防災放送終了サイレンが拡声出力される。なお、上記携帯端末MSSは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文アップロードリクエストを制御サーバSVに対し返送する(7)。
【0118】
(5−3)災害が発生した場合の防災放送(IP子局SMIを使用する場合)
クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから、通報呼出画面において入力された必要項目の選択入力情報の配信要求を受け取ると、制御サーバSVはIP子局SMIからサイレン及び音声メッセージを音声出力させるための通信処理を以下のように実行する。その通信シーケンスは図26に示したものと同じである。
【0119】
制御サーバSVは、先ず防災放送開始サイレンを拡声出力させるための通信制御を実行する。すなわち、先ずパーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、先ず防災放送開始サイレンのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるIP子局SMIに向け送信する(1)。
【0120】
IP子局SMIでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送開始サイレンの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記防災放送開始サイレンのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPIに供給される。この結果、拡声器SPIから防災放送開始サイレンが拡声出力される。なお、上記IP子局SMIは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0121】
次に制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、防災放送の内容を表す音声メッセージのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるIP子局に向け送信する(1)。IP子局SMIでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送用音声メッセージの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記防災放送用音声メッセージのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPIに供給される。この結果、拡声器SPIから防災放送用音声メッセージが拡声出力される。なお、上記IP子局SMIは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0122】
最後に制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、防災放送終了サイレンのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるIP子局に向け送信する(1)。IP子局SMIでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送終了サイレンの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルがアナログ信号に変換される。そして、上記配信電文に記述されている制御情報に従い、上記防災放送終了サイレンのアナログ信号に対しボリューム調整等が行われ、この調整後のアナログ信号が拡声器SPIに供給される。この結果、拡声器SPIから防災放送終了サイレンが拡声出力される。なお、上記IP子局SMIは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0123】
(6)具体的な動作例(その3)
(6−1)子局に記憶されているチャイム/サイレン等のコンテンツの削除・追加(MCA無線子局SMAの場合)
パーソナル・コンピュータPCCにおいて、管理者はコンテンツ削除・追加用の入力画面に従い、削除・追加対象の子局名を選択すると共に、削除の場合は削除対象のコンテンツ名又はIDを、また追加の場合は追加するコンテンツの音声ファイルをそれぞれ選択する。そして、この選択操作後に管理者が削除・追加ボタンを押下すると、その実行指示がパーソナル・コンピュータPCCから制御サーバSVに送られる。
【0124】
この実行指示を受信すると制御サーバSVは、MCA無線子局SMAとの間で以下のようにコンテンツ削除・追加のための通信動作を実行する。図29はそのシーケンスを示す図である。なお、同図において、通信手順にはシーケンス番号(1)〜(6)を付してある。
すなわち、制御サーバSVは、連携制御応答管理モジュール24により、先ず上記実行指示により指定された削除又は追加対象のコンテンツのIDと、削除又は追加要求であることを示す制御情報を含む要求電文を作成し、この要求電文を連携I/FからRS232Cケーブルを介してMCA送受信機ATへ送る(1)。この結果、上記要求電文はMCA送受信機ATからMCA無線ネットワークを介して宛先となるMCA送受信機ARに伝送される(2)。この伝送された要求電文はMCA送受信機ARからRS232Cケーブルを介してMCA無線子局SMAへ転送される(3)。
【0125】
MCA無線子局SMAは、上記要求電文に含まれる制御情報により、要求の種類がコンテンツの削除であるか又は追加であるかを判別する。そして、削除要求であれば、上記要求電文に含まれる削除対象のコンテンツIDに対応するコンテンツファイルのデータを子局内のメモリから削除する。これに対し追加要求であれば、上記要求電文に挿入されたコンテンツファイルのデータをそのコンテンツIDに対応付けて子局内のメモリに追加記憶させる。
【0126】
そしてMCA無線子局SMAは、上記削除処理又は追加処理の結果を示す応答電文を作成し、この応答電文をRS232Cケーブルを介してMCA送受信機ARへ転送する(4)。この応答電文はMCA送受信機ARからMCA送受信機ATへ伝送され(5)、このMCA送受信機ATからRS232Cケーブルを介して制御サー木SVへ転送される(6)。
【0127】
(6−2)子局に記憶されているチャイム/サイレン等のコンテンツの削除・追加(携帯電話子局SMMの場合)
クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから、削除・追加入力画面において入力された削除又は追加のための実行指示を受け取ると、制御サーバSVは携帯電話子局SMMに対しチャイム/サイレン及び音声メッセージのコンテンツを削除又は追加させるための通信処理を以下のように実行する。その通信シーケンスは図24に示したものと同じである。
【0128】
制御サーバSVは、先ずSMTPによりメールサーバSVMに対し、コンテンツの削除・追加のための情報取得を目的とする配信依頼メールの送信を指示する(1)。メールサーバSVMは、上記配信依頼メールの送信要求を受けると、メッセージRの同報送信機能を用いて、上記配信依頼メールを図25に示すフォーマットに従い、配信先の各携帯電話子局SMMに対応する携帯端末MSSへ向け同報配信する(2)。図25は、メッセージRを用いた配信依頼メールの具体的な記述例を示したものである。
【0129】
上記配信依頼メールを受信すると各携帯端末SMMは、HTTPにより配信電文のダウンロードリクエストを制御サーバSVへ送信する(3)。配信電文のダウンロードリクエストを受信すると制御サーバSVは、上記クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから上記実行指示により指定された削除又は追加対象のコンテンツのIDと、削除又は追加要求であることを示す制御情報を含む要求電文を作成し、この要求電文をSMTPに対応するデータフォーマットに変換する。そして、このフォーマット変換された要求電文を、ダウンロードレスポンスとして送信元の各携帯端末SMMに向けてHTTPにより送信する(4)。上記配信電文は、携帯端末MSSにより受信されたのち携帯電話子局SMMに転送される(5)。
【0130】
携帯電話子局SMMは、上記要求電文に含まれる制御情報により、要求の種類がコンテンツの削除であるか又は追加であるかを判別する。そして、削除要求であれば、上記要求電文に含まれる削除対象のコンテンツIDに対応するコンテンツファイルのデータを子局内のメモリから削除する。これに対し追加要求であれば、上記要求電文に挿入されたコンテンツファイルのデータをそのコンテンツIDに対応付けて子局内のメモリに追加記憶する。
【0131】
そして携帯電話子局SMMは、上記削除処理又は追加処理の結果を表す応答電文を作成し、この応答電文を携帯端末MSSへ出力する。携帯端末MSSは、上記削除処理又は追加処理の結果を表す応答電文を、HTTPアップロードリクエストとして制御サーバSVに向け返送する(7)。
【0132】
(6−3)子局に記憶されているチャイム/サイレン等のコンテンツの削除・追加(IP子局SMIの場合)
クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから、削除・追加入力画面において入力された削除又は追加のための実行指示を受け取ると、制御サーバSVはIP子局SMIに対しチャイム/サイレン及び音声メッセージのコンテンツを削除又は追加させるための通信処理を以下のように実行する。その通信シーケンスは図26に示したものと同じである。
【0133】
すなわち、制御サーバSVは、上記クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから上記実行指示により指定された削除又は追加対象のコンテンツのIDと、削除又は追加要求であることを示す制御情報を含む要求電文を作成し、この要求電文をTCP/IPに対応するデータフォーマットに変換する。そして、このフォーマット変換された要求電文を、TCP/IPにより宛先となるIP子局SMIに向け送信する(1)。
【0134】
IP子局SMIは、上記要求電文に含まれる制御情報により、要求の種類がコンテンツの削除であるか又は追加であるかを判別する。そして、削除要求であれば、上記要求電文に含まれる削除対象のコンテンツIDに対応するコンテンツファイルのデータを子局内のメモリから削除する。これに対し追加要求であれば、上記要求電文に挿入されたコンテンツファイルのデータをそのコンテンツIDに対応付けて子局内のメモリに追加記憶する。そしてIP子局SMIは、上記削除処理又は追加処理の結果を示す応答電文を作成し、この応答電文を、TCP/IPにより制御サーバSVに向け返送する(2)。
なお、ミニFMラジオ放送用子局SMFに対しコンテンツの削除・追加を行う場合も、上記IP子局SMIの場合と同様のシーケンスにより行われる。
【0135】
(7)具体的な動作例(その4)
(7−1)子局の動作状態の監視(MCA無線子局SMAの場合)
MCA無線子局SMAに接続されたMCA送受信機ARには、商用電源、蓄電池及び扉が付帯設備として設けてあり、制御サーバSVはこれらの付帯設備の状態を予め設定した周期で定期的に監視する。図30は通信シーケンスを示す図である。同図において(1)〜(4)はその手順を示す。
【0136】
すなわち、制御サーバSVは、監視対象となるMCA無線子局SMAについて予め設定した監視タイミングになると、MCA送受信機ATに対しRS232Cケーブルを介してポーリング要求を送信する(1)。この要求に応じて、MCA送受信機ATからMCA送信機ARへ監視用のポーリング信号が送信される(2)。監視用のポーリング信号を受信するとMCA送受信機ARは、付帯設備の状態を検出する。例えば、扉については無電圧における接点の状態を検出し、また商用電源及び蓄電池電圧については子局に設けられている無停電電源装置(UPS)の警報出力端子から出力される信号の論理値を検出する。次にMCA送受信機ARは、上記各監視項目の検出結果を表す情報をポーリングレスポンスとしてMCA送受信機ATへ送信する(3)。このポーリングレスポンスにより返送された監視結果を表す情報は、RS232Cケーブルを介して制御サーバSVに転送される(4)。制御サーバSVは、上記監視結果を表す情報を受信すると、この情報を子局IDに対応付けてデータメモリ14内の子局属性テーブルに記憶させる。
【0137】
以上のようにして取得された子局状況の監視結果を表す情報は、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCにおいて以下のように確認することができる。すなわち、管理者がメニュー中の「子局状況の監視」を選択すると、制御サーバSVから子局状況監視画面データがパーソナル・コンピュータPCCにダウンロードされて表示される。子局状況監視画面には、例えば図31に示すように、検索条件入力欄と、監視結果表示欄が設けられている。この子局状況監視画面が表示されて状態で、管理者が監視対象となる群名と子局名を選択入力すると、この選択された子局における商用電源、蓄電池電圧及び扉開放の状態の監視結果が制御サーバSVからダウンロードされて上記監視結果表示欄に表示される。
【0138】
(7−2)子局の動作状態の監視(携帯電話子局SMMの場合)
携帯電話子局SMMにも、商用電源、蓄電池及び扉が付帯設備として設けてあり、制御サーバSVはこれらの付帯設備の状態を、先に述べたMCA無線子局SMAに対する監視タイミングとは異なるタイミングで、予め設定した周期で定期的に監視する。その通信シーケンスは図24に示したものと同じである。
【0139】
すなわち、制御サーバSVは先ずSMTPによりメールサーバSVMに対し、子局状況の監視を目的とする配信依頼メールの送信を指示する(1)。メールサーバSVMは、上記配信依頼メールの送信要求を受けると、メッセージRの同報送信機能を用いて、上記配信依頼メールを配信先の各携帯電話子局SMMに対応する携帯端末MSSへ向け同報配信する(2)。図25は、メッセージRを用いた配信依頼メールの具体的な記述例を示したものである。
【0140】
上記配信依頼メールを受信すると各携帯端末SMMは、HTTPにより配信電文のダウンロードリクエストを制御サーバSVへ送信する(3)。配信電文のダウンロードリクエストを受信すると制御サーバSVは、送信元の各携帯端末SMMに対しHTTPにより要求電文のダウンロードレスポンスを送信する(4)。この要求電文には子局監視要求を表す制御情報と監視対象となる子局IDが挿入される。上記要求電文は、携帯端末MSSにより受信されたのち携帯電話子局SMMに転送される(5)。
【0141】
携帯電話子局SMMは、上記要求電文の指示に従い付帯設備の状態を検出する。例えば、扉については無電圧における接点の状態を検出し、また商用電源及び蓄電池電圧については子局に設けられている無停電電源装置(UPS)のLANポートを利用して正常か異常かを示す情報を取得する。続いて携帯電話子局SMMは、上記各監視項目の検出結果を表す情報を挿入した応答電文を作成し、この応答電文を携帯端末MSSへ転送する。携帯端末MSSは上記応答電文をアップロードリクエストとして制御サーバSVへ返送する(7)。制御サーバSVは、上記監視結果を表す情報を受信すると、この情報を子局IDに対応付けてデータメモリ14内の子局属性テーブルに記憶させる。
【0142】
(7−3)子局の動作状態の監視(IP子局SMIの場合)
IP子局SMIにも、上記携帯電話子局SMMと同様に商用電源、蓄電池及び扉が付帯設備として設けてあり、制御サーバSVはこれらの付帯設備の状態を、先に述べたMCA無線子局SMA及び携帯電話子局SMMに対する各監視タイミングとは異なるタイミングで、予め設定した周期で定期的に監視する。その通信シーケンスは図26に示したものと同じである。
【0143】
すなわち、制御サーバSVは、子局監視要求を表す制御情報と監視対象となる子局IDが挿入された要求電文を生成し、この要求電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるIP子局SMIに向け送信する(1)。
【0144】
IP子局SMIは、上記要求電文の指示に従い付帯設備の状態を検出する。例えば、扉については無電圧における接点の状態を検出し、また商用電源及び蓄電池電圧については子局に設けられている無停電電源装置(UPS)のLANポートを利用して正常か異常かを示す情報を取得する。続いてIP子局SMIは、上記各監視項目の検出結果を表す情報を挿入した応答電文を作成し、この応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。制御サーバSVは、上記監視結果を表す情報を受信すると、この情報を子局IDに対応付けてデータメモリ14内の子局属性テーブルに記憶させる。
【0145】
なお、ミニFMラジオ放送用子局SMFの状態を監視する場合も、上記IP子局SMIの場合と同様のシーケンスにより行われる。
【0146】
(8)具体的な動作例(その4)
(8−1)ミニFM放送局SMFを利用した定時放送
クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから、定時放送画面において入力された必要項目の選択入力情報の配信要求を受け取ると、制御サーバSVはミニFM放送局SMFを介してミニFM送信機FTからチャイム及び音声メッセージのミニFM放送波を送信させるための通信処理を以下のように実行する。図32はその通信シーケンスを示す図である。
【0147】
制御サーバSVは、先ず定時放送開始チャイムをミニFM放送で送信させるための通信制御を実行する。すなわち、パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、先ず定時放送開始チャイムのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるミニFM放送局SMFに向け送信する(1)。
【0148】
ミニFM放送局SMFでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送開始チャイムの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルが復号されてアナログ信号に変換されたのちミニFM送信機FTへ送出される。この結果、ミニFM送信機FTから上記アナログ信号によりFM変調されたミニFM放送波が送信される。このミニFM放送波は、避難所等に設置されたラジオRDや避難者が所持するラジオRDにより受信復調される。したがって、当該ラジオRDから上記定時放送開始チャイムが音声出力される。なお、上記ミニFM放送局SMFは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0149】
次に制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、定時放送の内容を表す音声メッセージのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるミニFM放送局SMFに向け送信する(1)。ミニFM放送局SMFでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに局内のメモリから対応する定時放送用の音声メッセージの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルが復号されてアナログ信号に変換される。そして、このアナログ信号がミニFM送信機FTへ送出される。この結果、ミニFM送信機FTから上記アナログ信号によりFM変調されたミニFM放送波が送信される。このミニFM放送波は、上記避難所等に設置されたラジオRDや避難者が所持するラジオRDにより受信復調され、音声として出力される。したがって、ラジオRDから上記定時放送の内容を表す音声メッセージが音声出力される。なお、この場合も上記ミニFM放送局SMFは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0150】
最後に制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、定時放送終了チャイムのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるミニFM放送局SMFに向け送信する(1)。ミニFM放送局SMFでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する定時放送終了チャイムの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルが復号されてアナログ信号に変換される。そして、このアナログ信号はミニFM送信機FTへ送出される。この結果、ミニFM送信機FTから上記アナログ信号によりFM変調されたミニFM放送波が送信される。このミニFM放送波は、避難所等に設置されたラジオRDや避難者が所持するラジオRDにより受信復調される。したがって、当該ラジオRDから上記定時放送修理用チャイムが音声出力される。なお、上記ミニFM放送局SMFは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0151】
(8−2)ミニFM放送局SMFを利用した防災放送
クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCから、通報呼出画面において入力された必要項目の選択入力情報の配信要求を受け取ると、制御サーバSVはミニFM放送局SMFを介してミニFM送信機FTからサイレン及び音声メッセージのミニFM放送波を送信させるための通信処理を以下のように実行する。この場合の通信シーケンスは図32と同じである。
【0152】
制御サーバSVは、先ず防災放送開始サイレンをFM放送させるための通信制御を実行する。すなわち、パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、先ず防災放送開始サイレンのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるミニFM放送局SMFに向け送信する(1)。
【0153】
ミニFM放送局SMFでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送開始サイレンの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルが復号されてアナログ信号に変換されたのちミニFM送信機FTへ送出される。この結果、ミニFM送信機FTから上記アナログ信号によりFM変調されたミニFM放送波が送信される。このミニFM放送波は、避難所等に設置されたラジオRDや避難者が所持するラジオRDにより受信復調される。したがって、当該ラジオRDから上記防災放送開始サイレンが音声出力される。なお、上記ミニFM放送局SMFは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0154】
次に制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、防災放送の内容を表す音声メッセージのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるミニFM放送局SMFに向け送信する(1)。ミニFM放送局SMFでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに局内のメモリから対応する防災放送用の音声メッセージの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルが復号されてアナログ信号に変換される。そして、このアナログ信号がミニFM送信機FTへ送出される。この結果、ミニFM送信機FTから上記アナログ信号によりFM変調されたミニFM放送波が送信される。このミニFM放送波は、上記避難所等に設置されたラジオRDや避難者が所持するラジオRDにより受信復調され、音声として出力される。したがって、ラジオRDから上記防災放送の内容を表す音声メッセージが音声出力される。なお、この場合も上記ミニFM放送局SMFは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0155】
最後に制御サーバSVは、上記パーソナル・コンピュータPCCから入力された配信要求に従い、防災放送終了サイレンのコンテンツIDと制御情報を含む配信電文を生成し、この配信電文をTCP/IPに応じたデータフォーマットに変換したのち、TCP/IPにより宛先となるミニFM放送局SMFに向け送信する(1)。ミニFM放送局SMFでは、上記配信電文に含まれるコンテンツIDをもとに子局内のメモリから対応する防災放送終了サイレンの音声ファイルが読み出され、この音声ファイルが復号されてアナログ信号に変換される。そして、このアナログ信号はミニFM送信機FTへ送出される。この結果、ミニFM送信機FTから上記アナログ信号によりFM変調されたミニFM放送波が送信される。このミニFM放送波は、避難所等に設置されたラジオRDや避難者が所持するラジオRDにより受信復調される。したがって、当該ラジオRDから上記防災放送終了サイレンが音声出力される。なお、上記ミニFM放送局SMFは、上記配信電文を受信すると、その受信結果を表す応答電文をTCP/IPにより制御サーバSVへ返送する(2)。
【0156】
以上述べたようにこの実施形態では、制御サーバSVと、サービスエリアに分散配置した各子局SMM、SMI、SMA、SMFとの間を、携帯電話ネットワークNW1、IPネットワークNW2、MCAネットワークNW3を介して選択的に接続可能とする。また、上記制御サーバSVに、上記各ネットワークに対応する連携I/F221〜22nと、連携制御応答管理モジュール24を備え、この連携制御応答管理モジュール24により、クライアント用のパーソナル・コンピュータPCCからの配信要求の入力に応じて、上記複数の子局に伝送するための要求電文を生成し、この要求電文のデータフォーマットを使用するネットワークに対応するフォーマットに変換したのち、対応する連携I/F221〜22nから子局に向け送信するようにしている。
【0157】
したがって、要求電文が上記携帯電話ネットワークNW1、IPネットワークNW2、MCAネットワークNW3を選択的に使用して子局SMM、SMI、SMA、SMFに伝送されるので、上記複数のネットワークのいずれかで障害が発生しても、他のネットワークを介して伝送情報を伝送することが可能となる。このため、災害等に対し堅牢で信頼性の高い情報配信が可能となる。また、配信情報はユーザ個人の携帯端末に直接配信されるのではなく、一旦子局に伝送されてこの子局から音声放送により不特定多数の人に向けて同報配信される。このため、携帯端末を所持していない人に対しても、またネットワークの輻輳の影響を大きく受けることなく、不特定多数の人に対し情報を洩れなく迅速に配信することが可能となる。
【0158】
また、子局SMM、SMI、SMFに、チャイム/サイレンの音声ファイルと音声メッセージの音声ファイルをそのコンテンツIDに対応付けて予めメモリに記憶しておく。そして、制御サーバSVは、配信すべき音声ファイルに対応するコンテンツIDを含む要求電文を生成して子局に送信し、子局SMM、SMI、SMFは上記要求電文により指定されたコンテンツIDに対応する音声ファイルを上記メモリから選択的に読み出して、この読み出された音声ファイルにより表される音声を拡声器SPM,SPI,SPFから拡声出力するようにしている。
【0159】
したがって、制御サーバSVは子局SMM、SMI、SMFに対し音声ファイルのコンテンツIDを伝送すればよく、音声ファイルそれ自体を伝送する必要がないので、要求電文のデータ量を削減してネットワークのトラフィックの増加を抑えることが可能となる。この効果は、災害発生時のようにネットワークのトラフィックが急増する場合に特に有用である。また、放送開始を知らせるチャイム/サイレンのコンテンツIDを先ず送信し、続いて放送内容を表す音声メッセージのコンテンツIDを送信し、最後に放送終了を知らせるチャイム/サイレンのコンテンツIDを送信するようにしている。このため、放送をより確実に報知することが可能となり、しかも定時放送と防災放送とでチャイムとサイレンを使い分けることで、さらに確実に放送内容を報知することができる。
【0160】
さらに、制御サーバSVにおいて複数のネットワークに対し共通の入力支援画面を用意してクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCに提供するようにしたので、管理者は、配信要求を入力する際に、表示された入力支援画面に従い必要項目を洩れなくかつ誤ることなく入力することが可能となり、これにより入力作業の効率を高めることができる。しかも、入力支援画面は複数のネットワークに対し共通に構成されているため、管理者は複数のネットワークのそれぞれについて専用の配信情報を入力する必要がない。このため、管理者の負担を軽減して入力作業効率をさらに高めることができる。
【0161】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では制御サーバSV及びクライアント用のパーソナル・コンピュータPCCをいずれも防災センタCT内に設置し、両者間を例えばUSBケーブルにより接続した場合を例にとって説明した。しかし、防災センタ外の遠方に設置されたクライアント用のパーソナル・コンピュータPCC又は携帯端末MSCから制御サーバSVの動作を遠隔的に制御するように構成してもよい。
【0162】
この構成は例えば以下のように実現できる。図35はその構成を示す概略図である。すなわち、遠方に設置されたクライアント用のパーソナル・コンピュータPCC又は携帯端末MSCから、Magic Packetと呼ばれる特定のパケットデータをIPネットワークNW2を介してWOL(Wakeup On LAN)対応ルータRTの管理ウエブに対し送る。この結果、WOL対応ルータRTから制御サーバ(親局)SVに対し起動パケットが送信され、この起動パケットにより制御サーバSVの電源が投入される。そして、この状態でクライアント用のパーソナル・コンピュータPCC又は携帯端末MSCのブラウザ機能を使用して制御サーバSVとの間でデータの送受信を行う。これにより、制御サーバSVに対し、遠方のクライアント用のパーソナル・コンピュータPCC又は携帯端末MSCから配信要求や子局情報の登録等を行うことができる。
【0163】
その他、制御サーバSVの構成や制御手順と制御内容、各子局の構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】この発明の一実施形態に係わる情報配信システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示したシステムにおける制御サーバと複数の子局との間の接続構成を示す図である。
【図3】図2に示した制御サーバのハードウエアの構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示した制御サーバのソフトウエアの構成を示すブロック図である。
【図5】図3及び4に示した制御サーバSVにおける子局情報の登録処理の概要を示す図である。
【図6】子局情報の構成要素の一例を示す図である。
【図7】図3及び4に示した制御サーバSVにおける子局情報の削除処理の概要を示す図である。
【図8】図3及び4に示した制御サーバSVにおける群情報の登録処理の概要を示す図である。
【図9】図3及び4に示した制御サーバSVにおける群情報の削除処理の概要を示す図である。
【図10】図3及び4に示した制御サーバSVにおける群メンバ情報の登録処理の概要を示す図である。
【図11】図3及び4に示した制御サーバSVにおける群情報及び子局情報の取得処理の概要を示す図である。
【図12】子局管理情報の一例を示す図である。
【図13】群メンバ情報の設定例を示す図である。
【図14】子局情報登録画面の一例を示す図である。
【図15】通報呼出画面の一例を示す図である。
【図16】IPネットワークNW2を使用する場合の制御サーバSVによる送信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
【図17】IPネットワークNW2を使用する場合の制御サーバSVによる受信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
【図18】携帯電話ネットワークNW1を使用する場合の制御サーバSVによる送信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
【図19】携帯電話ネットワークNW1を使用する場合の制御サーバSVによる受信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
【図20】MCA無線ネットワークNW3を使用する場合の制御サーバSVによる送信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
【図21】MCA無線ネットワークNW3を使用する場合の制御サーバSVによる受信処理手順とその内容を示すフローチャートである。
【図22】定時放送画面の一例を示す図である。
【図23】MCA無線ネットワークNW3を使用して定時放送を行う場合の通信シーケンスを示す図である。
【図24】携帯電話ネットワークNW1を使用して定時放送及び防災放送を行う場合の通信シーケンスを示す図である。
【図25】図24に示した通信シーケンスで使用されるメッセージRの一例を示す図である。
【図26】IPネットワークNW2を使用して定時放送及び防災放送を行う場合の通信シーケンスを示す図である。
【図27】MCA無線ネットワークNW3を使用してチャイム又はサイレンのコンテンツファイルを伝送する場合の通信シーケンスを示す図である。
【図28】MCA無線ネットワークNW3を使用して音声メッセージを伝送する場合の通信シーケンスを示す図である。
【図29】MCA無線ネットワークNW3を使用して子局に対するコンテンツの削除又は追加を行う場合の通信シーケンスを示す図である。
【図30】MCA無線ネットワークNW3を使用して子局から監視項目情報の収集を行う場合の通信シーケンスを示す図である。
【図31】子局状況監視画面の一例を示す図である。
【図32】ミニFM放送局を使用して定時放送及び防災放送を行う場合の通信シーケンスを示す図である。
【図33】制御サーバSVにおいて作成される要求電文の共通フォーマットを示す図である。
【図34】制御サーバSVにおいて作成される応答電文の共通フォーマットを示す図である。
【図35】この発明の他の実施形態に係わる情報配信システムにおける制御サーバSVとクライアント端末との間の接続構成を示す図である。
【符号の説明】
【0165】
CT…防災センタ、SV…制御サーバ(親局)、PCC…クライアント用のパーソナル・コンピュータ、NW1…携帯電話ネットワーク、NW2…IPネットワーク、NW3…MCA無線ネットワーク、SMM…携帯電話子局、SMI…IP子局、SMA…MCA無線子局、SMF…ミニFM放送局、SPM,SPI,SPA…拡声器、MSS…携帯端末、AT…MCA親局、AR…MCA無線子局、AB…MCA中継局、FT…ミニFM送信機、11…CPU、12…バス、13…プログラムメモリ、14…データメモリ、15…通信ポート群、16…外部接続ポート、21…ユーザインタフェースモジュール(ユーザI/F)、221〜22n…連携インタフェースモジュール(連携I/F)、23…配信コンテンツ作成・管理モジュール、24…連携制御応答管理モジュール、25…グループ管理モジュール、26…システム間インタフェースモジュール(システム間I/F)、41…子局回線テーブル、42…子局属性テーブル、44…群テーブル、45…群メンバテーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信対象エリアに分散配置され不特定多数の人に向けて情報を配信する複数の子局に対し、前記配信情報を表す伝送情報を互いに独立する複数のネットワークを選択的に介して送信する情報配信装置であって、
前記複数のネットワークに対応して設けられ、当該ネットワークにおいて規定される通信プロトコルに従い前記複数の子局との間で通信を行う複数のネットワーク・インタフェースと、
外部端末からの配信要求の入力を受け付ける入力インタフェースと、
前記複数のネットワーク・インタフェースを統括的に管理するネットワーク連携制御モジュールと
を具備し、
前記ネットワーク連携制御モジュールは、
前記入力インタフェースが配信要求の入力を受け付けた場合に、当該配信要求の内容を前記複数の子局に伝送するための伝送情報を生成する生成手段と、
前記伝送情報の送信に使用するネットワーク・インタフェースを前記複数のネットワーク・インタフェースの中から選択する選択手段と、
前記生成された伝送情報のデータフォーマットを、前記選択されたネットワークにおいて規定される通信プロトコルに対応するデータフォーマットへ変換する変換手段と、
前記データフォーマットが変換された伝送情報を前記選択されたネットワーク・インタフェースに転送し、このネットワーク・インタフェースから前記複数の子局に向け送信させる送信制御手段と
を備えることを特徴とする情報配信装置。
【請求項2】
前記複数の子局が、配信情報を表す音声ファイルをその識別情報に対応付けて記憶する手段と、この記憶された音声ファイルを選択的に読み出して当該音声ファイルにより表される音声を拡声器から出力する手段とを備える場合に、
前記ネットワーク連携制御モジュールの生成手段は、前記入力インタフェースが配信要求の入力を受け付けた場合に、配信を要求する旨のメッセージと、配信すべき音声ファイルに対応する識別情報と含む伝送情報を生成することを特徴とする請求項1記載の情報配信装置。
【請求項3】
前記複数の子局が、配信情報の種類をチャイム又はサイレンにより表す第1の音声ファイルと、配信情報の内容を音声メッセージにより表す第2の音声ファイルとを、その識別情報に対応付けてそれぞれ記憶する手段と、この記憶された第1及び第2の音声ファイルを識別情報に応じて選択的に読み出し、この読み出された音声ファイルにより表されるチャイム又はサイレン、及び音声メッセージを拡声器から出力する手段とを備える場合に、
前記ネットワーク連携制御モジュールの生成手段は、前記入力インタフェースが配信要求の入力を受け付けた場合に、配信を要求する旨のメッセージと、配信情報の種類を表す第1の音声ファイルに対応する識別情報と、配信情報の内容を表す第2の音声ファイルに対応する識別情報とを含む伝送情報を生成することを特徴とする請求項1記載の情報配信装置。
【請求項4】
前記入力インタフェースは、
前記配信要求及び配信情報の内容を入力するための複数の入力欄を有しかつこれらの入力欄が前記複数のネットワークに対し共通に構成された入力支援画面データを前記外部端末へ送信して表示させる手段と、
前記共通入力画面データの複数の入力欄に入力された配信要求及び配信情報の内容を表す情報を、前記外部端末から受信する手段と
を備え、
前記ネットワーク連携制御モジュールの生成手段は、前記入力インタフェースにより配信要求が受信された場合に、当該配信要求と共に受信された配信情報の内容を表す情報を子局に伝送するための伝送情報を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報配信装置。
【請求項5】
前記入力インタフェースは、
前記外部端末から通信ネットワークを介して送られる起動パケットを受信した場合に、前記複数のネットワーク・インタフェース及び前記ネットワーク連携制御モジュールを起動する手段と、
前記起動後に前記外部端末から通信ネットワークを介して送られる配信要求を受信する手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の情報配信装置。
【請求項6】
前記複数のネットワーク・インタフェースは、インターネット・プロトコル(IP;Internet Protocol)を使用するネットワークに対応するインタフェースと、携帯パケットネットワークに対応するインタフェースと、マルチチャネルアクセス(MCA;Multi Channel Access)ネットワークに対応するインタフェースと、FM放送ネットワークに対応するインタフェースのうち少なくとも2つを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2009−171322(P2009−171322A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8234(P2008−8234)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】