説明

情報配信装置

【課題】 パスワードを通知する際のセキュリティをより向上させることが可能な情報配信装置を提供する。
【解決手段】 情報配信装置10は、所定期間以上継続してユーザのログインが無かった場合に、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURLを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信する電子メール送受信部13と、送信されたURLによって指定されるWebページの配信要求がユーザからあったときに、パスワード通知要求画面(Webページ)を該ユーザに対して配信する配信部12とを備える。また、電子メール送受信部13は、配信されたWebページを通して、ユーザからパスワードの通知要求があった場合に、該ユーザのパスワードを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信装置に関し、特に、パスワードの通知機能を有する情報配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源利用が制限されているコンピュータシステムへのログイン時等に、ユーザから入力されたユーザIDとパスワードとに基づいて認証を行うことにより、コンピュータシステムのセキュリティを確保する手法が広く利用されている。このようなコンピュータシステムでは、ユーザから入力されたユーザIDとパスワードが、コンピュータシステムに登録されているものと一致した場合に、該コンピュータシステムの資源へのアクセスが許可される。そのため、パスワードを忘れてしまった場合には、コンピュータシステムの資源にアクセスすることができなくなってしまう。
【0003】
このような問題を解決するため、特許文献1には、ユーザがパスワードを忘れたためにログインできないときにサーバの管理者からパスワードを通知してもらえるようにしたシステムが開示されている。このシステムは、ユーザによって入力されたパスワードが登録されているパスワードと一致しなかった回数が基準回数を超えた場合に、ユーザの同意を確認した上で、パスワード通知を要求する電子メールをシステム管理者に送信する。システム管理者は、この電子メールを受信し、同時に通知されるユーザの識別情報をもとに、電子メールによってユーザにパスワードを通知する。
【特許文献1】特開2002−132725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のシステムでは、第三者がパスワードの通知要求を行うことが可能である。そのため、この第三者は、パスワードが通知されるタイミングを知ることができる。その結果、上記システムでは、電子メールで本人宛にパスワードを通知する構成になってはいるものの、この第三者によって、例えばシステムから送信された電子メールが盗聴されること等により、通知されたパスワードが取得されるおそれがあった。よって、セキュリティが必ずしも充分であるとはいえなかった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、パスワードを通知する際のセキュリティをより向上させることが可能な情報配信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報配信装置は、端末から入力されるユーザのパスワードに基づいて、ログインの可否を判断する情報配信装置において、所定期間以上継続してユーザのログインが無かった場合に、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURL(Uniform Resource Locator)を、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信するURL送信手段と、URL送信手段により送信されたURLによって指定されるWebページの配信要求がユーザからあったときに、Webページを配信するWebページ配信手段と、Webページ配信手段により配信されたWebページを通して、ユーザからパスワードの通知要求があった場合に、該ユーザのパスワードを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信するパスワード送信手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る情報配信装置によれば、所定期間以上継続してユーザからログインが無かった場合に、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURLが情報配信装置側からユーザ宛に電子メールで送信されるため、第三者は、この電子メールがどのようなタイミングで送信されるのかを知ることができない。そのため、第三者によってWebページのURL情報を含む電子メールが盗聴されることを適切に防止することができる。このように盗聴が防止された環境下で、WebページのURL情報及びパスワードが、ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信されるため、登録されているユーザ本人のみが、当該Webページを閲覧することができ(すなわち、パスワードの通知要求を行うことができ)、またパスワードを受け取ることができる。その結果、パスワードを通知する際のセキュリティをより向上させることが可能となる。
【0008】
また、本発明に係る情報配信装置によれば、パスワードの通知に際してシステム管理者が介在する必要がないため、システム管理者でさえもパスワードを通知することができないようなセキュリティが極めて高いシステムにも適用することができる。なお、本明細書中において、「ログイン」という文言は、コンピュータシステムの利用開始時に該コンピュータシステムにアクセスできる状態にすることの他、コンピュータシステムの使用中にパスワードで保護されているデータファイル等の資源にアクセス可能な状態にすることを含むものとする。
【0009】
本発明に係る情報配信装置では、上記所定期間が、ランダムに設定されることが好ましい。
【0010】
このようにすれば、第三者は、上記WebページのURL情報を含む電子メールが送信されるタイミングを予測することもできない。そのため、第三者によってWebページのURL情報を含む電子メールが盗聴されることをより確実に防止することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る情報配信装置では、WebページのURLが、ユーザ毎に設定されることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、ユーザとWebページのURLとを対応付けることができるため、Webページにアクセスしているユーザを特定することができる。そのため、ユーザ本人のパスワードを間違いなく通知することが可能となる。
【0013】
本発明に係る情報配信装置では、パスワード送信手段が、WebページのURLが送信された後、一定期間を経過した場合には、ユーザのパスワードが記載された電子メールを送信しないことが好ましい。
【0014】
この場合、パスワードの通知要求を受け付ける期間が一定期間内に制限されるため、この一定期間経過後に第三者が偶然に当該Webページにたどり着いたような場合にも、セキュリティを確保することが可能となる。
【0015】
本発明に係る情報配信装置では、URL送信手段が、WebページのURLをユーザに送信した後、さらに所定期間以上継続してユーザからログインが無かった場合に、WebページのURLを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで再送信することが好ましい。
【0016】
このようにすれば、ユーザが無期限にログインできなくなる危険性を回避することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定期間以上継続してユーザからログインが無かった場合に、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURLを該ユーザ宛に電子メールで送信するとともに、送信されたURLからアクセスされたWebページを通して該ユーザからパスワードの通知要求があった場合に、該ユーザのパスワードを該ユーザ宛に電子メールで送信する構成としたので、パスワードを通知する際のセキュリティをより向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。また、ここでは、実施形態に係る情報配信装置がネットワーク複合機に搭載された場合を例にして説明する。
【0019】
まず、図1、2を用いて、情報配信装置10が搭載されたネットワーク複合機1を含む通信システムの構成、及び情報配信装置10が搭載されたネットワーク複合機1の全体構成について説明する。図1は、情報配信装置10が搭載されたネットワーク複合機1を含む通信システムの構成例を示す図である。また、図2は、情報配信装置10が搭載されたネットワーク複合機1の全体構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示された通信システムは、入力されるユーザID及びパスワードに基づいてログインを許可又は拒否するとともに、所定期間以上継続してログインが無かったときにパスワードの通知処理を行うネットワーク複合機1と、このネットワーク複合機1とインターネット3を介して接続され、ユーザの操作によりネットワーク複合機1にログインしてネットワーク複合機1の資源を利用するとともに、上述したパスワードの通知先となるクライアント端末(以下「ユーザ端末」という)2とから主に構成されている。なお、図1では、一台のユーザ端末2がネットワーク複合機1に接続されている通信システムの例を示したが、ネットワーク複合機1に接続されるユーザ端末の台数は複数であってもよい。
【0021】
ネットワーク複合機1は、ネットワーク対応されたスキャナ、プリンタ、コピー、ファクシミリ、IFAX(インターネットファクシミリ)の各機能に加えて、電子メール送受信機能、Webサーバ機能、ユーザ認証機能、及びパスワード通知機能を有するものである。これらの各機能を実現するためにネットワーク複合機1は、情報配信装置10、操作部15、表示部16、読取部17、記録部18、コーデック19、画像記憶部20、モデム21、NCU22、IFAX制御部23、及びLANインターフェース24等を備えている。なお、各部は通信線30で相互に通信可能に接続されている。
【0022】
情報配信装置10は、所定期間以上継続してユーザのログインが無かった場合に、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURLを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信する。また、情報配信装置10は、送信したURLによって指定されるWebページの配信要求がユーザからあったときに、このWebページをユーザ端末2に対して配信する。さらに、情報配信装置10は、配信したWebページを通して、ユーザ端末2からパスワードの通知要求があった場合に、対応するユーザのパスワードを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信する。そのため、情報配信装置10は、制御部11、配信部12、電子メール送受信部13、及び認証部14を有して構成されている。
【0023】
制御部11は、演算を行うマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを一時的に記憶するRAM、及びデータがバックアップされているバックアップRAM11A等により構成されている。制御部11は、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、以下に説明する情報配信装置10を構成する各部の機能を実現するとともに、ネットワーク複合機1を構成する他のハードウェアを統合的に制御する。また、制御部11を構成するバックアップRAM11Aは、図3に示されるパスワード管理テーブル、すなわち、ユーザID、パスワード、電子メールアドレス、最終ログイン日時、及びURLそれぞれをユーザ毎に関連付けて管理するパスワード管理テーブルを記憶している。
【0024】
配信部12は、Webサーバ機能を有しており、パスワードの通知要求情報を表示するWebページの配信要求がユーザ端末2からあったときに、HTMLで記述されたパスワード通知要求画面(Webページ)をユーザ端末2に対して配信する。また、配信部12は、パスワード通知要求画面に対して、ユーザ端末2からアクセスして所定のHTTPタスク、すなわちパスワードの通知を要求することを可能にする。すなわち、配信部12は、特許請求の範囲に記載のWebページ配信手段として機能する。なお、配信部12は、ユーザ端末2からパスワード通知要求を受信した場合、その受信結果を電子メール送受信部13に出力する。
【0025】
電子メール送受信部13は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)及びPOP(Post Office Protocol)に従って電子メールの送受信を行う機能を有している。電子メール送受信部13は、上述したパスワード管理テーブルに記憶されている最終ログイン日時から所定期間(例えば、1週間とか1ヶ月とか)以上継続してユーザのログインが無かった場合に、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURL及び該Webページにログインするためのパスワードを、パスワード管理テーブルに登録されている該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信する。ここで、上記所定期間はランダムに変更され設定される。なお、例えばユーザの業務状況等を考慮して所定期間を設定してもよい。また、上述したURLは、第三者がWebページに偶然にたどり着けないように、例えば、容易に予想できない複雑な文字列、及び/又は長い文字列で構成することが好ましい。さらに、電子メール送受信部13は、WebページのURLをユーザに送信した後、さらに所定期間以上継続してユーザからログインが無かった場合に、WebページのURLを該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで再送信する。
【0026】
また、電子メール送受信部13は、配信部12においてユーザ端末2からのパスワード通知要求が受信された場合に、対応するユーザのパスワードを、パスワード管理テーブルに登録されている該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信する。ただし、電子メール送受信部13は、WebページのURLが送信された後、一定期間(例えば1日)を経過した場合には、それ以後のユーザからのパスワード通知要求を無効とし、パスワードの送信を行わない。すなわち、電子メール送受信部13は、特許請求の範囲に記載のURL送信手段、及びパスワード送信手段として機能する。
【0027】
認証部14は、情報配信装置10を含むネットワーク複合機1を使用するユーザの認証を行う。認証部14は、上述したパスワード管理テーブルに登録されているユーザID及びパスワードと、ユーザ端末2から受信したユーザID及びパスワードとが一致するか否かに基づいて、ユーザの認証を行う。
【0028】
その他、操作部15は、ネットワーク複合機1を操作するために用いられる複数のキー、例えば、テンキー、短縮キー、スタートキー、ストップキー、及び各種のファンクションキー等を備えている。表示部16は、LCD等を用いた表示装置であり、ネットワーク複合機1の動作状態及び/又は各種設定内容等を表示する。読取部17は、CCD等によって原稿を読み取って画像データを生成する。記録部18は、電子写真方式のプリンタであり、読取部17で生成された画像データ及びFAX受信された画像データ等を用紙にプリントアウトする。
【0029】
また、コーデック19は、読取部17で生成された画像データを符号化圧縮するとともに符号化圧縮されている画像データを復号する。画像記憶部20は、DRAM等で構成されており、コーデック19で符号化圧縮された画像データ、及びFAX受信された画像データ等を記憶する。モデム(変復調器)21は、ディジタル信号とアナログ信号との間の変復調を行う。NCU(Network Control Unit)22は、モデム21と接続されており、モデム21とPSTN(公衆交換電話網)5との接続を制御する。
【0030】
IFAX制御部23は、インターネット環境を利用し、送信原稿をTIFF/PDF形式の画像データとして、メールに添付して送信する。また、IFAX制御部23は、設定された時間毎にPOPサーバからメールを受信し、自動的にプリントアウトする。LANインターフェース24は、ネットワーク複合機1がLAN4と通信可能に接続するインターフェースである。LAN4は、ルータ6を介してインターネット3と接続されている。
【0031】
ユーザ端末2は、ユーザによって利用されるパーソナルコンピュータであり、WebアプリケーションをブラウズするためのWebブラウザを搭載している。また、ユーザ端末2は、SMTP及びPOPに従って電子メールの送受信を行うメーラを搭載している。ユーザは、ユーザ端末2上で稼動するWebブラウザを介して情報配信装置10にアクセスし、情報配信装置10にログインするためのWebアプリケーションをブラウズすることにより、ユーザID及びパスワードを入力して情報配信装置10にログインする。また、ユーザは、Webブラウザを介して情報配信装置10にアクセスし、パスワードの通知を要求するためのWebアプリケーションをブラウズすることにより、パスワードの通知を要求する。
【0032】
次に、図4を参照しつつ、情報配信装置10の動作について説明する。図4は、情報配信装置10によるパスワード通知処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、ネットワーク複合機1(情報処理装置10)の電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0033】
ステップS100では、バックアップRAM11Aのパスワード管理テーブルに記憶されている最終ログイン日時から所定期間(例えば1週間)以上継続してユーザがログインしていないか否かについての判断が行われる。ここで、所定期間以上、該ユーザがログインしていない場合には、ステップS102に処理が移行する。一方、該ユーザがログインしていない期間が所定期間未満であるときには、ログインしていない期間が所定期間以上となるまで本処理が繰り返して実行される。
【0034】
所定期間以上、該ユーザがログインしていない場合には、該ユーザがパスワードを忘れてログインできなくなっているおそれがあるため、ステップS102では、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURL及び該Webページにログインするためのパスワードが、パスワード管理テーブルに登録されている該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信される。なお、パスワードの通知要求情報を表示するWebページにログインするためのパスワードは、このWebページにログインするときにのみ有効な専用のパスワードである。
【0035】
ここで、WebページのURL及び該Webページにログインするためのパスワードが記載された電子メールを受け取ったユーザが、ユーザ端末2のWebブラウザを起動してURL及びパスワードを入力し、情報配信装置10が用意しているパスワード通知要求画面にアクセスするための操作を行うと、ユーザ端末2は、この操作を受け付け、パスワード通知要求画面要求としてHTTPリクエストを送信する。
【0036】
続いて、ステップS104では、ユーザ端末2からパスワード通知要求画面要求を受信したか否かについての判断が行われる。ここで、ユーザ端末2からパスワード通知要求画面要求があった場合には、ステップS106において、記憶しているパスワード通知要求画面データを読み出し、これらをHTTPレスポンスとしてユーザ端末2に送信する。その後、ステップS110に処理が移行する。
【0037】
一方、ユーザ端末2からパスワード通知要求画面要求が無いときには、ステップS108に処理が移行する。ステップS108では、最終ログイン日時から所定期間(例えば1週間)以上継続してユーザがログインしていないか否かについての判断が行われる。ここで、所定期間以上、該ユーザがログインしていない場合には、ステップS102に処理が移行し、再度、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURLが、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信される。一方、該ユーザがログインしていない期間が所定期間未満であるときには、ステップS104に処理が戻り、ユーザ端末2からパスワード通知要求画面要求を受信するか、或いは、ログインしていない期間が所定期間以上となるまで、ユーザ端末2からパスワード通知要求画面要求を受信したか否かについての判断が繰り返して行われる。
【0038】
上述したステップS106において、パスワード通知要求画面データが配信された場合、ユーザ端末2は、このパスワード通知要求画面データを受信して、ディスプレイに表示することができる。ここで、ユーザ端末2に表示されるパスワード通知要求画面の一例を図5に示す。図5に示されるように、このパスワード通知要求画面は、パスワードの通知を要求するための「パスワード通知メール送信要求ボタン」を有しており、このボタンをクリックすることにより、パスワード通知メールの送信要求、すなわち、パスワードの通知要求を行うことができるようになっている。ユーザがパスワード通知メール送信要求ボタンをクリックした場合に、ユーザ端末2はこの操作を受け付け、情報配信装置10にパスワードの通知要求を送信する。
【0039】
ステップS110では、ユーザ端末2からパスワードの通知要求を受信したか否かについての判断が行われる。ここで、パスワードの通知要求を受信した場合には、ステップS112に処理が移行する。一方、パスワードの通知要求を受信していないときには、パスワードの通知要求を受信するまで、本処理が繰り返して実行される。
【0040】
ステップS112では、WebページのURLが送信された後、一定期間(例えば1日)を経過しているか否かについての判断が行われる。ここで、一定期間を経過してしまっているときには、ステップS114に処理が移行する。一方、一定期間を経過していない場合には、ステップS116に処理が移行する。
【0041】
一定期間を経過してしまっているときには、ステップS114において、ユーザからのパスワード通知要求が無効とされ、パスワードの通知が停止される。その後、ステップS100に処理が移行し、上述したステップS100以降の処理が、再度実行される。
【0042】
一方、ステップS114では、パスワード管理テーブルに登録されている該ユーザのパスワードが、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信される。ここで、ユーザ端末2は、電子メールを受信したときに、ディスプレイに受信された電子メールを表示する。図6に、ユーザ端末2のディスプレイに表示される電子メール受信画面の一例を示す。ユーザが、受信された電子メール(パスワード通知メール)を開封することにより、パスワード通知メールに記載されているパスワードがユーザ端末2のディスプレイに表示される。これにより、ユーザはパスワードを取得することができる。
【0043】
本実施形態によれば、所定期間以上継続してユーザからログインが無かった場合に、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURLが情報配信装置10側からユーザ宛に電子メールで送信されるため、第三者は、この電子メールがどのようなタイミングで送信されるのかを知ることができない。そのため、第三者によってWebページのURL情報を含む電子メールが盗聴されることを適切に防止することができる。このように盗聴が防止された環境下で、WebページのURL情報及びパスワードが、ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信されるため、登録されているユーザ本人のみが、当該Webページを閲覧することができ(すなわち、パスワードの通知要求を行うことができ)、またパスワードを受け取ることができる。その結果、パスワードを通知する際のセキュリティをより向上させることが可能となる。
【0044】
なお、本実施形態によれば、パスワードの通知に際してシステム管理者が介在する必要がないため、システム管理者でさえもパスワードを通知することができないようなセキュリティが極めて高いシステムにも適用することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、ユーザがパスワードを忘れたと推測するための期間(所定期間)がランダムに設定されるため、第三者は、WebページのURL情報を含む電子メールが送信されるタイミングを予測することもできない。そのため、第三者によってWebページのURL情報を含む電子メールが盗聴されることをより確実に防止することが可能となる。
【0046】
本実施形態によれば、WebページのURLがユーザ毎に設定されるため、ユーザとWebページのURLとを対応付けることができ、Webページにアクセスしているユーザを特定することができる。そのため、ユーザ本人のパスワードを間違いなく通知することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態によれば、WebページのURLが送信された後、一定期間を経過した場合には、ユーザのパスワードが記載された電子メールが送信されない。このように、パスワードの通知要求を受け付ける期間が一定期間内に制限されるため、この一定期間経過後に第三者が偶然に当該Webページにたどり着いたような場合にも、セキュリティを確保することが可能となる。
【0048】
本実施形態によれば、WebページのURLがユーザに送信された後、さらに所定期間以上継続してユーザからログインが無かった場合に、WebページのURLが、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで再送信されるため、ユーザが無期限にログインできなくなる危険性を回避することが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態によれば、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURLが記載された電子メールを受け取った場合に、ユーザがパスワードを忘れていないのであれば、このWebページにアクセスしなくてもよいため、ユーザに余計な煩わしさを与えることがない。
【0050】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明をネットワーク複合機に搭載したが、ネットワーク複合機の構成及び機能分担等は上記実施形態に限定されない。また、本発明は一般的なWebサーバ等のコンピュータシステムにも適用することができる。
【0051】
また、上記実施形態では、ネットワーク複合機1とユーザ端末2とがインターネット3を介して接続されていたが、インターネットに代えて、イントラネット等のネットワークによって接続される構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施形態に係る情報配信装置が搭載されたネットワーク複合機を含む通信システムの構成例を示す図である。
【図2】ネットワーク複合機の全体構成を示すブロック図である。
【図3】パスワード管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】パスワード通知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ユーザ端末のディスプレイに表示されるパスワード通知要求画面の一例を示す図である。
【図6】ユーザ端末のディスプレイに表示されるパスワード情報を含む電子メールの受信画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 ネットワーク複合機
2 ユーザ端末
3 インターネット
4 LAN
5 PSTN
6 ルータ
10 情報配信装置
11 制御部
11A バックアップRAM
12 配信部
13 電子メール送受信部
14 認証部
15 操作部
16 表示部
17 読取部
18 記録部
19 コーデック
20 画像記憶部
21 モデム
22 NCU
23 IFAX制御部
24 LANインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末から入力されるユーザのパスワードに基づいて、ログインの可否を判断する情報配信装置において、
所定期間以上継続してユーザのログインが無かった場合に、パスワードの通知要求情報を表示するWebページのURLを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信するURL送信手段と、
前記URL送信手段により送信された前記URLによって指定される前記Webページの配信要求が前記ユーザからあったときに、前記Webページを配信するWebページ配信手段と、
前記Webページ配信手段により配信された前記Webページを通して、前記ユーザからパスワードの通知要求があった場合に、該ユーザのパスワードを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで送信するパスワード送信手段と、を備えることを特徴とする情報配信装置。
【請求項2】
前記所定期間は、ランダムに設定されることを特徴とする請求項1に記載の情報配信装置。
【請求項3】
前記WebページのURLは、ユーザ毎に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報配信装置。
【請求項4】
前記パスワード送信手段は、前記WebページのURLが送信された後、一定期間を経過した場合には、前記ユーザのパスワードが記載された電子メールを送信しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報配信装置。
【請求項5】
前記URL送信手段は、前記WebページのURLを前記ユーザに送信した後、さらに所定期間以上継続して前記ユーザからログインが無かった場合に、前記WebページのURLを、該ユーザのメールアドレス宛に電子メールで再送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報配信装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−251636(P2009−251636A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94779(P2008−94779)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】