説明

情報開示支援装置、情報開示支援方法及び情報開示支援プログラム

【課題】非開示対象として指定した位置情報に加え、この非開示領域と関連性を持つ開示領域を開示しないようにして、情報の利用価値を維持しつつ秘匿性の向上を図る。
【解決手段】開示/非開示領域決定処理において、移動経路上に設定される「仮の開示領域」VEの中に「非開示領域」NEに含まれる領域が存在する場合に、この領域の前後においてそれぞれ「非開示領域」NEと他の過去の経路の領域との間に存在する各領域を「仮の開示領域」VEから「未定領域」GEに変更する。そして、新たに取得された移動経路に対し開示/非開示を判定する際に、上記開示/非開示領域の決定結果に基づいて、新たな移動経路が「非開示領域」NEを通過する場合に、この新たな移動経路上の位置情報のうち、「非開示領域」NEと過去の移動経路による「開示領域」DEとに挟まれる区間の位置情報を「非開示対象」と判定するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯端末やパーソナル・コンピュータのメモリに蓄積されているユーザの移動履歴に関する情報を開示するために使用される情報開示支援装置、情報開示支援方法及び情報開示支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種センサの小型化により、携帯電話機をはじめユーザが常時所持する携帯端末やパーソナル・コンピュータ内に各種センサを搭載し、ユーザの状態を常時センシングすることが可能となってきている。また、上記センシングにより得られるユーザの日常生活の状態を表す情報、つまりライフログ又は体験情報と呼ばれるユーザの行動履歴に関する情報を開示することで、当該ユーザに対しその行動履歴に応じた各種サービスを提供する試みがなされている。
【0003】
しかしながら、センシングにより得られる情報の中には、ユーザが開示したくない情報も含まれている場合がよくある。このため、ユーザが安心してサービスを利用できるようにするには、行動履歴情報を開示する際にユーザ自身が情報開示の可否を設定できるようにすることが不可欠である。
【0004】
そこで、従来では位置情報から自身が特定されるというプライバシの問題を回避するために、送信者が位置情報形式条件と位置情報精度条件を指定し、この指定された条件をもとに位置情報の送信を制限する技術が提案されている。具体的には、位置情報形式条件としては「地名形式、道路形式」が指定され、位置情報精度条件としては非開示とする位置の誤差が指定される。この技術を採用すると、非開示とする位置情報とその周辺の誤差範囲は非開示とすることができる(例えば特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−244547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前記従来の技術では、非開示とする位置の周辺に当該非開示領域と関連性を有する開示領域が存在すると、この周辺の開示領域の情報をもとに上記非開示領域を類推することが可能となる場合があり、十分な秘匿性を維持できない。また、秘匿性を高めるために位置情報精度条件を厳しく設定すると、徒に非開示領域が拡大してしまい、開示情報の利用価値の低下を招く。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、非開示対象として指定された領域に止まらず、この非開示領域と関連性を持つ開示領域についても開示されないようにし、これにより開示情報の利用価値を維持しつつ秘匿性の向上を図った情報開示支援装置、情報開示支援方法及び情報開示支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の観点は、ユーザが滞在した複数の位置を含む移動履歴情報を記憶する手段と、非開示に設定すべき領域を表す非開示ルール情報を記憶する手段と、開示対象の単位領域の大きさを指定するパラメータ情報を記憶する手段と、開示/非開示決定手段と、開示/非開示判定手段とを備える。そして、開示/非開示決定手段により、上記記憶された過去の移動履歴情報、非開示ルール情報及びパラメータ情報に基づいて、非開示領域と、この非開示領域及び当該非開示領域に到達するまでの移動経路上及び到達後の移動経路上に位置する領域をそれぞれ除外した開示領域をそれぞれ設定し、その設定結果を表す情報を記憶する。また、開示/非開示判定手段により、上記移動履歴記憶手段に新たな移動履歴情報が記憶された場合に、当該移動履歴情報に含まれる位置を含む領域を開示対象とするか非開示対象とするかを、上記開示/非開示決定手段による設定結果を表す情報に基づいて判定するようにしたものである。
【0009】
したがって、この発明の一観点によれば、非開示ルール情報により設定された非開示領域に加え、当該非開示領域に到達するまでの移動経路上及び到達後の移動経路上に位置する開示領域がそれぞれ非開示領域に設定される。このため、開示された移動経路の情報から非開示領域が容易に推測されないようにすることができ、これにより移動履歴情報の秘匿性を高めることが可能となる。また、非開示領域の推測には寄与しない情報についてはそのまま開示されるので、開示情報の利用価値を維持することが可能となる。
【0010】
また、この発明の第1の観点は以下のような態様を備えることを特徴とする。
第1の態様は、上記開示/非開示を決定する手段又は過程として、非開示ルール情報に基づいて非開示領域を設定する手段又は過程と、過去の移動履歴情報及びパラメータ情報に基づいて仮の開示領域を設定する手段又は過程と、上記設定された非開示領域及び移動履歴情報に基づいて、当該非開示領域に到達するまでの移動経路上及び到達後の移動経路上に位置する前後領域をそれぞれ検出する手段又は過程と、上記検出された前後領域を上記設定された仮の開示領域から削除し、この削除後の領域を開示領域として設定する手段又は過程とを備えるものである。
このようにすると、仮の開示領域を定義することで、開示領域及び非開示領域の設定処理を効率良くかつ正確に行うことが可能となる。
【0011】
第2の態様は、上記開示/非開示判定手段又は過程として、上記新たな移動履歴情報に含まれる位置が上記設定された開示領域に含まれるか非開示領域に含まれるかを判定し、この判定結果に基づいて開示領域に含まれると判定された位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定し、非開示領域に含まれると判定された位置とその周辺の単位領域を非開示対象に設定する第1の手段と、上記新たな移動履歴情報に含まれる位置が上記設定された開示領域及び非開示領域のいずれにも含まれないと判定された場合に、当該移動履歴情報により表される移動経路が上記設定された開示領域を通らずに上記設定された非開示領域に入る可能性があるか否かを判定し、可能性がないと判定された場合に当該移動経路上の位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定する第2の手段と、上記新たな移動履歴情報に含まれる位置が、上記第1及び第2の手段により開示対象及び非開示対象のいずれにも設定されなかった場合に、当該位置を一時保存する第3の手段と、上記新たな移動履歴情報に含まれる位置のうち、上記一時保存された位置より時間的に後に得られた位置が上記第1又は第2の手段により開示対象に設定された場合には、当該一時保存された位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定する第4の手段と、上記新たな移動履歴情報に含まれる位置のうち、上記一時保存された位置より時間的に後に得られた位置が上記第1の手段により非開示対象に設定された場合には、当該一時保存された位置とその周辺の単位領域を非開示対象に設定する第5の手段とを備えるものである。
このようにすると、移動履歴情報により表される移動経路が開示領域を通らずに非開示領域に入る可能性がない場合には、当該移動経路上の位置とその周辺の単位領域は即開示対象に設定される。このため、効率のよい開示/非開示判定を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
すなわちこの発明によれば、非開示対象として指定された位置に加え、この非開示領域と関連性を持つ開示領域についても開示されないようにすることができ、これにより情報の利用価値を維持しつつ秘匿性の向上を図った情報開示支援装置、情報開示支援方法及び情報開示支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明に係わる情報開示支援装置の一実施形態であるユーザ端末のハードウエア及びソフトウエアの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す情報開示支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した情報開示支援装置の位置情報蓄積部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】図1に示した情報開示支援装置の非開示ルール蓄積部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】図1に示した情報開示支援装置による開示/非開示領域決定処理の手順と処理内容を示すフローチャートである。
【図6】図5に示した開示/非開示領域決定処理による位置情報取得処理と開示領域設定処理の説明に使用するための図である。
【図7】図5に示した開示/非開示領域決定処理による開示領域変更処理の説明に使用するための図である。
【図8】図1に示した情報開示支援装置による開示/非開示判定処理の手順と処理内容を示すフローチャートである。
【図9】図8に示した開示/非開示判定処理の説明に使用するための図である。
【図10】図8に示した開示/非開示判定処理の説明に使用するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わる情報開示支援装置の機能を備えたユーザ端末UTのハードウエアとソフトウエアの構成を示すブロック図である。
ユーザ端末UTは、例えば携帯可能なパーソナル・コンピュータ又は携帯電話機からなり、マイクロプロセッサからなる中央処理ユニット(CPU;Central Processing Unit)11を備える。このCPU11には、バス12を介してプログラムメモリ13及びデータメモリ14が接続され、さらに位置計測ユニットとしてのGPS受信機15と、通信インタフェース(通信I/F)16と、入出力インタフェース(入出力I/F)17が接続されている。
【0015】
GPS受信機15は、CPU11の制御の下で、図示しない複数のGPS衛星が送信するGPS信号をそれぞれ受信する。なお、GPS受信機を用いる代わりに、移動通信網の基地局等から位置情報を取得するようにしてもよい。
通信I/F16は、CPU11の制御の下で、図示しない通信ネットワークにより規定される通信プロトコルに従い、Webサーバとの間で移動履歴情報を送信しかつこの移動履歴情報に応じたサービス情報を受信するための通信を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用される。
【0016】
入出力I/F17には、入力デバイス18及び表示デバイス19が接続される。入力デバイス18は、例えばパーソナル・コンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)であればキーボード、携帯電話機であればダイヤルキーパッドと複数の機能キーにより構成される。なお、その他にタッチパネルなどを用いることも可能である。表示デバイス19は液晶又は有機ELディスプレイからなる。入出力I/F17は、上記入力デバイス18による操作情報をCPU11に伝えると共に、CPU11からの指示に従い移動履歴情報等の表示データを上記表示デバイス19に表示させる。
【0017】
データメモリ14には、この発明を実施するために必要な情報蓄積部として、位置情報蓄積部141と、非開示ルール蓄積部142と、パラメータ蓄積部143と、未判定位置情報一時蓄積部144が設けられている。
位置情報蓄積部141は、後述する位置情報取得制御プログラム131により生成される自端末の位置情報を移動履歴情報として蓄積するために用いられる。非開示ルール蓄積部142は、後述する非開示ルール設定制御プログラム132に従い、ユーザが非開示指定位置として入力デバイス18等から入力指定した位置情報を記憶するために用いられる。この非開示ルールとしての位置情報は、例えば緯度・経度でもよいが、住所でもよく、或いは建物名や会社名、学校名等の固有名称でもよい。パラメータ蓄積部143は、移動履歴情報に含まれる各位置の各々についてその周辺の開示対象範囲を表すパラメータを記憶するために用いられる。パラメータは、例えば「緯度・経度から半径50m」のように表され、事前にユーザにより入力設定される。未判定位置情報一時蓄積部144は、後述する開示/非開示領域決定プログラム133により移動履歴情報について「開示領域」とするか又は「非開示領域」とするかを決定する過程において、「開示領域」及び「非開示領域」のいずれにも含まれない「未定領域」を一時的に記憶するために使用される。
【0018】
プログラムメモリ13には、この発明を実施するために必要なアプリケーション・プログラムとして、位置情報取得制御プログラム131と、非開示ルール設定制御プログラム132と、開示/非開示領域決定プログラム133と、開示/非開示判定プログラム134が格納されている。
【0019】
位置情報取得制御プログラム131は、例えばタイマにより一定の周期でトリガ信号が発生されるごとに、又はユーザにより位置計測指示操作が行われるごとに、GPS受信機15からGPS受信信号を取り込む。そして、この取り込んだGPS受信信号をもとに時刻、緯度及び経度を含む位置情報を計算し、この計算された位置情報を位置情報蓄積部141に記憶させる処理を、上記CPU11に実行させる。なお、上記位置情報に含まれる緯度・経度をもとに、対応する住所或いは固有名称をデータメモリ14に記憶された地図データ或いはWeb上の地図データサーバから検索し、この検索された住所或いは固有名称を上記位置情報の代わりに或いは付加して上記位置情報蓄積部141に記憶させるようにしてもよい。
【0020】
非開示ルール設定制御プログラム132は、ユーザが入力デバイス18において非開示ルール設定要求を入力した場合に起動され、ユーザが入力デバイス18において入力する非開示設定ルールを表す情報を入出力インタフェース17から取り込んで、データメモリ14内の非開示ルール蓄積部142に記憶させる処理を、上記CPU11に実行させる。
【0021】
開示/非開示領域決定プログラム133は、以下の処理をCPU11に実行させる。
(1) 位置情報蓄積部141から、過去に開示対象と判断された移動履歴情報の位置情報を読み込むと共に、パラメータ蓄積部143から「開示領域」DEを決定するためのパラメータを読み込む。そして、上記位置情報に対し上記パラメータをもとに「仮の開示領域」VEを設定する処理。
【0022】
(2) 非開示ルール蓄積部142から非開示ルールとして記憶された「非開示領域」NEを読み込み、上記設定された「仮の開示領域」VEの中で上記「非開示領域」NEに含まれる領域の有無を判定する。そして、「非開示領域」NEに含まれる「仮の開示領域」VEがある場合に、当該「仮の開示領域」VEよりも時間的に古い位置情報の中で、他の移動履歴の位置情報と重なりかつ上記「非開示領域」VEに含まれていない領域を検出する処理。
【0023】
(3) 上記検出された領域に挟まれる区間に存在する各領域を、「仮の開示領域」VEから「未定領域」GEに変更する処理。
【0024】
開示/非開示判定プログラム134は、新たな移動履歴情報が取得された場合に以下の処理をCPU11に実行させる。
(1) 新たな移動履歴情報に含まれる各位置情報が、位置情報蓄積部141に記憶されている過去の移動履歴情報に対し設定された「開示領域」DEに含まれるか否かを判定し、含まれる場合に上記新たな位置情報に対応する開示/非開示フラグを「開示」に設定する処理。
【0025】
(2) 上記新たな移動履歴情報に含まれる各位置情報が「開示領域」DEに含まれないと判定された場合に、当該移動履歴情報に含まれる各位置情報が「開示領域」DEに一度も入ることなく上記「非開示領域」NEに入る可能性があるか否かを判定し、可能性がなければ当該新たな各位置情報に対し開示/非開示フラグを「開示」に設定する処理。
【0026】
(3) 上記新たな移動履歴情報に含まれる各位置情報が「開示領域」DEに一度も入ることなく上記「非開示領域」NEに入る可能性があると判定された場合に、当該位置情報が「非開示領域」NEに含まれるか否かを判定する。そして、含まれると判定された位置情報に対し開示/非開示フラグを「非開示」に設定し、含まれないと判定された位置情報を未判定位置情報一時蓄積部144に「未定領域」GEとして記憶させる処理。
【0027】
(4) 上記(1) による開示/非開示フラグの「開示」設定処理において、未判定位置情報一時蓄積部144に「未定領域」GEの位置情報が記憶されている場合には、当該「未定領域」GEの位置情報に対し、開示/非開示フラグを「開示」に設定する処理。
【0028】
(5) 上記(3) による開示/非開示フラグの「非開示」設定処理において、未判定位置情報一時蓄積部144に「未定領域」GEの位置情報が記憶されている場合には、当該「未定領域」GEの位置情報に対し、開示/非開示フラグを「非開示」に設定する処理。
【0029】
(6) 上記(1) 〜(5) による判定の結果、開示/非開示フラグが「開示」に設定された位置情報を位置情報蓄積部141から選択的に読み出し、この読み出した位置情報を反映した開示用の移動履歴情報を生成する。そして、この生成された開示用の移動履歴情報を入出力インタフェース17を介して表示デバイス19に表示させるか、又は通信インタフェース16から開示先の端末へ送信させる処理。
【0030】
図2は、図1に示したユーザ端末UTにより実現される情報開示支援機能を示すブロック図である。同図において、位置情報取得部21は位置情報取得制御プログラム131と及びGPS受信機15により構成され、非開示ルール設定部22は非開示ルール設定制御プログラム132と、入出力インタフェース17、入力デバイス18及び表示デバイス19により構成される。開示/非開示領域決定部23は開示/非開示領域決定プログラム133により構成され、また開示/非開示判定部24は開示/非開示判定プログラム134により構成される。開示位置情報出力部25は、開示/非開示判定プログラム134と、入出力インタフェース17、表示デバイス19及び通信インタフェース16により構成される。
【0031】
次に、以上のように構成されたユーザ端末UTによる移動履歴情報の開示/非開示制御動作を説明する。
(1)非開示ルール情報の設定
ユーザ端末UTのユーザが入力デバイス18により非開示ルールの設定要求を入力すると、CPU11は非開示ルール設定制御プログラム132の制御の下で、ユーザが入力デバイス18において以後入力する非開示設定ルールを表す情報を入出力インタフェース17から取り込む。そして、この取り込んだ非開示ルール情報をデータメモリ14内の非開示ルール蓄積部142に記憶させる。
【0032】
例えば、ユーザは非開示対象領域と設定したい場所の住所、建物の名称又は会社名等を入力デバイス18により入力する。そうすると、CPU11はこの入力された住所、建物の名称又は会社名をもとに、データメモリ14内の地図データ蓄積部(図示せず)に記憶されている地図データから対応する位置の緯度経度を検索し、この検索された緯度経度を非開示ルール情報として非開示ルール蓄積部142に記憶させる。図4にその記憶結果の一例を示す。なお、このときCPU11は、各緯度経度に対応づけて非開示領域の大きさを表す情報を記憶する。図4では、半径50mと設定した場合を例示している。
【0033】
(2)移動履歴情報の生成と蓄積
図示しないタイマにより一定の周期でトリガ信号が発生されるか、又はユーザが入力デバイス18において位置計測指示を入力したとする。そうするとCPU11は、位置情報取得制御プログラム131の制御の下で、GPS受信機15からGPS受信信号を取り込む。そして、この取り込んだGPS受信信号をもとに時刻、緯度及び経度を含む位置情報を計算し、この計算された位置情報をデータメモリ14内の位置情報蓄積部141に記憶させる。
【0034】
以後同様に、タイマからトリガ信号が発生されるか、又はユーザにより位置計測指示が入力されるごとに、自端末UTの位置情報が計算されて位置情報蓄積部141に順次蓄積される。図3にその記憶結果の一例を示す。なお、位置情報蓄積部141には、各位置情報に対応づけて、当該位置情報を開示対象とするか或いは非開示対象とするかを指定する開示/非開示フラグが記憶される。
【0035】
(2)移動履歴情報に対する開示/非開示の決定
過去に得られた移動履歴情報に対し、CPU11は開示/非開示領域決定プログラム133に従い、以下のように開示領域及び非開示領域を決定する処理を実行する。図5はその処理手順と処理内容を示すフローチャート、図6は処理の一例を示す図である。
【0036】
図6(a)に示す初期状態において、CPU11は先ずステップS51により、位置情報蓄積部141に図3に示すような形式で記憶されている位置情報の中から、過去に開示対象と判断された移動履歴情報の位置情報を図6(b)のように読み込む。続いてステップS52により、パラメータ蓄積部143から「開示領域」DEを決定するためのパラメータを読み込む。そして、ステップS53において、上記位置情報と上記パラメータとをもとに一旦「仮の開示領域」VEを設定する。例えば、パラメータが「半径50m」と定義されていれば、図6の(c)に示すように各位置情報の緯度経度を中心に半径50mの領域E0,E1,…,Enがそれぞれ「仮の開示領域」VEとして設定される。なお、図6(c)は、「仮の開示領域」VEとして設定された領域が、後述するステップS56において「開示領域」DEに決定された状態を示している。
【0037】
CPU11は、次にステップS54により非開示ルール蓄積部142から非開示ルール情報を読み込み、この非開示ルール情報をもとに「非開示領域」NEを生成する。例えば、非開示ルール情報は、図4に示すように非開示対象として指定された位置情報を表す緯度経度と、その大きさを表す値により構成されており、これらの情報をもとに非開示に指定された緯度経度を中心とする半径50mの領域が「非開示領域」NEとなる。
【0038】
続いてCPU11は、ステップS55において、上記「仮の開示領域」VEの中に上記「非開示領域」NEに含まれるものはあるか否かを判定する。そして、例えば図6(c)に示した領域E0,E1,…,Enのように、「非開示領域」NEに含まれていなければ、ステップS56においてこれらの領域E0,E1,…,Enをそれぞれ「開示領域」DEと決定する。
【0039】
一方、上記「仮の開示領域」VEの中に上記「非開示領域」NEに含まれるものが存在したとする。この場合CPU11はステップS60に移行し、ここで「仮の開示領域」VEを「未定領域」に変更するための処理を以下のように実行する。
すなわち、CPU11は先ずステップS61において、「仮の開示領域」VEのうち「非開示領域」NEに含まれる領域の位置情報の取得時刻から過去に遡り、他の移動履歴情報により表される移動経路と領域が重なる位置情報をステップS62により検出する。続いて、この検出された位置情報が「非開示領域」NEに含まれるか否かをステップS63で判定し、「非開示領域」NEに含まれない位置情報が見つかるまで上記ステップS61〜ステップS63を繰り返す。そして、他の移動履歴情報により表される移動経路と領域が重なり、かつ「非開示領域」NEに含まれない位置情報が検出されると、この検出された位置情報の取得時刻を、上記「仮の開示領域」VEから位置情報を削除する削除開始時刻として決定する(ステップS64)。
【0040】
次にCPU11は、ステップS65において、上記「仮の開示領域」VEのうち「非開示領域」NEに含まれる領域の位置情報の取得時刻から先に進み、他の移動履歴情報により表される移動経路と領域が重なる位置情報をステップS66により検出する。続いて、この検出された位置情報が「非開示領域」NEに含まれるか否かをステップS67で判定し、「非開示領域」NEに含まれない位置情報が見つかるまで上記ステップS65〜ステップS67を繰り返す。そして、他の移動履歴情報により表される移動経路と領域が重なり、かつ「非開示領域」NEに含まれない位置情報が検出されると、この検出された位置情報の取得時刻を、上記「仮の開示領域」VEから位置情報を削除する削除終了時刻として決定する(ステップS68)。
【0041】
例えば、図7の(a)に示すように経路R2上に設定される「仮の開示領域」VEの中に「非開示領域」NEに含まれる領域が存在すると、図7(b)に示すようにこの領域の前後においてそれぞれ他の過去の経路R1の領域と重なりかつ「非開示領域」NEに含まれていない領域WEを検出する。
【0042】
続いてCPU11は、ステップS69において、上記ステップS64により決定された削除開始時刻と、上記ステップS68により決定された削除終了時刻とに挟まれる時間帯に含まれる位置情報を、図7(c)に示すように上記「仮の開示領域」VEから削除する。そして、この削除した各位置情報に対応する各領域をそれぞれ「未定領域」GEに設定する。すなわち、「非開示領域」NEに到達するまでの移動経路上に存在する各領域と、「非開示領域」NEに到達した後の移動経路上に存在する各領域を、「未定領域」GEに変更する。
【0043】
(4)新たな移動履歴情報に対する開示/非開示の判定
新たな移動履歴情報が取得されると、CPU11は開示/非開示判定プログラム134に従い、上記新たな移動履歴情報に対し以下のように開示/非開示を判定する。図8はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0044】
CPU11は先ずステップS81により、位置情報蓄積部141から過去に開示対象と判断された位置情報、つまり「開示領域」DEを読み込む。続いてステップS82により、開示判定を行う対象となる新たな位置情報を位置情報蓄積部141から読み込む。そして、ステップS83において、上記新たな位置情報に対応する領域が上記過去の移動履歴情報に対し設定した「開示領域」DEに含まれるか否かを判定する。この判定の結果、上記新たな位置情報に対応する領域が「開示領域」DEに含まれる場合には、CPU11はステップS84に移行して当該新たな位置情報に対応する領域を「開示対象」と判定し、当該位置情報に対応する開示/非開示フラグをステップS85により「開示」に設定する。この開示/非開示フラグは、図3に示したように位置情報蓄積部141に記憶される。
【0045】
これに対し上記新たな位置情報に対応する領域が「開示領域」DEに含まれていないと判定されると、CPU11はステップS89に移行して、当該新たな位置情報が「開示領域」DEに一度も入ることなく「非開示領域」NEに入る可能性があるか否かを判定する。そして、例えば図9の経路R3上の位置情報のように、過去の移動経路R1,R2上に設定された各「開示領域」DEを一度も通過することなく「非開示領域」NEに入る可能性がなければ、上記ステップS84に移行して当該新たな位置情報に対し開示/非開示フラグを「開示」に設定する。
【0046】
一方、上記ステップS89において、上記新たな位置情報が「開示領域」DEに一度も入ることなく「非開示領域」NEに入る可能性があると判定されたとする。この場合CPU11は、ステップS90において、開示/非開示フラグが「開示」であるか「非開示」であるかを判定する。この判定の結果、「非開示」であれば、ステップS93により当該新たな位置情報に対応する領域を「非開示対象」と判定し、当該位置情報に対応する開示/非開示フラグをステップS94により「非開示」に設定する。
【0047】
また、上記ステップS90において、開示/非開示フラグが「開示」と判定された場合には、CPU11はステップS91において、上記新たな位置情報が「非開示領域」NEに含まれるか否かを判定する。そして、上記新たな位置情報が「非開示領域」NEに含まれる場合には、上記ステップS93に移行して当該新たな位置情報に対応する領域を「非開示対象」と判定し、当該位置情報に対応する開示/非開示フラグをステップS94により「非開示」に設定する。
【0048】
これに対し、上記ステップS90で開示/非開示フラグが「開示」と判定され、かつ上記ステップS91で上記新たな位置情報が「非開示領域」NEに含まれないと判定された場合には、CPU11は当該新たな位置情報を、ステップS92により未判定位置情報一時蓄積部144に一時記憶させる。
【0049】
以上の判定処理は、新たな位置情報が取得されるごとに、当該位置情報について繰り返し実行される。したがって、新たに取得された位置情報が、過去の移動履歴情報の「開示領域」DEに含まれるか、又は「開示領域」DEに一度も入ることなく上記「非開示領域」NEに入る可能性がある場合には、当該新たな位置情報は「開示対象」と判定される。これに対し、上記新たに取得された位置情報が、「非開示領域」NEに含まれるか、又は開示/非開示フラグが「非開示」であれば、当該新たな位置情報は「非開示対象」と判定される。また、上記「開示対象」及び「非開示対象」のいずれでもないと判定された場合には、当該新たな位置情報は未判定位置情報一時蓄積部144に一時記憶される。
【0050】
ところで、CPU11は上記新たな位置情報を「開示対象」と判定すると、ステップS86により未判定位置情報一時蓄積部144に未判定の位置情報が一時記憶されているか否かを判定する。そして、記憶されている場合には、ステップS87により当該位置情報を未判定位置情報一時蓄積部144から読み出し、この読み出した位置情報をステップS88により「開示対象」と判定する。
【0051】
同様にCPU11は、上記新たな位置情報を「非開示対象」と判定すると、ステップS95において未判定位置情報一時蓄積部144に未判定の位置情報が一時記憶されているか否かを判定する。そして、記憶されている場合には、ステップS96により当該位置情報を未判定位置情報一時蓄積部144から読み出し、この読み出した位置情報をステップS97により「非開示対象」と判定する。
【0052】
このような判定処理を行うことにより、例えば図10に示すように新たな移動経路R4が「非開示領域」NEを通過する場合、この新たな移動経路R4上の位置情報のうち、「非開示領域」NEと過去の移動経路R1による「開示領域」DEとに挟まれる区間の位置情報は、「非開示対象」に設定される。
【0053】
以上詳述したようにこの実施形態では、開示/非開示領域決定処理において、移動経路上に設定される「仮の開示領域」VEの中に「非開示領域」NEに含まれる領域が存在する場合に、この領域の前後においてそれぞれ「非開示領域」NEと他の過去の経路の領域との間に存在する各領域を「仮の開示領域」VEから「未定領域」GEに変更する。そして、新たに取得された移動経路に対し開示/非開示を判定する際に、上記開示/非開示領域の決定結果に基づいて、新たな移動経路が「非開示領域」NEを通過する場合に、この新たな移動経路上の位置情報のうち、「非開示領域」NEと過去の移動経路による「開示領域」DEとに挟まれる区間の位置情報を「非開示対象」と判定するようにしている。
【0054】
したがって、非開示ルールにより設定された「非開示領域」NEに加え、当該「非開示領域」NEに到達するまでの移動経路上及び到達後の移動経路上に位置する「仮の開示領域」VEがそれぞれ「非開示領域」と判定される。このため、開示領域の情報から非開示領域が容易に推測されないようにすることができ、これにより移動履歴情報の秘匿性を高めることが可能となる。また、非開示領域の推測には寄与しない情報についてはそのまま開示されるので、開示情報の利用価値を維持することが可能となる。
【0055】
また、新たに取得された位置情報に対し開示/非開示の判定を行う際に、当該位置情報を含む移動経路が「開示領域」DEに一度も入ることなく「非開示領域」NEに入る可能性があるか否かを判定し、その可能性がない場合には、当該新たな位置情報を「開示対象」と判定するようにしている。このため、過去の移動履歴の「開示領域」DE又は「非開示領域」NEに含まれない新たな位置情報を無条件に「未定領域」とする場合に比べ、効率のよい開示/非開示判定を行うことが可能となる。
【0056】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態ではユーザの移動履歴情報の生成・蓄積機能と、開示/非開示領域の決定機能、開示/非開示判定機能をユーザ端末に設けた場合を例にとって説明した。しかし、これに限定されるものではなく、上記各機能のすべて又は一部をサービス提供プロバイダやユーザが働く会社が運用するサーバに設け、必要に応じてユーザ端末からサーバに対し開示要求を行って開示制限された自身又は他者の移動履歴情報を取得するようにしてもよい。
【0057】
また、移動履歴情報には、万歩計(登録商標)のセンシングデータをもとに生成されるユーザの移動速度又は移動距離を表す情報や、バイタルセンサのセンシングデータをもとに生成されるユーザのバイタル情報や安否情報等を含めるようにしてもよい。
その他、移動履歴情報の生成及び蓄積処理の手順と処理内容、移動履歴情報に対する開示/非開示領域の決定処理手順と処理内容、移動履歴情報に対する開示/非開示判定処理の処理手順と処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0058】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0059】
UT…ユーザ端末、11…CPU、12…バス、13…プログラムメモリ、14…データメモリ、15…GPS受信機、16…通信インタフェース、17…入出力インタフェース、18…入力デバイス、19…表示デバイス、21…位置情報取得部、22…非開示ルール設定部、23…開示/非開示領域決定部、24…開示/非開示判定部、25…開示位置情報出力部、131…位置情報取得制御プログラム、132…非開示ルール設定制御プログラム、133…開示/非開示領域決定プログラム、134…開示/非開示判定プログラム、141…位置情報蓄積部、142…非開示ルール蓄積部、143…パラメータ蓄積部、144…未判定位置情報一時蓄積部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが滞在した複数の位置を含む移動履歴情報を記憶する手段と、
非開示に設定すべき領域を表す非開示ルール情報を記憶する手段と、
開示対象の単位領域の大きさを指定するパラメータ情報を記憶する手段と、
前記記憶された過去の移動履歴情報、非開示ルール情報及びパラメータ情報に基づいて、非開示領域と、この非開示領域及び当該非開示領域に到達するまでの移動経路上及び到達後の移動経路上に位置する領域をそれぞれ除外した開示領域をそれぞれ設定し、その設定結果を表す情報を記憶する開示/非開示決定手段と、
前記移動履歴記憶手段に新たな移動履歴情報が記憶された場合に、当該移動履歴情報に含まれる位置を含む領域を開示対象とするか非開示対象とするかを、前記開示/非開示決定手段による設定結果を表す情報に基づいて判定する開示/非開示判定手段と、
前記開示/非開示判定手段により開示対象と判定された領域のみを出力する手段と
を具備することを特徴とする情報開示支援装置。
【請求項2】
前記開示/非開示決定手段は、
前記非開示ルール情報に基づいて非開示領域を設定する手段と、
前記記憶された過去の移動履歴情報及びパラメータ情報に基づいて、仮の開示領域を設定する手段と、
前記設定された非開示領域及び前記記憶された移動履歴情報に基づいて、当該非開示領域に到達するまでの移動経路上及び到達後の移動経路上に位置する前後領域をそれぞれ検出する手段と、
前記検出された前後領域を前記設定された仮の開示領域から削除し、この削除後の領域を開示領域として設定する手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の情報開示支援装置。
【請求項3】
前記開示/非開示判定手段は、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置が前記設定された開示領域に含まれるか非開示領域に含まれるかを判定し、この判定結果に基づいて開示領域に含まれると判定された位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定し、非開示領域に含まれると判定された位置とその周辺の単位領域を非開示対象に設定する第1の手段と、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置が前記設定された開示領域及び非開示領域のいずれにも含まれないと判定された場合に、当該移動履歴情報により表される移動経路が前記設定された開示領域を通らずに前記設定された非開示領域に入る可能性があるか否かを判定し、可能性がないと判定された場合に当該移動経路上の位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定する第2の手段と、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置が、前記第1及び第2の手段により開示対象及び非開示対象のいずれにも設定されなかった場合に、当該位置を一時保存する第3の手段と、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置のうち、前記一時保存された位置より時間的に後に得られた位置が前記第1又は第2の手段により開示対象に設定された場合には、当該一時保存された位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定する第4の手段と、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置のうち、前記一時保存された位置より時間的に後に得られた位置が前記第1の手段により非開示対象に設定された場合には、当該一時保存された位置とその周辺の単位領域を非開示対象に設定する第5の手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の情報開示支援装置。
【請求項4】
ユーザが滞在した複数の位置を含む移動履歴情報をメモリから読み出す過程と、
非開示に設定すべき領域を表す非開示ルール情報をメモリから読み出す過程と、
開示対象の単位領域の大きさを指定するパラメータ情報をメモリから読み出す過程と、
前記読み出された移動履歴情報、非開示ルール情報及びパラメータ情報に基づいて、非開示領域と、この非開示領域及び当該非開示領域に到達するまでの移動経路上及び到達後の移動経路上に位置する領域をそれぞれ除外した開示領域をそれぞれ設定し、その設定結果を表す情報を記憶する開示/非開示決定過程と、
新たな移動履歴情報が前記メモリから読み出された場合に、当該移動履歴情報に含まれる位置を含む領域を開示対象とするか非開示対象とするかを、前記開示/非開示決定過程による設定結果を表す情報に基づいて判定する開示/非開示判定過程と、
前記開示/非開示判定過程により開示対象と判定された領域のみを出力する過程と
を具備することを特徴とする情報開示支援方法。
【請求項5】
前記開示/非開示決定過程は、
前記非開示ルール情報に基づいて非開示領域を設定する過程と、
前記読み出された移動履歴情報及びパラメータ情報に基づいて、仮の開示領域を設定する過程と、
前記設定された非開示領域及び前記読み出された移動履歴情報に基づいて、当該非開示領域に到達するまでの移動経路上及び到達後の移動経路上に位置する前後領域をそれぞれ検出する過程と、
前記検出された前後領域を前記設定された仮の開示領域から削除し、この削除後の領域を開示領域として設定する過程と
を備えることを特徴とする請求項4記載の情報開示支援方法。
【請求項6】
前記開示/非開示判定過程は、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置が前記設定された開示領域に含まれるか非開示領域に含まれるかを判定し、この判定結果に基づいて、開示領域に含まれると判定された位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定し、非開示領域に含まれると判定された位置とその周辺の単位領域を非開示対象に設定する第1の過程と、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置が前記設定された開示領域及び非開示領域のいずれにも含まれないと判定された場合に、当該移動履歴情報により表される移動経路が前記設定された開示領域を通らずに前記設定された非開示領域に入る可能性があるか否かを判定し、可能性がないと判定された場合に当該移動経路上の位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定する第2の過程と、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置が、前記第1及び第2の手段により開示対象及び非開示対象のいずれにも設定されなかった場合に、当該位置を一時保存する第3の過程と、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置のうち、前記一時保存された位置より時間的に後に得られた位置が前記第1又は第2の過程により開示対象に設定された場合には、当該一時保存された位置とその周辺の単位領域を開示対象に設定する第4の過程と、
前記新たな移動履歴情報に含まれる位置のうち、前記一時保存された位置より時間的に後に得られた位置が前記第1の過程により非開示対象に設定された場合には、当該一時保存された位置とその周辺の単位領域を非開示対象に設定する第5の過程と
を備えることを特徴とする請求項4又は5記載の情報開示支援方法。
【請求項7】
前記請求項1乃至3のいずれかに記載の情報開示支援装置が具備する各手段に対応する処理を、前記情報開示支援装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−262395(P2010−262395A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111366(P2009−111366)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】