感圧接着剤(PSA)ラミネート
少なくとも1種の非接着性ラミネートおよび少なくとも1種の粘着付与剤層とを含むPSAラミネートを提供し;非接着性ラミネートは、少なくとも1つのフェイスストック層と少なくとも1つの接着性ベース層とを含み;フェイスストック層は、少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;接着性ベース層は少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;粘着付与剤層は少なくとも1種の粘着付与剤を含み;粘着付与剤組成物はPSAではなく;そして粘着付与剤層が非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用されてPSAラミネートが製造される。PSAラミネートを製造する方法およびPSAラミネートを含む物品もまた提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、非接着性ラミネートおよび感圧接着剤(PSA)ラミネートに関する。本発明はまた、非接着性ラミネートおよびPSAラミネートを製造する方法に関する。製造物品はまた、これらに限定するものではないがテープ、ラベル、保護フィルム、標識、ステッカー等に作製される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
一般的に、感圧接着剤ラミネートは、少なくとも1種のポリマー成分、少なくとも1種の粘着付与剤成分、および少なくとも1種の可塑剤を含む。次いでこれらの成分を熱、水または溶媒を用いて物理的に一緒に混合する。これらの感圧接着剤(PSA)ラミネートは、例えばラベル、テープ、ステッカー、標識等のような製造物の物品において使用する。PSAラベルは一般的に印刷情報を目的物または物品に適用するために用いる。PSAラベルは典型的には離型ライナー、離型ライナー上に配置したPSA層、およびPSA層上にラミネートされたフィルム状ポリマーであってもよい外側層を含む。このようなラミネートは、まずPSAを離型ライナーにコーティングまたはラミネートし、次いでPSAコートされたライナー上に外側層をラミネートすることによって、またはこれに代えて、PSAを外側層にコーティングまたはラミネートし、次いでPSAコートされた外側層を離型ライナー上にコーティングまたはラミネートすることによって形成できる。外側層は典型的にはプラスチックで形成され、PSAおよびライナーに外側層をラミネートする前または後のいずれかに該プラスチックを情報または他の印とともに印刷する。
【0003】
PSAラミネートの接着特性およびこのようなラミネートを形成するためのプロセスを改善するための研究努力が産業界において存在する。フィルム状フェイスストック層および感圧接着剤を押出すために押出しまたは共押出しが利用されてきたが、設備ローラへの付着等の加工上の問題が生じていた。
【0004】
PSAラミネートの設備ローラへの粘着を防止するために、離型ライナー(これは共押出しプロセスの直後にPSAラミネートにラミネートされる)が必要になる可能性がある。
産業界においては、PSAラミネートを形成するための改善されたプロセスおよび改善された特性を有するラミネートに対する要求が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
本発明の第1の態様に従い、少なくとも1つの非接着性ラミネートおよび少なくとも1つの粘着付与剤層を含むPSAラミネートを提供し:該非接着性ラミネートは少なくとも1つのフェイスストック層および少なくとも1つの接着性ベース層を含み;該フェイスストック層が、少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;該接着性ベース層が、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;該粘着付与剤層が、少なくとも1種の粘着付与剤を含み;粘着付与剤組成物がPSAでなく;そして該粘着付与剤層を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用してPSAラミネートが形成されている。
【0006】
本発明の別の態様に従い、PSAラミネートを製造するための方法を提供する。該方法は、少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートに適用することを含み;該非接着性ラミネートが、少なくとも1つのフェイスストック層(A)および少なくとも1つの非接着性ベース層(B)を含み;該フェイスストック層(A)が少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;そして該接着性ベース層(B)が少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;該粘着付与剤層(C)がPSAではなく;そして該粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用してPSAラミネートを形成する。
【0007】
本発明は、少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用することによって少なくとも1つのフェイスストック層(A)と少なくとも1つの接着性ベース層(B)とを含む非接着性ラミネートをPSAラミネート化することができるという発見に基づく。驚くべきことに、この手法を実施することによって、従来の方法によって製造されたPSAラミネートに比べて以下の利点のうち少なくとも1つを有するPSAラミネートが得られることが見出された。
【0008】
1つの利点は、粘着付与剤層(C)が極めて低温、典型的には従来のホットメルト感圧接着剤よりも低い100℃以下でコートできることである。これは粘着付与剤層(C)が接着性ベースポリマーをもはや含まないためである。これにより以下の:
a.感熱性フェイスストック層(例えばポリエチレン)が影響しない;
b.コーティング温度がより低いことによって操業コストがより低い;そして
c.PSAラミネートが、より高温を必要とする従来のホットメルト感圧接着剤と比べて改善された熱エージング特性、より小さい色損失を有し、チャーリングがない等の;
手法のうち少なくとも1つにおけるラベル加工プロセスが改善される。
【0009】
別の利点は、接着性ベース層(B)中および粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の分子量勾配である。理論に拘束されることを意図しないが、自動接着融合および分子内マイグレーションの機構によって、接着性ベース層(B)および粘着付与剤層(C)は、粘着付与剤層(C)から接着性ベース層(B)への粘着付与剤の分子量勾配を示すことができると考えられる。この分子量勾配により、低分子量、高粘着性の層が、感圧結合を生じさせるのにこの官能性が必要な場所である粘着付与剤層(C)の表面に維持される。粘着付与剤の接着性ベース層(B)(PSAラミネートの高分子量部分)中へのマイグレーションは、以下の特性:剥離接着力、ループタック性、せん断抵抗、クリープ抵抗、および高温性能のうち少なくとも1つを改善できる。
【0010】
本発明の別の利点は、接着性ベース層(B)を高凝集強度ポリマーで製造できることである。高凝集強度ポリマーは、ASTM D1238を用い190℃で2.16kg重りを用いたときのメルトフローレート<1g/10分を有するポリマーである。このような高凝集強度ポリマーを用いて従来のホットメルト感圧接着剤を製造すると、極めて高いホットメルト粘度(高すぎて公知のホットメルトコーティング設備を用いてはこれらをコートできない)をもたらす可能性がある。
【0011】
本発明の別の利点は、フィルム状ポリマーをフェイスストック層として利用する場合に、PSAラミネートが改善された透明性とヘイズを有することである。これは粘着付与剤組成物が低粘度であることが非接着性ラミネートの優れた濡れ性を与え、そして平滑なコート表面を与えるからである。従来のPSAにおいては、接着剤のフェイスストックへの濡れ不足または不十分な流動によってPSAラミネートの接触または表面欠陥が生じて視覚的外観が悪化することがよくある問題である。
【0012】
本発明の別の利点は、コーティング接着剤分野の当業者に公知の通常のコーティング技術(例えばスロットダイコーティング、カーテンコーティング、スプレーコーティング、溶液コーティング、または分散体コーティング)によって粘着付与剤層(C)を適用することによりPSAラミネート化できるフェイスストック層(A)と接着性ベース層(B)とからなる容易に入手可能な非接着性ラミネートから、ここでPSAラミネートをすぐに組立てられることである。
【0013】
フィルム状ポリマーをフェイスストック層として利用する場合においては、接着性ベース層(B)の接着性ベースポリマーがフェイスストック層(A)上に共押出しされ、従って共押出しされた溶融結合が形成されることにより接着性ベースポリマーのフェイスストック層上への固定が改善されるという更なる別の利点が見出されている。これにより、通常製造されるフィルム状ラベルPSAで生じる可能性があるあらゆるオフセットを解消できる。オフセットは、接着剤のフィルム状ラベル基材上への不十分な固定に起因する、ラベル除去の間の接着剤の基材への不所望の転写である。更にこれは、PSAラミネートの使用中のPSAラミネートと基材との任意の結合が基材界面においてまたは内部で破壊される(すなわち凝集破壊)であろうことを暗示する。この種の破壊の利点は、これにより、安全保護の不正開封防止ラベルのために;接着剤、界面破壊モードの除去可能PSAラミネート用途のために;または再配置および再封止の用途のために好適な、凝集破壊する不正開封防止結合をもたらす好適な処方の形成が可能になることである。最後に、フィルム状ポリマーと接着性ベース層との共押出しされた溶融結合は、従来のPSAでのような接着剤とフィルム状バッキングとの間の不連続界面の存在を解消する。これにより、本発明のPSAの視覚的外観が従来のPSAに対して向上する。流動の悪さ、空気の同伴または濡れ性の悪さに起因する界面欠陥のおそれが解消されるからである。
【0014】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)および粘着付与剤層(C)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0015】
図2は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)および離型層(D)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0016】
図3は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)およびオーバーラミネート層(E)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0017】
図4は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0018】
図5は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0019】
図6は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)およびオーバーラミネート層(E)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0020】
図7は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0021】
図8は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0022】
図9は、本発明に係るPSAラミネートを作製する方法の一態様の概観図である。
【0023】
図10は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し(B)と(C)との間にカーブした界面を有するPSAラミネートの断面である。
【0024】
図11は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し(B)と(C)との間にぎざぎざした(jagged)界面を有するPSAラミネートの断面である。
【0025】
図12は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し不連続な粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面である。
【0026】
図13は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し不連続な粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面である。
【0027】
図14.1〜14.3は、本発明の一態様における、粘着付与剤層(C)から接着性ベース層(B)中への粘着付与剤のマイグレーションの単純化した図解を示す。図14.1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)およびマイグレーション前の粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面を示す。図14.2は、図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中にマイグレートする粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の一部のマイグレーションを示す。図14.3は、図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中への、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の全部のマイグレーションを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
発明の詳細な説明
本発明の物質の組成および方法を開示および説明する前に、本発明は、特記がない限り具体的な方法または特定の処方に限定されず、そしてそれ自体、開示から変更できることを理解すべきである。使用する術語が特定の態様を説明する目的のみであり、そして本発明の範囲の限定を意図しないこともまた理解すべきである。
【0029】
単数形"a," "an,"および"the"は、明確に別の内容を述べていない限り複数の指示対象を含む。
【0030】
任意の、または任意に、は、後続して説明される事象または状況が生じても生じなくてもよいことを意味する。説明は、事象または状況が生じる場合およびそれが生じない場合を含む。
【0031】
範囲は、本明細書において、1つの特定の値についてから、および/または、他の特定の値についてまで表現できる。このような範囲を表現する場合、他の態様が、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までに加えて前記の範囲内の全ての組合せを伴うことを理解すべきである。
【0032】
本件全体を通じて、特許または公開公報が参照されている箇所では、本明細書の記載と矛盾しない範囲で、本発明が属する分野の状況をより完全に説明するために、これらの参照文献の開示の全体を参照により本件に組込むことが意図される。
【0033】
本開示で用いる用語「PSA」は、室温にて軽い指圧下で2つの表面に対する結合を形成することになる接着剤を意味する。PSAは、表面に対する必要な接触を実現できるような十分な潜在的な変形能および濡れ性を与え、更に、任意の穏やかな分離力に対抗できるように接着剤内には十分な内部強度または凝集が存在する。PSAの定義に関する更なる情報は、Pressure Sensitive Adhesive Tapes,A Guide to Their Function,Design,Manufacture,and Use,John Johnston,Pressure Sensitive Tape Council,2000,Chap.2,p.23において見出すことができる。
【0034】
PSAラミネートを指すときの用語「層」は、PSAラミネートで形成されることが予定される用途に応じて一貫した厚みまたは可変の厚みおよび連続または不連続のいずれかであることができるPSA中に含まれる物質の層を意味する。加えて、PSAラミネートの組成および厚みは、粘着付与剤層(C)の粘着付与剤の接着性ベース層(B)中へのマイグレーションによって経時的に変化する可能性がある。
【0035】
用語「マイグレート」("migrate", "migrating")、マイグレーション("migration")、「拡散」("diffuse", "diffusing"および"diffusion")は置換え可能に用いられ、そして粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の一部または全てが接着性ベース層中に移動することによってPSAラミネートを形成することを意味する。結果として、もとの接着性ベース層は、組合された層の厚みを比較的影響されずに維持するように膨潤できる。
【0036】
本発明の態様において、感圧接着剤(PSA)ラミネートは:少なくとも1つの非接着性ラミネートおよび少なくとも1つの粘着付与剤層を含んで作製され;非接着性ラミネートは少なくとも1つのフェイスストック層と少なくとも1つの接着性ベース層とを含み;フェイスストック層は少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;接着性ベース層は少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;粘着付与剤層は少なくとも1種の粘着付与剤を含み;粘着付与剤組成物はPSAではなく;そして粘着付与剤層を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用してPSAラミネートを形成する。
【0037】
フェイスストック層は少なくとも1種のフェイスストック物質を含む。フェイスストック物質は、PSAラミネートを形成するための当該分野で公知の任意の物質を含むことができる。例えば、フェイスストック物質は、サイジング有りもしくはサイジング無しの紙(例えばクラフト、結合、オフセット、リソおよびサルファイト紙)またはフィルム状ポリマー等の材料で構成できる。
【0038】
本発明の一態様において、フェイスストック層は、少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含む。フェイスストック層はフィルム状ポリマーのブレンド物を含むことができ、または種々のフィルム状ポリマーの多層フィルムであることができる。フィルム状ポリマーは、接着性ベースポリマーとともに共押出しして非接着性ラミネートを形成できる任意のフィルム状ポリマーを包含する。本発明の一態様において、フィルム状ポリマーは、2層間のマイグレーションを防止するために、接着性ベースポリマーのものと不一致または不適合である溶解性パラメータを有することが望ましい。
【0039】
本発明の別の態様において、フィルム状ポリマーは、接着性ベースポリマーと組合された場合、十分に自己支持性の構造を付与してラベルの分離および適用を容易にすることができる。これに代えて、接着性ベースポリマーと組合されたフィルム状ポリマーが十分に自己支持性でない場合、フェイスストック層の露出面にオーバーラミネート層を適用して更なる剛性を付与できる。好ましくは、フェイスストック層において利用されるフィルム状ポリマーおよび任意の他の物質を選択して、とりわけ印刷適性等の所望の特性を有する非接着性ラミネートを付与する。
【0040】
典型的なフィルム状ポリマーとしては、これらに限定するものではないが、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、官能性ポリエステル(例えば、スルホポリエステル)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリエーテルブロックポリアミド、ポリビニルアセテート、およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、フィルム状ポリマーは、ポリオレフィン、例えば、これらに限定するものではないがエチレン、プロピレン、および1−ブテンからなる群から選択される繰返し単位を有するポリマーである。最も好ましくは、フィルム状ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレンプロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である。種々のポリエチレン、例えば低、中および高密度ポリエチレンを利用できる。
【0041】
本発明の一態様において、フェイスストック層において用いられるポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238を用い、190℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に、約0.1グラム/10分から約15グラム/10分、好ましくは0.1グラム/10分から5グラム/10分の範囲であることができる。フェイスストック層として有用なポリエチレンの市販例は、Lupolen 2426Fとして販売され、ISO 1183試験法を用いた密度約0.924g/cm3および試験法ISO 1133に従ったメルトフローレート約0.75g/10分を有する、オランダにあるBasell Polyolefinsから得られる低密度ポリエチレンである。
【0042】
本発明の別の態様において、フェイスストック層において用いられるポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238を用い、230℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に約1グラム/10分から約20グラム/10分、好ましくは0.1グラム/10分から10グラム/10分の範囲であることができる。フェイスストック層として有用なポリプロピレンの市販例は、Moplen HP422Hとして販売され、ISO 1183試験法を用いた密度0.900g/cm3および以下の試験法ISO 1133に従い230℃で2.16kg重りを用いて測定したメルトフローレート約2g/10分を有する、オランダにあるBasell Polyolefinsから得られるポリプロピレン単独重合体である。フェイスストック層として有用なランダムポリプロピレン共重合体の市販例は、ISO 1183試験法を用いた密度0.900g/cm3および以下の試験法ISO 1133に従い230℃で2.16kg重りを用いて測定したメルトフローレート約6g/10分を有する、オランダにあるBasell Polyolefinsから得られるMoplen RP210Mポリプロピレンである。
【0043】
共押出しを利用して非接着性ラミネートを形成する場合、フェイスストック層の内側表面は、本発明の接着性ベースポリマー層(B)および/または粘着付与剤層(C)で形成されるバリア以外のバリア層とともに共押出しできる。バリア層は、構成成分のフェイスストック層へのマイグレーションを防止できる。含まれまたは代替に付与されるタイ層(tie layer)またはプライマー層を存在させて接着性ベースポリマー層のフェイスストック層に対する接着を向上させることもできる。更に、「ライナーレス」構造は本特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。ライナーレス構造において、外側表面は離型物質,例えばシリコーン(例えばポリジメチルシロキサン)でコートされる。
【0044】
一般的に、フェイスストック層は、特定のPSAラミネート用途について好適な厚みを有する。本発明の一態様において、フェイスストック層は、厚み約10μmから約200μm、好ましくは約20μmから約100μm、および最も好ましくは30μmから90μmを有する。
【0045】
接着性ベース層は、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む。接着性ベースポリマーは、非接着性ラミネートまたはPSAラミネートを形成するために好適な当該分野で公知の任意のものであることができる。一般的に、非接着性ラミネートまたはPSAラミネートを形成するために利用する接着性ベースポリマーは、一般的に以下のカテゴリー:
ランダム共重合体接着性ベース物質,例えば、これらに限定するものではないが、アクリレートおよび/またはメタクリレートの共重合体ならびにこれらの誘導体を基にするような共重合体、α−オレフィン共重合体、シリコーン共重合体、クロロプレン/アクリロニトリル共重合体等;
ブロック共重合体接着性ベースポリマー,例えば、これらに限定するものではないが、線形ブロック共重合体(例えば、A−BおよびA−B−A型)を基にするもの;マルチブロック共重合体、分岐ブロック共重合体、星型ブロック共重合体、グラフトまたはラジアルのブロック共重合体等;ならびに
天然および合成のゴム接着性ベースポリマー,例えば、これらに限定するものではないが、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ブチルゴム等;
に分類される。
【0046】
本発明の別の態様において、接着性ベースポリマーは、熱可塑性エラストマー(TPE)を含む。熱可塑性エラストマーは、これらの使用温度ではゴム様に振舞うが溶融状態では標準的なポリマーとして加工できるポリマーである。TPEとしては、これらに限定するものではないが、線状、分岐、グラフトまたはラジアルのブロック共重合体が挙げられる。
【0047】
ブロック共重合体は、ジブロック構造A−B、トリブロックA−B−A構造、テトラブロック構造、マルチブロック構造、ラジアル構造または共役構造(A−B)n、およびこれらの構造の組合せで表すことができ;Aは室温で非ゴムまたはガラス状または結晶性であるが高温で流体であるハード熱可塑性相またはブロックを表し、そしてBは使用温度または室温でゴム状または弾性であるソフトブロックを表す。これらの熱可塑性エラストマーは、約75質量%から約95質量%のゴム状セグメントおよび約5質量%から約25質量%の非ゴム状セグメントを含むことができる。
【0048】
非ゴム状セグメントまたはハードブロックは、単環および多環の芳香族炭化水素のポリマーを含み、より詳細には、本来的に単環または二環であることができるビニル置換された芳香族炭化水素を含む。好ましいゴム状のブロックまたはセグメントは、脂肪族共役ジエンの単独重合体または共重合体のポリマーブロックを含む。ゴム状物質,例えば、これらに限定するものではないがポリイソプレン、ポリブタジエン、およびスチレンブタジエンゴムは、ゴム状のブロックまたはセグメントを形成するために使用できる。特に好ましいゴム状セグメントとしては、ポリジエン、およびエチレン−ブチレン共重合体またはエチレン−プロピレン共重合体のゴムが挙げられる。後者のゴムは、対応する不飽和ポリアルキレン部分,例えばポリブタジエンおよびポリイソプレンからこれらの水素化により得ることができる。
【0049】
本発明の一態様において、ブロック共重合体は、ブタジエン系ポリマー、イソプレン系ポリマー、ポリエーテルブロックポリアミド、およびこれらの混合物からなる群から選択できる。よって、ブタジエン系ポリマーは、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン(SB)ブロック共重合体、マルチアーム(SB)x型ブロック共重合体、ポリブタジエンブロック共重合体、およびこれらの混合物からなる群から選択できる。イソプレン系共重合体は、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)共重合体、スチレン−イソプレン(SI)ブロック共重合体、線状およびマルチアーム(SI)x型のブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)骨格とイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン(SI)アームを有するラジアルブロック共重合体、ポリイソブチレン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択できる。
【0050】
ジブロック共重合体の具体的な例としては、これらに限定するものではないが、スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、およびこれらの水素化誘導体が挙げられる。トリブロックポリマー、テトラブロックポリマー、およびマルチブロックポリマーの例としては、これらに限定するものではないが、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレン、α−メチルスチレン−イソプレン−α−メチルスチレン、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)およびこれらの誘導体が挙げられる。1,4−および1,2−の異性体の混合物のゴム状セグメントを含むSBS共重合体の水素化では、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体が得られる。同様に、SISポリマーの水素化は、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体をもたらし、そして(SI)xマルチブロック共重合体の水素化は、スチレンおよびエチレン/プロピレンのマルチブロック共重合体(SEP)xを与える。
機能性ブロック共重合体,例えば無水コハク酸変性SEBS(これは市販でKraton FG−1901Xおよび1924Xブロック共重合体としてHouston,TXのKraton Polymersから入手可能である)を使用できることが意図される。
【0051】
接着性ベースポリマーはいずれもこれらの水素化誘導体を包含することに留意すべきである。多くの選択的に水素化されたブロック共重合体は、Kraton Polymersから一般取引名称「Kraton G」で市販で入手可能である。よって、本発明の目的で特に好適なブロック共重合体としては、Kraton G 1657およびKraton G 1730ブロック共重合体が挙げられる。Kraton G 1657は、約13質量%のスチレンを含むSEBSトリブロック共重合体である。Kraton G 1730は、約21質量%のスチレンを含む(SEP)xマルチブロック共重合体である。
【0052】
更に、接着性ベースポリマー層(B)は、高凝集強度ポリマーで形成できる。このようなポリマーは、従来のホットメルト製造設備において加工するために比較的高温を必要とするため、これらは典型的には溶融物からのPSAラミネートの形成には使用されない。高温では粘着付与剤がこのような温度に長時間耐えられないからである。このような高凝集強度ポリマーはまた、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤とともに溶液または分散体のいずれかとして適用できる。高凝集強度ポリマーの例としては、これらに限定するものではないが、スチレンブロック共重合体およびイソブチレン共重合体が挙げられる。スチレンブロック共重合体としては、これらに限定するものではないが、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ならびにスチレンおよびエチレン/ブチレンを基にする共重合体(S−E/B−S)、ならびにスチレンおよびエチレン/プロピレンを基にする共重合体(S−E/P−S)が挙げられる。本発明の一態様において、SISブロック共重合体のポリスチレン量は、約10質量%から約50質量%、好ましくは15質量%から30質量%の範囲である。本発明の別の態様において、スチレンブロック共重合体の溶液粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計(例えばブルックフィールド粘度計タイプDV−I+)において、適切なスピンドルおよび回転速度を用い、トルエン中固形分25%を用いて測定した場合に、約0.05Pa・sから約20Pa・s、好ましくは0.1Pa・sから5Pa・sの範囲である。
【0053】
本発明の別の態様において、ポリイソブチレンの分子量は、約250,000から約5,000,000、好ましくは750,000から3,500,000の範囲である。高接着強度ポリマーは、Kraton Dllllスチレン−イソプレン−スチレンポリマーとしてHouston,TXのKraton Polymersから、Oppanol B200イソブチレン共重合体としてBASF,Ludwigshafen,ドイツから、そしてKraton G−1652E S−E/B−S共重合体としてKraton Polymersから市販で入手可能である。
【0054】
有用な接着性ベースポリマーの更なる例は、本明細書の記載に矛盾しない限りにおいて参照によりその全部が本明細書に組込まれるWO00/13888、WO00/17285、およびWO01/96488において見出すことができる。
【0055】
一般的に、接着性ベース層は特定のPSAラミネート用途に対して好適な厚みを有する。本発明の一態様において、接着性ベース層は、厚み約1μmから約60μm、好ましくは約2μmから約40μm、および最も好ましくは4μmから20μmを有する。
【0056】
接着性ベース層は、添加剤の添加によって変性できる。接着性ベースポリマーと親和性の当該分野で公知の任意の添加剤を利用できる。本発明の一態様において、接着性ベース層は、純粋モノマーレジン:ポリ(エチレン)またはポリ(プロピレン)ワックス;低密度のポリ(エチレン),例えばメルトフローレートが、190℃、2.16kg重りでASTM D−1238に従い約5g/10分から約80g/10分、好ましくは10から50g/10分のポリエチレン;およびメタロセン触媒により形成されるようなエチレン系またはプロピレン系の(共)重合体で変性できる。これらの添加剤を利用してフェイスストック層と接着性ベース層とによって形成される非接着性ラミネートの巻戻し特性を改善でき、および/または、フェイスストック層と接着性ベース層とによって、フィルム状ポリマーおよび接着性ベースポリマーのレオロジー特性を合致させることにより形成される非接着性ラミネートの形成を促進できる。
【0057】
粘着付与剤層(C)は、少なくとも1種の粘着付与剤を含む。一態様において、粘着付与剤層(C)は、少なくとも1種の粘着付与剤と少なくとも1種のポリマーとを含む。他の態様において、粘着付与剤層(C)は、少なくとも1種の粘着付与剤、少なくとも1種のポリマー、および少なくとも1種の可塑剤を含む。
【0058】
ポリマーは、PSAラミネートを形成するのに好適な当該分野で公知の任意のポリマーであることができる。好ましくは、ポリマーは少なくとも1種の熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは本開示において先に議論した。ポリマーは、PSAラミネートを形成するのに好適な任意のポリマーであることができる。好ましくは、ポリマーは、少なくとも1種の熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは本開示において先に議論した。本発明の一態様において、ポリマーの量は、粘着付与剤層がPSAになる原因とならない量である。ポリマーの量は、0.1質量%から約15質量%の範囲であることができる。他の範囲は、粘着付与剤層(C)の質量基準の質量パーセント単位で与えられる以下の範囲:0から7、0から9、0.1から15、1から15、5から15、10から15、0.1から10、1から10、5から10、7から10、0.1から5、1から5、および2から5、から選択できる。
【0059】
粘着付与剤は、PSAラミネートにおいて使用するのに好適な当該分野で公知の任意のものであることができる。粘着付与剤としては、これらに限定するものではないが、接着剤の粘着力を高めることが公知の全ての種類の非晶質粘着付与剤レジン、例えばロジン系および水素化ロジン系、炭化水素系および水素化炭化水素系、フェノール系、テルペン系、テルペンフェノール系、スチレン化テルペン系、水素化テルペン系、ポリエステル系、純粋モノマー芳香族系、芳香族アクリル系、液体レジン型、ならびにこれらの官能化型が挙げられる。これらの粘着付与剤はいずれも水素化された形であってもよいことに留意されたい。純粋モノマー芳香族系粘着付与剤は、モノマー,例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエン、およびこれらの混合物等から生成する低分子量のポリマーまたはオリゴマーを基にするレジンの粘着力を高める。
【0060】
本発明の一態様において、粘着付与剤層は、液体粘着付与剤組成物を含む。液体粘着付与剤組成物は、適切な粘着付与剤の溶液または分散体であることができる。このような粘着付与剤は、非接着性ラミネートの主要成分である接着性ベースポリマーを基にする感圧接着剤ラミネートの組成物に関する実験または存在する知見に基づいて選択できる。本発明の別の態様において、粘着付与剤層(C)は、ポリマーのブレンド物(すなわち、接着性ベースポリマーおよび/または他の性能添加剤)ならびに粘着付与剤マスターバッチ組成物をもたらす非晶質レジン粘着付与剤であることができる。この組成物は、スプレー能力/高粘着/接着、および接着性ベースポリマー層との良好な親和性のために配合できる。
【0061】
任意に、粘着付与剤層は、少なくとも1種の可塑剤を更に含むことができる。可塑剤は、PSAラミネートにおいて使用するために好適な当該分野で公知の任意のものであることができる。可塑剤の例としては、これらに限定するものではないが、ナフテン油およびパラフィン油、シトレート、スルホネート、およびフタレートが挙げられる。
【0062】
粘着付与剤の接着性ベースポリマーとの親和性は変化することができる。本発明の一態様において、粘着付与剤は、接着性ベースポリマーにおいて選択的に可溶であることができる。これはポリスチレンまたはポリイソプレンのブロックを含むエラストマーについて特に好ましい。ポリスチレン中およびポリイソプレン中で選択的に可溶な粘着付与剤は、5または6個の炭素原子を含むジエンおよびモノオレフィンの形態の脂肪族石油誘導体の流れの重合によって得られ、本明細書の記載と矛盾しない限りにおいて参照によりその全部が本明細書に組入れられる米国特許第3,577,398号の教示に一般的に従う。得られる炭化水素レジンは、室温で通常液体である物質から室温で通常固体である物質に亘り、そして典型的には40質量%以上の重合ジエンを含む。このようなジエンは、例えば、ピペリレンおよび/またはイソプレンであることができる。例としては、これらに限定するものではないが、Piccotac(登録商標)ファミリーのレジン(Eastman Chemical Company,Kingsport,TN,米国から入手可能)およびWingtack(登録商標)ファミリーのレジン(Goodyear Tire and Rubber CompanyのChemical Division,Akron,Ohioから入手可能)が挙げられる。他の固体粘着付与剤としては、これらに限定するものではないが、Exxon Chemical Company(Houston,Texas)によって製造されるEscorez(登録商標)1304およびEscorez(登録商標)1310−LCが挙げられる。更なる例としては、これらに限定するものではないが、1種以上のC5モノオレフィンおよび/またはジオレフィンを1種以上のC8またはC9モノアルケニル芳香族炭化水素と共重合することによって製造される変性C5−型石油レジンが挙げられる。これらの変性されたC5−型石油レジンは水素化できる。例としては、これらに限定するものではないが、C5モノオレフィンおよびジオレフィン,例えばイソプレン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンテン、1−ペンテン、シス−およびトランス−2−ペンテン、シクロペンタジエン、ならびにシス−トランス−1,3−ペンタジエンが挙げられる。C8およびC9のモノアルケニル芳香族化合物の更なる例は、スチレン、メチルスチレンおよびインデンである。
【0063】
粘着付与剤として使用できる他の組成物としては、これらに限定するものではないが、水素化芳香族レジン(ベンゼン環の全てでないとしても実質部分(50%以上)がシクロヘキサン環に変換されている)(例えば、Eastman Chemicalから入手可能なRegalite(商標)およびRegalrez(商標)のファミリーのレジン,例えば、Regalite R 1090,R 1100,R 1125,R 7100,R 9100 およびRegalrez 1018,1094,3102,6108,および1126)、および水素化多環レジン(典型的には、ジシクロペンタジエンレジン,例えば、Exxon Chemical Companyによって製造されるEscorez(登録商標)5300,5320,5340,5380,5400および5600)が挙げられる。これらの粘着付与剤は、イソプレン系接着性ベースポリマーを用いる場合に特に有用である。
【0064】
本発明の別の態様において、ロジン、ロジンエステル、ポリテルペン、芳香族および官能化されたレジンならびに他の粘着付与剤を、特にポリイソプレンまたはポリブタジエンを接着性ベースポリマーとして利用する場合に接着性ベース層中に含まれる接着性ベースポリマーとある程度親和性である粘着付与剤層(C)に更に添加できる。他の添加剤としては、これらに限定するものではないが、可塑剤油,例えばShell Flex 371(Shell Chemical Companyより)が挙げられる。
【0065】
一態様において、粘着付与剤層(C)は、少なくとも1種の粘着付与剤を約50質量%から約90質量%、好ましくは70質量%から90質量%の量で溶液または分散体として含む。別の態様において、粘着付与剤層(C)は、非接着性ラミネート中に存在する熱可塑性エラストマーのブレンド物、および非晶質レジン粘着付与剤を含む。好ましくは、粘着付与剤層(C)は、約2質量%から約15質量%の、接着性ベース層(B)中に存在するのと同じかまたはこれとの親和性を有するエラストマーであってもよい熱可塑性エラストマーを含む。
【0066】
一般的に、粘着付与剤層は、特定のPSAラミネート用途に対して好適な厚みを有する。本発明の一態様において、粘着付与剤層は、厚み約2μmから約150μmを有する。他の範囲は、約4から約125μmおよび5μmから50μmである。
【0067】
粘着付与剤層は、非接着性ラミネートに当該分野で任意の公知の方法によって適用できる。熱を利用する適用方法の例としては、これらに限定するものではないが、スロットダイコーティング、ロール軸コーティング、カーテンコーティング、ナイフオーバーロールコーティング、およびスプレーコーティングが挙げられる。粘着付与剤層はまた、粘着付与剤組成物のエマルション、分散体または溶液として、任意の好適な方法により適用できる。
【0068】
PSAラミネートの用途に応じ、PSAラミネートの目的(例えばラベル等)のために粘着付与剤層(C)自体が有効なPSA層を形成してもしなくてもよい。用語「PSA」は本開示において先に定義した。言い換えると、粘着付与剤層(C)が、固体基材に適用される際に有効なPSA層を形成しない場合、接着も構造特性(粘着性および強度)も、従来の感圧接着剤ラミネートの特性を有する構造(例えば接着結合)を形成するのに十分とはならない。
【0069】
PSAラミネートのフェイスストック層、接着性ベース層および粘着付与剤層は、所望の特性,例えば、これらに限定するものではないが、外観特性(不透明のまたは着色したフィルム)、耐久性、および加工特性を付与するために無機フィラーならびに他の有機および無機の添加剤を含むことができる。有用なフィラーの例としては、これらに限定するものではないが、炭酸カルシウム、二酸化チタン、金属物品、および繊維が挙げられる。添加剤としては、これらに限定するものではないが、難燃剤、酸化防止剤化合物、熱安定剤、光安定剤、紫外光安定剤、耐ブロッキング剤、加工助剤、および酸受容体を挙げることができる。核形成剤を添加して結晶性を増大させることにより剛性を増大させることができる。
【0070】
PSAラミネートの特定の態様を図1〜8および10〜14に示す。図1〜8および10〜14中のPSAラミネートは、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤が接着性ベース層(B)中に未だマイグレートしていない本発明の態様を示す。フェイスストック層と接着性ベース層との間の共押出しされた溶融結合(10)を各図中に示す。
【0071】
図1中、PSAラミネートの断面は、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、および粘着付与剤層(C)を含んで示している。図2中に、離型層(D)を更に含むPSAラミネートの断面を示している。図3中に、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、およびオーバーラミネート層(E)を含むPSAラミネートの断面を示す。図4中、図1のPSAラミネートの断面を、フェイスストック層(A)と接着性ベース層(B)との間にバリア層(F)を更に含んで示す。図5中、PSAラミネートの断面を、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を含んで示す。図6〜8は、図3〜5のPSAラミネートが離型層(D)を更に含むものを示す。層A〜Fは本開示において先に説明した。図10中で、PSAラミネートの断面は、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)((B)と(C)との間にカーブした界面が存在する)を有して示している。図11中で、PSAラミネートの断面は、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)((B)と(C)との間にぎざぎざした界面が存在する)を有して示している。図12中、PSAラミネートの断面は、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)、およびフェイスストック層(A)(不連続の粘着付与剤層(C)が存在する)を有して示している。図13中、PSAラミネートの断面は、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)、およびフェイスストック層(A)(不連続の粘着付与剤層(C))を有して示している。
【0072】
理論に拘束されることを意図しないが、図14.1〜14.3は、本発明の一態様における粘着付与剤の粘着付与剤層(C)から接着性ベース層(B)中へのマイグレーションの単純化した説明を示す。図14.1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)およびマイグレーション前の粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面を示す。図14.2は、PSA層(B/C)を形成するために図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中にマイグレートする粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の一部のマイグレーションを示す。図14.3は、PSA層(B/C)を形成するための、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の全部の、図14.1に示すPSAラミネートの接着性ベース層中へのマイグレーションを示す。
【0073】
典型的には、PSAラミネートは、厚み約35から約400μm、好ましくは約100μmから約250μm、および最も好ましくは50μmから150μmを有することができる。一般的に、PSAラミネートは、フェイスストック層(A)の接着性ベース層(B)に対する厚み比約50:1から約1:1、好ましくは25:1から2:1を有することができる。よって、フェイスストック層(A)の厚みは、約10μmから約200μm、好ましくは約20μmから約100μm、および最も好ましくは30μmから90μmの範囲内であることができる。接着性ベース層(B)は、厚み約1から約60μm、好ましくは約2から約40μm、および最も好ましくは4から20μmを有することができる。特に好適なPSAラミネートは、厚み50〜150μmを有することができる。
【0074】
非接着性ラミネートは、フェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)を接触させる当該分野で公知の任意の方法で形成できる。例えば、フェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)は、共押出し、溶媒コーティング、およびエマルションコーティングによって接触させることができる。
【0075】
一態様において、非接着性ラミネートは、少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含むフェイスストック層(A)と、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む接着性ベースポリマー層(B)とを共押出しすることを含む方法によって形成し、該方法において後で感圧接着剤ラミネートに変換できる。共押出しは、当該分野で公知の任意の方法によって実施できる。フェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)を共押出しする方法の例としては、これらに限定するものではないが、キャスティングおよびバブル吹出しが挙げられる。一態様において、共押出しは、フィルム状ポリマーと非接着性ポリマーとを別個の押出機内で溶融させ、そして溶融物流を押出しダイ(ここからフェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)を押出す)に供給することで実施できる。
【0076】
接着性ベースポリマーを伴ってのフィルム状ポリマーの共押出しは、2種のポリマーの溶融粘度が類似する場合に促進できる。従って、非接着性ラミネートの形成において利用すべき物質の選択は、共押出しされる物質のメルトフローレートに左右される場合がある。フィルム状ポリマーがポリエチレンである場合の本発明の一態様において、フィルム状ポリマーのメルトフローレートは、190℃で2.16kg重りを用い(ASTM D1238)約0.1g/10分から約15g/10分、好ましくは0.1g/10分から5g/10分の範囲であることができる。本発明の一態様において、フィルム状ポリマーがポリプロピレンである場合、フィルム状ポリマーのメルトフローレートは、230℃で2.16kg重りを用いて(ASTM D1238)約1g/10分から約20g/10分、好ましくは0.1g/10分から10g/10分の範囲であることができる。
【0077】
非接着性ラミネートは、求められる特定の用途に対して好適な厚みを有する。本発明の一態様において、非接着性ラミネートは、厚み約10μmから約260μm、好ましくは約20μmから約140μm、および最も好ましくは30μmから80μmを有する。フェイスストック層の厚みは、約10μmから約200μm、好ましくは約20μmから約100μm、および最も好ましくは30μmから90μmの範囲であることができる。接着性ベース層の厚みは、約1μmから約60μm、好ましくは約2μmから約40μm、および最も好ましくは4μmから20μmの範囲であることができる。フェイスストック層の接着性ベース層に対する比は、50:1から1:1、好ましくは25:1から2:1、および最も好ましくは15:1から4:1の範囲であることができる。
【0078】
任意に、多くの追加ステップを、非接着性ラミネートまたはPSAラミネートに実施できる。従って、例えば、非接着性ラミネートまたはPSAラミネートを(例えば熱延伸および熱セットによって)1軸または2軸に配向させることができる。これに関連し、粘着付与剤層(C)の適用は、延伸が生じる前および/または後の両方に行なえることが好まれる。本発明に係る非接着性ラミネートまたはPSAラミネートの機台方向または2軸の配向は、当該分野で公知の技術によって実現できる。例えば、ラミネートは、テンターフレームを用いることにより機台方向に配向させることができる。
【0079】
しかしこの点で、非接着性ラミネートは、少なくとも1種の接着性ベースポリマーの存在に関わらず、感圧接着剤ラミネートではないことに留意すべきである。従って、殆どの場合、ラミネートは、最高で100℃程度の温度に加熱されたロール上の厚みのいかなる問題も有さないことになる。
【0080】
従って、非接着性ラミネートの非接着性の性質は顕著な利点を有する。よって、この非接着性ラミネートは、容易に取り扱い、そして後の使用(すなわちPSAラミネートへの変換)のために自身の上に巻き付けることができる。更に、共押出しプロセスにおける接着性ベース層の接着性ベースポリマーは、フェイスストック層との共押出しされた溶融結合を構築/形成できる。よって、通常に製造され、トランスファーコートされたホットメルトPSAフィルム状ラベルで生じる可能性があるあらゆるオフセットを解消できる。オフセットは、接着層のフィルム状層基材上への不十分な固定に起因する、ラベル除去の間の接着剤の基材への不所望の転写である。
【0081】
本発明の一態様において、非接着性ラミネートは、厚み約11から約210μmを有して提供され:
a.少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含み、厚み約10から約160μm、好ましくは45から150μmの少なくとも1つのフェイスストック層、および
b.感圧ラミネートを形成可能なTPEの群から選択される少なくとも1種の熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、厚み約1から約50μmの少なくとも1つの接着性ベース層
を含む。
【0082】
非接着性ラミネートは、フェイスストック層の上(すなわち接着性ベース層(B)に接触せず)に厚み約1から約5μmの耐ブロッキング層を更に含むことができる。この任意の耐ブロッキング層は、典型的には、フェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)と共押出しできる。この層の目的は、粘着付与剤層(C)のコーティングの間、巻上げられた非接着性ラミネートのより滑らかな離型または巻戻しを付与することである。
【0083】
本発明の一態様において、熱可塑性エラストマー、および接着性ベース層の厚みは、典型的には、2つの基準:(a)PSAラミネートの強度要求、および(b)約30質量%から約95質量%の熱可塑性エラストマーおよび約5質量%から約70質量%の粘着付与剤を組合せて(例えばホットメルト)粘着付与剤層(C)として非接着性ラミネートに適用する場合の、従来のPSA組成物を形成するための熱可塑性エラストマーの能力、に基づいて選択することになる。これに関連して、粘着付与剤層(C)を「受入れる」ことが接着性ベースポリマー層の目的および機能であることを考えに留めるべきである。よって、接着性ベースポリマー層は典型的には粘着付与剤を含まない。
【0084】
フェイスストック層(A)を接着性ベースポリマー層と共押出しする場合、比較的強く共押出しされた溶融結合がこれら2層の界面で形成される。これは、接着性ラベルの使用中に、基材とともに形成される感圧接着剤ラミネートの任意の結合は、接着剤基材界面または内部(すなわち凝集破壊)のいずれかで破壊されることを暗示する。このことの利点は、これにより、安全保護の不正開封防止ラベルのために、または接着剤−界面破壊モードの除去可能ラベルおよび再封止可能PSAの用途のために好適な、凝集破壊する不正開封防止結合をもたらす好適な配合物の形成が可能になることである。
【0085】
PSAラミネートを作製するための方法もまた提供される。該方法は、少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートに適用することを含み;非接着性ラミネートは少なくとも1つのフェイスストック層(A)および少なくとも1つの非接着性ベース層(B)を含み;フェイスストック層(A)は少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;そして接着性ベース層(B)は少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;粘着付与剤層(C)はPSAでなく;そして粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用する。
【0086】
本発明の別の態様において、方法は、少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含む少なくとも1つのフェイスストック層(A)と、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む少なくとも1つの接着性ベース層(B)とを共押出しして非接着性ラミネートを形成すること、および少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層(B)に適用してPSAラミネートを形成することを含む。
【0087】
粘着付与剤層(C)を適用することによるPSA層(BおよびC)の形成においては、粘着付与剤層(C)(低分子量)から接着性ベース層(B)(高分子量)への分子量勾配が形成されるように、粘着付与剤の一部を接着性ベース層(B)中に拡散させることができる。これは、低分子量の高粘着層を、感圧結合形成のためにこの官能性が必要な正確な場所である(C)の表面に残す。逆に、PSA層(B&C)の高分子量部分においては、向上および改善されたせん断抵抗、クリープ抵抗および高温性能が観察できる。
【0088】
本発明の一態様において、接着性ベース層中に拡散する粘着付与剤の部分は、粘着付与剤層(C)の質量基準での質量パーセントで与えられる以下の範囲:0.1から100;5から100;10から100;15から100;20から100;25から100;30から100;35から100;40から100;50から100;55から100;60から100;65から100;70から100;75から100;80から100;85から100;90から100;95から100;0.1から90;5から90;10から90;15から90;20から90;25から90;30から90;35から90;40から90;45から90;50から90;55から90;60から90;65から90;70から90;75から90;80から90;85から90;0.1から80;5から80;10から80;15から80;20から80;25から80;30から80;35から80;40から80;45から80;50から80;55から80;60から80;65から80;70から80;75から80;0.1から70;5から70;10から70;15から70;20から70;25から70;30から70;35から70;40から70;45から70;50から70;55から70;60から70;65から70;0.1から60;5から60;10から60;15から60;20から60;25から60;30から60;35から60;40から60;45から60;50から60;55から60;0.1から50;5から50;10から50;15から50;20から50;25から50;30から50;35から50;40から50;45から50;0.1から40;5から40;10から40;15から40;20から40;25から40;30から100;35から40;0.1から30;5から30;10から30;15から30;20から30;25から30;0.1から20;5から20;10から20,15から20;0.1から10;および5から10から選択できる。
【0089】
PSAラミネートは、当該分野で公知の任意の方法によって形成できる。本発明の一態様において、PSAラミネートは、1ステップ押出し/スプレーコーティングプロセスで形成でき、そして得られるPSAラミネートは自己巻取りまたは離型ライナー(例えばシリコーンバッキング紙)にラミネートして巻取り、PSAテープ構造またはPSAラベル構造をそれぞれ形成できる。よって、このようなPSAラミネートは、コスト効率よく形成されることになる。特に、粘着付与剤層(C)は、極めて低温、典型的には、従来のホットメルト感圧接着剤よりも100℃以下低い温度でコートできる。これにより、製造プロセスは以下の:(1)感熱性フェイスストック層,例えばポリエチレンを、トランスファーコーティングの通常の方法と比べて直接コートできる;(2)プロセスコストがより低い;(3)粘着付与剤マスターバッチ組成物が、長い熱履歴によってゲル化および/またはチャーリングを示す可能性がある従来高温で加工またはコート(PSA組成物中の粘着付与剤とともに)されてきたPSAラミネートと比べて、より良好な熱エージング特性、より少ない色損失、より少ないチャーリングを有することが期待できる;手法のうち少なくとも1つにおいて改善できる。
【0090】
非接着性ラミネートの製造のために製造設備から種々の位置で最終的なPSAラミネートを「組立てる」ことは特に有利である可能性がある。非接着性ラミネートは、自己巻取りして無制限の時間貯蔵できる。次いで、第2のプロセスステップにおいて、非接着性ラミネート(A&B)を、例えば(幅狭のウェブ)ラベルプレス(好適には、感圧接着層(BおよびC)を形成するための非接着性ラミネート上への粘着付与剤層(C)のスプレーまたはコーティングのために改変される)上で更に加工し、その後、オフライン形成された離型紙または離型フィルム(D)とともにラミネートする。ここで、次いで、完成したラベルを加工し、従来製造されるラベルラミネートとして用いる。コストを更に低減するため、完成したラベルをラベルすべき物品に次に直接適用する場所で、このようなプロセスをインラインで印刷およびラベルの変換とともに行なえることが構想される。これにより、シリコーンバッキング支持体の必要性がなくなり、そしてコストがさらに低減される。
【0091】
非接着性ラミネートの変換は、種々の位置の1つの製造ライン(オンライン)またはオフラインのいずれかで行なうことができる。この変換は、典型的には、粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの第2の表面に(または表面下に)(すなわちこれは、フェイスストック層(A)と接触しない非接着性ラミネートの表面である)適用することによって実施されることになる。粘着付与剤層(C)は、接着性ベース層(B)上に、直接または間接のいずれかで適用できる。間接(またはトランスファー)のコーティングプロセスにおいて、粘着付与剤層(C)をまず中間の担体(例えばシリコン処理紙)上にコートし、次いで接着性ベースポリマー層(B)に転写する。
【0092】
非接着性ラミネートの変換は、ラミネートが加熱されることを必要とする場合がある。加熱は、延伸プロセスにおいて、または別個に例えば赤外ヒーターの手段で実施できる。このような加熱は、粘着付与剤の接着性ベース層中への拡散機構を広げることと非接着性ラミネートをPSAラミネートに変換することとを助けることができる。他の利点は、この粘着付与剤層(C)が、非接着性ラミネート上に極めて低温、典型的には従来のホットメルト感圧接着剤について必要な温度よりも100℃以下低い温度でコートできることである。一般的に、従来のコーティング法の温度は、約130℃から約200℃の範囲であり、一方、粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートに適用するためのコーティング温度は、約60℃から約120℃、または約85℃から約110℃の範囲であることができる。
【0093】
本発明の一態様において、粘着付与剤は、液体または(溶融、溶媒の添加、分散体の形成によって)液化されたものである。好適な溶媒としては、トルエン等の炭化水素が挙げられる。分散体は、水および/またはアルコールで形成できる。よって、本発明は、先に説明した粘着付与剤のうち1種を、溶媒または分散剤のいずれかおよび他の添加剤とともに本質的に含有する粘着付与剤組成物を更に教示する。
【0094】
一般的に、本発明に係るPSAラミネートは、厚み約35から約400μm、好ましくは100から200μmを有することができる。しかし、他のラミネート,例えば、米国2003198737(本明細書の記載と矛盾しない限りにおいて参照により本明細書に組入れられる)に記載される不特定のPSA構成が本発明の範囲内であることが意図される。従って、粘着付与剤層(C)の適用において、非接着性ラミネートに適用すべき層の厚みおよび層中の粘着付与剤の濃度の両者は相当な懸案事項である。
【0095】
粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤濃度、および厚みの範囲は、本開示において先に議論した。よって、粘着付与剤層(C)の1つの機能は、粘着付与剤を接着性ベース層中にマイグレートさせてPSAラミネートを形成するための貯蔵場所または供給元を与えることである。更なる懸案事項は溶媒/分散剤の選択であり、これは一方では粘着付与剤の接着性ベースポリマー層中へのマイグレーションを促進できるが、他方では、接着性ベースポリマー層を事実上膨潤させる量では存在しないのがよい。
【0096】
本発明の一態様において、粘着付与剤層(C)自体はPSAを形成しない。用語「PSA」は本開示において先に定義した。この態様において、粘着付与剤の濃度および粘着付与剤の粘度の両者(粘着付与剤組成物の接着性ベース層への適用の容易性の主な要因となる可能性がある)は、有効な感圧接着剤ラミネートを形成するのには不十分になる。
【0097】
別の態様において、粘着付与剤層(C)はPSAを形成する。用語「PSA」は本開示において先に定義した。
【0098】
粘着付与剤層(C)は、種々の目的で働く他の添加剤を含むことができる。例えば、ポリスチレン補強添加剤が存在してもよい。更に、他の成分を添加して、安定性を改善し、構造的補強を与え、コート性を改善し、または幾つかの他の望ましい特性を与えることができる。従って、粘着付与剤層(C)は、接着剤および顔料の酸化的分解反応を抑制する安定剤を含むことができる。
【0099】
図9は、本発明に係るPSAラミネートを作製する方法の一態様の概略図を表す。共押出し技術においては、ライン10および11を経て共押出しダイ20に2つの溶融物流を与える2つの押出機1および2を利用する。押出機1は、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む接着性ベース層の溶融物流10を与え、そして押出機2は、少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含むフィルム状外側層の溶融物流11を与える。押出機1および2は、ポリマーを溶融させるのに使用し、そしてポンプは、溶融物流を押出しダイ20に供給するために用意する。使用する正確な押出機はプロセスに対して決定的なものではない。多くの有用な押出機が公知であり、これらに限定するものではないが、単軸押出機および2軸押出機等が挙げられる。このような押出機は、種々の販売元,例えばKillion Extruders,Inc.,CW.Brabender,Inc.,American Leistritz Extruder Corp.,およびDavis Standard Corp.から入手可能である。種々の有用な共押出しダイ装置が公知である。本発明において有用な押出しダイの例は、いわゆる「羽根(vane)」ダイ、およびCloeren Company of Orange,Texasから入手可能なマルチマニホールドダイである。再び図9を参照するに、少なくとも2層の溶融した非接着性ラミネート30が押出しダイ20からオリフィス21を経て出る。この非接着性ラミネート(図9中Mとして詳細に示される)は、本発明のフェイスストック層90および接着性ベース層80を含む。
【0100】
実際の製造ラインは、2つより多い押出機を有してもよく、そして最終的な非接着性ラミネートにおいて容易に特定されるものよりも多い層で非接着性ラミネートを作り上げてもよいことがフィルム共押出しプロセス分野の当業者によって理解される。多くの場合で、複数の層を同一または異なる物質の副層で作り上げて、製造速度、製造の融通性および他の理由を向上させる。
【0101】
次いで、非接着性ラミネートを当該分野で公知の任意の方法により更に加工できる。例えば、多くの追加のステップを非接着性ラミネート上に実施できる。本発明の非接着性ラミネートは、種々の時間および/もしくは地理的位置での後の加工、オーバーラミネートならびに変換のために収集でき、または、これらのラミネートは、同じ操作の間に印刷、オーバーラミネートおよび/もしくは変換のための1つ以上の他の工程に送ることができる。図9中に示す例において、非接着性ラミネートは、粘着付与剤組成物の粘着付与剤層70を接着性ベース層80上に形成するコーティングヘッド40によってコートされている。粘着付与剤層(C)を適用する前または後に非接着性ラミネート50を加熱することが必要な場合もある。よって、ヒーター60(例えば赤外ヒーター)の存在が望ましい場合がある。ヒーター60は粘着付与剤層70のコーティングヘッド40による適用の後に位置できることに留意すべきである。粘着付与剤層70が適用された時点で、非接着性ラミネートは最終生成物、フェイスストック層(A)ならびに接着性ベース層80および粘着付与剤層70から形成される感圧接着層(BおよびC)(図9中Nとして詳細に示される)を含むPSAラミネートに、比較的短時間(数分から数時間)で「変換」されることになる。
【0102】
このPSAラミネートは、ラミネートを基材に印刷および適用することにより更に加工できる。これに代えて、PSAラミネートを後の使用のために回収すべき場合にはライナーをPSAラミネートと組合せることができる。
【0103】
PSAラミネートは、製造業の多くの物品、これらに限定するものではないがラベル、ステッカー、テープ、およびフィルム等を製造するために利用できる。
【0104】
本発明の一態様においてはラベルが提供される。ラベルは、少なくとも1種のPSAラミネートを含む。ラベルは、紙ラベル、フィルム状ラベル,例えばライナーなしのフィルム状ラベル、または離型ライナー付きのフィルム状ラベルから選択できる。フィルム状ラベルの例としては、これらに限定するものではないが、パッキングラベルおよび特殊ラベルが挙げられる。パッキングラベルとしては、これらに限定するものではないが、飲料、食品、ヘルスケア製品およびパーソナルケア製品、医薬、工業化学物質、家庭用化学品または小売用製品のパッキングに使用されるラベルが挙げられる。特殊ラベルとしては、これらに限定するものではないが、再配置可能ラベル、除去可能ラベル、再封止可能ラベル、ノールックラベル、箱型冷凍庫ラベルおよび機密保護ラベルが挙げられる。
【0105】
本発明の別の態様において、テープは、PSAラミネートを含んで提供される。テープの例としては、これらに限定するものではないが、多目的テープおよび特殊テープが挙げられる。多目的テープは、パッケージングテープおよび輸送テープ;塗料テープおよびスプレーマスキングテープ;民生用テープおよびオフィス用テープ;ならびにボンディングテープおよび締付テープからなる群から選択できる。特殊テープは、表面保護テープ;電気絶縁テープ;結合テープ、補強テープおよびマーキングテープ;接合テープ;HVAC封止テープ;医療用途テープ;自動車用途テープ;電子工学テープ;安全テープまたは反射テープ;ならびにおむつ閉合テープからなる群から選択できる。
【0106】
本発明の別の態様において、PSAラミネートを含むフィルムが提供される。このようなフィルムとしては、これらに限定するものではないが、接着フィルム、バリアフィルム、保護フィルム、および粘着フィルムが挙げられる。接着フィルムは、感圧接着フィルム、熱活性接着フィルム、片面および両面の接着層、カーペット下敷き、屋根下敷き、透明フィルムまたは着色フィルム、食品接触接着フィルム、およびバッキング層フィルムからなる群から選択できる。バッキング層フィルムとしては、これらに限定するものではないが、薬物マトリクスを支持するために用いるバッキング層フィルム、多目的バッキング層フィルム、または基質特異性バッキング層フィルムが挙げられる。基質特異性バッキング層フィルムとしては、これらに限定するものではないが、不織布、ガラス、紙、綿、ミネラルウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの発泡体/シート、およびアクリル接着剤のためのバッキング層フィルムが挙げられる。
【0107】
バリアフィルムとしては、これらに限定するものではないが、可撓性食品パッケージング;臭気、有機の芳香および風味、湿気、酸素、および他のガスに対するフィルムバリア;熱および衝撃で封止可能なバリアフィルム;印刷可能なバリアフィルム;コロナ処理されたバリアフィルム;オストミー器具;医薬のブリスターパック、キャップライナー、バッグ、および保護服用の布地ラミネーションが挙げられる。
【0108】
保護フィルムとしては、これらに限定するものではないが、固体構造物にラミネートされるフィルムが挙げられる。例としては、これらに限定するものではないが、耐腐食性および耐摩耗性を改善するための波形スチールパイプ上の保護フィルム、塗装表面用のマスキング保護フィルム、内装ガラス用または外装ガラス用の反射フィルム、窓ガラス用の耐破砕フィルム、およびガラス色付けフィルムが挙げられる。PSAはまた、高い光学的透明性を与えるフィルムにおいて利用できる。
【0109】
粘着フィルムとしては、これらに限定するものではないが、食品パッケージング、工業用途、および消費者が封止可能な用途が挙げられる。工業用途の例はパレット梱包である。
【0110】
以下は本発明のPSAラミネートの例である。これらは例であって、本開示の範囲に亘る物品を製造する本発明のPSAの用途を限定するものではないことを理解すべきである。
【0111】
例
試験方法は例1〜4の文中で明記する。
以下の方法は4〜21で用いた。
ループタックは、ガラスに代えてステンレススチールを用いてFINAT FTM 9に従って評価した。FINATはラベルコンバーターのための団体であり、その本部はオランダのハーグにある。
剥離接着力は、AFERA(European Association for the Self Adhesive Tape Industry)5001、試験方法Aに従って25mm幅の種で評価した。
せん断接着力は、AFERA 5012、手順Aに従って25mm幅の種で評価した。
メルトフローレートは、ASTM D−1238に従って評価した。
【0112】
例1−非接着性ラミネート1.1〜1.10の作製
主にポリプロピレン(PP)の外側フィルム状層(80%)とKraton G1657 TPEの接着性ベース層(20%)とを含む非接着性ラミネートを、24/1 L/Dの2つのKillion 1インチ単軸押出機で操作する共押出しライン上で形成した。2つの流れを組合せて上部に接着性ベース層(Kraton TPE)を有する2層流プロファイルを形成し、組合されたポリマー溶融物流を形成するコンバイニングブロックアダプターに、2つの押出機からの取出物を直接入れた。組合されたポリマー溶融物流を、フロープロファイルが最終ラミネート寸法に広がって非接着性ラミネートを形成する6インチ幅フィルムダイに入れた。非接着性ラミネートは、チルロール上に30℃でキャストし、そして層間に適用して予期される粘着を防止する離型紙とともにロールに巻き取った。押出パラメータを以下で一覧にする。
【0113】
【表1】
【0114】
1.5MFRポリプロピレン単独重合体から形成された外側フィルム状層よりもフィルムダイの端部にTPEがより多く流れたことによって、共押出しした非接着性ラミネートロールは100% Kraton TPEを含む端部を示した。公称4.0MFRのポリプロピレンは、共押出しされた非接着性ラミネートにおいてより高い流れとより良好な層分けを与えた。
【0115】
非接着性ラミネート試料1.1において、外側フィルム状層は100%のポリプロピレンポリマーを含んでいた。非接着性ラミネート試料1.2において、外側フィルム状層は、10質量%のRegalite R−1100炭化水素レジン(Eastman Chemical Companyより)と組合された90質量%のポリプロピレンポリマーを含んでいた。非接着性ラミネート試料1.3において、外側フィルム状層は、20質量%のRegalite R−1100炭化水素レジンと組合された80質量%のポリプロピレンポリマーを含んでおり、一方非接着性ラミネート試料1.4において、Regalite R−1100炭化水素レジンの量を30質量%に増大させた。Regalite R−1100レジンをポリプロピレンに添加することによりその溶融粘度が低減され、そして、外側フィルム状層中の炭化水素レジンの量が多くなる程、外側フィルム状層の溶融粘度がより低いことにより層分けがより均一になることが注目された。全ての場合において、名目上のラミネート厚みは、試料の中心に全構造の約18%を含む接着性ベース層を伴って約33milであった。
【0116】
Kraton(登録商標)TPEの接着性ベース層を有する、配向した非接着性ラミネートの作製
厚い非接着性ラミネート試料1.2、1.3および1.4の各々を、T.M.Long Companyによって製造されたテンターフレームフィルム延伸機を用いて4倍×4倍に延伸することによって、配向した非接着性ラミネート標本に延伸した。小標本10cm×10cmを、延伸機のクリップ内に挿入し、そして標本を140℃に加熱した。加熱後、非接着性ラミネート標本を、ひずみ速度約150%/秒で、最終ラミネート寸法に到達するまで両方向に同時に延伸した。最終的な配向した非接着性ラミネートの名目厚みは、ラミネートが約10ミクロン厚のKraton G−1657共重合体の表面層を保持している場所で約2.2milであった。出発ラミネート1.2、1.3および1.4から形成された、配向した非接着性ラミネートを、それぞれ1.5、1.6および1.7とした。外側フィルム状層中のRegalite R−1100レジンによって層の延伸が容易になり、そして10%のRegalite炭化水素レジンのみ有するラミネート1.2では、他の2つのラミネートよりも層の均一性が低いことが注目された。これらのラミネートは良好なフィルム平坦性を示さず、接着性ベース層の表面の後続のコーティングをより困難にした。配向した非接着性ラミネートのいずれも、測定可能な粘着特性または接着特性を示さなかった。
【0117】
同様にして、出発非接着性ラミネート標本1.2、1.3および1.4を、3×3で、140℃で引きひずみ速度毎秒約250%で同じT.M. Longテンターフレーム延伸機を用いて、配向した非接着性ラミネートに延伸し、最終的な非接着性ラミネート試料を1.8、1.9および1.10とした。配向した非接着性ラミネートの平均厚みは約95ミクロンであり、顕著な厚みばらつきは主として過度に高い引きひずみ速度によるものであることが注目された。繰り返すが、Regalite炭化水素レジン濃度が最も高いラミネートは、最も良好な延伸挙動を示した。配向した非接着性ラミネートは、視認できる表面不整を示した。配向した非接着性ラミネートはいずれも測定可能な粘着特性または接着特性を示さなかった。
【0118】
例2−配向した非接着性ラミネート標本1.9および1.10のコーティング
3×3で名目上95ミクロン厚に配向させた、約16ミクロン厚のKraton G−1657共重合体の接着性ベース層を有する配向した非接着性ラミネート1.9および1.10は、僅かな接着特性しか有さないことが注目された。Regalrez 1018液体水素化粘着付与剤レジンのシクロヘキサン溶液を、配向した非接着性ラミネートの接着性ベース層の表面上に、ワイヤラップコーティング棒を用いてコートして、PSAラミネート2.1、2.2および2.3を形成した。十分なシクロヘキサンを添加して粘度を低減し、粘着付与剤レジンが容易にコートできるようにした。コーティングは、適用される乾燥されたRegalrez 1018の量が出発非接着性ラミネート標本質量の約30質量%〜40質量%となるように実施した。
【0119】
初期には、PSAラミネート2.1、2.2および2.3の表面は、液体粘着付与剤レジンのコーティングによって極めてねばねばとしていた。PSAラミネートを2時間60℃のオーブン中でエージングした後、PSAラミネート2.1、2.2および2.3の表面は粘着状態に変わり、Regalrez 1018粘着付与剤レジンの初期の乾燥した表面コーティングからは極めて異なっていた。粘着付与PSAラミネートの180°剥離値は、ASTM D−3330を参考として用いて測定した。PSAラミネート2.1、2.2および2.3を1インチ幅のストリップに切断してステンレススチールパネルに対して圧力をかけて適用し、そして180°剥離特性を測定して剥離値をkgf/25mm幅単位で記録した。
【0120】
【表2】
【0121】
非接着性ラミネートは、ごく小さい粘着性またはPSA接着性を金属基材に対して示すことが観察された。Regalrez 1018粘着付与剤レジンを適用および空気乾燥した直後に、表面は極めて粘着性の特徴を有してねばねばとしていたが、コーティングが単に粘稠液体であるために接着強度はほとんどなかった。約1時間の60℃でのエージング後、液体粘着付与剤レジンは、接着性ベース層(Kraton G1657 TPE)中に拡散して、表面がPSA配合の典型的な粘弾性特性を示す粘着性の半固体となった。これらの標本によって測定された剥離力は良好なPSA接着を表す。
【0122】
例3−配向した非接着性ラミネート標本1.6および1.7のコーティング
配向した非接着性ラミネート試料1.6および1.7の標本は、Regalrez 1018粘着付与剤レジンの80%シクロヘキサン溶液で、ワイヤラップ棒を用いて、接着性ベース層(Kraton G TPE)の表面に適用される乾燥コーティング質量を、出発の配向した非接着性ラミネート質量の約40質量%から50質量%に実現させるためにコートして、PSAラミネート3.1〜3.4を形成した。出発の配向した非接着性ラミネートは、ごく小さい粘着特性または接着特性を示したが、コーティング、乾燥およびPSAラミネートの1時間60℃でのエージングの後、PSAラミネートはPSAのように振舞うことが注目された。PSAラミネートを、ステンレススチールパネルに適用される1インチ幅の標本に切断して、180°剥離試験用およびループタック試験用の試験標本を形成した。180°剥離値は、ASTM D−3330を参考として用いて測定した。ループタック接着値は、ASTM D−6195法を参考として用いて測定した。これらのPSAラミネートについて測定した接着特性を以下に列挙する。
【0123】
【表3】
【0124】
繰り返すが、適用された液体粘着付与剤層の、配向した非接着性ラミネートの接着性ベース層(Kraton G TPE)中への拡散により、もとは非粘着性の接着性ベース層表面が、エージング後に良好なPSA特性を示すPSAラミネートに変換される。標本間のコーティング質量の変動性と組合さった、標本間でのラミネート厚みのばらつきに起因して、表面では適用した粘着付与剤のTPEに対する比に不所望のばらつきが存在した。これは、標本間のPSA特性における実質的なばらつきをもたらした。しかし、これらの例は、粘着付与剤配合物が共押出しされた非接着性ラミネート構造の接着性ベース層の表面に適用される場合には、粘着付与剤種が接着性ベース層(TPE)中に時間とともに拡散することができるため、最終的なPSAラミネートが、接着性ベース層表面に適用される粘着付与剤コーティングの相対量および型に応じてPSA特性を示すことになるという原則を示す役目を有する。
【0125】
例4〜9−共押出しおよびキャスティングによる、粘着付与剤組成物中のポリマー量を種々有するPE/(SEP)x非接着性ラミネート
粘着付与剤層組成物は、例13で単独組成物についてより詳細に説明する手順に従ったKraton G1730およびRegalite R1090およびRegalrez 1018粘着付与剤として得られる(SEP)x共重合体を含んで形成した。Irganox 1010酸化防止剤もまた添加した。(SEP)x共重合体の量は、0〜25質量%で変えた。粘着付与剤および酸化防止剤の量は、(SEP)x共重合体の増大に従って変えた。量を表4〜9で特定する。これらの組成物を用いて粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネート上に形成した。
【0126】
非接着性ラミネートのフェイスストック層は、Sittard,オランダのSabic Europeで得られるSabic低密度ポリエチレンで形成し、そして接着性ベース層はKraton G 1730(SEP)xブロック共重合体であった。低密度ポリエチレンは、密度0.924、および190℃で2.16kg重りを用いたメルトフローインデックス0.75g/10分を有していた。
【0127】
加えて、非接着性ラミネートは、接着性ベース層から離れてフェイスストック層の表面に耐ブロッキング層を含んでいた。3%シリカを含む低密度ポリエチレンを耐ブロッキング層に用いた。
【0128】
非接着性ラミネートは、低密度ポリエチレン、(SEP)xブロック共重合体、および耐ブロッキング層を共押出しすることによって形成した。3つの別個の押出機を有するキャストフィルム押出しラインを利用した。フェイスストック層用の押出機は、6つのゾーンを含んでおり、そして入口温度約170℃かつ出口温度約220℃で運転した。接着性ベース層および耐ブロッキング層のための押出機は、3つのゾーンを含み、そして入口温度約180℃から190℃および出口温度約210℃で運転した。ポリエチレンのフェイスストック層は全体の32%を占め;接着性ベースポリマーは全体の押出し量の12%を占め;そして耐ブロッキング層は押出される全体量の56%となった。押出機からの溶融物はcloerenblokフィードブロック、次いでBlack Clawson Spuitkopダイに通した。ダイ温度は約250℃から約260℃の範囲であり、そしてウェブ速度は21.3m/分であった。キャスト後、非接着性ラミネートを冷却および巻直しした。
【0129】
粘着付与剤層組成物を非接着性ラミネート上にトランスファーコート(平方メートル当り24グラム、すなわちg/m2)して感圧接着剤ラミネートを、ホットメルトダイコーターを用いて離型ライナー上に形成した。感圧ラミネートを、剥離接着力、ループタックおよびせん断抵抗特性について、初期、1時間後、24時間後、48時間後、1週間後、2週間後および3週間後で試験した。データを表4〜9に一覧で示す。
【0130】
これらの例では、例2および3を除き、一般的に剥離およびループタックが時間とともに低減され、一方せん断抵抗は全ての場合で時間とともに増大したことが観察される。更に、せん断抵抗は、粘着付与層中のポリマー量がより高いとより速く高まった。
【0131】
理論に拘束されることを意図しないが、粘着付与剤層(C)の適用によるPSA層(BおよびC)の形成において、粘着付与剤層(C)(低分子量)から接着性ベース層(B)(高分子量)への分子量勾配が形成されるように粘着付与剤の一部または全部が接着性ベース層(B)中に拡散することが推奨される。これにより、低分子量で高粘着性の層が、感圧結合を作るためにこの機能が必要な正確な場所である(C)の表面に残る。逆に、PSA層(B&C)高分子量部分では、改善されたせん断抵抗を観察できる。これらの実験結果は、この事項と一致し、粘着付与剤および接着性ベース層が相互拡散するために要する時間を反映する。
【0132】
ゼロおよび5%のKraton G1730(SEP)xを粘着付与剤層(C)中に含むPSAラミネートは、離型紙に対してオフセットを示した。オフセットは、室温での貯蔵の1週間後に止まり、粘着付与剤の粘着付与剤層(C)から接着性ベース層(B)中への拡散を再び示した。
【0133】
【表4】
【0134】
【表5】
【0135】
【表6】
【0136】
【表7】
【0137】
【表8】
【0138】
【表9】
【0139】
PSAラミネートを作製する更なる例として、3種のPSAラミネートを作製した。接着剤(接着性ベースポリマーおよび粘着付与剤)を、2つの非PSA層(非接着性ラミネート(B)および粘着付与剤層(C)の互いへのマイグレーションによって調製した。これは例10〜14において示す。
【0140】
比較の目的で、2種のPSAラミネートを、従来技術を用いて作製した。比較例15は、ホットメルト技術に基づくPSA(PSA15.1&15.2)を与える。例16は、溶媒技術に基づくPSA(PSA16.1)を与える。全てのこれらの実験についての指針は、全PSA中の最終的な接着層が同じ全体組成および坪量を有することである。PSAラミネート14.3もまた同じフェイスストック層(BOPP)を有するため、PSA14.3の接着特性は比較PSA15.1、15.2および16.1の特性と直接比較できる。これらの結果を表10に纏める。
【0141】
例10−共押出しおよびフィルムインフレーションによるPE上の非接着性ラミネート10.1(SEP)x
非接着性ラミネートのフェイスストック層を、Sittard,オランダのSabic Europeから得られる低密度ポリエチレン(Sabic 2201 TH 00)で形成し、そして接着性ベース層は、Kratonより得られるKraton G1730である(SEP)xブロック共重合体であった。低密度ポリエチレンは、230℃で2.16kg重りを用いたときのメルトフローインデックス0.8g/10分であった。加えて、非接着性ラミネートは、5質量%の耐ブロッキング添加剤および1質量%の耐スリップ添加剤を接着性ベース層中に含んでいた。
【0142】
非接着性ラミネートは、低密度ポリエチレンおよび(SEP)xブロック共重合体を共押出しすることによって形成した。5つの別個の押出機を有するインフレーションフィルム(blown film)押出しラインを用いた。2つの押出機を用いて外側層(これはフェイスストック層である)および内側層(これは接着性ベース層である)を作製した。他の3つの押出機を用いて、2つの押出機の取出物を分割することによって対称な5層フィルムコアを作製した。各押出機は少なくとも5つの加熱ゾーンを有していた。ポリエチレンは、初めの4つのゾーンで170℃から200℃に加熱し、一方(SEP)xブロック共重合体は、初めの4つのゾーンで190℃から230℃に加熱した。圧力プロファイルは、最も高い圧力で押出される中心の層を有する非接着性ラミネートの全域で選択した。最終的に、押出機のスループットは、13マイクロメートルの(SEP)x接着性ベース層を有する64マイクロメートルのポリエチレンフェイスストック層が得られるように選択した。非接着性ラミネート10.1は、16m/分および製造幅60cmで形成した。
【0143】
例11−共押出しおよびフィルムインフレーションによるPP上の非接着性ラミネート11.1(SEP)x
非接着性ラミネート11.1のフェイスストック層は、Borealis(BorealisRB707CF)から得られるポリプロピレンで形成し、そして接着性ベース層は、オランダのKratonから得られるKraton G1730(SEP)xブロック共重合体であった。ポリプロピレンは、230℃で2.16kg重りを用いたときのメルトフローインデックス0.9g/10分を有していた。加えて、非接着性ラミネート11.1は、5%の耐ブロッキング添加剤を接着性ベース層中に含んでいた。
【0144】
非接着性ラミネート11.1は、ポリプロピレンと(SEP)xブロック共重合体とを共押出しすることによって形成した。5つの別個の押出機を有するインフレーションフィルム押出しラインを用いた。2つの押出機を用いてフェイスストック層および内側の接着性ベース層を作製した。他の3つの押出機を用いて、2つの押出機の取出物を分割することによって対称な5層フィルムコアを作製した。各押出機は少なくとも5つの加熱ゾーンを有していた。よって、6層のポリプロピレン(一緒にフェイスストック層(A)を形成する)および1層の(SEP)xブロック共重合体(接着性ベース層(B))が存在した。ポリプロピレンは、初めの4つのゾーンで180℃から225℃に加熱し、一方(SEP)xブロック共重合体は、初めの4つのゾーンで190℃から250℃に加熱した。圧力プロファイルは、最も高い圧力で押出される中心の層を有する非接着性ラミネート11.1の全域で選択した。最終的に、押出機のスループットは、12マイクロメートルの(SEP)x接着性ベース層を有する39マイクロメートルのポリプロピレンフェイスストック層が得られるように選択した。非接着性ラミネート11.1は、15m/分および製造幅60cmで形成した。
【0145】
例12−溶媒コーティングによるBOPP上の非接着性ラミネート12.1(SEP)x
耐溶剤性プラスチック1Lフラスコ中で、240gのKraton G1730を480gのトルエンに添加することによって、Kraton G 1730共重合体である(SEP)x33質量%溶液を調製した。2gの酸化防止剤Irganox 1010を添加した。混合物を低速ローラーバンク上に4日間置いて、Kraton G1730共重合体の透明な溶液を調製した。
【0146】
36μmの2軸配向ポリプロピレン(BOPP、コーティングする前に解放して巻戻し(unwind)を促進した)上に、Lithington,UKにあるRK Print Coat Instruments,Ltdによる設備を用いて、室温で速度5m/分程度でKraton G1730溶液をコートした。ロール間の調整可能なギャップを用いてコーティング質量(目付量)を制御した。溶媒は、それぞれ90℃、110℃、110℃および110℃の4つのドライヤー区分にて非接着性ラミネートから除去した。10〜14g/m2の間のTPEコーティング質量を有するBOPP/Kraton G1730非接着性ラミネートが得られた。
【0147】
例13−粘着付与剤組成物の調製
37.5%のRegalite R1090および51.5%のRegalrez 1018粘着付与剤、10%の(SEP)x共重合体(Kraton G1730として得られるもの)および1%のIrganox 1010酸化防止剤を含む粘着付与剤層組成物を、有効容積約1LのZ−ブレードミキサー(Linden,Marienheide,ドイツ)内で形成した。
【0148】
この設備に必要な初期充填量に合致させ、そしてポリマー/粘着付与剤の比に関してこの種の設備に採用される最良の実施に合致させるため、初期には15%の(SEP)xポリマーを含む混合物を調製し、次いでポリマー10%に希釈した。
【0149】
Z−ブレードミキサーは初期には150gのKraton G1730、10.5gのIrganox 1010酸化防止剤および75gのRegalite R 1090で充填した。Z−ブレード混合チャンバーは、設定点170℃の油浴を用いて加熱してミキサー内の内部温度約150℃を与えた。共重合体および粘着付与剤をZ−ブレードミキサーの側から通常に除去して、これらの成分を50分間で均一な生成物に混合した。この混合物に対し、更に275gのRegalite R1090粘着付与剤を少しずつ、次いで490.5gのRegalrez 1018粘着付与剤を少しずつ添加した。300gのこの粘着付与剤/共重合体の混合物を取出し、そして更に149.1gのRegalite R0190粘着付与剤、3gのIrganox 1010酸化防止剤および197gのRegalrez 1018粘着付与剤を少しずつ残りの700gの混合物に添加して1050gの粘着付与剤層組成物を得た。生成物をシリコーン離型でコートされた紙箱内に注ぎ、更に使用するために室温に冷却した。
【0150】
例14−非接着性ラミネートを例13に係る粘着付与剤組成物とともにトランスファーコーティングしてPSA14.1、14.2および14.3を作製することによる、非接着性ラミネート10.1、11.1および12.1(例10〜12)からのPSA形成
例13の粘着付与剤組成物を、24g、110℃でシリコーン系離型ライナー上にスロットダイコーターを用いてコートし、次いでこれを、例10〜12による非接着性ラミネートとともに粘着付与剤組成物側の上に(粘着付与剤をKraton G 1730共重合体側に)ラミネートしてPSAラミネート14.1、14.2および14.3をそれぞれ作製した。Bobis,Apeldoom,オランダにあるBobisによって供給されるコーティング設備を、ライン速度40m/分程度で用いた。速度を変えてコーティング質量を制御した。同様の設備が、LC Maan Engineering,Raalte,オランダを経て入手可能である。
【0151】
コーティング質量が34〜36g/m2の間のPSAラミネートを5cm幅のロール内に滑り込ませ、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。PSAラミネートを、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について24時間後、1週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表10に一覧で示す。
【0152】
例15−比較PSAラミネート15.1および15.2(スロットダイまたはロール軸法によるBOPP上の接着性ベースポリマーおよび粘着付与剤)の作製
恒温油浴加熱しながら、Z−ブレードミキサーLinden LK−IIに、400gのKraton G1730共重合体、7グラムのIrganox 1010酸化防止剤、および200グラムのRegalite R1090粘着付与剤を添加した。Z−ブレード混合チャンバーは、油浴を用いて設定点170℃で加熱してミキサー内の内部温度約150℃を与えた。内側表面に粘着するレジンまたは共重合体は、1時間後に均一な混合物が得られるまで5分毎に熱いスパチュラで切り離した。更に50gのRegalite R1090粘着付与剤をミキサーに添加し、次いで343グラムのRegalrez 1018粘着付与剤の部分を添加した。最後に、温かいホットメルト配合物を、シリコンインナーライナーを有する厚紙箱内に注いで約1kgのホットメルト接着剤を調製した。
【0153】
ホットメルト接着剤を36μm2軸配向ポリプロピレン(BOPP、コーティングする前に解放して巻戻しを促進した)上に、ロール心棒(IVa)またはスロットダイ(IVb)コーティング設備(Bobisより)を用い、180℃、速度40m/分程度でコートして比較PSA15.1および15.2を形成した。Bobis,Apeldoom,オランダにあるBobisにより供給されるコーティング設備を、ライン速度40m/分程度で用いた。速度を変えてコーティング質量を制御した。同様の設備が、LC Maan Engineering,Raalte,オランダを経て入手可能である。速度を変えてコーティング質量を制御した。コーティング質量34〜36g/m2のPSA15.1および15.2を5cm幅のロール内に滑り込ませ、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0154】
PSAラミネート(15.1および15.2)を、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について、初期、24時間後、1週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表10に一覧で示す。
【0155】
例16−比較PSAラミネート16.1(溶媒/RKコーターを用いたBOPP上の接着性ベースポリマーおよび粘着付与剤)の作製
Kraton G1730の共重合体である144グラムの(SEP)xに288グラムのトルエンを添加し、そして混合物を48時間低速ローラーバンク上に置くことにより、33質量%Kraton G1730共重合体溶液を調製した。得られた溶液に、90グラムのRegalite R1090粘着剤、125.5グラムのRegalrez 1018粘着剤、および2.5グラムのIrganox 1010酸化防止剤を添加した。ローラーバンク上更に24時間後、55質量%の固体接着剤を得た。
【0156】
36μmの2軸配向ポリプロピレン(BOPP、コーティング前に解放して巻戻しを促進した)上に、RK Print Coat Instruments,Ltdによる設備を用いて、室温で速度5m/分程度で、該接着剤をコートしてPSA16.1を形成した。ロール間の調整可能なギャップを用いてコーティング質量(目付量)を制御した。溶媒は、それぞれ90℃、110℃、110℃および110℃の4つのドライヤー区分にてPSA16.1から除去した。コーティング質量が34〜36g/m2の間のPSAを5cm幅のロール間に滑り込ませ、そして気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0157】
PSAラミネート16.1を、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について、初期、24時間後、1週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表10中に一覧で示す。
【0158】
【表10】
【0159】
明確に、ラミネート14.1、14.2および14.3は、剥離接着力、ループタックおよびせん断接着のデータに基づきPSAである。PSAの特定は本開示において先に説明した。PSA14.3についての剥離およびループタックの値は、同等のラミネートPSA15.1、15.2および16.1についてよりも高かった。せん断接着力およびループタックは、PSA14.1、14.2および14.3について時間依存性であり、典型的には初期にループタックが高くせん断値が低い。従来法を用いて作製した比較PSA15.1、15.2および16.1と接着特性において少なくとも同等かそれより良好な特性のPSAを得るための特性は時間とともに変化する。
【0160】
上記に関わらず、粘着付与剤の接着性ベース層中へのマイグレーションによるPSAの接着層の形成は、多くの他の利点を与えることができる。利点としては、以下:加工上の利点および他の特性についての利点,例えば色、臭い、透明性、光沢、ヘイズ、および固定性のうち少なくとも1つが挙げられる。加工上の利点としては:1)色および臭い等の多くの特性を改善するより低い加工温度、ならびに2)PSAラミネートの光学特性を改善する極めて平滑で欠陥のない表面を可能にするより低い粘度、が挙げられる。向上した特性を与えることに加え、経済的な利点を得ることができる。より低い温度は必要なエネルギーがより少なく、そしてより低い粘度はより高いライン速度を可能にする。フィルム状ポリマーおよび接着性ベース層の共押出しされた溶融結合により、従来のPSAでのような接着剤とフィルム状バッキングとの間の分離した界面の存在が排除される。これにより、本発明のPSAの視覚的外観が従来のPSAよりも向上する。流れが悪いこと、空気の同伴または濡れ性が悪いこと、およびあらゆる散乱によりもたらされる表面欠陥の恐れが排除されるからである。
【0161】
本発明の他の利点は、粘着付与剤組成物の低い粘度が非接着性ラミネートに優れた濡れ性を与え、そして平滑にコートされた表面を与えることにより、PSAラミネートが改善された透明性およびヘイズを有することである。従来のPSAに共通の問題は、接触または表面欠陥をもたらし、PSAラミネートの視覚的外観を低下させる、接着剤のフェイスストックに対する不適切な濡れまたは不十分な流れである。
【0162】
例17−粘着付与剤層の分散コーティング
例13の粘着付与組成物は、100グラムの粘着付与組成物、9グラムの水素化ロジン酸(StaybelliteレジンE, Eastman Chemical Company,Middelburg,オランダ)、および2.2グラムの50質量%KOH水を加熱することによって分散体として配合した。後者の2成分は、粘着付与表面活性系として働く。次いで、激しい撹拌下で、約100グラムの水を90℃でゆっくり加え、次いで冷却した。固形分52質量%、Coulter型粒子サイズ装置および粘度500mPasを用いて測定した場合の粒子サイズ258nmで粘着付与レジンの分散体を得た。非接着性ラミネート14.1、14.2および14.3のA4シート上に、K−bar型6を用いて分散体をコートして、PSAラミネートを2分間100℃で乾燥させてPSA18.1、18.2および18.3を形成した後に24グラムの粘着付与層(C)を作製した。全PSAラミネートは、1週間、23℃で>10000分のせん断強度を有し、そして、3週間のエージング後に剥離強度>10N/25mmを有していた。
【0163】
例18−共押出しおよびキャストによる非接着性ラミネート18.1(SEP)xおよびPE
非接着性ラミネートのフェイスストック層は、Sittard,オランダのSabic Europeから得たSabic低密度ポリエチレンで形成し、そして接着性ベース層は、Kraton G1730(SEP)xブロック共重合体であった。低密度ポリエチレンは、密度0.924(g/cm3)および190℃で2.16kg重りを用いたときのメルトフローインデックス0.75g/10分を有していた。加えて、非接着性ラミネートは、接着性ベース層から離れてフェイスストック層の表面上に耐ブロッキング層を含んでいた。3%シリカを含む低密度ポリエチレンを耐ブロッキング層用に利用した。
【0164】
非接着性ラミネートは、低密度ポリエチレン、(SEP)xブロック共重合体、および耐ブロッキング層を共押出しすることによって形成した。3つの別個の押出機を有するキャストフィルム押出しラインを利用した。フェイスストック層用の押出機は、6つのゾーンを含み、入口温度約170℃および出口温度約220℃で運転した。接着性ベース層用および耐ブロッキング層用の押出機は、3つのゾーンを含み、入口温度約180℃から190℃および出口温度約210℃で運転した。シリカを有するポリエチレンの耐ブロッキング層は、厚み50マイクロメートルを有し;コアのポリ(エチレン)フィルム状層は厚み30マイクロメートルを有し、そして接着性ベース層は厚み30マイクロメートルを有していた。押出機からの溶融物をcloerenblokフィードブロック、次いでBlack Clawson Spuitkopダイに通した。ダイ温度は約250℃から約260℃の範囲であり、そしてウェブ速度は21.3m/分であった。キャスト後、非接着性ラミネート18.1を冷却および巻直しした。
【0165】
例19−非接着性ラミネート18.1を例13による粘着付与剤組成物とともにトランスファーコーティングしてPSA19.1〜19.5を形成することによる、非接着性ラミネート18.1を用いたPSA形成
例13の粘着付与剤組成物を、30,50,70,90および125g/m2で110℃にて、シリコーン系離型ライナー上にスロットダイコーターを用いてコートし、次いでこれを、例18による非接着性ラミネートとともに粘着付与剤組成物側の上に(粘着付与剤をKraton G 1730共重合体側に)ラミネートして感圧接着剤ラミネート(PSA19.1,19.2,19.3,19.4および19.5)を作製した。Meltex、現Nordson, Luneburg,ドイツによって供給されるコーティング設備をライン速度3から11m/分で用いた。速度を変えてコーティング質量を制御した。低い速度は高いコーティング厚みに対応する。PSAラミネートは、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0166】
PSAラミネートを、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について24時間後、4日後、1週間後、2週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表11に一覧で示す。
【0167】
【表11】
【0168】
これらの例は、PSAラミネートの接着特性が、粘着付与層の厚みのばらつきとともに広く変化することを示す。これは、単一非接着性ラミネートによる種々の接着特性の付与において極めて有用である。また、粘着付与層厚みの大きい範囲を用いて、有用な特性を有するPSAラミネートを与えることができる。
【0169】
例20−非接着性ラミネート20.1(共押出しおよびフィルムインフレーションによるPE上のKraton G 1730共重合体)
非接着性ラミネートの外側フィルム状層は、Sittard,オランダのSabic Europeから得た低密度ポリエチレン(Sabic 2201 TH 00)で形成し、接着性ベース層は、Kratonから得たKraton G 1730(SEP)xSEPSブロック共重合体で形成した。低密度ポリエチレンは、190℃で2.16kg重りを用いたメルトフローインデックス0.8g/10分を有していた。加えて、非接着性ラミネートは、5質量%の耐ブロッキング添加剤および1質量%の加工助剤を含んでいた。例10で用いたのと同様のフィルムインフレーションプロセスを用いて、6マイクロメートルの(SEP)x接着性ベース層を有する85マイクロメートルのポリエチレンフィルム状外側層を作製した。ロールは製造幅70cmを有し、そして50cmおよび20cmのロールに再び細長く切った。
【0170】
例21−例20に従った非接着性ラミネート20.1からの、非接着性ラミネートを例13に従った粘着付与剤組成物とともにトランスファーコーティングしてPSA21.1〜21.3を作製することによるPSA形成
例13の粘着付与剤組成物を、10、15および20g/m2で110℃にて、シリコーン系離型ライナー上にスロットダイコーターを用いてコートし、次いでこれを、例20による非接着性ラミネートとともに粘着付与剤組成物側の上に(粘着剤をKraton G 1730側に)ラミネートしてPSAラミネート21.1、21.2および21.3を作製した。Meltex、現Nordson, Luneburg,ドイツによって供給されるコーティング設備をライン速度19〜39m/分の間で用いた。速度を変えてコーティング質量を制御した。低い速度は高いコーティング厚みに対応する。PSAラミネートは、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0171】
PSAラミネートを、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について24時間後、2日後、1週間後、2週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表12に一覧で示す。
【0172】
【表12】
【0173】
これらの例は、PSAラミネートの接着特性が、粘着付与剤層の厚みのばらつきとともに広く変化しうることを示す。これは、単一非接着性ラミネートによる種々の接着特性の付与において極めて有用である。
【0174】
例22−例20に従った非接着性ラミネート20.1からの、非接着性ラミネートを例13に従った粘着付与剤組成物とともにトランスファーコーティングしてPSA22.1を作製することによるPSA形成
例13の粘着付与剤組成物を、13g/m2で100℃にて、シリコーン系離型ライナー上に、圧ロールを有するナイフオーバーロールコーターを用いてコートし、次いでこれを、例20による非接着性ラミネートとともに粘着付与剤組成物側の上に(粘着付与剤をKraton G 1730側に)ラミネートしてPSAラミネート22.1を作製した。Kroenert Maschinenfabrik Max Kroenert GmbH&Co KG,Hamburg,ドイツによって供給されるコーティング設備をライン速度50m/分で用いた。PSAラミネートは、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0175】
PSAラミネートを、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について24時間後、2日後、4日後、1週間後、および2週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表13に一覧で示す。
【0176】
【表13】
【0177】
更に、PSAラミネートは、共焦点ラマン分光法によって、WiTec共焦点ラマン分光装置CRM 200を用いて試験した。Nikonの対物、CFI Plan Achromat 10Ox,NA=0.9をカバーガラス補正なしで用いた。用いたレーザー出力は532nmで15MWであった。粘着付与剤層からポリエチレンバッキング層まで深さ分析を行なった。特徴的なラマンシグナル:
760〜790cm-1を粘着付与剤について;
1120〜1140cm-1をポリエチレン(フェイスストック層)について;そして
3014−3100cm-1を(SEP)x共重合体(接着性ベースポリマー)について;
を用いてもとの層の化合物を同定した。
【0178】
これらのシグナルの強度を用い、粘着付与剤、(SEP)x、およびポリエチレンの濃度を示す断面を深さ(μm)の関数として得た。
【0179】
PSAラミネート22.1の深さプロファイルは、粘着付与剤のマイグレーション挙動を検討するために、室温でのエージング3および8日後に測定した。各分析は、PSAラミネートの異なる位置で5回行なった。これらの分析の結果は、測定の各シリーズ上で平均した。マイグレーションを定量化するために、粘着付与剤シグナルと接着性ベースポリマーシグナルとのピーク値間の距離を算出し、続いて粘着付与剤と(SEP)xとの両者についての破壊指数(breaking index)の1.5の値を仮定することによって値を補正した。
【0180】
貯蔵3日間と8日間との間で、粘着付与剤と(SEP)x共重合体とのピーク値間の距離が12マイクロメートルから7マイクロメートルに減少したことが分かった。理論的には、ピーク値間の距離0マイクロメートルは、組成の相違なく全部がマイグレートした系を表す。
【0181】
表13中に列挙するように、PSAラミネートのせん断抵抗は、同様の時間枠(例えば2日〜1週間)でほぼ1桁増大した。
【0182】
理論に拘束されることを意図しないが、これは、共焦点ラマン分光によって検討するに、接着特性の経時的な変化が粘着付与剤の接着性ベース層中へのマイグレーションに関連することを暗示する。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】図1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)および粘着付与剤層(C)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図2】図2は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)および離型層(D)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図3】図3は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)およびオーバーラミネート層(E)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図4】図4は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図5】図5は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図6】図6は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)およびオーバーラミネート層(E)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図7】図7は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図8】図8は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図9】図9は、本発明に係るPSAラミネートを作製する方法の一態様の概観図である。
【図10】図10は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し(B)と(C)との間にカーブした界面を有するPSAラミネートの断面である。
【図11】図11は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し(B)と(C)との間にぎざぎざした(jagged)界面を有するPSAラミネートの断面である。
【図12】図12は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し不連続な粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面である。
【図13】図13は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し不連続な粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面である。
【図14A】図14.1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)およびマイグレーション前の粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面を示す。
【図14B】図14.2は、図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中にマイグレートする粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の一部のマイグレーションを示す。
【図14C】図14.3は、図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中への、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の全てのマイグレーションを示す。
【図15】(原文に記載なし)
【図16】(原文に記載なし)
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、非接着性ラミネートおよび感圧接着剤(PSA)ラミネートに関する。本発明はまた、非接着性ラミネートおよびPSAラミネートを製造する方法に関する。製造物品はまた、これらに限定するものではないがテープ、ラベル、保護フィルム、標識、ステッカー等に作製される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
一般的に、感圧接着剤ラミネートは、少なくとも1種のポリマー成分、少なくとも1種の粘着付与剤成分、および少なくとも1種の可塑剤を含む。次いでこれらの成分を熱、水または溶媒を用いて物理的に一緒に混合する。これらの感圧接着剤(PSA)ラミネートは、例えばラベル、テープ、ステッカー、標識等のような製造物の物品において使用する。PSAラベルは一般的に印刷情報を目的物または物品に適用するために用いる。PSAラベルは典型的には離型ライナー、離型ライナー上に配置したPSA層、およびPSA層上にラミネートされたフィルム状ポリマーであってもよい外側層を含む。このようなラミネートは、まずPSAを離型ライナーにコーティングまたはラミネートし、次いでPSAコートされたライナー上に外側層をラミネートすることによって、またはこれに代えて、PSAを外側層にコーティングまたはラミネートし、次いでPSAコートされた外側層を離型ライナー上にコーティングまたはラミネートすることによって形成できる。外側層は典型的にはプラスチックで形成され、PSAおよびライナーに外側層をラミネートする前または後のいずれかに該プラスチックを情報または他の印とともに印刷する。
【0003】
PSAラミネートの接着特性およびこのようなラミネートを形成するためのプロセスを改善するための研究努力が産業界において存在する。フィルム状フェイスストック層および感圧接着剤を押出すために押出しまたは共押出しが利用されてきたが、設備ローラへの付着等の加工上の問題が生じていた。
【0004】
PSAラミネートの設備ローラへの粘着を防止するために、離型ライナー(これは共押出しプロセスの直後にPSAラミネートにラミネートされる)が必要になる可能性がある。
産業界においては、PSAラミネートを形成するための改善されたプロセスおよび改善された特性を有するラミネートに対する要求が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
本発明の第1の態様に従い、少なくとも1つの非接着性ラミネートおよび少なくとも1つの粘着付与剤層を含むPSAラミネートを提供し:該非接着性ラミネートは少なくとも1つのフェイスストック層および少なくとも1つの接着性ベース層を含み;該フェイスストック層が、少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;該接着性ベース層が、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;該粘着付与剤層が、少なくとも1種の粘着付与剤を含み;粘着付与剤組成物がPSAでなく;そして該粘着付与剤層を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用してPSAラミネートが形成されている。
【0006】
本発明の別の態様に従い、PSAラミネートを製造するための方法を提供する。該方法は、少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートに適用することを含み;該非接着性ラミネートが、少なくとも1つのフェイスストック層(A)および少なくとも1つの非接着性ベース層(B)を含み;該フェイスストック層(A)が少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;そして該接着性ベース層(B)が少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;該粘着付与剤層(C)がPSAではなく;そして該粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用してPSAラミネートを形成する。
【0007】
本発明は、少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用することによって少なくとも1つのフェイスストック層(A)と少なくとも1つの接着性ベース層(B)とを含む非接着性ラミネートをPSAラミネート化することができるという発見に基づく。驚くべきことに、この手法を実施することによって、従来の方法によって製造されたPSAラミネートに比べて以下の利点のうち少なくとも1つを有するPSAラミネートが得られることが見出された。
【0008】
1つの利点は、粘着付与剤層(C)が極めて低温、典型的には従来のホットメルト感圧接着剤よりも低い100℃以下でコートできることである。これは粘着付与剤層(C)が接着性ベースポリマーをもはや含まないためである。これにより以下の:
a.感熱性フェイスストック層(例えばポリエチレン)が影響しない;
b.コーティング温度がより低いことによって操業コストがより低い;そして
c.PSAラミネートが、より高温を必要とする従来のホットメルト感圧接着剤と比べて改善された熱エージング特性、より小さい色損失を有し、チャーリングがない等の;
手法のうち少なくとも1つにおけるラベル加工プロセスが改善される。
【0009】
別の利点は、接着性ベース層(B)中および粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の分子量勾配である。理論に拘束されることを意図しないが、自動接着融合および分子内マイグレーションの機構によって、接着性ベース層(B)および粘着付与剤層(C)は、粘着付与剤層(C)から接着性ベース層(B)への粘着付与剤の分子量勾配を示すことができると考えられる。この分子量勾配により、低分子量、高粘着性の層が、感圧結合を生じさせるのにこの官能性が必要な場所である粘着付与剤層(C)の表面に維持される。粘着付与剤の接着性ベース層(B)(PSAラミネートの高分子量部分)中へのマイグレーションは、以下の特性:剥離接着力、ループタック性、せん断抵抗、クリープ抵抗、および高温性能のうち少なくとも1つを改善できる。
【0010】
本発明の別の利点は、接着性ベース層(B)を高凝集強度ポリマーで製造できることである。高凝集強度ポリマーは、ASTM D1238を用い190℃で2.16kg重りを用いたときのメルトフローレート<1g/10分を有するポリマーである。このような高凝集強度ポリマーを用いて従来のホットメルト感圧接着剤を製造すると、極めて高いホットメルト粘度(高すぎて公知のホットメルトコーティング設備を用いてはこれらをコートできない)をもたらす可能性がある。
【0011】
本発明の別の利点は、フィルム状ポリマーをフェイスストック層として利用する場合に、PSAラミネートが改善された透明性とヘイズを有することである。これは粘着付与剤組成物が低粘度であることが非接着性ラミネートの優れた濡れ性を与え、そして平滑なコート表面を与えるからである。従来のPSAにおいては、接着剤のフェイスストックへの濡れ不足または不十分な流動によってPSAラミネートの接触または表面欠陥が生じて視覚的外観が悪化することがよくある問題である。
【0012】
本発明の別の利点は、コーティング接着剤分野の当業者に公知の通常のコーティング技術(例えばスロットダイコーティング、カーテンコーティング、スプレーコーティング、溶液コーティング、または分散体コーティング)によって粘着付与剤層(C)を適用することによりPSAラミネート化できるフェイスストック層(A)と接着性ベース層(B)とからなる容易に入手可能な非接着性ラミネートから、ここでPSAラミネートをすぐに組立てられることである。
【0013】
フィルム状ポリマーをフェイスストック層として利用する場合においては、接着性ベース層(B)の接着性ベースポリマーがフェイスストック層(A)上に共押出しされ、従って共押出しされた溶融結合が形成されることにより接着性ベースポリマーのフェイスストック層上への固定が改善されるという更なる別の利点が見出されている。これにより、通常製造されるフィルム状ラベルPSAで生じる可能性があるあらゆるオフセットを解消できる。オフセットは、接着剤のフィルム状ラベル基材上への不十分な固定に起因する、ラベル除去の間の接着剤の基材への不所望の転写である。更にこれは、PSAラミネートの使用中のPSAラミネートと基材との任意の結合が基材界面においてまたは内部で破壊される(すなわち凝集破壊)であろうことを暗示する。この種の破壊の利点は、これにより、安全保護の不正開封防止ラベルのために;接着剤、界面破壊モードの除去可能PSAラミネート用途のために;または再配置および再封止の用途のために好適な、凝集破壊する不正開封防止結合をもたらす好適な処方の形成が可能になることである。最後に、フィルム状ポリマーと接着性ベース層との共押出しされた溶融結合は、従来のPSAでのような接着剤とフィルム状バッキングとの間の不連続界面の存在を解消する。これにより、本発明のPSAの視覚的外観が従来のPSAに対して向上する。流動の悪さ、空気の同伴または濡れ性の悪さに起因する界面欠陥のおそれが解消されるからである。
【0014】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)および粘着付与剤層(C)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0015】
図2は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)および離型層(D)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0016】
図3は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)およびオーバーラミネート層(E)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0017】
図4は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0018】
図5は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0019】
図6は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)およびオーバーラミネート層(E)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0020】
図7は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0021】
図8は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【0022】
図9は、本発明に係るPSAラミネートを作製する方法の一態様の概観図である。
【0023】
図10は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し(B)と(C)との間にカーブした界面を有するPSAラミネートの断面である。
【0024】
図11は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し(B)と(C)との間にぎざぎざした(jagged)界面を有するPSAラミネートの断面である。
【0025】
図12は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し不連続な粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面である。
【0026】
図13は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し不連続な粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面である。
【0027】
図14.1〜14.3は、本発明の一態様における、粘着付与剤層(C)から接着性ベース層(B)中への粘着付与剤のマイグレーションの単純化した図解を示す。図14.1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)およびマイグレーション前の粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面を示す。図14.2は、図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中にマイグレートする粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の一部のマイグレーションを示す。図14.3は、図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中への、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の全部のマイグレーションを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
発明の詳細な説明
本発明の物質の組成および方法を開示および説明する前に、本発明は、特記がない限り具体的な方法または特定の処方に限定されず、そしてそれ自体、開示から変更できることを理解すべきである。使用する術語が特定の態様を説明する目的のみであり、そして本発明の範囲の限定を意図しないこともまた理解すべきである。
【0029】
単数形"a," "an,"および"the"は、明確に別の内容を述べていない限り複数の指示対象を含む。
【0030】
任意の、または任意に、は、後続して説明される事象または状況が生じても生じなくてもよいことを意味する。説明は、事象または状況が生じる場合およびそれが生じない場合を含む。
【0031】
範囲は、本明細書において、1つの特定の値についてから、および/または、他の特定の値についてまで表現できる。このような範囲を表現する場合、他の態様が、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までに加えて前記の範囲内の全ての組合せを伴うことを理解すべきである。
【0032】
本件全体を通じて、特許または公開公報が参照されている箇所では、本明細書の記載と矛盾しない範囲で、本発明が属する分野の状況をより完全に説明するために、これらの参照文献の開示の全体を参照により本件に組込むことが意図される。
【0033】
本開示で用いる用語「PSA」は、室温にて軽い指圧下で2つの表面に対する結合を形成することになる接着剤を意味する。PSAは、表面に対する必要な接触を実現できるような十分な潜在的な変形能および濡れ性を与え、更に、任意の穏やかな分離力に対抗できるように接着剤内には十分な内部強度または凝集が存在する。PSAの定義に関する更なる情報は、Pressure Sensitive Adhesive Tapes,A Guide to Their Function,Design,Manufacture,and Use,John Johnston,Pressure Sensitive Tape Council,2000,Chap.2,p.23において見出すことができる。
【0034】
PSAラミネートを指すときの用語「層」は、PSAラミネートで形成されることが予定される用途に応じて一貫した厚みまたは可変の厚みおよび連続または不連続のいずれかであることができるPSA中に含まれる物質の層を意味する。加えて、PSAラミネートの組成および厚みは、粘着付与剤層(C)の粘着付与剤の接着性ベース層(B)中へのマイグレーションによって経時的に変化する可能性がある。
【0035】
用語「マイグレート」("migrate", "migrating")、マイグレーション("migration")、「拡散」("diffuse", "diffusing"および"diffusion")は置換え可能に用いられ、そして粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の一部または全てが接着性ベース層中に移動することによってPSAラミネートを形成することを意味する。結果として、もとの接着性ベース層は、組合された層の厚みを比較的影響されずに維持するように膨潤できる。
【0036】
本発明の態様において、感圧接着剤(PSA)ラミネートは:少なくとも1つの非接着性ラミネートおよび少なくとも1つの粘着付与剤層を含んで作製され;非接着性ラミネートは少なくとも1つのフェイスストック層と少なくとも1つの接着性ベース層とを含み;フェイスストック層は少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;接着性ベース層は少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;粘着付与剤層は少なくとも1種の粘着付与剤を含み;粘着付与剤組成物はPSAではなく;そして粘着付与剤層を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用してPSAラミネートを形成する。
【0037】
フェイスストック層は少なくとも1種のフェイスストック物質を含む。フェイスストック物質は、PSAラミネートを形成するための当該分野で公知の任意の物質を含むことができる。例えば、フェイスストック物質は、サイジング有りもしくはサイジング無しの紙(例えばクラフト、結合、オフセット、リソおよびサルファイト紙)またはフィルム状ポリマー等の材料で構成できる。
【0038】
本発明の一態様において、フェイスストック層は、少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含む。フェイスストック層はフィルム状ポリマーのブレンド物を含むことができ、または種々のフィルム状ポリマーの多層フィルムであることができる。フィルム状ポリマーは、接着性ベースポリマーとともに共押出しして非接着性ラミネートを形成できる任意のフィルム状ポリマーを包含する。本発明の一態様において、フィルム状ポリマーは、2層間のマイグレーションを防止するために、接着性ベースポリマーのものと不一致または不適合である溶解性パラメータを有することが望ましい。
【0039】
本発明の別の態様において、フィルム状ポリマーは、接着性ベースポリマーと組合された場合、十分に自己支持性の構造を付与してラベルの分離および適用を容易にすることができる。これに代えて、接着性ベースポリマーと組合されたフィルム状ポリマーが十分に自己支持性でない場合、フェイスストック層の露出面にオーバーラミネート層を適用して更なる剛性を付与できる。好ましくは、フェイスストック層において利用されるフィルム状ポリマーおよび任意の他の物質を選択して、とりわけ印刷適性等の所望の特性を有する非接着性ラミネートを付与する。
【0040】
典型的なフィルム状ポリマーとしては、これらに限定するものではないが、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、官能性ポリエステル(例えば、スルホポリエステル)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリエーテルブロックポリアミド、ポリビニルアセテート、およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、フィルム状ポリマーは、ポリオレフィン、例えば、これらに限定するものではないがエチレン、プロピレン、および1−ブテンからなる群から選択される繰返し単位を有するポリマーである。最も好ましくは、フィルム状ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレンプロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である。種々のポリエチレン、例えば低、中および高密度ポリエチレンを利用できる。
【0041】
本発明の一態様において、フェイスストック層において用いられるポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238を用い、190℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に、約0.1グラム/10分から約15グラム/10分、好ましくは0.1グラム/10分から5グラム/10分の範囲であることができる。フェイスストック層として有用なポリエチレンの市販例は、Lupolen 2426Fとして販売され、ISO 1183試験法を用いた密度約0.924g/cm3および試験法ISO 1133に従ったメルトフローレート約0.75g/10分を有する、オランダにあるBasell Polyolefinsから得られる低密度ポリエチレンである。
【0042】
本発明の別の態様において、フェイスストック層において用いられるポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238を用い、230℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に約1グラム/10分から約20グラム/10分、好ましくは0.1グラム/10分から10グラム/10分の範囲であることができる。フェイスストック層として有用なポリプロピレンの市販例は、Moplen HP422Hとして販売され、ISO 1183試験法を用いた密度0.900g/cm3および以下の試験法ISO 1133に従い230℃で2.16kg重りを用いて測定したメルトフローレート約2g/10分を有する、オランダにあるBasell Polyolefinsから得られるポリプロピレン単独重合体である。フェイスストック層として有用なランダムポリプロピレン共重合体の市販例は、ISO 1183試験法を用いた密度0.900g/cm3および以下の試験法ISO 1133に従い230℃で2.16kg重りを用いて測定したメルトフローレート約6g/10分を有する、オランダにあるBasell Polyolefinsから得られるMoplen RP210Mポリプロピレンである。
【0043】
共押出しを利用して非接着性ラミネートを形成する場合、フェイスストック層の内側表面は、本発明の接着性ベースポリマー層(B)および/または粘着付与剤層(C)で形成されるバリア以外のバリア層とともに共押出しできる。バリア層は、構成成分のフェイスストック層へのマイグレーションを防止できる。含まれまたは代替に付与されるタイ層(tie layer)またはプライマー層を存在させて接着性ベースポリマー層のフェイスストック層に対する接着を向上させることもできる。更に、「ライナーレス」構造は本特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。ライナーレス構造において、外側表面は離型物質,例えばシリコーン(例えばポリジメチルシロキサン)でコートされる。
【0044】
一般的に、フェイスストック層は、特定のPSAラミネート用途について好適な厚みを有する。本発明の一態様において、フェイスストック層は、厚み約10μmから約200μm、好ましくは約20μmから約100μm、および最も好ましくは30μmから90μmを有する。
【0045】
接着性ベース層は、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む。接着性ベースポリマーは、非接着性ラミネートまたはPSAラミネートを形成するために好適な当該分野で公知の任意のものであることができる。一般的に、非接着性ラミネートまたはPSAラミネートを形成するために利用する接着性ベースポリマーは、一般的に以下のカテゴリー:
ランダム共重合体接着性ベース物質,例えば、これらに限定するものではないが、アクリレートおよび/またはメタクリレートの共重合体ならびにこれらの誘導体を基にするような共重合体、α−オレフィン共重合体、シリコーン共重合体、クロロプレン/アクリロニトリル共重合体等;
ブロック共重合体接着性ベースポリマー,例えば、これらに限定するものではないが、線形ブロック共重合体(例えば、A−BおよびA−B−A型)を基にするもの;マルチブロック共重合体、分岐ブロック共重合体、星型ブロック共重合体、グラフトまたはラジアルのブロック共重合体等;ならびに
天然および合成のゴム接着性ベースポリマー,例えば、これらに限定するものではないが、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ブチルゴム等;
に分類される。
【0046】
本発明の別の態様において、接着性ベースポリマーは、熱可塑性エラストマー(TPE)を含む。熱可塑性エラストマーは、これらの使用温度ではゴム様に振舞うが溶融状態では標準的なポリマーとして加工できるポリマーである。TPEとしては、これらに限定するものではないが、線状、分岐、グラフトまたはラジアルのブロック共重合体が挙げられる。
【0047】
ブロック共重合体は、ジブロック構造A−B、トリブロックA−B−A構造、テトラブロック構造、マルチブロック構造、ラジアル構造または共役構造(A−B)n、およびこれらの構造の組合せで表すことができ;Aは室温で非ゴムまたはガラス状または結晶性であるが高温で流体であるハード熱可塑性相またはブロックを表し、そしてBは使用温度または室温でゴム状または弾性であるソフトブロックを表す。これらの熱可塑性エラストマーは、約75質量%から約95質量%のゴム状セグメントおよび約5質量%から約25質量%の非ゴム状セグメントを含むことができる。
【0048】
非ゴム状セグメントまたはハードブロックは、単環および多環の芳香族炭化水素のポリマーを含み、より詳細には、本来的に単環または二環であることができるビニル置換された芳香族炭化水素を含む。好ましいゴム状のブロックまたはセグメントは、脂肪族共役ジエンの単独重合体または共重合体のポリマーブロックを含む。ゴム状物質,例えば、これらに限定するものではないがポリイソプレン、ポリブタジエン、およびスチレンブタジエンゴムは、ゴム状のブロックまたはセグメントを形成するために使用できる。特に好ましいゴム状セグメントとしては、ポリジエン、およびエチレン−ブチレン共重合体またはエチレン−プロピレン共重合体のゴムが挙げられる。後者のゴムは、対応する不飽和ポリアルキレン部分,例えばポリブタジエンおよびポリイソプレンからこれらの水素化により得ることができる。
【0049】
本発明の一態様において、ブロック共重合体は、ブタジエン系ポリマー、イソプレン系ポリマー、ポリエーテルブロックポリアミド、およびこれらの混合物からなる群から選択できる。よって、ブタジエン系ポリマーは、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン(SB)ブロック共重合体、マルチアーム(SB)x型ブロック共重合体、ポリブタジエンブロック共重合体、およびこれらの混合物からなる群から選択できる。イソプレン系共重合体は、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)共重合体、スチレン−イソプレン(SI)ブロック共重合体、線状およびマルチアーム(SI)x型のブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)骨格とイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン(SI)アームを有するラジアルブロック共重合体、ポリイソブチレン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択できる。
【0050】
ジブロック共重合体の具体的な例としては、これらに限定するものではないが、スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、およびこれらの水素化誘導体が挙げられる。トリブロックポリマー、テトラブロックポリマー、およびマルチブロックポリマーの例としては、これらに限定するものではないが、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレン、α−メチルスチレン−イソプレン−α−メチルスチレン、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)およびこれらの誘導体が挙げられる。1,4−および1,2−の異性体の混合物のゴム状セグメントを含むSBS共重合体の水素化では、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体が得られる。同様に、SISポリマーの水素化は、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体をもたらし、そして(SI)xマルチブロック共重合体の水素化は、スチレンおよびエチレン/プロピレンのマルチブロック共重合体(SEP)xを与える。
機能性ブロック共重合体,例えば無水コハク酸変性SEBS(これは市販でKraton FG−1901Xおよび1924Xブロック共重合体としてHouston,TXのKraton Polymersから入手可能である)を使用できることが意図される。
【0051】
接着性ベースポリマーはいずれもこれらの水素化誘導体を包含することに留意すべきである。多くの選択的に水素化されたブロック共重合体は、Kraton Polymersから一般取引名称「Kraton G」で市販で入手可能である。よって、本発明の目的で特に好適なブロック共重合体としては、Kraton G 1657およびKraton G 1730ブロック共重合体が挙げられる。Kraton G 1657は、約13質量%のスチレンを含むSEBSトリブロック共重合体である。Kraton G 1730は、約21質量%のスチレンを含む(SEP)xマルチブロック共重合体である。
【0052】
更に、接着性ベースポリマー層(B)は、高凝集強度ポリマーで形成できる。このようなポリマーは、従来のホットメルト製造設備において加工するために比較的高温を必要とするため、これらは典型的には溶融物からのPSAラミネートの形成には使用されない。高温では粘着付与剤がこのような温度に長時間耐えられないからである。このような高凝集強度ポリマーはまた、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤とともに溶液または分散体のいずれかとして適用できる。高凝集強度ポリマーの例としては、これらに限定するものではないが、スチレンブロック共重合体およびイソブチレン共重合体が挙げられる。スチレンブロック共重合体としては、これらに限定するものではないが、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ならびにスチレンおよびエチレン/ブチレンを基にする共重合体(S−E/B−S)、ならびにスチレンおよびエチレン/プロピレンを基にする共重合体(S−E/P−S)が挙げられる。本発明の一態様において、SISブロック共重合体のポリスチレン量は、約10質量%から約50質量%、好ましくは15質量%から30質量%の範囲である。本発明の別の態様において、スチレンブロック共重合体の溶液粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計(例えばブルックフィールド粘度計タイプDV−I+)において、適切なスピンドルおよび回転速度を用い、トルエン中固形分25%を用いて測定した場合に、約0.05Pa・sから約20Pa・s、好ましくは0.1Pa・sから5Pa・sの範囲である。
【0053】
本発明の別の態様において、ポリイソブチレンの分子量は、約250,000から約5,000,000、好ましくは750,000から3,500,000の範囲である。高接着強度ポリマーは、Kraton Dllllスチレン−イソプレン−スチレンポリマーとしてHouston,TXのKraton Polymersから、Oppanol B200イソブチレン共重合体としてBASF,Ludwigshafen,ドイツから、そしてKraton G−1652E S−E/B−S共重合体としてKraton Polymersから市販で入手可能である。
【0054】
有用な接着性ベースポリマーの更なる例は、本明細書の記載に矛盾しない限りにおいて参照によりその全部が本明細書に組込まれるWO00/13888、WO00/17285、およびWO01/96488において見出すことができる。
【0055】
一般的に、接着性ベース層は特定のPSAラミネート用途に対して好適な厚みを有する。本発明の一態様において、接着性ベース層は、厚み約1μmから約60μm、好ましくは約2μmから約40μm、および最も好ましくは4μmから20μmを有する。
【0056】
接着性ベース層は、添加剤の添加によって変性できる。接着性ベースポリマーと親和性の当該分野で公知の任意の添加剤を利用できる。本発明の一態様において、接着性ベース層は、純粋モノマーレジン:ポリ(エチレン)またはポリ(プロピレン)ワックス;低密度のポリ(エチレン),例えばメルトフローレートが、190℃、2.16kg重りでASTM D−1238に従い約5g/10分から約80g/10分、好ましくは10から50g/10分のポリエチレン;およびメタロセン触媒により形成されるようなエチレン系またはプロピレン系の(共)重合体で変性できる。これらの添加剤を利用してフェイスストック層と接着性ベース層とによって形成される非接着性ラミネートの巻戻し特性を改善でき、および/または、フェイスストック層と接着性ベース層とによって、フィルム状ポリマーおよび接着性ベースポリマーのレオロジー特性を合致させることにより形成される非接着性ラミネートの形成を促進できる。
【0057】
粘着付与剤層(C)は、少なくとも1種の粘着付与剤を含む。一態様において、粘着付与剤層(C)は、少なくとも1種の粘着付与剤と少なくとも1種のポリマーとを含む。他の態様において、粘着付与剤層(C)は、少なくとも1種の粘着付与剤、少なくとも1種のポリマー、および少なくとも1種の可塑剤を含む。
【0058】
ポリマーは、PSAラミネートを形成するのに好適な当該分野で公知の任意のポリマーであることができる。好ましくは、ポリマーは少なくとも1種の熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは本開示において先に議論した。ポリマーは、PSAラミネートを形成するのに好適な任意のポリマーであることができる。好ましくは、ポリマーは、少なくとも1種の熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは本開示において先に議論した。本発明の一態様において、ポリマーの量は、粘着付与剤層がPSAになる原因とならない量である。ポリマーの量は、0.1質量%から約15質量%の範囲であることができる。他の範囲は、粘着付与剤層(C)の質量基準の質量パーセント単位で与えられる以下の範囲:0から7、0から9、0.1から15、1から15、5から15、10から15、0.1から10、1から10、5から10、7から10、0.1から5、1から5、および2から5、から選択できる。
【0059】
粘着付与剤は、PSAラミネートにおいて使用するのに好適な当該分野で公知の任意のものであることができる。粘着付与剤としては、これらに限定するものではないが、接着剤の粘着力を高めることが公知の全ての種類の非晶質粘着付与剤レジン、例えばロジン系および水素化ロジン系、炭化水素系および水素化炭化水素系、フェノール系、テルペン系、テルペンフェノール系、スチレン化テルペン系、水素化テルペン系、ポリエステル系、純粋モノマー芳香族系、芳香族アクリル系、液体レジン型、ならびにこれらの官能化型が挙げられる。これらの粘着付与剤はいずれも水素化された形であってもよいことに留意されたい。純粋モノマー芳香族系粘着付与剤は、モノマー,例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエン、およびこれらの混合物等から生成する低分子量のポリマーまたはオリゴマーを基にするレジンの粘着力を高める。
【0060】
本発明の一態様において、粘着付与剤層は、液体粘着付与剤組成物を含む。液体粘着付与剤組成物は、適切な粘着付与剤の溶液または分散体であることができる。このような粘着付与剤は、非接着性ラミネートの主要成分である接着性ベースポリマーを基にする感圧接着剤ラミネートの組成物に関する実験または存在する知見に基づいて選択できる。本発明の別の態様において、粘着付与剤層(C)は、ポリマーのブレンド物(すなわち、接着性ベースポリマーおよび/または他の性能添加剤)ならびに粘着付与剤マスターバッチ組成物をもたらす非晶質レジン粘着付与剤であることができる。この組成物は、スプレー能力/高粘着/接着、および接着性ベースポリマー層との良好な親和性のために配合できる。
【0061】
任意に、粘着付与剤層は、少なくとも1種の可塑剤を更に含むことができる。可塑剤は、PSAラミネートにおいて使用するために好適な当該分野で公知の任意のものであることができる。可塑剤の例としては、これらに限定するものではないが、ナフテン油およびパラフィン油、シトレート、スルホネート、およびフタレートが挙げられる。
【0062】
粘着付与剤の接着性ベースポリマーとの親和性は変化することができる。本発明の一態様において、粘着付与剤は、接着性ベースポリマーにおいて選択的に可溶であることができる。これはポリスチレンまたはポリイソプレンのブロックを含むエラストマーについて特に好ましい。ポリスチレン中およびポリイソプレン中で選択的に可溶な粘着付与剤は、5または6個の炭素原子を含むジエンおよびモノオレフィンの形態の脂肪族石油誘導体の流れの重合によって得られ、本明細書の記載と矛盾しない限りにおいて参照によりその全部が本明細書に組入れられる米国特許第3,577,398号の教示に一般的に従う。得られる炭化水素レジンは、室温で通常液体である物質から室温で通常固体である物質に亘り、そして典型的には40質量%以上の重合ジエンを含む。このようなジエンは、例えば、ピペリレンおよび/またはイソプレンであることができる。例としては、これらに限定するものではないが、Piccotac(登録商標)ファミリーのレジン(Eastman Chemical Company,Kingsport,TN,米国から入手可能)およびWingtack(登録商標)ファミリーのレジン(Goodyear Tire and Rubber CompanyのChemical Division,Akron,Ohioから入手可能)が挙げられる。他の固体粘着付与剤としては、これらに限定するものではないが、Exxon Chemical Company(Houston,Texas)によって製造されるEscorez(登録商標)1304およびEscorez(登録商標)1310−LCが挙げられる。更なる例としては、これらに限定するものではないが、1種以上のC5モノオレフィンおよび/またはジオレフィンを1種以上のC8またはC9モノアルケニル芳香族炭化水素と共重合することによって製造される変性C5−型石油レジンが挙げられる。これらの変性されたC5−型石油レジンは水素化できる。例としては、これらに限定するものではないが、C5モノオレフィンおよびジオレフィン,例えばイソプレン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンテン、1−ペンテン、シス−およびトランス−2−ペンテン、シクロペンタジエン、ならびにシス−トランス−1,3−ペンタジエンが挙げられる。C8およびC9のモノアルケニル芳香族化合物の更なる例は、スチレン、メチルスチレンおよびインデンである。
【0063】
粘着付与剤として使用できる他の組成物としては、これらに限定するものではないが、水素化芳香族レジン(ベンゼン環の全てでないとしても実質部分(50%以上)がシクロヘキサン環に変換されている)(例えば、Eastman Chemicalから入手可能なRegalite(商標)およびRegalrez(商標)のファミリーのレジン,例えば、Regalite R 1090,R 1100,R 1125,R 7100,R 9100 およびRegalrez 1018,1094,3102,6108,および1126)、および水素化多環レジン(典型的には、ジシクロペンタジエンレジン,例えば、Exxon Chemical Companyによって製造されるEscorez(登録商標)5300,5320,5340,5380,5400および5600)が挙げられる。これらの粘着付与剤は、イソプレン系接着性ベースポリマーを用いる場合に特に有用である。
【0064】
本発明の別の態様において、ロジン、ロジンエステル、ポリテルペン、芳香族および官能化されたレジンならびに他の粘着付与剤を、特にポリイソプレンまたはポリブタジエンを接着性ベースポリマーとして利用する場合に接着性ベース層中に含まれる接着性ベースポリマーとある程度親和性である粘着付与剤層(C)に更に添加できる。他の添加剤としては、これらに限定するものではないが、可塑剤油,例えばShell Flex 371(Shell Chemical Companyより)が挙げられる。
【0065】
一態様において、粘着付与剤層(C)は、少なくとも1種の粘着付与剤を約50質量%から約90質量%、好ましくは70質量%から90質量%の量で溶液または分散体として含む。別の態様において、粘着付与剤層(C)は、非接着性ラミネート中に存在する熱可塑性エラストマーのブレンド物、および非晶質レジン粘着付与剤を含む。好ましくは、粘着付与剤層(C)は、約2質量%から約15質量%の、接着性ベース層(B)中に存在するのと同じかまたはこれとの親和性を有するエラストマーであってもよい熱可塑性エラストマーを含む。
【0066】
一般的に、粘着付与剤層は、特定のPSAラミネート用途に対して好適な厚みを有する。本発明の一態様において、粘着付与剤層は、厚み約2μmから約150μmを有する。他の範囲は、約4から約125μmおよび5μmから50μmである。
【0067】
粘着付与剤層は、非接着性ラミネートに当該分野で任意の公知の方法によって適用できる。熱を利用する適用方法の例としては、これらに限定するものではないが、スロットダイコーティング、ロール軸コーティング、カーテンコーティング、ナイフオーバーロールコーティング、およびスプレーコーティングが挙げられる。粘着付与剤層はまた、粘着付与剤組成物のエマルション、分散体または溶液として、任意の好適な方法により適用できる。
【0068】
PSAラミネートの用途に応じ、PSAラミネートの目的(例えばラベル等)のために粘着付与剤層(C)自体が有効なPSA層を形成してもしなくてもよい。用語「PSA」は本開示において先に定義した。言い換えると、粘着付与剤層(C)が、固体基材に適用される際に有効なPSA層を形成しない場合、接着も構造特性(粘着性および強度)も、従来の感圧接着剤ラミネートの特性を有する構造(例えば接着結合)を形成するのに十分とはならない。
【0069】
PSAラミネートのフェイスストック層、接着性ベース層および粘着付与剤層は、所望の特性,例えば、これらに限定するものではないが、外観特性(不透明のまたは着色したフィルム)、耐久性、および加工特性を付与するために無機フィラーならびに他の有機および無機の添加剤を含むことができる。有用なフィラーの例としては、これらに限定するものではないが、炭酸カルシウム、二酸化チタン、金属物品、および繊維が挙げられる。添加剤としては、これらに限定するものではないが、難燃剤、酸化防止剤化合物、熱安定剤、光安定剤、紫外光安定剤、耐ブロッキング剤、加工助剤、および酸受容体を挙げることができる。核形成剤を添加して結晶性を増大させることにより剛性を増大させることができる。
【0070】
PSAラミネートの特定の態様を図1〜8および10〜14に示す。図1〜8および10〜14中のPSAラミネートは、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤が接着性ベース層(B)中に未だマイグレートしていない本発明の態様を示す。フェイスストック層と接着性ベース層との間の共押出しされた溶融結合(10)を各図中に示す。
【0071】
図1中、PSAラミネートの断面は、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、および粘着付与剤層(C)を含んで示している。図2中に、離型層(D)を更に含むPSAラミネートの断面を示している。図3中に、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、およびオーバーラミネート層(E)を含むPSAラミネートの断面を示す。図4中、図1のPSAラミネートの断面を、フェイスストック層(A)と接着性ベース層(B)との間にバリア層(F)を更に含んで示す。図5中、PSAラミネートの断面を、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を含んで示す。図6〜8は、図3〜5のPSAラミネートが離型層(D)を更に含むものを示す。層A〜Fは本開示において先に説明した。図10中で、PSAラミネートの断面は、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)((B)と(C)との間にカーブした界面が存在する)を有して示している。図11中で、PSAラミネートの断面は、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)((B)と(C)との間にぎざぎざした界面が存在する)を有して示している。図12中、PSAラミネートの断面は、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)、およびフェイスストック層(A)(不連続の粘着付与剤層(C)が存在する)を有して示している。図13中、PSAラミネートの断面は、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)、およびフェイスストック層(A)(不連続の粘着付与剤層(C))を有して示している。
【0072】
理論に拘束されることを意図しないが、図14.1〜14.3は、本発明の一態様における粘着付与剤の粘着付与剤層(C)から接着性ベース層(B)中へのマイグレーションの単純化した説明を示す。図14.1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)およびマイグレーション前の粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面を示す。図14.2は、PSA層(B/C)を形成するために図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中にマイグレートする粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の一部のマイグレーションを示す。図14.3は、PSA層(B/C)を形成するための、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の全部の、図14.1に示すPSAラミネートの接着性ベース層中へのマイグレーションを示す。
【0073】
典型的には、PSAラミネートは、厚み約35から約400μm、好ましくは約100μmから約250μm、および最も好ましくは50μmから150μmを有することができる。一般的に、PSAラミネートは、フェイスストック層(A)の接着性ベース層(B)に対する厚み比約50:1から約1:1、好ましくは25:1から2:1を有することができる。よって、フェイスストック層(A)の厚みは、約10μmから約200μm、好ましくは約20μmから約100μm、および最も好ましくは30μmから90μmの範囲内であることができる。接着性ベース層(B)は、厚み約1から約60μm、好ましくは約2から約40μm、および最も好ましくは4から20μmを有することができる。特に好適なPSAラミネートは、厚み50〜150μmを有することができる。
【0074】
非接着性ラミネートは、フェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)を接触させる当該分野で公知の任意の方法で形成できる。例えば、フェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)は、共押出し、溶媒コーティング、およびエマルションコーティングによって接触させることができる。
【0075】
一態様において、非接着性ラミネートは、少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含むフェイスストック層(A)と、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む接着性ベースポリマー層(B)とを共押出しすることを含む方法によって形成し、該方法において後で感圧接着剤ラミネートに変換できる。共押出しは、当該分野で公知の任意の方法によって実施できる。フェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)を共押出しする方法の例としては、これらに限定するものではないが、キャスティングおよびバブル吹出しが挙げられる。一態様において、共押出しは、フィルム状ポリマーと非接着性ポリマーとを別個の押出機内で溶融させ、そして溶融物流を押出しダイ(ここからフェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)を押出す)に供給することで実施できる。
【0076】
接着性ベースポリマーを伴ってのフィルム状ポリマーの共押出しは、2種のポリマーの溶融粘度が類似する場合に促進できる。従って、非接着性ラミネートの形成において利用すべき物質の選択は、共押出しされる物質のメルトフローレートに左右される場合がある。フィルム状ポリマーがポリエチレンである場合の本発明の一態様において、フィルム状ポリマーのメルトフローレートは、190℃で2.16kg重りを用い(ASTM D1238)約0.1g/10分から約15g/10分、好ましくは0.1g/10分から5g/10分の範囲であることができる。本発明の一態様において、フィルム状ポリマーがポリプロピレンである場合、フィルム状ポリマーのメルトフローレートは、230℃で2.16kg重りを用いて(ASTM D1238)約1g/10分から約20g/10分、好ましくは0.1g/10分から10g/10分の範囲であることができる。
【0077】
非接着性ラミネートは、求められる特定の用途に対して好適な厚みを有する。本発明の一態様において、非接着性ラミネートは、厚み約10μmから約260μm、好ましくは約20μmから約140μm、および最も好ましくは30μmから80μmを有する。フェイスストック層の厚みは、約10μmから約200μm、好ましくは約20μmから約100μm、および最も好ましくは30μmから90μmの範囲であることができる。接着性ベース層の厚みは、約1μmから約60μm、好ましくは約2μmから約40μm、および最も好ましくは4μmから20μmの範囲であることができる。フェイスストック層の接着性ベース層に対する比は、50:1から1:1、好ましくは25:1から2:1、および最も好ましくは15:1から4:1の範囲であることができる。
【0078】
任意に、多くの追加ステップを、非接着性ラミネートまたはPSAラミネートに実施できる。従って、例えば、非接着性ラミネートまたはPSAラミネートを(例えば熱延伸および熱セットによって)1軸または2軸に配向させることができる。これに関連し、粘着付与剤層(C)の適用は、延伸が生じる前および/または後の両方に行なえることが好まれる。本発明に係る非接着性ラミネートまたはPSAラミネートの機台方向または2軸の配向は、当該分野で公知の技術によって実現できる。例えば、ラミネートは、テンターフレームを用いることにより機台方向に配向させることができる。
【0079】
しかしこの点で、非接着性ラミネートは、少なくとも1種の接着性ベースポリマーの存在に関わらず、感圧接着剤ラミネートではないことに留意すべきである。従って、殆どの場合、ラミネートは、最高で100℃程度の温度に加熱されたロール上の厚みのいかなる問題も有さないことになる。
【0080】
従って、非接着性ラミネートの非接着性の性質は顕著な利点を有する。よって、この非接着性ラミネートは、容易に取り扱い、そして後の使用(すなわちPSAラミネートへの変換)のために自身の上に巻き付けることができる。更に、共押出しプロセスにおける接着性ベース層の接着性ベースポリマーは、フェイスストック層との共押出しされた溶融結合を構築/形成できる。よって、通常に製造され、トランスファーコートされたホットメルトPSAフィルム状ラベルで生じる可能性があるあらゆるオフセットを解消できる。オフセットは、接着層のフィルム状層基材上への不十分な固定に起因する、ラベル除去の間の接着剤の基材への不所望の転写である。
【0081】
本発明の一態様において、非接着性ラミネートは、厚み約11から約210μmを有して提供され:
a.少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含み、厚み約10から約160μm、好ましくは45から150μmの少なくとも1つのフェイスストック層、および
b.感圧ラミネートを形成可能なTPEの群から選択される少なくとも1種の熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、厚み約1から約50μmの少なくとも1つの接着性ベース層
を含む。
【0082】
非接着性ラミネートは、フェイスストック層の上(すなわち接着性ベース層(B)に接触せず)に厚み約1から約5μmの耐ブロッキング層を更に含むことができる。この任意の耐ブロッキング層は、典型的には、フェイスストック層(A)および接着性ベース層(B)と共押出しできる。この層の目的は、粘着付与剤層(C)のコーティングの間、巻上げられた非接着性ラミネートのより滑らかな離型または巻戻しを付与することである。
【0083】
本発明の一態様において、熱可塑性エラストマー、および接着性ベース層の厚みは、典型的には、2つの基準:(a)PSAラミネートの強度要求、および(b)約30質量%から約95質量%の熱可塑性エラストマーおよび約5質量%から約70質量%の粘着付与剤を組合せて(例えばホットメルト)粘着付与剤層(C)として非接着性ラミネートに適用する場合の、従来のPSA組成物を形成するための熱可塑性エラストマーの能力、に基づいて選択することになる。これに関連して、粘着付与剤層(C)を「受入れる」ことが接着性ベースポリマー層の目的および機能であることを考えに留めるべきである。よって、接着性ベースポリマー層は典型的には粘着付与剤を含まない。
【0084】
フェイスストック層(A)を接着性ベースポリマー層と共押出しする場合、比較的強く共押出しされた溶融結合がこれら2層の界面で形成される。これは、接着性ラベルの使用中に、基材とともに形成される感圧接着剤ラミネートの任意の結合は、接着剤基材界面または内部(すなわち凝集破壊)のいずれかで破壊されることを暗示する。このことの利点は、これにより、安全保護の不正開封防止ラベルのために、または接着剤−界面破壊モードの除去可能ラベルおよび再封止可能PSAの用途のために好適な、凝集破壊する不正開封防止結合をもたらす好適な配合物の形成が可能になることである。
【0085】
PSAラミネートを作製するための方法もまた提供される。該方法は、少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートに適用することを含み;非接着性ラミネートは少なくとも1つのフェイスストック層(A)および少なくとも1つの非接着性ベース層(B)を含み;フェイスストック層(A)は少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;そして接着性ベース層(B)は少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;粘着付与剤層(C)はPSAでなく;そして粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用する。
【0086】
本発明の別の態様において、方法は、少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含む少なくとも1つのフェイスストック層(A)と、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む少なくとも1つの接着性ベース層(B)とを共押出しして非接着性ラミネートを形成すること、および少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層(B)に適用してPSAラミネートを形成することを含む。
【0087】
粘着付与剤層(C)を適用することによるPSA層(BおよびC)の形成においては、粘着付与剤層(C)(低分子量)から接着性ベース層(B)(高分子量)への分子量勾配が形成されるように、粘着付与剤の一部を接着性ベース層(B)中に拡散させることができる。これは、低分子量の高粘着層を、感圧結合形成のためにこの官能性が必要な正確な場所である(C)の表面に残す。逆に、PSA層(B&C)の高分子量部分においては、向上および改善されたせん断抵抗、クリープ抵抗および高温性能が観察できる。
【0088】
本発明の一態様において、接着性ベース層中に拡散する粘着付与剤の部分は、粘着付与剤層(C)の質量基準での質量パーセントで与えられる以下の範囲:0.1から100;5から100;10から100;15から100;20から100;25から100;30から100;35から100;40から100;50から100;55から100;60から100;65から100;70から100;75から100;80から100;85から100;90から100;95から100;0.1から90;5から90;10から90;15から90;20から90;25から90;30から90;35から90;40から90;45から90;50から90;55から90;60から90;65から90;70から90;75から90;80から90;85から90;0.1から80;5から80;10から80;15から80;20から80;25から80;30から80;35から80;40から80;45から80;50から80;55から80;60から80;65から80;70から80;75から80;0.1から70;5から70;10から70;15から70;20から70;25から70;30から70;35から70;40から70;45から70;50から70;55から70;60から70;65から70;0.1から60;5から60;10から60;15から60;20から60;25から60;30から60;35から60;40から60;45から60;50から60;55から60;0.1から50;5から50;10から50;15から50;20から50;25から50;30から50;35から50;40から50;45から50;0.1から40;5から40;10から40;15から40;20から40;25から40;30から100;35から40;0.1から30;5から30;10から30;15から30;20から30;25から30;0.1から20;5から20;10から20,15から20;0.1から10;および5から10から選択できる。
【0089】
PSAラミネートは、当該分野で公知の任意の方法によって形成できる。本発明の一態様において、PSAラミネートは、1ステップ押出し/スプレーコーティングプロセスで形成でき、そして得られるPSAラミネートは自己巻取りまたは離型ライナー(例えばシリコーンバッキング紙)にラミネートして巻取り、PSAテープ構造またはPSAラベル構造をそれぞれ形成できる。よって、このようなPSAラミネートは、コスト効率よく形成されることになる。特に、粘着付与剤層(C)は、極めて低温、典型的には、従来のホットメルト感圧接着剤よりも100℃以下低い温度でコートできる。これにより、製造プロセスは以下の:(1)感熱性フェイスストック層,例えばポリエチレンを、トランスファーコーティングの通常の方法と比べて直接コートできる;(2)プロセスコストがより低い;(3)粘着付与剤マスターバッチ組成物が、長い熱履歴によってゲル化および/またはチャーリングを示す可能性がある従来高温で加工またはコート(PSA組成物中の粘着付与剤とともに)されてきたPSAラミネートと比べて、より良好な熱エージング特性、より少ない色損失、より少ないチャーリングを有することが期待できる;手法のうち少なくとも1つにおいて改善できる。
【0090】
非接着性ラミネートの製造のために製造設備から種々の位置で最終的なPSAラミネートを「組立てる」ことは特に有利である可能性がある。非接着性ラミネートは、自己巻取りして無制限の時間貯蔵できる。次いで、第2のプロセスステップにおいて、非接着性ラミネート(A&B)を、例えば(幅狭のウェブ)ラベルプレス(好適には、感圧接着層(BおよびC)を形成するための非接着性ラミネート上への粘着付与剤層(C)のスプレーまたはコーティングのために改変される)上で更に加工し、その後、オフライン形成された離型紙または離型フィルム(D)とともにラミネートする。ここで、次いで、完成したラベルを加工し、従来製造されるラベルラミネートとして用いる。コストを更に低減するため、完成したラベルをラベルすべき物品に次に直接適用する場所で、このようなプロセスをインラインで印刷およびラベルの変換とともに行なえることが構想される。これにより、シリコーンバッキング支持体の必要性がなくなり、そしてコストがさらに低減される。
【0091】
非接着性ラミネートの変換は、種々の位置の1つの製造ライン(オンライン)またはオフラインのいずれかで行なうことができる。この変換は、典型的には、粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの第2の表面に(または表面下に)(すなわちこれは、フェイスストック層(A)と接触しない非接着性ラミネートの表面である)適用することによって実施されることになる。粘着付与剤層(C)は、接着性ベース層(B)上に、直接または間接のいずれかで適用できる。間接(またはトランスファー)のコーティングプロセスにおいて、粘着付与剤層(C)をまず中間の担体(例えばシリコン処理紙)上にコートし、次いで接着性ベースポリマー層(B)に転写する。
【0092】
非接着性ラミネートの変換は、ラミネートが加熱されることを必要とする場合がある。加熱は、延伸プロセスにおいて、または別個に例えば赤外ヒーターの手段で実施できる。このような加熱は、粘着付与剤の接着性ベース層中への拡散機構を広げることと非接着性ラミネートをPSAラミネートに変換することとを助けることができる。他の利点は、この粘着付与剤層(C)が、非接着性ラミネート上に極めて低温、典型的には従来のホットメルト感圧接着剤について必要な温度よりも100℃以下低い温度でコートできることである。一般的に、従来のコーティング法の温度は、約130℃から約200℃の範囲であり、一方、粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートに適用するためのコーティング温度は、約60℃から約120℃、または約85℃から約110℃の範囲であることができる。
【0093】
本発明の一態様において、粘着付与剤は、液体または(溶融、溶媒の添加、分散体の形成によって)液化されたものである。好適な溶媒としては、トルエン等の炭化水素が挙げられる。分散体は、水および/またはアルコールで形成できる。よって、本発明は、先に説明した粘着付与剤のうち1種を、溶媒または分散剤のいずれかおよび他の添加剤とともに本質的に含有する粘着付与剤組成物を更に教示する。
【0094】
一般的に、本発明に係るPSAラミネートは、厚み約35から約400μm、好ましくは100から200μmを有することができる。しかし、他のラミネート,例えば、米国2003198737(本明細書の記載と矛盾しない限りにおいて参照により本明細書に組入れられる)に記載される不特定のPSA構成が本発明の範囲内であることが意図される。従って、粘着付与剤層(C)の適用において、非接着性ラミネートに適用すべき層の厚みおよび層中の粘着付与剤の濃度の両者は相当な懸案事項である。
【0095】
粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤濃度、および厚みの範囲は、本開示において先に議論した。よって、粘着付与剤層(C)の1つの機能は、粘着付与剤を接着性ベース層中にマイグレートさせてPSAラミネートを形成するための貯蔵場所または供給元を与えることである。更なる懸案事項は溶媒/分散剤の選択であり、これは一方では粘着付与剤の接着性ベースポリマー層中へのマイグレーションを促進できるが、他方では、接着性ベースポリマー層を事実上膨潤させる量では存在しないのがよい。
【0096】
本発明の一態様において、粘着付与剤層(C)自体はPSAを形成しない。用語「PSA」は本開示において先に定義した。この態様において、粘着付与剤の濃度および粘着付与剤の粘度の両者(粘着付与剤組成物の接着性ベース層への適用の容易性の主な要因となる可能性がある)は、有効な感圧接着剤ラミネートを形成するのには不十分になる。
【0097】
別の態様において、粘着付与剤層(C)はPSAを形成する。用語「PSA」は本開示において先に定義した。
【0098】
粘着付与剤層(C)は、種々の目的で働く他の添加剤を含むことができる。例えば、ポリスチレン補強添加剤が存在してもよい。更に、他の成分を添加して、安定性を改善し、構造的補強を与え、コート性を改善し、または幾つかの他の望ましい特性を与えることができる。従って、粘着付与剤層(C)は、接着剤および顔料の酸化的分解反応を抑制する安定剤を含むことができる。
【0099】
図9は、本発明に係るPSAラミネートを作製する方法の一態様の概略図を表す。共押出し技術においては、ライン10および11を経て共押出しダイ20に2つの溶融物流を与える2つの押出機1および2を利用する。押出機1は、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む接着性ベース層の溶融物流10を与え、そして押出機2は、少なくとも1種のフィルム状ポリマーを含むフィルム状外側層の溶融物流11を与える。押出機1および2は、ポリマーを溶融させるのに使用し、そしてポンプは、溶融物流を押出しダイ20に供給するために用意する。使用する正確な押出機はプロセスに対して決定的なものではない。多くの有用な押出機が公知であり、これらに限定するものではないが、単軸押出機および2軸押出機等が挙げられる。このような押出機は、種々の販売元,例えばKillion Extruders,Inc.,CW.Brabender,Inc.,American Leistritz Extruder Corp.,およびDavis Standard Corp.から入手可能である。種々の有用な共押出しダイ装置が公知である。本発明において有用な押出しダイの例は、いわゆる「羽根(vane)」ダイ、およびCloeren Company of Orange,Texasから入手可能なマルチマニホールドダイである。再び図9を参照するに、少なくとも2層の溶融した非接着性ラミネート30が押出しダイ20からオリフィス21を経て出る。この非接着性ラミネート(図9中Mとして詳細に示される)は、本発明のフェイスストック層90および接着性ベース層80を含む。
【0100】
実際の製造ラインは、2つより多い押出機を有してもよく、そして最終的な非接着性ラミネートにおいて容易に特定されるものよりも多い層で非接着性ラミネートを作り上げてもよいことがフィルム共押出しプロセス分野の当業者によって理解される。多くの場合で、複数の層を同一または異なる物質の副層で作り上げて、製造速度、製造の融通性および他の理由を向上させる。
【0101】
次いで、非接着性ラミネートを当該分野で公知の任意の方法により更に加工できる。例えば、多くの追加のステップを非接着性ラミネート上に実施できる。本発明の非接着性ラミネートは、種々の時間および/もしくは地理的位置での後の加工、オーバーラミネートならびに変換のために収集でき、または、これらのラミネートは、同じ操作の間に印刷、オーバーラミネートおよび/もしくは変換のための1つ以上の他の工程に送ることができる。図9中に示す例において、非接着性ラミネートは、粘着付与剤組成物の粘着付与剤層70を接着性ベース層80上に形成するコーティングヘッド40によってコートされている。粘着付与剤層(C)を適用する前または後に非接着性ラミネート50を加熱することが必要な場合もある。よって、ヒーター60(例えば赤外ヒーター)の存在が望ましい場合がある。ヒーター60は粘着付与剤層70のコーティングヘッド40による適用の後に位置できることに留意すべきである。粘着付与剤層70が適用された時点で、非接着性ラミネートは最終生成物、フェイスストック層(A)ならびに接着性ベース層80および粘着付与剤層70から形成される感圧接着層(BおよびC)(図9中Nとして詳細に示される)を含むPSAラミネートに、比較的短時間(数分から数時間)で「変換」されることになる。
【0102】
このPSAラミネートは、ラミネートを基材に印刷および適用することにより更に加工できる。これに代えて、PSAラミネートを後の使用のために回収すべき場合にはライナーをPSAラミネートと組合せることができる。
【0103】
PSAラミネートは、製造業の多くの物品、これらに限定するものではないがラベル、ステッカー、テープ、およびフィルム等を製造するために利用できる。
【0104】
本発明の一態様においてはラベルが提供される。ラベルは、少なくとも1種のPSAラミネートを含む。ラベルは、紙ラベル、フィルム状ラベル,例えばライナーなしのフィルム状ラベル、または離型ライナー付きのフィルム状ラベルから選択できる。フィルム状ラベルの例としては、これらに限定するものではないが、パッキングラベルおよび特殊ラベルが挙げられる。パッキングラベルとしては、これらに限定するものではないが、飲料、食品、ヘルスケア製品およびパーソナルケア製品、医薬、工業化学物質、家庭用化学品または小売用製品のパッキングに使用されるラベルが挙げられる。特殊ラベルとしては、これらに限定するものではないが、再配置可能ラベル、除去可能ラベル、再封止可能ラベル、ノールックラベル、箱型冷凍庫ラベルおよび機密保護ラベルが挙げられる。
【0105】
本発明の別の態様において、テープは、PSAラミネートを含んで提供される。テープの例としては、これらに限定するものではないが、多目的テープおよび特殊テープが挙げられる。多目的テープは、パッケージングテープおよび輸送テープ;塗料テープおよびスプレーマスキングテープ;民生用テープおよびオフィス用テープ;ならびにボンディングテープおよび締付テープからなる群から選択できる。特殊テープは、表面保護テープ;電気絶縁テープ;結合テープ、補強テープおよびマーキングテープ;接合テープ;HVAC封止テープ;医療用途テープ;自動車用途テープ;電子工学テープ;安全テープまたは反射テープ;ならびにおむつ閉合テープからなる群から選択できる。
【0106】
本発明の別の態様において、PSAラミネートを含むフィルムが提供される。このようなフィルムとしては、これらに限定するものではないが、接着フィルム、バリアフィルム、保護フィルム、および粘着フィルムが挙げられる。接着フィルムは、感圧接着フィルム、熱活性接着フィルム、片面および両面の接着層、カーペット下敷き、屋根下敷き、透明フィルムまたは着色フィルム、食品接触接着フィルム、およびバッキング層フィルムからなる群から選択できる。バッキング層フィルムとしては、これらに限定するものではないが、薬物マトリクスを支持するために用いるバッキング層フィルム、多目的バッキング層フィルム、または基質特異性バッキング層フィルムが挙げられる。基質特異性バッキング層フィルムとしては、これらに限定するものではないが、不織布、ガラス、紙、綿、ミネラルウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの発泡体/シート、およびアクリル接着剤のためのバッキング層フィルムが挙げられる。
【0107】
バリアフィルムとしては、これらに限定するものではないが、可撓性食品パッケージング;臭気、有機の芳香および風味、湿気、酸素、および他のガスに対するフィルムバリア;熱および衝撃で封止可能なバリアフィルム;印刷可能なバリアフィルム;コロナ処理されたバリアフィルム;オストミー器具;医薬のブリスターパック、キャップライナー、バッグ、および保護服用の布地ラミネーションが挙げられる。
【0108】
保護フィルムとしては、これらに限定するものではないが、固体構造物にラミネートされるフィルムが挙げられる。例としては、これらに限定するものではないが、耐腐食性および耐摩耗性を改善するための波形スチールパイプ上の保護フィルム、塗装表面用のマスキング保護フィルム、内装ガラス用または外装ガラス用の反射フィルム、窓ガラス用の耐破砕フィルム、およびガラス色付けフィルムが挙げられる。PSAはまた、高い光学的透明性を与えるフィルムにおいて利用できる。
【0109】
粘着フィルムとしては、これらに限定するものではないが、食品パッケージング、工業用途、および消費者が封止可能な用途が挙げられる。工業用途の例はパレット梱包である。
【0110】
以下は本発明のPSAラミネートの例である。これらは例であって、本開示の範囲に亘る物品を製造する本発明のPSAの用途を限定するものではないことを理解すべきである。
【0111】
例
試験方法は例1〜4の文中で明記する。
以下の方法は4〜21で用いた。
ループタックは、ガラスに代えてステンレススチールを用いてFINAT FTM 9に従って評価した。FINATはラベルコンバーターのための団体であり、その本部はオランダのハーグにある。
剥離接着力は、AFERA(European Association for the Self Adhesive Tape Industry)5001、試験方法Aに従って25mm幅の種で評価した。
せん断接着力は、AFERA 5012、手順Aに従って25mm幅の種で評価した。
メルトフローレートは、ASTM D−1238に従って評価した。
【0112】
例1−非接着性ラミネート1.1〜1.10の作製
主にポリプロピレン(PP)の外側フィルム状層(80%)とKraton G1657 TPEの接着性ベース層(20%)とを含む非接着性ラミネートを、24/1 L/Dの2つのKillion 1インチ単軸押出機で操作する共押出しライン上で形成した。2つの流れを組合せて上部に接着性ベース層(Kraton TPE)を有する2層流プロファイルを形成し、組合されたポリマー溶融物流を形成するコンバイニングブロックアダプターに、2つの押出機からの取出物を直接入れた。組合されたポリマー溶融物流を、フロープロファイルが最終ラミネート寸法に広がって非接着性ラミネートを形成する6インチ幅フィルムダイに入れた。非接着性ラミネートは、チルロール上に30℃でキャストし、そして層間に適用して予期される粘着を防止する離型紙とともにロールに巻き取った。押出パラメータを以下で一覧にする。
【0113】
【表1】
【0114】
1.5MFRポリプロピレン単独重合体から形成された外側フィルム状層よりもフィルムダイの端部にTPEがより多く流れたことによって、共押出しした非接着性ラミネートロールは100% Kraton TPEを含む端部を示した。公称4.0MFRのポリプロピレンは、共押出しされた非接着性ラミネートにおいてより高い流れとより良好な層分けを与えた。
【0115】
非接着性ラミネート試料1.1において、外側フィルム状層は100%のポリプロピレンポリマーを含んでいた。非接着性ラミネート試料1.2において、外側フィルム状層は、10質量%のRegalite R−1100炭化水素レジン(Eastman Chemical Companyより)と組合された90質量%のポリプロピレンポリマーを含んでいた。非接着性ラミネート試料1.3において、外側フィルム状層は、20質量%のRegalite R−1100炭化水素レジンと組合された80質量%のポリプロピレンポリマーを含んでおり、一方非接着性ラミネート試料1.4において、Regalite R−1100炭化水素レジンの量を30質量%に増大させた。Regalite R−1100レジンをポリプロピレンに添加することによりその溶融粘度が低減され、そして、外側フィルム状層中の炭化水素レジンの量が多くなる程、外側フィルム状層の溶融粘度がより低いことにより層分けがより均一になることが注目された。全ての場合において、名目上のラミネート厚みは、試料の中心に全構造の約18%を含む接着性ベース層を伴って約33milであった。
【0116】
Kraton(登録商標)TPEの接着性ベース層を有する、配向した非接着性ラミネートの作製
厚い非接着性ラミネート試料1.2、1.3および1.4の各々を、T.M.Long Companyによって製造されたテンターフレームフィルム延伸機を用いて4倍×4倍に延伸することによって、配向した非接着性ラミネート標本に延伸した。小標本10cm×10cmを、延伸機のクリップ内に挿入し、そして標本を140℃に加熱した。加熱後、非接着性ラミネート標本を、ひずみ速度約150%/秒で、最終ラミネート寸法に到達するまで両方向に同時に延伸した。最終的な配向した非接着性ラミネートの名目厚みは、ラミネートが約10ミクロン厚のKraton G−1657共重合体の表面層を保持している場所で約2.2milであった。出発ラミネート1.2、1.3および1.4から形成された、配向した非接着性ラミネートを、それぞれ1.5、1.6および1.7とした。外側フィルム状層中のRegalite R−1100レジンによって層の延伸が容易になり、そして10%のRegalite炭化水素レジンのみ有するラミネート1.2では、他の2つのラミネートよりも層の均一性が低いことが注目された。これらのラミネートは良好なフィルム平坦性を示さず、接着性ベース層の表面の後続のコーティングをより困難にした。配向した非接着性ラミネートのいずれも、測定可能な粘着特性または接着特性を示さなかった。
【0117】
同様にして、出発非接着性ラミネート標本1.2、1.3および1.4を、3×3で、140℃で引きひずみ速度毎秒約250%で同じT.M. Longテンターフレーム延伸機を用いて、配向した非接着性ラミネートに延伸し、最終的な非接着性ラミネート試料を1.8、1.9および1.10とした。配向した非接着性ラミネートの平均厚みは約95ミクロンであり、顕著な厚みばらつきは主として過度に高い引きひずみ速度によるものであることが注目された。繰り返すが、Regalite炭化水素レジン濃度が最も高いラミネートは、最も良好な延伸挙動を示した。配向した非接着性ラミネートは、視認できる表面不整を示した。配向した非接着性ラミネートはいずれも測定可能な粘着特性または接着特性を示さなかった。
【0118】
例2−配向した非接着性ラミネート標本1.9および1.10のコーティング
3×3で名目上95ミクロン厚に配向させた、約16ミクロン厚のKraton G−1657共重合体の接着性ベース層を有する配向した非接着性ラミネート1.9および1.10は、僅かな接着特性しか有さないことが注目された。Regalrez 1018液体水素化粘着付与剤レジンのシクロヘキサン溶液を、配向した非接着性ラミネートの接着性ベース層の表面上に、ワイヤラップコーティング棒を用いてコートして、PSAラミネート2.1、2.2および2.3を形成した。十分なシクロヘキサンを添加して粘度を低減し、粘着付与剤レジンが容易にコートできるようにした。コーティングは、適用される乾燥されたRegalrez 1018の量が出発非接着性ラミネート標本質量の約30質量%〜40質量%となるように実施した。
【0119】
初期には、PSAラミネート2.1、2.2および2.3の表面は、液体粘着付与剤レジンのコーティングによって極めてねばねばとしていた。PSAラミネートを2時間60℃のオーブン中でエージングした後、PSAラミネート2.1、2.2および2.3の表面は粘着状態に変わり、Regalrez 1018粘着付与剤レジンの初期の乾燥した表面コーティングからは極めて異なっていた。粘着付与PSAラミネートの180°剥離値は、ASTM D−3330を参考として用いて測定した。PSAラミネート2.1、2.2および2.3を1インチ幅のストリップに切断してステンレススチールパネルに対して圧力をかけて適用し、そして180°剥離特性を測定して剥離値をkgf/25mm幅単位で記録した。
【0120】
【表2】
【0121】
非接着性ラミネートは、ごく小さい粘着性またはPSA接着性を金属基材に対して示すことが観察された。Regalrez 1018粘着付与剤レジンを適用および空気乾燥した直後に、表面は極めて粘着性の特徴を有してねばねばとしていたが、コーティングが単に粘稠液体であるために接着強度はほとんどなかった。約1時間の60℃でのエージング後、液体粘着付与剤レジンは、接着性ベース層(Kraton G1657 TPE)中に拡散して、表面がPSA配合の典型的な粘弾性特性を示す粘着性の半固体となった。これらの標本によって測定された剥離力は良好なPSA接着を表す。
【0122】
例3−配向した非接着性ラミネート標本1.6および1.7のコーティング
配向した非接着性ラミネート試料1.6および1.7の標本は、Regalrez 1018粘着付与剤レジンの80%シクロヘキサン溶液で、ワイヤラップ棒を用いて、接着性ベース層(Kraton G TPE)の表面に適用される乾燥コーティング質量を、出発の配向した非接着性ラミネート質量の約40質量%から50質量%に実現させるためにコートして、PSAラミネート3.1〜3.4を形成した。出発の配向した非接着性ラミネートは、ごく小さい粘着特性または接着特性を示したが、コーティング、乾燥およびPSAラミネートの1時間60℃でのエージングの後、PSAラミネートはPSAのように振舞うことが注目された。PSAラミネートを、ステンレススチールパネルに適用される1インチ幅の標本に切断して、180°剥離試験用およびループタック試験用の試験標本を形成した。180°剥離値は、ASTM D−3330を参考として用いて測定した。ループタック接着値は、ASTM D−6195法を参考として用いて測定した。これらのPSAラミネートについて測定した接着特性を以下に列挙する。
【0123】
【表3】
【0124】
繰り返すが、適用された液体粘着付与剤層の、配向した非接着性ラミネートの接着性ベース層(Kraton G TPE)中への拡散により、もとは非粘着性の接着性ベース層表面が、エージング後に良好なPSA特性を示すPSAラミネートに変換される。標本間のコーティング質量の変動性と組合さった、標本間でのラミネート厚みのばらつきに起因して、表面では適用した粘着付与剤のTPEに対する比に不所望のばらつきが存在した。これは、標本間のPSA特性における実質的なばらつきをもたらした。しかし、これらの例は、粘着付与剤配合物が共押出しされた非接着性ラミネート構造の接着性ベース層の表面に適用される場合には、粘着付与剤種が接着性ベース層(TPE)中に時間とともに拡散することができるため、最終的なPSAラミネートが、接着性ベース層表面に適用される粘着付与剤コーティングの相対量および型に応じてPSA特性を示すことになるという原則を示す役目を有する。
【0125】
例4〜9−共押出しおよびキャスティングによる、粘着付与剤組成物中のポリマー量を種々有するPE/(SEP)x非接着性ラミネート
粘着付与剤層組成物は、例13で単独組成物についてより詳細に説明する手順に従ったKraton G1730およびRegalite R1090およびRegalrez 1018粘着付与剤として得られる(SEP)x共重合体を含んで形成した。Irganox 1010酸化防止剤もまた添加した。(SEP)x共重合体の量は、0〜25質量%で変えた。粘着付与剤および酸化防止剤の量は、(SEP)x共重合体の増大に従って変えた。量を表4〜9で特定する。これらの組成物を用いて粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネート上に形成した。
【0126】
非接着性ラミネートのフェイスストック層は、Sittard,オランダのSabic Europeで得られるSabic低密度ポリエチレンで形成し、そして接着性ベース層はKraton G 1730(SEP)xブロック共重合体であった。低密度ポリエチレンは、密度0.924、および190℃で2.16kg重りを用いたメルトフローインデックス0.75g/10分を有していた。
【0127】
加えて、非接着性ラミネートは、接着性ベース層から離れてフェイスストック層の表面に耐ブロッキング層を含んでいた。3%シリカを含む低密度ポリエチレンを耐ブロッキング層に用いた。
【0128】
非接着性ラミネートは、低密度ポリエチレン、(SEP)xブロック共重合体、および耐ブロッキング層を共押出しすることによって形成した。3つの別個の押出機を有するキャストフィルム押出しラインを利用した。フェイスストック層用の押出機は、6つのゾーンを含んでおり、そして入口温度約170℃かつ出口温度約220℃で運転した。接着性ベース層および耐ブロッキング層のための押出機は、3つのゾーンを含み、そして入口温度約180℃から190℃および出口温度約210℃で運転した。ポリエチレンのフェイスストック層は全体の32%を占め;接着性ベースポリマーは全体の押出し量の12%を占め;そして耐ブロッキング層は押出される全体量の56%となった。押出機からの溶融物はcloerenblokフィードブロック、次いでBlack Clawson Spuitkopダイに通した。ダイ温度は約250℃から約260℃の範囲であり、そしてウェブ速度は21.3m/分であった。キャスト後、非接着性ラミネートを冷却および巻直しした。
【0129】
粘着付与剤層組成物を非接着性ラミネート上にトランスファーコート(平方メートル当り24グラム、すなわちg/m2)して感圧接着剤ラミネートを、ホットメルトダイコーターを用いて離型ライナー上に形成した。感圧ラミネートを、剥離接着力、ループタックおよびせん断抵抗特性について、初期、1時間後、24時間後、48時間後、1週間後、2週間後および3週間後で試験した。データを表4〜9に一覧で示す。
【0130】
これらの例では、例2および3を除き、一般的に剥離およびループタックが時間とともに低減され、一方せん断抵抗は全ての場合で時間とともに増大したことが観察される。更に、せん断抵抗は、粘着付与層中のポリマー量がより高いとより速く高まった。
【0131】
理論に拘束されることを意図しないが、粘着付与剤層(C)の適用によるPSA層(BおよびC)の形成において、粘着付与剤層(C)(低分子量)から接着性ベース層(B)(高分子量)への分子量勾配が形成されるように粘着付与剤の一部または全部が接着性ベース層(B)中に拡散することが推奨される。これにより、低分子量で高粘着性の層が、感圧結合を作るためにこの機能が必要な正確な場所である(C)の表面に残る。逆に、PSA層(B&C)高分子量部分では、改善されたせん断抵抗を観察できる。これらの実験結果は、この事項と一致し、粘着付与剤および接着性ベース層が相互拡散するために要する時間を反映する。
【0132】
ゼロおよび5%のKraton G1730(SEP)xを粘着付与剤層(C)中に含むPSAラミネートは、離型紙に対してオフセットを示した。オフセットは、室温での貯蔵の1週間後に止まり、粘着付与剤の粘着付与剤層(C)から接着性ベース層(B)中への拡散を再び示した。
【0133】
【表4】
【0134】
【表5】
【0135】
【表6】
【0136】
【表7】
【0137】
【表8】
【0138】
【表9】
【0139】
PSAラミネートを作製する更なる例として、3種のPSAラミネートを作製した。接着剤(接着性ベースポリマーおよび粘着付与剤)を、2つの非PSA層(非接着性ラミネート(B)および粘着付与剤層(C)の互いへのマイグレーションによって調製した。これは例10〜14において示す。
【0140】
比較の目的で、2種のPSAラミネートを、従来技術を用いて作製した。比較例15は、ホットメルト技術に基づくPSA(PSA15.1&15.2)を与える。例16は、溶媒技術に基づくPSA(PSA16.1)を与える。全てのこれらの実験についての指針は、全PSA中の最終的な接着層が同じ全体組成および坪量を有することである。PSAラミネート14.3もまた同じフェイスストック層(BOPP)を有するため、PSA14.3の接着特性は比較PSA15.1、15.2および16.1の特性と直接比較できる。これらの結果を表10に纏める。
【0141】
例10−共押出しおよびフィルムインフレーションによるPE上の非接着性ラミネート10.1(SEP)x
非接着性ラミネートのフェイスストック層を、Sittard,オランダのSabic Europeから得られる低密度ポリエチレン(Sabic 2201 TH 00)で形成し、そして接着性ベース層は、Kratonより得られるKraton G1730である(SEP)xブロック共重合体であった。低密度ポリエチレンは、230℃で2.16kg重りを用いたときのメルトフローインデックス0.8g/10分であった。加えて、非接着性ラミネートは、5質量%の耐ブロッキング添加剤および1質量%の耐スリップ添加剤を接着性ベース層中に含んでいた。
【0142】
非接着性ラミネートは、低密度ポリエチレンおよび(SEP)xブロック共重合体を共押出しすることによって形成した。5つの別個の押出機を有するインフレーションフィルム(blown film)押出しラインを用いた。2つの押出機を用いて外側層(これはフェイスストック層である)および内側層(これは接着性ベース層である)を作製した。他の3つの押出機を用いて、2つの押出機の取出物を分割することによって対称な5層フィルムコアを作製した。各押出機は少なくとも5つの加熱ゾーンを有していた。ポリエチレンは、初めの4つのゾーンで170℃から200℃に加熱し、一方(SEP)xブロック共重合体は、初めの4つのゾーンで190℃から230℃に加熱した。圧力プロファイルは、最も高い圧力で押出される中心の層を有する非接着性ラミネートの全域で選択した。最終的に、押出機のスループットは、13マイクロメートルの(SEP)x接着性ベース層を有する64マイクロメートルのポリエチレンフェイスストック層が得られるように選択した。非接着性ラミネート10.1は、16m/分および製造幅60cmで形成した。
【0143】
例11−共押出しおよびフィルムインフレーションによるPP上の非接着性ラミネート11.1(SEP)x
非接着性ラミネート11.1のフェイスストック層は、Borealis(BorealisRB707CF)から得られるポリプロピレンで形成し、そして接着性ベース層は、オランダのKratonから得られるKraton G1730(SEP)xブロック共重合体であった。ポリプロピレンは、230℃で2.16kg重りを用いたときのメルトフローインデックス0.9g/10分を有していた。加えて、非接着性ラミネート11.1は、5%の耐ブロッキング添加剤を接着性ベース層中に含んでいた。
【0144】
非接着性ラミネート11.1は、ポリプロピレンと(SEP)xブロック共重合体とを共押出しすることによって形成した。5つの別個の押出機を有するインフレーションフィルム押出しラインを用いた。2つの押出機を用いてフェイスストック層および内側の接着性ベース層を作製した。他の3つの押出機を用いて、2つの押出機の取出物を分割することによって対称な5層フィルムコアを作製した。各押出機は少なくとも5つの加熱ゾーンを有していた。よって、6層のポリプロピレン(一緒にフェイスストック層(A)を形成する)および1層の(SEP)xブロック共重合体(接着性ベース層(B))が存在した。ポリプロピレンは、初めの4つのゾーンで180℃から225℃に加熱し、一方(SEP)xブロック共重合体は、初めの4つのゾーンで190℃から250℃に加熱した。圧力プロファイルは、最も高い圧力で押出される中心の層を有する非接着性ラミネート11.1の全域で選択した。最終的に、押出機のスループットは、12マイクロメートルの(SEP)x接着性ベース層を有する39マイクロメートルのポリプロピレンフェイスストック層が得られるように選択した。非接着性ラミネート11.1は、15m/分および製造幅60cmで形成した。
【0145】
例12−溶媒コーティングによるBOPP上の非接着性ラミネート12.1(SEP)x
耐溶剤性プラスチック1Lフラスコ中で、240gのKraton G1730を480gのトルエンに添加することによって、Kraton G 1730共重合体である(SEP)x33質量%溶液を調製した。2gの酸化防止剤Irganox 1010を添加した。混合物を低速ローラーバンク上に4日間置いて、Kraton G1730共重合体の透明な溶液を調製した。
【0146】
36μmの2軸配向ポリプロピレン(BOPP、コーティングする前に解放して巻戻し(unwind)を促進した)上に、Lithington,UKにあるRK Print Coat Instruments,Ltdによる設備を用いて、室温で速度5m/分程度でKraton G1730溶液をコートした。ロール間の調整可能なギャップを用いてコーティング質量(目付量)を制御した。溶媒は、それぞれ90℃、110℃、110℃および110℃の4つのドライヤー区分にて非接着性ラミネートから除去した。10〜14g/m2の間のTPEコーティング質量を有するBOPP/Kraton G1730非接着性ラミネートが得られた。
【0147】
例13−粘着付与剤組成物の調製
37.5%のRegalite R1090および51.5%のRegalrez 1018粘着付与剤、10%の(SEP)x共重合体(Kraton G1730として得られるもの)および1%のIrganox 1010酸化防止剤を含む粘着付与剤層組成物を、有効容積約1LのZ−ブレードミキサー(Linden,Marienheide,ドイツ)内で形成した。
【0148】
この設備に必要な初期充填量に合致させ、そしてポリマー/粘着付与剤の比に関してこの種の設備に採用される最良の実施に合致させるため、初期には15%の(SEP)xポリマーを含む混合物を調製し、次いでポリマー10%に希釈した。
【0149】
Z−ブレードミキサーは初期には150gのKraton G1730、10.5gのIrganox 1010酸化防止剤および75gのRegalite R 1090で充填した。Z−ブレード混合チャンバーは、設定点170℃の油浴を用いて加熱してミキサー内の内部温度約150℃を与えた。共重合体および粘着付与剤をZ−ブレードミキサーの側から通常に除去して、これらの成分を50分間で均一な生成物に混合した。この混合物に対し、更に275gのRegalite R1090粘着付与剤を少しずつ、次いで490.5gのRegalrez 1018粘着付与剤を少しずつ添加した。300gのこの粘着付与剤/共重合体の混合物を取出し、そして更に149.1gのRegalite R0190粘着付与剤、3gのIrganox 1010酸化防止剤および197gのRegalrez 1018粘着付与剤を少しずつ残りの700gの混合物に添加して1050gの粘着付与剤層組成物を得た。生成物をシリコーン離型でコートされた紙箱内に注ぎ、更に使用するために室温に冷却した。
【0150】
例14−非接着性ラミネートを例13に係る粘着付与剤組成物とともにトランスファーコーティングしてPSA14.1、14.2および14.3を作製することによる、非接着性ラミネート10.1、11.1および12.1(例10〜12)からのPSA形成
例13の粘着付与剤組成物を、24g、110℃でシリコーン系離型ライナー上にスロットダイコーターを用いてコートし、次いでこれを、例10〜12による非接着性ラミネートとともに粘着付与剤組成物側の上に(粘着付与剤をKraton G 1730共重合体側に)ラミネートしてPSAラミネート14.1、14.2および14.3をそれぞれ作製した。Bobis,Apeldoom,オランダにあるBobisによって供給されるコーティング設備を、ライン速度40m/分程度で用いた。速度を変えてコーティング質量を制御した。同様の設備が、LC Maan Engineering,Raalte,オランダを経て入手可能である。
【0151】
コーティング質量が34〜36g/m2の間のPSAラミネートを5cm幅のロール内に滑り込ませ、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。PSAラミネートを、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について24時間後、1週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表10に一覧で示す。
【0152】
例15−比較PSAラミネート15.1および15.2(スロットダイまたはロール軸法によるBOPP上の接着性ベースポリマーおよび粘着付与剤)の作製
恒温油浴加熱しながら、Z−ブレードミキサーLinden LK−IIに、400gのKraton G1730共重合体、7グラムのIrganox 1010酸化防止剤、および200グラムのRegalite R1090粘着付与剤を添加した。Z−ブレード混合チャンバーは、油浴を用いて設定点170℃で加熱してミキサー内の内部温度約150℃を与えた。内側表面に粘着するレジンまたは共重合体は、1時間後に均一な混合物が得られるまで5分毎に熱いスパチュラで切り離した。更に50gのRegalite R1090粘着付与剤をミキサーに添加し、次いで343グラムのRegalrez 1018粘着付与剤の部分を添加した。最後に、温かいホットメルト配合物を、シリコンインナーライナーを有する厚紙箱内に注いで約1kgのホットメルト接着剤を調製した。
【0153】
ホットメルト接着剤を36μm2軸配向ポリプロピレン(BOPP、コーティングする前に解放して巻戻しを促進した)上に、ロール心棒(IVa)またはスロットダイ(IVb)コーティング設備(Bobisより)を用い、180℃、速度40m/分程度でコートして比較PSA15.1および15.2を形成した。Bobis,Apeldoom,オランダにあるBobisにより供給されるコーティング設備を、ライン速度40m/分程度で用いた。速度を変えてコーティング質量を制御した。同様の設備が、LC Maan Engineering,Raalte,オランダを経て入手可能である。速度を変えてコーティング質量を制御した。コーティング質量34〜36g/m2のPSA15.1および15.2を5cm幅のロール内に滑り込ませ、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0154】
PSAラミネート(15.1および15.2)を、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について、初期、24時間後、1週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表10に一覧で示す。
【0155】
例16−比較PSAラミネート16.1(溶媒/RKコーターを用いたBOPP上の接着性ベースポリマーおよび粘着付与剤)の作製
Kraton G1730の共重合体である144グラムの(SEP)xに288グラムのトルエンを添加し、そして混合物を48時間低速ローラーバンク上に置くことにより、33質量%Kraton G1730共重合体溶液を調製した。得られた溶液に、90グラムのRegalite R1090粘着剤、125.5グラムのRegalrez 1018粘着剤、および2.5グラムのIrganox 1010酸化防止剤を添加した。ローラーバンク上更に24時間後、55質量%の固体接着剤を得た。
【0156】
36μmの2軸配向ポリプロピレン(BOPP、コーティング前に解放して巻戻しを促進した)上に、RK Print Coat Instruments,Ltdによる設備を用いて、室温で速度5m/分程度で、該接着剤をコートしてPSA16.1を形成した。ロール間の調整可能なギャップを用いてコーティング質量(目付量)を制御した。溶媒は、それぞれ90℃、110℃、110℃および110℃の4つのドライヤー区分にてPSA16.1から除去した。コーティング質量が34〜36g/m2の間のPSAを5cm幅のロール間に滑り込ませ、そして気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0157】
PSAラミネート16.1を、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について、初期、24時間後、1週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表10中に一覧で示す。
【0158】
【表10】
【0159】
明確に、ラミネート14.1、14.2および14.3は、剥離接着力、ループタックおよびせん断接着のデータに基づきPSAである。PSAの特定は本開示において先に説明した。PSA14.3についての剥離およびループタックの値は、同等のラミネートPSA15.1、15.2および16.1についてよりも高かった。せん断接着力およびループタックは、PSA14.1、14.2および14.3について時間依存性であり、典型的には初期にループタックが高くせん断値が低い。従来法を用いて作製した比較PSA15.1、15.2および16.1と接着特性において少なくとも同等かそれより良好な特性のPSAを得るための特性は時間とともに変化する。
【0160】
上記に関わらず、粘着付与剤の接着性ベース層中へのマイグレーションによるPSAの接着層の形成は、多くの他の利点を与えることができる。利点としては、以下:加工上の利点および他の特性についての利点,例えば色、臭い、透明性、光沢、ヘイズ、および固定性のうち少なくとも1つが挙げられる。加工上の利点としては:1)色および臭い等の多くの特性を改善するより低い加工温度、ならびに2)PSAラミネートの光学特性を改善する極めて平滑で欠陥のない表面を可能にするより低い粘度、が挙げられる。向上した特性を与えることに加え、経済的な利点を得ることができる。より低い温度は必要なエネルギーがより少なく、そしてより低い粘度はより高いライン速度を可能にする。フィルム状ポリマーおよび接着性ベース層の共押出しされた溶融結合により、従来のPSAでのような接着剤とフィルム状バッキングとの間の分離した界面の存在が排除される。これにより、本発明のPSAの視覚的外観が従来のPSAよりも向上する。流れが悪いこと、空気の同伴または濡れ性が悪いこと、およびあらゆる散乱によりもたらされる表面欠陥の恐れが排除されるからである。
【0161】
本発明の他の利点は、粘着付与剤組成物の低い粘度が非接着性ラミネートに優れた濡れ性を与え、そして平滑にコートされた表面を与えることにより、PSAラミネートが改善された透明性およびヘイズを有することである。従来のPSAに共通の問題は、接触または表面欠陥をもたらし、PSAラミネートの視覚的外観を低下させる、接着剤のフェイスストックに対する不適切な濡れまたは不十分な流れである。
【0162】
例17−粘着付与剤層の分散コーティング
例13の粘着付与組成物は、100グラムの粘着付与組成物、9グラムの水素化ロジン酸(StaybelliteレジンE, Eastman Chemical Company,Middelburg,オランダ)、および2.2グラムの50質量%KOH水を加熱することによって分散体として配合した。後者の2成分は、粘着付与表面活性系として働く。次いで、激しい撹拌下で、約100グラムの水を90℃でゆっくり加え、次いで冷却した。固形分52質量%、Coulter型粒子サイズ装置および粘度500mPasを用いて測定した場合の粒子サイズ258nmで粘着付与レジンの分散体を得た。非接着性ラミネート14.1、14.2および14.3のA4シート上に、K−bar型6を用いて分散体をコートして、PSAラミネートを2分間100℃で乾燥させてPSA18.1、18.2および18.3を形成した後に24グラムの粘着付与層(C)を作製した。全PSAラミネートは、1週間、23℃で>10000分のせん断強度を有し、そして、3週間のエージング後に剥離強度>10N/25mmを有していた。
【0163】
例18−共押出しおよびキャストによる非接着性ラミネート18.1(SEP)xおよびPE
非接着性ラミネートのフェイスストック層は、Sittard,オランダのSabic Europeから得たSabic低密度ポリエチレンで形成し、そして接着性ベース層は、Kraton G1730(SEP)xブロック共重合体であった。低密度ポリエチレンは、密度0.924(g/cm3)および190℃で2.16kg重りを用いたときのメルトフローインデックス0.75g/10分を有していた。加えて、非接着性ラミネートは、接着性ベース層から離れてフェイスストック層の表面上に耐ブロッキング層を含んでいた。3%シリカを含む低密度ポリエチレンを耐ブロッキング層用に利用した。
【0164】
非接着性ラミネートは、低密度ポリエチレン、(SEP)xブロック共重合体、および耐ブロッキング層を共押出しすることによって形成した。3つの別個の押出機を有するキャストフィルム押出しラインを利用した。フェイスストック層用の押出機は、6つのゾーンを含み、入口温度約170℃および出口温度約220℃で運転した。接着性ベース層用および耐ブロッキング層用の押出機は、3つのゾーンを含み、入口温度約180℃から190℃および出口温度約210℃で運転した。シリカを有するポリエチレンの耐ブロッキング層は、厚み50マイクロメートルを有し;コアのポリ(エチレン)フィルム状層は厚み30マイクロメートルを有し、そして接着性ベース層は厚み30マイクロメートルを有していた。押出機からの溶融物をcloerenblokフィードブロック、次いでBlack Clawson Spuitkopダイに通した。ダイ温度は約250℃から約260℃の範囲であり、そしてウェブ速度は21.3m/分であった。キャスト後、非接着性ラミネート18.1を冷却および巻直しした。
【0165】
例19−非接着性ラミネート18.1を例13による粘着付与剤組成物とともにトランスファーコーティングしてPSA19.1〜19.5を形成することによる、非接着性ラミネート18.1を用いたPSA形成
例13の粘着付与剤組成物を、30,50,70,90および125g/m2で110℃にて、シリコーン系離型ライナー上にスロットダイコーターを用いてコートし、次いでこれを、例18による非接着性ラミネートとともに粘着付与剤組成物側の上に(粘着付与剤をKraton G 1730共重合体側に)ラミネートして感圧接着剤ラミネート(PSA19.1,19.2,19.3,19.4および19.5)を作製した。Meltex、現Nordson, Luneburg,ドイツによって供給されるコーティング設備をライン速度3から11m/分で用いた。速度を変えてコーティング質量を制御した。低い速度は高いコーティング厚みに対応する。PSAラミネートは、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0166】
PSAラミネートを、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について24時間後、4日後、1週間後、2週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表11に一覧で示す。
【0167】
【表11】
【0168】
これらの例は、PSAラミネートの接着特性が、粘着付与層の厚みのばらつきとともに広く変化することを示す。これは、単一非接着性ラミネートによる種々の接着特性の付与において極めて有用である。また、粘着付与層厚みの大きい範囲を用いて、有用な特性を有するPSAラミネートを与えることができる。
【0169】
例20−非接着性ラミネート20.1(共押出しおよびフィルムインフレーションによるPE上のKraton G 1730共重合体)
非接着性ラミネートの外側フィルム状層は、Sittard,オランダのSabic Europeから得た低密度ポリエチレン(Sabic 2201 TH 00)で形成し、接着性ベース層は、Kratonから得たKraton G 1730(SEP)xSEPSブロック共重合体で形成した。低密度ポリエチレンは、190℃で2.16kg重りを用いたメルトフローインデックス0.8g/10分を有していた。加えて、非接着性ラミネートは、5質量%の耐ブロッキング添加剤および1質量%の加工助剤を含んでいた。例10で用いたのと同様のフィルムインフレーションプロセスを用いて、6マイクロメートルの(SEP)x接着性ベース層を有する85マイクロメートルのポリエチレンフィルム状外側層を作製した。ロールは製造幅70cmを有し、そして50cmおよび20cmのロールに再び細長く切った。
【0170】
例21−例20に従った非接着性ラミネート20.1からの、非接着性ラミネートを例13に従った粘着付与剤組成物とともにトランスファーコーティングしてPSA21.1〜21.3を作製することによるPSA形成
例13の粘着付与剤組成物を、10、15および20g/m2で110℃にて、シリコーン系離型ライナー上にスロットダイコーターを用いてコートし、次いでこれを、例20による非接着性ラミネートとともに粘着付与剤組成物側の上に(粘着剤をKraton G 1730側に)ラミネートしてPSAラミネート21.1、21.2および21.3を作製した。Meltex、現Nordson, Luneburg,ドイツによって供給されるコーティング設備をライン速度19〜39m/分の間で用いた。速度を変えてコーティング質量を制御した。低い速度は高いコーティング厚みに対応する。PSAラミネートは、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0171】
PSAラミネートを、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について24時間後、2日後、1週間後、2週間後および3週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表12に一覧で示す。
【0172】
【表12】
【0173】
これらの例は、PSAラミネートの接着特性が、粘着付与剤層の厚みのばらつきとともに広く変化しうることを示す。これは、単一非接着性ラミネートによる種々の接着特性の付与において極めて有用である。
【0174】
例22−例20に従った非接着性ラミネート20.1からの、非接着性ラミネートを例13に従った粘着付与剤組成物とともにトランスファーコーティングしてPSA22.1を作製することによるPSA形成
例13の粘着付与剤組成物を、13g/m2で100℃にて、シリコーン系離型ライナー上に、圧ロールを有するナイフオーバーロールコーターを用いてコートし、次いでこれを、例20による非接着性ラミネートとともに粘着付与剤組成物側の上に(粘着付与剤をKraton G 1730側に)ラミネートしてPSAラミネート22.1を作製した。Kroenert Maschinenfabrik Max Kroenert GmbH&Co KG,Hamburg,ドイツによって供給されるコーティング設備をライン速度50m/分で用いた。PSAラミネートは、気候条件に順応させた制御室内で23℃相対湿度50%にて試験前に1晩貯蔵した。
【0175】
PSAラミネートを、剥離接着力特性、ループタック特性およびせん断抵抗特性について24時間後、2日後、4日後、1週間後、および2週間後に、本開示において先に説明した方法に従って試験した。データを表13に一覧で示す。
【0176】
【表13】
【0177】
更に、PSAラミネートは、共焦点ラマン分光法によって、WiTec共焦点ラマン分光装置CRM 200を用いて試験した。Nikonの対物、CFI Plan Achromat 10Ox,NA=0.9をカバーガラス補正なしで用いた。用いたレーザー出力は532nmで15MWであった。粘着付与剤層からポリエチレンバッキング層まで深さ分析を行なった。特徴的なラマンシグナル:
760〜790cm-1を粘着付与剤について;
1120〜1140cm-1をポリエチレン(フェイスストック層)について;そして
3014−3100cm-1を(SEP)x共重合体(接着性ベースポリマー)について;
を用いてもとの層の化合物を同定した。
【0178】
これらのシグナルの強度を用い、粘着付与剤、(SEP)x、およびポリエチレンの濃度を示す断面を深さ(μm)の関数として得た。
【0179】
PSAラミネート22.1の深さプロファイルは、粘着付与剤のマイグレーション挙動を検討するために、室温でのエージング3および8日後に測定した。各分析は、PSAラミネートの異なる位置で5回行なった。これらの分析の結果は、測定の各シリーズ上で平均した。マイグレーションを定量化するために、粘着付与剤シグナルと接着性ベースポリマーシグナルとのピーク値間の距離を算出し、続いて粘着付与剤と(SEP)xとの両者についての破壊指数(breaking index)の1.5の値を仮定することによって値を補正した。
【0180】
貯蔵3日間と8日間との間で、粘着付与剤と(SEP)x共重合体とのピーク値間の距離が12マイクロメートルから7マイクロメートルに減少したことが分かった。理論的には、ピーク値間の距離0マイクロメートルは、組成の相違なく全部がマイグレートした系を表す。
【0181】
表13中に列挙するように、PSAラミネートのせん断抵抗は、同様の時間枠(例えば2日〜1週間)でほぼ1桁増大した。
【0182】
理論に拘束されることを意図しないが、これは、共焦点ラマン分光によって検討するに、接着特性の経時的な変化が粘着付与剤の接着性ベース層中へのマイグレーションに関連することを暗示する。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】図1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)および粘着付与剤層(C)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図2】図2は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)および離型層(D)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図3】図3は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)およびオーバーラミネート層(E)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図4】図4は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図5】図5は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図6】図6は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)およびオーバーラミネート層(E)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図7】図7は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図8】図8は、本発明の別の態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)、粘着付与剤層(C)、離型層(D)、オーバーラミネート層(E)およびバリア層(F)を有する感圧接着剤ラミネートの断面である。
【図9】図9は、本発明に係るPSAラミネートを作製する方法の一態様の概観図である。
【図10】図10は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し(B)と(C)との間にカーブした界面を有するPSAラミネートの断面である。
【図11】図11は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し(B)と(C)との間にぎざぎざした(jagged)界面を有するPSAラミネートの断面である。
【図12】図12は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し不連続な粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面である。
【図13】図13は、本発明の別の態様における、粘着付与剤層(C)、接着性ベース層(B)およびフェイスストック層(A)を有し不連続な粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面である。
【図14A】図14.1は、本発明の一態様における、フェイスストック層(A)、接着性ベース層(B)およびマイグレーション前の粘着付与剤層(C)を有するPSAラミネートの断面を示す。
【図14B】図14.2は、図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中にマイグレートする粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の一部のマイグレーションを示す。
【図14C】図14.3は、図14.1中に示すPSAラミネートの接着性ベース層中への、粘着付与剤層(C)中の粘着付与剤の全てのマイグレーションを示す。
【図15】(原文に記載なし)
【図16】(原文に記載なし)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの非接着性ラミネートおよび少なくとも1つの粘着付与剤層を含むPSAラミネートであって、前記非接着性ラミネートが、少なくとも1つのフェイスストック層および少なくとも1つの接着性ベース層を含み;前記フェイスストック層が、少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;前記接着性ベース層が、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;前記粘着付与剤層が、少なくとも1種の粘着付与剤を含み;前記粘着付与剤層がPSAでなく;そして前記粘着付与剤層を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用してPSAラミネートが形成されている、PSAラミネート。
【請求項2】
少なくとも1種の接着性ベースポリマーと少なくとも1種の粘着付与剤とを含む接着剤をフェイスストック物質に接触させることによって形成されたPSAラミネートと比べて改善された剥離接着力とループタック性とを有する、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項3】
少なくとも1種の接着性ベースポリマーと少なくとも1種の粘着付与剤とを含む接着剤をフェイスストック物質に接触させることによって形成されたPSAラミネートと比べて改善されたせん断接着力を有する、請求項2に記載のPSAラミネート。
【請求項4】
前記粘着付与剤が、初期形成時のPSAラミネートと比べて改善されたせん断接着力によって示されるように、前記非接着性ラミネート中に経時的にマイグレートする、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項5】
少なくとも1つのバリア層、少なくとも1つのオーバーラミネート層、少なくとも1つの離型ライナー、少なくとも1つのタイ層および少なくとも1つのプライマー層からなる群から選択される少なくとも1つの層を更に含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項6】
離型物質が前記フェイスストック層の外側表面に位置する、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項7】
前記離型物質がシリコーン物質である、請求項6に記載のPSAラミネート。
【請求項8】
前記フェイスストック物質が、少なくとも1種類の紙または少なくとも1種のフィルム状ポリマーである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項9】
前記フィルム状ポリマーが、フィルム状ポリマーのブレンド物または種々のフィルム状ポリマーの多層フィルムである、請求項8に記載のPSAラミネート。
【請求項10】
前記フィルム状ポリマーが、前記接着性ベースポリマーと不一致または不適合である溶解性パラメータを有し、前記フェイスストック層と前記接着性ベース層との間のマイグレーションを防止する、請求項8に記載のPSAラミネート。
【請求項11】
前記フィルム状ポリマーが、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、官能性ポリエステル、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリエーテルブロックポリアミド、ポリビニルアセテート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載のPSAラミネート。
【請求項12】
前記フィルム状ポリマーが、エチレン、プロピレン、および1−ブテンからなる群から選択される繰返し単位を有するポリオレフィンである、請求項11に記載のPSA。
【請求項13】
前記フィルム状ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項12に記載のPSA。
【請求項14】
前記フェイスストック層において使用されるポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が、190℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に約0.1から約15g/10分の範囲である、請求項13に記載のPSAラミネート。
【請求項15】
前記フェイスストック層において使用されるポリエチレンのメルトフローレートが、190℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に0.1から5g/10分の範囲である、請求項14に記載のPSAラミネート。
【請求項16】
前記フェイスストック層において使用されるポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)が、230℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に約0.1から約20g/10分の範囲である、請求項13に記載のPSAラミネート。
【請求項17】
前記フェイスストック層において使用されるポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)が、230℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に約0.1から約10g/10分の範囲である、請求項16に記載のPSAラミネート。
【請求項18】
前記フェイスストック層の厚みが約10μmから約200μmである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項19】
前記フェイスストック層の厚みが約30μmから約90μmである、請求項18に記載のPSAラミネート。
【請求項20】
前記接着性ベースポリマーが、少なくとも1種のランダム共重合体接着性ベース物質、少なくとも1種のブロック共重合体接着性ベースポリマー、および少なくとも1種の天然ゴムまたは合成ゴムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項21】
前記ランダム共重合体接着性ベース物質が、アクリレートおよび/もしくはメタクリレートの共重合体ならびにこれらの誘導体を基にする共重合体、α−オレフィン共重合体、シリコーン共重合体、ならびにクロロプレン/アクリロニトリル共重合体からなる群から選択される、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項22】
前記ブロック共重合体接着性ベースポリマーが、線状ブロック共重合体、分岐ブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、テトラブロック共重合体、マルチブロック共重合体、星型ブロック共重合体、グラフトおよびラジアルのブロック共重合体からなる群から選択される、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項23】
前記天然ゴムまたは合成ゴムがポリイソブチレン、ポリイソプレン、およびブチルゴムからなる群から選択される、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項24】
前記接着性ベースポリマーが、少なくとも1種の熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項25】
前記TPEが、線状、分岐、グラフトまたはラジアルのブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項24に記載のPSAラミネート。
【請求項26】
前記熱可塑性エラストマーが、約75質量%から約95質量%のゴム状セグメントと約5質量%から約25質量%の非ゴム状セグメントとを含む、請求項24に記載のPSAラミネート。
【請求項27】
前記非ゴム状セグメントが、単環および多環の芳香族炭化水素のポリマーを含む、請求項26に記載のPSAラミネート。
【請求項28】
前記ゴム状セグメントが、脂肪族共役ジエンまたは水素化共役ジエンの単独重合体または共重合体のポリマーブロックを含む、請求項26に記載のPSAラミネート。
【請求項29】
前記ゴム状セグメントが、ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびスチレンブタジエンゴムからなる群から選択される、請求項26に記載のPSAラミネート。
【請求項30】
前記ゴム状セグメントが、ポリジエン、エチレン−ブチレン共重合体のゴムおよびエチレン−プロピレン共重合体のゴムからなる群から選択される、請求項26に記載のPSAラミネート。
【請求項31】
前記接着性ベースポリマーが、ブタジエン系ポリマー、イソプレン系ポリマー、ポリエーテルブロックポリアミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項32】
前記ブタジエン系ポリマーが、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン(SB)ブロック共重合体、マルチアーム(SB)x型ブロック共重合体、ポリブタジエンブロック共重合体、および水素化誘導体ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載のPSAラミネート。
【請求項33】
前記イソプレン系共重合体が、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)共重合体、スチレン−イソプレン(SI)ジブロック共重合体、線状およびマルチアーム(SI)x型のブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)骨格とイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン(SI)アームとを有するラジアルブロック共重合体、ポリイソブチレン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載のPSAラミネート。
【請求項34】
ジブロック共重合体が、スチレン−ブタジエン(SB),スチレン−イソプレン(SI)、およびこれらの水素化誘導体からなる群から選択される、請求項22に記載のPSAラミネート。
【請求項35】
トリブロックポリマー、テトラブロックポリマー、およびマルチブロックポリマーが、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレン、α−メチルスチレン−イソプレン−α−メチルスチレン、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン/プロピレン(SEP)x、およびこれらの誘導体からなる群から選択される、請求項22に記載のPSAラミネート。
【請求項36】
前記ブロック共重合体が水素化されている、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項37】
前記ブロック共重合体が官能化ブロック共重合体である、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項38】
前記官能化ブロック共重合体が、無水コハク酸変性SEBSである、請求項37に記載のPSAラミネート。
【請求項39】
前記接着性ベースポリマーが、スチレンブロック共重合体およびイソブチレン共重合体からなる群から選択される高凝集強度ポリマーである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項40】
前記スチレンブロック共重合体が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンおよびエチレン/ブチレン(S−E/B−S)を基にする共重合体、ならびにスチレンおよびエチレン/プロピレン(S−E/P−S)を基にする共重合体からなる群から選択される、請求項39に記載のPSAラミネート。
【請求項41】
SISブロック共重合体のポリスチレン量が、約10質量%から約50質量%の範囲である、請求項40に記載のPSAラミネート。
【請求項42】
前記スチレンブロック共重合体の溶液粘度が、ブルックフィールド粘度計を用いてトルエン中固形分25%を用いて測定した場合に、約0.05Pa.sから約20Pa.sの範囲である、請求項39に記載のPSAラミネート。
【請求項43】
前記接着性ベース層の厚みが約1μmから約60μmの範囲である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項44】
前記接着性ベース層の厚みが約4μmから約20μmの範囲である、請求項43に記載のPSAラミネート。
【請求項45】
前記接着性ベース層が、純粋モノマーレジン;ポリ(エチレン)またはポリ(プロピレン)ワックス;低粘度のポリ(エチレン),例えばASTM D−1238に従って190℃で2.16kg重りにて測定した場合のメルトフローレート約5g/10分から約80g/10分のポリエチレン;およびメタロセン触媒によって生成されるエチレン系またはプロピレン系の共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤によって変性されたものである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項46】
前記粘着付与剤層が、少なくとも1種の可塑剤を更に含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項47】
前記粘着付与剤が、ロジン系および水素化ロジン系の粘着付与剤、炭化水素系および水素化炭化水素系の粘着付与剤、フェノール系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤、テルペンフェノール系粘着付与剤、スチレン化テルペン系粘着付与剤、水素化テルペン系粘着付与剤、ポリエステル系粘着付与剤、純粋モノマー芳香族系粘着付与剤、芳香族アクリル系粘着付与剤、液体レジン型粘着付与剤、官能化型粘着付与剤、ならびにこれらの水素化誘導体および混合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項48】
前記粘着付与剤が、水素化純粋モノマー芳香族系粘着付与剤である、請求項47に記載のPSAラミネート。
【請求項49】
前記可塑剤が、ナフテン油およびパラフィン油、シトレート、スルホネートおよびフタレートからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項46に記載のPSA。
【請求項50】
前記粘着付与剤が前記接着性ベースポリマー中に可溶である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項51】
前記粘着付与剤が、粘着付与剤マスターバッチ組成物である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項52】
前記粘着付与剤が、ポリスチレンおよびポリイソプレンのブロックを含むエラストマー中に可溶である、請求項50に記載のPSAラミネート。
【請求項53】
前記粘着付与剤が、5または6個の炭素原子を含むジエンおよびモノオレフィンの形態の脂肪族石油誘導体流の重合によって得られる、請求項52に記載のPSAラミネート。
【請求項54】
前記ジエンがピペリレンまたはイソプレンである、請求項53に記載のPSAラミネート。
【請求項55】
前記粘着付与剤が、1種以上のC5モノオレフィンおよび/またはジオレフィンと1種以上のC8もしくはC9のモノアルケニル芳香族炭化水素またはその水素化誘導体とを共重合することによって製造された少なくとも1種の変性C5型石油レジンである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項56】
前記変性されるC5モノオレフィンおよび/またはジオレフィンが、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンテン、1−ペンテン、シス−およびトランス−2−ペンテン、シクロペンタジエン、ならびにシス−トランス−1,3−ペンタジエンからなる群から選択される、請求項55に記載のPSAラミネート。
【請求項57】
前記C8もしくはC9のモノアルケニル芳香族炭化水素が、スチレン、メチスチレン、およびインデンからなる群から選択される、請求項55に記載のPSAラミネート。
【請求項58】
前記粘着付与剤が、少なくとも1種の水素化多環レジンまたは少なくとも1種の水素化芳香族レジンであって、ベンゼン環の全てでないが実質部分がシクロヘキサン環に変換されている、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項59】
前記水素化多環レジンが、ジシクロペンタジエンレジンである、請求項58に記載のPSAラミネート。
【請求項60】
前記粘着付与剤層が、ロジン、ロジンエステル、ポリテルペン、芳香族および官能化されたレジン、ならびに前記接着性ベース層中に含まれる前記接着性ベースポリマーとある程度まで親和性である他の粘着付与剤を更に含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項61】
前記粘着付与剤層が、少なくとも1種の粘着付与剤を約50質量%から約90質量%の量で含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項62】
前記粘着付与剤層の厚みが約2μmから約150μmである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項63】
PSAラミネートの前記フェイスストック層、前記接着性ベース層、および前記粘着付与剤層が、無機フィラーならびに有機および無機の添加剤を更に含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項64】
前記無機フィラーが、炭酸カルシウム、二酸化チタン、金属物品、および繊維からなる群から選択される、請求項63に記載のPSAラミネート。
【請求項65】
前記添加剤が、難燃剤、酸化防止剤化合物、熱安定剤、光安定剤、紫外光安定剤、耐ブロッキング剤、加工助剤、核形成剤、および酸受容体からなる群から選択される、請求項63に記載のPSAラミネート。
【請求項66】
前記PSAラミネートの厚みが約35から約400μmである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項67】
前記PSAラミネートの厚みが、約50から約150μmである、請求項66に記載のPSAラミネート。
【請求項68】
前記PSAラミネートが、フェイスストック層(A)の接着性ベース層(B)に対する厚み比約50:1から約1:1を有する、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項69】
前記PSAラミネートの厚み比A:Bが、約25:1から約2:1である、請求項68に記載のPSAラミネート。
【請求項70】
前記粘着付与剤の一部が、PSA層(B/C)を形成する前記非接着性ラミネートの前記接着性ベース層中にマイグレートすることによって、前記PSAラミネートが与えられる、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項71】
前記接着性ベース層中にマイグレートする前記粘着付与剤層の前記一部が、粘着付与剤層(C)の質量基準での質量パーセントで与えられる以下の範囲:0.1から100;5から100;10から100;15から100;20から100;25から100;30から100;35から100;40から100;50から100;55から100;60から100;65から100;70から100;75から100;80から100;85から100;90から100;95から100;0.1から90;5から90;10から90;15から90;20から90;25から90;30から90;35から90;40から90;45から90;50から90;55から90;60から90;65から90;70から90;75から90;80から90;85から90;0.1から80;5から80;10から80;15から80;20から80;25から80;30から80;35から80;40から80;45から80;50から80;55から80;60から80;65から80;70から80;75から80;0.1から70;5から70;10から70;15から70;20から70;25から70;30から70;35から70;40から70;45から70;50から70;55から70;60から70;65から70;0.1から60;5から60;10から60;15から60;20から60;25から60;30から60;35から60;40から60;45から60;50から60;55から60;0.1から50;5から50;10から50;15から50;20から50;25から50;30から50;35から50;40から50;45から50;0.1から40;5から40;10から40;15から40;20から40;25から40;30から100;35から40;0.1から30;5から30;10から30;15から30;20から30;25から30;0.1から20;5から20;10から20,15から20;0.1から10;および5から10から選択される、請求項70に記載のPSAラミネート。
【請求項72】
前記ポリマーが熱可塑性エラストマーである、請求項1に記載のPSA。
【請求項73】
前記粘着付与剤層(C)中の前記ポリマーの量が、粘着付与剤層(C)の質量基準で約0.1質量%から約10質量%の範囲である、請求項1に記載のPSA。
【請求項74】
前記粘着付与剤層(C)中の前記ポリマーの量が、粘着付与剤層(C)の質量基準で約1質量%から約5質量%の範囲である、請求項1に記載のPSA。
【請求項75】
少なくとも1つのフェイスストック層(A);少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む少なくとも1つの接着性ベース層(B);および少なくとも1種の粘着付与剤を含む少なくとも1つの粘着付与剤層(C);を含み、
前記感圧接着剤ラミネートが、前記フェイスストック層(A)を前記接着性ベース層(B)とともに溶媒コーティングして非接着性ラミネートを形成すること、および前記粘着付与剤層(C)を前記非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用して前記PSAラミネートを形成することにより得ることができ;そして前記フェイスストック層(A)が、ポリエチレンまたはポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;前記接着性ベース層が、SEBSブロック共重合体または(SEP)xブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であり;そして前記粘着付与剤が水素化芳香族レジンを含む、感圧接着剤(PSA)ラミネート。
【請求項76】
少なくとも1つのフェイスストック層(A);少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む少なくとも1つの接着性ベース層(B);および少なくとも1種の粘着付与剤を含む少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を含み;
前記感圧接着剤ラミネートが、前記フェイスストック層(A)を前記接着性ベース層(B)とともに溶媒コーティングして非接着性ラミネートを形成すること、および前記粘着付与剤層(C)を前記非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用して前記PSAラミネートを形成することによって得ることができ;そして前記フェイスストック層(A)が少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;前記フェイスストック物質が紙であり;前記接着性ベース層が、SEBSブロック共重合体または(SEP)xブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であり;そして前記粘着付与剤が水素化芳香族レジンを含む、感圧接着剤(PSA)ラミネート。
【請求項77】
少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートに適用することを含み;前記非接着性ラミネートが、少なくとも1つのフェイスストック層(A)および少なくとも1つの非接着性ベース層(B)を含み;前記フェイスストック層(A)が少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;そして前記接着性ベース層(B)が少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;前記粘着付与剤層(C)がPSAではなく;そして前記粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用する、PSAラミネートを製造する方法。
【請求項78】
前記非接着性ラミネートを、溶媒コーティングまたはエマルションコーティングにより形成する、請求項77に記載のプロセス。
【請求項79】
前記粘着付与剤層を、スロットダイコーティング、ロール軸コーティング、カーテンコーティング、ナイフオーバーロールコーティング、およびスプレーコーティングからなる群から選択される方法によって適用する、請求項77に記載のプロセス。
【請求項80】
粘着付与剤の適用前、適用後または適用時に前記非接着性ラミネートを加熱する、請求項77に記載のプロセス。
【請求項81】
粘着付与剤層がホットメルト組成物、水系分散体または溶媒系溶液である、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
前記粘着付与剤層の一部を、PSA層(B/C)を形成する前記非接着性ラミネートの前記接着性ベース層中にマイグレートさせることによって、前記PSAラミネートを与える、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
請求項1に記載のPSAラミネートを含む物品。
【請求項84】
請求項1に記載のPSAラミネートを含むラベル。
【請求項85】
紙ラベル、フィルム状ラベル、および離型ライナーを有するフィルム状ラベルから選択できる、請求項84に記載のラベル。
【請求項86】
パッケージングラベルまたは特殊ラベルである、請求項84に記載のラベル。
【請求項87】
前記パッケージングラベルが、飲料、食品、ヘルスケア製品、パーソナルケア製品、医薬、工業化学物質、家庭用化学品、または小売用製品をパッケージングするために使用するラベルからなる群から選択される、請求項86に記載のラベル。
【請求項88】
前記特殊ラベルが、再配置可能ラベル、除去可能ラベル、再封止可能ラベル、ノールックラベル、箱型冷凍庫ラベルおよび機密保護ラベルからなる群から選択される、請求項86に記載のラベル。
【請求項89】
請求項1に記載のPSAラミネートを含むテープ。
【請求項90】
多目的テープまたは特殊テープである、請求項89に記載のテープ。
【請求項91】
前記多目的テープが、パッケージングテープおよび輸送テープ;塗料およびスプレーのマスキングテープ;民生用テープおよびオフィス用テープ;ならびにボンディングテープおよび締付テープからなる群から選択される、請求項90に記載のテープ。
【請求項92】
前記特殊テープが、表面保護テープ;電気絶縁テープ;結合テープ、補強テープおよびマーキングテープ;接合テープ;HVAC封止テープ;医療用途テープ;自動車用途テープ;電子工学テープ;安全テープまたは反射テープ;ならびおむつ閉合テープからなる群から選択される、請求項90に記載のテープ。
【請求項93】
請求項1に記載のPSAラミネートを含むフィルム。
【請求項94】
接着フィルム、バリアフィルム、保護フィルム、および粘着フィルムからなる群から選択される、請求項93に記載のフィルム。
【請求項95】
前記接着フィルムが、感圧接着フィルム、熱活性接着フィルム、片面および両面の接着層、カーペット下敷き、屋根下敷き、透明フィルムまたは着色フィルム、食品接触接着フィルム、およびバッキング層フィルムからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項94に記載のフィルム。
【請求項96】
前記バッキング層フィルムが、薬物マトリクスを支持するために用いるバッキング層フィルム、多目的バッキング層フィルム、または基質特異性バッキング層フィルムからなる群から選択される、請求項95に記載のフィルム。
【請求項97】
前記基質特異性バッキング層フィルムが、不織布、ガラス、紙、綿、ミネラルウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの発泡体/シート、およびアクリル接着剤のためのバッキング層フィルムからなる群から選択される、請求項96に記載のフィルム。
【請求項98】
前記バリアフィルムが、可撓性食品パッケージング;臭気、有機の芳香および風味、湿気、酸素、および他のガスに対するフィルムバリア;熱および衝撃で封止可能なバリアフィルム;印刷可能なバリアフィルム;コロナ処理されたバリアフィルム;オストミー器具;医薬のブリスターパック、キャップライナー、バッグ、および保護服用の布地ラミネーションからなる群から選択される、請求項94に記載のフィルム。
【請求項99】
前記保護フィルムが、固体構造物にラミネートされたフィルムである、請求項94に記載のフィルム。
【請求項100】
前記固体構造物にラミネートされたフィルムが、耐腐食性および耐摩耗性を改善するための波形スチールパイプ上の保護フィルム、塗装表面用のマスキング保護フィルム、内装ガラス用または外装ガラス用の反射フィルム、窓ガラス用の耐破砕フィルム、ならびにガラス色付けフィルムからなる群から選択される、請求項99に記載のフィルム。
【請求項101】
前記粘着フィルムが、食品パッケージング、工業用途、および消費者が封止可能な用途からなる群から選択される、請求項94に記載のフィルム。
【請求項102】
前記PSAラミネートの接着特性が、接着性ベースポリマー層(B)および粘着付与剤層(C)の絶対厚みおよび相対厚みを用いて制御できる、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項1】
少なくとも1つの非接着性ラミネートおよび少なくとも1つの粘着付与剤層を含むPSAラミネートであって、前記非接着性ラミネートが、少なくとも1つのフェイスストック層および少なくとも1つの接着性ベース層を含み;前記フェイスストック層が、少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;前記接着性ベース層が、少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;前記粘着付与剤層が、少なくとも1種の粘着付与剤を含み;前記粘着付与剤層がPSAでなく;そして前記粘着付与剤層を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用してPSAラミネートが形成されている、PSAラミネート。
【請求項2】
少なくとも1種の接着性ベースポリマーと少なくとも1種の粘着付与剤とを含む接着剤をフェイスストック物質に接触させることによって形成されたPSAラミネートと比べて改善された剥離接着力とループタック性とを有する、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項3】
少なくとも1種の接着性ベースポリマーと少なくとも1種の粘着付与剤とを含む接着剤をフェイスストック物質に接触させることによって形成されたPSAラミネートと比べて改善されたせん断接着力を有する、請求項2に記載のPSAラミネート。
【請求項4】
前記粘着付与剤が、初期形成時のPSAラミネートと比べて改善されたせん断接着力によって示されるように、前記非接着性ラミネート中に経時的にマイグレートする、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項5】
少なくとも1つのバリア層、少なくとも1つのオーバーラミネート層、少なくとも1つの離型ライナー、少なくとも1つのタイ層および少なくとも1つのプライマー層からなる群から選択される少なくとも1つの層を更に含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項6】
離型物質が前記フェイスストック層の外側表面に位置する、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項7】
前記離型物質がシリコーン物質である、請求項6に記載のPSAラミネート。
【請求項8】
前記フェイスストック物質が、少なくとも1種類の紙または少なくとも1種のフィルム状ポリマーである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項9】
前記フィルム状ポリマーが、フィルム状ポリマーのブレンド物または種々のフィルム状ポリマーの多層フィルムである、請求項8に記載のPSAラミネート。
【請求項10】
前記フィルム状ポリマーが、前記接着性ベースポリマーと不一致または不適合である溶解性パラメータを有し、前記フェイスストック層と前記接着性ベース層との間のマイグレーションを防止する、請求項8に記載のPSAラミネート。
【請求項11】
前記フィルム状ポリマーが、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、官能性ポリエステル、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリエーテルブロックポリアミド、ポリビニルアセテート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載のPSAラミネート。
【請求項12】
前記フィルム状ポリマーが、エチレン、プロピレン、および1−ブテンからなる群から選択される繰返し単位を有するポリオレフィンである、請求項11に記載のPSA。
【請求項13】
前記フィルム状ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項12に記載のPSA。
【請求項14】
前記フェイスストック層において使用されるポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が、190℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に約0.1から約15g/10分の範囲である、請求項13に記載のPSAラミネート。
【請求項15】
前記フェイスストック層において使用されるポリエチレンのメルトフローレートが、190℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に0.1から5g/10分の範囲である、請求項14に記載のPSAラミネート。
【請求項16】
前記フェイスストック層において使用されるポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)が、230℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に約0.1から約20g/10分の範囲である、請求項13に記載のPSAラミネート。
【請求項17】
前記フェイスストック層において使用されるポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)が、230℃で2.16kg重りを用いて測定した場合に約0.1から約10g/10分の範囲である、請求項16に記載のPSAラミネート。
【請求項18】
前記フェイスストック層の厚みが約10μmから約200μmである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項19】
前記フェイスストック層の厚みが約30μmから約90μmである、請求項18に記載のPSAラミネート。
【請求項20】
前記接着性ベースポリマーが、少なくとも1種のランダム共重合体接着性ベース物質、少なくとも1種のブロック共重合体接着性ベースポリマー、および少なくとも1種の天然ゴムまたは合成ゴムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項21】
前記ランダム共重合体接着性ベース物質が、アクリレートおよび/もしくはメタクリレートの共重合体ならびにこれらの誘導体を基にする共重合体、α−オレフィン共重合体、シリコーン共重合体、ならびにクロロプレン/アクリロニトリル共重合体からなる群から選択される、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項22】
前記ブロック共重合体接着性ベースポリマーが、線状ブロック共重合体、分岐ブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、テトラブロック共重合体、マルチブロック共重合体、星型ブロック共重合体、グラフトおよびラジアルのブロック共重合体からなる群から選択される、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項23】
前記天然ゴムまたは合成ゴムがポリイソブチレン、ポリイソプレン、およびブチルゴムからなる群から選択される、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項24】
前記接着性ベースポリマーが、少なくとも1種の熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項25】
前記TPEが、線状、分岐、グラフトまたはラジアルのブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項24に記載のPSAラミネート。
【請求項26】
前記熱可塑性エラストマーが、約75質量%から約95質量%のゴム状セグメントと約5質量%から約25質量%の非ゴム状セグメントとを含む、請求項24に記載のPSAラミネート。
【請求項27】
前記非ゴム状セグメントが、単環および多環の芳香族炭化水素のポリマーを含む、請求項26に記載のPSAラミネート。
【請求項28】
前記ゴム状セグメントが、脂肪族共役ジエンまたは水素化共役ジエンの単独重合体または共重合体のポリマーブロックを含む、請求項26に記載のPSAラミネート。
【請求項29】
前記ゴム状セグメントが、ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびスチレンブタジエンゴムからなる群から選択される、請求項26に記載のPSAラミネート。
【請求項30】
前記ゴム状セグメントが、ポリジエン、エチレン−ブチレン共重合体のゴムおよびエチレン−プロピレン共重合体のゴムからなる群から選択される、請求項26に記載のPSAラミネート。
【請求項31】
前記接着性ベースポリマーが、ブタジエン系ポリマー、イソプレン系ポリマー、ポリエーテルブロックポリアミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項32】
前記ブタジエン系ポリマーが、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン(SB)ブロック共重合体、マルチアーム(SB)x型ブロック共重合体、ポリブタジエンブロック共重合体、および水素化誘導体ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載のPSAラミネート。
【請求項33】
前記イソプレン系共重合体が、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)共重合体、スチレン−イソプレン(SI)ジブロック共重合体、線状およびマルチアーム(SI)x型のブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)骨格とイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン(SI)アームとを有するラジアルブロック共重合体、ポリイソブチレン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載のPSAラミネート。
【請求項34】
ジブロック共重合体が、スチレン−ブタジエン(SB),スチレン−イソプレン(SI)、およびこれらの水素化誘導体からなる群から選択される、請求項22に記載のPSAラミネート。
【請求項35】
トリブロックポリマー、テトラブロックポリマー、およびマルチブロックポリマーが、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレン、α−メチルスチレン−イソプレン−α−メチルスチレン、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン/プロピレン(SEP)x、およびこれらの誘導体からなる群から選択される、請求項22に記載のPSAラミネート。
【請求項36】
前記ブロック共重合体が水素化されている、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項37】
前記ブロック共重合体が官能化ブロック共重合体である、請求項20に記載のPSAラミネート。
【請求項38】
前記官能化ブロック共重合体が、無水コハク酸変性SEBSである、請求項37に記載のPSAラミネート。
【請求項39】
前記接着性ベースポリマーが、スチレンブロック共重合体およびイソブチレン共重合体からなる群から選択される高凝集強度ポリマーである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項40】
前記スチレンブロック共重合体が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンおよびエチレン/ブチレン(S−E/B−S)を基にする共重合体、ならびにスチレンおよびエチレン/プロピレン(S−E/P−S)を基にする共重合体からなる群から選択される、請求項39に記載のPSAラミネート。
【請求項41】
SISブロック共重合体のポリスチレン量が、約10質量%から約50質量%の範囲である、請求項40に記載のPSAラミネート。
【請求項42】
前記スチレンブロック共重合体の溶液粘度が、ブルックフィールド粘度計を用いてトルエン中固形分25%を用いて測定した場合に、約0.05Pa.sから約20Pa.sの範囲である、請求項39に記載のPSAラミネート。
【請求項43】
前記接着性ベース層の厚みが約1μmから約60μmの範囲である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項44】
前記接着性ベース層の厚みが約4μmから約20μmの範囲である、請求項43に記載のPSAラミネート。
【請求項45】
前記接着性ベース層が、純粋モノマーレジン;ポリ(エチレン)またはポリ(プロピレン)ワックス;低粘度のポリ(エチレン),例えばASTM D−1238に従って190℃で2.16kg重りにて測定した場合のメルトフローレート約5g/10分から約80g/10分のポリエチレン;およびメタロセン触媒によって生成されるエチレン系またはプロピレン系の共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤によって変性されたものである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項46】
前記粘着付与剤層が、少なくとも1種の可塑剤を更に含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項47】
前記粘着付与剤が、ロジン系および水素化ロジン系の粘着付与剤、炭化水素系および水素化炭化水素系の粘着付与剤、フェノール系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤、テルペンフェノール系粘着付与剤、スチレン化テルペン系粘着付与剤、水素化テルペン系粘着付与剤、ポリエステル系粘着付与剤、純粋モノマー芳香族系粘着付与剤、芳香族アクリル系粘着付与剤、液体レジン型粘着付与剤、官能化型粘着付与剤、ならびにこれらの水素化誘導体および混合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項48】
前記粘着付与剤が、水素化純粋モノマー芳香族系粘着付与剤である、請求項47に記載のPSAラミネート。
【請求項49】
前記可塑剤が、ナフテン油およびパラフィン油、シトレート、スルホネートおよびフタレートからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項46に記載のPSA。
【請求項50】
前記粘着付与剤が前記接着性ベースポリマー中に可溶である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項51】
前記粘着付与剤が、粘着付与剤マスターバッチ組成物である、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項52】
前記粘着付与剤が、ポリスチレンおよびポリイソプレンのブロックを含むエラストマー中に可溶である、請求項50に記載のPSAラミネート。
【請求項53】
前記粘着付与剤が、5または6個の炭素原子を含むジエンおよびモノオレフィンの形態の脂肪族石油誘導体流の重合によって得られる、請求項52に記載のPSAラミネート。
【請求項54】
前記ジエンがピペリレンまたはイソプレンである、請求項53に記載のPSAラミネート。
【請求項55】
前記粘着付与剤が、1種以上のC5モノオレフィンおよび/またはジオレフィンと1種以上のC8もしくはC9のモノアルケニル芳香族炭化水素またはその水素化誘導体とを共重合することによって製造された少なくとも1種の変性C5型石油レジンである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項56】
前記変性されるC5モノオレフィンおよび/またはジオレフィンが、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンテン、1−ペンテン、シス−およびトランス−2−ペンテン、シクロペンタジエン、ならびにシス−トランス−1,3−ペンタジエンからなる群から選択される、請求項55に記載のPSAラミネート。
【請求項57】
前記C8もしくはC9のモノアルケニル芳香族炭化水素が、スチレン、メチスチレン、およびインデンからなる群から選択される、請求項55に記載のPSAラミネート。
【請求項58】
前記粘着付与剤が、少なくとも1種の水素化多環レジンまたは少なくとも1種の水素化芳香族レジンであって、ベンゼン環の全てでないが実質部分がシクロヘキサン環に変換されている、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項59】
前記水素化多環レジンが、ジシクロペンタジエンレジンである、請求項58に記載のPSAラミネート。
【請求項60】
前記粘着付与剤層が、ロジン、ロジンエステル、ポリテルペン、芳香族および官能化されたレジン、ならびに前記接着性ベース層中に含まれる前記接着性ベースポリマーとある程度まで親和性である他の粘着付与剤を更に含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項61】
前記粘着付与剤層が、少なくとも1種の粘着付与剤を約50質量%から約90質量%の量で含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項62】
前記粘着付与剤層の厚みが約2μmから約150μmである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項63】
PSAラミネートの前記フェイスストック層、前記接着性ベース層、および前記粘着付与剤層が、無機フィラーならびに有機および無機の添加剤を更に含む、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項64】
前記無機フィラーが、炭酸カルシウム、二酸化チタン、金属物品、および繊維からなる群から選択される、請求項63に記載のPSAラミネート。
【請求項65】
前記添加剤が、難燃剤、酸化防止剤化合物、熱安定剤、光安定剤、紫外光安定剤、耐ブロッキング剤、加工助剤、核形成剤、および酸受容体からなる群から選択される、請求項63に記載のPSAラミネート。
【請求項66】
前記PSAラミネートの厚みが約35から約400μmである、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項67】
前記PSAラミネートの厚みが、約50から約150μmである、請求項66に記載のPSAラミネート。
【請求項68】
前記PSAラミネートが、フェイスストック層(A)の接着性ベース層(B)に対する厚み比約50:1から約1:1を有する、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項69】
前記PSAラミネートの厚み比A:Bが、約25:1から約2:1である、請求項68に記載のPSAラミネート。
【請求項70】
前記粘着付与剤の一部が、PSA層(B/C)を形成する前記非接着性ラミネートの前記接着性ベース層中にマイグレートすることによって、前記PSAラミネートが与えられる、請求項1に記載のPSAラミネート。
【請求項71】
前記接着性ベース層中にマイグレートする前記粘着付与剤層の前記一部が、粘着付与剤層(C)の質量基準での質量パーセントで与えられる以下の範囲:0.1から100;5から100;10から100;15から100;20から100;25から100;30から100;35から100;40から100;50から100;55から100;60から100;65から100;70から100;75から100;80から100;85から100;90から100;95から100;0.1から90;5から90;10から90;15から90;20から90;25から90;30から90;35から90;40から90;45から90;50から90;55から90;60から90;65から90;70から90;75から90;80から90;85から90;0.1から80;5から80;10から80;15から80;20から80;25から80;30から80;35から80;40から80;45から80;50から80;55から80;60から80;65から80;70から80;75から80;0.1から70;5から70;10から70;15から70;20から70;25から70;30から70;35から70;40から70;45から70;50から70;55から70;60から70;65から70;0.1から60;5から60;10から60;15から60;20から60;25から60;30から60;35から60;40から60;45から60;50から60;55から60;0.1から50;5から50;10から50;15から50;20から50;25から50;30から50;35から50;40から50;45から50;0.1から40;5から40;10から40;15から40;20から40;25から40;30から100;35から40;0.1から30;5から30;10から30;15から30;20から30;25から30;0.1から20;5から20;10から20,15から20;0.1から10;および5から10から選択される、請求項70に記載のPSAラミネート。
【請求項72】
前記ポリマーが熱可塑性エラストマーである、請求項1に記載のPSA。
【請求項73】
前記粘着付与剤層(C)中の前記ポリマーの量が、粘着付与剤層(C)の質量基準で約0.1質量%から約10質量%の範囲である、請求項1に記載のPSA。
【請求項74】
前記粘着付与剤層(C)中の前記ポリマーの量が、粘着付与剤層(C)の質量基準で約1質量%から約5質量%の範囲である、請求項1に記載のPSA。
【請求項75】
少なくとも1つのフェイスストック層(A);少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む少なくとも1つの接着性ベース層(B);および少なくとも1種の粘着付与剤を含む少なくとも1つの粘着付与剤層(C);を含み、
前記感圧接着剤ラミネートが、前記フェイスストック層(A)を前記接着性ベース層(B)とともに溶媒コーティングして非接着性ラミネートを形成すること、および前記粘着付与剤層(C)を前記非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用して前記PSAラミネートを形成することにより得ることができ;そして前記フェイスストック層(A)が、ポリエチレンまたはポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;前記接着性ベース層が、SEBSブロック共重合体または(SEP)xブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であり;そして前記粘着付与剤が水素化芳香族レジンを含む、感圧接着剤(PSA)ラミネート。
【請求項76】
少なくとも1つのフェイスストック層(A);少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含む少なくとも1つの接着性ベース層(B);および少なくとも1種の粘着付与剤を含む少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を含み;
前記感圧接着剤ラミネートが、前記フェイスストック層(A)を前記接着性ベース層(B)とともに溶媒コーティングして非接着性ラミネートを形成すること、および前記粘着付与剤層(C)を前記非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用して前記PSAラミネートを形成することによって得ることができ;そして前記フェイスストック層(A)が少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;前記フェイスストック物質が紙であり;前記接着性ベース層が、SEBSブロック共重合体または(SEP)xブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であり;そして前記粘着付与剤が水素化芳香族レジンを含む、感圧接着剤(PSA)ラミネート。
【請求項77】
少なくとも1つの粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートに適用することを含み;前記非接着性ラミネートが、少なくとも1つのフェイスストック層(A)および少なくとも1つの非接着性ベース層(B)を含み;前記フェイスストック層(A)が少なくとも1種のフェイスストック物質を含み;そして前記接着性ベース層(B)が少なくとも1種の接着性ベースポリマーを含み;前記粘着付与剤層(C)がPSAではなく;そして前記粘着付与剤層(C)を非接着性ラミネートの接着性ベース層側に適用する、PSAラミネートを製造する方法。
【請求項78】
前記非接着性ラミネートを、溶媒コーティングまたはエマルションコーティングにより形成する、請求項77に記載のプロセス。
【請求項79】
前記粘着付与剤層を、スロットダイコーティング、ロール軸コーティング、カーテンコーティング、ナイフオーバーロールコーティング、およびスプレーコーティングからなる群から選択される方法によって適用する、請求項77に記載のプロセス。
【請求項80】
粘着付与剤の適用前、適用後または適用時に前記非接着性ラミネートを加熱する、請求項77に記載のプロセス。
【請求項81】
粘着付与剤層がホットメルト組成物、水系分散体または溶媒系溶液である、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
前記粘着付与剤層の一部を、PSA層(B/C)を形成する前記非接着性ラミネートの前記接着性ベース層中にマイグレートさせることによって、前記PSAラミネートを与える、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
請求項1に記載のPSAラミネートを含む物品。
【請求項84】
請求項1に記載のPSAラミネートを含むラベル。
【請求項85】
紙ラベル、フィルム状ラベル、および離型ライナーを有するフィルム状ラベルから選択できる、請求項84に記載のラベル。
【請求項86】
パッケージングラベルまたは特殊ラベルである、請求項84に記載のラベル。
【請求項87】
前記パッケージングラベルが、飲料、食品、ヘルスケア製品、パーソナルケア製品、医薬、工業化学物質、家庭用化学品、または小売用製品をパッケージングするために使用するラベルからなる群から選択される、請求項86に記載のラベル。
【請求項88】
前記特殊ラベルが、再配置可能ラベル、除去可能ラベル、再封止可能ラベル、ノールックラベル、箱型冷凍庫ラベルおよび機密保護ラベルからなる群から選択される、請求項86に記載のラベル。
【請求項89】
請求項1に記載のPSAラミネートを含むテープ。
【請求項90】
多目的テープまたは特殊テープである、請求項89に記載のテープ。
【請求項91】
前記多目的テープが、パッケージングテープおよび輸送テープ;塗料およびスプレーのマスキングテープ;民生用テープおよびオフィス用テープ;ならびにボンディングテープおよび締付テープからなる群から選択される、請求項90に記載のテープ。
【請求項92】
前記特殊テープが、表面保護テープ;電気絶縁テープ;結合テープ、補強テープおよびマーキングテープ;接合テープ;HVAC封止テープ;医療用途テープ;自動車用途テープ;電子工学テープ;安全テープまたは反射テープ;ならびおむつ閉合テープからなる群から選択される、請求項90に記載のテープ。
【請求項93】
請求項1に記載のPSAラミネートを含むフィルム。
【請求項94】
接着フィルム、バリアフィルム、保護フィルム、および粘着フィルムからなる群から選択される、請求項93に記載のフィルム。
【請求項95】
前記接着フィルムが、感圧接着フィルム、熱活性接着フィルム、片面および両面の接着層、カーペット下敷き、屋根下敷き、透明フィルムまたは着色フィルム、食品接触接着フィルム、およびバッキング層フィルムからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項94に記載のフィルム。
【請求項96】
前記バッキング層フィルムが、薬物マトリクスを支持するために用いるバッキング層フィルム、多目的バッキング層フィルム、または基質特異性バッキング層フィルムからなる群から選択される、請求項95に記載のフィルム。
【請求項97】
前記基質特異性バッキング層フィルムが、不織布、ガラス、紙、綿、ミネラルウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの発泡体/シート、およびアクリル接着剤のためのバッキング層フィルムからなる群から選択される、請求項96に記載のフィルム。
【請求項98】
前記バリアフィルムが、可撓性食品パッケージング;臭気、有機の芳香および風味、湿気、酸素、および他のガスに対するフィルムバリア;熱および衝撃で封止可能なバリアフィルム;印刷可能なバリアフィルム;コロナ処理されたバリアフィルム;オストミー器具;医薬のブリスターパック、キャップライナー、バッグ、および保護服用の布地ラミネーションからなる群から選択される、請求項94に記載のフィルム。
【請求項99】
前記保護フィルムが、固体構造物にラミネートされたフィルムである、請求項94に記載のフィルム。
【請求項100】
前記固体構造物にラミネートされたフィルムが、耐腐食性および耐摩耗性を改善するための波形スチールパイプ上の保護フィルム、塗装表面用のマスキング保護フィルム、内装ガラス用または外装ガラス用の反射フィルム、窓ガラス用の耐破砕フィルム、ならびにガラス色付けフィルムからなる群から選択される、請求項99に記載のフィルム。
【請求項101】
前記粘着フィルムが、食品パッケージング、工業用途、および消費者が封止可能な用途からなる群から選択される、請求項94に記載のフィルム。
【請求項102】
前記PSAラミネートの接着特性が、接着性ベースポリマー層(B)および粘着付与剤層(C)の絶対厚みおよび相対厚みを用いて制御できる、請求項1に記載のPSAラミネート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2009−532559(P2009−532559A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504194(P2009−504194)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/006826
【国際公開番号】WO2007/126620
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/006826
【国際公開番号】WO2007/126620
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】
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