説明

慢性静脈不全の治療のための赤ブドウの葉の水性抽出物及び利尿剤を含む組成物

本発明は、脚の軽度から中度の慢性静脈不全に関連する不快を予防又は軽減するための、有効量の赤ブドウの葉の水性抽出物(1)及び利尿剤(2)を含む新規組成物に関する。本発明の組成物はさらに、医薬的又は食事療法的に許容される添加剤も含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚の軽度から中度の慢性静脈不全を予防又は軽減するための、有効量の赤ブドウの葉の水性抽出物及び利尿剤を含む組成物に関する。本発明の組成物はさらに、許容される医薬的又は食事療法的添加剤も含む。さらに、本発明の組成物は、脚の静脈流の障害による、倦怠感(だるさ)、重い脚、疲労した脚、緊張した感覚、及びふくらはぎ及びくるぶしの腫れに関連する痛みなどの自覚症状を軽減又は予防する。
【背景技術】
【0002】
現在、世界中で数百万の人々が、脚の軽度から中度の慢性静脈不全に苦しんでいる。この共通の状態は、脚から心臓へ血液を戻す際の不適切な静脈循環を特徴とする。適切な静脈還流の欠如は静脈うっ滞となり、且つ静脈循環内の圧力を増加させ、浮腫の発生及び組織の水分維持を促進する。慢性静脈不全(CVI)は、持続的に不適切な静脈還流によって引き起こされる機能的障害であり、浮腫、皮膚の変化、及び疲労、重い脚、痛み又は刺痛感などの自覚症状によって臨床的に特徴付けられ、これらは典型的に直立に立つこと及び高い大気温度によって増幅される。この機能障害は、患者の全体的な健康及び生活の質に著しい悪影響を及ぼす主要な苦痛源となり得る。
【0003】
初期段階(グレードI)は、環状静脈拡張傍足底筋、筋膜下鬱血及び浮腫を特徴とし、グレードIICVIは、軽度の皮膚の変化、湿疹及び脂肪性皮膚硬化と関連する。治療しない場合、グレードI及びIIは、しばしば再発性静脈脚潰瘍(グレードIII)を特徴とする進んだ段階に進行する。比較的軽度な初期でさえ、それらの症状によって引き起こされるストレス、及びその後の合併症の危険性は、CVIの初期段階に開始されるべき適切な支持的且つ予防的な処置を必要とする。
一部の患者は、初期段階においてさえ、外科治療(硬化療法及び静脈瘤外科治療)を必要とし得るが、さらなる理学療法を伴う又は伴わない加圧ストッキングの使用が最も一般的な治療アプローチである。加圧の効果は単に機械的であり、すなわち、このアプローチは、関連する生物学的機能障害(特に毛細血管の脆弱性)に影響を及ぼさない又はそれを矯正しない。さらに、加圧ストッキングによる治療は、特に夏における加圧ストッキングの美容的関心及び全体的な不便さのため、しばしばコンプライアンスに欠ける。従って、効果的であり、優れた耐久性があり、及びさらに便利な別のアプローチが緊急に必要とされている。
【0004】
赤ブドウの葉のこの抽出物は、フラボン(フラボノール)-グリコシド、-グルクロニド及びフラボノイドと、ケルセチン-3-O-ベータ-D-グルクロニド及びイソケルシトリン(ケルシトリン-3-O-ベータ-グルコシド)をその主要な活性成分として含む。それらの薬理学的作用範囲はまだ完全には明らかにされていないが、生体外での研究は、それらが抗酸化性及び抗炎症性特性を有し、且つそれらが場合によって毛細血管透過性を減少させることにより、血小板凝集及びヒアルロニダーゼを阻害し、浮腫を減少させることを示している。前臨床的生体内実験は、抗炎症性及び毛細血管壁肥厚効果を証明した。
赤ブドウの葉の水性抽出物を含む食事療法的サプリメントが、WO 01/28363において、脚の軽度から中度の慢性静脈不全に関する不快を予防及び減少させると開示されている。しかし、WO 01/28363には、赤ブドウの葉の水性抽出物及び利尿剤などの他の活性成分を含む組成物に対するヒントは与えられていない。
【発明の開示】
【0005】
驚くべきことに、赤ブドウの葉の水性抽出物の薬理学的活性の指標である浮腫における抗炎症性作用及び阻害作用の増強が、利尿剤と赤ブドウの葉の水性抽出物との組み合わせをそれ自体の作用と比較することによって見出されている。さらに、軽度の利尿剤で構成すると安全な組成物となり、その効力は増強されて軽度から中度の脚の慢性静脈不全に関する不快を、最小限の副作用又は副作用を起こさずに予防及び軽減する。利尿剤及び赤ブドウの葉の水性抽出物を含む新規組成物が、脚の軽度から中度の慢性静脈不全のための予防又は緩和の効力を増強する。
従って、本発明は、薬理学的活性物質として有効量の赤ブドウの葉の水性抽出物及び利尿剤を含む新規組成物に関し、それらの効力は増強されて脚の軽度から中度の慢性静脈不全を予防及び緩和する。
【0006】
〔発明の目的〕
本発明の主要な目的は、脚の軽度から中度の慢性静脈不全に関連する不快を予防及び軽減するための、さらに有効な内用組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、草本成分及び利尿剤を含むさらに有効な内用組成物を提供することである。草本成分は、脚の軽度から中度の慢性静脈不全に関連する不快を予防及び/又は軽減するための、該成分の草本有効性を保つ管理方法によって製造される。
本発明の別の目的は、脚の軽度から中度の慢性静脈不全に関連する不快を予防及び/又は軽減する内用消費の安全性のために、最小限の副作用を有するか又は副作用の無い草本成分及び利尿剤を含むさらに有効な内用組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、脚の軽度から中度の慢性静脈不全に関連する不快を予防及び/又は軽減するための、さらに有効な内用医薬組成物及び食品を提供することである。
【0007】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、有効量の赤ブドウの葉の水性抽出物及び利尿剤を含む、脚の軽度から中度の慢性静脈不全に関連する不快を予防又は軽減するための内用組成物に関する。
本発明の内用組成物は、赤ブドウの葉(folia vitis viniferae)の水性抽出物(Extractum vitis viniferae e folium spissum et siccum)由来の草本成分からなる。
該内用組成物の主要な活性成分は、赤ブドウの葉(foliae vitis viniferae L.)の水性抽出物である。
本発明における“赤ブドウの葉の水性抽出物”という用語は、該成分の草本効果を保つ管理方法によって製造される赤ブドウの葉の水性又は固体水性抽出物を意味する。本発明における“赤ブドウの葉の乾燥した抽出物”という用語は、赤ブドウの葉の上記水性抽出物の乾燥した純粋な抽出物を意味する。本発明における“赤ブドウの葉の抽出物”という用語は、1〜10(質量/質量)%(%として記載)の二酸化ケイ素及び5〜25%のグルコースシロップ(乾燥物質として)を、70〜90%の赤ブドウの葉の上記乾燥抽出物(固体純粋抽出物)に加えた固体抽出物を意味する。
【0008】
本発明における赤ブドウの葉の水性抽出物のための、出発物質としての赤ブドウの葉は“染料”としても知られており、黒みがかった青色の果皮及び赤色の果肉を有するヴィティス・ヴィニフェラLINNEの葉である。赤ブドウの葉の各ポリフェノール化合物の濃度及びその組成は、周囲の種々な生態生理学的要因によって影響される。少なくとも4%の全ポリフェノール及び0.2%のアントシアンを含む乾燥した赤ブドウの葉が、本発明における出発物質として用いられるのが好ましい。そのような特徴の赤ブドウの葉は、フラボノイドの含有量が最適になった時点、すなわち、ブドウの収穫時近くに収穫される。さらに、長さが15cmよりも短く且つ幅が12cmよりも短い赤ブドウの葉が好ましい。葉は注意深く乾燥され粉砕される。抽出のために、葉を好ましくは5〜10mmの断片に切り分ける。フラボノイドの高い含有率を達成するために、抽出は精製水を用いて、高温、好ましくは60〜80℃の温度、少なくとも6〜10時間行う。好ましい方法は、完全濾過である。この抽出方法で得られるいわゆる流体抽出物を、液体投与形態の調製に直接用いてよい。さらに濃縮された抽出物を得るためには、少なくとも一部の溶媒を好ましくは好適なエバポレーターの使用によって除去する。
濃い抽出物は、加熱圧縮条件下、好ましくは120〜150℃で1〜30秒、さらに好ましくは140〜145℃で2〜5秒滅菌される。この工程で得られた濃い抽出物を、液体投与形態の製造に再び直接用いてもよい。
固体投与形態の調製のためには、濃い抽出物を、例えば真空乾燥オーブン又は真空乾燥コンベヤーの使用によって乾燥する。キャリア又は賦形剤を乾燥中に加え、さらなる抽出工程を容易にしてもよい。
【0009】
赤ブドウの葉の抽出物において、10〜30%のキャリア又は賦形剤、及び70〜90%の赤ブドウの葉の乾燥した抽出物(純粋な抽出物として)の割合が好ましい。該キャリア又は賦形剤は、二酸化ケイ素、マルトデキストリン、グルコースシロップ、セルロースなどの中から1又は2種以上を例示する。二酸化ケイ素及びグルコースシロップが、好ましくは本発明に用いられる。赤ブドウの葉の抽出物において、1〜10%の二酸化ケイ素、5〜25%のグルコースシロップ(乾燥して)及び70〜90%の赤ブドウの葉の乾燥した抽出物(純粋な抽出物として)の割合が好ましい。赤ブドウの葉の抽出物において、二酸化ケイ素2〜5%、グルコースシロップ(乾燥して)10〜20%及び赤ブドウの葉の乾燥した抽出物(純粋な抽出物として)75〜85%の割合が最も好ましい。
【0010】
赤ブドウの葉の水性抽出物の純粋な抽出物転化によって本発明に用いられる赤ブドウの葉の水性抽出物は、好ましくは0.625〜25%、さらに好ましくは1.25〜12.5%、特に2.5〜10%の全フラボノイド(ケルセチン-3-O-ベータ-D-グルクロニド)を含む。赤ブドウの葉の抽出物(例えば赤ブドウの葉の乾燥した抽出物(純粋な抽出物)80%の場合)におけるこの全フラボノイド(ケルセチン-3-O-ベータ-D-グルクロニド)含有率は、好ましくは0.5〜20%、さらに好ましくは1〜10%、特に2〜8%である。
脚の軽度から中度の慢性静脈不全の不快を予防及び/又は軽減するための、赤ブドウの葉の乾燥した抽出物(純粋な抽出物)の当量における成人のための赤ブドウの葉の水性抽出物の一日量は、通常は64〜800mg、好ましくは240〜640mg、さらに好ましくは280〜600mg及びよりさらに好ましくは360mgである。赤ブドウの葉の抽出物の当量における、成人のための赤ブドウの葉の水性抽出物の一日量は、通常は80〜1000mg、好ましくは300〜800mg、さらに好ましくは350〜750mg及びよりさらに好ましくは450mgである。
【0011】
本発明の組成物は、上記の赤ブドウの葉の水性抽出物に加え、第二の活性成分として利尿剤を含む。
本発明に用いられる利尿剤は、該剤が利尿作用を含む場合に限定且つ決定しないが、該剤が有害事象を最小にするか又は有さない安全性のために、長年非処方薬及び健康食品分野に用いられている軽度の効果を有する利尿剤が好ましい。さらに、利尿剤のタイプ及び用量は、この内用組成物が医薬製品又は食品であるかに依存して変化する。
該利尿剤の例は、アミノフィリン、カフェイン、利尿作用を有する草本及び生薬、及び利尿有効性無機物である。
さらに詳細には、カフェイン群は、“カフェイン及び安息香酸ナトリウム”、無水カフェイン、及びカフェインなどを含む。
【0012】
さらに、利尿作用を有する該生薬及び草本の例は、ポリアの皮体(Poria)、アケビの茎(Akebiae caulis)、アケビの果実(Akebiae fructus)、アストラガラスの根(Astragali radix)、アリスマの根茎(Alismatis rhizoma)、ナツメ(Zizyphi fructus)、ドクダミの草本(Houttuyniae herba)、オオバコの種(Plantaginis semen)、オオバコの草本(Plantaginis herba)、ツクシの草本(Equiseti herba)、クチナシの果実(Gardeniae fructus)、イラクサの葉(Urticae folium)、イラクサの草本(Urticae herba)、ハイビスカスローゼル(Hibiscus sabdariffa)、アネマールヘナの根茎(Anemarrhenae rhizoma)、マザーワートの草本(Leonuri herba)、ヤシの外皮(Arecae pericarpium)、アブーチロンの種(Abutili semen)、ノウゼンカズラの花(Campsitis flos)、ウワウルシの葉(Uvae ursi folium)、アトラクチロードランセアの根茎(Atractylodis Lanceae rhizoma)、ライスビーン(Phaseoli semen)、コウホネの根茎(Nupharis rhizoma)、ニワトコ(Sambucus sieboldiana blume ex graebn)、イヌラの根(Inulae radix)、バラの果実(Rosae fructus)、シノメニウムの茎(Sinomeni caulis et rhizoma)、ヘジサラム(Hedysarum ポリbotrys)、マグノリアの樹皮(Magnoliae cortex)、ジョブズティアーの種(Coicis lacryma-jobii semen)、パルスレーンの草本(Portulacae herba)、アシの根茎(Phragmitis rhizoma)、ポリポラス(Polyporus umbellatus fries)、イヌラの花(Inulae flos)、吉草の種(Pharbitidis semen)、パミス(Pumex)、スイカズラの茎(Lonicerae caulis)、コショウ草の種(Lepidii semen)、一般的なトクサの草本(Equiseti herba)、ホオズキの根茎及び根(Physalitis rhizoma et radix)、クスネゾフヨウシュトリカブトの根(Aconiti kusnezoffii radix)、中国ロベリアの草本(Lobeliae Chinensis herba)、綺麗なモミジバフウの果実(Liquidambaris fructus)、トリカブト(調理済み)(Aconiti carmichaeli praeparata rad)、小さなヤブランの塊茎(Ophiopogonis tuber)、二枚歯アクイランゼスの根(Achyranthis radix)、中国トウガンの種(Benincasae semen)、ホワイトマルベリーの根樹皮(Mori cortex)、ビワの葉(Eriobotryae folium)、プクチュアブドウハマビシの果実(Tribuli fructus)、天然水含有硫酸ナトリウム(Natrium sulfuricum)、エルショルトジアの草本(Elsholtziae herba)、セネガ(Senegae radix)、アトラクチロードの根茎(Atractylodis rhizoma)、リラックピンクの草本(Dianthi herba)、フォルシチアの果実(Forsythiae fructus)、ララン草の根茎(Imperatae rhizoma)、プルネラエの花序(Prunellae spica)、クベバペッパー(Cubebae fructus)、コーンシルク(Maydis stigmata)、薄黄色のソフォラの根(Sophorae radix)、アルビッジアの樹皮(Albizziae cortex)、ベルベデーレの果実(Kochiae fructus)、中国イリスの種(Iridis semen)、エボジアの果実(Evodiae fructus)、大きな葉のゲンチアの根(Gentianae macrophyllae radix)、ペーパーマルベリーの果実(Broussonetiae fructus)、ラミエの根(Boehmeriae radix)、イグサ(Junci medulla)、フォチニアの葉(Photiniae folium)、マザーワートの果実(Leonuri fructus)、タンポポ(Taraxaci herba)、アワビの殻(Haliotidis concha)、ミミズ(Lumbricus)、日本ブドウの木の種(Hoveniae semen)、ピロシアの草本(Pyrrosiae herba)、バッシニウム(Vitis-idaea)、エウパトリウムの草本(Eupatorii herba)、カッタールの花粉(Typhae pollen)、ヒドランゲア(Hydrangea macrophylla)、ヒソップ(Hyssopus officinalis)、野生のカラスムギ(Avena sativa)、パセリ(Petroselinum crispum)、ノコギリソウ(Achillea millefolium)、アルファルファ(Medicago sativa)、ガーデンタイム(Thymus vulgaris)、ウスベニタチアオイ(Althaea officinalis)、グアラナ(Paullinia cupana)、クランベリー(Vaccinium oxycocos)、ジュニパー(Juniperus communis)、ソウパルメット(Serenoa repens)、タンポポ(Taraxacum officinale)、メイト(Ilex paraguayensis)、一般的なアオイ(Malva sylvestris)、リンデン(Tilia europaea)、ローズヒップ(Rosa canina)、ヴァレリアン(Valeriana officinalis)、アンゲリカ(Angelica archangelica)、オレンジピール(Citrus sinennsis)、シトラスウンシウピール(Aurantii nobilis pericarpium)、セレリーの種(Apium graveolens)、タラゴン(Artemisia dracunculus)、チコリ(Cichorium intybus)、ジルの種(Anethum graveolens)、パセリ(Pertroselinum crispm)、セイヨウナツユキソウ(Filipendula ulmaria)、リンデンの草(Tilia cordata)、リンデンの花(Tilia platyphyllos)、リンデン(Tilia europaea)、レモンピール(Citrus llimon)、グルマル(Gymnema sylvestre)、フェンネル(Foeniculum vulgare)、スイートリーフ(Stevia rebaudiana bertoni)、チコリ(Cichorium intybus)、ホップス(Humulus lupulus)、マスタード(Sinapis alba)、アチオテ(Bixa orellana)、マリファナメイト(Ilex paraguayensis)、ムタンバ(Guazoma ulmifolia lam.)、ムーラカ(Physalis angulata)、ペリーラ(Perilla frutescens)、エウコミア(Eucommiae cortex)、チャデバージ(Cordia salicifolia)、パールバーリー(Coicis fructus)、ゴールデンロッドの草本(Solidago, Virgaureae herba)、レスターロウの根(Ononis spinosa radix)及びジャバ茶の葉:猫ひげ(Orthosiphon aristatus)などである。
さらに、これらの利尿作用を有する生薬及び草本は、乾燥粉末、抽出物、及び流エキス剤にすることができる。
【0013】
利尿効力を有する無機物は、全てのマグネシウム及びカリウム源である。本発明に用いられる無機物は、好ましくは化学合成、酵素合成などの水溶性合成化合物、及びさらに天然産物又は分離及び精製された天然産物である。本発明に用いられる無機物形態に制限はない。例えば、該形態は、鉱物、塩、酸化物、蛋白質複合体、蛋白質複合体の分解生成物、ポリサッカライド複合体、ポリサッカライド複合体の分解生成物、修飾スターチ複合体、シクロデキストリン複合体又はスーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペロキシダーゼ、酸ホスファターゼなどの鉱物を含む金属酵素、ホスホグルコムターゼを含む金属活性化酵素、活性中心以外の金属を含む酵素及び補酵素を含む。
【0014】
マグネシウム群として例示する好ましい鉱物の例は、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、アルミニウム水酸化マグネシウム、L-アスパラギン酸マグネシウム及びL-グルタミン酸マグネシウムを含む。
ステアリン酸マグネシウムは水溶性であり、鉱物源となることはできない。従って、“利尿有効性鉱物”という用語は、ステアリン酸マグネシウムなどの水溶性マグネシウム塩を含まない。
【0015】
カリウム群は、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸二水素カリウム、クエン酸三カリウム、グルコン酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化カリウム、硫酸アルミニウムカリウム、L-アスパラギン酸カリウム、及びL-グルタミン酸一カリウムを含む。
アミノフィリン、カフェイン、利尿作用を有する生薬及び草本及び鉱物などのような利尿剤は、1種又は2種以上を混合することができる。
本発明の成分に用いられる利尿剤の組み合わせ量は、利尿剤のタイプ及び医薬製品又は食品としての分類に依存して変化するが、成人のための一日量は1〜18000mgである。
【0016】
特に、アミノフィリンの一日組み合わせ量は、成人に対して通常1〜400mg、好ましくは5〜350mg、さらに好ましくは10〜300mgである。カフェイン及び無水カフェインの一日組み合わせ量は、成人に対して通常2〜900mg、好ましくは5〜700mg、さらに好ましくは10〜500mg、及び “カフェイン及び安息香酸ナトリウム”の一日組み合わせ量は、成人に対して通常2〜1800mg、好ましくは10〜1200mg、さらに好ましくは10〜600mgである。
利尿作用を有する生薬及び草本の一日組み合わせ量は、成人に対する生薬物質の場合に通常2〜18000mg、好ましくは4〜15000mg、さらに好ましくは6〜12000mgである。
鉱物の組み合わせ量は、マグネシウムの場合700mgよりも少なく、好ましくは1〜600mg、さらに好ましくは3〜500mgである。カリウムは4000mgよりも少なく、好ましくは1〜3000mg、さらに好ましくは2〜2000mgである。
【0017】
本発明の組成物は、腸管外的に、好ましくは分割した用量で経口的に投与され、最も好ましくは朝、特に朝食前に一日一回投与され得る。活性成分の用量調節は、年齢、体重、及び顕在性症状を反映し得る。上記の活性成分に加え、本発明の内用組成物は他の活性成分も含み得る。
【0018】
本発明に記載されている経口投与形態は、種々のタイプの経口形態、例えば錠剤、顆粒、細粒、粉末、カプセル、キャプレッツ、ソフトカプセル、ピル、経口溶剤、シロップ、ドライシロップ、咀嚼錠剤、トローチ、発泡錠剤、ドロップ、懸濁剤、経口速分散性錠剤などで用いることができる。これらの製剤はいずれも、標準の方法を用いて調製してよく、上記成分に加え、必要に応じて一般的に使用される任意の賦形剤をこれらの製剤の調製に用いてもよい。さらに、製剤をマイクロカプセル、ナノカプセル、微小球、ナノ小球などの微粒子に形成し、上記の製剤に含んだ。
例えば、活性成分、すなわち赤ブドウの葉の水性抽出物及び利尿剤を、種々のタイプの薬剤形態、例えば分割顆粒、多層顆粒、多層錠剤又は乾式被覆錠剤、分割顆粒の錠剤、マイクロカプセルなどにすることができる。糖衣錠剤、フィルム被覆錠剤、被覆顆粒などの被覆製剤を、咀嚼錠剤、経口速分散性錠剤、基質錠剤、基質顆粒、発泡錠剤、粉剤、固体溶剤などと同様に用いることができる。これらの方法は組み合わせることもできる。さらに、安定性、放出性、持続性、崩壊性、溶解性、風味の潜伏性、用量の改善などの本発明の内用組成物の特性は、当技術分野で周知の添加剤を加えることによって調節することができる。
【0019】
本発明に記載されているこれらの経口投与形態は、標準の方法を用い、一般的に有用な医薬添加剤及び食品添加剤、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、被覆剤、糖衣剤、可塑剤、消泡剤、光沢剤、発泡剤、静電防止剤、乾燥剤、界面活性剤、可溶化剤、緩衝化剤、溶解剤、溶解補助剤、溶媒、希釈剤、安定化剤、乳化剤、懸濁液、懸濁化剤、分散剤、等張化剤、吸着剤、還元剤、抗酸化剤、湿潤剤、湿潤条件剤、充填剤、増量剤、接着剤、粘性剤、柔軟剤、pH調整剤、防腐剤、保存剤、甘味剤、矯正剤、冷却剤、調味剤、香料、芳香剤、及び着色剤を、活性化合物に加えることによって調製してもよい。該添加剤の例は、日本医薬賦形剤辞典2000(日本医薬賦形剤協議会編集、薬事日報社出版)及び食品添加物の日本規格及び標準(日本食品添加物協会出版)に記載されている。
【0020】
本発明の組成物は、医薬製品又は食品として提供することができる。本発明に記載されている組成物は、以下の実施例によって説明される。しかし、本発明の範囲をこれらの実施例に限定しない。
【0021】
例1
カプセル
以下の成分を、標準の方法によって顆粒として調製し、1つのカプセル当たり280mgの量をカプセルに充填した。

(赤ブドウの葉の抽出物=赤ブドウの葉の乾燥した水性抽出物(純粋な抽出物):二酸化ケイ素:グルコースシロップ(乾燥したグルコースとして))=80:3:17質量/質量%)
【0022】
例2
顆粒
以下の成分を標準の方法によって顆粒として調製して混合粒子を調製し、1パックの顆粒当たり2000mgの量を包装する。

(赤ブドウの葉の抽出物=赤ブドウの葉の乾燥した水性抽出物(純粋な抽出物):二酸化ケイ素:グルコースシロップ(乾燥したグルコースとして))=80:3:17質量/質量%)
【0023】
例3
粉末
以下の成分を均一に混合した。得られた混合粒子を1000mgの部分に分割し、粉末組成物を調製した。

(赤ブドウの葉の抽出物=赤ブドウの葉の乾燥した水性抽出物(純粋な抽出物):二酸化ケイ素:グルコースシロップ(乾燥したグルコースとして))=80:3:17質量/質量%)
【0024】
例4
錠剤
以下の成分を均一に混合した。得られた混合粒子を鋳型に圧縮し、各300mgの錠剤を調製した。

(赤ブドウの葉の抽出物=赤ブドウの葉の乾燥した水性抽出物(純粋な抽出物):二酸化ケイ素:グルコースシロップ(乾燥したグルコースとして))=80:3:17質量/質量%)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤ブドウの葉の水性抽出物(1)及び利尿剤(2)を薬理学的活性物質として含む、脚の軽度から中度の慢性静脈不全(CVI)の予防及び/又は軽減のための、組成物。
【請求項2】
少なくとも4%の全ポリフェノール及び少なくとも0.2%のアントシアンを含む乾燥した赤ブドウの葉から精製水を用いる抽出によって得られる赤ブドウの葉の水性抽出物(1)を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
50〜1000mg、好ましくは64〜800mg、特に約360mg又は450mgの赤ブドウの葉の乾燥した水性抽出物(1)を含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
前記赤ブドウの葉の乾燥した水性抽出物(1)において、0.625〜25質量%、好ましくは2.5〜10質量%のフラボノイドを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
赤ブドウの葉の乾燥した水性抽出物(1)及び賦形剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
70〜90質量%、好ましくは75〜85質量%の赤ブドウの葉の乾燥した抽出物(1)、及び10〜30質量%、好ましくは10〜20質量%の賦形剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
2〜5質量%の二酸化ケイ素、及び10〜20質量%のグルコースシロップを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記利尿剤(2)が、アミノフィリン、カフェイン、ビタミンB6、利尿剤を含む草本及び生薬、及び利尿有効性無機物、又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
1〜18000mgの1種以上の利尿剤(2)を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
赤ブドウの葉の乾燥した水性抽出物(1)と利尿剤(2)との質量比が、1:1000〜1000:1である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
腸管外的、好ましくは経口的な投与に好適である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
脚の軽度から中度の慢性静脈不全(CVI)の予防及び/又は軽減のための医薬製品又は健康食品の調製のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−517785(P2007−517785A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546018(P2006−546018)
【出願日】平成16年12月18日(2004.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014458
【国際公開番号】WO2005/063270
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】