説明

成形用金型及びそれを用いた成形体の製造方法

【課題】一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する成形用金型において、2段階で成形を行うことなく、片持ち梁状のコアの自由端部近傍の撓みを防止できるため、成形体の一端部近傍の偏肉を防止することができる成形用金型、及び該成形用金型を用いた成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する成形用金型1であって、キャビティ2、コア3を備えており、コア3は、キャビティ2のキャビティ面の内側に片持ち梁状に配設されており、これにより、キャビティ2のキャビティ面とコア3の外面との間に、中空筒状の前記成形体を形成し得るキャビティ空間Qが形成されており、キャビティ2には、片持ち梁状のコア3の自由端部32近傍を、保持し得るコア先端保持機構6が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する成形用金型及びそれを用いた成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一端部が閉塞した中空筒状の成形体として、例えば、図1に示すように、「弾性ゴムからなり、本体部M1が円筒状で、一端部M2が半球状に閉塞し、他端部M3に開口部M31を有し且つフランジ部M32を備えた成形体Mが知られている。尚、図1において、その上半分は断面図であり、その下半分は外面図である。
このような成形体Mとしては、例えば、特許文献1等で開示してある、抄造型における膨張・収縮自在な中子が挙げられる。
【0003】
一端部M2が閉塞した中空筒状の成形体Mは、従来においては、例えば、図7(a)に示す成形用金型1を用いて製造されていた。図7(a)に示す成形用金型1には、中空筒状の成形体Mを横方向に延びるように形成し得るキャビティ空間Qが形成されるように、キャビティ2及び片持ち梁状のコア3が配設されている。キャビティ2は、上型21及び下型22から構成されている。
【0004】
コア3は、基部33及び基部33から横方向に延出して延びる棒状部31を主体として構成されている。棒状部31は、図1に示す成形体Mにおける円筒状の本体部M1の内面及び他端部M3の開口部M31を形成する部分であり、円柱形状を有している。コア3の自由端部32は、図1に示す成形体Mにおける半球の一端部M2の内面を形成する部分であり、半球形状を有している。コア3の基部33は、キャビティ2と連結する部分であり、棒状部31よりも大きな断面積(縦断面の面積)を有しており、上型21及び下型22における、キャビティ面の段差部との間で、図1に示す成形体Mにおけるフランジ部M32を形成する部分である。
【0005】
キャビティ2(上型21)の上方には、成形体Mの素材M0〔図7(b)参照〕をキャビティ空間Qに供給する素材供給部4が載置されている。素材供給部4には、成形体Mの素材M0を貯留する素材貯留部41が設けられており、素材貯留部41に成形体Mの素材M0が貯留されている。素材貯留部41に貯留された成形体Mの素材M0は、プレス機(図示せず)によってプレスされる。
素材供給部4及び上型21には、複数本のランナー流路5が設けられており、ランナー流路5を介して、プレス機によってプレスされて加圧された成形体Mの素材M0を、キャビティ空間Qに上方から供給できるようになっている。
【0006】
しかし、図7(a)に示す成形用金型1を用いて成形体Mの成形を行うと、成形体Mの素材M0にプレス機により高圧が付与されるため、成形体Mの素材M0がランナー流路5を介してキャビティ空間Qに供給されると、コア3(特にその自由端部32近傍)は高圧で押圧されることになる。そのため、図7(b)に示すように、コア3の自由端部32が撓み、成形される成形体Mには、特に一端部M2近傍において大きな偏肉が生じやすい。また成形体Mが前述の膨張・収縮自在な弾性体の中子の場合には、均一に膨張・収縮しない、耐久性が低下するといった問題が生じる。このような偏肉は、中空筒状の成形体Mにおいて、その断面に対するその長さの比が大きい程(つまり細長い程)、生じやすくなる。
【0007】
両端部が閉塞していない(両端部が開口している)中空筒状の成形体であれば、片持ち梁状のコアの自由端部を保持することができるため(例えば、下記特許文献2参照)、前述の偏肉の発生を防止することができる。しかし、図1に示すような、一端部M2が閉塞した中空筒状の成形体Mを成形する場合には、特許文献2記載の成形用金型を採用することができない。
【0008】
そこで、従来においては、一端部M2が閉塞した細長い中空筒状の成形体Mを成形する場合には、成形体Mの一端部M2近傍の偏肉を防止するために、図8に示すように、2段階で成形を行っている。詳述すると、まず、図8(a)に示すように、成形体Mの一端部M2側の約半分に対応した第1金型(先端型)1Aを用い、成形体Mの一端部M2側の約半分を成形する。尚、図8(a)に示す第1金型1Aにおける各符号は、図7に示す成形用金型1における各符号に「A」を付したものであるから、その説明を省略する。
【0009】
次に、図8(b)に示すように、成形体Mの他端部M3側の約半分に対応した第2金型(継ぎ型)1Bを用い、成形体Mの他端部M3側の約半分を成形して、成形体M全体を完成させる。尚、図8(b)に示す第2金型1Bにおける各符号は、図7に示す成形用金型1における各符号に「B」を付したものであるから、その説明を省略する。
【0010】
図8に示すような、2段階で成形する方法によれば、金型を2種類用意する必要であると共に、成形を2回行う必要があるため、製造設備のコスト、製造の手間等を含む製造コストが高くなるという問題点がある。
また、成形体の素材によっては、2段階での成形では接合部の接合強度が不十分となるといった問題が発生する場合がある。
【0011】
【特許文献1】特開平11−314267公報
【特許文献2】特開平6−47781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する成形用金型において、2段階で成形を行うことなく、片持ち梁状のコアの自由端部近傍の撓みを防止できるため、成形体の一端部近傍の偏肉を防止することができる成形用金型、該成形用金型を用いた成形体の製造方法及び該成形体の製造方法で製造された弾性成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する成形用金型であって、キャビティ、コアを備えており、前記コアは、前記キャビティのキャビティ面の内側に片持ち梁状に配設されており、これにより、該キャビティのキャビティ面と該コアの外面との間に、中空筒状の前記成形体を形成し得るキャビティ空間が形成されており、前記キャビティには、片持ち梁状の前記コアの自由端部近傍を、保持し得るコア先端保持機構が設けられている成形用金型を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0014】
また、本発明は、前記成形用金型で、前記コア先端保持機構が前記コアの自由端部近傍に当接する当接部材及び該当接部材を該前記コアの自由端部に対して接近又は離反させる当接部材駆動部を備えたものを用いた成形体の製造方法であって、前記成形体の素材を前記キャビティ空間に供給する前に、前記コア先端保持機構の前記当接部材を前記コアの自由端部近傍に当接させておき、該成形体の素材が該キャビティ空間に充填され、前記コアの下部表面に接した後に、該コア先端保持機構の該当接部材を該コアの自由端部近傍から離反し、然る後、該成形体の素材を該キャビティ空間に更に供給する成形体の製造方法を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、前記成形体の製造方法で製造された弾性成形体を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の成形用金型によれば、一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する成形用金型において、2段階で成形を行うことなく、片持ち梁状のコアの自由端部近傍の撓みや芯ずれを防止できるため、成形体の一端部近傍の偏肉を防止することができる。
本発明の成形体の製造方法によれば、一端部が閉塞した中空筒状の成形体を容易に且つ安定的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の成形用金型について、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態の成形用金型によって製造(成形)される成形体について説明する。本実施形態の成形用金型によって製造される成形体Mは、図1に示すように、一端部M2が閉塞した中空筒状の成形体である。尚、図1において、その上半分は断面図であり、その下半分は外面図である。
【0018】
本形態の成形体Mは、抄紙型(図示せず)の一部を構成する膨張・収縮自在の中子である。従って、本形態の成形体Mは弾性体からなる。弾性体としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、オレフィン系エラストマー、天然ゴム、イソプレンゴム等が挙げられる。
図1に示すように、成形体Mの本体部M1は中空の円筒状であり、成形体Mの一端部M2は中空の半球状である。成形体Mの他端部M3は、開口部M31を有し、フランジ部M32を備えている。成形体Mは、その直径Smに対する、その長さ(長手方向の長さ)Lmの比(Lm/Sm)が、例えば3〜50、好ましくは5〜20である。尚、成形体Mの直径Smとは、中空部がなく、成形体Mが中実構造を有していると仮定したときの直径のことであり、また本形態のようにフランジ部M32を備えている場合には、フランジ部M32を含めない直径のことである。
【0019】
次に、本実施形態の成形用金型1について説明する。本実施形態の成形用金型1は、図1に示す成形体Mを成形するもので、図2〜図4に示すように、キャビティ2、コア3及びランナー流路5を備えている。
キャビティ2は、図2及び図3に示すように、上下一対の上型21,下型22を主体として構成されている。上型21及び下型22には、成形体Mの本体部M1の外面及び一端部M2の外面を形成する第1キャビティ面P1と、成形体Mのフランジ部M32の一面(一端部M2と反対側の面)を形成する第2キャビティ面P2とが、段差部を有して凹状に形成されている。第2キャビティ面P2の内側には、コア3の基部33(後述)が配設される。
【0020】
コア3は、図2〜図4に示すように、キャビティ2のキャビティ面P(第1キャビティ面P1)の内側に、片持ち梁状に配設されている。詳細には、コア3は、基部33及び基部33から横方向に延出して延びる棒状部31を主体として構成されている。棒状部31は、図1に示す成形体Mにおける円筒状の本体部M1の内面及び他端部M3の開口部M31を形成する部分であり、円柱形状を有している。コア3の自由端部32は、図1に示す成形体Mにおける半球の一端部M2の内面を形成する部分であり、半球形状を有している。コア3(詳細には、棒状部31及び自由端部32)は、その直径S3に対する、その長さ(長手方向の長さ)L3(図4参照)の比(L3/S3)が、例えば3〜50、好ましくは5〜20である。
【0021】
コア3の基部33は、キャビティ2の第2キャビティ面P2の内側に配設される部分であり、棒状部31よりも大きな断面積(縦断面の面積)を有している。コア3の基部33は、上型21及び下型22における、第1キャビティ面P1と第2キャビティ面P2との段差部との間で、図1に示す成形体Mにおけるフランジ部M32を形成する。換言すると、コア3の基部33は、成形体Mのフランジ部M32の他面(一端部M2とは反対側の面)を形成する部分である。
【0022】
従って、キャビティ2のキャビティ面Pとコア3の外面との間に、図1に示す中空筒状の成形体Mを横方向に延びるように形成し得るキャビティ空間Qが形成される。
【0023】
キャビティ2(上型21)の上方には、成形体Mの素材M0(図5参照)をキャビティ空間Qに供給する素材供給部4が載置されている。素材供給部4には、成形体Mの素材M0を貯留する素材貯留部41が設けられており、素材貯留部41に成形体Mの素材M0が貯留されている。素材貯留部41に貯留された成形体Mの素材M0は、プレス機(図示せず)によってプレスされる。
【0024】
ランナー流路5(第1ランナー流路51)は、成形体Mの素材M0をキャビティ空間Qに上方から供給するように、キャビティ2に複数本設けられている。また、素材供給部4にも第2ランナー流路52が複数本設けられている。第1ランナー流路51及び第2ランナー流路52は、一体化し、素材貯留部41に貯留された成形体Mの素材M0をキャビティ空間Qに供給するランナー流路5を形成している。
【0025】
次に、本実施形態の成形用金型1の特徴部分であるコア先端保持機構6について説明する。コア先端保持機構6は、片持ち梁状のコア3の自由端部32近傍を下方から、つまりランナー流路5の反対側から保持し得る機構である。具体的には、コア先端保持機構6は、コア3の自由端部32近傍に当接する当接部材61及び当接部材61をコア3の自由端部32に対して接近又は離反させる当接部材駆動部62を備えている。当接部材駆動部62における駆動手段としては特に制限はなく、例えば、空気圧、カム機構(回転カム、スライドカム)、電動機構を用いることができる。スプリングの付勢力を併用してもよい。
本実施形態においては、コア先端保持機構6は下型22に設けられており、当接部材61の先端部(コア3に当接する部分)は、下型22側のキャビティ空間Q内に出入り自在になっている(図5,図6参照)。
【0026】
本実施形態においては、当接部材61は円棒形状を有している。当接部材61の断面積は、大き過ぎると、成形後の成形体Mにおける当接部材61の痕が目立つため好ましくなく、一方、小さ過ぎると、当接部材61の強度不足や当接部材61によってコア3に傷を付けてしまう場合がある。従って、当接部材61の断面積は、好ましくは2〜400mm2、更に好ましくは4〜100mm2である。
【0027】
コア3の自由端部32とコア先端保持機構6の当接部材61との距離L6(図2参照)は、例えば5〜200mm、好ましくは10〜50mmである。
【0028】
次に、前記実施形態の成形用金型1を用いた、本発明の成形体の製造方法の一実施態様について図面を参照しながら説明する。
本発明の成形体の製造方法は、図2に示すように、成形体Mの素材M0をキャビティ空間Qに供給する前に、コア先端保持機構6の当接部材61をコア3の自由端部32近傍に当接させておき、次に、図5に示すように、成形体Mの素材M0をランナー流路5を介してキャビティ空間Qに供給し、成形体Mの素材M0がキャビティ空間Qに充填され、コア3の下部表面に接した後に、図6に示すように、コア先端保持機構6の当接部材61をコア3の自由端部32近傍から離反し、然る後、成形体Mの素材M0をキャビティ空間Qに更に供給する方法である。
【0029】
本実施形態の成形体の製造方法について詳述する。
成形前、即ち、成形体Mの素材M0をキャビティ空間Qに供給する前においては、図2に示すように、コア先端保持機構6の当接部材61は、既にコア3の自由端部32近傍に当接しており、従って、コア3の自由端部32は下方から保持されている。
【0030】
次に、素材貯留部41に貯留された成形体Mの素材M0は、プレス機(図示せず)によってプレスされ、図5に示すように、ランナー流路5を介してキャビティ空間Qに供給される。成形体Mの素材M0の供給圧力によって、片持ち梁状のコア3には、特に自由端部32には、下方に向けて力が加わる。而して、キャビティ2には、コア先端保持機構6が設けられており、コア3の自由端部32近傍は、コア先端保持機構6によって下方から保持されている。そのため、コア3の自由端部32近傍が下方に向けて撓むことはない。
【0031】
次に、成形体Mの素材M0がキャビティ空間Qに充填されコア3の下部表面に接した後には、図6に示すように、コア先端保持機構6の当接部材駆動部62を駆動させて、当接部材61を下方に、即ちコア3の自由端部32近傍から離反する方向に移動する。ここで、当接部材61の先端部は、キャビティ2のキャビティ面Pと略一致した位置に配置することが好ましい。この状態で、プレス機によって成形体Mの素材M0を更にプレスし、キャビティ空間Qに更に供給する。その結果、当接部材61がコア3の自由端部32近傍に当接している状態においてキャビティ空間Qにおける成形体Mの素材M0が回り込んでいなかった空間にも、成形体Mの素材M0が回り込む。ここで、コア3の下部表面に素材M0が接していれば、当接部材61がコア3の自由端部32近傍を保持していなくても、コア3の自由端部32近傍が下方に向けて撓むことは、実質的にない。
【0032】
本実施形態の成形用金型1及びそれを用いた本実施態様の成形体の製造方法によれば、図8に示す従来技術のように2段階で成形を行うことなく、片持ち梁状のコア3の自由端部32近傍の撓みを防止できるため、成形体Mの一端部M2近傍の偏肉を防止することができる。従って、一端部M2が閉塞した中空筒状の成形体Mを容易に且つ安定的に製造することができる。
【0033】
本発明の成形用金型及び成形体の製造方法は、それぞれ前述した実施形態及び実施態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
前記実施形態の成形用金型1においては、キャビティ空間Qは、成形体Mを横方向に延びるように形成し得るように構成されており、従って、ランナー流路5は、成形体Mの素材M0をキャビティ空間Qに上方から供給するように設けられており、コア先端保持機構6は、コア3の自由端部32近傍を下方から保持するように構成されているが、本発明の成形用金型においては、キャビティ空間Qは、成形体Mを縦方向や斜め方向に延びるように形成し得るように構成されていてもよく、それに応じて、ランナー流路5の延びる方向〔つまり成形体Mの素材M0の供給方向(流動方向)〕及びコア先端保持機構6によりコア3の自由端部32近傍を保持する方向も変更することができる。
(図2のように、キャビティ空間Qが、成形体Mを横方向に延びるように形成し得るように構成されている場合であっても、ランナー流路5は、成形体Mの素材M0をキャビティ空間Qに上方から供給するように設けられる他、上下の両方向、左右の両方向または左右の片方からも供給することができる。)
つまり、コア先端保持機構6は、成形体の形状やランナー流路の位置などにより、自由端部32の下方だけではなく、上方、側面、先端部等の自由端部が効率的に保持できる位置に設置する。また、上下、左右などに複数個設置することも可能である。特に、前述のコア3の直径S3に対する、その長さ(長手方向の長さ)L3(図4参照)の比(L3/S3)が大きい場合には、コア3の自由端部32がキャビティ空間Qに対して芯ずれを生じやすくなるが、コア先端保持機構6でコア3の自由端部32の上下、左右などの適宜箇所を保持することで芯すれを防止することができる。
【0034】
本発明の成形用金型及び成形体の製造方法によって製造される成形体Mは、一端部M2が閉塞していれば、他端部M3の構成は制限されず、例えば、他端部M3にフランジ部M32が設けられていなくてもよい。
本発明の成形用金型及び成形体の製造方法によって製造される成形体は、弾性体からなる成形体に制限されず、非弾性体、例えば、非弾性の合成樹脂からなる成形体の成形(製造)に適用することができる。
本発明の成形用金型及び成形体の製造方法は、プレス成形に制限されず、例えば射出成形に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明の成形用金型又は従来の成形用金型によって製造される、一端部が閉塞した中空筒状の成形体の一形態を示す半断面図である。
【図2】図2は、本発明の成形用金型の一実施形態を示す断面図である。
【図3】図3は、図2に示す成形用金型におけるキャビティを示す断面図である。
【図4】図4は、図2に示す成形用金型におけるコアを示す断面図である。
【図5】図5は、図2に示す成形用金型を用いて、図1に示す成形体を製造する工程の前半を示す断面図である。
【図6】図6は、図2に示す成形用金型を用いて、図1に示す成形体を製造する工程の後半を示す断面図である。
【図7】図7(a)は、一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する従来の成形用金型の一形態を示す断面図で、図7(b)は、図7(a)に示す成形用金型を用いて、図1に示す成形体を製造する工程を示す断面図である。
【図8】図8(a)及び(b)は、一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する従来の成形用金型の別の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 成形用金型
2 キャビティ
21 上型
22 下型
3 コア
31 棒状部
32 自由端部
33 基部
4 素材供給部
41 素材貯留部
5,51,52 ランナー流路
6 コア先端保持機構
61 当接部材
62 当接部材駆動部
M 成形体
M0 素材
M1 本体部
M2 一端部
M3 他端部
M31 開口部
M32 フランジ部
P キャビティ面
Q キャビティ空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部が閉塞した中空筒状の成形体を成形する成形用金型であって、
キャビティ及びコアを備えており、
前記コアは、前記キャビティのキャビティ面の内側に片持ち梁状に配設されており、これにより、該キャビティのキャビティ面と該コアの外面との間に、中空筒状の前記成形体を形成し得るキャビティ空間が形成されており、
前記キャビティには、片持ち梁状の前記コアの自由端部近傍を保持し得るコア先端保持機構が設けられている成形用金型。
【請求項2】
前記キャビティ空間は、中空筒状の前記成形体を横方向に延びるように形成するようになっており、
前記コア先端保持機構は、片持ち梁状の前記コアの自由端部近傍をキャビティ面より突き出た部材により保持するようになっている請求項1記載の成形用金型。
【請求項3】
前記成形体は弾性体からなる請求項1又は2に記載の成形用金型。
【請求項4】
前記コア先端保持機構は、前記コアの自由端部近傍に当接する当接部材及び該当接部材を該前記コアの自由端部に対して接近又は離反させる当接部材駆動部を備えている請求項1〜3の何れかに記載の成形用金型。
【請求項5】
請求項4記載の成形用金型を用いた成形体の製造方法であって、
前記成形体の素材を前記キャビティ空間に供給する前に、前記コア先端保持機構の前記当接部材を前記コアの自由端部近傍に当接させておき、該成形体の素材が該キャビティ空間に充填され、前記コアの下部表面に接した後に、該コア先端保持機構の該当接部材を該コアの自由端部近傍から離反し、然る後、該成形体の素材を該キャビティ空間に更に供給する成形体の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の成形体の製造方法で製造された弾性成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−179033(P2009−179033A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22372(P2008−22372)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】