説明

成形金型

【課題】極めて高品質のパルプ成形品を得ることができる実用性に秀れた成形金型を提供する。
【解決手段】成形品5を成形する成形金型であって、該成形金型は対向する一対のキャビ型1とコア型2とから成り、このキャビ型1及びコア型2の対向面3・4には、前記成形品5となる材料が充填されるキャビティ6を形成するキャビ入れ子7とコア入れ子8とが夫々着脱自在に設けられており、前記キャビ型1と前記コア型2には、前記キャビ入れ子7及び前記コア入れ子8と外部とを断熱する断熱部材11・12が夫々設けられているもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形金型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、石油高によるプラスチック材料の度重なるコスト上昇及び環境負荷低減対応への関心の高まりから、例えば出願人の先願に係る特開2002−67014号公報(特許文献1)に開示されるような生分解性を有するパルプ射出若しくは圧縮成形品(パルプと澱粉を主成分とした材料を射出若しくは圧縮成形して得られた紙質の三次元立体構造物)の生産性向上が急務となってきている。
【0003】
これまでの技術開発により、任意のパルプ射出若しくは圧縮成形品を成形することは可能になったものの、ハイサイクルで高品質のパルプ射出若しくは圧縮成形品を得るという点においては、これまでの技術は不十分である。
【0004】
即ち、現在、成形工程内において成形材料中に含まれる水分を効率良く気化して取り除くことが、(材料の乾燥時間を短縮して)生産性を上げるための必要条件とされており、例えば金型のキャビ型及びコア型を材料充填後僅かに隙間を空ける動作を繰り返すことにより水蒸気として材料中の水分を排出すること等が行われている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−67014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記動作を繰り返し行って水蒸気として材料中の水分を排出することにより、水分を効率良く排出することは可能となったが、材料の乾燥時間の短縮は未だ不十分であり、更なる生産性の向上が要望されている。
【0007】
本発明は、上記要望に鑑み、今までの金型構造では温度制御精度及び効率が悪く、成形条件及び成形機動作の改良のみでは更なる生産性の向上は困難であるとの発明者等の知見に基づき、種々の実験の結果、金型の加熱効率を大幅に向上させ得る構造を見い出し完成したもので、極めて高品質のパルプ成形品を得ることができる実用性に秀れた成形金型を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
成形品5を成形する成形金型であって、該成形金型は対向する一対のキャビ型1とコア型2とから成り、このキャビ型1及びコア型2の対向面3・4には、前記成形品5となる材料が充填されるキャビティ6を形成するキャビ入れ子7とコア入れ子8とが夫々着脱自在に設けられており、前記キャビ型1と前記コア型2には、前記キャビ入れ子7及び前記コア入れ子8と外部とを断熱する断熱部材11・12が夫々設けられていることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の成形金型において、前記断熱部材11・12は、少なくとも前記キャビ入れ子7及びコア入れ子8の背面及び側面を覆うように設けられていることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0011】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の成形金型において、前記キャビ入れ子7若しくはコア入れ子8は前記キャビ型1若しくはコア型2に形成された取付凹部9・10に設けられ、前記断熱部材11・12は、前記取付凹部9・10にして、前記キャビ入れ子7若しくはコア入れ子8との境界に設けられていることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の成形金型において、前記キャビ型1及び前記コア型2の背面側に断熱部材15・16が設けられていることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0013】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の成形金型において、前記キャビ入れ子7及び前記コア入れ子8にして前記断熱部材11・12の内方位置には、該キャビ入れ子7及びコア入れ子8を加熱する加熱部17・18が設けられていることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0014】
また、請求項5記載の成形金型において、前記加熱部17・18は、電熱ヒータ若しくは加熱流体が流通する流通路で構成されていることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の成形金型において、前記キャビ入れ子7及びコア入れ子8には、温度センサ21・22が夫々設けられていることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0016】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の成形金型において、該成形金型は射出成形金型Aであることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0017】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の成形金型において、該成形金型は圧縮成形金型Bであることを特徴とする成形金型に係るものである。
【0018】
また、請求項1〜9いずれか1項に記載の成形金型において、該成形金型はパルプ及び澱粉を主成分とした材料を用いて成形品5を成形するものであることを特徴とする成形金型に係るものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、上述のように構成したから、極めて効率的に高品質のパルプ成形品を得ることができる実用性に秀れた成形金型となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0021】
断熱部材11・12によりキャビティ6を形成するキャビ入れ子7及びコア入れ子8からの放熱が抑制されることで、キャビ入れ子7及びコア入れ子8の加熱効率が向上し、例えば、キャビティ6に充填される材料からなる成形品5を効率的に乾燥させるべく、キャビ型1及びコア型2を材料充填後僅かに隙間を空ける動作を繰り返すこと等を行っても、キャビ入れ子7及びコア入れ子8の温度が低下しにくく、また、低下しても短時間で所定の設定温度に復帰する。
【0022】
従って、キャビティ6内の成形品5を、該成形品5を乾燥するために必要な所定温度に維持しておくことが容易となり、従来に比し十分に乾燥した高品位の成形品を短時間で金型から取り出すことが可能で、それだけ生産性が向上する。
【0023】
また、本発明者等は、□300mm、肉厚1.0mm形状の金型を作製し、キャビ型1及びコア型2のキャビ入れ子7及びコア入れ子8の背面及び側面を覆う断熱部材11・12並びにキャビ入れ子7及びコア入れ子8に温度制御用の温度センサ21・22を夫々設けた金型を用いて実験を行ったところ、加熱効率が大幅に向上し、材料の成形時間が大幅に短縮できることを確認している。尚、この実験は同様の構造を有する射出成形金型及び圧縮成形金型において確認しており、双方において上記結果を得られることを確認している。
【0024】
即ち、本発明によれば、成形時に低下した金型温度を短時間で復帰させることができ且つそれが維持でき、金型温度の低下が生じなければ(言い換えれば取り出された成形品が完全に乾燥できていれば)、継続的に生産性が良いということが判断できることになり、従って、乾燥十分な高品質の成形品を得られることになる。
【0025】
また、例えば前記キャビ入れ子7及び前記コア入れ子8にして前記断熱部材11・12の内方位置に、該キャビ入れ子7及びコア入れ子8を加熱する加熱部17・18を設け、この加熱部17・18として加熱流体が流通する流通路で構成した場合には、例えば一般的な電熱ヒータ以外の熱媒体、即ち、加圧熱水,加圧水蒸気若しくは加熱油等を使用することができ、既存の設備を使用することの選択肢も含め設備投資の抑制にもつながる(金型を新作する毎に専用の電熱ヒータを購入する必要がなく、キャビ入れ子7及びコア入れ子8に所望形状の流通路を形成すれば良い。)。
【0026】
また、電熱ヒータを使用すると直線的加工しかできず、成形品が三次元形状の場合、電熱ヒータからキャビティ6内の成形品5までの距離が不均一になり、ひいては金型表面(キャビ入れ子7及びコア入れ子8)の温度ムラになり、成形品表面にムラや乾燥不足が生じることもあるが、気体若しくは液体の熱媒体(加熱流体)を使用することにより、熱供給源(加熱部17・18)から成形品5までの距離が三次元形状であっても均一にできるため、金型表面の温度ムラがなくなり、高品位の成形品を得ることが可能となる、更に、このことは金型設計において自由度を増す結果となり、金型作製コストの低減にもつながる。また、金型温度を保持する電熱ヒータが1つでも切れると、乾燥不足が生じたり未充填が生じることになるが、加熱流体を使用することでこの問題点も解決できる。
【0027】
よって、本発明は、流動性を付与するために加えられた水分を含むパルプ及び澱粉を主成分とする材料を安定して効率良くハイサイクルで成形し続ける構造を有する金型において特に有用性を発揮することになる。
【実施例】
【0028】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0029】
本実施例は、成形品5を成形する成形金型であって、該成形金型は対向する一対のキャビ型1とコア型2とから成り、このキャビ型1及びコア型2の対向面3・4には、前記成形品5となる材料が充填されるキャビティ6を形成するキャビ入れ子7とコア入れ子8とが夫々着脱自在に設けられており、前記キャビ型1と前記コア型2には、前記キャビ入れ子7及び前記コア入れ子8と外部とを断熱する断熱部材11・12が夫々設けられているものである。
【0030】
各部を具体的に説明する。
【0031】
成形品5を得るための材料としては、パルプ繊維:60wt%,澱粉(水溶性結合剤):30wt%,PVA:10wt%に水分を加えて40wt%の水分率となるように調合したものが採用されている。尚、澱粉ではなく糊化澱粉を採用しても良く、この場合には、例えばパルプ繊維:60wt%,糊化澱粉:30wt%,PVA:10wt%に水分を加えて40wt%の水分率となるように調合する。
【0032】
この様に調合された材料は、90℃程度の温度に加熱され、約180℃に保持される射出成形金型Aのキャビティ6内に充填され成形されて成形品5となる。
【0033】
図1に図示したように、射出成形金型Aは、キャビ型1とコア型2とで構成されている。尚、本実施例においては、キャビ型1が固定型1に、コア型2が該コア型2をキャビ型1に対して接離動せしめるピストン機構等の適宜な駆動機構(図示省略)が設けられる可動型2に設定されている。図中、符号23はキャビ型1が固定されるキャビ型固定部、24はコア型2が固定されるコア型固定部である(このコア型固定部24の背面(成形機可動盤)に前記駆動機構が設けられる。)。
【0034】
キャビ型1とコア型2に形成された取付凹部9・10には夫々、キャビティ6を形成するキャビ入れ子7とコア入れ子8とが着脱自在に設けられている。このキャビ入れ子7とコア入れ子8の対向当接面(パーティング面25・26)同士を密着させることでこのキャビ入れ子7とコア入れ子8との間にキャビティ6が形成される。
【0035】
キャビ型1及びコア型2には、キャビ入れ子7及びコア入れ子8のパーティング面25・26を除く背面及び側面を覆うように、背面部27と該底面部27の周縁に立設される側面部28とから成る箱状の断熱部材11・12が夫々設けられている。
【0036】
本実施例においては、キャビ入れ子7及びコア入れ子8が設けられる取付凹部9・10に上記断熱部材11・12が設けられ、この断熱部材11・12上にキャビ入れ子7若しくはコア入れ子8が設けられている。この断熱部材11・12の側面部28の高さは取付凹部9・10から突出しない高さ、具体的には、キャビ型1及びコア型2の対向面3・4及びキャビ入れ子7及びコア入れ子8のパーティング面25・26と丁度同じ高さとなるように設定されている。また、断熱部材11・12の背面部28の幅及び奥行きは、キャビ型1に設ける断熱部材11とコア型2に設ける断熱部材12とで同じになるように設定されている。
【0037】
即ち、本実施例においては、キャビ入れ子7とコア入れ子8と(のパーティング面25・26)を密着させた際、断熱部材11・12同士が密着して(断熱部材11・12の側面部28の端縁同士が密着して)、キャビ入れ子7及びコア入れ子8全体を隠蔽し得るように構成されている。従って、キャビ入れ子7とコア入れ子8の保温性が極めて向上し、成形に(材料を乾燥させるのに)必要な温度を良好に維持できることになる。
【0038】
また、キャビ型1及びコア型2にして前記断熱部材11・12の背面側には断熱部材(断熱板)15・16が連設されている。即ち、キャビ型1及びコア型2にして前記取付凹部9・10が設けられる対向面3・4の反対面13・14側には、断熱板15・16が連設されている。具体的には、断熱板15・16は、キャビ型1が固定されるキャビ型固定部23の上面及びコア型2が固定されるコア型固定部24の下面に設けられている。即ち、本実施例においては、断熱板15は、キャビ型1の前記反対面13にキャビ型固定部23を介して設けられ、断熱板16は、コア型2の前記反対面14にコア型固定部24(及び後記介在部材35)を介して設けられている。従って、この断熱板15・16によってキャビ型1及びコア型2並びにキャビ入れ子7及びコア入れ子8からの放熱は抑制されることになる。
【0039】
尚、本実施例においては、断熱板15・16はキャビ型固定部23の上面及びコア型固定部24の下面に設けているが、キャビ型1とキャビ型固定部23と間や、コア型2と後記介在部材35との間、コア型固定部24と後記エジェクタープレート33及び後記介在部材35との間等、他の場所に設けても良い。
【0040】
また、キャビ入れ子7及びコア入れ子8にして前記断熱部材11・12の内方位置には、該キャビ入れ子7及びコア入れ子8を加熱する加熱部17・18が設けられている。具体的には、加熱部17・18として、加圧熱水,加圧水蒸気若しくは加熱油等の加熱流体が流通する流通路が採用されている。この流通路は、前記キャビ入れ子7及びコア入れ子8に夫々穿設されている。
【0041】
従って、キャビ入れ子7及びコア入れ子8をより素早く且つ均一に応答性良く加熱することができ、上記断熱部材11・12による断熱作用と相俟って極めて加熱効率に秀れることになる。
【0042】
更に、屈曲等に制限のある電熱ヒータと異なり、加熱流体の経路は比較的自由に設定でき、特に、流通路と成形品5とがいずれの箇所においても可及的に同じ間隔で設けられるように成形品の形状に合わせて流通路を穿設することで、極めてムラのない均一な加熱が可能となる。また、流通路を比較的自由に穿設できることで、金型設計もより自由に行えることになる。
【0043】
また、キャビ入れ子7及びコア入れ子8には、温度センサ21・22(熱電対など)が夫々設けられている。従って、キャビ入れ子7及びコア入れ子8夫々の温度をより正確に測定できる。しかも、上述のようにキャビ入れ子7及びコア入れ子8は、断熱部材11・12及び加熱部17・18により素早く均一に加熱されるため、非常に信頼性の高い温度測定が可能となり、また、この温度測定結果を用いての温度制御も、流通路により直接加熱されることで応答性良く行えることになり、オーバーシュートやアンダーシュートも生じにくく、極めて効率的な加熱が可能となる。
【0044】
キャビ型1には、前記キャビティ6内に成形品5を得るための材料を導入するゲート29が設けられ、このゲート29はノズル30と連設されている。このノズル30は、上記材料が貯められる材料供給部31と連設されており、該材料供給部31に貯められた材料はスクリュにより攪拌され、ピストン機構等によりノズル30からキャビティ6内に押し出される。
【0045】
コア型2には、成形品5を形成した後、成形品の裏面を押出してコア型2から該成形品を離形させるための押し出しピン32が突没自在に設けられている。尚、図中、符号33は押し出しピン32が連結部34を介して連結され、ピストン機構等により上下動するエジェクタープレート、35はコア型2とコア型固定部24との間に設けられる前記エジェクタープレート33の可動スペースを形成するための介在部材である。
【0046】
また、キャビ型1及びコア型2の壁面には、シボ加工等による粗面化処理が施されており、成形品5の充填方向に適宜な流動抵抗が生じるように構成されている。従って、キャビティ6に充填される材料は、均一に充填されることになる。
【0047】
以上から、180℃程度に保持されるキャビ型1及びコア型2に設けたキャビ入れ子7及びコア入れ子8のパーティング面25・26同士を密着させてキャビティ6に90℃程度の材料を充填し、成形品5に含まれる材料中の水分を気化させると共に、コア型2を微動せしめて前記パーティング面25・26間に0.02〜0.5mm程度の間隙を断続的に形成し、この間隙からキャビティ6内で発生した水蒸気を放出するようにして材料を乾燥,固化させることでパルプを主材料とする成形品5を得ることができる。
【0048】
尚、本実施例においては、射出成形金型Aに本発明を適用した例について説明したが、圧縮成形金型Bに適用する場合も同様である。この圧縮成形金型Bには射出成形金型Aで用いられるゲート,ノズル及び材料供給部等が不要でそれだけコスト安に実現できることになる。また、パルプと澱粉とを主成分とする材料に限らず、他の材料を成形する構成としても良い。
【0049】
本実施例は上述のように構成したから、断熱部材11・12によりキャビティ6を形成するキャビ入れ子7及びコア入れ子8からの放熱が抑制されることで、キャビ入れ子7及びコア入れ子8の加熱効率が向上し、例えば、キャビティ6に充填される成形品5を効率的に乾燥させるべく、キャビ型1及びコア型2を材料充填後僅かに隙間を空ける動作を繰り返すこと等を行っても、キャビ入れ子7及びコア入れ子8の温度が低下しにくく、また、低下しても短時間で所定の設定温度に復帰する。
【0050】
従って、キャビティ6内の成形品5を、該成形品材料5を乾燥するために必要な所定温度に維持しておくことが容易となり、より確実に乾燥させて高品位の成形品を得られるのは勿論、従来に比し成形品5を短時間で金型から取り出すことが可能で、それだけ生産性が向上する。
【0051】
よって、本実施例は、流動性を付与するために加えられた水分を含むパルプ及び澱粉を主成分とする材料を安定して効率良くハイサイクルで成形し続けることができ、極めて効率的に高品質のパルプ成形品を得ることができる極めて実用性に秀れた射出成形金型となる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施例の概略説明断面図である。
【図2】別例の概略説明断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 キャビ型
2 コア型
3・4 対向面
5 成形品
6 キャビティ
7 キャビ入れ子
8 コア入れ子
9・10 取付凹部
11・12 断熱部材
15・16 断熱部材(断熱板)
17・18 加熱部
21・22 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形品を成形する成形金型であって、該成形金型は対向する一対のキャビ型とコア型とから成り、このキャビ型及びコア型の対向面には、前記成形品となる材料が充填されるキャビティを形成するキャビ入れ子とコア入れ子とが夫々着脱自在に設けられており、前記キャビ型と前記コア型には、前記キャビ入れ子及び前記コア入れ子と外部とを断熱する断熱部材が夫々設けられていることを特徴とする成形金型。
【請求項2】
請求項1記載の成形金型において、前記断熱部材は、少なくとも前記キャビ入れ子及びコア入れ子の背面及び側面を覆うように設けられていることを特徴とする成形金型。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の成形金型において、前記キャビ入れ子若しくはコア入れ子は前記キャビ型若しくはコア型に形成された取付凹部に設けられ、前記断熱部材は、前記取付凹部にして、前記キャビ入れ子若しくはコア入れ子との境界に設けられていることを特徴とする成形金型。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の成形金型において、前記キャビ型及び前記コア型の背面側に断熱部材が設けられていることを特徴とする成形金型。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載の成形金型において、前記キャビ入れ子及び前記コア入れ子にして前記断熱部材の内方位置には、該キャビ入れ子及びコア入れ子を加熱する加熱部が設けられていることを特徴とする成形金型。
【請求項6】
請求項5記載の成形金型において、前記加熱部は、電熱ヒータ若しくは加熱流体が流通する流通路で構成されていることを特徴とする成形金型。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項に記載の成形金型において、前記キャビ入れ子及びコア入れ子には、温度センサが夫々設けられていることを特徴とする成形金型。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか1項に記載の成形金型において、該成形金型は射出成形金型であることを特徴とする成形金型。
【請求項9】
請求項1〜7いずれか1項に記載の成形金型において、該成形金型は圧縮成形金型であることを特徴とする成形金型。
【請求項10】
請求項1〜9いずれか1項に記載の成形金型において、該成形金型はパルプ及び澱粉を主成分とした材料を用いて成形品を成形するものであることを特徴とする成形金型。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−320168(P2007−320168A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−152878(P2006−152878)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000207757)大宝工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】