説明

成長ホルモン分泌促進薬

GHS類似体として有用な式(I)または(II)による一群のペプチドおよびペプチド類似化合物またはその医薬的に許容できる塩類:式中の可変基は明細書中に定めたものである。


【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
下垂体成長ホルモン産生細胞からの成長ホルモンのパルス放出は、2種類の視床下部神経ペプチド、すなわち成長ホルモン放出ホルモンとソマトスタチンにより制御されている。成長ホルモン放出ホルモンは成長ホルモンの放出を刺激し、これに対しソマトスタチンは成長ホルモンの分泌を阻害する。(Frohman et al., Endocrinology Review, (1986), 7:223-253およびStrobi et al., Pharmacol. Review, (1994), 46:1-34)。
【0002】
下垂体成長ホルモン産生細胞からの成長ホルモンの放出は、成長ホルモン放出ペプチド(GHRP)により制御される可能性もある。ヘキサペプチドGHRPであるHis-D-Trp-Ala-Trp-D-Phe-Lys-アミド(GHRP-6)が、ヒトを含めた数種において成長ホルモン産生細胞から用量依存性で成長ホルモンを放出することが見いだされた(Bowers et al., Endocrinology, (1984), 114:1537-45)。GHRP-6に関するその後の化学研究により、他の有効な成長ホルモン分泌促進物質、たとえばGHRP-I、GHRP-2およびヘキサレリン(hexarelin)が同定された(Cheng et al., Endocrinology, (1989), 124:2791-8; Bowers, C. Y., Novel GH-Releasing Peptides, Molecular and Clinical Advances in Pituitary Disorders, 編者: Melmed, S., Endocrine Research and Education, Inc., 米国カリフォルニア州ロサンゼルス(1993), 153-7;およびDeghenghi et al., Life Science, (1994), 54:1321-8)。これら3種類の成長ホルモン分泌促進物質の構造は下記に示すものである:
GHRP-I Ala-His-D-(2')-Nal-Ala-Trp-D-Phe-Lys-NH2
GHRP-2 D-Ala-D-(2')-Nal-Ala-Trp-D-Nal-Lys-NH2;および
ヘキサレリン His-D-2-MeTrp-Ala-Trp-D-Phe-Lys-NH2
【0003】
GHRP-I、GHRP-2、GHRP-6およびヘキサレリンは合成による成長ホルモン分泌促進物質(以下、”GHS”と総称する)である。GHSは、成長ホルモン放出ホルモンとは異なる機序で成長ホルモンの分泌を刺激する(Bowers, C. Y. et al., Endocrinology, (1984), 114:1537-45; Cheng et al., Endocrinology, (1989), 124:2791-8; Bowers, C. Y., Novel GH-Releasing Peptides, Molecular and Clinical Advances in Pituitary Disorders, 編者: Melmed, S., Endocrine Research and Education, Inc., 米国カリフォルニア州ロサンゼルス(1993), 153-7;およびDeghenghi et al., Life Science, (1994), 54:1321-8)。
【0004】
これらペプチド系の成長ホルモン分泌促進物質は経口による生物学的利用能が低いため(一般に<1%とされている)、下垂体におけるGHRP-6の作用を模倣した非ペプチド化合物の探索が促された。幾つかのベンゾラクタムおよびスピロインダンが多様な動物種およびヒトにおいて成長ホルモン放出を刺激すると報告された(Smith et al.. Science, (1993), 260:1640-3; Patchett et al., Proceedings of the. National Academy Science USA, (1995), 92:7001-5; およびChen et al., Bioorganic Modern Chemistry Letter, (1996), 6:2163-9)。そのような低分子スピロインダンの具体例はMK-0677であり(Patchett et al., Proceedings of the National Academy of Science, USA, (1995), 92:7001-5)、これは下記の構造をもつ:
【0005】
【化1】

【0006】
前記GHS(ペプチドおよび非ペプチドの両方)の作用は、特異的な成長ホルモン分泌促進物質受容体(以下、”GHS受容体”と総称する)により仲介されると思われる(Howard et al., Science, (1996), 273:974-7およびPong et al., Molecular Endocrinology, (1996), 10:57-61)。多様な哺乳動物種の下垂体および視床下部にみられるGHS受容体(GHSR1a)は、成長ホルモン放出ホルモン受容体(以下、”GHRH受容体”と総称する)と異なる。GHS受容体は、他の中枢神経組織および末梢組織、たとえば副腎および甲状腺、ならびに心臓、肺、腎臓および骨格筋組織にも検出された(Chen et al., Bioorganic Medical Chemistry Letter, (1996), 6:2163-9; Howard et al., Science, (1996), 273:974-7; Pong et al., Molecular Endocrinology, (1996), 10:57-61; Guan et al., Molecular Brain Research, (1997), 48:23-9;およびMcKee et al., Genomics, (1997), 46:426-34)。トランケート型のGHSR1aも報告された(Howard et al., Science, (1996), 273:974-7)。
【0007】
GHS受容体はG-タンパク質共役型受容体である。GHS受容体活性化の作用には、カリウムチャンネルの脱分極および阻害、細胞内イノシトール三リン酸(IP3)濃度および細胞内カルシウム濃度の上昇(後者については一過性であるが)が含まれる(Pong et al., Molecular Endocrinology, (1996), 10:57-61; Guan et al., Molecular Brain Research, (1997), 48:23-9;およびMcKee et al., Genomics, (1997), 46:426-34)。
【0008】
グレリン(ghrelin)は、GHS受容体に対する内因性リガンドと考えられている天然ペプチドである(Kojima et al., Nature, (1999), 402:656-60)。哺乳動物および哺乳動物以外の数種に由来するグレリンの天然構造が知られている(Kaiya et al., Journal of Biological Chemistry, (2001), 276:40441-8および国際特許出願PCT/JP00/04907 [WO 01/07475])。グレリンに存在するコア領域が、GHS受容体においてみられる活性に関与していた。コア領域は4個のN末端アミノ酸を含み、3位のセリンは普通はn-オクタン酸で修飾されている。n-オクタン酸によるアシル化のほか、天然グレリンはn-デカン酸でアシル化されている場合もある(Kaiya et al., Journal of Biological Chemistry, (2001), 276:40441-8)。
【0009】
GHS分子、たとえばグレリンおよびその類似体には、多様な療法用途(Inui, A., FASEB J., (2004), 18:439-56; Muller et al., Neurobiology of Aging, (2002), 23:907-19; Casanueva, F. F. et al., TEM, (1999), 10:30-8;およびAnkerson, M. et al., DDT, (1999) 4:497-506)、および診断用途がある。GHS受容体においてアゴニスト作用を示す化合物は、成長ホルモン分泌の刺激を促進することが見いだされた。したがって、グレリンの類似体は下記に適用される:成長ホルモン欠乏状態の改善(U.S.P. No. 6,861,409; U.S.P. No. 6,967,237およびCasanueva, F. F. et al., TEM, (1999), 10:30-8)、筋量の増加(U.S.P. No. 6,861,409およびU.S.P. No. 6,967,237)および/または身体強度の増強(Ankerson, M. et al., DDT (1999), 4:497-506)、骨密度の改善(U.S. Patents Nos. 6,861,409, 6,967,237および6,251,902ならびにSibilia, V. et al., Growth Horm. IGF Res., (1999), 9:219-27)、骨粗鬆症の処置(WO 97/24369; WO 98/58947; Casanueva, F. F. et al., TEM, (1999), 10:30-8)、雄または雌の性的機能障害の克服(U.S.P. No. 6,967,237; Casanueva, F. F. et al., TEM, (1999) 10:30-8)、心血管疾患の処置(WO 97/24369; WO 98/58947; U.S.P. No. 6,251,902; DeGennaro Colonna, V. et al., Eur. J. Pharmacol., (1997), 334:201-7;およびCasanueva, F. F. et al., TEM, (1999), 10:30-8)、関節炎の痛みの軽減(Granado, M., AJP Endo., (2005), 288:486-92)、および全身性エリテマトーデスまたは炎症性腸疾患(たとえばクローン病または潰瘍性大腸炎)の処置(U.S.P.公開2002/0013320)。グレリンのアゴニスト作用類似体は、体重増加を促進することができ(U.S.P. No. 6,967,237; Tschop, M. et al., Endocrinology, (2002), 143:558-68)、これを利用して目標体重を維持し(U.S.P. No. 6,861,409および6,967,237)および/または身体機能を回復させることができる(U.S.P. No. 6,967,237および6,251,02ならびにWO 97/24369)。
【0010】
グレリンは食欲も増進する(U.S.P. No. 6,967,237およびOkada, K. et al., Endocrinology, (1996), 137:5155-8)。したがって、グレリンは一般的に不都合な体重減少を伴うある疾患もしくは障害をもつ患者または体重減少を伴う医療措置を受けている患者の処置に用いられる。そのような疾患および障害には、下記のものが含まれる:食欲減退(U.S.P. No. 6,967,237; Tschop, M. et al., Endocrinology, (2002), 143:558-68)、食欲異常亢進(U.S.P. No. 6,967,237)、悪液質(U.S.P. No. 6,967,237および6,251,902)、特に癌誘発悪液質(U.S.P. No. 6,967,237およびTschop, M. et al., Endocrinology, (2002), 143:558-68)、エイズ(U.S.P. No. 6,861,409および6,967,237; Tschop, M. et al., Endocrinology, (2002), 143:558-68)、虚弱者および/または高齢者における衰弱症候群(U.S.P. No. 6,861,409および6,967,237; WO 97/24369; Ankerson, M. et al., DDT, (1999), 4:497-506)、ならびに慢性腎不全(Casanueva, F. F. et al., TEM, (1999), 10:30-8)。一般的に体重減少を伴う医療処置には、化学療法、放射線療法、一時的または永久的な固定、および/または透析が含まれる(U.S.P. No. 6,967,237および6,251,902)。
【0011】
肥満症は糖尿病の主なリスク因子であり、非インスリン依存性糖尿病(あるいは”NIDDM”と呼ぶ)患者の大部分は肥満症である。両状態とも循環インスリンレベルの上昇およびGHレベル抑制を特徴とする。GH欠乏性の成人(Jorgensen, J. O. L., et al., Lancet, (1989), 1:1221)、肥満症の女性(Richelsen, B., et al., Am J Physiol, (1994), 266:E211)および高齢者(Rudman, D., et al, Horm Res, (1991), 36 (Suppl 1):73)をGH処置すると痩身性が増し、肝臓および筋肉の量が増大し、一方では脂肪量が減少することが示された。したがって、グレリンアゴニストの投与は、GHの糖尿病誘発作用を除けば魅力的な肥満症療法である(U.S.P. No. 6,251,902; Ankerson, M. et al., DDT, (1999), 4:497-506;およびCasanueva, F. F. et al., TEM, (1999), 10:30-8)。糖尿病の合併症、たとえば網膜障害および/または心血管疾患(U.S.P. No. 6,967,237; U.S.P.出願公開2003/0211967)も、間接的にグレリンで処置できる。
【0012】
逆に、グレリンアンタゴニストは、肥満症がNIDDM発症によるものではない肥満症個体(U.S.P. No. 6,967,237およびU.S.P.出願公開2003/0211967)および確認された他の幾つかの適応症において、体重減少を促進するのに使用できる。GH受容体において成長ホルモン分泌の抑制を促進するアンタゴニスト作用を示す化合物、たとえばグレリンのアンタゴニスト類似体は、過度の成長ホルモン分泌の処置(U.S.P.出願公開2002/0187938)、非肥満症における体重減少の促進(U.S.P. No. 6,967,237)、理想的な体重の維持および食欲低下(U.S.P. No. 6,967,237)に適用される。過度の体重は、多数の疾患および状態、たとえば高血圧症、異脂肪血症および心血管疾患((U.S.P.出願公開2003/0211967およびU.S.P. No. 6,967,237)、ならびに胆石、骨関節炎(U.S.P. No. 6,967,237)、ある種の癌((U.S.P.出願公開2003/0211967および2004/0157227ならびにU.S.P. No. 6,967,237)、ならびにプラダー-ウィリ症候群(U.S.P. No. 6,950,707)に関与する因子である。したがって、体重減少を促進するためのグレリンアンタゴニストの使用は、そのような疾患もしくは状態の可能性を減らすのに有用であり、および/またはそのような疾患もしくは状態の処置の少なくとも一部を構成する。
【0013】
成長ホルモン分泌促進物質の類似体は、消化器運動性を促進するために、特に術後腸閉塞により起きる、または糖尿病の発症もしくは慢性糖尿状態に随伴する胃不全麻痺により起きる消化器運動性低下を伴う患者にも用いられている(U.S.P. No. 6,548,501)。
【0014】
成長ホルモン分泌促進物質が提供するはずの多様な有益な効果があるので、有効なアゴニストまたはアンタゴニストGHS分子が当技術分野で求められている。
【0015】
発明の概要
本発明は、GHS受容体において活性であるペプチド系類似体を特徴とする。本発明の類似体はGHS受容体に結合することができ、好ましくは信号伝達をもたらす。したがって、第1観点において本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を特徴とする:
【0016】
【化2】

【0017】
式中:
Xは、
【0018】
【化3】

【0019】
であり;
Yは、HまたはNR12R13であり;
Zは、-C(O)-または-SO2-であり;
nは、それぞれの場合、独立して1、2、3、4、5、6、7または8であり;
R1およびR3はそれぞれ、それぞれの場合独立してHまたは(C1-C4)アルキルであり;
R2およびR4はそれぞれ、それぞれの場合独立して
【0020】
【化4】

【0021】
であり;
R5は、H、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、置換(C1-C6)アルキル、置換(C2-C6)アルケニル、置換(C2-C6)アルキニル、アリール、アルキルアリール、アルキルアリールアルキルまたはアリールアルキルアリールであり;
R8およびR9はそれぞれ、それぞれの場合独立して(C1-C6)アルキルまたは置換(C1-C6)アルキルであり;
R6、R7、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ、それぞれの場合独立してH、(C1-C6)アルキルまたは置換(C1-C6)アルキルであり;
Qは、Hまたは(C1-C4)アルキルであり;
ただし、該化合物においてR2およびR4の両方が
【0022】
【化5】

【0023】
であることはない。
上記式の好ましいグループの化合物は、R2およびR4のうち少なくとも一方が
【0024】
【化6】

【0025】
のものである。
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ1の化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0026】
【化7】

【0027】
であり;
R4
【0028】
【化8】

【0029】
であり;
Zは-C(O)-であり;
Xは
【0030】
【化9】

【0031】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0032】
【化10】

【0033】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0034】
【化11】

【0035】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0036】
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ1Aの化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0037】
【化12】

【0038】
であり;
R4
【0039】
【化13】

【0040】
であり;
Zは-SO2-であり;
Xは
【0041】
【化14】

【0042】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0043】
【化15】

【0044】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0045】
【化16】

【0046】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0047】
グループ1またはグループ1Aのより好ましい化合物は下記のものである。
【0048】
【化17−1】

【0049】
【化17−2】

【0050】
【化17−3】

【0051】
【化17−4】

【0052】
またはその医薬的に許容できる塩。
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ2の化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0053】
【化18】

【0054】
であり;
R4
【0055】
【化19】

【0056】
であり;
Zは-C(O)-であり;
Xは
【0057】
【化20】

【0058】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0059】
【化21】

【0060】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0061】
【化22】

【0062】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0063】
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ2Aの化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0064】
【化23】

【0065】
であり;
R4
【0066】
【化24】

【0067】
であり;
Zは-SO2-であり;
Xは
【0068】
【化25】

【0069】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0070】
【化26】

【0071】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0072】
【化27】

【0073】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0074】
グループ2またはグループ2Aのより好ましい化合物は下記のものである。
【0075】
【化28−1】

【0076】
【化28−2】

【0077】
【化28−3】

【0078】
【化28−4】

【0079】
またはその医薬的に許容できる塩。
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ3の化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0080】
【化29】

【0081】
であり;
R4
【0082】
【化30】

【0083】
であり、ここでQはHであり;
Zは-C(O)-であり;
Xは
【0084】
【化31】

【0085】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0086】
【化32】

【0087】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0088】
【化33】

【0089】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0090】
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ3Aの化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0091】
【化34】

【0092】
であり;
R4
【0093】
【化35】

【0094】
であり、ここでQはHであり;
Zは-SO2-であり;
Xは
【0095】
【化36】

【0096】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0097】
【化37】

【0098】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0099】
【化38】

【0100】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0101】
グループ3またはグループ3Aのより好ましい化合物は下記のものである。
【0102】
【化39−1】

【0103】
【化39−2】

【0104】
【化39−3】

【0105】
またはその医薬的に許容できる塩。
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ4の化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0106】
【化40】

【0107】
であり;
R4
【0108】
【化41】

【0109】
であり;
Zは-C(O)-であり;
Xは
【0110】
【化42】

【0111】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0112】
【化43】

【0113】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0114】
【化44】

【0115】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0116】
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ4Aの化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0117】
【化45】

【0118】
であり;
R4
【0119】
【化46】

【0120】
であり;
Zは-SO2-であり;
Xは
【0121】
【化47】

【0122】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0123】
【化48】

【0124】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0125】
【化49】

【0126】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0127】
グループ4またはグループ4Aのより好ましい化合物は下記のものである。
【0128】
【化50−1】

【0129】
【化50−2】

【0130】
【化50−3】

【0131】
【化50−4】

【0132】
またはその医薬的に許容できる塩。
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ5の化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0133】
【化51】

【0134】
であり、ここでQはHであり;
R4
【0135】
【化52】

【0136】
であり;
Zは-C(O)-であり;
Xは
【0137】
【化53】

【0138】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0139】
【化54】

【0140】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0141】
【化55】

【0142】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0143】
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ5Aの化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0144】
【化56】

【0145】
であり、ここでQはHであり;
R4
【0146】
【化57】

【0147】
であり;
Zは-SO2-であり;
Xは
【0148】
【化58】

【0149】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0150】
【化59】

【0151】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0152】
【化60】

【0153】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0154】
グループ5またはグループ5Aのより好ましい化合物は下記のものである。
【0155】
【化61−1】

【0156】
【化61−2】

【0157】
またはその医薬的に許容できる塩。
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ6の化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0158】
【化62】

【0159】
であり;
R4
【0160】
【化63】

【0161】
であり;
Zは-C(O)-であり;
Xは
【0162】
【化64】

【0163】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0164】
【化65】

【0165】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0166】
【化66】

【0167】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0168】
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ6Aの化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0169】
【化67】

【0170】
であり;
R4
【0171】
【化68】

【0172】
であり;
Zは-SO2-であり;
Xは
【0173】
【化69】

【0174】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0175】
【化70】

【0176】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0177】
【化71】

【0178】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0179】
グループ6またはグループ6Aのより好ましい化合物は下記のものである。
【0180】
【化72】

【0181】
またはその医薬的に許容できる塩。
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ7の化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0182】
【化73】

【0183】
であり;
R4
【0184】
【化74】

【0185】
であり、ここでQはHであり;
Zは-C(O)-であり;
Xは
【0186】
【化75】

【0187】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0188】
【化76】

【0189】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0190】
【化77】

【0191】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0192】
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ7Aの化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0193】
【化78】

【0194】
であり;
R4
【0195】
【化79】

【0196】
であり、ここでQはHであり;
Zは-SO2-であり;
Xは
【0197】
【化80】

【0198】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0199】
【化81】

【0200】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0201】
【化82】

【0202】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0203】
グループ7またはグループ7Aのより好ましい化合物は下記のものである。
【0204】
【化83】

【0205】
またはその医薬的に許容できる塩。
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ8の化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0206】
【化84】

【0207】
であり、ここでQはHであり;
R4
【0208】
【化85】

【0209】
であり;
Zは-C(O)-であり;
Xは
【0210】
【化86】

【0211】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0212】
【化87】

【0213】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0214】
【化88】

【0215】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0216】
式(I)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ8Aの化合物と呼ぶ)は、下記の式(I)の化合物である:
R2
【0217】
【化89】

【0218】
であり、ここでQはHであり;
R4
【0219】
【化90】

【0220】
であり;
Zは-SO2-であり;
Xは
【0221】
【化91】

【0222】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0223】
【化92】

【0224】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0225】
【化93】

【0226】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0227】
グループ8またはグループ8Aのより好ましい化合物は下記のものである。
【0228】
【化94】

【0229】
またはその医薬的に許容できる塩。
式(I)の他の好ましい化合物(グループ9の化合物と呼ぶ)は、次式の化合物である:
【0230】
【化95−1】

【0231】
【化95−2】

【0232】
【化95−3】

【0233】
【化95−4】

【0234】
【化95−5】

【0235】
【化95−6】

【0236】
【化95−7】

【0237】
【化95−8】

【0238】
【化95−9】

【0239】
【化95−10】

【0240】
【化95−11】

【0241】
【化95−12】

【0242】
【化95−13】

【0243】
【化95−14】

【0244】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0245】
グループ9の好ましい化合物は、下記のグループ9Aの化合物である:
【0246】
【化96−1】

【0247】
【化96−2】

【0248】
【化96−3】

【0249】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0250】
グループ9Aの好ましい化合物は、下記式のグループ9Bの化合物である:
【0251】
【化97−1】

【0252】
【化97−2】

【0253】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0254】
グループ9Aの好ましい化合物は、下記のグループ9Cの化合物である:
【0255】
【化98】

【0256】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0257】
グループ9Aの好ましい化合物は、下記式のグループ9Dの化合物である:
【0258】
【化99】

【0259】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0260】
グループ9Dの好ましい化合物は、下記式のグループ9Eの化合物である:
【0261】
【化100】

【0262】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0263】
グループ9の好ましい化合物は、下記式のグループ9Fの化合物である:
【0264】
【化101】

【0265】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0266】
グループ9の好ましい化合物は、下記式のグループ9Gの化合物である:
【0267】
【化102】

【0268】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0269】
第2観点において本発明は、式(II)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を特徴とする:
【0270】
【化103】

【0271】
式中:
Xは、
【0272】
【化104】

【0273】
であり;
Yは、HまたはNR12R13であり;
Zは、-C(O)-または-SO2-であり;
nは、それぞれの場合、独立して1、2、3、4、5、6、7または8であり;
R1およびR3はそれぞれ、それぞれの場合独立してHまたは(C1-C4)アルキルであり;
R2およびR4はそれぞれ、それぞれの場合独立して
【0274】
【化105】

【0275】
であり;
R5は、Hまたは(C1-C6)アルキルハロであり;
R8およびR9はそれぞれ、それぞれの場合独立して(C1-C6)アルキルまたは置換(C1-C6)アルキルであり;
R6、R7、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ、それぞれの場合独立してH、(C1-C6)アルキルまたは置換(C1-C6)アルキルであり;
Qは、Hまたは(C1-C4)アルキルであり;
ただし、該化合物においてR2およびR4の両方が
【0276】
【化106】

【0277】
であることはない。
式(II)の好ましい化合物またはその医薬的に許容できる塩(グループ10の化合物と呼ぶ)は、下記の式(II)の化合物である:
R2
【0278】
【化107】

【0279】
であり;
R4
【0280】
【化108】

【0281】
であり、ここでQはHであり;
Zは-CO-であり;
Xは
【0282】
【化109】

【0283】
であり、ここでR6およびR7はそれぞれ独立してHであり、R8およびR9はそれぞれ独立してCH3であり;または
Xは
【0284】
【化110】

【0285】
であり、ここでYはHであり;または
Xは
【0286】
【化111】

【0287】
であり、ここでYはNR12R13であり、R12およびR13は両方ともそれぞれ独立してHであり;
R1はHであり;
R3はHまたはメチルであり;
R5はH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである。
【0288】
グループ10のより好ましい化合物(グループ10Aと呼ぶ)は下記のものである。
【0289】
【化112】

【0290】
またはその医薬的に許容できる塩。
上記化合物グループの化合物および医薬的に許容できるキャリヤーを含有する医薬組成物が好ましい。
【0291】
本発明化合物はGHS受容体において活性である。本発明化合物はこの受容体に結合し、好ましくは受容体活性を刺激し、したがって本発明化合物は機能性グレリン類似体として、研究ツールおよび/または療法薬の両方に有用である。研究ツールとしての用途は、一般に本発明化合物の使用とGHS受容体またはそのフラグメントの存在を伴う。GHS受容体は、哺乳動物対象、全細胞または細胞膜フラグメントなど、種々の環境に存在する可能性がある。研究ツールとしての用途の例には、GHS受容体において活性である化合物のスクリーニング、試料または調製物中のGHS受容体の存在の判定、およびグレリンの役割または作用の試験が含まれる。
【0292】
本発明の1観点は、ある化合物がGHS受容体に結合する能力を測定する方法であって、ある化合物が該受容体、該受容体のフラグメント、該受容体のフラグメントを含むポリペプチド、または該ポリペプチドの誘導体への、式(I)もしくは(II)またはグループ1、1A、2、2A、3、3A、4、4A、5、5A、6、6A、7、7A、8、8A、9、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、10および10Aのいずれかの化合物の結合に影響を及ぼす能力を測定する工程を含む方法を特徴とする。
【0293】
本発明の他の観点は、グレリンアゴニストおよび/またはグレリンアンタゴニストをスクリーニングする方法を特徴とする。グレリンアゴニストのスクリーニングは、たとえば式(I)もしくは(II)またはグループ1、1A、2、2A、3、3A、4、4A、5、5A、6、6A、7、7A、8、8A、9、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、10および10Aのいずれかの化合物またはその医薬的に許容できる塩を、被験化合物との競合実験に使用することにより実施できる。グレリンアンタゴニストのスクリーニングは、たとえば式(I)もしくは(II)またはグループ1、1A、2、2A、3、3A、4、4A、5、5A、6、6A、7、7A、8、8A、9、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、10および10Aのいずれかの化合物またはその医薬的に許容できる塩を使用して、GHS受容体活性を発生させ、次いで被験化合物がGHS受容体活性を変化させる能力を測定することにより実施できる。
【0294】
グレリンアゴニストは、対象において有益な効果を達成するために使用できる。たとえばグレリンは、他の下垂体ホルモン放出を刺激することなく、初代培養下垂体細胞からの成長ホルモン放出を用量依存性で誘発する。麻酔ラットに静脈内注射したグレリンは、成長ホルモンのパルス放出を刺激した(Kojima et al., Nature, (1999), 402:656-60)。1観点において本発明は、対象において有益な効果を達成する方法であって、有効量の式(I)もしくは(II)またはグループ1、1A、2、2A、3、3A、4、4A、5、5A、6、6A、7、7A、8、8A、9、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、10および10Aのいずれかの化合物またはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は疾患、疾病または状態の治療の補助または予防の補助に有益な効果を生じるのに有効なものである方法を特徴とする。”治療の補助”とは、特定の疾患もしくは障害を治癒し、または特定の疾患もしくは障害の症状の重症度を軽減することを意味する。”予防の補助”とは、特定の疾患もしくは障害の発症の可能性を低下させ、または特定の疾患もしくは障害の重症度を軽減することを意味する。
【0295】
他の観点において本発明は、成長ホルモンの分泌を刺激する必要がある対象においてその分泌を刺激する方法であって、有効量の式(I)もしくは(II)またはグループ1、1A、2、2A、3、3A、4、4A、5、5A、6、6A、7、7A、8、8A、9、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、10および10Aのいずれかのグレリンアゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌増加を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法を特徴とする。
【0296】
上記観点の1態様において、成長ホルモン分泌の刺激は、成長ホルモン欠乏状態の処置に適用される。有益な効果が適用される例のリスト(すべてではない)には下記のものが含まれる:成長ホルモン欠乏状態の処置、筋量および/または骨密度の増大、性的機能障害の克服、体重増加の促進、理想体重の維持、身体機能の維持、身体機能の回復、および/または減退した食欲の増進。体重増加、一定体重の維持、および/または食欲増進は、体重減少を伴う疾患もしくは障害をもつ患者または体重減少を伴う医療処置を受けている対象にとって特に有用である。より好ましくは、体重減少を伴う疾患または障害には、食欲減退、食欲異常亢進、悪液質、エイズ衰弱および/または虚弱高齢者における衰弱が含まれるが、これらに限定されない。同様に好ましくは、体重減少を伴う医療処置には化学療法、放射線療法、固定(すなわち強制的な床上安静)、および/または透析が含まれるが、これらに限定されない。
【0297】
グレリンアンタゴニストも、患者において有益な効果を達成するために使用できる。他の観点において本発明は、成長ホルモンの分泌を抑制する必要がある対象においてその分泌を抑制する方法であって、有効量の式(I)もしくは(II)またはグループ1、1A、2、2A、3、3A、4、4A、5、5A、6、6A、7、7A、8、8A、9、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、10および10Aのいずれかのグレリンアンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌減少を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法を特徴とする。
【0298】
上記観点の1態様において、成長ホルモン分泌の抑制は、過度の成長ホルモンを特徴とする疾患もしくは状態の処置、体重減少の促進、異常な食欲の低下、目標体重の維持、肥満症の処置、網膜障害などの合併症を含めた糖尿病状態の管理、および/または心血管障害の予防に適用される。
【0299】
上記観点の好ましい態様において、過度の体重は、肥満症、高血圧症、糖尿病、異脂肪血症、心血管疾患、胆石、骨関節炎、プラダー-ウィリ症候群、関節炎、および特定の癌を含めた疾患または状態(これらに限定されない)に関与する因子である。より好ましくは、体重減少の促進によりそれらの疾患または状態の可能性が低下する。同様に、より好ましくは、体重減少の促進はそれらの疾患または状態の処置の少なくとも一部を構成する。
【0300】
よりさらに好ましい態様において、本発明は、消化器運動を促進する必要がある対象においてそれを促進するためにも使用でき、これはそれらを伴う対象に有効量の1種類以上の式(I)もしくは(II)またはグループ1、1A、2、2A、3、3A、4、4A、5、5A、6、6A、7、7A、8、8A、9、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、10および10Aの化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することにより行われ、その際、有効量は少なくとも消化器運動を促進するのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である。
【0301】
上記方法の好ましい態様において、消化器運動の低下は術後腸閉塞、胃不全麻痺、潰瘍性大腸炎または炎症性腸疾患、たとえばクローン病を伴う対象にみられる。
上記方法のより好ましい他の態様において、胃不全麻痺は糖尿病発症または慢性糖尿病状態に随伴する。
【0302】
本発明の他の特徴および利点は種々の例を含めて本明細書に提示する他の記載から明らかである。提示する例は本発明の実施に有用な種々の成分および方法の説明である。これらの例は特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものではない。本発明の開示に基づいて、当業者は本発明の実施に有用な他の態様および方法を確認および採用することができる。
【0303】
発明の詳細な記述
本発明は、GHS受容体において活性なペプチド系類似体を特徴とする。本発明の類似体はGHS受容体に結合し、好ましくは信号伝達をもたらすことができる。
【0304】
本発明のペプチドを定義するために用いた命名法は当技術分野で一般に用いられているものであり、N-末端アミノ基を左に示し、C-末端カルボキシル基を右に示す;すなわち-NH-C(R)(R')-CO-:ここでRおよびR'はそれぞれ独立して水素またはアミノ酸側鎖であり(たとえば、Ala についてはR = CH3およびR' = H)、あるいはRおよびR'は連結して環系を形成している場合がある。アミノ酸が異性体の形をもつ場合、別途明示しない限りそれが表わすのはL形である。別途特定しない限り、本明細書中で用いるすべての技術用語は本発明が属する技術分野の専門家が一般に理解しているものと同じ意味をもつ。本明細書中に述べたすべての刊行物、特許出願、特許その他の参考文献を本明細書に援用する。
【0305】
命名法と略号
【0306】
【化113−1】

【0307】
【化113−2】

【0308】
本明細書中で用いる特定の他の略号は下記のとおり定義される:
Ac: アセチル
AcOEt: 酢酸エチル
Boc: t-ブチルオキシカルボニル
BSA: ウシ血清アルブミン
BTIB: ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン
Bzl: ベンジル
DCM: ジクロロメタン
DIC: N,N-ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA: ジイソプロピルエチルアミン
Dmab: 4-{N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル)-アミノ}ベンジル
DMAP: 4-(ジメチルアミノ)ピリジン
DMF: ジメチルホルムアミド
DNP: 2,4-ジニトロフェニル
EDC: 1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
EDTA: エチレンジアミン四酢酸
Fmoc: フルオレニルメチルオキシカルボニル
HBTU: ヘキサフルオロリン酸2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム
cHex: シクロヘキシル
HOAT: ヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム
HOBt: 1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール
HOSu: N-ヒドロキシスクシンイミド
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
Mesh: モルホリノエタンスルホン酸水和物
Mmt: 4-メトキシトリチル
NMP: N-メチルピロリドン
Pbf: 2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル
tBu: t-ブチル
TIS: トリイソプロピルシラン
TOS: トシル
Trt: トリチル
TFA: トリフルオロ酢酸
TFFH: ヘキサフルオロリン酸テトラメチルフルオロフォラミジニウム
Z: ベンジルオキシカルボニル。
【0309】
”アルキル”は、1個以上の炭素原子を含み、多数の炭素原子が存在する場合は単結合により連結した、炭化水素基を表わす。アルキル炭化水素基は直鎖であってもよく、1以上の枝分かれまたは環式基を含んでもよい。
【0310】
”置換アルキル”は、炭化水素基の1個以上の水素原子が下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されたアルキルを表わす:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOHおよび-C1-2アルキル;これ自体が、それぞれの場合独立して下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOH。他の態様においては、1〜4個の置換基が存在する。-(CH2)0-4-COOHが存在すると、アルキル酸が生成する。-(CH2)0-4-COOHを含むか、またはそれから構成されるアルキル酸の例(限定ではない)には、2-ノルボルナン酢酸、t-酪酸、3-シクロペンチルプロパン酸などが含まれる。
【0311】
”ヘテロアルキル”は、炭化水素基の1個以上の炭素原子が1個以上の下記の基で置換されたアルキルを表わす:アミノ、アミド、-O-またはカルボニル。他の態様においては、1個以上のヘテロ原子が存在する。
【0312】
”置換ヘテロアルキル”は、炭化水素基の1個以上の水素原子が下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されたヘテロアルキルを表わす:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOHおよび-C1-2アルキル;これ自体が、それぞれの場合独立して下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOH。他の態様においては、1〜4個の置換基が存在する。他の態様においては、1〜4個の置換基が存在する。
【0313】
”アルケニル”は、2個以上の炭素からなり、1以上の炭素-炭素二重結合が存在する、炭化水素基を表わす。アルケニル炭化水素基は直鎖であってもよく、1以上の枝分かれまたは環式基を含んでもよい。
【0314】
”置換アルケニル”は、炭化水素基の1個以上の水素が下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されたアルケニルを表わす:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOHおよび-C1-2アルキル;これ自体が、それぞれの場合独立して下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOH。他の態様においては、1〜4個の置換基が存在する。他の態様においては、1〜4個の置換基が存在する。
【0315】
”アルキニル”は、2個以上の炭素からなり、1以上の炭素-炭素三重結合が存在する、炭化水素基を表わす。アルキニル炭化水素基は直鎖であってもよく、1以上の枝分かれまたは環式基を含んでもよい。
【0316】
”置換アルキニル”は、炭化水素基の1個以上の水素が下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されたアルキニルを表わす:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOHおよび-C1-2アルキル;これ自体が、それぞれの場合独立して下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOH。他の態様においては、1〜4個の置換基が存在する。他の態様においては、1〜4個の置換基が存在する。
【0317】
”アリール”は、共役π電子系をもつ少なくとも1つの環を含み、最高2つの共役または縮合環系を含む、置換されていてもよい芳香族基を表わす。アリールには、炭素環式アリール、複素環式アリールおよびビアリール基が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、アリールは5員環または6員環である。複素環式アリールに好ましい原子は、1個以上の硫黄、酸素および/または窒素である。アリールの例(限定ではない)には、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インドール、キノリン、2-イミダゾールおよび9-アントラセンなどが含まれる。アリールの置換基は、下記よりなる群から選択される:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOHおよび-C1-2アルキル;これ自体が、それぞれの場合独立して下記よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい:ハロゲン(すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、-OH、-CN、-SH、-NH2、-NHCH3、-NO2、-CF3、-OCH3、-OCF3、-(CH2)0-4-COOH。他の態様においては、1〜4個の置換基が存在する。他の態様においては、アリールは0、1、2、3または4個の置換基を含む。
【0318】
”アリールアルキル”または”アルキルアリール”は、”アリール”に結合した”アルキル”を表わす。
”アシル”は、X'-R"-C(O)-を表わし、ここでR"はアルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、アルキルアリールまたは置換アルキルアリールであり、X'はHであるか、または存在しない。
【0319】
本発明は、ジアステレオマー、ならびにそれらのラセミ形、および鏡像異性体として純粋な分割した形を含む。本発明の類似体は、D-アミノ酸、L-アミノ酸またはその組合わせを含むことができる。好ましくは、別途指示しない限り、グレリン類似体中に存在するアミノ酸はL-鏡像異性体である。
【0320】
実施例
本発明の多様な特徴をさらに説明するために、以下に実施例を提示する。実施例は本発明を実施するのに有用な方法をも説明する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0321】
【化114−1】

【0322】
【化114−2】

【0323】
【化114−3】

【0324】
【化114−4】

【0325】
【化114−5】

【0326】
【化114−6】

【0327】
【化114−7】

【0328】
【化114−8】

【0329】
【化114−9】

【0330】
【化114−10】

【0331】
【化114−11】

【0332】
【化114−12】

【0333】
【化114−13】

【0334】
【化114−14】

【0335】
合成
本発明化合物は、本明細書の実施例に開示する方法、および当技術分野で周知の方法により製造することができる。たとえばGHRP類似体のポリペプチド領域は化学的または生化学的に合成および修飾することができる。細胞内への核酸の導入および核酸の発現を伴う生化学的合成法の例は、Ausubel, Current Protocols Molecular Biology, John Wiley, 1987-1998およびSambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989に示されている。ポリペプチドの化学合成法も当技術分野で周知である;たとえばVincent, Peptide and Protein Drug Delivery, ニューヨーク州ニューヨーク, Dekker, 1990。たとえば本発明のペプチドは、標準固相ペプチド合成法により製造できる(たとえばStewart, J.M., et al., Solid Phase Synthesis (Pierce Chemical Co., 第2版, 1984)を参照)。
【0336】
前記式(I)の置換基R1を、当技術分野で既知の標準法によりN-末端アミノ酸の遊離アミンに結合させることができる。たとえばアルキル基、たとえば(C1-C30)アルキルは、還元アルキル化により結合させることができる。ヒドロキシアルキル基、たとえば(C1-C30)ヒドロキシアルキルも還元アルキル化により結合させることができ、この場合は遊離ヒドロキシ基をt-ブチルエステルで保護する。アシル基、たとえばCOE1は、遊離酸、たとえばE1COOHをN-末端アミノ酸の遊離アミンに結合させることにより結合させることができる;完成した樹脂と、3モル当量の遊離酸およびジイソプロピルカルボジイミドの両方とを、塩化メチレン中で約1時間混合することによる。遊離酸が遊離ヒドロキシ基を含む場合(たとえばp-ヒドロキシフェニルプロピオン酸)、さらに3モル当量のHOBTを用いて結合を実施すべきである。
【0337】
本発明のペプチドは、ACT 396 Multiple Biomolecular Synthesizer(登録商標) (Advanced ChemTech(登録商標), ケンタッキー州ルイスビル)(以下、”シンセサイザー”と呼ぶ)により平行して合成することもでき、これにより合成された。シンセサイザーは下記の反応サイクルを実施するようにプログラムされた:
(1)ジメチルホルムアミド(DMF)で洗浄する;
(2) Fmoc保護基をDMF中20%ピペリジンにより、1回目は5分間、2回目は25分間、除去する;
(3) DMFで洗浄する;
(4)室温でジイソプロピルカルボジイミド(DIC)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下に1時間、Fmocアミノ酸と結合させる;
(5) 工程4を繰り返す。
【0338】
中間体A:N-α-Boc-Aib-D-Bal-D-Trp(Boc)-NH2
【0339】
【化115】

【0340】
表題化合物を、ACT 396 synthesizer (登録商標) (Advanced ChemTech (登録商標), ケンタッキー州ルイスビル)でフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)化学により自動的に組み立てた。置換度0.44 mmol/gのSieber樹脂(各反応ウェルにつき50μmol規模, AnaSpec (登録商標), カリフォルニア州サンホゼ)を用いた。Boc-Aib-OHおよびFmoc-D-Trp(Boc)-OHをNovabiochem (登録商標) (カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。Fmoc-D-Bal-OHをChem-Impex International, Inc. (登録商標) (イリノイ州ウッドデール)から購入した。2つの反応ウェル内の樹脂をまずDMF中25%ピペリジン溶液で半時間処理してFmoc保護基を除去し、次いで1.5 mLのDMFで3回洗浄した。結合試薬としてのDIC (DMF中の0.4 N溶液, 300μmol, 6当量)およびHOBt (NMP中の0.3 N溶液, 300μmol, 6当量)、ならびに溶媒としてのNMPを用いて、Fmoc-D-Trp(Boc)-OH (300μmol, 6当量)を樹脂に結合させた。1時間間隔で二重の結合を2回実施した。次いで樹脂をDMF (3×1.5 mL)で洗浄した。上記の脱保護/洗浄/結合/洗浄サイクルを繰り返し、保護したアミノ酸Foci-D-Bal-OHおよびBoc-Aib-OHを用いてD-BalおよびBoc-Aib残基を付加した。組み立てた後、樹脂をDCMで洗浄し、シェーカー上の反応器へ移した。樹脂をDCM中1%TFA (10 mL)と共に10分間振とうした。4 mLのMesh中10%ピリジンを収容したフラスコ内へ溶液を排出した。この操作を2回繰り返した。次いで樹脂をMeshおよびDCMで洗浄した。濾液を合わせて減圧濃縮した。得られた溶液を、次いで:
1).50 mLのDCMで希釈し;
2).20 mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、20 mLの1 M硫酸水素カリウム水溶液、および20 mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し;
3).無水硫酸ナトリウムで乾燥させ;
4).濾過し;そして
5).減圧下で蒸発乾固した。
重量57 mgの白色粉末が得られた。エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI MS)は692.4の分子量を示した(計算分子量691.9と一致)。最終生成物は分析用HPLC分析に基づいて純度99%と判定された。
【0341】
中間体B:N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-H
【0342】
【化116】

【0343】
N-α-Boc-Aib-D-Bal-D-Trp(Boc)-NH2 (中間体A, 48.9 mg, 62μmol)、ピリジン(136μmol, 2.2当量)およびビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン(34.4 mg, 1.1当量)の、水およびアセトニトリル(1:1)中における溶液を、室温で45分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を10 mLのAcOEtに溶解し、2 mLの飽和NaHCO3で3回、2 mLの飽和KHSO4で3回、そして2mLのブラインで3回、洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。収量47.3 mgの目的化合物が得られた。ESI-MS分析は664.0の分子量を示した(計算分子量663.8と一致)。最終生成物は分析用HPLC分析に基づいて純度99%と判定された。
【0344】
中間体C:N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-CHO
【0345】
【化117】

【0346】
N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-H (中間体B, 47.3 mg, 71.2μmol)、HCOOCH3(10.3 mL)およびDIEA (100μL)の混合物を、50℃に一夜加熱した。混合物を5 mLのトルエンで希釈し、ストリッピング処理した。残留物を10 mLの酢酸エチルに溶解し、2 mLの飽和KHSO4で3回、そして2mLのブラインで3回、洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。収量40.5 mgの目的生成物が得られた。最終生成物は分析用HPLC分析に基づいて純度99%と判定された。ESI-MS分析は692.3の分子量を示した(計算分子量691.9と一致)。
【0347】
実施例1:Aib-D-Bal-DgTrp-CHO
【0348】
【化118】

【0349】
N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-CHO (中間体C, 35.5 mg, 51.3μmol)を、5 mLのTFA/チオアニソール/アニソール混合物(v/v/v: 4/0.5/0.5)により0℃で1.5時間処理した。溶液を真空中で蒸発させた。残留物を冷エーテルで摩砕処理し、沈殿を濾過により採集した。粗生成物をC18-(2)のLuna(登録商標)カラム(40 x 130 mm) (Phenomenex(登録商標), カリフォルニア州トランス)を用いるHPLCにより精製した。カラムを95% Aおよび5% Bから60% Aおよび40% Bまでの直線勾配(1時間)で溶離した;Aは水中の0.1% TFA、Bはアセトニトリル中の0.1% TFAであった。生成物を含有する画分をプールし、凍結乾燥した。重量8.4 mgの目的化合物の試料が得られた。最終生成物は分析用HPLC分析に基づいて純度99%と判定された。ESI-MS分析は491.4の分子量を示した(計算分子量491.6と一致)。
【0350】
実施例11:Aib-D-Bal-DgTrp-C(O)CH3
【0351】
【化119】

【0352】
N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-H (中間体B, 50.0 mg, 75.3μmol)、酢酸(82.8μmol)、EDC (82.8μmol)、HOBt (82.8μmol)およびDIEA (82.8μmol)の、DCM (10 mL)中における混合物を、室温で一夜撹拌した。混合物を15 mLのDCMで希釈し、5% NaHCO3水溶液で2回、5%クエン酸水溶液で2回、そしてブラインで2回、洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-C(O)CH3を得た。この中間体をさらに精製せずに使用した。
【0353】
N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-C(O)CH3 (50.0μmol)を、5 mLのTFA/チオアニソール/アニソール混合物(v/v/v: 4/0.5/0.5)により0℃で1.5時間処理した。溶液を真空中で蒸発させた。残留物を冷エーテルで摩砕処理し、沈殿を濾過により採集した。粗生成物をC18-(2)のLuna(登録商標)カラム(40 x 130 mm) (Phenomenex(登録商標), カリフォルニア州トランス)を用いるHPLCにより精製した。カラムを95% Aおよび5% Bから60% Aおよび40% Bまでの直線勾配(1時間)で溶離した;Aは水中の0.1% TFA、Bはアセトニトリル中の0.1% TFAである。生成物を含有する画分をプールし、凍結乾燥して目的化合物を得た。最終生成物は分析用HPLC分析に基づいて純度99.3%と判定された。ESI-MS分析は505.5の分子量を示した(計算分子量505.64と一致)。
【0354】
実施例57:Aib-D-al-DgTrp-SO2CH3
【0355】
【化120】

【0356】
N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-H (中間体B, 50.0 mg, 75.3μmol)、塩化メタンスルホニル(75.3μmol)およびDIEA (82.8μmol)の、DCM 10 mL中における混合物を、室温で一夜撹拌した。混合物を15 mLのDCMで希釈し、5% NaHCO3水溶液で2回、5%クエン酸水溶液で2回、そしてブラインで2回、洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-SO2CH3を得た。この中間体をさらに精製せずに使用した。
【0357】
N-α-Boc-Aib-D-Bal-DgTrp(Boc)-SO2CH3(50.0μmol)を、5 mLのTFA/チオアニソール/アニソール混合物(v/v/v: 4/0.5/0.5)により0℃で1.5時間処理した。溶液を真空中で蒸発させた。残留物を冷エーテルで摩砕処理し、沈殿を濾過により採集した。粗生成物をC18-(2)のLuna(登録商標)カラム(40 x 130 mm) (Phenomenex(登録商標), カリフォルニア州トランス)を用いるHPLCにより精製した。カラムを95% Aおよび5% Bから60% Aおよび40% Bまでの直線勾配(1時間)で溶離した;Aは水中の0.1% TFA、Bはアセトニトリル中の0.1% TFAである。生成物を含有する画分をプールし、凍結乾燥して目的化合物を得た。
【0358】
他の本発明ペプチドは、前記に一般的に開示したものおよび/または以上の実施例に具体的に開示したものと同様な合成法により当業者が製造でき、この方法で表1に示す化合物を合成した。
【0359】
【表1−1】

【0360】
【表1−2】

【0361】
【表1−3】

【0362】
【表1−4】

【0363】
生物学的アッセイ
GHS受容体における本発明化合物の活性は、以下に示す例に記載する方法などを用いて測定でき、この方法で測定された。他の態様において、グレリン類似体は、下記の1以上の機能アッセイ法により測定して天然グレリンと比較して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%の機能活性をもち、および/または下記の受容体結合アッセイにより測定して約1,000 nMより大きい、約100 nMより大きい、約50 nMより大きいIC50をもつ。IC50値に関して”より大きい”は力価を表わし、したがって結合阻害を達成するのに必要な量がより少ないことを示す。
【0364】
ある化合物がGHS受容体を結合する能力を測定するアッセイには、GHS受容体、該受容体のグレリン結合部位を含むフラグメント、そのようなフラグメントを含むポリペプチド、または該ポリペプチドの誘導体を使用する。好ましくは、このアッセイにはGHS受容体またはそのフラグメントを使用する。グレリンを結合するGHS受容体フラグメントを含むポリペプチドは、GHS受容体中にみられない1以上のポリペプチド領域を含むこともできる。そのようなポリペプチドの誘導体は、グレリンを結合するGHS受容体フラグメントおよび1以上の非ペプチド成分を含む。
【0365】
GHS受容体の結合に関与するアミノ酸配列は、標識したグレリンまたはグレリンの構造類似体もしくは機能類似体および種々の受容体フラグメントを用いて、容易に同定できる。種々の方式を用いて被験フラグメントを選択し、結合領域を絞ることができる。そのような方式には、N-末端から開始して約15アミノ酸の長さの連続フラグメントを試験すること、およびより長い長さのフラグメントを試験することが含まれる。より長い長さのフラグメントを試験する場合、グレリン結合フラグメントを小分割して、グレリン結合領域をさらに位置決定することができる。結合試験に使用するフラグメントは、組換え核酸技術により調製できる。
【0366】
結合アッセイは、個々の化合物を用いて、または異なる多数の化合物を含有する調製物を用いて実施できる。GHS受容体に結合する能力をもつ異なる多数の化合物を含有する調製物を、小グループの化合物に分け、これを試験してGHS受容体に結合する化合物を同定することができる。本発明の1態様においては、少なくとも10種類の化合物を含有する被験調製物を結合アッセイに使用する。
【0367】
種々の環境に存在する、組換えにより調製したGHS受容体ポリペプチドを用いて結合アッセイを実施できる。そのような環境には、たとえば組換え核酸または天然核酸から発現したGHS受容体ポリペプチドを含有する細胞抽出物および精製した細胞抽出物が含まれる;たとえば、組換え手段により、または天然核酸から調製した精製GHS受容体ポリペプチドを種々の環境に導入したものの使用も含まれる。
【0368】
GHS受容体活性化合物のスクリーニング
GHS受容体活性化合物のスクリーニングは、組換え発現による受容体を用いることによって容易になる。組換え発現によるGHS受容体を用いると、この受容体を特定の細胞系において発現させることができ、したがってGHS受容体における化合物の応答を他の受容体における応答からより容易に識別できるなど、幾つかの利点が得られる。たとえば、普通はGHS受容体を発現しないHEK 293、COS 7およびCHOなどの細胞系において発現ベクターによりこの受容体を発現させることができ、その際、この発現ベクターを含まない同一細胞系を対照として使用できる。
【0369】
GHS受容体活性を低下させる化合物のスクリーニングは、グレリン機能類似体をアッセイに使用することによって容易になる。スクリーニングアッセイにグレリン機能類似体を使用して、GHS受容体活性を発生させる。被験化合物がこの活性に及ぼす影響を測定して、たとえばアロステリックモジュレーターおよびアンタゴニストを同定することができる。
【0370】
GHS受容体活性は、種々の方法で、たとえばGHS受容体の細胞内コンホメーション、Gタンパク質共役活性および/または細胞内メッセンジャーの変化を検出することにより、測定できる。好ましくは、細胞内Ca2+を測定する方法などを用いてGHS受容体活性を測定する。Ca2+を測定するために使用できる当技術分野で周知の方法の例には、Fura-2(登録商標)などの色素の使用およびCa2+-生物発光感受性レポータータンパク質、たとえばエクオリン(aequorin)の使用が含まれる。Gタンパク質活性を測定するためにエクオリンを使用する細胞系の例は、HEK293/aeq17である(Button et al., Cell Calcium, (1993), 14:663-71およびFeighner et al., Science, (1999), 284:2184-8)。
【0371】
異なるGタンパク質に機能的に共役したグレリン結合領域を含むキメラ受容体も、GHS受容体活性の測定に使用できる。キメラGHS受容体は、N末端細胞外ドメイン(膜貫通領域、細胞外ループ領域および細胞内ループ領域から構成される膜貫通ドメイン)および細胞内カルボキシ末端を含む。キメラ受容体の作製方法およびGタンパク質共役応答を測定する方法は、たとえば国際特許出願公開No. WO 97/05252およびU.S.P. No. 5,264,565に示されており、両者を本明細書に援用する。
【0372】
GHS受容体活性の刺激
グレリンの構造類似体および機能類似体を用いて、GHS受容体活性を刺激することができる。そのような刺激を利用して、たとえばGHS受容体調節の影響を試験し、成長ホルモン分泌の影響を試験し、グレリンアンタゴニストを探査もしくは試験し、または対象に有益な効果を達成することができる。達成できる有益な効果には、下記のうち1以上が含まれる:成長ホルモン欠乏状態の処置、筋量および/または骨密度の増大、性的機能障害の克服、体重増加の促進、理想体重の達成、正常な身体機能の回復および/または維持、ならびに/あるいは減退した食欲の増進。
【0373】
体重および/または食欲の増進は、低体重の対象、あるいは体重や食欲に影響を及ぼす疾患および/または状態に罹患している患者および/またはそのような医療処置を受けている患者において、理想体重を達成および/または維持し、体重を増加させ、または食欲を増進するのに有用となる可能性がある。さらに、たとえばブタ、ウシおよびニワトリなどの家畜に体重を増加させる処置を施すことができる。低体重の対象には、”正常”体重範囲または肥満指数("BMI")の下限より約10%少ない、20%少ない、または30%少ない体重をもつ対象が含まれる。BMIは対象の身長/体重比の尺度であり、体重(kg)を身長(m)の二乗で割ることにより計算される。ヒトのBMI”正常”範囲は一般に19〜22であるとみなされている。”正常”体重範囲は当技術分野で周知であり、対象の年齢、体重および/または体型などの要因を考慮する。
【0374】
生物学的アッセイ−実施例
1.受容体結合アッセイ
A.ヒト組換えGHS受容体-1aを発現するCHO-K1細胞の調製
ヒト成長ホルモン分泌促進物質受容体-1a (hGHS-R1a)に対するcDNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、鋳型としてのヒト脳RNA (Clontech(登録商標), カリフォルニア州パロアルト)、hGHS-R1aの全長コード配列をフランキングする遺伝子特異的プライマー(S: 5' - A T G T G G A A C G C G A C G C C C A G C G A A G A G - 3' およびAS: 5' - T C A T G T A T T A A T A C T A G A T T C T G T C C A - 3')、およびAdvantage 2 PCR Kit(登録商標) (Clontech(登録商標))を用いてクローニングした。PCR生成物をpCR2.1ベクター中に、Original TA Cloning Kit(登録商標) (Invitrogen(登録商標), カリフォルニア州カールズバッド)によりクローニングした。全長hGHS-R1aを、哺乳動物発現ベクターpcDNA 3.1 (Invitrogen(登録商標), カリフォルニア州カールズバッド)中にサブクローニングした。プラスミドをチャイニーズハムスター卵巣細胞系CHO-K1 (American Type Culture Collection(登録商標), メリーランド州ロックビル)内へ、リン酸カルシウム法により形質転換した(Wigler, M et al., Cell, (1977), 11:223)。10 %のウシ胎仔血清および1 mMのピルビン酸ナトリウムを補充したRPMI 1640培地(0.8 mg/mlのG418を含有)(Gibco(登録商標), ニューヨーク州グランドアイランド)中のクローニングリング内で増殖させた形質転換細胞を選択することにより、hGHS-R1aを安定に発現する単一細胞クローンを得た。
【0375】
B. hGHS-R1a結合アッセイ:
放射性リガンド結合試験用の膜は、hGHS-R1aを発現する上記のCHO-K1細胞を20 mlの氷冷50 mM Tris-HCl中でBrinkman Polytron(登録商標) (ニューヨーク州ウェストベリー) (設定6、15秒)によりホモジナイズすることによって調製でき、この方法で調製した。ホモジェネートを遠心分離(39,000 g / 10分)により2回洗浄し、2.5 mMのMgCl2および0.1%のBSAを含有する50 mM Tris-HClに最終ペレットを再懸濁した。アッセイのために、一部(0.4 ml)を0.05 nM (125I)グレリン(約2000 Ci/mmol)(Perkin Elmer Life Sciences(登録商標), マサチュセッツ州ボストン)と共に、本発明の競合性非標識被験化合物0.05 mlの存在下および不存在下でインキュベートした。4℃で60分間のインキュベーション後、予め0.5%ポリエチレンイミン/0.1% BSAに浸漬したGF/Cフィルター(Brandel(登録商標), メリーランド州ガイザースバーグ)で速やかに濾過することにより、結合(125I)グレリンを遊離グレリンから分離した。次いでフィルターを5 mlずつの氷冷50 mM Tris-HClおよび0.1%ウシ血清アルブミンで3回洗浄し、フィルターに捕獲された結合放射能をガンマ分光法により計数した(Wallac LKB(登録商標), メリーランド州ガイザースバーグ)。特異的結合は、結合した全(125I)グレリンから、1000 nMのグレリン(Bachem(登録商標), カリフォルニア州トレンス)の存在下で結合したものを差し引いたものとして定義された。
【0376】
【表2−1】

【0377】
【表2−2】

【0378】
【表2−3】

【0379】
2.GHS-R機能活性アッセイ
A.インビトロでのhGHS-R1a仲介による細胞内iCa2+動態化
本発明化合物がhGHS-R1a仲介による細胞内iCa2+動態化を刺激する能力を、hGHS-R1a発現細胞により試験した。hGHS-R1aを発現する前記のCHO-K1細胞を、0.3% EDTA/リン酸緩衝化生理食塩水(25℃)中でのインキュベーションおよび遠心分離による2回の洗浄により採集した。蛍光Ca2+指示薬Fura-2AMの負荷のために、洗浄した細胞をハンクス緩衝化生理食塩水(HBSS)に再懸濁した。濃度約106個/mlの細胞懸濁液を、2μMのFura-2AMと共に約25℃で約30分間インキュベートした。負荷されなかったFura-2AMをHBBS中で2回の遠心分離により除去し、磁気撹拌機構および温度調節式キュベットホルダーを備えた分光蛍光計(日立(登録商標) F-2000)へ最終懸濁液を移した。37℃に平衡化した後、本発明化合物を細胞内iCa2+動態化の測定のために添加した。励起および発光波長は、それぞれ340および510 nmであった。
【0380】
B.インビボGH放出/抑制
当技術分野で周知の方法を用いて、本発明化合物がインビボで成長ホルモン(GH)の放出を刺激または抑制する能力を試験した(Deghenghi, R., et al., Life Sciences, (1994), 54:1321-8; 国際特許出願公開No. WO 02/08250)。化合物がインビボでGH放出を刺激する能力を確認するために、本発明化合物を10日令ラットに予め定めた量、たとえば300 mg/kgで皮下注射した。注射の約15分後に循環GHを測定し、溶媒対照を注射したラットにおけるGHレベルと比較した。
【0381】
同様に、本発明化合物がインビボでグレリン誘発GH分泌に拮抗する能力を試験することができる。化合物を10日令ラットに予め定めた量、たとえば300 mg/kgで、グレリンと共に皮下注射する。たとえば注射の約15分後に循環GHを測定し、グレリンのみを注射したラットにおけるGHレベルと比較する。
【0382】
投与
本発明化合物を対象に投与することができる。”対象”は、哺乳動物または哺乳動物以外の動物、たとえば、限定ではないがヒト、ラット、マウスまたは家畜を表わす。対象という表現は必ずしも疾患または障害の存在を示さないので、対象という用語には、たとえば実験の一部としてグレリン類似体を投与された哺乳動物または哺乳動物以外の動物、障害または障害の軽減を補助するために処置されている哺乳動物または哺乳動物以外の動物、および疾患または障害の発症を遅延または阻止するために予防処置されている哺乳動物または哺乳動物以外の動物がさらに含まれる。
【0383】
”有益な効果”は、疾患または病的状態に罹患している対象における何らかの改善を表わす。そのような改善には、対象の症状の重症度の軽減、疾病の観察可能な実際の低下および/または軽減、たとえば腫瘍サイズの縮小もしくは骨密度の増大、または疾患もしくは状態の実際の反転が含まれるが、これらに限定されない。
【0384】
本発明化合物は、本明細書に示す指針および当技術分野で周知の方法で配合し、対象に投与することができる。好ましい投与経路は、有効量の化合物が標的に到達することを保証するものである。医薬投与に関する指針は一般に、たとえばRemington's Pharmaceutical Sciences 第18版, 編者Gennaro, Mack Publishing, (1990)およびModem Pharmaceutics 第2版, 編者Banker and Rhodes, Marcel Dekker, Inc., (1990)に示されている。
【0385】
本発明化合物は酸塩または塩基塩として製造できる。医薬的に許容できる塩類(水溶性もしくは油溶性または分散性の生成物の形のもの)には、たとえば無機または有機の酸または塩基から形成される一般的な無毒性の塩類または第四級アンモニウム塩が含まれる。そのような塩類の例には下記のものが含まれる:酸付加塩、たとえば酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩;ならびに塩基塩、たとえばアンモニウム塩、アルカリ金属塩、たとえばナトリウム塩およびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、たとえばカルシウム塩およびマグネシウム塩、有機塩基との塩類、たとえばジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、ならびにアミノ酸、たとえばアルギニンおよびリシンとの塩。
【0386】
本発明化合物は注射により、および/または経口、鼻腔、経皮および経粘膜を含めた種々の経路で投与できる。懸濁液として経口投与するための有効成分は、医薬製剤技術分野で周知の方法に従って調製でき、不活性基剤としての微結晶性セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロース、および甘味剤/矯味矯臭剤としての糖類を含有することができる。即時放出錠として、本発明化合物を含む組成物はさらに、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ならびに乳糖および/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含有することができる。
【0387】
鼻腔エアゾル製剤または吸入用製剤は、たとえば塩類溶液中の液剤として、ベンジルアルコールその他の適切な保存剤、生物学的利用能を高めるための吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/または可溶化剤または分散剤を用いて調製できる。
【0388】
本発明化合物は静脈内(ボーラスおよび注入の両方で)、腹腔内、皮下、局所(密封して、または密封せずに)または筋肉内剤形で投与することもできる。注射により投与する場合、注射用の液剤または懸濁液剤は、非経口用として許容できる適切な無毒性の希釈剤もしくは溶剤、たとえばリンゲル液もしくは等張塩化ナトリウム溶液、または適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤、たとえば無菌、無刺激性の固定油(合成モノ-グリセリドまたはジグリセリドを含む)および脂肪酸(オレイン酸を含む)を用いて調製できる。
【0389】
適切な投与方式は、好ましくは当技術分野で周知の要因を考慮して決定され、これには、投与を受ける対象のタイプ、対象の年齢、体重、性別および医学的状態;投与経路;対象の腎臓および肝臓の機能;目標とする効果;ならびに使用する個々の化合物が含まれる。
【0390】
毒性なしに有効性をもたらす範囲内の薬物濃度を求めるのに最適な精度には、標的部位における薬物利用能の動態に基づく方式が必要である。これには、薬物の分布、平衡および排出を考慮する。対象に対する1日量は、対象当たり1日につき0.01〜1,000 mgであると予想される。
【0391】
本発明化合物をキットとして提供することができる。そのようなキットは一般に投与剤形中に有効化合物を含む。剤形は、規則的な間隔で(たとえば1日1〜6回)1日以上、対象に投与した際に、目標とする効果を得ることができるのに十分な量の有効化合物を含有する。好ましくは、キットには、目標とする効果を達成するための剤形の使用および特定の期間にわたって摂取すべき剤形量を指示する説明が含まれる。
【0392】
本発明を具体的に記載したが、採用した技術は限定ではなく説明のためのものであると理解すべきである。明らかに、以上の教示を考慮すると本発明の多くの改変および変更が可能である。したがって、本発明は具体的に記載したもの以外で特許請求の範囲に記載した範囲において実施できると理解すべきである。
【0393】
本明細書中に述べた特許および科学文献は当業者が利用できる技術を提供する。本明細書中に引用したすべての特許刊行物および他の刊行物の全体を本明細書に援用する。
【0394】
他の態様
本発明をその詳細な記述により記載したが、以上の記載は説明のためのものであって、特許請求の範囲に定めた本発明を限定するためのものではないことを理解すべきである。他の観点、利点および改変も特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩
【化1】

[式中:
Xは、
【化2】

であり;
Yは、HまたはNR12R13であり;
Zは、-C(O)-または-SO2-であり;
nは、それぞれの場合、独立して1、2、3、4、5、6、7または8であり;
R1およびR3は、それぞれ独立してHまたは(C1-C4)アルキルであり;
R2およびR4は、それぞれ独立して
【化3】

であり;
R5は、H、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、置換(C1-C6)アルキル、置換(C2-C6)アルケニル、置換(C2-C6)アルキニル、アリール、アルキルアリール、アルキルアリールアルキルまたはアリールアルキルアリールであり;
R8およびR9は、それぞれ独立して(C1-C6)アルキルまたは置換(C1-C6)アルキルであり;
R6、R7、R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立してH、(C1-C6)アルキルまたは置換(C1-C6)アルキルであり;
Qは、Hまたは(C1-C4)アルキルであり;
ただし、該化合物においてR2およびR4の両方が
【化4】

であることはない]。
【請求項2】
R2およびR4のうち少なくとも一方が
【化5】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R2
【化6】

であり;かつ
R4
【化7】

である、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Zが-C(O)-である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Xが
【化8】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Xが
【化9】

であり;かつ
YがHである、
請求項4に記載の化合物。
【請求項8】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Xが
【化10】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項4に記載の化合物。
【請求項10】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Zが-SO2-である、請求項3に記載の化合物。
【請求項12】
Xが
【化11】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Xが
【化12】

であり;かつ
YがHである、
請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
Xが
【化13】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項11に記載の化合物。
【請求項17】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
下記よりなる群から選択される、請求項3に記載の化合物:
【化14−1】

【化14−2】

【化14−3】

【化14−4】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項19】
R2
【化15】

であり;かつ
R4
【化16】

である、
請求項2に記載の化合物。
【請求項20】
Zが-C(O)-である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Xが
【化17】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
Xが
【化18】

であり;かつ
YがHである、
請求項20に記載の化合物。
【請求項24】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Xが
【化19】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項20に記載の化合物。
【請求項26】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
Zが-SO2-である、請求項19に記載の化合物。
【請求項28】
Xが
【化20】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
Xが
【化21】

であり;かつ
YがHである、
請求項27に記載の化合物。
【請求項31】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Xが
【化22】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項27に記載の化合物。
【請求項33】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
下記よりなる群から選択される、請求項19に記載の化合物:
【化23−1】

【化23−2】

【化23−3】

【化23−4】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項35】
R2
【化24】

であり;かつ
R4
【化25】

である、
請求項2に記載の化合物。
【請求項36】
QがHである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
Zが-C(O)-である、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
Xが
【化26】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
Xが
【化27】

であり;かつ
YがHである、
請求項37に記載の化合物。
【請求項41】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
Xが
【化28】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項37に記載の化合物。
【請求項43】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
Zが-SO2-である、請求項36に記載の化合物。
【請求項45】
Xが
【化29】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
Xが
【化30】

であり;かつ
YがHである、
請求項44に記載の化合物。
【請求項48】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
Xが
【化31】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項44に記載の化合物。
【請求項50】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項49に記載の化合物。
【請求項51】
下記よりなる群から選択される、請求項36に記載の化合物:
【化32−1】

【化32−2】

【化32−3】

【化32−4】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項52】
R2
【化33】

であり;かつ
R4
【化34】

である、
請求項2に記載の化合物。
【請求項53】
Zが-C(O)-である、請求項52に記載の化合物。
【請求項54】
Xが
【化35】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項53に記載の化合物。
【請求項55】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
Xが
【化36】

であり;かつ
YがHである、
請求項53に記載の化合物。
【請求項57】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
Xが
【化37】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項53に記載の化合物。
【請求項59】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項58に記載の化合物。
【請求項60】
Zが-SO2-である、請求項52に記載の化合物。
【請求項61】
Xが
【化38】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項61に記載の化合物。
【請求項63】
Xが
【化39】

であり;かつ
YがHである、
請求項60に記載の化合物。
【請求項64】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項63に記載の化合物。
【請求項65】
Xが
【化40】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項60に記載の化合物。
【請求項66】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項65に記載の化合物。
【請求項67】
下記よりなる群から選択される、請求項52に記載の化合物:
【化41−1】

【化41−2】

【化41−3】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項68】
R2
【化42】

であり;かつ
R4
【化43】

である、
請求項2に記載の化合物。
【請求項69】
QがHである、請求項68に記載の化合物。
【請求項70】
Zが-C(O)-である、請求項69に記載の化合物。
【請求項71】
Xが
【化44】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項70に記載の化合物。
【請求項72】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項71に記載の化合物。
【請求項73】
Xが
【化45】

であり;かつ
YがHである、
請求項70に記載の化合物。
【請求項74】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項73に記載の化合物。
【請求項75】
Xが
【化46】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項70に記載の化合物。
【請求項76】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
Zが-SO2-である、請求項69に記載の化合物。
【請求項78】
Xが
【化47】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項77に記載の化合物。
【請求項79】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項78に記載の化合物。
【請求項80】
Xが
【化48】

であり;かつ
YがHである、
請求項77に記載の化合物。
【請求項81】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項80に記載の化合物。
【請求項82】
Xが
【化49】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項77に記載の化合物。
【請求項83】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項82に記載の化合物。
【請求項84】
下記よりなる群から選択される、請求項69に記載の化合物:
【化50−1】

【化50−2】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項85】
R2
【化51】

であり;かつ
R4
【化52】

である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項86】
Zが-C(O)-である、請求項85に記載の化合物。
【請求項87】
Xが
【化53】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項86に記載の化合物。
【請求項88】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項87に記載の化合物。
【請求項89】
Xが
【化54】

であり;かつ
YがHである、
請求項86に記載の化合物。
【請求項90】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項89に記載の化合物。
【請求項91】
Xが
【化55】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項86に記載の化合物。
【請求項92】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項91に記載の化合物。
【請求項93】
Zが-SO2-である、請求項85に記載の化合物。
【請求項94】
Xが
【化56】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項93に記載の化合物。
【請求項95】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項94に記載の化合物。
【請求項96】
Xが
【化57】

であり;かつ
YがHである、
請求項93に記載の化合物。
【請求項97】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項96に記載の化合物。
【請求項98】
Xが
【化58】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項93に記載の化合物。
【請求項99】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項98に記載の化合物。
【請求項100】
下記よりなる群から選択される、請求項85に記載の化合物:
【化59】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項101】
R2
【化60】

であり;かつ
R4
【化61】

である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項102】
QがHである、請求項101に記載の化合物。
【請求項103】
Zが-C(O)-である、請求項102に記載の化合物。
【請求項104】
Xが
【化62】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項103に記載の化合物。
【請求項105】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項104に記載の化合物。
【請求項106】
Xが
【化63】

であり;かつ
YがHである、
請求項103に記載の化合物。
【請求項107】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項106に記載の化合物。
【請求項108】
Xが
【化64】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項103に記載の化合物。
【請求項109】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項108に記載の化合物。
【請求項110】
Zが-SO2-である、請求項102に記載の化合物。
【請求項111】
Xが
【化65】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項110に記載の化合物。
【請求項112】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項111に記載の化合物。
【請求項113】
Xが
【化66】

であり;かつ
YがHである、
請求項110に記載の化合物。
【請求項114】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項113に記載の化合物。
【請求項115】
Xが
【化67】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項110に記載の化合物。
【請求項116】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項115に記載の化合物。
【請求項117】
下記よりなる群から選択される、請求項102に記載の化合物:
【化68】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項118】
R2
【化69】

であり;かつ
R4
【化70】

である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項119】
QがHである、請求項101に記載の化合物。
【請求項120】
Zが-C(O)-である、請求項119に記載の化合物。
【請求項121】
Xが
【化71】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項120に記載の化合物。
【請求項122】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項121に記載の化合物。
【請求項123】
Xが
【化72】

であり;かつ
YがHである、
請求項120に記載の化合物。
【請求項124】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項123に記載の化合物。
【請求項125】
Xが
【化73】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項120に記載の化合物。
【請求項126】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項125に記載の化合物。
【請求項127】
Zが-SO2-である、請求項119に記載の化合物。
【請求項128】
Xが
【化74】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項127に記載の化合物。
【請求項129】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項128に記載の化合物。
【請求項130】
Xが
【化75】

であり;かつ
YがHである、
請求項127に記載の化合物。
【請求項131】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項130に記載の化合物。
【請求項132】
Xが
【化76】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項127に記載の化合物。
【請求項133】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項132に記載の化合物。
【請求項134】
下記よりなる群から選択される、請求項119に記載の化合物:
【化77】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項135】
化合物が下記の式のものである、請求項1に記載の化合物:
【化78−1】

【化78−2】

【化78−3】

【化78−4】

【化78−5】

【化78−6】

【化78−7】

【化78−8】

【化78−9】

【化78−10】

【化78−11】

【化78−12】

【化78−13】

【化78−14】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項136】
請求項135に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項137】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項136に記載の組成物。
【請求項138】
化合物が下記の式のものである、請求項135に記載の化合物:
【化79−1】

【化79−2】

【化79−3】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項139】
請求項138に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項140】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項139に記載の組成物。
【請求項141】
化合物が下記の式のものである、請求項138に記載の化合物:
【化80−1】

【化80−2】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項142】
請求項141に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項143】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項142に記載の組成物。
【請求項144】
化合物が下記の式のものである、請求項141に記載の化合物:
【化81】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項145】
請求項144に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項146】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項145に記載の組成物。
【請求項147】
化合物が下記の式のものである、請求項144に記載の化合物:
【化82】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項148】
請求項147に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項149】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項148に記載の組成物。
【請求項150】
化合物が下記の式のものである、請求項147に記載の化合物:
【化83】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項151】
請求項150に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項152】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項151に記載の組成物。
【請求項153】
化合物が下記の式のものである、請求項135に記載の化合物:
【化84】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項154】
請求項153に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項155】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項154に記載の組成物。
【請求項156】
化合物が下記の式のものである、請求項135に記載の化合物:
【化85】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項157】
請求項156に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項158】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項157に記載の組成物。
【請求項159】
ある化合物がGHS受容体に結合する能力を測定する方法であって、ある化合物が該受容体、該受容体のフラグメント、該受容体のフラグメントを含むポリペプチド、または該ポリペプチドの誘導体への式(I)の化合物の結合に影響を及ぼす能力を測定する工程を含む方法。
【請求項160】
グレリンアゴニストをスクリーニングする方法であって、被験化合物との競合実験に式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を使用する工程を含む方法。
【請求項161】
グレリンアンタゴニストをスクリーニングする方法であって、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を使用してGHS受容体活性を発生させ、次いで被験化合物がGHS受容体活性を変化させる能力を測定する工程を含む方法。
【請求項162】
対象において有益な効果を達成する方法であって、有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は疾患または障害の治療の補助または予防の補助に有益な効果を生じるのに有効なものである方法。
【請求項163】
成長ホルモンの分泌を刺激する必要がある対象においてその分泌を刺激する方法であって、有効量の式(I)のグレリンアゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌増加を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項164】
成長ホルモン分泌の刺激が、成長ホルモン欠乏状態の処置、筋量の増加、骨密度の増大、雄もしくは雌における性的機能障害、体重増加の促進、体重維持の促進、身体機能維持の促進、身体機能回復の促進、および/または食欲増進の促進に適用される、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
体重増加の促進、体重維持の促進、および/または食欲増進の促進が、体重減少を伴う疾患もしくは障害をもつ患者または体重減少を伴う処置を受けている患者に適用される、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
体重減少を伴う疾患または障害に、食欲減退、食欲異常亢進、癌性悪液質、エイズ、エイズ衰弱、悪液質、心血管疾患、骨粗鬆症、関節炎、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、慢性腎不全、および虚弱高齢者における衰弱が含まれる、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
体重減少を伴う処置に、化学療法、放射線療法、一時的または永久的な固定、および透析が含まれる、請求項165に記載の方法。
【請求項168】
成長ホルモンの分泌を抑制する必要がある対象においてその分泌を抑制する方法であって、有効量の式(I)のグレリンアンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌減少を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項169】
成長ホルモンの分泌の抑制が、過度の成長ホルモン分泌を特徴とする疾患もしくは状態の処置、体重減少の促進、食欲低下の促進、体重維持の促進、肥満症の処置、糖尿病の予防および/または治療、網膜障害を含めた糖尿病合併症の処置、および/または心血管障害の処置に適用される、請求項168に記載の方法。
【請求項170】
過度の体重が、高血圧症、糖尿病、異脂肪血症、心血管疾患、胆石、骨関節炎、プラダー-ウィリ症候群および癌を含めた疾患または状態に関与する因子である、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
体重減少の促進によりそれらの疾患または状態の可能性が低下する、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
体重減少の促進が、それらの疾患または状態の処置の少なくとも一部を構成する、請求項170に記載の方法。
【請求項173】
対象においてグレリンアゴニスト作用を誘発する方法であって、有効量の式(I)のグレリンアゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌減少を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項174】
対象においてグレリンアンタゴニスト作用を誘発する方法であって、有効量の式(I)のグレリンアンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌減少を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項175】
消化器運動を促進する必要がある対象においてそれを促進する方法であって、有効量の式(I)のグレリンアンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも消化器運動を促進するのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項176】
消化器運動の低下が、術後腸閉塞または胃不全麻痺に罹患している対象にみられる、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
胃不全麻痺が糖尿病発症に随伴し、または慢性糖尿病状態により生じる、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
式(II)の化合物またはその医薬的に許容できる塩
【化86】

[式中:
Xは、
【化87】

であり;
Yは、HまたはNR12R13であり;
Zは、-C(O)-または-SO2-であり;
nは、それぞれの場合、独立して1、2、3、4、5、6、7または8であり;
R1およびR3は、それぞれ独立してHまたは(C1-C4)アルキルであり;
R2およびR4は、それぞれ独立して
【化88】

であり;
R5は、Hまたは(C1-C6)アルキルハロであり;
R8およびR9は、それぞれ独立して(C1-C6)アルキルまたは置換(C1-C6)アルキルであり;
R6、R7、R10およびR11は、それぞれ独立してH、(C1-C6)アルキルまたは置換(C1-C6)アルキルであり;
Qは、Hまたは(C1-C4)アルキルであり;
ただし、該化合物においてR2およびR4の両方が
【化89】

であることはない]。
【請求項179】
R2
【化90】

であり;かつ
R4
【化91】

である、
請求項178に記載の化合物。
【請求項180】
QがHである、請求項179に記載の化合物。
【請求項181】
Zが-C(O)-である、請求項180に記載の化合物。
【請求項182】
Xが
【化92】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項4に記載の化合物。
【請求項183】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項182に記載の化合物。
【請求項184】
Xが
【化93】

であり;かつ
YがHである、
請求項182に記載の化合物。
【請求項185】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項184に記載の化合物。
【請求項186】
Xが
【化94】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項181に記載の化合物。
【請求項187】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項186に記載の化合物。
【請求項188】
Zが-SO2-である、請求項180に記載の化合物。
【請求項189】
Xが
【化95】

であり;
R6およびR7が、それぞれ独立してHであり;かつ
R8およびR9が、それぞれ独立してCH3である、
請求項188に記載の化合物。
【請求項190】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項189に記載の化合物。
【請求項191】
Xが
【化96】

であり;かつ
YがHである、
請求項188に記載の化合物。
【請求項192】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項191に記載の化合物。
【請求項193】
Xが
【化97】

であり;かつ
YがNR12R13であり;
その際、R12およびR13は両方ともそれぞれHである、
請求項188に記載の化合物。
【請求項194】
R1がHであり;
R3がHまたはメチルであり;かつ
R5がH、メチル、エチル、イソプロピルまたはt-ブチルである、
請求項193に記載の化合物。
【請求項195】
請求項178に記載の次式の化合物:
【化98】

またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項196】
請求項195に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項197】
医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた、請求項196に記載の組成物。
【請求項198】
ある化合物がGHS受容体に結合する能力を測定する方法であって、ある化合物が該受容体、該受容体のフラグメント、該受容体のフラグメントを含むポリペプチド、または該ポリペプチドの誘導体への式(II)の化合物の結合に影響を及ぼす能力を測定する工程を含む方法。
【請求項199】
グレリンアゴニストをスクリーニングする方法であって、被験化合物との競合実験に式(II)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を使用する工程を含む方法。
【請求項200】
グレリンアンタゴニストをスクリーニングする方法であって、式(II)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を使用してGHS受容体活性を発生させ、次いで被験化合物がGHS受容体活性を変化させる能力を測定する工程を含む方法。
【請求項201】
対象において有益な効果を達成する方法であって、有効量の式(II)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は疾患または障害の治療の補助または予防の補助に有益な効果を生じるのに有効なものである方法。
【請求項202】
成長ホルモンの分泌を刺激する必要がある対象においてその分泌を刺激する方法であって、有効量の式(II)のグレリンアゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌増加を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項203】
成長ホルモン分泌の刺激が、成長ホルモン欠乏状態の処置、筋量の増加、骨密度の増大、雄もしくは雌の性的機能障害、体重増加の促進、体重維持の促進、身体機能維持の促進、身体機能回復の促進、および/または食欲増進の促進に適用される、請求項200に記載の方法。
【請求項204】
体重増加の促進、体重維持の促進、および/または食欲増進の促進が、体重減少を伴う疾患もしくは障害をもつ患者または体重減少を伴う処置を受けている患者に適用される、請求項201に記載の方法。
【請求項205】
体重減少を伴う疾患または障害に、食欲減退、食欲異常亢進、癌性悪液質、エイズ、エイズ衰弱、悪液質、心血管疾患、骨粗鬆症、関節炎、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、慢性腎不全、および虚弱高齢者における衰弱が含まれる、請求項204に記載の方法。
【請求項206】
体重減少を伴う処置に、化学療法、放射線療法、一時的または永久的な固定、および透析が含まれる、請求項202に記載の方法。
【請求項207】
成長ホルモンの分泌を抑制する必要がある対象においてその分泌を抑制する方法であって、有効量の式(II)のグレリンアンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌減少を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項204】
成長ホルモン分泌の抑制が、過度の成長ホルモンを特徴とする疾患もしくは状態の処置、体重減少の促進、食欲低下の促進、体重維持の促進、肥満症の処置、糖尿病の処置、網膜障害を含めた糖尿病合併症の処置、および/または心血管障害の処置に適用される、請求項207に記載の方法。
【請求項209】
過度の体重が、肥満症、高血圧症、糖尿病、異脂肪血症、心血管疾患、胆石、骨関節炎、プラダー-ウィリ症候群および癌を含めた疾患または状態に関与する因子である、請求項208に記載の方法。
【請求項210】
体重減少の促進によりそれらの疾患または状態の可能性が低下する、請求項209に記載の方法。
【請求項211】
体重減少の促進が、それらの疾患または状態の処置の少なくとも一部を構成する、請求項209に記載の方法。
【請求項212】
対象においてグレリンアゴニスト作用を誘発する方法であって、有効量の式(II)のグレリンアゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌減少を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項213】
対象においてグレリンアンタゴニスト作用を誘発する方法であって、有効量の式(II)のグレリンアンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも検出可能な成長ホルモン分泌減少を発生させるのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項214】
消化器運動を促進する必要がある対象においてそれを促進する方法であって、有効量の式(II)のグレリンアンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩を対象に投与する工程を含み、その際、有効量は少なくとも消化器運動を促進するのに十分な量であり、好ましくは患者に有益な効果を達成するのに十分な量である方法。
【請求項215】
消化器運動の低下が、術後腸閉塞または胃不全麻痺に罹患している対象にみられる、請求項214に記載の方法。
【請求項216】
胃不全麻痺が糖尿病発症に随伴し、または慢性糖尿病状態により生じる、請求項215に記載の方法。

【公表番号】特表2009−502811(P2009−502811A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523049(P2008−523049)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/029002
【国際公開番号】WO2007/014258
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(500511604)ソシエテ・ドゥ・コンセイユ・ドゥ・ルシェルシュ・エ・ダプリカーション・シャンティフィック・エス・ア・エス (22)
【Fターム(参考)】