説明

抗しわ剤および皮膚外用剤

【課題】乾燥等によりバリア機能が低下した際に誘導されるしわ、特に小じわを改善する抗しわ剤を提供する。
【解決手段】ホルトノキ科のElaeocarpus sphaericus、ブナ科のQuercus lineata Blume.、ブナ科のQuercus lanata Sm.、マツ科のPinus wallichiana A.B.Jacks 、ヤマノイモ科のDioscorea esculenta Burkill、ワタリモドキ科のCochlospermum religiosum(L.)Alston、ドクウツギ科のCoriaria nepalensis Wall.、クスノキ科のCinnamomum bejolghotaから選ばれる一種または二種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗しわ剤に関し、特に乾燥等によりバリア機能が低下する際に惹起される皮膚の肥厚を抑制して該バリア機能低下に起因するしわ、特に小じわを予防・改善する抗しわ剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚の最外層に位置する角層は細菌や有害物質などの異物の接触や浸透から生体を保護すると共に、体内からの水分蒸散を防ぐことによって皮膚を健全な状態に保持するバリア機能を有する。過度の水仕事や冬場の乾燥、近年では夏場のクーラーの効き過ぎ等によりバリア機能が低下すると、皮膚表面からの経表皮水分蒸発量(trans epidermal water loss:TEWL)が増加し、相対的に角質水分量が低下する。角層水分量の低下により皮溝、皮丘から成る皮紋(きめ)が不規則化すると、皮膚はかさかさした肌荒れ状態を呈する(非特許文献1参照)。
小じわはこの肌荒れが慢性的に続くことにより、不規則になった皮紋が一定方向に流れてできると考えられており、実際に角層水分量の少ない肌状態の人では小じわの面積率が高いことが報告されている(非特許文献2参照)。一般的には乾燥状態が続くと小じわ形成が促進されるといわれているが、季節的な影響の他にも、現代女性はエアコンの普及により夏場でも肌が常に乾燥した環境下に置かれており、20代後半あたりから小じわに対する悩みが増大する。
この皮膚バリア機能低下を防ぎ、皮膚表面からの水分蒸散、ひいては肌荒れや小じわの発生を予防或いは改善するため、グリセリンやNMF(natural moisturizing factor)関連成分、コラーゲン誘導体等の保湿成分を肌に塗布して皮膚の水分保持を高める方法、プラセンタエキス、ビタミン類などの細胞賦活成分を用いて角化細胞のターンオーバーを促進する方法等が提案されている。しかしながら、老化及びしわに関するメカニズムについて明らかではない部分が多かったため、従来の化粧料においては、前述したようなしわ改善のための水分保持に努める等の方法のみであり、それも前述したように充分な効果を発揮していないのが現状である。
【0003】
【非特許文献1】曽根俊郎ら、香粧会誌 Vol.15 No.2 P.60-65(1991)
【非特許文献2】芋川玄爾ら、Fragrance Journal 1992-11、29-42
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記したような従来の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、乾燥等によりバリア機能が低下した際に誘導されるしわ、特に小じわを改善する抗しわ剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願人はこれまでにヘアレスマウス背部にテープストリッピングを継続的に行ってバリア機能を低下させることによって小じわ様のしわを有する動物モデル(バリア破壊しわモデル)を確立した。このモデル動物では角層水分量がコントロールと比較して6割程度に低下していた。組織では表皮および真皮肥厚が顕著で、しわが回復すると肥厚も収まることから、しわ形成と表皮および真皮肥厚には相関性があると考えられた(第30回日本研究皮膚科学会にて発表)。
【0006】
また本出願人は、バリア破壊しわモデルにおいて、ADAM−9、ADAM−10およびADAM−17等の、ディスインテグリンとメタロプロテアーゼドメインを有するADAM(a disintegrin and metalloprotease)ファミリーに属するタンパク質(以下、ADAMと称する)、さらにはそれらADAMによって細胞膜からの遊離および活性化がなされるHB-EGF(ヘパリン結合性EGF様増殖因子;heparin-binding epidermal growth factor-like growth factor)およびAmphiregulinの表皮における遺伝子発現が亢進していること、さらにはそれらADAMの阻害剤を塗布することによって、表皮および真皮の肥厚ならびにしわ形成を抑制できること、ヒトまたは動物の皮膚、皮膚組織または細胞に被験物質を接触させ、前記皮膚、組織または細胞におけるADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルを検出し、ADAMの酵素発生または遺伝子発現レベルを指標として被験物質の抗しわ効果を評価する方法をすでに見出している(特願2005−299524号、特願2005−296219号参照)。
【0007】
一方、ADAM阻害剤としてはTAPI-1{N-(R)-(2-(Hydroxyaminocarbonyl)methyl)-4-Methylpentanoyl-L-Nal-L-Alanine2-Aminoethyl amide(L-Nal:L-3-(2’-Naphthyl)alanine)}や、TAPI-2{N-(R)-(2-(Hydroxyaminocarbonyl)methyl)-4-Methylpentanoyl-L-t-Butyl-Glycyl-L-Alanine2-Aminoethyl amide}が知られているが、これらの物質のADAM阻害能は充分とは言えず、また皮膚外用剤としての安全性は確認されていない。そこで、より安全で効果の高い薬剤の開発が求められてきた。
【0008】
本発明者らは、細胞を用いたADAM阻害薬剤スクリーニング方法を用いてADAM活性を阻害する新規な生薬を探索し、バリア破壊しわモデルを用いて小じわ改善薬剤の効果を検討したところ、特定の生薬が小じわを改善する作用に優れていることを見出し、本発明に至った。
【0009】
本発明は、ホルトノキ科のエラオカルプス スファエリカス(学名:Elaeocarpus sphaericus)、ブナ科のクエルカス リネアタ ブルム.(学名:Quercus lineata Blume.)、ブナ科のクエルカス ラナタ エスエム.(学名:Quercus lanata Sm.)、マツ科のピヌス ウオリチアナ エー.ビー.ジャクス(学名:Pinus wallichiana A.B.Jacks )、ヤマノイモ科のディオスコレア エスクレンタ ブルキル(学名:Dioscorea esculenta Burkill)、ワタリモドキ科のココロスペルマム レリジオスム(エル.)アルストン(学名:Cochlospermum religiosum(L.)Alston)、ドクウツギ科のコリアリア ネパレンシス ウォール(学名:Coriaria nepalensis Wall.)、クスノキ科のシナモマム ベジョルゴタ(学名:Cinnamomum bejolghota)から選ばれる一種または二種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を含有することを特徴とする抗しわ剤である。
【0010】
また本発明は、ブナ科のクエルカス リネアタ ブルム.(学名:Quercus lineata Blume.)、ブナ科のクエルカス ラナタ エスエム.(学名:Quercus lanata Sm.)、マツ科のピヌス ウオリチアナ エー.ビー.ジャクス(学名:Pinus wallichiana A.B.Jacks)、ヤマノイモ科のディオスコレア エスクレンタ ブルキル(学名:Dioscorea esculenta Burkill)、クスノキ科のシナモマム ベジョルゴタ(学名:Cinnamomum bejolghota)から選ばれる一種または二種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を配合してなることを特徴とする皮膚外用剤である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の抗しわ剤は、乾燥等によりバリア機能が低下した際に誘導されるしわ、特に小じわを防止・改善することができる。
【0012】
また本発明の皮膚外用剤は、乾燥等によりバリア機能が低下した際に誘導されるしわ、特に小じわを防止・改善することができ、使用性および安全性にも優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明で用いられるホルトノキ科のエラオカルプス スファエリカス(学名:Elaeocarpus sphaericus)は、ホルトノキ科ホルトノキ属の植物で、ホルトノキ、金剛子、金剛珠、ジュズボダイジュ、インドジュズノキなどと称されている。活性酸素消去作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、エラスターゼ阻害作用、コラゲナーゼ阻害作用、チロシナーゼ阻害作用を有していることが知られている(特開2003−95857号公報参照)。
本発明で用いられるブナ科のクエルカス リネアタ ブルム.(学名:Quercus lineata Blume.)は、メンペンイング(Mempening)と称されている。
本発明で用いられるブナ科のクエルカス ラナタ エスエム.(学名:Quercus lanata Sm.)は、ブナ科コナラ属に属する植物である。
本発明で用いられるマツ科のピヌス ウオリチアナ エー.ビー.ジャクス(学名:Pinus wallichiana A.B.Jacks)は、マツ科マツ属の植物で、ヒマラヤゴヨウと称されている。
本発明で用いられるヤマノイモ科のディオスコレア エスクレンタ ブルキル(学名:Dioscorea esculenta Burkill)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物で、トゲドコロと称されている。
本発明で用いられるワタリモドキ科のココロスペルマム レリジオスム(エル.)アルストン(学名:Cochlospermum religiosum(L.)Alston)は、ワタリモドキ科ワタリモドキ属の植物で、yellow silk-cotton tree、silk cotton tree、yellow cotton treeなどと称されている。
本発明で用いられるドクウツギ科のコリアリア ネパレンシス ウォール(学名:Coriaria nepalensis Wall.)は、ドクウツギ科ドクウツギ属の植物である。
本発明で用いられるクスノキ科のシナモマム ベジョルゴタ(学名:Cinnamomum bejolghota)は、クスノキ科クスノキ属の植物である。
【0014】
本発明で用いられる各植物は、生のままでも乾燥したものでも使用することができるが、使用性、製剤化等の観点から乾燥粉末あるいは溶媒抽出物として用いることが好ましい。
【0015】
それぞれの植物を乾燥粉末あるいは溶媒抽出物とする時の好ましい使用部位は次の通りである。
ホルトノキ科のエラオカルプス スファエリカス(学名:Elaeocarpus sphaericus)については果実を用いるのが好ましいが、他の部位を用いることもできる。
ブナ科のクエルカス リネアタ ブルム.(学名:Quercus lineata Blume.)については樹皮を用いるのが好ましいが、他の部位を用いることもできる。
ブナ科のクエルカス ラナタ エスエム.(学名:Quercus lanata Sm.)については種子を用いるのが好ましいが、他の部位を用いることもできる。
マツ科のピヌス ウオリチアナ エー.ビー.ジャクス(学名:Pinus wallichiana A.B.Jacks)については樹皮を用いるのが好ましいが、他の部位を用いることもできる。
ヤマノイモ科のディオスコレア エスクレンタ ブルキル(学名:Dioscorea esculenta Burkill)については球根を用いるのが好ましいが、他の部位を用いることもできる。
ワタリモドキ科のココロスペルマム レリジオスム(エル.)アルストン(学名:Cochlospermum religiosum(L.)Alston)については樹皮を用いるのが好ましいが、他の部位を用いることもできる。
ドクウツギ科のコリアリア ネパレンシス ウォール(学名:Coriaria nepalensis Wall.)については根以外の全草を用いるのが好ましい。
クスノキ科のシナモマム ベジョルゴタ(学名:Cinnamomum bejolghota)については樹皮を用いるのが好ましいが、他の部位を用いることもできる。
【0016】
上記各植物の溶媒抽出物は常法により得ることができ、例えば、抽出溶媒とともに浸漬または加熱還流した後、濾過し濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒類等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。抽出溶媒として好ましいものは、エタノール、含水エタノール、1,3−ブチレングリコール、含水1,3−ブチレングリコールである。
上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで分液抽出した抽出物等も用いられる。
【0017】
このようにして得た上記植物抽出物は、安全性が高く、優れたADAM活性阻害効果およびしわ防止・改善効果を有する。本発明の抗しわ剤は極めて応用範囲が広く、種々の分野に応用することができる。具体的には、医薬部外品を含む化粧料、医薬品、食品等が挙げられる。
【0018】
なお、本発明の抗しわ剤は、実質的に上記植物抽出物の一種または二種以上からなる配合原料であるが、他の成分を含んでいてもよい。この抗しわ剤が皮膚外用剤に配合されて、本発明の皮膚外用剤が提供される。
【0019】
上記植物抽出物を皮膚外用剤に配合して用いる場合、外用剤全量中に乾燥重量として0.000001〜5.0質量%配合するのが好ましく、より好ましくは0.00001〜3.0質量%、特に好ましくは0.00001〜1.0質量%である。
【0020】
上記植物抽出物を皮膚外用剤に配合して用いる場合、これら抽出物に加えて、本発明の効果を損わない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば油分、界面活性剤、アルコール、増粘剤、キレート剤、活性酸素消去剤、紫外線吸収剤、保湿剤、湿潤剤、各種薬効成分、防腐剤、中和剤、pH調整剤、酸化防止剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0021】
上記任意配合成分のうち、油分としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンサルコール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等の分岐鎖アルコール等の高級アルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、固形パラフィン、ビースワックス、硬化ヒマシ油、カルナウバロウ、バリコワックス等のワックス、牛脂、豚脂、羊脂、スクワラン、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油、綿実油、ホホバ油、ヒマシ油、ラノリン等の動植物油脂、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリメチルプロパントリイソステアレート、イソプロピルミリステート、グリセロールトリ−2−エチルヘキサネート、ペンタエリスリトールテトラ−2−エチルヘキサネート、環状または直鎖シリコーン油、ポリオキシエチレン(以下、POEとも記載する。)ポリオキシプロピレン(以下、POPとも記載する。)ペンタエリスリトールエーテル等の合成油等が挙げられる。
【0022】
界面活性剤としては、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラルリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、モノラウロイルモノエタノールアミドPOEスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、カゼインナトリウム等のアニオン系界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム塩等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系界面活性剤;2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸塩等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE・メチルポリシロキサン共重合体等の親油性非イオン界面活性剤;POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノオレエート、POEグリセリンジステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEコレスタノールエステル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、プルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPモノブチルエーテルPOE・POPアルキルエーテル類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POE脂肪酸アミド、POEアルキルアミン、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド等の親水性非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0023】
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、シトステロール、ラノステロール等が挙げられる。
【0024】
増粘剤としては、アラビアゴム、トラガントガム、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン(トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、コメ)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、POE系高分子、POE・POP共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等の水溶性高分子等が挙げられる。
【0025】
キレート剤としては、シトラマル酸、アガル酸、グリセリン酸、シキミ酸、ヒノキチオール、没食子酸、タンニン酸、コーヒー酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレングリコールジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、フィチン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ならびにこれらの類似体ならびにこれらのアルカリ金属塩およびカルボン酸エステル等が挙げられる。
【0026】
活性酸素消去剤としては、スーパーオキシドディスムターゼ、マンニトール、カタラーゼ、β−カロチン、バイカリン、バイカレイン、ハイドロキノン誘導体、ビリルリン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、没食子酸、没食子酸誘導体、2−O−エチルアスコルビン酸、プロアントシアニジン、セサミン、エピセサミン、メリッサ抽出物、エンメイソウ抽出物、セージ抽出物、ローズマリー抽出物、エレウテロコック抽出物、イチョウ抽出物、チョウジ抽出物、クジン抽出物、ハマメリス抽出物、ソウハクヒ抽出物、バジル抽出物、オタネニンジン抽出物、トウキ抽出物、オウゴン抽出物、センキュウ抽出物等が挙げられる。
【0027】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸オクチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等が挙げられる。
【0028】
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコサミン、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0029】
薬効成分としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェノール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2、dl−α―トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;アズレン、グリチルリチン等の抗炎症剤;アルブチン等の美白剤、エストラジオール等のホルモン剤;酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤;その他塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、イオウ等を配合することができる。さらに多様な薬効を示す各種抽出物を配合することができる。すなわちドクダミエキス、オウバクエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、ボタンピエキス、ヘチマエキス、ユキノシタエキス、ユーカリエキス、チョウジエキス、マロニエエキス、ヤグルマギクエキス、海藻エキス、タイムエキス等が挙げられる。
【0030】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0031】
中和剤としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1、3−プロパンジオール、水酸化カリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0032】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0033】
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、カロチノイド等が挙げられる。
【0034】
上記成分は例示であり、これらに限定されるものではない。またこれら成分は、所望する形態に応じた処方に従い、適宜組み合わせて配合することが可能である。
【0035】
また、本発明の皮膚外用剤は、外皮に適用される化粧料、医薬品、医薬部外品等、特に好適には化粧料に広く適用することが可能であり、その剤型も、皮膚に適用できるものであればいずれでもよく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水―油二層系、水―油―粉末三層系、軟膏、ゲル、エアゾール等、任意の剤型が適用される。
【0036】
また、本発明の皮膚外用剤の使用形態も任意であり、例えば化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料やファンデーションの他、メーキャップ化粧料、芳香化粧料、浴用剤等に用いることができる。なお、上記の剤型および使用形態に本発明の皮膚外用剤がとり得る形態が限定されるものではない。
【0037】
本発明の薬剤を配合した皮膚外用剤は、医薬品、医薬部外品(軟膏剤、歯磨剤等)及び化粧品、例えば洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック、マスク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品;口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等の形態に広く適用可能である。なお、これらの形態に、上記皮膚外用剤の取り得る形態が限定されるものではない。
【0038】
また、剤型も水溶液系、可溶化系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅広い剤型を取り得る。
【0039】
本発明の抗しわ剤を配合した皮膚外用剤を使用することにより、しわ、特に小じわを防止・改善し、若々しくみずみずしい肌を提供することが可能である。
【実施例】
【0040】
次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれにより限定されるものではない。ここで、配合量は質量%である。実施例に先立ち、本発明のしわ防止・改善剤の効果試験について述べる。
【0041】
A.植物抽出物の調製
以下の植物はいずれもネパール産の植物を用いた。
(1)Elaeocarpus sphaericus の50%エタノール水溶液抽出物
Elaeocarpus sphaericus の果実10.0gを、室温で1週間150mlの50%エタノール水溶液に浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、50%エタノール水溶液抽出物3.3gを得た。
【0042】
(2)Quercus lineata Blume. のメタノール抽出物
Quercus lineata Blume. の樹皮50.3gを、室温で1週間500mlのメタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物6.55gを得た。
【0043】
(3)Quercus lanata Sm. の70%エタノール水溶液抽出物
Quercus lanata Sm. の種子10.2gを、室温で1週間100mlの70%エタノール水溶液に浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、70%エタノール水溶液抽出物6.3gを得た。
【0044】
(4)Pinus wallichiana A.B.Jacks のエタノール抽出物
Pinus wallichiana A.B.Jacks の樹皮51.1gを、室温で1週間500mlのエタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、エタノール抽出物10.4gを得た。
【0045】
(5)Dioscorea esculenta Burkill の80%エタノール水溶液抽出物
Dioscorea esculenta Burkill の球根10gを、室温で1週間100mlの80%エタノール水溶液に浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、80%エタノール水溶液抽出物1.1gを得た。
【0046】
(6)Cochlospermum religiosum(L.)Alston のエタノール抽出物
Cochlospermum religiosum(L.)Alston の樹皮10.0gを、室温で1週間100mlのエタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、エタノール抽出物0.84gを得た。
【0047】
(7)Coriaria nepalensis Wall. の50%1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
Coriaria nepalensis Wall. の全草10.2gを、室温で1週間150mlの50%1,3−ブチレングリコール水溶液に浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、50%1,3ブチレングリコール水溶液抽出物1.72gを得た。
【0048】
(8)Cinnamomum bejolghota の30%1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
Cinnamomum bejolghota の樹皮10.9gを、室温で1週間150mlの30%1,3−ブチレングリコール水溶液に浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、30%1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物1.23gを得た。
【0049】
B.ADAM活性阻害物質のスクリーニング
まず、HB-EGF-AP/HT-1080(ヒトHB-EGFのN末端に耐熱性アルカリフォスファターゼ(AP)を付加した融合蛋白質を強制的に発現するように改変したヒト繊維肉腫由来培養細胞HT-1080)を用いてADAM酵素阻害活性を有する化合物のスクリーニングを行った。用いた細胞株HB-EGF-AP/HT-1080の細胞表面上にはアルカリフォスファターゼと融合した形でHB-EGF全長分子が発現している。この細胞をホルボールエステルで刺激すると、細胞膜表面上のADAM酵素が活性化されてHB-EGF分子を切断する。切断されて遊離型となったHB-EGFにはアルカリフォスファターゼが結合しているため、培養上清中のアルカリフォスファターゼ活性を測定することで化合物のADAM酵素阻害活性を間接的に測定できる。
【0050】
具体的には、2.0X105cells/mlになるように細胞数を調整したHB-EGF-AP/HT-1080を96ウェル培養用マイクロプレートに0.2ml/wellずつ播取し、37℃で一晩培養した。培地を除去しPBS(−)で洗浄後、被験物質を含む培地を0.1ml/wellずつ添加し、37℃で30分間インキュベートして前処置した。その後、培養上清を除去し、再度被験物質と60nM TPA(ホルボールエステル:12-o-Tetradecanoylphorbol-acetate; Sigma P8139)を含む培地を0.2ml/wellずつ添加し、さらに60分間インキュベートして処置した。各被検物質の最終濃度は10μg/mlおよび50μg/mlの両方で試験した。
【0051】
処置終了後の各ウェルの培養上清0.1mlをアルカリフォスターゼ活性測定用マイクロプレートのウェルに移し、65℃にて10分間インキュベートし、内在性のアルカリフォスターゼを失活させた。1mg/mlのAP基質(p-nitrophenylphosphate, Wako; 141-02341)を0.1ml/wellずつ各ウェルに添加し、直ちに各ウェルの405nmでの吸光度を測定した。遮光して室温にて2時間インキュベートしたのち、再び各ウェルの405nmでの吸光度を測定した。2時間インキュベート後の吸光度からAP基質添加直後の吸光度を減じたものを各ウェルの吸光度とした。0%阻害コントロール(TPAのみを含む培地)の吸光度をA0、100%阻害コントロール(培地のみ)の吸光度をA100、試料の吸光度をASとし、以下の式により阻害率(%)を算出した。
【0052】
阻害率(%)=(A0−AS)/(A0−A100)×100
【0053】
その結果を表1に示す。表1から、ホルトノキ科のElaeocarpus sphaericus、ブナ科のQuercus lineata Blume.、ブナ科のQuercus lanata Sm.、マツ科のPinus wallichiana A.B.Jacks、ヤマノイモ科のDioscorea esculenta Burkill、ワタリモドキ科のCochlospermum religiosum(L.)Alston、ドクウツギ科のCoriaria nepalensis Wall.、クスノキ科のCinnamomum bejolghotaに高いHB−EGF遊離抑制効果が認められ、ADAM活性を阻害することが示唆された。
【0054】
【表1】

【0055】
C.しわ改善剤の効果試験(バリア破壊しわモデルを用いた小じわ改善効果測定方法)
ヘアレスマウス(HR−1、雄6週齢、星野実験動物)の左側背部にTEWL(水分蒸散測定装置Meeco(Meeco, USA)を用いて測定)が7〜10mg/cm2/hになるように調整しながらテープストリッピングを週3回、4週間継続して行い、毎回テープストリッピング処置直後に1% Cochlospermum religiosum (L.) Alston/エタノール液又は1% Quercus lanata Sm./70%エタノール水溶液を100μlずつ塗布した。n数は6から7とした。
【0056】
4週間後のしわの発生状況を4名の判定者が肉眼観察によりスコア化した。しわの発生状況は「しわなし;0」、「うすいしわ;1」、「明らかなしわ;2」、「深いしわ;3」とし、0.5刻みで点数化した。評点が大きいほどしわが深いことを示す。各群の平均値および標準偏差を算出して薬剤の効果を図1に示した。
【0057】
図1中、「Vehicle」は薬剤なし(エタノール液または70%エタノール水溶液)を示す。図1より、Cochlospermum religiosum (L.) Alston、Quercus lanata Sm.は、Vehicleと比較して有意にしわ抑制効果を示すことがわかる。
【0058】
同時に経表皮水分蒸散量(Transepidermal Water Loss;TEWL)をVapometer(Delfin,フィンランド)を用いて測定した。TEWLは肌荒れの指標で、数値が高いほど肌状態が悪化していることを示す。同一個体の右側背部(=テープストリッピングを行っていない部位)のTEWL値(NT)に対する左側背部(=テープストリッピングを行っている部位)のTEWL値(TS)の比を求め、各群の平均値および標準偏差を算出した。その結果を図2に示す。
図2に示す通り、Vehicle塗布群ではTEWLが約1.5倍に上昇したが、1% Cochlospermum religiosum (L.) Alston/エタノール液又は1% Quercus lanata Sm./70%エタノール水溶液を塗布した群ではテープストリッピングにより惹起されるTEWLの上昇を有意に抑制することが明らかとなった。
【0059】
これらの結果からCochlospermum religiosum (L.) Alston、Quercus lanata Sm.はADAM酵素活性を阻害し、肌荒れに伴う表皮肥厚を抑制することにより小じわ形成を防止することが明らかになった。
【0060】
以下に本発明に係る抗しわ剤を用いた皮膚外用剤の処方例(製剤例)を示す。なお、いずれの皮膚外用剤も優れたしわ防止・改善効果を有していた。
【0061】
製剤例1:しわ防止・改善用クリーム
成分 配合量(質量%)
流動パラフィン 8
ワセリン 3
ジメチルポリシロキサン 2
ステアリルアルコール 3
ベヘニルアルコール 2
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 4
トレハロース 1
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
親油型モノステアリン酸グリセリン 2
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.05
水酸化カリウム 0.015
Quercus lanata Sm.70%エタノール抽出液 2.0
Elaeocarpus sphaericus50%エタノール抽出液 0.001
酢酸トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
フェノキシエタノール 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸三ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン 0.01
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.1
β−カロチン 0.01
ポリビニルアルコール 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
カルボキシビニルポリマー 0.05
精製水 残余
香料 適量
【0062】
製剤例2:しわ防止・改善用クリーム
成分 配合量(質量%)
α−オレフィンオリゴマー 10
ワセリン 1
マイクロクリスタリンワックス 3
デカメチルシクロペンタシロキサン 5
グリセリン 10
ジプロピレングリコール 2
1,3−ブチレングリコール 2
エリスリトール 2
スクワラン 1
グリセリン脂肪酸エステルエイコサンニ酸縮合物 0.1
イソステアリン酸 1
2−エチルヘキサン酸セチル 5
塩化ナトリウム 0.5
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルレチン酸ステアリル 0.05
コウボエキス 0.1
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 2
酢酸トコフェロール 0.5
Cinnamomum bejolghota30%1,3−ブチレングリコール抽出液 1.0
Quercus lineata Blume.エタノール抽出液 1
DL−ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1
エデト酸3ナトリウム 0.1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 2
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量
【0063】
製剤例3:しわ防止・改善用乳液
成分 配合量(質量%)
ワセリン 5
ベヘニルアルコール 0.5
バチルアルコール 0.5
グリセリン 7
1,3−ブチレングリコール 7
1,2−ペンタンジオール 1
キシリット 3
ポリエチレングリコール20000 2
硬化油 2
ホホバ油 2
スクワラン 5
イソステアリン酸 0.5
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.4
水酸化カリウム 適量
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
Dioscorea esculenta Burkill80%エタノール抽出液 1.0
Cochlospermum relgiousum(L.) Alstonエタノール抽出液 0.05
アルブチン 3
酵母エキス 0.1
酢酸トコフェロール 0.1
ベンガラ 適量
クインスシードエキス 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
【0064】
製剤例4:しわ防止・改善用乳液
成分 配合量(質量%)
デカメチルシクロペンタシロキサン 15
トリメチルシロキシケイ酸 5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 5
グリセリン 5
1,3−ブチレングリコール 5
マルチトール液 2
マカデミアナッツ油 2
スクワラン 2
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
2−エチルヘキサン酸セチル 2
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.2
L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム 0.1
α-トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム 0.1
酢酸トコフェロール 0.05
魚コラーゲン 0.4
コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.01
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
Coriaria nepalensis Wall.50%1,3−ブチレングリコール抽出液 1.0
Pinus wallichiana A.B.Jacks エタノール抽出液 1.0
エデト酸三ナトリウム 0.05
ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.05
ケイ酸アルミニウムマグネシウム 0.3
パラベン 適量
精製水 残余
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の植物抽出物を用いた時のしわの発生状況の測定結果を示す図である。
【図2】本発明の植物抽出物を用いた時の経表皮水分蒸散量(Transepidermal Water Loss;TEWL)の測定結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルトノキ科のエラオカルプス スファエリカス(学名:Elaeocarpus sphaericus)、ブナ科のクエルカス リネアタ ブルム.(学名:Quercus lineata Blume.)、ブナ科のクエルカス ラナタ エスエム.(学名:Quercus lanata Sm.)、マツ科のピヌス ウオリチアナ エー.ビー.ジャクス(学名:Pinus wallichiana A.B.Jacks)、ヤマノイモ科のディオスコレア エスクレンタ ブルキル(学名:Dioscorea esculenta Burkill)、ワタリモドキ科のココロスペルマム レリジオスム(エル.)アルストン(学名:Cochlospermum religiosum(L.)Alston)、ドクウツギ科のコリアリア ネパレンシス ウォール(学名:Coriaria nepalensis Wall.)、クスノキ科のシナモマム ベジョルゴタ(学名:Cinnamomum bejolghota)から選ばれる一種または二種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を含有することを特徴とする抗しわ剤。
【請求項2】
ブナ科のクエルカス リネアタ ブルム.(学名:Quercus lineata Blume.)、ブナ科のクエルカス ラナタ エスエム.(学名:Quercus lanata Sm.)、マツ科のピヌス ウオリチアナ エー.ビー.ジャクス(学名:Pinus wallichiana A.B.Jacks)、ヤマノイモ科のディオスコレア エスクレンタ ブルキル(学名:Dioscorea esculenta Burkill)、クスノキ科のシナモマム ベジョルゴタ(学名:Cinnamomum bejolghota)から選ばれる一種または二種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を配合してなることを特徴とする皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−94734(P2008−94734A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−276007(P2006−276007)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】