説明

抗炎症剤

本発明は、炎症性疾患の治療薬の製造のための、一般式(I):


[式中、
zは、1、2、3又は4であり;
Aは、-CO-又は-SO2-であり;
Qは、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、アリール又は置換アリールであり;
T1及びT2は、一緒になって、n個の更なる炭素原子からなるシクロアルキル、シクロアルケニル又はポリシクロアルキルラジカルを構成し(ここで、nは2〜7である);並びに
T1及びT2によって生じる環中の炭素原子に結合された各水素原子は、基R1によって独立に置換されてもよく、ここで、R1は、独立に、1〜20個の炭素原子のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル又はアルキルアミノラジカルから選ばれる;又は
各R1は、独立に、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル又はアミノジアルキルラジカルから選ばれる。]
で表される化合物(但し、(S)-3-(1'-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタムを除く)、医薬組成物、並びに当該化合物及びその塩の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性疾患を予防又は治療することを目的とした医薬を製造するための3-アミノラクタムの1'-置換シクロヘキシル誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症は、生理的な宿主防御の重要な構成要素である。しかしながら、ますます、一時的に又は空間的に不適当な炎症性反応が、明らかな白血球成分を有する疾患(例えば、自己免疫疾患、喘息又はアテローム性動脈硬化症)を含む幅広い疾患において、そして白血球に関連するとは古典的には考えられてこなかった疾患(例えば、骨粗鬆症又はアルツハイマー病)においても役割を果たしていることは明白である。
【0003】
ケモカインは、生理的及び病原的状態において白血球輸送を制御することに関連しているインターロイキン-8に相同的なシグナル分子の巨大ファミリーである。ケモカインシグナル伝達に関連する50超のリガンドと20超の受容体と共に、系は、骨髄から末梢への複雑な免疫調節プロセスを介して、次いで二次的リンパ器官を介して、白血球に対処するために必要な情報密度を有する。しかしながら、ケモカイン系のこの複雑性は、最初は、ケモカイン受容体拮抗薬を介して炎症性反応を調節するための妨げになる薬理的方法を有する。いずれのケモカイン受容体(複数)が所与の炎症性疾患において治療的利益を与えるように抑制されるかを決定するのは、困難であることが明らかになった。
【0004】
ごく最近では、様々なケモカインによるシグナル伝達を遮断する薬剤のファミリーが同時に記載されている:Reckless他, Biochem J. (1999) 340:803-811。第1のこのような薬剤、すなわち用語「ペプチド3」は、5つの異なったケモカインによって誘導される白血球遊走を阻害することが見出されたが、他の化学遊走物質(例えば、fMLP又はTGF-beta)への反応においては変化しなかった。このペプチド及びそのアナログ、例えばNR58-3.14.3(すなわち、配列番号1 c(DCys-DGln-DIle-DTrp-DLys-DGln-DLys-DPro-DAsp-DLeu-DCys)-NH2)は、包括的に「広域スペクトルケモカインインヒビター(BSCI)」と称される。その後、Grainger他, Biochem. Pharm. 65 (2003) 1027-1034は、BSCIが、様々な動物疾患モデルにおいて潜在的に有用な抗体-炎症活性を有することを明らかにした。興味深いことに、複数のケモカインの同時に起こる遮断は、一見して、急性又は慢性の毒性に関連していない。この方法は、ステロイドと同様の利点を有するが副作用が少ない新しい抗-炎症薬を開発するための有用な戦略であるかもしれないことを示唆する。
【0005】
しかしながら、ペプチド及びペプトイド誘導体、例えばNR58-3.14.3は、in vivoでの使用には適さないことがある。それらは合成するには非常に高価であり、比較的望ましくない薬物動態学的及び薬力学的性質を有する。例えば、NR58-3.14.3は、経口的な生物学的利用性がなく、静脈内注射後の30分未満の半減期で血漿から消える。
【0006】
2つの並行的な戦略が、ペプチド3及びNR58-3.14.3の抗-炎症性を保持するが、医薬としての使用のために改善された特徴を有する、新規な調製物を特定するために採用されてきた。第1に、一連のペプチドアナログが開発され、その中には、NR58-3.14.3よりも長い血漿半減期を有し、かなり安価に合成できるものもある。第2に、詳細な構造:合成ペプチドの活性分析は、重要なファルマコフォアを特定し、元のペプチドの有利な性質を保持する小さな非-ぺプチド性構造を設計するために実行されてきた。
【0007】
この第2の方法は、アルカロイドヨヒンビンの16-アミノ及び16-アミノアルキル誘導体、及びN-置換3-アミノグルタルイミドを含む、ペプチドの抗-炎症性を保持する、数個の構造的に異なった一連の化合物を与えた(参考文献:Fox他, J Med Chem 45 (2002) 360-370: WO 99/12968及びWO 00/42071)。これらの化合物の全ては、非-ケモカイン化学遊走物質を超える選択性を保持する広域-スペクトルケモカインインヒビターであり、それらの多数がin vivoで急性炎症を抑制することが明らかになっている。
【0008】
これらの化合物の中で最も強力で選択的ものは、(S)-3-(ウンデセ-10-エノイル)-アミノグルタルイミド(NR58,4)であり、in vitroで5 nMのED50でケモカイン-誘導遊走を阻害した。しかしながら、更なる研究は、アミノグルタルイミドが血清中で酵素的開環を受けることを明らかにした。従って、いくつかの適当(例えば、処置下での炎症が慢性である場合には、例えば、自己免疫疾患において)については、これらの化合物は、最適な性質を有さないことがあり、同様の抗-炎症性を有するより安定な化合物がより優れていることがある。
【0009】
このような安定なアナログを特定する方法として、(S)-3-(ウンデセ-10-エノイル)-アミノグルタルイミドの様々な誘導体が血清中でその安定性について試験されている。そのような誘導体の1つである、6-デオキソアナログ、すなわち(S)-3-(ウンデセ-10-エノイル)-テトラヒドロピリジン-2-オンは、37℃で少なくとも7日間、ヒト血清中で完全に安定であるが、親分子と比べるとかなり効力が低い。
【0010】
そのような安定なものの1つである、広域スペクトルのケモカインインヒビター(BSCI)は、7-員モノラクタム環を有する3-アミノカプロラクタムである。しかしながら、更に有用な抗-炎症性化合物は、異なった環サイズを有する他の3-アミノラクタムから得られる。
【0011】
そのような化合物の1つの具体的に有用な例は、(S)-3-(1'-アダマンタンカルボニルアミノ)カプロラクタムである。この化合物は、in vitroで白血球補充の強力なインヒビターであり、経口的又は注射的送達のいずれであっても、(ステロイド調製物であるデキサメタゾンに比べて)in vivoで強力な抗-炎症活性を有する。(S)-3-(1'-アダマンタンカルボニルアミノ)カプロラクタムは、結晶性であり、製造が比較的簡単でかつ安価であり、良好な医薬的性質を有する。しかしながら、アダマンタン環は、環の水素原子の置換を促進せず、新規又は改良された性質について更なる誘導体を探索する範囲を限定する。
【0012】
(S)-3-(1'-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタム(GB 0417863.8)は、重要な2',2'-二置換四面体炭素原子を保持し、よって、(S)-3-(1'-アダマンタンカルボニルアミノ)カプロラクタムの有利な性質の多くを保持するが、広い範囲の置換を受けやすく、新規又は改良された性質について選別することができる多数の新規誘導体を提供する。例は、シクロヘキシル環が異なったサイズの環と交換される化合物(シクロプロピルからシクロオクチルへ)、1'位でのメチル置換が他の置換基と交換される化合物(ヘテロ原子を含む)、環自体が様々な位置で置換される化合物、及びこれらの修飾のいくつかが同時に行われる化合物を含む。
【発明の開示】
【0013】
本発明は、炎症性疾患を治療するための医薬の製造のための、一般式(I):
【0014】
【化1】

【0015】
[式中、
zは、1、2、3又は4であり;
Aは、-CO-又は-SO2-であり;
Qは、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、アリールもしくは置換アリール、又はtert-ブトキシカルボニルアミノであり;
T1及びT2は、一緒になって、n個の更なる炭素原子からなるシクロアルキル、シクロアルケニル又はポリシクロアルキルラジカルを構成し(ここで、nは2〜7である);並びに
T1及びT2によって生じる環中の炭素原子に結合された各水素原子は、基R1によって独立に置換されてもよく、ここで、R1は、独立に、1〜20個の炭素原子のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル又はアルキルアミノラジカルから選ばれる;又は
各R1は、独立に、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル又はアミノジアルキルラジカルから選ばれる。]
で表される化合物(但し、(S)-3-(1'-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタムを除く)又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0016】
ラクタム環の3位の炭素原子は、不斉であり、よって、本発明に従う化合物は、少なくとも2つの可能な鏡像異性体、すなわち「R」及び「S」配置を有する。本発明は、ラセミの「RS」混合物を含み、2つの鏡像異性体及びこれらの異性体の全ての組合せを含む。すなわち、構造式において特定の配置が示されていないとき、2つの鏡像異性体及びそれらの混合物を示すと理解されたい。
【0017】
本発明に従う化合物の多くは、1つ以上の更なる立体中心を有するだろう、そのため、非常に多くのエナンチオ異性又はジアステレオ異性の配置で存在することがある。本発明は、ラセミ混合物を含む、これの全ての鏡像異性体及びジアステレオ異性体、並びにそれらの異性体の組み合わせを包含する。すなわち、特定の配置が構造式中の所与の位置に示されていない場合には、全ての可能な鏡像異性体又はジアステレオ異性体、並びにそれらの混合物を表すと理解されたい。
【0018】
好ましくは、本発明のこの局面に従って使用される、一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、一般式(I'):
【0019】
【化2】

【0020】
[式中、A、Q、T1、T2、及びzは、上記と同一の意味を有する。]
で表される化合物である。
【0021】
好ましくは、式(I)もしくは(I')の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、T1及びT2によって構成される環(複数)がアルファ-炭素の結合角を本質的に四面体(すなわち、sp3混成結合)であるように束縛するようなものであるだろう。「アルファ炭素」は、(アミドカルボニルに対して)2-位又は(スルホンアミドスルホニル基に対して)1-位のいずれかにある。
【0022】
任意の置換基R1は、T1及びT2によって構成されるシクロ-基の環(複数)上の任意の許容される位置での置換基でよい。特に、本発明の化合物の全ては、シクロ基の2つの部分であり、それ自体置換されている、「アルファ炭素」を有する、ことに留意されたい。この定義は、非置換の本発明の化合物(すなわち、全てのR1=水素)、一置換された本発明の化合物(すなわち、1個のR1は水素でない)、及び複数の置換を有する化合物(すなわち、少なくとも2個のR1基は水素でない)を包含する。
【0023】
本発明はまた、活性成分として、一般式(I):
【0024】
【化3】

【0025】
[式中、
zは、1、2、3又は4であり;
Aは、-CO-又は-SO2-であり;
Qは、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、アリールもしくは置換アリール、又はtert-ブトキシカルボニルアミノであり;
T1及びT2は、一緒になって、n個の更なる炭素原子からなるシクロアルキル、シクロアルケニル又はポリシクロアルキルラジカルを構成し(ここで、nは2〜7である);並びに
T1及びT2によって生じる環中の炭素原子に結合された各水素原子は、基R1によって独立に置換されてもよく、ここで、R1は、独立に、1〜20個の炭素原子のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル又はアルキルアミノラジカルから選ばれる;又は
各R1は、独立に、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル又はアミノジアルキルラジカルから選ばれる。]
で表される化合物(但し、(S)-3-(1'-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタムを除く)又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0026】
好ましくは、本発明のこの局面に従って使用される一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、一般式(I'):
【0027】
【化4】

【0028】
[式中、A、Q、T1、T2及びzは、上記と同一の意味を有する。]
で表される化合物であろう。
【0029】
薬学的に許容される塩は、特に、無機酸、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、の付加塩、及び有機酸、例えば、酢酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、パモ酸及びステアリン酸、の硝酸塩を意味する。水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのような塩基から形成される塩も、それらが使用できる場合には、本発明の範囲内にある。薬学的に許容される塩の他の例については、"Salt selection for basic drugs", Int. J. Pharm. (1986), 33, 201-217を参照することができる。
【0030】
医薬組成物は、固体の形態、例えば、粉剤、顆粒剤、錠剤、ゼラチンカプセル剤、リポソーム又は座薬でよい。好適な固相支持体は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン及びワックスでよい。他の好適な薬学的に許容される賦形剤及び/又は担体は、当業者に知られているだろう。
【0031】
本発明に従う医薬組成物は、液状形態、例えば、液剤、エマルジョン又はシロップ剤で存在することもできる。好適な液状支持体は、例えば、水、有機溶媒、例えばグリセロール又はグリコール、及び水中で変動する割合でのそれらの混合物でよい。
【0032】
本発明はまた、一般式(I):
【0033】
【化5】

【0034】
[式中、
zは、1、2、3又は4であり;
Aは、-CO-又は-SO2-であり;
Qは、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、アリールもしくは置換アリール、又はtert-ブトキシカルボニルアミノであり;
T1及びT2は、一緒になって、n個の更なる炭素原子からなるシクロアルキル、シクロアルケニル又はポリシクロアルキルラジカルを構成し(ここで、nは2〜7である);並びに
T1及びT2によって生じる環中の炭素原子に結合された各水素原子は、基R1によって独立に置換されてもよく、ここで、R1は、独立に、1〜20個の炭素原子のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル又はアルキルアミノラジカルから選ばれる;又は
各R1は、独立に、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル又はアミノジアルキルラジカルから選ばれる。]
で表される化合物(但し、(S)-3-(1'-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタムを除く)又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0035】
好ましくは、本発明のこの局面に従って使用される一般式(I)の化合物又はその塩は、一般式(I'):
【0036】
【化6】

【0037】
[式中、A、Q、T1、T2及びzは、上記と同一の意味を有する。]
で表される化合物であろう。
【0038】
好ましくは、本発明で使用される一般式(I)又は(I')の化合物、又はその塩は、T1及びT2からなる環(複数)が本質的に四面体(すなわち、sp3混成結合)であるようにアルファ-炭素での結合角を束縛するような化合物であろう。
【0039】
いくつかの化合物群(例えば、T1及びT2が一緒になってシクロヘキシルラジカルを特定する場合、QがメチルでありかつAが-CO-である)の比較は、式(I)及び(I')の化合物が、ラクタム環のサイズ(zは、1、2、3又は4である)に関係なく、有用な活性を有することを証明する。
【0040】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシルラジカルを特定し、かつAが-CO-である化合物群内の化合物の比較は、Qでの異なった置換基を有する化合物が本発明に従って活性であることを証明する。例えば、Qがフェニル又はメチルである化合物群では、化合物は、zが2及びzが3である亜群について、本発明に従った活性を有する。同様に、Qがアルキル又はアリール(例えば、QがNHCOOtBuである)でない化合物も、本発明に従った活性を有することが明らかになった。
【0041】
同様に、T1及びT2が一緒になってシクロヘキシル以外の環を特定する化合物は、本発明に従った活性を有することが明らかになった(例えば、T1及びT2は一緒になってシクロペンチルラジカルを特定する)。
【0042】
T1及びT2によって特定される環が様々な置換基を有する化合物と、T1及びT2によって特定される環が置換されていないアナログ化合物との比較は、T1及びT2によって特定される環が置換された化合物が本発明に従って活性であることを証明する(例えば、T1及びT2が一緒になってシクロヘキシルラジカルを特定し、Qがメチルであり、Aが-CO-であり、かつzが3である場合には、その化合物は、シクロヘキシル環の4位でのR1基がtert-ブチル基によって置換されるか否かにかかわらず、本発明に従って活性である;代わりに、T1及びT2が一緒になってシクロヘキシルラジカルを特定し、Qがメチルであり、Aが-CO-であり、かつzが3である場合には、その化合物は、シクロヘキシル環の2位でのR1基がヒドロキシル基によって置換されるか否かにかかわらず、本発明に従って活性である)。
【0043】
具体的には、本発明の任意の局面に従う、一般式(I)又は(I')の好ましい化合物、及びその塩は、以下からなる群より選ばれる:
-(S)-3-(2'-ヒドロキシ-1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム;
-(S)-3-(1'-フェニルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム;
-(S)-S-(1'-フェニルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-テトラヒドロピリジン-2-オン;
-(S)-3-(cis-4'-tert-ブチル-1'-メチル-1'-シクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム;
-(S)-3-(1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-テトラヒドロピリジン-2-オン;
-(S)-3-(1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-ピロリジン-2-オン;
-(S)-3-(1'-((tert-ブトキシカルボ二ルアミノ)シクロペンタンカルボニル)アミノ-カプロラクタム;
-(S)-3-(3'-ヒドロキシ-1'-アダマンタンカルボニル)アミノ-カプロラクタム
及びその塩。
【0044】
本発明はまた、例示化合物のスルホンアミド(A = -SO2-である):すなわち、当該化合物のスルホニル-アミノ-ラクタム等価物を提供する。
【0045】
本発明は、化合物が水和又は溶媒和形態にある、化合物、組成物、及び定義されたその使用を含む。
【0046】
本明細書に記載の3-アミノラクタムのアミド誘導体は、機能性BSCIである。それらは、本明細書に記載の手軽な合成経路を用いて、比較的安価に合成でき;それらは、ヒト血清中で安定であり、よって優れた薬物動態学的性質を有し;それらは、経口的に生物学的利用性があり;それらは、in vitroで非常に強力で広範なスペクトルを有するケモカインインヒビターであり、非-ケモカイン化学遊走物質を超える優れた選択性を有し;それらは、齧歯動物の炎症モデルにおいて、in vivoで、非常に強力かつ有効な抗-炎症剤であり;それらの投与は、最大の治療効果を達成するために必要な用量では、著しい急性毒性に関連しない。総合すれば、これらの性質は、3-アミノラクタムのアミド誘導体が、以前に記載された化合物を超える利益を有する抗-炎症薬を提供することを示唆する。
【0047】
先行技術との比較では、本発明の改善は、1以上のアルキル/アルケニル環を有する側鎖を有する3-アミノラクタム部分を提供して、側鎖のアルファ炭素での結合角を束縛する点にある。本発明の化合物は、直鎖アルキル(alleyl)鎖(アルキルアミドでも又はアルキルスルホンアミドでもよい)を有する化合物よりも著しく優れている。加えて、1'-置換(すなわち、Qが水素でない)環系は、側鎖のアルファ炭素での結合角を束縛するには最適であり、このような化合物は、新規又は改善された活性について試験される化合物をつくるために様々な置換に適している、ことを我々は示す。
【0048】
先行技術のペプチド(例えば、NR58-3.14.3)は、以下の不利益を有する:(a) 合成するには高価であり、かつ(少なくとも長いものを合成するには)固相を必要とする、(b) 腎臓を介して非常に速く消える、及び(c) 一般的に効力が低い。
【0049】
先行技術のアミノグルタルイミドは安価であり、腎臓を介して速く消えない、そしてより効力があるが、代謝的安定性を示さない。
【0050】
本明細書に記載の改良のアミノラクタムは安価で、腎臓を介して消えず、更により効力があり、代謝的安定性も有する。本発明の化合物は、様々かつ簡便な置換を受けやすく、in vitro及びin vivoでの様々なアッセイで新規又は改善された活性について試験され得る抗-炎症活性を有する非常に多くの化合物を生じる。
【0051】
本発明によれば、一般式(I)もしくは(I')の化合物又はその薬学的に許容される塩、又はそれらを活性成分として含む医薬組成物又は医薬によって予防又は治療されることを目的とした炎症性疾患は、特に以下を含む:
−自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症;
−血管障害、例えば卒中、冠動脈疾患、心筋梗塞、不安定狭心症、アテローム性動脈硬化症又は血管炎、例えば、べーチェット症候群、巨細胞性動脈炎、リウマチ性多発性筋痛、ヴェグナー肉芽腫症、チャーグ・ストラウス症候群血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病及び川崎病;
−ウイルス感染又はウイルス複製、例えば、ポックスウイルスを含むウイルスに因る又は当該ウイルスの複製に因る感染、ヘルペスウイルス(例えば、ヘルペスウイルス・サイミリ)、サイトメガロウイルス(CMV)又はレンチウイルス;
−喘息;
−骨粗鬆症(低骨密度);
−腫瘍成長;
−リウマチ様関節炎;
−臓器移植拒絶及び/又は移植又は臓器機能障害(delayed graft or organ function)、例えば腎臓移植患者において;
−高いTNF-αレベルによって特徴付けられる疾患;
−乾癬;皮膚損傷;細胞内寄生虫によって起こる疾患、例えばマラリア又は結核;
−アレルギー; 又は
−アルツハイマー疾患。
【0052】
本発明によれば、更なる炎症性疾患は以下を含む:
−ALS;
−線維症(特に、肺線維症、肺での線維症に限定されない);
−癒着形成(特に、腹膜及び骨盤部位での癒着形成);
−抗原により誘導される想起反応;
−免疫応答抑制。
【0053】
これらの臨床的症候は、炎症性疾患又は高いTNFαレベルによって特徴付けられる疾患の一般的定義に入る。
【0054】
法律的に許容される場合には、本発明はまた、本明細書で請求される化合物、組成物又は医薬の抗体炎症性量の患者への投与によって、炎症性疾患の症候(任意の薬剤に対する逆の炎症性反応を含む)の治療、緩和又は予防方法を提供する。
【0055】
本発明に従う医薬の投与は、局所的、経口的、非経口的経路によって、筋肉内注射等によって行うことができる。
【0056】
本発明に従う医薬のために考えられる投与量は、使用される活性化合物の種類によって0.1 mg〜1O gを含む。
【0057】
本明細書に記載の2以上の化合物のライブラリーの作製も考慮される。そこでは、全ての化合物が一般式(I)に従う構造を有し、よって当該化合物が抗-炎症活性を有さなければならない。その後、このライブラリーは、特定のアッセイにおいて特に活性である化合物について、あるいは、物理的、生物的及び/又は医薬的性質の特定の集合を有し、そのため、特定の適用に特に適している化合物について選別され得る。
【0058】
本発明によれば、一般式(I)又は(I')の化合物は、下記の方法を用いて製造できる。
【0059】
一般式(I)又は(I')の化合物の製造
一般式(I)又は(I')の全ての化合物は、当業者に公知の一般的方法に従って容易に製造できる。
【0060】
とは言うものの、以下の好ましい合成経路を提案する。
【0061】
【化7】

【0062】
第1のステップでは、3-アミノラクタムは、好適なジアミノカルボン酸の直接的な脱水(先に記載された、5-環のアミノラクタムを与える2,4-ジアミノ酪酸、6-環のラクタムを与えるオルニチン、7-環のラクタムを与えるリジン、又は8-環のラクタムを与える2,7-ジアミノヘプタン酸)[Synthesis, 1978, 614-616]、又は7-環ラクタムについて、リジンメチルエステルを用いる先に記載された、同一のジアミノカルボン酸エステルの塩基-介在による環化 [J. Org. Chem., 1979, 44, 4841-4847] によって合成される。
【0063】
第2のステップでは、3-アミノラクタム生成物は、活性化された酸の等価物(例えば、7-環アミノラクタムについて先に記載された好適な酸クロリドと反応する [J. Med. Chem., 2005, 48, 867-74]。
【0064】
上記の反応は、周囲温度(約25℃)又は一般的には20〜50℃の温度で行うことができる。
【0065】
様々な好適な活性化された酸の等価物は、図1に示される合成のステップ2に従って3-アミノラクタムと反応するときには、本発明に従う化合物を与えるだろう。酸の多く(その後で活性化され得る、例えば、酸クロリド又は慣用的なアミド結合合成試薬、例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール及びカルボニルジイミダゾール)は、商業的に入手できる(例えば、1-メチルシクロへキシルカルボン酸は、商業的供給者から容易に入手可能である)。残りの活性化された酸の等価物、又はそれらが容易に得られるカルボン酸もしくはカルボキシレートエステルは、当該分野で周知の様々な方法を用いて合成できる。
【0066】
例えば、3-(1-メチル-2'-ヒドロキシシクロヘキシルカルボニルアミノ)カプロラクタムの合成については、1-メチル-2-ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸は、例えば、カリウムtert-ブトキシドを用いる脱プロトン化(エノール化)に次いでヨードメタンによるメチル化、その後の還元(例えば、水素化ホウ素ナトリウムを用いる)によって、商業的に入手可能な2-オキソシクロヘキシルカルボン酸エチルエステルのメチル化によって合成できた。次いで、得られた、1-メチル-2-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸のエチルエステルは、当該分野で公知の方法を用いて、遊離の酸又は活性化された酸の等価物に容易に変換することができる。
【0067】
保護基が、好適な酸が、活性化された酸の等価物を形成する条件下で反応性である1以上の置換基を有するか、又は3-アミノラクタムとの次の反応によりアミドを形成する、という事象において、図1のスキームのステップ2においてアミド結合形成中に使用されなければならないことがあるのは、当業者には明らかであろう。好適な保護基の選択、及び最も好適な活性化された酸の等価物は、所定の反応については、当業者に公知の明確に確立された原則に従う。
【0068】
例えば、3-(1'-メチル-2'-ヒドロキシシクロヘキシルカルボニルアミノ)カプロラクタムの合成のためには、ヒドロキシル基は、アミド結合形成中に保護されなければならない。例えば、1-メチル-2-ヒドロキシへキシルカルボキシレート(エチルエチテルとして)は、p-トルエンスルホン酸の存在下に、3,4-ジヒドロ-2H-ピランと反応し、エチル 1-メチル-2-(テトラヒドロピラン-2'-イルオキシ)-シクロヘキサンカルボキシレートを与え得る。エステルの酸加水分解の後、得られた保護酸は、例えば、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物及びカルボニルジイミダゾールとの反応によって活性化され、活性化されたHoBTエステルを形成し得る。これは、次いで、好適な3-アミノラクタムと反応して、図1のステップ2においてアミド結合を形成する。次いで、保護基は、例えば、酸性メタノール分解(アセチルクロリドのメタノールを用いる)によって取り除かれて、3-(1'-メチル-2'-ヒドロキシシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタムを与える。
【0069】
定義
用語「約」は、考慮する値の付近のある範囲を意味する。本願で用いる「約X」は、X-Xの10%〜X+Xの10%の範囲、好ましくはX-Xの5%〜X+Xの5%の範囲を意味する。
【0070】
本記載における数値範囲の使用は、明らかに、本発明の範囲内に、範囲内の全ての個々の整数値、及び所与の範囲の最も広い範囲内の上限値と下限値との全ての組合せを含むことを意図する。従って、明確に示しているか否かに関わらず、例えば、(特に)式Iに関して特定される1〜20の炭素原子の範囲は、4〜20の全ての整数、及び上限値と下限値との各々の組合せの全ての下位範囲を含むものとする。
【0071】
本明細書で用いる用語「含むこと」は、含む及び成る、の両方を意味する。従って、本発明が化合物を「活性成分として含む医薬組成物」に関する場合、この用語は、他の活性成分が存在してもよい組成物のみならず、定義された1つの活性成分のみからなる組成物をカバーするものである。
【0072】
他に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野において当業者によって通常理解される意味と同一の意味を有する。同様に、本明細書に記載の、全ての文献、特許文献、全ての特許及び全ての他の参考文献は、(法律的に許容される場合には)参考として本明細書に援用される。
【0073】
以下の実施例は、上記方法を説明するために提供されるものであり、決して本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
【実施例】
【0074】
実施例 1:(S)-3-(2'-ヒドロキシ-1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム(1'及び2'位での立体異性体の混合物として):1-メチル-2-(テトラヒドロピラン-2'-イルオキシ)-シクロヘキサンカルボン酸(合成及び特徴については以下参照, 1.87g, 7.30 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (7 mmol) 及びカルボニルジイミダゾール (7 mmol) をTHF (50 ml) に溶解し、反応を還流下で4時間加熱した。反応を周囲温度に冷却した後、(S,S)-3-アミノ-カプロラクタム ヒドロ-ピロリジン-5-カルボキシレート (8 mmol) 及びNa2CO3 (24 mmol) の水 (50 ml) 溶液を加え、反応を18時間攪拌した。次いで、THFを減圧下に蒸留することにより除き、水層を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層をpH 2の緩衝液及び希水酸化カリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をMeOHに溶解し、アセチルクロリド (1 ml) を加えた。反応を周囲温度で18時間攪拌し、次いで減圧下に除き、残渣を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc:へキサン 1:3〜MeOH:EtOAc 1:19)により精製し、(ジアステレオ異性体混合物としての)ラクタムを粘性固体として得た(1.26 g, 65%, シクロヘキサン酸基準);νmax/cm-1 3277 (NH), 1669, 1624 (CO), 1512 (NH); δH (500 MHz, CDCl3) 7.78-7.62 (1H, m, NH, 3異性体), 7.38 (1H, br s, NH, 1異性体), 6.78-6.48 (1H, m, NH, 4異性体), 4.54-4.28 (2H, NCH + OH, 4異性体), 3.83-3.66 (1H, m, CHOH, 2異性体), 3.42-3.33 (1H, m, CHOH, 2異性体), 3.29-3.16 (2H, m, NCH2, 4異性体), 2.32-1.92 (3H, m, ラクタムCH及びシクロヘキシルCH, 4異性体), 1.86-1.71 (4H, m, ラクタムCH及びシクロヘキシルCH, 4異性体), 1.56-1.09 (10H, m, ラクタムCH及びシクロヘキシルCH, 4異性体及びMe); δc (125 MHz, CDCl3) 178.9, 176.9, 176.8, 176.7, 175.7,175.6 (CO), 72.7, 72.6 (CHOH), 52.1, 51.9, 51.8 (NCH), 46.8, 46.7, 46.1, 45.8 (CH3CCO), 42.0 (NCH2), 35.3, 35.1, 33.2, 33.0, 32.1, 32.0 (シクロヘキシルCH2), 31.5, 31.4, 31.3, 31.1, 29.1, 28.8, 27.9 (ラクタムCH2), 25.2 (CH3), 24.3, 24.2, 24.1, 22.6, 21.0, 20.9, 20.8 (シクロヘキシルCH2), 15.4 (CH3); m/z (MH+ C14H25N2O3の理論値 269.1865) 269.1852, (MNa+ C14H24N2O3Naの理論値 291.1685) 291.1671。
【0075】
保護酸の側鎖1-メチル-2-(テトラヒドロピラン-2'-イルオキシ)-シクロヘキサンカルボン酸の合成のために、エチル 2-オキソシクロヘキサンカルボキシレート (8.5 g, 50 mmol) をN2下で周囲温度で乾燥THFに溶解した。カリウム tert-ブトキシド (75 mmol) をゆっくりと滴下し、反応を5分間攪拌した。ヨードメタン (100 mmol) を次いでゆっくりと加え、反応を周囲温度で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧下に除き、残渣を水とヘキサンとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下に除き、ラセミのエチル 1-メチル-2-オキソ-シクロヘキサンカルボキシレートを無色油として得た(8.11 g,88%); δH (400 MHz, CDCl3) 4.25-4.12 (2H, m, OCH2CH3), 2.55-2.40 (3H, m, CH2CO及び1つの他のシクロヘキサンピーク), 2.05-1.95 (1H, m, シクロヘキサン), 1.77-1.57 (3H, m, シクロヘキサン), 1.50-1.40 (1H, m, シクロヘキサン), 1.28 (3H, s, CCH3) 及び1.25 (1H, t, J 7, CH2CH3)。エチル 1-メチル-2-オキソ-シクロヘキサンカルボキシレート (5.52 g, 30 mmol) を周囲温度でエタノール (100 ml) に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム (1.14 g, 30 mmol) をゆっくりと加えた。1時間後、反応溶媒を減圧下に除き、残渣を水とジクロロメタンとの間で分配した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を除き、エチル 2-ヒドロキシ-1-メチルシクロヘキサンカルボキシレートをジアステレオ異性体の混合物として得た (5.37g 96%)。この原料を次いで保護し、以下のようにエステルを加水分解した:エチル 2-ヒドロキシ-1-メチルシクロヘキサンカルボキシレート (16.7 mmol) を3,4-ジヒドロ-2H-ピラン (17 mmol) 及びp-トルエンスルホン酸 (5 mg) と共に、ジクロロメタンに溶解し、反応を周囲温度で16時間攪拌した。溶媒を減圧下に除き、残渣を得、エタノール (40 ml)、水 (10 ml) 及び水酸化カリウム (20 mmol) に加えた。混合物を終夜還流し、冷却した。反応溶媒を減圧下に除き、残渣を水とジエチルエーテルとの間で分配した。水層をpH 2に酸性化し、次いでジエチルエーテルで抽出した。このエーテル層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下に除き、粗1-メチル-2-(テトラヒドロピラン-2'-イルオキシ)-シクロヘキサンカルボン酸 (2.52 g) をジアステレオ異性体の混合物として得た。この原料を上記の(S)-3-(2'-ヒドロキシ-1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタムの合成に使用した。
【0076】
実施例 2;(S)-3-(1'-フェニルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム:
(S,S)-3-アミノ-カプロラクタム ヒドロ-ピロリジン-5-カルボキシレート (2 mmol) 及びNa2CO3 (6 mmol) の水 (25 ml) を1-フェニルシクロヘキサンカルボニルクロリド (2 mmol) のジクロロメタン (25 ml) 溶液に周囲温度で加え、反応を12時間攪拌した。次いで、有機層を分離し、水相を追加のジクロロメタン (2 x 25 ml) で抽出した。併せた有機層をNa2CO3上で乾燥し、減圧で除いた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc /へキサン〜MeOH / EtOAc)で精製して、ラクタムをアモルファス固体として得た (401 mg, 64%); νmax/cm-1 3270 (NH), 1639 (CO), 1432 (NH); δH (500 MHz, CDCl3) 7.42-7.37 (2H, m, Ph), 7.33-7.27 (2H, m, Ph), 7.22-7.17 (IH, m, Ph), 6.90 (1H, d, J 5.5, CHNH), 6.47-6.20 (1H, br s, CH2NH), 4.41 (1H, dd, J 11, 5.5, CHNH), 3.25-3.09 (2H, m, CH2NH), 2.35-2.25 (2H, m, シクロヘキサンCH), 2.00-1.87 (4H, m, ラクタム環CH及びシクロヘキサン CH), 1.82-1.69 (2H, m, ラクタム環CH), 1.61-1.47 (5H, m, シクロヘキサンCH) 及び1.40-1.25 (3H, m, ラクタム環CH及びシクロヘキサンCH); δc (125 MHz, CDCl3) 175.7, 174.6 (CO)5 143.8 (イプソ-Ph), 128.6 (オルト-又はメタ-Ph), 126.6 (パラ-Ph), 126.3 (オルト-又はメタ-Ph), 52.2 (NHCHCO), 50.5 (C quat), 42.0 (NCH2), 34.5, 34.3, 31.2, 28.8, 27.9, 25.8, 23.1 (x2) (CH2); m/z (MH+ C19H27N2O2の理論値 315.2073) 315.2060。
【0077】
実施例 3:(S)-3-(1'-フェニルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-テトラヒドロピリジン-2-オン:
(S)-3-アミノ-テトラヒドロピリジン-2-オン 塩酸塩 (2 mmol) 及びNa2CO3 (6 mmol) の水 (25 ml) 溶液を、1-フェニルシクロヘキサンカルボニルクロリド (2 mmol) のジクロロメタン (25 ml) 溶液に周囲温度で加え、反応を12時間攪拌した。次いで、有機層を分離し、水相を追加のジクロロメタン (2 x 25 ml) で抽出した。併せた有機層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下に除いた。残渣をヘキサンからの結晶化により精製し、ラクタムを固体として得た (327 mg, 54%); νmax/cm-1 3283, 3196 (NH), 1663, 1650 (CO), 1516 (NH); δH (500 MHz, CDCl3) 7.43-7.35 (2H, m, Ph), 7.35-7.26 (2H, m, Ph), 7.24- 7.17 (IH, m, Ph), 6.48-5.73 (2H, br m, NH), 4.09 (IH, dt, J 11, 5.5, CHNH), 3.30-3.17 (2H, m, CH2NH), 2.52-2.37 (1H, m, ラクタムCH), 2.33-2.21 (2H, m, シクロヘキサンCH), 2.05-1.76 (4H, m, ラクタム環CH及びシクロヘキサンCH), 1.65-1.48 (5H, m, シクロヘキサン CH), 及び1.43-1.27 (2H, m, ラクタム環CH及びシクロヘキサンCH); δc (125 MHz, CDCl3) 175.8, 171.8 (CO), 143.8 (イプソ-Ph), 128.6 (オルト-又はメタ-Ph), 126.6 (パラ-Ph), 126.4 (オルト-又はメタ-Ph), 50.8 (NHCHCO), 50.5 (C quat), 41.4 (NCH2), 34.8, 34.4, 26.7, 25.8, 23.0 (x2), 21.0 (CH2); m/z (MH+ C18H25N2O2の理論値 301.1916) 301.1905, (MNa+ C18H24N2O2Naの理論値 323.1735) 323.1725。
【0078】
実施例 4: (S)-3-(cis-4'-tert-ブチル-1'-メチル-1'-シクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム:
cis-4'-tert-ブチル-1-メチル-1-シクロヘキサンカルボン酸 (Aust. J. Chem. 1970, 1005に従って合成) (328 mg, 1.66 mmol) をジクロロメタン(10 ml)及びオキサリルクロリド (1 ml) 及びジメチルホルムアミド (1滴) に溶解した。反応を周囲温度で1時間攪拌し、次いでジクロロメタン及び過剰のオキサリルクロリドを減圧下に除いた。粗酸クロリド残渣をジクロロメタン (10 ml) に溶解し、この溶液を(S,S)-3-アミノ-カプロラクタム ヒドロ-ピロリジン-5-カルボキシレート (2 mmol) 及びNa2CO3 (6 mmol) の水 (10 ml) 溶液に加え、反応を18時間攪拌した。次いで、有機層を分離し、水相を追加のジクロロメタン (2 x 25 ml) で抽出した。併せた有機層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で除いた。残渣をヘプタンからの再結晶により精製し、ラクタムを得た (297 mg, 58%);νmax/cm-1 3390, 3233 (NH), 1676, 1625 (CO), 1516 (NH); δH (500 MHz, CDCl3) 7.14 (1H, d, J 5.5, CHNH), 6.50-6.30 (1H, br m, CH2NH), 4.53 (1H, dd, J 11, 5.5, CHNH), 3.32-3.17 (2H, m, CH2NH), 2.24-2.14 (2H, m, シクロヘキサンCH), 2.07-1.97 (2H, m, ラクタム環CH), 1.87-1.75 (2H, m, ラクタム環CH), 1.67-1.58 (2H, m, シクロヘキサンCH), 1.48-1.31 (2H, m, ラクタム環CH), 1.20-0.88 (8H, m, シクロヘキサン CH x 5及びCH3) 及び0.77 (9H, s, C(CH3)); δc (125 MHz, CDCl3) 176.0 (CO x 2), 52.0 (NHCHCO), 47.6 (CH), 42.9 (C quat), 42.1, 36.7, 36.5 (CH2), 32.3 (C quat), 31.6 (CH2), 29.4 (CH3), 28.9, 28.0 (CH2), 27.5 ((CH3)3), 24.5 (CH2 x 2); m/z (MNa+ C18H32N2O2Naの理論値 331.2361) 331.2352。
【0079】
実施例 5:(S)-3-(1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-テトラヒドロピリジン-2-オン:
(S)-3-アミノ-テトラヒドロピリジン-2-オン 塩酸塩 (2 mmol) 及びNa2CO3 (6 mmol) の水 (25 ml) 溶液を、1-メチルシクロヘキサンカルボニルクロリド (2 mmol) のジクロロメタン (25 ml) 溶液に周囲温度で加え、反応を18時間攪拌した。次いで、有機層を分離し、水相を追加のジクロロメタン (2 x 25 ml) で抽出した。併せた有機層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で除いた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc: ヘキサン 1:3〜MeOH : EtOAc 1:19) で精製し、アモルファス固体を得た (199 mg, 42%);νmax/cm-1 3335, 3269 (NH), 1650, 1621 (CO), 1529 (NH); δH (500 MHz, CDCl3) 6.65 (1H, br d, J 5, NH), 6.59 (1H, br s, NH), 4.18 (1H, dt, J 11.5, 5.5, CHNH), 3.30 (2H, td, J 6.5, 2.5, CH2NH), 2.52 (1H, ddt, J 13, 5.5, 4.5, ラクタムCH2), 1.92-1.83 (4H, m, 2 x ラクタムCH及び2 x シクロヘキサンCH2), 1.55-1.23 (9H, m, ラクタムCH及び8 x シクロヘキサンCH2) 及び1.11 (3H, s, CH3); δc (125 MHz, CDCl3) 178.0, 172.3 (CO), 50.4 (NHCHCO), 42.6 (CH3C quat), 41.5, 35.6, 35.5, 27.0 (CH2), 26.3 (CH3), 25.7, 22.8 (x2), 20.9 (CH2); m/z (MNa+ C13H22N2O2Naの理論値 261.1579) 261.1570。
【0080】
実施例 6: (S)-3-(1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-ピロリジン-2-オン:
(S)-3-アミノ-ピロリジン-2-オン (2 mmol) 及びNa2CO3 (4 mmol) の水 (25 ml) 溶液を、1-メチルシクロヘキサンカルボニルクロリド (2 mmol) のジクロロメタン (25 ml) 溶液に周囲温度で加え、反応を18時間攪拌した。次いで、有機層を分離し、水相を追加のジクロロメタンで抽出した。併せた有機層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で除いた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc: ヘキサン 1:3〜MeOH : EtOAc 1:19) で精製し、アモルファス固体を得た (276 mg, 62%);νmax/cm-1 3321 (NH), 1698, 1633 (CO), 1526 (NH); δH (400 MHz, CDCl3) 6.98 (1H, br s, NH), 6.34 (1H, br s, NH), 4.26 (1H, ddd, J 10.5, 8.5, 5, CHNH), 3.41-3.26 (2H, m, CH2NH), 2.79-2.67 (1H, m, CH2CH2N), 1.92-1.77 (3H, m, CH2CH2N及び2 x シクロヘキサンCH2), 1.58-1.18 (8H, m, 8 x シクロヘキサンCH2) 及び1.12 (3H, s, CH3); δc (100 MHz, CDCl3) 178.6, 176.3 (CO), 50.9 (NHCHCO), 42.6 (CCO), 39.4, 35.5 (x2), 30.0 (CH2), 26.2 (CH3), 25.7, 22.8 (x2) (CH2); m/z (MH+ C12H21N2O2の理論値 225.1603) 225.1596, (MNa+ C12H21N2O2Naの理論値 247.1422) 147.1417。
【0081】
実施例 7: (S)-3-(1'-((tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンタンカルボニル)アミノ-カプロラクタム:
1-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンタンカルボン酸 (2 mmol) 及びトリエチルアミン (2 mmol) をTHF (20 ml) に溶解し、4-(4,6-ジメトキシ[1,3,5]トリアジン-2-イル)-4-メチル-モルホリニウムクロリド (1.40 mmol) を加えた。反応を16時間攪拌し、 (S,S)-3-アミノ-カプロラクタム ヒドロ-ピロリジン-5-カルボキシレート (2 mmol) 及びNa2CO3 (6 mmol) の水 (20 ml) 溶液を加え、反応を18時間攪拌した。反応溶媒を減圧下に除いた。残渣を酢酸エチルと水との間に分配した。酢酸エチル層を希HCl水溶液及び希NaOH水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を減圧下に除き、残渣を酢酸エチル/へキサンから再結晶し、ラクタムを白色固体として得た (407mg, 60%);νmax/cm-1 3380, 3280 (NH), 1693, 1664, 1644 (CO), 1527, 1497 (NH); δH (400 MHz, CDCl3) 7.53 (1H, d, J 5, NH), 6.90-6.40 (1H, br m, NH), 5.30-4.90 (1H, br m, NH), 4.46 (1H, br dd, J 9.5, 6, CHNH), 3.28-3.13 (2H, m, CH2NH), 2.32-2.12 (2H, m, シクロペンタンCH2), 2.05 (1H, br d, J 13.5, ラクタムCH2), 1.99-1.91 (1H, m, ラクタムCH2), 1.89-1.63 (8H, m, 6 x シクロペンタンCH2及び2 x ラクタムCH2) 及び1.43-1.33 (11H, m, 2 x ラクタムCH2及び(CH3)3); δc (100 MHz, CDCl3) 175.7, 173.4 (COアミド), 154.4 (COカルバメート), 79.8 (OCMe3), 66.7 (NCCO), 52.3 (NHCHCO), 42.0 (NCH2), 37.3, 37.1, 31.3, 28.9 (CH2), 28.3 (x 4) (CH2及び3 x CH3), 28.0, 24.5 (CH2); m/z (MNa+ C17H29N3O4Naの理論値 362.2056) 362.2045, (MH+ C17H29N3O4の理論値 340.2236) 340.2228。
【0082】
実施例 8: (S)-3-(3'-ヒドロキシ-1'-アダマンタンカルボニル)アミノ-カプロラクタム:
3-ヒドロキシ アダマンタン-1-カルボン酸 (2 mmol) 及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (2 mmol) をTHF/CH2C12 (2:3 v/v, 50 ml) に溶解した。1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (2 mmol) を加え、反応を周囲温度で4時間攪拌した。(S,S)-3-アミノ-カプロラクタム ヒドロ-ピロリジン-5-カルボキシレート (2 mmol) 及びNa2CO3 (6 mmol) の水 (15 ml) 溶液を加え、反応を18時間攪拌した。反応溶媒を減圧下に除いた。残渣を水とジクロロメタンとの間に分配した。有機層をpH 2の緩衝剤 (0.5 M Na2SO4/0.5 M NaHSO4) 及び希水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、減圧下で除いた。残渣を再結晶(ヘキサン)し、ラクタムを白色結晶として得た (277 mg, 45%); m.p. (ヘキサン) 197〜199℃; [α]25D (c = 0.5, CHCl3) +29.9; νmax/cm-1 3443 (OH), 3391, 3296 (NH), 1646, 1624 (CO), 1502 (NH); δH (500 MHz, CDCl3) 7.08 (1H, d, J 5.5, CHNH), 6.57 (1H, br t, J 6, CH2NH), 4.43 (1H, ddd, J 11, 5.5, 1.5, CHNH), 3.28-3.16 (2H, m, CH2NH), 2.30 (1H, br s, OH), 2.24 (2H, br s, アダマンタンCH), 2.02-1.91 (2H, m, 2 x ラクタム環CH), 1.85-1.75 (4H, m, 2 x 環CH + 2 x アダマンタンCH), 1.73 (4H, br s, アダマンタンCH), 1.71-1.63 (4H, m, アダマンタンCH), 1.55 (2H, br s, 2 x アダマンタンCH) 及び1.45-1.31 (2H, m, 2 x 環CH); δc (125 MHz, CDCl3) 175.9, 175.7 (CO), 68.3 (COH), 51.9 (NHCHCO), 46.6, 44.2 (x2) (3 x CH2アダマンタン), 44.0 (CCO), 42.1 (CH2N), 37.9 (x2), 35.0 (3 x CH2アダマンタン), 31.5 (CH2ラクタム), 30.4 (2 x CHアダマンタン), 28.8, 27.9 (CH2ラクタム); m/z (MH+ C17H27N2O3の理論値 307.2022) 307.2024, (MNa+ C17H27N2O3Naの理論値 329.1841) 329.1847。
【0083】
本発明の生成物の薬理学的試験
MCP-1誘導白血球遊走の阻害
アッセイ原理
本発明の化合物の生物活性は、ボイデン・チャンバー及び関連するトランスウェル(transwell)遊走アッセイ、アガロース下での遊走アッセイ及び直接的な目に見えるチャンバー、例えばダン・チャンバーを含むがこれらに限定されない、in vitroでの白血球遊走の幅広い範囲の機能性アッセイを用いて証明することができる。
【0084】
例えば、ケモカイン(しかし他の化学遊走物質ではない)への反応における白血球遊走の阻害を証明するために、Neuroprobe(Gaithersburg, MD, USA)製の96-ウェル型マイクロトランスウェルアッセイ系を使用した。原則的に、このアッセイは、多孔性膜によって分離される2つのチャンバーからなる。化学遊走物質は下方の区画に置かれ、細胞は上方の区画に置かれる。37℃で、ある期間インキュベーションした後、細胞は、化学遊走物質の方へ移動し、下方の区画内の細胞数は、(一連の対照に対して)化学遊走物質の活性に比例する。
【0085】
このアッセイは、様々な白血球集団を用いて使用することができる。例えば、新たに調製したヒト末梢血の白血球が使用できる。代わりに、多形核細胞又はリンパ球もしくは単球を含む白血球亜集団は、当業者に周知の方法、例えば、密度勾配遠心沈殿法又は磁性粒子分離法を用いて調製することができる。代わりに、ヒト末梢血の白血球のモデルとして広く確認されている不死細胞株が使用できる。不死細胞株としては、単球のモデルとしてのTHP-1細胞及び未処理のT細胞のモデルとしてのジャーカット細胞を含むがこれらに限定されない。
【0086】
アッセイの様々な条件は、ケモカイン-誘導白血球遊走の阻害を証明することができるが、具体的な例を本明細書に示す。
【0087】
材料
トランスウェル遊走系は、Neuroprobe(Gaithersburg, MD, USA)製である。使用したプレートは、ChemoTxプレート(Neuroprobe 101-8)であり、30μlの透明プレート(Neuroprobe MP30)である。ゲイ平衡塩類溶液はシグマ(Sigma G-9779)から購入した。脂肪酸無しのBSAは、シグマ(Sigma A-8806)から購入した。MTT、すなわち3-(4,5-ジメチルシアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミドは、シグマ(Sigma M-5655)から購入した。フェノールレッドを含まないRPMI-1640は、シグマ(Sigma R-8755)から購入した。白血球細胞集団として、THP-1細胞株(欧州細胞カルチャーコレクション)を使用した。
【0088】
試験プロトコール
MCP-1誘導白血球遊走について本発明の化合物を試験するために、以下の手法を用いた。
第1に、上方区画に置くことになる細胞懸濁液を調製した。THP-1細胞を遠心(770 x g; 4分)でペレット化し、ゲイ平衡塩類溶液、1 mg/ml BSA(GBSS + BSA)で洗浄した。次いで、この洗浄を繰り返し、細胞を再度ペレット化し、その後、例えば、標準的なヘモサイトメーターを用いてカウントするために、少量のGBSS + BSAに再懸濁した。
【0089】
次いで、細胞が4.45 x 106細胞/mlのGBSS + BSAの最終濃度であるように、GBSS + BSAの体積を存在する細胞数によって調整した。このことは、プレートの上方チャンバー内に置くことになる溶液の各25μl中に100,000 THP-1細胞が存在することを確実にする。
【0090】
MCP-1誘導遊走を阻害する能力について単一化合物を試験するために、2つのロットの細胞を調製する必要がある。THP-1細胞の4.45 x 106細胞/mlの懸濁液を2つのポットに分割した。1つのポットには、好適な最終濃度で、好適なビヒクル中で、試験下のインヒビターを加えた(例えば、1% DMSO以下の中で、1μMで)。第2のポットには、GBSS + BSAと、必要に応じてビヒクル(例えば、1% DMSO以下)とを等量で加え、対照とした。
【0091】
次に、下方区画に置くことになる化学遊走物質溶液を調製した。MCP-1は、GBSS + BSAで希釈し、25 ng/mlの最終濃度とした。細胞懸濁液について、これを2つのポットに分割した。1つのポットには、細胞懸濁液に加えたのと同じ最終濃度で、試験化合物を加え、一方、他のポットには、GBSS + BSAと、必要に応じてビヒクル(例えば、1% DMSO以下)とを等量で加えた。
【0092】
下方区画用の溶液中のMCP-1の最終濃度及び上方区画中の細胞の最終濃度を決めるときに、試験化合物を添加するために加えなければならない液体量を考慮する必要があることに留意されたい。
【0093】
下方ウェル用の化学遊走物質溶液及び上方チャンバー用の細胞溶液を調製した後、遊走チャンバーを組み立てなければならない。好適な化学遊走物質溶液の29μlをチャンバーの下方ウェルに入れた。各条件について少なくとも3点測定でアッセイを行う必要がある。下方チャンバーの全てを満たした後、多孔性膜(prous membrane)を製造者の教示に従ってチャンバーに適用した。最後に、好適な細胞溶液の25μlを各上方チャンバーに適用した。蒸発を防ぐために、容器全体をプラスチックの蓋で覆った。
【0094】
組み立てたチャンバーを37℃、5% CO2で、2時間インキュベートした。GBSS + BSA中での細胞の懸濁液もまた、同一の条件下に、チューブ中でインキュベートした:これらの細胞は、各条件下で下方チャンバーに遊走した細胞数を決定するための曲線を作成するために使用することになる。
【0095】
インキュベーションの最後に、液体細胞懸濁液を、上方チャンバーから静かに除き、20μlの氷冷20 mM EDTAのPBSを上方チャンバーに加え、器具を40℃で15分間インキュベートした。この方法は、望ましくない膜に細胞を接着させ、下方チャンバーに落とすことができる。
【0096】
このインキュベーション後に、フィルターを注意深く、GBSS + BSAでフラッシュし、EDTAを洗い落とし、次いでフィルターを除いた。
【0097】
各条件下で下方チャンバーに遊走した細胞数は、直接的なカウント、蛍光もしくは放射性マーカーによる標識化、又はバイタル色素の使用による、を含む多数の方法によって測定することができる。典型的には、我々は、バイタル色素MTTを使用した。3μlのストックMTT溶液を各ウェルに加え、次いで、プレートを、37℃で、細胞内のデヒドロゲナーゼ酵素が溶解性MTTを分光光度法で定量化できる不溶性ブルーホルマザンに変換する時間である、1〜2時間インキュベートした。
【0098】
並行して、8-点標準曲線を設定した。各上方チャンバーに加えた細胞数(100,000)から開始して、GBSS + BSAで2-倍に段階希釈して濃度を下げ、細胞をプレートに25μlで加え、3μlのMTTストック溶液を加えた。標準曲線プレートを遊走プレートの横でインキュベートした。
【0099】
このインキュベーションの最後に、沈殿したホルマザン生成物を邪魔しないように注意して、下方チャンバーから液体を注意深く除いた。空気乾燥を短時間行った後、ブルー色素を溶解するために、20μlのDMSOを各下方チャンバーに加え、595 nmでの吸収を96-ウェルプレートリーダーを用いて測定した。次いで、各ウェルの吸収を、各下方チャンバー内の細胞数を見積もるために標準曲線に挿入した。
【0100】
MCP-1が25 ng/mlで存在する下方区画に到達した平均細胞数から、MCP-1を加えないウェル中の下方区画に到達した平均細胞数を差し引くことによって、MCP-1刺激遊走を決定した。
【0101】
試験物質の影響は、試験物質の様々な濃度の存在又は非存在下で起こるMCP-1-誘導遊走を比較することによって計算した。典型的には、遊走阻害は、物質の存在によって阻害された総MCP-1誘導遊走のパーセンテージとして表した。ほとんどの物質について、用量-反応グラフは、様々な異なった化合物濃度(典型的には、1nM〜1μMの範囲、又は低活性化合物の場合にはより高い濃度)で起こるMCP-1誘導遊走の阻害を決定することによって作成した。次いで、各化合物の阻害活性は、MCP-1-誘導遊走を50%減少させるために必要な化合物濃度(ED50濃度)として表した。
【0102】
結果
実施例1〜7の化合物を試験し、この試験では、100 nM以下のED50を有することが明らかになった。
【0103】
エナンチオ選択性
シリーズの2つの異なったメンバーの内の(アミノラクタム環の3位における)(S)-及び(R)-鏡像異性体を合成して、生物活性がエナンチオ選択性を示すか否かを決定した。
【0104】
MCP-1誘導THP-1細胞遊走のインヒビターとしての化合物各々の用量-応答曲線は、トランスウェル遊走アッセイを用いて決定することができた。
【0105】
In vivoでの抗-炎症剤としての本発明の化合物の適用のためには、2つの鏡像異性体のラセミ混合物又は化合物の純粋な(R)-鏡像異性体よりもむしろ、化合物の純粋な(S)-鏡像異性体を用いることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】図1は、本発明に従う化合物例の化学構造を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性疾患を治療するための医薬の製造のための、一般式(I):
【化1】

[式中、
zは、1、2、3又は4であり;
Aは、-CO-又は-SO2-であり;
Qは、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、アリールもしくは置換アリール、又はtert-ブトキシカルボニルアミノであり;
T1及びT2は、一緒になって、n個の更なる炭素原子からなるシクロアルキル、シクロアルケニル又はポリシクロアルキルラジカルを構成し(ここで、nは2〜7である);並びに
T1及びT2によって生じる環中の炭素原子に結合された各水素原子は、基R1によって独立に置換されてもよく、ここで、R1は、独立に、1〜20個の炭素原子のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル又はアルキルアミノラジカルから選ばれる;又は
各R1は、独立に、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル又はアミノジアルキルラジカルから選ばれる。]
で表される化合物(但し、(S)-3-(1'-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタムを除く)又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項2】
炎症性疾患を治療するための医薬の製造のための、一般式(I'):
【化2】

[式中、A、Q、T1、T2、及びzは、上記と同一の意味を有する。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項3】
活性成分として、一般式(I):
【化3】

[式中、
zは、1、2、3又は4であり;
Aは、-CO-又は-SO2-であり;
Qは、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、アリールもしくは置換アリール、又はtert-ブトキシカルボニルアミノであり;
T1及びT2は、一緒になって、n個の更なる炭素原子からなるシクロアルキル、シクロアルケニル又はポリシクロアルキルラジカルを構成し(ここで、nは2〜7である);並びに
T1及びT2によって生じる環中の炭素原子に結合された各水素原子は、基R1によって独立に置換されてもよく、ここで、R1は、独立に、1〜20個の炭素原子のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル又はアルキルアミノラジカルから選ばれる;又は
各R1は、独立に、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル又はアミノジアルキルラジカルから選ばれる。]
で表される化合物(但し、(S)-3-(1'-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタムを除く)又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項4】
活性成分として、一般式(I'):
【化4】

[式中、A、Q、T1、T2、及びzは、上記と同一の意味を有する。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項5】
一般式(I):
【化5】

[式中、
zは、1、2、3又は4であり;
Aは、-CO-又は-SO2-であり;
Qは、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、アリールもしくは置換アリール、又はtert-ブトキシカルボニルアミノであり;
T1及びT2は、一緒になって、n個の更なる炭素原子からなるシクロアルキル、シクロアルケニル又はポリシクロアルキルラジカルを構成し(ここで、nは2〜7である);並びに
T1及びT2によって生じる環中の炭素原子に結合された各水素原子は、基R1によって独立に置換されてもよく、ここで、R1は、独立に、1〜20個の炭素原子のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル又はアルキルアミノラジカルから選ばれる;又は
各R1は、独立に、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル又はアミノジアルキルラジカルから選ばれる。]
で表される化合物(但し、(S)-3-(1'-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)-カプロラクタムを除く)。
【請求項6】
一般式(I'):
【化6】

[式中、A、Q、T1、T2、及びzは、上記と同一の意味を有する。]
で表される化合物。
【請求項7】
T1及びT2によって特定される環(複数)が、本質的に4面体(すなわち、sp3ハイブリッド結合)になるように、アルファ炭素での結合角度を束縛する、請求項1〜6のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項8】
Aが-CO-である、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項9】
Qがメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項10】
Qがメチル又は置換フェニルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項11】
Aが-CO-であり、かつQがメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項12】
Aが-CO-であり、かつQがフェニル又は置換フェニルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項13】
zが2又は3である、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項14】
zが3である、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項15】
zが3であり、かつAが-CO-である、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項16】
zが3であり、Aが-CO-であり、かつQがメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項17】
zが3であり、Aが-CO-であり、かつQがフェニル又は置換フェニルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項18】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシル、置換シクロヘキシル、シクロヘキセニル、又は置換シクロヘキセニルラジカルを構成する、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項19】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシル、置換シクロヘキシル、シクロヘキセニル、又は置換シクロヘキセニルラジカルを構成し、かつzが3である、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項20】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシル、置換シクロヘキシル、シクロヘキセニル、又は置換シクロヘキセニルラジカルを構成し、zが3であり、かつAが-CO-である、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項21】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシル、置換シクロヘキシル、シクロヘキセニル、又は置換シクロヘキセニルラジカルを構成し、zが3であり、Aが-CO-であり、かつQがメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項22】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシル、置換シクロヘキシル、シクロヘキセニル、又は置換シクロヘキセニルラジカルを構成し、zが3であり、Aが-CO-であり、かつQがフェニル又は置換フェニルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項23】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシル、置換シクロヘキシル、シクロヘキセニル、又は置換シクロヘキセニルラジカルを構成し、かつQがメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項24】
T1及びT2が一緒になって置換シクロヘキシルラジカルを構成する、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項25】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシルラジカルを構成し、かつQはメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項26】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシルラジカルを構成し、かつzは3である、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項27】
T1及びT2が一緒になってシクロヘキシルラジカルを構成し、zは3であり、かつQはメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)もしくは(I')で表される化合物、組成物及びその使用。
【請求項28】
化合物が、以下:
-(S)-3-(2'-ヒドロキシ-1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム;
-(S)-3-(1'-フェニルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム;
-(S)-S-(1'-フェニルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-テトラヒドロピリジン-2-オン;
-(S)-3-(cis-4'-tert-ブチル-1'-メチル-1'-シクロヘキサンカルボニル)アミノ-カプロラクタム;
-(S)-3-(1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-テトラヒドロピリジン-2-オン;
-(S)-3-(1'-メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ-ピロリジン-2-オン;
-(S)-3-(1'-((tert-ブトキシカルボ二ルアミノ)シクロペンタンカルボニル)アミノ-カプロラクタム;
-(S)-3-(3'-ヒドロキシ-1'-アダマンタンカルボニル)アミノ-カプロラクタム
及びそのスルホニルアナログ;並びにその薬学的に許容される塩
からなる群より選ばれる、請求項1記載の使用、請求項3記載の医薬組成物、又は請求項5記載の化合物。
【請求項29】
前記炎症性疾患が、自己免疫疾患、血管障害、ウイルス感染又はウイルス複製、喘息、骨粗鬆症(低骨密度)、腫瘍成長、リウマチ様関節炎、臓器移植拒絶及び/又は移植又は臓器機能障害(delayed graft or organ function)、高いTNF-αレベルによって特徴付けられる疾患、乾癬、皮膚損傷、細胞内寄生虫によって起こる疾患、アレルギー、アルツハイマー疾患、抗原により誘導される想起反応、免疫応答抑制、多発性硬化症、ALS、線維症、並びに癒着形成からなる群より選ばれる、請求項1、2及び28のいずれか1項記載の式(I)又は(I')の化合物の使用。
【請求項30】
請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物、組成物又は医薬の抗-炎症性量の、患者への投与による、(薬剤に対する逆の炎症性反応を含む)炎症性疾患の症候の治療、緩和又は予防方法。
【請求項31】
請求項5又は6に記載の式(I)又は(I')に従う構造を有する全ての化合物のうちの、2以上の化合物からなるライブラリーであって、抗-炎症活性のアッセイにおいて、新規又は改善された性質について化合物をスクリーニングするために有用である、前記ライブラリー。

【図1】
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【公表番号】特表2008−543821(P2008−543821A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516413(P2008−516413)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002217
【国際公開番号】WO2006/134384
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(503372842)ケンブリッジ エンタープライズ リミティド (32)
【Fターム(参考)】