抗腫瘍アルカロイドとの併用療法
本発明は、PM00104の他の抗癌薬との併用に関し、癌の治療におけるこれらの併用の使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PM00104の、他の抗癌薬、とりわけ抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬との併用に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、身体の一部分における細胞が制御不能に増殖し始める場合に発生する。多くの種類の癌が存在するが、これらは全て、異常な細胞の制御不能の増殖から生じるものである。癌細胞は近傍の組織に侵入することができ、血流およびリンパ系によって身体の他の部分に広がり得る。癌にはいくつかの主要なタイプがある。癌腫は悪性の新生物であり、上皮細胞から生じる、非制御で進行性の異常な増殖である。上皮細胞は、器官、血管の内層および他の小腔を含めた身体の内側および外側表面を覆っている。肉腫は、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管、または他の結合組織もしくは支持組織における細胞から生じる癌である。白血病は、骨髄などの血液形成組織において生じる癌であり、多数の異常な血液細胞の生成および血流への侵入を引き起こす。リンパ腫および多発性骨髄腫は、免疫系の細胞から生じる癌である。
【0003】
さらに、癌は侵襲性であり、周囲の組織に浸潤し、転移を生じる傾向がある。癌は周囲の組織中に直接拡散することができ、身体の他の部分にリンパ系および循環系によって拡散することもある。
【0004】
癌には、局在性の疾患に対する外科手術および放射線照射、ならびに化学療法を含めた多くの治療が利用可能である。しかし、多くの癌のタイプに対して利用可能な治療の有効性は限られており、臨床上の利点を示す、新しい、改善された形態の治療が必要とされている。これは、特に、進行および/もしくは転移疾患を呈する患者にとって、ならびに耐性の獲得により、または付随する毒性による治療法の投与における限界により、無効または非認容性となった、確立された治療法で以前に治療された後に進行性の疾患を再発する患者にとって当てはまる。
【0005】
1950年代以来、癌の化学療法上のマネジメントにおいて著しい進歩がなされている。残念なことに、全癌患者の50%を超える患者は、治療に最初に反応した後、最初の治療法に反応せず、または再発を経験し、進行性の転移疾患により最終的に死亡する。したがって、新規な抗癌薬剤のデザインおよび発見に持続的に取り組むことは決定的に重要である。
【0006】
理想的な抗腫瘍薬は、非癌細胞に対するその毒性に比べて広い指標で癌細胞を選択的に死滅させ、また、薬物への長期間曝露の後でも癌細胞に対するその有効性を維持するものであろう。残念なことに、知られている薬剤での現在の化学療法には、理想的なプロファイルを有するものはない。殆どは非常に狭い治療指標を有し、さらに、癌細胞は、わずかに致死量以下の濃度の化学療法薬剤に曝露されるとそのような薬剤に対する耐性を発生し、かなりしばしば他の抗腫瘍薬剤のいくつかに対して交叉耐性を発生することがある。
【0007】
PM00104は、ジョルマイシンおよびレニエラマイシン、ならびにまたサフラシンおよびサフラマイシン化合物に関連するアルカロイドである。ジョルマイシンは、皮膚から、および太平洋の裸鰓亜目のブチウミウシ(Jorunna funebris)の粘液から単離された天然化合物である(Fontana A.ら、Tetrahedron (2000)、56、7305〜8頁)。さらに、レニエラマイシンのファミリーは、海綿および被嚢類から単離されると開示されている(James M.F.ら、J. Am. Chem. Soc. (1982)、104、265〜269頁;Oku N.ら、Journal Natural Products (2003)、66、1136〜9頁)。サフラシンおよびサフラマイシン化合物は、Manzanares I.ら、Curr. Med. Chem. Anti-Cancer Agents (2001)、1、257〜276頁、ならびにWO00/18233およびWO 01/87894に開示されている。
【0008】
PM00104は、固形腫瘍および非固形腫瘍の細胞系に対して著しいin vitro活性を実証し、ならびに乳房および前立腺など、マウスにおいて異種移植したいくつかのヒト細胞系において著しいin vivo活性を実証している。PM00104の作用機序に対する予備的な洞察は、細胞サイクルの変化、DNA結合特性、および転写阻害を示唆していた。この化合物は以下の化学構造を有する。
【0009】
【化1】
【0010】
PM00104のさらなる詳細は、WO01/87894を参照されたい。さらに、PM00104の医薬組成物、ならびに投与の投与量およびスケジュールに関しては、とりわけ参照によって本明細書に援用されるWO2007/052076およびWO2008/135792を参照されたい。
【0011】
癌は、動物およびヒトにおける主な死因であるので、癌に罹患している患者に投与すべき安全かつ有効な治療法を得るために、いくつかの努力がなされ、依然として努力がなされつつある。本発明が解決すべき問題は、癌の治療に有用である抗癌の治療法を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO00/18233
【特許文献2】WO01/87894
【特許文献3】WO2007/052076
【特許文献4】WO2008/135792
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Fontana A.ら、Tetrahedron (2000)、56、7305〜8頁
【非特許文献2】James M.F.ら、J. Am. Chem. Soc. (1982)、104、265〜269頁
【非特許文献3】Oku N.ら、Journal Natural Products (2003)、66、1136〜9頁
【非特許文献4】Manzanares I.ら、Curr. Med. Chem. Anti-Cancer Agents (2001)、1、257〜276頁
【非特許文献5】Burger「Medicinal Chemistry and Drug Discovery」第6版(Donald J. Abraham編集、2001、Wiley)
【非特許文献6】「Design and Applications of Prodrugs」(H. Bundgaard編集、1985、Harwood Academic Publishers)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、PM00104が他の抗癌薬剤、とりわけ抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬の抗腫瘍活性を増強し、したがってPM00104および他の抗癌薬剤が、癌の治療に対する併用療法において上首尾に用いられ得ることを確立するものである。
【0015】
したがって、本発明は、併用療法を用いた癌の治療のための医薬組成物、キット、方法、および併用療法のための薬物の製造におけるPM00104の使用を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様にしたがって、本発明者らは、PM00104または薬学的に許容できるその塩をベースにした、および別の抗癌薬を用いた癌の治療に有効な併用療法を提供する。
【0017】
別の一実施形態において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量、ならびにPM00104を投与する前に、間に、または後に投与される治療有効量の別の抗癌薬を、そのような治療を必要とする患者に投与するステップを含む、癌を治療する方法を包含する。2つの薬物が同じ組成物の部分を形成してもよく、または同時に、もしくは異なる時間に投与するための別々の組成物として提供されてもよい。
【0018】
別の一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、癌の治療における抗癌薬の治療有効性を増大または増強する方法を包含する。PM00104を、他の抗癌薬を投与する前に、間に、または後に投与する。
【0019】
別の一実施形態において、本発明は、別の抗癌薬との併用療法において、癌を治療するための薬物を製造するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩の使用を包含する。
【0020】
さらなる一態様において、本発明は、癌の治療のための併用療法において用いるための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および/または別の抗癌薬、ならびに薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を包含する。
【0021】
本発明は、一剤形のPM00104または薬学的に許容できるその塩、および/または一剤形の別の抗癌薬、および両方の薬物を併用において用いるための指示を含む、癌の治療において用いるためのキットも包含する。
【0022】
好ましい一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の、別の抗癌薬との相乗的併用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】Hs746T細胞におけるPM00104およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図2】AGS細胞におけるPM00105およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図3】HGC-27細胞におけるPM00106およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図4】Hs746T細胞(図4)におけるPM00104およびSN38併用の阻害効果を示す図である。
【図5】AGS細胞におけるPM00104およびSN39併用の阻害効果を示す図である。
【図6】HGC-27細胞におけるPM00104およびSN40併用の阻害効果を示す図である。
【図7】Hs746T細胞におけるPM00104および5-FU併用の阻害効果を示す図である。
【図8】AGS細胞におけるPM00104および6-FU併用の阻害効果を示す図である。
【図9】HGC-27細胞におけるPM00104および7-FU併用の阻害効果を示す図である。
【図10】Hs746T細胞におけるPM00104およびドキソルビシン併用の阻害効果を示す図である。
【図11】AGS細胞におけるPM00105およびドキソルビシン併用の阻害効果を示す図である。
【図12】HGC-27細胞におけるPM00106およびドキソルビシン併用の阻害効果を示す図である。
【図13】Hs746T細胞におけるPM00104およびドセタキセル併用の阻害効果を示す図である。
【図14】AGS細胞におけるPM00105およびドセタキセル併用の阻害効果を示す図である。
【図15】HGC-27細胞におけるPM00106およびドセタキセル併用の阻害効果を示す図である。
【図16】Hs746T細胞におけるPM00104およびオキサリプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図17】AGS細胞におけるPM00105およびオキサリプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図18】HGC-27細胞におけるPM00106およびオキサリプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図19】5637細胞におけるPM00104およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図20】UM-UC-3細胞におけるPM00105およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図21】5637細胞におけるPM00104およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図22】UM-UC-3細胞におけるPM00105およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図23】BxPC-3細胞におけるPM00104およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図24】PANC-1細胞におけるPM00105およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図25】MIA PaCa-2細胞におけるPM00106およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図26】SW1990細胞におけるPM00107およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図27】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(140mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるMIA PaCa-2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図28】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるMIA PaCa-2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図29】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(50mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるMIA PaCa-2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図30】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(180mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図31】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(50mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図32】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図33】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(15mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図34】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、シスプラチン(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスシスプラチンで治療したマウスにおけるUM-UC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図35】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(180mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるUM-UC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図36】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(15mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるUM-UC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図37】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、シスプラチン(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスシスプラチンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図38】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(10mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図39】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、5-FU(50/100mg/kg/日)、またはPM00104プラス5-FUで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図40】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、イリノテカン(20mg/kg/日)、またはPM00104プラスイリノテカンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図41】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドキソルビシン(6mg/kg/日)、またはPM00104プラスドキソルビシンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図42】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドセタキセル(16mg/kg/日)、またはPM00104プラスドセタキセルで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図43】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドセタキセル(8mg/kg/日)、またはPM00104プラスドセタキセルで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図44】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、オキサリプラチン(8mg/kg/日)、またはPM00104プラスオキサリプラチンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図45】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、オキサリプラチン(4mg/kg/日)、またはPM00104プラスオキサリプラチンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図46】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、5-FU(100mg/kg/日)、またはPM00104プラス5-FUで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図47】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、5-FU(50mg/kg/日)、またはPM00104プラス5-FUで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図48】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドセタキセル(16mg/kg/日)、またはPM00104プラスドセタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図49】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドセタキセル(8mg/kg/日)、またはPM00104プラスドセタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図50】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、オキサリプラチン(8mg/kg/日)、またはPM00104プラスオキサリプラチンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図51】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、オキサリプラチン(4mg/kg/日)、またはPM00104プラスオキサリプラチンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図52】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドキソルビシン(6mg/kg/日)、またはPM00104プラスドキソルビシンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図53】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、ドキソルビシン(6mg/kg/日)、またはPM00104プラスドキソルビシンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図54】対照、PM00104(0.23mg/kg/日)、ドキソルビシン(6mg/kg/日)、またはPM00104プラスドキソルビシンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図55】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(12.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図56】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、パクリタキセル(12.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図57】対照、PM00104(0.23mg/kg/日)、パクリタキセル(12.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図58】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、シスプラチン(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスシスプラチンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図59】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、シスプラチン(3mg/kg/日)、またはPM00104プラスシスプラチンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図60】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、イリノテカン(18mg/kg/日)、またはPM00104プラスイリノテカンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図61】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、イリノテカン(10mg/kg/日)、またはPM00104プラスイリノテカンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図62】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(25mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図63】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(12.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図64】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ソラフェニブ(60mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図65】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ソラフェニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図66】対照、PM00104(0.6mg/kg/日)、ソラフェニブ(60mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図67】対照、PM00104(0.6mg/kg/日)、ソラフェニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図68】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ソラフェニブ(60mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図69】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ソラフェニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図70】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、ソラフェニブ(60mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図71】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、ソラフェニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図72】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ベバシズマブ(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスベバシズマブで治療したマウスにおけるSK-OV-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図73】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ベバシズマブ(2.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスベバシズマブで治療したマウスにおけるSK-OV-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図74】肺癌細胞系:A-549細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図75】肺癌細胞系:NCI-H460細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図76】肺癌細胞系:NCI-H23細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図77】肺癌細胞系:A-549細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図78】肺癌細胞系:NCI-H460細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図79】肺癌細胞系:NCI-H23細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図80】肺癌細胞系:A-549細胞におけるシスプラチンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図81】肺癌細胞系:NCI-H460細胞におけるシスプラチンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図82】肺癌細胞系:NCI-H23細胞におけるシスプラチンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図83】乳癌細胞系:MDA-MB-231細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図84】乳癌細胞系:BT-474細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図85】乳癌細胞系:MCF-7細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図86】乳癌細胞系:MDA-MB-231細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図87】乳癌細胞系:BT-474細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図88】乳癌細胞系:MCF-7細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図89】乳癌細胞系:MDA-MB-231細胞におけるドキソルビシンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図90】乳癌細胞系:BT-474細胞におけるドキソルビシンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図91】乳癌細胞系:MCF-7細胞におけるドキソルビシンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図92】結腸癌細胞系:HCT-116細胞における5-フルオロウラシル(5-FU)と併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図93】結腸癌細胞系:LoVo細胞における5-フルオロウラシル(5-FU)と併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図94】結腸癌細胞系:HT-29細胞における5-フルオロウラシル(5-FU)と併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図95】結腸癌細胞系:HCT-116細胞におけるオキサリプラチンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図96】結腸癌細胞系:LoVo細胞におけるオキサリプラチンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図97】結腸癌細胞系:HT-29細胞におけるオキサリプラチンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図98】結腸癌細胞系:HCT-116細胞におけるイリノテカンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図99】結腸癌細胞系:LoVo細胞におけるイリノテカンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図100】結腸癌細胞系:HT-29細胞におけるイリノテカンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図101】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ベバシズマブ(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスベバシズマブで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図102】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ベバシズマブ(2.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスベバシズマブで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図103】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、テムシロリムス(20mg/kg/日)、またはPM00104プラステムシロリムスで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図104】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、テムシロリムス(10mg/kg/日)、またはPM00104プラステムシロリムスで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図105】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(180mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図106】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(90mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図107】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(180mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図108】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(90mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図109】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(125mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図110】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図111】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(125mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図112】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図113】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるH-Meso-1腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図114】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、ペメトレキセド(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるH-Meso-1腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明者らは、PM00104と他の抗癌薬を併用した場合、PM00104はこれらの抗癌薬の抗癌活性を大きく増強することを見出した。したがって、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の、別の抗癌薬との併用をベースにした癌の効果的な治療の提供を目的とする。
【0025】
別の一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬を用いる相乗的併用に関する。このような相乗的併用は、実施例1から24において説明するものを含めた本明細書に記載する方法を適用することによって、および相乗的併用に対する結果を分析することによって得ることができる。
【0026】
本出願における「癌」は、腫瘍、新生物、および悪性の組織または細胞を原因として有するあらゆる他の悪性疾患を含むことを意味する。
【0027】
本明細書で用いられる「治療する」の語は、別段の指摘がなければ、疾患の症状もしくは病理学的根拠を逆転し、軽減し、その進行を阻害し、減弱することを意味し、またはそれに対してそのような語が適用する障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を防止することを意味する。本明細書で用いられる「治療」の語は、別段の指摘がなければ、「治療する」について直前に定義した通りの治療の行為を意味する。
【0028】
本明細書を通して用いられる「併用」の語は、癌に罹患している患者に、同時に、または異なる時間に、同じまたは別の薬剤製剤において、言及する治療用薬剤を投与することを包含することを意味する。治療用薬剤を異なる時間に投与する場合、これらを、生じるべき増強的な、または相乗的な反応を提供するのに十分に近い時間において投与しなければならない。
【0029】
別の一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩を、別の抗癌薬と一緒に用いる併用療法によって癌を効果的に治療するための薬物を製造するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩の使用を目的とする。
【0030】
さらなる一態様において、本発明は、治療有効量の別の抗癌薬との併用における、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与するステップを含む、癌を治療する方法を目的とする。
【0031】
腫瘍のタイプおよび疾患の発生段階に応じて、本発明の治療方法の抗癌効果は、それだけには限定されないが、腫瘍の増殖の阻害、腫瘍の増殖の遅延、腫瘍の退行、腫瘍の縮小、腫瘍のサイズおよび/または腫瘍マーカーの低減、治療の休止時の腫瘍の再増殖までの時間の増大、疾患の進行の緩徐化、および転移の防止を含む。本発明の治療方法を、そのような治療を必要とするヒト患者などの患者に投与する場合、前記治療方法は、抗癌効果の程度、反応速度、疾患の進行までの時間、または生存率などによって測定してある効果を生成することが予想される。特に、本発明の治療方法は、ヒト患者、とりわけ再発患者、または以前の化学療法に対して抵抗性の患者に適する。第一線の治療法も想定される。
【0032】
上記に言及したように、PM00104は、海洋性化合物であるジョルマイシンおよびレニエラマイシン、ならびにまたサフラシンおよびサフラマイシン化合物に関連するアルカロイドであり、以下の構造を有する。
【0033】
【化2】
【0034】
「PM00104」の語は、本明細書において、患者への投与時に本明細書に記載する化合物を(直接的もしくは間接的に)提供することが可能なあらゆる薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、水和物、プロドラッグ、またはあらゆる他の化合物を網羅するものとされる。塩、溶媒和化合物、水和物、およびプロドラッグの調製は、当技術分野において知られている方法によって行われてよい。
【0035】
薬学的に許容される塩は、従来の化学方法によって、塩基性または酸性の部分を含む親化合物から合成されてよい。一般的に、このような塩は、例えば、これらの化合物の遊離の酸または塩基の形態を、水中または有機溶媒中または2つの混合液中、化学量論量の好適な塩基または酸と反応させることによって調製される。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性の媒体が好ましい。酸付加塩の例には、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの鉱酸付加塩、ならびに例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、およびp-トルエンスルホン酸塩などの有機酸付加塩が含まれる。アルカリ付加塩の例には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびアンモニウム塩などの無機塩、ならびに、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、N,N-ジアルキレンエタノールアミン、トリエタノールアミン、および塩基性アミノ酸塩などの有機アルカリ塩が含まれる。
【0036】
PM00104のプロドラッグであるあらゆる化合物が、本発明の範囲および精神の範囲内である。「プロドラッグ」の語は、その最も広い意味において用いられ、in vivoでPM00104に変換される誘導体を包含する。プロドラッグは、生物学的条件下で、加水分解、酸化、または他の方法で反応してPM00104をもたらすことができる。プロドラッグの例には、それだけには限定されないが、生物加水分解性のアミド、生物加水分解性のエステル、生物加水分解性のカルバメート、生物加水分解性のカーボネート、生物加水分解性のウレイド、および生物加水分解性のホスフェート類似体などの生物加水分解性の部分を含むPM00104の誘導体および代謝物が含まれる。プロドラッグは、典型的には、Burger「Medicinal Chemistru and Drug Discovery」第6版(Donald J. Abraham編集、2001、Wiley)、および「Design and Applications of Prodrugs」(H. Bundgaard編集、1985、Harwood Academic Publishers)によって記載されているものなど、よく知られている方法を用いて調製することができる。
【0037】
さらに、本明細書に言及されるあらゆる薬物は、遊離の化合物として、または溶媒和化合物(例えば、水和物)としてのいずれかで、結晶の形態であってもよく、両方の形態とも本発明の範囲内であるものとされる。溶媒和の方法は、当技術分野内で一般的に知られている。
【0038】
本発明にしたがって用いるためのPM00104は、参照によって本明細書に援用されるWO 01/87894において開示されている合成のプロセスにしたがって調製することができる。
【0039】
用いることができるPM00104の医薬組成物には、静脈内投与に適する賦形剤と一緒の、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥組成物などが含まれる。好ましくは、PM00104は無菌の凍結乾燥製品として供給および貯蔵されてよく、治療上の使用に妥当な製剤中にPM00104および賦形剤を含んでいる。とりわけ、妥当なpHに緩衝化されたショ糖およびリン酸塩を含む製剤が好ましい。PM00104製剤に対するさらなる指導は、その全文が参照によって本明細書に援用されるWO 2007/052076に示される。
【0040】
PM00104、またはその医薬組成物、または化合物を含む医薬組成物の投与は、静脈内注入によるのが好ましい。最高72時間、より好ましくは1時間と24時間の間の注入時間を用いることができ、約1時間、約3時間、または約24時間のいずれかが最も好ましい。病院に一夜入院せずに治療を行えるようにする短い注入時間が特に望ましい。しかし、注入は、所望により、約24時間、またはそれより長くてもよい。
【0041】
PM00104の投与は周期的に行うのが好ましい。好ましい投与方法において、PM00104の静脈内注入を、典型的には、各サイクルの第1日目に患者に投与し、次いで、サイクルの残りの間に患者を回復させる。各サイクルの好ましい持続時間は、典型的には3週または4週であり、必要に応じて複数のサイクルを与えてもよい。投与の遅延および/または投与量の低減、ならびにスケジュール調整を個々の患者の状態および治療に対する認容性に応じて適宜行う。PM00104投与および投与量に対するさらなる指導には、例えば、詳しい参照によって本明細書に援用される、WO 2008/135792を参照されたい。
【0042】
本発明において、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫から選択される癌の治療における別の抗癌薬との併用がとりわけ好ましい。
【0043】
さらに、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫から選択される癌の治療における、抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される別の抗癌薬との併用がとりわけ好ましい。
【0044】
好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膀胱癌、肺癌、および結腸直腸癌から選択される癌の治療における抗腫瘍白金配位錯体との併用を目的とする。この化学療法の群には、それだけには限定されないが、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、BBR3464、サトラプラチン、テトラプラチン、オルミプラチン、およびイプロプラチンが含まれる。とりわけ好ましいのは、PM00104または薬学的に許容できるその塩の、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、BBR3464、サトラプラチン、テトラプラチン、オルミプラチン(ormiplatin)、およびイプロプラチンとの併用であり、さらにより好ましいのは、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膀胱癌、肺癌、および結腸直腸癌から選択される癌の治療におけるシスプラチンおよびオキサリプラチンとの併用である。
【0045】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、および中皮腫から選択される癌の治療における代謝拮抗薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビン、カペシタビン、デシタビン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、フルダラビン、アミノプテリン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、およびチオグアニンが含まれる。とりわけ好ましいのは、PM00104または薬学的に許容できるその塩の、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビン、カペシタビン、デシタビン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、フルダラビン、アミノプテリン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、およびチオグアニンとの併用であり、さらにより好ましいのは、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、および中皮腫から選択される癌の治療における、5-フルオロウラシル、ペメトレキセド、およびゲムシタビンとの併用である。
【0046】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膀胱癌、肺癌、および乳癌から選択される癌の治療における有糸分裂阻害薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膀胱癌、肺癌、および乳癌から選択される癌の治療における、パクリタキセルおよびドセタキセルとの併用がさらにより好ましい。
【0047】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌および乳癌の治療におけるアントラサイクリンとの併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、およびバルルビシンが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、およびバルルビシンとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、胃癌および乳癌の治療における、ドキソルビシンとの併用がさらにより好ましい。
【0048】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌および結腸直腸癌の治療におけるトポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、トポテカン、SN-38、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、エトポシド、およびテニポシドが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、トポテカン、SN-38、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、エトポシド、およびテニポシドとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、胃癌および結腸直腸癌の治療における、SN-38およびイリノテカンとの併用がさらにより好ましい。
【0049】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、卵巣癌および肺癌の治療における抗腫瘍モノクローナル抗体との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、およびゲムツズマブが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、およびゲムツズマブとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、卵巣癌および肺癌の治療における、ベバシズマブとの併用がさらにより好ましい。
【0050】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、肝細胞癌および膵臓癌から選択される癌の治療におけるチロシンキナーゼ阻害薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、エルロチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、カネルチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、スニチニブ、およびバンデタニブが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、エルロチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、カネルチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、スニチニブ、およびバンデタニブとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、肝細胞癌および膵臓癌から選択される癌の治療における、エルロチニブおよびソラフェニブとの併用がさらにより好ましい。
【0051】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、肺癌の治療におけるmTOR阻害薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、テムシロリムス、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、およびデフォロリムスが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、テムシロリムス、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、およびデフォロリムスとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、肺癌の治療における、テムシロリムスとの併用がさらにより好ましい。
【0052】
本発明は、親化合物から、以前に開示されている従来の化学的方法によって合成することができる、本明細書に言及されるあらゆる薬物のあらゆる薬学的に許容される塩を含む。
【0053】
PM00104または薬学的に許容できるその塩、および他の抗癌薬を、同時に、または異なる時間に投与するための別々の薬物として提供してもよい。好ましくは、PM00104および他の抗癌薬を、異なる時間に投与するための別々の薬物として提供する。別々に、かつ異なる時間に投与する場合、PM00104または他の抗癌薬のいずれかを最初に投与してよい。さらに、両方の薬物を同じ日に、または異なる日に投与してよく、これらは治療サイクルの間、同じスケジュールを用いて、または異なるスケジュールで投与することができる。したがって、本発明の医薬組成物は、単一の薬学的に許容される製剤中に全ての成分(薬物)を含んでいてよい。あるいは、成分を別々に調合し、相互に併用して投与してもよい。当業者にはよく知られている様々な薬学的に許容される製剤を、本発明において用いてもよい。さらに、併用の薬物を、異なる投与経路を用いて投与してもよい。例えば、薬物の1つが、錠剤またはカプセル剤などの経口投与に適する形態であってよく、他の1つが、滅菌液剤、懸濁剤、または乳剤など非経口的注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内、または注入を含む)に適する形態であってよい。あるいは、両方の薬物を同じ投与経路によって投与してもよい。本発明において用いるのに好適な製剤の選択を、投与様式、および組成物の成分の溶解性の特性に基づいて、当業者が日常的に行ってもよい。
【0054】
併用の化合物の正確な投与量は、特定の製剤、適用様式、ならびに特定の部位、患者、および治療する腫瘍にしたがって変化する。年齢、体重、性別、食事、投与時間、排泄の速度、患者の状態、薬物の併用、反応の感受性、および疾患の重症度などの他の因子を考慮に入れる。投与は、最大耐容投与量内で持続的に、または周期的に行われてよい。
【0055】
別の一態様において、本発明は、癌の治療における別の抗癌薬と併用してPM00104を投与するためのキットであって、少なくとも1サイクル用の投与量単位における、PM00104または薬学的に許容できるその塩の供給、および両方の薬物を併用して用いるための印刷された指示書を含むキットを目的とする。
【0056】
関連する一態様において、本発明は、癌の治療において別の抗癌薬と併用してPM00104を投与するためのキットであって、少なくとも1サイクル用の投与量単位における、PM00104または薬学的に許容できるその塩の供給、少なくとも1サイクル用の投与量単位における他の抗癌薬の供給、および両方の薬物を併用して用いるための印刷された指示書を含むキットを目的とする。
【0057】
別の一態様において、本発明は、癌の治療において別の抗癌薬と併用して用いるための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
【0058】
さらなる一態様において、本発明は、癌の治療において用いるための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、別の抗癌薬、および薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
【0059】
別の一態様において、本発明は、別の抗癌薬との併用療法における、癌の治療のための薬物を製造するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩の使用をさらに提供する。
【0060】
関連の一態様において、本発明は、癌の治療のための薬物を製造するための、別の抗癌薬と併用したPM00104または薬学的に許容できるその塩の使用をさらに提供する。
【0061】
別の一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量を、治療有効量の別の抗癌薬と併用して投与するステップを含む、癌の治療のためのPM00104または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0062】
別の一態様において、本発明は、治療有効量の別の抗癌薬の投与と併用して、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量を投与するステップを含む、癌を治療するための方法を提供し、併用を一緒に、または別々に投与することができる。本発明の好ましい実施形態において、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および他の抗癌薬を、相乗的に有効な量において投与する。
【0063】
一実施形態において、癌細胞を、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の併用と接触させ、または別の方法で治療する。癌細胞は、好ましくはヒトであり、癌腫細胞、肉腫細胞、白血病細胞、およびリンパ腫細胞を含む。より好ましくは、癌細胞は、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫の細胞である。特に、癌細胞は、ヒト胃癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、およびヒト膵臓癌細胞を含む。さらに、併用は、癌細胞に対して、とりわけ、ヒト胃癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、ヒト膵臓癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト結腸直腸癌細胞、およびヒト乳癌細胞に対して、相乗的な阻害効果を提供する。
【0064】
例えば、併用は、接触させた癌細胞の増殖または生存を阻害する。接触させなかった癌細胞に比べて、接触させた癌細胞の増殖または生存が低レベルであることは、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および癌患者を治療するのに有効であるとして選択された別の抗癌薬の併用を支持するものである。
【0065】
別の一態様において、本発明は、前記癌細胞を、有効量のPM00104または薬学的に許容できるその塩と接触させることを含む、一緒にまたは別々に別の抗癌薬と併用して、癌細胞の増殖を阻害するための方法を提供する。
【0066】
別の一態様において、本発明は、前記癌細胞を、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および一緒にまたは別々に別の抗癌薬の相乗的併用と接触させることを含む、癌細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、前記併用は、(i)別の抗癌薬の非存在下のPM00104または薬学的に許容できるその塩、あるいは(ii)PM00104の非存在下の他の抗癌薬に比べて、癌細胞の増殖に対する阻害の改善を提供する。
【0067】
別の一態様において、本発明は、癌細胞の増殖を阻害するための別の抗癌薬と併用して用いるための、有効量のPM00104または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0068】
関連の一態様において、本発明は、癌細胞の増殖を阻害するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の有効な併用を含む医薬組成物を提供する。
【0069】
別の一態様において、本発明は、癌細胞の増殖を阻害するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の相乗的併用を含む医薬組成物を提供し、前記併用は、(i)別の抗癌薬の非存在下における、PM00104または薬学的に許容できるその塩、あるいは(ii)PM02734の非存在下における他の抗癌薬に比べて、癌細胞の増殖に対する阻害の改善を提供する。
【0070】
別の一実施形態において、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の併用は、in vivoで腫瘍の増殖を阻害し、または腫瘍のサイズを低減する。とりわけ、併用は、癌細胞、肉腫細胞、白血病細胞、およびリンパ腫細胞のin vivoの増殖を阻害する。好ましくは、併用は、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫の細胞のin vivoの増殖を阻害する。とりわけ、癌細胞は、ヒト胃癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、ヒト膵臓癌細胞、ヒト肝細胞癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト中皮腫細胞、およびヒト卵巣癌細胞を含む。同様に、併用は、in vivoで、癌腫、肉腫、白血病、およびリンパ腫の腫瘍のサイズを低減する。好ましくは、併用は、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫のサイズを低減する。特に、併用は、in vivoで、ヒト肝細胞癌、中皮腫、胃、膀胱、膵臓、肺、および卵巣の腫瘍のサイズを低減する。
【0071】
例えば、併用は、動物モデルにおいて、腫瘍の増殖を阻害し、またはヒト癌異種移植片の、とりわけ、ヒト肝細胞癌、中皮腫、胃、膀胱、膵臓、肺、および卵巣の腫瘍の異種移植片のサイズを低減する。併用で投与した動物モデルにおけるヒト癌異種移植片の増殖の低減、またはサイズの低減は、癌患者を治療するのに有効であるとして、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の併用をさらに支持するものである。
【0072】
本発明の一実施形態にしたがって、腫瘍の増殖の阻害を、2つの薬物(PM00104および別の薬物)を併用する治療の平均腫瘍重量と、他の薬物の単独療法の治療の平均腫瘍重量を比べて評価する。したがって、併用療法の増強の評価および相加性の程度に対する定義および評価基準は以下の通りである。
-増強は、併用療法の反応が、併用療法において用いられるのと同じスケジュールおよび投与量で、単一の薬剤として投与された(単独療法)最も有効な薬物の最良の反応を超える場合に決定され得る。
-相加性は、以下の通り、単独療法治療の腫瘍の成長阻害の%対併用治療の腫瘍の成長阻害の%を比較することによって決定される:
1.併用において用いた投与量を、単独療法として投与した各薬物に対して100-%T/Cとして腫瘍成長阻害の%を決定する。%T/Cは、治療群における平均腫瘍重量(T)を、対照群における平均腫瘍重量(C)に対して比べることによって得られる(T/C×100%)。
2.各薬剤が、単独療法として投与された場合と同じ反応を生成する場合、2つのスコアを加算して「予想反応」を決定する。
3.この「予想反応」を、併用療法群について決定された腫瘍成長阻害の%から差し引く:
a.負の数であれば、2つの薬物を併用した効果が相加性未満であることを意味する。
b.得られた数がゼロに近ければ、2つの薬物を併用した効果は相加性と決定される。
c.正の数であれば、2つの薬物を併用した効果が相加性を超えることを意味する。
【0073】
したがって、併用治療の相加効果を超えることは相乗効果に相当し、この場合、2つの薬物の併用の効果は、単独で投与した場合の各薬物の効果を考慮して予想されたものを治療的に上回る。
【0074】
したがって、別の一態様において、本発明は、別の抗癌薬と一緒にまたは別々に併用して、有効量のPM00104または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む、腫瘍のサイズを低減するための方法を提供する。
【0075】
別の一態様において、本発明は、別の抗癌薬と併用して、有効量のPM00104または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む、腫瘍の増殖を阻害するための方法を提供する。
【0076】
関連の一態様において、本発明は、一緒にまたは別々に、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および抗癌薬の有効な併用を投与するステップを含む、腫瘍の増殖を阻害するための方法を提供する。
【0077】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するものである。この実施例を、本発明の範囲を制限するものと解釈してはならない。
【0078】
より簡潔な記載を提供するために、本明細書に示すいくつかの定量的表現は、「約」の語で制限されない。「約」の語が明示的に用いられても、または用いられなくても、本明細書に示す全ての量は、実際に示す値に言及することを意味すると理解され、このような所定の値に対する実験条件および/または測定条件による同等物および近似を含めて、当業者に基づいて合理的に推測されるような所定の値に対する近似に言及することも意味することが理解される。
【0079】
(実施例)
(実施例1)
ヒト胃癌細胞系に対する化学療法薬剤との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vitro試験
本試験の目的は、胃癌の治療において用いられる化学療法薬剤の抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を決定することであった。
【0080】
PM00104と併用して以下の薬剤を評価した:シスプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、5-フルオロウラシル(5-FU)、ドキソルビシン、ドセタキセル、およびオキサリプラチン。このアッセイに選択したヒト胃癌細胞系は以下の通りであった:Hs746T、HGC-27、およびAGS細胞系。Hs746TおよびAGS細胞系を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、および4mM L-グルタミンを補ったダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で増殖させた。HGC-27細胞系を、20%FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったイスコーブの改変ダルベッコ培地(IMDM)中で増殖させた。
【0081】
スクリーニングを2つの部分において行った。
a.第1セットのアッセイでは、各腫瘍細胞系において薬物を72時間曝露した後、各薬物に対するIC50値を決定した。
【0082】
全細胞系を、それぞれの増殖培地中、37℃、5%CO2、および湿度98%で維持した。増殖培地製剤は抗生物質を含んでいなかった。プレーティング前日、細胞に、新鮮な完全増殖培地を与えた。収集(プレーティング)日、細胞をトリパンブルー排除染色法によって計数した。
【0083】
細胞を収集し、96ウェルマイクロタイタープレート中、培地150μL中10,000個の細胞密度で播種し、24時間インキュベートして、細胞を付着させた後、薬物を添加した。基準のデータを回収するために、時間0に非治療の細胞に対してMTSアッセイを行った(24時間細胞をインキュベートした後)。
【0084】
PM00104、シスプラチン、SN38、および5-FUの保存溶液を調製した直後、2.0mg/mLで100%DMSO中プレートに加えた。ドキソルビシンおよびオキサリプラチンの保存溶液を、組織培養用滅菌水中、両薬物に対して2.0mg/mLで調製した。ドセタキセルの保存溶液を、エタノール中、2.0mg/mLで調製した。無血清RPMI 1640培地中さらなる段階希釈を調製して、最終の4×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品の50μLを加えた。
【0085】
細胞毒性効果を、生存細胞数を決定するための比色法であるMTSアッセイ(テトラゾリウム)によって測定した。インキュベート期間(0日目のプレートに対して24時間、ならびに試験および対照のプレートに対して72時間)の後、各マイクロタイターウェルにMTS+PMS溶液25μLを加え、37℃で4時間インキュベートした。次いで、インキュベーターからプレートを取り除き、プレートシェーカー上に5分間配置した(光線から保護するためにアルミホイルで覆った)。分光光度計プレートリーダー上、490nmで吸光度を読んだ。
【0086】
各試験薬剤に対する2回から4回のアッセイの平均からIC50値を計算した。SoftMaxプログラムを用いて回帰曲線を生成し、次いで50%阻害濃度(mg/mL)を手操作で補間した。
【0087】
各細胞系に対する各薬剤の個々のIC50値をTable 1(表1)に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
b.第2セットのアッセイでは、各細胞系を、以下の組合せの独特のIC50濃度において、上記で言及した各薬剤と併用してPM00104とインキュベートした。
PM00104のIC50 薬剤のIC50
100% 0%
75% 25%
70% 30%
60% 40%
50% 50%
40% 60%
30% 70%
25% 75%
0% 100%
0% 0%
【0090】
細胞培養および細胞のプレーティングを先に記載した通りに行った。各薬物の保存溶液も、1.0mg/mLの薬物濃度で先に記載した通りに調製した。これらの保存溶液を、さらに適宜段階希釈して出発濃度に到達させた。さらなる段階希釈を無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の8×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品25μLを加えた。
【0091】
細胞毒性効果を、上記に記載した通りにMTSアッセイによって測定した。以下の通りデータを分析した。
1.Prism(Graphpad)ソフトウエアプログラムを用いて、データを対照の値に標準化した(100%=薬剤(薬物)の非存在下の細胞の増殖;0%=ブランク対照)。
2.標準化したデータをx/yグラフとしてプロットした。各薬剤(薬物)に対する100%IC50の値を結んで線を引いた。値が線を大幅に上回れば拮抗作用を示し、下回れば相乗作用を示し、線上であれば相加作用を示した。
【0092】
腫瘍細胞に対する相乗的な細胞毒性が最適の効果であり、PM00104と別の薬物との併用がいずれかの薬物単独よりも有効であることを意味する。統計上有意な観察は、併用の(PM00104+別の薬物)吸光度値と両方のエンドポイント値(PM00104および他の薬物単独)との間に差が存在することを必要とする。値の大多数が、線(エンドポイント)を統計的に超え、またはそれ未満である場合は、それぞれ拮抗作用または相乗作用と記載され、その他の場合は、そのパターンは相加性の相互作用とさらに一致する。
【0093】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.ヒト胃癌細胞におけるPM00104のシスプラチンとの併用は、殆ど全ての投与量比で、Hs746T細胞系(図1)、AGS細胞系(図2)、およびHGC-27細胞系(図3)において相乗的であった。
b.Hs746T細胞系における(図4)PM00104のSN38との併用は、殆どの投与量比で相乗的であり、75/25〜60/40の投与量比でAGS細胞系において(図5)、ならびに70/30および60/40の投与量比でHGC-27細胞系において(図6)相乗的な傾向を示した。
c.PM00104の5-FUとの併用は、75/25〜40/60の投与量比でHs746T細胞系において(図7)、ならびに75/25〜60/40の投与量比でAGS細胞系において(図8)相乗的な傾向を示した。HGC-27細胞系において(図9)、併用は相加的な傾向を示した。
d.PM00104のドキソルビシンとの併用は、殆ど全ての投与量比でHs746T細胞系において(図10)相乗的であり、AGS細胞系(図11)およびHGC-27細胞系(図12)において相加的な傾向を示した。
e.PM00104のドセタキセルとの併用は、Hs746T細胞系において(図13)相乗的であり、AGS細胞系において(図14)相加的な傾向を示し、HGC-27細胞系において(図15)拮抗的な傾向を示した。
f.PM00104のオキサリプラチンとの併用は、Hs746T細胞系(図16)、AGS細胞系(図17)、およびHGC-27細胞系(図18)において相加的な傾向を示した。
【0094】
(実施例2)
ヒト膀胱癌細胞系に対する化学療法薬剤との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vitro試験
本試験の目的は、膀胱癌の治療において用いられる化学療法薬剤の抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を決定することであった。
【0095】
PM00104と併用して以下の薬剤を評価した:ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))およびシスプラチン。このアッセイに選択したヒト膀胱癌細胞系は以下の通りであった:5637細胞系およびUM-UC-3細胞系。5637細胞系を、10%FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、10mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI 1640培地中で増殖させた。UM-UC-3細胞系を、10%FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったMEM イーグル培地中で増殖させた。
【0096】
スクリーニングを実施例1に開示した2つの部分において行った。
a.第1セットのアッセイでは、各腫瘍細胞系において薬物を72時間曝露した後、各薬物のIC50値を決定した。これは、実施例1に開示したものと同じ方法を用いた。
【0097】
2.0mg/mLのPM00104およびシスプラチンの保存溶液を100% DMSO中に調製した。2.0mg/mLのゲムシタビンの保存溶液を、組織培養用滅菌水中に調製した。さらなる段階希釈を無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の4×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品50μLを加えた。
【0098】
各試験薬剤に対する3回から4回のアッセイの平均からIC50値を計算した。各細胞系に対する各薬剤の個々のIC50値をTable 2(表2)に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
b.第2セットのアッセイでは、各細胞系を、実施例1に開示したものと同じ投与量比において、上記で言及した各薬剤と併用してPM00104とインキュベートした。
【0101】
スクリーニングのこの第2の部分で用いた方法は、実施例1に開示したものと同じであった。
【0102】
各薬物の保存溶液も、2.0mg/mLの薬物濃度で以前に記載されている通りに調製した。これらの保存溶液を、さらに適宜段階希釈して出発濃度に到達させた。さらなる段階希釈を無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の8×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品25μLを加えた。
【0103】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.ヒト膀胱癌細胞におけるPM00104のゲムシタビンとの併用は、5637細胞系において(図19)相乗的であり、UM-UC-3細胞系において(図20)相加的な傾向を示した。
b.5637細胞系における(図21)PM00104のシスプラチンとの併用は相乗的であり、60/40、30/70および25/75の投与量比でUM-UC-3細胞系において(図22)相加的な傾向を示した。
【0104】
(実施例3)
ヒト膵臓癌細胞系に対する化学療法薬剤との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vitro試験
本試験の目的は、膵臓癌の治療において用いられる化学療法薬剤の抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を決定することであった。
【0105】
PM00104と併用して評価した薬剤はゲムシタビン(Gemzar(登録商標))であった。このアッセイに選択したヒト膵臓癌細胞系は以下の通りであった:BxPC-3、PANC-1、MIA PaCA-2、およびSW 1990細胞系。BxPC-3細胞系を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、10mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI 1640培地中で増殖させた。PANC-1細胞系を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、および4mM L-グルタミンを補ったDMEM中で増殖させた。MIA PaCA-2細胞系を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、2.5%ウマ血清、および2mM L-グルタミンを補ったDMEM中で増殖させた。SW1990細胞系を、10% FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったRPMI 1640培地中で増殖させた。
【0106】
スクリーニングを実施例1に開示した2つの部分において行った。
a.第1セットのアッセイでは、各腫瘍細胞系において薬物を72時間曝露した後、各薬物のIC50値を決定した。これは、実施例1に開示したものと同じ方法を用いた。
【0107】
2.0mg/mLのPM00104の保存溶液を100% DMSO中に調製した。2.0mg/mLのゲムシタビンの保存溶液を、組織培養用滅菌水中に調製した。さらなる段階希釈を、無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の4×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品50μLを加えた。
【0108】
各試験薬剤に対する3回のアッセイの平均からIC50値を計算した。各細胞系に対する各薬剤の個々のIC50値をTable 3(表3)に示す。
【0109】
【表3】
【0110】
b.第2セットのアッセイでは、各細胞系を、実施例1に開示したものと同じ投与量比のゲムシタビンと併用してPM00104とインキュベートした。
【0111】
スクリーニングのこの第2の部分で用いた方法は、実施例1に開示したものと同じであった。
【0112】
各薬物の保存溶液も、2.0mg/mLの薬物濃度で以前に記載されている通りに調製した。これらの保存溶液を、さらに適宜段階希釈して出発濃度に到達させた。さらなる段階希釈を無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の8×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品25μLを加えた。
【0113】
このアッセイにより、ヒト膵臓癌細胞におけるPM00104のゲムシタビンとの併用は、全ての細胞系(BxPC-3細胞系(図23)、PANC-1細胞系(図24)、MIA PaCA-2細胞系(図25)、およびSW1990細胞系(図26))において相乗的であったことが見出された。
【0114】
(実施例4)
ヒト膵臓腫瘍異種移植片におけるエルロチニブおよびゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト膵臓癌の異種移植片モデルを用いることによって、エルロチニブおよびゲムシタビンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0115】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群であった。
【0116】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、MIAPaCA-2細胞系であった。
【0117】
MIAPaCA-2細胞を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、2.5% ウマ血清、および4mM L-グルタミンを補ったDMEM中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲル/50%無血清培地の0.2mL懸濁液中in vitroの第18継代からの1×107個のMIAPaCA-2細胞を、トロカールを用いて右側腹部上に皮下的に(SC)移植した。マトリゲルは、4℃で液体であり37℃で固体である生物学的細胞外マトリックスであり、局部領域において細胞の緊密な結合を維持することによって腫瘍の増殖を促進する。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0118】
バーニアキャリパースを用いることによって腫瘍の測定値を決定した。長楕円に対する体積を計算するための公式を用いて、2次元の腫瘍測定値から腫瘍体積(mm3)を推定した:腫瘍体積(mm3)=[L×W2]÷2、式中、Lは長さであり、これはmmにおける最長の直径であり、Wは幅であり、これは腫瘍のmmにおける最短の直径である。単位密度を仮定して、体積を重量に変換する(すなわち、1mm3=1mg)。175±100mm3(平均±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。
【0119】
DPI(移植後日数)13日に治療を開始した。これらの実験において、併用療法群を同時に2つの薬物を同時投与することによって治療し、治療を順序付けようとはしなかった。
【0120】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。エルロチニブは錠剤の形態で提供され、これを0.5%カルボキシメチルセルロース/0.4% Tween-80/食塩水中に溶解した。ゲムシタビンは、ゲムシタビンHClを含む白色固形粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0121】
試験群および治療レジメンをTable 4(表4)に列挙する。
【0122】
【表4】
【0123】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度で、併用における2つの薬剤(PM00104およびエルロチニブ、またはPM00104およびゲムシタビン)間の平均腫瘍重量、対エルロチニブまたはゲムシタビンの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0124】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0125】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判定基準は以下の通りであった:
-併用群の反応が、併用療法において用いたのと同じスケジュールおよび投与量で、最も有効な薬剤を単一薬剤として投与(単独療法)した最良の反応を上回った場合に増強と決定した。
-以下の通りに、単独療法群の腫瘍増殖阻害の%対併用群の腫瘍増殖阻害の%を比較することによって上記で論じたように相加性と決定した:
1.併用において用いた投与量で単独療法として投与した各薬物に対して、100-%T/Cとして、腫瘍増殖阻害の%の決定。治療群における平均腫瘍重量(T)を、対照群における平均腫瘍重量(C)に対して比較することによって、%T/Cを得た(T/C×100%)。
2.各薬剤が単独療法として投与した場合と同じ反応を生成する場合、2つのスコアを一緒に加えて「予想反応」を決定した。
3.この「予想反応」を、併用療法群に対して決定した腫瘍増殖阻害の%から差し引いた:
a.負の数であれば、2つの薬物を併用した効果が相加性未満であることを意味した。
b.得られた数がゼロに近ければ、2つの薬物を併用した効果は相加性であると決定した。
c.正の数であれば、2つの薬物を併用した効果が相加性を超えることを意味した。
【0126】
したがって、併用治療の相加効果を超えることは相乗効果に相当し、この場合2つの薬物の併用の効果は、各薬物を単独で投与した場合の効果を考慮して予想されるものを治療的に上回る。
【0127】
Table 5(表5)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図27〜29は、対照(ビヒクル)、PM00104、ゲムシタビン、PM00104プラスゲムシタビン、またはPM00104プラスエルロチニブの様々な投与量で治療したマウスにおけるMIAPaCA-2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0128】
【表5】
【0129】
Table 6(表6)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン140mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビン腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0130】
【表6】
【0131】
Table 7(表7)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0132】
【表7】
【0133】
Table 8(表8)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ50mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0134】
【表8】
【0135】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびゲムシタビンの併用は、対照群に比べて統計的に有意な(p≦0.001)抗腫瘍活性をもたらした。この併用療法は、単一薬剤群で得られた結果を上回る統計的に有意な(p<0.001)活性の増強を生成した。治療の終わりに、この増強は相加性を超えることが決定された。
b.PM00104およびエルロチニブの(両方の投与量のエルロチニブの)併用は、対照群に比べて統計的に有意な(p≦0.001)抗腫瘍活性、および得られた結果を上回る統計的に有意な(p<0.001)活性の増強をもたらした。この増強は相加性を超えることが決定された。
【0136】
(実施例5)
ヒト膵臓腫瘍異種移植片におけるゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト膵臓癌の異種移植片モデルを用いることによって、ゲムシタビンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0137】
全ての実験に、メスCB17.SCIDマウス(Charles River Lab.)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群であった。
【0138】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、BxPC-3細胞系であった。
【0139】
BxPC-3細胞を、抗生物質なしで10% FBSおよびL-グルタミンを補った完全RPMI 1640中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしのマトリゲルおよびRPMI 1640無血清培地の0.2mL懸濁液中、in vitroの第12継代からの1×107個のBxPC-3細胞を、13Gトロカールおよび1ccシリンジを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0140】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 14日に開始した。
【0141】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ゲムシタビンは、ゲムシタビンHClを含む白色固形粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0142】
試験群および治療レジメンをTable 9(表9)に列挙する。
【0143】
【表9】
【0144】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。併用における2つの薬剤(PM00104およびゲムシタビン)間の平均腫瘍重量、対ゲムシタビンの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0145】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0146】
Table 10(表10)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図30は、対照(ビヒクル)、PM00104、ゲムシタビン、およびPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0147】
【表10】
【0148】
Table 11(表11)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン180mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0149】
【表11】
【0150】
このアッセイにより、PM00104およびゲムシタビンの併用は、対照群に比べて統計的に有意な(p≦0.05)抗腫瘍活性をもたらすことが見出された。さらに、併用療法は、相加性を上回る活性の増強を生成した。
【0151】
(実施例6)
ヒト膵臓腫瘍異種移植片におけるエルロチニブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト膵臓癌の異種移植片モデルを用いることによって、エルロチニブの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0152】
全ての実験に、メスCB17.SCIDマウス(Charles River Lab.)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群であった。
【0153】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、BxPC-3細胞系であった。この細胞系を、実施例5に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0154】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 9日に開始した。
【0155】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。エルロチニブは錠剤の形態で提供され、これを0.5% カルボキシメチルセルロース/0.4% Tween-80/食塩水(CTS)中に溶解した。
【0156】
試験群および治療レジメンをTable 12(表12)に列挙する。
【0157】
【表12】
【0158】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびエルロチニブ)間の平均腫瘍重量、対エルロチニブの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0159】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0160】
Table 13(表13)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図31〜33は、様々な投与量の対照(ビヒクル)、PM00104、エルロチニブ、およびPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0161】
【表13】
【0162】
Table 14(表14)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ50mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0163】
【表14】
【0164】
Table 15(表15)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0165】
【表15】
【0166】
Table 16(表16)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ15mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0167】
【表16】
【0168】
このアッセイにより、PM00104およびエルロチニブの併用は、試験した3つの投与量で、相加性を超える抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。
【0169】
(実施例7)
ヒト膀胱腫瘍異種移植片におけるシスプラチン、パクリタキセル、およびゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト膀胱癌の異種移植片モデルを用いることによって、シスプラチン、パクリタキセル、およびゲムシタビンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0170】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群であった。
【0171】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、UM-UC-3細胞系であった。
【0172】
UM-UC-3細胞を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、0.1mM必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補った最小必須培地(イーグル)中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲルおよび50%無血清培地の0.2mL懸濁液中in vitroの第17継代からの5×106個のUM-UC-3細胞を、トロカールおよび1ccシリンジを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0173】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 15日に開始した。
【0174】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ゲムシタビンは、ゲムシタビンHClを含む白色固形粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。シスプラチンおよびパクリタキセルは溶液として提供され、これらを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0175】
試験群および治療レジメンをTable 17(表17)に列挙する。
【0176】
【表17】
【0177】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびシスプラチン、PM00104およびゲムシタビン、またはPM00104およびパクリタキセル)間の平均腫瘍重量、対シスプラチン、ゲムシタビン、またはパクリタキセルの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0178】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0179】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0180】
Table 18(表18)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図34〜36は、対照(ビヒクル)、PM00104、シスプラチン、ゲムシタビン、パクリタキセル、および対応する併用で治療したマウスにおけるUM-UC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0181】
【表18】
【0182】
Table 19(表19)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびシスプラチン5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびシスプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のシスプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0183】
【表19】
【0184】
Table 20(表20)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン180mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0185】
【表20】
【0186】
Table 21(表21)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびパクリタキセル15mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0187】
【表21】
【0188】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびシスプラチンの併用は、統計的に有意に(p<0.001)超える抗腫瘍活性の相加的な増強をもたらした。
b.PM00104およびゲムシタビンの併用は、対照群に比べて統計的に有意な(p≦0.001)抗腫瘍活性をもたらした。治療期間の終わりに(DPI 29日)、増強は相加性を超えることが決定された。
c.PM00104およびパクリタキセルの併用は、単独療法の対照と比べた場合に、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらした。実験の終わりに、この増強は相加性であることが決定された。
【0189】
(実施例8)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるシスプラチンおよびパクリタキセルとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、シスプラチンおよびパクリタキセルの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0190】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス11匹を含み、2〜4群はマウス7匹を含み、残りの群はマウス8匹を含んでいた。
【0191】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、Hs746T細胞系であった。
【0192】
Hs746T細胞を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、および4mM L-グルタミンを補ったDMEM中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲルおよび50%無血清培地の0.2mL懸濁液中in vitroの第18継代からの5×106個のHs746T細胞を、トロカールを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0193】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 16日に開始した。
【0194】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。シスプラチンおよびパクリタキセルは溶液として提供され、これらを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0195】
試験群および治療レジメンをTable 22(表22)に列挙する。
【0196】
【表22】
【0197】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびシスプラチン、またはPM00104およびパクリタキセル)間の平均腫瘍重量、対シスプラチンまたはパクリタキセルの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0198】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0199】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0200】
Table 23(表23)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図37〜38は、対照(ビヒクル)、PM00104、シスプラチン、パクリタキセル、および対応する併用で治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0201】
【表23】
【0202】
Table 24(表24)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびシスプラチン5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびシスプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のシスプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0203】
【表24】
【0204】
Table 25(表25)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびパクリタキセル10mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0205】
【表25】
【0206】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびシスプラチンの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、併用群において腫瘍の殆ど完全な退行をもたらした。フォローアップ期間の終わりに、増強は相加性を超えることが決定された。
b.治療期間の間、およびフォローアップ期間の終わりに、PM00104およびパクリタキセルの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p≦0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、腫瘍の殆ど完全な退行をもたらした。
【0207】
(実施例9)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるフルオロウラシル(5-FU)、イリノテカン、およびドキソルビシンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、5-FU、イリノテカン、およびドキソルビシンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0208】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0209】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、Hs746T細胞系であった。この細胞系を、実施例8に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0210】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 15日に開始した。
【0211】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。5-FUは溶液として提供され、これを注射用水でさらに希釈した。イリノテカンはイリノテカンHCl三水和物を含む溶液の形態で提供され、これを0.9%滅菌食塩水中希釈した。ドキソルビシンは凍結乾燥粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0212】
試験群および治療レジメンをTable 26(表26)に列挙する。
【0213】
【表26】
【0214】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104および5-FU、PM00104およびイリノテカン、またはPM00104およびドキソルビシン)間の平均腫瘍重量、対5-FU、イリノテカン、またはドキソルビシンの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0215】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0216】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0217】
Table 27(表27)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図39〜41は、対照(ビヒクル)、PM00104、5-FU、イリノテカン、ドキソルビシン、および対応する併用で治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0218】
【表27】
【0219】
Table 28(表28)は、PM00104 0.9mg/kg/日、ならびにDPI 15日に5-FU 50mg/kg/日ならびにDPI22日および29日に5-FU 100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104および5-FUの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量の5-FUとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0220】
【表28】
【0221】
Table 29(表29)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびイリノテカン20mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびイリノテカンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のイリノテカンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0222】
【表29】
【0223】
Table 30(表30)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドキソルビシン6mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドキソルビシンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドキソルビシンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0224】
【表30】
【0225】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104および5-FUの併用は、治療期間の間、抗腫瘍活性の相加性の増強をもたらし、観察期間の終わりに相加性を超えることが決定された。
b.PM00104およびイリノテカンの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、極めて統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性を超えると等級付けされた。
c.PM00104およびドキソルビシンの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【0226】
(実施例10)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるドセタキセルおよびオキサリプラチンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、ドセタキセルおよびオキサリプラチンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0227】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0228】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したHs746T細胞系であった。この細胞系を、実施例8に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0229】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 14日に開始した。
【0230】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ドセタキセルは希釈用濃縮物として提供され、これを注射用水(wfi)中13%エタノールでさらに希釈した。オキサリプラチンは溶液として提供され、これを5%デキストロース注射液、USPでさらに希釈した。
【0231】
試験群および治療レジメンをTable 31(表31)に列挙する。
【0232】
【表31】
【0233】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびドセタキセル、またはPM00104およびオキサリプラチン)間の平均腫瘍重量、対ドセタキセルまたはオキサリプラチンの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0234】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0235】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0236】
Table 32(表32)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図42〜45は、対照(ビヒクル)、PM00104、ドセタキセル、オキサリプラチン、および対応する併用で治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0237】
【表32】
【0238】
Table 33(表33)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドセタキセル16mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドセタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドセタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0239】
【表33】
【0240】
Table 34(表34)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドセタキセル8mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドセタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドセタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0241】
【表34】
【0242】
Table 35(表35)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびオキサリプラチン8mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびオキサリプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のオキサリプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0243】
【表35】
【0244】
Table 36(表36)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびオキサリプラチン4mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびオキサリプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のオキサリプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0245】
【表36】
【0246】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびドセタキセルの併用は、単一薬剤の対照群としてドセタキセルで得られた結果ではなく、単一薬剤の対照群としてPM00104で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、ドセタキセル16mg/kg/日の場合は実験の終わりに相加性未満と等級付けされ、ドセタキセル8mg/kg/日の場合は実験の終わりに相加性を超えると等級付けされた。
b.PM00104およびオキサリプラチンの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【0247】
(実施例11)
ヒト胃腫瘍異種移植片における5-フルオロウラシル(5-FU)との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、5-FUの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0248】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0249】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DCT Tumor Bankから入手した、MRI-H-254細胞系であった。
【0250】
MRI-H-254フラグメントをドナー動物から除去し、組織を、膜およびあらゆる出血性の、壊死性の領域から壊死組織除去し、in vivoの第5継代からの3〜4mm3のフラグメントを、13Gトロカールを用いて各動物の右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0251】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 20日に開始した。
【0252】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。5-FUは注射用バイアルの形態で提供され、これを0.9%滅菌食塩水で希釈した。
【0253】
試験群および治療レジメンをTable 37(表37)に列挙する。
【0254】
【表37】
【0255】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104および5-FU)間の平均腫瘍重量、対5-FUの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0256】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0257】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0258】
Table 38(表38)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図46〜47は、対照(ビヒクル)、PM00104、5-FU、および対応する併用で治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0259】
【表38】
【0260】
Table 39(表39)は、PM00104 0.9mg/kg/日および5-FU 100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104および5-FUの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量の5-FUとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0261】
【表39】
【0262】
Table 40(表40)は、PM00104 0.9mg/kg/日および5-FU 50mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104および5-FUの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量の5-FUとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0263】
【表40】
【0264】
このアッセイにより、PM00104および5-FUの併用は、いずれかの単一薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性を超えると等級付けされたことが見出された。
【0265】
(実施例12)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるドセタキセルおよびオキサリプラチンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、ドセタキセルおよびオキサリプラチンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0266】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0267】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DCT Tumor Bankから入手した、MRI-H-254細胞系であった。この細胞系を、実施例11に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0268】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 20日に開始した。
【0269】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ドセタキセルは希釈用濃縮物として提供され、これを注射用水中13%エタノールでさらに希釈した。オキサリプラチンは溶液として提供され、これを5%デキストロース注射液、USPでさらに希釈した。
【0270】
試験群および治療レジメンをTable 41(表41)に列挙する。
【0271】
【表41】
【0272】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびドセタキセル、またはPM00104およびオキサリプラチン)間の平均腫瘍重量、対ドセタキセルまたはオキサリプラチンの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0273】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0274】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0275】
Table 42(表42)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図48〜51は、対照(ビヒクル)、PM00104、ドセタキセル、オキサリプラチン、および対応する併用で治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0276】
【表42】
【0277】
Table 43(表43)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドセタキセル16mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドセタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドセタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0278】
【表43】
【0279】
Table 44(表44)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドセタキセル8mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドセタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドセタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0280】
【表44】
【0281】
Table 45(表45)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびオキサリプラチン8mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびオキサリプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のオキサリプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0282】
【表45】
【0283】
Table 46(表46)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびオキサリプラチン4mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびオキサリプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のオキサリプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0284】
【表46】
【0285】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびドセタキセルの併用は、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらした。この増強は相加性を超えることが見出された。
b.PM00104およびオキサリプラチンの併用は、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらした。この増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0286】
(実施例13)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるドキソルビシンおよびパクリタキセルとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、ドキソルビシンおよびパクリタキセルの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0287】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス11匹を含み、2〜6群は1群あたり8匹/群のマウスを含み、残りの群は1群あたり9匹/群のマウスを含んでいた。
【0288】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DCT Tumor Bankから入手した、MRI-H-254細胞系であった。この細胞系を、実施例11に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0289】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 17日に開始した。
【0290】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ドキソルビシンは凍結乾燥粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。パクリタキセルは溶液として提供され、これを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0291】
試験群および治療レジメンをTable 47(表47)に列挙する。
【0292】
【表47】
【0293】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびドキソルビシン、またはPM00104およびパクリタキセル)間の平均腫瘍重量、対ドキソルビシンまたはパクリタキセルの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0294】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0295】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0296】
Table 48(表48)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図52〜57は、対照(ビヒクル)、PM00104、ドキソルビシン、パクリタキセル、および対応する併用で治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0297】
【表48】
【0298】
Table 49(表49)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドキソルビシン6mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドキソルビシンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドキソルビシンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0299】
【表49】
【0300】
Table 50(表50)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびドキソルビシン6mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドキソルビシンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドキソルビシンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0301】
【表50】
【0302】
Table 51(表51)は、PM00104 0.23mg/kg/日およびドキソルビシン6mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドキソルビシンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドキソルビシンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0303】
【表51】
【0304】
Table 52(表52)は、PM00104 0.90mg/kg/日およびパクリタキセル12.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0305】
【表52】
【0306】
Table 53(表53)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびパクリタキセル12.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0307】
【表53】
【0308】
Table 54(表54)は、PM00104 0.23mg/kg/日およびパクリタキセル12.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0309】
【表54】
【0310】
このアッセイにより、以下のことが見出された。
a.PM00104およびドキソルビシンの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらした。この増強は相加性未満であることが見出された。さらに、評価した投与量およびスケジュールにおいて、併用はいくつかの毒性の徴候をもたらし、動物間の死亡率は50%であった。
b.PM00104およびパクリタキセルの併用は、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらした。この増強は相加性未満であると等級付けされ、低い方の投与量のPM00104で観察された最良の結果であった。
【0311】
(実施例14)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるシスプラチン、パクリタキセル、およびイリノテカンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、シスプラチン、パクリタキセル、およびイリノテカンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0312】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群は15匹のマウスを含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0313】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DCT Tumor Bankから入手した、MRI-H-254細胞系であった。この細胞系を、実施例11に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0314】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 16日に開始した。
【0315】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。シスプラチンおよびパクリタキセルは溶液として提供され、これらを0.9%食塩水でさらに希釈した。イリノテカンはイリノテカンHCl三水和物を含む溶液の形態で提供され、これを0.9%滅菌食塩水中希釈した。
【0316】
試験群および治療レジメンをTable 55(表55)に列挙する。
【0317】
【表55】
【0318】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびシスプラチン、PM00104およびイリノテカン、またはPM00104およびパクリタキセル)間の平均腫瘍重量、対シスプラチン、イリノテカン、またはパクリタキセルの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0319】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0320】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0321】
Table 56(表56)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図58〜63は、対照(ビヒクル)、PM00104、シスプラチン、イリノテカン、パクリタキセル、および対応する併用で治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0322】
【表56】
【0323】
Table 57(表57)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびシスプラチン5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびシスプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のシスプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0324】
【表57】
【0325】
Table 58(表58)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびシスプラチン3mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびシスプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のシスプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0326】
【表58】
【0327】
Table 59(表59)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびイリノテカン18mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびイリノテカンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のイリノテカンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0328】
【表59】
【0329】
Table 60(表60)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびイリノテカン10mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびイリノテカンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のイリノテカンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0330】
【表60】
【0331】
Table 61(表61)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびパクリタキセル25mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0332】
【表61】
【0333】
Table 62(表62)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびパクリタキセル12.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0334】
【表62】
【0335】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびシスプラチンの併用は、単一薬剤の対照群としてPM00104で得られた結果ではなく、単一薬剤の対照群としてシスプラチンで得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性未満であると等級付けされた。
b.PM00104およびイリノテカンの併用は、単一薬剤の対照群としてPM00104で得られた結果ではなく、単一薬剤の対照群としてイリノテカンで得られた結果を上回る、極めて統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性未満であると等級付けされた。
c.PM00104およびパクリタキセルの併用は抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、投与量12.5mg/kg/日のパクリタキセルで統計的に有意であった(p<0.001)。この増強は相加性未満であると等級付けされた。
【0336】
(実施例15)
ヒト肝細胞癌異種移植片におけるソラフェニブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト肝細胞癌の異種移植片モデルを用いることによって、ソラフェニブの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0337】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0338】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、HepG2細胞系であった。
【0339】
HepG2細胞を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、0.1mM可欠アミノ酸、1.0mMピルビン酸ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補ったMEM中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲルおよび50%無血清培地の0.2mL懸濁液中5×106個のHepG2細胞を、13Gトロカールを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0340】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 19日に開始した。
【0341】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ソラフェニブは錠剤の形態で提供され、これをCremophor EL/エタノール/水(CEW)最終比率(12.5、12.5、75)中溶解した。
【0342】
試験群および治療レジメンをTable 63(表63)に列挙する。
【0343】
【表63】
【0344】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびソラフェニブ)間の平均腫瘍重量、対ソラフェニブの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0345】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0346】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0347】
Table 64(表64)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図64〜67は、対照(ビヒクル)、PM00104、ソラフェニブ、および対応する併用で治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0348】
【表64】
【0349】
Table 65(表65)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびソラフェニブ60mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0350】
【表65】
【0351】
Table 66(表66)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびソラフェニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0352】
【表66】
【0353】
Table 67(表67)は、PM00104 0.6mg/kg/日およびソラフェニブ60mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0354】
【表67】
【0355】
Table 68(表68)は、PM00104 0.6mg/kg/日およびソラフェニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0356】
【表68】
【0357】
このアッセイにより、PM00104およびソラフェニブの併用は、ソラフェニブの対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。観察された増強は、相加性未満であると等級付けされた。
【0358】
(実施例16)
ヒト肝細胞癌異種移植片におけるソラフェニブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト肝細胞癌の異種移植片モデルを用いることによって、ソラフェニブの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0359】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0360】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、PLC/PRF/5細胞系であった。
【0361】
PLC/PRF/5を、10% FBSおよび1% L-グルタミンを補ったイーグル最小必須培地中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲルおよび50%無血清MEM培地の0.2mL懸濁液中5×106個のPLC/PRF/5細胞を、13Gトロカールおよび1mLシリンジを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0362】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 14日に開始した。
【0363】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ソラフェニブは錠剤の形態で提供され、これをCremophor EL/エタノール/水(CEW) 最終比率(12.5、12.5、75)中溶解した。
【0364】
試験群および治療レジメンをTable 69(表69)に列挙する。
【0365】
【表69】
【0366】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびソラフェニブ)間の平均腫瘍重量、対ソラフェニブの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0367】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0368】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0369】
Table 70(表70)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図68〜71は、対照(ビヒクル)、PM00104、ソラフェニブ、および対応する併用で治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0370】
【表70】
【0371】
Table 71(表71)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびソラフェニブ60mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0372】
【表71】
【0373】
Table 72(表72)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびソラフェニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0374】
【表72】
【0375】
Table 73(表73)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびソラフェニブ60mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0376】
【表73】
【0377】
Table 74(表74)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびソラフェニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0378】
【表74】
【0379】
このアッセイにより、PM00104およびソラフェニブの併用は、ソラフェニブの対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出され、両薬物とも低い方の投与量に観察された最良の結果であった。この最良の増強は、相加性を超えると等級付けされた。
【0380】
(実施例17)
ヒト卵巣腫瘍異種移植片におけるベバシズマブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト卵巣癌の異種移植片モデルを用いることによって、ベバシズマブの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0381】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0382】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、SK-OV-3細胞系であった。
【0383】
SK-OV-3フラグメントをドナー動物から除去し、組織を、膜およびあらゆる出血性の、壊死性の領域から壊死組織除去し、in vivoの第2継代からの3〜4mm3のフラグメントを、13Gトロカールを用いて各動物の右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0384】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 14日に開始した。
【0385】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ベバシズマブは溶液として提供され、これを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0386】
試験群および治療レジメンをTable 75(表75)に列挙する。
【0387】
【表75】
【0388】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびベバシズマブ)間の平均腫瘍重量、対ベバシズマブの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0389】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0390】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0391】
Table 76(表76)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図72〜73は、対照(ビヒクル)、PM00104、ベバシズマブ、および対応する併用で治療したマウスにおけるSK-OV-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0392】
【表76】
【0393】
Table 77(表77)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびベバシズマブ5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびベバシズマブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のベバシズマブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0394】
【表77】
【0395】
Table 78(表78)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびベバシズマブ2.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびベバシズマブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のベバシズマブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0396】
【表78】
【0397】
このアッセイにより、PM00104およびベバシズマブの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。低い方の投与量のベバシズマブでは、この増強は、アッセイの終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【0398】
(実施例18)
ヒト肺癌、乳癌、および結腸癌細胞系に対する化学療法薬剤との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vitro試験
本試験の目的は、肺癌、乳癌、および結腸癌の治療において用いられる化学療法薬剤の抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を決定することであった。
【0399】
PM00104と併用して以下の薬剤を評価した:パクリタキセル、シスプラチン、ゲムシタビン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル(5-FU)、イリノテカン、およびオキサリプラチン。このアッセイに選択したヒト癌細胞系は以下の通りであった:A-549細胞系(肺癌)、NCI-H460細胞系(肺癌)、NCI-H23細胞系(肺癌)、MDA-MB-231細胞系(乳癌)、BT-474細胞系(乳癌)、MCF-7細胞系(乳癌)、LoVo細胞系(結腸癌)、HCT-116細胞系(結腸癌)、およびHT-29細胞系(結腸癌)。
-A-549細胞、NCI-H460細胞、MDA-MB-231細胞、MCF-7細胞、LoVo細胞、およびHT-29細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを補ったダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で増殖させた。
-NCI-H23細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI中で増殖させた。
-BT-474細胞を、1% ITS(インスリン、トランスフェリン、およびセレン)、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI中で増殖させた。
-HCT-116細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを補ったマッコイ培地中で増殖させた。
【0400】
スクリーニングを2つの部分において行った。
a.第1セットのアッセイでは、各腫瘍細胞系において薬物を72時間曝露した後、各薬物のIC50値を決定した。
【0401】
全細胞系を、それぞれの増殖培地中、37℃、5%CO2、および湿度98%に維持した。プレーティングの前に、細胞培養物をトリプシン処理し、自動化フローサイトメーターを用いて細胞数を推定した。
【0402】
細胞を回収し、96ウェルマイクロタイタープレート中、培地150μL中好適な細胞密度(細胞5,000〜10,000個)に播種し、24時間インキュベートして細胞を付着させた後、薬物添加した。
【0403】
PM00104、パクリタキセル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル(5-FU)、およびイリノテカンの1.0mg/mL保存溶液を100%DMSO中に調製した。シスプラチンおよびオキサリプラチンの1.0mg/mL保存溶液を、組織培養用二回滅菌水中に調製した。無血清培地中、さらなる段階希釈を調製して、最終の4×治療濃度を達成した。希釈した各試験物品50μLをウエルごとに加えた。
【0404】
細胞毒性効果を、生存細胞数を決定するための比色法であるMTTアッセイ(テトラゾリウム)によって測定した。インキュベーション期間(72時間)の後、各マイクロタイターウェルにMTT溶液50μLを加え、37℃でさらなる8時間インキュベートした。次いで、培地を取り除き、DMSO 50μLを加えてMTT結晶を溶解した。分光光度計マイクロプレートリーダー上、540nmで吸光度を読んだ。
【0405】
各試験薬剤に対する2回から4回のアッセイの平均からIC50値を計算した。Prism v5.02ソフトウエア(GraphPad)を用いて回帰曲線を生成し、次いで50%阻害濃度を自動的に補間した。
【0406】
各細胞系に対する各薬剤の個々のIC50値をTable 79(表79)に示す。
【0407】
【表79】
【0408】
b.第2セットのアッセイでは、細胞系を、以下の組合せの独特のIC50濃度において、上記で言及した各薬剤と併用してPM00104とインキュベートした。
PM00104のIC50 薬剤のIC50
100% 0%
75% 25%
70% 30%
60% 40%
50% 50%
40% 60%
30% 70%
25% 75%
0% 100%
【0409】
細胞培養および細胞のプレーティングを先に記載した通りに行った。各薬物の保存溶液も、1.0mg/mLの薬物濃度で先に記載した通りに調製した。これらの保存溶液を、さらに適宜段階希釈して出発濃度に到達させた。さらなる段階希釈を無血清培地中に調製して、最終の8×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品25μLを加えた。
【0410】
細胞毒性効果を、上記に記載した通りにMTTアッセイによって測定した。以下の通りにデータを分析した。
1.Prism v5.02ソフトウエア(Graphpad)プログラムを用いて、データを対照値に標準化した(100%=薬剤の非存在下(ビヒクル単独)の細胞の成長;0%=ブランク対照)。
2.標準化したデータをx/yグラフとしてプロットした。各薬剤(薬物)に対する100%IC50の値を結んで線を引いた。値が線を大幅に上回れば拮抗作用を示しており、大幅に下回れば相乗作用を示し、線上であれば相加作用を示していた。
【0411】
腫瘍細胞に対する相乗的な細胞毒性が最適の効果であり、PM00104と別の薬物との併用がいずれかの薬物単独よりも有効であることを意味する。統計上有意な観察は、併用の(PM00104+別の薬物)細胞生存の%値と両方のエンドポイント値(PM00104および他の薬物単独)との間に差が存在することを必要とする。値の大多数が、線(エンドポイント)を統計的に超え、またはそれ未満である場合は、それぞれ拮抗作用または相乗作用と記載され、その他の場合は、そのパターンは相加性の相互作用とさらに一致する。
【0412】
このアッセイにしたがって、以下のことが見出された:
a.ヒト肺癌細胞におけるPM00104のゲムシタビンとの併用は、NCI-H23細胞系において(図76)60/40、70/30、および75/25の投与量比で相乗的であり、NCI-H460細胞系において(図75)、75/25の投与量比で相乗効果を有する相加性の傾向を示した。さらに、A549細胞系において(図74)、併用は相加性の傾向を示した。
b.ヒト肺癌細胞におけるPM00104のパクリタキセルとの併用は、NCI-H23細胞系において(図79)相乗的であり、NCI-H460細胞系(図78)およびA549細胞系(図77)において相加性の傾向を示した。
c.ヒト肺癌細胞におけるPM00104のシスプラチンとの併用は、NCI-H460細胞系において(図81)30/70および50/50の投与量比で相乗的であった。A549細胞系において(図80)相加性の傾向を示し、NCI-H23細胞系において(図82)拮抗性の傾向を示した。
d.ヒト乳癌細胞におけるPM00104のゲムシタビンとの併用は、MDA-MB-231細胞系(図83)、BT-474細胞系(図84)、およびMCF-7細胞系(図85)において相乗的であった。
e.ヒト乳癌細胞におけるPM00104のパクリタキセルとの併用は、MCF-7細胞系(図88)において相乗的であり、MDA-MB-231細胞系(図86)およびBT-474細胞系(図87)において相加性の傾向を示した。
f.ヒト乳癌細胞におけるPM00104のドキソルビシンとの併用はMDA-MB-231細胞系(図89)、BT-474細胞系(図90)、およびMCF-7細胞系(図91)において相乗的であった。
g.結腸癌細胞におけるPM00104の5-フルオロウラシルとの併用は、全てまたは殆んど全ての投与量比でHT-29細胞系(図94)およびLoVo細胞系(図93)において相乗的であり、HCT-116(図92)において相加性の傾向を示した。
h.ヒト結腸癌細胞におけるPM00104のオキサリプラチンとの併用は、LoVo細胞系(図96)、HT-29細胞系(図97)、およびHCT-116細胞系(図95)において相加性の傾向を示した。
i.ヒト結腸癌細胞におけるPM00104のイリノテカンとの併用は、LoVo細胞系(図99)において相乗的であり、HT-29細胞系(図100)およびHCT-116細胞系(図98)において相加性の傾向を示した。
【0413】
(実施例19)
ヒト肺癌異種移植片におけるテムシロリムスおよびベバシズマブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0414】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒトNSCLC細胞系である、NCI-H460細胞系であった。NCI-H460細胞を、10% FBS、10mM Hepes、1mMピルビン酸ナトリウム、4.5g/lグルコース、1.5g/l炭酸水素ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI-1640培地中で増殖させた。in vitroの第7継代からの細胞を、13Gトロカールと一緒に1mlシリンジを用いて実験用マウス中にSC移植した:血清または抗生物質のないNCI-H460の50%マトリゲル/50% RPMI培地0.2ml中細胞5×106個/マウス。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0415】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。139±36mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 9日に開始した。
【0416】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。テムシロリムスは非水性エタノール溶液の形態で提供され、これをポリソルベート80(40%w/v)、ポリエチレングリコール400(42.8%w/v)、および無水アルコール(19.9%w/v)を含む希釈液でさらに希釈し、次いで0.9%食塩水中投与濃度にさらに希釈した。ベバシズマブは溶液として提供され、これを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0417】
試験群および治療レジメンをTable 80(表80)に列挙する。
【0418】
【表80】
【0419】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびベバシズマブ、またはPM00104およびテムシロリムス)間の平均腫瘍重量、対ベバシズマブまたはテムシロリムスの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0420】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0421】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0422】
Table 81(表81)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図101〜104は、対照、PM00104、ベバシズマブ、テムシロリムス、および対応する併用で治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0423】
【表81】
【0424】
Table 82(表82)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびベバシズマブ5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびベバシズマブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のベバシズマブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0425】
【表82】
【0426】
Table 83(表83)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびベバシズマブ2.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびベバシズマブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のベバシズマブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0427】
【表83】
【0428】
Table 84(表84)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびテムシロリムス20mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびテムシロリムスの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のテムシロリムスとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0429】
【表84】
【0430】
Table 85(表85)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびテムシロリムス10mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびテムシロリムスの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のテムシロリムスとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0431】
【表85】
【0432】
このアッセイにより、PM00104およびベバシズマブの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。ベバシズマブの両方の投与量で、アッセイの終わりにこの増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0433】
このアッセイにより、PM00104およびテムシロリムスの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。テムシロリムスの両方の投与量で、アッセイの終わりにこの増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0434】
(実施例20)
ヒト肺癌異種移植片におけるゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0435】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒトNSCLC細胞系である、NCI-H460細胞系であった。この細胞系を、実施例19に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。実験用マウス中にSC移植したものは、in vitroの第9継代からの細胞であった。
【0436】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 8日に開始した。
【0437】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ゲムシタビンはゲムシタビンHClを含む白色固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0438】
試験群および治療レジメンをTable 86(表86)に列挙する。
【0439】
【表86】
【0440】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびゲムシタビン)間の平均腫瘍重量、対ゲムシタビンの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0441】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0442】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0443】
Table 87(表87)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図105〜106は、対照、PM00104、ゲムシタビン、および対応する併用で治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0444】
【表87】
【0445】
Table 88(表88)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン180mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0446】
【表88】
【0447】
Table 89(表89)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン90mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0448】
【表89】
【0449】
このアッセイにより、PM00104およびゲムシタビンの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。低い方の投与量のゲムシタビンを有する併用の増強は、試験の終わりに相加性として等級付けされた。
【0450】
(実施例21)
ヒト肺癌異種移植片における、ゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス13匹を含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0451】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒト肺癌細胞系である、CaLu-6細胞系であった。CaLu-6細胞を、10% FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったイーグル最小必須培地(MEM)中で増殖させた。in vitroの第12継代からの細胞を、13Gトロカールと一緒に1mlシリンジを用いて実験用マウス中にSC移植した:血清または抗生物質のないCaLu-6の50%マトリゲル/50% MEM培地0.2ml中細胞5×106個/マウス。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0452】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。99±17mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 9日に開始した。
【0453】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ゲムシタビンはゲムシタビンHClを含む白色固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0454】
試験群および治療レジメンをTable 90(表90)に列挙する。
【0455】
【表90】
【0456】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびゲムシタビン)間の平均腫瘍重量、対ゲムシタビンの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0457】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0458】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0459】
Table 91(表91)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図107〜108は、対照、PM00104、ゲムシタビン、および対応する併用で治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0460】
【表91】
【0461】
Table 92(表92)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン180mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0462】
【表92】
【0463】
Table 93(表93)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン90mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0464】
【表93】
【0465】
このアッセイにより、PM00104およびゲムシタビンの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。ゲムシタビンの両方の投与量で、アッセイの終わりにこの増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0466】
(実施例22)
ヒト肺癌異種移植片におけるペメトレキセドとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0467】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒト肺細胞系である、CaLu-6細胞系であった。この細胞系を、実施例21に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。実験用マウス中にSC移植したのは、in vitroの第10継代からの細胞であった。
【0468】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。86±16mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 9日に開始した。
【0469】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ペメトレキセドはペメトレキセド二ナトリウムを含む固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0470】
試験群および治療レジメンをTable 94(表94)に列挙する。
【0471】
【表94】
【0472】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびペメトレキセド)間の平均腫瘍重量、対ペメトレキセドの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0473】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0474】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0475】
Table 95(表95)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図109〜110は、対照、PM00104、ペメトレキセド、および対応する併用で治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0476】
【表95】
【0477】
Table 96(表96)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド125mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0478】
【表96】
【0479】
Table 97(表97)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0480】
【表97】
【0481】
このアッセイにより、PM00104およびペメトレキセドの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。ペメトレキセド投与量の両方の投与量で、この増強は、アッセイの終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【0482】
(実施例23)
ヒト肺癌異種移植片におけるペメトレキセドとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス14匹を含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0483】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒト肺細胞系である、NCI-H460細胞系であった。この細胞系を、実施例19に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。実験用マウス中にSC移植したのは、in vitroの第16継代からの細胞であった。
【0484】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。118±32mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 8日に開始した。
【0485】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ペメトレキセドはペメトレキセド二ナトリウムを含む固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0486】
試験群および治療レジメンをTable 98(表98)に列挙する。
【0487】
【表98】
【0488】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびペメトレキセド)間の平均腫瘍重量、対ペメトレキセドの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0489】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0490】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0491】
Table 99(表99)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図111〜112は、対照、PM00104、ペメトレキセド、および対応する併用で治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0492】
【表99】
【0493】
Table 100(表100)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド125mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0494】
【表100】
【0495】
Table 101(表101)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0496】
【表101】
【0497】
このアッセイにより、PM00104およびペメトレキセドの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。ペメトレキセドの両方の投与量で、アッセイの終わりにこの増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0498】
(実施例24)
ヒト中皮腫異種移植片におけるペメトレキセドとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0499】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DTP、DCTD腫瘍貯蔵所(tumor repository)から入手したヒト中皮腫細胞系である、H-Meso-1細胞系であった。H-Meso-1細胞を、10% FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったRPMI-1640培地中で増殖させた。細胞を、13Gトロカールと一緒に1mlシリンジを用いて実験用マウス中にSC移植した:血清または抗生物質のないH-Meso-1の50%マトリゲル/50% RPMI培地0.2ml中細胞5×106個/マウス。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0500】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 6日に開始した。
【0501】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ペメトレキセドはペメトレキセド二ナトリウムを含む固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0502】
試験群および治療レジメンをTable 102(表102)に列挙する。
【0503】
【表102】
【0504】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびペメトレキセド)間の平均腫瘍重量、対ペメトレキセドの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0505】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0506】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0507】
Table 103(表103)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図113〜114は、対照、PM00104、ペメトレキセド、および対応する併用で治療したマウスにおけるH-Meso-1腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0508】
【表103】
【0509】
Table 104(表104)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0510】
【表104】
【0511】
Table 105(表105)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびペメトレキセド100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0512】
【表105】
【0513】
このアッセイにより、PM00104およびペメトレキセドの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。PM00104の両方の投与量で、この増強は、アッセイの終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【技術分野】
【0001】
本発明は、PM00104の、他の抗癌薬、とりわけ抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬との併用に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、身体の一部分における細胞が制御不能に増殖し始める場合に発生する。多くの種類の癌が存在するが、これらは全て、異常な細胞の制御不能の増殖から生じるものである。癌細胞は近傍の組織に侵入することができ、血流およびリンパ系によって身体の他の部分に広がり得る。癌にはいくつかの主要なタイプがある。癌腫は悪性の新生物であり、上皮細胞から生じる、非制御で進行性の異常な増殖である。上皮細胞は、器官、血管の内層および他の小腔を含めた身体の内側および外側表面を覆っている。肉腫は、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管、または他の結合組織もしくは支持組織における細胞から生じる癌である。白血病は、骨髄などの血液形成組織において生じる癌であり、多数の異常な血液細胞の生成および血流への侵入を引き起こす。リンパ腫および多発性骨髄腫は、免疫系の細胞から生じる癌である。
【0003】
さらに、癌は侵襲性であり、周囲の組織に浸潤し、転移を生じる傾向がある。癌は周囲の組織中に直接拡散することができ、身体の他の部分にリンパ系および循環系によって拡散することもある。
【0004】
癌には、局在性の疾患に対する外科手術および放射線照射、ならびに化学療法を含めた多くの治療が利用可能である。しかし、多くの癌のタイプに対して利用可能な治療の有効性は限られており、臨床上の利点を示す、新しい、改善された形態の治療が必要とされている。これは、特に、進行および/もしくは転移疾患を呈する患者にとって、ならびに耐性の獲得により、または付随する毒性による治療法の投与における限界により、無効または非認容性となった、確立された治療法で以前に治療された後に進行性の疾患を再発する患者にとって当てはまる。
【0005】
1950年代以来、癌の化学療法上のマネジメントにおいて著しい進歩がなされている。残念なことに、全癌患者の50%を超える患者は、治療に最初に反応した後、最初の治療法に反応せず、または再発を経験し、進行性の転移疾患により最終的に死亡する。したがって、新規な抗癌薬剤のデザインおよび発見に持続的に取り組むことは決定的に重要である。
【0006】
理想的な抗腫瘍薬は、非癌細胞に対するその毒性に比べて広い指標で癌細胞を選択的に死滅させ、また、薬物への長期間曝露の後でも癌細胞に対するその有効性を維持するものであろう。残念なことに、知られている薬剤での現在の化学療法には、理想的なプロファイルを有するものはない。殆どは非常に狭い治療指標を有し、さらに、癌細胞は、わずかに致死量以下の濃度の化学療法薬剤に曝露されるとそのような薬剤に対する耐性を発生し、かなりしばしば他の抗腫瘍薬剤のいくつかに対して交叉耐性を発生することがある。
【0007】
PM00104は、ジョルマイシンおよびレニエラマイシン、ならびにまたサフラシンおよびサフラマイシン化合物に関連するアルカロイドである。ジョルマイシンは、皮膚から、および太平洋の裸鰓亜目のブチウミウシ(Jorunna funebris)の粘液から単離された天然化合物である(Fontana A.ら、Tetrahedron (2000)、56、7305〜8頁)。さらに、レニエラマイシンのファミリーは、海綿および被嚢類から単離されると開示されている(James M.F.ら、J. Am. Chem. Soc. (1982)、104、265〜269頁;Oku N.ら、Journal Natural Products (2003)、66、1136〜9頁)。サフラシンおよびサフラマイシン化合物は、Manzanares I.ら、Curr. Med. Chem. Anti-Cancer Agents (2001)、1、257〜276頁、ならびにWO00/18233およびWO 01/87894に開示されている。
【0008】
PM00104は、固形腫瘍および非固形腫瘍の細胞系に対して著しいin vitro活性を実証し、ならびに乳房および前立腺など、マウスにおいて異種移植したいくつかのヒト細胞系において著しいin vivo活性を実証している。PM00104の作用機序に対する予備的な洞察は、細胞サイクルの変化、DNA結合特性、および転写阻害を示唆していた。この化合物は以下の化学構造を有する。
【0009】
【化1】
【0010】
PM00104のさらなる詳細は、WO01/87894を参照されたい。さらに、PM00104の医薬組成物、ならびに投与の投与量およびスケジュールに関しては、とりわけ参照によって本明細書に援用されるWO2007/052076およびWO2008/135792を参照されたい。
【0011】
癌は、動物およびヒトにおける主な死因であるので、癌に罹患している患者に投与すべき安全かつ有効な治療法を得るために、いくつかの努力がなされ、依然として努力がなされつつある。本発明が解決すべき問題は、癌の治療に有用である抗癌の治療法を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO00/18233
【特許文献2】WO01/87894
【特許文献3】WO2007/052076
【特許文献4】WO2008/135792
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Fontana A.ら、Tetrahedron (2000)、56、7305〜8頁
【非特許文献2】James M.F.ら、J. Am. Chem. Soc. (1982)、104、265〜269頁
【非特許文献3】Oku N.ら、Journal Natural Products (2003)、66、1136〜9頁
【非特許文献4】Manzanares I.ら、Curr. Med. Chem. Anti-Cancer Agents (2001)、1、257〜276頁
【非特許文献5】Burger「Medicinal Chemistry and Drug Discovery」第6版(Donald J. Abraham編集、2001、Wiley)
【非特許文献6】「Design and Applications of Prodrugs」(H. Bundgaard編集、1985、Harwood Academic Publishers)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、PM00104が他の抗癌薬剤、とりわけ抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬の抗腫瘍活性を増強し、したがってPM00104および他の抗癌薬剤が、癌の治療に対する併用療法において上首尾に用いられ得ることを確立するものである。
【0015】
したがって、本発明は、併用療法を用いた癌の治療のための医薬組成物、キット、方法、および併用療法のための薬物の製造におけるPM00104の使用を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様にしたがって、本発明者らは、PM00104または薬学的に許容できるその塩をベースにした、および別の抗癌薬を用いた癌の治療に有効な併用療法を提供する。
【0017】
別の一実施形態において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量、ならびにPM00104を投与する前に、間に、または後に投与される治療有効量の別の抗癌薬を、そのような治療を必要とする患者に投与するステップを含む、癌を治療する方法を包含する。2つの薬物が同じ組成物の部分を形成してもよく、または同時に、もしくは異なる時間に投与するための別々の組成物として提供されてもよい。
【0018】
別の一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、癌の治療における抗癌薬の治療有効性を増大または増強する方法を包含する。PM00104を、他の抗癌薬を投与する前に、間に、または後に投与する。
【0019】
別の一実施形態において、本発明は、別の抗癌薬との併用療法において、癌を治療するための薬物を製造するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩の使用を包含する。
【0020】
さらなる一態様において、本発明は、癌の治療のための併用療法において用いるための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および/または別の抗癌薬、ならびに薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を包含する。
【0021】
本発明は、一剤形のPM00104または薬学的に許容できるその塩、および/または一剤形の別の抗癌薬、および両方の薬物を併用において用いるための指示を含む、癌の治療において用いるためのキットも包含する。
【0022】
好ましい一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の、別の抗癌薬との相乗的併用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】Hs746T細胞におけるPM00104およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図2】AGS細胞におけるPM00105およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図3】HGC-27細胞におけるPM00106およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図4】Hs746T細胞(図4)におけるPM00104およびSN38併用の阻害効果を示す図である。
【図5】AGS細胞におけるPM00104およびSN39併用の阻害効果を示す図である。
【図6】HGC-27細胞におけるPM00104およびSN40併用の阻害効果を示す図である。
【図7】Hs746T細胞におけるPM00104および5-FU併用の阻害効果を示す図である。
【図8】AGS細胞におけるPM00104および6-FU併用の阻害効果を示す図である。
【図9】HGC-27細胞におけるPM00104および7-FU併用の阻害効果を示す図である。
【図10】Hs746T細胞におけるPM00104およびドキソルビシン併用の阻害効果を示す図である。
【図11】AGS細胞におけるPM00105およびドキソルビシン併用の阻害効果を示す図である。
【図12】HGC-27細胞におけるPM00106およびドキソルビシン併用の阻害効果を示す図である。
【図13】Hs746T細胞におけるPM00104およびドセタキセル併用の阻害効果を示す図である。
【図14】AGS細胞におけるPM00105およびドセタキセル併用の阻害効果を示す図である。
【図15】HGC-27細胞におけるPM00106およびドセタキセル併用の阻害効果を示す図である。
【図16】Hs746T細胞におけるPM00104およびオキサリプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図17】AGS細胞におけるPM00105およびオキサリプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図18】HGC-27細胞におけるPM00106およびオキサリプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図19】5637細胞におけるPM00104およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図20】UM-UC-3細胞におけるPM00105およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図21】5637細胞におけるPM00104およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図22】UM-UC-3細胞におけるPM00105およびシスプラチン併用の阻害効果を示す図である。
【図23】BxPC-3細胞におけるPM00104およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図24】PANC-1細胞におけるPM00105およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図25】MIA PaCa-2細胞におけるPM00106およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図26】SW1990細胞におけるPM00107およびゲムシタビン(Gemzar(登録商標))併用の阻害効果を示す図である。
【図27】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(140mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるMIA PaCa-2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図28】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるMIA PaCa-2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図29】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(50mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるMIA PaCa-2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図30】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(180mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図31】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(50mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図32】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図33】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、エルロチニブ(15mg/kg/日)、またはPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図34】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、シスプラチン(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスシスプラチンで治療したマウスにおけるUM-UC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図35】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(180mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるUM-UC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図36】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(15mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるUM-UC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図37】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、シスプラチン(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスシスプラチンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図38】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(10mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図39】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、5-FU(50/100mg/kg/日)、またはPM00104プラス5-FUで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図40】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、イリノテカン(20mg/kg/日)、またはPM00104プラスイリノテカンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図41】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドキソルビシン(6mg/kg/日)、またはPM00104プラスドキソルビシンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図42】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドセタキセル(16mg/kg/日)、またはPM00104プラスドセタキセルで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図43】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドセタキセル(8mg/kg/日)、またはPM00104プラスドセタキセルで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図44】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、オキサリプラチン(8mg/kg/日)、またはPM00104プラスオキサリプラチンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図45】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、オキサリプラチン(4mg/kg/日)、またはPM00104プラスオキサリプラチンで治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図46】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、5-FU(100mg/kg/日)、またはPM00104プラス5-FUで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図47】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、5-FU(50mg/kg/日)、またはPM00104プラス5-FUで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図48】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドセタキセル(16mg/kg/日)、またはPM00104プラスドセタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図49】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドセタキセル(8mg/kg/日)、またはPM00104プラスドセタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図50】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、オキサリプラチン(8mg/kg/日)、またはPM00104プラスオキサリプラチンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図51】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、オキサリプラチン(4mg/kg/日)、またはPM00104プラスオキサリプラチンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図52】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ドキソルビシン(6mg/kg/日)、またはPM00104プラスドキソルビシンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図53】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、ドキソルビシン(6mg/kg/日)、またはPM00104プラスドキソルビシンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図54】対照、PM00104(0.23mg/kg/日)、ドキソルビシン(6mg/kg/日)、またはPM00104プラスドキソルビシンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図55】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(12.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図56】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、パクリタキセル(12.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図57】対照、PM00104(0.23mg/kg/日)、パクリタキセル(12.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図58】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、シスプラチン(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスシスプラチンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図59】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、シスプラチン(3mg/kg/日)、またはPM00104プラスシスプラチンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図60】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、イリノテカン(18mg/kg/日)、またはPM00104プラスイリノテカンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図61】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、イリノテカン(10mg/kg/日)、またはPM00104プラスイリノテカンで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図62】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(25mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図63】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、パクリタキセル(12.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスパクリタキセルで治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図64】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ソラフェニブ(60mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図65】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ソラフェニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図66】対照、PM00104(0.6mg/kg/日)、ソラフェニブ(60mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図67】対照、PM00104(0.6mg/kg/日)、ソラフェニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図68】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ソラフェニブ(60mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図69】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ソラフェニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図70】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、ソラフェニブ(60mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図71】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、ソラフェニブ(30mg/kg/日)、またはPM00104プラスソラフェニブで治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図72】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ベバシズマブ(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスベバシズマブで治療したマウスにおけるSK-OV-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図73】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ベバシズマブ(2.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスベバシズマブで治療したマウスにおけるSK-OV-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図74】肺癌細胞系:A-549細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図75】肺癌細胞系:NCI-H460細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図76】肺癌細胞系:NCI-H23細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図77】肺癌細胞系:A-549細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図78】肺癌細胞系:NCI-H460細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図79】肺癌細胞系:NCI-H23細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図80】肺癌細胞系:A-549細胞におけるシスプラチンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図81】肺癌細胞系:NCI-H460細胞におけるシスプラチンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図82】肺癌細胞系:NCI-H23細胞におけるシスプラチンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図83】乳癌細胞系:MDA-MB-231細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図84】乳癌細胞系:BT-474細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図85】乳癌細胞系:MCF-7細胞におけるゲムシタビンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図86】乳癌細胞系:MDA-MB-231細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図87】乳癌細胞系:BT-474細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図88】乳癌細胞系:MCF-7細胞におけるパクリタキセルと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図89】乳癌細胞系:MDA-MB-231細胞におけるドキソルビシンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図90】乳癌細胞系:BT-474細胞におけるドキソルビシンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図91】乳癌細胞系:MCF-7細胞におけるドキソルビシンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図92】結腸癌細胞系:HCT-116細胞における5-フルオロウラシル(5-FU)と併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図93】結腸癌細胞系:LoVo細胞における5-フルオロウラシル(5-FU)と併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図94】結腸癌細胞系:HT-29細胞における5-フルオロウラシル(5-FU)と併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図95】結腸癌細胞系:HCT-116細胞におけるオキサリプラチンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図96】結腸癌細胞系:LoVo細胞におけるオキサリプラチンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図97】結腸癌細胞系:HT-29細胞におけるオキサリプラチンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図98】結腸癌細胞系:HCT-116細胞におけるイリノテカンと併用のPM00104の阻害効果を示す図である。
【図99】結腸癌細胞系:LoVo細胞におけるイリノテカンと併用のPM00105の阻害効果を示す図である。
【図100】結腸癌細胞系:HT-29細胞におけるイリノテカンと併用のPM00106の阻害効果を示す図である。
【図101】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ベバシズマブ(5mg/kg/日)、またはPM00104プラスベバシズマブで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図102】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ベバシズマブ(2.5mg/kg/日)、またはPM00104プラスベバシズマブで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図103】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、テムシロリムス(20mg/kg/日)、またはPM00104プラステムシロリムスで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図104】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、テムシロリムス(10mg/kg/日)、またはPM00104プラステムシロリムスで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図105】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(180mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図106】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(90mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図107】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(180mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図108】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ゲムシタビン(90mg/kg/日)、またはPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図109】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(125mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図110】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図111】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(125mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図112】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図113】対照、PM00104(0.9mg/kg/日)、ペメトレキセド(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるH-Meso-1腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【図114】対照、PM00104(0.45mg/kg/日)、ペメトレキセド(100mg/kg/日)、またはPM00104プラスペメトレキセドで治療したマウスにおけるH-Meso-1腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明者らは、PM00104と他の抗癌薬を併用した場合、PM00104はこれらの抗癌薬の抗癌活性を大きく増強することを見出した。したがって、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の、別の抗癌薬との併用をベースにした癌の効果的な治療の提供を目的とする。
【0025】
別の一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬を用いる相乗的併用に関する。このような相乗的併用は、実施例1から24において説明するものを含めた本明細書に記載する方法を適用することによって、および相乗的併用に対する結果を分析することによって得ることができる。
【0026】
本出願における「癌」は、腫瘍、新生物、および悪性の組織または細胞を原因として有するあらゆる他の悪性疾患を含むことを意味する。
【0027】
本明細書で用いられる「治療する」の語は、別段の指摘がなければ、疾患の症状もしくは病理学的根拠を逆転し、軽減し、その進行を阻害し、減弱することを意味し、またはそれに対してそのような語が適用する障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を防止することを意味する。本明細書で用いられる「治療」の語は、別段の指摘がなければ、「治療する」について直前に定義した通りの治療の行為を意味する。
【0028】
本明細書を通して用いられる「併用」の語は、癌に罹患している患者に、同時に、または異なる時間に、同じまたは別の薬剤製剤において、言及する治療用薬剤を投与することを包含することを意味する。治療用薬剤を異なる時間に投与する場合、これらを、生じるべき増強的な、または相乗的な反応を提供するのに十分に近い時間において投与しなければならない。
【0029】
別の一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩を、別の抗癌薬と一緒に用いる併用療法によって癌を効果的に治療するための薬物を製造するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩の使用を目的とする。
【0030】
さらなる一態様において、本発明は、治療有効量の別の抗癌薬との併用における、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与するステップを含む、癌を治療する方法を目的とする。
【0031】
腫瘍のタイプおよび疾患の発生段階に応じて、本発明の治療方法の抗癌効果は、それだけには限定されないが、腫瘍の増殖の阻害、腫瘍の増殖の遅延、腫瘍の退行、腫瘍の縮小、腫瘍のサイズおよび/または腫瘍マーカーの低減、治療の休止時の腫瘍の再増殖までの時間の増大、疾患の進行の緩徐化、および転移の防止を含む。本発明の治療方法を、そのような治療を必要とするヒト患者などの患者に投与する場合、前記治療方法は、抗癌効果の程度、反応速度、疾患の進行までの時間、または生存率などによって測定してある効果を生成することが予想される。特に、本発明の治療方法は、ヒト患者、とりわけ再発患者、または以前の化学療法に対して抵抗性の患者に適する。第一線の治療法も想定される。
【0032】
上記に言及したように、PM00104は、海洋性化合物であるジョルマイシンおよびレニエラマイシン、ならびにまたサフラシンおよびサフラマイシン化合物に関連するアルカロイドであり、以下の構造を有する。
【0033】
【化2】
【0034】
「PM00104」の語は、本明細書において、患者への投与時に本明細書に記載する化合物を(直接的もしくは間接的に)提供することが可能なあらゆる薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、水和物、プロドラッグ、またはあらゆる他の化合物を網羅するものとされる。塩、溶媒和化合物、水和物、およびプロドラッグの調製は、当技術分野において知られている方法によって行われてよい。
【0035】
薬学的に許容される塩は、従来の化学方法によって、塩基性または酸性の部分を含む親化合物から合成されてよい。一般的に、このような塩は、例えば、これらの化合物の遊離の酸または塩基の形態を、水中または有機溶媒中または2つの混合液中、化学量論量の好適な塩基または酸と反応させることによって調製される。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性の媒体が好ましい。酸付加塩の例には、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの鉱酸付加塩、ならびに例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、およびp-トルエンスルホン酸塩などの有機酸付加塩が含まれる。アルカリ付加塩の例には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびアンモニウム塩などの無機塩、ならびに、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、N,N-ジアルキレンエタノールアミン、トリエタノールアミン、および塩基性アミノ酸塩などの有機アルカリ塩が含まれる。
【0036】
PM00104のプロドラッグであるあらゆる化合物が、本発明の範囲および精神の範囲内である。「プロドラッグ」の語は、その最も広い意味において用いられ、in vivoでPM00104に変換される誘導体を包含する。プロドラッグは、生物学的条件下で、加水分解、酸化、または他の方法で反応してPM00104をもたらすことができる。プロドラッグの例には、それだけには限定されないが、生物加水分解性のアミド、生物加水分解性のエステル、生物加水分解性のカルバメート、生物加水分解性のカーボネート、生物加水分解性のウレイド、および生物加水分解性のホスフェート類似体などの生物加水分解性の部分を含むPM00104の誘導体および代謝物が含まれる。プロドラッグは、典型的には、Burger「Medicinal Chemistru and Drug Discovery」第6版(Donald J. Abraham編集、2001、Wiley)、および「Design and Applications of Prodrugs」(H. Bundgaard編集、1985、Harwood Academic Publishers)によって記載されているものなど、よく知られている方法を用いて調製することができる。
【0037】
さらに、本明細書に言及されるあらゆる薬物は、遊離の化合物として、または溶媒和化合物(例えば、水和物)としてのいずれかで、結晶の形態であってもよく、両方の形態とも本発明の範囲内であるものとされる。溶媒和の方法は、当技術分野内で一般的に知られている。
【0038】
本発明にしたがって用いるためのPM00104は、参照によって本明細書に援用されるWO 01/87894において開示されている合成のプロセスにしたがって調製することができる。
【0039】
用いることができるPM00104の医薬組成物には、静脈内投与に適する賦形剤と一緒の、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥組成物などが含まれる。好ましくは、PM00104は無菌の凍結乾燥製品として供給および貯蔵されてよく、治療上の使用に妥当な製剤中にPM00104および賦形剤を含んでいる。とりわけ、妥当なpHに緩衝化されたショ糖およびリン酸塩を含む製剤が好ましい。PM00104製剤に対するさらなる指導は、その全文が参照によって本明細書に援用されるWO 2007/052076に示される。
【0040】
PM00104、またはその医薬組成物、または化合物を含む医薬組成物の投与は、静脈内注入によるのが好ましい。最高72時間、より好ましくは1時間と24時間の間の注入時間を用いることができ、約1時間、約3時間、または約24時間のいずれかが最も好ましい。病院に一夜入院せずに治療を行えるようにする短い注入時間が特に望ましい。しかし、注入は、所望により、約24時間、またはそれより長くてもよい。
【0041】
PM00104の投与は周期的に行うのが好ましい。好ましい投与方法において、PM00104の静脈内注入を、典型的には、各サイクルの第1日目に患者に投与し、次いで、サイクルの残りの間に患者を回復させる。各サイクルの好ましい持続時間は、典型的には3週または4週であり、必要に応じて複数のサイクルを与えてもよい。投与の遅延および/または投与量の低減、ならびにスケジュール調整を個々の患者の状態および治療に対する認容性に応じて適宜行う。PM00104投与および投与量に対するさらなる指導には、例えば、詳しい参照によって本明細書に援用される、WO 2008/135792を参照されたい。
【0042】
本発明において、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫から選択される癌の治療における別の抗癌薬との併用がとりわけ好ましい。
【0043】
さらに、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫から選択される癌の治療における、抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される別の抗癌薬との併用がとりわけ好ましい。
【0044】
好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膀胱癌、肺癌、および結腸直腸癌から選択される癌の治療における抗腫瘍白金配位錯体との併用を目的とする。この化学療法の群には、それだけには限定されないが、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、BBR3464、サトラプラチン、テトラプラチン、オルミプラチン、およびイプロプラチンが含まれる。とりわけ好ましいのは、PM00104または薬学的に許容できるその塩の、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、BBR3464、サトラプラチン、テトラプラチン、オルミプラチン(ormiplatin)、およびイプロプラチンとの併用であり、さらにより好ましいのは、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膀胱癌、肺癌、および結腸直腸癌から選択される癌の治療におけるシスプラチンおよびオキサリプラチンとの併用である。
【0045】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、および中皮腫から選択される癌の治療における代謝拮抗薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビン、カペシタビン、デシタビン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、フルダラビン、アミノプテリン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、およびチオグアニンが含まれる。とりわけ好ましいのは、PM00104または薬学的に許容できるその塩の、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビン、カペシタビン、デシタビン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、フルダラビン、アミノプテリン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、およびチオグアニンとの併用であり、さらにより好ましいのは、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、および中皮腫から選択される癌の治療における、5-フルオロウラシル、ペメトレキセド、およびゲムシタビンとの併用である。
【0046】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膀胱癌、肺癌、および乳癌から選択される癌の治療における有糸分裂阻害薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、胃癌、膀胱癌、肺癌、および乳癌から選択される癌の治療における、パクリタキセルおよびドセタキセルとの併用がさらにより好ましい。
【0047】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌および乳癌の治療におけるアントラサイクリンとの併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、およびバルルビシンが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、およびバルルビシンとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、胃癌および乳癌の治療における、ドキソルビシンとの併用がさらにより好ましい。
【0048】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、胃癌および結腸直腸癌の治療におけるトポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、トポテカン、SN-38、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、エトポシド、およびテニポシドが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、トポテカン、SN-38、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、エトポシド、およびテニポシドとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、胃癌および結腸直腸癌の治療における、SN-38およびイリノテカンとの併用がさらにより好ましい。
【0049】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、卵巣癌および肺癌の治療における抗腫瘍モノクローナル抗体との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、およびゲムツズマブが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、およびゲムツズマブとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、卵巣癌および肺癌の治療における、ベバシズマブとの併用がさらにより好ましい。
【0050】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、肝細胞癌および膵臓癌から選択される癌の治療におけるチロシンキナーゼ阻害薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、エルロチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、カネルチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、スニチニブ、およびバンデタニブが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、エルロチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、カネルチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、スニチニブ、およびバンデタニブとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、肝細胞癌および膵臓癌から選択される癌の治療における、エルロチニブおよびソラフェニブとの併用がさらにより好ましい。
【0051】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、PM00104、または薬学的に許容されるその塩の、癌の治療における、より詳しくは、肺癌の治療におけるmTOR阻害薬との併用を目的とする。この化学療法群には、それだけには限定されないが、テムシロリムス、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、およびデフォロリムスが含まれる。PM00104または薬学的に許容できるその塩の、テムシロリムス、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、およびデフォロリムスとの併用がとりわけ好ましく、癌の治療における、より詳しくは、肺癌の治療における、テムシロリムスとの併用がさらにより好ましい。
【0052】
本発明は、親化合物から、以前に開示されている従来の化学的方法によって合成することができる、本明細書に言及されるあらゆる薬物のあらゆる薬学的に許容される塩を含む。
【0053】
PM00104または薬学的に許容できるその塩、および他の抗癌薬を、同時に、または異なる時間に投与するための別々の薬物として提供してもよい。好ましくは、PM00104および他の抗癌薬を、異なる時間に投与するための別々の薬物として提供する。別々に、かつ異なる時間に投与する場合、PM00104または他の抗癌薬のいずれかを最初に投与してよい。さらに、両方の薬物を同じ日に、または異なる日に投与してよく、これらは治療サイクルの間、同じスケジュールを用いて、または異なるスケジュールで投与することができる。したがって、本発明の医薬組成物は、単一の薬学的に許容される製剤中に全ての成分(薬物)を含んでいてよい。あるいは、成分を別々に調合し、相互に併用して投与してもよい。当業者にはよく知られている様々な薬学的に許容される製剤を、本発明において用いてもよい。さらに、併用の薬物を、異なる投与経路を用いて投与してもよい。例えば、薬物の1つが、錠剤またはカプセル剤などの経口投与に適する形態であってよく、他の1つが、滅菌液剤、懸濁剤、または乳剤など非経口的注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内、または注入を含む)に適する形態であってよい。あるいは、両方の薬物を同じ投与経路によって投与してもよい。本発明において用いるのに好適な製剤の選択を、投与様式、および組成物の成分の溶解性の特性に基づいて、当業者が日常的に行ってもよい。
【0054】
併用の化合物の正確な投与量は、特定の製剤、適用様式、ならびに特定の部位、患者、および治療する腫瘍にしたがって変化する。年齢、体重、性別、食事、投与時間、排泄の速度、患者の状態、薬物の併用、反応の感受性、および疾患の重症度などの他の因子を考慮に入れる。投与は、最大耐容投与量内で持続的に、または周期的に行われてよい。
【0055】
別の一態様において、本発明は、癌の治療における別の抗癌薬と併用してPM00104を投与するためのキットであって、少なくとも1サイクル用の投与量単位における、PM00104または薬学的に許容できるその塩の供給、および両方の薬物を併用して用いるための印刷された指示書を含むキットを目的とする。
【0056】
関連する一態様において、本発明は、癌の治療において別の抗癌薬と併用してPM00104を投与するためのキットであって、少なくとも1サイクル用の投与量単位における、PM00104または薬学的に許容できるその塩の供給、少なくとも1サイクル用の投与量単位における他の抗癌薬の供給、および両方の薬物を併用して用いるための印刷された指示書を含むキットを目的とする。
【0057】
別の一態様において、本発明は、癌の治療において別の抗癌薬と併用して用いるための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
【0058】
さらなる一態様において、本発明は、癌の治療において用いるための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、別の抗癌薬、および薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
【0059】
別の一態様において、本発明は、別の抗癌薬との併用療法における、癌の治療のための薬物を製造するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩の使用をさらに提供する。
【0060】
関連の一態様において、本発明は、癌の治療のための薬物を製造するための、別の抗癌薬と併用したPM00104または薬学的に許容できるその塩の使用をさらに提供する。
【0061】
別の一態様において、本発明は、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量を、治療有効量の別の抗癌薬と併用して投与するステップを含む、癌の治療のためのPM00104または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0062】
別の一態様において、本発明は、治療有効量の別の抗癌薬の投与と併用して、PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量を投与するステップを含む、癌を治療するための方法を提供し、併用を一緒に、または別々に投与することができる。本発明の好ましい実施形態において、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および他の抗癌薬を、相乗的に有効な量において投与する。
【0063】
一実施形態において、癌細胞を、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の併用と接触させ、または別の方法で治療する。癌細胞は、好ましくはヒトであり、癌腫細胞、肉腫細胞、白血病細胞、およびリンパ腫細胞を含む。より好ましくは、癌細胞は、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫の細胞である。特に、癌細胞は、ヒト胃癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、およびヒト膵臓癌細胞を含む。さらに、併用は、癌細胞に対して、とりわけ、ヒト胃癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、ヒト膵臓癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト結腸直腸癌細胞、およびヒト乳癌細胞に対して、相乗的な阻害効果を提供する。
【0064】
例えば、併用は、接触させた癌細胞の増殖または生存を阻害する。接触させなかった癌細胞に比べて、接触させた癌細胞の増殖または生存が低レベルであることは、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および癌患者を治療するのに有効であるとして選択された別の抗癌薬の併用を支持するものである。
【0065】
別の一態様において、本発明は、前記癌細胞を、有効量のPM00104または薬学的に許容できるその塩と接触させることを含む、一緒にまたは別々に別の抗癌薬と併用して、癌細胞の増殖を阻害するための方法を提供する。
【0066】
別の一態様において、本発明は、前記癌細胞を、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および一緒にまたは別々に別の抗癌薬の相乗的併用と接触させることを含む、癌細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、前記併用は、(i)別の抗癌薬の非存在下のPM00104または薬学的に許容できるその塩、あるいは(ii)PM00104の非存在下の他の抗癌薬に比べて、癌細胞の増殖に対する阻害の改善を提供する。
【0067】
別の一態様において、本発明は、癌細胞の増殖を阻害するための別の抗癌薬と併用して用いるための、有効量のPM00104または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0068】
関連の一態様において、本発明は、癌細胞の増殖を阻害するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の有効な併用を含む医薬組成物を提供する。
【0069】
別の一態様において、本発明は、癌細胞の増殖を阻害するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の相乗的併用を含む医薬組成物を提供し、前記併用は、(i)別の抗癌薬の非存在下における、PM00104または薬学的に許容できるその塩、あるいは(ii)PM02734の非存在下における他の抗癌薬に比べて、癌細胞の増殖に対する阻害の改善を提供する。
【0070】
別の一実施形態において、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の併用は、in vivoで腫瘍の増殖を阻害し、または腫瘍のサイズを低減する。とりわけ、併用は、癌細胞、肉腫細胞、白血病細胞、およびリンパ腫細胞のin vivoの増殖を阻害する。好ましくは、併用は、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫の細胞のin vivoの増殖を阻害する。とりわけ、癌細胞は、ヒト胃癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、ヒト膵臓癌細胞、ヒト肝細胞癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト中皮腫細胞、およびヒト卵巣癌細胞を含む。同様に、併用は、in vivoで、癌腫、肉腫、白血病、およびリンパ腫の腫瘍のサイズを低減する。好ましくは、併用は、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫のサイズを低減する。特に、併用は、in vivoで、ヒト肝細胞癌、中皮腫、胃、膀胱、膵臓、肺、および卵巣の腫瘍のサイズを低減する。
【0071】
例えば、併用は、動物モデルにおいて、腫瘍の増殖を阻害し、またはヒト癌異種移植片の、とりわけ、ヒト肝細胞癌、中皮腫、胃、膀胱、膵臓、肺、および卵巣の腫瘍の異種移植片のサイズを低減する。併用で投与した動物モデルにおけるヒト癌異種移植片の増殖の低減、またはサイズの低減は、癌患者を治療するのに有効であるとして、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および別の抗癌薬の併用をさらに支持するものである。
【0072】
本発明の一実施形態にしたがって、腫瘍の増殖の阻害を、2つの薬物(PM00104および別の薬物)を併用する治療の平均腫瘍重量と、他の薬物の単独療法の治療の平均腫瘍重量を比べて評価する。したがって、併用療法の増強の評価および相加性の程度に対する定義および評価基準は以下の通りである。
-増強は、併用療法の反応が、併用療法において用いられるのと同じスケジュールおよび投与量で、単一の薬剤として投与された(単独療法)最も有効な薬物の最良の反応を超える場合に決定され得る。
-相加性は、以下の通り、単独療法治療の腫瘍の成長阻害の%対併用治療の腫瘍の成長阻害の%を比較することによって決定される:
1.併用において用いた投与量を、単独療法として投与した各薬物に対して100-%T/Cとして腫瘍成長阻害の%を決定する。%T/Cは、治療群における平均腫瘍重量(T)を、対照群における平均腫瘍重量(C)に対して比べることによって得られる(T/C×100%)。
2.各薬剤が、単独療法として投与された場合と同じ反応を生成する場合、2つのスコアを加算して「予想反応」を決定する。
3.この「予想反応」を、併用療法群について決定された腫瘍成長阻害の%から差し引く:
a.負の数であれば、2つの薬物を併用した効果が相加性未満であることを意味する。
b.得られた数がゼロに近ければ、2つの薬物を併用した効果は相加性と決定される。
c.正の数であれば、2つの薬物を併用した効果が相加性を超えることを意味する。
【0073】
したがって、併用治療の相加効果を超えることは相乗効果に相当し、この場合、2つの薬物の併用の効果は、単独で投与した場合の各薬物の効果を考慮して予想されたものを治療的に上回る。
【0074】
したがって、別の一態様において、本発明は、別の抗癌薬と一緒にまたは別々に併用して、有効量のPM00104または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む、腫瘍のサイズを低減するための方法を提供する。
【0075】
別の一態様において、本発明は、別の抗癌薬と併用して、有効量のPM00104または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む、腫瘍の増殖を阻害するための方法を提供する。
【0076】
関連の一態様において、本発明は、一緒にまたは別々に、PM00104または薬学的に許容できるその塩、および抗癌薬の有効な併用を投与するステップを含む、腫瘍の増殖を阻害するための方法を提供する。
【0077】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するものである。この実施例を、本発明の範囲を制限するものと解釈してはならない。
【0078】
より簡潔な記載を提供するために、本明細書に示すいくつかの定量的表現は、「約」の語で制限されない。「約」の語が明示的に用いられても、または用いられなくても、本明細書に示す全ての量は、実際に示す値に言及することを意味すると理解され、このような所定の値に対する実験条件および/または測定条件による同等物および近似を含めて、当業者に基づいて合理的に推測されるような所定の値に対する近似に言及することも意味することが理解される。
【0079】
(実施例)
(実施例1)
ヒト胃癌細胞系に対する化学療法薬剤との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vitro試験
本試験の目的は、胃癌の治療において用いられる化学療法薬剤の抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を決定することであった。
【0080】
PM00104と併用して以下の薬剤を評価した:シスプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、5-フルオロウラシル(5-FU)、ドキソルビシン、ドセタキセル、およびオキサリプラチン。このアッセイに選択したヒト胃癌細胞系は以下の通りであった:Hs746T、HGC-27、およびAGS細胞系。Hs746TおよびAGS細胞系を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、および4mM L-グルタミンを補ったダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で増殖させた。HGC-27細胞系を、20%FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったイスコーブの改変ダルベッコ培地(IMDM)中で増殖させた。
【0081】
スクリーニングを2つの部分において行った。
a.第1セットのアッセイでは、各腫瘍細胞系において薬物を72時間曝露した後、各薬物に対するIC50値を決定した。
【0082】
全細胞系を、それぞれの増殖培地中、37℃、5%CO2、および湿度98%で維持した。増殖培地製剤は抗生物質を含んでいなかった。プレーティング前日、細胞に、新鮮な完全増殖培地を与えた。収集(プレーティング)日、細胞をトリパンブルー排除染色法によって計数した。
【0083】
細胞を収集し、96ウェルマイクロタイタープレート中、培地150μL中10,000個の細胞密度で播種し、24時間インキュベートして、細胞を付着させた後、薬物を添加した。基準のデータを回収するために、時間0に非治療の細胞に対してMTSアッセイを行った(24時間細胞をインキュベートした後)。
【0084】
PM00104、シスプラチン、SN38、および5-FUの保存溶液を調製した直後、2.0mg/mLで100%DMSO中プレートに加えた。ドキソルビシンおよびオキサリプラチンの保存溶液を、組織培養用滅菌水中、両薬物に対して2.0mg/mLで調製した。ドセタキセルの保存溶液を、エタノール中、2.0mg/mLで調製した。無血清RPMI 1640培地中さらなる段階希釈を調製して、最終の4×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品の50μLを加えた。
【0085】
細胞毒性効果を、生存細胞数を決定するための比色法であるMTSアッセイ(テトラゾリウム)によって測定した。インキュベート期間(0日目のプレートに対して24時間、ならびに試験および対照のプレートに対して72時間)の後、各マイクロタイターウェルにMTS+PMS溶液25μLを加え、37℃で4時間インキュベートした。次いで、インキュベーターからプレートを取り除き、プレートシェーカー上に5分間配置した(光線から保護するためにアルミホイルで覆った)。分光光度計プレートリーダー上、490nmで吸光度を読んだ。
【0086】
各試験薬剤に対する2回から4回のアッセイの平均からIC50値を計算した。SoftMaxプログラムを用いて回帰曲線を生成し、次いで50%阻害濃度(mg/mL)を手操作で補間した。
【0087】
各細胞系に対する各薬剤の個々のIC50値をTable 1(表1)に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
b.第2セットのアッセイでは、各細胞系を、以下の組合せの独特のIC50濃度において、上記で言及した各薬剤と併用してPM00104とインキュベートした。
PM00104のIC50 薬剤のIC50
100% 0%
75% 25%
70% 30%
60% 40%
50% 50%
40% 60%
30% 70%
25% 75%
0% 100%
0% 0%
【0090】
細胞培養および細胞のプレーティングを先に記載した通りに行った。各薬物の保存溶液も、1.0mg/mLの薬物濃度で先に記載した通りに調製した。これらの保存溶液を、さらに適宜段階希釈して出発濃度に到達させた。さらなる段階希釈を無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の8×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品25μLを加えた。
【0091】
細胞毒性効果を、上記に記載した通りにMTSアッセイによって測定した。以下の通りデータを分析した。
1.Prism(Graphpad)ソフトウエアプログラムを用いて、データを対照の値に標準化した(100%=薬剤(薬物)の非存在下の細胞の増殖;0%=ブランク対照)。
2.標準化したデータをx/yグラフとしてプロットした。各薬剤(薬物)に対する100%IC50の値を結んで線を引いた。値が線を大幅に上回れば拮抗作用を示し、下回れば相乗作用を示し、線上であれば相加作用を示した。
【0092】
腫瘍細胞に対する相乗的な細胞毒性が最適の効果であり、PM00104と別の薬物との併用がいずれかの薬物単独よりも有効であることを意味する。統計上有意な観察は、併用の(PM00104+別の薬物)吸光度値と両方のエンドポイント値(PM00104および他の薬物単独)との間に差が存在することを必要とする。値の大多数が、線(エンドポイント)を統計的に超え、またはそれ未満である場合は、それぞれ拮抗作用または相乗作用と記載され、その他の場合は、そのパターンは相加性の相互作用とさらに一致する。
【0093】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.ヒト胃癌細胞におけるPM00104のシスプラチンとの併用は、殆ど全ての投与量比で、Hs746T細胞系(図1)、AGS細胞系(図2)、およびHGC-27細胞系(図3)において相乗的であった。
b.Hs746T細胞系における(図4)PM00104のSN38との併用は、殆どの投与量比で相乗的であり、75/25〜60/40の投与量比でAGS細胞系において(図5)、ならびに70/30および60/40の投与量比でHGC-27細胞系において(図6)相乗的な傾向を示した。
c.PM00104の5-FUとの併用は、75/25〜40/60の投与量比でHs746T細胞系において(図7)、ならびに75/25〜60/40の投与量比でAGS細胞系において(図8)相乗的な傾向を示した。HGC-27細胞系において(図9)、併用は相加的な傾向を示した。
d.PM00104のドキソルビシンとの併用は、殆ど全ての投与量比でHs746T細胞系において(図10)相乗的であり、AGS細胞系(図11)およびHGC-27細胞系(図12)において相加的な傾向を示した。
e.PM00104のドセタキセルとの併用は、Hs746T細胞系において(図13)相乗的であり、AGS細胞系において(図14)相加的な傾向を示し、HGC-27細胞系において(図15)拮抗的な傾向を示した。
f.PM00104のオキサリプラチンとの併用は、Hs746T細胞系(図16)、AGS細胞系(図17)、およびHGC-27細胞系(図18)において相加的な傾向を示した。
【0094】
(実施例2)
ヒト膀胱癌細胞系に対する化学療法薬剤との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vitro試験
本試験の目的は、膀胱癌の治療において用いられる化学療法薬剤の抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を決定することであった。
【0095】
PM00104と併用して以下の薬剤を評価した:ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))およびシスプラチン。このアッセイに選択したヒト膀胱癌細胞系は以下の通りであった:5637細胞系およびUM-UC-3細胞系。5637細胞系を、10%FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、10mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI 1640培地中で増殖させた。UM-UC-3細胞系を、10%FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったMEM イーグル培地中で増殖させた。
【0096】
スクリーニングを実施例1に開示した2つの部分において行った。
a.第1セットのアッセイでは、各腫瘍細胞系において薬物を72時間曝露した後、各薬物のIC50値を決定した。これは、実施例1に開示したものと同じ方法を用いた。
【0097】
2.0mg/mLのPM00104およびシスプラチンの保存溶液を100% DMSO中に調製した。2.0mg/mLのゲムシタビンの保存溶液を、組織培養用滅菌水中に調製した。さらなる段階希釈を無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の4×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品50μLを加えた。
【0098】
各試験薬剤に対する3回から4回のアッセイの平均からIC50値を計算した。各細胞系に対する各薬剤の個々のIC50値をTable 2(表2)に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
b.第2セットのアッセイでは、各細胞系を、実施例1に開示したものと同じ投与量比において、上記で言及した各薬剤と併用してPM00104とインキュベートした。
【0101】
スクリーニングのこの第2の部分で用いた方法は、実施例1に開示したものと同じであった。
【0102】
各薬物の保存溶液も、2.0mg/mLの薬物濃度で以前に記載されている通りに調製した。これらの保存溶液を、さらに適宜段階希釈して出発濃度に到達させた。さらなる段階希釈を無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の8×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品25μLを加えた。
【0103】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.ヒト膀胱癌細胞におけるPM00104のゲムシタビンとの併用は、5637細胞系において(図19)相乗的であり、UM-UC-3細胞系において(図20)相加的な傾向を示した。
b.5637細胞系における(図21)PM00104のシスプラチンとの併用は相乗的であり、60/40、30/70および25/75の投与量比でUM-UC-3細胞系において(図22)相加的な傾向を示した。
【0104】
(実施例3)
ヒト膵臓癌細胞系に対する化学療法薬剤との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vitro試験
本試験の目的は、膵臓癌の治療において用いられる化学療法薬剤の抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を決定することであった。
【0105】
PM00104と併用して評価した薬剤はゲムシタビン(Gemzar(登録商標))であった。このアッセイに選択したヒト膵臓癌細胞系は以下の通りであった:BxPC-3、PANC-1、MIA PaCA-2、およびSW 1990細胞系。BxPC-3細胞系を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、10mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI 1640培地中で増殖させた。PANC-1細胞系を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、および4mM L-グルタミンを補ったDMEM中で増殖させた。MIA PaCA-2細胞系を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、2.5%ウマ血清、および2mM L-グルタミンを補ったDMEM中で増殖させた。SW1990細胞系を、10% FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったRPMI 1640培地中で増殖させた。
【0106】
スクリーニングを実施例1に開示した2つの部分において行った。
a.第1セットのアッセイでは、各腫瘍細胞系において薬物を72時間曝露した後、各薬物のIC50値を決定した。これは、実施例1に開示したものと同じ方法を用いた。
【0107】
2.0mg/mLのPM00104の保存溶液を100% DMSO中に調製した。2.0mg/mLのゲムシタビンの保存溶液を、組織培養用滅菌水中に調製した。さらなる段階希釈を、無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の4×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品50μLを加えた。
【0108】
各試験薬剤に対する3回のアッセイの平均からIC50値を計算した。各細胞系に対する各薬剤の個々のIC50値をTable 3(表3)に示す。
【0109】
【表3】
【0110】
b.第2セットのアッセイでは、各細胞系を、実施例1に開示したものと同じ投与量比のゲムシタビンと併用してPM00104とインキュベートした。
【0111】
スクリーニングのこの第2の部分で用いた方法は、実施例1に開示したものと同じであった。
【0112】
各薬物の保存溶液も、2.0mg/mLの薬物濃度で以前に記載されている通りに調製した。これらの保存溶液を、さらに適宜段階希釈して出発濃度に到達させた。さらなる段階希釈を無血清RPMI 1640培地中に調製して、最終の8×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品25μLを加えた。
【0113】
このアッセイにより、ヒト膵臓癌細胞におけるPM00104のゲムシタビンとの併用は、全ての細胞系(BxPC-3細胞系(図23)、PANC-1細胞系(図24)、MIA PaCA-2細胞系(図25)、およびSW1990細胞系(図26))において相乗的であったことが見出された。
【0114】
(実施例4)
ヒト膵臓腫瘍異種移植片におけるエルロチニブおよびゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト膵臓癌の異種移植片モデルを用いることによって、エルロチニブおよびゲムシタビンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0115】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群であった。
【0116】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、MIAPaCA-2細胞系であった。
【0117】
MIAPaCA-2細胞を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、2.5% ウマ血清、および4mM L-グルタミンを補ったDMEM中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲル/50%無血清培地の0.2mL懸濁液中in vitroの第18継代からの1×107個のMIAPaCA-2細胞を、トロカールを用いて右側腹部上に皮下的に(SC)移植した。マトリゲルは、4℃で液体であり37℃で固体である生物学的細胞外マトリックスであり、局部領域において細胞の緊密な結合を維持することによって腫瘍の増殖を促進する。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0118】
バーニアキャリパースを用いることによって腫瘍の測定値を決定した。長楕円に対する体積を計算するための公式を用いて、2次元の腫瘍測定値から腫瘍体積(mm3)を推定した:腫瘍体積(mm3)=[L×W2]÷2、式中、Lは長さであり、これはmmにおける最長の直径であり、Wは幅であり、これは腫瘍のmmにおける最短の直径である。単位密度を仮定して、体積を重量に変換する(すなわち、1mm3=1mg)。175±100mm3(平均±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。
【0119】
DPI(移植後日数)13日に治療を開始した。これらの実験において、併用療法群を同時に2つの薬物を同時投与することによって治療し、治療を順序付けようとはしなかった。
【0120】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。エルロチニブは錠剤の形態で提供され、これを0.5%カルボキシメチルセルロース/0.4% Tween-80/食塩水中に溶解した。ゲムシタビンは、ゲムシタビンHClを含む白色固形粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0121】
試験群および治療レジメンをTable 4(表4)に列挙する。
【0122】
【表4】
【0123】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度で、併用における2つの薬剤(PM00104およびエルロチニブ、またはPM00104およびゲムシタビン)間の平均腫瘍重量、対エルロチニブまたはゲムシタビンの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0124】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0125】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判定基準は以下の通りであった:
-併用群の反応が、併用療法において用いたのと同じスケジュールおよび投与量で、最も有効な薬剤を単一薬剤として投与(単独療法)した最良の反応を上回った場合に増強と決定した。
-以下の通りに、単独療法群の腫瘍増殖阻害の%対併用群の腫瘍増殖阻害の%を比較することによって上記で論じたように相加性と決定した:
1.併用において用いた投与量で単独療法として投与した各薬物に対して、100-%T/Cとして、腫瘍増殖阻害の%の決定。治療群における平均腫瘍重量(T)を、対照群における平均腫瘍重量(C)に対して比較することによって、%T/Cを得た(T/C×100%)。
2.各薬剤が単独療法として投与した場合と同じ反応を生成する場合、2つのスコアを一緒に加えて「予想反応」を決定した。
3.この「予想反応」を、併用療法群に対して決定した腫瘍増殖阻害の%から差し引いた:
a.負の数であれば、2つの薬物を併用した効果が相加性未満であることを意味した。
b.得られた数がゼロに近ければ、2つの薬物を併用した効果は相加性であると決定した。
c.正の数であれば、2つの薬物を併用した効果が相加性を超えることを意味した。
【0126】
したがって、併用治療の相加効果を超えることは相乗効果に相当し、この場合2つの薬物の併用の効果は、各薬物を単独で投与した場合の効果を考慮して予想されるものを治療的に上回る。
【0127】
Table 5(表5)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図27〜29は、対照(ビヒクル)、PM00104、ゲムシタビン、PM00104プラスゲムシタビン、またはPM00104プラスエルロチニブの様々な投与量で治療したマウスにおけるMIAPaCA-2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0128】
【表5】
【0129】
Table 6(表6)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン140mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビン腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0130】
【表6】
【0131】
Table 7(表7)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0132】
【表7】
【0133】
Table 8(表8)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ50mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0134】
【表8】
【0135】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびゲムシタビンの併用は、対照群に比べて統計的に有意な(p≦0.001)抗腫瘍活性をもたらした。この併用療法は、単一薬剤群で得られた結果を上回る統計的に有意な(p<0.001)活性の増強を生成した。治療の終わりに、この増強は相加性を超えることが決定された。
b.PM00104およびエルロチニブの(両方の投与量のエルロチニブの)併用は、対照群に比べて統計的に有意な(p≦0.001)抗腫瘍活性、および得られた結果を上回る統計的に有意な(p<0.001)活性の増強をもたらした。この増強は相加性を超えることが決定された。
【0136】
(実施例5)
ヒト膵臓腫瘍異種移植片におけるゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト膵臓癌の異種移植片モデルを用いることによって、ゲムシタビンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0137】
全ての実験に、メスCB17.SCIDマウス(Charles River Lab.)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群であった。
【0138】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、BxPC-3細胞系であった。
【0139】
BxPC-3細胞を、抗生物質なしで10% FBSおよびL-グルタミンを補った完全RPMI 1640中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしのマトリゲルおよびRPMI 1640無血清培地の0.2mL懸濁液中、in vitroの第12継代からの1×107個のBxPC-3細胞を、13Gトロカールおよび1ccシリンジを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0140】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 14日に開始した。
【0141】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ゲムシタビンは、ゲムシタビンHClを含む白色固形粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0142】
試験群および治療レジメンをTable 9(表9)に列挙する。
【0143】
【表9】
【0144】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。併用における2つの薬剤(PM00104およびゲムシタビン)間の平均腫瘍重量、対ゲムシタビンの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0145】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0146】
Table 10(表10)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図30は、対照(ビヒクル)、PM00104、ゲムシタビン、およびPM00104プラスゲムシタビンで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0147】
【表10】
【0148】
Table 11(表11)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン180mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0149】
【表11】
【0150】
このアッセイにより、PM00104およびゲムシタビンの併用は、対照群に比べて統計的に有意な(p≦0.05)抗腫瘍活性をもたらすことが見出された。さらに、併用療法は、相加性を上回る活性の増強を生成した。
【0151】
(実施例6)
ヒト膵臓腫瘍異種移植片におけるエルロチニブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト膵臓癌の異種移植片モデルを用いることによって、エルロチニブの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0152】
全ての実験に、メスCB17.SCIDマウス(Charles River Lab.)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群であった。
【0153】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、BxPC-3細胞系であった。この細胞系を、実施例5に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0154】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 9日に開始した。
【0155】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。エルロチニブは錠剤の形態で提供され、これを0.5% カルボキシメチルセルロース/0.4% Tween-80/食塩水(CTS)中に溶解した。
【0156】
試験群および治療レジメンをTable 12(表12)に列挙する。
【0157】
【表12】
【0158】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびエルロチニブ)間の平均腫瘍重量、対エルロチニブの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0159】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0160】
Table 13(表13)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図31〜33は、様々な投与量の対照(ビヒクル)、PM00104、エルロチニブ、およびPM00104プラスエルロチニブで治療したマウスにおけるBxPC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0161】
【表13】
【0162】
Table 14(表14)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ50mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0163】
【表14】
【0164】
Table 15(表15)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0165】
【表15】
【0166】
Table 16(表16)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびエルロチニブ15mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびエルロチニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のエルロチニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0167】
【表16】
【0168】
このアッセイにより、PM00104およびエルロチニブの併用は、試験した3つの投与量で、相加性を超える抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。
【0169】
(実施例7)
ヒト膀胱腫瘍異種移植片におけるシスプラチン、パクリタキセル、およびゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト膀胱癌の異種移植片モデルを用いることによって、シスプラチン、パクリタキセル、およびゲムシタビンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0170】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群であった。
【0171】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、UM-UC-3細胞系であった。
【0172】
UM-UC-3細胞を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、0.1mM必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補った最小必須培地(イーグル)中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲルおよび50%無血清培地の0.2mL懸濁液中in vitroの第17継代からの5×106個のUM-UC-3細胞を、トロカールおよび1ccシリンジを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0173】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 15日に開始した。
【0174】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ゲムシタビンは、ゲムシタビンHClを含む白色固形粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。シスプラチンおよびパクリタキセルは溶液として提供され、これらを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0175】
試験群および治療レジメンをTable 17(表17)に列挙する。
【0176】
【表17】
【0177】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびシスプラチン、PM00104およびゲムシタビン、またはPM00104およびパクリタキセル)間の平均腫瘍重量、対シスプラチン、ゲムシタビン、またはパクリタキセルの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0178】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0179】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0180】
Table 18(表18)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図34〜36は、対照(ビヒクル)、PM00104、シスプラチン、ゲムシタビン、パクリタキセル、および対応する併用で治療したマウスにおけるUM-UC-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0181】
【表18】
【0182】
Table 19(表19)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびシスプラチン5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびシスプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のシスプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0183】
【表19】
【0184】
Table 20(表20)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン180mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0185】
【表20】
【0186】
Table 21(表21)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびパクリタキセル15mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0187】
【表21】
【0188】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびシスプラチンの併用は、統計的に有意に(p<0.001)超える抗腫瘍活性の相加的な増強をもたらした。
b.PM00104およびゲムシタビンの併用は、対照群に比べて統計的に有意な(p≦0.001)抗腫瘍活性をもたらした。治療期間の終わりに(DPI 29日)、増強は相加性を超えることが決定された。
c.PM00104およびパクリタキセルの併用は、単独療法の対照と比べた場合に、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらした。実験の終わりに、この増強は相加性であることが決定された。
【0189】
(実施例8)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるシスプラチンおよびパクリタキセルとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、シスプラチンおよびパクリタキセルの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0190】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス11匹を含み、2〜4群はマウス7匹を含み、残りの群はマウス8匹を含んでいた。
【0191】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、Hs746T細胞系であった。
【0192】
Hs746T細胞を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、および4mM L-グルタミンを補ったDMEM中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲルおよび50%無血清培地の0.2mL懸濁液中in vitroの第18継代からの5×106個のHs746T細胞を、トロカールを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0193】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 16日に開始した。
【0194】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。シスプラチンおよびパクリタキセルは溶液として提供され、これらを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0195】
試験群および治療レジメンをTable 22(表22)に列挙する。
【0196】
【表22】
【0197】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびシスプラチン、またはPM00104およびパクリタキセル)間の平均腫瘍重量、対シスプラチンまたはパクリタキセルの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0198】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0199】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0200】
Table 23(表23)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図37〜38は、対照(ビヒクル)、PM00104、シスプラチン、パクリタキセル、および対応する併用で治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0201】
【表23】
【0202】
Table 24(表24)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびシスプラチン5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびシスプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のシスプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0203】
【表24】
【0204】
Table 25(表25)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびパクリタキセル10mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0205】
【表25】
【0206】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびシスプラチンの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、併用群において腫瘍の殆ど完全な退行をもたらした。フォローアップ期間の終わりに、増強は相加性を超えることが決定された。
b.治療期間の間、およびフォローアップ期間の終わりに、PM00104およびパクリタキセルの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p≦0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、腫瘍の殆ど完全な退行をもたらした。
【0207】
(実施例9)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるフルオロウラシル(5-FU)、イリノテカン、およびドキソルビシンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、5-FU、イリノテカン、およびドキソルビシンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0208】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0209】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、Hs746T細胞系であった。この細胞系を、実施例8に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0210】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 15日に開始した。
【0211】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。5-FUは溶液として提供され、これを注射用水でさらに希釈した。イリノテカンはイリノテカンHCl三水和物を含む溶液の形態で提供され、これを0.9%滅菌食塩水中希釈した。ドキソルビシンは凍結乾燥粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0212】
試験群および治療レジメンをTable 26(表26)に列挙する。
【0213】
【表26】
【0214】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104および5-FU、PM00104およびイリノテカン、またはPM00104およびドキソルビシン)間の平均腫瘍重量、対5-FU、イリノテカン、またはドキソルビシンの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0215】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0216】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0217】
Table 27(表27)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図39〜41は、対照(ビヒクル)、PM00104、5-FU、イリノテカン、ドキソルビシン、および対応する併用で治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0218】
【表27】
【0219】
Table 28(表28)は、PM00104 0.9mg/kg/日、ならびにDPI 15日に5-FU 50mg/kg/日ならびにDPI22日および29日に5-FU 100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104および5-FUの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量の5-FUとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0220】
【表28】
【0221】
Table 29(表29)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびイリノテカン20mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびイリノテカンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のイリノテカンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0222】
【表29】
【0223】
Table 30(表30)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドキソルビシン6mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドキソルビシンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドキソルビシンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0224】
【表30】
【0225】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104および5-FUの併用は、治療期間の間、抗腫瘍活性の相加性の増強をもたらし、観察期間の終わりに相加性を超えることが決定された。
b.PM00104およびイリノテカンの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、極めて統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性を超えると等級付けされた。
c.PM00104およびドキソルビシンの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【0226】
(実施例10)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるドセタキセルおよびオキサリプラチンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、ドセタキセルおよびオキサリプラチンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0227】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0228】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したHs746T細胞系であった。この細胞系を、実施例8に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0229】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 14日に開始した。
【0230】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ドセタキセルは希釈用濃縮物として提供され、これを注射用水(wfi)中13%エタノールでさらに希釈した。オキサリプラチンは溶液として提供され、これを5%デキストロース注射液、USPでさらに希釈した。
【0231】
試験群および治療レジメンをTable 31(表31)に列挙する。
【0232】
【表31】
【0233】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびドセタキセル、またはPM00104およびオキサリプラチン)間の平均腫瘍重量、対ドセタキセルまたはオキサリプラチンの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0234】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0235】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0236】
Table 32(表32)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図42〜45は、対照(ビヒクル)、PM00104、ドセタキセル、オキサリプラチン、および対応する併用で治療したマウスにおけるHs746T腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0237】
【表32】
【0238】
Table 33(表33)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドセタキセル16mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドセタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドセタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0239】
【表33】
【0240】
Table 34(表34)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドセタキセル8mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドセタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドセタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0241】
【表34】
【0242】
Table 35(表35)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびオキサリプラチン8mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびオキサリプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のオキサリプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0243】
【表35】
【0244】
Table 36(表36)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびオキサリプラチン4mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびオキサリプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のオキサリプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0245】
【表36】
【0246】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびドセタキセルの併用は、単一薬剤の対照群としてドセタキセルで得られた結果ではなく、単一薬剤の対照群としてPM00104で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、ドセタキセル16mg/kg/日の場合は実験の終わりに相加性未満と等級付けされ、ドセタキセル8mg/kg/日の場合は実験の終わりに相加性を超えると等級付けされた。
b.PM00104およびオキサリプラチンの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【0247】
(実施例11)
ヒト胃腫瘍異種移植片における5-フルオロウラシル(5-FU)との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、5-FUの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0248】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0249】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DCT Tumor Bankから入手した、MRI-H-254細胞系であった。
【0250】
MRI-H-254フラグメントをドナー動物から除去し、組織を、膜およびあらゆる出血性の、壊死性の領域から壊死組織除去し、in vivoの第5継代からの3〜4mm3のフラグメントを、13Gトロカールを用いて各動物の右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0251】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 20日に開始した。
【0252】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。5-FUは注射用バイアルの形態で提供され、これを0.9%滅菌食塩水で希釈した。
【0253】
試験群および治療レジメンをTable 37(表37)に列挙する。
【0254】
【表37】
【0255】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104および5-FU)間の平均腫瘍重量、対5-FUの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0256】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0257】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0258】
Table 38(表38)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図46〜47は、対照(ビヒクル)、PM00104、5-FU、および対応する併用で治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0259】
【表38】
【0260】
Table 39(表39)は、PM00104 0.9mg/kg/日および5-FU 100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104および5-FUの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量の5-FUとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0261】
【表39】
【0262】
Table 40(表40)は、PM00104 0.9mg/kg/日および5-FU 50mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104および5-FUの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量の5-FUとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0263】
【表40】
【0264】
このアッセイにより、PM00104および5-FUの併用は、いずれかの単一薬剤の対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性を超えると等級付けされたことが見出された。
【0265】
(実施例12)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるドセタキセルおよびオキサリプラチンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、ドセタキセルおよびオキサリプラチンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0266】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0267】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DCT Tumor Bankから入手した、MRI-H-254細胞系であった。この細胞系を、実施例11に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0268】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 20日に開始した。
【0269】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ドセタキセルは希釈用濃縮物として提供され、これを注射用水中13%エタノールでさらに希釈した。オキサリプラチンは溶液として提供され、これを5%デキストロース注射液、USPでさらに希釈した。
【0270】
試験群および治療レジメンをTable 41(表41)に列挙する。
【0271】
【表41】
【0272】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびドセタキセル、またはPM00104およびオキサリプラチン)間の平均腫瘍重量、対ドセタキセルまたはオキサリプラチンの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0273】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0274】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0275】
Table 42(表42)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図48〜51は、対照(ビヒクル)、PM00104、ドセタキセル、オキサリプラチン、および対応する併用で治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0276】
【表42】
【0277】
Table 43(表43)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドセタキセル16mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドセタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドセタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0278】
【表43】
【0279】
Table 44(表44)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドセタキセル8mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドセタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドセタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0280】
【表44】
【0281】
Table 45(表45)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびオキサリプラチン8mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびオキサリプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のオキサリプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0282】
【表45】
【0283】
Table 46(表46)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびオキサリプラチン4mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびオキサリプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のオキサリプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0284】
【表46】
【0285】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびドセタキセルの併用は、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらした。この増強は相加性を超えることが見出された。
b.PM00104およびオキサリプラチンの併用は、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらした。この増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0286】
(実施例13)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるドキソルビシンおよびパクリタキセルとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、ドキソルビシンおよびパクリタキセルの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0287】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス11匹を含み、2〜6群は1群あたり8匹/群のマウスを含み、残りの群は1群あたり9匹/群のマウスを含んでいた。
【0288】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DCT Tumor Bankから入手した、MRI-H-254細胞系であった。この細胞系を、実施例11に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0289】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 17日に開始した。
【0290】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ドキソルビシンは凍結乾燥粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。パクリタキセルは溶液として提供され、これを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0291】
試験群および治療レジメンをTable 47(表47)に列挙する。
【0292】
【表47】
【0293】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびドキソルビシン、またはPM00104およびパクリタキセル)間の平均腫瘍重量、対ドキソルビシンまたはパクリタキセルの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0294】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0295】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0296】
Table 48(表48)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図52〜57は、対照(ビヒクル)、PM00104、ドキソルビシン、パクリタキセル、および対応する併用で治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0297】
【表48】
【0298】
Table 49(表49)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびドキソルビシン6mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドキソルビシンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドキソルビシンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0299】
【表49】
【0300】
Table 50(表50)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびドキソルビシン6mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドキソルビシンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドキソルビシンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0301】
【表50】
【0302】
Table 51(表51)は、PM00104 0.23mg/kg/日およびドキソルビシン6mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびドキソルビシンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のドキソルビシンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0303】
【表51】
【0304】
Table 52(表52)は、PM00104 0.90mg/kg/日およびパクリタキセル12.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0305】
【表52】
【0306】
Table 53(表53)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびパクリタキセル12.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0307】
【表53】
【0308】
Table 54(表54)は、PM00104 0.23mg/kg/日およびパクリタキセル12.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0309】
【表54】
【0310】
このアッセイにより、以下のことが見出された。
a.PM00104およびドキソルビシンの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらした。この増強は相加性未満であることが見出された。さらに、評価した投与量およびスケジュールにおいて、併用はいくつかの毒性の徴候をもたらし、動物間の死亡率は50%であった。
b.PM00104およびパクリタキセルの併用は、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらした。この増強は相加性未満であると等級付けされ、低い方の投与量のPM00104で観察された最良の結果であった。
【0311】
(実施例14)
ヒト胃腫瘍異種移植片におけるシスプラチン、パクリタキセル、およびイリノテカンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト胃癌の異種移植片モデルを用いることによって、シスプラチン、パクリタキセル、およびイリノテカンの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0312】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群は15匹のマウスを含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0313】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DCT Tumor Bankから入手した、MRI-H-254細胞系であった。この細胞系を、実施例11に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。
【0314】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 16日に開始した。
【0315】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。シスプラチンおよびパクリタキセルは溶液として提供され、これらを0.9%食塩水でさらに希釈した。イリノテカンはイリノテカンHCl三水和物を含む溶液の形態で提供され、これを0.9%滅菌食塩水中希釈した。
【0316】
試験群および治療レジメンをTable 55(表55)に列挙する。
【0317】
【表55】
【0318】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびシスプラチン、PM00104およびイリノテカン、またはPM00104およびパクリタキセル)間の平均腫瘍重量、対シスプラチン、イリノテカン、またはパクリタキセルの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0319】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0320】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0321】
Table 56(表56)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図58〜63は、対照(ビヒクル)、PM00104、シスプラチン、イリノテカン、パクリタキセル、および対応する併用で治療したマウスにおけるMRI-H-254腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0322】
【表56】
【0323】
Table 57(表57)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびシスプラチン5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびシスプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のシスプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0324】
【表57】
【0325】
Table 58(表58)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびシスプラチン3mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびシスプラチンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のシスプラチンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0326】
【表58】
【0327】
Table 59(表59)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびイリノテカン18mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびイリノテカンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のイリノテカンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0328】
【表59】
【0329】
Table 60(表60)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびイリノテカン10mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびイリノテカンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のイリノテカンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0330】
【表60】
【0331】
Table 61(表61)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびパクリタキセル25mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0332】
【表61】
【0333】
Table 62(表62)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびパクリタキセル12.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびパクリタキセルの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のパクリタキセルとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0334】
【表62】
【0335】
このアッセイにより、以下のことが見出された:
a.PM00104およびシスプラチンの併用は、単一薬剤の対照群としてPM00104で得られた結果ではなく、単一薬剤の対照群としてシスプラチンで得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性未満であると等級付けされた。
b.PM00104およびイリノテカンの併用は、単一薬剤の対照群としてPM00104で得られた結果ではなく、単一薬剤の対照群としてイリノテカンで得られた結果を上回る、極めて統計的に有意な(p<0.001)抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、実験の終わりに相加性未満であると等級付けされた。
c.PM00104およびパクリタキセルの併用は抗腫瘍活性の増強をもたらし、増強は、投与量12.5mg/kg/日のパクリタキセルで統計的に有意であった(p<0.001)。この増強は相加性未満であると等級付けされた。
【0336】
(実施例15)
ヒト肝細胞癌異種移植片におけるソラフェニブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト肝細胞癌の異種移植片モデルを用いることによって、ソラフェニブの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0337】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0338】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、HepG2細胞系であった。
【0339】
HepG2細胞を、10% FBS、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、0.1mM可欠アミノ酸、1.0mMピルビン酸ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補ったMEM中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲルおよび50%無血清培地の0.2mL懸濁液中5×106個のHepG2細胞を、13Gトロカールを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0340】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 19日に開始した。
【0341】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ソラフェニブは錠剤の形態で提供され、これをCremophor EL/エタノール/水(CEW)最終比率(12.5、12.5、75)中溶解した。
【0342】
試験群および治療レジメンをTable 63(表63)に列挙する。
【0343】
【表63】
【0344】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびソラフェニブ)間の平均腫瘍重量、対ソラフェニブの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0345】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0346】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0347】
Table 64(表64)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図64〜67は、対照(ビヒクル)、PM00104、ソラフェニブ、および対応する併用で治療したマウスにおけるHepG2腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0348】
【表64】
【0349】
Table 65(表65)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびソラフェニブ60mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0350】
【表65】
【0351】
Table 66(表66)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびソラフェニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0352】
【表66】
【0353】
Table 67(表67)は、PM00104 0.6mg/kg/日およびソラフェニブ60mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0354】
【表67】
【0355】
Table 68(表68)は、PM00104 0.6mg/kg/日およびソラフェニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0356】
【表68】
【0357】
このアッセイにより、PM00104およびソラフェニブの併用は、ソラフェニブの対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。観察された増強は、相加性未満であると等級付けされた。
【0358】
(実施例16)
ヒト肝細胞癌異種移植片におけるソラフェニブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト肝細胞癌の異種移植片モデルを用いることによって、ソラフェニブの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0359】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍細胞懸濁液で腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0360】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、PLC/PRF/5細胞系であった。
【0361】
PLC/PRF/5を、10% FBSおよび1% L-グルタミンを補ったイーグル最小必須培地中で増殖させた。各動物に、抗生物質なしの50%マトリゲルおよび50%無血清MEM培地の0.2mL懸濁液中5×106個のPLC/PRF/5細胞を、13Gトロカールおよび1mLシリンジを用いて右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、移植用に調製した細胞のアリコートに対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0362】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 14日に開始した。
【0363】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ソラフェニブは錠剤の形態で提供され、これをCremophor EL/エタノール/水(CEW) 最終比率(12.5、12.5、75)中溶解した。
【0364】
試験群および治療レジメンをTable 69(表69)に列挙する。
【0365】
【表69】
【0366】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびソラフェニブ)間の平均腫瘍重量、対ソラフェニブの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0367】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0368】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0369】
Table 70(表70)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図68〜71は、対照(ビヒクル)、PM00104、ソラフェニブ、および対応する併用で治療したマウスにおけるPLC/PRF/5腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0370】
【表70】
【0371】
Table 71(表71)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびソラフェニブ60mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0372】
【表71】
【0373】
Table 72(表72)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびソラフェニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0374】
【表72】
【0375】
Table 73(表73)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびソラフェニブ60mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0376】
【表73】
【0377】
Table 74(表74)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびソラフェニブ30mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびソラフェニブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のソラフェニブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0378】
【表74】
【0379】
このアッセイにより、PM00104およびソラフェニブの併用は、ソラフェニブの対照群で得られた結果を上回る、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出され、両薬物とも低い方の投与量に観察された最良の結果であった。この最良の増強は、相加性を超えると等級付けされた。
【0380】
(実施例17)
ヒト卵巣腫瘍異種移植片におけるベバシズマブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
本試験の目的は、ヒト卵巣癌の異種移植片モデルを用いることによって、ベバシズマブの抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を評価することであった。
【0381】
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍フラグメントで腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0382】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手した、SK-OV-3細胞系であった。
【0383】
SK-OV-3フラグメントをドナー動物から除去し、組織を、膜およびあらゆる出血性の、壊死性の領域から壊死組織除去し、in vivoの第2継代からの3〜4mm3のフラグメントを、13Gトロカールを用いて各動物の右側腹部上にSC移植した。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0384】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 14日に開始した。
【0385】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ベバシズマブは溶液として提供され、これを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0386】
試験群および治療レジメンをTable 75(表75)に列挙する。
【0387】
【表75】
【0388】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、週2回記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびベバシズマブ)間の平均腫瘍重量、対ベバシズマブの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0389】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0390】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0391】
Table 76(表76)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図72〜73は、対照(ビヒクル)、PM00104、ベバシズマブ、および対応する併用で治療したマウスにおけるSK-OV-3腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0392】
【表76】
【0393】
Table 77(表77)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびベバシズマブ5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびベバシズマブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のベバシズマブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0394】
【表77】
【0395】
Table 78(表78)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびベバシズマブ2.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびベバシズマブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のベバシズマブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0396】
【表78】
【0397】
このアッセイにより、PM00104およびベバシズマブの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。低い方の投与量のベバシズマブでは、この増強は、アッセイの終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【0398】
(実施例18)
ヒト肺癌、乳癌、および結腸癌細胞系に対する化学療法薬剤との併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vitro試験
本試験の目的は、肺癌、乳癌、および結腸癌の治療において用いられる化学療法薬剤の抗腫瘍活性を増強するPM00104の能力を決定することであった。
【0399】
PM00104と併用して以下の薬剤を評価した:パクリタキセル、シスプラチン、ゲムシタビン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル(5-FU)、イリノテカン、およびオキサリプラチン。このアッセイに選択したヒト癌細胞系は以下の通りであった:A-549細胞系(肺癌)、NCI-H460細胞系(肺癌)、NCI-H23細胞系(肺癌)、MDA-MB-231細胞系(乳癌)、BT-474細胞系(乳癌)、MCF-7細胞系(乳癌)、LoVo細胞系(結腸癌)、HCT-116細胞系(結腸癌)、およびHT-29細胞系(結腸癌)。
-A-549細胞、NCI-H460細胞、MDA-MB-231細胞、MCF-7細胞、LoVo細胞、およびHT-29細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを補ったダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で増殖させた。
-NCI-H23細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI中で増殖させた。
-BT-474細胞を、1% ITS(インスリン、トランスフェリン、およびセレン)、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI中で増殖させた。
-HCT-116細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを補ったマッコイ培地中で増殖させた。
【0400】
スクリーニングを2つの部分において行った。
a.第1セットのアッセイでは、各腫瘍細胞系において薬物を72時間曝露した後、各薬物のIC50値を決定した。
【0401】
全細胞系を、それぞれの増殖培地中、37℃、5%CO2、および湿度98%に維持した。プレーティングの前に、細胞培養物をトリプシン処理し、自動化フローサイトメーターを用いて細胞数を推定した。
【0402】
細胞を回収し、96ウェルマイクロタイタープレート中、培地150μL中好適な細胞密度(細胞5,000〜10,000個)に播種し、24時間インキュベートして細胞を付着させた後、薬物添加した。
【0403】
PM00104、パクリタキセル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル(5-FU)、およびイリノテカンの1.0mg/mL保存溶液を100%DMSO中に調製した。シスプラチンおよびオキサリプラチンの1.0mg/mL保存溶液を、組織培養用二回滅菌水中に調製した。無血清培地中、さらなる段階希釈を調製して、最終の4×治療濃度を達成した。希釈した各試験物品50μLをウエルごとに加えた。
【0404】
細胞毒性効果を、生存細胞数を決定するための比色法であるMTTアッセイ(テトラゾリウム)によって測定した。インキュベーション期間(72時間)の後、各マイクロタイターウェルにMTT溶液50μLを加え、37℃でさらなる8時間インキュベートした。次いで、培地を取り除き、DMSO 50μLを加えてMTT結晶を溶解した。分光光度計マイクロプレートリーダー上、540nmで吸光度を読んだ。
【0405】
各試験薬剤に対する2回から4回のアッセイの平均からIC50値を計算した。Prism v5.02ソフトウエア(GraphPad)を用いて回帰曲線を生成し、次いで50%阻害濃度を自動的に補間した。
【0406】
各細胞系に対する各薬剤の個々のIC50値をTable 79(表79)に示す。
【0407】
【表79】
【0408】
b.第2セットのアッセイでは、細胞系を、以下の組合せの独特のIC50濃度において、上記で言及した各薬剤と併用してPM00104とインキュベートした。
PM00104のIC50 薬剤のIC50
100% 0%
75% 25%
70% 30%
60% 40%
50% 50%
40% 60%
30% 70%
25% 75%
0% 100%
【0409】
細胞培養および細胞のプレーティングを先に記載した通りに行った。各薬物の保存溶液も、1.0mg/mLの薬物濃度で先に記載した通りに調製した。これらの保存溶液を、さらに適宜段階希釈して出発濃度に到達させた。さらなる段階希釈を無血清培地中に調製して、最終の8×治療濃度を達成した。ウエルごとに希釈した各試験物品25μLを加えた。
【0410】
細胞毒性効果を、上記に記載した通りにMTTアッセイによって測定した。以下の通りにデータを分析した。
1.Prism v5.02ソフトウエア(Graphpad)プログラムを用いて、データを対照値に標準化した(100%=薬剤の非存在下(ビヒクル単独)の細胞の成長;0%=ブランク対照)。
2.標準化したデータをx/yグラフとしてプロットした。各薬剤(薬物)に対する100%IC50の値を結んで線を引いた。値が線を大幅に上回れば拮抗作用を示しており、大幅に下回れば相乗作用を示し、線上であれば相加作用を示していた。
【0411】
腫瘍細胞に対する相乗的な細胞毒性が最適の効果であり、PM00104と別の薬物との併用がいずれかの薬物単独よりも有効であることを意味する。統計上有意な観察は、併用の(PM00104+別の薬物)細胞生存の%値と両方のエンドポイント値(PM00104および他の薬物単独)との間に差が存在することを必要とする。値の大多数が、線(エンドポイント)を統計的に超え、またはそれ未満である場合は、それぞれ拮抗作用または相乗作用と記載され、その他の場合は、そのパターンは相加性の相互作用とさらに一致する。
【0412】
このアッセイにしたがって、以下のことが見出された:
a.ヒト肺癌細胞におけるPM00104のゲムシタビンとの併用は、NCI-H23細胞系において(図76)60/40、70/30、および75/25の投与量比で相乗的であり、NCI-H460細胞系において(図75)、75/25の投与量比で相乗効果を有する相加性の傾向を示した。さらに、A549細胞系において(図74)、併用は相加性の傾向を示した。
b.ヒト肺癌細胞におけるPM00104のパクリタキセルとの併用は、NCI-H23細胞系において(図79)相乗的であり、NCI-H460細胞系(図78)およびA549細胞系(図77)において相加性の傾向を示した。
c.ヒト肺癌細胞におけるPM00104のシスプラチンとの併用は、NCI-H460細胞系において(図81)30/70および50/50の投与量比で相乗的であった。A549細胞系において(図80)相加性の傾向を示し、NCI-H23細胞系において(図82)拮抗性の傾向を示した。
d.ヒト乳癌細胞におけるPM00104のゲムシタビンとの併用は、MDA-MB-231細胞系(図83)、BT-474細胞系(図84)、およびMCF-7細胞系(図85)において相乗的であった。
e.ヒト乳癌細胞におけるPM00104のパクリタキセルとの併用は、MCF-7細胞系(図88)において相乗的であり、MDA-MB-231細胞系(図86)およびBT-474細胞系(図87)において相加性の傾向を示した。
f.ヒト乳癌細胞におけるPM00104のドキソルビシンとの併用はMDA-MB-231細胞系(図89)、BT-474細胞系(図90)、およびMCF-7細胞系(図91)において相乗的であった。
g.結腸癌細胞におけるPM00104の5-フルオロウラシルとの併用は、全てまたは殆んど全ての投与量比でHT-29細胞系(図94)およびLoVo細胞系(図93)において相乗的であり、HCT-116(図92)において相加性の傾向を示した。
h.ヒト結腸癌細胞におけるPM00104のオキサリプラチンとの併用は、LoVo細胞系(図96)、HT-29細胞系(図97)、およびHCT-116細胞系(図95)において相加性の傾向を示した。
i.ヒト結腸癌細胞におけるPM00104のイリノテカンとの併用は、LoVo細胞系(図99)において相乗的であり、HT-29細胞系(図100)およびHCT-116細胞系(図98)において相加性の傾向を示した。
【0413】
(実施例19)
ヒト肺癌異種移植片におけるテムシロリムスおよびベバシズマブとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0414】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒトNSCLC細胞系である、NCI-H460細胞系であった。NCI-H460細胞を、10% FBS、10mM Hepes、1mMピルビン酸ナトリウム、4.5g/lグルコース、1.5g/l炭酸水素ナトリウム、および2mM L-グルタミンを補ったRPMI-1640培地中で増殖させた。in vitroの第7継代からの細胞を、13Gトロカールと一緒に1mlシリンジを用いて実験用マウス中にSC移植した:血清または抗生物質のないNCI-H460の50%マトリゲル/50% RPMI培地0.2ml中細胞5×106個/マウス。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0415】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。139±36mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 9日に開始した。
【0416】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。テムシロリムスは非水性エタノール溶液の形態で提供され、これをポリソルベート80(40%w/v)、ポリエチレングリコール400(42.8%w/v)、および無水アルコール(19.9%w/v)を含む希釈液でさらに希釈し、次いで0.9%食塩水中投与濃度にさらに希釈した。ベバシズマブは溶液として提供され、これを0.9%食塩水でさらに希釈した。
【0417】
試験群および治療レジメンをTable 80(表80)に列挙する。
【0418】
【表80】
【0419】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびベバシズマブ、またはPM00104およびテムシロリムス)間の平均腫瘍重量、対ベバシズマブまたはテムシロリムスの平均腫瘍重量をそれぞれ比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0420】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0421】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0422】
Table 81(表81)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図101〜104は、対照、PM00104、ベバシズマブ、テムシロリムス、および対応する併用で治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0423】
【表81】
【0424】
Table 82(表82)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびベバシズマブ5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびベバシズマブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のベバシズマブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0425】
【表82】
【0426】
Table 83(表83)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびベバシズマブ2.5mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびベバシズマブの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のベバシズマブとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0427】
【表83】
【0428】
Table 84(表84)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびテムシロリムス20mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびテムシロリムスの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のテムシロリムスとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0429】
【表84】
【0430】
Table 85(表85)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびテムシロリムス10mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびテムシロリムスの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のテムシロリムスとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0431】
【表85】
【0432】
このアッセイにより、PM00104およびベバシズマブの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。ベバシズマブの両方の投与量で、アッセイの終わりにこの増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0433】
このアッセイにより、PM00104およびテムシロリムスの併用は、いずれかの単一の薬剤の対照群で得られた結果を上回る、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。テムシロリムスの両方の投与量で、アッセイの終わりにこの増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0434】
(実施例20)
ヒト肺癌異種移植片におけるゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0435】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒトNSCLC細胞系である、NCI-H460細胞系であった。この細胞系を、実施例19に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。実験用マウス中にSC移植したものは、in vitroの第9継代からの細胞であった。
【0436】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 8日に開始した。
【0437】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ゲムシタビンはゲムシタビンHClを含む白色固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0438】
試験群および治療レジメンをTable 86(表86)に列挙する。
【0439】
【表86】
【0440】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびゲムシタビン)間の平均腫瘍重量、対ゲムシタビンの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0441】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0442】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0443】
Table 87(表87)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図105〜106は、対照、PM00104、ゲムシタビン、および対応する併用で治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0444】
【表87】
【0445】
Table 88(表88)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン180mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0446】
【表88】
【0447】
Table 89(表89)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン90mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0448】
【表89】
【0449】
このアッセイにより、PM00104およびゲムシタビンの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。低い方の投与量のゲムシタビンを有する併用の増強は、試験の終わりに相加性として等級付けされた。
【0450】
(実施例21)
ヒト肺癌異種移植片における、ゲムシタビンとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス13匹を含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0451】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒト肺癌細胞系である、CaLu-6細胞系であった。CaLu-6細胞を、10% FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったイーグル最小必須培地(MEM)中で増殖させた。in vitroの第12継代からの細胞を、13Gトロカールと一緒に1mlシリンジを用いて実験用マウス中にSC移植した:血清または抗生物質のないCaLu-6の50%マトリゲル/50% MEM培地0.2ml中細胞5×106個/マウス。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0452】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。99±17mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 9日に開始した。
【0453】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ゲムシタビンはゲムシタビンHClを含む白色固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0454】
試験群および治療レジメンをTable 90(表90)に列挙する。
【0455】
【表90】
【0456】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびゲムシタビン)間の平均腫瘍重量、対ゲムシタビンの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0457】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0458】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0459】
Table 91(表91)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図107〜108は、対照、PM00104、ゲムシタビン、および対応する併用で治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0460】
【表91】
【0461】
Table 92(表92)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン180mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0462】
【表92】
【0463】
Table 93(表93)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびゲムシタビン90mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびゲムシタビンの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のゲムシタビンとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0464】
【表93】
【0465】
このアッセイにより、PM00104およびゲムシタビンの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。ゲムシタビンの両方の投与量で、アッセイの終わりにこの増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0466】
(実施例22)
ヒト肺癌異種移植片におけるペメトレキセドとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0467】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒト肺細胞系である、CaLu-6細胞系であった。この細胞系を、実施例21に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。実験用マウス中にSC移植したのは、in vitroの第10継代からの細胞であった。
【0468】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。86±16mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 9日に開始した。
【0469】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ペメトレキセドはペメトレキセド二ナトリウムを含む固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0470】
試験群および治療レジメンをTable 94(表94)に列挙する。
【0471】
【表94】
【0472】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびペメトレキセド)間の平均腫瘍重量、対ペメトレキセドの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0473】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0474】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0475】
Table 95(表95)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図109〜110は、対照、PM00104、ペメトレキセド、および対応する併用で治療したマウスにおけるCaLu-6腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0476】
【表95】
【0477】
Table 96(表96)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド125mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0478】
【表96】
【0479】
Table 97(表97)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0480】
【表97】
【0481】
このアッセイにより、PM00104およびペメトレキセドの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。ペメトレキセド投与量の両方の投与量で、この増強は、アッセイの終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【0482】
(実施例23)
ヒト肺癌異種移植片におけるペメトレキセドとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス14匹を含み、治療群は各々9マウス/群を有した。
【0483】
この試験に用いた腫瘍モデルは、ATCC(Manassas、VA)から入手したヒト肺細胞系である、NCI-H460細胞系であった。この細胞系を、実施例19に記載した通りに増殖させ、動物に移植した。実験用マウス中にSC移植したのは、in vitroの第16継代からの細胞であった。
【0484】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。118±32mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 8日に開始した。
【0485】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ペメトレキセドはペメトレキセド二ナトリウムを含む固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0486】
試験群および治療レジメンをTable 98(表98)に列挙する。
【0487】
【表98】
【0488】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびペメトレキセド)間の平均腫瘍重量、対ペメトレキセドの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0489】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0490】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0491】
Table 99(表99)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図111〜112は、対照、PM00104、ペメトレキセド、および対応する併用で治療したマウスにおけるNCI-H460腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0492】
【表99】
【0493】
Table 100(表100)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド125mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0494】
【表100】
【0495】
Table 101(表101)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0496】
【表101】
【0497】
このアッセイにより、PM00104およびペメトレキセドの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。ペメトレキセドの両方の投与量で、アッセイの終わりにこの増強は相加性を超えると等級付けされた。
【0498】
(実施例24)
ヒト中皮腫異種移植片におけるペメトレキセドとの併用におけるPM00104の効果を決定するためのin vivo試験
全ての実験に、メス胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley、Madison、WI)を利用した。動物を換気したラックケージ中に収容し、餌および水を自由に与えた。少なくとも5日間マウスを順化させた後、腫瘍を移植した。ビヒクル対照群はマウス15匹を含み、治療群は各々10マウス/群を有した。
【0499】
この試験に用いた腫瘍モデルは、DTP、DCTD腫瘍貯蔵所(tumor repository)から入手したヒト中皮腫細胞系である、H-Meso-1細胞系であった。H-Meso-1細胞を、10% FBSおよび2mM L-グルタミンを補ったRPMI-1640培地中で増殖させた。細胞を、13Gトロカールと一緒に1mlシリンジを用いて実験用マウス中にSC移植した:血清または抗生物質のないH-Meso-1の50%マトリゲル/50% RPMI培地0.2ml中細胞5×106個/マウス。細菌の培養を、試験を移植するのに用いる細胞に対して行った。培養物は全て、移植24時間後および48時間後両方とも、細菌の汚染に対して陰性であった。
【0500】
実施例4に開示した通りに腫瘍の測定値を決定した。175±100mm3(平均値±SD)のサイズ範囲内で腫瘍が好適な体積に到達したら、LabCat(登録商標)In LifeモジュールV 8.0 SP1腫瘍追跡および測定ソフトウエアを用いることによって、マウスを腫瘍重量に基づいて治療群と対照群とに無作為化した。治療はDPI 6日に開始した。
【0501】
PM00104は、凍結乾燥PM00104粉末のバイアルの形態で提供され、これを注射用水で再構成した。ペメトレキセドはペメトレキセド二ナトリウムを含む固体粉末の形態で提供され、これを0.9%食塩水中再構成した。
【0502】
試験群および治療レジメンをTable 102(表102)に列挙する。
【0503】
【表102】
【0504】
腫瘍サイズの測定値を、治療開始から試験終了まで、2〜3回/週記録した。アッセイした様々な濃度の、併用における2つの薬剤(PM00104およびペメトレキセド)間の平均腫瘍重量、対ペメトレキセドの平均腫瘍重量を比較して腫瘍増殖阻害を評価した。
【0505】
全ての評価時の全動物群に対する、平均値、標準偏差、および平均値の標準誤差を、腫瘍体積に対して決定した。試験の最終日を含む各測定日の腫瘍体積に対してスチューデントのt検定を行って、併用治療群と単一の単独療法治療群との間にいかなる統計的な有意差が存在するか否かを決定した。
【0506】
併用療法に対する増強の評価および相加性の程度に対する定義および判断基準は、実施例4に開示したものと同じであった。
【0507】
Table 103(表103)は各治療で得られた%T/C値を報告するものであり、図113〜114は、対照、PM00104、ペメトレキセド、および対応する併用で治療したマウスにおけるH-Meso-1腫瘍の腫瘍体積の評価(平均値±SEM)を示すものである。
【0508】
【表103】
【0509】
Table 104(表104)は、PM00104 0.9mg/kg/日およびペメトレキセド100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0510】
【表104】
【0511】
Table 105(表105)は、PM00104 0.45mg/kg/日およびペメトレキセド100mg/kg/日の投与量で、単一薬剤として、および併用で投与したPM00104およびペメトレキセドの腫瘍増殖阻害の%を示すものである。さらに、PM00104の前記投与量のペメトレキセドとの併用の増強および相加性の程度を提供する。
【0512】
【表105】
【0513】
このアッセイにより、PM00104およびペメトレキセドの併用は、抗腫瘍活性の増強をもたらすことが見出された。PM00104の両方の投与量で、この増強は、アッセイの終わりに相加性を超えると等級付けされた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量、ならびに抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される別の抗癌薬の治療有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与するステップを含む、癌を治療する方法。
【請求項2】
癌の治療における、抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される抗癌薬の治療有効性を増強する方法であって、前記抗癌薬の治療有効量およびPM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量をそれを必要とする患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項3】
PM00104または薬学的に許容できるその塩、ならびに抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬が、同じ組成物の部分を形成する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
PM00104または薬学的に許容できるその塩、ならびに抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬が、同時に、または異なる時間に投与するための別々の組成物として提供される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
PM00104または薬学的に許容できるその塩、ならびに抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬が、異なる時間に投与するための別々の組成物として提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
PM00104と併用される抗癌薬が抗腫瘍白金配位錯体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
PM00104と併用される抗癌薬が、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、BBR3464、サトラプラチン、テトラプラチン、オルミプラチン、およびイプロプラチンから選択される抗腫瘍白金配位錯体である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
PM00104と併用される抗癌薬が代謝拮抗薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
PM00104と併用される抗癌薬が、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビン、カペシタビン、デシタビン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、フルダラビン、アミノプテリン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、およびチオグアニンから選択される代謝拮抗薬である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
PM00104と併用される抗癌薬が有糸分裂阻害薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
PM00104と併用される抗癌薬が、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択される有糸分裂阻害薬である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
PM00104と併用される抗癌薬がアントラサイクリンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
PM00104と併用される抗癌薬が、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、およびバルルビシンから選択されるアントラサイクリンである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
PM00104と併用される抗癌薬がトポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
PM00104と併用される抗癌薬が、トポテカン、SN-38、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、エトポシド、およびテニポシドから選択されるトポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
PM00104と併用される抗癌薬が抗腫瘍モノクローナル抗体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
PM00104と併用される抗癌薬が、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、およびゲムツズマブから選択される抗腫瘍モノクローナル抗体である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
PM00104と併用される抗癌薬がチロシンキナーゼ阻害薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
PM00104と併用される抗癌薬が、エルロチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、カネルチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、スニチニブ、およびバンデタニブから選択されるチロシンキナーゼ阻害薬である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
PM00104と併用される抗癌薬がmTOR阻害薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
PM00104と併用される抗癌薬が、テムシロリムス、シロリムス、エベロリムス、およびデフォロリムスから選択されるmTOR阻害薬である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
治療すべき癌が、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法のための薬物を製造するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項24】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法のための薬物を製造するための、抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される抗癌薬の使用。
【請求項25】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法のための、PM00104または薬学的に許容できるその塩。
【請求項26】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法のための、抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される抗癌薬。
【請求項27】
一剤形のPM00104もしくは薬学的に許容できるその塩、ならびに/または抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/もしくはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、およびチロシンキナーゼ阻害薬から選択される一剤形の別の抗癌薬、ならびに請求項1から22のいずれか一項に記載の方法において両方の薬物を併用して用いるための指示を含む、癌の治療において用いるためのキット。
【請求項1】
PM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量、ならびに抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される別の抗癌薬の治療有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与するステップを含む、癌を治療する方法。
【請求項2】
癌の治療における、抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される抗癌薬の治療有効性を増強する方法であって、前記抗癌薬の治療有効量およびPM00104または薬学的に許容できるその塩の治療有効量をそれを必要とする患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項3】
PM00104または薬学的に許容できるその塩、ならびに抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬が、同じ組成物の部分を形成する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
PM00104または薬学的に許容できるその塩、ならびに抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬が、同時に、または異なる時間に投与するための別々の組成物として提供される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
PM00104または薬学的に許容できるその塩、ならびに抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される他の抗癌薬が、異なる時間に投与するための別々の組成物として提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
PM00104と併用される抗癌薬が抗腫瘍白金配位錯体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
PM00104と併用される抗癌薬が、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、BBR3464、サトラプラチン、テトラプラチン、オルミプラチン、およびイプロプラチンから選択される抗腫瘍白金配位錯体である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
PM00104と併用される抗癌薬が代謝拮抗薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
PM00104と併用される抗癌薬が、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビン、カペシタビン、デシタビン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、フルダラビン、アミノプテリン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、およびチオグアニンから選択される代謝拮抗薬である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
PM00104と併用される抗癌薬が有糸分裂阻害薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
PM00104と併用される抗癌薬が、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択される有糸分裂阻害薬である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
PM00104と併用される抗癌薬がアントラサイクリンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
PM00104と併用される抗癌薬が、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、およびバルルビシンから選択されるアントラサイクリンである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
PM00104と併用される抗癌薬がトポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
PM00104と併用される抗癌薬が、トポテカン、SN-38、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、エトポシド、およびテニポシドから選択されるトポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
PM00104と併用される抗癌薬が抗腫瘍モノクローナル抗体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
PM00104と併用される抗癌薬が、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、およびゲムツズマブから選択される抗腫瘍モノクローナル抗体である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
PM00104と併用される抗癌薬がチロシンキナーゼ阻害薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
PM00104と併用される抗癌薬が、エルロチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、カネルチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、スニチニブ、およびバンデタニブから選択されるチロシンキナーゼ阻害薬である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
PM00104と併用される抗癌薬がmTOR阻害薬である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
PM00104と併用される抗癌薬が、テムシロリムス、シロリムス、エベロリムス、およびデフォロリムスから選択されるmTOR阻害薬である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
治療すべき癌が、肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、胸膜中皮腫、膀胱癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、肝細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、食道癌、副腎癌、耳下腺癌、頭部および頸部の癌、子宮頸部癌、中皮腫、白血病、およびリンパ腫から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法のための薬物を製造するための、PM00104または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項24】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法のための薬物を製造するための、抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される抗癌薬の使用。
【請求項25】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法のための、PM00104または薬学的に許容できるその塩。
【請求項26】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法のための、抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/またはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、ならびにチロシンキナーゼ阻害薬から選択される抗癌薬。
【請求項27】
一剤形のPM00104もしくは薬学的に許容できるその塩、ならびに/または抗腫瘍白金配位錯体、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼIおよび/もしくはII阻害薬、抗腫瘍モノクローナル抗体、mTOR阻害薬、およびチロシンキナーゼ阻害薬から選択される一剤形の別の抗癌薬、ならびに請求項1から22のいずれか一項に記載の方法において両方の薬物を併用して用いるための指示を含む、癌の治療において用いるためのキット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【図91】
【図92】
【図93】
【図94】
【図95】
【図96】
【図97】
【図98】
【図99】
【図100】
【図101】
【図102】
【図103】
【図104】
【図105】
【図106】
【図107】
【図108】
【図109】
【図110】
【図111】
【図112】
【図113】
【図114】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【図91】
【図92】
【図93】
【図94】
【図95】
【図96】
【図97】
【図98】
【図99】
【図100】
【図101】
【図102】
【図103】
【図104】
【図105】
【図106】
【図107】
【図108】
【図109】
【図110】
【図111】
【図112】
【図113】
【図114】
【公表番号】特表2011−520921(P2011−520921A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509790(P2011−509790)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/044334
【国際公開番号】WO2009/140675
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(501440835)ファルマ・マール・ソシエダード・アノニマ (30)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/044334
【国際公開番号】WO2009/140675
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(501440835)ファルマ・マール・ソシエダード・アノニマ (30)
【Fターム(参考)】
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