説明

抵抗シート、感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置

【課題】各種電子機器の操作に用いられる感圧スイッチに関し、押圧力を検出すると共に高精度に押圧方向を検出しうる抵抗シート、感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】感圧スイッチの抵抗体層に接続された端子を定圧電源に接続し、感圧スイッチの電極に接続された端子を前記制御手段に接続し、制御手段は前記抵抗体層を押圧した押圧方向を、制御手段に感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧に基づいて推定するものであり、操作者が押圧する方向の変化に従って変化する所定の電圧分布を抵抗体層に生じさせるため、操作者の押圧方向検出を高精度に行うことができ、押圧方向検出に好適な抵抗シート、感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に各種電子機器の操作に用いる抵抗シート、感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やカーナビ等の各種電子機器の高機能化や多様化が進むに伴い、これらの操作に用いられる抵抗シート、感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置には、簡便に多様な操作が可能なものが求められている。
【0003】
このような従来の抵抗シート、感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置について、図12〜図14を用いて説明する。
【0004】
なお、構成を判り易くするために、図面は厚さ方向の寸法を拡大して表わしている。
【0005】
図12は従来の入力装置の断面図、図13は同分解斜視図であり、同図において、1はフィルム状のオーバーシート、2は略ドーム状の可動接点で、オーバーシート1下面に可動接点2が接着剤(図示せず)によって貼り付けられている。
【0006】
また、3はオーバーシート1と同様の可撓性を有するフィルム状のカバーシートで、可動接点2がカバーシート3上の略中央位置およびその前後左右の五箇所にオーバーシート1で貼り付けられている。
【0007】
また、4は、所定の面抵抗を備えた材料を印刷形成した抵抗体層で、5は、可動接点2の下方となる部分を除いて設けられたフィルム状のスペーサ層である。
【0008】
そして、カバーシート3、およびその下面の抵抗体層4と、スペーサ層5から抵抗シート6が構成される。
【0009】
また、7はフィルム状、あるいは板状の基板で、上下面には銅箔等によって複数の配線パターン(図示せず)が形成されると共に、基板7の略中央位置およびその前後左右の五箇所に、半円状の固定接点8A、8Bが所定の空隙を設けて対向した固定接点対8が設けられている。
【0010】
そして、基板7の上面には定圧電源9、抵抗素子10、マイコンなどから構成された制御手段11などから電子回路12が構成され、定圧電源9が固定接点8Aに、制御手段11が固定接点8Bに、抵抗素子10は一端が固定接点8Bに、他端がアース電位に接続される。
【0011】
そして、各固定接点対8の上方に、抵抗体層4のスペーサ層5で覆われていない部分が対向するように、抵抗シート6を載置している。
【0012】
また、13は絶縁樹脂製のラバーシート、14はラバーシート13の略中央上面に設けられた絶縁樹脂製の押釦、15は押釦14を囲んで設けられた絶縁樹脂製の操作体で、ラバーシート13下面の複数の押圧部13Aが複数の可動接点2中央部のカバーシート1上面に当接すると共に、この上方には押釦14が上下動可能に、操作体15が揺動可能に配置されて、入力装置が構成される。
【0013】
以上の構成において、図14の従来の電子機器の斜視図で示すように、例えば、操作体15の右側のSの位置を下方へ押圧操作すると、ラバーシート13が撓んで、可動接点2を押圧しクリック感を伴って下方へ弾性反転すると共に、抵抗体層4が下方へ撓み、抵抗体層4の下面が固定接点8Aと8Bに接触し、固定接点8Aと8Bが抵抗体層4を介して電気的に接続される。
【0014】
そして、この後、さらに押圧力を加えると、押圧力によって抵抗体層4の固定接点8Aと8Bに対する接触面積が増え、固定接点8Aと8Bの間の抵抗値が小さくなる。
【0015】
この抵抗値の変化が定圧電源9と抵抗素子10により電圧の変化として基板7上面に形成された電子回路12の制御手段11により検出されて、例えば携帯電話などの電子機器16の表示手段17に表示された複数のメニュー18を選択するためのカーソル19の移動方向や移動速度を制御手段11が制御する。
【0016】
また、右斜め前方のTの位置を押圧すると、右方と前方の固定接点8Aと8Bが抵抗体層4を介して電気的に接続され、制御手段11はカーソル19を右斜め上方に移動し、移動速度を制御する。
【0017】
つまり、操作体15の右側のSの位置を押圧するとカーソル19がそれに対応して右に移動し、一方右斜め前方のTの位置を押圧すると、カーソル19がそれに対応して右斜め前方に移動し、押圧力を強くするとカーソル19の移動速度を速くする表示の制御などを電子回路が行うものであった。
【0018】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2009−016330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上記従来の入力装置においては、固定接点対8は前後左右および中央の五箇所にしか設けられていないため、例えばTの位置から少し前方寄り、あるいは後方寄りの位置を押圧した際には、可動接点体2が固定接点対8に接するタイミングがずれるなどして各固定接点対8の押圧力の分布の再現性が低く、高精度な押圧方向の検出が出来ず、押圧方向と同じ方向へ高精度なカーソルなどの移動ができなかった。
【0021】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、押圧力を検出すると共に高精度に押圧方向を検出しうる感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0023】
本発明の請求項1に記載の発明は、抵抗体層はリング状または円弧状またはスパイラル状であって、前記抵抗体層下面に凹凸を備えたものであり、水平面全面となる360度方向などの所定の角度範囲に抵抗体層を配置することが出来るため、簡便な抵抗体層の構成で押圧方向検出に好適な抵抗シートを得ることができるという作用を有する。
【0024】
請求項2に記載の発明は、抵抗体層をリング状または円弧状またはスパイラル状の形状にすると共に、電極を抵抗体層の下方前面を覆って配置された薄板により構成するものであり、操作者の押圧方向検出を安定して行うことができ、操作者が押圧する所定方向と所定の幅をカバーする構成とし、単に電極を薄板で構成しうるため、簡便な電極の構成で押圧方向検出に好適な感圧スイッチを得ることができるという作用を有する。
【0025】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の感圧スイッチと、感圧スイッチに接続されたスイッチ手段と、感圧スイッチと前記スイッチ手段に接続された制御手段と、所定電圧の定圧電源とを備え、感圧スイッチの電極に接続された端子を制御手段に接続し、制御手段は、スイッチ手段を切替えて、感圧スイッチの抵抗体層と感圧スイッチの電極との間で所定の電位差を生じさせ、制御手段は抵抗体層を押圧した押圧力を制御手段に前記感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧に基づいて推定するものであり、操作者が押圧する方向の変化に従って変化する所定の電圧分布を抵抗体層に生じさせるため、操作者の押圧方向検出を高精度に行うことができ、押圧方向検出に好適な入力装置を得ることができるという作用を有する。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の入力装置において、感圧スイッチの電極に接続された端子から延出した配線が分岐し一端が制御手段に接続し他端が抵抗素子を介してアース電位に接続され、制御手段は、推定した押圧方向に基づいて制御手段に感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧を補正する補正手順を経て押圧力を推定するものであり、操作者が押圧する方向に伴い生じた抵抗体層の抵抗成分を補正することで、制御手段に入力された入力電圧のうち操作者の押圧力に対応する割合を抽出するため、押圧力の検出を高精度に行うことができ、押圧方向検出と押圧力検出を両立させるに好適な入力装置を得ることができるという作用を有する。
【0027】
請求項5に記載の発明は、抵抗体層をリング状または円弧状の形状にすると共に、電極を所定の間隔を開けて配置された内側電極と外側電極から構成し、内側電極をリング状または円弧状またはスパイラル状の内周部と前記内周部から外側に延出した櫛歯部から構成し、外側電極をリング状または円弧状の外周部と前記外周部から内側に延出した櫛歯部から構成し、内側電極の櫛歯部と外側電極の櫛歯部を交互に配置するものであり、操作者が押圧する所定方向と所定の幅(内周部と外周部の半径の差分)をカバーする構成としうるため、抵抗体層と電極の構成を操作者の押圧方向検出を安定して行うことができ、押圧方向検出に好適な感圧スイッチを得ることができるという作用を有する。
【0028】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の感圧スイッチと、感圧スイッチに接続されたスイッチ手段と、感圧スイッチとスイッチ手段に接続された制御手段と、所定電圧の定圧電源とを備え、感圧スイッチの抵抗体層に接続された端子を前記定圧電源に接続し、感圧スイッチの電極に接続された端子を制御手段に接続し、制御手段は抵抗体層を押圧した押圧方向を、制御手段に感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧に基づいて推定するものであり、操作者が押圧する方向の変化に従って変化する所定の電圧分布を抵抗体層に生じさせるため、操作者の押圧方向検出を高精度に行うことができ、押圧方向検出に好適な入力装置を得ることができるという作用を有する。
【発明の効果】
【0029】
以上のように本発明によれば、押圧力を検出すると共に高精度に押圧方向を検出しうる感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態による感圧スイッチの分解斜視図
【図2】同感圧スイッチの断面図
【図3】同入力装置の分解斜視図
【図4】同入力装置を使用した電子機器の斜視図
【図5】同入力装置の回路図
【図6】同入力装置の動作説明のための回路図
【図7】同入力装置の動作説明のための回路図
【図8】同入力装置を使用した電子機器の画面図
【図9】本発明の第2の実施の形態による感圧スイッチの分解斜視図
【図10】同入力装置の分解斜視図
【図11】同入力装置の回路図
【図12】従来の入力装置の断面図
【図13】同入力装置の分解斜視図
【図14】同入力装置を使用した電子機器の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図11を用いて説明する。
【0032】
なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0033】
なお、これらの図面のうち断面図は、構成を判り易くするために厚さ方向の寸法を拡大して表わしている。
【0034】
(実施の形態1)
実施の形態1を用いて、本発明の請求項1〜4記載の発明について説明する。
【0035】
図1は本発明の第1の実施の形態による感圧スイッチの分解斜視図、図2は同断面図であり、同図において、21は、ポリエチレンテレフタレ−トやポリカーボネート、ポリイミド等の可撓性を有した材料で形成され中央に円孔の設けられたフィルム状のカバーシートである。
【0036】
また、22は銅などの導電金属の配線からなるパターン配線でカバーシート21下面にエッチングなどで形成され、221A〜221Dは円周に沿って等間隔に配置された4本の接続端で、接続端221A〜221Dから左方にパターン配線22が延出され、22A〜22Dで示す端子に接続される。
【0037】
なお、パターン配線22は、導電金属の配線として、銀等の導電粒子を含んだ導電性のインキなどで印刷により形成されていても良い。
【0038】
また、221Eは接続端221A〜221Dの外方の接続端で、接続端221Eから左方にパターン配線22が延出され、22Eで示す端子に接続される。
【0039】
そして、23は合成樹脂内にカーボン粉を分散したシート抵抗値0.5kΩ〜30kΩ/□の抵抗体を材料とする略リング状に形成された低抵抗層で、パターン配線22下面に印刷することで形成される。
【0040】
ここで、低抵抗層23は略リング状に形成されたリング部23Aと、リング部23Aの円周上に等間隔で配置された点A〜Dで示す接続端からなり、パターン配線22の内端221A〜221Dに接続端A〜Dがそれぞれ接続する。
【0041】
また、24は低抵抗層23の下面に重ねて印刷形成された、下面が細かな凹凸状でシート抵抗値50kΩ〜5MΩ/□の高抵抗層で、これらの低抵抗層23と高抵抗層24から抵抗体層25が構成される。
【0042】
また、26はポリエチレンテレフタレ−トやポリカーボネート、ポリイミド等の可撓性を有した材料で形成されたフィルム状のスペーサ層で、抵抗体層25の下面よりスペーサ層26の下面が下方になるように、カバーシート21下面に貼り付けられている。
【0043】
なお、スペーサ層26は、エポキシ樹脂などを含んだ絶縁性のインキで印刷により形成されていても良い。
【0044】
つまり、カバーシート21とスペーサ層26の間に、パターン配線22と抵抗体層25が挟み込まれており、これらから抵抗シート27が構成される。
【0045】
さらに、28はステンレスなどの金属導体で構成された中央に円孔の設けられた略方形の電極で、上面は凹凸の無い平板で構成される。
【0046】
そして、電極28の上面と抵抗シート27の抵抗体層25の下面の間に10〜100μm前後の所定の間隙が設けられ抵抗シート27が重ねられて、感圧スイッチ40が構成される。
【0047】
また、抵抗シート27の接続端221Eは、異方性導電ペースト(図示せず)を介して電極28と接続され、これにより、抵抗シート27の端子22Eは電極28に接続する。
【0048】
このような感圧スイッチ40は、例えば携帯電話などの電子機器に組み込まれて、図3の分解斜視図に示すような入力装置が構成されており、同図において41は、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等のフィルム状、あるいは紙フェノールやガラス入りエポキシ等の板状の基板で、基板41上下面には銅箔等によって複数の配線パターン(図示せず)が形成される。
【0049】
また基板41上面には、前後左右および中央の五箇所に設けられた導電金属製でリング状およびその中央の円形の固定接点からなる固定接点対42や、絶縁樹脂製の接続コネクタ43やマイコン等の半導体素子で構成された制御手段44や、制御手段44から信号が入力されて切替可能な複数のスイッチで構成されたスイッチ手段45、抵抗素子46などが配置され、各々配線パターンにより接続され電子回路47が構成される。
【0050】
また、48は、端面から進入させた光を所定箇所で発光させる絶縁樹脂製の導光シートを非導電樹脂のオーバーシート上面に固定した可動接点体シートで、可動接点体シート48の下面には前後左右および中央に49で示す金属導体でドーム状に形成された可動接点体が貼り付けられる。
【0051】
そして、基板41の前後左右および中央の固定接点対42上に、前後左右および中央の可動接点体49を対向させて可動接点体シート48を基板41上に載置し、さらに、中央の固定接点対42の上方が感圧スイッチ40の中央に設けられた40Aで示す円孔の中心になるように感圧スイッチ40を配置し、感圧スイッチ40の端子22A〜Eを接続コネクタ43に接続する。
【0052】
また、50はシリコーンやエラストマーなどの弾性材からなるラバーシートで、ラバーシート50上の中央に51で示す絶縁樹脂製の中央釦が、中央釦51を囲んで52で示す同じく絶縁樹脂製でリング状の感圧釦が、また感圧釦52を囲んで53で示す同じく絶縁樹脂製でリング状の方向釦が接着剤(図示せず)などで貼り付けられる。
【0053】
そして、感圧スイッチ40の抵抗体層25の上方に感圧釦52を、前後左右の可動接点体49の上方に方向釦53を、中央の可動接点体49の上方に中央釦51が位置するよう、感圧スイッチ40上に各釦が貼り付けられたラバーシート50を載置し、入力装置60が構成される。
【0054】
このように構成された入力装置60は例えば、図4の斜視図で示すような折りたたみ式の携帯電話などの電子機器61において、62で示す液晶表示素子等の表示手段に対向した下側筐体63の上面に、中央釦51、感圧釦52、方向釦53を操作者が操作可能なように露出して配置するものである。
【0055】
次に、この入力装置60の電気的構成について、図5の回路図を用いて説明すると、同図において、抵抗体層25の低抵抗層23の点A〜Dに接続された端子22A〜22Dは、スイッチ手段45のスイッチ45A〜Dと接続している。
【0056】
ここで、スイッチ45A、45Dは定圧電源(例えば+5V)に接続した状態と開放状態を切替えるもので、スイッチ45B、45Cはアース電位(0V)に接続した状態と開放状態を切替えるもので、初期状態は、スイッチ45Aが定圧電源に接続した状態で、スイッチ45B〜Dは全て開放状態になっている。
【0057】
なお、定圧電源の電圧としては0.1V〜30Vとすることができ、1V〜15Vがより望ましい。
【0058】
さらに、電極28は端子22Eを介し、分岐した一端が制御手段44に接続されてVinで示す電圧信号を制御手段44に入力し、他端が抵抗素子46を介してスイッチ45Eに接続され、スイッチ45Eは初期状態ではアース電位に接続した状態になっている。
【0059】
さらに、スイッチ45A〜45Eのスイッチ切替えは、制御手段44からの出力信号S1により行われ、スイッチ45A〜45Eのスイッチ切替え結果に応じて、電圧信号Vinが変化する。
【0060】
このように構成された入力装置60において、操作者が例えば、抵抗体層25のP点を押圧したとすると、抵抗体層25と電極28の接触面積が変化し、Rpで示す抵抗体層25と電極28の間の接触抵抗が変化する。
【0061】
そして、制御手段44は押圧力の推定処理を行うもので、スイッチ45Aから定圧電源が印加され、スイッチ45Eはアース電位に接続されるため、電圧信号Vinは、抵抗体層25と電極28の間の接触抵抗Rpと点A−点P間の線路抵抗Rapの和である(Rp+Rap)と、抵抗素子46の抵抗値Rとの分圧比で決定される。
【0062】
つまり、制御手段は、スイッチ手段を切替えて、感圧スイッチの抵抗体層と感圧スイッチの電極との間で所定の電位差を生じさせるため、生じた電位差に応じた電圧信号Vinが制御手段44に入力される。
【0063】
そして、制御手段44は後述する第一〜第三の方向推定手順を経て点Pの押圧方向を推定後、点A−点P間の線路抵抗Rapを補正する補正手順を行い、抵抗体層25と電極28の間の接触抵抗Rpを算出する。
【0064】
この補正手順について具体的に説明すると、まず、制御手段44は、例えば制御手段44内に設けられた電圧信号Vinと(Rp+Rap)の対比テーブルに基づき、(Rp+Rap)の抵抗値を推定する。
【0065】
そして、制御手段44が点Pの押圧方向を推定した後、例えば、点A−点C間の線路抵抗が既知の値であるRacでその間の円弧に対応する角度がα度、推定された点Pの押圧方向に対応する角度がβ度であるとすれば、点A−点P間の線路抵抗Rapである、Rac×β/αを算出する。
【0066】
そして、制御手段44は(Rp+Rap)から点A−点P間の線路抵抗Rapを減じて接触抵抗Rpを算出し、例えば制御手段44内に設けられた接触抵抗Rpと押圧力の対比テーブルに基づき、P点の押圧力を推定する。
【0067】
また、次に第一〜第三の方向推定手順について順を追って説明する。
【0068】
ここで、制御手段44は第一〜第三の方向推定手順に従い、P点の押圧方向を推定するが、その際、制御手段44は制御信号S1により、図6の回路図で示すように、スイッチ45Aを開放状態から定圧電源に接続した状態に切替え、スイッチ45Cを開放状態からアース電位に接続した状態に切替え、スイッチ45Eを開放状態に切替える。
【0069】
これにより、図6の経路A点−P点−C点間のP点での分圧比に対応した電圧が、抵抗体層25と電極28の接触抵抗Rpを介して制御手段44に入力電圧Vinとして入力される。
【0070】
そして、制御手段44は、例えば制御手段44内に設けられた電圧信号Vinと押圧方向の対比テーブルに基づき押圧方向を推定するものであるが、ここで抵抗体層25はリング形状であるので、電圧信号Vinが同値となる仮想押圧点Q点またはP点の方向であると推定する(第一の方向推定手順)。
【0071】
そして、次に制御手段44は図7の回路図で示すように、スイッチ45Aを開放状態に、スイッチ45Bをアース電位に、スイッチ45Cを開放状態に、スイッチ45Dを定圧電源に接続する状態にそれぞれ切替える。
【0072】
これにより、図7の経路D点−P点−B点間のP点での分圧比に対応した電圧が、抵抗体層25と電極28の接触抵抗Rpを介して制御手段44に入力電圧Vinとして入力される。
【0073】
そして、制御手段44は、例えば制御手段44内に設けられた電圧信号Vinと押圧方向の対比テーブルに基づきP点又は仮想押圧点R点の方向であると押圧方向を推定する(第二の方向推定手順)。
【0074】
さらに、制御手段44は、第一の方向推定手順の結果と第二の方向推定手順の結果を比較し、押圧方向はP点の方向であると推定する(第三の方向推定手順)。
【0075】
つまり、所定の面抵抗を備えた抵抗体層に電圧を印加することにより、押圧方向により異なる入力電圧が制御手段44に入力されるため、制御手段44は押圧方向を推定しうる。
【0076】
そして、リング状の抵抗体層25のように所定の電位差を生じるための経路が複数存在する場合であっても、電圧の印加位置を変えた第一の方向推定手順の結果と第二の方向推定手順の結果を比較し、それぞれの押圧方向の推定結果を対照する第三の方向推定手順を行うことにより、正確に押圧方向を決定することが可能となる。
【0077】
そして、例えば図8の画面図に示すように、表示手段62に地図のメニューが表示された状態で、感圧釦52の例えば斜め方向またはその方向から若干前後にずれた方向を押圧操作した場合においても、制御手段44は押圧操作した所望方向へ64で示すポインタを移動させ、さらに強い力で操作された場合にはポインタ64の移動速度を速める。
【0078】
つまり、制御手段44は、操作者が操作した方向へ高精度にポインタなどを移動することができ、また押圧力を推定してポインタなどの移動速度を変化させるため、操作自由度が高くかつスムーズな操作が可能となるものである。
【0079】
なお、上述の説明においては、抵抗体層25の形状はリング状のものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、線状の抵抗体層を円弧状またはスパイラル状に配置しても実施することは可能である。
【0080】
その際には、電圧の印加位置を変えた第一の方向推定手順の結果と第二の方向推定手順の結果を比較する必要は無く、線状の抵抗体層の両端を異なる電位に接続すれば、抵抗体層内に所望の電圧分布を生じさせることが出来るため、第一の方向推定手順の結果のみから正確に押圧方向を推定しうる。
【0081】
なお、上述の説明においては、押圧力の推定処理を行う際に、制御手段44が補正手順を行うものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、抵抗体層25の点A〜点Dの複数の点を定圧電源に接続するものとして入力装置60を構成することにより、定圧電源に接続された点から押圧された点Pまでの線路抵抗を小さくすることができるため、制御手段44が補正手順を行わなくても、ほぼ正確な押圧力の推定ができる。
【0082】
なお、この場合、点A〜点Dの四箇所全てを定圧電源に接続するものとすれば、制御手段44は最も精度良く押圧力を推定しうる。
【0083】
このように本実施の形態によれば、抵抗体層はリング状または円弧状またはスパイラル状であって、前記抵抗体層下面に凹凸を備えたものであり、水平面全面となる360度方向などの所定の角度範囲に抵抗体層を配置することが出来るため、簡便な抵抗体層の構成で押圧方向検出に好適な抵抗シートを得ることができるものである。
【0084】
また、抵抗体層をリング状または円弧状の形状にすると共に、電極を抵抗体層の下方前面を覆って配置された薄板により構成するものであり、操作者が押圧する所定方向と所定の幅をカバーする構成としうるため、操作者の押圧方向検出を安定して行うことができ、また、電極を単に薄板で構成できるため、簡便な構成で押圧方向検出に好適な感圧スイッチを得ることができるものである。
【0085】
さらに、感圧スイッチと、感圧スイッチに接続されたスイッチ手段と、感圧スイッチと前記スイッチ手段に接続された制御手段と、所定電圧の定圧電源とを備え、感圧スイッチの電極に接続された端子を前記制御手段に接続し、制御手段は、スイッチ手段を切替えて、感圧スイッチの抵抗体層と感圧スイッチの電極との間で所定の電位差を生じさせ、制御手段は前記抵抗体層を押圧した押圧方向を、制御手段に感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧に基づいて推定するものであり、操作者が押圧する方向の変化に従って変化する所定の電圧分布を抵抗体層に生じさせるため、操作者の押圧方向検出を高精度に行うことができ、押圧方向検出に好適な入力装置を得ることができるものである。
【0086】
そして、感圧スイッチの電極に接続された端子から延出した配線が分岐し一端が制御手段に接続し他端が抵抗素子を介してアース電位に接続され、制御手段は、推定した押圧方向に基づいて制御手段に感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧を補正する補正ステップを経て押圧力を推定するものであり、操作者が押圧する方向に伴い生じた抵抗体層の抵抗成分を補正することで、制御手段に入力された入力電圧のうち操作者の押圧力に対応する割合を抽出するため、操作者の押圧力検出を高精度に行うことができ、押圧方向検出と押圧力検出を両立させるに好適な入力装置を得ることができるものである。
【0087】
(実施の形態2)
実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項5および請求項6記載の発明について説明する。
【0088】
実施の形態2を用いて、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0089】
なお、実施の形態1の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0090】
図9は本発明の第2の実施の形態による感圧スイッチの分解斜視図であり、同図において、71は、ポリエチレンテレフタレ−トやポリカーボネート、ポリイミド等の可撓性を有した材料で形成され中央に円孔の設けられたフィルム状のカバーシートである。
【0091】
また、72は銅などの導電金属の配線からなるカバーシート71下面に貼り付けられたパターン配線で、前後左右に配置された内端72A〜72Dから円弧状に配線が延びさらに外方に延出した他端が接続端721A〜721Dとなる。
【0092】
なお、パターン配線72は、導電金属の配線として、銀等の導電粒子を含んだ導電性のインキなどで印刷により形成されていても良い。
【0093】
さらに、23は低抵抗層、24は高抵抗層で、これらの低抵抗層23と高抵抗層24から抵抗体層25が構成されると共に低抵抗層23には点A〜Dで示す接続端が設けられているが、これは実施の形態1の構成と同様である。
【0094】
さらに、76はポリエチレンテレフタレ−トやポリカーボネート、ポリイミド等の可撓性を有した材料で形成されたフィルム状のスペーサ層で、抵抗体層25の下面よりスペーサ層76の下面が下方になるように、カバーシート71下面に貼り付けられる。
【0095】
なお、スペーサ層76は、エポキシ樹脂などを含んだ絶縁性のインキで印刷により形成されていても良い。
【0096】
つまり、カバーシート71とスペーサ層76の間に、パターン配線72と抵抗体層25が挟み込まれており、これらから抵抗シート77が構成される。
【0097】
また、78はポリエチレンテレフタレ−トやポリカーボネート、ポリイミド等の可撓性を有した材料で形成され中央に78Aで示す円孔の設けられたフィルム状のベースシートである。
【0098】
そして、ベースシート78の略中央に、79で示す銅等の金属導体の薄板で形成された内側電極がエッチングなどで形成され、リング状または円弧状の内周部79Aから外方へ放射状に櫛歯部79Bが多数延出している。
【0099】
また、内側電極79の外方には80で示す銅等の金属導体の薄板で形成された外側電極がエッチングなどで形成され、リング状または円弧状の外周部80Aから内方に櫛歯部80Bが多数延出している。
【0100】
また、内側電極79の櫛歯部79Bと外側電極80の櫛歯部80Bは交互に隙間を設けて、円孔78Aを囲んで水平面内の全方向(360度)に配置されており、これらの内側電極79と外側電極80から電極81が構成される。
【0101】
さらに、内側電極79と外側電極80から左方向へ、82で示すベースシート78の上下面に形成された配線が延出され、内側電極79は82Fで示す左端の端子に、外側電極80は82Eで示す端子にそれぞれ接続される。
【0102】
また、82A〜Dで示す端子は、ベースシート78の上下面に形成された配線82を経由して、それぞれの他端が、電極81の周囲に延出された接続端821A〜Dになる。
【0103】
そして、ベースシート78上の電極81と配線82の左端の端子82A〜Dおよび接続端821A〜Dを露出させて配線82表面を絶縁層(図示せず)で覆って、フレキシブル基板となる電極シート83が構成される。
【0104】
また、84はステンレスなどの金属導体で構成された中央に円孔の設けられた略方形の下カバーで、上面は凹凸の無い平板で構成される。
【0105】
そして、下カバー84の上面に電極シート83が重ねられ、電極シート83の電極81の上面と抵抗シート77の抵抗体層25の下面の間にスペーサ層76によって、10〜100μm前後の所定の間隙を設けて抵抗シート77が重ねられて、感圧スイッチ90が構成される。
【0106】
ここで、電極シート83の接続端821A〜Dは、異方性導電ペースト(図示せず)を介して、抵抗シート77の接続端721A〜721Dと接続され、これにより、電極シート83の端子82A〜Dが低抵抗層23の接続端A〜Dにそれぞれ接続される。
【0107】
つまり、抵抗シート77と電極シート83と下カバー84が一体に重ねられて感圧スイッチ90が構成されており、電極シート83の端子82A〜Dは低抵抗層23の接続端A〜Dに、端子82Eは外側電極80に、端子82Fは内側電極79に接続される。
【0108】
このような感圧スイッチ90が、例えば携帯電話などの電子機器に組み込まれて、図10の分解斜視図に示すような入力装置が構成されており、同図において基板41上面に固定接点対42、接続コネクタ43、制御手段44、スイッチ手段45、抵抗素子46などが配置され電子回路47が構成されるが、これは実施の形態1の構成と同様である。
【0109】
また可動接点体シート48、ラバーシート50、中央釦51、感圧釦52、方向釦53についても実施の形態1の構成と同様であり、実施の形態1の感圧スイッチ40が感圧スイッチ90に置き換わるだけで、100で示す入力装置においても全体構成は入力装置60と同じである。
【0110】
次に、この入力装置100の電気的構成について、図11の回路図を用いて説明すると、同図において、抵抗体層25の低抵抗層23の点A〜Dに接続された端子82A〜82Dは、スイッチ手段45のスイッチ45A〜Dと接続している。
【0111】
ここで、スイッチ45A、45Dは定圧電源に接続する状態と開放状態を切替えるもので、スイッチ45B、45Cはアース電位に接続した状態と開放状態を切替えるもので、初期状態では、スイッチ45A〜Dは全て開放状態になっている。
【0112】
また、内側電極79は端子82Fを介してスイッチ45Fに接続されると共に、外側電極80は端子82Eを介し、分岐した一端が制御手段44に接続されVinで示す電圧信号を制御手段44に入力し、他端が抵抗素子46を介してスイッチ45Eに接続される。
【0113】
なお、スイッチ45Eはアース電位に接続した状態と開放状態を切替えるもの、スイッチ45Fは定圧電源に接続する状態と開放状態を切替えるもので、初期状態ではスイッチ45Eはアース電位に、スイッチ45Fは定圧電源に接続した状態になっている。
【0114】
このように構成された入力装置100において、操作者が例えば、抵抗体層25のP点を押圧したとすると、抵抗体層25と内側電極79、および抵抗体層25と外側電極80の接触面積が変化し、Rinで示す抵抗体層25と内側電極79の間の接触抵抗、Routで示す抵抗体層25と外側電極80の接触抵抗が変化する。
【0115】
その結果、制御手段44に入力される電圧信号Vinは、抵抗体層25と内側電極79の間の接触抵抗Rinの抵抗値と抵抗体層25と外側電極80の接触抵抗Routの抵抗値の和である(Rin+Rout)と、抵抗素子46の抵抗値Rの比に比例した分圧比で決定される。
【0116】
そして、制御手段44は、例えば制御手段44内に設けられた電圧信号Vinと押圧力の対比テーブルに基づき、操作者が押圧したP点の押圧力を推定する。
【0117】
なお、電圧信号Vinは、P点の押圧力が高い場合は、(Rin+Rout)の抵抗値がゼロに近づくため、定圧電源の電圧値に近く、P点の押圧力が低い場合は、(Rin+Rout)の抵抗値が極めて大きな値となるため、ゼロに近い電圧値となる。
【0118】
つまり、実施の形態1の入力装置と比較し、実施の形態2の入力装置は、第一〜第三の方向推定手順を経ず、また補正手順も行わず、P点の押圧力を推定することができ、制御手段44の手順を簡便にすることが可能となる。
【0119】
なお、点Pの押圧方向の推定手順は、実施の形態1と同様で、電圧の印加位置を変えた第一の方向推定手順の結果と第二の方向推定手順の結果を比較し、それぞれの押圧方向の推定結果を対照する第三の方向推定手順を行うことにより、高精度に押圧方向を決定する。
【0120】
その際、実施の形態1において制御手段44はスイッチ45Eを開放状態にしていたが、本実施の形態ではスイッチ45E、45Fを共に開放状態にする。
【0121】
なお、上述の説明においては、抵抗体層25の形状はリング状のものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、線状の抵抗体層を円弧状またはスパイラル状に配置しても実施することが可能であることは実施の形態1と同様である。
【0122】
このように本実施の形態によれば、抵抗体層をリング状または円弧状の形状にすると共に、電極を所定の間隔を開けて配置された内側電極と外側電極から構成し、内側電極をリング状または円弧状の内周部と前記内周部から外側に延出した櫛歯部から構成し、外側電極をリング状または円弧状の外周部と前記外周部から内側に延出した櫛歯部から構成し、内側電極の櫛歯部と外側電極の櫛歯部を交互に配置するものであり、操作者が押圧する所定方向と所定の幅(内周部79Aと櫛歯部79Bの半径の差分)をカバーする構成としうるため、操作者の押圧方向検出を安定して行うことができ、押圧方向検出に好適な感圧スイッチを得ることができるものである。
【0123】
また、感圧スイッチと、感圧スイッチに接続されたスイッチ手段と、感圧スイッチとスイッチ手段に接続された制御手段と、所定電圧の定圧電源とを備え、感圧スイッチの抵抗体層に接続された端子を前記定圧電源に接続し、感圧スイッチの電極に接続された端子を制御手段に接続し、制御手段は抵抗体層を押圧した押圧方向を、制御手段に感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧に基づいて推定するものであり、操作者が押圧する方向の変化に従って変化する所定の電圧分布を抵抗体層に生じさせるため、操作者の押圧方向検出を高精度に行うことができ、押圧方向検出に好適な入力装置を得ることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明による抵抗シート、感圧スイッチおよびそれを用いた入力装置は、押圧力を検出すると共に高精度に押圧方向を検出しうるものを提供しうるという有利な効果を有し、各種電子機器の操作用として有用である。
【符号の説明】
【0125】
21 カバーシート
22 パターン配線
23 低抵抗層
24 高抵抗層
25 抵抗体層
26 スペーサ層
27 抵抗シート
28 電極
40 感圧スイッチ
41 基板
42 固定接点対
43 接続コネクタ
44 制御手段
45 スイッチ手段
46 抵抗素子
47 電子回路
48 可動接点体シート
49 可動接点体
50 ラバーシート
51 中央釦
52 感圧釦
53 方向釦
60 入力装置
61 電子機器
62 表示手段
63 下側筐体
64 ポインタ
71 カバーシート
72 パターン配線
76 スペーサ層
77 抵抗シート
78 ベースシート
79 内側電極
80 外側電極
81 電極
82 配線
83 電極シート
84 下カバー
90 感圧スイッチ
100 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有したカバーシートと、前記カバーシートの下面に設けられた導電金属の配線からなるパターン配線と、前記パターン配線に接続して設けられた所定の面抵抗を備えた材料で形成された抵抗体層と、前記カバーシートの下面との間に前記パターン配線を挟み、下面が前記抵抗体層より下方に位置するよう構成されたスペーサ層からなり、前記抵抗体層はリング状または円弧状またはスパイラル状であって、前記抵抗体層下面に凹凸を備えた抵抗シート。
【請求項2】
所定の面抵抗を備えた材料で形成された抵抗体層と、前記抵抗体層と所定の間隔を空けて下方に配置され、前記抵抗体層が上方から押圧され接触すると、前記抵抗体層との間で押圧力に応じて接触面積が変化する導電性の電極と、前記抵抗体層と前記電極にそれぞれ接続される端子とを備え、前記抵抗体層はリング状または円弧状またはスパイラル状で、前記電極は前記抵抗体層の下方前面を覆って配置された薄板により構成された感圧スイッチ。
【請求項3】
請求項2記載の感圧スイッチと、前記感圧スイッチに接続されたスイッチ手段と、前記感圧スイッチと前記スイッチ手段に接続された制御手段と、所定電圧の定圧電源とを備え、前記感圧スイッチの電極に接続された端子を前記制御手段に接続し、前記制御手段は、前記スイッチ手段を切替えて、前記感圧スイッチの抵抗体層と前記感圧スイッチの電極との間で所定の電位差を生じさせ、前記制御手段は前記抵抗体層を押圧した押圧力を前記制御手段に前記感圧スイッチの前記電極を介して入力された入力電圧に基づいて推定する入力装置。
【請求項4】
感圧スイッチの電極に接続された端子から延出した配線が分岐し一端が制御手段に接続し他端が抵抗素子を介してアース電位に接続され、前記制御手段は、推定した押圧方向に基づいて前記制御手段に前記感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧を補正する補正手順を経て押圧力を推定する請求項3記載の入力装置。
【請求項5】
所定の面抵抗を備えた材料で形成された抵抗体層と、前記抵抗体層と所定の間隔を空けて下方に配置され、前記抵抗体層が上方から押圧され接触すると、前記抵抗体層との間で押圧力に応じて接触面積が変化する導電性の電極と、前記抵抗体層と前記電極にそれぞれ接続される端子とを備え、前記抵抗体層はリング状または円弧状またはスパイラル状の形状で、前記電極は所定の間隔を開けて配置された内側電極と外側電極から構成され、前記内側電極はリング状または円弧状の内周部と前記内周部から外側に延出した櫛歯部から構成され、前記外側電極はリング状または円弧状の外周部と前記外周部から内側に延出した櫛歯部から構成され、前記内側電極の櫛歯部と前記外側電極の櫛歯部が交互に配置された感圧スイッチ。
【請求項6】
請求項5記載の感圧スイッチと、前記感圧スイッチに接続されたスイッチ手段と、前記感圧スイッチと前記スイッチ手段に接続された制御手段と、所定電圧の定圧電源とを備え、前記感圧スイッチの抵抗体層に接続された端子を前記定圧電源に接続し、前記感圧スイッチの電極に接続された端子を前記制御手段に接続し、前記制御手段は前記抵抗体層を押圧した押圧方向を、前記制御手段に前記感圧スイッチの電極を介して入力された入力電圧に基づいて推定する入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−96488(P2011−96488A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248722(P2009−248722)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】