説明

抵抗変化型不揮発性半導体記憶装置

【課題】相変化材料配線、抵抗変化材料配線の書き込み電流(Set、Reset電流)、読み出し電流を大幅に低減し、より微細化を可能にし、メモリセルサイズを縮小することを可能にする抵抗変化型不揮発性半導体記憶装置を提供すること。
【解決手段】カルコゲナイド配線GSTと、両端の各々に接続した抵抗配線と、前記抵抗配線のそれぞれの他端を、ソース、ドレインに接続したセルトランジスタとからメモリセルMCを構成し、前記メモリセルを複数直列接続し、一端を、ソースに接続し、ドレインをビット線に接続した選択トランジスタと、前記複数直列接続の他端をソース線に接続し、前記メモリセルのゲートをワード線に接続し、前記選択トランジスタのゲートとブロック選択線に接続したものからセルストリングを構成し、前記セルストリングを複数配設してメモリセルアレイを構成することを特徴とする相変化メモリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、不揮発性半導体記憶装置にかかわり、相変化メモリ(Phase Change RAM、Phase Change Memory、PRAM、PCM)や、抵抗変化メモリ(Resistive RAM、 Resistance Change Memory、RRAM、ReRAM)において、相変化材料配線、抵抗変化材料配線の書き込み電流(Set、Reset電流)、読み出し電流を大幅に低減し、より微細化を可能にし、メモリセルサイズを縮小することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
今日、半導体メモリは、大型コンピュータの主記憶から、パーソナルコンピュータPC、家電製品、携帯電話等、至る所で利用されている。半導体メモリの種類としては、揮発性のDRAM(DynamicRAM)、SRAM(StaticRAM)、不揮発性のMROM(MaskROM)、NAND Flash、NOR Flash等のFlash EEPROM等が市場に出まわっている。DRAMは揮発性メモリであるにも関らず、その低コスト性(SRAMに比べてセル面積が1/4未満)、高速性(Flash EEPROMより速い)の点で優れており、PC市場、携帯市場で大きなマーケットを有する。
【0003】
一方、書き換え可能で電源を切ることが可能な不揮発性のFlash EEPROMは、近年、携帯電話や、各種カード、SSD等で市場が非常に大きくなりつつある。しかし、書き換え回数(W/E回数)が10の6乗から3乗回程度しかなく、書き込む時間がマイクロ秒、ミリ秒程度必要で、しかも高い12V〜22Vの電圧が必要で、微細化の点、性能の点で問題がある。
【0004】
これに対して、Emergingメモリ(新規メモリ)として、近年、強誘電体メモリ(FeRAM)、磁気抵抗メモリ(MRAM)、相変化メモリ(PRAM)、抵抗変化メモリ(RRAM)等の開発が盛んである。この内、磁気抵抗メモリ(MRAM)、相変化メモリ(PRAM)、抵抗変化メモリ(RRAM)は、メモリセルの情報記憶素子の抵抗を変化記憶することにより、情報を記憶する。
【0005】
磁気抵抗メモリ(MRAM)は、この抵抗変化率が200%程度と小さい上、反磁界の問題があり、Scalingが困難であるが、相変化メモリ(PRAM)、抵抗変化メモリ(RRAM)は抵抗値が2桁から5桁変化し、多値化が可能な点、記憶素子サイズ縮小により、書込み電流、読み出し電流が削減出来、高集積化に向く点等、NOR Flash、NAND Flashの代替になる可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】I.S. Kim、他10名 ”High Performance PRAM Cell Scalable to sub-20nm technology with below 4F2 Cell Size, Extendable to DRAM Applications” IEEE 2010 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers pp.203-204.
【非特許文献2】Corrado Villa、他4名 “A 45nm 1Gb 1.8V Phase-Change Memory” 2010 IEEE International Solid-State Circuits Conference.
【非特許文献3】Roberto Bez、”Chalcogenide PCM: a Memory Technology for Next Decade” 2009 IEEE pp.89- 92
【非特許文献4】D. Fugazza、他3名、”Distributed-Poole-Frenkel modeling of anomalous resistance scaling and fluctuations in phase-change memory (PCM) devices” 2009 IEEE pp.723-pp726
【非特許文献5】S.H. Lee、他25名、”programming Disturbance and Cell Scaling in Phase Change Memory : For up to 16nm based 4F2 Cell” IEEE 2010 2010 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers pp.199-200
【非特許文献6】Y. C. Chen、他23名、”Ultra-Thin Phase-Change Bridge Memory Device Using GeSb” IEDM 2006 Session
【非特許文献7】Y.H Ha、他7名、”An Edge Contact Type Cell for Phase Change RAM Featuring Very Low Power Consumption” 2003 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers pp175-176
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
相変化材料配線、抵抗変化材料配線の書き込み電流(Set、Reset電流)、読み出し電流を大幅に低減し、より微細化を可能にし、メモリセルサイズを縮小することを可能にする抵抗変化型不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態によれば相変化メモリは、カルコゲナイド配線と、前記カルコゲナイド配線の両端の各々に一端を接続したヒーターとなる抵抗配線と、前記抵抗配線のそれぞれの他端を、ソース、ドレインに接続したセルトランジスタとからメモリセルを構成し、前記メモリセルの前記ソース、ドレインに対して複数直列接続し、前記複数直列接続の一端を、ソースに接続し、ドレインをビット線に接続したブロック選択トランジスタと、前記複数直列接続の他端をソース線に接続し、前記メモリセルのゲートをワード線に接続し、前記ブロック選択トランジスタのゲートとブロック選択線に接続したものからメモリセルストリングを構成し、前記メモリセルストリングを複数配設してメモリセルアレイを構成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態を示す、メモリセルストリングの回路図を示す。
【図2】第1の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図3】第1の実施形態を示す、メモリセルストリングの読み出し動作例を示す。
【図4】第1の実施形態を示す、メモリセルストリングのSet、Reset動作例を示す。
【図5】第1の実施形態を示す、メモリセルストリングの読み出し動作例を示す。
【図6】第1の実施形態を示す、メモリセルストリングのSet、Reset動作例を示す。
【図7】第1の実施形態を示す、メモリセルストリングのワード線駆動の動作例を示す。
【図8】第1の実施形態を示す、従来(a)と本実施形態(b)との相変化抵抗素子の熱温度プロファイルを示す。
【図9】第1の実施形態を示す、リセット電流と、非選択セルでの電圧効果を示す。
【図10】実施形態を示す、相変化抵抗素子のON/OFF抵抗と非選択セルのソース、ドレイン抵抗を示す。
【図11】第1の実施形態を示す、メモリセルアレイ図を示す。
【図12】第1の実施形態を示す、センスアンプ回路を示す。
【図13】第1の実施形態を示す、ビット線電流駆動回路を示す。
【図14】第1の実施形態を示す、ビット線電圧駆動回路を示す。
【図15】第1の実施形態を示す、Reset−Verify Read、Set−Verify Readの動作アルゴリズムを示す。
【図16】第2の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図17】第3の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図18】第4の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図19】第5の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図20】第6の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図21】第7の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図22】第8の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図23】第9の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図24】第10の実施形態を示す、メモリセルストリングの回路図を示す。
【図25】第10の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図26】第10の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図27】第10の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図28】第10の実施形態を示す、Unipolar素子のメモリセルストリングの読み出し動作例を示す。
【図29】第10の実施形態を示す、Unipolar素子のメモリセルストリングのSet、Reset動作例を示す。
【図30】第10の実施形態を示す、Bipolar素子のメモリセルストリングの読み出し動作例を示す。
【図31】第10の実施形態を示す、Bipolar素子のメモリセルストリングのSet、Reset動作例を示す。
【図32】第11の実施形態を示す、メモリセルストリングの回路図を示す。
【図33】第11の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図34】第11の実施形態を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。
【図35】第11の実施形態を示す、ビット線電流駆動回路を示す。
【図36】第11の実施形態を示す、ビット線電圧駆動回路を示す。
【図37】比較例の相変化メモリ構造と動作例を示す。
【図38】比較例の相変化メモリのGST膜とHeater素子の微細化例を示す。
【図39】比較例の相変化メモリの微細化での電流モデルを示す。
【図40】比較例の相変化メモリの横方向電流を流すGST膜の構造例を示す。
【図41】比較例の相変化メモリの横方向電流を流すHeater素子の構造例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず図37〜図41を用いて本実施形態に対応する比較例について説明する。図37に、比較例に係るPRAMのセル構成を示す。セルトランジスタをONすることによりビット線BLとソース線SL間に電流を流すと、高抵抗素子のHeaterで熱が発生し、このHeaterに接するカルコゲナイドガラス(GST:Ge2Sb2Te5)を融解し、状態を遷移させるメカニズムである。高温(高電流)で融解し高速で冷やす(電流を止める)とアモルファス状態(Reset動作)になり、比較的低い高温(低電流)で融解しゆっくり冷やす(電流を除々に減らす)と結晶化する(Set動作)。これにより読み出し時、BL−SL間に流れる電流が多い(低抵抗=結晶状態)場合と、少ない場合(高抵抗=アモルファス)で、0、1情報の判断をする。
【0011】
この場合、例えばReset電流が200uAと非常に多い。この様にReset電流を大きく、この電流をセルトランジスタに流すためには、メモリセルサイズが非常に大きくなる。大きな電流を流すためには、図38(a)に示すように、BipolarTransistorや、Diodeの選択素子を用いることができる。Reset電流が大きいとビット線、ソース線の抵抗でのIRドロップ電圧が大きく、メモリセルアレイサイズも大きくできないし、Chipの総電流の制限により、一度に読み書きできるビット数も制限され、Read/Writeバンド幅も小さくなる欠点がある。この問題を解決するため、図38(b)に示すように、Heater素子を側壁形成する方法がある。これによりHeater素子の熱密度があがり、高温化しやすく低電流化しやすい。
【0012】
しかしながら、HeaterはSputter等で側壁形成出来、薄膜化しやすいが、CVD等で形成する相変化素子であるGST膜はこれに接しているので、図37のように半球状に広がり熱伝導が3次元に広がり高温化し難く、Reset電流が大きくなるおそれがある。
【0013】
この問題を解決する方法として、図38(c)に示すように、Heater素子、GST素子の両方を微細なコンタクト中にCVDで埋め込む方法がある。しかしながら、コンタクトサイズが設計ルールで決まり、Heater、GST膜の断面積を小さくして、低電流で高温を発生させるのに限界がある。又、小さいコンタクトにCVDでGST膜を埋め込むのも限界がある問題がある。又、Heater断面積を小さくすると、断面積に比例してGSTのReset電流が減るわけではない。
【0014】
図39のPoolFrankelの改善モデルに示すように、Heaterを微細化しても、GSTの半球のサイズが小さくなるが、電流が流れる方向でのGSTの厚みも小さくなるためHoppingするPathが増え、この効果で、書き込み、読み出し電流が増え、それほど電流は減らない。これにより、リセット電流Iresetは、実験的にはHeater断面積の10の0.576乗に比例している。よって、桁違いに断面積を小さくしないと、低Reset電流化は実現出来ない。
【0015】
この問題を解決する1つの手段として、図40に示すように、GST膜を薄膜で形成し、左右にHeater素子TiNを形成する方法がある。これにより、薄膜を形成するだけで容易にGSTも抵抗を上げることが出来る。しかしながら、構造上TiNのHeater素子上にGST膜が形成する必要がある点、ビット線からのGST/TiN膜へのコンタクト、GST/TiN膜直下にトランジスタのソース、ドレインコンタクトを形成する必要があり、GST/TiN膜の薄膜化は厳しく、結局Heaterの熱密度が上がらない恐れがある。更に、メモリセルの構造上、配線の幅、スペースをFとすると、原理的には6F2(3Fx2F)サイズのメモリセルになるが、ビット線からのコンタクトのGST/TiNへの合わせ余裕、及び両TiN膜とソース、ドレインとの接続コンタクトの領域が必要になり、コンタクトとゲート間距離をF必要になると、2Fx4F=8F2の大きなサイズのセルになってしまう。更にHeaterの厚みを薄く出来ないため、セルReset電流が下げられず、大きなReset電流が必要であり、Reset電流を流すセルトランジスタでセルサイズが決まってしまう問題が発生する。
【0016】
図41はその他、Heater素子を横方向に配置する例を示す。Heaterは横方向に電流を流すため、薄膜化出来るが、GST膜は半球状部分が結晶、アモルファス間を遷移するため、結局、図38(b)は同じ効果でしかなくReset電流は大きい。更に、横方向に、TopElectrode(TE)まで、配置する必要があるため、相当セルサイズは大きくなってしまう。もちろん、これら構造をRRAMに適用しても同じことが起こり、比較例のRRAMにおいてもReset電流が大きい問題が発生する可能性がある。
【0017】
以上述べたように、比較例のPRAM(RRAM)においては、GST膜、Heater素子の電流が流れる方向の断面積を小さくすることが出来ず、Reset、Reset電流、Read電流が大きくなり、Scalingが困難な問題が存在していた。以下、本実施形態につき図面を参照して説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照として、第1の実施形態を示す。図1は第1の実施形態を示す、メモリセルストリングの回路図を示す。
【0019】
可変抵抗記述は、カルコゲナイドガラス(GST:Ge2Sb2Te5)からなる相変化抵抗素子を示し、この相変化抵抗素子の両側には、電流を通すと熱を発生させるHeaterとなる抵抗素子、この抵抗素子の両端は、セルトランジスタのソース、ドレインに接続されて、1個のメモリセルを構成する。ゲートはワード線WLiに接続される。このメモリセルを複数直列接続し、一端をブロック選択トランジスタを介して、ビット線BLに接続し、他端はソース線SLに接続される。ブロック選択トランジスタのゲートはブロック選択線に接続される。セルの直列数はこの例では4であるが、1、2、8、16、32、64、128、256やその他の数値でも良い。GSTは、少なくともGe、Sb、Teの内2つの原子が含まれておれば良い。更にNやその他の不純物Dopeも可能である。
【0020】
図2は第1の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。ワード線であるセルトランジスタのゲート電極配線(WLi)の側壁及び、セルトランジスタのソース、ドレンンの拡散層(AA)部分に、薄膜のHeater素子を成膜する。TiN、W等の高抵抗材料を成膜し、ワード線方向のSTI部はリソで加工し除去する。その後、ワード線間を絶縁膜で埋め込む。その後、ゲートの絶縁膜上部のHeater素子やその上の絶縁膜はCMP等や、異方性Etchingで除去し、側壁端にHeater素子を取り出す。その後、平坦な状態で、カルコゲナイドガラスをCVD、MOCVD、Sputter等で薄膜積層させる。その後、メモリセル部分以外のカルコゲナイドは、リソ加工で除去する。その後、W等でコンタクトを形成し、W等の金属配線でソース線、ビット線の繋ぎPADを作る。その後、コンタクトを形成後、ビット線をCu/Al等のM1配線等で形成する。その上の配線M2、M3...等が任意である。
【0021】
カルコゲナイドの厚み、Wの厚みは十分な低電流で融点化させるため3nm未満が望ましい。図2の下部図に示す様に、実際のメモリセルサイズは、ワード線方向はAAの幅とSTI幅の2F、ビット線方向はゲート(GC)のピッチで決まり2Fで、計4F2サイズのメモリセルが容易に実現出来る。Heater層の厚みが薄いので、これが実現出来る訳である。
【0022】
図3〜図7は、第1実施形態例を示す、メモリセルストリングの動作例である。図3は、第1実施形態のPRAMの読み出し動作例である。スタンドバイ時は、ブロック選択線BSがLOWであれば問題無い。斜線はどのような状態でも良いことを示す。ワード線は全てHIGH、LOWでも良い。HIGHである方がセルトランジスタを全てON出きるのでより望ましいがLOWでも問題ない。ワード線WLiがHIGHの時、ビット線BL、ソース線SLも任意であるが、VSSより上であるが、少し高いVINT1の電圧にするのが望ましい。これはセルトランジスタに印加されるストレスを緩和出きるからである。
【0023】
読み出し動作時、選択したセルのワード線WL2をLOWに下げ、他のWL0、1、3をHIGHのままにしておき、ソース線SLをVSSに下げ、ブロック選択線BSをHIGHに上げる。すると、選択したセルストリングの非選択セルのセルトランジスタはONしているため、非選択セルのGST膜と、Hearter抵抗素子には電圧がわずかしか印加されず、大部分は、セルトランジスタをOFFしてある選択したセルのGST膜と、Hearter抵抗素子に電圧が印加され、これらに電流が流れる。
【0024】
この時GST膜の状態がアモルファス状態で抵抗が高いとビット線BLから電流が少ししか流れずBLはHIGH状態を保ち、GST膜の状態が結晶状態で抵抗が低いとビット線BLから電流が多く流れBLはLOW状態になる。この差をビット線端に接続してあるセンスアンプ回路で増幅し、“1”データであるか、“0”データであるかを判断する。
【0025】
通常相変化素子は2桁程度の抵抗差も持ち、十分に、書込んである“1”、“0”情報を読み出せる。この時ビット線BLとソース線SLの電位差は、Heaterの熱により情報が変化しない程度に低い電圧に抑える。熱はIxRxRに比例するためである。このメモリのほかの特徴は、ブロック選択線BSを選択しても、BL−SL間に電圧を印加しなければ、セルデータは読み出されない点である。
【0026】
一つの方法は、Standby時、WL、SL、BSをLOWにしておき、動作時、SLをLOWのままBSをHIGHにして、選択するBLのみHIHGにすれば、非選択BLは電流がながれずOKとなる。
【0027】
もう一つの例は、Standby時、WL=HIGH、SL=VINT1、BS=LOWにしておき、動作時、非選択BLをLOWにして、選択BSをHIGH、選択SLをLOWにすれば、選択ワード線、選択BLのセルにのみ読み出される。
【0028】
図4は、本実施形態のPRAMの書き込み動作例である。Standby時は、Readと同様に各種状態が許される。動作時は、選択セルのワード線のみLOWにして、選択ソース線SLをLOWにして、選択BSをHIGHにして、非Programのビット線はLOWのままで、選択BLの内、GST膜をアモルファス化して、高抵抗化(Reset化)したいセルに対しては、100ns程度短期間だけBLをVINT3と最も高くする。これにより選択したセルのGST膜と両端のHEATERにのみ大きな電流が流れ、Heaterのジュール熱によりGST膜を融解し、その後急激にBLをLOWして急冷却し、アモルファス状態に変えGST膜の高抵抗化(Reset)動作を行う。
【0029】
選択BLの内、GST膜を結晶化して、低抵抗化(Set化)したいセルに対しては、数百ns程度長くBLをVINT2と低めの電圧を印加する。これにより選択したセルのGST膜と両端のHEATERに小さい電流が流れ、Heaterのジュール熱によりGST膜を融解し、その後ゆっくりBLをLOWして、結晶化状態に変えGSTの低抵抗化(Reset)動作を行う。
【0030】
図5、図6はその他の読み出し、書き込み動作例を示す。図3、4との違いは、Read動作時、SLをVINTにして、選択BLのみVINTより低いVINT4に設定して、電流を流し読み出す点、Program動作時は、SLをVINTにして、選択BLのみVINTより少し低いVINT5でSet動作、更に低いVINT6でReset動作を行う点である。
【0031】
図7は、StandbyのセルトランジスタをONしつつ、Standby時のセルトランジスタに印加される電界を低く抑えるため、Standby時全WLを低い電圧に設定して、Active時選択WLはVSS、非選択WLはより高い電圧にBootする例である。
【0032】
以上、図1及び図2の構造で、図3〜図7の動作を行うことにより、側壁形成や、コンタクト埋め込みでない容易な方法で、GST膜の薄膜化行うだけで、SGT膜の電流が流れる所の断面積を大幅に小さく出来、読み出し電流、書き込み電流(Reset、Set電流)を削減し、最小トランジスタで駆動出きるように出来、更に、ゲートの配線ピッチ、拡散層、STIのピッチの4F2サイズの最小セルサイズが実現出来る。
【0033】
更にHeater抵抗素子も容易にトランジスタの側壁に薄膜形成出来、熱密度が上がり、電流を削減出来る上、薄膜なのでゲートピッチを広げる必要が無い。更に選択セルストリングの任意のセルを選択でき、ランダムRead/Writeが実現出来る。又、BLからセルストリングへのコンタクト数が大幅に低減出来、ビット線容量が軽く、高速化と低消費電力化が図れる。又メモリセルストリングのセル数を増やすと、平均セルサイズも低減出来る。又、Heater長さが長いので、隣接セルをReset動作させた場合の熱干渉による誤書き込みを低減出来る。隣接GST膜同士は近いが絶縁膜の熱伝導率は低いので、実際はHeater経由で熱が伝わるが、本実施形態では、ゲート高さx2倍のHeaterを介したGST膜間距離をかせげるので、この熱干渉の問題を大幅に低減出来る。
【0034】
更に、従来の半球型のGSTのアモルファス、結晶の状態境界の問題が無く、相変化抵抗素子の長さが限定され、内部をフルにアモルファス、結晶のどちらかに設定しやすいため、ばらつきに強い。
【0035】
更に、電流が流れる長さ方向が、断面方向に比べて長いので、HoppingでんどうするPathが限定され、微細化によるばらつき、低抵抗化効果を抑制出来る。
【0036】
更に、従来片側にのみHeaterが存在するGST膜状態(図8(a))に比べて、図8(b)に示すように、本実施形態では、相変化抵抗材料の両側にHeater素子を配置し、両側からHeater素子のジュール熱で、カルコゲナイドを熱するため、熱の閉じ込め作用が働き、より小さいReset、Set電流でも最も低温であるカルコゲナイドの部分の温度を高く保つことが出来、書き込み電流を約1/3程度にまで低減出来る。
【0037】
図9(a)は、リセット電流IresetがHeater断面積の10の0.576乗に比例している実験データで、熱の綴じ込み作用で更に電流が1/3程度に低減した場合の、本実施形態のGST膜の膜厚とリセット電流の関係を示す。ゲート配線のLine、Space、AA幅、STI幅等の設計ルール(DR=DesignRule)がそれぞれ、30nm、20nm、10nm、5nmと小さくなるにつれ、膜厚が5nmから1nm未満になるにつれ、リセット電流は従来の200uA程度から数uA程度に大幅に低減出来ている。
【0038】
図9(b)は、同一条件で、メモリセルストリング長が4と8の場合のReset電流を流した場合の非選択のセルトランジスタとブロック選択トランジスタのソース・ドレインに印加される電圧の合計を示す。GST膜厚を1nm(未満)にすると8セル直列のメモリセルストリングでも、GST膜厚を2nm(未満)にすると4セル直列のメモリセルストリングでも、これらトランジスタで降圧する電圧は1V(未満)に低減出来、セルストリングのセルトランジスタ構成でも十分Reset電流を供給できていることが判る。好ましくは、2V以下の動作が望ましい。この場合、8セル直列のメモリセルストリングにおいてGST膜厚は2nmとなり、4セル直列のメモリセルストリングにおいてGST膜厚は3nmとなる。
【0039】
図10は、読み出し動作における抵抗Drop成分解析を示している。DRの値でGST膜のアモルファス状態(Roff)と結晶状態(Ron)の抵抗は変化するが、何れの条件でも、セルトランジスタとブロック選択トランジスタの抵抗の合計は、Roffの値は2桁大きく、Ronと同等の値となる。即ち、読み出し時、Roff時は、流れる電流がほぼGST膜で制限され、Ron状態でも、殆どGST膜に流れる電流で決まり、GST膜の2桁の電流量差がメモリセルストリングでも維持できる。
【0040】
図11は本実施形態に適用できるアレイ構成例を示す。ビット線BLは、読み出し信号の増幅器とSet、Reset動作の為BLを駆動するDriverに接続される。ワード線WL、ブロック選択線BS、ソース線SLは、これらのDriverを有するRowDecoderに接続される。この例ではBL一本に1個のアンプ、駆動回路を用意したが、動作例で示すように、選択するBLを間引くことが容易なので、これらを複数のBLで共有することも容易である。
【0041】
図12(a)、図12(b)は、本実施形態に適用出来る読み出しアンプ回路例を示す。本実施形態で、NAND代替用途で遅くても良いが、アレイマットを非常に大きくしたい場合、図12(a)、図12(b)に示す様な方式が本実施形態に適用出来る。
【0042】
図12(a)は最初にBLSAをVINTにPrechargeし、Vx電位で閾値落ちの電位でBLをPrechargeしておき、セル抵抗が低い場合、BL電荷がソース線SLに流れるがBLの容量が大きいため、BL電位の下がりが小さいが、BLから抜けた電荷分、Vxのトランジスタの閾値落ちで、センスアンプ側のノードBLSAの電荷が転送され、このBLSAの容量は小さいのでBLSAの電位が大きくさがる。これを増幅回路で増幅させ、安定動作を可能にする。
【0043】
図12(b)は、PMOS DriverのゲートをBL電位がVBLH電位と同一電位に保つFeedbackをかける。この場合でも、BLから電荷が抜けた分だけ、BLSAの電位が大きく下がりその値をアンプで増幅させ安定動作させる。このように、BLSAのノードを一定電流でKeepしても、VINTでPrechargeしてもいずれにしよ、BLSAのノードの振幅を大きく出来き、大容量対応の大きなセルアレイであっても安定動作出来る。
【0044】
図13(a)、図13(b)は本実施形態に適用出来る多値書き込みを実現するReset、Set動作を可能にするBL駆動回路を示す。Vreset_ref、Vset_refの基準電位を作りそれを5極管動作させることにより、一定電流を流すことが出来る。これに直列でSwitchを直列接続して電流のON/OFFを制御する。
【0045】
まずはVreset_onをLOWにして、Reset状態にして、その後、各直列トランジスタのサイズが異なるものを用意すればSet電流値を変えることが出来、図13(a)のような、異なる相変化抵抗値をもつ多値セルが実現出来る。もちろん2値も用意に実現出来る。まずはResetして除々にSetしても良いし、最初にSetして、除々にResetしても良い。
【0046】
図14は多値Reset、Set動作をBL−SL間の印加電圧を変えることで制御する例を示す。BLSAの電圧をVrefの値を選択して、Reset、Set0、Set1、Set2と交換することにより容易に多値書き込みが出来る。
【0047】
図15(a)、図15(b)は、微細化してセルの抵抗分布が広がり、多値化や2値化が困難な場合に本実施形態に適用出来るProgram/VerifyReadのアルゴリズムを示す。
【0048】
図15(a)はまずはRest動作を行い、VerifyRead動作で、抵抗に流れる電流が多いならば、再度BL−SL間電流を増やして再実行する。これを基準電流より少なくなるまで、実行する。次に、Set動作も、最初にSetを行い、VerifyRead動作で、抵抗に流れる電流が少ないならば、再度BL−SL間電流を増やして再実行する。これを基準電流より大きくなるまで実行する訳である。これは多値書き込みにも当然適用出来、BL毎に、多値のStateに応じた基準と比較し未達成ならば再実行すればよいわけである。達成ビットはBL−SL間を0Vにすればこれ以上Set、Resetされることが無いので問題ない。
【0049】
図15(b)は逆にSetした後から、多値に応じてResetする場合を示す。同様に多値が実現出来る。
【0050】
[第2実施形態]
図16は第2の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図1−図15とほぼ同じである。異なる点は、Heaterの抵抗素子をブロック選択トランジスタとビット線コンタクト部分でEtching除去したケースを示す。この部分の寄生抵抗を減らす効果が加わる。
【0051】
[第3実施形態]
図17(a)〜図17(c)は第3の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図1−図15とほぼ同じである。異なる点は、ゲート形成、絶縁膜堆積、GST膜堆積後、ゲート加工と同時にGST膜も加工する。その後、別リソグラフィでSTI上のGSTをセルアレイ以外のGST膜を加工除去する。その後、ゲート側壁にHeater素子を側壁形成すれば、メモリが実現出来る。設計ルールが異なれば最適なプロセスも変わるので、最適なプロセスを選べばよい。
【0052】
図17(c)に、膜厚が異なるGST膜を多数積層させ、Heaterからの距離も変えることにより、多値化を容易にすることが出来る。上の膜は断面積も大きくHeaterより遠いのでReset/Set電流が大きくなるからである。
【0053】
[第4実施形態]
図18は第4の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図17とほぼ同じである。異なる点は、Heaterの抵抗素子をブロック選択トランジスタとビット線コンタクト部分でEtching除去したケースを示す。この部分の寄生抵抗を減らす効果が加わる。
【0054】
[第5実施形態]
図19は第5の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図17とほぼ同じである。異なる点は、GST膜をゲート上ばかりでなく、拡散層上にも形成している。例えばSelf−Growth法で形成する場合や、Sputter法で形成し側壁形成厚みが薄い場合、少しEtchingをすれば平面部分だけにGST膜が形成出来る。
【0055】
[第6実施形態]
図20は第6の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図17とほぼ同じである。異なる点は、GST膜をゲート上ばかりでなく、側壁、拡散層上にも形成している。その上で、側壁にHeater素子を形成している。GST膜も抵抗素子なので、GSTの低抵抗状態よりHeaterの抵抗が低ければ、側壁のGSTの抵抗状態にかかわらず、抵抗はほぼ一定になり、Heater素子として活用できる。
【0056】
[第7実施形態]
図21は第7の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図1−図20とほぼ同じである。異なる点は、セルトランジスタが3次元構造になっており、Channelがワード線方向で、縦横方向に形成される場合を示す。トランジスタのEOTが1nm程度になれば、設計ルールが10nm未満でもサイズ律即にならず、セルサイズが縮小出来る。これによりセルトランジスタの駆動能力が大幅に改善し、メモリセルストリングのセル直列数を大幅に増加でき、平均セルサイズを縮小出来るし、セルトランジスタ部分に電流が流れることによるIRドロップ電圧も低減出来る。
【0057】
[第8実施形態]
図22は第8の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図1−図20とほぼ同じである。異なる点は、セルトランジスタが3次元構造になっており、Channelがビット線方向で、縦横方向に形成される場合を示す。トランジスタのEOTが1nm程度になれば、設計ルールが10nm未満でもサイズ律即にならず、セルサイズが縮小出来る。これによりセルトランジスタのShort−Channel効果を抑制出来る。
【0058】
[第9実施形態]
図23は第9の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。効果としては他の実施例とほぼ同じである。異なる点は、Heater素子をなくし、GST膜をゲート上ばかりでなく、側壁、拡散層上にも形成している。GST膜自身も抵抗素子なので自己発熱によりSet、Reset動作が可能となる。GST膜の電流が流れる方向の長さを、他の実施例より3倍以上に出来るので、HoppingPathの抑制に効果的である。
【0059】
[第10実施形態]
図24は第10の実施形態例を示す、メモリセルストリングの構造図を示す。これは、第1実施形態に抵抗変化メモリを適応した場合を示す。抵抗変化メモリは、Heaterは存在しないが、抵抗に流す電流を変えて、Set、Reset動作を行い、読み出し時の抵抗素子の抵抗を変える(Unipolar動作)か、抵抗に流す電流の極性を変えて、Set、Reset動作を行い、読み出し時の抵抗素子の抵抗を変える(Bipolar動作)かが出来る。
【0060】
図25はこの実施形態に適用出来るメモリセル構造を示す。ゲートの絶縁膜上、ゲートの側壁に抵抗変化素子を薄膜形成する。これにより、上記実施形態のPRAMの例と同様に、設計ルールによらず、Reset、Set電流、Read電流を大幅に削減出来る。本実施形態に適用出来る抵抗変化素子の材料としては、NiO、WOx、HfO、ZnO、TiON、PrCaMnO、Ag−GeSe、Cu−GeSe、TaOx、FeO、GeO、STO、及びCuSiO等の二元系酸化物、三元系酸化物が適用出来る。抵抗変化素子内部にその素子の材料の偏移により低抵抗パスが出来る材料は図24のようなセル構造が最適である。
【0061】
図26は、ソース、ドレイン部上に異なる電極を形成した後、その上に抵抗変化素子を形成した場合を示す。この構造はBipolar動作するRRAMに最適である。例えばGeSeの抵抗変化膜の一方端にAg電極を形成すると、Ag+イオンがAg電極側に正の電圧を印加した時、GeSe中に移動し、抵抗変化層の抵抗が下がり、負の電圧を印加するとAg側にAg+が戻り抵抗変化層の抵抗が上がる。このようにCu移動や、酸素Vacancy移動等が極性を持って現れる場合に適している。又一方の電極にのみ酸化物が付着して高抵抗になる場合にも適している。
【0062】
図27は、ソース、ドレイン部上に同一電極を形成した後、その上に抵抗変化素子を形成した場合を示す。この構造はUnipolar動作するRRAMに最適である。Forming等のFilamentの形成が必要となる。
【0063】
図28−図29はUnipolar動作に適したRead動作とSet/Reset動作を示す。基本動作はPRAMの場合とほぼ同じで、効果も同様である。異なる点は、Set、Reset時間は同一でも動作し、印加電流、電圧のみ変えれば、Set、Resetの区分けが出来る。
【0064】
図30及び図31はBipolar動作に適したRead動作とSet/Reset動作を示す。基本動作はPRAMの場合とほぼ同じで、効果も同様である。ことなる点は、Set、Reset時間で、電流の極性を変えるため、ソース線SLはVSSとHigh電圧の間の電圧値にしておき、Set、Resetで、ビット線電圧をHigh又はLOWにすることで、実現できる。
【0065】
[第11実施形態]
図32は第11の実施形態例を示す、RRAMのメモリセルストリングの回路図を示す。効果としては図24−図31とほぼ同じである。異なる点は、抵抗変化素子の両側を抵抗素子で挟んだ点である。
【0066】
図33は図32回路図を実現するRRAMのメモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図24〜図31とほぼ同じである。ゲートの上部に薄膜の抵抗変化素子、ゲートの側壁には抵抗素子を挟んだ点である。抵抗素子は出来るだけ低抵抗が望ましい。この構成にすることにより抵抗変化素子を平面上で形成し、特性の安定、ばらつきを抑えることが可能となる。
【0067】
図34は図32の回路図を実現するRRAMのメモリセルストリングの構造図を示す。効果としては図24〜図31とほぼ同じである。ゲートの上部に薄膜の抵抗変化素子、ゲートの側壁にはそれぞれ材料が異なる電極抵抗素子を挟んだ点である。抵抗素子は出来るだけ低抵抗がのぞましい。この構成にすることによりBipolor動作が出来る。
【0068】
図35は図24〜図35を実現するBipolar動作の場合のBLへの書き込み電流駆動回路例を示す。SLはある電圧VSLにしておき、この例ではReset電流は一定電流でVSLより低い電位にBLを引き落とし、Set電流は複数の一定電流を選択出来、VSLより高い電圧にBLを引き上げることが出来る。これにより複数のSet状態を確保出来、多値動作が可能となる。
【0069】
図36は図24〜図35を実現するBipolar動作の場合のBLへの書き込み電圧駆動回路例を示す。SLはある電圧VSLにしておき、この例ではReset電圧は一定電圧でVSLより低い電位にBLを引き落とし、Set電圧は複数の一定電圧を選択出来、VSLより高い電圧にBLを引き上げることが出来る。これにより複数のSet状態を確保出来、多値動作が可能となる。
【0070】
以上詳述してきたように上記実施形態によれば、相変化材料は、セルトランジスタのゲート上に薄膜形成され、その両端は、セルトランジスタの側壁のHeater抵抗素子を介して、セルトランジスタのソース、ドレインに接続される。これにより、従来のコンタクト内部に形成しており、断面積の縮小が困難であったカルコゲナイドグラスを容易に薄膜形成出来、更にHeater素子も薄膜形成出来るため、結果として、従来の相変化メモリと比較して、大幅な相変化材料とHeater素子の断面積を縮小出来、大幅な書き込み電流(Reset電流、Set電流)と読み出し電流の低減が可能なメモリセルが実現出来る。
【0071】
更に本実施形態であると、相変化材料の両側からHeaterによる加熱が出来、熱の閉じ込め作用が働き、より低電流が実現出来る。結果として、最小トランジスタで駆動できるまで書込み、読み出し電流が低減出来実質4F2サイズのメモリセルが実現出来る。
【0072】
又、セル回路構造の効果により、ランダムアクセスも可能になる。又、ゲートのチャネル幅程度の相変化素子の長さを確保出来るので、電流が流れる長さを確保出来、HoppingPathの並列化で電流が増加する問題を食い止められる。
【0073】
又、Heater素子はゲートの高さ分の長さを確保出来るので、隣接セルのReset動作により発生した熱干渉を大幅に低減出来る。
【0074】
更に、相変化材料の領域が完全に限定できるので、不十分な結晶化、アモルファス化も阻止でき、抵抗のばらつきも低減出来る。
【0075】
同様に、抵抗変化素子を用いたRRAMを実現した場合も、抵抗変化素子の薄膜形成による書き込み、読み出し電流の削減、側壁も抵抗変化素子にした場合、より抵抗変化素子の長さを確保出来、電流の低下、ばらつきの低下が実現出来る。
【0076】
Uniplar素子はビット線に流す電流量を変えるとSet、Reset動作が実現出来るし、Bipolar素子は、ソース線電圧に対してビット線電圧をより高く、より低くすることにより容易にReset、Set動作が実現出来る。更に、従来の半球型のGSTのアモルファス、結晶の状態境界の問題が無く、相変化抵抗素子の長さが限定され、内部をフルにアモルファス、結晶のどちらかに設定しやすいため、ばらつきに強い。又多値記憶が容易に実現出来る。
【0077】
上記記載を換言すると、本実施形態によれば、相変化材料はセルトランジスタのゲート上に薄膜形成され、その両端は、セルトランジスタの側壁のHeater抵抗素子を介して、セルトランジスタのソース・ドレインに接続される。これにより、従来のコンタクト内部に形成しており、断面積の縮小が困難であったカルコゲナイドグラスを容易に薄膜形成出来、更にHeater素子も薄膜形成出来るため、結果として、従来の相変化メモリと比較して、大幅な相変化材料とHeater素子の断面積を縮小出来、大幅な書き込み電流(Reset電流、Set電流)と読み出し電流の低減が可能なメモリセルが実現出来る。更に相変化材料の両側からHeaterによる加熱が出来、熱の閉じ込め作用が働き、より低電流でのアモルファス化(Reset)、結晶化(Set)が実現出来る。結果として、最小トランジスタで駆動できるまで書込み、読み出し電流が低減出来る。これにより、ビット線のIRドロップが低減され、アレイサイズの拡大も実現出来る。更に、セルトランジスタの側壁で薄膜Heater素子を形成するため、実質的にビット線方向のセルサイズが、セルトランジスタのゲート配線(ワード線)のライン・スペース(2F)で決まり、ワード線方向のセルサイズが拡散層(AA)とSTI(ShallowTrenchIsolation)のライン・スペース(2F)できまり、実質4F2サイズのメモリセルが実現出来る。
【0078】
又、選択したセルトランジスタのゲートに接続されるワード線をLow、その他のワード線とブロック選択線をHIGTしているため、ソース線、ビット線間に電圧を印加すると、メモリセルストリングの任意のセルの相変化材料にのみ電圧が印加され、ランダムアクセスも可能になる。流れる電流により0、1等の判断が出来る。書き込みの同様で、選択したセルの相変化材料にのみHeaterで熱することが出来、アモルファス化、結晶化の遷移が出来る。
【0079】
又、ゲートのチャネル幅程度の相変化素子の長さを確保出来るので、電流が流れる長さを確保出来、HoppingPathの並列化で電流が増加する問題を食い止められる。
【0080】
又、Heater素子はゲートの高さ分の長さを確保出来るので、隣接セルのReset動作により発生した熱干渉を大幅に低減出来る。更に、相変化材料の領域が完全に限定できるので、不十分な結晶化、アモルファス化も阻止でき、抵抗のばらつきも低減出来る。
【0081】
同様に、抵抗変化素子を用いたRRAMを実現した場合も、抵抗変化素子の薄膜形成による書き込み、読み出し電流の削減、側壁も抵抗変化素子にした場合、より抵抗変化素子の長さを確保出来、電流の低下、ばらつきの低下が実現出来る。Uniplar素子はビット線に流す電流量を変えるとSet,Reset動作が実現出来るし、Bipolar素子は、ソース線電圧に対してビット線電圧をより高く、より低くすることにより容易にReset、Set動作が実現出来る。
【0082】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
【符号の説明】
【0083】
WL0〜WL3…ワード線、BL…ビット線、SL…ソース線、AA…活性領域、STI…素子分離領域、a−GST…アモルファスGST、c−GST…クリスタルGST

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルコゲナイド配線と、前記カルコゲナイド配線の両端の各々に一端を接続したヒーターとなる抵抗配線と、前記抵抗配線のそれぞれの他端を、ソース、ドレインに接続したセルトランジスタとからメモリセルを構成し、前記メモリセルの前記ソース、ドレインに対して複数直列接続し、前記複数直列接続の一端を、ソースに接続し、ドレインをビット線に接続したブロック選択トランジスタと、前記複数直列接続の他端をソース線に接続し、前記メモリセルのゲートをワード線に接続し、前記ブロック選択トランジスタのゲートとブロック選択線に接続したものからメモリセルストリングを構成し、前記メモリセルストリングを複数配設してメモリセルアレイを構成する
ことを特徴とする相変化メモリ。
【請求項2】
カルコゲナイド配線と、前記カルコゲナイドの両端をそれぞれソース、ドレインに接続したセルトランジスタとからメモリセルを構成し、前記メモリセルの前記ソース、ドレインに対して複数直列接続し、前記複数直列接続の一端を、ソースに接続し、ドレインをビット線に接続したブロック選択トランジスタと、前記複数直列接続の他端をソース線に接続し、前記メモリセルのゲートをワード線に接続し、前記ブロック選択トランジスタのゲートとブロック選択線に接続したものからメモリセルストリングを構成し、前記メモリセルストリングを複数配設してメモリセルアレイを構成する
ことを特徴とする相変化メモリ。
【請求項3】
抵抗変化材料配線と、前記抵抗変化材料の両端の各々に一端を接続した第1、第2の金属配線と、前記第1の金属配線の他端をソースに、前記第2の金属配線の他端をドレインに接続したセルトランジスタとからメモリセルを構成し、前記メモリセルの前記ソース、ドレインに対して複数直列接続し、前記複数直列接続の一端を、ソースに接続し、ドレインをビット線に接続したブロック選択トランジスタと、前記複数直列接続の他端をソース線に接続し、前記メモリセルのゲートをワード線に接続し、前記ブロック選択トランジスタのゲートとブロック選択線に接続したものからメモリセルストリングを構成し、前記メモリセルストリングを複数配設してメモリセルアレイを構成する
ことを特徴とする抵抗変化メモリ。
【請求項4】
前記カルコゲナイド配線は、前記セルトランジスタのゲート上に絶縁膜を介して形成し、前記カルコゲナイド配線の両端を結ぶ方向は、ビット線の配線方向と並行である
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の相変化メモリ。
【請求項5】
前記抵抗変化材料配線は、前記セルトランジスタのゲート上に絶縁膜を介して形成し、前記抵抗変化材料配線の両端を結ぶ方向は、ビット線の配線方向と並行である
ことを特徴とする請求項3記載の抵抗変化メモリ。
【請求項6】
前記ヒーターとなる抵抗配線の両端を結ぶ方向は、ビット線の配線方向と垂直である
ことを特徴とする請求項4記載の相変化メモリ。
【請求項7】
前記第1の金属配線の両端を結ぶ方向は、ビット線の配線方向と垂直である
ことを特徴とする請求項5記載の相変化メモリ。
【請求項8】
前記セルトランジスタのゲート側壁にヒーターとなる抵抗素子を形成後、前記カルコゲナイド配線が形成される
ことを特徴とする請求項1または請求項6記載の相変化メモリ。
【請求項9】
前記カルコゲナイド配線が、前記セルトランジスタのゲート上に形成され、その後、前記セルトランジスタのゲート側壁にヒーターとなる抵抗素子を形成されることを特徴とする請求項1記載または請求項6記載の相変化メモリ。
【請求項10】
前記カルコゲナイド配線の抵抗が2のN乗(Nは1以上の自然数)の種類で記憶され、Nビットが1個の前記カルコゲナイド配線に記憶される
ことを特徴とする請求項1、請求項8または請求項9いずれか一項の記載の相変化メモリ。
【請求項11】
読み出し動作時、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をLOW、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をHIGH、選択したメモリセルストリングのブロック選択線をHIGHとし、ソース線とビット線間に電位差を付け、メモリセルに流れる電流の違いにより、セルデータを読み出す
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の相変化メモリ。
【請求項12】
書きこみ動作、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をLOW、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をHIGH、選択したメモリセルストリングのブロック選択線をHIGHとし、ソース線とビット線間に流れる電流量と、電流を流す時間に違いをつけて、選択したメモリセルのカルコゲナイド配線のアモルファス状態、結晶状態への遷移を実現する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の相変化メモリ。
【請求項13】
読み出し動作時、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をLOW、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をHIGH、選択したメモリセルストリングのブロック選択線をHIGHとし、ソース線とビット線間に電位差を付け、メモリセルに流れる電流の違いにより、セルデータを読み出す
ことを特徴とする請求項3または請求項7記載の抵抗変化メモリ。
【請求項14】
書きこみ動作、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をLOW、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をHIGH、選択したメモリセルストリングのブロック選択線をHIGHとし、ソース線とビット線間に流れる電流量に違いをつけて、選択したメモリセルの抵抗変化材料の低抵抗、高抵抗への遷移を実現する
ことを特徴とする請求項3、または請求項7記載の抵抗変化メモリ。
【請求項15】
書きこみ動作、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をLOW、選択したメモリセルストリングの選択したセルに接続されるワード線をHIGH、選択したメモリセルストリングのブロック選択線をHIGHとし、ソース線とビット線間に流れる電流の流れる極性を変えて、選択したメモリセルの抵抗変化材料の低抵抗、高抵抗への遷移を実現する
ことを特徴とする請求項3、または請求項7記載の抵抗変化メモリ。
【請求項16】
前記カルコゲナイド材料は、Ge、Sb、Te少なくとも2つの原子を含む材料である
ことを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項6いずれか一項記載の相変化メモリ。
【請求項17】
前記抵抗変化材料は、NiO、WOx、HfO、ZnO、TiON、PrCaMnO、Ag−GeSe、Cu−GeSe、TaOx、FeO、GeO、STO、CuSiOのいずれかを含む材料である
ことを特徴とする請求項3、または請求項7記載の抵抗変化メモリ。
【請求項18】
前記カルコゲナイド材料の成膜厚みは3nm未満である
ことを特徴とする請求項1、または請求項2記載の相変化メモリ。
【請求項19】
前記セルトランジスタは、Siウエハーに対して水平と垂直方向にチャネルを形成する
ことを特徴とする請求項1、または請求項2記載の相変化メモリ。
【請求項20】
前記第1の金属配線と前記第2の金属配線とは、同一の材料である
ことを特徴とする請求項3記載の抵抗変化メモリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate


【公開番号】特開2012−204404(P2012−204404A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64931(P2011−64931)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.RRAM
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】