説明

押釦スイッチ装置、キーシート及びキーシートの製造方法

【課題】固定電極と金属電極の間に異物が存在しても導通不良を起き難くすることができると共に、安定した操作感が得られる技術の提供。また、金属電極の耐久性を高め確実な入力操作を実現できる技術の提供。
【解決手段】金属電極13にその外縁から離間して設けた開口14を有しているため、金属電極13と固定電極8との間に異物が存在していても、開口14内にその異物を入り込ませて金属電極13と固定電極8との接触面積を確保でき、導通不良を起き難くできるだけでなく、斜め押圧された際にも金属電極13と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用、車載用、携帯用などの電気機器に組み込まれる入力操作用の押釦スイッチ装置に関し、特に、回路基板上の固定電極と接触する金属電極を有する押釦スイッチ装置、キーシート及びキーシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用、車載用などの電気機器に組み込まれる押釦スイッチ装置には、回路基板上にキーシートを被せ、回路基板の固定電極とキーシートの可動電極との接触により入力が行われるものがある。このようなキーシート1の一例として、図34,図35で示すように、ゴム状弾性体でなるキーシート本体2の押し子部2aの先端に金属片でなる可動電極(金属電極)3を備えたものがあり、小さい接触抵抗を実現できることから高い電流を必要とする押釦スイッチ装置に用いられている。
【0003】
この金属電極3を備えた押釦スイッチ装置では、回路基板上の固定電極と金属電極の間に塵や埃などの絶縁性で微小な異物が挟まると、押圧入力の際に導通不良を起こして入力できないおそれがある。このため金属電極3を形成する金属片に厚み方向に貫通する貫通孔4を形成したり、金属電極の表面に金属片の厚み方向に凹む凹部を形成する(図示せず)などして、この絶縁性異物による導通不良を起き難くする技術が知られている(特許文献1,2)。この技術は、貫通孔4や凹部などに絶縁性異物を入り込ませて固定電極と金属電極3との接触面積を確保し、導通不良を起き難くしている。また、貫通孔4や凹部の形成により金属電極3を形成する金属片の剛性を弱めて金属片を変形し易くし、固定電極と金属電極3との間に絶縁性異物を挟んでも、この金属電極3が絶縁性異物に応じて局部的に変形して固定電極との接触面積を確保し、導通不良を起き難くしている。このような金属電極3は、金属片に貫通孔4や凹部を形成した後に所定の大きさに切断され、キーシート本体2と一体化されて製造される。
【特許文献1】特開2004−134241号公報
【特許文献2】特開2005−019227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1,2に記載される金属電極3は、図34,図35で示すように、外縁にも貫通孔4や凹部が形成されており、金属電極3における表面の外縁には内方に窪む欠け部5が形成され、断続的な周縁となってしまう。この金属電極3では、図36で示すように、押圧操作の際に斜め押圧されると、欠け部5から回路基板7上の固定電極8に接触することがあり、この場合は欠け部5に表出するゴム状弾性体が固定電極8と接触してから金属電極3が固定電極8と接触するため、ON点では2段階の触感となり、金属電極3が固定電極8と直接接触した場合のON点での触感と変わってしまう。さらにこの2段階の触感は、ON点のタイミング遅れを感じることになり、操作感を低下させてしまう。
また、金属片に貫通孔4を設けた金属電極3の外縁では、欠け部5の形成により突端部6が形成される。この突端部6は金属片を切断する際に反り返ったり、また突端部6は押し子部2aとの固着面積が小さく押し子部2aから剥がれ易いため、繰り返される押圧操作で押し子部2aから剥がれて浮き上がったりする。このような突端部6は固定電極8を傷付けたり固定電極8との間で放電が起こり、入力操作できなくなるおそれがある。
【0005】
以上のような従来技術を背景としてなされたのが本発明である。すなわち、本発明の目的は、導通不良を起き難くすることができると共に、安定した操作感が得られる技術を提供することにある。また、金属電極の耐久性を高め確実な入力操作を実現できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
回路基板との対向面に押し子部を有しキートップからの押圧力を受ける中空または中実の押圧操作部と、回路基板に載置されるベース部と、押圧操作部とベース部とを繋ぐスカート部と、を有し、回路基板上に位置するゴム状弾性体でなるキーシート本体と、回路基板と、押圧操作を受けるキートップと、を備え、キーシート本体のベース部、スカート部、押圧操作部と、回路基板と、で囲まれる押込み空間が、押圧操作部の押込み操作を受けてスカート部が座屈して収縮し、押し子部に設けた金属電極と回路基板上に設けた固定電極とが接触することで導通可能とする押釦スイッチ装置について、前記金属電極が金属片からなり、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有することを特徴とする押釦スイッチ装置提供する。
【0007】
押圧操作部の一部であって回路基板との対向面に位置する押し子部に、回路基板上の固定電極と接触する金属片からなる金属電極を設けてあり、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有している。即ち、開口が金属電極の外縁から離間して設けられているため、金属電極の外縁は連続する周縁となっている。従来技術のように金属電極の外縁に欠け部があると斜め押圧された際に、ON点で2段階の触感となり、さらにON点のタイミング遅れを感じて、操作感を低下させてしまう。しかし、開口を金属電極の外縁から離間して設け、外縁を連続する周縁とすれば、斜め押圧された際にも金属電極と固定電極とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。なお、連続する周縁とは、断続的に形成されることなく繋がっている円形の外縁、楕円形の外縁、多角形の外縁などを意味する。また詳細については後述するが、金属電極の表面における開口率を大きくすれば、金属電極を形成する金属片の剛性を弱めることができ、金属片を変形し易くすることができる。よって金属電極と固定電極との間に絶縁性異物を挟んでも、金属片が絶縁性異物に応じて局部的に変形して金属電極と固定電極との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。
【0008】
金属電極に設けられる開口は、金属電極を形成する金属片の厚み方向に貫通する貫通孔に連なる開口として形成される場合と、金属電極を形成する金属片の厚み方向に凹む凹部の開口として形成される場合とがある。従来技術のように金属電極の外縁に金属片に貫通孔による欠け部があると、この欠け部によって形成される突端部が、金属片を切断する際に反り返ったり、また繰り返される押圧操作でキーシート本体から剥がれて浮き上がったりする。
しかし、開口を金属電極の外縁から離間して設けることで、金属電極の外縁を連続する周縁とすれば、金属電極の外縁に突端部が無く、金属電極の外縁をキーシート本体に対して強固に固着することができる。このため金属電極の耐久性を高めることができ、確実な入力操作を実現することができる。
【0009】
前記開口は、金属電極の表面に1つ形成することができる。金属電極の表面に1つだけ形成すれば、金属電極の面積に近似するほどの大きな開口を設けることができ、大きな絶縁性異物が金属電極と固定電極との間に存在していても、開口内にその絶縁性異物を入り込ませることができる。そして、金属電極と固定電極との接触面積を確保し、導通不良を起き難くすることができる。
【0010】
前記開口は、金属電極を形成する金属片の厚み方向に貫通する貫通孔に連なるものとして形成することができる。このようにすれば、抜き加工によって開口を形成することができ、短時間で多くの開口を簡単に形成することができる。
また、開口を金属片の厚み方向に凹む凹部によって形成すれば、開口を貫通孔によって形成するよりも金属片とゴム状弾性体との固着面積を増やすことができ、金属片をゴム状弾性体に対し強固に固着することができる。
【0011】
このように、金属電極と固定電極との間に絶縁性異物が存在していても、開口内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極と固定電極との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。なお、開口の形状は、円形状、楕円形状、多角形状とすることが好ましい。
【0012】
前記開口は、押圧操作部の肉厚を貫通する貫通孔に連なるものとすることができる。即ち、開口の奥は押込み空間の外側に繋がることが可能となる。このように、押圧操作部を貫通する貫通孔を形成すれば、開口内に入り込ませた絶縁性異物を押込み空間外へ排出することができる。また、開口を通して押込み空間内外の空気流動を可能にすることができ、押圧操作に伴う押込み空間の収縮と膨張をスムーズに行うことができる。
【0013】
金属電極に形成された貫通孔の孔縁を、キーシート本体側に屈曲形成することができる。金属片の縁をキーシート本体側に屈曲形成したため、孔縁をキーシート本体側のゴム状弾性体の内部に入り込ませることができ、金属片とゴム状弾性体の固着強度を高めることができる。よって金属電極をキーシート本体に対して強固に固着することができ、金属電極の耐久性を高めることができる。
【0014】
前記押込み空間に対面するエア抜き口を有するものとして構成することができる。
押込み空間に対面するエア抜き口を設けたので、エア抜き口の奥は押込み空間の外側に繋がっている。そのため、エア抜き口を通して押込み空間内外の空気流動を可能にすることができ、押圧操作に伴う押込み空間の収縮と膨張をスムーズに行うことができる。
【0015】
こうしたエア抜き口は、隣接する押込み空間を連通させるベース部に設けた連通路であるものとすることができる。エア抜き口を互いに隣接する2つの押込み空間を連通させる連通路としたので、隣接する押込み空間どうしで空気流動を可能にすることができる。そのため、互いに隣接する両押込み空間内で、押圧操作に伴う空気の移動が可能となり、両押込み空間を密閉空間にできるので、外部からの絶縁性異物の混入を抑制することが可能となる。
【0016】
さらに、押し子部を中空に形成することができる。押し子部を中空にすれば、押し子部自体が大きく変形することができる。それにより、押し子部の先端に絶縁性異物が挟まる場合に押し子部自体の変形を容易にし、金属電極と固定電極との接触不良を起こし難くすることができる。また、押圧操作の際に電極間が導通するまでの荷重を小さくすることができる。
【0017】
また本発明は、キートップからの押圧力を受ける中空または中実の押圧操作部を有し、回路基板上に位置するゴム状弾性体でなるキーシート本体を備えるキーシートについて、押圧操作部の回路基板との対向面に位置する押し子部に、回路基板上の固定電極と接触する金属片からなる金属電極を有し、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有することを特徴とするキーシートを提供する。
金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有しているため、斜め押圧された際にも金属電極と固定電極とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。
【0018】
金属電極は、その表面に1つの開口を形成することができる。そしてこの開口は環形状に形成することができる。1つの開口を環形状とすれば、金属電極に大きな開口を設けることができ、大きな絶縁性異物が金属電極と固定電極との間に存在していても、開口内にその絶縁性異物を入り込ませることができる。そして、金属電極と固定電極との接触面積を確保し、導通不良を起き難くすることができる。
【0019】
金属電極の開口を、金属電極を形成する金属片の厚み方向に貫通する貫通孔に連なるものとして形成することができる。金属電極を貫通させたので、抜き加工によって開口を形成することができ、短時間で多くの開口を簡単に形成することができる。
【0020】
金属電極の開口率を、40%〜90%とすることができる。金属電極の開口率を40%以上とすれば、金属電極を形成する金属片の剛性を弱めることができ、金属片を変形し易くすることができる。よって金属電極と固定電極との間に絶縁性異物を挟んでも、金属片が絶縁性異物に応じて局部的に変形して金属電極と固定電極との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。しかし金属電極の開口率が90%を超えると金属片のゴム状弾性体に対する固着面積が小さくなり、金属片が剥がれ易くなるため好ましくない。そして開口率が40%未満では、金属片の剛性を弱め難く絶縁性異物に応じる局部的な変形がし難い。
【0021】
本発明はさらにキーシートの製造方法を提供する。
第1に、押圧操作を受ける中空または中実の押圧操作部を有し、回路基板上に位置するゴム状弾性体でなるキーシート本体を備え、該押圧操作部の回路基板との対向面に位置する押し子部に、回路基板上の固定電極と接触する金属片からなる金属電極を有し、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有するキーシートの製造方法について、金属シートに開口と外周に位置する固定用の位置決め孔とを同時に形成した後、該位置決め孔で固定した金属シートを抜き加工して金属片を形成し、該金属片を押圧操作部の押し子部に一体化することを特徴とするキーシートの製造方法を提供する。
【0022】
この製造方法では、金属シートに開口と金属シートの位置決め孔を同時に形成した後に位置決め孔で固定したこの金属シートを抜き加工して金属片を形成する。このため、金属シートに形成した開口の位置と金属片の外縁となる抜き位置とを正確に位置制御することができ、金属片の外縁に開口が形成されることを防止することができる。よって金属電極の外縁を連続する周縁とすることができる。
【0023】
第2に、押圧操作を受ける中空または中実の押圧操作部を有し、回路基板上に位置するゴム状弾性体でなるキーシート本体を備え、該押圧操作部の回路基板との対向面に位置する押し子部に、回路基板上の固定電極と接触する金属片からなる金属電極を有し、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有するキーシートの製造方法について、金属シートの外周に固定用の位置決め孔を形成し、該位置決め孔で固定した金属シートに開口を形成した後、抜き加工して金属片を形成し、該金属片を押圧操作部の押し子部に一体化することを特徴とするキーシートの製造方法を提供する。
【0024】
この製造方法では、金属シートを位置決め孔で固定して開口を形成した後に位置決め孔で固定したこの金属シートを抜き加工して金属片を形成する。即ち、位置決め孔で固定した金属シートに開口を形成した後に抜き加工するため、金属シートに形成した開口の位置と金属片の外縁となる抜き位置とを正確に位置制御することができ、金属片の外縁に開口が形成されることを防止することができる。よって金属電極の外縁を連続する周縁とすることができる。
【0025】
こうした製造方法については、金属シートの片面にゴム状弾性体でなる弾性シートを積層固着して積層シートを形成した後、金属シートに形成した位置決め孔で積層シートを固定して抜き加工し、片面に弾性層を有する金属片を形成することができる。金属シートは薄くて曲がり易いため取扱いが面倒であるが、このように金属シートと弾性シートを積層すれば、この積層シートは弾性シートの形状保持作用によって金属シート単体より曲がり難くなるため、金属シート単体より取扱い易くすることができる。また、金属片の片面に固着する弾性層とキーシート本体とを同材質とすれば、弾性層とキーシート本体とをインサート成形で固着することができ、金属片とキーシート本体とを簡単に一体化することができる。そして、開口が金属片の板厚を貫通する貫通孔によって形成される場合には、インサート成形の際に、弾性層がキーシート本体を形成するゴム材料を開口内に入り難くすることができる。さらに弾性層の外形を金属片の外形よりやや大きくなるように抜き加工すれば、金属片とキーシート本体とのインサート成形の際に、弾性層がキーシート本体を形成するゴム材料を金属片側に回り込み難くすることができ、ゴム材料が被らない金属電極を形成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の押釦スイッチ装置によれば、押し子部の先端の金属電極と回路基板上の固定電極との間に絶縁性異物が存在していても、金属電極に設けた開口内にその絶縁性異物を入り込ませて、金属電極と固定電極との接触面積を確保し、導通不良を起き難くすることができる。
また、斜め押圧された際にも金属電極と固定電極とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして金属電極の表面に貫通孔による開口を形成しても、金属電極の外縁をキーシート本体に対して強固に固着することができ、金属電極の耐久性を高めることができる。よって確実な入力操作を実現することができる。
【0027】
本発明のキーシートによれば、押し子部の先端の金属電極と回路基板上の固定電極との間に絶縁性異物が存在していても、金属電極に設けた開口内にその絶縁性異物を入り込ませて、金属電極と固定電極との接触面積を確保し、導通不良を起き難くすることができる。
また、斜め押圧された際にも金属電極と固定電極とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして金属電極の表面に貫通孔による開口を形成しても、金属電極の外縁をキーシート本体に対して強固に固着することができ、金属電極の耐久性を高めることができる。よって確実な入力操作を実現することができる。
【0028】
本発明のキーシートの製造方法によれば、開口の位置と金属片の外縁の位置とを離間状態で正確に位置制御することが可能で、金属片の外縁に開口が形成されることを防止することができる。よってこの金属片で形成される金属電極の外縁を連続する周縁とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0030】
第1実施形態〔図1〜図7〕
第1実施形態のキーシート11を図1〜図7に示す。図1はキーシート11の拡大底面図、図2はキーシート11のSB−SB線断面図、図3はキーシート11を回路基板に装着した押釦スイッチ装置10の拡大断面図、図4はキーシート11を斜め押圧した押釦スイッチ装置10の拡大断面図、図5〜図7はキーシート11の製造方法を示す説明図である。第1実施形態のキーシート11では、金属電極13を有するキーシート本体12を備えている。
【0031】
キーシート本体12はゴム状弾性体で形成されており、入力操作の際に押圧される中実の押圧操作部12aと、その押圧操作部12aを浮動支持する環状のスカート部12bと、キーシート11を回路基板7上に載置するベース部12cと、から構成されている。そして、ベース部12c、スカート部12b、押圧操作部12a、回路基板7とで囲まれる押込み空間18を形成している。このうち押圧操作部12aには、回路基板7との対向面に固定電極8に向かって突出する押し子部12dが形成されている。
ゴム状弾性体の材質は、反発弾性の高い熱硬化性ゴムや熱可塑性エラストマーを用いることができる。熱硬化性ゴムは、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴムなどを挙げることができる。このなかでも圧縮永久歪が小さく、繰り返し圧縮に耐えられ、温度特性が良いシリコーンゴムが好ましい。熱可塑性エラストマーは、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、ブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。
ゴム状弾性体の硬度としては、押釦スイッチに求められるON荷重やクリック率を実現するため、TYPE A硬度計において50〜80が好ましい。
【0032】
金属電極13は金属片で形成されており、押し子部12dの先端に固着している。この金属電極13の表面には金属電極13の厚み方向に貫通する9つの貫通孔13aによって9つの開口14が設けられている。これら開口14は金属電極13の外縁から離間して中央よりに密集状態で並んでいるため、金属電極13の外縁は連続する周縁を形成している。
金属片の材質は、導電性が高く腐食し難い金属を用いることができる。このような金属としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、またはこれらを含む合金などが挙げられる。また、これらの他の金属でなるベース板の表面に腐蝕し難い、金、ニッケル、亜鉛などのメッキ膜を施した金属片とすることもできる。ベース板とメッキ膜の構成では、低コスト、耐腐食性、高い導電性を実現できることから、ベース板を銅、ニッケル、マンガンなどの合金でなる洋白で形成し、メッキ膜を金で形成したものが好ましい。
金属片の厚みとしては10μm〜100μmが好ましい。これは固定電極8との間に絶縁性異物を挟んだ際に、10μm未満の金属片は撓み変形し易いが撓み変形後の復帰力が弱く、100μmを超える金属片は撓み変形し難くなる。ベース板にメッキ膜を施す場合のメッキ膜の厚みとしては、0.1μm〜10μmが好ましい。0.1μm未満では均一にメッキ膜を施すことが難しく、また押釦スイッチを繰り返し押圧操作しているとメッキ膜が摩耗してベース板が露出し金属電極13の表面が腐蝕してしまう。また10μmを超えるとメッキ膜の剛性が高まり金属片が撓み変形し難くなると共に、メッキ膜を形成する費用も高くなってしまう。
【0033】
次に、キーシート11の製造方法について説明する。
先ず、図5で示すように、金属シート15の外周に、この金属シート15を固定するために用いる位置決め孔16を抜き加工によって形成する。次に、この位置決め孔16で金属シート15を固定し、図6で示すように金属シート15のシート厚を貫通する貫通孔17を抜き加工によって形成する。さらに図7で示すように、位置決め孔16で固定した金属シート15を切断線CLで抜き加工して金属片を形成する。その後、この金属片を別途成形したキーシート本体12の押圧操作部12aにおける押し子部12dの先端に接着層(図示せず)で固着し、金属片とキーシート本体12とを一体化して、キーシート11を得る。この金属片がキーシート11の金属電極13となり、金属シート15に形成した貫通孔17が金属電極13の貫通孔13aとなって金属電極13の開口14を形成している。
【0034】
こうした第1実施形態のキーシート11を回路基板7に装着して押釦スイッチ装置10を構成する。この押釦スイッチ装置10を斜め押圧した状態を説明する。
図3で示すように、キーシート11は金属電極13が固定電極8と対向するようにして、回路基板7上に装着される。通常、押圧操作部12aの中央が押下されると、スカート部12bが全周で挫屈し、押し子部12dの先端面に設けられた金属電極13が固定電極8に接触する。しかし、図4で示すように、押圧操作部12aの外縁付近が押下されると、押圧部分に近いスカート部12bが座屈して斜め押圧となり、金属電極13の外縁が回路基板7上の固定電極8に接触する。
【0035】
回路基板7としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルムを基材としたフレキシブル回路基板や、ガラスエポキシやガラスコンポジット基材としたリジット回路基板などに、圧延された銅箔が貼り付けられており、その銅箔を所望の回路パターンとなるようにエッチング処理されたものが用いられている。固定電極8は、櫛目状のパターンが向き合った電極形状や、同心円状に設けられた電極形状に形成される。この固定電極8の表面には腐食を防ぐため、金メッキ膜やカーボンインクによる導電層などの保護層が設けられている。
【0036】
押釦スイッチ装置10、キーシート11によれば、金属電極13は表面に貫通孔13aの開口14を有しているため、金属電極13と固定電極8との間に絶縁性異物が存在していても、開口14内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極13と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。
【0037】
金属電極13の表面に開口14を形成しても開口は外縁と離間して設けられており、金属電極13の外縁は連続する周縁であるため、斜め押圧された際にも金属電極13と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。またこのように外縁に突端部の無い金属電極13は、突端部を有する従来技術の金属電極に比べ、金属電極13の外縁をキーシート本体12に対して強固に固着することができ、金属電極13の耐久性を高めることができる。よって確実な入力操作を実現することができる。
本実施形態では開口14を9つ設けているが、金属電極13の表面積に対するこれらの開口率を大きくすれば、金属電極13を形成する金属片の剛性を弱めることができ、金属片を変形し易くすることができる。よって金属電極13と固定電極8との間に絶縁性異物を挟んでも、金属片が絶縁性異物に応じて局部的に変形して金属電極13と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。
【0038】
開口14は、金属片の厚み方向を貫通する貫通孔に連なることができるため、抜き加工によって開口14を形成することができ、短時間で多くの開口14を簡単に形成することができる。
【0039】
キーシート11の製造方法によれば、位置決め孔16で固定した金属シート15に貫通孔17を形成した後に抜き加工するため、金属シート15に形成した貫通孔17の位置と金属片の外縁となる切断線CLの抜き位置とを正確に位置制御することができ、金属片の外縁に貫通孔17による突端部の形成を防ぐことができる。このような金属片で金属電極13を形成するため、金属電極13の外縁を連続する周縁とすることができる。
【0040】
第2実施形態〔図8〜図10〕
第2実施形態のキーシート21を図8〜図10に示す。図8はキーシート21の拡大断面図、図9,図10はキーシート21の製造方法を示す説明図である。このキーシート21が第1実施形態のキーシート11と異なるのは、金属電極22の構成であり、本実施形態では開口23が金属電極22の表面から凹んだ凹部22aとして形成されている。それ以外の構成はキーシート11と同じである。
【0041】
金属電極22は金属片で形成されており、第1実施形態の金属電極13と同様に押し子部12dの先端に固着している。この金属電極22の表面には金属電極22の厚み方向に凹む凹部22aによって9つの開口23が設けられている。この開口23は第1実施形態の開口14と同様に、金属電極22の外縁から離間して中央よりに密集状態で並んでいるため、金属電極22の外縁は連続する周縁を形成している。
【0042】
次に、キーシート21の製造方法について説明する。
先ず、金属シート24の外周に、この金属シート24を固定するために用いる位置決め孔16を抜き加工によって図9(A)で示すように形成する。次に、金属シート24に、図9(B)で示すようなマスキング膜を塗布形成しエッチング加工することでシート厚方向に凹む凹部25を形成する。その後、マスキング膜を剥離して図10(A)で示す金属シート24を形成する。さらに、位置決め孔16で固定した金属シート24を図10(B)で示す切断線CLで抜き加工して金属片を形成する。その後、この金属片を別途成形したキーシート本体12の押圧操作部12aにおける押し子部12dの先端に接着層(図示せず)で固着し、金属片とキーシート本体12とを一体化して、キーシート21を得る。この金属片がキーシート21の金属電極22となり、金属シート24に形成した凹部25が金属電極22の凹部22aとなって金属電極22の開口23を形成している。
【0043】
キーシート21によれば、金属電極22は表面に凹部22aで形成される開口23を有しているため、金属電極22と固定電極8との間に絶縁性異物が存在していても、開口23内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極22と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。
さらに、金属電極22の表面に開口23を形成しても外縁は連続する周縁であるため、斜め押圧された際にも金属電極22と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして外縁に欠け部を有する従来技術の金属電極に比べ強固に固着されて金属電極22の耐久性を高めることができ、確実な入力操作を実現することができる。
また、開口23は金属電極22の厚み方向に凹む凹部22aによって形成するため、金属電極の厚み方向に貫通する貫通孔によって形成するよりも金属電極22とキーシート本体12との固着面積を増やすことができ、金属電極22をキーシート本体12に対し強固に固着することができる。
【0044】
キーシート21の製造方法によれば、位置決め孔16で固定した金属シート24に凹部25を形成した後に抜き加工するため、金属シート24に形成した凹部25の位置と金属片の外縁となる切断線CLの抜き位置とを正確に位置制御することができ、金属片の外縁に凹部25による突端部の形成を防ぐことができる。このような金属片で金属電極22を形成するため、金属電極22の外縁を連続する周縁とすることができる。
【0045】
第3実施形態〔図11〜図16〕
第3実施形態のキーシート31を図11〜図16に示す。図11はキーシート31の拡大断面図、図12〜図16はキーシート31の製造方法を示す説明図である。このキーシート31が第1実施形態のキーシート11と異なるのは、キーシート本体12と金属電極13との固着部位である。それ以外の構成はキーシート11と同じである。
即ち、第1実施形態のキーシート11ではキーシート本体12の押圧操作部12aにおける押し子部12dの先端に金属電極13が接着層で固着しているが、本実施形態のキーシート31では金属電極13と積層する弾性層32が押し子部12dの先端と金型内の一体成形により固着している。
【0046】
キーシート31の製造方法について説明する。
先ず、図12で示すように、金属シート15の一方面にマスキング膜35を塗布形成する。このマスキング膜35には、位置決め孔16と貫通孔17とに対応する透孔35aが形成されている。次に、図13で示すように、金属シート15の他方面にゴム状弾性体でなる弾性シート33を積層し固着して積層シート34を形成する。この弾性シート33は、エッチング加工にて形成した位置決め孔16を塞がぬように、金属シート15より小さく形成されている。その後図14で示すように、エッチング加工によって金属シート15のシート厚を貫通する位置決め孔16と貫通孔17を同時に形成する。そしてマスキング膜35を剥離した後、図15で示すように、当て板B上の固定ピンPに対し位置決め孔16で固定した積層シート34を抜き刃36を用いて金属シート15側から切断線CL(図7参照)で抜き加工して、弾性層32を有する金属片を形成する。このように金属シート15側から抜き加工すると、弾性層32の外形を金属片の外形よりやや大きくすることができる。その後図16で示すように、金属片が金型のキャビティー面と接するように弾性層32を有する金属片をキーシート本体12の成形金型Mにインサートして弾性層32と同材質のゴム状弾性体を成形し、金属片とキーシート本体12とを一体成形して、キーシート31を得る。この金属片がキーシート31の金属電極13となり、金属シート15に形成した貫通孔17が金属電極13の貫通孔13aとなって金属電極13の開口14を形成している。
【0047】
キーシート31によれば、第1実施形態のキーシート11と同様に、金属電極13と固定電極8との間に絶縁性異物が存在していても、開口14内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極13と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。さらに、斜め押圧された際にも金属電極13と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして、外縁に欠け部を有する従来技術の金属電極に比べ強固に固着されて金属電極13の耐久性を高めることができ、確実な入力操作を実現することができる。
【0048】
キーシート31の製造方法によれば、金属シート15は薄くて曲がり易く取扱いが不便であるが、金属シート15と弾性シート33を積層した積層シート34は弾性シート33の形状保持作用によって金属シート15単体より曲がり難くすることができ、金属シート15単体より取扱い易くすることができる。
金属シート15に開口14と位置決め孔16を同時に形成するため、金属シート15に形成した開口14の位置と金属片の外縁となる抜き位置とを正確に位置制御することができ、金属片の外縁に開口14が形成されることを防止することができる。よって金属電極13の外縁を連続する周縁とすることができる。
また、弾性層32とキーシート本体12とを同材質とするため、弾性層32とキーシート本体12とをインサート成形で固着することができ、金属電極13とキーシート本体12とを簡単に一体化することができる。インサート成形では弾性層32がシール性を発揮して、キーシート本体12を形成するゴム材料MCを貫通孔17内に入り難くすることができ、ゴム材料MCで塞がらない開口14を形成することができる。さらに弾性層32の外形が金属片の外形よりやや大きいため、キーシート本体12を形成するゴム材料MCを金属片の外周から金属片とキャビティー面の間に回り込み難くすることができ、ゴム材料MCが被らない金属電極13を形成することができる。
【0049】
第4実施形態〔図17,図18〕
第4実施形態のキーシート41を図17,図18に示す。図17はキーシート41の拡大底面図、図18はキーシート41のSC−SC線断面図である。このキーシート41が第3実施形態のキーシート31と異なるのは、金属電極42が一つの開口を形成してる点である。これ以外の構成はキーシート31と同じである。
【0050】
金属電極42は金属片で形成されており、第3実施形態の金属電極13と同様に金属電極42と積層する弾性層32によって押し子部12dの先端に固着している。この金属電極42の表面には金属電極42の厚み方向に貫通する貫通孔42aによって外縁から離間した1つの開口14が設けられている。即ち、金属電極42は円環形状であり、金属電極42の外縁は連続する周縁を形成している。
【0051】
キーシート41の製造方法について説明する。
先ず、第3実施形態のキーシート31の製造方法と同様に、金属シート15の一方面に弾性シート33を積層して積層シート34を形成する(図12参照)。次に、金属シート15の他方面にマスキング膜35を塗布形成しエッチング加工によって金属シート15のシート厚を貫通する貫通孔17を形成する(図13参照)。そしてマスキング膜35を剥離した後、積層シート34の外周に、この積層シート34を固定するために用いる位置決め孔16を抜き加工によって形成する(図14参照)。さらに位置決め孔16で固定した積層シート33を抜き刃36を用いて金属シート15側から切断線CLで抜き加工して弾性層32を有する金属片を形成する(図15参照)。その後、金属片が金型のキャビティー面と接するように弾性層32を有する金属片をキーシート本体12の成形金型Mにインサートして弾性層32と同材質のキーシート本体12を成形し(図16参照)、金属片とキーシート本体12とを一体成形して、キーシート41を得る。弾性層32を有する金属片がキーシート41の金属電極42となり、金属シート15に形成した貫通孔17が金属電極42の貫通孔42aとなって金属電極42の開口14を形成している。
【0052】
キーシート41によれば、第3実施形態のキーシート31と同様に、斜め押圧された際にも金属電極42と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして突端部を有する従来技術の金属電極に比べ強固に固着されて金属電極42の耐久性を高めることができ、確実な入力操作を実現することができる。
さらに、金属電極42を、1つの開口14を有する円環形状に形成するため、大きな開口14を設けることができ、大きな絶縁性異物が金属電極42と固定電極8との間に存在していても、開口14内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極42と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。
【0053】
第5実施形態〔図19,図20〕
第5実施形態のキーシート51を図19に示す。図19はキーシート51の拡大断面図、図20はキーシート51の製造方法を示す説明図である。このキーシート51が第4実施形態のキーシート41と異なるのは、一つの開口14を有し金属電極52を貫通する貫通孔17の孔縁が屈曲形成されキーシート本体12側の押し子部12dに入り込んでいる点である。これ以外の構成はキーシート41と同じである。
【0054】
金属電極52は金属片で形成されており、第4実施形態の金属電極42と同様に金属電極52の表面には金属電極52の厚み方向に貫通する貫通孔52aによって1つの開口14が設けられている。即ち、金属電極52は円環形状であり、金属電極52の外縁は連続する周縁を形成している。しかし金属電極42と異なるのは、金属電極52には弾性層が積層されておらず、押し子部12dの先端に接着層(図示せず)で固着されている。さらに貫通孔17の孔縁でなる金属電極52の内縁がキーシート本体12側に屈曲形成され、押し子部12dの内部に入り込んでいる。
【0055】
次に、キーシート51の製造方法について説明する。
先ず、金属シート15の外周に、この金属シート15を固定するために用いる位置決め孔16を抜き加工によって形成する(図5参照)。次に、この位置決め孔16で金属シート15を固定し、金属シート15のシート厚を貫通する貫通孔17を抜き加工によって形成する。この時、図20で示すように、貫通孔17の孔縁が屈曲形成するように、貫通孔17の孔縁と接する抜き刃53に傾斜面53aを用いる。抜き刃53の傾斜面53aを金属シート15のシート面と沿うように近づければ、孔縁を大きく屈曲形成することができ、抜き刃53の傾斜面53aを金属シート15のシート面と垂直に近づければ孔縁を小さく屈曲形成することができる。そして、位置決め孔16で固定した金属シート15を切断線CL(図7参照)で抜き加工して金属片を形成する。その後、この金属片を別途成形したキーシート本体12の押圧操作部12aにおける押し子部12dの先端に接着層(図示せず)で固着し、金属片とキーシート本体12とを一体化して、キーシート51を得る。この金属片がキーシート51の金属電極52となり、金属シート15に形成した貫通孔17が金属電極52の貫通孔52aとなって金属電極52の開口14を形成している。
【0056】
キーシート51によれば、第4実施形態のキーシート41と同様に、斜め押圧された際にも金属電極52と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして突端部を有する従来技術の金属電極に比べ強固に固着されて金属電極52の耐久性を高めることができ、確実な入力操作を実現することができる。そして、金属電極52を、1つの開口14を有する円環形状に形成するため、大きな開口14を設けることができ、大きな絶縁性異物が金属電極52と固定電極8との間に存在していても、開口14内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極52と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。
さらに、金属電極52の内縁が押圧操作部12aにおける押し子部12dの内部に入り込んでいるため、金属電極52と押し子部12dとの固着強度を高めることができ、金属電極52をキーシート本体12に対して強固に固着することができる。
【0057】
第5実施形態の第1変形例〔図21〕
第5実施形態のキーシート51では金属電極52の内縁がキーシート本体12側に屈曲形成される例を示したが、本実施形態のキーシート55は金属電極56の内縁及び外縁が押し子部12d側に屈曲形成されている。
金属電極56の外縁が屈曲形成されて押し子部12d側に張り出しているため、斜め押しをした場合にでも確実に導通させることができる。また、金属電極56と押し子部12dの固着強度を高めることができ、金属電極56をキーシート本体12に対して強固に固着することができる。なお、図21では内縁のみ押し子部12dの内部に入り込んでいるが、外縁のみ押し子部12dの内部に入り込む構成、内縁及び外縁が押し子部12dの内部に入り込む構成などとすることができる。
【0058】
第5実施形態の第2変形例〔図22〜図25〕
第5実施形態のキーシート51では金属電極52を押し子部12dの先端に接着層(図示せず)で固着する例を示したが、本実施形態のキーシート57は金属電極52と積層する弾性層32がキーシート本体12の押圧操作部12aにおける押し子部12dの先端と金型内の一体成形により固着している。
【0059】
キーシート57の製造は、先ず図23で示すように、金属シート15にシート厚を貫通する貫通孔17を形成する。この時貫通孔17の孔縁を屈曲形成させる。次に図24で示すように、貫通孔17の孔縁が突出する一方面に弾性シート33を積層して積層シート34を形成し、図25で示すように、積層シート34の外周に、この積層シート34を固定するために用いる位置決め孔16を抜き加工によって形成する。そして位置決め孔16で固定した積層シート33を抜き刃を用いて金属シート15側から切断線CL(図7参照)で抜き加工して弾性層32を有する金属片を形成する。その後、金属片が金型のキャビティー面と接するように弾性層32を有する金属片をキーシート本体12の成形金型Mにインサートして弾性層32と同材質のキーシート本体12を成形し(図16参照)、金属片とキーシート本体12とを一体成形して、キーシート57を得る。このようにしても、弾性層32を有する金属片がキーシート57の金属電極52となり、金属シート15に形成した貫通孔17が金属電極52の貫通孔52aとなって金属電極52の開口14を形成している。
【0060】
第6実施形態〔図26〕
第6実施形態のキーシート61を図26に示す。図26はキーシート61の拡大断面図である。このキーシート61が第1実施形態のキーシート11と異なるのは、キーシート本体62の構成であり、押し子部62dを含め押圧操作部62aが中空であり、そして、押し子部62dの肉厚を貫通する貫通孔63が設けられている点である。これ以外の構成はキーシート11と同じである。
【0061】
キーシート本体62はキーシート本体12と同様に、入力操作の際に押圧される押圧操作部62aと、その押圧操作部62aを浮動支持する環状のスカート部62bと、キーシート61を回路基板7に被せる際に回路基板7と接するベース部62cと、から構成されている。このうち押圧操作部62aには、回路基板7との対向面に固定電極8に向かって突出する押し子部62dが形成されている。しかしキーシート本体12と異なるのは、押圧操作部62aが有底筒状で内部が中空に形成され、さらに押し子部62dも有底筒状の中空に形成されている。そしてこの押し子部62dには、金属電極13の貫通孔13aと連なって押し子部62dの肉厚を貫通する貫通孔63が設けられている。
そして、金属電極13を貫通する貫通孔13aと押し子部62dを貫通する貫通孔63とが連通してエア抜き口64を形成し、押込み空間とその外部との間で空気が出入り自由となっている。
【0062】
キーシート61の製造方法について説明する。
先ず、金属シート15を切断線CL(図7参照)で抜き加工して金属片を形成する。この金属片を別途成形したキーシート本体62の押圧操作部62aにおける押し子部62dの先端に接着層(図示せず)で固着し、金属片でなる金属電極13を有するキーシート本体62を形成する。この時点では、金属電極13及び押し子部62dに貫通孔13a,63は設けられていない。その後、キーシート本体62を固定して、金属電極13側から金属電極13及び押し子部62dの肉厚を貫通する貫通孔13a,63を抜き加工によって形成する。このようにしてキーシート61を得る。金属電極13の貫通孔13aが開口14を形成しており、この開口14は中空の押し子部62dの肉厚を貫通する貫通孔63に連なっている。
【0063】
キーシート61によれば、第1実施形態のキーシート11と同様に、金属電極13と固定電極8との間に絶縁性異物が存在していても、開口14内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極13と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。
さらにこの開口14は押し子部62dの貫通孔63を通じて押込み空間の外側である中空の押圧操作部12aに繋がっているため、開口14内に入り込ませた絶縁性異物を中空の押圧操作部12aへ排出することができ、比較的大きな絶縁性異物があっても、確実な入力操作を実現することができる。また、開口14を通して押込み空間内外の空気流動を可能にすることができ、押圧操作に伴う押込み空間の収縮と膨張をスムーズに行うことができる。
【0064】
開口14は金属電極13の外縁から離間して設けられているため、斜め押圧された際にも金属電極13と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして突端部を有する従来技術の金属電極に比べ強固に固着されて金属電極13の耐久性を高めることができ、確実な入力操作を実現することができる。
【0065】
押し子部62dが中空に形成されているため、押し子部62dを変形し易くすることができ、押圧操作の際に電極間が導通するまでの荷重を小さくすることができる。
【0066】
キーシート61の製造方法によれば、金属片をキーシート本体62に固着して金属電極13を形成した後に貫通孔13a,63を設けるため、貫通孔13aによる開口14を金属電極13の外縁から離間して設けることができる。よって金属電極13の外縁をキーシート本体62に対して強固に固着することができ、金属電極13の耐久性を高めて確実な入力操作を実現することができる。
【0067】
第7実施形態〔図27〕
第7実施形態のキーシート71を図27に示す。図27はキーシート71の拡大断面図である。このキーシート71が第3実施形態のキーシート31と異なるのは、キーシート本体72の構成であり、押し子部72dを含め押圧操作部72aが中空である点である。これ以外の構成はキーシート31と同じである。また、第6実施形態のキーシート61と異なり、金属電極13と押し子部72dとの間に弾性層32を有する点が異なる。
【0068】
キーシート本体72はキーシート本体12と同様に、入力操作の際に押圧される押圧操作部72aと、その押圧操作部72aを浮動支持する環状のスカート部72bと、キーシート71を回路基板7に被せる際に回路基板7と接するベース部72cと、から構成されている。このうち押圧操作部72aには、回路基板7との対向面に固定電極8に向かって突出する押し子部72dが形成されている。しかしキーシート本体12と異なるのは、押圧操作部72aが有底筒状で内部が中空に形成され、さらに押し子部72dも有底筒状の中空に形成されている。
【0069】
キーシート71の製造方法について説明する。
先ず、金属シート15の一方面に弾性シート33を積層固着して積層シート34を形成する(図12参照)。次に、金属シート15の他方面にマスキング膜35を塗布形成しエッチング加工で貫通孔17を形成する(図13参照)。そしてマスキング膜35を剥離した後、積層シート34の外周に位置決め孔16を抜き加工で形成する(図14参照)。さらに当て板B上の固定ピンPに対し位置決め孔16で固定した積層シート34を抜き刃36で金属シート15側から抜き加工して、弾性層32を有する金属片を形成する(図15参照)。その後金属片が金型のキャビティー面と接するように弾性層32を有する金属片をキーシート本体72の成形金型Mにインサートして弾性層32と同材質のゴム状弾性体を成形し(図16参照)、金属片とキーシート本体72とを一体成形して、キーシート71を得る。この金属片がキーシート71の金属電極13となり、金属シート15に形成した貫通孔17が金属電極13の貫通孔13aとなって金属電極13の開口14を形成している。
【0070】
キーシート71によれば、第3実施形態のキーシート31と同様に、金属電極13と固定電極8との間に絶縁性異物が存在していても、開口14内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極13と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。さらに、斜め押圧された際にも金属電極13と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして突端部を有する従来技術の金属電極に比べ強固に固着されて金属電極13の耐久性を高めることができ、確実な入力操作を実現することができる。
【0071】
押し子部72dが中空に形成されているため、押し子部72dを変形し易くすることができ、押圧操作の際に電極間が導通するまでの荷重を小さくすることができる。
【0072】
キーシート31の製造方法によれば、第3実施形態におけるキーシート31の製造方法と同様に、金属シート15を取扱い易くすることができ、弾性層32とキーシート本体72とをインサート成形で簡単に固着することができる。
【0073】
第7実施形態の変形例〔図28,図29〕
第7実施形態のキーシート71では貫通孔63を有していないキーシート本体62を例示したが、図28,図29で示す本実施形態のキーシート73は、隣接する押圧操作部72aどうしの間のベース部72cに、このキーシート73を回路基板7上に装着した際に押込み空間18どうしを連絡してエア抜き口となる連通路75を設けることができる。この連通路75によって押込み空間18に対面するエア抜き口76が設けられる。即ち、エア抜き口76は、隣接する押込み空間18に通じるベース部72cに設けた連通路75に連なっている。
このようにすれば、エア抜き口76を通して隣接する押込み空間18どうしで空気流動を可能にすることができ、押圧操作に伴う押込み空間18の収縮と膨張をスムーズに行うことができる。よって押圧操作時の空気抵抗を小さくすることができ、押圧操作時のクリック感を高めることができる。そして押圧操作時の空気流動はキーシート73と回路基板7との密閉空間で行われるため、キーシート73の外部から押込み空間18への異物の侵入を防ぐことができる。
【0074】
第8実施形態〔図30〕
第8実施形態のキーシート81を図30に示す。図30はキーシート81の拡大断面図である。このキーシート81が第6実施形態のキーシート61と異なるのは、キーシート本体82の構成であり、押圧操作部82aの底部82e及び側壁部82fにそれぞれ肉厚を貫通する貫通孔63が設けられている点である。これ以外の構成はキーシート61と同じである。
【0075】
キーシート本体82はキーシート本体62と同様に、有底筒状で内部が中空の押圧操作部82aと、その押圧操作部82aを浮動支持する環状のスカート部82bと、キーシート81を回路基板7に被せる際に回路基板7と接するベース部82cと、から構成されている。このうち押圧操作部82aには、中空の押し子部82dが形成されている。しかしキーシート本体62と異なり、押し子部82dには貫通孔63が設けられておらず、押圧操作部82aの底部82e及び側壁部82fにそれぞれ肉厚を貫通する貫通孔63が設けられている。そして、貫通孔63が押込み空間とその外部とを連通するエア抜き口76となっている。
【0076】
次に、キーシート81の製造方法について説明する。
先ず、金属シート15の外周に位置決め孔16を形成する(図5参照)。次に、この位置決め孔16で金属シート15を固定し貫通孔17を形成する(図6参照)。さらに位置決め孔16で固定した金属シート15から金属片を形成する(図7参照)。その後、この金属片を別途成形したキーシート本体82の押圧操作部82aにおける押し子部82dの先端に接着層(図示せず)で固着し、金属片とキーシート本体82とを一体化して、キーシート81を得る。キーシート81には、金属電極13の貫通孔13aによる開口14と、押圧操作部82aの底部82eの貫通孔63によるエア抜き口76が設けられている。
【0077】
キーシート81によれば、第6実施形態のキーシート61と同様に、金属電極13と固定電極8との間に絶縁性異物が存在していても、開口14内にその絶縁性異物を入り込ませて金属電極13と固定電極8との接触面積を確保することができ、導通不良を起き難くすることができる。
さらにこのエア抜き口76は押圧操作部82aにおける底部82eの貫通孔63を通じて押込み空間の外側である中空の押圧操作部82aに繋がり、さらに押圧操作部82aにおける側壁部82fの貫通孔63を通じてキーシート82の外部へ繋がっているため、エア抜き口76内に入り込ませた絶縁性異物を中空の押圧操作部82aあるいはキーシート82の外部へ排出することができる。よって比較的大きな絶縁性異物があっても、確実な入力操作を実現することができる。また、エア抜き口76を通して押込み空間内外の空気流動を可能にすることができ、押圧操作に伴う押込み空間の収縮と膨張をスムーズに行うことができる。
【0078】
開口14は金属電極13の外縁から離間して設けられているため、斜め押圧された際にも金属電極13と固定電極8とを確実に接触させることができ、安定した操作感を実現することができる。そして突端部を有する従来技術の金属電極に比べ強固に固着されて金属電極13の耐久性を高めることができ、確実な入力操作を実現することができる。
【0079】
押し子部82dが中空に形成されているため、押し子部82dを変形し易くすることができ、押圧操作の際に電極間が導通するまでの荷重を小さくすることができる。
【0080】
第8実施形態の変形例〔図31〕
第8実施形態のキーシート81では貫通孔63を押圧操作部82aの底部82e及び側壁部82fに設ける例を示したが、図31で示すように、本実施形態のキーシート83は、押圧操作部82aの側壁部82fに貫通孔63を設けず、側壁部82fの上端に欠け部84を設けることができる。
このようにしても中空の押圧操作部82aの内部とキーシート82の外部を繋ぐことができ、エア抜き口76内に入り込ませた絶縁性異物を中空の押圧操作部82aあるいはキーシート82の外部へ排出することができる。
【0081】
その他〔図32,図33〕
以上の各実施形態及び各変形例における特徴的な構成は、他の実施形態についても適用することができる。また、1つのキーシートで各実施形態及び各変形例を組み合わせることもできる。
そして、上記各実施形態で示した種々のキーシート11,21,31,41,51,55,57,61,71,73,81,83を説明した各図では、一つまたは二つの押圧操作部とその周辺部しか示していないが、こうした各キーシートは、例えば図33で示すように複数の押圧操作部を有するキーシート92などとして形成されるものである。
こうした各種キーシートは、例えば図32で示すように、キーシート91を回路基板7上に載置して、さらにそのキーシート91の押圧操作部92a,92b上に硬質樹脂でなる樹脂キートップ93を載置して押釦スイッチ装置94として用いられる。
図32、図33で示したキーシート91及び押釦スイッチ装置94は、中実の押圧操作部92aと中空の押圧操作部92bの、中実および中空の両者の押圧操作部を有し、ベース部92cには、貫通孔63と連通路75とを有し、それぞれがエア抜き口76を形成している。
【0082】
また、各実施形態及び各変形例で示した弾性層32は、金属電極13,42,52の貫通孔13a,42a,52aをキーシート本体12,72側で塞ぐように形成されている例を示したが、弾性層に貫通孔13a,42a,52aと連通する貫通孔を設けることもでき、また弾性層に貫通孔13a,42a,52aを埋める突起を設けることもできる。
【実施例】
【0083】
以下に実施例を示し、金属電極(13)の開口率について説明する。
【0084】
1.試料の製造
金属電極(13)と固定電極(8)との間に絶縁性異物が存在する際のON荷重を測定するために、ゴム状弾性体は直径3.0mmの円柱形状(押し子形状)とした。
【0085】
試料1
ベース板として厚み70μmの洋白を用い、一方面に、直径2.4mmの透孔(35a)と位置決め孔(16)を所定位置に所定個数有するマスキング膜(35)を塗布形成した。さらにこのベース板の他方面にプライマーを塗布した後、硬度70のミラブル型シリコーンゴムをロールを用いてシート状に形成したシリコーンゴムシートを乗せ、170℃の温度で加熱圧着して弾性シート(33)を積層した。その後エッチング加工によってベース板に位置決め孔(16)、貫通孔(17)を同時に設け、マスキング膜(35)を剥離した。そしてベース板の表面に下地層として厚さ0.5μmのニッケルメッキ膜をメッキし、このニッケルメッキ膜の表面に上地層として厚さ0.5μmの金メッキ膜をメッキして金属シート(15)と弾性シート(33)とが積層する積層シート(34)を得た。この積層シート(34)を位置決め孔(16)で固定しダイセット金型を用いて切断線(CL)で抜き加工して、直径2.4mmの1つの貫通孔(17)が設けられた直径3.0mmの弾性層(32)を有する金属片を得た。その後、金属片が金型のキャビティー面と接するように弾性層(32)を有する金属片をゴム状弾性体の成形金型(M)にインサートして、弾性層(32)と同じ材料である硬度70のミラブル型シリコーンを注型し、170℃の温度で10分間加硫することで、金属片とゴム状弾性体とを一体成形して試料1とした。試料1の金属電極(13)の開口は、直径2.4mmであった。
【0086】
試料2
開口の直径が2.2mmであること以外は試料1と同様にして試料2を得た。
【0087】
試料3
開口の直径が2.0mmであること以外は試料1と同様にして試料3を得た。
【0088】
試料4
開口の直径が1.75mmであること以外は試料1と同様にして試料4を得た。
【0089】
試料5
開口の直径が1.5mmであること以外は試料1と同様にして試料5を得た。
【0090】
試料6
開口の無い金属電極であること以外は試料1と同様にして試料6を得た。
【0091】
試料7
直径が0.3mmの開口を多数有する金属電極としたこと以外は試料1と同様にして試料7を得た。試料7の金属電極の外縁には内方に窪む欠け部が形成され、断続的な周縁となっていた。
【0092】
2.試験方法
櫛目状の固定電極(8)の表面に直径0.1mmの毛髪を掛け渡すようにして載せ、各試料を押下し、金属電極と固定電極(8)が接触して導通するまでの荷重を測定した。その結果を表1に示す。
【0093】
3.試験結果
表1で示すように、試料1〜試料5では金属電極(13)の外縁に浮きは発生していないため、固定電極(8)への傷つけを防止することができ、さらに固定電極(8)との間に放電が発生しないため、押釦スイッチとしての耐久性を高めることができた。そして確実に金属電極(13)が固定電極(8)に接するため、安定した操作感を実現することができた。
また、試料1〜試料5のON荷重は試料6のON荷重に比べ低くなっており、導通不良を発生し難くすることができた。
しかしながら、試料4,試料5においては、ON荷重が2N以上となっており、絶縁性異物が存在しない場合と比べて荷重の上昇が大きいため、操作者は押釦スイッチの操作時に違和感を感じるおそれがあった。このため、金属電極(13)に設ける開口率は40%以上が好ましい。
金属電極の外縁に欠け部が形成されている試料7では、金属電極と固定電極(8)の間に毛髪が存在する場合ON荷重は低いが、金属電極を抜き加工する際に、金属電極の欠け部により形成される突端部の浮きが多く発生していた。
【0094】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】第1実施形態のキーシートを示す拡大底面図。
【図2】図1のSB−SB線断面図。
【図3】第1実施形態のキーシートを回路基板に装着した押釦スイッチ装置の拡大断面図。
【図4】第1実施形態のキーシートを装着した押釦スイッチ装置で斜め押圧した状態の拡大断面図。
【図5】第1実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図6】第1実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図7】第1実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図8】第2実施形態のキーシートを示す図2相当の断面図。
【図9】第2実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図10】第2実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図11】第3実施形態のキーシートを示す図2相当の断面図。
【図12】第3実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図13】第3実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図14】第3実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図15】第3実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図16】第3実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図17】第4実施形態のキーシートを示す拡大底面図。
【図18】図17のSC−SC線断面図。
【図19】第5実施形態のキーシートを示す図2相当の断面図。
【図20】第5実施形態のキーシートの製造方法を示す説明図。
【図21】第5実施形態のキーシートにおける第1変形例を示す図2相当の断面図。
【図22】第5実施形態のキーシートにおける第2変形例を示す図2相当の断面図。
【図23】第5実施形態のキーシートにおける第2変形例の製造方法を示す説明図。
【図24】第5実施形態のキーシートにおける第2変形例の製造方法を示す説明図。
【図25】第5実施形態のキーシートにおける第2変形例の製造方法を示す説明図。
【図26】第6実施形態のキーシートを示す図2相当の断面図。
【図27】第7実施形態のキーシートを示す図2相当の断面図。
【図28】図29のSD−SD線断面図。
【図29】第7実施形態のキーシートにおける変形例を示す拡大底面図。
【図30】第8実施形態のキーシートを示す図2相当の断面図。
【図31】第8実施形態のキーシートにおける変形例を示す図2相当の断面図。
【図32】一実施形態のキーシートを回路基板に装着した押釦スイッチ装置の拡大断面図。
【図33】一実施形態のキーシートを示す底面図。
【図34】従来のキーシートを示す拡大底面図。
【図35】図34のSA−SA線断面図。
【図36】従来のキーシートを装着した押釦スイッチ装置で斜め押圧した状態の拡大断面図。
【符号の説明】
【0096】
1 キーシート
2 キーシート本体
2a 押し子部
3 金属電極(可動電極)
4 貫通孔
5 欠け部
6 突端部
7 回路基板
8 固定電極
10 押釦スイッチ装置(第1実施形態)
11 キーシート(第1実施形態)
12 キーシート本体
12a 押圧操作部
12b スカート部
12c ベース部
12d 押し子部
13 金属電極
13a 貫通孔
14 開口
15 金属シート
16 位置決め孔
17 貫通孔
18 押込み空間
21 キーシート(第2実施形態)
22 金属電極
22a 凹部
23 開口
24 金属シート
25 凹部
31 キーシート(第3実施形態)
32 弾性層
33 弾性シート
34 積層シート
35 マスキング膜
35a 透孔
36 抜き刃
37 積層板
41 キーシート(第4実施形態)
42 金属電極
42a 貫通孔
51 キーシート(第5実施形態)
52 金属電極
52a 貫通孔
53 抜き刃
53a 傾斜面
55 キーシート(第5実施形態の第1変形例)
56 金属電極
57 キーシート(第5実施形態の第2変形例)
61 キーシート(第6実施形態)
62 キーシート本体
62a 押圧操作部
62b スカート部
62c ベース部
62d 押し子部
63 貫通孔
64 エア抜き口
71 キーシート(第7実施形態)
72 キーシート本体
72a 押圧操作部
72b スカート部
72c ベース部
72d 押し子部
73 キーシート(第7実施形態の変形例)
75 連通路(エア抜き口)
76 エア抜き口
81 キーシート(第8実施形態)
82 キーシート本体
82a 押圧操作部
82b スカート部
82c ベース部
82d 押し子部
82e 底部
82f 側壁部
83 キーシート(第8実施形態の変形例)
84 欠け部
91 キーシート(一実施形態)
92 キーシート本体
92a 押圧操作部(中実)
92b 押圧操作部(中空)
92c ベース部
93 樹脂キートップ
94 押釦スイッチ装置(一実施形態)
B 当て板
CL 切断線
M 成形金型
MC ゴム材料
P 固定ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板との対向面に押し子部を有しキートップからの押圧力を受ける中空または中実の押圧操作部と、回路基板に載置されるベース部と、押圧操作部とベース部とを繋ぐスカート部と、を有し、回路基板上に位置するゴム状弾性体でなるキーシート本体と、
回路基板と、
押圧操作を受けるキートップと、を備え、
キーシート本体のベース部、スカート部、押圧操作部と、回路基板と、で囲まれる押込み空間が、押圧操作部の押込み操作を受けてスカート部が座屈して収縮し、押し子部に設けた金属電極と回路基板上に設けた固定電極とが接触することで導通可能とする押釦スイッチ装置において、
前記金属電極が金属片からなり、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有することを特徴とする押釦スイッチ装置。
【請求項2】
前記開口が、金属電極の表面に1つ形成されたものである請求項1記載の押釦スイッチ装置。
【請求項3】
前記開口が、前記金属片の厚み方向に貫通する貫通孔に連なるものである請求項1または請求項2記載の押釦スイッチ装置。
【請求項4】
前記開口が、押圧操作部の肉厚を貫通する貫通孔に連なるものである請求項3記載の押釦スイッチ装置。
【請求項5】
金属電極に形成された貫通孔の孔縁が、キーシート本体側に屈曲形成されている請求項3または請求項4記載の押釦スイッチ装置。
【請求項6】
前記押込み空間に対面するエア抜き口を有する請求項1〜請求項5何れか1項記載の押釦スイッチ装置。
【請求項7】
前記エア抜き口が、隣接する押込み空間を連通させるベース部に設けた連通路である請求項6記載の押釦スイッチ装置。
【請求項8】
押し子部が中空に形成されている請求項1〜請求項7何れか1項記載の押釦スイッチ装置。
【請求項9】
キートップからの押圧力を受ける中空または中実の押圧操作部を有し、回路基板上に位置するゴム状弾性体でなるキーシート本体を備えるキーシートにおいて、
押圧操作部の回路基板との対向面に位置する押し子部に、回路基板上の固定電極と接触する金属片からなる金属電極を有し、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有することを特徴とするキーシート。
【請求項10】
前記開口が、金属電極の表面に一つ形成されたものである請求項9記載のキーシート。
【請求項11】
前記開口が、前記金属片の厚み方向に貫通する貫通孔に連なるものである請求項9または請求項10記載のキーシート。
【請求項12】
金属電極の開口率が、40%〜90%である請求項9〜請求項11何れか1項記載のキーシート。
【請求項13】
押圧操作を受ける中空または中実の押圧操作部を有し、回路基板上に位置するゴム状弾性体でなるキーシート本体を備え、該押圧操作部の回路基板との対向面に位置する押し子部に、回路基板上の固定電極と接触する金属片からなる金属電極を有し、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有するキーシートの製造方法において、
金属シートに開口と外周に位置する固定用の位置決め孔とを同時に形成した後、該位置決め孔で固定した金属シートを抜き加工して金属片を形成し、該金属片を押圧操作部の押し子部に一体化することを特徴とするキーシートの製造方法。
【請求項14】
押圧操作を受ける中空または中実の押圧操作部を有し、回路基板上に位置するゴム状弾性体でなるキーシート本体を備え、該押圧操作部の回路基板との対向面に位置する押し子部に、回路基板上の固定電極と接触する金属片からなる金属電極を有し、該金属電極にその外縁から離間して設けられる開口を有するキーシートの製造方法において、
金属シートの外周に固定用の位置決め孔を形成し、該位置決め孔で固定した金属シートに開口を形成した後、抜き加工して金属片を形成し、該金属片を押圧操作部の押し子部に一体化することを特徴とするキーシートの製造方法。
【請求項15】
金属シートの片面にゴム状弾性体でなる弾性シートを積層固着して積層シートを形成した後、金属シートに形成した位置決め孔で積層シートを固定して抜き加工し、片面に弾性層を有する金属片を形成する請求項13または請求項14記載のキーシートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2010−113936(P2010−113936A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285168(P2008−285168)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】