説明

振動プレートシステム

本発明による振動プレートシステムは、結合装置(1)を介して相互に機械的に結合された少なくとも2つの振動プレート(10,20,30)の結合体と、制御データを該振動プレートへ出力するための制御信号発生器(6)とを有する。各振動プレートは、制御データを受信するための受信装置(12,22,32)と、振動プレートを前方走行および後方走行させるための走行駆動機構と、結合体における該当の振動プレート(10,20,30)の位置を決定するための位置決定装置(13,23,33)とを有する。さらに、制御規則が格納された規則メモリが設けられており、この制御規則は、走行駆動機構を駆動制御するための制御手段の関係を、振動プレート(10,20,30)の位置と制御データによって得られる制御情報とに依存して定義する。各振動プレートにおいて固有の制御装置が、振動プレート(10,20,30)の位置と制御情報とに依存して適切な制御規則を選択し、これに相応して走行駆動機構を駆動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合装置を介して相互に機械的に結合された少なくとも2つの振動プレートの結合体を有する振動プレートシステムに関する。
【0002】
地面締固め装置として使用される振動プレートとして通常は、励振器によって印加される地面接触プレートを有する下体は、該下体に対して相対的に可動である上体も有し、これは励振器を駆動するための駆動機構を担持する。このような振動プレートは、実際に地面締固めに最良であることが実証されている。
【0003】
しかし、比較的大きな面締固めタスクが行われる場合は有利には、2つの振動ローラを有する比較的大きなローラ列が使用され、1つの振動プレートのみと比較して、高い面積性能が得られる。しかし静的な重量が大きいので、このようなローラ列をすべての適用例で使用することはできない。
【0004】
振動プレートによって同様に高い面積性能が得られるようにするためには、個々の振動プレートを結合装置によって相互に機械的に結合して結合体を構成することが知られている。たとえば2つまたは3つの振動プレートを相互に隣接してまとめると、2倍または3倍の作業幅が実現される。複数の振動プレートから成るこのような結合体は、たとえばGB‐A‐944922から公知である。
【0005】
DE‐A‐10053446でも、振動プレートを一緒に接続して結合体を構成する種々の手段が記載されている。この刊行物ではすでに、複数の振動プレートの結合体によって構成された振動プレートシステムを遠隔操作するために非常に高度に開発された制御コンセプトが記載されているが、この思想をさらに発展することが望まれている。とりわけ、複数の振動プレートのこのような結合体によって付加的に発生するソフトウェア上およびハードウェア上の制御の手間を可能な限り小さく抑えることにより、結合体の全体のコストを不必要に上昇させないようにすることに関心が向けられている。
【0006】
したがって本発明の課題は、相互に機械的に結合された複数の振動プレートから成る振動プレートシステムにおいて、比較的簡単に構成された振動プレートを不必要な制御手間なしで一緒に制御できる振動プレートシステムを提供することである。
【0007】
前記課題は本発明では、請求項1に記載の振動プレートシステムによって解決される。従属請求項に、本発明の有利な実施形態が記載されている。
【0008】
本発明による振動プレートシステムは、結合装置を介して相互に機械的に結合された少なくとも2つの振動プレートの結合体と、制御データを該振動プレートへ出力するための制御信号発生器とを有する。各振動プレートはそれぞれ、制御データを受信するための受信装置と走行駆動機構とを有し、この走行駆動機構は少なくとも振動プレートの前進および後退を可能にするように構成されている。個々の振動プレートが操舵可能である必要はない。むしろ、本発明のように振動プレートを結合して結合体を構成することにより、結合体を全体で操舵することができる。
【0009】
さらに各振動プレートに対して、結合体における該当の振動プレートの位置を決定するための位置決定装置が設けられている。この位置決定装置によって、どの位置に該当の振動プレートが存在するかを正確に決定ないしは求めることができる。さらに、たとえば3つの振動プレートを相互に隣接して結合する場合、1つの振動プレートは左側に存在し、第2の振動プレートは中間に存在し、第3の振動プレートは右側に存在する。また、3つの振動プレートを相互に前後に結合することもでき、その際には第1の振動プレートは前方に存在し、第2の振動プレートは中間に存在し、第3の振動プレートは後方に存在する。このようにして各振動プレートは、該振動プレートが結合体の中でどの位置をとっているかを「知る」ことができる。
【0010】
さらに本発明では、各振動プレートごとに規則メモリが設けられており、ここに制御規則が格納される。制御規則は、上記振動プレートの走行駆動機構を制御するための制御手段の関係を(たとえば前方向の走行、後方向の走行)、該振動プレートの位置と制御データによって得られた制御情報とに依存して定義する。さらに各振動プレートは、適切な制御規則を振動プレートの位置と制御情報とに依存して選択して該制御規則にしたがって走行駆動機構を制御するための制御装置を有する。
【0011】
この規則メモリは、たとえば値テーブルの形態で構成することができる。ここでは、該当の振動プレートの走行駆動機構に対する所定の制御手段が格納され、これは、結合体における振動プレートの予め検出ないしは求められた位置に応じて、かつ受信された制御データに依存して実行されるように構成されている。個々の振動プレートは、該振動プレートが振動プレートシステム内でどの位置に存在するかを知っているので、制御情報が制御信号発生器から来た場合、上記規則メモリによってそのつど適正な制御規則を選択することができる。
【0012】
一般的な前方走行ないしは後方走行の場合、個々の振動プレートの位置を知ることは、通常は重要ではない。しかし、カーブ走行ないしは回転の場合にはこのような情報が重要である。3つの振動プレートの結合体の場合、現在位置での回転は、外側の振動プレートのうち1つ(たとえば左側の振動プレート)が前方走行を行うと同時に、外側にある他方の振動プレート(右側の振動プレート)が後方走行を行って中間の振動プレートは推進力を生成しないことで可能になる。このようにして、振動プレートシステム全体を非常に簡単に制御できる一種の「戦車制御」が可能になる。
【0013】
もちろん、全体でカーブ走行が実現されるように、中間の振動プレートも付加的に前方向または後方向に運動することができる。
【0014】
有利には、制御信号発生器は遠隔制御送信装置を有することにより、該制御信号発生器および受信装置は無線遠隔制御部またはケーブル遠隔制御部または赤外線遠隔制御部の構成部分となるように構成することができる。実際には赤外線遠隔制御部が有利である。というのも、それ自体で知られる所定のセーフティ要求を容易に実現できるからである。
【0015】
本発明の特に有利な実施形態では、振動プレートそれぞれが、前記制御信号発生器によってその時点までに出力され受信装置によって受信された制御データを送信するための送信装置を有する。このことは、まず各振動プレートが受信装置によって制御データを制御信号発生器から受信することを意味する。その後に各振動プレートは、受信された制御データを、たとえば所定のタイムスキームにしたがって転送することにより、振動プレートが相互間で制御データを交換および調整することができる。このようにして、走行運動は常に、受信された制御データの調整が行われた場合にのみ実施されることを実現することができる。すべての振動プレートが制御信号発生器から同じ制御情報を受け取った場合にのみ、実際にこの制御アクションが実行される確実性が実現される。その際に初めて、相応する制御情報が各制御装置によって、各個別の振動プレートに対して個別の制御手段の形態に変換される。
【0016】
振動プレートの送信装置は有利には、無線区間、近距離無線(ブルートゥース)区間または赤外線区間の構成部分とすることができる。さらに、振動プレート間にケーブル接続を形成することもできる。
【0017】
択一的に、制御信号発生器はケーブルを介して制御データを、前記振動プレートのうち少なくとも1つへ伝送することもできる。その際には、すべての振動プレートが同じ「情報状態」を有するように、この制御データを1つの振動プレートから残りの振動プレートへ伝送しなければならない。
【0018】
それゆえ特に有利には、振動プレート間で該振動プレートの送信装置および受信装置を介して、該振動プレートによって受信された制御データに関するデータ交換が行われるのが有利である。その際には各振動プレートに対して、該振動プレートで受信された制御データを比較するため、すなわち、制御信号発生器から送信された制御データと他の振動プレートから送信された制御データとを比較するために調整装置が設けられている。その際にはもちろん、該当の振動プレートからどの制御データが受信されたかのみが重要である。というのも個々の振動プレートは、実際に送信された制御データに関する知識を他の手法では受け取らないからである。たとえば、中央の制御信号発生器と振動プレートとの間の伝送経路上に伝送エラーが存在する場合、振動プレートは場合によってはエラーを検出することなく、エラーを有する制御データを受け取ってしまう。すでに受信された制御データと他の振動プレートから送信されたデータとを調整することによって初めて偏差が検出され、相応の結論に至ることができる。このことにはたとえば、振動プレートが静止状態にされ、ないしは他の振動プレートも停止されることが含まれる。
【0019】
各振動プレートが結合体内の他の振動プレートすべてと通信する必要はない。むしろ、1つの振動プレートが1つの別の振動プレートとデータを交換するだけでも十分であり、また、最大でも2つの別の振動プレートとデータを交換するだけで十分である。たとえば、閉鎖的なチェーンを形成して、情報が複数の振動プレートを介して導かれて最終的に元の振動プレートに到達して戻って「情報チェーン」が閉じられるまで、そのつど1つの振動プレートが情報を1つの別の振動プレートへのみ出力するように構成することができる。
【0020】
本発明の特に有利な実施形態では、制御信号発生器はタイミングクロックを設定し、第1のタイミングクロック中に制御データを制御電文として送信して、該制御電文は振動プレートの受信装置によって受信される。次のタイミングクロック中に各振動プレートは、送信装置を介して該振動プレートの位置に依存して、該当の振動プレートに割り当てられたタイミングクロックで連続的に、受信された制御電文をそのつど他の振動プレートへ送信する。このことは、振動プレートが連続的に、制御信号発生器によって受信された制御電文を繰り返し、残りの振動プレートへ送信することを意味する。このようにして各振動プレートは、どのような制御電文を該振動プレートが受信したかを識別することができる。
【0021】
クロック制御によって制御データを制御電文の形態で連続的に送信する代わりに択一的に、制御データを同時に伝送することもできる。その際には、所定の符号化形式を選択するか、または種々の送信周波数で伝送を行う。このようにしてたとえば、すべての制御データを実質的に持続的に送信および受信し、かつ、データを送信周波数の点で区別することができる。また、バスシステムまたはローカルネットワーク(たとえばイーサネット)を簡単に設置して、データをデータパケットの形態で交換することができる。
【0022】
各振動プレートごとに、制御信号発振器および他の振動プレートから送信され該振動プレートで受信された制御電文をタイミングクロックの1サイクル中に比較するために調整装置が設けられている。したがってこの調整装置は各タイミングクロックごとに、所属の振動プレートによって受信された制御電文が、他の振動プレートから受信された制御電文に一致するか否かを比較する。偏差が存在する場合には、相応のセーフティ手段をとることができる。異なる制御電文が一致する場合のみ、操作者によって所望されており該制御電文から導出される制御手段がとられる。
【0023】
タイミングクロックの1サイクルは、制御電文を制御信号発振器から送信するためのタイミングクロックで開始し、最後の振動プレートから制御電文を送信するためのクロックタイミングで終了する。その後、制御信号発振器からの制御電文を送信で再び開始される新規のサイクルが続く。
【0024】
もちろん、操作者がこのタイミングクロックを遵守する必要はない。むしろ操作者は、制御信号発振器で相応の操作ボタンまたは操作レバーを持続的に押すことができる。その際にタイミングクロックは制御信号発生器によって自動的に生成され、制御信号発生器は上記のように、まずは制御電文を送信した後、相応の数のタイミングクロックをトリガ(停止)し、このタイミングクロック中に振動プレートは連続して、予め定義されたように制御電文を送信する。
【0025】
有利には、受信された制御電文がタイミングクロックの1サイクル中に相互に偏差する場合、調整装置は所属の振動プレートの制御装置へストップ命令を送信する。このことによって、制御装置は走行駆動機構をストップし、振動プレートは安全な状態にされる。このようにして、振動プレートシステムの周辺にある物または人が危険にさらされることはすべて排除される。
【0026】
選択的に、調整装置がそれぞれの振動プレートの制御装置のみにストップ命令を供給するか、または振動プレートシステム全体にストップ命令を供給する構成も可能である。
【0027】
走行駆動機構のストップには、振動プレートの推進および地面締め固めの双方に使用される駆動モータの回転数の低減および/または振動数の低減も含むことができる。ストップ命令によってたとえば、駆動モータを、それぞれに所属する振動プレートにおいて、該駆動モータが走行駆動機構をもはや駆動しない無負荷回転数に設定することができる。
【0028】
それに対して逆に、受信された制御電文が同一である場合、調整装置は走行命令を制御装置に送出する。これに基づいて、制御装置は走行駆動機構を、制御電文と該制御電文に関連する制御規則とに相応して制御し、振動プレートシステムをそれ自体で望ましい手法で移動することができる。
【0029】
本発明の特に有利な実施形態では近距離識別装置が、制御信号発生器と振動プレートの結合体との間の所定の最小距離を下回った場合に振動プレートシステムのすべての振動プレートの制御装置に対してストップ信号を生成するように構成される。DE‐A‐4221793およびDE10116526B4で、このような近距離識別装置を有する自走式の作業機器のための赤外線遠隔制御部が記載されている。DE‐A‐4221793からは、操作者によって持ち運びされる制御装置から、作業機器の機能制御のために設けられた赤外線制御放射の他に付加的に、該制御放射に対して格段に小さい強度を有する赤外線近距離放射が送信されることが公知である。このことにより、この近距離放射は送信器の近傍周辺でのみ、十分な強度で受信することができる。このような近距離放射の受信時には、振動プレートに設けられた受信ユニットにおいて、制御放射によって引き起こされる電気的信号の生成が抑圧される。このような電気的信号が抑圧されないと、作業機器の走行を引き起こしてしまう。このような赤外線遠隔制御では作業機器は、制御放射の受信領域内にありかつ近距離放射の到達範囲外にある場合のみ作動することができる。操作者と作業機器との間の所定の安全間隔を下回る場合、すなわち、作業機器に取り付けられた受信ユニットによって近距離放射が受信された場合、作業装置は停止される。
【0030】
このような近距離識別装置は本振動プレートシステムでも、操作者が振動プレートシステムに大きく接近するのを阻止するのに有利である。制御信号発生器を所持する操作者が所定の最小間隔を下回ると、振動プレートシステムは停止状態にされる。
【0031】
有利には、走行駆動機構は励振器によって構成される。このような励振器は通常、たとえば逆方向に回転する2つの平行なアンバランスシャフトを有し、これらの位相は相互に可変である。アンバランスシャフトの逆方向の回転で、振動の合成力ベクトルが発生し、これは位相位置に応じて、振動プレートの走行方向に前傾または後傾される。このアンバランスの適切な同期化によって、前記合成力ベクトルが垂直方向であるいわゆる現在位置振動に調整することもできる。
【0032】
本発明による振動プレートシステムでは、個々の振動プレートが操舵可能である必要はない。むしろ、振動プレートを前方向および後方向にのみ移動できるだけで十分である。もちろん振動プレートシステムにおいて、操舵可能な振動プレートを使用することもできる。しかし、その際には有利には、操舵をブロックないしは機能不能にして、振動プレートが実際には前方向および後方向にのみ走行できるようにすべきである。
【0033】
振動プレートは結合装置によって、有利には実質的に固定的に結合される。しかし結合装置は、振動プレートの相互間のある程度の相対可動性を可能にする弾性のエレメントを有することができ、たとえばゴム緩衝器を有することができる。
【0034】
振動プレートの完全に固定的な結合では、振動プレートシステムの振る舞いは剛性のローラバンデージに比類するようになる。このような結合の場合、締め固めるべき表面の比較的小さい凹凸は平坦化される。それに対して、この場合には窪地は、締め固めローラのように締め固められないままになってしまう。
【0035】
しかし、たとえばゴム緩衝器等の弾性エレメントによってある程度の相対可動性が保証される限りは、振動プレートをそのつど、該振動プレートが走行する下の地面に適合し、それによって、完全に平坦でない地面でも地面の輪郭に「密着」することができる。
【0036】
結合装置はたとえば、振動プレートの既存の保護フレームにねじ留めすることができ、その際には、該振動プレートを結合する十分な数の結合担体を設けなければならない。
【0037】
弾性エレメントを介して振動プレートは、該弾性エレメント(ゴム緩衝器)の変形可能範囲によって制限される角度をとることができる。
【0038】
本発明の前記利点および構成と、別の利点および構成とを以下で例に基づいて、添付図面を使用して詳細に説明する。
【0039】
図面
図1 本発明による振動プレートシステムを概略的な平面図で示す。
図2 制御規則を示す表である。
図3 クロックで送信される制御電文を示すスキームである。
図4 特定のタイミングクロック中の振動プレートシステムの状態を示す。
【0040】
図1には、本発明による振動プレートシステムが概略的な平面図で示されている。この振動プレートシステムは、相互に機械的に結合された3つの振動プレートを有し、すなわち第1の振動プレートA(参照記号10)と第2の振動プレート(参照記号20)と第3の振動プレートC(参照記号30)とを有し、これらの振動プレートは1つの結合体を成す。
【0041】
前記振動プレート10,20,30は結合装置を介して相互に結合されている。この結合装置は結合担体1を有し、結合担体1はたとえば、鋼4角管または鋼担体等によって形成することができる。結合装置の構成部分にはさらにゴム緩衝器11,21,31があり、このゴム緩衝器11,21,31を介して結合担体1は振動プレート10,20,30に固定されている。要求に応じて複数の結合担体1を設けることもできる。
【0042】
したがって結合担体1は、振動プレート10,20,30相互間の実質的に固定的な結合を保証する。とりわけ振動プレートは、走行方向に相互に平行に維持される。しかし、振動プレートシステム全体の移動時に、地面の比較的小さい凹凸に適合できるようにするために、振動プレート10,20,30は、ゴム緩衝器11,21,31を介して行われる適合により、該ゴム緩衝器11,21,31の弾性および変形性によって予め決定される特定の限界内で相互に相対的に可動である。このことによって振動プレート10,20,30は、3つの空間軸を中心に、該振動プレート10,20,30と結合担体1との固定点に対して相対的に回転することができる。このような可動性により、振動プレートシステムは凹凸の地面に適合し、かつ比較的小さい障害物を平坦化することができる。それゆえ、固定的なローラバンデージと比較して改善された締め固め特性が得られる。振動プレート10,20,30が複数の結合担体1によって結合される場合、このような相対可動性は大きく制限される。
【0043】
結合装置は図1では一例で示されているだけである。もちろん、複数の振動プレートが相互に機械的に結合されて全体システムを成す別の数多くの変形形態も容易に考えられる。たとえば、振動プレートを轅の機械的な結合によって実現することもできる(後で説明される轅4を参照されたい)。振動プレート10,20,30は、それぞれの端面で相互に結合することもできる。
【0044】
各振動プレート10,20,30は公知のように、駆動機構たとえば内燃機関を有する上体2と、該上体2に対して相対的にばね運動可能な下体3とを有し、該下体3は、地面接触プレートと、該地面接触プレートに印加する励振器とを有する。励振器の一例はすでに上記で、従来技術を参照して説明した。本発明で使用される励振器は公知の励振器と相違しない。とりわけ、いわゆる2軸励振器が適している。この2軸励振器では、相互に平行に配置された2つの不平衡軸が形状接続的に相互に逆方向に回転することにより、合成振動力を生成する。この合成力は、地面締め固めのための振動のみを引き起こすだけでなく、それと同時に、不平衡軸の相互間の位相位置が適切である場合には走行方向(前方または後方)に推進作用も引き起こす。それゆえ不平衡軸の位相位置は、それ自体で知られる位相調整装置によって変化可能でなければならない。
【0045】
位相位置の調整の他に択一的に、駆動機構のうち1つの駆動機構の回転数またはすべての駆動機構の回転数の変化によって、力作用を変化することもできる。
【0046】
したがって励振器は、個々の振動プレートに対する走行駆動機構にもなる。
【0047】
図1に示された振動プレートシステムでは例として、振動プレート10,20,30それぞれに轅4が設けられており、該轅4の端部にはそれぞれハンドグリップ5と、場合によっては、上体3における駆動機構を駆動制御するための制御エレメントまたは励振器において不平衡軸の位相位置を変化するための制御エレメントとが設けられている。振動プレート10,20,30が結合担体1によって結合されていない場合、轅4およびハンドグリップ5は操作者によって、振動プレートを手動で案内するために使用される。その点では、各振動プレート10,20,30を単独モードで有利に使用することもできる。結合担体1によって結合されることでのみ、本発明による振動プレートシステムは構成される。その際には、振動プレートシステムの総質量は大きいので、轅4を折り畳むのが目的に適っている。その理由は、轅4は運転状態では機能せず、必要な手動による力が過度に大きいために操作者が轅4を有意に操作できなくなるからである。
【0048】
振動プレートシステムの制御は、有利には遠隔制御によって行われ、たとえば無線遠隔制御または赤外線遠隔制御によって行われる。図1の例では赤外線遠隔制御部が示されており、この赤外線遠隔制御部には、送信装置として使用される制御信号発生器6と、それぞれ振動プレート10,20,30に割り当てられた受信装置12,22,32とが所属する。この受信装置は、たとえば赤外線眼として構成される。
【0049】
制御信号発生器6に設けられたキーまたはスイッチまたはレバーを介して、操作者は制御要望を入力し、この制御要望は赤外線区間を介して制御データとして振動プレート10,20,30へ供給され、該振動プレート10,20,30で受信装置12,22,32によって受信される。この制御データは次に、振動プレート10,20,30それぞれにおいて、図中にない制御装置へ供給される。
【0050】
振動プレート10,20,30を結合担体1によって単純に機械的に結合することにより、操作者に対して制御時に非常に大きな要求を課すと同時に大きな肉体酷使を必要とする振動プレートシステムが構成されることが実証されている。上記のように、各振動プレートを単独モードでも作動できるようにしなければならない。したがって各振動プレート10,20,30は、駆動モータに対する専用のアクセルを有する。力伝達が駆動モータから励振器まで遠心力クラッチを介して行われるモデルの場合、振動プレート10,20,30にあるアクセルは連続的に引かれるか、ないしは方向制御レバーが連続的に操作されることにより、他の振動プレートがスピードアップされる前に、1つの振動プレートはすでに発進してしまう。それによってシステム全体はすでに開始時から、操作者が所望しない未定義の方向に運動してしまう。
【0051】
さらに、操作者が振動プレートシステムの方向を変化するのは非常に困難である。すでに述べたように振動プレートシステムは、走行方向を手動で補正するのが非常に困難であるほど大きな質量を有する。個々の振動プレートにある走行駆動機構(励振器)を遠隔制御モードで駆動制御するためには、操作者は複数の遠隔制御装置を必要とし、所望の走行振る舞いを実現するためには、これらの遠隔制御装置をまさしく巧みに同時に操作しなければならない。
【0052】
それに対して本発明による振動プレートシステムでは、制御のために1つの制御信号発生器で十分である。制御信号発生器には必要な操作エレメントが設けられており、たとえば、1つの振動プレートの場合でも操作者が行わなければならないような、前方走行、後方走行、左側走行、右側走行および現在位置振動を設定するために必要な操作エレメントが設けられている。振動プレートシステムは、この操作者の設定に相応して振舞う。
【0053】
こうするために制御信号発生器6は、たとえば赤外線信号方式で、制御データを制御電文として、3つすべての振動プレート10,20,30へ送信し、これら振動プレート10,20,30において該制御データは受信装置12,22,32によって受信される。
【0054】
本発明では、各振動プレート10,20,30は位置決定装置13,23,33を有する。図1に示された例では、位置決定装置13,23,33は回転スイッチの形態で、それぞれ轅4の端部に取り付けられている。これに対して択一的に、スイッチ、キー、符号化器等も使用することができる。ここで重要なのは、各振動プレート10,20,30が結合体においてどの位置に位置するかの情報を各振動プレート10,20,30が受け取ることである。
【0055】
スイッチを使用する代わりに、位置決定装置13,23,33を自動的に動作させることも可能である。たとえば、各位置決定装置13,23,33にGPSシステムを設け、これを使用して、衛星信号の評価によって地球座標系における非常に正確な位置決定が行われるように構成する。
【0056】
また、位置決定装置が相互間の相対的位置に基づいて、(振動プレートが3つである場合)該位置決定装置のうちどれが中間に位置し、どれが左側に位置し、どれが右側に位置するかを検出することもできる。その際には、信号の伝搬時間差を評価することもできる。
【0057】
自動的な位置決定装置の場合には、各振動プレートは結合体における位置を自分で求めることができる。
【0058】
このことに相応して、図1に示された例では、位置決定装置13として使用される回転スイッチは、情報「左側」に相応する位置にセットされる。振動プレート10はこのことに相応して、3結合体において左側の位置に存在することを把握する。これに相応して、振動プレート20の回転スイッチ23は「中間」位置にセットされ、振動プレート30の回転スイッチ33は「右側」にセットされる。
【0059】
図1に示された例は、本発明による振動プレートシステムの1つの実施形態を示すだけである。もちろん、たとえば2つまたは4つまたはそれ以上の数の振動プレートを有する別の構成も可能である。さらに、振動プレートを1列に並べて配置する必要もない。振動プレートを複数の列に相互に前後して配置することもできる。たとえば「もみの木配置」形式を選択して、特に強力な地面締め固めを実現することができる。
【0060】
これらの例ではいずれも、各個別の振動プレートが結合体においてどの位置にあるか、各個別の振動プレートが「知る」必要がある。
【0061】
さらに各振動プレート10,20,30は、有利には制御装置に設けられた規則メモリを有し、この規則メモリには、所定の制御規則がたとえば値テーブルの形態で格納されている。
【0062】
制御規則は、走行駆動機構を駆動制御するための制御手段の関係(不平衡軸の前方向または後方向の位相位置)を、制御信号発生器6から受け取られた制御情報と振動プレートの位置とに依存して定義する。したがって個々の振動プレートは、どのような制御情報(制御要望)が制御信号発生器6から操作者によって出力されたかのみを知るだけでなく、上記のように、結合体全体における該振動プレートの位置も把握し、これにしたがって規則メモリから、この特定の適用例に適合する制御規則を選択することができる。
【0063】
これに相応して制御装置は、振動プレートの位置と制御情報とに依存して所定の制御規則を選択し、走行駆動機構/励振器を該制御規則にしたがって駆動制御する。
【0064】
図2に、制御規則を示す表が挙げられている。このような値テーブルは、たとえば各振動プレート10,20,30に規則メモリとして格納されている。個々の振動プレート10,20,30は振動プレートA,B,Cとしてこの表に示されている。図1の内容に相応すれば、振動プレートAは左側に位置し、振動プレートBは中間に位置し、振動プレートCは右側に位置する。この位置情報は振動プレートA,B,Cに既知である。各振動プレートA,B,Cに対して図2の表から、走行駆動機構ないしは励振器の制御手段が、制御信号発信器6によって送信された制御情報に依存して得られる。
【0065】
操作者の要望が振動プレートシステムの直進走行である場合、3つすべての振動プレートA,B,Cの走行駆動機構は前方走行に設定される(符号 "+")。後方走行の場合、これに相応して逆のことが当てはまる(「後方向」欄、符号 "−")。現在位置振動の場合(符号 "0")、個々の振動プレートにおいて励振器は、推進力を生成せずに垂直振動のみを生成するように調整される。
【0066】
ここで興味深いのは、左側走行または右側走行の場合の制御手段である。振動プレートシステムが左側走行する場合には、左側に配置された振動プレートすなわち振動プレートAは、曲線半径を可能な限り小さくするために後方に運動すべきである。これに相応して、振動プレートAの励振器は制御命令 "−"(後方走行)を受け取る。それに対し、右側の外側にある振動プレートCは前方走行すべきである(制御手段 "+")。中間の振動プレートに関しては、操作者の要望に応じて現在位置振動 "0" または前方走行 "+" に調整することができ、その際には、現在位置振動によって現在位置での回転が行われ、前方走行によって左側カーブ走行が行われる。こうするためにはたとえば、制御信号発生器6におけるジョイスティックの位置も決定に関与することができる。
【0067】
すでに述べたように、制御規則は各振動プレート10,20,30において規則メモリに格納されており、各振動プレートは結合体における該振動プレート自体の位置を知るので、各振動プレートは、相応に重要な制御規則を導き出し、該振動プレート自体の励振器を所望のように駆動制御することもできる。
【0068】
赤外線区間を介して制御データを伝送するためには常に、送信側(制御信号発生器6)と受信装置12,22,32との間に良好なラインオブサイトが必要である。しかしながら、信号伝送時には妨害が生じる可能性もある。すべての振動プレート10,20,30が同じ制御情報を制御信号発生器6から受け取り、振動プレートシステムが実際にも、操作者によって所望されたように振舞うことを保証するためには、受信された制御データが、振動プレート10,20,30間で行われるデータの交換によって常に調整される。
【0069】
図3に、このようなデータ交換の一例が示されている。
【0070】
送信側として使用される制御信号発生器6はデータ交換のためのタイミングクロックを設定する。第1のタイミングクロック(図3におけるクロック1)中に制御信号発生器6は制御データをブロックごとに制御電文として送信する(斜線のバルク)。この制御電文は振動プレート10,20,30の受信装置12,22,32によって受信される。
【0071】
次のタイミングクロック2〜4中に振動プレート10,20,30(ないしはA,B,C)は連続して、該振動プレート10,20,30がそれぞれその時点より前に制御信号発生器6から受信した制御電文を送信する。こうするために各振動プレート10,20,30は固有の送信装置を有し、この送信装置は有利には、受信装置12,22,32に一緒に組み込まれている。こうすることにより、構成上の手間を小さく抑えることができる。
【0072】
図3に示されたように、振動プレートAは第2のクロックで制御電文を送信し、振動プレートBは第3の制御クロックで、制御信号発生器6から予め第1のクロックで受信した制御電文を送信し、振動プレートCは第4の制御クロックで、制御信号発生器6から予め第1のクロックで受信した制御電文を送信する。
【0073】
これと平行して各振動プレートでは、クロック1で制御信号発生器6から受信された制御電文と、次のクロックで他の振動プレートから受信された制御電文との比較が行われる。こうするために、制御装置に相応の調整装置を設けることができる。
【0074】
制御電文が一致しないことを振動プレート10,20,30のうち1つが検出した場合、このことから、通信に問題が存在することを導き出す。これに基づいて振動プレートは自動的に安全な状態に移行され、たとえば現在位置振動に移行されるか、または駆動モータが無負荷回転数でなお動作する停止状態に移行される。他の振動プレートも相応に、制御電文の偏差を検出して、安全な状態になる。このことに対して択一的に、振動プレートが制御電文の偏差を検出した後にストップ信号を他の振動プレートへ送信する構成も可能である。
【0075】
それに対して振動プレート10,20,30が、受信された制御電文が一致することを検出した場合には、たとえば図2中の表に示された制御規則にしたがって、必要な制御手段をとる。
【0076】
そのつど、1サイクル中に受信ないしは送信された制御電文は比較される。1サイクルは通常の場合、振動プレートシステム内の振動プレートの数と制御信号発生器6とを加算した数によって定義される。それによれば、図1の振動プレートシステムの1サイクルは、図3に示されたように4タイミングクロックを有する。4クロックのサイクルの経過後、制御信号発生器6は再び制御電文を送信し、これに対して振動プレートはデータ比較を続行する。タイミングクロックは非常に小さく抑えることができ、たとえば秒領域またはミリ秒領域に抑えることができる。補足的に図4に、図3に示されたクロック第3番を例に、振動プレートシステムの振る舞いが示されている。
【0077】
補足的に図4に、図3に示されたクロック第3番を例に、振動プレートシステムの振る舞いが示されている。この時点では振動プレートBのみが送信し、制御信号発生器6および振動プレートA,Cは送信しない。しかし、振動プレートAおよびCは受信状態にあり、振動プレートBから制御電文を受信して評価することができる。
【0078】
以上では基本的に、すべての振動プレート間で情報調整を行うために通信が行われる本発明の振動プレートシステムを説明した。しかし情報調整を、隣接する振動プレート間でのみ行うこともできる。しかし、3結合体(図1)の場合に中間に配置された振動プレート20はその際にも、隣接する2つの振動プレート10,30と通信しなければならない。それに対して、外側に配置された振動プレート10,30は相互間で通信せずに、もっぱら中間に配置された振動プレート20と通信する。
【0079】
上記ですでに述べたように、各振動プレート10,20,30は結合体外部で個々に使用することもできる。振動プレート10,20,30は操舵可能でなくてもよいので、遠隔制御部を使用しないで該振動プレート10,20,30を制御することもできる。むしろ操舵は、もっぱら轅4およびハンドグリップ5を介して行われる。単独モードでは、送信器が組み込まれたデータ交換用の受信装置12,22,32は機能しない。
【0080】
本発明による振動プレートシステムは、統一した制御信号発生器と、個別に振動プレートに格納された制御規則と、オプションのデータ調整とによって確実かつ簡単に制御することができる。特に有利にはこの制御は、たとえばDE‐A‐10053446に記載された走行方向安定化によって補完することができる。それによれば、振動プレートシステムの走行運動の実際値を検出するための運動検出装置を各振動プレートごとに設けるか、または振動プレートシステム全体に対して統一的に(たとえば結合担体1に配置して)設けることができる。この実際値は走行調整装置において、操作者によって設定された目標値と比較される。目標値は制御情報として、制御信号発生器6から得られる。差が検出された場合、走行調整装置は適切な制御電文を振動プレート10,20,30へ送信することによって、走行運動を補正する。その点では、走行調整装置の制御命令が制御信号発生器6からの制御命令を補足するかまたは完全にオーバーラップできるように装置を設けなければならない。このことはたとえば、制御信号が異なる周波数領域で送信されることによって実現される。しかし、DE‐A‐10053446では走行調整装置は、振動プレートシステム全体を操舵するために個々の走行駆動機構を制御するために使用されるのに対し、ここでは統一的な制御情報が1つだけ、振動プレートの結合体全体に対して供給される。これによって個々の振動プレートはそれぞれ、システム全体に重要な走行調整装置の設定(左側走行、右側走行、直進走行等)を満たすためにはどのように振舞うべきかを把握する。
【0081】
走行調整装置は、たとえば振動プレートのうち1つにのみ設けることができる。また択一的に、振動プレートを結合体に依存せずに設け、外部から走行運動の実際値と操作者要望とを比較することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明による振動プレートシステムを概略的な平面図で示す。
【図2】制御規則を示す表である。
【図3】クロックで送信される制御電文を示すスキームである。
【図4】特定のタイミングクロック中の振動プレートシステムの状態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動プレートシステムにおいて、
‐結合装置(1,11,21,31)を介して相互に機械的に結合された少なくとも2つの振動プレート(10,20,30)の結合体と、
‐制御データを該振動プレートへ出力するための制御信号発生器(6)
とを有し、
各振動プレート(10,20,30)は、
‐該制御データを受信するための受信装置(12,22,32)と、
‐該振動プレート(10,20,30)を前方走行および後方走行させるための走行駆動機構と、
‐該結合体における該当の振動プレート(10,20,30)の位置を決定するための位置決定装置(13,23,33)と、
‐該走行駆動機構を駆動制御するための制御手段の関係を該振動プレート(10,20,30)の位置と該制御データによって与えられた制御情報とに依存して定義する制御規則が格納された規則メモリと、
‐該振動プレート(10,20,30)の位置と該制御情報とに依存して適切な制御規則を選択し、該走行駆動機構を該制御規則に相応して駆動制御するための制御装置
とを有することを特徴とする、振動プレートシステム。
【請求項2】
前記制御信号発生器(6)は遠隔制御送信装置を有する、請求項1記載の振動プレートシステム。
【請求項3】
前記制御信号発生器(6)および前記受信装置は、無線遠隔制御部またはケーブル遠隔制御部の構成部分である、請求項1または2記載の振動プレートシステム。
【請求項4】
前記制御信号発生器(6)および前記受信装置(12,22,32)は赤外線遠隔制御部の構成部分である、請求項1または2記載の振動プレートシステム。
【請求項5】
各振動プレート(10,20,30)は、その時点より前に前記制御信号発生器(6)から出力され前記受信装置(12,22,32)によって受信された制御データを送信するための送信装置(12,22,32)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の振動プレートシステム。
【請求項6】
前記送信装置(12,22,32)は、無線区間または近距離無線区間(ブルートゥース)またはケーブル区間または赤外線区間の構成部分である、請求項5記載の振動プレートシステム。
【請求項7】
‐前記振動プレート(10,20,30)間で該振動プレートの送信装置と受信装置(12,22,32)との間において、該振動プレートによって受信された制御データに関するデータ交換が行われ、
‐各振動プレート(10,20,30)に、前記制御信号発生器(6)および他の振動プレート(10,20,30)によって送信され各振動プレートで受信された制御データを比較するために調整装置が設けられている、請求項5または6記載の振動プレートシステム。
【請求項8】
‐前記制御信号発生器(6)はタイミングクロックを設定し、
‐該制御信号発生器(6)は第1のタイミングクロック中に制御データを制御電文として送信し、該制御電文は前記振動プレート(10,20,30)の受信装置によって受信され、
‐次のタイミングクロック中に、各振動プレートは該振動プレートの送信装置を介して、該振動プレートの位置に依存して連続的に、該当の振動プレートに割り当てられたタイミングクロック中に、受信された該制御電文を、それぞれ他の振動プレートに送信し、
‐各振動プレート(10,20,30)において前記調整装置は、該制御信号発生器(6)および他の振動プレート(10,20,30)によって送信され各振動プレートによって受信された制御電文をタイミングクロックの1サイクル中に比較するために使用される、請求項7記載の振動プレートシステム。
【請求項9】
1サイクルは、制御電文を前記制御信号発生器(6)から送信するためのタイミングクロックで開始され、最後の振動プレートから制御電文を送信するためのタイミングクロックで終了される、請求項8記載の振動プレートシステム。
【請求項10】
受信された制御電文が相互に偏差する場合、各振動プレート(10,20,30)において前記調整装置はストップ命令を前記制御装置へ送出して、該制御装置は前記走行駆動機構を停止する、請求項7から9までのいずれか1項記載の振動プレートシステム。
【請求項11】
前記走行駆動機構の停止は、前記振動プレート(10,20,30)の推進に使用される回転数の低減および/または振動数の低減を含む、請求項10記載の振動プレートシステム。
【請求項12】
‐受信された制御電文が同一である場合には、前記調整装置は前記制御装置へ走行命令を送出し、
‐該制御装置は、該制御電文と該制御電文に関連付けされた制御規則とに相応して前記走行駆動機構を駆動制御する、請求項7から11までのいずれか1項記載の振動プレートシステム。
【請求項13】
前記制御信号発生器(6)と前記振動プレートの結合体との間の所定の最小間隔を下回った場合、すべての振動プレート(10,20,30)の制御装置に対してストップ命令を生成するために、近距離識別装置が設けられている、請求項1から12までのいずれか1項記載の振動プレートシステム。
【請求項14】
前記走行駆動機構は励振器によって構成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の振動プレートシステム。
【請求項15】
前記振動プレート(10,20,30)は前記結合装置(1)によって、実質的に固定的に結合されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の振動プレートシステム。
【請求項16】
前記結合装置(1)は弾性エレメント(11,21,31)を有し、
該弾性エレメントによって、前記振動プレート(10,20,30)の相互間の相対可動性が実現される、請求項1から15までのいずれか1項記載の振動プレートシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−500156(P2009−500156A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519841(P2008−519841)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006372
【国際公開番号】WO2007/003368
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(503048268)ワツカー コンストラクション イクイップメント アクチェンゲゼルシャフト (27)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Construction Equipment AG
【住所又は居所原語表記】Preussenstrasse 41, D−80809 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】