説明

排気系の昇温装置、及び排気系の拡張昇温装置、並びにそれらを用いた内燃機関のフィルタ再生装置、及び内燃機関の排気浄化装置

【課題】排気ガス温度が低いときには、パティキュレートフィルタの再生が充分に行えず、白煙発生の未然防止、白煙の削減が困難である。
【解決手段】排気通路で燃料を燃焼させて形成される従来技術の火炎などに較べて極めて小さな火炎を継続的且つ安定的に形成し、また上記火炎を核にして更にそれを増幅した火炎を形成し、それで排気通路を加熱し、例えば、燃料の気化、酸化触媒の活性などを促進し、パティキュレートフィルタを再生し、又はパティキュレートフィルタから排出された白煙を酸化して減らし、その場合に内燃機関の運転状況にかかわらず確実に作動し、省エネルギ性に優れ、内燃機関に容易に後付けできる可能性が高く、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高く、酸化触媒を用いないときには燃料の選択範囲を広げることが可能となる排気系の昇温装置100及び排気系の拡張昇温装置200などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の技術分野に属し、上記内燃機関の排気通路を昇温させる排気系の昇温装置、及び排気系の拡張昇温装置と、それらを用いた内燃機関のフィルタ再生装置、及び内燃機関の排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気ガスに含まれる粒子状物質(パティキュレートマターともいう)を捕集する排気浄化装置として、排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設けたものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。このような排気浄化装置では、上記パティキュレートフィルタが目詰まりすると、例えばバーナや電気ヒータなどにより捕集された粒子状物質を酸化、燃焼させ、これによって上記パティキュレートフィルタを上記内燃機関から取り外すことなく再生するようにしている。
【0003】
これに対し、特許文献3ないし5は、内燃機関の排気ガスの熱を利用してパティキュレートフィルタを再生する装置を開示している。これらの技術は、上記特許文献1及び2の技術に較べると、排気系の外部から受ける例えば燃料や電気エネルギーなどの量が比較的少なくて済むので省エネルギー性が認められると共に、装置の構成が比較的簡単、小型になる可能性があり、コストが低減される可能性がある。まず、特許文献3には、レールインジェクションシステムを備えたディーゼルエンジンの排気通路に、微粒子フィルタを設け、フィルタの再生時期になると、燃料噴射弁によるメイン噴射直後の膨張行程でポスト噴射を実行するようにした排気浄化装置が開示されている。このような排気浄化装置では、上記ポスト噴射された燃料の燃焼により上記微粒子フィルタに捕集された粒子状物質の酸化が促進され、上記微粒子フィルタから粒子状物質が除去され、上記微粒子フィルタが再生される。
【0004】
また、特許文献4には、ディーゼルエンジンの排気管にパティキュレートフィルタを備え、上記パティキュレートフィルタの上流で燃料を噴射して燃焼させることにより、上記パティキュレートフィルタの昇温を行うバーナ装置を備えた排気浄化装置が開示されている。このような排気浄化装置では、上記燃焼による上記昇温により上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化が促進され、上記パティキュレートフィルタから粒子状物質が除去され、上記パティキュレートフィルタが再生される。特許文献5も同様の技術を開示している。
【0005】
さらに、特許文献6には、内燃機関の排気通路に、排気ガスに含まれる主として黒煙(スス)などの粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路の上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を設けた内燃機関の排気浄化装置が開示されている。このような排気浄化装置では、上記酸化触媒において排気ガスに含まれる粒子状物質が酸化され、また排気ガスに含まれるCO、HC、SOFなどの物質が酸化されてCO2や水などに変わり、この酸化反応によって排気ガスが加熱され、高温になった排気ガスが上記パティキュレートフィルタに流れ込むため、上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化が促進され、上記パティキュレートフィルタから粒子状物質が除去され、上記パティキュレートフィルタが再生される。
【0006】
また、特許文献7は、内燃機関の排気通路に、排気上流側から順に酸化触媒とDPFを設けた内燃機関の排気ガスを浄化する排気ガス浄化システムにおいて、排気ガス温度判断手段によりDPFの出口側における排気ガス温度が所定の設定値未満だと判断した場合、排気ガス温度調整手段により排気ガスを酸化触媒の活性温度まで昇温させる白煙防止運転を開始する排気ガス浄化システムを開示している。この排気ガス浄化システムによれば、白煙の発生を防止する白煙防止運転を精度良く行うことができ、燃料の消費を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−185611号公報
【特許文献2】特開平10−131740号公報
【特許文献3】特開2005−248964号公報
【特許文献4】特開2010−106728号公報
【特許文献5】特開2009−167950号公報
【特許文献6】特開2005−320880号公報
【特許文献7】特開2010−270690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように上記内燃機関の上記排気ガスの熱を利用して上記パティキュレートフィルタを再生する場合、上記パティキュレートフィルタに捕集された上記粒子状物質の酸化を促進するためには、上記パティキュレートフィルタ入口の排気ガス温度を或る程度の温度(例えば約600℃前後の温度)よりも高く保つ必要がある。しかし、例えば上記内燃機関のアイドリング時、又は上記内燃機関の減速時など燃料供給をカットしている時などの排気ガス温度は、上記内燃機関に負荷がかかっているときの排気ガス温度に較べて非常に低い。また、上記特許文献4及び5の技術の場合、放電端子又はセラミックグロープラグにより燃料に着火するようにしているが、排気ガス流に晒されるなかで確実に着火することが難しく、運転条件によっては失火が頻発し、安定して燃焼させることができない。このようなことから、上記特許文献3ないし5の技術の場合、ポスト噴射された燃料又はバーナーからの噴射燃料による燃焼が充分に行われず、未燃燃料により白煙が発生するおそれがある。さらに、上記特許文献6及び7の技術の場合、排気ガス温度が低いと上記酸化触媒が上記活性温度(例えば約250℃前後の温度)にまで至らないので、上記酸化触媒が活性を得られない。特許文献7で開示された排気ガス浄化システムでは、排気ガス温度が低くて上記酸化触媒が上記活性温度にまで至らないと、上記排気ガスに含まれる未燃燃料、又はポスト噴射された燃料もしくはバーナーからの噴射燃料などが上記酸化触媒又は上記パティキュレートフィルタに溜まり、この燃料が排気ガスの温度上昇に伴って上記酸化触媒又は上記パティキュレートフィルタから白煙として排出され、この白煙が大気中に放出されることがある。特許文献7で開示された排気ガス浄化システムでは、上記内燃機関の排気通路に、排気上流側から順に上記酸化触媒と上記DPFを設けたが、仮に上記酸化触媒が無いときであっても、上記パティキュレートフィルタ入口の排気ガス温度が低いと、上記排気ガスに含まれる未燃燃料、又はポスト噴射された燃料もしくはバーナーからの噴射燃料などが上記パティキュレートフィルタに溜まり、この燃料が排気ガスの温度上昇に伴って上記パティキュレートフィルタから白煙として排出され、この白煙が大気中に放出されることがある。その場合、上記内燃機関の排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気下流側に酸化触媒を設け、上記酸化触媒により上記パティキュレートフィルタから排出された白煙の酸化を促進することが考えられるが、上記酸化触媒が上記活性温度にまで至らないときには、上記酸化触媒が活性を得られない。すなわち、上記特許文献3ないし7の技術を投入しても、また上記パティキュレートフィルタの排気下流側に酸化触媒を設けるという提案を実行したとしても、上記排気ガス温度が低いときには、上記パティキュレートフィルタの再生が充分に行えず、白煙の発生を未然に防止したり、発生した白煙を酸化して減らすことは困難である。また、上記特許文献3ないし7の技術を用いる場合、消費するエネルギを出来るだけ節約することが切望されている。さらに、上記特許文献3ないし7の技術を用いる場合、既存の内燃機関に追加して設ける後付けをする場合、施工が容易であることが望まれる。なお、上記特許文献1ないし5の技術は、上記酸化触媒を用いていないので、上記内燃機関の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えないという利点がある。
【0009】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、上記排気通路で上記燃料を燃焼させて形成される従来技術の火炎などに較べて極めて小さな火炎を継続的且つ安定的に形成し、また上記火炎を核にして更にそれを増幅した火炎を形成し、それによって排気通路を加熱して、例えば、燃料の気化、酸化触媒の活性などを促進し、パティキュレートフィルタを再生し、又はパティキュレートフィルタから排出された白煙を酸化して減らし、その場合に内燃機関の運転状況にかかわらず確実に作動し、省エネルギ性に優れ、上記内燃機関に容易に後付けできる可能性が高く、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高く、酸化触媒を用いないときには燃料の選択範囲を広げることが可能となる排気系の昇温装置及び排気系の拡張昇温装置を提供することにある。本発明の更なる目的は、上記排気系の昇温装置又は上記排気系の拡張昇温装置を利用して、上記パティキュレートフィルタの再生を行える内燃機関のフィルタ再生装置、及び上記パティキュレートフィルタから排出された白煙を酸化して減らすことができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、次の各発明をなした。まず、本発明の第1の排気系の昇温装置は、内燃機関の排気通路を昇温させる排気系の昇温装置であって、
内部に、底面と上記底面の周囲から立ち上がる周囲面とにより、上記周囲面の周縁に形成された排出口で外部に開放された昇温室が形成された昇温部材と、
上記昇温部材の外部に配置され、一端が上記底面に開口するように上記昇温部材に接続されると共に他端が閉塞された筒状の収容部材と、
一端が上記収容部材の内部に接続され、液体燃料が供給されることになる液体燃料配管と、
通電により発熱する棒状の発熱部を有し、この発熱部が上記収容部材の内部から上記開口を経て上記昇温室に突き出るように且つ上記発熱部と上記収容部材との間に全周にわたって隙間が形成されるように上記収容部材に設けられた発熱部材と、
上記底面から上記発熱部の先端付近まで立ち上がり、上記発熱部における上記昇温室に突き出た突出部との間に全周にわたって隙間ができると共に、上記底面側の端縁と上記底面との間に隙間ができるように上記昇温部材に設けられた筒状の包囲部材と、
一端が空気出口として上記昇温室に導入されるように上記昇温部材に接続され、空気が供給されることになる空気配管とを備え、
上記液体燃料配管から上記収容部材に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管から上記昇温室に空気を供給し、且つ上記発熱部材に通電すると、上記収容部材に供給された上記液体燃料が上記発熱部により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記発熱部の上記先端と上記包囲部材の上記反底面側の端縁との間から上記昇温室に拡散して上記空気配管からの空気と混合して一次混合気を生成し、この一次混合気が上記発熱部により加熱されて連続的に燃焼し、上記底面に溜まった上記液体燃料が上記一次混合気の燃焼熱により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記昇温室に拡散して上記空気配管からの空気と混合して二次混合気を生成し、この二次混合気が上記一次混合気の燃焼熱により加熱されて燃焼するように構成した排気系の昇温装置である。
【0011】
上記排気系の昇温装置を内燃機関の排気通路に設けて上記排気系の昇温装置を作動させると、上記一次混合気及び上記二次混合気が燃焼して火炎が形成され、その燃焼熱により上記排気通路に高温の排気ガスが形成される。そして、この高温の排気ガスにより、上記排気通路が加熱される。そのため、例えば、上記内燃機関が、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により上記パティキュレートフィルタの排気上流側の上記排気通路に燃料を供給するようにした内燃機関であるときには、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により上記排気通路に供給された燃料の気化が促進され、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。また、例えば、上記内燃機関が、上記排気通路に排気上流側から順に酸化触媒とパティキュレートフィルタとが設けられた内燃機関であるときには、上記酸化触媒の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。さらに、例えば、上記内燃機関が、上記排気通路に排気上流側から順にパティキュレートフィルタと酸化触媒とが設けられた内燃機関であるときには、それらの間に上記排気系の昇温部材を設けることで上記酸化触媒の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタから排出された白煙が酸化されて減る。
【0012】
その場合、上記昇温部材の内部において、上記収容部材に供給された上記液体燃料が上記発熱部により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記発熱部の上記先端と上記包囲部材の上記反底面側の端縁との間から上記昇温室に拡散して上記空気配管からの空気と混合して一次混合気を生成し、この一次混合気が上記発熱部により加熱されて連続的に燃焼するので、排気ガス流に晒されるなかで上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により供給された燃料に放電端子又はセラミックグロープラグで着火する場合に較べると、確実に着火が行われ、運転条件によらず失火が防止され、継続的に安定した燃焼が行われ、上記火炎が形成される。そのため、未燃燃料により白煙が発生することがない。また、上記一次混合気の燃焼による火炎は、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により排気通路に形成される火炎に較べると極めて小さな規模で形成することが可能であるから、燃料消費率が小さく省エネルギ性に優れている。さらに、上記排気系の昇温装置は上記内燃機関からの情報を受けずに作動することも可能であるから、そうしたときには上記内燃機関に容易に後付けすることができる可能性が高いと共に、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高い。また、上記排気系の昇温装置に酸化触媒を設けないときには、上記内燃機関の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えない。そして、上記排気系の昇温装置は、後述するパティキュレートフィルタの再生を行える内燃機関のフィルタ再生装置、及び発生した白煙を酸化して減らすことができる内燃機関の排気浄化装置などに好適である。
【0013】
本発明の第2の排気系の昇温装置は、上記第1の排気系の昇温装置において、
上記空気配管が、上記空気出口が上記発熱部の先端を避けると共に上記昇温室に空気の旋回流が形成されるように指向されている。
【0014】
このようにすれば、上記空気配管の上記空気出口からの空気流が上記発熱部の先端を直撃しないので、上記発熱部の先端付近に形成された火炎を吹き消すおそれが減る。しかも、上記昇温室に空気の旋回流が形成されるので、上記気化した上記液体燃料と上記空気とが良好に混合されて均一な上記一次混合気及び上記二次混合気が形成される。
【0015】
本発明の第3の排気系の昇温装置は、上記第1又は第2の排気系の昇温装置において、
上記昇温室の上記底面に、多孔性の部材が配置されている。
【0016】
このようにすれば、上記液体燃料の保持性が高まる。また、上記多孔性部材に酸化触媒を担持させたときには、上記一次混合気又は二次混合気の燃焼熱により加熱された触媒の作用によって上記液体燃料の改質反応が行われ、可燃性の改質燃料が発生するので、上記二次混合気の燃焼が促進される。
【0017】
本発明の第4の排気系の昇温装置は、上記第1ないし第3のうちいずれか一つの排気系の昇温装置において、
上記昇温部材から排出される排気ガスの流量が、アイドル運転時における上記内燃機関から排出される排気ガスの流量の約10重量%以下である。
【0018】
これは上記昇温部材から排出される排気ガスの流量の一例であるが、この場合に形成される上記火炎が、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により排気通路に形成される火炎に較べて極めて小さな規模であることが量的にわかる。
【0019】
次に、本発明の第1の排気系の拡張昇温装置は、内燃機関の排気通路を昇温させる拡張排気系の昇温装置であって、
上記第1ないし第4のうちいずれか一つの排気系の昇温装置と、
内部に形成された後続昇温室、上記後続昇温室を排気上流側に開口させる入口、及び上記後続昇温室を排気下流側に開口させる出口を有する筒状に形成され、周壁には上記排気系の昇温装置の上記昇温部材における少なくとも上記排出口側の部分が貫通して上記周壁に気密的に接続しており、上記昇温部材の周囲の上記周壁に貯留部が形成されている後続昇温部材と、
一端が上記貯留部に連通するように上記後続昇温部材に接続され、上記液体燃料が供給されることになる後続液体燃料配管とを備え、
上記液体燃料配管から上記収容部材に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管から上記昇温室に空気を供給し、且つ上記発熱部材に通電し、さらに上記後続液体燃料配管から上記貯留部に上記液体燃料を供給すると、上記昇温室で上記一次混合気が連続的に燃焼すると共に上記二次混合気が燃焼し、さらに上記貯留部に供給された上記液体燃料が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記後続昇温室に拡散して上記後続昇温部材の上記入口から導入された上記後続昇温室の排気上流側からの空気と混合して三次混合気を生成し、この三次混合気が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記後続昇温部材の上記出口から排気下流側へ導出されるように構成した排気系の拡張昇温装置である。
【0020】
本発明の第2の排気系の拡張昇温装置は、内燃機関の排気通路を昇温させる排気系の拡張昇温装置であって、
上記第1ないし第4のうちいずれか一つの排気系の昇温装置と、
内部に形成された後続昇温室、上記後続昇温室を排気上流側に開口させる入口、及び上記後続昇温室を排気下流側に開口させる出口を有する筒状に形成され、周壁には上記排気系の昇温装置の上記昇温部材における少なくとも上記排出口側の部分が貫通して上記周壁に気密的に接続している後続昇温部材と、
中途部が上記排気ガスと熱交換できるように上記後続昇温部材の排気下流側に設けられ、一端が上記後続昇温室に連通するように上記後続昇温部材に接続され、他端には上記液体燃料と空気との混合物が供給されることになる後続混合気配管とを備え、
上記液体燃料配管から上記収容部材に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管から上記昇温室に空気を供給し、且つ上記発熱部材に通電し、さらに上記後続混合気配管から上記後続昇温室に混合気を供給すると、上記昇温室で上記一次混合気が連続的に燃焼すると共に上記二次混合気が燃焼し、さらに上記後続昇温室に供給された上記混合気が上記後続昇温室に拡散して上記後続昇温部材の上記入口から導入された上記後続昇温室の排気上流側からの空気と混合して三次混合気を生成し、この三次混合気が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記後続昇温部材の上記出口から排気下流側へ導出されるように構成した排気系の拡張昇温装置である。
【0021】
上記第1の排気系の拡張昇温装置においても、上記第2の排気系の拡張昇温装置においても、上記排気系の拡張昇温装置を内燃機関の排気通路に設けて上記排気系の拡張昇温装置を作動させると、上記一次混合気、上記二次混合気、及び上記三次混合気が燃焼し、上記三次混合気の燃焼により上記二次混合気の火炎よりも増幅された火炎が形成され、その燃焼熱により上記排気通路に更に高温の排気ガスが形成される。そして、この更に高温の排気ガスにより、上記排気通路が強力に加熱される。そのため、例えば、上記内燃機関が、上記排気通路にパティキュレートフィルタが設けられた内燃機関であるときには、上記パティキュレートフィルタが再生される。また、例えば、上記内燃機関が、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により上記パティキュレートフィルタの排気上流側の上記排気通路に燃料を供給するようにした内燃機関であるときには、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により上記排気通路に供給された燃料の気化が促進され、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。さらに、例えば、上記内燃機関が、上記排気通路に排気上流側から順に酸化触媒とパティキュレートフィルタとが設けられた内燃機関であるときには、上記酸化触媒の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。また、例えば、上記内燃機関が、上記排気通路に排気上流側から順にパティキュレートフィルタと酸化触媒とが設けられた内燃機関であるときには、それらの間に上記排気系の拡張昇温部材を設けることで上記酸化触媒の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタから排出された白煙が酸化されて減る。
【0022】
その場合、上記排気系の昇温装置においては先に説明した作用、すなわち、確実に着火が行われ、運転条件によらず失火が防止され、継続的に安定した燃焼が行われ、上記火炎が形成されて、未燃燃料により白煙が発生することがないこと、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射を行う場合に較べて燃料消費率が小さく省エネルギ性に優れていること、上記内燃機関に容易に後付けすることができる可能性が高いと共に、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高いこと、上記排気系の昇温装置に酸化触媒を設けないときには上記内燃機関の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えないこと、などの作用が、そのまま発揮される。しかも、上記排気系の昇温装置を除いた他の部分を考慮しても、上記排気系の拡張昇温装置は上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射を行う場合に較べて燃料消費率が小さく省エネルギ性に優れていること、上記内燃機関に容易に後付けすることができる可能性が高いと共に、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高いこと、上記排気系の拡張昇温装置に酸化触媒を設けないときには上記内燃機関の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えないこと、などの作用が発揮される。そして、上記排気系の拡張昇温装置は、後述するパティキュレートフィルタの再生を行える内燃機関のフィルタ再生装置、及び発生した白煙を酸化して減らすことができる内燃機関の排気浄化装置などに好適である。また、上記第2の排気系の拡張昇温装置は、上記後続混合気配管において上記液体燃料と空気との混合物が、上記排気ガスとの熱交換により加熱されて上記液体燃料の気化が促進されるので、上記三次混合気の生成が促進される。
【0023】
本発明の第3の排気系の拡張昇温装置は、上記第1又は第2の排気系の拡張昇温装置において、
さらに、一端が上記後続昇温室の排気上流側の上記排気通路に連通し、空気が供給されることになる追加の空気配管を備えており、
上記後続昇温部材の上記入口から導入された上記後続昇温室の排気上流側からの空気の少なくとも一部が、上記追加の空気配管から供給される空気である。
【0024】
このようにすれば、上記内燃機関の停止時であっても上記三次混合気が生成されて上記排気系の拡張昇温装置の作動が可能となる。
【0025】
次に、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置(以下、便宜上、内燃機関のフィルタ再生装置Aということがある)は、
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設けた内燃機関において、
上記第1ないし第3のうちいずれか一つの排気系の拡張昇温装置が、上記後続昇温部材が上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記排気系の拡張昇温装置の燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタへ導かれ、この排気ガスにより上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置Aである。
【0026】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が強力に加熱されるので、上記パティキュレートフィルタが再生される。
上記排気系のフィルタ再生装置に酸化触媒を設けないときには、上記内燃機関の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えない。
【0027】
次に、本発明の第1の内燃機関のフィルタ再生装置(以下、便宜上、内燃機関のフィルタ再生装置Bということがある)は、
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関のフィルタ再生装置において、
上記第1ないし第4のうちいずれか一つの排気系の昇温装置が、上記昇温部材の少なくとも上記排出口側の部分が上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側で且つ上記補充燃料の供給部位よりも排気下流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記排気通路に供給された上記補充燃料が上記排気系の昇温装置により加熱されて気化が促進され、この気化した上記補充燃料が上記排気系の昇温装置の排気上流側からの空気と混合して補充混合気を生成し、この補充混合気が上記排気系の昇温装置により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置Bである。
【0028】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が加熱されるので、上記排気通路に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタが再生される。
上記排気系のフィルタ再生装置に酸化触媒を設けないときには、上記内燃機関の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えない。
【0029】
本発明の第2の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関のフィルタ再生装置において、
上記第1ないし第3のうちいずれか一つの排気系の拡張昇温装置が、上記後続昇温部材が上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側で且つ上記補充燃料の供給部位よりも排気下流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記排気通路に供給された上記補充燃料が上記排気系の拡張昇温装置により加熱されて気化が促進され、この気化した上記補充燃料が上記排気系の拡張昇温装置の排気上流側からの空気と混合して補充混合気を生成し、この補充混合気が上記排気系の拡張昇温装置により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置Bである。
【0030】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が強力に加熱されるので、上記排気通路に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタが再生される。
上記排気系のフィルタ再生装置に酸化触媒を設けないときには、上記内燃機関の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えない。
【0031】
本発明の第3の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第1又は第2の内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、
上記昇温部材又は上記後続昇温部材と上記パティキュレートフィルタとの間の上記排気通路に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置が設けられている。
【0032】
このようにすれば、上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記排気通路に設けられた上記パティキュレートフィルタが再生される。
【0033】
本発明の第4の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第1ないし第3のうちいずれか一つの内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、
上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路への燃料供給が、ポスト噴射により行われている。
【0034】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が加熱されるので、上記ポスト噴射により上記排気通路に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタが再生される。
【0035】
本発明の第5の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第1ないし第3のうちいずれか一つの内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、
上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路への燃料供給が、上記排気通路への燃料噴射により行われている。
【0036】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が加熱されるので、上記排気通路への噴射により上記排気通路に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタが再生される。
【0037】
次に、本発明の第1の内燃機関のフィルタ再生装置(以下、便宜上、内燃機関のフィルタ再生装置Cということがある)は、
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気上流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置を設け、上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が得られたときには上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関のフィルタ再生装置において、
上記第1ないし第4のうちいずれか一つの排気系の昇温装置が、上記昇温部材の少なくとも上記排出口側の部分が上記フィルタ直前触媒装置よりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記フィルタ直前触媒装置が上記排気系の昇温装置により加熱されて上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が促進され、上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置Cである。
【0038】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記排気通路に設けられた上記パティキュレートフィルタが再生される。
【0039】
本発明の第2の内燃機関のフィルタ再生装置Cは、
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気上流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置を設け、上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が得られたときには上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関のフィルタ再生装置において、
上記第1ないし第3のうちいずれか一つの排気系の拡張昇温装置が、上記後続昇温部材が上記フィルタ直前触媒装置よりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記フィルタ直前触媒装置が上記排気系の拡張昇温装置により加熱されて上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が促進され、上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置Cである。
【0040】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が強力に加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記排気通路に設けられた上記パティキュレートフィルタが再生される。
【0041】
本発明の第1の内燃機関の排気浄化装置は、
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気下流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ後方触媒装置を設けた内燃機関の排気浄化装置であって、
上記第1ないし第4のうちいずれか一つの排気系の昇温装置が、上記昇温部材の少なくとも上記排出口側の部分が、上記パティキュレートフィルタよりも排気下流側で且つ上記フィルタ後方触媒装置よりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記フィルタ後方触媒装置が上記排気系の昇温装置により加熱されて上記フィルタ後方触媒装置の触媒活性が促進され、上記パティキュレートフィルタから排出された排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進するように構成した内燃機関の排気浄化装置である。
【0042】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が加熱されるので、上記フィルタ後方触媒装置の活性が促進されて高温の排気ガスが形成され、これによって上記内燃機関で発生して上記パティキュレートフィルタに溜まり、上記パティキュレートフィルタから排出された白煙が酸化されて減る。
【0043】
本発明の第2の内燃機関の排気浄化装置は、
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気下流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ後方触媒装置を設けた内燃機関の排気浄化装置であって、
上記第1ないし第3のうちいずれか一つの排気系の拡張昇温装置が、上記後続昇温部材が上記パティキュレートフィルタよりも排気下流側で且つ上記フィルタ後方触媒装置よりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記フィルタ後方触媒装置が上記排気系の拡張昇温装置により加熱されて上記フィルタ後方触媒装置の触媒活性が促進され、上記パティキュレートフィルタから排出された排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進するように構成した内燃機関の排気浄化装置である。
【0044】
上記高温の排気ガスにより、上記排気通路が強力に加熱されるので、上記フィルタ後方触媒装置の活性が促進されて更に高温の排気ガスが形成され、これによって上記内燃機関で発生して上記パティキュレートフィルタに溜まり、上記パティキュレートフィルタから排出された白煙が酸化されて減る。
【0045】
本発明の第3の内燃機関の排気浄化装置は、上記第1又は第2の内燃機関の排気浄化装置において、
上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置が設けられている。
【0046】
このようにすれば、上記フィルタ直前触媒装置が活性を得たときには、このフィルタ直前触媒装置を通過した高温の排気ガスにより、上記パティキュレートフィルタが再生される。
【発明の効果】
【0047】
本発明の上記第1の排気系の昇温装置は、上記排気通路で上記燃料を燃焼させて形成される従来技術の火炎などに較べて極めて小さな火炎を継続的且つ安定的に形成するので、この排気系の昇温装置により排気通路を加熱することで、例えば、燃料の気化、酸化触媒の活性などを促進し、パティキュレートフィルタを再生し、又はパティキュレートフィルタから排出された白煙を酸化して減らすことができると共に、その場合に内燃機関の運転状況にかかわらず確実に作動し、省エネルギ性に優れ、上記内燃機関に容易に後付けできる可能性が高く、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高く、酸化触媒を用いないときには燃料の選択範囲を広げることが可能となるという効果を得ることができる。
【0048】
本発明の上記第2の排気系の昇温装置は、上記第1の排気系の昇温装置により得られる効果が得られることに加え、さらに、火炎の吹き消えを防止し、また均一な上記一次混合気及び上記二次混合気を形成して、火炎の継続的且つ安定的な形成を、より確実に実現することができる。
【0049】
本発明の上記第3の排気系の昇温装置は、上記第1又は第2の排気系の昇温装置により得られる効果が得られることに加え、さらに、液体燃料の保持性を高めて上記二次混合気を安定的に生成して、火炎の継続的且つ安定的な形成を、より確実に実現することができる。また、上記多孔性部材に酸化触媒を担持させたときは、改質燃料により上記二次混合気の燃焼を促進することができる。
【0050】
本発明の上記第4の排気系の昇温装置により、上記第1ないし第3のうちいずれか一つの排気系の昇温装置を、上記排気系の昇温装置の排気量でもって例示することができた。
【0051】
本発明の上記第1又は第2の排気系の拡張昇温装置は、上記排気通路で上記燃料を燃焼させて形成される従来技術の火炎などに較べて極めて小さな火炎を継続的且つ安定的に形成し、また上記火炎を核にして更にそれを増幅した火炎を形成するので、この排気系の拡張昇温装置により排気通路を加熱することで、例えば、燃料の気化、酸化触媒の活性などを促進し、パティキュレートフィルタを再生し、又はパティキュレートフィルタから排出された白煙を酸化して減らすことができると共に、その場合に内燃機関の運転状況にかかわらず確実に作動し、省エネルギ性に優れ、上記内燃機関に容易に後付けできる可能性が高く、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高く、酸化触媒を用いないときには燃料の選択範囲を広げることが可能となるという効果を得ることができる。また、上記第2の排気系の拡張昇温装置は、上記排気ガスとの熱交換により上記液体燃料の気化が促進されるので、上記三次混合気の生成を促進することができる。
【0052】
本発明の上記第3の排気系の拡張昇温装置は、上記第1又は第2の排気系の拡張昇温装置により得られる効果が得られるが、さらに、上記内燃機関の停止時であっても上記三次混合気が生成されて、上記排気系の拡張昇温装置の作動が可能となる。
【0053】
本発明の上記内燃機関のフィルタ再生装置Aは、上記排気系の昇温装置により、上記パティキュレートフィルタを強力に再生することができ、酸化触媒を用いないときには燃料の選択範囲を広げることが可能となるという効果を得ることができる。
【0054】
本発明の上記第1の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気通路に供給された上記燃料の気化が促進されるので、上記パティキュレートフィルタを再生することができ、酸化触媒を用いないときには燃料の選択範囲を広げることが可能となるという効果を得ることができる。
【0055】
本発明の上記第2の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気通路に供給された上記燃料の気化が促進されるので、上記パティキュレートフィルタを強力に再生することができ、酸化触媒を用いないときには燃料の選択範囲を広げることが可能となるという効果を得ることができる。
【0056】
本発明の上記第3の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第1又は第2の内燃機関のフィルタ再生装置Bにより得られる効果が得られるが、さらに、上記フィルタ直前触媒装置により上記燃料の酸化が促進されるので、上記パティキュレートフィルタを一層強力に再生することができる。
【0057】
本発明の上記第4又は第5の内燃機関のフィルタ再生装置Bにより、上記排気通路に燃料供給を行う構成を具体的に示すことができた。これらの内燃機関のフィルタ再生装置Bによっても、上記第1ないし第3のうちいずれか一つの内燃機関のフィルタ再生装置Bにより得られる効果が得られる。
【0058】
本発明の上記第1の内燃機関のフィルタ再生装置Cは、上記フィルタ直前触媒装置の活性が促進されるので、上記パティキュレートフィルタを再生することができる。
【0059】
本発明の上記第2の内燃機関のフィルタ再生装置Cは、上記フィルタ直前触媒装置の活性が促進されるので、上記パティキュレートフィルタを強力に再生することができる。
【0060】
本発明の上記第1の内燃機関の排気浄化装置は、上記フィルタ後方触媒装置の活性が促進されるので、上記内燃機関で発生して上記パティキュレートフィルタに溜まり、上記パティキュレートフィルタから排出された白煙を酸化して減らすことができる。
【0061】
本発明の上記第2の内燃機関の排気浄化装置は、上記フィルタ後方触媒装置の活性が促進されるので、上記内燃機関で発生して上記パティキュレートフィルタに溜まり、上記パティキュレートフィルタから排出された白煙を酸化して強力に減らすことができる。
【0062】
本発明の上記第3の内燃機関の排気浄化装置は、上記第1又は第2の内燃機関の排気浄化装置により得られる効果が得られるが、さらに、上記フィルタ直前触媒装置により上記燃料の酸化が促進されるので、上記パティキュレートフィルタを再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本発明の排気系の昇温装置の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線における断面図である。
【図3】図3は、図1のIII−III線における断面図である。拡散板が収められている、排気下流側の排気通路構成部材は省略した。
【図4】図4は、図1の要部拡大図である。
【図5】図5は、本発明の排気系の拡張昇温装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。
【図6】図6は、図5のVI−VI線における断面図である。
【図7】図7は、図5のVII−VII線における断面図である。拡散板が収められている、排気下流側の排気通路構成部材は省略した。
【図8】図8は、図5の要部拡大図である。
【図9】図9は、本発明の排気系の拡張昇温装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】図10は、本発明の排気系の拡張昇温装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。
【図11】図11は、本発明の排気系の拡張昇温装置の第4の実施形態を示す縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Aの実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタは断面していない。以下、図12ないし図26では排気通路の一部を仮想線で略して示した。
【図13】図13は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの第1の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタは断面していない。
【図14】図14は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの第2の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタは断面していない。
【図15】図15は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの第3の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタは断面していない。
【図16】図16は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの第4の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタは断面していない。
【図17】図17は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ及びフィルタ直前触媒装置は断面していない。
【図18】図18は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの第6の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ及びフィルタ直前触媒装置は断面していない。
【図19】図19は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの第7の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ及びフィルタ直前触媒装置は断面していない。
【図20】図20は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの第8の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ及びフィルタ直前触媒装置は断面していない。
【図21】図21は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Cの第1の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ及びフィルタ直前触媒装置は断面していない。
【図22】図22は、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Cの第2の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ及びフィルタ直前触媒装置は断面していない。
【図23】図23は、本発明の内燃機関の排気浄化装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ及びフィルタ後方触媒装置は断面していない。
【図24】図24は、本発明の内燃機関の排気浄化装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ及びフィルタ後方触媒装置は断面していない。
【図25】図25は、本発明の内燃機関の排気浄化装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ、フィルタ後方触媒装置、及びフィルタ直前触媒装置は断面していない。フィルタ直前触媒装置は内部構造を略して小さく描いた。
【図26】図26は、本発明の内燃機関の排気浄化装置の第4の実施形態を示す縦断面図である。パティキュレートフィルタ、フィルタ後方触媒装置、及びフィルタ直前触媒装置は断面していない。フィルタ直前触媒装置は内部構造を略して小さく描いた。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1ないし図4は、本発明の排気系の昇温装置の実施形態を示す。説明の便宜上、排気ガスの流れを排気流といい、その排気ガスの流れる方向を排気流の方向ということにする。これらの図において、100は上記実施形態に係る排気系の昇温装置であって、この排気系の昇温装置100は昇温部材110を備えており、上記昇温部材110の内部には昇温室111が形成されている。上記昇温室111は、底面112と、上記底面112の周囲から立ち上がる周囲面113とにより形成されている。上記昇温室111は、上記周囲面113の周縁に形成された排出口113aにおいて外部に開放されている。この実施形態では、上記昇温部材110は、開口を有する袋状に形成され、この開口が上記排出口113aになっている。また、この実施形態では、上記昇温部材110は、両端が端壁で閉塞された円筒形の第1部材110aと、上記第1部材110aよりも細い円筒形に形成されると共に角の無いL字状に湾曲して形成され、一端が上記第1部材110aの一方の端壁に上記第1部材110aと内部同士が連通するように接続され、他端が上記排出口113aとして開放された第2部材110bとを備えている。そして、上記第1部材110aの他方の端壁の内面により上記底面112が構成されており、上記第1部材110aの上記他方の端壁を除いた他の部分の内面と上記第2部材110bの内面とより上記周囲面113が構成されている。本発明の上記昇温部材は開口を有する袋状に形成されておればよく、この実施形態によって上記昇温部材の外形を特に限定するものではない。そして、そのような昇温部材の内部に形成された空間が本発明の上記昇温室になる。したがって、この実施形態では上記昇温部材110を上記第1部材110aと上記第2部材110bの形状の異なる二部材により構成したが、上記昇温部材を単一の部材で構成してもよいし、三つ以上の部材により構成してもよい。
【0065】
上記昇温部材110の外部には筒状の収容部材120が配置されている。上記収容部材120は、一端121が上記底面112に開口するように上記昇温部材110に接続されると共に他端122が閉塞されている。上記収容部材120は直管状に形成されているが、後述する発熱部材の発熱部の少なくとも一部が上記収容部材の内部に収まるのであれば、上記収容部材は曲がっていてもよい。
【0066】
上記収容部材120には、液体燃料が供給されることになる液体燃料配管150が接続されている。上記液体燃料配管150の一端は上記収容部材120に上記収容部材120の内部に連通するように接続されている。
【0067】
上記収容部材120には、発熱部材130が設けられている。上記発熱部材130は、通電により発熱する棒状の発熱部132を備えている。そして、上記発熱部材130は、上記発熱部132が上記収容部材120の内部から上記収容部材120の上記一端121の上記底面112への上記開口125を経て上記昇温室111に突き出るように設けられており、この突き出た部分が突出部132aを形成している。また、上記発熱部材130は、上記発熱部132と上記収容部材120との間に全周にわたって隙間123が形成されるように上記収容部材120に設けられている。上記収容部材120と上記発熱部材130との間に液体燃料が通る燃料通路124が形成されている。この実施形態の場合、上記発熱部材130は、グロープラグである。このグロープラグは、本来、副室式ディーゼルエンジンの燃焼室内の、噴射された燃料が直接触れる部位に装着され、例えば冷間始動時などに通電されると赤熱して燃料の気化を促進させるものである。このグロープラグは、通電開始後、数秒で赤熱する。この実施形態で使用したグロープラグは、通電開始後、約3秒で約摂氏800度に達し、その消費電力は約90ないし100Wであり、最大で約160Wであった。しかし、これによって本発明の対象となるグロープラグ又は発熱部材が限定解釈されることはなく、これ以外の性能のグロープラグを用いてもよい。上記発熱部材130は、棒状の本体131を備え、この本体131の一端に上記発熱部132が接続されており、全体として棒状に形成されている。上記発熱部132は金属チューブと、この金属チューブの内部に設けられた発熱素子とを備えている。発熱素子はセラミック抵抗体であるが、例えば金属製発熱コイルなどであってもよい。上記本体131の端部には端子が設けられ、上記本体131の内部には上記発熱素子と上記端子とを接続する通電部材が設けられている。上記これら発熱素子と上記通電部材とは上記発熱部材130の外部に対して気密的に設けられている。このように、この実施形態では上記ディーゼルエンジンの予熱装置としてのグロープラグを上記発熱部材130として利用したが、本発明の上記発熱部材は、一端に、通電により発熱する棒状の発熱部を有する部材であれば、他の構成のものであってもよい。
【0068】
上記昇温部材110には、筒状の包囲部材140が設けられている。この実施形態では上記包囲部材140を円筒形に形成したが、例えば筒の延びる方向からみて内面及び外面がそれぞれ楕円になった筒形、又は角筒形などの他の筒形に形成してもよい。上記包囲部材140は、上記底面112から上記発熱部132の先端132aaの付近まで立ち上がっている。図1に示すように、この実施形態の場合、厳密にいうと、上記包囲部材140が立ち上がる方向と直交する方向からみて、上記包囲部材140の上記反底面側の端縁144は、上記発熱部132の先端132aaにまで至っていない。換言すると上記発熱部132の先端132aaは上記包囲部材140の上記反底面側の端縁144よりも上記反底面側に出ている。しかし、上記包囲部材が立ち上がる方向と直交する方向からみて、上記包囲部材の上記反底面側の端縁が上記発熱部の先端にまで至っていて同じ高さになっていてもよいし、上記発熱部の先端を越えていてもよい。換言すると上記発熱部の先端は上記包囲部材の上記反底面側の端縁に至っていて同じ高さになっていてもよいし、上記包囲部材の上記反底面側の端縁よりも上記底面側にあってもよい。ここで、特定部材の上記底面側とは、上記特定部材において上記底面112に近い側であり、特定部材の上記反底面側とは、上記特定部材において上記底面112から遠い側である。上記包囲部材140と、上記発熱部132における上記昇温室111に突き出た突出部132aとの間には全周にわたって隙間141が形成されている。上記包囲部材140の上記底面側の端縁143と、上記底面112との間には、隙間142が形成されている。上記包囲部材140は、上記底面側の端縁143の周上の一部で上記底面112に接続しており、この接続された部分以外によって上記隙間142が形成されている。この実施形態の場合、上記包囲部材140は、上記底面側の端縁143の周上の一部に上記底面112に向かって延びる突起が形成され、この突起が上記昇温部材110の底面112に溶接されており、この隣接する突起の間に周方向に充分な長さをもった上記隙間142が形成されている。上記隙間142の上記包囲部材140が立ち上がる方向に沿った寸法を例えば1mm以下に設定すれば、後述する一次混合気による安定した火炎を形成するうえで好ましいが、これによって上記寸法が限定解釈されることはなく、上記寸法が他の数値である排気系の昇温装置の実施形態も本発明に含まれる。しかし、この実施形態によって上記包囲部材の形状や上記昇温部材への接続方法が限定解釈されることはない。例えば、上記包囲部材の上記底面側の端縁の周上の一部を上記底面に点溶接することで上記接続部及び上記隙間を形成してもよいし、上記接続部を溶接ではなく例えば接着などで形成してもよい。また、例えば、上記包囲部材の上記底面側の端縁と、上記底面との間に、全周にわたって隙間を形成してもよく、そのときには上記包囲部材は、例えばステーにより上記昇温部材に固定してもよい。
【0069】
上記昇温部材110には空気配管160が接続されている。上記空気配管160は、一端が空気出口161として上記昇温室111に導入されるように上記昇温部材110に接続されている。この実施形態では、上記空気配管160は、上記昇温部材110の上記第1部材110aの上記他方の端壁を貫通しており、上記一端が上記昇温室111に突出している。そして、上記空気配管160には空気が供給されることになる。
【0070】
そして、上記液体燃料配管150は燃料タンク195に接続されている。上記液体燃料配管150には第1燃料ポンプ191が設けられ、上記第1燃料ポンプ191の電源への接続端子は電線192aを介して電源としてのバッテリ196に接続されている。このバッテリとして後述する内燃機関300のバッテリを共用してもよい。この燃料タンク195には上記液体燃料として軽油が入っているが、液体燃料としては他に重油、バイオ燃料、又はその他の燃料を入れる場合がある。この燃料タンクとして上記内燃機関300の燃料タンクを共用してもよい。上記第1燃料ポンプ191の制御部は上記コントローラ170に電気的に接続されており、上記コントローラ170により上記第1燃料ポンプ191の作動が制御される。上記発熱部材130の上記本体131の上記端子は電線192bを介して上記バッテリ196に接続され、この電線192bには電気スイッチ193が設けられており、上記電気スイッチ193を閉じると上記発熱部132に通電して上記発熱部132が発熱するように構成されている。このバッテリとして上記内燃機関300のバッテリを共用してもよい。上記電気スイッチ193は上記コントローラ170に電気的に接続されており、上記コントローラ170により上記電気スイッチ193が開閉制御される。上記空気配管160は、第1ブロワ194の吐出口に接続されている。上記第1ブロワ194の電源への接続端子は電線192cを介して電源としての上記バッテリ196に接続されている。このバッテリとして上記内燃機関300のバッテリを共用してもよい。そして、上記第1ブロワ194の制御部は上記コントローラ170に電気的に接続されており、上記コントローラ170により上記第1ブロワ194の作動が制御される。上記昇温部材110には、上記昇温室111の温度を検出する温度センサ181、182が設けられており、この温度センサ181、182の出力信号がそれぞれ電線192e、192fを介して上記コントローラ170へ送られている。この実施形態では温度センサ181、182を二つ設けた。上記温度センサ181、182は熱電対であるが、温度を検出できるのであれば他の装置であってもよい。第1の温度センサ181は、上記包囲部材140の上記反底面側の端縁144の側方であって上記昇温室111の上記周囲面113の付近に設けられ、第2の温度センサ182は、上記包囲部材140の上記反底面側の端縁144よりも上記排出口113aに寄った位置であって、上記昇温室111の上記周囲面113の付近に設けられている。しかし、上記昇温部材に設けられる上記温度センサの数、位置がこの実施形態によって限定されることはない。上記コントローラ170は、CPU、メモリ、ストレージ又はその他の記憶装置などを備えており、送られてきた信号を演算処理して制御信号を出力する。このコントローラ170は電子制御回路ユニットであるが、これに代えてコンピュータなどを用いてもよい。
【0071】
そして、上記コントローラ170により、上記第1燃料ポンプ191、上記電気スイッチ193、及び上記第1ブロワ194の作動が次のように制御される。すなわち、上記液体燃料配管150から上記収容部材120に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管160から上記昇温室111に空気を供給し、且つ上記発熱部材130に通電すると、上記収容部材120に供給された上記液体燃料が上記発熱部132により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記発熱部132の上記先端132aaと上記包囲部材140の上記反底面側の端縁144との間から上記昇温室111に拡散して上記空気配管160からの空気と混合して一次混合気を生成し、この一次混合気が上記発熱部132により加熱されて連続的に燃焼し、上記底面112に溜まった上記液体燃料が上記一次混合気の燃焼熱により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記昇温室111に拡散して上記空気配管160からの空気と混合して二次混合気を生成し、この二次混合気が上記一次混合気の燃焼熱により加熱されて燃焼するように制御されている。その場合、上記温度センサ181、182の信号に基づいて上記昇温室111の温度が所定の温度を超えないように上記液体燃料の供給、及び上記空気の供給などが制御される。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ181、182の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0072】
図4に示すように、上記収容部材120は、上記発熱部132と上記収容部材120との間に形成された上記燃料通路124の面積が、上記収容部材120の上記底面112への開口125において他の部位よりも小さくなるように形成されている。本発明の収容部材は、上記発熱部と上記収容部材との間に形成された上記燃料通路の面積が、上記発熱部の長手方向に沿って一定であったり、上記面積が上記収容部材の上記底面への開口において他の部位よりも大きかったりする実施形態を含んでいる。しかし、この実施形態のようにすれば、上記収容部材120の上記底面112への開口の付近に至るまでに気化した液体燃料の流れが絞られて上記発熱部132の上記長手方向に沿った流れを形成するので、火炎が安定的に形成されることになる。
【0073】
図3に示すように、上記空気配管160は、上記空気出口161が上記発熱部132の先端132aaを避けると共に、上記昇温室111に空気の旋回流が形成されるように指向されている。この実施形態の場合、上記空気配管160は、上記包囲部材140よりも上記排気流上流側に設けられている。そして、上記空気配管160は、上記包囲部材140の延びる方向と平行に延びると共に、上記包囲部材140よりも上記反底面側まで延びてから上記排気流に対して直交する向きに曲がっていて、その先端に上記空気出口161が設けられている。ただし、本発明の上記空気出口は、この実施形態の場合とは異なる方向に向いていてもよい。
【0074】
この実施形態では、上記昇温室111の上記底面112に何も置いていないが、上記昇温室111の上記底面112に、多孔性の部材を配置してもよい。その場合、上記多孔性部材に酸化触媒を担持させてもよい。そのようにすれば、上記液体燃料の保持性が高まる。また、上記多孔性部材に酸化触媒を担持させたときには、上記一次混合気又は二次混合気の燃焼熱により加熱された触媒の作用によって上記液体燃料の改質反応が行われ、可燃性の改質燃料が発生するので、上記二次混合気の燃焼が促進される。
【0075】
上記排気系の昇温装置100は、内燃機関300に設けられる。上記内燃機関300は、往復ピストン機構を備えた公知のディーゼルエンジンである。この内燃機関300は、シリンダと、このシリンダに摺動可能に嵌挿されたピストンとを備えており、上記シリンダにおけるピストンの頂面側には燃焼室が形成されている。上記内燃機関300には、一端が上記燃焼室に接続され、他端が大気に開放されて、当該燃焼室に新気を供給する吸気通路が設けられている。また、上記内燃機関300には、一端が上記燃焼室に接続され、他端が大気に開放されて、当該燃焼室から排出される排気ガスを外部へ導出する排気通路310が設けられている。上記排気通路310は、シリンダに近い側から排気マニフォールド、排気管などの複数の排気通路構成部材の内部通路により一連に構成されている。燃焼方式は直接噴射式であり、コモンレール噴射システムを採用している。すなわち、サプライポンプで高圧にした燃料を蓄圧室としてのレールの内部に蓄え、ECU制御のもとにタイミングよくシリンダヘッドに設けたインジェクタから各気筒の上記燃焼室に適切な噴射量を噴射するようにしている。上記ECU制御は燃料噴射コントローラ320により行われる。しかし、この実施形態の上記内燃機関300によって本発明の対象とする内燃機関が限定解釈されることはない。本発明の対象とする内燃機関は、機械式の燃料噴射ポンプにより加圧された燃料をシリンダヘッドに設けたインジェクタから上記燃焼室へぞれぞれ噴射するようにした内燃機関であってもよく、また副室式(予燃焼室式・渦流室式)のディーゼルエンジンのような内燃機関であってもよく、また燃料噴射をユニットインジェクタ式などで行うディーゼルエンジンのような内燃機関であってもよい。本発明の対象とする内燃機関には、例えばロータリーエンジンが含まれ、また例えばシリンダ内に直接に燃料が噴射されるようにしたガソリンエンジンも含まれる。本発明の対象とする内燃機関には、自動車又はその他の輸送用機器に搭載される内燃機関も、発電装置駆動用の内燃機関で例示されるような敷地に定置した内燃機関も含まれる。また、上記内燃機関300には、少なくとも次の4つの内燃機関が含まれる。第1には、上記排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設けた内燃機関である。第2には、上記排気通路に、上記パティキュレートフィルタを設け、上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路にポスト噴射、排気通路への燃料噴射などにより補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関であり、さらに、上記補充燃料を供給する部位と上記パティキュレートフィルタとの間の上記排気通路に排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置を設けた内燃機関である。第3には、上記排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気上流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置を設け、上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が得られたときには上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関である。第4には、上記排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気下流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ後方触媒装置を設けた内燃機関であり、さらに、上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置を設けた内燃機関である。
【0076】
上記排気系の昇温装置100は、上記内燃機関300の上記排気通路310における排気ガスの流れる方向に沿って一部を構成する排気通路構成部材311に設けられる。上記排気通路構成部材311は筒状に形成され、上記排気通路構成部材311の内部に排気通路310の一部が形成されている。この排気通路310の一部は、排気上流側と排気下流側とに開口している。上記排気系の昇温装置100は、上記排気通路構成部材311に、上記排気系の昇温装置100の少なくとも上記排出口113aの側の部分が上記排気通路構成部材311を貫通して上記排気通路310のなかに導入されるように設けられる。上記排気系の昇温装置100における上記排気通路310のなかに導入された部分が導入部101を構成している。上記導入部101は上記排気系の昇温装置100の上記昇温部材110により構成されている。この実施形態の場合、上記導入部101は上記昇温部材110の第2部材110bと、上記第1部材110aの上記第2部材側の部分により構成されている。その場合、上記昇温部材110から排出される排気ガスの流量は、アイドル運転時における上記内燃機関300から排出される排気ガスの流量の約10重量%以下である。ただし、これはあくまで一例を示しただけであって、上記昇温部材から排出される排気ガスの流量が他の数値を示す実施形態も本発明に含まれるのであり、この実施形態によって本発明の上記昇温部材から排出される排気ガスの流量が限定解釈されることはない。上記排気通路構成部材311における上記排気系の昇温装置100の上記排出口113aの排気下流側には、上記排出口113aからの排気流に対向するように拡散板102が設けられている。上記排気通路構成部材311には上記拡散板102の周囲に空間が形成されており、この空間により、この部位での上記排気通路310が形成されている。この実施形態の場合、上記拡散板102は排気流の方向からみて上記拡散板102を収めた排気通路構成部材の通路形状よりも一回り小さい円形の板により形成されており、上記拡散板102には排気流の方向からみて左右両側の端縁から左右にステーがそれぞれ延びており、これらのステーが上記排気通路構成部材の内壁にそれぞれ溶接されている。上記拡散板は、例えば上記ステーをボルト等により上記排気通路構成部材に取り付けたり、上記ステーをボルト等により上記排気通路構成部材とそれと隣接する排気通路構成部材との間に挟んで取り付けてもよく、この実施形態によって上記拡散板の構成、又は取り付け構造の構成が限定解釈されることはない。本発明の排気系の昇温装置は、このような拡散板を設けていない実施形態を含んでいる。
【0077】
したがって、上記実施形態の排気系の昇温装置100を上記内燃機関300の上記排気通路310に設けて上記排気系の昇温装置100を作動させると、上記一次混合気及び上記二次混合気が燃焼して火炎が形成され、その燃焼熱により上記排気通路310に高温の排気ガスが形成される。そして、この高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱される。そのため、例えば、上記内燃機関300が、上記ポスト噴射又は上記排気通路310への噴射により上記パティキュレートフィルタの排気上流側の上記排気通路310に燃料を供給するようにした内燃機関であるときには、上記ポスト噴射又は上記排気通路310への噴射により上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。また、例えば、上記内燃機関300が、上記排気通路310に排気上流側から順に酸化触媒とパティキュレートフィルタとが設けられた内燃機関であるときには、上記酸化触媒の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。さらに、例えば、上記内燃機関300が、上記排気通路310に排気上流側から順にパティキュレートフィルタと酸化触媒とが設けられた内燃機関であるときには、それらの間に上記排気系の昇温部材100を設けることで上記酸化触媒の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタから排出された白煙が酸化されて減る。
【0078】
その場合、上記昇温部材110の内部において、上記収容部材120に供給された上記液体燃料が上記発熱部132により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記発熱部132の上記先端132aaと上記包囲部材140の上記反底面側の端縁144との間から上記昇温室111に拡散して上記空気配管160からの空気と混合して一次混合気を生成し、この一次混合気が上記発熱部132により加熱されて連続的に燃焼するので、排気ガス流に晒されるなかで上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により供給された燃料に放電端子又はセラミックグロープラグで着火する場合に較べると、確実に着火が行われ、運転条件によらず失火が防止され、継続的に安定した燃焼が行われ、上記火炎が形成される。そのため、未燃燃料により白煙が発生することがない。また、上記一次混合気の燃焼による火炎は、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により排気通路310に形成される火炎に較べると極めて小さな規模で形成することが可能であるから、燃料消費率が小さく省エネルギ性に優れている。さらに、上記排気系の昇温装置100は、例えば上記内燃機関300の各部の回転数などのような上記内燃機関300からの情報を受けずに作動することも可能であるから、そうしたときには上記内燃機関300に容易に後付けすることができる可能性が高いと共に、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高い。また、上記排気系の昇温装置100に酸化触媒を設けないときには、上記内燃機関300の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えない。そして、上記排気系の昇温装置100は、後述するパティキュレートフィルタの再生を行える内燃機関のフィルタ再生装置A、内燃機関のフィルタ再生装置B、又は内燃機関のフィルタ再生装置C、並びに発生した白煙を酸化して減らすことができる内燃機関の排気浄化装置などに好適である。
【0079】
本発明の排気系の昇温装置においては、上記空気配管は、一端が空気出口として上記昇温室に導入されるように上記昇温部材に接続され、当該空気配管に空気が供給されるように構成されておればよい。しかし、そのような種々の実施形態の排気系の昇温装置のなかで、上記実施形態の排気系の昇温装置100では、上記空気配管160が、上記空気出口161が上記発熱部132の先端132aaを避けると共に上記昇温室111に空気の旋回流が形成されるように指向されている。このようにすれば、上記空気配管160の上記空気出口161からの空気流が上記発熱部132の先端132aaを直撃しないので、上記発熱部132の先端132aaの付近に形成された火炎を吹き消すおそれが減る。しかも、上記昇温室111に空気の旋回流が形成されるので、上記気化した上記液体燃料と上記空気とが良好に混合されて均一な上記一次混合気及び上記二次混合気が形成される。
【0080】
本発明の排気系の昇温装置においては、上記昇温部材から排出される排気ガスの流量を量的に限定するものではない。しかし、そのような種々の実施形態の排気系の昇温装置のなかで、上記実施形態の排気系の昇温装置100では、上記昇温部材110から排出される排気ガスの流量が、アイドル運転時における上記内燃機関300から排出される排気ガスの流量の約10重量%以下である。これは上記昇温部材110から排出される排気ガスの流量の一例であるが、この場合に形成される上記火炎が、上記ポスト噴射又は上記排気通路310への噴射により排気通路に形成される火炎に較べて極めて小さな規模であることが量的にわかる。
【0081】
図5ないし図8において、200は第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置である。上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記実施形態の排気系の昇温装置100を利用して構成されている。また、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記実施形態の変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の昇温装置100を利用して構成することができる。したがって、この第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200における排気系の昇温装置100の説明として、以上で説明した上記実施形態及びその変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の昇温装置100の構成をそのまま引用する。
【0082】
上記排気系の拡張昇温装置200は、上記排気系の昇温装置100を備えると共に、さらに、後続昇温部材210を備えている。上記後続昇温部材210は、筒状に形成されている。上記後続昇温部材210の内部には後続昇温室211が形成されている。上記後続昇温部材210は、上記後続昇温室211を排気上流側に開口させる入口212、及び上記後続昇温室211を排気下流側に開口させる出口213を有している。上記後続昇温部材210の周壁214には上記排気系の昇温装置100の上記導入部101の上記排出口113aの側の部分が貫通しており、その貫通した部分の根本が上記周壁214に気密的に接続しており、上記周壁214における上記導入部101の上記貫通部分の上記根本の周囲4に貯留部215が形成されている。この実施形態の場合、上記後続昇温部材210は、筒形の第1部材210aと、上記第1部材210aの排気上流側に設けられ、上記第1部材210aよりも直径が小さい円筒形の第2部材210bと、上記第1部材210aの排気下流側に設けられ、上記第1部材210aよりも直径が小さい円筒形の第3部材210cとを備えている。上記第1部材210aの排気上流側の開口は外周側が閉塞されており、この小さくなった開口に上記第2部材210bが接続されている。また、上記第1部材210aの排気下流側の開口は外周側が閉塞されており、この小さくなった開口に上記第2部材210bが貫通して接続されている。上記第2部材210bの排気上流側の開口が上記入口212を構成し、上記第3部材210cの排気下流側の開口が上記出口213を構成している。そして、上記第1部材210aの周壁214に上記排気系の昇温装置100の上記導入部101の上記排出口113aの側の部分が貫通して上記周壁214に気密的に接続しており、上記昇温部材110の上記排出口113aが上記第3部材210cの排気上流側の開口に挿入されており、この開口と上記排出口113aとの間には十分な空間が確保されている。しかし、この実施形態により本発明の上記後続昇温部材の構成が限定解釈されることはなく、上記後続昇温部材は、内部に形成された後続昇温室、上記後続昇温室を排気上流側に開口させる入口、及び上記後続昇温室を排気下流側に開口させる出口を有する筒状に形成され、周壁には上記排気系の昇温装置の上記昇温部材における少なくとも上記排出口側の部分が貫通して上記周壁に気密的に接続しており、上記昇温部材の周囲の上記周壁に貯留部が形成されておればよい。
【0083】
上記後続昇温部材210には後続液体燃料配管230が接続されている。上記後続液体燃料配管230は、一端が上記貯留部215に連通するように上記後続昇温部材210に接続されている。そして、上記後続液体燃料配管230には上記液体燃料が供給されることになる。すなわち、上記後続液体燃料配管230は上記燃料タンク195に接続されている。上記後続液体燃料配管230には第2燃料ポンプ291が設けられ、上記第2燃料ポンプ291の電源への接続端子は電線192dを介して上記バッテリ196に接続されている。このバッテリとして後述する内燃機関300のバッテリを共用してもよい。この燃料タンク195には上記液体燃料として軽油が入っているが、液体燃料としては他に重油、バイオ燃料、又はその他の燃料を入れる場合がある。この燃料タンクとして上記内燃機関300の燃料タンクを共用してもよい。そして、上記第2燃料ポンプ291の制御部は上記コントローラ170に電気的に接続されており、上記コントローラ170により上記第2燃料ポンプ291の作動が制御される。
【0084】
そして、上記コントローラ170により、上記第1燃料ポンプ191、上記電気スイッチ193、上記第1ブロワ194、及び上記第2燃料ポンプ291の作動が次のように制御される。すなわち、上記液体燃料配管150から上記収容部材120に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管160から上記昇温室111に空気を供給し、且つ上記発熱部材130に通電し、さらに上記後続液体燃料配管230から上記貯留部215に上記液体燃料を供給すると、上記昇温室111で上記一次混合気が連続的に燃焼すると共に上記二次混合気が燃焼し、さらに上記貯留部215に供給された上記液体燃料が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材110により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記後続昇温室211に拡散して上記後続昇温部材210の上記入口212から導入された上記後続昇温室211の排気上流側からの空気と混合して三次混合気を生成し、この三次混合気が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材110により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記後続昇温部材210の上記出口213から排気下流側へ導出されるように制御されている。上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気である。その場合、上記温度センサ181、182の信号に基づいて上記昇温室111の温度が所定の温度を超えないように上記液体燃料の供給、及び上記空気の供給などが制御される。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ181、182の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0085】
上記排気系の拡張昇温装置200は、上記内燃機関300に設けられる。この内燃機関300の説明として、上記実施形態に係る排気系の昇温装置100における上記内燃機関300の説明をそのまま引用する。
【0086】
上記排気系の拡張昇温装置200は、上記内燃機関300の上記排気通路310における排気ガスの流れる方向に沿って一部を構成する排気通路構成部材312に設けられる。上記排気通路構成部材312は筒状に形成され、上記排気通路構成部材312の内部に排気通路310の一部が形成されている。この排気通路310の一部は、排気上流側と排気下流側とに開口している。上記排気系の拡張昇温装置200は、上記排気通路構成部材312に、上記後続昇温部材210が上記排気通路構成部材312の内部に配置されるように設けられる。上記排気系の拡張昇温装置200は、上記後続昇温部材210が上記排気通路310のなかに配置されるように設けられる。その場合、上記後続昇温部材210の上記入口212が上記排気通路310の排気上流側に向き、上記出口213が上記排気通路310の排気下流側に向くように配置される。したがって、上記排気系の拡張昇温装置200が備える上記排気系の昇温装置100は、少なくとも上記排出口113aの側の部分が上記排気通路構成部材312を貫通して上記排気通路310のなかに導入されるように配置されている。その場合、上記昇温部材110から排出される排気ガスの流量は、アイドル運転時における上記内燃機関300から排出される排気ガスの流量の約10重量%以下である。ただし、これはあくまで一例を示しただけであって、上記昇温部材から排出される排気ガスの流量が他の数値を示す実施形態も本発明に含まれるのであり、この実施形態によって本発明の上記昇温部材から排出される排気ガスの流量が限定解釈されることはない。上記排気通路構成部材312における上記排気系の拡張昇温装置200の上記出口213の排気下流側には、上記出口213からの排気流に対向するように拡散板201が設けられている。上記排気通路構成部材312には上記拡散板201の周囲に空間が形成されており、この空間により、この部位での上記排気通路310が形成されている。この実施形態の場合、上記拡散板201は排気流の方向からみて上記拡散板201を収めた排気通路構成部材の通路形状よりも一回り小さい円形の板により形成されており、上記拡散板201には排気流の方向からみて左右両側の端縁から左右にステーがそれぞれ延びており、これらのステーが上記排気通路構成部材の内壁にそれぞれ溶接されている。上記拡散板は、例えば上記ステーをボルト等により上記排気通路構成部材に取り付けたり、上記ステーをボルト等により上記排気通路構成部材とそれと隣接する排気通路構成部材との間に挟んで取り付けてもよく、この実施形態によって上記拡散板の構成、又は取り付け構造の構成が限定解釈されることはない。本発明の排気系の拡張昇温装置は、このような拡散板を設けていない実施形態を含んでいる。
【0087】
図9は、本発明の排気系の拡張昇温装置の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200と一部の構成が異なっている。したがって、この第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200の説明として、上記第1の実施形態及びその変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の拡張昇温装置200の説明をそのまま引用し、これらと異なる構成のみを説明する。上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記実施形態の排気系の昇温装置100を利用して構成されている。また、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記実施形態の変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の昇温装置100を利用して構成することができる。したがって、この第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200における排気系の昇温装置100の説明として、以上で説明した上記実施形態及びその変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の昇温装置100の構成をそのまま引用する。
【0088】
上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200も上記後続昇温部材210を備えている。上記後続昇温部材210は、内部に形成された上記後続昇温室211、上記後続昇温室211を排気上流側に開口させる上記入口212、及び上記後続昇温室211を排気下流側に開口させる上記出口213を有する筒状に形成され、上記周壁214には上記排気系の昇温装置100の上記昇温部材110における少なくとも上記排出口113aの側の部分が貫通して上記周壁214に気密的に接続している。上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200の上記後続昇温部材210には、上記昇温部材110の周囲の上記周壁214に貯留部215が形成されていたが、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200の上記後続昇温部材210には、このような貯留部は設けられていない。しかし、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200においても上記貯留部を設けてもよい。
【0089】
上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200の上記後続昇温部材210には、上記後続液体燃料配管230が設けられていたが、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200の上記後続昇温部材210には、このような後続液体燃料配管は設けられていない。上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200には、後続混合気配管240が設けられている。上記後続混合気配管240は熱伝導性に優れた管である。上記後続混合気配管240は、その中途部が上記排気ガスと熱交換できるように上記後続昇温部材210の排気下流側に設けられている。その場合、上記排気流の方向にみて上記後続混合気配管240の面積は上記排気通路310の通路面積に較べて充分小さい。上記後続混合気配管240は、その一端が上記後続昇温室211に連通するように上記後続昇温部材210に接続され、他端には上記液体燃料と空気との混合物が供給されることになる。そして、上記後続混合気配管240の上記他端から供給された上記液体燃料と上記空気との混合物が上記排気ガスとの熱交換により吸収した熱により上記液体燃料と上記空気との混合気になって上記後続混合気配管240の上記一端から上記後続昇温室211に供給されるように構成されている。この実施形態では、上記後続混合気配管240の他端には、第1管241と第2管242とが合流して接続されている。上記第1管241は上記燃料タンク195に接続されている。上記第1管241には第3燃料ポンプ292が設けられ、上記第3燃料ポンプ292の電源への接続端子は電線192gを介して上記バッテリ196に接続されている。このバッテリとして上記内燃機関300のバッテリを共用してもよい。この燃料タンク195には上記液体燃料として軽油が入っているが、液体燃料としては他に重油、バイオ燃料、又はその他の燃料を入れる場合がある。この燃料タンクとして上記内燃機関300の燃料タンクを共用してもよい。そして、上記第3燃料ポンプ292の制御部は上記コントローラ170に電気的に接続されており、上記コントローラ170により上記第3燃料ポンプ292の作動が制御される。上記第2管242は、第2ブロワ293の吐出口に接続されている。上記第2ブロワ293の電源への接続端子は電線192hを介して電源としての上記バッテリ196に接続されている。このバッテリとして上記内燃機関300のバッテリを共用してもよい。そして、上記第2ブロワ293の制御部は上記コントローラ170に電気的に接続されており、上記コントローラ170により上記第2ブロワ293の作動が制御される。
【0090】
そして、上記コントローラ170により、上記第1燃料ポンプ191、上記電気スイッチ193、上記第1ブロワ194、上記第3燃料ポンプ292、及び上記第2ブロワ293の作動が次のように制御される。すなわち、上記液体燃料配管150から上記収容部材120に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管160から上記昇温室111に空気を供給し、且つ上記発熱部材130に通電し、さらに上記後続混合気配管240から上記後続昇温室211に上記混合気を供給すると、上記昇温室111で上記一次混合気が連続的に燃焼すると共に上記二次混合気が燃焼し、さらに上記後続昇温室211に供給された上記混合気が上記後続昇温室211に拡散して上記後続昇温部材210の上記入口212から導入された上記後続昇温室211の排気上流側からの空気と混合して三次混合気を生成し、この三次混合気が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材110により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記後続昇温部材210の上記出口213から排気下流側へ導出されるように制御されている。上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気である。その場合、上記温度センサ181、182の信号に基づいて上記昇温室111の温度が所定の温度を超えないように上記液体燃料の供給、及び上記空気の供給などが制御される。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ181、182の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0091】
上記排気系の拡張昇温装置200は、上記内燃機関300に設けられる。上記排気系の拡張昇温装置200は、上記排気通路構成部材312に設けられる。上記排気系の拡張昇温装置200は、上記排気通路構成部材312に、上記後続昇温部材210が上記排気通路構成部材312の内部に配置されるように設けられる。上記排気系の拡張昇温装置200は、上記後続昇温部材210が上記排気通路310のなかに配置されるように設けられる。その場合、上記後続昇温部材210の上記入口212が上記排気通路310の排気上流側に向き、上記出口213が上記排気通路310の排気下流側に向くように配置される。したがって、上記排気系の拡張昇温装置200が備える上記排気系の昇温装置100は、少なくとも上記排出口113aの側の部分が上記排気通路構成部材312を貫通して上記排気通路310のなかに導入されるように配置されている。その場合、上記昇温部材110から排出される排気ガスの流量は、アイドル運転時における上記内燃機関300から排出される排気ガスの流量の約10重量%以下である。ただし、これはあくまで一例を示しただけであって、上記昇温部材から排出される排気ガスの流量が他の数値を示す実施形態も本発明に含まれるのであり、この実施形態によって本発明の上記昇温部材から排出される排気ガスの流量が限定解釈されることはない。上記排気通路構成部材312には上記拡散板201が設けられているので、上記後続混合気配管240の中途部が上記拡散板201の排気下流側に配置されているが、上記後続混合気配管の中途部は、上記後続昇温部材の排気下流側であれば上記拡散板の排気上流側に配置してもよい。また、上記後続混合気配管の中途部は、上記排気通路構成部材の内部又は外部の他の部位に設けてもよいし、上記排気通路構成部材の内壁又は外壁に接触させて設けてもよい。
【0092】
したがって、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200においても、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200においても、上記排気系の拡張昇温装置200を上記内燃機関300の上記排気通路310に設けて上記排気系の拡張昇温装置200を作動させると、上記一次混合気、上記二次混合気、及び上記三次混合気が燃焼し、上記三次混合気の燃焼により上記二次混合気の火炎よりも増幅された火炎が形成され、その燃焼熱により上記排気通路310に更に高温の排気ガスが形成される。そして、この更に高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱される。そのため、例えば、上記内燃機関300が、上記排気通路310にパティキュレートフィルタが設けられた内燃機関であるときには、上記パティキュレートフィルタが再生される。また、例えば、上記内燃機関が、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により上記パティキュレートフィルタの排気上流側の上記排気通路に燃料を供給するようにした内燃機関であるときには、この上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射により上記排気通路に供給された燃料の気化が促進され、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。さらに、例えば、上記内燃機関が、上記排気通路に排気上流側から順に酸化触媒とパティキュレートフィルタとが設けられた内燃機関であるときには、上記酸化触媒の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。また、例えば、上記内燃機関が、上記排気通路に排気上流側から順にパティキュレートフィルタと酸化触媒とが設けられた内燃機関であるときには、それらの間に上記排気系の拡張昇温部材200を設けることで上記酸化触媒の活性が促進されて上記排気通路に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタから排出された白煙が酸化されて減る。
【0093】
その場合、上記排気系の昇温装置100においては先に説明した作用、すなわち、確実に着火が行われ、運転条件によらず失火が防止され、継続的に安定した燃焼が行われ、上記火炎が形成されて、未燃燃料により白煙が発生することがないこと、上記ポスト噴射又は上記排気通路への噴射を行う場合に較べて燃料消費率が小さく省エネルギ性に優れていること、上記内燃機関300に容易に後付けすることができる可能性が高いと共に、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高いこと、上記排気系の昇温装置100に酸化触媒を設けないときには上記内燃機関300の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えないこと、などの作用が、そのまま発揮される。しかも、上記排気系の昇温装置100を除いた他の部分を考慮しても、上記排気系の拡張昇温装置200は上記ポスト噴射又は上記排気通路310への噴射を行う場合に較べて燃料消費率が小さく省エネルギ性に優れていること、上記内燃機関300に容易に後付けすることができる可能性が高いと共に、装置の構成が比較的簡単で小型化できる可能性が高く、コスト低減できる可能性が高いこと、上記排気系の拡張昇温装置200に酸化触媒を設けないときには上記内燃機関300の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えないこと、などの作用が発揮される。そして、上記排気系の拡張昇温装置200は、後述するパティキュレートフィルタの再生を行える内燃機関のフィルタ再生装置、及び発生した白煙を酸化して減らすことができる内燃機関の排気浄化装置などに好適である。また、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記後続混合気配管240において上記液体燃料と空気との混合物が、上記排気ガスとの熱交換により加熱されて上記液体燃料の気化が促進されるので、上記三次混合気の生成が促進される。
【0094】
図10は、本発明の排気系の拡張昇温装置の第3の実施形態を示す。この第3の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200と一部の構成が異なっている。したがって、この第3の実施形態の排気系の拡張昇温装置200の説明として、上記第1の実施形態及びその変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の拡張昇温装置200の説明をそのまま引用し、これらと異なる構成のみを説明する。上記第3の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記実施形態の排気系の昇温装置100を利用して構成されている。また、上記第3の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記実施形態の変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の昇温装置100を利用して構成することができる。したがって、この第3の実施形態の排気系の拡張昇温装置200における排気系の昇温装置100の説明として、以上で説明した上記実施形態及びその変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の昇温装置100の構成をそのまま引用する。
【0095】
上記第3の実施形態の排気系の拡張昇温装置200では、さらに、一端が上記後続昇温室211の排気上流側に設けられ、空気が供給されることになる追加の空気配管250を備えている。上記後続昇温部材210の上記入口212から導入された上記後続昇温室211の排気上流側からの空気の少なくとも一部は、上記追加の空気配管250から供給される空気である。すなわち、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気と、上記追加の空気配管250から供給された空気とにより構成される。したがって、上記内燃機関300が停止しているときには、燃焼室から排出された排気ガスが上記排気系の拡張昇温装置200に流れてこないので、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記追加の空気配管250から供給される空気である。すなわち、上記追加の空気配管250から供給される空気が、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気となる。上記追加の空気配管250は、第3ブロワ294の吐出口に接続されている。上記第3ブロワ294の電源への接続端子は電線192iを介して電源としての上記バッテリ196に接続されている。このバッテリとして上記内燃機関300のバッテリを共用してもよい。そして、上記第3ブロワ294の制御部は上記コントローラ170に電気的に接続されており、上記コントローラ170により上記第3ブロワ294の作動が制御される。
【0096】
そして、上記コントローラ170により、上記第1燃料ポンプ191、上記電気スイッチ193、上記第1ブロワ194、上記第2燃料ポンプ291、及び上記第3ブロワ294の作動が上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200のときと同様に制御される。上記内燃機関300のイグニッションスイッチからの信号を上記コントローラ170に入れて、上記イグニッションスイッチが開いて上記内燃機関300が停止しているときに上記第3ブロワ294の作動が可能となるようにしてもよい。
【0097】
上記第3の実施形態の排気系の拡張昇温装置200のようにすれば、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200で得られた作用及び効果が得られることに加えて、上記内燃機関300の停止時であっても上記三次混合気が生成されて上記排気系の拡張昇温装置200の作動が可能となる。
【0098】
図11は、本発明の排気系の拡張昇温装置の第4の実施形態を示す。この第4の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200と一部の構成が異なっている。したがって、この第4の実施形態の排気系の拡張昇温装置200の説明として、上記第2の実施形態及びその変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の拡張昇温装置200の説明をそのまま引用し、これらと異なる構成のみを説明する。上記第4の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記実施形態の排気系の昇温装置100を利用して構成されている。また、上記第4の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記実施形態の変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の昇温装置100を利用して構成することができる。したがって、この第4の実施形態の排気系の拡張昇温装置200における排気系の昇温装置100の説明として、以上で説明した上記実施形態及びその変形例、並びに上記種々の実施形態に係る排気系の昇温装置100の構成をそのまま引用する。上記第4の実施形態の排気系の拡張昇温装置200は、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200に上記第3の実施形態の排気系の拡張昇温装置200で採用した技術を組み合わせている。すなわち、上記第4の実施形態の排気系の拡張昇温装置200では、さらに、一端が上記後続昇温室211の排気上流側に設けられ、空気が供給されることになる上記追加の空気配管250を備えている。上記後続昇温室211の排気上流側からの空気の少なくとも一部は、上記追加の空気配管250から供給される空気である。すなわち、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気と、上記追加の空気配管250から供給された空気とにより構成される。したがって、上記内燃機関300が停止しているときには、燃焼室から排出された排気ガスが上記排気系の拡張昇温装置200に流れてこないので、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記追加の空気配管250から供給される空気である。すなわち、上記追加の空気配管250から供給される空気が、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気となる。上記追加の空気配管250は、第3ブロワ294の吐出口に接続されている。上記第3ブロワ294の電源への接続端子は電線192iを介して電源としての上記バッテリ196に接続されている。このバッテリとして上記内燃機関300のバッテリを共用してもよい。そして、上記第3ブロワ294の制御部は上記コントローラ170に電気的に接続されており、上記コントローラ170により上記第3ブロワ294の作動が制御される。
【0099】
そして、上記コントローラ170により、上記第1燃料ポンプ191、上記電気スイッチ193、上記第1ブロワ194、上記第3燃料ポンプ292、上記第2ブロワ293、及び上記第3ブロワ294の作動が上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200のときと同様に制御される。上記内燃機関300のイグニッションスイッチからの信号を上記コントローラ170に入れて、上記イグニッションスイッチが開いて上記内燃機関300が停止しているときに上記第3ブロワ294の作動が可能となるようにしてもよい。
【0100】
上記第4の実施形態の排気系の拡張昇温装置200のようにすれば、上記第2の実施形態の排気系の拡張昇温装置200で得られた作用及び効果が得られることに加えて、上記内燃機関300の停止時であっても上記三次混合気が生成されて上記排気系の拡張昇温装置200の作動が可能となる。
【0101】
次に、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Aの実施形態を説明する。図12に示すように、この実施形態の上記内燃機関のフィルタ再生装置Aは、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ400を設けた内燃機関300に設けられる。
【0102】
上記パティキュレートフィルタ400を除いた上記内燃機関300の説明として、上記実施形態に係る排気系の昇温装置100における上記内燃機関300の説明をそのまま引用する。
【0103】
上記パティキュレートフィルタ400は、排気流の方向にみて上記パティキュレートフィルタ400の断面が上記排気通路310の全面を占めるように設けられており、上記排気通路310を流れる上記排気ガスはその全量が上記パティキュレートフィルタ400を通るようにしている。上記パティキュレートフィルタ400の一端には排気ガスの導入側の端面が設けられており、上記パティキュレートフィルタ400の他端には排気ガスの導出側の端面が設けられている。上記パティキュレートフィルタ400は、排気通路構成部材313、つまり上記排気通路310を構成する部材である筒形部材の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。上記パティキュレートフィルタを上記排気通路構成部材に対して脱着可能に設けてもよい。そして、上記パティキュレートフィルタ400の上記導入側の端面は上記排気通路310において排気上流側に向いており、上記導出側の端面は排気下流側に向いている。上記パティキュレートフィルタ400は、いわゆる目封じタイプである。上記パティキュレートフィルタ400は、セラミックで構成され、隔壁で区画された複数のセルを有する、いわゆるハニカム体であって、ハニカムを1セルずつ交互にその端を塞いだものであり、排気ガスが壁を通過するときに粒子状物質を捕集する。上記パティキュレートフィルタ400の導入側の端面では各セルの端面がシール材によって交互に市松模様状に塞がれており、導出側の端面では、上記導入側の端面で塞がれたセルは開口し、上記導入側の端面で開口していたセルはシール材によって塞がれた構造をしている。上記パティキュレートフィルタとしては、他にも例えば多孔体タイプ、繊維タイプなどがあり、これらは、例えば金属等の材料で構成され、排気が多孔体又は繊維の構成体に衝突することで粒子状物質を捕集するように構成されている。しかし、本発明の対象となる上記パティキュレートフィルタの構造は、この実施形態によって限定解釈されるものではなく、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集する機能を発揮するものであればよい。
【0104】
そして、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200が、上記後続昇温部材210が上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310に配置されるように設けられている。この実施形態では上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材312が接続されているが、上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材312との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。183は、上記パティキュレートフィルタ400の排気上流側で且つ拡散板201よりも排気下流側の上記排気通路310に設けられ、上記排気通路310の温度を検出する温度センサであって、この温度センサ183の出力信号が電線192jを介して上記コントローラ170へ送られている。そして、上記温度センサ183の信号に基づいて上記パティキュレートフィルタ400の排気上流側の温度が所定の温度を超えないように上記液体燃料の供給、及び上記空気の供給などが制御される。上記温度センサ183は熱電対であるが、温度を検出できるのであれば他の装置であってもよい。しかし、上記排気通路310に設けられる上記温度センサの数、位置がこの実施形態によって限定されることはない。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0105】
そして、上記排気系の拡張昇温装置200の燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400へ導かれ、この排気ガスにより上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成している。この場合、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200に代えて、上記第2の実施形態、上記第3の実施形態、又は上記第4の実施形態に係る排気系の拡張昇温装置200を設けてもよい。したがって、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気、上記追加の空気配管250から供給された空気、及びこれら両方の空気のうちの、いずれかである。
【0106】
上記実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Aは、上記排気系の拡張昇温装置200からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が強力に再生される。上記排気系のフィルタ再生装置Aに酸化触媒を設けないときには、上記内燃機関300の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えない。
【0107】
次に、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Bの実施形態を説明する。図13は上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第1の実施形態を示す。この第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ400を設け、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310に補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成した内燃機関300に設けられる。
【0108】
上記パティキュレートフィルタ400及び上記補充燃料の供給手段を除いた上記内燃機関300の説明として、上記実施形態に係る排気系の昇温装置100における上記内燃機関300の説明をそのまま引用する。このことは後述する内燃機関のフィルタ再生装置Bの他の実施形態でも同様である。
【0109】
上記パティキュレートフィルタ400は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Aの第1実施形態における上記パティキュレートフィルタ400と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記パティキュレートフィルタ400は、上記排気通路構成部材313の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。
【0110】
この第1実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310への燃料供給が、ポスト噴射により行われている。すなわち、上記内燃機関300は、先に説明したように、コモンレール噴射システムを採用している。そして、上記ポスト噴射とは、膨張行程などに上記インジェクタから燃料を噴射させることである。上記燃料噴射コントローラ320には、上記ポスト噴射を制御するための制御部が設けられている。
【0111】
そして、上記実施形態の排気系の昇温装置100が、上記昇温部材110の少なくとも上記排出口113aの側の部分が上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側で且つ上記補充燃料の供給部位よりも排気下流側における上記排気通路310に配置されるように設けられている。この場合、上記ポスト噴射を行っているので、上記補充燃料の供給部位は、上記内燃機関300の燃焼室である。この実施形態では上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材311が接続されているが、上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材311との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。183は、上記パティキュレートフィルタ400の排気上流側で且つ拡散板102よりも排気下流側の上記排気通路310に設けられ、上記排気通路310の温度を検出する温度センサであって、この温度センサ183の出力信号が電線192jを介して上記コントローラ170へ送られている。そして、上記温度センサ183の信号に基づいて上記パティキュレートフィルタ400の排気上流側の温度が所定の温度を超えないように上記液体燃料の供給、及び上記空気の供給などが制御される。上記温度センサ183は熱電対であるが、温度を検出できるのであれば他の装置であってもよい。しかし、上記排気通路310に設けられる上記温度センサの数、位置がこの実施形態によって限定されることはない。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0112】
そして、上記排気通路310に供給された上記補充燃料が上記排気系の昇温装置100により加熱されて気化が促進され、この気化した上記補充燃料が上記排気系の昇温装置100の排気上流側からの空気と混合して補充混合気を生成し、この補充混合気が上記排気系の昇温装置100により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成している。
【0113】
上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気系の昇温装置100からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が再生される。上記排気系のフィルタ再生装置Bに酸化触媒を設けないときには、上記内燃機関300の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えない。
【0114】
図14は上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第2の実施形態を示す。この第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ400を設け、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310に補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成した内燃機関300に設けられる。この第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、上記排気系の昇温装置100に代えて上記排気系の拡張昇温装置200を設けている。
【0115】
上記パティキュレートフィルタ400は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Aの第1実施形態における上記パティキュレートフィルタ400と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記パティキュレートフィルタ400は、上記排気通路構成部材313の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。
【0116】
この第2実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310への燃料供給が、ポスト噴射により行われている。すなわち、上記内燃機関300は、先に説明したように、コモンレール噴射システムを採用している。そして、上記ポスト噴射とは、膨張行程などに上記インジェクタから燃料を噴射させることである。上記燃料噴射コントローラ320には、上記ポスト噴射を制御するための制御部が設けられている。
【0117】
そして、上記第1実施形態の排気系の拡張昇温装置200が、上記後続昇温部材210が上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側で且つ上記補充燃料の供給部位よりも排気下流側の上記排気通路310に配置されるように設けられている。この場合、上記ポスト噴射を行っているので、上記補充燃料の供給部位は、上記内燃機関300の燃焼室である。この実施形態では上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材312が接続されているが、上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材312との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、配設位置が上記拡散板102の排気下流側であることに代えて上記拡散板201の排気下流側であること以外は、上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0118】
そして、上記排気通路310に供給された上記補充燃料が上記排気系の拡張昇温装置200により加熱されて気化が促進され、この気化した上記補充燃料が上記排気系の拡張昇温装置200の排気上流側からの空気と混合して補充混合気を生成し、この補充混合気が上記排気系の拡張昇温装置200により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成している。この場合、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200に代えて、上記第2の実施形態、上記第3の実施形態、又は上記第4の実施形態に係る排気系の拡張昇温装置200を設けてもよい。したがって、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気、上記追加の空気配管250から供給された空気、及びこれら両方の空気のうちの、いずれかである。
【0119】
上記第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気系の拡張昇温装置200からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が強力に再生される。上記排気系のフィルタ再生装置Bに酸化触媒を設けないときには、上記内燃機関300の燃料として硫黄分の比較的多い軽油や重油を用いても差し支えない。
【0120】
図15は上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第3の実施形態を示す。この第3の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ400を設け、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310に補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成した内燃機関300に設けられる。この第3の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路への燃料供給をポスト噴射により行ったことに代えて、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310への燃料供給を、上記排気通路310への燃料噴射により行っている。
【0121】
上記パティキュレートフィルタ400は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Aの第1実施形態における上記パティキュレートフィルタ400と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記パティキュレートフィルタ400は、上記排気通路構成部材313の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。
【0122】
この第3実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310への燃料供給が、上記排気通路310への燃料噴射により行われている。すなわち、上記排気通路310を構成する排気通路構成部材311には、燃料を噴射するインジェクタ510が設けられ、このインジェクタ510には燃料ポンプ(図示省略)から燃料が供給されており、このインジェクタ510により、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310へ燃料を噴射するように構成されている。この場合、上記排気通路310を構成する排気通路構成部材であって、上記排気通路構成部材311よりも排気上流側に排気通路構成部材に上記インジェクタを設けてもよい。
【0123】
そして、上記実施形態の排気系の昇温装置100が、上記昇温部材110の少なくとも上記排出口113aの側の部分が上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側で且つ上記補充燃料の供給部位よりも排気下流側における上記排気通路310に配置されるように設けられている。この場合、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310への燃料供給を上記排気通路310への燃料噴射により行っているので、上記補充燃料の供給部位は、上記インジェクタ510の噴口の位置である。この実施形態では上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材311が接続されているが、上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材311との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0124】
そして、上記排気通路310に供給された上記補充燃料が上記排気系の昇温装置100により加熱されて気化が促進され、この気化した上記補充燃料が上記排気系の昇温装置100の排気上流側からの空気と混合して補充混合気を生成し、この補充混合気が上記排気系の昇温装置100により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成している。
【0125】
上記第3の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気系の昇温装置100からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が再生される。
【0126】
図16は上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第4の実施形態を示す。この第4の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ400を設け、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310に補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成した内燃機関300に設けられる。この第4の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路への燃料供給をポスト噴射により行ったことに代えて、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310への燃料供給を、上記排気通路310への燃料噴射により行っている。
【0127】
上記パティキュレートフィルタ400は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Aの第1実施形態における上記パティキュレートフィルタ400と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記パティキュレートフィルタ400は、上記排気通路構成部材313の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。
【0128】
この第4実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310への燃料供給が、上記排気通路310への燃料噴射により行われている。すなわち、上記排気通路310を構成する排気通路構成部材312には、燃料を噴射するインジェクタ510が設けられ、このインジェクタ510には燃料ポンプ(図示省略)から燃料が供給されており、このインジェクタ510により、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310へ燃料を噴射するように構成されている。この場合、上記排気通路310を構成する排気通路構成部材であって、上記排気通路構成部材312よりも排気上流側に排気通路構成部材に上記インジェクタを設けてもよい。
【0129】
そして、上記第1実施形態の排気系の拡張昇温装置200が、上記後続昇温部材210が上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側で且つ上記補充燃料の供給部位よりも排気下流側の上記排気通路310に配置されるように設けられている。この場合、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310への燃料供給を上記排気通路310への燃料噴射により行っているので、上記補充燃料の供給部位は、上記インジェクタ510の噴口の位置である。この実施形態では上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材312が接続されているが、上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材312との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、配設位置が上記拡散板102の排気下流側であることに代えて上記拡散板201の排気下流側であること以外は、上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0130】
そして、上記排気通路310に供給された上記補充燃料が上記排気系の拡張昇温装置200により加熱されて気化が促進され、この気化した上記補充燃料が上記排気系の拡張昇温装置200の排気上流側からの空気と混合して補充混合気を生成し、この補充混合気が上記排気系の拡張昇温装置200により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成している。この場合、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200に代えて、上記第2の実施形態、上記第3の実施形態、又は上記第4の実施形態に係る排気系の拡張昇温装置200を設けてもよい。したがって、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気、上記追加の空気配管250から供給された空気、及びこれら両方の空気のうちの、いずれかである。
【0131】
上記第4の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気系の拡張昇温装置200からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が強力に再生される。
【0132】
図17は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5の実施形態を示す。この第5の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、上記昇温部材110と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置610が設けられている。
【0133】
上記フィルタ直前触媒装置610は、上記酸化触媒と、この酸化触媒をその両端を除いて覆うケーシングとを備えているが、このようなケーシングを設けずに上記酸化触媒そのものにより上記フィルタ直前触媒装置を構成してもよい。このフィルタ直前触媒装置610は、排気流の方向にみて上記フィルタ直前触媒装置610の断面が上記排気通路310の全面を占めるように設けられており、上記排気通路310を流れる上記排気ガスはその全量が上記フィルタ直前触媒装置610を通るようにしている。このフィルタ直前触媒装置610が備える酸化触媒は、ディーゼル用酸化触媒であるが、上記内燃機関の状態に応じて他の種類の酸化触媒を用いてもよい。上記フィルタ直前触媒装置610の一端には排気ガスの導入側の端面が設けられており、上記フィルタ直前触媒装置610の他端には排気ガスの導出側の端面が設けられている。上記フィルタ直前触媒装置610は、排気通路構成部材、つまり上記排気通路310を構成する部材である筒形の排気通路構成部材314の内部通路に収容されて、その排気通路構成部材314に保持されている。そして、上記フィルタ直前触媒装置610の上記導入側の端面は、上記排気通路310において排気上流側に向いており、上記導出側の端面は上記排気通路310において排気下流側に向いている。上記フィルタ直前触媒装置610は、排気ガスを流すための細い貫通孔が多数設けられたステンレス製の母材と、上記母材に担持された酸化触媒としての白金(Pt)とを備えている。上記母材はステンレス製に限定されることはなく、例えばコージェライト、セラミックなどで形成してもよい。上記担持される材料は白金(Pt)に限定されることはなく、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒の機能を発揮するのであれば他の材質であってもよい。そして、排気上流側の排気通路310からの排気ガスが上記導入側の端面から上記フィルタ直前触媒装置610へ入ると、上記フィルタ直前触媒装置610における酸化触媒の触媒反応により、排気ガスに含まれる粒子状物質が酸化され、また排気ガスに含まれるCO、HC、SOFなどの物質が酸化されてCO2や水などに変わる。そして、この酸化反応によって排気ガスが加熱されて高温になる。本発明のフィルタ直前触媒装置は、この実施形態によって限定解釈されるものではなく、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する機能を発揮するものであればよい。以上の構成により、上記フィルタ直前触媒装置610における上記物質の酸化反応により加熱された上記排気ガスで上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するようにしている。本発明でいう上記物質には、排気ガスに含まれる粒子状物質、排気ガスに含まれるCO、HC、SOFなどの物質が含まれている。
【0134】
そして、上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材314が接続され、上記排気通路構成部材314の排気上流側に上記排気通路構成部材311が接続されている。しかし、これら上記排気通路構成部材311、314、313の間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bで説明した上記温度センサ183は、上記フィルタ直前触媒装置610の排気上流側で且つ拡散板102よりも排気下流側に設けられており、この温度センサ183の出力信号が電線192jを介して上記コントローラ170へ送られている。そして、上記温度センサ183の信号に基づいて上記フィルタ直前触媒装置610の排気上流側の温度が所定の温度を超えないように上記液体燃料の供給、及び上記空気の供給などが制御される。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0135】
その他の構成は上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bと同一であるので、その説明をそのまま引用する。
【0136】
上記第5の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気系の昇温装置100からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が再生される。さらに、上記昇温部材110と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置610を設けた。そのため、上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置610の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記排気通路310に設けられた上記パティキュレートフィルタ400が再生される。
【0137】
図18は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第6の実施形態を示す。この第6の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、上記後続昇温部材210と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えた上記フィルタ直前触媒装置610が設けられている。
【0138】
上記フィルタ直前触媒装置610は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5実施形態における上記フィルタ直前触媒装置610と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記フィルタ直前触媒装置610は、上記排気通路構成部材314の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材314に保持されている。
【0139】
そして、上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材314が接続され、上記排気通路構成部材314の排気上流側に上記排気通路構成部材312が接続されている。しかし、これら上記排気通路構成部材312、314、313の間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、配設位置が上記拡散板102の排気下流側であることに代えて上記拡散板201の排気下流側であること以外は、上記第5の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0140】
その他の構成は上記第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bと同一であるので、その説明をそのまま引用する。
【0141】
上記第6の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気系の拡張昇温装置200からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が強力に再生される。さらに、上記後続昇温部材210と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置610を設けた。そのため、上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置610の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記排気通路310に設けられた上記パティキュレートフィルタ400が強力に再生される。
【0142】
図19は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第7の実施形態を示す。この第7の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第3の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、上記昇温部材110と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えた上記フィルタ直前触媒装置610が設けられている。
【0143】
上記フィルタ直前触媒装置610は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5実施形態における上記フィルタ直前触媒装置610と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記フィルタ直前触媒装置610は、上記排気通路構成部材314の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材314に保持されている。
【0144】
そして、上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材314が接続され、上記排気通路構成部材314の排気上流側に上記排気通路構成部材311が接続されている。しかし、これら上記排気通路構成部材311、314、313の間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、上記第5の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0145】
その他の構成は上記第3の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bと同一であるので、その説明をそのまま引用する。
【0146】
上記第7の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気系の昇温装置100からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が再生される。さらに、上記昇温部材110と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置610を設けた。そのため、上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置610の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記排気通路310に設けられた上記パティキュレートフィルタ400が再生される。
【0147】
図20は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第8の実施形態を示す。この第8の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記第4の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bにおいて、上記後続昇温部材210と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えた上記フィルタ直前触媒装置610が設けられている。
【0148】
上記フィルタ直前触媒装置610は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5実施形態における上記フィルタ直前触媒装置610と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記フィルタ直前触媒装置610は、上記排気通路構成部材314の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材314に保持されている。
【0149】
そして、上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材314が接続され、上記排気通路構成部材314の排気上流側に上記排気通路構成部材312が接続されている。しかし、これら上記排気通路構成部材312、314、313の間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、配設位置が上記拡散板102の排気下流側であることに代えて上記拡散板201の排気下流側であること以外は、上記第5の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bの場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0150】
その他の構成は上記第4の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bと同一であるので、その説明をそのまま引用する。
【0151】
上記第8の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Bは、上記排気系の拡張昇温装置200からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記排気通路310に供給された燃料の気化が促進され、その燃料の酸化作用により上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が強力に再生される。さらに、上記後続昇温部材210と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置610を設けた。そのため、上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置610の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記排気通路310に設けられた上記パティキュレートフィルタ400が強力に再生される。
【0152】
次に、本発明の内燃機関のフィルタ再生装置Cの実施形態を説明する。図21は上記内燃機関のフィルタ再生装置Cの第1の実施形態を示す。この第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Cは、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ400を設け、上記排気通路310における上記パティキュレートフィルタ400の排気上流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えた上記フィルタ直前触媒装置610を設け、上記フィルタ直前触媒装置610の触媒活性が得られたときには上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成した内燃機関300に設けられる。
【0153】
上記パティキュレートフィルタ400及び上記フィルタ直前触媒装置610を除いた上記内燃機関300の説明として、上記実施形態に係る排気系の昇温装置100における上記内燃機関300の説明をそのまま引用する。このことは後述する内燃機関のフィルタ再生装置Cの他の実施形態でも同様である。
【0154】
上記パティキュレートフィルタ400は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Aの第1実施形態における上記パティキュレートフィルタ400と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記パティキュレートフィルタ400は、上記排気通路構成部材313の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。
【0155】
上記フィルタ直前触媒装置610は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5の実施形態をにおける上記フィルタ直前触媒装置610と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記フィルタ直前触媒装置610は、上記排気通路構成部材314の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材314に保持されている。
【0156】
そして、上記実施形態の排気系の昇温装置100が、上記昇温部材110の少なくとも上記排出口113aの側の部分が上記フィルタ直前触媒装置610よりも排気上流側の上記排気通路310に配置されるように設けられている。この実施形態では上記排気通路構成部材314の排気上流側に上記排気通路構成部材311が接続されているが、上記排気通路構成部材314と上記排気通路構成部材311との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。183は、上記フィルタ直前触媒装置610の排気上流側で且つ拡散板102よりも排気下流側の上記排気通路310に設けられ、上記排気通路310の温度を検出する温度センサであって、この温度センサ183の出力信号が電線192jを介して上記コントローラ170へ送られている。そして、上記温度センサ183の信号に基づいて上記フィルタ直前触媒装置610の排気上流側の温度が所定の温度を超えないように上記液体燃料の供給、及び上記空気の供給などが制御される。上記温度センサ183は熱電対であるが、温度を検出できるのであれば他の装置であってもよい。しかし、上記排気通路310に設けられる上記温度センサの数、位置がこの実施形態によって限定されることはない。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0157】
そして、上記フィルタ直前触媒装置610が上記排気系の昇温装置100により加熱されて上記フィルタ直前触媒装置610の触媒活性が促進され、上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成している。
【0158】
上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Cは、上記排気系の昇温装置100からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置610の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記排気通路310に設けられた上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が再生される。
【0159】
図22は上記内燃機関のフィルタ再生装置Cの第2の実施形態を示し、この第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Cは、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ400を設け、上記排気通路310における上記パティキュレートフィルタ400の排気上流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えた上記フィルタ直前触媒装置610を設け、上記フィルタ直前触媒装置610の触媒活性が得られたときには上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成した内燃機関300に設けられる。この第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Cは、上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Cにおいて、上記排気系の昇温装置100に代えて上記排気系の拡張昇温装置200を設けている。
【0160】
上記パティキュレートフィルタ400は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Aの第1実施形態における上記パティキュレートフィルタ400と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記パティキュレートフィルタ400は、上記排気通路構成部材313の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。
【0161】
上記フィルタ直前触媒装置610は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5の実施形態をにおける上記フィルタ直前触媒装置610と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記フィルタ直前触媒装置610は、上記排気通路構成部材314の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材314に保持されている。
【0162】
そして、上記第1実施形態の排気系の拡張昇温装置200が、上記後続昇温部材210が上記フィルタ直前触媒装置610よりも排気上流側の上記排気通路310に配置されるように設けられている。この実施形態では上記排気通路構成部材314の排気上流側に上記排気通路構成部材312が接続されているが、上記排気通路構成部材314と上記排気通路構成部材312との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、配設位置が上記拡散板102の排気下流側であることに代えて上記拡散板201の排気下流側であること以外は、上記第1の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Cの場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0163】
そして、上記フィルタ直前触媒装置610が上記排気系の拡張昇温装置200により加熱されて上記フィルタ直前触媒装置610の触媒活性が促進され、上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400を再生するように構成している。この場合、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200に代えて、上記第2の実施形態、上記第3の実施形態、又は上記第4の実施形態に係る排気系の拡張昇温装置200を設けてもよい。したがって、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気、上記追加の空気配管250から供給された空気、及びこれら両方の空気のうちの、いずれかである。
【0164】
上記第2の実施形態の内燃機関のフィルタ再生装置Cは、上記排気系の拡張昇温装置200からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記フィルタ直前触媒装置610の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が強力に再生される。
【0165】
次に、本発明の内燃機関の排気浄化装置の実施形態を説明する。図23は上記内燃機関の排気浄化装置の第1の実施形態を示す。この第1の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集する上記パティキュレートフィルタ400を設け、上記排気通路310における上記パティキュレートフィルタ400の排気下流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えた上記フィルタ後方触媒装置620を設けた内燃機関300の排気浄化装置である。
【0166】
上記パティキュレートフィルタ400及び上記フィルタ後方触媒装置620を除いた上記内燃機関300の説明として、上記実施形態に係る排気系の昇温装置100における上記内燃機関300の説明をそのまま引用する。このことは後述する内燃機関の排気浄化装置の他の実施形態でも同様である。
【0167】
上記パティキュレートフィルタ400は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Aの第1実施形態における上記パティキュレートフィルタ400と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記パティキュレートフィルタ400は、上記排気通路構成部材313の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。
【0168】
上記フィルタ後方触媒装置620は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5の実施形態をにおける上記フィルタ直前触媒装置610と同一の構成である。すなわち、上記フィルタ後方触媒装置620は、上記酸化触媒と、この酸化触媒をその両端を除いて覆うケーシングとを備えているが、このようなケーシングを設けずに上記酸化触媒そのものにより上記フィルタ後方触媒装置を構成してもよい。このフィルタ後方触媒装置620は、排気流の方向にみて上記フィルタ後方触媒装置620の断面が上記排気通路310の全面を占めるように設けられており、上記排気通路310を流れる上記排気ガスはその全量が上記フィルタ後方触媒装置620を通るようにしている。このフィルタ後方触媒装置620が備える酸化触媒は、ディーゼル用酸化触媒であるが、上記内燃機関の状態に応じて他の種類の酸化触媒を用いてもよい。上記フィルタ後方触媒装置620の一端には排気ガスの導入側の端面が設けられており、上記フィルタ後方触媒装置620の他端には排気ガスの導出側の端面が設けられている。上記フィルタ後方触媒装置620は、排気通路構成部材、つまり上記排気通路310を構成する部材である筒形の排気通路構成部材315の内部通路に収容されて、その排気通路構成部材315に保持されている。そして、上記フィルタ後方触媒装置620の上記導入側の端面は、上記排気通路310において排気上流側に向いており、上記導出側の端面は上記排気通路310において排気下流側に向いている。上記フィルタ後方触媒装置620は、排気ガスを流すための細い貫通孔が多数設けられたステンレス製の母材と、上記母材に担持された酸化触媒としての白金(Pt)とを備えている。上記母材はステンレス製に限定されることはなく、例えばコージェライト、セラミックなどで形成してもよい。上記担持される材料は白金(Pt)に限定されることはなく、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒の機能を発揮するのであれば他の材質であってもよい。そして、排気上流側の排気通路310からの排気ガスが上記導入側の端面から上記フィルタ後方触媒装置620へ入ると、上記フィルタ後方触媒装置620における酸化触媒の触媒反応により、排気ガスに含まれる粒子状物質が酸化され、また排気ガスに含まれるCO、HC、SOFなどの物質が酸化されてCO2や水などに変わる。そして、この酸化反応によって排気ガスが加熱されて高温になる。本発明のフィルタ後方触媒装置は、この実施形態によって限定解釈されるものではなく、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する機能を発揮するものであればよい。以上の構成により、上記フィルタ後方触媒装置620における上記物質の酸化反応により上記パティキュレートフィルタ400から排出された白煙の酸化を促進するようにしている。本発明でいう上記物質には、排気ガスに含まれる粒子状物質、排気ガスに含まれるCO、HC、SOFなどの物質が含まれている。
【0169】
そして、上記実施形態の排気系の昇温装置100が、上記昇温部材110の少なくとも上記排出口113aの側の部分が、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気下流側で且つ上記フィルタ後方触媒装置620よりも排気上流側における上記排気通路310に配置されるように設けられている。この実施形態では上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材315との間に上記排気通路構成部材311が接続されているが、上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材311との間、又は上記排気通路構成部材311と上記排気通路構成部材315との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。183は、上記フィルタ後方触媒装置620の排気上流側で且つ拡散板102よりも排気下流側の上記排気通路310に設けられ、上記排気通路310の温度を検出する温度センサであって、この温度センサ183の出力信号が電線192jを介して上記コントローラ170へ送られている。そして、上記温度センサ183の信号に基づいて上記フィルタ後方触媒装置620の排気上流側の温度が所定の温度を超えないように上記液体燃料の供給、及び上記空気の供給などが制御される。上記温度センサ183は熱電対であるが、温度を検出できるのであれば他の装置であってもよい。しかし、上記排気通路310に設けられる上記温度センサの数、位置がこの実施形態によって限定されることはない。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0170】
そして、上記フィルタ後方触媒装置620が上記排気系の昇温装置100により加熱されて上記フィルタ後方触媒装置620の触媒活性が促進され、上記パティキュレートフィルタ400から排出された排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進するように構成している。
【0171】
上記第1の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記排気系の昇温装置100からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記フィルタ後方触媒装置620の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記内燃機関300で発生して上記パティキュレートフィルタ400に溜まり、上記パティキュレートフィルタ400から排出された白煙が酸化されて減る。
【0172】
図24は上記内燃機関の排気浄化装置の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記排気通路310に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集する上記パティキュレートフィルタ400を設け、上記排気通路310における上記パティキュレートフィルタ400の排気下流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えた上記フィルタ後方触媒装置620を設けた内燃機関300の排気浄化装置である。この第2の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記第1の実施形態の内燃機関の排気浄化装置において、上記排気系の昇温装置100に代えて上記排気系の拡張昇温装置200を設けている。
【0173】
上記パティキュレートフィルタ400は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Aの第1実施形態における上記パティキュレートフィルタ400と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記パティキュレートフィルタ400は、上記排気通路構成部材313の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材313に保持されている。
【0174】
上記フィルタ後方触媒装置620は、上記内燃機関の排気浄化装置の第1の実施形態をにおける上記フィルタ後方触媒装置620と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記フィルタ後方触媒装置620は、上記排気通路構成部材315の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材315に保持されている。
【0175】
そして、上記第1実施形態の排気系の拡張昇温装置200が、上記後続昇温部材210が上記パティキュレートフィルタ400よりも排気下流側で且つ上記フィルタ後方触媒装置620よりも排気上流側の上記排気通路310に配置されるように設けられている。この実施形態では上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材315との間に上記排気通路構成部材312が接続されているが、上記排気通路構成部材313と上記排気通路構成部材312との間、又は上記排気通路構成部材312と上記排気通路構成部材315との間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、配設位置が上記拡散板102の排気下流側であることに代えて上記拡散板201の排気下流側であること以外は、上記第1の実施形態の内燃機関の排気浄化装置の場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。ここでは上記コントローラ170により上記温度センサ183の信号に基づいた制御を行うようにしたが、上記温度センサの信号を参照せずに制御するようにしてもよい。
【0176】
そして、上記フィルタ後方触媒装置620が上記排気系の拡張昇温装置200により加熱されて上記フィルタ後方触媒装置620の触媒活性が促進され、上記パティキュレートフィルタ400から排出された排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進するように構成している。この場合、上記第1の実施形態の排気系の拡張昇温装置200に代えて、上記第2の実施形態、上記第3の実施形態、又は上記第4の実施形態に係る排気系の拡張昇温装置200を設けてもよい。したがって、上記後続昇温室211の排気上流側からの空気は、上記内燃機関300から排出された排気ガスに含まれる空気、上記追加の空気配管250から供給された空気、及びこれら両方の空気のうちの、いずれかである。
【0177】
上記第2の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記排気系の拡張昇温装置200からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記フィルタ後方触媒装置620の活性が促進されて更に高温の排気ガスが形成され、これによって上記内燃機関300で発生して上記パティキュレートフィルタ400に溜まり、上記パティキュレートフィルタ400から排出された白煙が酸化されて減る。
【0178】
図25は、上記内燃機関の排気浄化装置の第3の実施形態を示す。この第3の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記第1の実施形態の内燃機関の排気浄化装置において、上記パティキュレートフィルタ400よりも排気上流側の上記排気通路310に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置610が設けられている。
【0179】
上記フィルタ直前触媒装置610は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5の実施形態における上記フィルタ直前触媒装置610と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記フィルタ直前触媒装置610は、上記排気通路構成部材314の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材314に保持されている。
【0180】
そして、上記排気通路構成部材314と上記排気通路構成部材311との間には他の排気通路構成部材などが設けられているが、上記排気通路構成部材314と上記排気通路構成部材311とを接続してもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、上記第1の実施形態の内燃機関の排気浄化装置の場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。
【0181】
その他の構成は上記第1の実施形態の内燃機関の排気浄化装置と同一であるので、その説明をそのまま引用する。
【0182】
上記第3の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記排気系の昇温装置100からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が加熱されるので、上記フィルタ後方触媒装置620の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記内燃機関300で発生して上記パティキュレートフィルタ400に溜まり、上記パティキュレートフィルタ400から排出された白煙が酸化されて減る。さらに、上記フィルタ直前触媒装置610が活性を得たときには、このフィルタ直前触媒装置610を通過した高温の排気ガスにより、上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が再生される。
【0183】
図26は、上記内燃機関の排気浄化装置の第4の実施形態を示す。この第4の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記第2の実施形態の内燃機関の排気浄化装置において、上記後続昇温部材210と上記パティキュレートフィルタ400との間の上記排気通路310に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えた上記フィルタ直前触媒装置610が設けられている。
【0184】
上記フィルタ直前触媒装置610は、上記内燃機関のフィルタ再生装置Bの第5実施形態における上記フィルタ直前触媒装置610と同一の構成であるので、その説明をそのまま引用する。よって、上記フィルタ直前触媒装置610は、上記排気通路構成部材314の内部通路に収容され、上記排気通路構成部材314に保持されている。
【0185】
そして、上記排気通路構成部材313の排気上流側に上記排気通路構成部材314が接続され、上記排気通路構成部材314の排気上流側に上記排気通路構成部材312が接続されている。しかし、これら上記排気通路構成部材312、314、313の間に例えば他の排気通路構成部材などが設けられていてもよい。上記温度センサ183の構成、配設位置、及びそれを用いた制御の内容は、配設位置が上記拡散板102の排気下流側であることにに代えて上記拡散板201の排気下流側であること以外は、上記第1の実施形態の内燃機関の排気浄化装置の場合と同一であるので、その説明をそのまま引用する。
【0186】
その他の構成は上記第2の実施形態の内燃機関の排気浄化装置と同一であるので、その説明をそのまま引用する。
【0187】
上記第4の実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、上記排気系の拡張昇温装置200からの上記高温の排気ガスにより、上記排気通路310が強力に加熱されるので、上記フィルタ後方触媒装置620の活性が促進されて上記排気通路310に高温の排気ガスが形成され、これによって上記内燃機関300で発生して上記パティキュレートフィルタ400に溜まり、上記パティキュレートフィルタ400から排出された白煙が酸化されて減る。さらに、上記フィルタ直前触媒装置610が活性を得たときには、このフィルタ直前触媒装置610を通過した高温の排気ガスにより、上記パティキュレートフィルタ400に捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタ400が再生される。
【0188】
本発明の内燃機関の排気系の昇温装置、及び排気系の拡張昇温装置、並びにそれらを用いた内燃機関のフィルタ再生装置、及び内燃機関の排気浄化装置は、それぞれ以上で説明した実施形態及びその変形例の特徴を組み合わせた実施形態を含んでいる。さらに、以上の実施形態及びその変形例は、本発明の排気系の昇温装置、及び排気系の拡張昇温装置、並びにそれらを用いた内燃機関のフィルタ再生装置、及び内燃機関の排気浄化装置のいくつかの例を示したに過ぎない。したがって、これらの実施形態及びその変形例の記載によって本発明の排気系の昇温装置、及び排気系の拡張昇温装置、並びにそれらを用いた内燃機関のフィルタ再生装置、及び内燃機関の排気浄化装置がそれぞれ限定解釈されることはない。
【符号の説明】
【0189】
100 排気系の昇温装置
101 導入部
110 昇温部材
111 昇温室
112 底面
113 周囲面
113a 排出口
120 収容部材
121 一端
122 他端
123 隙間
124 燃料通路
125 開口
130 発熱部材
132 発熱部
132a 突出部
132aa 先端
140 包囲部材
141 隙間
142 隙間
143 底面側の端縁
144 反底面側の端縁
150 液体燃料配管
160 空気配管
161 空気出口
195 燃料タンク
200 排気系の拡張昇温装置
210 後続昇温部材
211 後続昇温室
212 入口
213 出口
214 周壁
215 貯留部
230 後続液体燃料配管
240 後続混合気配管
250 追加の空気配管
300 内燃機関
310 排気通路
311 排気通路構成部材
312 排気通路構成部材
313 排気通路構成部材
314 排気通路構成部材
315 排気通路構成部材
400 パティキュレートフィルタ
510 インジェクタ
610 フィルタ直前触媒装置
620 フィルタ後方触媒装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路を昇温させる排気系の昇温装置であって、
内部に、底面と上記底面の周囲から立ち上がる周囲面とにより、上記周囲面の周縁に形成された排出口で外部に開放された昇温室が形成された昇温部材と、
上記昇温部材の外部に配置され、一端が上記底面に開口するように上記昇温部材に接続されると共に他端が閉塞された筒状の収容部材と、
一端が上記収容部材の内部に接続され、液体燃料が供給されることになる液体燃料配管と、
通電により発熱する棒状の発熱部を有し、この発熱部が上記収容部材の内部から上記開口を経て上記昇温室に突き出るように且つ上記発熱部と上記収容部材との間に全周にわたって隙間が形成されるように上記収容部材に設けられた発熱部材と、
上記底面から上記発熱部の先端付近まで立ち上がり、上記発熱部における上記昇温室に突き出た突出部との間に全周にわたって隙間ができると共に、上記底面側の端縁と上記底面との間に隙間ができるように上記昇温部材に設けられた筒状の包囲部材と、
一端が空気出口として上記昇温室に導入されるように上記昇温部材に接続され、空気が供給されることになる空気配管とを備え、
上記液体燃料配管から上記収容部材に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管から上記昇温室に空気を供給し、且つ上記発熱部材に通電すると、上記収容部材に供給された上記液体燃料が上記発熱部により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記発熱部の上記先端と上記包囲部材の上記反底面側の端縁との間から上記昇温室に拡散して上記空気配管からの空気と混合して一次混合気を生成し、この一次混合気が上記発熱部により加熱されて連続的に燃焼し、上記底面に溜まった上記液体燃料が上記一次混合気の燃焼熱により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記昇温室に拡散して上記空気配管からの空気と混合して二次混合気を生成し、この二次混合気が上記一次混合気の燃焼熱により加熱されて燃焼するように構成した排気系の昇温装置。
【請求項2】
上記空気配管が、上記空気出口が上記発熱部の先端を避けると共に上記昇温室に空気の旋回流が形成されるように指向されている請求項1の排気系の昇温装置。
【請求項3】
上記昇温室の上記底面に、多孔性の部材が配置されている請求項1又は請求項2の排気系の昇温装置。
【請求項4】
上記昇温部材から排出される排気ガスの流量が、アイドル運転時における上記内燃機関から排出される排気ガスの流量の約10重量%以下である請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項の排気系の昇温装置。
【請求項5】
内燃機関の排気通路を昇温させる排気系の拡張昇温装置であって、
請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項の排気系の昇温装置と、
内部に形成された後続昇温室、上記後続昇温室を排気上流側に開口させる入口、及び上記後続昇温室を排気下流側に開口させる出口を有する筒状に形成され、周壁には上記排気系の昇温装置の上記昇温部材における少なくとも上記排出口側の部分が貫通して上記周壁に気密的に接続しており、上記昇温部材の周囲の上記周壁に貯留部が形成されている後続昇温部材と、
一端が上記貯留部に連通するように上記後続昇温部材に接続され、上記液体燃料が供給されることになる後続液体燃料配管とを備え、
上記液体燃料配管から上記収容部材に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管から上記昇温室に空気を供給し、且つ上記発熱部材に通電し、さらに上記後続液体燃料配管から上記貯留部に上記液体燃料を供給すると、上記昇温室で上記一次混合気が連続的に燃焼すると共に上記二次混合気が燃焼し、さらに上記貯留部に供給された上記液体燃料が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材により加熱されて気化し、この気化した上記液体燃料が上記後続昇温室に拡散して上記後続昇温部材の上記入口から導入された上記後続昇温室の排気上流側からの空気と混合して三次混合気を生成し、この三次混合気が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記後続昇温部材の上記出口から排気下流側へ導出されるように構成した排気系の拡張昇温装置。
【請求項6】
内燃機関の排気通路を昇温させる排気系の拡張昇温装置であって、
請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項の排気系の昇温装置と、
内部に形成された後続昇温室、上記後続昇温室を排気上流側に開口させる入口、及び上記後続昇温室を排気下流側に開口させる出口を有する筒状に形成され、周壁には上記排気系の昇温装置の上記昇温部材における少なくとも上記排出口側の部分が貫通して上記周壁に気密的に接続している後続昇温部材と、
中途部が上記排気ガスと熱交換できるように上記後続昇温部材の排気下流側に設けられ、一端が上記後続昇温室に連通するように上記後続昇温部材に接続され、他端には上記液体燃料と空気との混合物が供給されることになる後続混合気配管とを備え、
上記液体燃料配管から上記収容部材に上記液体燃料を供給すると共に、上記空気配管から上記昇温室に空気を供給し、且つ上記発熱部材に通電し、さらに上記後続混合気配管から上記後続昇温室に混合気を供給すると、上記昇温室で上記一次混合気が連続的に燃焼すると共に上記二次混合気が燃焼し、さらに上記後続昇温室に供給された上記混合気が上記後続昇温室に拡散して上記後続昇温部材の上記入口から導入された上記後続昇温室の排気上流側からの空気と混合して三次混合気を生成し、この三次混合気が上記一次混合気及び上記二次混合気の燃焼熱により加熱された上記昇温部材により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記後続昇温部材の上記出口から排気下流側へ導出されるように構成した排気系の拡張昇温装置。
【請求項7】
さらに、一端が上記後続昇温室の排気上流側に設けられ、空気が供給されることになる追加の空気配管を備えており、
上記後続昇温部材の上記入口から導入された上記後続昇温室の排気上流側からの空気の少なくとも一部が、上記追加の空気配管から供給される空気である請求項5又は請求項6の排気系の拡張昇温装置。
【請求項8】
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設けた内燃機関において、
請求項5ないし請求項7のうちいずれか1項の排気系の拡張昇温装置が、上記後続昇温部材が上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記排気系の拡張昇温装置の燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタへ導かれ、この排気ガスにより上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置。
【請求項9】
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関のフィルタ再生装置において、
請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項の排気系の昇温装置が、上記昇温部材の少なくとも上記排出口側の部分が上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側で且つ上記補充燃料の供給部位よりも排気下流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記排気通路に供給された上記補充燃料が上記排気系の昇温装置により加熱されて気化が促進され、この気化した上記補充燃料が上記排気系の昇温装置の排気上流側からの空気と混合して補充混合気を生成し、この補充混合気が上記排気系の昇温装置により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置。
【請求項10】
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に補充燃料を供給し、上記補充燃料が燃焼したときには当該燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関のフィルタ再生装置において、
請求項5ないし請求項7のうちいずれか1項の排気系の拡張昇温装置が、上記後続昇温部材が上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側で且つ上記補充燃料の供給部位よりも排気下流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記排気通路に供給された上記補充燃料が上記排気系の拡張昇温装置により加熱されて気化が促進され、この気化した上記補充燃料が上記排気系の拡張昇温装置の排気上流側からの空気と混合して補充混合気を生成し、この補充混合気が上記排気系の拡張昇温装置により加熱されて燃焼し、この燃焼により生成された高温の排気ガスが上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置。
【請求項11】
上記昇温部材又は上記後続昇温部材と上記パティキュレートフィルタとの間の上記排気通路に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置が設けられている請求項9又は請求項10の内燃機関のフィルタ再生装置。
【請求項12】
上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路への燃料供給が、ポスト噴射により行われている請求項9ないし請求項11のうちいずれか1項の内燃機関のフィルタ再生装置。
【請求項13】
上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路への燃料供給が、上記排気通路への燃料噴射により行われている請求項9ないし請求項11のうちいずれか1項の内燃機関のフィルタ再生装置。
【請求項14】
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気上流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置を設け、上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が得られたときには上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関のフィルタ再生装置において、
請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項の排気系の昇温装置が、上記昇温部材の少なくとも上記排出口側の部分が上記フィルタ直前触媒装置よりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記フィルタ直前触媒装置が上記排気系の昇温装置により加熱されて上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が促進され、上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置。
【請求項15】
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気上流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置を設け、上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が得られたときには上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成した内燃機関のフィルタ再生装置において、
請求項5ないし請求項7のうちいずれか1項の排気系の拡張昇温装置が、上記後続昇温部材が上記フィルタ直前触媒装置よりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記フィルタ直前触媒装置が上記排気系の拡張昇温装置により加熱されて上記フィルタ直前触媒装置の触媒活性が促進され、上記物質の酸化反応により加熱された排気ガスで上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化を促進して上記パティキュレートフィルタを再生するように構成したことを特徴とする内燃機関のフィルタ再生装置。
【請求項16】
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気下流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ後方触媒装置を設けた内燃機関の排気浄化装置であって、
請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項の排気系の昇温装置が、上記昇温部材の少なくとも上記排出口側の部分が、上記パティキュレートフィルタよりも排気下流側で且つ上記フィルタ後方触媒装置よりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記フィルタ後方触媒装置が上記排気系の昇温装置により加熱されて上記フィルタ後方触媒装置の触媒活性が促進され、上記パティキュレートフィルタから排出された排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進するように構成した内燃機関の排気浄化装置。
【請求項17】
排気通路に、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを設け、上記排気通路における上記パティキュレートフィルタの排気下流側に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ後方触媒装置を設けた内燃機関の排気浄化装置であって、
請求項5ないし請求項7のうちいずれか1項の排気系の拡張昇温装置が、上記後続昇温部材が上記パティキュレートフィルタよりも排気下流側で且つ上記フィルタ後方触媒装置よりも排気上流側の上記排気通路に配置されるように設けられ、
上記フィルタ後方触媒装置が上記排気系の拡張昇温装置により加熱されて上記フィルタ後方触媒装置の触媒活性が促進され、上記パティキュレートフィルタから排出された排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進するように構成した内燃機関の排気浄化装置。
【請求項18】
上記パティキュレートフィルタよりも排気上流側の上記排気通路に、排気ガスに含まれる物質の酸化を触媒反応により促進する酸化触媒を備えたフィルタ直前触媒装置が設けられている請求項16又は請求項17の内燃機関の排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−241571(P2012−241571A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110875(P2011−110875)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(597032594)株式会社コモテック (12)
【Fターム(参考)】