説明

接合装置

洗浄チャンバと、該洗浄チャンバ内において減圧下で接合面にエネルギー波を照射する洗浄手段と、洗浄チャンバ内から取り出した被接合物の金属接合部同士を大気中で接合する接合手段と、少なくとも一方の被接合物に関して先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、少なくとも洗浄チャンバ内への搬入方向および洗浄チャンバ内からの搬出方向に搬送する搬送手段とを有する接合装置。洗浄した被接合物を大気中に取り出して接合するに際し、特に洗浄チャンバ周りの被接合物の搬入や搬出、受け渡しを円滑にかつ短時間で行うことができ、高スループットで所定の接合製品を量産することができる。その結果、接合工程全体のタクトタイムの短縮と、接合工程に要するコストの低減が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、チップやウエハー、各種回路基板等の、基材の表面に金属接合部を有する被接合物同士を接合する接合装置に関する。
【背景技術】
接合部を有する被接合物同士を接合する方法として、特許第2791429号公報には、シリコンウエハーの接合面同士を接合するに際し、接合に先立って室温の真空中で不活性ガスイオンビームまたは不活性ガス高速原子ビームを照射してスパッタエッチングする、シリコンウエハーの接合法が開示されている。この接合法では、シリコンウエハーの接合面における酸化物や有機物等が上記のビームで飛ばされて活性化された原子で表面が形成され、その表面同士が、原子間の高い結合力によって接合される。したがって、この方法では、基本的に、接合のための加熱を不要化でき、活性化された表面同士を単に接触させるだけで、常温またはそれに近い低温での接合が可能になる。
しかし、この接合法では、エッチングされた接合面同士の接合は、真空中にて、表面活性化の状態を維持したまま行われなければならない。そのため、上記ビームによる表面洗浄から接合に至るまで、所定の真空状態に保たなければならず、とくに接合のための機構の少なくとも一部を所定の真空度に保持可能なチャンバ内に構成しなければならないためシール機構が大がかりになり、装置全体が大型かつ高価なものになる。また、上記ビームによる表面洗浄と接合の工程を分けるためにこれらを別の箇所で行おうとすると、両箇所間にわたって所定の真空状態に保つことや、該真空状態に保ったまま被接合物を洗浄箇所から接合箇所に搬送する手段が必要になり、現実的な装置設計が難しくなるとともに、さらに装置全体の大型化を招く。
上記のようなビーム照射によるスパッタエッチングにより表面洗浄して接合する方法に関して、最近、上述したような接合面の表面活性化による接合に対する利点を最大限確保しつつ、被接合物の金属接合部同士の接合を大気中で行うことの可能性が探究され始めた。表面活性化後、大気中での接合が可能になれば、真空中等で接合を行う場合に比べて、接合工程、装置を大幅に簡素化することが可能となる。
しかしながら、洗浄チャンバ内で所定の真空度にて表面洗浄を行った後、そこから取り出して大気中で接合を行う場合で、とくに、大量にかつ連続的に生産を行う場合には、被接合物を洗浄チャンバ内へ搬入する時および洗浄チャンバ内から搬出する時に、洗浄チャンバ内の真空度が低下するため、再び洗浄のための所定の真空度にするために時間を要し、個々の被接合物に対してこのような時間が繰り返し必要になると、結局、スループット(一定時間内の処理量)が低下し、高い生産性が得られないことになる。
【発明の開示】
そこで、本発明の目的は、最近検討され始めた上記のような表面活性化による大気中での接合技術の利点に着目しつつ、特に洗浄チャンバ周りの被接合物の搬入や搬出、受け渡しの仕方を工夫することにより、上記のような優れた接合技術を用いて高スループットで接合製品を量産可能な接合装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る接合装置は、基材の表面に金属接合部を有する被接合物同士を接合する装置であって、洗浄チャンバと、該洗浄チャンバ内において減圧下で前記金属接合部の接合面にエネルギー波を照射する洗浄手段と、前記洗浄チャンバ内から取り出した被接合物の金属接合部同士を大気中で接合する接合手段と、少なくとも一方の被接合物に関して先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、少なくとも前記洗浄チャンバ内への搬入方向および洗浄チャンバ内からの搬出方向に搬送する搬送手段とを有することを特徴とするものからなる。
すなわち、本発明においては、被接合物を一つずつ搬送するか複数個ずつ搬送するかにかかわらず、先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、つまり、実質的に並行して、洗浄チャンバ内へ搬入するとともに洗浄チャンバ内からの搬出できるようにしたものである。これによって、洗浄チャンバ内への搬入と洗浄チャンバ内からの搬出をシリーズに行う場合に比べ、少なくとも搬入・搬出に要する時間が短縮される。その結果、洗浄チャンバ内で洗浄され、搬出された被接合物をごく短時間のうちに接合できるようになるとともに、一連の接合動作に要する時間と重複させて後続の被接合物の洗浄チャンバ内への搬入および洗浄に要する時間を消費できるようになり、各種動作を並行して行うことができるようになって、とくに次々と洗浄処理を行い、続いて順次接合を行って量産する場合に、高スループットで生産できるようになる。望ましくは、上記洗浄チャンバ内への搬入および洗浄チャンバ内からの搬出に加え、洗浄工程から接合工程への受け渡し動作、さらには接合動作まで、同期させた形態あるいは同期させたのと同等の形態で行うことにより、接合完了までの一連の動作を並行させて行うことが可能になり、―層高スループットで量産できるようになる。
この接合装置においては、上記搬送手段としては、種々の形態を採り得る。たたえば、上記搬送手段として、被接合物を複数載置可能なトレイを備えた手段から構成し、複数の被接合物の洗浄処理を一時に行えるようにすることが可能である。ただし、被接合物を一つずつトレイに載せて搬入、搬出することも可能である。
洗浄チャンバの上記トレイの搬入口と搬出口は共通口に構成されていてもよいし、個別に構成されていてもよい。共通口の場合には、一方向から搬入と搬出を行うことができる。個別に構成されている場合には、被接合物の搬入口と搬出口を互いに反対側に設け、ワンウェイで搬送する構成とすることができる。
また、搬送手段として、テープ長手方向に配列された複数の被接合物を保持し、所定の送り量で間欠的に送られる搬送テープを備えている構成も採用できる。搬送テープはたとえばロール状に巻かれており、そこから巻き出されて洗浄チャンバ内を通過するよう、連続的に繋がった状態で供給することができる。この場合、搬送テープの洗浄チャンバへの搬入部および洗浄チャンバからの搬出部には、連続的に繋がった搬送テープが存在することになるが、洗浄チャンバ内に位置する搬送テープ部分を洗浄チャンバ外に対してシールするシール手段を設けておくことにより、洗浄チャンバ内の所定の真空度への減圧も、問題なく容易に行うことが可能となる。シール手段は、たとえば、弾性シール部材を有する接触部を搬送テープに押し付けることにより洗浄チャンバのテープ搬入部および搬出部を密閉してシールでき、テープ搬送時には、この押し付けを解放し、間欠的な送りを可能とする手段に構成できる。
また、洗浄チャンバと接合手段の間で、上記搬送テープにたるみを与える構成とすることもできる。このようにすれば、洗浄部での送り時間間隔と接合部の送り時間間隔との間に差がある場合にも、この差を上記たるみ部分で適切に吸収させることが可能になる。
また、前記搬送手段として、被接合物を一つずつ、少なくとも洗浄チャンバ内への搬入のための移載および洗浄チャンバ内からの搬出のための移載を並行処理する手段を備えたものに構成することもできる。この並行処理する手段は、たとえば、複数の被接合物保持ヘッドを有するロータリーヘッドを備えた手段に構成できる。
また、本発明に係る接合装置においては、洗浄チャンバが、両被接合物に共通の洗浄チャンバとして構成されている形態とすることもできるし、洗浄チャンバが、各被接合物に対し個別に設けられている形態とすることもできる。
また、洗浄チャンバに関しては、減圧予備室が付設されている構成とすることもできる。たとえば、被接合物の搬送方向に、洗浄チャンバの前後に減圧予備室が付設されていると、洗浄チャンバ内における真空度に関して、洗浄時の所定の真空度と洗浄チャンバ開放時の真空度低下時との間の変動を小さく抑えることが可能になり、一層高スループット化することが可能になる。
エネルギー波を照射する洗浄手段としては、取扱い易さ、照射エネルギー波の強度コントロールの容易性の面から、プラズマ照射手段からなることが好ましく、とくに、Arガス雰囲気下でプラズマ照射する手段からなることが好ましい。
また、接合手段は、大気中での接合をより容易に行うために、固相での金属間の接合を促進させるために180℃以下好ましくは150℃未満に加熱する加熱手段、加圧手段、超音波印加手段、接合時に接合面をエネルギー波(洗浄時のエネルギー波とは異なるもの)により洗浄する接合時エネルギー波洗浄手段のいずれかを備えたもの、あるいはこれらの任意の組み合わせを備えたものとすることが好ましい。
また、本発明においては、エネルギー波による洗浄後、接合に至るまでの間に、より確実に、洗浄された接合面に酸化膜や有機物層、コンタミ層等の異物層が極力付着しないようにするために、接合に至るまでの工程において接合面に対してArやNなどの不活性ガスや非酸化性ガスにより雰囲気をパージすることもできる。このパージは、局所的に行えばよい。すなわち、洗浄チャンバ内での洗浄後金属接合部同士の接合までの間の、被接合物搬送、接合のための被接合物の保持および接合のための被接合物同士の位置合わせ工程のうちの少なくとも一つの工程で(望ましくは一連の工程のすべてにおいて)、洗浄された接合面に対しArやNなどの不活性ガスや非酸化性ガスを局所的に供給する手段を備えている構成とすることができる。
本発明における接合は、とくに、接合面がともに金からなる金属接合部同士を接合する場合に好適であり、金同士の接合の場合、常温でも確実に接合できるようになる。金属接合部を形成する電極等の全体を金で構成することもできるが、表面だけを金で構成することもできる。表面を金で構成するための形態はとくに限定されず、金めっきの形態や金薄膜をスパッタリングや蒸着等により形成した形態を採用すればよい。また、とくに超音波接合を採用する場合には、金/金接合に限らず、異種金属同士の接合、たとえば、金/銅、金/アルミニウム等の接合が可能になり、しかもこれら異種金属同士の接合を常温で行うことも可能になる。
上記エネルギー波による洗浄では、洗浄手段が、接合面の全スパッタ表面で1.6nm以上エッチングエネルギー以上でエネルギー波を照射する手段からなることが好ましい。このようなエッチングエネルギー以上でのエネルギー波照射により、金属接合部同士を大気中で接合するに必要な表面エッチングを行うことが可能になる。
また、接合手段は、金属接合部同士の接合時の隙間のばらつきを最大4μm以下にする手段からなることが好ましい。隙間のばらつきが4μm以下であれば、適切な接合荷重で、金属接合部同士の接合のために必要な隙間のばらつき以下に抑えることが可能となる。
また、金属接合部同士の接合に際し、表面同士が良好に密着できるように、少なくとも一方の金属接合部の表面硬度がHv(ビッカース硬度)で120以下、さらに好ましくはアニーリングにより硬度を100以下の下げたものがよい。たとえば、表面硬度Hvを30〜70の範囲内(たとえば、平均Hvを50)とすることが好ましい。このような低硬度としておくことで、接合荷重印加時に金属接合部の表面が適当に変形し、より密接な接合が可能となる。
本発明はまた、前記のような接合装置により作製された接合体も提供する。すなわち、本発明に係る接合体は、基材の表面に金属接合部を有する被接合物同士の接合体であって、洗浄チャンバと、該洗浄チャンバ内において減圧下で前記金属接合部の接合面にエネルギー波を照射する洗浄手段と、前記洗浄チャンバ内から取り出した被接合物の金属接合部同士を大気中で接合する接合手段と、少なくとも一方の被接合物に関して先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、少なくとも前記洗浄チャンバ内への搬入方向および洗浄チャンバ内からの搬出方向に搬送する搬送手段とを有する接合装置によって作製されたことを特徴とするものからなる。
上記接合体においては、接合された被接合物の少なくとも一方が半導体からなる構成とすることができる。
上記のような本発明に係る接合装置においては、所定の減圧下で被接合物の金属接合部の接合面にエネルギー波が照射され、表面がエッチングにより洗浄され活性化された後、大気中で接合が行われる。エネルギー波洗浄により接合面の異物層が十分に除去され、その表面が十分に活性化された状態で接合が開始されるので、大気中の接合でありながら、常温接合まで可能となる。接合時に加熱や加圧、さらには超音波印加を行えば、また、大気圧プラズマを照射して接合すれば、一層容易に大気中接合を行うことができる。大気中での接合が可能となるので、接合のために大がかりな真空装置やそのためのシール装置等が不要になり、工程全体、装置全体として大幅に簡素化され、コストダウンも可能となる。
そして、とくに本発明では、少なくとも一方の被接合物に関して先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、少なくとも洗浄チャンバ内への搬入方向および洗浄チャンバ内からの搬出方向に搬送する搬送手段を有しているので、とくに洗浄工程周りの各種動作を並行して行うことができるので、連続的に流れてくる被接合物に対して高スループットで接合製品を量産できるようになり、生産性を大幅に高めることができるとともに、接合工程全体のタクトタイムの大幅な短縮が可能になる。
このように、本発明に係る接合装置によれば、エネルギー波により接合面を洗浄した被接合物を大気中に取り出して接合するに際し、特に洗浄チャンバ周りの被接合物の搬入や搬出、受け渡しを円滑にかつ短時間で行うことができるようになり、高スループットで所定の接合製品を量産することが可能となる。その結果、接合工程全体のタクトタイムの短縮と、接合工程に要するコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施態様に係る接合装置の基本構成を示す概略構成図である。
図2は、本発明における搬送手段の一例を示す接合装置の概略構成図である。
図3は、図2の装置の概略平面図である。
図4は、本発明における搬送手段の別の例を示す接合装置の概略構成図である。
図5は、本発明における搬送手段のさらに別の例を示す接合装置の概略構成図である。
図6は、本発明における搬送手段のさらに別の例を示す接合装置の概略構成図である。
図7は、本発明における搬送手段のさらに別の例を示す接合装置の概略構成図である。
図8は、本発明における搬送手段のさらに別の例を示す接合装置の概略構成図である。
図9は、本発明における洗浄チャンバ周りの構成の別の例を示す概略構成図である。
図10は、本発明の別の実施態様に係る接合装置の全体システム例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 接合装置
2、3 金属接合部
2a、3a 接合面
4 被接合物(チップ)
5 被接合物(基板)
6 真空ポンプ
7 洗浄チャンバ
8 プラズマ照射手段
9 プラズマ
10 特殊ガス供給ポンプ
11 接合装置部
12 待機部
13 反転機構
14 反転機構のヘッド部
15 ボンディングヘッド
16 ボンディングツール
17 ボンディングステージ
18 加熱手段としてのヒータ
19 加圧手段
20 位置調整テーブル
21 2視野の認識手段
22 超音波印加手段
23 接合時エネルギー波洗浄手段
24 非酸化性ガス供給手段
31 接合装置部
32 洗浄チャンバ
33、34 トレイ
35 搬送機構
36 共通口
37 接合体
41 接合装置部
42 洗浄チャンバ
43 搬入口
44 搬出口
51 接合装置部
52、53 洗浄チャンバ
54 チップ供給部
55 基板供給部
56 接合場所
61 搬送テープ
62 洗浄チャンバ
63 接合装置部
64 たるみ
65 シール手段
71 ロータリーヘッド
72 洗浄チャンバ
81 洗浄チャンバ
82a、82b 減圧予備室
141 チップ
142 基板
143 トレイ(ワークトレイ)
144 トレイチェンジャー
145 洗浄チャンバ
146 特殊ガス
147 トレイローダー
148 パージガス
149 ステージテーブル
150 待機部
151 多孔質板
152 パージノズル
153 パージガス
154 蓋
155 基板移載機構
156 保持ヘッド
157 ボンディングステージ
158 パージガス
159 チップ反転機構
160 保持ヘッド
161 ボンディングツール
162 パージガス
163、164 パージノズル
165、166 パージガス
167 2視野の認識手段
168 ボンディングヘッド
169 完成品トレイ
A 供給ステーション
B 洗浄ステーション
C 接合ステーション
D 払出しステーション
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る接合装置1の基本形態を示しており、本発明における搬送手段以外の部分を示している。基材の表面に金属接合部2または3を有する被接合物4または5は、まず、真空ポンプ6により減圧され所定の真空度にされた洗浄チャンバ7内で、エネルギー波による洗浄手段としてのプラズマ照射手段8から照射されたプラズマ9によって金属接合部2、3の接合面がエッチングにより洗浄される(洗浄工程)。本実施態様では、ポンプ10によりチャンバ7内にArガスを供給できるようになっており、Arガス雰囲気下でかつ所定の減圧下にてプラズマ照射できるようになっている。洗浄された被接合物4、5は、洗浄チャンバ7内から取り出され、接合工程(接合装置部11)にて、金属接合部2、3同士が大気中で接合される。
なお、上記被接合物4は、たとえばチップからなり、被接合物5は、例えば基板からなる。ただし、ここでチップとは、たとえば、ICチップ、半導体チップ、光素子、表面実装部品、ウエハーなど種類や大きさに関係なく基板と接合される側の全ての形態のものを指す。また、基板とは、たとえば、樹脂基板、ガラス基板、フィルム基板、チップ、ウエハーなど種類や大きさに関係なくチップと接合される側の全ての形態のものを指す。本発明における代表的な態様として、接合される被接合物の少なくとも一方が半導体からなる態様を挙げることができる。
接合装置部11では、たとえば、所定の待機部12に、上記洗浄された被接合物4、5が大気中を搬送された後載置される。被接合物4は、反転機構13のヘッド部14に、洗浄面に触れないように、吸着等により保持され、上下反転された後、ボンディングヘッド15の下部に設けられたボンディングツール16に、金属接合部2が下方に向けられた形態で吸着等によって保持される。被接合物5は、待機部12から移載され、たとえば、ボンディングステージ17上に、金属接合部3が上方に向けられた形態で吸着等によって保持される。被接合物4用の移載機構と被接合物5用の移載機構とを共通化することも可能であるが、それぞれ別個に設けてもよい。別個に設ける場合には、被接合物4用の移載機構には、上記の如く反転機構13が設けられる。本実施態様では、ボンディングツール16に加熱手段としてのヒータ18が内蔵されており、大気中にて、常温下での接合、加熱下での接合のいずれも可能となっている。
ボンディングヘッド15は、加圧手段19により、ボンディングツール16を介して被接合物4を下方に押圧できるようになっており、被接合物5に対して、所定の接合荷重を印加、コントロールできるようになっている。本実施態様では、ボンディングヘッド15は、上下方向(Z方向)に移動および位置決めできるようになっている。
また、上記被接合物5を保持しているボンディングステージ17は、本実施態様では、下部に設けられている位置調整テーブル20による、X、Y方向の水平方向位置制御、Z方向の上下方向位置制御およびθ方向の回転方向位置制御により、被接合物4との間の相対位置合わせおよび平行度調整を行うことができるようになっている。この相対位置合わせおよび平行度調整は、被接合物4、5間に進退可能に挿入される認識手段、たとえば2視野の認識手段21(たとえば、2視野カメラ)により、被接合物4、5あるいはそれらの保持手段に付された認識マーク(図示略)を読み取り、読み取り情報に基づいて位置や角度の必要な修正を行うことにより、実施される。2視野の認識手段21は、X、Y方向、場合によってはZ方向への位置調整が可能となっている。この相対位置合わせおよび平行度調整は、本実施態様では主としてボンディングステージ17側で行われるが、ボンディングヘッド15またはボンディングツール16側で行うようにすることも可能であり、両側で行うことも可能である。
上記実施態様では、接合時に、加熱手段としてのヒータ18による加熱および加圧手段19による加圧のいずれか又は両方を適用できる構成となっているが、加熱、加圧の他にも、2点鎖線で示すように、ボンディングヘッド15またはボンディングツール16に超音波印加手段22を設けて超音波印加を利用してあるいは併用して、接合を行うこともできる。また、洗浄された接合面に異物層が多かれ少なかれ付着していた場合に、それを接合直前に除去するために、局所的にエネルギー波(たとえば、大気圧プラズマ)を照射する接合時エネルギー波照射手段23を設けることもできる。図1に示した例では、接合時エネルギー波洗浄手段23は首振り型として例示されているが、間隙が狭められた被接合物4、5の接合面に対して同時洗浄可能な構成、あるいは被接合物4、5の保持部自身を接合時エネルギー波照射源とする構成等も採用可能である。さらに、この接合時エネルギー波照射手段23に加え、接合に至るまでの間に、洗浄された接合面に異物層が付着するのを極力抑えるために、被接合物搬送、接合のための被接合物の保持および接合のための被接合物同士の位置合わせ工程のうちの少なくとも一つの工程で、洗浄された接合面に対し非酸化性ガスを局所的に供給し、接合面に接しようとする大気雰囲気を極力パージ可能な非酸化性ガス供給手段24を設けることもできる。
次に、本発明における、少なくとも一方の被接合物に関して先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、少なくとも洗浄チャンバ内への搬入方向および洗浄チャンバ内からの搬出方向に搬送する搬送手段について説明する。この搬送手段としては、次のように各種の形態を採り得る。図2〜図8に各種形態の基本構成を示す。なお、図2〜図8において、接合部を洗浄チャンバと明確に区別するために、接合部をあたかもチャンバで囲ったように図示する場合もあるが、大気中での接合であるから、接合部については基本的にチャンバ構成を採る必要はない。
図2および図3は、本発明における搬送手段の一実施例を示している。本実施例においては、接合装置部31(従来のいわゆるボンダーと同等のもの)に本発明に係る洗浄チャンバ32が隣接させて設けられ、接合装置部31中に洗浄前の被接合物4としてのチップと被接合物5としての基板がストックされている。本実施例では、チップ4および基板5は、それぞれ専用のトレイ33、34上に載置されており、各トレイ33、34を洗浄チャンバ32内に搬入することにより、チップ4、基板5が洗浄チャンバ32内に搬入され、洗浄チャンバ32内で前述の如きエネルギー波による洗浄処理が施される。このとき、各トレイ33、34上には、それぞれ、一つずつチップ4、基板5を載置することもでき、それぞれ、複数のチップ4、基板5を載置することもできる。また、トレイを共通のトレイとし、一つのトレイにチップ4および基板5の両方を、一つずつあるいは複数載置することもできる。トレイの搬入、搬出動作は、ロボットアームやスライド機構等を備えた適当な搬送機構35を介して行えばよい。また、チップトレイ、基板トレイを個別に洗浄する場合、その順番は任意に必要なときに行えばよく、また両トレイを同時に洗浄することもできる。
接合面が洗浄されたチップ4および基板5は、洗浄チャンバ32からトレイごと搬出され、図1に示した待機部12で待機される。本実施例では、洗浄チャンバ32の上記トレイの搬入口および搬出口が共通口36に構成されているので、この共通口36を開閉して、搬入と搬出の両方を行うことができる。共通口36であるから、一方向から搬入された被接合物は、洗浄後、その方向から搬出されることになる。また、共通口36開時に搬入と搬出の両方を実質的に同時に行うことができるので、量産における一連の動作に要する時間をトータル的に低減でき、高スループットでの量産が可能となる。
待機部12で待機された後、チップ4は反転されてボンディングツール16に移載されて保持され、基板5はそのままの姿勢でステージ17に移載されて保持される。両者の位置合わせが行われた後、接合面が表面活性化されているチップ4と基板5が大気中で接合される。接合されたチップ4と基板5の接合体37(完成品)は、一旦トレイ上に搬出され、そのトレイを前述の搬送機構35を介して、あるいは別のロボットアーム等の専用の搬送機構(図示略)を介して、接合体37またはトレイが払出し場所へと取り出される。
このように洗浄チャンバ32を備えた接合装置において、少なくとも一方の被接合物に関して先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、少なくとも洗浄チャンバ32内への搬入方向および洗浄チャンバ32内からの搬出方向に搬送できるので、とくに洗浄工程周りの各種動作を並行して行うことができるので、これらの動作に要するトータル的な時間を大幅に短縮でき、連続的に流れてくる大量の被接合物に対して高スループットで接合製品を量産できるようになる。とくに本実施例では、洗浄された被接合物の接合準備、接合、接合後の払出しまでの一連の動作に関しても、並行して行うことが可能であり、一層、高スループットでの量産が可能である。また、搬出された被接合物をごく短時間のうちに接合できるようになる。その結果、生産性を大幅に高めることができるとともに、接合工程全体のタクトタイムの大幅な短縮が可能になる。
上記実施例においては、洗浄チャンバの搬入口および搬出口を共通口36に構成し同じ方向から搬入、搬出できるようにしたが、図4に示すように、洗浄前の被接合物4、5のストック場所が接合装置部41とは異なる場所、たとえば、洗浄チャンバ42に対して反対側に位置する場合には、洗浄チャンバ42の搬入口43と搬出口44を個別に設け、図示のように搬入から搬出までの一連の動作を一方向に連続的に行わせることもできる。さらには、その動作の延長として、接合までの一連の動作についても同じ方向への流れ動作として設定することができる。このように同じ方向、あるいは一連の流れ方向の搬送とすることにより、洗浄チャンバ42が付加される場合にあっても、短時間の効率のよい洗浄処理を達成しながら、円滑な搬送動作を達成することができ、大気中接合に関して、高スループットでの量産が可能となる。
また、図2、図4に示した実施例では、洗浄チャンバをチップと基板の両方に対して共通の洗浄チャンバに構成したが、たとえば図5に示すように、接合装置部51に対し、チップ4用の洗浄チャンバ52と基板5用の洗浄チャンバ53とを別に設け、各洗浄チャンバ52、53で洗浄処理されたチップ4と基板5を、接合装置部51で大気中接合することもできる。このように構成すれば、各洗浄チャンバ52、53でそれぞれ最適な洗浄条件を個別に設定することが可能になるとともに、両洗浄チャンバ52、53における処理を実質的に同時進行させることができ、接合製品の品質向上とともに一層の高スループットでの量産が可能となる。
また、図6に示すように、チップトレイ33と基板トレイ34を一つの洗浄チャンバ32内に搬入できるようにしてチップと基板を同一チャンバで洗浄し、両トレイを取り出して途中でチップ供給部54と基板供給部55とに振り分けて搬送し、それらの場所から並行してチップと基板を接合場所56へと供給すれば、一つの洗浄チャンバでありながら高スループットを達成することができる。
また、本発明においては、被接合物の搬送に、図7に示すように、搬送テープ61を使用することも可能である。この搬送テープ61には、テープ長手方向に所定のピッチでチップまたは基板等の被接合物が配列されて保持されており、たとえばロール状に巻かれたものから巻き出されて供給され、供給されてきた搬送テープ61は各部での処理に応じて所定の送り量にて間欠的に送られる。図示例では、搬送テープ61は、まず洗浄チャンバ62を通過するように間欠的に送られ、洗浄処理された被接合物とともに接合部63に送られ、さらに接合後にも接合体が搬送テープ61とともに搬送されることが可能となっている。各処理工程に要する時間に差がある場合を考慮して、洗浄チャンバ62と接合装置部63との間、さらには接合装置部63の後の部分にて、搬送テープ61にたるみ64が与えられ、たるみ量の増減により、その部分で工程間の時間差を吸収するためのバッファ機能を果たすことができるようになっている。
また、搬送テープ61の洗浄チャンバ62への搬入部および洗浄チャンバ62からの搬出部には、洗浄チャンバ62内に位置する搬送テープ部分を洗浄チャンバ62外に対してシールするシール手段65が設けられている。シール手段65の構造は特に限定しないが、本実施例では、弾性変形可能なシール部材(たとえば、ゴムからなるシール部材)に構成されており、洗浄チャンバ62の閉動作と連動させて搬送テープ61をニップし、ニップ時に自身の弾性変形によりニップ部両側を互いにシールできるようになっている。
このような搬送テープ61を用いた搬送では、被接合物の保持、解放動作を伴うことなく、洗浄チャンバ62内への搬入、搬出を円滑にかつ容易に行うことができ、高スループット化を一層促進することが可能になる。
また、本発明に係る搬送手段は、被接合物を一つずつ、少なくとも洗浄チャンバ内への搬入のための移載および洗浄チャンバ内からの搬出のための移載を並行処理する手段まで含めた手段として構成でき、望ましくは、搬入前の被接合物の供給動作および洗浄後の被接合物の接合動作まで並行処理可能な構成とすることが好ましい。このような並行処理する手段は、たとえば図8に示すように、複数の被接合物保持ヘッドを有するロータリーヘッド71を備えた機構に構成できる。このロータリーヘッド71を備えた機構は、洗浄前の被接合物が供給される供給ステーションAと、洗浄チャンバ72を備えた洗浄ステーションBと、洗浄後の被接合物を接合する接合ステーションCを有しており、さらに、接合後の接合体の払出しステーションDを設けることも可能である。このようなロータリーヘッド71を備えることにより、各ステーションでの被接合物に対する処理を実質的に同時に並行して行うことが可能になり、高スループットでの量産が可能となる。
さらに、本発明においては、洗浄チャンバでのシール性能を向上するとともに、所定の真空度への到達時間を短縮し、かつ、到達後の洗浄チャンバ開閉による真空度の変動を小さく抑えるために、たとえば図9に示すように、洗浄チャンバ81の前後に、減圧予備室82a、82bを設けることが好ましい。図2、3に示したような一方向から出し入れする場合には、一つの減圧予備室を設ければ足りる。このような減圧予備室82a、82bを設ければ、各減圧予備室を密閉した状態でその洗浄チャンバ81側を開閉できるので、洗浄チャンバ81内の真空度の低下を小さく抑えることができ、また、洗浄のために所定の真空度まで上げる時間を短縮することができる。したがって、一層高スループットでの量産が可能となる。
このように、本発明は、エネルギー波で洗浄された被接合物同士を高スループットで量産できるようにした接合装置を提供するものであるが、この接合装置においては、前述したように、接合前に洗浄された接合面に酸化膜や有機物層が形成されるのを極力防止するために、洗浄チャンバ内での洗浄後金属接合部同士の接合までの間の、被接合物搬送、接合のための被接合物の保持および接合のための被接合物同士の位置合わせ工程のうちの少なくとも一つの工程で、洗浄された接合面に対し不活性ガスまたは非酸化性ガスを局所的に供給する手段、つまり接合面上の雰囲気を不活性ガスまたは非酸化性ガスでパージする手段を備えていることが好ましい。本発明に係る洗浄チャンバへの実質的同時搬入・搬出手段に加え、このようなパージ手段を備えた接合装置全体の、より具体的なシステム例を図10に示す。
図10においては、たとえばチップ141と基板142の入ったトレイ(ワークトレイ)143が段積みされたトレイチェンジャー144からトレイ143が取り出され、洗浄チャンバ145内に搬入される。この取り出し、搬入には、後述のトレイ取り出し用のトレイローダーを使用してもよく、別の専用手段を用いてもよく、洗浄チャンバ145に対して搬入と搬出が実質的に同時に並行して行われるようになっている。洗浄チャンバ145内は、たとえば真空引きされた後、プラズマ発生用特殊ガス146(たとえば、Arガス)に置換され、減圧下でチップ141と基板142の接合面がプラズマ洗浄される。洗浄されたチップ141と基板142を載せたトレイ143が、トレイローダー147によって洗浄チャンバ145内から搬出され、非酸化性ガス又は特殊ガスからなるパージガス148でチップ141と基板142を載せたトレイ143上の雰囲気がパージされながら、ステージテーブル49上の待機部150に搬送される。トレイローダー147での上記パージは、たとえば多孔質板151を介して非酸化性ガス又は特殊ガスを供給することにより行われる。
ステージテーブル149上の待機部150では、パージノズル152から吹き出された非酸化性ガス又は特殊ガスからなるパージガス153でパージされながら、移動可能な蓋154により待機中のトレイ143上が覆われてパージガス153が閉じ込められる。待機後、蓋154が開けられ、基板移載機構155の先端部に取り付けられた保持ヘッド156によって、基板142が吸着により保持され、保持された基板142はボンディングステージ157上に移載される。その場合においても、トレイ143上にはパージノズル152により、パージガス153がパージされているので他のチップや基板上もパージガスで覆われている。このとき、保持ヘッド156内に非酸化性ガス又は特殊ガスからなるパージガス158が吹き出されてから吸引により基板142が吸着保持され、ボンディングステージ157上に移載する際の吸着解除時には、再び保持ヘッド156内にパージガス158が吹き出されてヘッド内の真空状態が破壊される。また、チップ141側についても、蓋154が開けられ、チップ反転機構159の先端部に取り付けられた保持ヘッド160によって、チップ141が吸着により保持され、保持されたチップ141は反転された後、ボンディングツール161の下面上に移載される。その場合においても、トレイ143上にはパージノズル152により、パージガス153がパージされているので他のチップや基板上もパージガスで覆われている。このとき、保持ヘッド160内に非酸化性ガス又は特殊ガスからなるパージガス162が吹き出されてから吸引によりチップ141が吸着保持され、ボンディングツール161に移載する際の吸着解除時には、再び保持ヘッド160内にパージガス162が吹き出されてヘッド内の真空状態が破壊される。
チップ141がセットされたボンディングツール161と基板142がセットされたボンディングステージ157の双方に対し、それぞれ、パージノズル163、164から吹き出された非酸化性ガス又は特殊ガスからなるパージガス165、166でチップ141表面上の雰囲気および基板142表面上の雰囲気がパージされながら、2視野の認識手段167を用いてアライメントされる。アライメント後、2視野の認識手段167が退避され、ボンディングヘッド168が下降され、ボンディングツール161に保持されているチップ141が、ボンディングステージ157に保持されている基板142に、加圧、場合によっては加熱を併用しながら、接合される。チップ141が基板142上に実装された後、その実装完成品が、たとえば基板移載機構155によって取り出され、完成品トレイ169内に収納される。完成品トレイ169内が順次取り出されてきた完成品で満杯になると、その完成品トレイ169がたとえばトレイローダー147により、完成品トレイ169を段積みするトレイチェンジャー144に払い出される。このように、一連の動作工程の各所に非酸化性ガス又は特殊ガスによるパージを適用できる。
【産業上の利用可能性】
本発明に係る接合装置は、金属接合部を有する被接合物同士のあらゆる接合に適用でき、とくに少なくとも一方の被接合物が半導体である場合の接合に好適である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に金属接合部を有する被接合物同士を接合する装置であって、洗浄チャンバと、該洗浄チャンバ内において減圧下で前記金属接合部の接合面にエネルギー波を照射する洗浄手段と、前記洗浄チャンバ内から取り出した被接合物の金属接合部同士を大気中で接合する接合手段と、少なくとも一方の被接合物に関して先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、少なくとも前記洗浄チャンバ内への搬入方向および洗浄チャンバ内からの搬出方向に搬送する搬送手段とを有することを特徴とする接合装置。
【請求項2】
前記搬送手段が、被接合物を複数載置可能なトレイを備えている、請求項1の接合装置。
【請求項3】
前記洗浄チャンバの前記トレイの搬入口と搬出口が共通口に構成されている、請求項2の接合装置。
【請求項4】
前記洗浄チャンバの前記トレイの搬入口と搬出口が個別に構成されている、請求項2の接合装置。
【請求項5】
前記搬送手段が、テープ長手方向に配列された複数の被接合物を保持し、所定の送り量で間欠的に送られる搬送テープを備えている、請求項1の接合装置。
【請求項6】
前記搬送テープの前記洗浄チャンバへの搬入部および洗浄チャンバからの搬出部に、洗浄チャンバ内に位置する搬送テープ部分を洗浄チャンバ外に対してシールするシール手段が設けられている、請求項5の接合装置。
【請求項7】
前記洗浄チャンバと前記接合手段の間で、前記搬送テープにたるみが与えられている、請求項5の接合装置。
【請求項8】
前記搬送手段が、被接合物を一つずつ、少なくとも前記洗浄チャンバ内への搬入のための移載および洗浄チャンバ内からの搬出のための移載を並行処理する手段を有する、請求項1の接合装置。
【請求項9】
前記並行処理する手段が、複数の被接合物保持ヘッドを有するロータリーヘッドを備えている、請求項8の接合装置。
【請求項10】
前記洗浄チャンバが、両被接合物に共通の洗浄チャンバとして構成されている、請求項1の接合装置。
【請求項11】
前記洗浄チャンバが、各被接合物に対し個別に設けられている、請求項1の接合装置。
【請求項12】
前記洗浄チャンバに、減圧予備室が付設されている、請求項1の接合装置。
【請求項13】
前記洗浄手段がプラズマ照射手段からなる、請求項1の接合装置。
【請求項14】
前記洗浄手段がArプラズマ照射手段からなる、請求項13の接合装置。
【請求項15】
前記接合手段が加熱手段を備えている、請求項1の接合装置。
【請求項16】
前記接合手段が加圧手段を備えている、請求項1の接合装置。
【請求項17】
前記接合手段が超音波印加手段を備えている、請求項1の接合装置。
【請求項18】
前記接合手段が、接合時に接合面をエネルギー波により洗浄する接合時エネルギー波洗浄手段を備えている、請求項1の接合装置。
【請求項19】
さらに、前記洗浄チャンバ内での洗浄後金属接合部同士の接合までの間の、被接合物搬送、接合のための被接合物の保持および接合のための被接合物同士の位置合わせ工程のうちの少なくとも一つの工程で、洗浄された接合面に対し不活性ガスまたは非酸化性ガスを局所的に供給する手段を備えている、請求項1の接合装置。
【請求項20】
接合される両金属接合部の接合面がともに金からなる、請求項1の接合装置。
【請求項21】
前記洗浄手段が、前記接合面の全スパッタ表面で1.6nmのエッチングエネルギー以上でエネルギー波を照射する手段からなる、請求項1の接合装置。
【請求項22】
前記接合手段が、金属接合部同士の接合時の隙間のばらつきを最大4μm以下にする手段からなる、請求項1の接合装置。
【請求項23】
少なくとも一方の金属接合部の表面硬度がHvで120以下とされている、請求項1の接合装置。
【請求項24】
基材の表面に金属接合部を有する被接合物同士の接合体であって、洗浄チャンバと、該洗浄チャンバ内において減圧下で前記金属接合部の接合面にエネルギー波を照射する洗浄手段と、前記洗浄チャンバ内から取り出した被接合物の金属接合部同士を大気中で接合する接合手段と、少なくとも一方の被接合物に関して先行する被接合物と後続の被接合物とを、実質的に同時に、少なくとも前記洗浄チャンバ内への搬入方向および洗浄チャンバ内からの搬出方向に搬送する搬送手段とを有する接合装置によって作製されたことを特徴とする接合体。
【請求項25】
前記接合された被接合物の少なくとも一方が半導体からなる、請求項24の接合体。

【国際公開番号】WO2004/030078
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【発行日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539516(P2004−539516)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012205
【国際出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】