説明

接着剤を基材に、プライマーを介して、結合させてみる

接着剤を基材に結合させる方法であって、プライマーが該基材にプラズマ沈着により適用され、該接着剤が該基材のプライマー処理表面に結合され、該プライマーが該接着剤中の官能基に化学的に結合する官能基を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤と基材との間での接着の増大を与える方法を記載する。該接着剤は、該基材上のコーティング層たり得(接着剤もしくはシールのコーティング層を包含しているが、これらに限定されず)、あるいは、第1に述べられた基材が結合されているべき第2の基材上でコーティングされた接着層たり得る。
【0002】
本発明はプライマー層を使用し、該接着剤と該基材との間の接着を増大させる。該プライマーが強く、該基材に、そして該接着剤に、結合する。
【背景技術】
【0003】
プラズマ手法が使用されており、基材表面を前処理し、引き続いて適用されるコーティングの接着を向上させる。プラズマ前処理効果は、ポリマー基材の表面領域の、清浄化、分解、および切除、ポリマー基材の表面領域の架橋、該基材の表面領域中へのカルボニル基のような極性基の導入に至る酸化、および/または、該基材の表面領域における移植(インプラント)を包含し得る。WO−A−02/098962が、低エネルギー基材表面をコーティングしていく方法を記載し、これは、該基材を、硅素含有化合物に晒していき、この処理された表面を、プラズマ、特に、大気圧グロー放電もしくは誘電障壁放電もしくはコロナ処理を使用しながら、酸化もしくは還元により後処理していくことによる。
【0004】
EP−A−431951は、基材を、平行板反応器を出て行く複数種のガスを用いて処理していくシステムを記載する。これは、ある1種のガスを、1枚以上の平行板反応器(リアクター)を通して流していき、励起した種を、そのガスの出口に隣接して置かれた基材と相互作用させていくことを含む。Gherardi,N.ら、J.Phys D: Appl.Phys,2000,33,L104−L108が、シリカコーティングの生産を記載し、これは、N、SiH、およびNの混合物を、平行2電極間で形成された誘電障壁放電(DBD)プラズマを通過させることによる。該反応容器を出て行く(化学)種が、下流の基材上で沈着するようにされた。
【0005】
数種の異なるプラスチック基材の、トリメチルシリルジメチルアミンもしくはヘキサメチルジシラザンをアルゴングロー放電中に注入していくことによる処理が、Inagakiらにより、Int.J.Adhesion Adhesives,2,233,1982において記載されている。
【0006】
WO−A−02/28548が、コーティングを基材上で形成させていく方法を記載し、これは、噴霧化液体および/または固体のコーティング形成材料を、大気圧プラズマ放電および/またはこれから結果的に得られてくるイオン化ガス流中に導入していき、該基材を、この噴霧化されたコーティング形成材料に、大気圧条件下に晒していくことによる。WO−A−03/097245が、ある方法を記載し、そこでは、噴霧化されたコーティング形成材料が、噴霧器を離れていく際、励起している媒体を、この励起している媒体から離れて位置した基材にまで通過する。
【0007】
テトラメチルジシロキサンのグロー放電重合が使用されており、30nm厚のプライマー層を、白金線ワイヤ上で、数ミクロン厚の層のポリ(p−キシリレン)を用いてコーティングしていく前、沈着させる(Nicholsら、J. Appl. Polymer Sci., Appl. Polymer Symp, 38, 21, 1984)。
【0008】
WO−A−99/20809が、ある方法を記載し、そこでは、ガス状前駆体が、無アーク大気圧RFプラズマ放電中に、電極を囲んでいる電導環状チャンバーの閉鎖末端から開放末端にまで流れているガス中において導入されており、こうして、該前駆体が、該プラズマ中の反応種と反応し、該開放末端を通りガス状ジェット中において出て行く材料を形成し、該ジェットの通り道に入れられた基材上で沈着されている。EP1230414が、表面をコーティングしていく方法を記載し、そこでは、プラズマジェットが、作用ガスを励起帯を通り運搬していくことにより発生されており、ここでは、アーク放電が、高周波数AC電圧を電極にかけて発生されている。前駆体が、該プラズマジェト中に、該作用ガスから分離して、導入されている。その前駆体の反応が、該プラズマジェットの補助と共に引き金を引かれ、該反応の生成物が、コーティングされるべき表面上で沈着されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
接着剤を基材に本発明により結合させていく方法において、プライマーが、該基材にプラズマ沈着により適用されており、該接着剤が、該基材のこのプライマーにより処理された表面に結合しており、該プライマーが、該接着剤中の官能基に化学的に結合する官能基を含有する。
【0010】
該接着剤は、該プライマーを覆い尽くして適用されたコーティング層たり得、あるいは、第1に述べられた基材が結合されている第2の基材上でコーティングされた接着層たり得る。
【0011】
これゆえ、1態様によれば、本発明は、コーティングされた物品を包含し、これは、プライマーを覆い尽くして適用されたコーティング層を用いてコーティングされた基材を含んでおり、該プライマーが、該基材にプラズマ沈着により適用されていることを特徴とし、該接着剤が、該プライマー中の官能基に化学的に結合した官能基を含有する。
【0012】
更なる態様によれば、本発明は、結合した物品を包含し、これは、2枚の基材を含んでおり、これら基材の少なくとも1枚上のプライマーを覆い尽くして適用されている接着剤により結合され、該プライマーが、該基材にプラズマ沈着により適用されていることを特徴とし、該接着剤が、該プライマー中の官能基に化学的に結合した官能基を含有する。
【0013】
該プライマー沈着に使用されているプラズマは好ましくは、非平衡大気圧プラズマである。このようなプラズマが例えば、入口およびプラズマ出口を持っている誘電体収納内で発生され得、これを通り、プロセスガスが、該入口から該出口に、少なくとも1電極を過ぎて流れる。処理されるべき基材が、該プラズマ出口に隣接して位置され得、こうして、当該基材が、当該プラズマと接触しており、該プラズマ出口に相対して動かされている。
【0014】
該プライマー、もしくはこの前駆体が、好ましくは、該プラズマ形成装置中に、噴霧化された形で導入されている。該プライマーを噴霧化させていく1方法において、該プロセスガスおよびプライマーが噴霧器を通過されており、ここにおいて、当該プロセスガスが当該プライマーを噴霧化する。もう1つ別の方法において、この噴霧化されたプライマーが、該電極から下流のプラズマ中に注入されている。該プライマーは、該プラズマ中において化学反応を受けてよく、例えば、重合されてよいが、但し、該接着剤中の官能基と反応する当該プライマー中の官能基の少なくとも幾つかが保持されている。
【0015】
我々は、そのプラズマ沈着が、該基材に対する該プライマー接着を向上させるということを見出している。該プライマー中の官能基に化学的に結合する該接着剤中の官能基の存在が、プライマー/トップコート接着を向上させる。該プライマーを沈着させる大気圧プラズマの使用は、該基材に対するプライマー接着を、当該接着剤に結合していくのを向上させるのに必要とされている当該プライマー中の官能基を反故にしてしまうとのリスクなしに、向上させるという利点を持つ。該プラズマ沈着プライマーが特に選ばれ得、化学結合を、該接着剤内の成分と共に形成する。該接着剤処方はテーラーメードされ得、接着を、当該基材/接着剤界面において、該プライマーに化学結合していくことを通して、促進させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
該プラズマは一般的に、誘電障壁放電プラズマのような非平衡大気圧プラズマ、もしくは、グロー放電プラズマのような拡散誘電障壁放電のいずれのタイプでもあり得る。本発明の目的には、’プラズマ沈着’は、コロナ放電のような非一様放電による沈着を包含する。拡散誘電障壁放電プラズマもしくはグロー放電プラズマが、好ましい。好ましいプロセスは”低温”プラズマを使用し、ここで、この用語”低温”とは、200℃を下回ると意味すると意図されており、好ましくは100℃を下回る。これらはプラズマであり、ここでは衝突が比較的頻繁でなく(炎主体の系(システム)のような熱平衡プラズマに比較した場合)、その構成種を広く異なる温度において持つ(これゆえ、その一般名が”非熱平衡”プラズマ)。
【0017】
本発明による非平衡大気圧プラズマを発生させるのに好ましい1つの装置は、単一電極だけを持つ。対向電極の欠如にもかかわらず、該装置は尚、非平衡プラズマ炎を引き起こす。ヘリウムのような作用ガス近傍における電力を与えられた電極の存在が、強いRF場を発生させるに充分であり、プラズマイオン化プロセスを引き起こし得、外部プラズマジェットを形成させる。
【0018】
単一電極だけを持っているこのような装置の1例が、図1において示されている。この設計(デザイン)は、管(7)からなり、適切な誘電材料(8)により囲まれる。管(7)が、誘電体収納(8)を越えて伸びる。該プロセスガスが、任意に噴霧化表面処理剤を含有しており、開口部(6)に進入する。単一電極(5)が該管外側で置かれており、これが誘電材料層(8)中において囲われている。該電極が、適切な電源に接続されている。対向電極は、必要とされていない。電力がかけられていると、局所的な電場が、該電極の周りに形成される。これらが該ガスと該管内で相互作用し、プラズマが形成されており、管(7)末端における開口部(9)に、そしてこれを越えて、伸びる。
【0019】
窒素プラズマジェットならびにヘリウムおよびアルゴンプラズマジェットを形成できる向上した能力、ならびに、該プラズマの向上した発火を持っている代わりの設計(デザイン)において、剥き出しの金属電極が使用されている。単一の、好ましくは鋭い電極が、プラスチック管のような誘電体収納内で収納されており、これを通り、該プロセスガスおよび任意にエアロゾル(噴霧化された表面処理剤)が流れる。電力が該針電極にかけられているので、電場が形成され、該プロセスガスがイオン化されている。
【0020】
これは、図2に言及しながら、より良く理解され得る。これは、適切なチャンバー(10)内で収納された金属電極(12)を示す。このチャンバーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような適切な誘電材料から構築されていてよい。該誘電体収納は、如何なる非電導体でもあり得、例えば、プラスチック材料、例えばポリアミドもしくはポリプロピレンであり、PTFEに対する代わりとしてである。該プロセスガスおよびエアロゾルが、該チャンバー中に、該収納中の1カ所以上の開口部(11)を通り進入する。電位が該電極にかけられているので、該プロセスガスがイオン化されたようになり、この結果のプラズマが、出口パイプ(13)の開口部(14)を通り出るよう伸びるよう向けられている。出口パイプ(13)のサイズおよび形状を調整していくことにより、該低温非平衡大気圧プラズマジェットの、サイズ、形状、および長さが調整され得る。
【0021】
鋭い点を有する金属電極の使用が、プラズマ形成を容易化させる。電位が該電極にかけられているので、電場が発生されており、荷電粒子を該ガス中において加速させ、プラズマを形成させていく。この鋭い点は、該プロセスを補助し、これは、その電場密度が、該電極の曲率半径に反比例しているからである。該電極は、該ガス中への電子のリークをも引き起こし得、その金属の高い2次電子放出係数による。該プロセスガスが該電極を過ぎて動くと、該プラズマ種が当該電極から離れて運ばれていき、プラズマジェットを形成する。
【0022】
本発明の尚更なる実施形態において、該プラズマジェット装置が、単一中空電極からなり、如何なる対向電極もない。ガスが、該電極中心を通り吹いている。RF電力がかけられており、これが、強い電磁場の、該電極近傍における形成に至る。これが、該ガスをイオン化させ、プラズマが形成され、該電極を通り運ばれ、プラズマジェットとして出て行く。この設計(デザイン)の狭い性質が、絞った狭いプラズマを、常条件下に発生されるようにし、機能性コーティングを3次元形状とされた基材上で沈着させていくようにする。
【0023】
より一般的には、このもしくはこれら電極が、ピン、プレート(板)、同心円管もしくは環、または、ガスが経由して該装置中に導入され得る針の形を採り得る。単一電極が使用され得、または、複数の電極が使用され得る。これら電極は、誘電体により被覆され得、または、誘電体により被覆されていない。もし多重の電極が使用されていれば、これらが誘電被覆および非被覆電極の組み合わせたり得る。1つの電極が接地され得るか、あるいは、いずれの電極も接地されていない(漂流(フローティング)電位(ポテンシャル))。もし、いずれの電極も接地されていなければ、これら電極が同一極性を持ち得るか、または、反対の極性を持ち得る。共軸電極形状が使用され得、ここで、第1電極が、第2電極内側で軸を共にして入れられている。1つの電極が電力を与えられ、もう1つが接地されてよく、誘電層が包含され得、アークを防ぐが、この形状はより好ましくない。
【0024】
該電極は、如何なる適切な金属でできていてもよく、例えば、金属ピン、例えば溶接桿、もしくは、フラット断面の形であり得る。電極はコーティングされ得るか、または、放射性元素を取り込み得、該プラズマのイオン化を高める。放射性金属が使用されてよく、例えば、該電極がタングステンから形成され得、0.2〜20重量%、好ましくは約2%の放射性トリウムを含有している。これが、放射性粒子の放出を通してのプラズマ形成、および、イオン化を開始させられる照射を促進させる。このようなドープされた電極がより効率的な2次電子放出を与え、これゆえ、装置が容易に壊れる。
【0025】
このもしくはこれら電極に対する電力供給(電源)は、ラジオ周波数電源であり、プラズマ発生用に知られた通りであり、範囲1kHz〜300GHzにおけるものである。我々の最も好ましい範囲は、超低周波数(VLF)3kHz〜30kHz帯であるが、低周波数(LF)30kHz〜300kHzの範囲も、上手く使用され得る。1つの適切な電源は、Haiden Laboratories Inc.PHF−2K単位(ユニット)であり、これは、2極性パルス波、高周波数、および高電圧発生器である。従来のサインカーブ波高周波数電源よりも速い上昇および下降時間(<3μs)を持つ。これゆえ、より良いイオン発生およびより大きいプロセス効率を提供する。該単位の周波数も可変であり(1〜100kHz)、該プラズマシステムに見合う。該電源の電圧は好ましくは、少なくとも1kV、10kV以上までである。
【0026】
一般的に、該プラズマを生成させるのに使用されるプロセスガスは、ある範囲のプロセスガスから選択され得、ヘリウム、アルゴン、酸素、窒素、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素、および、これらガスの、互いとのもしくは他材料との混合物を包含している。最も好ましくは、該プロセスガスが不活性ガスを含み、実質的に、ヘリウム、アルゴン、および/または窒素からなっており、つまり、少なくとも90体積%、好ましくは少なくとも95%の、これらのガスの1種またはこれらの2種以上の混合物を含んでいる。
【0027】
該プライマーもしくは該プライマー前駆体が、該プラズマ形成装置中に、噴霧化された形態で導入されていく。この噴霧化されたプライマーは例えば、重合可能な前駆体たり得る。重合可能な前駆体が該プラズマジェット中に、好ましくはエアロゾルとして導入されていくと、制御されたプラズマ重合反応が起き、この結果、プラズマポリマー沈着を、当該プラズマ出口に隣接して置かれている如何なる基材上でも与える。本発明のプロセスを使用して、ある範囲のプライマーコーティングが、数多くの基材上に沈着されている。これらのコーティングが、該基材にグラフトされており、該プライマー前駆体分子の官能基の化学性を保持させる。
【0028】
該噴霧器は好ましくはガスを使用し、該表面処理剤を噴霧化させる。このもしくはこれらの電極が、該噴霧器と、該収納内で組み合わされ得る。最も好ましくは、該プラズマを発生させるのに使用されたプロセスガスが、該噴霧化ガスとして使用されており、該表面処理剤を噴霧化させる。該噴霧器は例えば、空気ネブライザーたり得、特に平行路ネブライザーであり、Burgener Research Inc.of Mississauga,Ontario,Canadaにより販売されたようなものであり、または、米国特許第6,634,572号明細書において記載されたものであり、または、同心円ガス噴霧器であり得る。該噴霧器はあるいは、超音波噴霧器たり得、ここでは、ポンプが使用されており、該液体表面処理剤を超音波ノズル中に運び、引き続き、液体フィルムを噴霧化表面上に形成させる。超音波が、定常波を、該液体フィルム中において形成されるようにし、これが結果的に、液滴を形成させていく。該噴霧器は好ましくは、滴サイズ10〜100μmを生成させ、より好ましくは10〜50μmである。本発明における使用に適切な噴霧器は、Sono−Tek Corporation,Milton,New York,USAからの超音波ノズルである。代わりの噴霧器は例えば、電気噴霧手法を包含してよく、非常に細かい液体エアロゾルを、静電気を帯びていくことを通して発生させていく方法である。最も汎用の電気噴霧装置は、鋭く尖った中空金属管を用い、液体が該管を通りポンプアップされている。高電圧電源が、該管出口に接続されている。該電源が入れられ、適正な電圧を探して調整されていくと、該液体が該管を通りポンプアップされていき、細かい連続霧の液滴に変化する。インクジェット手法も使用され得、液滴を、担体ガスの必要なく発生させ、熱、ピエゾ電気、静電、および音響的な方法を使用する。
【0029】
これゆえ、図1の入口(6)を通りもしくは図2の入口(11)を通り供給されたプロセスガスが、本プライマーもしくはプライマー前駆体を、噴霧化された形で含有し得る。これは、本プロセスガスを本噴霧化ガスとして噴霧器供給口において使用して、または、本プロセスガス流を噴霧化されたプライマーと組み合わせて、達成され得る。図1において示されたものに対するある1種の代わりの配置(アレンジ)において、電極が、本プロセスガスおよび本プライマー用入口として振る舞う噴霧器のどちらかの側で位置されている。これら電極が例えば両方、該噴霧器の尖端を越えて伸び得る。このようなアレンジにおいて、これら電極が好ましくは、同一極性を持つ。
【0030】
本発明の1実施形態において、本電極が、本噴霧器と組み合わされており、こうして、当該噴霧器が、本電極として振る舞う。例えば、もし平行路噴霧器が伝導材料でできていれば、当該噴霧器装置全体が、電極として使用され得る。あるいは、針のような伝導部品が、非伝導噴霧器中に取り込まれ得、組み合わされた電極−噴霧器システムを形成する。
【0031】
図3は、図2において示されたピンタイプの電極系(システム)の修飾版を示す。図3において、該プロセスガスが、該プラズマの上流(15)に進入する。噴霧化されたプライマーが、プロセスガス(15)流において取り込まれ得る。あるいは、噴霧化されたプライマーのアエロゾルが直接、該プラズマ中に導入され得る。これは、電極(17)の尖端に近く位置された第2のガスの進入地点(16)を持っていることにより達成されている。噴霧化されたプライマーのアエロゾルが直接、この地点(16)において加えられ得、主要なプロセスガスが尚、プラズマ領域(15)の上流に進入している。あるいは、ある幾つかのプロセスガスも、該電極の尖端に隣接するアエロゾルと共に加えられ得る。この設定を使用すれば、該プラズマおよび前駆体が、電極(17)を囲んでいる該誘電体収納出口から伸びている適切な管(18)を通り出る。ガス進入地点(16)は好ましくは、該収納の出口(18)を向いた角度とされた入口である。
【0032】
管(18)が、該プラズマジェットを、例えば、電極(17)の尖端から300mmにまで引き延ばす。管(18)は少なくとも一部、プラスチック、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、もしくはPTFEのような誘電材料で形成されている。該管は好ましくはフレキシブルであり、こうして、該プラズマ出口が、本基材に相対して動かされ得る。該プラズマジェットを300mmよりも長い長さに亘り安定化させるために、伝導シリンダーを使用するのが有益であり、好ましくは鋭い端を有し、管の隣接片を接続する。これらのシリンダーは好ましくは、グラインドされていない。好ましくは、これらの環は、円くて鋭い端を、両側で持つ。これらの金属シリンダー内側を通りながら、該プロセスガスが金属と接触している。該プラズマ領域内側で創出された自由電子は、強い電場を鋭い伝導端近くで誘導し、更に該管内側でプロセスガスをイオン化させる。該円筒(シリンダー)のもう一方の側の鋭い端が、強い電場を創出し、該ガスのイオン化を、以降の管の区画において開始させる。このように、該管内部のプラズマが、引き延ばされている。多重金属接続器(コネクター)の使用が、該プラズマを、数m、例えば3〜7mに亘り引き延ばされ得るようにさせる。
【0033】
図4は、図3において示されたタイプの修飾された装置を示し、これは、伝導基材の、または、3dの物体もしくは管の内側の処理用の長いプラズマを発生させる。図3におけるとおり、粉末化電極(19)が、プロセスガス(20)、および、噴霧化されたプライマーのアエロゾル(21)と相互作用し、プラズマを生成させる。そのプラズマジェットの長さは、該装置を去る場合、当該プラズマを管(22)に閉じ込めて引き延ばされる。該プラズマがこの管内で閉じ込められている限り、この場合、当該プラズマは、その外部大気との相互作用により消されない。更にそのプラズマの長さを引き延ばすために、伝導片(23)が管(22)中に取り込まれており、当該管の隣接片を接続させる。伝導金属環(23)は、円くて鋭い端を、両側で持つ。この結果得られてくるプラズマは、プラズマ出口(24)を通り出て行き、プラズマ出口(24)に隣接する基材上で本プライマーを沈着させてしまう前、妥当な距離に亘り引き延ばされてよい。
【0034】
プライマーによりコーティングされているべき本基材は、該プラズマ出口に隣接して位置されており、こうして、本基材が、該プラズマと接触されており、該プラズマ出口に相対して動かされる。例えば、本基材が、該プラズマ出口を過ぎて動かされ得、または、該プラズマ出口が、本基材表面を横断して動かされ得、特に、柔軟な(フレキシルな)管(チューブ)が使用されていて、該プラズマを引き延ばせばである。
【0035】
本発明の代わりの実施形態が、拡散誘電障壁放電プラズマ発生装置を使用し、ここでは、該プラズマが、1対の電極間で発生されており、WO02/28548において記載されたとおりであり、そこでは、液体主体のポリマー前駆体がアエロゾルとして、大気プラズマ放電もしくはこれから励起された種中に導入されている。典型的な拡散誘電障壁放電プラズマ発生装置に関し、その均一プラズマが、3〜50mm、例えば5〜25mmのギャップ内の1対の電極間で発生される。大気圧でのグロー放電プラズマのような定常状態均一拡散誘電障壁(バリア)放電の発生は好ましくは、隣接電極間で得られ、これらは5cmまで空間的に離されていてよく、使用されるプロセスガスに依る。これら電極は、ラジオ周波数によりエネルギー化されており、平方根平均(rms)電位(ポテンシャル)1〜100kVを有し、好ましくは1〜100kHzにおいて1〜30kVであり、好ましくは15〜50kHzにおいてである。該プラズマを形成させるのに使用された電圧は典型的に、1〜30kボルト(V)であり、最も好ましくは2.5〜10kVであるが、その実際の値は、プロセスガスの選択、および、これら電極間のプラズマ領域の大きさ(サイズ)に依る。該プラズマが1対の電極間でこのように発生されている場合、本基材は好ましくは、該プラズマを通して運ばれ、つまり、これら電極間のギャップを通してであり、WO02/28548において記載されたとおりである。
【0036】
如何なる適切な電極システムも、利用されていてよい。各電極が、誘電材料中において保持された金属板もしくは金属ガーゼもしくは同様なものを含んでよく、例えば、WO02/35576において記載されたタイプのものであってよく、そこでは、電極および隣接誘電板を含有している電極単位、ならびに、冷却伝導液を該電極外装上に向けさせていて該電極平面を覆わせる冷却液分布システムが与えられている。各電極単位(ユニット)が、誘電板の形の1つの側を持っている防水函を含み、これに、金属板もしくはガーゼ電極が、該函の内側で取り付けられている。冷却器(クーラー)と再循環ポンプとを含んでいる液体分布システム、および/または、スプレーノズルを取り込んでいる散布管にフィットされた液体入口および液体出口もある。本冷却液は、本誘電板から離れた本電極の面を覆う。本冷却伝導液は好ましくは水であり、金属塩もしくは可溶性有機添加物のような伝導性制御化合物を含有してよい。理想的には、本電極が、金属板またはメッシュ電極であり、本誘電板と接触している。本誘電板は、本電極の縁を越えて伸び、本冷却液も、本誘電板を横断する向きとされ、本電極の周囲を分け隔てている誘電体の少なくともその部分を覆う。好ましくは、全誘電板が、冷却液を用いて覆われている。水は、如何なる結合、単独性、もしくは非一様性をも、端、角、もしくは、そのワイヤメッシュ電極が使用されている場合のメッシュ端のようなこれら金属電極において、電気的に不導態化させるよう振る舞う。
【0037】
もう1種の代替電極系において、各電極は、WO2004/068916において記載されたタイプのものであってよく、ここで、各電極は、内壁および外壁を持っている収納を含み、ここで、少なくとも該内壁が、誘電材料から形成されており、この収納は少なくとも、実質的に非金属の電気伝導材料を含有し、”伝統的な”金属板(プレート)もしくはメッシュの代わりに、該内壁と直接接触している。適切な誘電材料の例は、ポリカーボネート、ポリエチレン、ガラス、ガラス積層体、およびエポキシ充填ガラス積層体を包含するが、これらに拘束されていない。好ましくは、この誘電体は、充分な強度を持ち、本電極における伝導材料による当該誘電体の如何なるもしくはをも防ぐ。好ましくは、使用される誘電体が、50mmまでの厚さを持ち、最も好ましくは、15〜30mmである。選択された誘電体が充分透明でない場合、ガラスもしくは同様な窓が利用されてよく、発生されたプラズマの診断観察を可能とする。
【0038】
これら電極は、スペーサーもしくは同様のものの仲介により、空間的に離されていてよく、好ましくはこれも、誘電材料からできており、これにより、本系(システム)の全体での誘電強度の増大を効果的にし、本伝導液体の両端間での放電に関する如何なるポテンシャルをも除いていくことによる。
【0039】
実質的に非金属の本電気伝導材料は、極性溶媒、例えば、水、アルコール、および/またはグリコール、あるいは、塩水溶液、ならびに、これらの混合物のような液体であってよいが、好ましくは、塩水溶液である。水が単独で使用される場合、好ましくは、水道水もしくはミネラルウォーターを含む。好ましくは、この水は、最大約25重量%までの、アルカリ金属塩、例えば塩化ナトリウムもしくはカリウム、または、アルカリ土類金属塩のような水溶性塩を含有する。これは、このような電極において存在する伝導材料が実質的に、完全な同調性を持ち、これにより、完全に均一な表面ポテンシャルをその誘電表面において持つからである。
【0040】
あるいは、実質的に非金属の本電気伝導材料は、1種以上の伝導ポリマー組成物の形であってよく、典型的に、ペーストの形で供給されていることがある。このようなペーストが現在、エレクトロニクス産業において使用されており、マイクロプロセッサーチップセットのような電子素子(電子部品)の接着および熱管理用である。これらのペーストは典型的に、流動して表面の不規則さに沿うに充分な流動性を持つ。本伝導ポリマー組成物に適切なポリマーは、シリコーン、ポリオキシポリオレフィンエラストマー、シリコーンワックスのようなワックス主体の熱溶融物、樹脂/ポリマーブレンド、シリコーンポリアミドコポリマーもしくは他のシリコーン有機コポリマーもしくは同様のもの、あるいは、エポキシ、ポリイミド、アクリレート、ウレタン、もしくはイソシアネート主体のポリマーを包含してよい。これらポリマーは典型的に、伝導粒子を含有することとなり、典型的に銀のものであるが、あるいは、金、ニッケル、銅、合金酸化物、および/または、カーボンナノチューブを包含して炭素;あるいは、金属ガラスもしくはセラミックビーズを包含している伝導粒子が、使用されてよい。使用されてよい伝導ポリマー組成物の特定例は、EP240648において記載された伝導ポリマー、あるいは、Dow Corning Corporationにより販売されたDow Corning(登録商標)DA6523、Dow Corning(登録商標)DA6524、Dow Corning(登録商標)DA6526BD、およびDow Corning(登録商標)DA6533のような銀充填有機ポリシロキサン主体組成物、あるいは、Ablestik Electronic Materials&AdhesivesからのAblebond(登録商標)8175、Epo−Tek(登録商標)H20E−PFC、もしくはEpo−Tek(登録商標)E30(Epoxy Technology Inc)のような銀充填エポキシ主体ポリマーを包含する。
【0041】
本発明に従えば使用されてよい大気圧プラズマ組み立て品のタイプの1例は、第1および第2の1対の空間を離した平行電極を含み、各対の電極の内側板(プレート)間の空間取りが、第1および第2のプラズマ帯(ゾーン)を形成している。このような組み立て品が更に、基材を連続的に、第1および第2のプラズマ帯、ならびに、第1もしくは第2のプラズマ帯のうちの1つの中に噴霧化液体もしくは固体コーティング調製材料を導入するよう適合された噴霧器を通して移動させていく手段を含み、本出願人の同時係属出願WO03/086031において記載されており、本明細書において援用されている。好ましい実施形態において、これら電極は、垂直に並べられている。
【0042】
本プライマーはあるいは、本基材に、プラズマ促進化学蒸着(PE−CVD)により適用され得る。化学蒸着(CVD)は、熱せられた基材上での固体の沈着であり、熱せられた当該基材近くもしくは上での蒸気相の化学反応からのものである。行われる化学反応は、熱分解、酸化、炭化、および窒化を包含してよい。典型的には、CVD反応に関する事象の配列は、以降を順に含む。
i)適切な導入手段、例えば強制フローによる、反応容器中への、反応ガスの導入
ii)これらガスの、該反応容器を通しての、基材表面に向かっての拡散
iii)ガスの、基材表面との接触
iv)化学反応が、ガスおよび/または1種以上のガスと、該基材表面との間で起こる
v)基材表面から離れていく反応副生成物の脱着および拡散
【0043】
PE−CVDの場合、これらガスは、プラズマを通して拡散するよう向けられている。如何なる適切なプラズマも、利用されてよい。非熱平衡プラズマプロセスが、繊細で(デリケートな)感熱性の織布材料の形の基材のコーティングには理想的であるが、これは、一般的に、この結果得られてくるコーティングが、薄い層を有してさえ、ミクロ孔がないからである。PE−CVDにより沈着されたプライマーコーティングはよく、非極性材料、例えばポリエチレン、ならびに、鋼、テキスタイル等にさえ、接着する。例えばグロー放電プラズマのような非熱平衡プラズマが、利用されてよい。該グロー放電は、低圧において(真空グロー放電)もしくは大気圧近傍において(大気圧グロー放電)発生されてよく、好ましい。
【0044】
本基材は、本プライマーのプラズマ沈着前に、表面前処理されてよい。表面処理が、混入物もしくは弱い境界層を除去し得、本基材の表面エネルギーを修飾し得、および/または、その表面形状(トポグラフィー)を変化させ得る。混入物の例は、金属上の油(オイル)およびグリース、金属上の弱いかもしくはルーズな酸化物、ポリマー上の、シリコーン、フッ化炭素、およびワックスのような金型解離剤、ならびに、ポリマー表面上の添加剤および低分子量材料であり、本バルクから該表面に移ったものである。表面前処理は例えば、コロナ放電もしくはプラズマ炎のようなプラズマ手法によるか、あるいは、大気圧プラズマのような非熱平衡プラズマにより得る。
【0045】
本プラズマ沈着プライマーは、化学的に本接着剤における官能基に結合する官能基を含有する。化学的に結合する官能基の1例は、ヒドロシリル化により硬化したシリコーンであり、硅素結合水素基を持っている成分と、エチレン不飽和基、典型的には硅素結合アルケニル基を含んでいる他の成分との間にある。エチレン不飽和基を含んでいる接着剤は、プライマーを用いてプラズマコーティングされた基材に接着され得、Si−H官能基を有する表面を当該基材上で与える。ヒドロシリル化硬化反応を通して、典型的には、白金族金属主体の触媒を使用して触媒されるが、結合が、その界面において、本プライマーのSi−H官能基と本接着剤シリコーン製剤における無保護のビニル官能基との間での相互作用を介して、起こることとなる。接着を促進する官能基を有する本プラズマポリマープライマーは、該基材と該接着コーティングとの間の特異的化学結合を形成させるよう設計(デザイン)されている。
【0046】
本触媒の白金族金属は、好ましくは、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、もしくはルテニウムから選択される。本組成物の硬化を触媒するに有用な白金族金属含有触媒は、硅素結合アルケニル基との硅素結合水素原子の反応を触媒すると知られた如何なるものでもあり得、白金族金属もしくは化合物またはこれらの錯体として存在し得る。触媒としての使用に好ましい白金族金属は、白金である。ある幾つかの好ましい白金主体のヒドロシリル化触媒は、塩化白金酸、塩化白金酸6水和物、二塩化白金、および、このような化合物を含有している低分子量ビニル含有有機シロキサン錯体を包含する。
【0047】
ヒドロシリル化による硬化に基づいた典型的なシリコーンコーティング組成物は、化学量論的に見合ったレベルのSi−HおよびSi−ビニル成分を持ち、充分に硬化した生成物を与える。このような化学量論的に見合った組成物が、本接着剤として使用され得るが、本プライマーと本接着剤との間の界面における反応が、本バルク接着剤における硬化反応との競合にある。本接着剤は、好ましくは、過剰のSi−ビニル官能基成分と製剤され得、こうして、化学結合が、該プライマー/接着剤界面において起こり得、本接着剤バルクにおける硬化に対する障害はない。これゆえ、本Si−H官能基プラズマポリマープライマーとの組み合わせにおける本Si−ビニルに”富む”接着剤製剤が、増加した化学結合および増加した架橋を該プライマー/接着剤界面において可能とし、促進された接着結合に至る。本接着剤は、本プライマーと本接着剤との間で特異的な化学結合を形成するよう設計(デザイン)されている。このようなコーティングプロセスにより生成された硬化コーティングは、柔軟な(フレキシブルな)非粘着コーティングであり、本基材に、例えば、プラスチックフィルム、紙、もしくはテキスタイル材料のような柔軟な基材に;または、金属、ガラス、もしくはプラスチック押し出し部品のような剛直な基材に、強く接着している。
【0048】
もう1つ別の例において、本プライマーにおいて存在する官能基は、Si−OHもしくはSi−OR基である。これらは、硅素に結合したアシルオキシ基、例えばアセトキシ基を持っているか、または、硅素に結合したオキシム基を持っている有機ポリシロキサン接着剤と共に、使用され得る。Si−OH基とSi−結合アセトキシもしくはオキシム基とを含有している組成物が、室温加硫可能なシールとして知られている。硅素に結合したアシルオキシ基もしくはオキシム基を持っている該有機ポリシロキサン接着剤は、2枚の基材を結合させるのに使用され得、少なくとも1枚が、本発明により、Si−OHもしくはSi−OR基を持っているプラズマ沈着プライマーを用いて処理されている。本発明により本プラズマ沈着プライマーを用いて処理された第1の基材は、第2の基材上でコーティングされた該有機ポリシロキサン接着剤に結合され得、第2の基材は、本発明によりプラズマ沈着プライマーを用いて処理されていても、されていなくてもよい。該有機ポリシロキサン接着剤は任意に、有機金属化合物のような触媒、例えば、オクタン酸錫もしくはジラウリル酸ジブチル錫またはチタンキレートを含有してよい。
【0049】
更なる例において、本プライマーにおいて存在する官能基は、1級および/または2級アミン基および/またはアルコール基であり、本接着剤は、エポキシ基を含有するポリマーである。これらアミン基は好ましくは、1級アミン基R−NHであるか、あるいは、R−NH−CH−CH−OHのようなアミノアルコール基の一部を形成する。本プライマーにおいて存在するアルコール基は好ましくは、隣の基により、β−ヒドロキシアミンにおけるように、活性化されている。該エポキシド官能基化ポリマーは好ましくは、グリシジル基を含有し、例えば、ビスフェノールもしくはポリフェノールまたはエポキシド官能基化アクリル樹脂由来のエポキシ樹脂たり得る。エポキシ接着剤は、2枚の基材を結合させるのに使用され得、少なくとも1枚が、本発明により、R−NHもしくはR−NH−CH−CH−OH基を持っているプラズマ沈着プライマーを用いて処理されている。あるいは、本発明により、R−NHもしくはR−NH−CH−CH−OH基を持っているプラズマ沈着プライマーを用いて処理されている基材は、接着剤としてエポキシド官能基化コーティングを用いてコーティングされ得る。
【0050】
代替法において、グリシドキシ基を含有しているプライマーが、基材に、プラズマ沈着により適用され、1級もしくは2級アミン基および/または活性化アルコール基を含有している接着剤を用いてコーティングされ得る。
【0051】
更なる例において、本プライマーにおいて存在する官能基は、メチロール基、特に、そのアルコールがN−メチロール基のように活性化されているメチロール基である。本接着剤は、ヒドロキシル基を含有してよく、このN−メチロール基と反応性であり、例えば、本接着剤は、ヒドロキシ官能基を有するポリエステルモしくはポリエーテルのコーティング組成物たり得る。
【0052】
更なる例において、本プライマーにおいて存在する官能基は、イソシアネート基R−NCOもしくは塞がれたイソシアネート基である。本接着剤は、ヒドロキシルおよび/またはアミン基を含有し得、例えば、本接着剤は、ヒドロキシ官能基を有するポリエステルもしくはポリエーテルもしくはポリウレタンプレポリマーたり得る。このような接着剤は、ポリウレタンコーティングを形成し得、あるいは、2枚の基材を結合させるのに使用されるポリウレタン接着剤たり得、これらのうちの少なくとも1枚が、本発明により、イソシアネートもしくは塞がれたイソシアネート基を持っているプラズマ沈着プライマーを用いて処理されている。
【0053】
代替法において、ヒドロキシルおよび/またはアミン基を含有しているプライマーが、基材にプラズマ沈着により適用され、イソシアネートもしくは塞がれたイソシアネート基、例えばイソシアネート官能基を有するポリウレタンプレポリマーを含有している接着剤を用いてコーティングされ得、コーティングとして、もしくは、2枚の基材を結合させる接着剤として、利用され得る。
【0054】
ヒドロキシルおよび/またはアミン基を含有し、基材にプラズマ沈着により適用されるプライマーはあるいは、接着剤としてフェノール樹脂接着剤を用いてコーティングされ得る。
【0055】
更なる例において、本プライマーにおいて存在する官能基がヒドロキシル基、例えばアルコール基であり、本接着剤がシアノアクリレートである。このような系は、2枚の基材を結合させる接着剤としての特別な使用を見出す。
【0056】
更なる例において、本プライマーにおいて存在する官能基がアミノ基であり、本接着剤がポリイミド樹脂もしくはビスマレイミド樹脂である。本プライマーは例えば、アミノプロピルトリエトキシシランもしくはアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノシランであり得る。
【0057】
更なる例において、本プライマーにおいて存在する官能基がエポキシ基、例えばグリシジル基であり、本接着剤がポリスルフィドラバーである。
【0058】
本プライマーはあるいは、カップリング剤たり得る。カップリング剤は、E.P.Plueddemannにより、”シランおよび他のカップリング剤”(K.Mittal編、VSPユトレヒト、1992)においてよく記載されており、多重に官能基を有する化合物であり、無機表面と有機接着剤もしくはコーティングとの両方に対して化学的に結合する手段を提供するようデザインされている。これらの化合物は従来直接基材に、稀釈溶液から適用されたが、あるいは、接着剤もしくはコーティング中に化合されたことがあり、自己プライマー製剤を生み出した。このような自己プライマー製剤はしばしば、特異的な結合もしくは硬化方法および/またはプロトコルを必要とし、該カップリング剤が該接着剤もしくはコーティング/基材界面において存在していることを確実化させる。
【0059】
カップリング剤のタイプは、シラン、オルト珪酸、他のオルトエステル、クロム錯体、チタネート、チオール、および関連化合物コポリマーを包含するが、これらに限られない。これゆえ、本発明のプロセスは例えば、大気圧プラズマ沈着により、本接着剤における官能基に化学的に結合する置換官能基を含有しているシランカップリング剤を適用していくことを含み得る。
【0060】
シラン主体のカップリング剤は、以降の官能基を有するシランを包含してよい:ビニル、クロロプロピル、エポキシ、メタクリレート、1級アミン、ジアミン、メルカプト、スルフィド、もしくはカチオン性スチリル。本プライマーカップリング剤は、CSi(OMe)のようなシランとジアミン官能基を有するシランとの混合物を含み得る。本プライマーはあるいは、樹脂プライマーとカップリング剤との混合物を含み得、例えば、メラミン樹脂とエポキシ官能基を有するシランとが、アミンおよび/またはヒドロキシル基を含有している接着剤用プライマーとして使用され得る。
【0061】
メルカプトおよび/またはスルフィド基を含有しているシランカップリング剤は例えば、特に、本接着剤が例えば天然ゴムもしくはジエンゴム主体の硬化可能な硫黄ゴム組成物である場合、プラズマ沈着されるプライマー処理剤として有用である。このようなカップリング剤の例は、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、および3−メルカプトプロピルトリエトキシシランである。
【0062】
種々の無機エステルが、強化プラスチック用カップリング剤として請求されているおり、本発明のプロセスにおけるプライマーとして使用されてよく、ホスホン酸アミノベンジル、硼酸ジセチルイソプロピル、{CH=C(Me)COO}Cr(OH)Cl.HO.ROHのようなクロム錯体、および、{CH=C(Me)COO}TiOCH(Me)のような、アルミニウム、ジルコニウム、およびチタンのアルコキシ化合物、ならびに、HO(Al/Zr)RCOOHのようなジルコネートおよびジルコアルミネートを包含している。COOH、CHCHOH、CONH、グリシジル、CHCH(OH)CHOPO(OH)、(CHSi(OMe)、CHCHClCHOSiCl、もしくはCHCHOSi(OMe)のような官能基を持っているメタクリレート添加剤も、カップリング剤として使用され得、接着を向上させる。
【0063】
プラズマ沈着によりプライマー処理され、本発明による接着剤を用いてコーティングされてよい基材は、アルミニウム、鋼、およびチタンを包含して金属、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリアミドを包含して工学プラスチック、ラバーおよびエラストマー、ガラス、セラミック材料、粘土および鉱物、テキスタイルおよび皮革を包含するがこれらに限られず、あるいは、ガラス繊維(グラスファイバー)、炭素繊維(カーボンファイバー)、ポリプロピレン繊維、およびアラミド繊維複合材料を包含しているがこれらに限らない複合品である。
【0064】
コーティングである接着剤は、プライマー化された基材に、如何なる従来コーティング手法によっても、適用され得る。該接着剤は、該プライマー同様、プラズマ沈着により適用され得るが、これは一般的には、必要ではない。該接着剤は例えば、噴霧、ブラッシング、ローラーコーティング、ローラーの上からナイフコーティング、押し出しコーティング、カーテンコーティング、注入成型、接着剤およびシール剤手動および自動調合システム、あるいは、パワーコーティングにより適用され得る。該接着剤は、もし必要とされれば、稀釈剤から、例えば溶液もしくはエマルションから、適用され得る。
【0065】
本発明は、装飾もしくは腐蝕保護コーティングまたは抗接着剤もしくは生体相容性コーティングを適用していくことを包含している広い種々の適用において使用され得るが、これらに限られず、例えば、コーティング医療装置におけるものであり、移植される装置のようなものであり、薬剤供給装置、カテーテル、電気リード、および蝸牛インプラントを包含している。本発明は、ペースメーカーおよび神経刺激機上でシールを形成させるのに使用され得る。本発明は、コーティングもしくは接着剤を、電子素子、プリント回路基板(PCB)、論理装置、バイオセンサーおよび化学センサー、MEMS、チップ上実験室(Lab−on−chip)およびナノマシーン、センサーおよびエレクトロニクスのような自動車部品、ガスケットおよびシール、航空宇宙、航空、および海洋用部品および建設資材、ポンプシステムおよびこれらの部品、あるいは、消費者向けエレクトロニクス、または、組み立て用および/または表示装置のシール用に適用するのに使用され得る。本発明は、建設、建築、および多重つや出しユニットを包含してつや出しユニット、ならびに、太陽電池およびパネルのような建設材料およびアイテムを結合させるのに使用され得る。記載された接着剤の系のいずれも、建設材料と共に使用するのに丈夫にされたラバーたり得る。本発明は、履き物、衣服およびレジャーウェア、宝石、もしくは、スポーツ用品および用具を結合もしくはコーティングさせるのに、あるいは、パッケージもしくはエアバッグをコーティングさせるのに、あるいは、鋼基材に対するポリマーフィルムの積層に、使用され得る。
【0066】
広範な基材に対する前記接着剤(コーティングもしくは接着剤)による向上した接着との利点に加えて、本発明のプロセスはプラズマ重合プライマーを使用し、更なる有益性を与え得る。通常当該接着剤の効果を阻害する基材に対する接着を可能とすることがある。例えば、ポリアミドもしくはポリウレタン表面において存在するアミン基は、Si−H基を持っているポリシロキサン、ビニル基を持っているポリシロキサン、および、白金触媒を含んでいるシリコーンコーティング系の硬化を、該触媒の<<被毒化>>により阻害する。プラズマ重合プライマーとしての該コーティング系の適用は、接着剤を伴って、このような阻害を防ぐ。この阻害の1例は、皮革基材であった。Si−H基を含有しているプライマーの適用なくて、Si−H基を持っているポリシロキサン、ビニル基を持っているポリシロキサン、および、白金触媒を含んでいる接着剤は、硬化しなかった。プラズマ沈着プライマーを用いて、該接着剤は、硬化した。
【0067】
もし望まれれば、接着剤は、前記プライマー中の表面官能基を必要とし、強い接着を与えるよう、つまり、該プライマーを覆って適用されなければ、僅かな接着しか持たないよう、製剤され得る。
【0068】
カップリング剤を含むプライマー層を大気圧プラズマ沈着により沈着させていくのは、数多くの利点を持つ。その第1は、伝統的にカップリング剤を含有しない接着剤が、必要とされた接着水準のために可能でなかった異なる応用において使用され得ることである。該大気圧プラズマプロセスによる沈着が、溶媒の必要性(環境面での利点)もpHの注意した制御もなく、達成され得る。更なる利点は、カップリング剤が、接着製剤から除去され得ることである。カップリング剤の接着製剤への添加が、当該接着剤のレオロジーに、逆のインパクト(副作用)を持ち得る。当該カップリング剤を当該接着剤から除去していき、これを分けてプライマーとして適用していくと、接着剤の加工において、よりフレキシビリティー(柔軟性)を可能とする。カップリング剤を含有する製剤はしばしば、当該カップリング剤を基材−接着剤界面に熱力(学)的に動かすのに、高い硬化温度を必要とする。当該カップリング剤を当該接着剤から除去していき、これを分けてプライマーとして適用していくことにより、硬化温度サイクルが減らされ得る。
【0069】
本発明が、以降の実施例により例示されている。
【実施例】
【0070】
実施例1
ポリ水素メチルシロキサンプライマーが、ステンレス鋼シート上に沈着され、図3において示されたタイプの大気圧プラズマ組み立て品を使用した。コーティングに付される基材が、そのプラズマの出口(18)に隣接して置かれた。プロセスガス、つまりヘリウムもしくはアルゴンが、入口(15)を通り導入された。該プラズマが、RF電力(30〜60W、29kHz)を電極(17)にかけることにより発生された。該ポリ水素メチルシロキサンが、噴霧化液体の形で、入口(16)を通り、速度5μL/分において導入された。該ポリ水素メチルシロキサンが、プラズマを通過していく時、一連のフリーラジカル種を発生させる。これらのフリーラジカルが、重合反応し、該基材上に沈着し、コーティングを形成する。
【0071】
Si−ビニル基を持っている液体シリコーン樹脂Dow CorningのSilastic(登録商標)9780/50Eが次いで、処理された鋼の表面に適用され、熱硬化され、ラバー状固体樹脂コーティングを形成した。この硬化プロセスの間、該液体シリコーン樹脂が、前記プラズマコーティングのSi−H官能基と化学反応し、これが、該シリコーンを該プラズマコーティングに化学結合させ、これにより、該シリコーンを該鋼表面にグラフト化させる。熱硬化後、このラバー状シリコーン樹脂を該鋼から物理的に除去させる試みが、難しいと分かり、如何なる除去も結果的に、該シリコーン内での粘着に失敗した。
【0072】
該Silastic液体シリコーン樹脂がプラズマコーティングを用いてコーティングされていないステンレス鋼に適用された場合、その表面との僅かな結合しかなく、その硬化したラバー状固体シリコーン樹脂は容易に該表面から引き剥がされ、100%接着の失敗を呈していた。
【0073】
実施例2
実施例1に関して記載された同一プロセスを使用して、コーティングが、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に沈着された。ポリ水素メチルシロキサンが本液体前駆体として使用され、ヘリウムもしくはアルゴンが本プロセスガスとして使用された。Dow CorningのSilastic(登録商標)9780/50Eがこのプラズマコーティングされた表面に適用され、硬化された場合、強い接着促進効果が再び検出され、該樹脂は該基材を損なうことなく除去され得なかった。
【0074】
実施例3〜10
図3において示されたタイプの大気圧プラズマ組み立て品が使用され、テトラエトキシオルト珪酸(TEOS)およびポリ水素メチルシロキサン(PHMS)の50/50(重量/重量)混合物のプラズマ重合プライマー層を、ポリ(エステルテレフタレート)(PET)基材上に沈着させた。そのプラズマの電力は、高(100W)〜低(80W)の間で変動され、下の表1において示されたとおりである。ヘリウムが、プロセスガスとして使用された。TEOSおよびPHMSの混合物が、噴霧化された液体の形で、入口(16)を通り、表1において示された流速において導入された。該PET基材が、そのプラズマの出口(18)を通過して、表1において示されたとおりのラインスピードにおいて動かされた。比較のために、もう1つ別のサンプルが、該プラズマを使用して、該液体前駆体非存在下に処理された(コントロール1)。該PET基材の更なるサンプルが、テストしていくのに包含され、如何なるプラズマ処理にも付されていないものであった(コントロール2)。
【0075】
該プラズマ重合プライマー沈着後、Si−ビニル基を持っているSilastic(登録商標)9280/50液体シリコーンラバーが、ブレードコーティングにより適用され、3時間温度70℃において硬化された。
【0076】
該PET基材に対する該シリコーンラバー層の接着が、180°引き剥がしテストを室温において行いながら、測定された。その引き剥がし幅は1/2インチ(12.5mm)であり、引き剥がしスピード1インチ(25mm)/分であった。2インチ(50mm)の引き剥がしの平均引き剥がし力(N/m)が、表1において示されている。
【0077】
【表1】

【0078】
表1から分かるとおり、本発明のプロセスにより適用されたプライマーを覆っているコーティングが、基材に対して、前処理されていなかったかもしくはプラズマ前処理だけされていたコントロールよりも1もしくは2桁の規模高い接着力(引き剥がし強度)を示した。特に、実施例3、6、および7が、このような良好な接着を示し、このテストが、コーティングと基材との間での接着失敗よりもむしろ、シリコーンラバー層内での粘着失敗を測定した。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】装置のダイヤグラム断面図であり、本発明による表面プラズマ処理用である。
【図2】代わりの装置のダイヤグラム断面図であり、本発明による表面プラズマ処理用である。
【図3】もう1つ別の代わりの装置のダイヤグラム断面図であり、本発明による表面プラズマ処理用である。
【図4】図3において示されたとおりの装置の、ダイヤグラム断面図であり、より長い管を有し、当該プラズマ発生装置から伸びている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤を基材に結合させていく方法において、プライマーが、該基材にプラズマ沈着により適用されており、該接着剤が、該プライマーにより処理された該基材の表面に結合されており、該プライマーが、該接着剤中の官能基に化学的に結合する官能基を含有する、方法。
【請求項2】
前記プラズマが非平衡大気圧プラズマであり、入口およびプラズマ出口を持っている誘電体収納内で発生され、これを通り、プロセスガスが該入口から該出口に、少なくとも1電極を過ぎて流れ、処理されるべき基材が該プラズマ出口に隣接して位置されており、こうして、当該基材が当該プラズマと接触しており、該プラズマ出口に相対して動かされていくことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プライマーが、噴霧化された形で導入されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記プロセスガスおよびプライマーが、噴霧器を通過させられ、ここにおいて、該プロセスガスが該プライマーを噴霧化させることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
噴霧化された表面処理剤が、前記電極から下流のプラズマ中に注入されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記プライマーが、Si−H基を含有し、前記接着剤が、エチレン不飽和基を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記接着剤が、ポリ有機シロキサンを含み、硅素に結合したビニル基を含有していることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プライマーが、Si−OH基もしくはSi−OR基を含有し、式中、Rが、1〜6炭素原子を持っているアルキル基を表し、前記接着剤が、硅素結合アセトキシ基を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記プライマーが、前記接着剤中の官能基に化学的に結合する置換基官能基を含有するシランカップリング剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記プライマーが、1級もしくは2級アミン基を含有し、前記接着剤が、エポキシド基を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記プライマーが、N−メチロール基を含有し、前記接着剤が、アルコール基を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記プライマーが、イソシアネート基もしくは塞がれたイソシアネート基を含有し、前記接着剤が、ヒドロキシル基もしくはアミン基を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記接着剤がコーティング材料である、コーティングされた基材を形成させる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記接着剤が、第2の基材上でコーティングされた接着剤である、前記基材を第2の基材に結合させる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
プライマーを覆い尽くして適用されたコーティング層を用いてコーティングされた基材を含んでおり、該プライマーが、該基材にプラズマ沈着により適用されており、この接着剤が、該プライマー中の官能基に化学的に結合した官能基を含有することを特徴とする、コーティングされた物品。
【請求項16】
2枚の基材を含んでおり、これら基材の少なくとも1枚上のプライマーを覆い尽くして適用されている接着剤により結合され、該プライマーが、該基材にプラズマ沈着により適用されており、該接着剤が、該プライマー中の官能基に化学的に結合した官能基を含有することを特徴とする、結合した物品。
【請求項17】
薬剤供給装置、カテーテル、電気リード、および蝸牛インプラントを包含している移植されるべき装置のような医療装置をコーティングするか、および/または、ペースメーカーおよび神経刺激機上でシールを形成させる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項18】
電子素子、プリント回路基板(PCB)、論理装置、バイオセンサーおよび化学センサー、MEMS、チップ上実験室(Lab−on−chip)およびナノマシーン、センサーおよびエレクトロニクス、ガスケットおよびシール、航空宇宙、航空、および海洋用部品および建設資材、ポンプシステムおよびこれらの部品、または、消費者向けエレクトロニクスをコーティングするか、表示装置を組み立てるかおよび/またはシールするか、建設、建築、および多重つや出しユニットを包含してつや出しユニット、および、太陽電池およびパネルのような建設材料およびアイテムを結合させるか、履き物、衣服およびレジャーウェア、宝石、もしくは、スポーツ用品および用具を結合もしくはコーティングさせるか、パッケージもしくはエアバッグをコーティングさせるか、あるいは、鋼基材に対するポリマーフィルムを積層させる、使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−540771(P2008−540771A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511304(P2008−511304)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/018022
【国際公開番号】WO2006/124437
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(502286568)ダウ・コーニング・アイルランド・リミテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】Dow Corning Ireland Limited
【住所又は居所原語表記】Unit 12, Owenacurra Business Park, Midleton, Co. Cork, Ireland
【Fターム(参考)】