説明

接着剤塗布装置および接着剤塗布方法

【課題】 ロッドレンズアレイの製造工程において、所定の厚さの接着剤をアレイ用の基板またはロッドレンズに高い精度で塗布することにより、高精度のロッドレンズアレイを効率よく安価に、安定的に製造することができるようにすること。
【解決手段】 本発明の接着剤塗布装置1は、基板14または基板上に配列されたロッドレンズに接着剤を塗布するための接着剤塗布装置であって、所定圧力で接着剤を吐出するノズル6と、ノズルの吐出口に対向して配置され、ノズルから吐出された接着剤を外周面に付着させ該付着した接着剤を基板または基板上に配列されたロッドレンズに転写する転写ロール10とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤塗布装置および接着剤塗布方法に関し、詳細には、ロッドレンズアレイの製造過程で、基板又は基板上に配列されたロッドレンズに接着剤を塗布するための接着剤塗布装置および接着剤塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2枚の基板間に多数のロッドレンズが接着固定されているロッドレンズアレイは、複写機、ファクシミリ、スキャナ等のラインセンサ、また、LEDプリンタの書き込みデバイス等の光学部品として広く用いられている。
【0003】
このようなロッドレンズアレイを製造するための方法として、ある程度の長さに切断した多数本のロッドレンズを2枚の基板間に平行に配列し、2枚の基板とロッドレンズの間に接着剤を充填して基板間にロッドレンズを接着固定する方法(例えば、特許文献1参照)、表面に溝が形成された基板に接着剤を塗布し、この溝にロッドレンズを填め込んで基板間にロッドレンズを接着固定する方法(例えば、特許文献2参照)、または、基板とロッドレンズの間にシート状の接着剤を挟み込んで基板間にロッドレンズを接着固定する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−55610号公報
【特許文献2】特開平5−333217号公報
【特許文献3】特開平9−90105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の製造方法には、基板とロッドレンズの仮接着工程・充填工程が必要であり、製造コストが嵩むと言う問題、ロッドレンズを配列する際、ロッドレンズ間に隙間を設け一定間隔で配列すると、接着剤の充填時に、配列精度が低下するという問題、さらに、接着剤を充填する際、減圧度を低く設定すると充填時間がかかり逆に高く設定すると接着剤が急激に充填され一部に空気の層が形成されてしまうため、減圧制御が難しいという問題がある。
【0006】
また、特許文献2の製造方法には、基板に形成された溝内に接着剤を塗布する必要があるが、接着剤を溝内に均一に塗布することが困難であるため、製造したロッドレンズアレイの厚みが変動して品質の維持が難しいという問題、また、基板に溝を形成するため基板の厚さの調整が難しいという問題がある。
【0007】
また、特許文献3の製造方法には、シート状の接着剤を接着剤同士が折り重ならないよう均一に挟み込まないと、製造したロッドレンズアレイの厚みが変動してしまうため、品質の維持が難しいという問題がある。また、高粘度の樹脂を一様に塗布したものを用いると、ロッドレンズアレイを加圧して接着剤に埋設する際、シート状の接着剤の厚み精度・粘稠状態によっては一部空気の層が出来てしまう可能性があり、品質の維持が難しいという問題もある。
【0008】
さらに、特許文献3の製造方法には、ロール成形法を採用して空気を追い出しながら端から順に徐々に加圧する場合には、加圧に時間がかかり、さらに、例えば直径が0.4mm以下の細径ロッドレンズを使用した場合には、製造したロッドレンズアレイに反りが生じる可能性があるという問題がある。
【0009】
その他の一般的な接着剤塗布として、ロールコータでロッドレンズに直接、接着剤を塗布する方法がある。しかしながら、この方法には、ロッドレンズ側面に接着剤が塗布されるので、ロッドレンズの配列が崩れてしまうという問題や、プラスチックロッドレンズを使用すると高温の接着剤でロッドレンズがダメージを受けてしまうことがあるという問題、さらに、接着剤の塗布精度・吐出量の制御が難しいという問題がある。
【0010】
一方、近年、ロッドレンズアレイには、より高い性能が要求されている。より高い性能を実現するためには、ロッドレンズアレイを構成する各ロッドレンズの配列精度が高く、また、厚さが均一な高精度のロッドレンズアレイを作製する必要があるため、簡便な方法で、これらの要請を満たすロッドレンズアレイの製造方法が求められている。
【0011】
本発明は、このような要請に応じてなされたものであり、ロッドレンズアレイの製造工程において、所定の厚さの接着剤をアレイ用の基板またはロッドレンズに高い精度で塗布することにより、高精度のロッドレンズアレイを効率よく安価に、安定的に製造することができるようにする接着剤塗布装置および接着剤塗布方法を提供することを目的としている。
【0012】
上記の目的を達成するため、本出願に係る発明の発明者は、種々の実験及び検討を重ねた結果、ロッドレンズアレイの光学性能低下の原因として、ロッドレンズを加圧して接着剤に埋設する際または接着剤を塗布した基板を基板上に配列されたロッドレンズに加圧して貼合わせる際等の加圧時における空気の層の発生、および、接着剤の厚み斑によるロッドレンズの配列精度の低下があることを見出して本発明を成すに至った。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、基板または基板上に配列されたロッドレンズに接着剤を塗布するための接着剤塗布装置であって、所定圧力で接着剤を吐出するノズルと、該ノズルの吐出口に対向して配置され、該ノズルから吐出された接着剤を外周面に付着させ該付着した接着剤を基板または基板上に配列されたロッドレンズに転写する転写ロールと、を備えていることを特徴とする接着剤塗布装置が提供される。
このような構成によれば、接着剤が基板等に高い精度で塗布される。
【0014】
また、本発明によれば、基板に接着剤を塗布するための接着剤塗布装置であって、弾力性を備えた基板載置面を備えた基板保持プレートと、前記基板載置面に載置された前記基板に向けて所定圧力で接着剤を吐出するノズルと、前記基板保持プレートと前記ノズルとを相対移動させる駆動機構と、を備え、前記基板保持プレートが、前記ノズルの先端が前記基板載置面に載置された基板の表面に接触するように、配置されていることを特徴とする接着剤塗布装置が提供される。
このような構成によれば、接着剤が基板に高い精度で塗布される。
【0015】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記ノズルは、離間して配置され吐出用スリットを形成する2つの口金部材と、該2つの口金部材間に配置されたシムとを備え、前記シムが接着剤を1条または多条に塗布させる構造を備えている。
このような構成によれば、シムの厚さ、形状を変更するという簡単な作業で接着剤の吐出量、吐出状態を精度良く変更できる。
【0016】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記ノズルは、離間して配置された2つの口金部材を備え、前記2つの口金部材の先端の高さ位置が異なっている。尚、転写ロール回転方向上流側に位置する口金部材の先端が、下方に配置される。また、接着剤をノズルから基板に直接、塗布する場合には、塗布方向の下流側に位置する口金部材の先端が、下方に配置される。
このような構成によれば、口金部材の相対的な高さを変更するという簡単な作業で接着剤の吐出量を精度良く変更できる。
【0017】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記ノズルからの接着剤の吐出圧力が、0.05〜1MPaの範囲内である。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記スリット幅が、50〜500μmの範囲内である。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記転写ロールから前記基板あるいは基板上に配置されたロッドレンズ、または、前記ノズルから前記基板への接着剤の転写速度が、10〜250mm/secの範囲内である。
【0018】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記基板あるいは基板上に配置されたロッドレンズに転写または塗布される接着剤の厚さが、20〜200μmの範囲内である。1段構造のロッドレンズアレイを製造する場合には、20〜100μmの範囲が特に好ましく、2段構造のロッドレンズアレイを製造する場合には、100〜200μmの範囲が特に好ましい。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記基板または基板上に配置されたロッドレンズに転写または塗布される接着剤の厚さのばらつきが、±5μm以内である。
【0019】
本発明の他の態様によれば、基板または基板上に配列されたロッドレンズに接着剤を塗布するための接着剤塗布方法であって、接着剤を所定圧力にてノズルより吐出する吐出工程と、前記ノズルより吐出された接着剤を所定速度で回転するロールの外周面に所定の幅及び厚みで付着させる工程と、前記ロールの外周面に付着した接着剤を、基板表面又は基板上に配置されたロッドレンズに所定速度で転写する工程と、を備えている、ことを特徴とする接着剤塗布方法。
【0020】
本発明の他の態様によれば、基板に接着剤を塗布するための接着剤塗布方法であって、弾力性を備えた基板載置面を備えた基板保持プレートの前記基板載置面に前記基板を載置する工程と、接着剤を吐出するノズルの先端を前記基板の表面に接触させて該ノズルから接着剤を吐出させながら、前記保持プレートとノズルとを相対移動させ、前記保持プレートに載置された基板の表面に前記接着剤を塗布する工程と、を備えている、ことを特徴とする接着剤塗布方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ロッドレンズアレイの製造工程において、所定の厚さの接着剤をアレイ用の基板またはロッドレンズに高い精度で塗布することにより、高精度のロッドレンズアレイを効率よく安価に、安定的に製造することができるようにする接着剤塗布装置および接着剤塗布方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明の第1の実施形態の接着剤塗布装置の構成を説明する。図1は、本実施形態の接着剤塗布装置1の構成を概略的に示す側面図である。
【0023】
図1に示されているように、接着剤塗布装置1は、接着剤が収容される接着剤投入ポット2と、接着剤吐出用ディスペンサガン4と、接着剤吐出ノズル6とを備えている。接着剤吐出用ディスペンサ4は、接着剤投入ポット2に連通して接着剤投入ポット2内の接着剤を接着剤吐出ノズル6に供給する。接着剤吐出ノズル6は、ノズル取付けプレート8を介して、吐出口6aを下に向けた状態で、接着剤投入ポット2の下方に配置されている。
【0024】
接着剤吐出ノズル6の吐出口6aの直下には、円筒状の転写ロール10が配置されている。接着剤吐出ノズル6の吐出口6aは、転写ロール10の外周面に対向するように配置されている。
また、転写ロール10は、図示しないばね機構等の押圧機構によって、接着剤塗布時に常に接着剤吐出ノズル6の先端が転写ロール10の外周面に当接するように構成されており、転写ロール10の加工精度にかかわらず、転写ロール10の外周面に均一に接着剤を塗布できるようにしている。
【0025】
転写ロール10は、図示しない速度調整可能な駆動機構により回転駆動可能に構成され、接着剤吐出ノズル6の吐出口6aから吐出された接着剤を外周面に付着させ、下方の保持プレート12上に配置された基板14又は基板14上に配置されたロッドレンズ(図示せず)に接着剤を転写することができるように構成されている。保持プレートの上面には、真空吸引装置に連通する吸引孔(図示せず)が複数、設けられ、これら吸引孔を通しての真空吸引により、基板14が基板プレート上の所定位置に保持される。
【0026】
転写ロール10の外周面は、接着剤吐出ノズル6によって塗布された接着剤を、ロッドレンズアレイ用の基板14又は基板14上に平行状態で配列されたロッドレンズに転写できる材質で構成される。本実施形態では、転写性に優れたシリコンゴムで転写ロール10の外周面を形成している。
【0027】
また、基板14等への接着剤の転写速度は、好ましくは1〜250mm/sec、更に好ましくは10〜100mm/secの範囲内である。転写速度が速すぎると、転写ロール10に塗布された接着剤が基板14又は基板14上に配置されたロッドレンズに転写されない可能性がある。一方、転写速度が遅すぎると効率が悪く、ロッドレンズアレイの製作に時間がかかってしまい好ましくない。
【0028】
次に、接着剤吐出ノズル6の構造を詳細に説明する。図2は、接着剤吐出ノズル6の分解斜視図であり、図3は、図1の接着剤吐出ノズル6の吐出口6aを拡大した断面図である。図2に示されているように、接着剤吐出ノズル6は、2つの口金部材16、18と、これら口金部材16、18の間に配置された特定の厚さのシム20とを備えている。
【0029】
図2に示されているように、口金部材16、18は、いずれも、下端が楔状に先細りする厚板状部材であり、対向して配置される。シム20は矩形の板状部材であり、その下方部分には下端から上方に向かって延びる三角形の切欠き部20aが形成されている。口金部材16、18はシム20を挟んだ状態で、図示しない連結機構により連結されて一体化される。
【0030】
シム20が2つの口金部材16、18の間に配置されたとき、切欠き部20aによって、2つの口金部材16、18間に接着剤の流路となる間隙22が形成される。図2から明らかなように、この間隙(流路)22の下端が、吐出口6aの開口部(スリット)22aを構成する。本実施形態では、このスリット22aが転写ロール10の軸線と平行に延びるように、接着剤吐出ノズル6が転写ロール10に対して配置されている。従って、スリット22aの長さ、即ち、切欠き部20aの下端の長さに相当する幅で、転写ロール10に接着剤が帯状に塗布される。
【0031】
接着剤は、口金部材16を貫通する流入路16bから、シム20の切欠き部20aによって口金部材16、18間に形成された間隙(接着剤流路)の上部に入り、吐出口6aの開口部から転写ロール10に向けて吐出されることになる。
【0032】
本実施形態では、異なった厚さのシム20を使用することにより、口金部材16、18間のスリットの幅d1を変化させて接着剤の吐出量を変更することができるように構成されている。
口金部材16、18の間のスリット幅d1は、50〜500μmの範囲内が好ましい。この幅d1が広すぎると吐出量が安定せず、接着剤が転写ロール10に付着させられたとき、接着剤の厚さが不均一となり、厚さ斑の原因となる場合がある。一方、スリットの幅d1が狭すぎると接着剤の詰まりの原因となる場合がある。
【0033】
シム20の形状は、接着剤の塗布状態に応じて適宜変更することができ、図2に示したような形状のシム20を使用した場合には、切欠き部20aの下端の長さに相当する幅を有する帯状に接着剤を塗布することができる。また、シムの先端(下端)の形状をスリット形状とすることにより、接着剤を多条に塗布することができる。即ち、下端が分岐した形状のシムを使用して、吐出口に分岐した複数のスリットを形成し、転写ロールに接着剤を、間隔をおいた複数本の筋状(あるいは細い帯状)に塗布させる構成でもよい。
【0034】
なお、本発明においては、接着剤吐出ノズル6を構成する口金部材16,18間にシム20を合わせ込まず、口金部材16、18のみでスリットの幅d1を維持する構造としてもよい。例えば、製造するロッドレンズアレイの品種変更が少ない場合には、接着剤の厚さを頻繁に変更することがなく、転写ロール10の回転速度や接着剤吐出ノズル6からの接着剤の吐出圧等を調整して、接着剤の塗布厚さの微調整を行うだけでよい。この場合には、あらかじめ設定したスリット幅d1となるように、口金部材の内部に縦方向に段差をつける等して接着剤の流路となるスリット形成してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、図3に示されているように、2つの口金部材16、18は、先端(下端)の高さ位置が、段差h1だけ異なるように組み立てられている。詳細には、転写ロール10の回転方向上流側に配置される口金部材18の下端が転写ロール10の外周面に当接し、転写ロール10の回転方向下流側に配置される口金部材16の下端が、口金部材18の下端より段差h1だけ上方に位置するように構成されている。
【0036】
このような構成によれば、転写ロール10と転写ロールに接触していない口金部材16の先端部分の距離(即ちh1)が変化すると、吐出口6aの寸法(上下方向の長さ)が変化しノズル先端にかかる圧力が変化して、吐出口6aからの接着剤吐出量が変化することになる。このため、段差h1を変更することにより、吐出口6aからの接着剤吐出量を変化させ、転写ロールに塗布される接着剤の厚さを調整することができる。
【0037】
この段差h1は、30〜300μmとすることが好ましく、より好ましくは50〜200μmの範囲である。この段差h1が大きすぎると、ノズル先端にかかる圧力が小さくなり吐出が安定せず塗布斑が発生する傾向になり、逆に小さすぎると所定の吐出量が出なくなり所定の厚みにて塗布ができない場合がある。
【0038】
次に、本実施形態の接着剤塗布装置による接着剤塗布工程を説明する。まず、所定量の湿気硬化型の接着剤を接着剤投入ポット2に投入し、これを接着剤吐出用ディスペンサガン4内に送出する。
【0039】
接着剤吐出用ディスペンサガン4への接着剤の送出は、圧縮空気や不活性ガス等を接着剤投入ポット2に導入することによって行われる。本実施形態の接着剤塗布装置1では、接着剤投入ポット2に導入される気体の圧力は、所定の吐出量が保持できる範囲であれば良く、好ましくは0.05〜1MPa、より好ましくは0.10〜0.7MPaの範囲である。
【0040】
この圧力が高すぎると、接着剤投入ポット2等を耐圧容器で構成しなければならず、且つ、高い圧力を維持するためにはコンプレッサー等の設置が必要となるため接着剤塗布装置が、複雑な構造となったり、大がかりな装置となったりしてコストが上昇してしまう。
一方、圧力が低すぎると所定の吐出量を維持することが困難になる。
【0041】
尚、接着剤の粘度が高く、接着剤投入ポット2内を加圧するだけでは十分に接着剤を接着剤吐出用ディスペンサガン4に送出することができないことがあるので、接着剤投入ポット2、接着剤吐出用ディスペンサガン4、接着剤吐出ノズル6およびノズル取付用プレート8は、適宜、加熱できる構成とされているのがよい。
【0042】
接着剤吐出用ディスペンサガン4は、図示しない空気源によって開閉動作させられ、接着剤吐出ノズル6に接着剤を供給する。接着剤吐出用ディスペンサガン4に代えて、ギヤポンプ等を用いて接着剤吐出ノズル6に接着剤を送る構成でもよい。
【0043】
接着剤吐出ノズル6に供給された接着剤は、吐出口6aから吐出され、所定速度で回転する転写ロール10の外周面に円周方向に延びる帯状に塗布される。本実施形態の接着剤塗布装置1では、転写ロール10の回転速度は、10〜250mm/secの範囲内に設定されている。
【0044】
転写ロール10の外周面に付着させられた帯状の接着剤は、保持プレート12上に保持された基板14または基板14上に配置されたロッドレンズの表面に転写される。
なお、接着剤の転写ロール10から基板14または基板14上に配列されたロッドレンズの表面への転写は、保持プレート12が転写ロール20によって送られる構造、保持プレート12を移動ステージ上に配置し保持プレート12を移動して転写する構造、保持プレート12を固定し転写ロール10を移動ステージ上に配置し転写ロール10を移動して転写する構造とすることができる。
【0045】
このとき、基板14または基板14上に配置されたロッドレンズに塗布される接着剤の厚みは、20〜200μmの範囲内であることが好ましい。接着剤の厚みが厚すぎると、ロッドレンズアレイを加圧する際、基板14とロッドレンズ間の樹脂層の塗布精度によっては、ロッドレンズの配列斑の要因となる可能性がある。一方、接着剤の厚みが薄すぎると、ロッドレンズと基板の間に隙間ができ、空気の層となって光学性能の低下の一因となる。また、塗布工程における接着剤の厚みばらつきは、±5μm以内であることが好ましい。
基板間にロッドレンズが一列に並列配置されている1段構造のロッドレンズアレイを製造する場合には、接着剤の厚さを20〜100μmの範囲にするのが特に好ましく、基板間にロッドレンズが例えば俵積み状態で2段に配置されている2段構造のロッドレンズアレイを製造する場合には、接着剤の厚さを100〜200μmの範囲にするのが特に好ましい。
【0046】
なお、前述したように、転写ロール10または基板14または基板14上に配置されたロッドレンズに塗布(転写)される接着剤の厚さは、接着剤吐出ノズル6からの吐出圧力、接着剤吐出ノズル6のスリット幅、接着剤吐出ノズル6の2つの口金部材16、18の先端の段差h1、または、転写ロール10の回転速度を変更することに調整される。
【0047】
このような構成を有する接着剤塗布装置によれば、基板または基板上に配列されたロッドレンズに接着剤を接着剤吐出ノズルから直接塗布することがないため、基板やロッドレンズにダメージを与えることがない。また、転写ロールの回転運動を用いることにより、直線運動より簡単な構造で高い位置精度で接着剤を塗布することができる。
さらに、接着剤吐出ノズルの2つの口金部材の先端に段差を設けることによって、転写ロールとの距離を常に一定に保つことが出来るため接着剤の塗布を高精度に行うことができる。
【0048】
また、帯状または多条に接着剤を塗布することで、ロッドレンズを加圧して接着剤に埋設する際または接着剤を塗布した基板を基板上に配列されたロッドレンズに加圧して貼合わせる際等に、空気の層の発生を抑制することができる。その結果、仮接着工程や充填工程を追加することなく、ロッドレンズアレイを効率よく安価に、安定的に製造することができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施形態の接着剤塗布装置51を説明する。図6は、接着剤塗布装置51の構成を概略的に示す側面図であり、図7は、接着剤塗布装置51の接着剤吐出ノズルの吐出口を拡大した断面図である。
【0050】
接着剤塗布装置51は、転写ロールを介すことなく、接着剤を基板に直接、塗布する構成である点を除き、基本的な構成は、第1の実施形態の接着剤塗布装置1と同一である。
従って、相違点を中心に接着剤塗布装置51の構成を説明する。
図6に示されているように、接着剤塗布装置51は、接着剤が収容される接着剤投入ポット52と、接着剤吐出用ディスペンサガン54と、接着剤吐出ノズル56とを備えている。
【0051】
接着剤吐出用ディスペンサ54は、接着剤投入ポット52に連通して接着剤投入ポット52内の接着剤を接着剤吐出ノズル56に供給する。接着剤吐出ノズル56は、ノズル取付けプレート58を介して、吐出口56aを下に向けた状態で、接着剤投入ポット52の下方に配置されている。
【0052】
接着剤吐出ノズル56の吐出口56aは、基板が載置される保持プレート60の上面である基板保持面(基板載置面)60aに対向するように配置されている。
基板保持面60aは、弾力性のある材質で構成されている。本実施形態では、保持保持面60aを含む保持プレート60の例えば、厚さ約5mmの表面層をシリコンゴムシートで形成することにより、基板保持面60aに適度な弾力性を持たせている。シリコンゴムシートは、保持プレートの下部に位置するプレート本体の上面に形成された、凸部によって、プレート本体上に保持される。
【0053】
基板保持面60aには、真空吸引装置に連通する吸引孔(図示せず)が複数、設けられ、これら吸引孔を通しての真空吸引により、基板が基板保持面60aの所定位置に保持される。
【0054】
また、接着剤塗布装置51は、ばね機構等の押圧機構(図示せず)の付勢によって、接着剤塗布中、接着剤吐出ノズル56の先端が、基板保持面60aに載置固定された基板14の表面(塗布面)に当接するように構成されている。このため、基板14に厚さ斑がある場合であっても、基板14の塗布面に接着剤が均一な厚さで塗布される。
【0055】
接着剤塗布装置51は、接着剤吐出ノズル56と保持プレート60を相対移動させる速度調整可能な駆動機構(図示せず)を備えている。駆動機構としては、保持プレート60を載せた移動ステージを、静止している接着剤吐出ノズル56に対して移動させる駆動機構、または、接着剤投入ポット52、接着剤吐出用ディスペンサガン54、接着剤吐出ノズル56等を移動ステージに取付け、これらを、静止している保持プレート60に対して移動させる駆動機構等が採用される。
【0056】
次に、接着剤吐出ノズル56の吐出口56aの構造を説明する。
本実施形態の接着剤吐出ノズル56では、第1実施形態の吐出ノズル6と同様の構成により、2つの口金部材62、64が間に幅d2の間隙66を形成するように配置されている。この間隙66の下端が、吐出口56aの開口部(スリット)66aを構成する。本実施形態では、このスリット66aが、基板14と接着剤吐出ノズル56の相対移動方向に直交する方向に延びるように配置されている。従って、スリット66aの下端の長さに相当する幅で、基板14に接着剤が帯状に塗布されることになる。
【0057】
図7に示されているように、2つの口金部材62、64は、先端(下端)の高さ位置が、段差h2だけ異なるように組み立てられている。詳細には、接着剤吐出ノズル56と基板14との塗布方向の下流側に配置される口金部材64の下端(先端)が基板14の塗布面に当接し、塗布方向の上流側に配置される口金部材62の下端(先端)が、口金部材64の下端(先端)より段差h2だけ上方に位置するように構成されている。
【0058】
このような構成によれば、段差h2を変化させることにより、吐出口56aの寸法(上下方向の長さ)が変化し、吐出口56aからの接着剤吐出量すなわち接着剤塗布量が変化する。このため、段差h2を変更することにより、吐出口56aからの接着剤吐出量を変化させて、基板14に塗布される接着剤の厚さを調整することができる。
【0059】
本実施形態では、接着剤吐出ノズル56の先端面には、DLC(Diamond・Like・Carbon)のコーティングが施されている。このような構成によって、ノズルの先端面が、基板14と接触しても摩擦熱が発生しにくくなるので摩擦熱で基板14にダメージが加えられることが抑制されるとともに、接触によって、基板14が損傷を受けることも抑制される。また、他の低摩擦のコーティングを施す構成または低摩擦材料でノズルの先端面を形成する構成等を採用してもよい。
【0060】
本実施形態の接着剤塗布装置51では、接着剤吐出ノズル56の吐出口56aを、保持プレート60上に載置された基板14の表面に押し当て、接着剤吐出ノズル56の吐出口56aから接着剤を吐出させながら、接着剤吐出ノズル56と保持プレート60とを相対移動させ、図7に矢印Aで示す塗布方向の上流側から下流側に向かって、接着剤を基板14の表面に順次、塗布していく。
【0061】
基板14への接着剤の塗布速度となる接着剤吐出ノズル56と保持プレート60の相対移動速度は、好ましくは1〜250mm/sec、更に好ましくは10〜100mm/secの範囲内である。塗布速度が速すぎると、接着剤が基板14に塗布されない可能性がある。一方、塗布速度が遅すぎると効率が悪く、ロッドレンズアレイの製作に時間がかかってしまい好ましくない。
【0062】
本実施形態のように、接着剤吐出ノズル56の吐出口56aを基板14の表面に接触させながら接着剤塗布を行なう場合、弾力性が無いプレート上に基板14を載置した状態で接着剤塗布を行なうと、基板に向けて付勢されている接着剤吐出ノズル56が跳ね上がり、接着剤の厚さが均一にならず、塗布斑が発生してしまうことがある。しかしながら、本実施形態では、基板保持面60aに弾力性を持たせているので、上述したような接着剤吐出ノズル56の跳ね上がりが防止される。
【0063】
また、本実施形態の接着剤塗布装置によれば、接着剤吐出ノズルの2つの口金部材の先端に段差を設けることによって、基板との距離を常に一定に保つことが出来るため接着剤の塗布を高精度に行うことができる。
【0064】
さらに、本実施形態の接着剤塗布装置によれば、接着剤が基板に直接塗布されるので、塗布時間を短縮できる。また、駆動部・磨耗部品が少ないためメンテナンスが容易に行えコスト削減ができる。
【0065】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更又は変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、接着剤として、湿気硬化型接着剤を使用したが、本発明は、接着剤の性状は湿気硬化型に限定されず、他の接着剤を用いる接着剤塗布装置及び接着剤塗布方法にも適用可能である。
【実施例】
【0066】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
実施例では、接着剤の材料として湿気硬化型接着剤(積水化学社製、エスダイン(商品名)を使用した。接着剤を接着剤投入ポット2へ投入し、ポット内にエアーを封入し0.3MPaに加圧保持し、接着剤投入ポット2に連通した6個の接着剤吐出ノズル6より吐出圧0.3MPaで転写ロール10の外周面に幅26mm、長さ252mm、厚さ48〜51μmの帯状の接着剤を27.5mmピッチで6本塗布した。
【0067】
接着剤吐出ノズル6は、図2に示したように口金部材16、18間に厚さ200μmのシム20を配置し、口金部材18の先端を口金部材16の先端よりも120μm突出させた構造(h1=120μm)とし、図3に示したように転写ロール10に口金部材16の先端が当接するように設置した。このときのスリット幅d1は200μmであり、転写ロール10の回転速度は65mm/secとした。転写ロール10に付着させた接着剤を、保持プレート12上に保持された基板14に帯状の接着剤を27.5mmピッチで6本転写した。このときの転写速度は60mm/secとし、転写する基板の大きさはA4サイズとした。
【0068】
実施例の接着剤の塗布ムラ(ばらつき)は±2μmであり、接着剤が高精度に塗布できていることが分かる。
【0069】
接着剤を転写した基板を溝付平板に多数本平行に配列したロッドレンズの下方へ配置し、プレスを行った。プレスは、温度は75℃にて1分間、続いて20℃にて1分間、行った。プレス終了後基板に固定された多数本平行に配列したロッドレンズを12時間養生硬化した。
【0070】
養生硬化した基板に固定された多数本平行に配列したロッドレンズを、上記と同様に製作した接着剤を転写した基板と貼り合わせ、上記と同様の条件にてプレスし、ロッドレンズアレイ原板を作製し、さらに24時間養生硬化を行った。次いで、原板を4.5mmづつに切断し、切断したロッドレンズアレイの両端面を光軸に垂直に鏡面研磨して、レンズ長4.4mmのロッドレンズアレイを作成した。
【0071】
そして、ロッドレンズアレイの解像度を示すMTFを測定した。
図4に、MTFの測定装置を示す。この測定装置は、順次に配置した光源30、波長フィルタ32、拡散板34、格子(テストチャート)36、及びCCDラインセンサ38から構成される。また、格子36とCCDラインセンサ38とは、ロッドレンズの所定の共役長だけ離れている。
また、本実施形態では、空間周波数12(ラインペア(Lp)/mm)の格子36を使用した。空間周波数とは、透明ラインと遮光(黒)ラインとの組み合わせを1ラインとし、1mm幅中のライン数を示す。
【0072】
測定にあたっては、格子36とCCDラインセンサ38との間に、ロッドレンズアレイ40を設置する。
そして、結像面に設置したCCDラインセンサ38によって、格子36の画像の光量を測定し、図5に示すような測定光量の最大値(iMAX)と最小値(iMIN)を測定し、MTFを下記の式により求めた。
MTF(%)=((iMAX−iMIN)/(iMAX+iMIN))×100
その結果を表1に示す。
【表1】

表1から明らかなように、得られたロッドレンズアレイは、ロッドレンズの配列精度が高く、MTFが高く、そのバラツキも小さいものであった。
なお、表において、MTF C.V.はMTFのばらつきの指標となるものである。
【0073】
(実施例2)
実施例2では、直接塗布における接着剤塗布装置51にてシムの形状を1回塗布につき5本塗布する構造とし、幅4.5mm、長さ252mm、厚さ48〜51μmの帯状の接着剤を5.5mmピッチで6回、計30本基板に直接塗布した以外は、実施例1と全く同じようにしてロッドレンズアレイを作成した。
【0074】
接着剤吐出ノズル56は、図7に示したように口金部材62、64間に厚さ200μmのシムを配置し、一方の口金部材64の先端を他方の口金部材62の先端よりも60μm突出させた構造(h2=60μm)とし、図7に示したように基板14に口金部材64の先端が当接するように設置した。スリット70の幅d2は200μmであり、塗布装置の基板への接着剤塗布速度は100mm/secとした。塗布する基板の大きさはA4サイズとした。
【0075】
実施例2の接着剤の塗布ムラ(ばらつき)は±2μmであり、実施例1と同様に接着剤が高精度に塗布できていることが分かる。
【0076】
実施例2にて作製したロッドレンズアレイを実施例1と同じ方法にてMTFの測定を行った。その結果を表2に示す。
【表2】

表2から明らかなように、得られたロッドレンズアレイは、ロッドレンズの配列精度が高く、MTFが高く、そのバラツキも小さいものであった。
【0077】
(比較例)
次に、比較例について説明する。
特開平5−333217号公報で示される方法にて、ロッドレンズアレイを作製した。
但し、ロッドレンズの配列治具は溝付平板を、接着剤の材料はエピフォーム(カーボンブラックが0.5質量%含まれるようにカーボンブラックを添加したもの。商品名。ソマール社製)を使用した。そのロッドレンズアレイを実施例と同じ方法にてMTFの測定を行った。その結果を表3に示す。
【表3】

このように、一定間隔にてロッドレンズを配列した場合では、ロッドレンズの配列精度が低下しており、その結果、MTFが低く、そのバラツキも大きいものであった。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施形態の接着剤塗布装置の構成を模式的に示す図面である。
【図2】図1の接着剤塗布装置の吐出ノズルの構成を分解斜視図である。
【図3】図2の吐出ノズルの先端の構成を模式的に示す図面である。
【図4】ロッドレンズアレイの解像度(MTF)の測定装置の概略構成図である。
【図5】格子画像の橋梁の測定結果を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施形態の接着剤塗布装置の構成を模式的に示す図面である。
【図7】図6の接着剤塗布装置の吐出ノズルの先端の構成を模式的に示す図面である。
【符号の説明】
【0079】
1:接着剤塗布装置(ロール転写)
2:接着剤投入ポット
4:接着剤吐出用ディスペンサガン
6:接着剤吐出ノズル
6a:吐出口
6b:流入路
10:転写ロール
12:保持プレート
14:基板
16:口金部材
18:口金部材
20:シム
20a:切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板または基板上に配列されたロッドレンズに接着剤を塗布するための接着剤塗布装置であって、
所定圧力で接着剤を吐出するノズルと、
該ノズルの吐出口に対向して配置され、該ノズルから吐出された接着剤を外周面に付着させ該付着した接着剤を基板または基板上に配列されたロッドレンズに転写する転写ロールとを、備えている、
ことを特徴とする接着剤塗布装置。
【請求項2】
基板に接着剤を塗布するための接着剤塗布装置であって、
弾力性を備えた基板載置面を備えた基板保持プレートと、
前記基板載置面に載置された前記基板に向けて所定圧力で接着剤を吐出するノズルと、 前記基板保持プレートと前記ノズルとを相対移動させる駆動機構と、を備え、
前記基板保持プレートが、前記ノズルの先端が前記基板載置面に載置された基板の表面に接触するように、配置されている、
ことを特徴とする接着剤塗布装置。
【請求項3】
前記ノズルは、離間して配置され吐出用スリットを形成する2つの口金部材と、該2つの口金部材間に配置されたシムとを備え、
前記シムが接着剤を1条または多条に塗布させる構造を備えている、
請求項1または2に記載の接着剤塗布装置。
【請求項4】
前記ノズルは、離間して配置された2つの口金部材を備え、前記2つの口金部材の先端の高さ位置が異なっている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接着剤塗布装置。
【請求項5】
基板または基板上に配列されたロッドレンズに接着剤を塗布するための接着剤塗布方法であって、
接着剤を所定圧力にてノズルより吐出する吐出工程と、
前記ノズルより吐出された接着剤を所定速度で回転するロールの外周面に所定の幅及び厚みで付着させる工程と、
前記ロールの外周面に付着した接着剤を、基板表面または基板上に配置されたロッドレンズに所定速度で転写する工程と、を備えている、
ことを特徴とする接着剤塗布方法。
【請求項6】
基板に接着剤を塗布するための接着剤塗布方法であって、
弾力性を備えた基板載置面を備えた基板保持プレートの前記基板載置面に前記基板を載置する工程と、
接着剤を吐出するノズルの先端を前記基板の表面に接触させて該ノズルから接着剤を吐出させながら、前記保持プレートとノズルとを相対移動させ、前記保持プレートに載置された基板の表面に前記接着剤を塗布する工程と、を備えている、
ことを特徴とする接着剤塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−43685(P2006−43685A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36065(P2005−36065)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】