説明

接続されたナノ構造体及びそのための方法

種々の材料及びアプローチの1以上を用いてナノ構造体を接続する。種々の例示的実施形態で、ナノ構造体間の接続部で2つ以上のナノ構造体が接続される。ナノ構造体は、接続部で接触するかほぼ接触してよく、接続材料を接続部で堆積及び核形成させてナノ構造体同士を結合する。種々の用途で、核形成した接続材料はナノ構造体間の伝導率(熱的及び/又は電気的)を向上させる。いくつかの実施形態では、接続材料は更に、例えばナノ構造体に沿って成長することにより及び/又はナノ構造体にドープすることにより、ナノ構造体自身の伝導率を上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義にはナノ構造体、ナノアセンブリーによる材料の開発に関し、より具体的には、接続されたナノ構造体及びそのための方法並びに電極等の用途における伝導膜としてのそのようなナノ構造体の応用に関する。
【0002】
関連特許文献
本願は、2010年1月25日付で付属書類と共に提出された「ナノ構造体」という名称の米国仮特許出願第61/298,035号に対して米国特許法第119条に基づく利益を主張する。本願はまた、2010年1月25日付で提出された「フラーレンドープナノ構造体」という名称の米国仮特許出願第61/298,043号に対して米国特許法第119条に基づく利益を主張する。これらの各仮特許出願及び付属書類の全体を参照により本明細書に援用する。
【0003】
連邦支援による研究及び開発
本発明は、アメリカ国家地球空間情報局により認められた契約HM1582−07−1−2009及び米国科学財団により認められた契約0213618に基づく政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明に特定の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
カーボンナノチューブ(CNT)系材料等のナノ構造体が多くの様々な用途で益々使用されてきている。例えば、いくつかのCNTに基づく応用例では、相互に連結されたCNTの薄い準単分子層ネットワークを用いる。これらの電子伝導膜は、ナノスケールの厚さ(例えば50nm未満)であるので高度に透明であり得、透明電極及び他の多くの用途における固有な種類の材料である。
【0005】
CNTネットワーク等のナノ材料構造体が特定の用途で使用されてきたが、その使用は、高レベルの透明度及び伝導率が有益である又はそれを必要とする用途を初めとする多くの用途で限定されてきた。例えば、ディスプレー、光起電力装置等の種々の高性能用途では、多くの場合、高い光学的透明度及び高い伝導率を有する1以上の電極の使用が有益である。CNTネットワーク等のナノ材料を用いてそのような透明度及び伝導率レベルを達成することは、CNTネットワークの形成及びCNTを初めとするナノ材料の特性(例えばキラリティー、直径)の変化等の種々の要因のため、困難であった。更に、ナノ構造体間の接続部は抵抗が高くなり得る。更に、所望の特性が達成されるようにナノ構造体を改変することは、手間がかかるか困難であり、しばしば一時的であり、一般的に毒性材料を使用し、費用が高くなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これら及び他の問題が、ナノ構造体を用いる又はナノ構造体の恩恵を受ける種々の方法、デバイス、及びシステムにとって依然として課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の種々の態様は、上記を含む課題に取り組む、ナノ構造体に関連するデバイス、方法、材料、及びシステムに関する。
【0008】
例示的実施形態では、接続材料(joining material)をナノ構造体間の接続部(junction)に堆積させる。ここで、接続部は、交差、隣接、接触、又はほぼ接触するナノ構造体を含み得る。接続材料を核形成させて、ナノ構造体間に核形成した材料を形成し、物理的に、及び場合によっては電気的に、ナノ構造体同士を結合する。
【0009】
別の例示的実施形態は、ナノ構造体間に分子接続材料を堆積させることによりナノ構造体を接続する方法に関する。接続材料を接続部で核形成させ、核形成した材料をナノ構造体間に形成し、ナノ構造体同士を物理的に結合する。
【0010】
別の例示的実施形態は、ナノ構造体を接続してナノ材料膜を形成することに関する。接続材料をナノ構造体間の接続部で堆積させ、核形成させる。核形成した接続材料は、各接続部で伝導性材料を形成してナノ構造体同士を物理的に結合してナノ材料膜を形成し、更にナノ構造体にドープすることができる。接続材料中のドーパント材料は、ナノ構造体にドーピングする前のナノ構造体の抵抗値と比べてナノ構造体の抵抗値を効果的に下げる(例えば電気/熱伝導率を向上させる)。
【0011】
別の例示的実施形態では、カーボン系ナノ構造体を接続して有機系ナノ材料膜を形成する。接続材料を複数のカーボン系ナノ構造体間の接続部に堆積させ、接続材料を核形成させる(接続部が核形成部位となる)。核形成した接続材料は、各接続部で電荷輸送構造体を形成してカーボン系ナノ構造体を物理的に結合し、カーボン系ナノ構造体を電気的に結合し、有機ナノ材料膜を形成する。核形成した接続材料はまたカーボン系ナノ構造体の側壁上でハイブリッド材料を形成し、ハイブリッド材料は、カーボン系ナノ構造体に由来する材料及び接続材料に由来するドーパントを含み、(ハイブリッド材料形成前のナノ構造体の抵抗と比べて)カーボン系ナノ構造体の抵抗値を低下させる。
【0012】
別の例示的実施形態は、上記したような接続されたナノ材料を用いた膜、回路、及びデバイスに関する。そのような実施形態の1つは、ナノ構造体間の接続部(物理的又はギャップ)に接続材料が核形成した複数のナノ構造体を有する透明電子回路に関する。核形成した接続材料は接続部でナノ構造体を物理的及び電気的に結合する。
【0013】
上記の概要は本開示の全ての実施形態又は全ての実施態様を説明することを意図したものではない。図面及び以下の詳細な説明により種々の実施形態がより具体的に例示される。
【0014】
以下の本発明の種々の実施形態の詳細な説明を添付の図面と一緒に考慮することで本発明がより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の例示的実施形態に係る接続プロセスの種々の段階におけるナノ構造体100を示す図である。
【図2A】図2A〜図2Cは、1以上の例示的実施形態に係る、種々の製造段階におけるナノ構造体を示す図である。図2Aは接続のために配列されたナノチューブを示す図である。
【図2B】図2Bはナノチューブ間の接続部に接続材料が堆積したナノチューブを示す図である。
【図2C】図2Cは核形成した接続材料で接続されたナノチューブを示す図である。
【図3】別の例示的実施形態に係るC60を用いて接続されたナノ構造体の電流/電圧特性のプロットを示すグラフである。
【図4】別の例示的実施形態に係るC60を用いて接続された高密度ナノ構造体の電流/電圧特性のプロットを示すグラフである。
【図5】別の例示的実施形態に係るC70を用いて接続されたナノ構造体の電流/電圧特性のプロットを示すグラフである。
【図6】本発明の種々の例示的実施形態に係るデバイス用の接続されたカーボンナノチューブを有するカーボンナノチューブ膜を示す図である。
【図7】本発明の別の例示的実施形態に係る、バック電極を備えた下部基材上にカーボンナノチューブ膜を有する電子デバイスを示す図である。
【図8】本発明の別の例示的実施形態に係る太陽電池を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明には種々の改変例及び変更例が可能であるが、その特定のものを例として図面に示し、詳細に説明する。しかし、説明されている特定の実施形態に本発明を限定することは意図されないと理解されるべきである。逆に、特許請求の範囲に定義される態様を含む本発明の範囲に含まれる全ての改変例、均等物、及び変更例が含まれることが意図される。
【0017】
詳細な説明
本発明は、本明細書に記載されているようにナノ材料を接続すること、例えばナノ構造体の膜を接続すること、基材に支持されたナノ構造体をベースとする膜、又はナノ構造体の凝集体に関する。本発明は必ずしも限定されないが、これら及び他の文脈を用いた例の説明により本発明の種々の態様が理解されるであろう。
【0018】
例示的実施形態では、接続(例えば付加的な)材料をナノ構造体間の接続部に堆積させ、接続材料を核形成させて、ナノ構造体同士を物理的に結合する(例えば連結する及び/又は結合を強化する)核形成した材料を形成する。この文脈において、接続材料は、気相又は溶液からの堆積を介して核形成し、蒸気又は溶液中の接続材料が接続部で核形成する。接続材料は、例えば、ナノ構造体間の実効接触面積を増やすため及び/又はナノ構造体間の伝導率を上げる(抵抗を下げる/電気及び/又は熱の伝導率を上げる)ために用いられ得、更に、ナノ構造体間の連結を強化するために用いられ得る。接続されたナノ構造体は、ナノ材料膜、支持構造体、及び/又はナノ材料電子回路(例えば透明電極)の形成等の種々の用途の1以上に用いられる。更に、比較的大きな膜(例えば、多くの構造体を含む大面積膜)が接続される場合、ナノ構造体間の接続部に選択的に、一般的な堆積プロセスを用いて、膜全体にわたりナノ構造体を同時に接続してもよい。接続部が占有された後、更に堆積した材料が、ナノ構造体に沿って核形成し、ナノ構造体を更にドープすることができる。より具体的な特定の実施形態では、カーボンナノチューブ(CNT)及びナノ接着剤又はナノドーパント材料が1つの溶液中にあり、そこで混合が起こる。次いで、この最終的な混合溶液を、接続部及びCNT上でナノ接着剤及び/又はナノドーパントと共に堆積させる。
【0019】
多くの用途で、堆積させる接続材料のフェルミ準位はナノ構造体の1以上のフェルミ準位より低い。このフェルミ準位は、堆積される材料の種類、厚さ、及び/又は材料に与えられる条件に基づいて調節することができる。いくつかの用途では、堆積した材料のフェルミ準位は加熱及び/又は露光によって調節される。この方法でフェルミ準位を制御することにより、電気伝導率(及び関連する熱伝導率)を、得られる構造体の接続材料部分に望ましいように調節することができる。種々の実施形態で、堆積される材料の伝導率は、得られるナノ構造体を用いたデバイスのON電流を制限するように特に制御され(例えばC70分子接着剤を含む接続材料のため)、材料の厚さは、オフ状態で膜の伝導性が高くなりすぎないように、高いON/OFF比及びトランジスタの挙動が維持されるように(及びトランジスタの挙動を示さないように)調節することができる。この更なる材料は「ON電流」を増加させる。
【0020】
別の例示的実施形態では、ナノ構造体を接続してナノ材料膜を形成する。分子(例えば非合金)接続材料を複数のナノ構造体間の接続部に堆積させ、堆積した接続材料を核形成させる(例えば、接続材料は接続部で堆積の際に核形成する)。核形成した接続材料は、ナノ構造体間のいくつかの接続部のそれぞれで伝導性材料を形成し、ナノ構造体同士を物理的に及び(電気的及び/又は熱的に)伝導性を有するように結合してナノ材料膜を形成する。多くの実施態様で、膜全体で使用される接続材料のフェルミ準位は、ナノ構造体の大部分又は実質的全体(例えばナノ構造体の75%超、85%超、又は95%超)のフェルミ準位より低い。ナノ構造体の混合物(例えば、直径及びバンドギャップの一方又は両方の点で)が膜中に存在する場合(例えば、半導性、半金属性、及び金属性のナノ構造体及び/又はナノワイヤー)、膜中で使用される接続材料のフェルミ順位は、ナノ構造体の1種類(例えば半導性ナノ構造体)の大部分又は実質的全体より低い。
【0021】
接続材料中のドーパント材料を用いてナノ構造体にドープし、ナノ構造体の抵抗値を下げる(例えば、ナノ構造体にドープする前のナノ構造体の抵抗値と比べて)。いくつかの用途では、このアプローチは、半導性ナノチューブを含むナノチューブのネットワークを用いて行われ、半導性ナノチューブにドープしてその伝導率を上げる(例えばナノチューブを半導性から伝導性の金属性をベースとするナノチューブに変換し、熱及び電気の伝導率の一方又は両方を上昇させる)。これにより、得られる抵抗値は、接続材料を堆積及び核形成させる前の抵抗値よりも実質的に低くなり得る(例えば、半分又は1桁以上小さい)。多くの実施態様で、ナノ構造体の大部分又は全部をほとんど同じエネルギー準位に変換することにより、及び膜中の異なる比率、異なる種類のナノ構造体(例えば半導性、半金属性、金属性)のポケットを減らす又はなくすことにより、膜全体の電気伝導率の均一性が調節される。
【0022】
別の例示的実施形態は、カーボン系ナノ構造体又は金属性ナノワイヤー(例えば、金、銀、又は銅の1以上)等のナノ構造体を電荷輸送材料と接続してナノ材料膜を形成することに関する。接続材料を、ナノ構造体間の接続部に堆積させるか別の方法で配置する。次いで、堆積した接続材料を核形成させて、接続部のそれぞれで電荷輸送構造体を形成(及び/又は増強)する。電荷輸送構造体は、物理的、熱的、及び電気的にナノ構造体を結合する。得られた、接続材料で接続されたナノ構造体の組合せにより、上記のナノ材料膜(例えば有機膜)が形成される。
【0023】
いくつかの実施態様では、カーボン系ナノ構造体の密度、ナノ構造体の直径、接続材料の種類、及び接続材料のナノ構造体への選択性の1以上を用いて、有機ナノ材料膜の透明度が調節される。これらの実施態様及び関連する実施形態に関連して、接続材料が、下部基材材料と比べてそれらが堆積されるナノ構造体に選択的であり得ることが見出された。このことは透明度の維持に有用であり得る。また、堆積される接続材料のナノ構造体への選択性(例えば下部基材上での接続材料の堆積と比べて)にナノ構造体の密度が影響し得ることが見出された。更に、ナノ構造体により形成される膜の透明度の調節にこの選択性を利用できることが見出された。この文脈及び種々の例示的実施形態において、ナノ構造体は、接続材料の堆積の選択性を促進する密度で基材上に配列され、基材上での接続材料の堆積を軽減する。基材温度は、室温又は室温未満から約250℃までの範囲等の望ましい堆積温度に制御され得る。接続材料は核形成してナノ構造体を接続し、透明度が調節された(例えば、用途に応じて、少なくとも約70%の光透過、約95%まで又は約95%を超える光透過まで)伝導膜を形成する。
【0024】
別の実施態様では、接続材料を用いて、マット、ワイヤー、ケーブル等のナノ構造体を含む又はからなる独立した構造体の伝導率を上昇させる。基材自体がナノ構造体ベースの独立したマット、ワイヤー、又はケーブルであるいくつかの場合には、透明度への影響に必ずしも注意を払わずに、伝導率が上昇される。
【0025】
別の実施態様では、接続材料はまた、例えば核形成後のナノ構造体に沿った拡大及び/又は核形成した接続材料を介したナノ構造体のドーピングにより、カーボン系ナノ構造体の伝導率を上昇させるために使用される。これらの実施態様及び関連する実施形態に関連して、接続材料を接続部で核形成させてナノ構造体に沿って形成させることができること、並びに、ナノ構造体と混合する量並びにナノ構造体上に堆積させる接続材料の量及び/又は速度によってナノ構造体の被覆程度を調節できることも見出された。この文脈において、及び種々の例示的実施形態に関連して、接続材料の量は、得られる所望する膜の伝導率に基づいて、過去のデータ、チャート、ルックアップ表、又は他のアプローチを用いて選択される。この選択される量は接続材料の特性にも基づく(例えば、フラーレン系材料又は誘導体化されたフラーレン(例えば、C60、C70、C84、C60Cl、C60Cl24、C70546018、C6024、C6036、C6044、C6048、及びC7054)等の分子接続材料が、本明細書中で更に説明されるように、伝導率を上昇させるのに特に有用であり得ることも見出された)。次いで、選択された量の接続材料をナノ構造体上に堆積させるか別の方法で形成させ、核形成させ、ナノ構造体の伝導率を上昇させる(且つ適宜ナノ構造体を接続する)。
【0026】
いくつかの例示的実施形態では、ナノチューブは、
60、C60Cl、C60Cl、C70、C70Cl、C70Cl
(式中、Xは、C60に対しては1〜55であり、C70に対しては65未満である。より好ましくは、Xは18、24、36、48、54、又は56である。式中、Xは、C60に対しては1〜55であり、C70に対しては65未満である。より好ましくは、Yは4、6、24、36、48、54、又は56である)
を含む分子式の少なくとも一部及びハロゲン化フラーレン誘導体のクラスから選択される1以上のドーパントを用いてドープされる。ドープされるナノ構造体には、個々のナノチューブ、カーボンファイバー、ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、又は本明細書に記載されている他のナノ/マイクロ構造体の1以上が含まれる。
【0027】
別の実施形態は、特定の用途に適するように1から数個のグラフェン薄層が接続される(及び適宜ドープされる)、グラフェン系構造体の接続に関する。例えば、電子的用途、熱的用途、及び高強度用途の1以上向けに選択されたレベルに伝導率を調節するように望ましくグラフェン層を接続及びドープすることができる。いくつかの実施態様では、酸化グラフェン又は還元酸化グラフェンが、酸化グラフェンを用いて達成される特定の加工特性を用いるのが望ましい用途等で使用される。これらのアプローチを用いて、そのような構造体の電子伝導率及び熱伝導率を改善し、多くの用途において及び種々の技術に適した実用的な構成要素を創出することができる。
【0028】
特定の実施形態では、また上記の発見と一致して、特定の用途に望ましい特性を有する膜が得られるように互いに相対的に調節された伝導率特性及び透明度特性を有するナノ材料膜が形成される。例えば、特定の用途では、ナノ構造体に接続材料を付加することにより、ナノ構造体によって形成される膜の透明度が下がり得るが、ナノ構造体の伝導率は上昇し得る。
【0029】
したがって上記の発見に関連して、伝導率(電気的及び/又は熱的)及び透明度のレベルを互いのトレードオフを考慮して調節して、特定の用途に望ましい透明度及び伝導率特性を満たすナノ材料膜を形成する。このようにこれらの特性及び各トレードオフを用いてナノ材料膜を種々の用途に適合させる。したがって、これらの実施形態は、そのような所定の伝導率特性及び透明度特性のセットを有するナノ材料膜の設計及び製造並びに膜自体に適用可能である。このようにして、本明細書に記載されている接続されたナノ材料は比較的高い抵抗から比較的高い伝導性まで、各用途に望ましい様々な程度の透明度で、フレキシブルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池、電子ペーパー、熱生成、静電放電デバイス、バッテリー、スーパーキャパシタ、センサー、光化学デバイス、電磁遮蔽デバイス等の種々の用途での使用に向けて調整(設計において)及び製造される。
【0030】
また、本開示によれば、バッテリー又はスーパーキャパシタに関する実施形態は、基材上の複数のナノ構造体を含む膜で形成された少なくとも1つの電極並びに前述したように接続部でナノ構造体を物理的及び電気的に結合するように構成された核形成した接続材料を含む。その特定の用途では、相対的により高い又はより低いレベルの伝導率(電気的及び/又は熱的)及び透明度の必要性及び試験に基づいて膜の光透過率が調節される。そのために、この種の典型的な用途では、(物理的及び電気的に結合されていない核形成した材料と比べて)電子回路中の接続材料のかなり大部分を物理的及び電気的にナノ構造体に結合して、伝導率及び膜を介した光透過率の両方を調節する。例えば、ソーラーに関する用途において光からのエネルギーを集めるための膜ベースの電極の光透過率はバッテリー用途の場合よりも大きい。したがって、これらの伝導率及び透明度のレベルは、互いのトレードオフとして、意図する用途及び関連する設計仕様に必要とされるように、製造プロセス中に調節される。
【0031】
別の例示的実施形態に関連して、ナノ構造体に付加的な材料が置かれた時に(例えば接続部及びカーボンナノチューブの側壁で)ハイブリッド材料が形成される。ハイブリッド材料は、ナノ構造体に由来する材料と、ナノ構造体上に堆積又は別の方法で形成された材料に由来するドーパント、例えば前述の接続材料に由来するドーパント又はナノ構造体に塗布されて核形成したフラーレン系材料等の別個に堆積された材料(例えば、ブロモ、クロロ、アルキルフルオロ、及びフルオロ誘導体化フラーレン)に由来するドーパントとを含む。得られるナノ構造体及びハイブリッド材料の配列物は、ハイブリッド材料形成前のナノ構造体の抵抗と比べて低下した抵抗を示す。このアプローチは、例えば、前述の1以上の実施形態との関連で、また適宜、ナノ構造体の伝導率向上並びに得られるナノ材料膜の透明度及び伝導率特性に関連する上記発見との関連で使用され得る。
【0032】
別の例示的実施形態に関連して、ノード及び分岐の相互連結されたカーボンナノチューブネットワークがフラーレン又はフラーレン誘導体(例えば、ブロモ、クロロ、アルキルフルオロ、フルオロ誘導体化フラーレン等のハロゲン化フラーレン)タイプのナノ接着剤分子によりノード又は接続部で一緒に接着(例えば接続)されてカーボンハイブリッド材料が形成される。いくつかの実施態様では、フラーレンナノ接着剤は多機能性であり、すなわち、交差するナノチューブ同士をノードで接着し、より大きな伝導経路を提供することで(接着前の)接続部の抵抗を低下させ、更に、チューブに沿ってナノチューブを強くpドープするように作用する。このpドーピングは、ナノチューブネットワークの全体的伝導率を上げ、ナノチューブネットワークの透明度への影響が望ましく少ない(例えば最小限)。いくつかの実施態様では、ナノ接着剤分子は更に、接続されたカーボンナノチューブ同士をより近づける。更に、ナノ接着剤形成は、一般的にカーボンナノチューブのキラリティーとは無関係に、種々のカーボンナノチューブ接続部でなされ得る。これらのアプローチに関連して、1以上の用途に適するように、約1000オーム未満、場合によってはたった60オーム又はそれより低いシート抵抗値及び約80%を超える透明度(例えば波長約550nmで)又は多くの場合約92%より高い透明度を得る。例えば、タッチスクリーン用途では、透明度約80%のシート抵抗値が用いられ得る。多くの用途で、シート抵抗はオーム/sq又はオーム/スクエアで表され、これはオームの尺度とほぼ等しい無次元の尺度である。このようなシート抵抗は、例えば、(例えば前述の)ナノチューブネットワークの大部分又は実質的全体よりも低いフェルミ準位を有する接続材料を用いて得られ得る。
【0033】
上記のpドーピングアプローチに加えて、種々の実施形態は、フラーレンについて上記で説明したのと同様にn型材料を用いてナノ構造体にドープする、ナノチューブをnドープすることに関する。このように実施する場合、堆積される接続材料のフェルミ準位は、接続されるナノ構造体の1以上のフェルミ準位より高く調節され得る。このアプローチは、伝導率を調節するために及び(限定されるものではないが)Nを含む環境中での用途のために用いられ得、トランジスタ及び/又は他の半導体デバイスで用いられ得るようにナノ構造体の伝導率を上げ得る。
【0034】
特定の実施形態では、CNT、グラフェン、又はナノワイヤー等のナノ構造体を、界面活性剤又はポリマーベースの溶液等の溶液中に分散させ、溶液から堆積させる。これらの実施形態では、界面活性剤又はポリマーはナノ構造体の一部又は全表面を被覆し得、被覆された表面に本明細書に記載の接続及び/又はドーパント材料が堆積される。構造体は、被覆表面及び/又は下のナノ構造体の露出部分を介して接続され得る。したがって、そのような構造体中での電荷移動は、CNT若しくはグラフェンの露出領域を介してなされ得るか、表面のコーティングへの電荷移動及びコーティングを介したCNT又はグラフェンへの更なる電荷移動を介してなされ得る。いくつかの実施態様では、例えば封入(encapsulation)、平坦化(planarization)、又は膜若しくは構造の伝導率を変化させるために、ナノ構造体及び接続/ドーパント材料膜又は独立した構造体がポリマー層で被覆される。
【0035】
種々の文脈において、本明細書中で使用される「回路」という用語は、回路の一部を形成する導体に適用され、且つ/又は導体と、電源と、必要に応じて1以上の他の構成要素とを備える回路に適用される。例えば、回路という用語は、動力を供給され得且つ1又は回路構成要素に結合され得る導体又は伝導性シートを指し得る。回路という用語は、電源、更なる回路コネクター、負荷(load)、貯蔵デバイス、センサー回路等の1以上を伴う導体又は伝導性シートも指し得る。
【0036】
また、ナノ構造体という用語は、多くの文脈において、直径が約1〜数ナノメートル(例えば巻かれたグラフェンシート状のナノチューブで)、例えば約1〜10nm又は約10nm〜100ミクロンのカーボンナノチューブ、金属ナノワイヤー、グラフェン等の構造体を指して使用される。ナノ構造体はCNT又は金属ワイヤーの束を含み得るので、ナノ構造体という用語は、全体の直径1nm〜1μmを表し得る。ワイヤー/ケーブルの直径はより大きくてもよいが、これらは上記したサイズ(直径)程度の個々のナノ構造体を含み得る。これらのナノ構造体の長さは、種々の用途に適するように約100nmから数cmまでに調節することができる。そのような構造体は、核形成を促進する接続部の表面エネルギー特性を利用して、ナノ構造体間の接続部における接続材料の核形成(並びに結晶化及び/又は凝縮)により接続され得る。
【0037】
種々の文脈において、核形成された又は核形成したという用語は特定の(核形成)部位での結晶成長の核形成を指して使用され、ここから、結晶の成長が続けられる(あるいは、成長は必ずしも結晶性でないので、アモルファス)。多くの実施形態において、この核形成は、表面エネルギーにより核形成が促進される、ナノ構造体が接触するか接触しそうな位置に対して選択的である(例えば、核形成に選択的な高エネルギー部位には、ナノ構造体の接続部及び欠陥部位が含まれ得る)。したがって、ナノ構造体間の接続部で核形成された(核形成した・させた)接続材料は、化学的結合を伴わずになされ得る結晶化及び/又は凝縮によりナノ構造体を効果的に接続する。この核形成は更に、核形成部位で約300℃未満といった比較的低温で行うことができ、更に単一ステップで行うことができる(例えば、核形成する際に、ナノ構造体の連結を促進する更なるステップは不要である)。
【0038】
「分子接続材料(molecular joining material)」という用語は、非合金タイプの材料を指して又は接続材料により電気的及び/又は物理的に連結されるナノ構造体に化学結合しない材料を指して使用される。したがって、多くの実施態様で、この分子接続材料は、材料の堆積及び/又は成長中にナノ構造体に化学結合しない材料であり、ナノ構造体に最初に結合してその後除去される材料を含まない。「分子接続材料」の範囲に含まれる材料には、前述のフラーレン材料、例えばC60、C70、及びC84並びに他のより大きな及びより小さなフラーレン、又は置換されたフラーレン(例えば、フッ素、臭素、ヨウ素、又は塩素置換等のハロゲン置換)が含まれる。いくつかの実施態様では、分子接続材料には、p型有機分子、例えばペンタセン若しくは銅フタロシアニン並びに/又はn型有機分子、例えばナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(NTCDI)及びテトラフルオロ−テトラシアノキノジメタン(FTCNQ)が含まれる。更に別の実施態様では、接続材料は、金、銀、パラジウム、チタン、銅、アルミニウム、及び白金の1以上を含む材料等の金属ナノ粒子を含む。別の実施態様では、接続材料には、絶縁材料、例えば無機酸化物(Al又はSiO)若しくはポリマー(ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルフェノール)、又は伝導性ポリマーのポリチオフェン、ポリアニリン、PEDOT、若しくはポリピロールが含まれる。したがって、種々の用途に適するようにフラーレン系、有機小分子系、ポリマー系、及び金属ナノ粒子系の分子接続材料が用いられ得る。「分子接続材料」の範囲に含まれる他の材料には、他の共役ポリマー及びグラフェンが含まれる。
【0039】
同様に、「分子接続材料」の範囲に含まれない材料には、例えば、ナノ構造体に化学結合する材料又はナノ構造体に結合する別の分子と結合した伝導性の実体(entity)(例えば金属)が含まれる。そのような材料の例には、アミノ酸がナノ構造体と結合しており、更なるプロセシングによりアミノ酸が除去されて金属だけが残され得る、金属−アミノ酸材料(例えば金−システイン)が含まれる。「分子接続材料」の範囲に含まれない他の材料には、400℃を超えるプロセスで接続されるその他の材料が含まれる。
【0040】
本願が利益を主張する基礎となる仮特許出願の一部として提出された付属書類には、より詳細/実験的な種類の実施形態を含む種々の他の例示的実施形態が記載されている。付属書類(及び基礎となる仮特許出願全体)中の実施形態は、上記の実施形態及び実施態様の1以上並びに図面及び以下の説明に示されるものとの関連で実施され得る。例えば、本明細書に記載の特性に従って製造された及び/又はそれを示すナノ構造体デバイスを用いてパフォーマンスタイプの特性を示す種々の実験的ダイアグラムを構築してもよい。
【0041】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の別の例示的実施形態に係る、接続プロセスの種々の段階におけるナノ構造体配列100を示している。ここで、Aではナノチューブ110及び120が例として示されているが、以下に示し説明するアプローチは種々のナノ構造体(又は前述のマイクロ構造体)との関連でも用いることができる。例えばCNT、単層ナノチューブ(SWNT)、二層ナノチューブ(DWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、カーボンファイバー、ナノ材料の綱(tow)、グラフェン、無機及び/又は有機ナノワイヤー、並びにナノ材料のロープ(例えば、様々な直径の束)の1以上を、示されているように接続することができる。種々のキラリティーのナノチューブ、半導性ナノチューブ、金属性ナノチューブ、無機及び有機ナノワイヤー(例えば、ZnO、Ag、Au、又はSiの1以上を有する)、又はその組合せ等の異なる種類のナノ材料も用いられ得る。更に、2つのナノチューブ110及び120が示されているが、多数のそのようなナノ構造体を一緒に接続することができ、異なる種類のナノ構造体(例えばSWNT及びMWNT)も接続することができる。得られる構造体は、導線、回路、及び/又はこれらのナノ構造体の膜全体等の種々のデバイスを形成するために用いられ得る。ナノ構造体110及び120の密度、アラインメント、長さ、及び全体の厚さ(例えば、1〜100nm又はそれよりはるかに大きい)も特定の用途に適するように調節される。更に、ナノ構造体110及び120は、独立していてもよく、基材上に形成されてもよい。
【0042】
Bで、ナノ構造体110及び120の上に、例えば溶液から又は真空状態から、分子接続材料を堆積させ、堆積した接続材料をCで示されているように核形成させることで、ナノ構造体間の接続部でナノ構造体110及び120を物理的、熱的、及び電気的に結合する核形成した接続材料130を形成する。これにより結合されたナノ構造体の伝導率及び強度の両方を向上させることができる。一般的に、接続材料130は接着、溶接、又は他の方法でナノ構造体を結合し、ナノ構造体は、接続材料の核形成前には互いに接触していてもよく、(例えば数ナノメートル)離れていてもよい。接続材料の堆積及び核形成は、示されているように、(例えば接続部の核形成部位から構造体に沿って成長して)ナノ構造体全体にわたって行われてよいが、そのようなナノ構造体の膜全体にわたって行われてもよく、膜に伝導性を付与する相互連結されたネットワークを形成する。
【0043】
いくつかの実施形態では、Cで示されているようにナノ構造体110及び120にドーパント材料140を堆積させてドープする。いくつかの実施態様では、ドーパント材料140は接続材料130と同じ材料であり、接続材料と同時に堆積される。そのような実施態様では、ドーパント材料140は接続部に堆積してナノ構造体110及び120に沿って成長し得る。ドーパント材料140は、接続部から離れたナノ材料110及び120上に(例えばナノチューブの側壁に沿って)直接堆積されてもよい。別の実施態様では、ドーパント材料140は接続材料130の堆積とは別個の又は少なくとも部分的に別個のステップで堆積され、接続材料と同じ及び/又は異なる材料を含み得る。ドーパント材料140は、永久的なドーピングをすることができ、ナノ構造体110及び120の伝導率を上げ、長期間にわたって安定である。
【0044】
いくつかの実施形態では、最初に接続材料130、その後ドーパント材料140を堆積させ、接続材料のフェルミ準位はナノ構造体のフェルミ準位より低く、ドーパント材料のフェルミ準位は接続材料より低い。ドーパント材料を核形成させるために接続材料を用いることができる(例えば、ドーパント材料が成長を開始する核形成部位を促進するため(実施形態にも適用され得る)。
【0045】
場合によっては、ドーパント材料140は周囲材料よりもナノ構造体110及び120に選択的である。例えば、基材上にナノ構造体110及び120が形成される時、ドーパント材料140が下部基材よりもナノ構造体により選択的に付着するため、所望の透明度レベルを得やすくなる。ドーパント材料140の厚さは所望の透明度レベル及び/又は得られるナノ材料の所望の伝導率に基づいて調節され得る。
【0046】
図2A〜2Cは、1以上の例示的実施形態に係る、種々の製造段階におけるナノ構造体を示す図である。図2Aでは、接続のために半導性及び金属性のナノチューブが配列されており、半導性ナノチューブ210、211、及び212を点線で示し、金属性ナノチューブ220、221、222、223、及び224を実線で示す。ここでは半導性及び金属性のナノチューブを説明及び図示しているが、ナノチューブのうちのいくつかは、半金属性であってもよく且つ/又は半導性及び/又は金属性の特性と異なる種々のバンギャップを示してよい。図2Bでは、接続材料がナノチューブ間の接続部に堆積されており、接続材料230が例として示されている。図2Cはナノチューブ210、220、及び211の拡大図を示しており、接続材料が核形成し、部分231、232、及び233が各ナノチューブの少なくとも一部に沿って広がっている。更に、ナノチューブ210及び211は、接続材料がドープされ、実線で示されるようにここでは金属性ナノチューブである。種々の実施形態で、ナノチューブに沿って広がるための接続材料230の核形成に加えて及び/又はその代わりに、核形成した材料231、232、及び233がナノチューブに沿って堆積し(中間のデバイスについては図2B参照)、示されているように核形成する。
【0047】
図3は、別の例示的実施形態に係る、C60を用いて接続されたナノ構造体の電流/電圧特性を示すプロットのグラフ300を示す図である。例として、プロット310は、(例えば図2Aに示すように)接続前に互いに接触又は密に接触して配置されたナノチューブを有するナノチューブネットワークの電流/電圧特性を表す。プロット320は、図2Bに示すようにC60を用いてナノチューブが接続されたナノチューブネットワークの電流/電圧特性を表す。別の実施形態では、C70又はそれより大きなフラーレン、例えばC84を用いてナノ構造体を接続する。
【0048】
図4は、別の例示的実施形態に係る、C60を用いて接続された高密度ナノ構造体の電流/電圧特性のプロットを示すグラフ400である。示されているナノ構造体は、図3に示されているものと比べてより高密度なナノチューブを有する。例えば、プロット410は、(例えば図2Aに示すような)接続前に接触又は密に接触してナノチューブが配列されたナノチューブネットワークの電流/電圧特性を表す。プロット420は、図2Bに示すようにC60を用いてナノチューブが接続されたナノチューブネットワークの電流/電圧特性を表す。
【0049】
図5は、別の例示的実施形態に係る、C70を用いて接続されたナノ構造体の電流/電圧特性のプロットを示すグラフ500である。例えば、プロット510は、(例えば図2Aに示すような)接続前に互いに接触又は密に接触してナノチューブが配列されたナノチューブネットワークの電流/電圧特性を表す。プロット520は、図2Bに示すようにC70を用いてナノチューブが接続されたナノチューブネットワークの電流/電圧特性を表す。
【0050】
以下の議論は、上記の図及び/又は例示的実施形態の1以上に関連して実施され得る。(上記及び以下の)本明細書の種々の例示的実施形態に関連して使用されるように、「ナノ構造体」という用語は、ナノメートルスケールの寸法的特徴を有する構造体、例えば約1ナノメートルの範囲の直径(及び数千ナノメートルをはるかに超え得る長さ)を有することが多いカーボンナノチューブを指し得る。別の実施形態では、「ナノ構造体」という用語は、1マイクロメートルに近い(超えてもよい)数百ナノメートルのスケールの寸法的特徴を有する構造体、例えば直径が数百ナノメートルから数マイクロメートルのカーボンファイバーを指す。「ナノ構造体」という用語はまた、種々の実施形態において、二層ナノチューブ(DWNT)及び3つ以上の層を有する多層ナノチューブ(MWNT)も指し得る。
【0051】
いくつかの実施態様では、ハイブリッド構造は、CNT−CNT接続部で選択的に成長させたフラーレン材料で接続されたCNTネットワークを含む。フラーレン(例えば、ナノ接着剤)により、CNT−CNT接続部の接触抵抗が低下して膜の伝導率が上がり、更に接続材料によりCNTネットワークが強化されるので、高強度の構造体が得られる。いくつかの実施態様では、比較的厚いフラーレン膜が、CNT上に堆積されて、CNTの分子軌道エネルギーと比べて比較的低い分子軌道エネルギーでCNTに沿って成長し、半導性、半金属性、及び他の様々なバンドギャップのCNTをpドープし、金属性CNT又は金属性カーボンハイブリッド膜を形成する。
【0052】
いくつかの実施形態では、C60を含む接続材料が、カーボンナノチューブ(CNT)の配列上に堆積されて、ナノチューブに沿った連続する又はほぼ連続する構造体(又は被覆)を形成し、下にあるCNTをテンプレートにしたC60ナノワイヤータイプの構造体が作製される。いくつかの用途では、フラーレンがCNT間の接続部位で核形成し、その後CNTに沿って成長する。一例では、フラーレン材料を約1〜3ナノメートルの厚さで堆積させてCNT上に小粒子を形成し、これらの粒子の発生頻度はCNT間の接続部で高くなる。堆積されるフラーレンの厚さは種々の用途に適するように調節することができる。これらのアプローチに関連して、堆積されるフラーレンの厚さの増加を、フラーレン粒子の長さの増加が幅の増加よりも大きくなるように行うことができることが見出された。5ナノメートルを超えて堆積されたフラーレンはCNTテンプレートを被覆し、高さが劇的に増加する。したがって、堆積されるフラーレン(又は他の接続材料)の厚さを調節して、得られる構造的特性を制御することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、(前述の)C70を含むフラーレン系材料を用いてナノチューブを接続する。これらの実施形態に関連して、C70がC60よりも完全な成長をナノチューブ上で示し、C70を用いて厚さ約5ナノメートルのC70層を堆積させることによって本質的に連続したナノワイヤーを形成することができることも見出された。
【0054】
前述の通り、本明細書に記載のナノ構造体は種々の回路及びデバイスの1以上における使用に適用可能である。図6は、本発明の種々の例示的実施形態に係る、種々のデバイスに適用可能な、そのような配列の1つであるナノ構造体600を示す図である。カーボンナノチューブ膜610及び620が、互いにほぼ平行して配列されており、前述の図2Cに示したような多数の接続されたカーボンナノチューブを含んでいる。
【0055】
別の実施態様では、接続材料を溶液中で1以上のナノ構造体と混合し、その後、溶液を用いて単一ステップでハイブリッドネットワークを形成する。例えば、ナノ構造体及び接続材料の溶液を基材上に堆積又はコーティングしてよく、接続材料を用いて、前述したように、(例えば相互作用により)接続部から始めて、そのような接続部から拡大させることにより(溶液中の接続材料の量により制御され得る)、ナノ構造体を接続する。
【0056】
いくつかの実施態様では、カーボンナノチューブ膜層610は、ガラス又はプラスチック等の表面上の可撓性透明伝導性コーティングとして、膜層620とは独立して用いられる。カーボンナノチューブ膜610は電源630等のその他の電子回路構成要素に結合していてもよい。いくつかの実施態様では、カーボンナノチューブ膜610は、例えば交通機関のガラス(例えば、自動車、飛行機、電車、又はヘルメットの窓)の霜取りのために、ガラス表面上にコーティングされて表面を加熱するために使用される。
【0057】
別の実施態様は、膜610及び620の両方を用いて膜間にスペーサー層640を有するタッチスクリーンデバイスを形成することに関する。膜610に圧力が加わると、膜610及び620の一方又は両方に選択的に結合した回路650で、膜中の静電容量又は抵抗の変化が検出される。回路650は、例えば、膜の一方又は両方に格子型配列に結合され得、格子の一部での静電容量又は抵抗の変化を検知し、その中で圧力が加えられた位置を検出するように構成され得る。
【0058】
別の例示的実施形態では、ナノ構造体配列600は窓及び/又はディスプレー用のエレクトロクロミック回路を含む。この実施形態では、スペーサー層640は、膜620上のエレクトロクロミック材料と、エレクトロクロミック材料上のイオン伝導体と、イオン伝導体上の対向電極とを含む3層構造である。膜610は対向電極上に配置され、得られる構造体600は、例えば、窓ガラスの間又はディスプレーの読取り面の下に配置され得る。例えば、電源630が、光及び熱を含む他の放射線の透過を制御するために、構造体600に小電圧を印加して窓を暗くし、逆電圧を印加して窓を明るくし得る。
【0059】
図7は、本発明の別の例示的実施形態に係る、下部基材720上のハイブリッドカーボンナノチューブ膜710及びバック電極730を有する電子デバイス700を示す図である。ハイブリッドカーボンナノチューブ膜710はカーボンナノチューブを含み、カーボンナノチューブは、前述したように接続されており、いくつかの実施態様では更に、図2Cに示されるように、ナノチューブに沿った接続(又は他の伝導性)材料のドーピング又は他の成長により伝導率が変更されている。
【0060】
ハイブリッドカーボンナノチューブ膜710を作製するために使用されるカーボンナノチューブの密度及び/又は構成は用途によって異なる。1つの用途では、カーボンナノチューブに沿った接続材料の長さが核形成(核形成時にアモルファスである必要はないので凝縮及び/又は結晶化)により調節され、ナノチューブの長さ、分離(separation)、又は密度に基づいて、種々の種類のナノチューブ膜に適するようにナノチューブの伝導率が調節される。そのような用途では、カーボンナノチューブに沿って材料が接続される表面積が増えるように、カーボンナノチューブの平均長を最適化することができる。例えば、平均的長さのカーボンナノチューブは、例えばvapor−liquid−solid(VLS)成長、アーク放電、CVD、高圧CO変換(HiPCO)、レーザーアブレーション等の種々のプロセスによって製造することができる。そのようなプロセスを用いて、カーボンナノチューブの平均直径及び平均長を調節することができ、そこから、そのような直径及び長さに応じてカーボンナノチューブの密度を調節することができる。所望の透明度に応じて調節された厚さの膜710の非限定的な例として、これらのパラメーターは、平均直径が1〜50nm、平均長が100nm〜100μm(特定のカーボンナノチューブでは約20cmまで成長させる)、密度が約10〜1000/μmである。ナノチューブ合成に関する一般的な情報及び1以上の例示的実施形態に関連して使用され得るナノチューブを合成するアプローチに関する具体的な情報については、全体を参照により本明細書に援用するChin Li Cheung, Andrea Kurtz, Hongkun Park, and Charles M. Lieber, "Diameter-Controlled Synthesis of Carbon Nanotubes," J Phys. Chem. B,106 (10), pp 2429-2433 (2002)を参照することができる。
【0061】
一実施形態では、デバイス700が電子ディスプレイ又は電子ペーパーの一部として使用され、膜710はガラス又はプラスチック表面720上に配置(例えばコーティング)される。種々の用途で、電源740がバック電極730及び膜710(上部電極)の間に電場を印加する。一実施態様では、電源740は電場を印加して電子ペーパーデバイス用の帯電インクを活性化する。別の実施態様では、電源740は電場を印加してLEDディスプレイ用の発光ダイオード(LED)中にキャリアを注入する。更に別の実施態様では、電源740は電場を印加してLCDディスプレイ用の液晶分子を切り替える。
【0062】
別の例示的実施形態では、デバイス700は、アルミニウム等の反射性材料を含むバック電極730と半導性活性層を含む下部基材720とを備えた太陽電池回路である。ハイブリッドカーボンナノチューブ膜710が、半導性活性層720へと光を通過させて励起されたキャリアを生成する透明電極として作用する。次いで、一方のキャリアタイプ(電子又は正孔)が上部透明電極710を介して輸送され、もう一方のキャリアが下部電極730に収集される。回路は負荷回路750により完結し、これは回路で生じた電力を能動的に用い且つ/又は電力を貯蔵し得る。半導性活性層720は有機材料及び無機材料の一方又は両方を含む。別の実施態様では、ハイブリッドカーボンナノチューブ膜710は、シリコン系太陽電池上のフィンガー及びバスバーの間で更なる集電体として作用し得る。ハイブリッド膜710は、仕事関数の適合性(compatibility)のための他の透明電極材料(例えばITO、FTO、AZO)および他の安定層と一緒に/組み合わせて使用することもできる。特定の実施形態では、バック電極730はまた、望ましい太陽電池特性をもたらすように調整された(例えば、制御された接続、機能化、又は他の仕事関数タイプの改変により)、前述の接続されたカーボンナノチューブ膜である。
【0063】
図8は、本発明の別の例示的実施形態に係る太陽電池デバイス800を示す図である。デバイス800は、図7のデバイス700同様、下にある活性層820及びバック電極830の上のハイブリッドカーボンナノチューブ膜810を含み、ハイブリッドカーボンナノチューブ膜810は前述したような接続されたカーボンナノチューブを含み、いくつかの実施態様では更に、示されているようなナノチューブに沿った接続(又は他の伝導性)材料のドーピング又はその他の成長によって伝導率が変化されている。デバイス800はまた、活性層820に当たった光に応答して生成した電荷キャリアを抽出するために使用されるいくつかのバスバー840、842、及び844を含む。膜810は、銀バスバー840〜844の間での電荷収集を容易にする。図7での上記議論同様、バック電極830はアルミニウム等の反射性材料を含む。活性層820は、半導性タイプの材料、例えば高純度結晶シリコンを含む。
【0064】
光(805で矢印で表される)が膜810に作用する時、膜は光をその下の活性層820に通し、そこでキャリアが生成して銀バスバー840〜844で収集され、膜810は銀バスバーによるキャリア収集を容易化する。電気デバイス、貯蔵デバイス(例えばバッテリー)、又は能動回路及び貯蔵デバイスの組合せ等の負荷850が回路中の銀バスバー840〜844とバック電極830との間で連結されている。したがって、活性層820中で生成して回路を流れる電流により電力が負荷850に供給される。
【0065】
上記、基礎となる仮特許出願(その一部を形成する付属書類を含む)、及び図面中に示される種々の実施形態が一緒に及び/又は別の様式で実施され得る。本明細書中及び/又は基礎仮特許出願中の図面に描かれている項目の1以上は、特定の用途において有用になるように、より分離された様式又はより一体化された様式で実施することもでき、あるいは、特定の場合には除去されるか及び/又は動作しないようにしてもよい。例えば、ナノ構造体に関する種々の実施形態を、マイクロ構造体、例えば約1ナノメートルから数百ナノメートル程度の直径又は他の寸法的特徴を有するもので実施してもよい。同様に、カーボン系構造体を用いることを特徴とする実施形態を、非カーボン系構造体(例えば他の材料の又はハイブリッドカーボン材料のナノチューブ)で実施してもよい。本明細書の説明から、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの変更が可能であることが当業者には理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ構造体を接続する方法であって、
ナノ構造体間に非合金分子接続材料を堆積させる工程;及び
前記接続材料を核形成させて、前記ナノ構造体間に核形成した材料を形成する工程であって、前記核形成した材料は、前記ナノ構造体に電荷を移動させ、且つ、ナノ構造体膜中で前記ナノ構造体同士を物理的及び電気的に結合するハイブリッド材料を形成する、工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記接続材料を核形成させる工程が、前記ナノ構造体間の核形成部位から前記核形成した材料を結晶化又は凝縮させることで、前記接続材料を前記ナノ構造体と化学結合させることなく前記ナノ構造体同士を物理的に結合すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記ナノ構造体のフェルミ準位より低いフェルミ準位を有する非ポリマー分子接続材料を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、金属性ナノ粒子を含み且つ前記ナノ構造体のフェルミ準位より低いフェルミ準位を有する分子接続材料を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、フラーレン系、有機小分子系、ポリマー系、及び金属ナノ粒子系分子接続材料の少なくとも1つを堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記接続材料を核形成させる工程が、複数のナノ構造体を核形成させてナノ構造体膜を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接続材料を核形成させて前記ナノ構造体間に核形成した材料を形成する工程が、前記ナノ構造体を結合して独立した実体、独立したマット、独立したワイヤー、及び独立したケーブルの少なくとも1つを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記接続材料を核形成させて前記ナノ構造体間に核形成した材料を形成する工程が、単層カーボンナノチューブ、二層ナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、有機ナノワイヤー、無機ナノワイヤー、及びグラフェンの少なくとも1つを含むナノ構造体間に核形成した材料を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ナノ構造体間に分子接続材料を堆積させる工程が、溶液及び気相材料の少なくとも1つから前記分子接続材料を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記接続材料を核形成させて前記ナノ構造体間に核形成した材料を形成する工程が、前記接続材料を300℃未満の温度で核形成させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記ナノ構造体の少なくとも1つのフェルミ準位より少なくとも0.026eV低いフェルミ準位を有する分子接続材料を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記ナノ構造体の少なくとも1つの伝導帯の最低エネルギー準位より少なくとも0.026eV低い伝導帯を有する材料を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記接続材料を核形成させて前記ナノ構造体間に核形成した材料を形成する工程が、約5,000オーム/スクエアより低いシート抵抗を有するナノ構造体シートを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記接続材料を核形成させて前記ナノ構造体間に核形成した材料を形成する工程が、シートへの入射光の少なくとも40%を通過させるナノ構造体シートを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記接続材料を核形成させて前記ナノ構造体間に核形成した材料を形成する工程が、5,000オーム/スクエアより低いシート抵抗及びシートへの入射光の少なくとも75%を通過させる透明度を有するナノ構造体シートを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記ナノ構造体の少なくとも1つのフェルミ準位より低いフェルミ準位を有する接続材料を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記ナノ構造体の少なくとも1つに電荷を輸送するように構成された接続材料を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記ナノ構造体間の抵抗値を少なくとも20%低下させるのに十分な電荷を輸送するように構成された接続材料を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記接続材料を核形成させて前記ナノ構造体間に核形成した材料を形成して前記ナノ構造体同士を物理的に結合する工程が、前記ナノ構造体間の接続部で、前記ナノ構造体の他の部分の表面エネルギーに対して相対的な表面エネルギー特性を用いて、前記接続部での前記接続材料の選択的核形成を促進することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記接続材料を核形成させる工程の後に、前記核形成した材料を核形成部位として用いて前記ナノ構造体の少なくとも1つの側壁に沿って前記接続材料を成長させ続ける工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、フラーレン系接続材料を堆積させることを含み、
前記接続材料を核形成させる工程が、前記フラーレン系接続材料を核形成させて前記ナノ構造体間に核形成したフラーレン系材料を形成して前記ナノ構造体同士を物理的に結合することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記接続材料を核形成させる工程が、前記ナノ構造体間の物理的接続部に伝導性構造体を形成することにより、前記伝導性構造体を形成する前の前記ナノ構造体間の前記接続部の電気抵抗より実質的に低い電気抵抗で前記ナノ構造体を電気的に結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記接続材料を核形成させる工程が、前記ナノ構造体間の物理的接続部に伝導性構造体を形成することにより、前記伝導性構造体を形成する前の前記ナノ構造体間の前記接続部の電気抵抗より1桁小さい電気抵抗で前記ナノ構造体を電気的に結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記接続材料をカーボン系ナノチューブ間の接続部に堆積させることを含み、
前記接続材料を核形成させる工程が、前記カーボン系ナノチューブ間の物理的接続部に電荷輸送構造体を形成して前記カーボン系ナノチューブを伝導的に結合することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記接続材料を核形成させる工程が、前記接続材料を堆積させる前の前記ナノ構造体間の接続部の接触領域より大きい前記ナノ構造体のそれぞれの領域と接触する電荷輸送構造体を前記ナノ構造体間の物理的接続部に形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、多数のナノ構造体間の接続部に前記接続材料を堆積させることを含み、
前記接続材料を核形成させて前記ナノ構造体同士を物理的に結合する工程が、前記ナノ構造体同士を接続して前記ナノ構造体を含む伝導膜を形成することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記核形成した接続材料からドーパント材料を前記ナノ構造体の少なくとも1つにドープする工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、2つの半導性ナノチューブ、2つの金属性ナノチューブ、半導性ナノチューブ及び金属性ナノチューブ、並びにバンドギャップの異なるナノチューブの少なくとも1つの間の接続部に前記接続材料を堆積させることを含み、
前記接続材料を核形成させる工程が、前記ナノ構造体を物理的に接続して電気的に連結することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記接続材料を核形成させる工程が、前記核形成した接続材料で前記ナノ構造体にドープすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記ナノ構造体上にドーパント材料を堆積させる工程を更に含み、
前記接続材料を核形成させる工程が、前記ドーパント材料を核形成させて前記ナノ構造体にドープすることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記ナノ構造体上にハロゲン化フラーレン材料を堆積させる工程を更に含み、
前記接続材料を核形成させる工程が、前記ハロゲン化フラーレン材料を核形成させて前記ナノ構造体にドープすることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記ナノ構造体上にフッ化フラーレン材料を堆積させる工程を更に含み、
前記接続材料を核形成させる工程が、前記フッ化フラーレン材料を核形成させて前記ナノ構造体にドープすることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記接続材料を核形成させる工程が、前記接続材料からナノワイヤーを形成することを含み、前記ナノワイヤーが、前記ナノ構造体に沿って広がって前記ナノ構造体を物理的及び電気的に結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、互いに接触しない2つのナノ構造体間に接続材料を堆積させることを含み、
前記接続材料を核形成させる工程が、核形成した接続部に、前記2つのナノ構造体を物理的及び電気的に連結するハイブリッド材料を形成することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記ナノ構造体のフェルミ準位より低いフェルミ準位を有する分子接続材料を堆積させることを含み、
前記核形成した接続材料からp型ドーパント材料を前記ナノ構造体の少なくとも1つにドープする工程を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記分子接続材料を堆積させる工程が、前記ナノ構造体のフェルミ準位より高いフェルミ準位を有する分子接続材料を堆積させることを含み、
前記核形成した接続材料からn型ドーパント材料を前記ナノ構造体の少なくとも1つにドープすることを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項37】
ナノ構造体を接続してナノ材料膜を形成する方法であって、
複数のナノ構造体間に接続材料を堆積させる工程;
前記接続材料を核形成させて接続部のそれぞれに伝導性材料を形成して前記ナノ構造体同士を物理的に結合してナノ材料膜を形成する工程;
前記伝導性材料を前記接続部で核形成部位として用いて、前記ナノ構造体に沿って更なる伝導性材料を成長させる工程;及び
前記更なる伝導性材料中のドーパント材料を用いて前記ナノ構造体にドープすることで前記ナノ構造体にドープする前の前記ナノ構造体の抵抗値と比べて前記ナノ構造体の抵抗値を低下させる工程
を含む、方法。
【請求項38】
前記接続材料を堆積させる工程が、
前記ナノ材料膜の透明度を選択すること、
前記選択された透明度に応じて堆積させる接続材料の量を決定すること、及び
前記接続材料を前記決定された量で堆積させること
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記接続材料を堆積させる工程が、
前記ナノ材料膜が設けられるデバイスの透明度を選択すること、
前記選択された透明度に応じて、堆積させる接続材料の量を決定すること、及び
前記接続材料を前記決定された量で堆積させて前記デバイスの透明度を調節すること
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記接続材料を堆積させる工程が、溶液から材料を堆積させること及び蒸気から材料を堆積させることの少なくとも1つを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
カーボン系ナノ構造体を接続してナノ材料膜を形成する方法であって、
複数のカーボン系ナノ構造体間の接続部に接続材料を堆積させる工程;
前記堆積した接続材料を核形成させて接続部の大部分に電荷輸送構造体を形成することで、前記カーボン系ナノ構造体を物理的に結合し、前記カーボン系ナノ構造体を電気的に結合し、ナノ材料膜を形成する工程;
前記電荷輸送構造体を核形成部位として用いて、前記接続部で及び前記カーボン系ナノ構造体の側壁に沿って伝導性材料を成長させる工程;
前記接続部及び前記カーボン系ナノ構造体の側壁に前記伝導性材料からドーパントをドープする工程;及び
前記カーボン系ナノ構造体に由来する材料と前記接続材料及び前記ドーパントの少なくとも1つとを含むハイブリッド材料を形成する工程であって、前記ハイブリッド材料が、前記ハイブリッド材料形成前の前記カーボン系ナノ構造体の抵抗値より低い抵抗値を示す、工程;
を含む、方法。
【請求項42】
前記ハイブリッド材料を形成する工程が、前記カーボン系ナノ構造体並びに前記接続材料及び前記ドーパントの少なくとも1つの分光学的特徴と実質的に異なる分光学的特徴を有するハイブリッド材料を形成することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ハイブリッド材料を形成する工程が、前記カーボン系ナノ構造体並びに前記接続材料及び前記ドーパントの少なくとも1つの電子帯構造とは実質的に異なる電子帯構造を有するハイブリッド材料を形成することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記堆積した接続材料を核形成させて電荷輸送構造体を形成する工程が、前記カーボン系ナノ構造体間の物理的接続部に電荷輸送構造体を形成して、前記電荷輸送構造体形成前の前記カーボン系ナノ構造体間の前記接続部の電気抵抗より実質的に小さい電気抵抗で前記カーボン系ナノ構造体を電気的に結合することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記接続材料を堆積させる工程が、有機ナノ材料膜の透明度を調節するために前記接続材料の厚さを選択すること及び前記接続材料を前記選択された厚さで前記接続部に堆積させることを含み、
前記堆積した接続材料を核形成させる工程が、前記カーボン系ナノ構造体を接続して前記調節された透明度を有する透明電極を形成することを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記堆積した接続材料を核形成させて電荷輸送構造体を形成する工程が、前記接続材料の堆積及び核形成前の前記カーボン系ナノ構造体間の伝導率の少なくとも10倍の伝導率で前記カーボン系ナノ構造体を電気的に結合するように構成された電荷輸送構造体を形成することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記堆積した接続材料を核形成させる工程が、前記堆積した材料の前記カーボン系ナノ構造体に接触している部分で選択的に核形成させることを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記複数のカーボン系ナノ構造体間の接続部に接続材料を堆積させる工程が、2つの半導性ナノチューブ、2つの金属性ナノチューブ、並びに半導性ナノチューブ及び金属性ナノチューブの少なくとも1つの間の接続部に接続材料を堆積させることを含み、
前記堆積した接続材料を核形成させて前記接続部のそれぞれに電荷輸送構造体を形成して前記カーボン系ナノ構造体を物理的に結合する工程が、前記ナノチューブを物理的に結合することを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記複数のカーボン系ナノ構造体間の接続部に接続材料を堆積させる工程が、半導性カーボンナノチューブと金属性カーボンナノチューブとの間の接続部に接続材料を堆積させることを含み、
前記堆積した接続材料を核形成させて前記接続部のそれぞれに電荷輸送構造体を形成して前記カーボン系ナノ構造体を物理的に結合する工程が、前記半導性カーボンナノチューブを前記金属性カーボンナノチューブと物理的に結合することを含み、
前記堆積した接続材料を核形成させて前記カーボン系ナノ構造体の側壁にハイブリッド材料を形成する工程が、前記半導性カーボンナノチューブの側壁にドープして金属性カーボンナノチューブを形成することを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記半導性カーボンナノチューブの側壁にドープして金属性カーボンナノチューブを形成する工程が、前記半導性カーボンナノチューブの実質的に全部を金属性カーボンナノチューブに変換することを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記堆積した接続材料を核形成させる工程が、複数の前記カーボン系ナノ構造体にまたがる前記核形成した接続材料で連続構造体を形成することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
複数のナノ構造体を含む膜;並びに
前記ナノ構造体を接続部で物理的及び電気的に結合するように構成された核形成した接続材料であって、前記膜の光透過率を調節するために、電子回路中の前記接続材料の実質的に大部分が、前記ナノ構造体のいずれにも物理的及び電気的に結合していない核形成した材料と比べて前記ナノ構造体の少なくとも1つに物理的及び電気的に結合している、核形成した接続材料
を含む、電子回路。
【請求項53】
前記複数のナノ構造体が金属性ナノ構造体及びドープされた半導性ナノ構造体を含む、請求項52に記載の回路。
【請求項54】
前記複数のナノ構造体が、金属性ナノ構造体及びドープされた半導性ナノ構造体を含み、
前記核形成した接続材料が、金属性ナノ構造体及びドープされた半導性ナノ構造体の間で核形成した接続材料を含む、
請求項52に記載の回路。
【請求項55】
前記複数のナノ構造体が、金属性ナノ構造体及びドープされた半導性ナノ構造体を含み、前記ドープされた半導性ナノ構造体が、前記接続材料中の材料と同じドーパント材料を有する、請求項52に記載の回路。
【請求項56】
前記複数のナノ構造体及び前記接続材料が、膜への入射光の少なくとも40%を通過させる透明膜を形成する、請求項52に記載の回路。
【請求項57】
前記複数のナノ構造体が、2つの半導性ナノチューブ間、2つの金属性ナノチューブ間、並びに半導性ナノチューブ及び金属性ナノチューブの間の接続部等の接続部をその間に有するナノ構造体を含む、請求項52に記載の回路。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−518438(P2013−518438A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551204(P2012−551204)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2011/022064
【国際公開番号】WO2011/091257
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(503115205)ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ (69)
【Fターム(参考)】