説明

接続方法、接続構造および電子機器

【課題】製造工程を簡素化しつつ、安価に接着剤接続構造を実現しうる接続方法および電子機器を提供する。
【解決手段】母基板20は、リジッド基板21と、リジッド基板21上に設けられた接着剤接続用電極22および半田接続用電極26とを有している。各電極22、26の表面は、いずれも、OSP処理によって形成された酸化防止膜である有機膜25によって被覆されている。先に接着剤30による接続を行って、接着剤接続構造Cを形成し、次に、半田リフロー処理を行って、半田接続構造Dを形成する。その際、半田リフロー処理の前後における、電極12、22間の接続抵抗の増大が所定範囲内に収まるように接続を行う。各電極22、26の導通を確保しつつ、半田リフロー処理の後における接続抵抗の増大を抑制することができ、半田接続構造と接着剤接続構造とを円滑に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤により電気的接続を行うようにした接続方法、その接続方法により形成される接続構造および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化、高機能化の流れの中で、構成部品(例えば、液晶製品における電子部品)内の接続端子の微小化が進んでいる。このため、エレクトロニクス実装分野においては、そのような端子間の接続を容易に行える種々の異方導電性接着剤として、フィルム状の接着剤が広く使用されている。例えば、銅電極等の接着剤接続用電極が設けられたフレキシブルプリント配線板(FPC)やリジッドプリント配線板(PWBまたはPCB)等のプリント配線板と、銅電極等の配線電極が形成されたガラス基板等の配線基板との接合や、プリント配線板とICチップ等の電子部品との接合に使用されている。
【0003】
この異方導電性接着剤は、絶縁性の樹脂組成物中に導電性粒子を分散させた接着剤であり、被接続部材同士の間に挟まれ、加熱、加圧されて、被接続部材同士を接着する。即ち、加熱、加圧により接着剤中の樹脂が流動し、例えば、プリント配線板の表面に形成された接着剤接続用電極と、配線基板の表面に形成された配線電極の隙間を封止すると同時に、導電性粒子の一部が対峙する配線電極と接着剤接続用電極の間に噛み込まれて電気的接続が達成される。ここで、一般的に、プリント配線板の接着剤接続用電極および配線基板の配線電極のそれぞれには、酸化防止および導電性の確保を目的として、金メッキが施されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−79568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この金メッキは、接着剤接続用電極および配線電極の表面にニッケルメッキ層を形成した上で、金メッキ層を形成するため、製造工程が複雑になってしまう。その結果、フレキシブルプリント配線板および配線基板などを互いに接続する際の製造コストが高くなる問題を含んでいた。
【0006】
本発明の目的は、製造工程を簡素化しつつ、安価に接着剤接続構造を実現するための接続方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の接続方法は、接着剤接続用電極および半田接続用電極が設けられた基材を準備する工程(a)と、前記基材上の接着剤接続用電極および半田接続用電極を、酸化防止膜で被覆する工程(b)と、前記工程(b)の後、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を介して前記接着剤接続用電極と被接続導体とを互いに接着させることにより電気的に接続する工程(c)と、前記工程(c)の後、非酸化性雰囲気中で半田リフロー処理することにより、前記半田接続用電極を被半田接続導体に接合する工程(d)と、を含む接続方法であって、
前記工程(b)では、前記酸化防止膜を、プリフラックス処理により0.05〜0.5μmからなる有機膜で形成すると共に、前記工程(c)では、前記熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を、導電性粒子を含有した異方導電性接着剤で構成し、これによって前記工程(c)においては接着剤接続用電極上の有機膜が前記接着剤の前記導電性粒子によって突き破られて導通がなされると共に前記工程(d)においては前記有機膜が分解されて半田接続による導通がなされるようにしたことを特徴としている。
本発明の接続方法は、接着剤接続用電極および半田接続用電極が設けられた基材を用いて行われる。そして、接着剤接続用電極を、酸化防止膜で被覆した後、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を介して接着剤接続用電極と被接続導体とを互いに接着させることにより電気的に接続する。その後、半田リフロー処理することにより、半田接続用電極を被半田接続導体に接合する。このとき、半田リフロー処理の前後における、接着剤接続用電極−被接続導体間の接続抵抗の増大が所定範囲内に収まるように接続を行う。
接着剤としては、異方導電性接着剤(ACF)と絶縁性接着剤(NCF)とがあるが、異方導電性接着剤(ACF)を用いることができる。
酸化防止膜としては、金めっき等の貴金属めっき層や、有機膜があるが、有機膜を用いることができる。
上記基材としては、プリント配線板の基材フィルム、電子部品の電極の下地部材などがある。被接続導体や被半田接続導体には、他のプリント配線板の電極、電子部品の電極、コネクタの電極などがある。また、被接続導体と被半田接続導体とは、共通の部材に設けられていてもよいし、相異なる部材に設けられていてもよい。
【0008】
本発明により、以下の作用効果が得られる。
先に接着剤による接続を行なってから、半田リフロー処理を行うと、接続抵抗が増大することがわかっている。その原因は、半田リフロー処理により、接着剤の緩和現象が生じて、接着剤の締め付け力が低下するためである。
本発明では、半田リフロー処理の前後における接続抵抗の変化を所定範囲に収めているので、基材上の接着剤接続用電極と、被接続部材上の被接続導体との間における導通不良の発生を抑制することができる。
【0009】
特に、半田リフロー前での接着剤接続用電極−被接続導体間における接続抵抗をR、接着強度をFとし、半田リフロー後での接着剤接続用電極−被接続導体間における接続抵抗をR、接着強度をFとしたとき、
下記関係式(1)、(2)
<1.2×R (1)
>0.8×F (2)
が成立するように、接続を行うことで、接続信頼性がより高くなることがわかった。
【0010】
そのためには、接着剤の樹脂組成物として、硬化後におけるガラス転移温度が100℃以上の樹脂材料を用いることが効果的であることが、本発明者達によって確認されている。
ガラス転移温度は、樹脂組成物の剛性と粘性が急激に変化する温度であり、この温度が高いほど高温での接着剤の強度(締め付け力)が低下する。そこで、ガラス転移温度が100℃以上の樹脂材料を用いることにより、上記式(1)、(2)が成立する接続を行うことが容易となると考えられる。
【0011】
酸化防止膜として有機膜を形成することにより、製造コストを削減することができる。有機膜を形成する処理は、一般的には、プリフラックス処理(OSP処理:Organic Sold
erability Preservation)と呼ばれている。
接着剤接続用電極には、従来、酸化防止用の金めっきが施されていた。それに対し、OSP処理によって有機膜を形成する工程は、金めっき層を形成する工程と比較して、製造工程が簡素化される。また、高価な金を使用しないので、材料コストも低減される。よって、接着剤を用いた接続を安価に行うことが可能となる。
【0012】
用いられる接着剤は、導電性粒子を含有した異方導電性接着剤であることが好ましい。導電性粒子は、有機膜を突き破って接着剤接続用電極に容易に接触することが可能である。
【0013】
接着剤として、複数の金属粒子が鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末からなる導電性粒子を含有したものを用いることが好ましい。これにより、製造過程で、導電性粒子が有機膜を突き破る機能が高くなり、接着剤接続構造を円滑に形成することができる。
その場合、導電性粒子のアスペクト比が5以上であることにより、導電性粒子同士の接触確率が高くなる。その結果、導電性粒子の配合量を増やすことなく、接着剤接続構造を円滑に形成することができる。
また、導電性粒子の反発力が小さくなるため、接着強度の低下、および接続抵抗の上昇を抑えることができる。
【0014】
また、異方導電性接着剤を用いる場合、フィルム形状を有するものを用いることが好ましい。これにより、異方導電性接着剤の取り扱いが容易になる。また、加熱加圧処理により接着剤接続構造を形成する際の作業性が向上する。
その場合、導電性粒子の長径方向を、フィルム形状を有する接着剤の厚み方向に配向させることがより好ましい。これにより、接着剤の面方向においては、隣り合う電極間や導体間の絶縁を維持して短絡を防止することができる。一方、接着剤の厚み方向においては、多数の電極−導体間を一度に、かつ各々を独立して導電接続して、低抵抗を得ることが可能となる。
【0015】
本発明の基材としては、種々の配線部材や基板類がある。
配線部材には、フレキシブルプリント配線板、リジッドプリント配線板などの配線板や、同軸ケーブル配線、フラットケーブル配線などのケーブル配線など、電極を有する多種の配線が含まれる。
特に、フレキシブルプリント配線板は、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ等のカメラ、ポータブルオーディオプレーヤ、ポータブルDVDプレーヤ、ポータブルノートパソコンなど、多くの電子機器に内蔵されており、本発明に用いることで、格別の効果が得られる。
【0016】
本発明の接続構造は、上記接続方法を用いて形成されたものであり、本発明の電子機器は、上記接続方法を用いて組み立てられたものである。
本発明の接続構造や電子機器により、製造工程の簡素化と金めっきの使用量の低減とを通じて、製造コストの削減を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の接続方法、接続構造または電子機器によると、製造工程を簡素化しつつ、製造コストの削減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器である携帯端末の構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る携帯端末の接続部分の構成例を示す断面である。
【図3】実施の形態に係る接着剤接続構造を形成する前の配線体の端部を示す斜視図である。
【図4】フレキシブルプリント配線板および電子部品と、母基板との間に形成される接着剤接続構造および半田接続構造の例1を示す断面図である。
【図5】接着剤接続構造および半田接続構造の例2を示す断面図である。
【図6】導電性粒子の短径と長径の比を説明する図である。
【図7】(a)〜(c)は、接着剤接続構造および半田接続構造を有する電子部品の組立方法の手順を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
−電子機器−
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器である携帯端末100の構造を概略的に示す斜視図である。
携帯端末100は、各種情報を表示するための表示部103と、入力部104と、ヒンジ部105とを備えている。表示部103には、液晶表示パネルを用いた表示装置106やスピーカ等が設けられている。入力部104には、入力キーやマイクが設けられている。ヒンジ部105は、入力部104と表示部103とを回動自在に連結している。
【0020】
図2は、実施の形態に係る携帯端末100のヒンジ部105を介した接続部分の構成を示す断面である。
表示部103には、表示部筐体131と、表示部基板135とが主要部材として設けられている。表示部基板135は、表示装置106に表示用信号を送るための回路等を備えている。表示部筐体131は、互いに連結された第1筐体131aと第2筐体131bとを有している。そして、第1筐体131aと第2筐体131bとの間に、貫通穴133が設けられている。
【0021】
入力部104には、入力部筐体141と、入力部基板145とが主要部材として設けられている。入力キー基板145は、入力キーから送られる信号を制御するための回路等を備えている。入力部筐体141は、互いに連結された第1筐体141aと第2筐体141bとを有している。そして、第1筐体141aと第2筐体141bとの間に、貫通穴143が設けられている。
【0022】
また、ヒンジ部105を経て、入力キー基板145と表示部基板135とを接続する配線体Aが設けられている。配線体Aは、FPC10と、FPC10の両端に設けられ、異方導電性接着剤30を介した接着剤接続構造Cとを備えている。
また、入力キー基板145には、電子部品を半田により接合した半田接合部Dが設けられている。図示されていないが、同様に、表示部基板135にも、電子部品を半田により接合した半田接合部Dが設けられている。
【0023】
−電極構造および配線体−
図3は、本実施の形態の接着剤接続構造Cを形成する前の配線体Aの端部を示す斜視図である。配線体Aは、FPC10(基材)と、その端部に設けられた電極構造Bとを有している。
FPC10は、回路層(破線参照)が形成されたベースフィルム11と、ベースフィルム11を被覆するカバーレイ13とを備える構造が一般的である。回路層の端部は、被接続導体との電気的接続を行うための接着剤接続用電極12となっている。
【0024】
FPC10のベースフィルム11の材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ガラスエポキシ樹脂等がある。カバーレイ13の材料としては、一般的には、ベースフィルムと同じ材料が用いられる。その他、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂などが用いられる。
【0025】
FPC10の回路層は、ベースフィルム11上に銅箔等の金属箔を積層し、金属箔を、常法により、露光、エッチングすることにより形成される。回路層は、銅または銅合金によって構成されるのが一般的である。回路層の中でも、接着剤接続用電極12は露出しており、一般的には、接着剤接続用電極12の酸化防止膜として機能する金めっき層が設けられる。
それに対し、本実施の形態の電極構造Bにおいては、接着剤接続用電極12には、金めっき層や他の貴金属めっき層(銀めっき層、白金めっき層、パラジウムめっき層等)は設けられていない。接着剤接続用電極12は、貴金属めっき層に代わる酸化防止膜としての有機膜15により、被覆されている。
ただし、有機膜15に代えて、金めっき層等の貴金属めっき層を設けてもよい。
【0026】
上記有機膜15は、水溶性プリフラックス処理(OSP処理:Organic Solderability Preservation)により形成される。
OSP処理を施す方法としては、例えば、スプレー法、シャワー法、浸漬法等が用いられ、その後、水洗、乾燥させればよい。その際の水溶性プリフラックスの温度は、25〜40℃が好ましく、水溶性プリフラックスと接着剤接続用電極12との接触時間は、30〜60秒が好ましい。
【0027】
一般的に、水溶性プリフラックスは、アゾール化合物を含有する酸性水溶液である。このアゾール化合物としては、例えば、イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2,4−ジフェニルイミダゾール、トリアゾール、アミノトリアゾール、ピラゾール、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、2−ブチルベンゾイミダゾール、2−フェニルエチルベンゾイミダゾール、2−ナフチルベンゾイミダゾール、5−ニトロ−2−ノニルベンゾイミダゾール、5−クロロ−2−ノニルベンゾイミダゾール、2−アミノベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールなどのアゾール化合物が挙げられる。
【0028】
ただし、本発明では、後述するように、先に接着剤による接続を行ってから、半田による接続を行うので、半田による接続の際には、有機膜15は、接着剤によって覆われている。よって、半田リフロー工程で有機膜15が熱分解されても、熱分解された物質が接着剤と電極との間に残存する。従って、接続抵抗が急激に悪化することはないが、長期間の信頼性を考慮すると、有機膜15の熱分解温度が半田リフロー温度よりも高いことが好ましい。
【0029】
以上の条件に適合する有機化合物としては、上記アゾール化合物のうちでも、2−フェニル−4−メチル−5−ベンジルイミダゾール、2,4−ジフェニルイミダゾール、2,4−ジフェニル−5−メチルイミダゾール等の2−フェニルイミダゾール類や、5−メチルベンゾイミダゾール、2−アルキルベンゾイミダゾール、2−アリールベンゾイミダゾール、2−フェニルベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類などがある。
【0030】
本実施の形態の電極構造Bおよび配線体Aによると、以下の効果を発揮することができる。
従来は、異方導電性接着剤(ACF)や絶縁性接着剤(NCF)を用いた接続が行われる接着剤接続用電極上には、酸化防止膜として金めっき層などの貴金属めっき層が形成されている。
それに対し、本実施の形態では、接着剤接続用電極12が貴金属めっき層に代わるOSP膜である有機膜15によって覆われている。有機膜15の形成には、スプレー法、シャワー法、浸漬法等が用いられ、その後、水洗、乾燥させるのみにて形成される。そのため、金めっき層などの貴金属めっき層を形成する場合と比較して、酸化防止膜を形成する工程が簡素化される。また、金などの貴金属を用いる場合と比較して、材料コストも低減される。また、金めっき層を形成した場合と比較して、接着剤接続用電極12と被接続電極との間の接続強度(シェア強度)を向上させることができる。
【0031】
本発明では、後述するように、先に接着剤30による接続を行ってから、半田層50による接続を行うので、半田層50による接続の際には、有機膜15、25は、接着剤30によって覆われている。よって、半田リフロー工程で有機膜15、25が熱分解されても、熱分解された物質が接着剤30と電極12、22との間に残存する。従って、接続抵抗が急激に悪化することはないが、長期間の信頼性を考慮すると、有機膜15、25の熱分解温度が半田リフロー温度よりも高いことが好ましい。
【0032】
接着剤による接続よりも前に、有機膜を熱分解させることなく半田リフロー処理を行う場合、有機膜15の膜厚の管理が重要となる。後述するように、電極の一部や導電性粒子等が、有機膜15を突き破って、確実な導体間の導通を実現する必要があるからである。具体的には、有機膜15の平均膜厚を適正範囲(例えば0.05μm以上0.5μm以下)に収めたり、膜厚が小さい領域の面積率を大きくする(例えば0.1μm以下となる領域の面積を有機膜15全体の面積の30%以上とする)、等の管理が必要となる。
それに対し、本実施の形態では、後述するように、先に接着剤による接続を行うので、OSP処理時における有機膜15の膜厚を、例えば0.5μm以上にしても不具合は生じない。
【0033】
なお、電極構造Bが設けられる基材は、フレキシブルプリント配線板(FPC)に限らず、硬質プリント配線板(PWB)などの他の種類の配線板、ケーブル配線、電子部品、コネクタなどであってもよい。
【0034】
−接着剤接続構造の例1−
図4は、FPC10(フレキシブルプリント配線板)および電子部品40と、母基板20との間に形成される接着剤接続構造Cおよび半田接続構造Dの例1を示す断面図である。この接着剤接続構造Cは、絶縁性接着剤(NCF)を用いて形成されるものである。
【0035】
母基板20は、リジッド基板21と、リジッド基板21上に設けられた接着剤接続用電極22および半田接続用電極26とを有している。この母基板20は、図1に示す表示部基板135や入力キー基板145に相当するPWB(リジッドプリント配線板)である。FPC10は、接着剤接続用電極12(被接続導体)をベースフィルム11の下側に向けて、母基板20上に実装されている。電子部品40は、チップ41の一部にチップ側電極42(被半田接続導体)を有しており、チップ側電極42をチップ41の下側に向けて配置されている。
母基板20の接着剤接続用電極22および半田接続用電極26は、リジッド基板21上に銅箔等の金属箔を積層し、金属箔を、常法により、露光、エッチングすることにより形成されている。
そして、接着剤接続構造Cにおいては、NCFである接着剤30の締め付け力によって、両電極12、22が互いに強く接触しあって導通している。半田接続構造Dにおいては、半田層50と各電極26、42との合金化により、両電極26、42が互いに導通している。
【0036】
接着剤30は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに硬化剤、各種フィラーを添加したものである。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。このうち、特に、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用することにより、フィルム形成性、耐熱性、および接着力を向上させることが可能となる。また、接着剤30は、上述の熱硬化性樹脂のうち、少なくとも1種を主成分としていればよい。
【0037】
例えば、ビスフェノールA型、F型、S型、AD型、またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また、高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
【0038】
本実施の形態では、上記各種熱硬化性樹脂の中でも、ガラス転移温度が100℃以上のものを用いている。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂がある。
【0039】
ここで、接着剤接続構造Cおよび半田接続構造Dを形成する前に、各電極12、22、26、42は、それぞれ有機膜15、25で覆われている。そして、各電極12、22間を接着剤30により接続して接着剤接続構造Cを形成し、その後、各電極26、42間を半田層50により接続して半田接続構造Dを形成する。
ただし、各電極12、22、26、42上に、有機膜15、25に代えて、金めっき層等の他の酸化防止膜を形成しておいてもよい。
【0040】
接着剤30による接続時には、FPC10を介して、接着剤30を母基板20の方向へ所定の圧力で加圧しつつ、接着剤30を加熱溶融させる(以下、「加熱加圧処理」と言う。)。これにより、接着剤30中の熱硬化性樹脂を硬化させ、その収縮に伴う締め付け力によって、FPC10と母基板20の各電極12、22を互いに強く接触させ、導通させている。このとき、接着剤接続用電極12の一部(導通部分)は、有機膜15に覆われることなく互いに導通されている。
半田層50による接続時には、母基板20と電子部品40とを、ピーク温度が約260℃の半田リフロー炉に入れて、半田をリフローさせる。このとき、半田接続用電極26およびチップ側電極42(被半田接続導体)上の有機膜は半田層50に溶け込む。
【0041】
本実施の形態では、FPC10の接着剤接続用電極12は、エッチングにより表面が粗くなるように加工されている。ただし、エッチングだけでなく、エンボス加工などの機械加工を用いてもよい。
各電極12、22が有機膜15、25で覆われている場合、少なくとも一方の電極の表面に突起部があれば、突起部が有機膜15、25を突き破るので、両電極12、22が確実に接触しうる。なお、両電極12、22間にバンプが配置されていてもよい。
【0042】
本実施の形態では、半田リフロー処理の前後における、接着剤接続用電極12、22間の接続抵抗の増大が所定範囲内に収まるように行われる。具体的には、半田リフロー処理前の電極12、22間の接続抵抗をR、接着剤30の接着強度をFとし、半田リフロー処理の後における電極12、22間の接続抵抗をR、接着剤30の接着強度をFとしたとき、下記関係式(1)、(2)
<1.2×R (1)
>0.8×F (2)
が成立している。
具体的には、熱硬化性樹脂の種類の選択や、半田リフロー処理の温度の設定などによって、関係式(1)、(2)が成立する条件を見出している。
【0043】
本例1によると、電極構造の効果に加えて、以下の効果を発揮することができる。
一般的に、接着剤接続構造Cと半田接続構造Dとが、共通の基材上に存在する場合、先に半田リフロー処理を行って半田接続構造Dを形成する手順が採用される。先に接着剤接続構造Cを形成すると、接続抵抗が増大するおそれがあるからである。
【0044】
それに対し、本実施の形態では、半田リフロー処理の前後における、各電極12、22間の接続抵抗の増大が所定範囲内に収まるように、例えば、上記関係式(1)が成立するように、接続を行っている。よって、半田接続構造Dの形成前に、接着剤接続構造Cを形成しても、接着剤接続用電極12(被接続導体)と接着剤接続用電極22との間における接続抵抗の増大を抑制することができる。
また、接着剤30の締め付け力の緩みが所定範囲内に収まるように、例えば、上記関係式(2)が成立するように、接続を行っている。よって、長期間使用時における接続抵抗の増大(接続の信頼性の悪化)を抑制することができる。
【0045】
また、接着剤接続用電極12、22には、従来、酸化防止用の金めっきが施されていた。それに対し、OSP処理によって有機膜を形成する工程は、金めっき層を形成する工程と比較して、製造工程が簡素化される。また、高価な金を使用しないので、材料コストも低減される。よって、接着剤を用いた接続を安価に行うことが可能となる。
【0046】
−接着剤接続構造の例2−
図5は、接着剤接続構造Cおよび半田接続構造Dの例2を示す断面図である。図5において、図4と同じ部材は、同じ符号を付して説明を省略する。接着剤接続構造Cにおいては、異方導電性接着剤(ACF)である接着剤30を用いている。即ち、本例の接着剤30は、熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂組成物31中に、導電性粒子36を含ませたものである。
【0047】
本例においても、母基板20は、リジッド基板21と、リジッド基板21上に設けられた接着剤接続用電極22および半田接続用電極26とを有している。本例においても、接着剤接続用電極12および接着剤接続用電極22の表面は、いずれも、導通部分を除き、有機膜15、25によって被覆されている。
そして、各電極12、22は、導電性粒子36を介して互いに導通している。導電性粒子36は、微細な金属粒子が多数直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末からなる。
なお、本例においても、例1のように電極12、22同士が直接接触している箇所が存在していてもよい。
【0048】
本例においても、接着剤接続構造Cおよび半田接続構造Dを形成する前に、各電極12、22、26、42は、図3に示す有機膜15と同様の有機膜で覆われている。そして、半田リフロー工程において、半田接続用電極26およびチップ側電極42(被半田接続導体)上の有機膜は半田層50に溶け込む。
【0049】
接続時には、上述の加熱加圧処理により、接着剤30中の熱硬化性樹脂を硬化させ、その収縮に伴う締め付け力によって、導電性粒子36を介して各電極12、22を互いに接続させている。
この例では、当初から、樹脂組成物31中に微細な金属粒子が多数直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する導電性粒子36を含ませている。
【0050】
例2に使用される異方導電性接着剤としては、汎用されているもの、即ち、エポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂組成物中に、導電性粒子36が分散されたものが使用できる。例えば、エポキシ樹脂に、ニッケル、銅、銀、金あるいは黒鉛等の導電性粒子の粉末が分散されたものが挙げられる。ここで、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。このうち、特に、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用することにより、異方導電性接着剤のフィルム形成性、耐熱性、および接着力を向上させることが可能となる。また、異方導電性接着剤は、上述の熱硬化性樹脂のうち、少なくとも1種を主成分としていればよい。
【0051】
なお、使用するエポキシ樹脂は、特に制限はないが、例えば、ビスフェノールA型、F型、S型、AD型、またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また、高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
【0052】
また、エポキシ樹脂の分子量は、異方導電性接着剤に要求される性能を考慮して、適宜選択することができる。高分子量のエポキシ樹脂を使用すると、フィルム形成性が高く、また、接続温度における樹脂の溶解粘度を高くでき、後述の導電性粒子の配向を乱すことなく接続できる効果がある。一方、低分子量のエポキシ樹脂を使用すると、架橋密度が高まって耐熱性が向上するという効果が得られる。また、加熱時に、上述の硬化剤と速やかに反応し、接着性能を高めるという効果が得られる。従って、分子量が15000以上の高分子量エポキシ樹脂と分子量が2000以下の低分子量エポキシ樹脂とを組み合わせて使用することにより、性能のバランスが取れるため、好ましい。なお、高分子量エポキシ樹脂と低分子量エポキシ樹脂の配合量は、適宜、選択することができる。また、ここで言う「平均分子量」とは、THF展開のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求められたポリスチレン換算の重量平均分子量のことを言う。
【0053】
また、本例および例1に使用される接着剤30として、潜在性硬化剤を含有する接着剤が使用できる。この潜在性硬化剤は、低温での貯蔵安定性に優れ、室温では殆ど硬化反応をおこさないが、熱や光等により、速やかに硬化反応を行う硬化剤である。この潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン系、第3級アミン、アルキル尿素系等のアミン系、ジシアンジアミド系、酸無水物系、フェノール系、および、これらの変性物が例示され、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。
【0054】
また、これらの潜在性硬化剤中でも、低温での貯蔵安定性、および速硬化性に優れているとの観点から、イミダゾール系潜在性硬化剤が好ましく使用される。イミダゾール系潜在性硬化剤としては、公知のイミダゾール系潜在性硬化剤を使用することができる。より具体的には、イミダゾール化合物のエポキシ樹脂との付加物が例示される。イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾールが例示される。
【0055】
また、特に、これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜およびケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、長期保存性と速硬化性という矛盾した特性の両立を図ることができるため、好ましい。従って、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤が、特に好ましい。
【0056】
本例2によると、例1と同じ条件で、先に接着剤接続構造Cを形成し、その後、半田接続構造Dを形成したことで、例1と同様の効果を発揮することができる。
【0057】
また、異方導電性接着剤として、図5に示す形状を有するものを使用する場合は、特に以下の構成を採ることができる。
具体的には、異方導電性接着剤として、例えば、上述のエポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、微細な金属粒子(例えば、球状の金属微粒子や金属でメッキされた球状の樹脂粒子からなる金属微粒子)が多数直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する、所謂アスペクト比が大きい形状を有する金属粉末により形成された導電性粒子36が分散されたものを使用することができる。なお、ここで言うアスペクト比とは、図6に示す、導電性粒子36の短径(導電性粒子36の断面の長さ)Rと長径(導電性粒子36の長さ)Lの比のことを言う。
【0058】
このような導電性粒子36を使用することにより、異方導電性接着剤として、異方導電性接着剤の面方向(厚み方向Xに直行する方向であって、図5の矢印Yの方向)においては、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、厚み方向Xにおいては、多数の接着剤接続用電極22−接着剤接続用電極12間を、一度にかつ各々を独立して接続し、低抵抗を得ることが可能になる。
【0059】
また、このような形状の導電性粒子36は、接着剤30の締め付け力によって、弾性変形した状態で存在する。従って、接着剤30の締め付け力が半田リフロー処理によって緩んでも、導電性粒子36の弾性変形した状態からの復元力によって、各電極12、22との接触をより確実に維持することができる。ただし、導電性粒子36の反発力は小さいため、接着剤30の締め付け力を弱める力は小さい。
【0060】
また、この異方導電性接着剤において、導電性粒子36の長径Lの方向を、フィルム状の異方導電性接着剤を形成する時点で、異方導電性接着剤の厚み方向Xにかけた磁場の中を通過させることにより、当該厚み方向Xに配向させて用いるのが好ましい。このような配向にすることにより、上述の、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、多数の接着剤接続用電極22−接着剤接続用電極12間を一度に、かつ各々を独立して導電接続することが可能になるという効果が、より一層向上する。
【0061】
また、本発明に使用される金属粉末は、その一部に強磁性体が含まれるものがよく、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、および強磁性を有する金属を含む複合体のいずれかであることが好ましい。これは、強磁性を有する金属を使用することにより、金属自体が有する磁性により、磁場を用いて金属粒子を配向させることが可能になるからである。例えば、ニッケル、鉄、コバルトおよびこれらを含む2種類以上の合金等を挙げることができる。
【0062】
また、導電性粒子36のアスペクト比は5以上であることが好ましい。このような導電性粒子36を使用することにより、接着剤30として異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性粒子36と各電極12、22との接触確率が高くなる。従って、導電性粒子36の配合量を増やすことなく、各電極12、22を互いに電気的に接続することが可能になる。
【0063】
なお、導電性粒子36のアスペクト比は、CCD顕微鏡観察等の方法により直接測定するが、断面が円でない導電性粒子36の場合は、断面の最大長さを短径としてアスペクト比を求める。また、導電性粒子36は、必ずしもまっすぐな形状を有している必要はなく、多少の曲がりや枝分かれがあっても、問題なく使用できる。この場合、導電性粒子36の最大長さを長径としてアスペクト比を求める。
【0064】
−接続方法−
図7(a)〜(c)は、接着剤接続構造Cおよび半田接続構造Dを実現するための接続方法の手順を示す断面図である。
まず、図7(a)に示す工程で、接着剤接続領域Rcと、半田接続領域Rdとを有する母基板20(共通の基材)を準備する。母基板20において、接着剤接続領域Rcには接着剤接続用の接着剤接続用電極22が設けられており、半田接続領域Rdには半田接続用の半田接続用電極26が設けられている。
次に、各接着剤接続用電極22、26を覆う有機膜25を形成する。
【0065】
次に、図7(b)に示す工程で、接着剤接続用電極22とFPC10の接着剤接続用電極12とを接着剤30により接着することにより電気的に接続する。これにより、接着剤接続領域Rcにおいて、接着剤接続構造Cが形成される。接着剤接続構造Cの形成手順については、上記接着剤接続構造の例2(図5参照)において、説明した通りである。
【0066】
次に、図7(c)に示す工程で、半田接続領域Rdに、チップ41の一部にチップ側電極42を有する電子部品40を搭載する。このとき、チップ側電極42を半田接続用電極26の位置に合わせて、両電極26、42間に鉛フリー半田を介在させる。そして、母基板20と電子部品40とを、ピーク温度が約260℃の半田リフロー炉に入れて、半田をリフローさせる。これにより、各電極26、42を半田層50を介して接合することで、各電極26、42を互いに電気的に接続する。
これにより、半田接続領域Rdにおいて、半田接続構造Dが形成される。
なお、半田接続用電極26上を覆っていた有機膜25は、鉛フリー半田に含まれるフラックスなどと反応して、半田層50に溶け込んでいる。
【0067】
なお、有機膜15、25の熱分解温度が半田リフロー処理の温度よりも低い場合は、熱分解温度以上の温度で半田リフロー処理が行われたことで、接着剤接続構造C中で、接着剤接続用電極12、22上の有機膜15、25が熱分解する。熱分解した有機膜15、25は、接着剤30の内側で、液、または炭化した粉末となって残る。あるいは、有機膜15、25の材料によっては、気体となることもあり得る。いずれにしても、接着剤接続構造Cが形成された後なので、接続抵抗の増大を招くおそれはほとんどない。
【0068】
なお、上述のごとく、導電性粒子36を含む接着剤30(異方導電性接着剤)は、熱硬化性樹脂を主成分としている。そのため、異方導電性接着剤は、加熱すると、一旦、軟化するが、当該加熱を継続することにより、硬化することになる。そして、予め設定した異方導電性接着剤の硬化時間が経過すると、異方導電性接着剤の硬化温度の維持状態、および加圧状態を開放し、冷却を開始する。これにより、接着剤30中の導電性粒子36を介して、各電極12、22を互いに接続し、FPC10を母基板20上に実装する。
【0069】
図7(a)〜(c)には、PWBである母基板20に、接着剤接続構造Cと、半田接続構造Dとを形成する例を示している。
ただし、FPC10を共通の基材として、FPC10に接着剤接続構造Cと、半田接続構造Dとを形成してもよい。その場合には、図7に示す母基板20をFPC10と置き換え、接着剤接続用電極12上に有機膜15を形成することになる。処理の手順は、上述の通りである。
なお、FPCには、片面回路型構造だけでなく両面回路型構造もある。両面回路型構造の場合には、半田リフロー炉に2回入れることになる。
【0070】
本実施形態の接続方法によれば、以下の効果を発揮することができる。
通常、半田接続と接着剤接続とを同じ基板上で行う場合、接着剤接続用電極22の上に有機膜25を形成してから、先に半田接続を行い、その後、接着剤による接続を行うことになる。先に、接着剤接続を行うと、その後、半田リフロー処理の際に、接着剤の締め付けが緩んで、接続不良をおこす確率が高くなるからである。
一方、半田リフロー工程を経た後に、接着剤接続構造Cを形成する場合には、半田リフロー炉を通さない場合と比較して、各電極12、22間の電気的に接続する接続抵抗が大きくなるおそれがある。これは、半田リフロー炉において加熱されることによって、有機膜25が硬質化する等、変質することで、導電性粒子36が、有機膜25を突き破りにくくなっていることによると考えられる。
本実施の形態の接続方法では、図7(b)に示す工程で、先に接着剤接続構造Cを形成している。そのため、図7(b)に示す工程では、導電性粒子36が容易に有機膜15、25を突き破って、各電極12、22に接触し、各電極12、22間の導通が確保される。
一方、図7(c)に示す工程の前後においては、各電極12、22間の接続抵抗の増大が所定範囲内に収まるように、例えば、上記関係式(1)、(2)が成立するように、接続を行っている。よって、半田接続構造Dの形成前に、接着剤接続構造Cを形成しても、各接着剤接続用電極12、22間における接続抵抗の増大や信頼性の悪化を抑制することができる。
【0071】
また、半田接続用電極26の上に、酸化防止膜である有機膜25を形成したことにより、各電極26、42間の接続強度(シェア強度)を向上させることができる。
【0072】
以上総合すると、本実施の形態では、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の接着剤接続構造Cにおいては、母基板20の接着剤接続用電極22およびFPC10の接着剤接続用電極12のそれぞれの表面にOSP処理を施して、酸化防止膜である有機膜15、25をそれぞれ形成する構成としている。この構成によれば、各電極12、22が金めっき層で被覆される場合と比較して、酸化防止膜を形成する工程が簡素化される。また、金などの貴金属を用いる場合と比較して、材料コストも低減される。その結果、各電極12、22を互いに接続する際の製造コストを安価にすることが可能となる。
【0073】
しかも、各電極12、22間の接続抵抗の増大が所定範囲内に収まるように、例えば、上記関係式(1)、(2)が成立するように、接着による接続と半田による接続とを行っている。よって、半接続構造Dの形成前に、接着剤接続構造Cを形成しても、接着剤接続用電極12と接着剤接続用電極22(被接続導体)との間における接続抵抗の増大を抑制することができる。
また、半田リフロー処理の前に、接着剤30による接続を行うので、有機膜15、25の平均膜厚や、OSP処理時における膜厚が小さい領域の面積率を厳しく管理する必要がない。
【0074】
(2)本実施形態においては、使用する異方導電性接着剤である接着剤30における導電性粒子36は、微細な金属粒子が多数直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末により構成されている。この構成によれば、接着剤30の面方向であるY方向においては、隣り合う接着剤接続用電極22間、または接着剤接続用電極12間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、接着剤30の厚み方向であるX方向においては、多数の接着剤接続用電極22および接着剤接続用電極12間を一度に、かつ各々を独立して導電接続して、低抵抗を得ることが可能となる。
【0075】
(3)本実施形態においては、導電性粒子36のアスペクト比が5以上である構成としている。この構成によれば、異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性粒子36間の接触確率が高くなる。その結果、導電性粒子36の配合量を増やすことなく、各電極12、22を互いに電気的に接続することが容易となる。
【0076】
(4)本実施形態においては、接着剤接続構造Cを形成する前の接着剤30(異方導電性接着剤)として、フィルム形状を有するものを用いている。この構成によれば、異方導電性接着剤の取り扱いが容易になる。また、加熱加圧処理により接着剤接続構造Cを形成する際の作業性が向上する。
【0077】
(5)本実施形態においては、導電性粒子36の長径方向を、フィルム形状を有する接着剤30(異方導電性接着剤)の厚み方向であるX方向に配向させたものを用いている。この構成によれば、接着剤30の面方向であるY方向においては、隣り合う接着剤接続用電極22間、または接着剤接続用電極12間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、接着剤30の厚み方向であるX方向においては、多数の接着剤接続用電極22および接着剤接続用電極12間を一度に、かつ各々を独立して導電接続して、低抵抗を得ることが可能となる。
【0078】
(6)本実施形態においては、母基板20である硬質プリント基板(PWB)にフレキシブルプリント配線板(FPC10)を接続する構成としている。この構成によれば、母基板20がFPCである場合と比較して、多層の導電パターン構造を安価に提供することができる。また、母基板20上にFPC10を接続することにより、FPC10に代えて硬質プリント配線板を接続した場合と比較して、図2に示すごとく、FPC10を他の基板のコネクタに接続する際に、他の基板の配置の自由度を向上させることができる。その上、接着剤接続用配線電極12、22を有機膜15、25にて被覆することにより、各電極12、22を金メッキにて被覆するよりも安価にできるため、母基板20およびFPC10の接続体を安価に提供することができる。
【0079】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、母基板20として硬質プリント基板(PWB)を使用しているが、他の構成であってもよい。例えば、母基板20としてフレキシブルプリント配線板(FPC)を使用してもよい。
【0080】
・上記実施形態においては、接着剤接続構造Cは、FPC10とPWBである母基板20との電極同士の接続に用いたが、本発明の接着剤接続構造はこれに限定されることはない。例えば、導電体としてICチップ等の電子部品の突起電極(または、バンプ)と、PWBまたはFPC上の電極との接着剤接続構造Cとしてもよい。
【0081】
・上記実施形態におけるFPC10に代えて、PWBを母基板20上に実装してもよい。また、FPC10の代わりに電子部品を実装してもよい。
【0082】
・上記実施形態においては、OSP処理として、水溶性プリフラックス処理を接着剤接続用電極12、22に施したが、OSP処理を、例えば、耐熱性プリフラックス処理としてもよい。また、水溶性プリフラックス処理として、アゾール化合物を含有する酸性水溶液としたが、他の水溶液であってもよい。
【0083】
・上記実施形態においては、各接着剤接続用電極12、22の両方にOSP処理を施したが、例えば、一方の接着剤接続用電極12または22のみにOSP処理を施してもよい。その場合、他方の接着剤接続用電極22または12には、金めっき層などの貴金属めっき層を形成することになるが、これによっても、上記実施形態の効果(1)を得ることはできる。
あるいは、全ての電極12、22、26、42にOSP処理による有機膜は設けず、金めっき層を設けてもよい。
【実施例】
【0084】
以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
(接着剤の作成)
導電性粒子として、長径Lの分布が1μmから10μm、短径Rの分布が0.1μmから0.4μmである直鎖状ニッケル微粒子を用いた。また、絶縁性の熱硬化性樹脂としては、2種類のビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔(1)ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256、および(2)エピコート1004〕、ナフタレン型エポキシ樹脂〔(3)大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕を使用した。また、熱可塑性であるポリビニルブチラール樹脂〔(4)積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1〕を使用し、マイクロカプセル型潜在性硬化剤としては、(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕を使用し、これら(1)〜(5)を重量比で(1)35/(2)20/(3)25/(4)10/(5)30の割合で配合した。
【0085】
これらのエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂、および潜在性硬化剤を、セロソルブアセテートに溶解して、分散させた後、三本ロールによる混錬を行い、固形分が50重量%である溶液を作製した。この溶液に、固形分の総量(Ni粉末+樹脂)に占める割合で表される金属充填率が、0.05体積%となるように上記Ni粉末を添加した後、遠心攪拌ミキサーを用いて攪拌することによりNi粉末を均一に分散し、接着剤用の複合材料を作製した。次いで、この複合材料を離型処理したPETフィルム上にドクターナイフを用いて塗布した後、磁束密度100mTの磁場中、60℃で30分間、乾燥、固化させて、膜中の直鎖状粒子が磁場方向に配向した厚さ25μmのフィルム状の異方導電性をもつ異方導電性接着剤を作製した。この異方導電性接着剤の硬化後のガラス転移温度は115℃であった。
【0086】
(プリント配線板の作成)
幅150μm、長さ4mm、高さ18μmの銅電極である接着剤接続用電極が150μm間隔で30個配列されたフレキシブルプリント配線板を用意した。OSP処理により、接着剤接続用電極に、2−フェニル−4−メチル−5−ベンジルイミダゾールを含む酸化防止膜を形成した。その熱分解温度は310℃、平均膜厚は0.10μm、厚さ0.1μm以下となる領域の面積率は60%であった。
【0087】
(接合体の作製)
上記フレキシブルプリント配線板同士を、連続する30箇所の接続抵抗が測定可能なデイジーチェーンを形成するように対向させて配置するとともに、これらフレキシブルプリント配線板の間に作成した接着剤を挟み、190℃に加熱しながら、5MPaの圧力で15秒間加圧して接着させ、フレキシブルプリント配線板同士の接合体を得た。
(接続抵抗、接着強度の測定)
この接合体において、接着剤接続用電極、接着剤、および接着剤接続用電極を介して接続された連続する30箇所の抵抗値を四端子法により求め、求めた値を30で除することにより、接続された1箇所あたりの接続抵抗を求めた。接続抵抗が50mΩ以下の場合を、導電性を確保したものとして判断した。また、得られた接合体を電極方向に50mm/minの速度で90°剥離した際の接着強度を測定した。接着強度が300N/m以上の場合、良好な接着強度が得られたと判断した。
(半田リフロー処理後の接続抵抗、接着強度の測定)
次に、半田リフロー槽内において、ピーク温度を260℃とした半田リフロー処理を施した後、前記と同様に接続抵抗、接着強度を測定した。
(接続信頼性評価)
上記のように作成した接続体を、85℃、85%RH高温高湿槽中に500hr静置した後、上記と同様に、接続抵抗を測定した。そして、接続抵抗の上昇率が50%以下の場合を、接続信頼性が良好と判断した。
【0088】
(実施例2)
酸化防止膜の平均膜厚を0.60μm、厚さ0.1μm以下となる領域の面積率を2%としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレキシブルプリント配線板同士の接合体を得た。その後、実施例1と同一条件で、接続抵抗評価及び接続信頼性評価を行った。
【0089】
(比較例1)
接着剤の配合を重量比で(1)35/(2)20/(3)0/(4)20/(5)5の割合としたこと以外は実施例1と同様にして、フレキシブルプリント配線板同士の接合体を得た。接着剤の硬化後のガラス転移温度は80℃であった。
【0090】
(熱分解温度測定)
熱分解温度は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry:DSC)を用いて測定した。10℃/minの速度で昇温した際の発熱開始温度を熱分解温度とする。
(膜厚測定)
酸化防止膜が形成された接着剤接続用電極の断面を観察する。0.2μm間隔で膜厚を測定し、平均膜厚0.1μm以下の領域の面積率を算出する。
(接着剤のガラス転移温度測定)
接着剤のガラス転移温度は、接着剤を完全に硬化させた後、動的粘弾性測定装置を用いて測定した。10℃/minの昇温速度で1Hzの周波数で測定した際にtanδが最大値をとる温度をガラス転移温度とする。
【0091】
【表1】

【0092】
上記表1は、実施例1、2および比較例の接続抵抗、接着強度および接続信頼性の評価結果を示している。
表1に示すように、実施例1、2のいずれの場合においても、初期接続抵抗が50mΩ以下であり、接続抵抗は十分小さく良好である。また、実施例1、2では、抵抗上昇率が50%以下であるので、接続信頼性も良好であることがわかる。
また、実施例1では、半田リフロー処理前の接続抵抗R=42(mΩ)で、接着剤の接着強度F=620(N/m)であり、半田リフロー処理後の接続抵抗R=43(mΩ)、接着剤の接着強度F=600(N/m)であるから、上述の関係式(1)、(2)
=43<1.2×R=1.2×42=50.4 (1)
=600>0.8×F=0.8×620=496 (2)
を満足している。
同様に、実施例2では、半田リフロー処理前の接続抵抗R=43(mΩ)で、接着剤の接着強度F=680(N/m)であり、半田リフロー処理後の接続抵抗R=45(mΩ)、接着剤の接着強度F=650(N/m)であるから、上述の関係式(1)、(2)
=45<1.2×R=1.2×43=51.6 (1)
=650>0.8×F=0.8×680=544 (2)
を満足している。
つまり、実施例1、2の場合、接続抵抗の増大が所定範囲内に収まるように行われている。
【0093】
一方、比較例1では、初期接続抵抗は高めではあるが導電性は何とか確保できている。しかし、半田リフロー処理後には、接続抵抗が50(mΩ)を超えており、抵抗上昇率も∞(無限大)となっている。
また、比較例1では、半田リフロー処理前の接続抵抗R=49(mΩ)で、接着剤の接着強度F=320(N/m)であり、半田リフロー処理後の接続抵抗R=150(mΩ)、接着剤の接着強度F=120(N/m)であるから、
=150>1.2×R=1.2×49=58.8
=120<0.8×F=0.8×320=256
となって、上述の関係式(1)、(2)を満足していない。つまり、比較例1の場合、接続抵抗の増大が所定範囲内に収まるように行われていない。
この原因は、半田リフロー処理の際に、接着剤の接着強度が320(N/m)から120(N/m)に低下した、即ち、接着剤の締め付け力が緩んだことで、導電性粒子による導通性が悪化したことによると考えられる。つまり、上記関係式(1)、(2)を満足することができないような接着剤の配合となっていることで、接続信頼性の悪化を招いていることがわかる。
さらに、実施例1、2を比較すると、接続抵抗、抵抗上昇率共に、ほぼ同等である。従って、実施例2のごとく、平均膜厚を0.5μm以上とし、かつ、膜厚が0.1μm以下となる領域の面積率を小さくしても、上記関係式(1)、(2)が成り立つような接着剤の配合とすることにより、接続信頼性が高くなることがわかる。
【0094】
上記開示された本発明の実施の形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の電極構造、配線体および接着剤接続構造は、携帯電話機の他、デジタルカメラ、ビデオカメラ等のカメラ、ポータブルオーディオプレーヤ、ポータブルDVDプレーヤ、ポータブルノートパソコンなどの電子機器内に配置される部材の電極構造や、接続構造に利用することができる。また、本発明の離型シート体は、FPCの他、リジッドプリント配線板(PCB)等の各種配線板や、各種電子部品の接続に用いることができる。
【符号の説明】
【0096】
10 FPC
11 ベースフィルム
12 接着剤接続用電極(被接続導体)
13 カバーレイ
15 有機膜
20 母基板
21 リジッド基板
22 接着剤接続用電極
25 有機膜
26 半田接続用電極
30 接着剤
31 樹脂組成物
36 導電性粒子
40 電子部品
41 チップ
42 チップ側電極(被半田接続導体)
50 半田層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤接続用電極および半田接続用電極が設けられた基材を準備する工程(a)と、前記基材上の接着剤接続用電極および半田接続用電極を、酸化防止膜で被覆する工程(b)と、前記工程(b)の後、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を介して前記接着剤接続用電極と被接続導体とを互いに接着させることにより電気的に接続する工程(c)と、前記工程(c)の後、非酸化性雰囲気中で半田リフロー処理することにより、前記半田接続用電極を被半田接続導体に接合する工程(d)と、を含む接続方法であって、
前記工程(b)では、前記酸化防止膜を、プリフラックス処理により0.05〜0.5μmからなる有機膜で形成すると共に、前記工程(c)では、前記熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を、導電性粒子を含有した異方導電性接着剤で構成し、これによって前記工程(c)においては接着剤接続用電極上の有機膜が前記接着剤の前記導電性粒子によって突き破られて導通がなされると共に前記工程(d)においては前記有機膜が分解されて半田接続による導通がなされるようにしたことを特徴とする、接続方法。
【請求項2】
請求項1に記載の接続方法において、
少なくとも一方の電極の表面に突起部を有する接着剤接続用電極を用いる、接続方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の接続方法において、
前記工程(c)の後で前記工程(d)の前での前記接着剤接続用電極−被接続導体間における接続抵抗をR、接着強度をFとし、
前記工程(d)の後での前記接着剤接続用電極−被接続導体間における接続抵抗をR、接着強度をFとしたとき、
下記関係式(1)、(2)
<1.2×R (1)
>0.8×F (2)
が成立するように行う、接続方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の接続方法において、
前記接続剤に用いられる熱硬化性樹脂として、硬化後におけるガラス転移温度が100℃以上の樹脂材料を用いる、接続方法。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の接続方法において、
前記導電性粒子のアスペクト比が5以上である、接続方法。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の接続方法において、
前記接着剤として、フィルム形状を有するものを用いる、接続方法。
【請求項7】
請求項6に記載の接続方法において、
前記接着剤として、前記導電性粒子の長径方向を、前記フィルム形状を有する接着剤の厚み方向に配向させたものを用いる、接続方法。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の接続方法において、
前記工程(a)では、前記基材として、フレキシブルプリント配線板を準備する、接続方法。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の接続方法を用いて形成された接続構造。
【請求項10】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の接続方法を用いて組み立てられた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−166174(P2011−166174A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113499(P2011−113499)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【分割の表示】特願2009−135872(P2009−135872)の分割
【原出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】