携帯型音出力装置、コンピュータプログラムおよび記録媒体
【課題】簡単な操作で音を出力できる携帯型音出力装置を提供する。
【解決手段】携帯サイズの筐体10に、4種類のコードを指定可能な操作スイッチ121と、タッチセンサパネル兼用のディスプレイ11とを形成する。メモリカード20には、実楽器が奏でる音特性を有する音を出力させるための音データファイル及び音の組み合わせであるコードを表すコードデータファイルが記録されている。ディスプレイ11には、タッチセンサとして機能する6本の弦画像が表示される。操作スイッチ121によりコードが指定されて各弦画像に当該コードによる音が設定される。音出力装置は、操作スイッチ121でコードが指定され、弦画像がタッチ操作されると、当該コードで当該弦画像に設定される音を、音出力機構から出力させる。
【解決手段】携帯サイズの筐体10に、4種類のコードを指定可能な操作スイッチ121と、タッチセンサパネル兼用のディスプレイ11とを形成する。メモリカード20には、実楽器が奏でる音特性を有する音を出力させるための音データファイル及び音の組み合わせであるコードを表すコードデータファイルが記録されている。ディスプレイ11には、タッチセンサとして機能する6本の弦画像が表示される。操作スイッチ121によりコードが指定されて各弦画像に当該コードによる音が設定される。音出力装置は、操作スイッチ121でコードが指定され、弦画像がタッチ操作されると、当該コードで当該弦画像に設定される音を、音出力機構から出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばギター、ピアノ等のような実楽器(アコースティック楽器)を、操作者主導で操作することでシミュレートする携帯型音出力装置、および、その関連品に関する。
【背景技術】
【0002】
音処理その他の情報処理技術の発達により、実楽器で奏でられる音を電子的手段により出力する電子楽器装置が実現されている。この種の電子楽器装置は、例えば、実楽器を模した形状の筐体に、複数のセンサ、音出力ユニットおよび制御ユニットを設けて構成される。センサは、操作者が操作する部位に設けられ、操作者がある操作を行ったことを検知したときに所定のデータを出力する。制御ユニットには、楽音出力用のプログラムおよびデータが格納されており、センサ出力に応じた音源データを生成し、これをスピーカを含む音出力ユニットから出力させる。
【0003】
電子楽器装置の中には、発光素子又はディスプレイ等の表示ユニットを備えたものもある。このような電子楽器装置では、表示ユニットに操作の手順を逐次表示し、操作者がその手順に従う操作入力を行うことにより、実楽器と同様の楽音を出力させる。電子楽器装置の中には、さらに、いわゆる「カラオケ」のように、歌詞の表示を伴うものもある。すなわち、装置内のメモリに、操作者が操作すべき操作内容を表す操作指示データとリンクした歌詞データを保存しておき、歌詞データを表示ユニットに表示させる際に操作指示データを併せて表示することにより、歌詞表示と操作指示内容とを連動させている。
上記例に示されるとおり、従来の電子楽器装置は、高価な実楽器ないしカラオケに代わって、楽音を低廉に出力できるという利点がある。また、これらの電子楽器装置は、装置固有の操作手順さえ覚えてしまえば、実楽器を弾けない者でも、簡単に演奏操作できるようになるという利点もある。
【0004】
本願発明者は、電子楽器装置の一例として、特許文献1に示すような携帯型音出力装置を提案した。特許文献1の携帯型音出力装置では、熟練の程度に関わらず、操作者が、任意の場所で、自分のペースで自由かつ簡単な操作によりギター、ピアノ等のような実楽器で奏でられる和音を出力する。これにより、実楽器の操作が未熟であっても、弾き語りを可能にしたり、あるいは、大勢の仲間が集まって合唱するときの伴奏を、操作者主導で行うことができる。
特許文献2には、実楽器の一部を模した画像を表示画面に表示しておき、表示画面に表示された実楽器の一部の画像を操作者が演奏しているように操作することで、操作者による実楽器のシミュレートを行うサウンド処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開番号WO2008/004690
【特許文献2】特願2007−206556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、和音を出力するものなので、例えばギターの弦毎の操作、ピアノの各鍵の操作といった、一音を出力することには向いていない。
特許文献2は、ギターの6本弦を模した画像により各弦の音を出力可能としており、一音の出力を可能にしている。和音については、操作者が複数の弦を一度の動作で操作することにより実現している。特許文献2のサウンド処理装置は、ボタン操作でコードを決め、スタイラスペンにより弦の画像をタッチ操作することで、当該弦に対応する音が出力される点で、実際のギターと操作が同じである。このようなサウンド処理装置では、熟練者であれば弦を1本毎に弾き分けることも容易であるが、コードに無関係の弦を弾くこともあり初心者には困難である。
【0007】
本発明は、熟練度にかかわらず、実楽器と同様の音の出力を容易に行える携帯型音出力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の音出力装置は、操作者が片手で把持可能な携帯サイズの筐体を有し、該筐体には、それぞれ前記操作者が一方の片手指で選択可能な複数の操作子と、それぞれ実楽器を構成する楽器要素と対応付けられ、前記操作者が他方の片手指で直接又は間接にタッチ操作可能な複数のタッチセンサが形成されたディスプレイと、音を出力するための音出力機構と、所定のデータメモリへのアクセスが可能な制御機構とが設けられている。前記データメモリには、前記楽器要素が奏でる音特性を有する音を前記音出力機構から出力させるための音データファイルが当該音を識別するための音データIDと関連付けられて複数記録され、さらに、前記音データIDにより識別される1又は複数の音を組み合わせたコードを表現するためのコードデータファイルが当該コードを識別するためのコードIDと関連付けられて複数記録されており、前記複数の操作子の各々には、いずれかの前記コードIDが割り当てられている。
【0009】
前記制御機構は、具体的には、操作者がどの操作子を選択し、その選択をいつ解除したかを検出する操作子選択状況検出手段と、前記複数のタッチセンサの各々へのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む前記操作者による操作内容を検出する操作内容検出手段と、前記操作子選択状況検出手段で検出された操作子に割り当てられている前記コードIDをもとに前記コードファイルを特定し、特定されたコードファイルに関連付けられている音データIDから1以上の音データファイルを特定して、特定された音データファイルを当該操作子が選択されている間だけ前記データメモリから読み出して前記音出力機構に供給するとともに、前記特定された音データファイルに関連付けられている音データIDを前記複数のタッチセンサの少なくとも1つに割り当て、割り当てられた音データIDにより識別される音を、前記操作内容検出手段が検出したタッチセンサの操作内容と連動する表現態様で、前記音出力機構から出力させるための制御を行う音出力制御手段と、を備えるものである。
【0010】
このような本発明の音出力装置では、複数のタッチセンサの各々に、操作子で選択されたコードに応じて、適宜、音データIDが割り当てられる。選択されるコードによっては、音の組み合わせがタッチセンサの数よりも少なく、複数のタッチセンサのすべてを用いることが無い。このような場合には、コードに応じて必要なタッチセンサにしか音データIDが割り当てられず、不要なタッチセンサには音データIDが割り当てられない。不要なタッチセンサは、音データIDが割り当てられないために、誤って操作しても特許文献2に開示されるサウンド処理装置のように音が出力されることはない。そのために、熟練度にかかわらず、実楽器と同様の音の出力を容易に行うことができるようになる。
【0011】
この音出力装置において、前記音出力制御手段は、例えば、前記操作内容検出手段が所定時間内に2以上のタッチセンサへの操作内容を検出した場合に、後に操作内容が検出されたタッチセンサに割り当てられた音データIDで識別される音ほど、その前に識別された音よりも減衰したレベルで前記音出力機構から出力させる。このような構成では、タッチセンサ毎の音の出力を可能にしつつ、和音の出力を現実のギターで和音を出力する際と同様の音の態様で出力することができる。
【0012】
ある実施の態様では、前記制御機構は、例えば前記データメモリに、個々の前記楽器要素の状態を表す状態画像を表現するための楽器要素画像ファイルが記録されている場合に、前記ディスプレイの所定領域に状態画像領域を形成するとともに、前記楽器要素画像ファイルを読み出して、前記音出力機構から出力させる音の音データIDが割り当てられたすべてのタッチセンサに対応する状態画像を前記ディスプレイの前記状態画像領域に同時に表示させ、表示中の状態画像を、前記音出力機構から出力される音の表現態様に応じて変化させる状態画像表示制御手段をさらに備える。このような構成では、タッチセンサの操作が行われていることを視覚的に確認できる。
また、前記制御機構は、例えば前記データメモリに、前記複数のタッチセンサのうち、どのタッチセンサをどのタイミングでどのように操作すべきかを指示する指示画像を表現するための指示画像ファイルが記録されている場合に、前記ディスプレイの所定領域に指示画像領域を形成するとともに、前記指示画像ファイルを読み出して前記指示画像を表示させ、表示中の指示画像が表すタッチセンサへの操作内容が正しく操作されたかどうかを前記操作子選択状況検出手段および前記操作内容検出手段による検出結果に基づいて判定し、正しく検出されたときは前記指示画像の内容を変化させる指示画像表示制御手段をさらに備える。このような構成では、初心者であっても音出力装置を、より簡単に、正しく操作することが可能である。
前記状態画像は、例えば弦楽器を構成する複数の弦の各々について、静止している初期状態及び弾かれたときの振動状態を表す画像であり、前記指示画像は、例えば弦毎に表現されるものである。
【0013】
本発明は、操作者が片手で把持可能な携帯サイズの筐体に搭載されたコンピュータを携帯型音出力装置として動作させるためのコンピュータプログラムを提供する。前記筐体には、それぞれ前記操作者が一方の片手指で選択可能な複数の操作子と、それぞれ実楽器を構成する楽器要素と対応付けられ、前記操作者が他方の片手指で直接又は間接にタッチ操作可能な複数のタッチセンサが形成されたディスプレイと、音を出力するための音出力機構と、所定のデータメモリへのアクセスが可能な制御機構とが設けられており、前記データメモリには、前記楽器要素が奏でる音特性の音を前記音出力機構から出力させるための音データファイルが当該音を識別するための音データIDと関連付けられて複数記録され、さらに、前記音データIDにより識別される1又は複数の音を組み合わせたコードを表現するためのコードデータファイルが当該コードを識別するためのコードIDと関連付けられて複数記録されている。
このようなものにおいて、本発明のコンピュータプログラムは、前記コンピュータを、前記複数の操作子の各々に、いずれかの前記コードIDを割り当てる割当手段、操作者がどの操作子を選択し、その選択を何時解除したかを検出する操作子選択状況検出手段、いずれかの前記タッチセンサへのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む操作内容を検出する操作内容検出手段、選択されたことが検出された操作子に割り当てられている前記コードIDをもとにコードファイルを特定し、特定したコードファイルに関連付けられた音データIDから1以上の音データファイルを特定し、特定した音データファイルを当該操作子が選択されている間だけ前記データメモリから読み出して前記音出力機構に供給すると共に、特定した音データファイルに関連付けられた音データIDを前記複数のタッチセンサの各々に割り当て、割り当てた音データIDで識別される音を、検出された操作内容と連動する態様で、前記音出力機構から出力させる音出力制御手段、として機能させるものである。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の音出力装置の実施形態例を示す構造説明図であり、(a)は正面図、(b)は上底面図、(c)は下底面図である。
【図2】筐体の内部構成図と各種部品の接続状態図。
【図3】(a)は初期振動画像、(b)、(c)は振動画像の例。
【図4】コード画像の一例を示す表示画面。
【図5】コード選択時の振動画像の一例を示す表示画面。
【図6】コードIDとコードデータファイルの関係を示すテーブルの例示図。
【図7】コード選択画面の一例を示す表示画面。
【図8】コード選択画面の一例を示す表示画面。
【図9】楽曲画像の一例を示す表示画面。
【図10】楽曲画面表示時の振動画像の一例を示す表示画面。
【図11】楽曲画面表示時の振動画像の一例を示す表示画面。
【図12】初期表示画像の一例を示す表示画面。
【図13】自由演奏モードでの手順説明図。
【図14】楽曲演奏モードでの手順説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を、ギターの音を出力する音出力装置に適用した場合の実施形態例を説明する。
<全体構造>
図1は、この実施形態による音出力装置の構造説明図である。(a)は正面図、(b)は上底面図、(c)は下底面図である。この音出力装置は、片手で把持可能なサイズの筐体10を有し、この筐体10内にメモリカード20を離脱自在に収容できるように構成される。
【0016】
筐体10のほぼ中央部には、タッチセンサパネルを兼ねるディスプレイ11が設けられている。ディスプレイ11(タッチセンサパネル)は、例えばLCD (Liquid Crystal Display) あるいはEL(Electronic Luminescence)から成る表示パネルの表面をタッチセンサで覆ったものである。
ディスプレイ11の外縁部は筐体10の表面に対して多少窪んでおり、後述するスタイラスペンが、その外縁部に沿ってなぞれるようになっている。タッチセンサとしては、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)および静電容量結合式のいずれかの種類のものを用いることができる。ディスプレイ11は、タッチパネルの上面をスタイラスペンのペン先あるいは指(以下、「スタイラスペン等」という場合がある。)で、押圧したり、撫でたりしてタッチ操作することにより、スタイラスペン等によるタッチ開始時期、タッチ座標位置およびその変化を含む操作内容を後述する制御ユニットへ伝達する。
【0017】
筐体10の表面には、また、短辺方向の中心軸に対してほぼ左右対称となる部位に、操作スイッチ121,122が設けられており、さらに、音出力孔141,142が形成されている。操作スイッチ121は、ディジタルジョイスティックとして機能するもので、4つの操作子を有しており、操作者がこれらの操作子の1つを押圧操作することによって、押圧操作している間だけ最大4種類のデータを選択的に入力できるようになっている。すなわち、操作者がどの操作子を選択し始めてその選択を何時解除したかを、後述する制御ユニット40において検出できるようになっている。
操作スイッチ122は、ディジタルスイッチとして機能するもので、4つの操作接点を有しており、これらの4つの操作接点の1つを押圧操作することによって、最大4種類のデータの入力を許容する。
【0018】
本実施形態では、紙面に向かって左側の操作スイッチ121は、左手の親指で傾き押圧操作、すなわち中心部を起点として0度、90度、180度、270度の4つの方向のいずれかに傾けた状態で押圧操作する方向指示スイッチとして用い、他方、右側の操作スイッチ122は、右手親指で操作する動作モード、オプション機能その他の動作選択用スイッチとして用いる。右ききと左ききの操作者が存在することを考慮して、両スイッチ121,122は、それぞれ相互交換が可能になっている。
【0019】
なお、操作スイッチ121,122として、共にデジタルジョイスティックとして機能するものを用い、どちらの操作スイッチを方向指示スイッチにするか、あるいは動作選択スイッチにするかを任意に設定できるようにしても良い。また、操作スイッチ122は、必ずしも4つの操作接点を持たなくとも良く、2、8個等の接点を共用しても良い。
【0020】
音出力孔141の上方には電源スイッチ15が設けられており、音出力孔142の上方にはスタートスイッチ161とファンクションスイッチ162が設けられている。これらのスイッチ15,161,162には、例えばプッシュボタンを用いることができる。スタートスイッチ161は、動作開始(再開)したり、一時停止(Pause)したりするときに、操作者が押圧操作するものである。ファンクションスイッチ162は、各種設定画面、音出力のための操作画面等の表示内容選択等を行うときに押圧操作するものである。
【0021】
筐体10の上側面部には、短辺方向の中心軸に対してほぼ左右対称の部位に一対の拡張操作スイッチ131、132が設けられている。さらに、ほぼ中央部に、スタイラスペン30の収容空間とスタイラスペン30の係止部17が形成されている。拡張操作スイッチ131は、操作スイッチ121で指示可能な4つの方向のグループを、予め設定された他のグループに切り替えるためのものであり、操作者が左手で筐体10を把持したときに、左手の人差指又は中指で操作できる部位に配置されている。操作者が拡張操作スイッチ131を押したり、押さなかったりすることにより、左手だけの操作で最大で8の方向を指示入力することができる。拡張操作スイッチ132と操作スイッチ122も、上記と同じとなる。すなわち、拡張操作スイッチ132は、操作スイッチ122で選択可能な最大で4種類の選択内容のグループを別のグループに切り替えることができる。
【0022】
筐体10の下側面部には、メモリカード20の収容空間18と、音出力装置から出力する音データをスピーカが接続された外部増幅器に導くための外部出力端子19とが形成されている。
【0023】
<制御ユニット等>
本実施形態の音出力装置は、筐体10の内部に、コンピュータの一種である制御ユニット及びその周辺電子部品を備えている。
【0024】
図2は、筐体10の内部構成図と各種部品の接続状態を示している。
図2に示される制御ユニット40は、メモリカード20を離脱自在に収容するためのコネクタ41、メインプロセッサを含んで成るCPU(Central Processing Unit)コア42、キャッシュメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)43、音処理を実行するSPU(Sound Processing Unit) 44、画像処理を行う2つのGPU(Graphic Processor Unit)451,452、第1,第2画像領域11a,11bへの画像表示を可能にする表示コントローラ47、及び、I/O(Input/Output)インタフェース48が、内部バスB1を介して接続されている。
【0025】
SPU44およびGPU451,452は、例えばシングルチップASICで構成される。SPU44は、CPUコア42からのサウンドコマンドを受け取り、このサウンドコマンドに従って音処理を行う。「音処理」は、具体的には、2つの音出力ユニット241,242の各々で再生可能なステレオ音を出力するための情報処理である。GPU451,452は、CPUコア42からの描画コマンドを受け、その描画コマンドに従って画像データを生成する。CPUコア42は、描画コマンドに加えて、画像データの生成に必要な画像生成指示をGPU451,452のそれぞれに与える。CPUコア42から各GPU451,452への描画コマンドの内容は、場面によって様々に変化するので、これについては後述する。
【0026】
2つのGPU451,452には、それぞれ画像データを描画するためのVRAM(Video Random Access Memory)461,462が接続されている。VRAM461には、GPU451により、ディスプレイ11の第1表示領域11aに表示させる画像データが描画される。他方、VRAM462には、GPU452により、ディスプレイ11の第2表示領域11aに表示させる画像データが描画される。画像データの内容については、後述する。表示コントローラ47は、これらのVRAM461,462に描画されている画像データを読み出して所要の表示制御処理を行う。
【0027】
メモリカード20は、ROM(Read Only Memory)21およびEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)22を搭載している。EEPROMに代えて、フラッシュメモリその他の不揮発性メモリを用いることもできる。ROM21およびEEPROMRAM22は、互いにバス(図示省略)で接続されており、さらに、このバスが、制御ユニット40の内部バスB1とコネクタ41を介して接合される。これにより、CPUコア42、SPU44、GPU451、452は、メモリカード20のROM21およびEEPROM22に直接アクセスすることができる。
ROM21に記録される音データは、電子的に作成されたものではなく、いわゆる名手といわれる弾き手が実楽器であるギター等の弦を用いた楽器で実際に奏でた音を録音して成るデータファイルである。
【0028】
I/Oインタフェース48には、上述した各種スイッチ121,122,131,132,15,161,162からの押圧操作データと、ディスプレイ11からのタッチ操作データとが入力される。押圧操作データは、操作者がどのスイッチを押したかを表すデータであり、タッチ操作データは、操作者によるタッチ操作内容を表すデータである。各スイッチ121,122,131,132,15,161,162が操作されると、対応するデータがI/Oインタフェース48を介してCPUコア42に入力される。I/Oインタフェース48からは、音出力ユニット241,242へ音データが出力される。音データは、CPUコア42とSPU44との協働により生成される。音出力ユニット241,242は、この音データをアンプで増幅し、スピーカで再生する。
【0029】
メモリカード20のROM21には、各種画像データ、1以上の音からなるコード毎の各弦の音データおよび音出力用プログラムが記録されている。音出力用プログラムは、制御ユニット40を、音出力装置として動作させるための各種機能、例えば、操作者による操作子選択状況を検出する機能、タッチセンサへのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む操作内容を検出する機能、各弦に割り当てられている音をタッチセンサの操作内容と連動する態様で出力させる機能等を構築するものであり、CPUコア42により実行される。
【0030】
画像データは、大別して、楽器の状態を表す状態画像、例えば弦が振動している画像を表現するための振動画像データ、コード指示及び操作する弦を指示するためのコード画像データ、楽曲の演奏を補助するための楽曲画像データ、初期画像を表現するための初期表示画像データ並びに各種設定用画像データである。これらのデータについて説明する。
【0031】
振動画像データは、制御ユニット40により音出力ユニット241,242から音が出力されるときの弦の振動画像を表現するためのデータである。本例では、弦画像が6本用意されており、各弦画像が独立して振動する画像を表現する。図3(a)は弦画像が静止している初期状態を表す初期振動画像50である。この例では、左から第1〜第6弦が図示され、各弦画像は振動していない。図3(b)の振動画像51は、弦画像の振動状態を表しており、この例では、第2〜第4弦が振動し、他の弦が振動していない。振動しているときとしていないときとで弦画像の色が変化する。なお、出力される音の強度に合わせて「弱」、「中」、「強」の3種類の振幅値の振動画像を表現するようにしてもよい。
【0032】
弦の振動画像は、スタイラスペン30が所定の速度以上で弦画像をまたぐことにより弦画像のタッチ操作が検出されることで初期振動画像50から振動画像51に変化される。また、この他に、図3(c)に示すように弦画像が表示される表示領域をスタイラスペン30が、1回のタッチ操作で所定の速度(弦をまたぐ場合よりも速い速度)以上で所定の距離以上移動した場合も、弦画像のタッチ操作が行われたとして、弦の振動画像が変化する。
図3(c)の振動画像52の例では、弦画像の両側の点線で囲まれた領域内(以下、「弦画像の表示領域」という。)で、スタイラスペン30が移動することでタッチ操作が検出される。弦画像の表示領域内では、弦画像から遠くなるにつれてスタイラスペン30を速く移動させなければ弦画像のタッチ操作が検出されない。また弦画像の表示領域内では、例えば1回のタッチ操作で3mm以上スタイラスペン30が移動しなければタッチ操作として検出されない。
このように弦画像およびその表示領域が本発明のタッチセンサに相当する。
弦画像をまたぐことなく弦画像の表示領域をスタイラスペン30が移動するだけで弦の振動画像が表示されることで、弦画像をタッチ操作したつもりでも音が鳴らないといった操作者のストレスを回避することができる。また、スタイラスペン30が1回のタッチ操作で所定の距離以上移動しなければタッチ操作として検出されないので、不用意に弦画像の表示領域をスタイラスペン30で触れた場合に音が出力されることを防止できる。
【0033】
弦画像のタッチ操作は、CPUコア42がタッチ操作データからスタイラスペン30の移動した座標を検知して解析することで検出される。スタイラスペン30の移動速度は、1フレーム当たりのスタイラスペン30の移動距離から測定可能である。所定のフレームでスタイラスペン30がタッチするディスプレイ11上の座標と次のフレームでスタイラスペンがタッチするディスプレイ11上の座標とから1フレーム当たりのスタイラスペン30の移動距離が測定される。また、この移動距離をスタイラスペン30のタッチ開始時からタッチ終了時までを積算することで、1回のタッチ操作によるスタイラスペン30の移動距離を測定可能である。
【0034】
初期振動画像50および振動画像51、52は、後述する自由演奏モード、楽曲演奏モード、および録音モードが選択されたときに、ディスプレイ11に表示される。図3(b)、(c)において、矢印の方向は、ディスプレイ11をスタイラスペン30等でタッチ操作した方向を表している。なお、実際には、矢印は表示されない。
振動画像は、例えばGPU451によりVRAM461に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第1表示領域11aに表示される。
【0035】
コード画像データは、基本的なコードの組み合わせ毎或いは楽曲毎に用意される。ディスプレイ11の表示画面例を示した図4を参照すると、コード画像データによるコード指示画像は、操作スイッチ121の各操作子に割り当てられるコードを表している。この例では、操作スイッチ121の上部操作子から時計回りにAm、F、G、Cの各コードが割り当てられる。また、拡張操作スイッチ131または拡張操作スイッチ132を押下することで、操作スイッチ121の上部操作子から時計回りにC7m、Cm7、Em7、CM7の各コードに割り当てが変更される。操作子を押下することで、当該操作子に割り当てられたコードのコードIDがCPUコア42に入力される。
コード指示画像は、例えばGPU452によりVRAM462に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第2表示領域11bに表示される。
【0036】
操作子が押下されると、図5の例で示す振動画像のように、当該操作子に割り当てられたコードにより操作可能な弦画像が指示される。図5の例では、左の操作子が押下されてCコードのコードIDがCPUコア42に入力され、第2〜第6弦が操作可能な弦として、当該弦画像の表示領域が色付けされて指示される。CPUコア42では、操作可能とされた弦画像およびその表示領域へのタッチ操作のみを検出する。
図5の画像は、例えばGPU451によりVRAM461に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第1表示領域11aに表示される。
【0037】
各弦画像には、コードに応じて音が割り当てられる。コードIDがCPUコア24に送られると、CPUコア42は、当該コードIDに対応したコードデータファイルを読み出す。図6は、コードIDとコードデータファイルの関係を示すテーブルの例示図である。コードデータファイルは、コード毎に各弦画像の音を出力するための音データIDを含んでいる。音データIDは、所定の音を出力するための音データに関連付けられている。そのためにCPUコア42は、コードIDから各弦画像に音を割り当てることができる。各弦画像に割り当てられた音データは、SPU44に送られる。各弦画像に音が割り当てられた状態でスタイラスペン30によるタッチ操作が行われることで、CPUコア42がタッチ操作を解析し、タッチ操作が行われた弦画像に割り当てられた音の音データを音処理するようにSPU44にサウンドコマンドを送信する。SPU44は、サウンドコマンドに従って音データを音処理することで、タッチ操作が行われた弦画像に割り当てられた音を音出力ユニット241,242から出力させる。
【0038】
図7、8に示すコード選択画面により各操作子に割り当てられるコードが変更可能である。コード選択画面には、基本的なコードの組み合わせを表示するための「Basic」タグ、楽曲毎のコードの組み合わせ表示するための「Song」タグ、操作者が自身で表示するコードを編集可能な「Custom」タグがあり、これらのタグを選択して、コードの選択が行われる。この選択により操作スイッチ121の各操作子に割り当てられるコードを変更する。各種スイッチ121,122,161,162の押下またはスタイラスペン30によるタッチ操作を検知したCPUコア42が、操作子に割り当てられるコードを変更し、GPU451,452によりコード選択画面を表示させる。
【0039】
楽曲画像データは、楽曲毎に用意される。ディスプレイ11の表示画面例を示した図9を参照すると、楽曲画像データによる楽曲画像には、例えば、曲の進行グラフ53上に音ガイダンス用の操作子及び操作対象となる弦画像を指示する指示画像54が表示されている。指示画像54の矢印が操作子を指示しており、楕円部分が操作対象の弦画像を指示している。指示画像54は、図9の上方から下方に一定のリズムで流れ、弦画像の操作タイミングを表すタイミング画像55内に指示画像54が表示される。図9の例では、左の操作子が最初に指示され、次に上の操作子が指示される。
楽曲画像は、例えばGPU452によりVRAM462に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第2表示領域11bに表示される。
【0040】
楽曲画像データにより楽曲画像が表示されると、操作可能な弦画像の表示が曲の進行に応じて逐次変化する。例えば、図9の楽曲画像では、最初に左の操作子が指示されており、これに応じて操作者が左の操作子を押下することで、図10に示すように第2〜第4弦が操作可能になる。次いで、上の操作子が指示され、これに応じて操作者が上の操作子を押下することで、図11に示すように第1、第2弦が操作可能になる。
操作者はタイミング画像55内に指示画像54が表示されるタイミングで、指示画像54で指示される操作子を押下して操作可能な弦画像にタッチ操作を行うことで、正しいコードでタイミングによる楽曲の演奏が可能になる。
図10,11の画像は、例えばGPU451によりVRAM461に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第1表示領域11aに表示される。
【0041】
初期表示画像データは、電源オン時にディスプレイ11上に初期表示画面を表示するためのデータである。図12は、本例の初期表示画面であるメニュー画像の例示図である。操作者は、メニュー画像により自由演奏モード、楽曲演奏モード、録音モード、設定モードの各モードが選択可能である。各モードの選択は、操作スイッチ121,122やスタイラスペン30によるタッチパネル操作により可能である。CPUコア42は、操作スイッチ121,122やタッチパネル操作により入力される押圧操作データやタッチ操作データに応じていずれかのモードによる処理を実行する。
【0042】
<音出力装置の動作>
次に、上記のように構成される音出力装置の動作について説明する。
音出力装置は、例えば、操作者が、左手で筐体10を把持し、左手指で操作スイッチ121等を操作(押す/離す)するとともに、右手でスタイラスペン30を持ち、あるいは、指を使って、ペン先又は指先でディスプレイ11へのタッチ操作することにより動作可能になる。
メモリカード20を筐体10に装着した状態で、操作者が電源スイッチ15をオンにすると、制御ユニット40(CPUコア42)は、メモリカード20のROM21にアクセスして音出力用プログラムの実行を開始する。制御ユニット40は、また、メモリカード20のROM21およびEEPROM22に記録されているデータ並びにテーブルの一部又は全部をRAM43にロードする。これにより、操作者が本装置を楽器として操作するための動作環境が構築される。
【0043】
電源オン直後、制御ユニット40は、ディスプレイ11に図12の初期表示画面を第1表示領域11aまたは第2表示領域11bに表示させる。初期表示画面から、自由演奏モード、楽曲演奏モード、録音モード、設定モードのいずれかを操作者がスタイラスペン30で選択すると、制御ユニット40は、初期表示画面を選択された動作モードの動作画面に切り替えて、各動作モード下での処理を行う。
【0044】
録音モードが選択された場合には、自由演奏モードまたは楽曲演奏モードで演奏された内容をメモリカード20のEEPROM22に録音することが可能になる。設定モードでは、ディスプレイ11の明るさの調整や、各種スイッチ、特に操作スイッチ121,122の機能を入れ替えるなどの、設定が可能である。操作スイッチ121,122の機能の入れ替えにより、右利き用、左利き用のどちらにも対応できる。
自由演奏モード、楽曲演奏モードにおける動作手順を説明する。
【0045】
<自由演奏モード>
自由演奏モードが選択された場合には、図13に示すような処理手順で操作者による自由演奏が行われる。
初期表示画面から操作者がスタイラスペン30により自由演奏モードを選択すると、制御ユニット40は、図4に示すコード指示画像を第2表示領域11bに表示させ、図3(a)の初期振動画像50を第1表示領域11aに表示させる(ステップS100)。この処理は、CPUコア42が自由演奏モードを選択するタッチ操作データをタッチパネルから入力されることで行われる。タッチ操作データが入力された後、CPUコア42からGPU451に描画コマンドと画像データとを送出することで各画像が表示される。コード指示画像で表示される操作子の各コードは、初期設定されたものであり、図7,8に示すコード選択画面により操作者が自由に変更することができる。各コードは、この例では操作スイッチ121の各操作子に割り当てられる。
【0046】
図7または図8のコード選択画面は、使用するコードの変更が指示された場合に、第1表示領域11aに表示される(ステップS110:Y、ステップS120)。コード変更の指示は、例えばコードが割り当てられていない操作スイッチ122の押下や、ディスプレイ11上にコード変更を指示するための領域を設け、当該領域をスタイラスペン30でタッチすることにより行われる。CPUコア42は、コードの変更を指示するタッチ操作データや押圧操作データにより、コード選択画面をGPU451を介して表示領域11aに表示させる。表示されたコード選択画面からスタイラスペン30等により操作者の所望のコードが選択される(ステップS130)。
【0047】
変更されたコード或いは初期設定のコードを指示するコード指示画像が表示されると、音出力装置は操作者による操作子の押下の検出待ち状態になる(ステップS140)。操作子が押下されると、当該操作子に割り当てられたコードのコードIDがCPUコア42に入力される。これによりCPUコア42は、操作子の押下を検出する。CPUコア42は、入力されたコードIDにより図6のテーブルを参照してコードデータファイルを読み出し、各弦画像に音データを割り当てる。SPU44は、これにより各弦画像の音データについて音処理可能になる。また、操作子が押下されると、当該操作子に割り当てられたコードに応じて、CPUコア42からGPU451に対して、操作可能な弦画像の色の変更が指示される。これにより、コード毎に操作可能な弦画像を視認できる(ステップS140:Y、ステップS150、ステップS160)。
【0048】
音出力装置は、音処理が可能な状態になると、操作者による弦画像に対するタッチ操作の検出待ち状態になる(ステップS170)。弦画像へのタッチ操作が検出されると、タッチ操作の内容に応じて音処理、音出力が行われる(ステップS170:Y、ステップS180)。タッチ操作は、弦画像の1本1本に対して行われる。CPUコア42は、タッチ操作された座標の遷移からスタイラスペン30の動きを検出して、どの弦画像に対してタッチ操作が行われたかを確認する。タッチ操作が行われた弦画像の情報を含むサウンドコマンドは、CPUコア42からSPU44に送られる。SPU44は、サウンドコマンドにより音処理する音データを決める。タッチ操作は、上記の通り、スタイラスペン30が、所定の速度以上で弦画像をまたぐ場合あるいは弦画像が表示される領域で弦画像をまたぐ際の速度以上の速度で移動した場合に、タッチ操作であると認識される。スタイラスペン30の移動速度により出力音の大きさが決まる。移動速度が速いほど音量を大きくして、実楽器としての自然なニュアンスを表現している。CPUコア42は、タッチ操作の内容からスタイラスペン30の移動速度を検出して、その結果に応じてSPU44に出力音の大きさの指示を行う。この指示もサウンドコマンドに含まれる。
【0049】
CPUコア42は、1回のタッチ操作で複数の弦画像が操作される場合、つまり連続してタッチ操作された弦画像を連続して確認した場合には、一連の操作(コードストローク)と見なして、後にタッチ操作された弦画像による出力音ほど減衰したレベルで出力するようにSPU44に指示する。例えば、CPUコア42は、SPU44に、最初にタッチ操作が行われた弦画像はスタイラスペン30のスピードに応じた音量で音出力させ、2番目の弦画像はスタイラスペン30のスピードに応じた音量よりも小さな音(例えば90%の音量)で音出力させ、3番目の弦画像はスタイラスペン30のスピードに応じた音量よりも更に小さな音(例えば80%)で音出力させるように指示する。なお、一連の操作とは、スタイラスペン30が一度もタッチパネルから離れることなく且つスタイラスペン30が同じ弦画像を所定時間内に2度以上タッチせずに、複数の弦画像をタッチ操作する場合を言う。
音出力後或いは音出力と同時に、タッチ操作された弦画像が振動する振動画像が表示される。複数の弦画像がタッチ操作される場合には、操作されたすべての弦画像の振動画像が表示される(ステップS190)。CPUコア42は、GPU451に対してタッチ操作が行われた弦画像の振動画像を表示するように指示する。
【0050】
CPUコア42は、音出力及びタッチ操作された弦画像の振動画像が表示された後に、操作子の押下の終了を検出すると、次に操作子が押下されるまで待機状態になる(ステップS200:Y)。操作子の押下が続く場合には、音出力のレベルがゼロになると、次に操作子が押下されるまで待機状態になる(ステップS200:N、ステップS210:Y)。次に操作子が押下されると、ステップS140に戻って処理が実行される。
このように自由演奏モードでは、操作者が自由にコードを選択して、自分のリズムで演奏することが可能である。コードを選択するとタッチ操作可能な弦画像も限定されるために、間違った弦画像を弾く可能性が低くなる。そのために、既存の曲の弾き語りが行えたり、また作曲の際の楽器として用いることができる。
【0051】
<楽曲演奏モード>
楽曲演奏モードが選択された場合には、図14に示すような処理手順で操作者による楽曲演奏が行われる。
初期表示画面から操作者がスタイラスペン30により楽曲演奏モードを選択すると、制御ユニット40は、まず、楽曲の選択画面をディスプレイ11に表示する(ステップS300)。
操作者は楽曲の選択画面により所望の楽曲の選択を行うことができる。選択画面により難易度が異なる複数の楽曲が選択可能になっている。また同じ曲であっても、演奏速度やタッチ操作の必要回数等により、難易度が設定されている。楽曲が選択されると、当該楽曲に対する楽曲画像が第2表示領域11bに表示され、図3(a)に示すような初期振動画像が第1表示領域11aに表示される(ステップS310)。CPUコア42は、選択された楽曲の楽曲画像及び初期振動画像の表示を指示する描画コマンドをGPU451,452に送る。GPU451,452は描画コマンドに応じて楽曲画像及び初期振動画像を表示する。
【0052】
楽曲画像では、指示画像54が曲の進行に合わせて進行グラフ53上を流れ、この流れる指示画像54にあわせて操作者が操作子を押下する。図10では、まず操作者が左の操作子を押下する(ステップS320:Y)。操作子が押下されると、当該押下された操作子に割り当てられたコードのコードIDがCPUコア42に入力される。これによりCPUコア42は操作子の押下を検出する。CPUコア42は、入力されたコードIDにより図6のテーブルを参照してコードデータファイルを読み出し、各弦画像に音データを割り当てる。SPU44は、これにより各弦画像の音データについて音処理可能になる。(ステップS330)。また、操作子が押下されると、当該操作子に割り当てられたコードに応じて、当該操作子に割り当てられたコードに応じて、CPUコア42からGPU451に対して、操作可能な弦画像の色の変更が指示される。これにより、コード毎に操作可能な弦画像を視認できる(ステップS340)。
【0053】
音出力装置は、音処理可能な状態になると、操作者によるタッチ操作の有無の検出待ち状態になる。タッチ操作は、タイミング画像55内に指示画像54が表示されるタイミングで、操作可能なすべての弦画像に対して行われた場合にのみ有効である(ステップS350)。タッチ操作が無かった場合には、次の操作子の押下を待機する状態になる(ステップS350:N、ステップS320)。タッチ操作が適切なタイミングで操作可能なすべての弦画像に行われた場合、楽曲に対して正確な音処理、音出力が行われる。また、弦画像が振動する画像が表示される(ステップS350:Y、ステップS360)。CPUコア42は、タッチ操作された座標の遷移からスタイラスペン30の動きを検出して、どの弦画像に対してタッチ操作が行われたかを確認する。その結果操作可能なすべての弦画像に対して適切なタイミングでタッチ操作が行われた場合に、SPU44に音出力を指示するサウンドコマンドを送る。SPU44は、サウンドコマンドにより音処理を行う。また、CPUコア42は、GPU451に対してタッチ操作が行われた弦画像の振動画像を表示するように指示する(ステップS370)。
【0054】
楽曲が終了しなければ(ステップS380:N)、CPUコア42は、音出力及びタッチ操作された弦画像が振動する画像が表示された後に、操作子の押下の終了を検出すると、次に操作子が押下されるまで待機状態になる(ステップS390:Y)。操作子の押下が続く場合には、音出力のレベルがゼロになると(ステップS390:N、ステップS400:Y)、次に操作子が押下されるまで待機状態になる。次に操作子が押下されると、ステップS320に戻って処理が実行される。
このように楽曲演奏モードでは、楽曲を正確に演奏することが可能である。特に、指示画像により指示されるコード以外は音が出ないために、リズムさえとれれば楽曲の演奏を間違えることはない。難易度を操作者が決めることが可能であるために、どのようなレベルの操作者であっても楽曲の演奏を楽しむことができる。また、正確なタッチ操作を競うゲーム装置として用いることも可能である。
なお、ステップS320、S350において、指示されたコード、タイミングで操作がなされない場合には、音出力をしなくてもよいが、敢えて、その間違ったコード、タイミングで間違った音を出力するようにしてもよい。
【0055】
本発明は、ギターのみならず、他の楽器、例えばピアノで弾かれる音色の音を出力する場合にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0056】
10…筐体、11…タッチセンサパネルを兼ねるディスプレイ、11a,11b…表示領域、121,122…操作スイッチ、131,132…拡張スイッチ、141,142…音出力孔、15…電源スイッチ、161…スタートスイッチ、162…ファンクションスイッチ、17…スタイラスペンの係止部、18…メモリカードの収容空間、19…外部出力端子、20…メモリカード、21…ROM、22…EEPROM、241,242…音出力ユニット、30…スタイラスペン、40…制御ユニット、41…コネクタ、42…CPUコア、43…RAM、44…SPU、451,452…GPU、461,462…VRAM、47…表示コントローラ、50〜52…振動画像、53…進行グラフ、54…指示画像、55…タイミング画像
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばギター、ピアノ等のような実楽器(アコースティック楽器)を、操作者主導で操作することでシミュレートする携帯型音出力装置、および、その関連品に関する。
【背景技術】
【0002】
音処理その他の情報処理技術の発達により、実楽器で奏でられる音を電子的手段により出力する電子楽器装置が実現されている。この種の電子楽器装置は、例えば、実楽器を模した形状の筐体に、複数のセンサ、音出力ユニットおよび制御ユニットを設けて構成される。センサは、操作者が操作する部位に設けられ、操作者がある操作を行ったことを検知したときに所定のデータを出力する。制御ユニットには、楽音出力用のプログラムおよびデータが格納されており、センサ出力に応じた音源データを生成し、これをスピーカを含む音出力ユニットから出力させる。
【0003】
電子楽器装置の中には、発光素子又はディスプレイ等の表示ユニットを備えたものもある。このような電子楽器装置では、表示ユニットに操作の手順を逐次表示し、操作者がその手順に従う操作入力を行うことにより、実楽器と同様の楽音を出力させる。電子楽器装置の中には、さらに、いわゆる「カラオケ」のように、歌詞の表示を伴うものもある。すなわち、装置内のメモリに、操作者が操作すべき操作内容を表す操作指示データとリンクした歌詞データを保存しておき、歌詞データを表示ユニットに表示させる際に操作指示データを併せて表示することにより、歌詞表示と操作指示内容とを連動させている。
上記例に示されるとおり、従来の電子楽器装置は、高価な実楽器ないしカラオケに代わって、楽音を低廉に出力できるという利点がある。また、これらの電子楽器装置は、装置固有の操作手順さえ覚えてしまえば、実楽器を弾けない者でも、簡単に演奏操作できるようになるという利点もある。
【0004】
本願発明者は、電子楽器装置の一例として、特許文献1に示すような携帯型音出力装置を提案した。特許文献1の携帯型音出力装置では、熟練の程度に関わらず、操作者が、任意の場所で、自分のペースで自由かつ簡単な操作によりギター、ピアノ等のような実楽器で奏でられる和音を出力する。これにより、実楽器の操作が未熟であっても、弾き語りを可能にしたり、あるいは、大勢の仲間が集まって合唱するときの伴奏を、操作者主導で行うことができる。
特許文献2には、実楽器の一部を模した画像を表示画面に表示しておき、表示画面に表示された実楽器の一部の画像を操作者が演奏しているように操作することで、操作者による実楽器のシミュレートを行うサウンド処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開番号WO2008/004690
【特許文献2】特願2007−206556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、和音を出力するものなので、例えばギターの弦毎の操作、ピアノの各鍵の操作といった、一音を出力することには向いていない。
特許文献2は、ギターの6本弦を模した画像により各弦の音を出力可能としており、一音の出力を可能にしている。和音については、操作者が複数の弦を一度の動作で操作することにより実現している。特許文献2のサウンド処理装置は、ボタン操作でコードを決め、スタイラスペンにより弦の画像をタッチ操作することで、当該弦に対応する音が出力される点で、実際のギターと操作が同じである。このようなサウンド処理装置では、熟練者であれば弦を1本毎に弾き分けることも容易であるが、コードに無関係の弦を弾くこともあり初心者には困難である。
【0007】
本発明は、熟練度にかかわらず、実楽器と同様の音の出力を容易に行える携帯型音出力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の音出力装置は、操作者が片手で把持可能な携帯サイズの筐体を有し、該筐体には、それぞれ前記操作者が一方の片手指で選択可能な複数の操作子と、それぞれ実楽器を構成する楽器要素と対応付けられ、前記操作者が他方の片手指で直接又は間接にタッチ操作可能な複数のタッチセンサが形成されたディスプレイと、音を出力するための音出力機構と、所定のデータメモリへのアクセスが可能な制御機構とが設けられている。前記データメモリには、前記楽器要素が奏でる音特性を有する音を前記音出力機構から出力させるための音データファイルが当該音を識別するための音データIDと関連付けられて複数記録され、さらに、前記音データIDにより識別される1又は複数の音を組み合わせたコードを表現するためのコードデータファイルが当該コードを識別するためのコードIDと関連付けられて複数記録されており、前記複数の操作子の各々には、いずれかの前記コードIDが割り当てられている。
【0009】
前記制御機構は、具体的には、操作者がどの操作子を選択し、その選択をいつ解除したかを検出する操作子選択状況検出手段と、前記複数のタッチセンサの各々へのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む前記操作者による操作内容を検出する操作内容検出手段と、前記操作子選択状況検出手段で検出された操作子に割り当てられている前記コードIDをもとに前記コードファイルを特定し、特定されたコードファイルに関連付けられている音データIDから1以上の音データファイルを特定して、特定された音データファイルを当該操作子が選択されている間だけ前記データメモリから読み出して前記音出力機構に供給するとともに、前記特定された音データファイルに関連付けられている音データIDを前記複数のタッチセンサの少なくとも1つに割り当て、割り当てられた音データIDにより識別される音を、前記操作内容検出手段が検出したタッチセンサの操作内容と連動する表現態様で、前記音出力機構から出力させるための制御を行う音出力制御手段と、を備えるものである。
【0010】
このような本発明の音出力装置では、複数のタッチセンサの各々に、操作子で選択されたコードに応じて、適宜、音データIDが割り当てられる。選択されるコードによっては、音の組み合わせがタッチセンサの数よりも少なく、複数のタッチセンサのすべてを用いることが無い。このような場合には、コードに応じて必要なタッチセンサにしか音データIDが割り当てられず、不要なタッチセンサには音データIDが割り当てられない。不要なタッチセンサは、音データIDが割り当てられないために、誤って操作しても特許文献2に開示されるサウンド処理装置のように音が出力されることはない。そのために、熟練度にかかわらず、実楽器と同様の音の出力を容易に行うことができるようになる。
【0011】
この音出力装置において、前記音出力制御手段は、例えば、前記操作内容検出手段が所定時間内に2以上のタッチセンサへの操作内容を検出した場合に、後に操作内容が検出されたタッチセンサに割り当てられた音データIDで識別される音ほど、その前に識別された音よりも減衰したレベルで前記音出力機構から出力させる。このような構成では、タッチセンサ毎の音の出力を可能にしつつ、和音の出力を現実のギターで和音を出力する際と同様の音の態様で出力することができる。
【0012】
ある実施の態様では、前記制御機構は、例えば前記データメモリに、個々の前記楽器要素の状態を表す状態画像を表現するための楽器要素画像ファイルが記録されている場合に、前記ディスプレイの所定領域に状態画像領域を形成するとともに、前記楽器要素画像ファイルを読み出して、前記音出力機構から出力させる音の音データIDが割り当てられたすべてのタッチセンサに対応する状態画像を前記ディスプレイの前記状態画像領域に同時に表示させ、表示中の状態画像を、前記音出力機構から出力される音の表現態様に応じて変化させる状態画像表示制御手段をさらに備える。このような構成では、タッチセンサの操作が行われていることを視覚的に確認できる。
また、前記制御機構は、例えば前記データメモリに、前記複数のタッチセンサのうち、どのタッチセンサをどのタイミングでどのように操作すべきかを指示する指示画像を表現するための指示画像ファイルが記録されている場合に、前記ディスプレイの所定領域に指示画像領域を形成するとともに、前記指示画像ファイルを読み出して前記指示画像を表示させ、表示中の指示画像が表すタッチセンサへの操作内容が正しく操作されたかどうかを前記操作子選択状況検出手段および前記操作内容検出手段による検出結果に基づいて判定し、正しく検出されたときは前記指示画像の内容を変化させる指示画像表示制御手段をさらに備える。このような構成では、初心者であっても音出力装置を、より簡単に、正しく操作することが可能である。
前記状態画像は、例えば弦楽器を構成する複数の弦の各々について、静止している初期状態及び弾かれたときの振動状態を表す画像であり、前記指示画像は、例えば弦毎に表現されるものである。
【0013】
本発明は、操作者が片手で把持可能な携帯サイズの筐体に搭載されたコンピュータを携帯型音出力装置として動作させるためのコンピュータプログラムを提供する。前記筐体には、それぞれ前記操作者が一方の片手指で選択可能な複数の操作子と、それぞれ実楽器を構成する楽器要素と対応付けられ、前記操作者が他方の片手指で直接又は間接にタッチ操作可能な複数のタッチセンサが形成されたディスプレイと、音を出力するための音出力機構と、所定のデータメモリへのアクセスが可能な制御機構とが設けられており、前記データメモリには、前記楽器要素が奏でる音特性の音を前記音出力機構から出力させるための音データファイルが当該音を識別するための音データIDと関連付けられて複数記録され、さらに、前記音データIDにより識別される1又は複数の音を組み合わせたコードを表現するためのコードデータファイルが当該コードを識別するためのコードIDと関連付けられて複数記録されている。
このようなものにおいて、本発明のコンピュータプログラムは、前記コンピュータを、前記複数の操作子の各々に、いずれかの前記コードIDを割り当てる割当手段、操作者がどの操作子を選択し、その選択を何時解除したかを検出する操作子選択状況検出手段、いずれかの前記タッチセンサへのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む操作内容を検出する操作内容検出手段、選択されたことが検出された操作子に割り当てられている前記コードIDをもとにコードファイルを特定し、特定したコードファイルに関連付けられた音データIDから1以上の音データファイルを特定し、特定した音データファイルを当該操作子が選択されている間だけ前記データメモリから読み出して前記音出力機構に供給すると共に、特定した音データファイルに関連付けられた音データIDを前記複数のタッチセンサの各々に割り当て、割り当てた音データIDで識別される音を、検出された操作内容と連動する態様で、前記音出力機構から出力させる音出力制御手段、として機能させるものである。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の音出力装置の実施形態例を示す構造説明図であり、(a)は正面図、(b)は上底面図、(c)は下底面図である。
【図2】筐体の内部構成図と各種部品の接続状態図。
【図3】(a)は初期振動画像、(b)、(c)は振動画像の例。
【図4】コード画像の一例を示す表示画面。
【図5】コード選択時の振動画像の一例を示す表示画面。
【図6】コードIDとコードデータファイルの関係を示すテーブルの例示図。
【図7】コード選択画面の一例を示す表示画面。
【図8】コード選択画面の一例を示す表示画面。
【図9】楽曲画像の一例を示す表示画面。
【図10】楽曲画面表示時の振動画像の一例を示す表示画面。
【図11】楽曲画面表示時の振動画像の一例を示す表示画面。
【図12】初期表示画像の一例を示す表示画面。
【図13】自由演奏モードでの手順説明図。
【図14】楽曲演奏モードでの手順説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を、ギターの音を出力する音出力装置に適用した場合の実施形態例を説明する。
<全体構造>
図1は、この実施形態による音出力装置の構造説明図である。(a)は正面図、(b)は上底面図、(c)は下底面図である。この音出力装置は、片手で把持可能なサイズの筐体10を有し、この筐体10内にメモリカード20を離脱自在に収容できるように構成される。
【0016】
筐体10のほぼ中央部には、タッチセンサパネルを兼ねるディスプレイ11が設けられている。ディスプレイ11(タッチセンサパネル)は、例えばLCD (Liquid Crystal Display) あるいはEL(Electronic Luminescence)から成る表示パネルの表面をタッチセンサで覆ったものである。
ディスプレイ11の外縁部は筐体10の表面に対して多少窪んでおり、後述するスタイラスペンが、その外縁部に沿ってなぞれるようになっている。タッチセンサとしては、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)および静電容量結合式のいずれかの種類のものを用いることができる。ディスプレイ11は、タッチパネルの上面をスタイラスペンのペン先あるいは指(以下、「スタイラスペン等」という場合がある。)で、押圧したり、撫でたりしてタッチ操作することにより、スタイラスペン等によるタッチ開始時期、タッチ座標位置およびその変化を含む操作内容を後述する制御ユニットへ伝達する。
【0017】
筐体10の表面には、また、短辺方向の中心軸に対してほぼ左右対称となる部位に、操作スイッチ121,122が設けられており、さらに、音出力孔141,142が形成されている。操作スイッチ121は、ディジタルジョイスティックとして機能するもので、4つの操作子を有しており、操作者がこれらの操作子の1つを押圧操作することによって、押圧操作している間だけ最大4種類のデータを選択的に入力できるようになっている。すなわち、操作者がどの操作子を選択し始めてその選択を何時解除したかを、後述する制御ユニット40において検出できるようになっている。
操作スイッチ122は、ディジタルスイッチとして機能するもので、4つの操作接点を有しており、これらの4つの操作接点の1つを押圧操作することによって、最大4種類のデータの入力を許容する。
【0018】
本実施形態では、紙面に向かって左側の操作スイッチ121は、左手の親指で傾き押圧操作、すなわち中心部を起点として0度、90度、180度、270度の4つの方向のいずれかに傾けた状態で押圧操作する方向指示スイッチとして用い、他方、右側の操作スイッチ122は、右手親指で操作する動作モード、オプション機能その他の動作選択用スイッチとして用いる。右ききと左ききの操作者が存在することを考慮して、両スイッチ121,122は、それぞれ相互交換が可能になっている。
【0019】
なお、操作スイッチ121,122として、共にデジタルジョイスティックとして機能するものを用い、どちらの操作スイッチを方向指示スイッチにするか、あるいは動作選択スイッチにするかを任意に設定できるようにしても良い。また、操作スイッチ122は、必ずしも4つの操作接点を持たなくとも良く、2、8個等の接点を共用しても良い。
【0020】
音出力孔141の上方には電源スイッチ15が設けられており、音出力孔142の上方にはスタートスイッチ161とファンクションスイッチ162が設けられている。これらのスイッチ15,161,162には、例えばプッシュボタンを用いることができる。スタートスイッチ161は、動作開始(再開)したり、一時停止(Pause)したりするときに、操作者が押圧操作するものである。ファンクションスイッチ162は、各種設定画面、音出力のための操作画面等の表示内容選択等を行うときに押圧操作するものである。
【0021】
筐体10の上側面部には、短辺方向の中心軸に対してほぼ左右対称の部位に一対の拡張操作スイッチ131、132が設けられている。さらに、ほぼ中央部に、スタイラスペン30の収容空間とスタイラスペン30の係止部17が形成されている。拡張操作スイッチ131は、操作スイッチ121で指示可能な4つの方向のグループを、予め設定された他のグループに切り替えるためのものであり、操作者が左手で筐体10を把持したときに、左手の人差指又は中指で操作できる部位に配置されている。操作者が拡張操作スイッチ131を押したり、押さなかったりすることにより、左手だけの操作で最大で8の方向を指示入力することができる。拡張操作スイッチ132と操作スイッチ122も、上記と同じとなる。すなわち、拡張操作スイッチ132は、操作スイッチ122で選択可能な最大で4種類の選択内容のグループを別のグループに切り替えることができる。
【0022】
筐体10の下側面部には、メモリカード20の収容空間18と、音出力装置から出力する音データをスピーカが接続された外部増幅器に導くための外部出力端子19とが形成されている。
【0023】
<制御ユニット等>
本実施形態の音出力装置は、筐体10の内部に、コンピュータの一種である制御ユニット及びその周辺電子部品を備えている。
【0024】
図2は、筐体10の内部構成図と各種部品の接続状態を示している。
図2に示される制御ユニット40は、メモリカード20を離脱自在に収容するためのコネクタ41、メインプロセッサを含んで成るCPU(Central Processing Unit)コア42、キャッシュメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)43、音処理を実行するSPU(Sound Processing Unit) 44、画像処理を行う2つのGPU(Graphic Processor Unit)451,452、第1,第2画像領域11a,11bへの画像表示を可能にする表示コントローラ47、及び、I/O(Input/Output)インタフェース48が、内部バスB1を介して接続されている。
【0025】
SPU44およびGPU451,452は、例えばシングルチップASICで構成される。SPU44は、CPUコア42からのサウンドコマンドを受け取り、このサウンドコマンドに従って音処理を行う。「音処理」は、具体的には、2つの音出力ユニット241,242の各々で再生可能なステレオ音を出力するための情報処理である。GPU451,452は、CPUコア42からの描画コマンドを受け、その描画コマンドに従って画像データを生成する。CPUコア42は、描画コマンドに加えて、画像データの生成に必要な画像生成指示をGPU451,452のそれぞれに与える。CPUコア42から各GPU451,452への描画コマンドの内容は、場面によって様々に変化するので、これについては後述する。
【0026】
2つのGPU451,452には、それぞれ画像データを描画するためのVRAM(Video Random Access Memory)461,462が接続されている。VRAM461には、GPU451により、ディスプレイ11の第1表示領域11aに表示させる画像データが描画される。他方、VRAM462には、GPU452により、ディスプレイ11の第2表示領域11aに表示させる画像データが描画される。画像データの内容については、後述する。表示コントローラ47は、これらのVRAM461,462に描画されている画像データを読み出して所要の表示制御処理を行う。
【0027】
メモリカード20は、ROM(Read Only Memory)21およびEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)22を搭載している。EEPROMに代えて、フラッシュメモリその他の不揮発性メモリを用いることもできる。ROM21およびEEPROMRAM22は、互いにバス(図示省略)で接続されており、さらに、このバスが、制御ユニット40の内部バスB1とコネクタ41を介して接合される。これにより、CPUコア42、SPU44、GPU451、452は、メモリカード20のROM21およびEEPROM22に直接アクセスすることができる。
ROM21に記録される音データは、電子的に作成されたものではなく、いわゆる名手といわれる弾き手が実楽器であるギター等の弦を用いた楽器で実際に奏でた音を録音して成るデータファイルである。
【0028】
I/Oインタフェース48には、上述した各種スイッチ121,122,131,132,15,161,162からの押圧操作データと、ディスプレイ11からのタッチ操作データとが入力される。押圧操作データは、操作者がどのスイッチを押したかを表すデータであり、タッチ操作データは、操作者によるタッチ操作内容を表すデータである。各スイッチ121,122,131,132,15,161,162が操作されると、対応するデータがI/Oインタフェース48を介してCPUコア42に入力される。I/Oインタフェース48からは、音出力ユニット241,242へ音データが出力される。音データは、CPUコア42とSPU44との協働により生成される。音出力ユニット241,242は、この音データをアンプで増幅し、スピーカで再生する。
【0029】
メモリカード20のROM21には、各種画像データ、1以上の音からなるコード毎の各弦の音データおよび音出力用プログラムが記録されている。音出力用プログラムは、制御ユニット40を、音出力装置として動作させるための各種機能、例えば、操作者による操作子選択状況を検出する機能、タッチセンサへのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む操作内容を検出する機能、各弦に割り当てられている音をタッチセンサの操作内容と連動する態様で出力させる機能等を構築するものであり、CPUコア42により実行される。
【0030】
画像データは、大別して、楽器の状態を表す状態画像、例えば弦が振動している画像を表現するための振動画像データ、コード指示及び操作する弦を指示するためのコード画像データ、楽曲の演奏を補助するための楽曲画像データ、初期画像を表現するための初期表示画像データ並びに各種設定用画像データである。これらのデータについて説明する。
【0031】
振動画像データは、制御ユニット40により音出力ユニット241,242から音が出力されるときの弦の振動画像を表現するためのデータである。本例では、弦画像が6本用意されており、各弦画像が独立して振動する画像を表現する。図3(a)は弦画像が静止している初期状態を表す初期振動画像50である。この例では、左から第1〜第6弦が図示され、各弦画像は振動していない。図3(b)の振動画像51は、弦画像の振動状態を表しており、この例では、第2〜第4弦が振動し、他の弦が振動していない。振動しているときとしていないときとで弦画像の色が変化する。なお、出力される音の強度に合わせて「弱」、「中」、「強」の3種類の振幅値の振動画像を表現するようにしてもよい。
【0032】
弦の振動画像は、スタイラスペン30が所定の速度以上で弦画像をまたぐことにより弦画像のタッチ操作が検出されることで初期振動画像50から振動画像51に変化される。また、この他に、図3(c)に示すように弦画像が表示される表示領域をスタイラスペン30が、1回のタッチ操作で所定の速度(弦をまたぐ場合よりも速い速度)以上で所定の距離以上移動した場合も、弦画像のタッチ操作が行われたとして、弦の振動画像が変化する。
図3(c)の振動画像52の例では、弦画像の両側の点線で囲まれた領域内(以下、「弦画像の表示領域」という。)で、スタイラスペン30が移動することでタッチ操作が検出される。弦画像の表示領域内では、弦画像から遠くなるにつれてスタイラスペン30を速く移動させなければ弦画像のタッチ操作が検出されない。また弦画像の表示領域内では、例えば1回のタッチ操作で3mm以上スタイラスペン30が移動しなければタッチ操作として検出されない。
このように弦画像およびその表示領域が本発明のタッチセンサに相当する。
弦画像をまたぐことなく弦画像の表示領域をスタイラスペン30が移動するだけで弦の振動画像が表示されることで、弦画像をタッチ操作したつもりでも音が鳴らないといった操作者のストレスを回避することができる。また、スタイラスペン30が1回のタッチ操作で所定の距離以上移動しなければタッチ操作として検出されないので、不用意に弦画像の表示領域をスタイラスペン30で触れた場合に音が出力されることを防止できる。
【0033】
弦画像のタッチ操作は、CPUコア42がタッチ操作データからスタイラスペン30の移動した座標を検知して解析することで検出される。スタイラスペン30の移動速度は、1フレーム当たりのスタイラスペン30の移動距離から測定可能である。所定のフレームでスタイラスペン30がタッチするディスプレイ11上の座標と次のフレームでスタイラスペンがタッチするディスプレイ11上の座標とから1フレーム当たりのスタイラスペン30の移動距離が測定される。また、この移動距離をスタイラスペン30のタッチ開始時からタッチ終了時までを積算することで、1回のタッチ操作によるスタイラスペン30の移動距離を測定可能である。
【0034】
初期振動画像50および振動画像51、52は、後述する自由演奏モード、楽曲演奏モード、および録音モードが選択されたときに、ディスプレイ11に表示される。図3(b)、(c)において、矢印の方向は、ディスプレイ11をスタイラスペン30等でタッチ操作した方向を表している。なお、実際には、矢印は表示されない。
振動画像は、例えばGPU451によりVRAM461に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第1表示領域11aに表示される。
【0035】
コード画像データは、基本的なコードの組み合わせ毎或いは楽曲毎に用意される。ディスプレイ11の表示画面例を示した図4を参照すると、コード画像データによるコード指示画像は、操作スイッチ121の各操作子に割り当てられるコードを表している。この例では、操作スイッチ121の上部操作子から時計回りにAm、F、G、Cの各コードが割り当てられる。また、拡張操作スイッチ131または拡張操作スイッチ132を押下することで、操作スイッチ121の上部操作子から時計回りにC7m、Cm7、Em7、CM7の各コードに割り当てが変更される。操作子を押下することで、当該操作子に割り当てられたコードのコードIDがCPUコア42に入力される。
コード指示画像は、例えばGPU452によりVRAM462に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第2表示領域11bに表示される。
【0036】
操作子が押下されると、図5の例で示す振動画像のように、当該操作子に割り当てられたコードにより操作可能な弦画像が指示される。図5の例では、左の操作子が押下されてCコードのコードIDがCPUコア42に入力され、第2〜第6弦が操作可能な弦として、当該弦画像の表示領域が色付けされて指示される。CPUコア42では、操作可能とされた弦画像およびその表示領域へのタッチ操作のみを検出する。
図5の画像は、例えばGPU451によりVRAM461に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第1表示領域11aに表示される。
【0037】
各弦画像には、コードに応じて音が割り当てられる。コードIDがCPUコア24に送られると、CPUコア42は、当該コードIDに対応したコードデータファイルを読み出す。図6は、コードIDとコードデータファイルの関係を示すテーブルの例示図である。コードデータファイルは、コード毎に各弦画像の音を出力するための音データIDを含んでいる。音データIDは、所定の音を出力するための音データに関連付けられている。そのためにCPUコア42は、コードIDから各弦画像に音を割り当てることができる。各弦画像に割り当てられた音データは、SPU44に送られる。各弦画像に音が割り当てられた状態でスタイラスペン30によるタッチ操作が行われることで、CPUコア42がタッチ操作を解析し、タッチ操作が行われた弦画像に割り当てられた音の音データを音処理するようにSPU44にサウンドコマンドを送信する。SPU44は、サウンドコマンドに従って音データを音処理することで、タッチ操作が行われた弦画像に割り当てられた音を音出力ユニット241,242から出力させる。
【0038】
図7、8に示すコード選択画面により各操作子に割り当てられるコードが変更可能である。コード選択画面には、基本的なコードの組み合わせを表示するための「Basic」タグ、楽曲毎のコードの組み合わせ表示するための「Song」タグ、操作者が自身で表示するコードを編集可能な「Custom」タグがあり、これらのタグを選択して、コードの選択が行われる。この選択により操作スイッチ121の各操作子に割り当てられるコードを変更する。各種スイッチ121,122,161,162の押下またはスタイラスペン30によるタッチ操作を検知したCPUコア42が、操作子に割り当てられるコードを変更し、GPU451,452によりコード選択画面を表示させる。
【0039】
楽曲画像データは、楽曲毎に用意される。ディスプレイ11の表示画面例を示した図9を参照すると、楽曲画像データによる楽曲画像には、例えば、曲の進行グラフ53上に音ガイダンス用の操作子及び操作対象となる弦画像を指示する指示画像54が表示されている。指示画像54の矢印が操作子を指示しており、楕円部分が操作対象の弦画像を指示している。指示画像54は、図9の上方から下方に一定のリズムで流れ、弦画像の操作タイミングを表すタイミング画像55内に指示画像54が表示される。図9の例では、左の操作子が最初に指示され、次に上の操作子が指示される。
楽曲画像は、例えばGPU452によりVRAM462に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第2表示領域11bに表示される。
【0040】
楽曲画像データにより楽曲画像が表示されると、操作可能な弦画像の表示が曲の進行に応じて逐次変化する。例えば、図9の楽曲画像では、最初に左の操作子が指示されており、これに応じて操作者が左の操作子を押下することで、図10に示すように第2〜第4弦が操作可能になる。次いで、上の操作子が指示され、これに応じて操作者が上の操作子を押下することで、図11に示すように第1、第2弦が操作可能になる。
操作者はタイミング画像55内に指示画像54が表示されるタイミングで、指示画像54で指示される操作子を押下して操作可能な弦画像にタッチ操作を行うことで、正しいコードでタイミングによる楽曲の演奏が可能になる。
図10,11の画像は、例えばGPU451によりVRAM461に選択的に描画され、表示コントローラ47を通じて第1表示領域11aに表示される。
【0041】
初期表示画像データは、電源オン時にディスプレイ11上に初期表示画面を表示するためのデータである。図12は、本例の初期表示画面であるメニュー画像の例示図である。操作者は、メニュー画像により自由演奏モード、楽曲演奏モード、録音モード、設定モードの各モードが選択可能である。各モードの選択は、操作スイッチ121,122やスタイラスペン30によるタッチパネル操作により可能である。CPUコア42は、操作スイッチ121,122やタッチパネル操作により入力される押圧操作データやタッチ操作データに応じていずれかのモードによる処理を実行する。
【0042】
<音出力装置の動作>
次に、上記のように構成される音出力装置の動作について説明する。
音出力装置は、例えば、操作者が、左手で筐体10を把持し、左手指で操作スイッチ121等を操作(押す/離す)するとともに、右手でスタイラスペン30を持ち、あるいは、指を使って、ペン先又は指先でディスプレイ11へのタッチ操作することにより動作可能になる。
メモリカード20を筐体10に装着した状態で、操作者が電源スイッチ15をオンにすると、制御ユニット40(CPUコア42)は、メモリカード20のROM21にアクセスして音出力用プログラムの実行を開始する。制御ユニット40は、また、メモリカード20のROM21およびEEPROM22に記録されているデータ並びにテーブルの一部又は全部をRAM43にロードする。これにより、操作者が本装置を楽器として操作するための動作環境が構築される。
【0043】
電源オン直後、制御ユニット40は、ディスプレイ11に図12の初期表示画面を第1表示領域11aまたは第2表示領域11bに表示させる。初期表示画面から、自由演奏モード、楽曲演奏モード、録音モード、設定モードのいずれかを操作者がスタイラスペン30で選択すると、制御ユニット40は、初期表示画面を選択された動作モードの動作画面に切り替えて、各動作モード下での処理を行う。
【0044】
録音モードが選択された場合には、自由演奏モードまたは楽曲演奏モードで演奏された内容をメモリカード20のEEPROM22に録音することが可能になる。設定モードでは、ディスプレイ11の明るさの調整や、各種スイッチ、特に操作スイッチ121,122の機能を入れ替えるなどの、設定が可能である。操作スイッチ121,122の機能の入れ替えにより、右利き用、左利き用のどちらにも対応できる。
自由演奏モード、楽曲演奏モードにおける動作手順を説明する。
【0045】
<自由演奏モード>
自由演奏モードが選択された場合には、図13に示すような処理手順で操作者による自由演奏が行われる。
初期表示画面から操作者がスタイラスペン30により自由演奏モードを選択すると、制御ユニット40は、図4に示すコード指示画像を第2表示領域11bに表示させ、図3(a)の初期振動画像50を第1表示領域11aに表示させる(ステップS100)。この処理は、CPUコア42が自由演奏モードを選択するタッチ操作データをタッチパネルから入力されることで行われる。タッチ操作データが入力された後、CPUコア42からGPU451に描画コマンドと画像データとを送出することで各画像が表示される。コード指示画像で表示される操作子の各コードは、初期設定されたものであり、図7,8に示すコード選択画面により操作者が自由に変更することができる。各コードは、この例では操作スイッチ121の各操作子に割り当てられる。
【0046】
図7または図8のコード選択画面は、使用するコードの変更が指示された場合に、第1表示領域11aに表示される(ステップS110:Y、ステップS120)。コード変更の指示は、例えばコードが割り当てられていない操作スイッチ122の押下や、ディスプレイ11上にコード変更を指示するための領域を設け、当該領域をスタイラスペン30でタッチすることにより行われる。CPUコア42は、コードの変更を指示するタッチ操作データや押圧操作データにより、コード選択画面をGPU451を介して表示領域11aに表示させる。表示されたコード選択画面からスタイラスペン30等により操作者の所望のコードが選択される(ステップS130)。
【0047】
変更されたコード或いは初期設定のコードを指示するコード指示画像が表示されると、音出力装置は操作者による操作子の押下の検出待ち状態になる(ステップS140)。操作子が押下されると、当該操作子に割り当てられたコードのコードIDがCPUコア42に入力される。これによりCPUコア42は、操作子の押下を検出する。CPUコア42は、入力されたコードIDにより図6のテーブルを参照してコードデータファイルを読み出し、各弦画像に音データを割り当てる。SPU44は、これにより各弦画像の音データについて音処理可能になる。また、操作子が押下されると、当該操作子に割り当てられたコードに応じて、CPUコア42からGPU451に対して、操作可能な弦画像の色の変更が指示される。これにより、コード毎に操作可能な弦画像を視認できる(ステップS140:Y、ステップS150、ステップS160)。
【0048】
音出力装置は、音処理が可能な状態になると、操作者による弦画像に対するタッチ操作の検出待ち状態になる(ステップS170)。弦画像へのタッチ操作が検出されると、タッチ操作の内容に応じて音処理、音出力が行われる(ステップS170:Y、ステップS180)。タッチ操作は、弦画像の1本1本に対して行われる。CPUコア42は、タッチ操作された座標の遷移からスタイラスペン30の動きを検出して、どの弦画像に対してタッチ操作が行われたかを確認する。タッチ操作が行われた弦画像の情報を含むサウンドコマンドは、CPUコア42からSPU44に送られる。SPU44は、サウンドコマンドにより音処理する音データを決める。タッチ操作は、上記の通り、スタイラスペン30が、所定の速度以上で弦画像をまたぐ場合あるいは弦画像が表示される領域で弦画像をまたぐ際の速度以上の速度で移動した場合に、タッチ操作であると認識される。スタイラスペン30の移動速度により出力音の大きさが決まる。移動速度が速いほど音量を大きくして、実楽器としての自然なニュアンスを表現している。CPUコア42は、タッチ操作の内容からスタイラスペン30の移動速度を検出して、その結果に応じてSPU44に出力音の大きさの指示を行う。この指示もサウンドコマンドに含まれる。
【0049】
CPUコア42は、1回のタッチ操作で複数の弦画像が操作される場合、つまり連続してタッチ操作された弦画像を連続して確認した場合には、一連の操作(コードストローク)と見なして、後にタッチ操作された弦画像による出力音ほど減衰したレベルで出力するようにSPU44に指示する。例えば、CPUコア42は、SPU44に、最初にタッチ操作が行われた弦画像はスタイラスペン30のスピードに応じた音量で音出力させ、2番目の弦画像はスタイラスペン30のスピードに応じた音量よりも小さな音(例えば90%の音量)で音出力させ、3番目の弦画像はスタイラスペン30のスピードに応じた音量よりも更に小さな音(例えば80%)で音出力させるように指示する。なお、一連の操作とは、スタイラスペン30が一度もタッチパネルから離れることなく且つスタイラスペン30が同じ弦画像を所定時間内に2度以上タッチせずに、複数の弦画像をタッチ操作する場合を言う。
音出力後或いは音出力と同時に、タッチ操作された弦画像が振動する振動画像が表示される。複数の弦画像がタッチ操作される場合には、操作されたすべての弦画像の振動画像が表示される(ステップS190)。CPUコア42は、GPU451に対してタッチ操作が行われた弦画像の振動画像を表示するように指示する。
【0050】
CPUコア42は、音出力及びタッチ操作された弦画像の振動画像が表示された後に、操作子の押下の終了を検出すると、次に操作子が押下されるまで待機状態になる(ステップS200:Y)。操作子の押下が続く場合には、音出力のレベルがゼロになると、次に操作子が押下されるまで待機状態になる(ステップS200:N、ステップS210:Y)。次に操作子が押下されると、ステップS140に戻って処理が実行される。
このように自由演奏モードでは、操作者が自由にコードを選択して、自分のリズムで演奏することが可能である。コードを選択するとタッチ操作可能な弦画像も限定されるために、間違った弦画像を弾く可能性が低くなる。そのために、既存の曲の弾き語りが行えたり、また作曲の際の楽器として用いることができる。
【0051】
<楽曲演奏モード>
楽曲演奏モードが選択された場合には、図14に示すような処理手順で操作者による楽曲演奏が行われる。
初期表示画面から操作者がスタイラスペン30により楽曲演奏モードを選択すると、制御ユニット40は、まず、楽曲の選択画面をディスプレイ11に表示する(ステップS300)。
操作者は楽曲の選択画面により所望の楽曲の選択を行うことができる。選択画面により難易度が異なる複数の楽曲が選択可能になっている。また同じ曲であっても、演奏速度やタッチ操作の必要回数等により、難易度が設定されている。楽曲が選択されると、当該楽曲に対する楽曲画像が第2表示領域11bに表示され、図3(a)に示すような初期振動画像が第1表示領域11aに表示される(ステップS310)。CPUコア42は、選択された楽曲の楽曲画像及び初期振動画像の表示を指示する描画コマンドをGPU451,452に送る。GPU451,452は描画コマンドに応じて楽曲画像及び初期振動画像を表示する。
【0052】
楽曲画像では、指示画像54が曲の進行に合わせて進行グラフ53上を流れ、この流れる指示画像54にあわせて操作者が操作子を押下する。図10では、まず操作者が左の操作子を押下する(ステップS320:Y)。操作子が押下されると、当該押下された操作子に割り当てられたコードのコードIDがCPUコア42に入力される。これによりCPUコア42は操作子の押下を検出する。CPUコア42は、入力されたコードIDにより図6のテーブルを参照してコードデータファイルを読み出し、各弦画像に音データを割り当てる。SPU44は、これにより各弦画像の音データについて音処理可能になる。(ステップS330)。また、操作子が押下されると、当該操作子に割り当てられたコードに応じて、当該操作子に割り当てられたコードに応じて、CPUコア42からGPU451に対して、操作可能な弦画像の色の変更が指示される。これにより、コード毎に操作可能な弦画像を視認できる(ステップS340)。
【0053】
音出力装置は、音処理可能な状態になると、操作者によるタッチ操作の有無の検出待ち状態になる。タッチ操作は、タイミング画像55内に指示画像54が表示されるタイミングで、操作可能なすべての弦画像に対して行われた場合にのみ有効である(ステップS350)。タッチ操作が無かった場合には、次の操作子の押下を待機する状態になる(ステップS350:N、ステップS320)。タッチ操作が適切なタイミングで操作可能なすべての弦画像に行われた場合、楽曲に対して正確な音処理、音出力が行われる。また、弦画像が振動する画像が表示される(ステップS350:Y、ステップS360)。CPUコア42は、タッチ操作された座標の遷移からスタイラスペン30の動きを検出して、どの弦画像に対してタッチ操作が行われたかを確認する。その結果操作可能なすべての弦画像に対して適切なタイミングでタッチ操作が行われた場合に、SPU44に音出力を指示するサウンドコマンドを送る。SPU44は、サウンドコマンドにより音処理を行う。また、CPUコア42は、GPU451に対してタッチ操作が行われた弦画像の振動画像を表示するように指示する(ステップS370)。
【0054】
楽曲が終了しなければ(ステップS380:N)、CPUコア42は、音出力及びタッチ操作された弦画像が振動する画像が表示された後に、操作子の押下の終了を検出すると、次に操作子が押下されるまで待機状態になる(ステップS390:Y)。操作子の押下が続く場合には、音出力のレベルがゼロになると(ステップS390:N、ステップS400:Y)、次に操作子が押下されるまで待機状態になる。次に操作子が押下されると、ステップS320に戻って処理が実行される。
このように楽曲演奏モードでは、楽曲を正確に演奏することが可能である。特に、指示画像により指示されるコード以外は音が出ないために、リズムさえとれれば楽曲の演奏を間違えることはない。難易度を操作者が決めることが可能であるために、どのようなレベルの操作者であっても楽曲の演奏を楽しむことができる。また、正確なタッチ操作を競うゲーム装置として用いることも可能である。
なお、ステップS320、S350において、指示されたコード、タイミングで操作がなされない場合には、音出力をしなくてもよいが、敢えて、その間違ったコード、タイミングで間違った音を出力するようにしてもよい。
【0055】
本発明は、ギターのみならず、他の楽器、例えばピアノで弾かれる音色の音を出力する場合にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0056】
10…筐体、11…タッチセンサパネルを兼ねるディスプレイ、11a,11b…表示領域、121,122…操作スイッチ、131,132…拡張スイッチ、141,142…音出力孔、15…電源スイッチ、161…スタートスイッチ、162…ファンクションスイッチ、17…スタイラスペンの係止部、18…メモリカードの収容空間、19…外部出力端子、20…メモリカード、21…ROM、22…EEPROM、241,242…音出力ユニット、30…スタイラスペン、40…制御ユニット、41…コネクタ、42…CPUコア、43…RAM、44…SPU、451,452…GPU、461,462…VRAM、47…表示コントローラ、50〜52…振動画像、53…進行グラフ、54…指示画像、55…タイミング画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が片手で把持可能な携帯サイズの筐体を有し、
該筐体には、それぞれ前記操作者が一方の片手指で選択可能な複数の操作子と、それぞれ実楽器を構成する楽器要素と対応付けられ、前記操作者が他方の片手指で直接又は間接にタッチ操作可能な複数のタッチセンサが形成されたディスプレイと、音を出力するための音出力機構と、所定のデータメモリへのアクセスが可能な制御機構とが設けられており、
前記データメモリには、前記楽器要素が奏でる音特性を有する音を前記音出力機構から出力させるための音データファイルが当該音を識別するための音データIDと関連付けられて複数記録され、さらに、前記音データIDにより識別される1又は複数の音を組み合わせたコードを表現するためのコードデータファイルが当該コードを識別するためのコードIDと関連付けられて複数記録されており、
前記複数の操作子の各々には、いずれかの前記コードIDが割り当てられており、
前記制御機構は、
操作者がどの操作子を選択し、その選択をいつ解除したかを検出する操作子選択状況検出手段と、
前記複数のタッチセンサの各々へのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む前記操作者による操作内容を検出する操作内容検出手段と、
前記操作子選択状況検出手段で検出された操作子に割り当てられている前記コードIDをもとに前記コードファイルを特定し、特定されたコードファイルに関連付けられている音データIDから1以上の音データファイルを特定して、特定された音データファイルを当該操作子が選択されている間だけ前記データメモリから読み出して前記音出力機構に供給するとともに、前記特定された音データファイルに関連付けられている音データIDを前記複数のタッチセンサの少なくとも1つに割り当て、割り当てられた音データIDにより識別される音を、前記操作内容検出手段が検出したタッチセンサの操作内容と連動する表現態様で、前記音出力機構から出力させるための制御を行う音出力制御手段と、を備えるものである、
携帯型音出力装置。
【請求項2】
前記音出力制御手段は、前記操作内容検出手段が所定時間内に2以上のタッチセンサへの操作内容を検出した場合に、後に操作内容が検出されたタッチセンサに割り当てられた音データIDで識別される音ほど、その前に識別された音よりも減衰したレベルで前記音出力機構から出力させる、
請求項1記載の携帯型音出力装置。
【請求項3】
前記データメモリには、個々の前記楽器要素の状態を表す状態画像を表現するための楽器要素画像ファイルが記録されており、
前記制御機構は、
前記ディスプレイの所定領域に状態画像領域を形成するとともに、前記楽器要素画像ファイルを読み出して、前記音出力機構から出力させる音の音データIDが割り当てられたすべてのタッチセンサに対応する状態画像を前記ディスプレイの前記状態画像領域に同時に表示させ、表示中の状態画像を、前記音出力機構から出力される音の表現態様に応じて変化させる状態画像表示制御手段を備える、
請求項2記載の携帯型音出力装置。
【請求項4】
前記データメモリには、前記複数のタッチセンサのうち、どのタッチセンサをどのタイミングでどのように操作すべきかを指示する指示画像を表現するための指示画像ファイルが記録されており、
前記制御機構は、
前記ディスプレイの所定領域に指示画像領域を形成するとともに、前記指示画像ファイルを読み出して前記指示画像を表示させ、表示中の指示画像が表すタッチセンサへの操作内容が正しく操作されたかどうかを前記操作子選択状況検出手段および前記操作内容検出手段による検出結果に基づいて判定し、正しく検出されたときは前記指示画像の内容を変化させる指示画像表示制御手段を備える、
請求項3記載の携帯型音出力装置。
【請求項5】
前記状態画像は、弦楽器を構成する複数の弦の各々について、静止している初期状態及び弾かれたときの振動状態を表す画像であり、
前記指示画像は、弦毎に表現されるものである、
請求項4記載の携帯型音出力装置。
【請求項6】
操作者が片手で把持可能な携帯サイズの筐体に搭載されたコンピュータを携帯型音出力装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、
前記筐体には、それぞれ前記操作者が一方の片手指で選択可能な複数の操作子と、それぞれ実楽器を構成する楽器要素と対応付けられ、前記操作者が他方の片手指で直接又は間接にタッチ操作可能な複数のタッチセンサが形成されたディスプレイと、音を出力するための音出力機構と、所定のデータメモリへのアクセスが可能な制御機構とが設けられており、前記データメモリには、前記楽器要素が奏でる音特性の音を前記音出力機構から出力させるための音データファイルが当該音を識別するための音データIDと関連付けられて複数記録され、さらに、前記音データIDにより識別される1又は複数の音を組み合わせたコードを表現するためのコードデータファイルが当該コードを識別するためのコードIDと関連付けられて複数記録されているものにおいて、
前記コンピュータを、
前記複数の操作子の各々に、いずれかの前記コードIDを割り当てる割当手段、
操作者がどの操作子を選択し、その選択を何時解除したかを検出する操作子選択状況検出手段、
いずれかの前記タッチセンサへのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む操作内容を検出する操作内容検出手段、
選択されたことが検出された操作子に割り当てられている前記コードIDをもとにコードファイルを特定し、特定したコードファイルに関連付けられた音データIDから1以上の音データファイルを特定し、特定した音データファイルを当該操作子が選択されている間だけ前記データメモリから読み出して前記音出力機構に供給すると共に、特定した音データファイルに関連付けられた音データIDを前記複数のタッチセンサの各々に割り当て、割り当てた音データIDで識別される音を、検出された操作内容と連動する態様で、前記音出力機構から出力させる音出力制御手段、として機能させる、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載されたコンピュータプログラムを記録して成る、
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
操作者が片手で把持可能な携帯サイズの筐体を有し、
該筐体には、それぞれ前記操作者が一方の片手指で選択可能な複数の操作子と、それぞれ実楽器を構成する楽器要素と対応付けられ、前記操作者が他方の片手指で直接又は間接にタッチ操作可能な複数のタッチセンサが形成されたディスプレイと、音を出力するための音出力機構と、所定のデータメモリへのアクセスが可能な制御機構とが設けられており、
前記データメモリには、前記楽器要素が奏でる音特性を有する音を前記音出力機構から出力させるための音データファイルが当該音を識別するための音データIDと関連付けられて複数記録され、さらに、前記音データIDにより識別される1又は複数の音を組み合わせたコードを表現するためのコードデータファイルが当該コードを識別するためのコードIDと関連付けられて複数記録されており、
前記複数の操作子の各々には、いずれかの前記コードIDが割り当てられており、
前記制御機構は、
操作者がどの操作子を選択し、その選択をいつ解除したかを検出する操作子選択状況検出手段と、
前記複数のタッチセンサの各々へのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む前記操作者による操作内容を検出する操作内容検出手段と、
前記操作子選択状況検出手段で検出された操作子に割り当てられている前記コードIDをもとに前記コードファイルを特定し、特定されたコードファイルに関連付けられている音データIDから1以上の音データファイルを特定して、特定された音データファイルを当該操作子が選択されている間だけ前記データメモリから読み出して前記音出力機構に供給するとともに、前記特定された音データファイルに関連付けられている音データIDを前記複数のタッチセンサの少なくとも1つに割り当て、割り当てられた音データIDにより識別される音を、前記操作内容検出手段が検出したタッチセンサの操作内容と連動する表現態様で、前記音出力機構から出力させるための制御を行う音出力制御手段と、を備えるものである、
携帯型音出力装置。
【請求項2】
前記音出力制御手段は、前記操作内容検出手段が所定時間内に2以上のタッチセンサへの操作内容を検出した場合に、後に操作内容が検出されたタッチセンサに割り当てられた音データIDで識別される音ほど、その前に識別された音よりも減衰したレベルで前記音出力機構から出力させる、
請求項1記載の携帯型音出力装置。
【請求項3】
前記データメモリには、個々の前記楽器要素の状態を表す状態画像を表現するための楽器要素画像ファイルが記録されており、
前記制御機構は、
前記ディスプレイの所定領域に状態画像領域を形成するとともに、前記楽器要素画像ファイルを読み出して、前記音出力機構から出力させる音の音データIDが割り当てられたすべてのタッチセンサに対応する状態画像を前記ディスプレイの前記状態画像領域に同時に表示させ、表示中の状態画像を、前記音出力機構から出力される音の表現態様に応じて変化させる状態画像表示制御手段を備える、
請求項2記載の携帯型音出力装置。
【請求項4】
前記データメモリには、前記複数のタッチセンサのうち、どのタッチセンサをどのタイミングでどのように操作すべきかを指示する指示画像を表現するための指示画像ファイルが記録されており、
前記制御機構は、
前記ディスプレイの所定領域に指示画像領域を形成するとともに、前記指示画像ファイルを読み出して前記指示画像を表示させ、表示中の指示画像が表すタッチセンサへの操作内容が正しく操作されたかどうかを前記操作子選択状況検出手段および前記操作内容検出手段による検出結果に基づいて判定し、正しく検出されたときは前記指示画像の内容を変化させる指示画像表示制御手段を備える、
請求項3記載の携帯型音出力装置。
【請求項5】
前記状態画像は、弦楽器を構成する複数の弦の各々について、静止している初期状態及び弾かれたときの振動状態を表す画像であり、
前記指示画像は、弦毎に表現されるものである、
請求項4記載の携帯型音出力装置。
【請求項6】
操作者が片手で把持可能な携帯サイズの筐体に搭載されたコンピュータを携帯型音出力装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、
前記筐体には、それぞれ前記操作者が一方の片手指で選択可能な複数の操作子と、それぞれ実楽器を構成する楽器要素と対応付けられ、前記操作者が他方の片手指で直接又は間接にタッチ操作可能な複数のタッチセンサが形成されたディスプレイと、音を出力するための音出力機構と、所定のデータメモリへのアクセスが可能な制御機構とが設けられており、前記データメモリには、前記楽器要素が奏でる音特性の音を前記音出力機構から出力させるための音データファイルが当該音を識別するための音データIDと関連付けられて複数記録され、さらに、前記音データIDにより識別される1又は複数の音を組み合わせたコードを表現するためのコードデータファイルが当該コードを識別するためのコードIDと関連付けられて複数記録されているものにおいて、
前記コンピュータを、
前記複数の操作子の各々に、いずれかの前記コードIDを割り当てる割当手段、
操作者がどの操作子を選択し、その選択を何時解除したかを検出する操作子選択状況検出手段、
いずれかの前記タッチセンサへのタッチ開始時期及びタッチ操作速度を含む操作内容を検出する操作内容検出手段、
選択されたことが検出された操作子に割り当てられている前記コードIDをもとにコードファイルを特定し、特定したコードファイルに関連付けられた音データIDから1以上の音データファイルを特定し、特定した音データファイルを当該操作子が選択されている間だけ前記データメモリから読み出して前記音出力機構に供給すると共に、特定した音データファイルに関連付けられた音データIDを前記複数のタッチセンサの各々に割り当て、割り当てた音データIDで識別される音を、検出された操作内容と連動する態様で、前記音出力機構から出力させる音出力制御手段、として機能させる、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載されたコンピュータプログラムを記録して成る、
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−39248(P2011−39248A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186038(P2009−186038)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(398002123)プラト株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(398002123)プラト株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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