携帯情報機器
【課題】この発明は携帯情報機器に関し、蓋部を開いた状態として2つの開状態を設けることにより、各機能を実現するための操作性を向上させることを課題とする。
【解決手段】操作部を備えた本体部と、蓋部と、蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第2開状態を検出する第2開状態検出部とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】操作部を備えた本体部と、蓋部と、蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第2開状態を検出する第2開状態検出部とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯情報機器に関し、特に、開閉可能な機構を有し、通話および通信が可能な折りたたみ式あるいは、蓋部及び本体部を有する携帯情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話やPDAなどの小型の情報機器が開発されている。特に、携帯電話において、携帯時(非通話時)の意図しない操作キーの押下防止や、持ち運びの利便性の観点から、折りたたみ式の携帯電話が提供されている(たとえば、特許文献1,2)。
従来の折りたたみ式の携帯電話は、一般的に、ディスプレイを備えた蓋部と、操作キー等を備えた本体部とが、ヒンジ機構を有する連結部によって開閉可能に連結されている。
【0003】
図19に、この従来の折りたたみ式の携帯電話の概略構成図を示す。
蓋部101は、ヒンジ機構の回転軸を中心として一定角度範囲内を回動させることが可能であり、一定角度以上は回動できない構造となっている。蓋部101と本体部102とが閉じられた状態から蓋部を開ける操作は、手動または特定のボタンを押すことにより自動で行われる。
このような折りたたみ式の携帯電話では、閉じられた状態で着信があった場合、蓋部101を開けることによってすぐに回線を接続し通話を開始することができるものや、蓋部101を開けた後特定の通話ボタン151を押下げることにより回線を接続し通話を開始することができるものがある。
また、今日の携帯電話では、通話機能のみならず、留守番電話機能,キャッチホン機能,電子メールの送受信,画像データの送受信や再生ができる機能等を備え、多機能化が図られている。
【0004】
たとえば、次のような機能が提供されている。
(a)通話音量変更
通話中に、特定のキー(図19の152)を押すことにより、通話音量の変更をするものである。
(b)留守電機能
非通話時に、特定のキー(図19の152)を一定時間以上押し続けること(長押し)により設定又は解除され、着信があった場合に音声応答,伝言メモ録音をするものである。
(c)キャッチホン機能
通話中に、回線からキャッチホン信号を検知した場合に、特定のキー(図19の151)を押すことにより、現在の通話を保留して別の通話に切り替えるものである。
(d)メール表示機能
受信したメールを読むために、通常の初期画面からメールソフトを起動させる一連の操作をし、表示画面に受信したメールを選択表示させるものである。
【0005】
(e)画像・音楽起動機能
受信した画像や音楽データを視聴するために、一連の操作をして、画像ビューワーや音楽プレーヤー等のソフトを起動させるものである。
(f)アラーム機能
所望の時刻やイベント発生条件を設定しておき、その時刻やイベント条件が満たされたときに、アラームを鳴動させるものである。またアラームを停止するためには、一般に、蓋部を開いた後、特定のキー(図19の153)を押す操作をする。
(g)マナーモード機能
着信音等を鳴らさずに、バイブレーションで着信等があったことを伝えるものである。マナーモードの設定または解除は、蓋部を開けた後、特定キー(図19の154)の長押しをすることで行っている。
【0006】
この他にも、蓋部を開けただけで予め登録された特定の宛先に自動発信する携帯電話機(特許文献3参照)や、発信機能がない着信専用機が提供されている。
【特許文献1】特公平5−80188号公報
【特許文献2】特開2001−251398号公報
【特許文献3】特許第2531436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、以上のような多機能を持つ従来の折りたたみ式の携帯電話では、利用者が蓋部を開ける操作をする他に、各機能を起動させるための特定のキー入力操作をする必要があった。この特定の操作は、一回のキー入力操作ですむものもあれば、一回であっても長押し操作を必要とするもの、数回の一連のキー入力操作が必要なものなどがあった。
利用者は、操作方法をその機能の数だけ憶える必要があり、多機能になればなるほど操作は複雑となる傾向があり、利用者の負担は大きく操作性が問題となってきた。
【0008】
たとえば、着信時に蓋を開けるとすぐに着信するもの(特許文献1.)では、発信者を確認した後に通話に出ることができない。すなわち、通話したくない相手であっても通話が始まることになり、通話開始前に発信者の確認ができない。
また、着信時に蓋を開けた後に、通話ボタンを押すことによって通話が始まるタイプのものでは、通話前に発信者の確認ができたとしても、小さな通話ボタンを探して押さなければならず、正確な操作が必要となる。
【0009】
また、上記した各機能についても、次のような問題があった。
(a)通話中は、電話自体をすでに耳にあてがっているので、音量を変更するためには、通話を中断し、一旦電話を耳から離して、目視により特定キーを確認した後、そのキーを押し、電話を耳の近くに戻すという一連の操作をする必要があった。すなわち音量の変更のためには、通話を中断して所定の操作を行う必要があった。
(b)留守電機能を設定または解除する際には、特定キーを目視により探して押す必要があり、長押しなどの特有の操作をする必要があった。
(c)利用者が通話中にキャッチホン信号を検知した場合、電話を耳から離して通話の切り替えるための特定キーを目視により探す必要があり、特別の操作をする必要があった。
(d)受信メールの到着を確認した後、その受信メールを表示させて読む場合には、メールソフト起動のために機種ごとに予め決められた一連の操作をする必要があり、その操作は複雑なものが多く、慣れるまでは操作が煩雑であった。
【0010】
(e)受信した画像や音声データを視聴するために、その画像ファイルの選択操作や専用ソフトを起動させる一連の操作をする必要があるが、この一連の操作も複雑なものが多く、慣れるまではその操作が煩雑であった。
また、メールソフト,画像ビューワー,音声プレーヤーなどの特定の機能を起動させる一連の操作は、それぞれ異なる場合が多く、利用者はそれらの機能を起動させる操作を覚えておく必要があり、利用者の負担が大きい。
(f)アラームを停止させるためには、蓋部を開いた後に、目視により特定のキーを探して押す必要があり、特別の操作をする必要があった。
(g)マナーモードの設定または解除をするためにも、蓋部を開けて目視により特定のキーを探して押すという特別の操作をする必要があった。
【0011】
上記各機能を実現するためには、特定のキー入力操作が必要となる場合が多いが、小型の携帯電話では、小型化の観点からそれぞれの機能ごとに専用のキーを設けることは困難であり、1つのキーに対して複数の機能が割り当てられることが多い。
この場合、利用者は、どのキーがどの機能に対応するのかをすべて覚えておくのは困難であり、使用頻度の低い機能はその入力キーや操作を忘れているために使用したいときに使用できない場合もあって、操作性は良いとは言えない。また、一連のキー入力操作によって機能を起動させる場合も同様の問題があり、利用者の負担が大きい。
【0012】
また、蓋部を開けただけで予め登録された特定の宛先に自動発信するものでは、自動発信に設定されている場合に、利用者がその設定がされていたことを忘れていたとすると、利用者は特定宛先以外に電話をしたいのに、蓋部を開けただけで、不意に意図しない自動発信をしてしまうことになり、具備した便利な機能が逆に誤操作になる場合もある。
【0013】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、2つの開状態を有し、蓋部の開閉操作を利用して所望の機能を実現し、利用者の操作負担の軽減や誤操作の防止を図り、操作性の向上を図ることのできる携帯情報機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、操作部を備えた本体部と、蓋部と、蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第2開状態を検出する第2開状態検出部とを備えたことを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
ここで、前記第2開状態が第1開状態よりも蓋部の閉状態からの移動量が大きく、第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線閉結部が通信回線を捕捉するようにしてもよい。
【0015】
また、通信回線を捕捉する回線閉結部と、通信回線を通して受信された着信信号を検出する着信信号検出部をさらに備え、前記着信信号検出部が着信信号を検出した場合、その後第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線閉結部が通信回線を捕捉し着信処理を行うことを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
【0016】
さらに、通信回線を捕捉する回線閉結部と、発信したい相手先の番号を設定する発信先設定部と、設定された発信先に発信を行う発信制御部とをさらに備え、発信先設定部により発信先番号が設定され、第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記発信制御部は、前記回線閉結部に通信回線を捕捉させ発信処理を行うことを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
【0017】
また、前記第2開状態検出部が、1組のスイッチと突起部とからなり、前記第2開状態では、スイッチが突起部により押され、スイッチの接点が閉じられた状態となるような構造としてもよい。また、前記スイッチおよび突起部は、それぞれ前記連結部の近傍の蓋部および本体部に設けてもよい。ここで、前記蓋部が凹部を備え、その凹部に前記スイッチが配置され、前記第2開状態のときに、前記突起部が前記凹部に当接しスイッチを押すようにしてもよい。
【0018】
また、第2開状態検出部が、1組の磁石とホール素子から構成され、磁石とホール素子は、それぞれ蓋部および本体部のうち互いに異なる側に設けてもよい。
【0019】
また、この発明は、前記連結部が、ヒンジ機構を有し、蓋部と本体部とが回動可能に接続され、前記第2開状態が第1開状態よりもその回動角が大きいことを特徴とする折りたたみ式の携帯情報機器を提供するものである。
また、前記連結部が蓋部を本体部に対して一定方向にスライドさせることのできるスライド機構を有し、蓋部と本体部とが一定方向にスライド可能に接続され、前記第2開状態が第1開状態よりも閉状態からのスライド量が大きいことを特徴とするスライド式の携帯情報機器を提供するものである。
【0020】
さらに、この発明の機器が音量調節機能を有する場合には、通話音量を変更する通話音量調節部をさらに備え、前記回線閉結部が回線を捕捉した後の通話中において、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出した場合、前記通話音量調節部が、通話音量を所定レベル分だけ変更することを特徴とする。
また、この発明の機器が留守番応答機能を有する場合は、留守であることを通知するメッセージの送信を含む留守番応答処理を実行する留守番応答部をさらに備え、前記着信信号検出部が着信信号を検出した場合、第2開状態検出部が第2開状態を検出し、その後の所定時間内に第1開状態検出部が閉状態を検出したときに、あるいは、第2開状態検出部が予め決められた時間続けて第2開状態を検出したときに、前記留守番応答部が留守番応答処理を行うことを特徴とする。
【0021】
また、この発明の機器がキャッチホン設定機能を有する場合は、通信回線を介して受信されるキャッチホン信号を検出するキャッチホン信号検出部と、通信回線を切り替える回線切替部とをさらに備え、キャッチホン信号検出部がキャッチホン信号を検出した場合に、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線切替部が通信回線を先の通話回線または後の通話回線のいずれかに交互に切り替えることを特徴とする。
また、この発明の機器がメール受信機能を有する場合は、電子メールの着信があったことを検出するメール着信部と、電子メールを処理する制御部とをさらに備え、メール着信部が電子メールが着信したことを検出した場合に、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記制御部が電子メールを処理することのできるプログラムを起動させることを特徴とする。
【0022】
また、この発明の機器がマルチメディアデータ判別機能を有する場合は、受信したマルチメディアデータの種類を判別するマルチメディアデータ判別部をさらに備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記マルチメディア判別部が判別したマルチメディアデータの種類に適した処理を実行することを特徴とする。
また、この発明の機器がアラーム設定機能を有する場合は、アラーム音の鳴動を設定および停止するアラーム報知設定部をさらに備え、アラーム音が鳴動している場合に、第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、アラーム報知設定部が前記アラーム音を停止させることを特徴とする。
【0023】
また、この発明の機器がマナーモード設定機能を有する場合は、着信音を鳴らさないマナーモードの設定および解除を行うマナーモード切替部をさらに備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出した後所定時間内に第1開状態検出部が蓋部の閉状態を検出した場合、あるいは、第2開状態検出部が予め決められた時間続けて第2開状態を検出した場合、前記マナーモード切替部がマナーモードの設定および解除を交互に切り替えることを特徴とする。
また、この発明の機器が自動発信機能を有する場合は、自動発信を行うべき相手先を登録する自動発信先登録部と、自動発信を行うべき相手先として登録された発信先のみに発信先を固定する自動発信先固定部と、設定された発信先に発信を行う発信制御部とをさらに備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記自動発信先固定部によって固定された自動発信先があれば、前記発信制御部がその自動発信先へ自動的に発信を行うことを特徴とする。
【0024】
また、この発明は、操作部を備えた本体部と、蓋部と、蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、特定のアプリケーションソフトを起動させる制御部を備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記制御部が前記特定のアプリケーションソフトを起動させることを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
さらに、この発明は、操作部を備えた本体部と、蓋部と、蓋部が本体部に対して移動し、蓋部を一定の移動量だけ移動させた第1開状態で蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第1開状態を検出する第1開状態検出部と、前記第1開状態検出部が、前記第1開状態を検出した後、第1開状態でない状態を検出し、その後所定時間内に第1開状態を再度検出した場合、特定の機能を実行する制御部を備えたことを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、蓋部を移動させた状態として移動量の異なる2つの状態(第1開状態,第2開状態)を設け、その2つの状態を検出するようにしているので、蓋部をこの2つの状態のいずれかとする操作をこの発明の携帯情報機器の各種機能を起動させる操作に関係づければ、利用者の操作上の負担を軽減し、誤操作を防止することができ、利用者の操作性を向上させることができる。
特に、着信信号を検出している場合に、第2開状態が検出されたとき、回線を捕捉し着信処理を行うようにすれば、着信専用キーを探して押す必要がなく、一連の着信動作の流れの中で通話に入ることができるので、利用者の操作負担は少なく、誤操作も防止でき着信時の操作性を著しく向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図に示す実施例に基づいて本発明を詳述する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。
以下の実施例では、この発明の携帯情報機器は、蓋部と本体部とを備え、原則として蓋部が本体部に対して回動可能な折りたたみ式の機器であるものとして説明する。ただし、後述するように、スライド式の携帯情報機器でも、同様の操作や機能を実現することができる。さらに、表示部が本体に対して回転するような形状の物でもよい。
<この発明の携帯情報機器の構成>
図1に、この発明の携帯情報機器の一実施例の構成ブロック図を示す。
この発明の携帯情報機器は、従来の携帯電話やPDA等の情報端末と同様に、表示部1,入力部2,データ記憶部10,プログラム記憶部20,制御部60とを備え、音声通話をするために、マイク3,スピーカ4,リンガー5,通話制御部6を備える。
【0027】
また、外部の通信機器に対して、通信回線40を介して音声通話やデータ通信を行うための構成ブロック(31〜35)を備える。
さらに、この発明は通話等の機能を動作させるために、第1開状態検出部51と第2開状態検出部52とを備える。この発明では、後述するように、2つの開状態(第1開状態,第2開状態)を有し、特に第2開状態を検出することによって特定の機能を作動させるようにしたことを特徴とする。
【0028】
制御部60は、この発明の機器の多数の機能を実現するための部分であり、主としてマイクロコンピュータと各機能ごとのソフトウェアとによって構成される。マイクロコンピュータは、主として、CPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ,タイマーなどから構成され、ROM,RAMあるいはハードディスクなどの記憶装置に記憶されたソフトウェアに基づいて、必要なハードウェアを有機的に動作させることにより各機能を実現するものである。ソフトウェアは、通常予めROM等に固定記録されて提供されるが、ハードディスクやICメモリカード,CD−ROM等の記録媒体に記録された形式で提供してもよい。
また、ソフトウェアは通信回線40を介して、外部のサーバ等からダウンロードすることにより入手することもできる。
【0029】
表示部1は、文字,記号,画像等の視覚情報を表示する部分であり、携帯性の観点から、LCD,EL素子などが使用される。入力部2は、文字,記号,各機能の起動,設定等のための入力を行う部分であり、キーボード,マウス,ペンなどのポインティングデバイスが使用できる。マイク3とスピーカ4は、主として通話に用いられるものであるが、スピーカは音楽プレーヤー22が起動されたときの音やアラーム音の出力にも用いられる。リンガー5は、着信があったときの報知音を鳴らすものである。
通話制御部6は、マイク3,スピーカ4,リンガー5を制御する部分であり、主として通話時の音量,音質およびAD変換,DA変換等を行うものである。
【0030】
データ記憶部10は、この装置の各機能を実現する上で書き換え可能に記憶すべき情報や予め消去できないように固定記録された情報を記憶する部分である。たとえば、データ記憶部10には、発信先情報11,留守電情報12,設定情報13が記憶される。
データ記憶部10は、ROM,RAM,フラッシュメモリなど半導体の記憶素子の他、ハードディスク,ICメモリカードなどが用いられる。
【0031】
プログラム記憶部20は、この発明の装置の各機能を実現するプログラムを記憶する部分であり、データ記憶部20と同様に、半導体記憶素子やハードディスク等が用いられる。プログラムは、機能ごとにモジュール化された状態で記憶されることが好ましい。
プログラム記憶部20には、たとえば、電子メールの送受信を行うメールソフト21,音楽データの再生を行う音楽プレーヤー22,静止画や動画の再生を行う画像ビューワー23などのプログラムが記憶される。これらのプログラムは、必須の機能として予めプログラム記憶部20に固定記録される場合や、後に利用者が必要に応じて、記憶媒体やネットワークを介してダウンロードして書き換え可能なものとして記憶してもよい。
通信回路40とは、一般加入電話回線,ISDN回線,ADSL回線,FTTH回線,無線通話回線,無線通信回線など現在利用されているあらゆる回線を意味し、特に限定するものではない。
ただし、この発明の携帯情報機器は、携帯性を有し、主として移動して使用されるものであるので、携帯電話やPHSと同様に無線通話や無線通信の可能な回線に接続できることが好ましい。
【0032】
そこで、この発明の機器は、通話および通信をするための回線接続機能を有するが、主として、図1に示したようなメール着信検出部31,キャッチホン信号検出部32,着信信号検出部33,回線閉結部34,回線切替部35を備えている。
メール着信検出部31は通信回線40を介して送信されてくるメール着信信号を検出する部分であり、ここでメールの着信があったことが検出されると、たとえばその後メールソフト21等が起動され、電子メールの内容がダウンロードされる。
着信信号検出部33は、通信回線40を介して送信されてくる通話の着信を示す信号を検出する部分であり、たとえば、この着信信号が検出されると、通話制御部6によってリンガー5の鳴動が行われる。
回線閉結部34は、通信回線40を介して他の情報装置との間で通話または通信をすることができるように接続するための部分であり、利用者の特定の操作に従って、いわゆる回線接続に相当するオフフック,回線切断に相当するオンフック動作をする部分である。
【0033】
キャッチホン信号検出部32は、通信回線40を介して送信されてくるキャッチホン信号を検出する部分であり、回線切替部35は、現在通話中の回線(先の通話回線)と、新たに着信したキャッチホン信号による回線(後の通話回線)に対して、接続をどちらかに切り替える部分である。
制御部60は、前記したように、特定のプログラムに基づいて、必要なハードウェアを動作させて各種機能を実現する部分であるが、たとえば、図1に示すような多数の機能ブロック(61〜72)を実現する。この各機能(61〜72)は一実施例であってこれらに限るものではなく、この他に必要な機能を備えてもよい。
また、すべての機能が必須ではなく、設計仕様により取捨選択することができる。たとえば、発信制御部61は必須の機能であるが、アラーム報知設定部68が必要でなければ備えなくてもよい。さらに、これらの機能をすべて備えているが、機能ごとに起動可または不可の設定ができるようにしてもよい。
【0034】
発信制御部61は、設定,選択あるいは入力された発信先の番号に接続する動作(発信処理)をする部分である。発信先設定部62は、ダイヤルすべき1つの発信先を特定する部分であり、発信制御部61によりこの特定された発信先に発信処理が行われる。
発信先の設定は種々の方法が考えられるが、たとえば、通常の電話機と同様に、利用者がキーを用いて発信先番号を入力することによって設定することができる。
【0035】
あるいは、複数の発信先が発信先情報11としてすでに記憶されている場合は、その発信先情報11の一覧(電話帳)を一旦表示させて、その後利用者に1つの発信先を選択する操作をさせた後発信処理をしてもよい。
また、1つの自動発信先が固定的にすでに設定されている場合には、特定の操作をすることにより、その自動発信先を発信先に設定すればよい。
特定の操作の例としては、後述するように、発信先設定部62で発信先が特定された後、第2開状態にまで蓋部を開く操作が検出された場合に、利用者が発信を意図する指示をしたものとみなして発信処理を行うようにしてもよい。
【0036】
スピーカ音量調節部63は、特定の操作に基づいて、スピーカ4から出力される音量を増減させる部分であり、具体的には通話制御部6を制御する部分である。
ここで、従来の音楽プレーヤーと同様に回転式のボリュームコントローラを設けたり、音量増減用のスライド式のコントローラを設けたり、増加および減少用のそれぞれ専用のキースイッチを設けて、利用者が押下操作をして音量の調節をすることもできるが、この発明では、音量調節用の専用のコントローラやキースイッチを設けずに、後述するように、特定の蓋部の開閉操作によって音量の調節を行う。
【0037】
留守電応答部64は、いわゆる留守時に所定の不在メッセージを流し、相手の伝言を録音する機能を設定および起動させる部分である。
この発明では、この留守電応答機能を設定および解除をするために、後述するような蓋の開閉操作を用いる。
【0038】
着信拒否部65は、通話目的の着信があったときに、特定の操作に基づいてその着信を中止させる部分である。たとえば、着信によりリンガー5が鳴動したが、通話したくない相手であるために、リンガー5の鳴動を止める処理、あるいは、一旦回線接続するがすぐに回線切断する処理を行う。ここで特定の操作とは、後述するように着信時に第1開状態から蓋を閉じる操作を意味する。
【0039】
メールソフト起動部66は、受信した電子メールを読むために特定の操作を検出することによりメールソフト21を起動させる部分である。ここで、特定の操作とは、後述するように第1開状態からさらに第2開状態にまで蓋を開く操作を意味する。
【0040】
マルチメディアデータ判別部67は、特定の操作を検出することにより受信あるいはダウンロードしたデータの種類を判断し、そのデータに関連するプログラムを起動させる部分である。
ここで、特定の操作とは、後述するように、マルチメディアデータを受信した後に、第2開状態にまで蓋を開く操作をすることを意味する。
また、マルチメディアとは、たとえば、音声,画像,文書などの情報をいうが、受信したファイル形式(MP3,JPEG,GIF,TXTなど)やそのデータ内容の特徴を確認することによりその種類を判別する。さらに、たとえば、受信したデータがGIF形式であることを確認した場合には、受信したデータを扱うことのできる画像ビューワー23を起動させる。
【0041】
アラーム報知設定部68は、アラーム音を鳴らすタイマーの設定や、タイマーによる所定時間の経過後、アラームを鳴らしたり、鳴動したアラーム音を停止する部分である。
この発明では、アラーム音を停止させるために、特定のキーを探して入力するのではなく、後述するように、アラーム鳴動中に第2開状態にまで蓋を開くことによりアラームを停止させる。
【0042】
マナーモード切替部69は、特定の操作を検出することにより、マナーモードの設定および解除を行う部分である。マナーモードとは、通常の携帯電話に採用されているものと同様に、着信音を鳴らすことなく着信するモードであり、着信音を鳴らさないかわりに振動により着信を知らせてもよい。ここで、特定の操作とは、後述するように、第2開状態にまで蓋を開いた後、さらに蓋を閉じるという一連の操作を意味する。
【0043】
自動発信先登録部70は、発信すべき相手先を登録するとともに、特定の操作をしたときにその登録された相手先に自動的に発信処理を行う部分である。ここで、特定の操作とは、たとえば、後述するように通話中でも着信状態でもない場合に、第2開状態にまで蓋を開ける操作を意味する。
【0044】
自動発信先固定部71とは、自動発信先登録部70によって登録された発信先のうち特定の発信先のみに発信できるようにし、他の発信先には発信できないようにする部分である。この発信先の固定および解除は、たとえば、予め設定されたパスワードを入力することによって行えばよい。
【0045】
電話帳機能起動部72は、電話帳を作成,編集,削除および表示等するプログラムを起動させる部分である。電話帳は、発信相手先の電話番号,メール番号,名前等の個人情報を記録しておくものである。
この発明では、電話帳を編集等する機能を起動させるために、特定のキー入力操作をするのではなく、後述するように蓋部を第2開状態まで開く操作により行う。
【0046】
上記制御部60の機能として示したものは、主として、従来特定のキーの入力あるいは一連のキー入力操作で行っていたものを、蓋部を第2開状態にまで開くという操作を含む操作で行うものである。
このような第2開状態にまで蓋部を開くという操作を含む操作をすることで、使用者の操作上の負担の軽減や誤操作の防止等を図り、操作性の向上を図ることができる。
たとえば、通話中はすでに機器本体を耳にあてがっているため、キー操作部分を直接見ることができず、この状態で何らかのキー入力を行うためには、一旦機器本体を耳から離して通話を中断することが必要な場合があったが、通話中において耳にあてがったまま蓋部の所定の開閉操作(例えば、第2開状態とする操作)をすることによって所定の機能(たとえば、スピーカ音量調節)を動作させることができれば、通話を中断することもなく、利用者の使い勝手を著しく向上できる。
なお、制御部の機能(61〜72)をすべて備える必要はないことを述べたが、逆にすべての機能を備えた場合は、起動する機能と起動させない機能とを予め設定するようにしてもよい。
【0047】
また、1つの操作に複数の機能の起動を対応づけて設定するようにしてもよい。ただし、どのような条件が成立するときに、どの機能を起動させるかを予め明確に設定しておく必要がある。
たとえば、蓋部の閉状態から第2開状態への操作をすることに対して、発信機能の起動と着信機能の起動とを対応付けることが可能であるが、着信信号の受信中にこの操作がされたときは、着信機能を起動させ、発信機能は起動させないようにする。
すなわち、同じ第2開状態へ開く操作に対して2つの機能が対応づけられていたとしても、その操作に加えてその機能を起動する条件を設定あるいは固定記録しておくことにより、起動すべき機能を明確に決めておくことができる。
【0048】
<蓋部の開閉操作の説明>
次に、この発明の携帯情報機器の蓋部の開閉操作について説明する。前記したように、蓋部の開閉操作により、種々の機能が実現される。
図2に、この発明の携帯情報機器の一実施例の概略構造図を示す。
図2には、一実施例としていわゆる折りたたみ式の携帯情報機器を示している。
この発明の携帯情報機器は、主として、蓋部101,本体部102および連結部103から構成される。蓋部101には、LCD,ELなど各種情報を表示する表示部1やスピーカ4が含まれる。
本体部102には、操作部が含まれる。たとえば複数のキーからなる入力部2やマイク3が含まれる。連結部103は、蓋部101と本体部102とが完全に離れてしまわないように結合する部分であり、いわゆるヒンジ機構を含む。
【0049】
図2の場合は、この連結部103を回転軸として、蓋部101が本体部102に対して一定角度だけ回動できるように構成される。
すなわち、蓋部101と本体部102とは、その一方の端部(連結部103)で結合され、その端部で開閉可能なように組み立てられている。
この開閉可能な構成自体は、従来の折りたたみ式の携帯電話と同じものを利用することができる。ただし、この発明では、次のような2つの開状態を実現するように蓋部を開くことを特徴とする。
【0050】
図2(a)は、蓋部101を閉じた状態を示している。
図2(b),図2(c)はどちらも蓋部101を開いた状態を示しているが、図2(b)を第1開状態と呼び、図2(c)を第2開状態と呼ぶ。
図2(b)の第1開状態は、蓋部101を開いたときに、安定して蓋部101が固定される1つの状態を示している。この第1開状態の蓋部101と本体部102とのなす角を、第1回動角θ1と呼ぶ。
この第1開状態では、一般に、入力部2のキー入力操作、表示部1に表示されたメールや画像を見ること、およびメール作成等が行われる。
【0051】
図2(c)の第2開状態は、図2(b)の第1開状態よりもさらに蓋部101を開いた状態である。この第2開状態の蓋部101と本体部102とのなす角を、第2回動角θ2と呼び、θ2>θ1である。また、蓋部は第2開状態よりもさらに開くことはできないものとする。
この発明では、蓋部101を開いたときに、安定して固定される。このような2つの開状態を実現するためには、連結部103にラッチ機構を設ければよい。閉状態から蓋部101を開いていくと、第1回動角θ1まで開いたときにラッチ機構が働き、一旦第1開状態として安定して固定されるようにする。また、第1開状態において、利用者がさらに蓋部101を開く方向に回動させ、第2回動角θ2まで開いたときに第2開状態として安定して固定されるようにする。
【0052】
また、利用者が第2開状態まで蓋部を開いた後開く動作を解除したとき、第2開状態で蓋部が安定して固定されるのではなく、蓋部101が第1開状態にまで戻るようにしてもよい。すなわち、第2開状態は、利用者が力を加えて蓋部を開いているときのみ一時的に維持され、力を加えるのをやめると第2開状態から第1開状態に自動的に戻るようにしてもよい。
このように第2開状態から第1開状態に自動的にもどるようにするためには、連結部103にバネやコイル等からなる復帰機構を設ければよい。
また、連結部103には、第2開状態よりもさらに開くことができないように、ラッチ機構を設けることが好ましい。
【0053】
図2に示したように、蓋部101と本体部102との相対的な位置関係は、閉状態(図2(a)),第1開状態(図2(b))および第2開状態(図2(c))という3つの状態が存在する。
この発明では、この3つの状態を区別して検出するための機構を備える。たとえば、閉状態と第1開状態とを検出するために、1対の磁石とホール素子からなる第1開状態検出部51を設ける。このホール素子は磁界が生じると一定の電圧を発生する性質を有するものである。第1開状態検出部51は、蓋部101と本体部102の端部で連結部103のない側に設けられる。
【0054】
たとえば、磁石を蓋部101に配置し、かつホール素子を本体部102に配置し、蓋部101を閉じたときに、磁石とホール素子とが数mm以内の距離で対向するように構成する。
すなわち、蓋部101が閉じられた状態では、磁石とホール素子とが近接し、ホール素子に磁界が入り一定電圧が発生させられる。この電圧が発生していることを検出することにより、閉状態が検出される。磁石とホール素子は、それぞれ図4の磁石121とホール素子122に相当する。また、第1開状態では、図示していないが、連結部103に連動する突起とそれを受ける固定されたスイッチを設け、第1開状態のときに突起がスイッチを押すように配置することで検出される。
【0055】
また、第2開状態を検出するためには、たとえば、連結部103の近傍に、スイッチとスイッチをON/OFFするための突起からなる第2開状態検出部52を設ければよい。
図3に、第2開状態検出部52の一実施例の概略構成図を示す。
図3(a)は、第1開状態における蓋部101,本体部102および第2開状態検出部51の構成を示している。
第2開状態検出部51は、スイッチ104と突起105とから構成される。図3では、突起105を本体部102の表面で、連結部103に近い端部に設け、スイッチ104を蓋部101の連結部103近傍の端部に設けている。この第1開状態ではスイッチ104と突起105とは離れており、スイッチ104はまだ押されていない。
【0056】
スイッチ104は、蓋部101の表面に設けてもよいが、蓋部101の一部分に突起105を受容できる程度の凹部を設け、突起105が凹部に挿入されたときにスイッチが押されるように、その凹部の底に設けてもよい。
図3(b)は、蓋部101をさらに開き、第2開状態とした場合を示している。このとき、突起105が凹部に挿入され、スイッチ104が押され、スイッチの接点が閉じられる。すなわちスイッチ104がON状態となる。第2開状態検出部52は、スイッチ104のONまたはOFFを検出するものであり、スイッチがON状態のときに、第2開状態であることを検出し、OFF状態のときは第2開状態でないと判断する。
【0057】
図3に示すような機構を設けることにより第2開状態が検出されるが、第1開状態から第2開状態への蓋部101の移動は、使用者の意図的な操作により行われる。この使用者の意図的な操作は、使用者がこの機器を片手に持って表示部1を見ながら行うことも可能であるが、回動角のθ1からθ2への変化はわずかであり、スイッチ104を押すための力も少なくてよいので、通話中などの機器を耳にあてがっているような状態でも、機器を耳や顔の側面に押しつけるような操作をするだけで、第2開状態まで開く操作を容易にできる。
すなわち、第1開状態から第2開状態への操作は、蓋部の表示面や、本体部の操作部を見なくてもできるので、利用者にとって良好な操作性を提供することができる。
【0058】
したがって、第2開状態へ開く操作をすることを、特定の機能を実行するための操作に対応づければ、操作性の向上および使用者の負担の軽減をすることができる。たとえば、通話中に行う第2開状態への開く操作をスピーカ音量の増減機能に対応づければ、機器を耳にあてがった通話状態のままで、音量の調節が可能であり、音量調節の操作性が向上できる。
【0059】
図4に、この発明の第2開状態検出部52の他の実施例の概略構成図を示す。ここでは、第2開状態検出部52を、1組の磁石123とホール素子124により構成する。
この1組の磁石123とホール素子124とは、連結部103の近傍に設ける。たとえば、磁石123を蓋部101に設け、ホール素子124を本体部102に設け、図4(a)の蓋部101を閉じた状態と、図4(b)の第1開状態の場合には、磁石123とホール素子124とが、一定距離以上離れた状態を維持し、図4(c)の第2開状態では、両者が一定距離内に近づき、所定の電圧を発生することができるような位置に配置する。
【0060】
この図4の構成の場合、磁石123とホール素子124とが接近し、所定の電圧が発生したことを検出している場合を第2開状態と判断し、電圧が発生していない場合を第2開状態でないと判断する。
なお、図4において、磁石121とホール素子122とは前記したように第1開状態検出部51を構成し、所定の電圧が発生していない場合を第1開状態と判断し、電圧が発生している場合を閉状態と判断する。
【0061】
<実施例1:着信機能と発信機能>
ここでは、この発明の着信処理および発信処理について説明する。特に、従来のような特定のキー入力操作をするのではなく、図2に示したような蓋部を第2開状態へ開く操作をすることにより、着信処理または発信処理を起動させることを特徴とする。
図5に、この発明の携帯情報機器の着信および発信機能のフローチャートを示す。
まず、ステップS1において、着信信号検出部33によって着信信号が検出されるか否かチェックする。着信信号が検出された場合、ステップS2へ進み、第2開状態検出部52によって第2開状態が検出されるか否かチェックする。
【0062】
第2開状態が検出された場合、利用者が意図的に着信して通話に入る操作をしたとみなして、ステップS3の着信処理を実行する。着信処理とは、回線閉結部34による回線の捕捉、通話制御部6によりマイクおよびスピーカで通話できる状態にすることを含む。
ステップS2で、第2開状態が検出されない場合は、ステップS1へ戻る。
【0063】
以上がこの発明の着信処理であるが、利用者が意図的に第2開状態まで、蓋部101を開く操作をしたときに、回線を捕捉し、通話可能な状態となる。
また、蓋部を閉じた状態や蓋部を第1開状態まで開けた状態では、着信信号を検出しても、リンガー5が鳴動しているだけで、通話できる状態とはならない。
【0064】
したがって、着信があった場合に、第1開状態まで蓋部を開けたときに、その着信の発信者の名前あるいは番号を表示するようにしておけば、利用者は通話に入る前にその発信者を確認することができ、出たくない相手である場合には、その通話に出ないこともできる。
また、たとえば、第1開状態まで蓋部を開けた後、機器を耳にあてがい、耳にあてがった状態で機器の蓋部101を耳や顔の側面に押しつける動作をして第2開状態とすることにより、すぐに通話可能な状態とすることができる。
【0065】
図2に示したような折りたたみ式の携帯情報機器では、スピーカ4は、蓋部101の先端に配置されており、「蓋部を開く,機器の蓋部を耳にあてがう,通話をする」という一連の動作は着信時に自然な動作であるので、蓋部を耳にあてがった後、蓋部を耳に押しつけて第2開状態とする動作も、利用者に負担をかけずに容易にできると考えられる。すなわち、この発明の一連の着信動作は、着信の専用キーを目視で探して押すという操作よりも、操作性は良好である。
【0066】
また、利用者が蓋部101を押して第2開状態とした場合、第2開状態で蓋部101が安定して固定されるようにしてもよいが、前記したように、蓋部の第1開状態への復帰機構を設けることにより、一旦第2開状態とした後、押すのをやめると第1開状態に戻るようにしてもよい。
【0067】
さらに、通話が終了して回線を切断するときは、蓋部を閉じる操作をすればよいが、第1開状態への復帰機構を備えている場合は、通話終了後において第1開状態から第2開状態へ開く操作をしたときに回線を切断するようにしてもよい。この場合、図5のフローにはないが、通話中に第2開状態を検出したときは回線切断をするという処理を追加すればよい。
【0068】
次に発信処理について説明する。
ステップS1において、着信信号が検出されていない場合、ステップS4へ進む。ステップS4において、発信先を特定する加入者番号が入力されたか否かチェックする。入力されていない場合はステップS1へ戻り、入力された場合はステップS5へ進む。
【0069】
ここで、加入者番号の入力は、利用者が直接キー入力してもよいし、電話帳を表示させてその中から発信すべき相手を選択することや、相手先を特定する発声を音声認識することによって行ってもよい。すなわち加入者番号の入力は従来から利用されている種々の方法を利用することができる。
【0070】
ステップS5において、第2開状態が検出されるか否かチェックする。第2開状態が検出されない場合はステップS4へ戻るが、検出された場合はステップS6へ進み、発信処理を行う。
発信処理とは、回線閉結部34による回線捕捉や、入力された加入者番号情報の通信回線40へ送信することを含む。
折りたたみ式の携帯情報機器では、相手先に電話をかける場合、「蓋部を開ける,相手先の加入者番号を入力する,発信起動用のキーを押す,機器の蓋部を耳にあてがう」という一連の動作をして、相手がその通話に出るのを待つというのが従来の一般的な流れである。
【0071】
一方、この発明の場合は、「発信起動用のキーを押す」という操作が不要となり、「蓋部を第1開状態まで開ける、相手先の加入者番号を入力する、機器の蓋部を耳にあてがう、蓋部を耳あるいは顔の側面に押しつけて第2開状態まで蓋部を開く」という一連の動作をすることにより相手先に電話をかける。
この場合、機器を耳にあてがった後に、そのままの状態で発信操作をし、そのまま相手が通話に出るのを待つことができ、一連の動作は利用者に負担をかけることなく容易にすることができる。すなわち加入者番号を入力した後は、発信起動用キーを目視で探す必要はなく、スムーズな動作で電話をかけることができ、発信時の操作性は向上する。
【0072】
<実施例2:スピーカ音量調節>
ここでは、この発明の通話中におけるスピーカの音量調節をする処理について説明する。
スピーカの音量を変更する操作として、図2に示したような蓋部を第2開状態へ開く操作を利用する。スピーカの音量調節は、通常通話中に行われ、スピーカ音量調節部63が、通話制御部6を制御することにより行う。
【0073】
図6に、この発明のスピーカ音量の調節機能のフローチャートを示す。
まず、ステップS11において、現在通話中か否かチェックする。たとえば、回線閉結部34が回線を捕捉し、かつ相手が応答または自己が着信処理をした場合に、現在通話中であることを示す情報を記憶しておく。この記憶情報をチェックすることにより、通話中であるか否かをチェックすればよい。通話中の場合は、ステップS12へ進み、通話中でないときは処理を終了する。通話中の場合、蓋部101が第1開状態まで開かれた状態であるとする。
【0074】
通話中の場合、ステップS12において、第2開状態検出部52によって第2開状態が検出されるか否かチェックする。第2開状態が検出されない場合はステップS11へ戻り、検出された場合はステップS13へ進む。
第1開状態まで蓋部101を開いた状態で機器を耳にあてがって通話をしているときに、利用者がスピーカの音量を変更したいと思った場合、蓋部101を耳または顔の側面に押しあてることにより第2開状態とする。また、この実施例の機器を行う場合は、耳への押しあてを中止したときに、蓋部が第1開状態にまで自動的に戻る復帰機構を備えることが好ましい。
【0075】
ステップS13において、現在の通話音量がすでに最大音量に設定されているか否かチェックする。すでに最大音量となっている場合は、ステップS14へ進み、通話音量を最低レベル(=0)に変更する。一方、最大音量となっていない場合は、ステップS15へ進み、通話音量を予め定められた一定レベルだけ増加させる。
このフローチャートの場合、通話中に、利用者が一回第2開状態へ蓋部を開く操作をすることにより、スピーカ音量が一段階だけ増加させられる。すなわち、第2開状態へ蓋部を開く操作をするごとに、音量が一定レベルずつステップ的に増加させられる。また、最大音量まで行きつくと、次回の第2開状態へ開く操作により、最小音量に変更され、サイクリックに音量が変更される。
【0076】
この実施例2では、通話中に機器を耳から離さずに耳にあてがったままの状態でスピーカの音量の調節ができるので、音量調節のために通話を中断する必要はなく、通話中の音量変更を容易な操作ですることができ、スムーズな通話が可能である。
【0077】
上記説明では、第2開状態へ開く操作をするごとにステップ的に一定レベルずつ音量を増加させるものとしたが、復帰機構を有する場合において、蓋部101を第2開状態にまで開いている時間を計測し、その第2開状態の維持時間(長押し時間)に対応させて音量の増加量を変動させるようにしてもよい。
たとえば、長押し時間が1秒以内であれば、1レベルだけ音量を増加させ、長押し時間が2秒のときは、2レベル分だけ音量を増加させるようにすればよい。
【0078】
また、所定時間(たとえば5秒)以上第2開状態を維持した場合、その長押し操作は音量のステップ的な増減の方向の切り替え操作としてもよい。たとえば、ステップ的な音量の増加をさせている場合に、この所定時間(5秒)以上第2開状態が維持された場合、次の第2開状態へ開く操作からは、ステップ的に音量を減少させる操作とする。
ステップ的に音量を減少させていく場合は、ステップS13において最小か否かチェックするとともに、ステップS14において通話音量を最大に変更するようにすればよい。
【0079】
また、ステップ的に音量を上げていった場合の最大音量に上限を設けるようにしてもよい。
これは、誤操作により音量が必要以上に大きくなりすぎるのを防止するためである。
この場合、利用者によって望ましい最大音量は異なるので、上限とする最大音量は、利用者が設定できるようにしてもよい。
たとえば、ハードウェア上は音量としてレベル0〜10までの10段階の変更が可能である場合に、上限をレベル7と予め設定する。そして、レベル7の音量状態で、第2開状態へ開く操作がされた場合は、レベル8へ増加させるのではなく、ステップS14においてレベル0へ音量を変更する。
【0080】
また、特定のキーの押下をした状態で第2開状態へ開く操作をした場合に、音量を1レベルだけ減少させるようにしてもよい。
この場合、特定のキーを押下げずに第2開状態へ開く操作をすることにより1レベル分の音量の増加をさせ、特定のキーを押下げたまま第2開状態へ開く操作をすることにより1レベル分の音量の減少をさせる。
このように特定のキーの押下操作と組み合わせることにより、サイクリックな音量の変更だけでなく、利用者の意思に基づく音量の増減が可能となる。
【0081】
<実施例3:留守番応答機能>
ここでは、この発明の留守番応答機能の設定および解除と、着信拒否機能について、説明する。
留守番応答機能の設定および解除のために、従来は特定のキーの押下操作が行われることが多いが、この発明では、蓋部の第2開状態へ開く操作と閉じる操作を利用する。
図7に、この発明の留守番応答機能の起動処理のフローチャートを示す。
ここでは、着信信号検出時に、留守番応答機能を起動させ、自己で通話をする代わりに、留守電用メッセージを流して応答する場合について説明する。
まず、ステップS21において、着信信号検出部33によって着信信号を検出したか否かチェックする。着信信号を検出している場合はステップS22へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0082】
ステップS22において、第1開状態検出部51によって第1開状態が検出されたか否かチェックする。第1開状態が検出された場合、すなわち利用者が着信があったことに気づき、蓋部101を第1開状態まで開けた場合は、ステップS23へ進み、そうでない場合はステップS21へ戻る。
ただし、このステップS22の判断は必須のものではなく、ステップS21で着信信号を検出した場合、ステップS23へ進んでもよい。
【0083】
ステップS23において、第2開状態が検出されたか否かチェックする。利用者が意図的に蓋部を第2開状態にまで開いた場合には、ステップS24へ進み、そうでないときは処理を終了する。
ステップS24において、タイマーを起動させ、経過時間をカウントして、所定の時間(たとえば1秒)以内に、蓋部が閉じられたか否かチェックする。
閉じられたことの検出は、第1開状態検出部51によって行う。
【0084】
利用者が蓋部を第2開状態になるまで開き、その後所定時間内に蓋部を閉じた場合には、ステップS25へ進み、留守番機能を起動させる。
ここで、留守番応答機能には、留守であることや電話に出られない旨を通知するメッセージの送出,相手側の音声の録音,相手側の電話番号情報の受信などが含まれる。
一方、一旦第2開状態とされても所定時間内に蓋部が閉じられなければ、留守番応答機能の開始の操作はされなかったものとみなし、処理を終了するか、あるいは、着信処理を行うようにしてもよい。
【0085】
このような操作により着信時に留守応答をするようにすれば、着信時の一般的な流れの操作と同様な蓋部の開閉動作で留守応答をすることができるので、利用者にとってわかりやすい操作で迅速に留守応答が可能となる。
また、上記説明では、蓋部の開く操作と閉じる操作という2つの一連の操作で留守応答に入るものとしたが、この他に、第2開状態としている時間を計測し、より長時間(たとえば2秒間)蓋部の第2開状態を維持する操作(長押し操作)をした場合に、留守応答を開始するようにしてもよい。
【0086】
また、ステップS22で、第1開状態を検出した後、第2開状態を検出することなく、蓋部の閉じた状態を検出した場合は、「着信拒否」を意図した操作とみなし、一旦着信処理をして回線を接続した後、すぐに回線を切断する処理をしてもよい。これにより、着信時に第1開状態で発信者を確認したときに、通話したくない相手の場合は、何も応答することなく強制的に回線切断をすることができる。
また、「着信拒否」の操作をしたとみなしたとき、強制的に回線を切断するのではなく、着信音だけを停止するようにしてもよい。この場合、相手側は、呼び出し音が鳴ったままになるが、着信側では、利用者にとっては着信のない状態とほぼ同じとなる。
なお、留守番機能の起動は、図7のフローチャートのように着信時に限るものではなく、着信時以外の状態においても同様の一連の蓋部の開閉動作をすることにより行うようにしてもよい。
また、留守応答を起動した状態において、蓋部を第2開状態へ開く操作と、その後所定時間(たとえば1秒)内の閉じる操作をすることにより、留守番機能を解除するようにしてもよい。
【0087】
<実施例4:キャッチホン設定機能>
ここでは、通話中においてキャッチホン信号を受信した場合に、通話回線を他の回線に切り替える処理について説明する。通話中は、機器を耳にあてがっているが、この実施例では、機器の蓋部を耳に押しあてて第2開状態とする動作により、機器を耳にあてがった状態のままでキャッチホン切替処理を行い回線を切り替える。
通話は、蓋部を第1開状態にまで開けた状態で行っているものとする。キャッチホン信号の検出はキャッチホン信号検出部32により行い、キャッチホン信号が検出された場合、制御部60が、回線切替部35に対して回線の切替を指示する。回線切替部35は、回線閉結部34を介して現在の捕捉回線(先の通話回線)を保留し、他の回線(後の通話回線)を接続させる。
【0088】
図8に、キャッチホン設定機能のフローチャートを示す。
図8において、まず、ステップS31において、通話中か否かチェックする。通話中か否かは、回線閉結部34による回線捕捉をしたときにデータ記憶部10に記憶された通話情報の有無を確認すればよい。
通話中である場合ステップS32へ進み、そうでないとき処理を終了する。
ステップS32において、キャッチホン信号検出部32によってキャッチホン信号が検出されたか否かチェックする。検出されたときはステップS33へ進み、そうでないときは、ステップS31へ戻る。
キャッチホン信号が検出されたとき、キャッチホン信号が検出されたことがスピーカを介して、利用者にも知らされるので、利用者は他の着信があったことを知ることができる。そこで、この実施例では、他の着信に回線を切り替えたい場合、利用者は、機器を耳にあてがったままの状態で意図的に蓋部101を第2開状態にまで開く操作をする。
【0089】
ステップS33において、第2開状態検出部52によって第2開状態が検出されたか否かチェックする。
第2開状態が検出されなかったときは処理を終了するが、第2開状態が検出された場合、ステップS34へ進みキャッチホン切替処理を行う。
この実施例では、機器を耳にあてがった状態のままで、キャッチホン信号の受信に伴う回線の切替が容易にできる。
また、現通話回線を他の着信回線(後の通話回線)に切り替えた後、さらに、利用者が第2開状態にまで開く動作をした場合には、他の着信回線を保留とし、現通話回線(先の通話回線)に切り替える処理をする。すなわち、通話中にキャッチホン信号が受信された場合、第2開状態にまで開く操作をするごとに交互に先の通話回線と後の通話回線とを切り替えるようにすればよい。ただし、この場合は、前記した第1開状態への復帰機構を設けることが好ましい。
【0090】
この実施例において、キャッチホン信号の回線切り替えのために、蓋部を第2開状態へ開く操作を利用しているので、通話中に、機器を耳から離すことなく迅速かつ容易に回線の切り替えができる。
【0091】
<実施例5:電子メール受信機能>
ここでは、電子メールの着信があったことを検出した場合に、所定の操作でメールソフト21を起動させて受信メールを読める状態とする処理について説明する。
この実施例のメールソフト起動のための所定の操作として、蓋部を第2開状態へ開く操作を利用する。
メールの着信があった場合、メール着信検出部31が着呼信号データを分析し、着呼信号データのヘッダー内にメールの識別情報を検出することによりメール着信があったものと判断することができる。
【0092】
図9に、電子メール着信時におけるメールソフト起動までのフローチャートを示す。
まず、ステップS41において、メール着信検出部31によって電子メールの着信があったことが検出されたか否かチェックする。検出された場合ステップS42へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0093】
ステップS42において、第2開状態が検出されたか否かチェックする。
メール着信が検出された場合、図示していないが、通話着信と同様に、リンガー5を鳴動させるなどして、メールが着信したことが利用者に報知される。利用者がこの報知によりメール着信があったことを知ると、利用者は蓋部を開くという操作をすることが従来行われている。
そこで、この発明では、この従来の操作の整合性を考慮して、利用者がメール着信があったことを知った後、蓋部を開いて第1開状態とした後、さらに意図的に第2開状態とすることにより、自動的にメールソフトを起動するようにする。
【0094】
すなわち、ステップS42において、第2開状態が検出された場合、ステップS43へ進み、メールソフト21を起動させる。
メールソフトが起動された場合、着信したメールの内容をすぐに表示部1に表示するようにする。これによれば、蓋部を第2開状態へ開くという操作をするだけで、迅速かつ容易に、着信したメールの内容を読むことができる。
【0095】
もし着信したメールが複数ある場合や、未読メールが2つ以上残っている場合は、たとえば、1回目の第2開状態への開く操作により最新の受信メールの内容を表示し、その後さらに蓋部を第2開状態へ開く操作がされた場合には、その次に新しい受信メールあるいは未読メールの内容を表示するようにしてもよい。
すなわち、着信した未読メールが複数ある場合に、蓋部を第2開状態とする操作をするごとに、その複数個の受信メールを順番に表示するようにしてもよい。
【0096】
また、上記の操作によりメールソフト21が起動された状態において、蓋部を所定時間(たとえば2秒)以上第2開状態にまで開くという長押し操作をした場合には、メールソフト21を終了させるようにしてもよい。このようにメールソフトの起動処理も終了処理も、蓋部を第2開状態にまで開くという操作に関連した操作で行うようにすれば、利用者の負担を軽減でき、誤操作を防止することもできる。
【0097】
<実施例6:マルチメディア判別起動機能>
ここでは、マルチメディア情報を受信(ダウンロード)した後に、所定の操作で、そのマルチメディア情報に対応づけられたソフトウェアを起動させる処理について説明する。
ここでソフトウェアを起動させるための所定の操作として、蓋部を第2開状態へ開く操作を利用する。
マルチメディア情報としては、文字,図形,記号,画像,音楽など種々のものがあるが、マルチメディアデータ判別部67によって、受信したマルチメディア情報の種類を判別する。
この判別は、従来から行われているように、受信データのファイル形式(JPEG,MP3,TXTなど)を確認することにより行うことができる。
図10に、マルチメディア判別起動処理のフローチャートを示す。ここでは、マルチメディア情報のうち、画像と音楽の2つの種類だけを判別するフローを示しているが、これに限るものではない。
【0098】
ステップS51において、着信によって通信回線40を介して送られてきたマルチメディア情報をダウンロードし、データ記憶部10に保存する。保存処理は、利用者の指示により行ってもよく、あるいは自動的に行ってもよい。
この実施例では、利用者は、受信したマルチメディア情報が保存されたことを表示等で知った後、そのマルチメディア情報を視聴するために蓋部を第2開状態にまで開く操作をする。
ステップS52において、第2開状態が検出された否かチェックする。
第2開状態が検出されたとき、ステップS53へ進むが、そうでないときは処理を終了する。
【0099】
ステップS53において、ダウンロードされたマルチメディア情報が画像データか否かチェックする。
画像データの場合は、ステップS55へ進み、画像ビューワー23を起動させる。
画像データでない場合はステップS54へ進み、音楽データか否かチェックする。音楽データの場合は、ステップS56へ進み、音楽プレーヤー22を起動させる。
【0100】
画像ビューワー23または音楽プレーヤー22を起動させた後、自動的にダウンロードしたそのマルチメディア情報をすぐに再生する処理をしてもよい。
あるいは、起動後に、さらに蓋部を第2開状態にまで開く操作をした場合に、そのマルチメディア情報を再生するようにしてもよい。
また、画像ビューワーあるいは音楽プレーヤーが起動されている状態で、蓋部を所定時間(たとえば3秒)以上、第2開状態とする長押し操作をした場合、起動されているソフトを終了させる処理をしてもよい。
この実施例では、多数のキー入力操作を必要とせず、蓋部を第2開状態にまで開くという容易な操作をするだけで、ダウンロードした情報を保存した後すぐにそのマルチメディア情報を視聴するソフトを起動させることができる。
また、起動処理と終了処理のどちらも蓋部を第2開状態へ開く操作に関連する操作で行うので、利用者の負担を軽減でき、誤操作を防止できる。
【0101】
<実施例7:アラーム音停止機能>
ここでは、アラーム音が鳴動している場合に、蓋部を第2開状態にまで開く操作をすることによりアラーム音を停止させる機能について説明する。
アラーム音を鳴らす時間や発生イベントの設定は、アラーム報知設定部68により行う。たとえば、利用者が、アラームを鳴動させるべき時間を入力部2から入力し、その時間をデータ記憶部10に記憶しておき、アラーム鳴動監視をスタートさせる。そして、記憶されたアラーム鳴動時間と現在の時刻とをつねに比較し、一致した場合に、スピーカ4あるいはリンガー5を用いてアラーム音を鳴動させる。
【0102】
図11に、この発明のアラーム音停止機能のフローチャートを示す。
まず、ステップS61において、現在アラーム音が鳴動中か否かチェックする。鳴動中か否かは、記憶された時間等をチェックすることによりできる。
アラーム鳴動中でなければ処理を終了するが、鳴動中の場合はステップS62へ進む。
ステップS62において、第2開状態か否かチェックする。第2開状態検出部51によって第2開状態であることが検出された場合はステップS63へ進み、そうでない場合はステップS61へ戻る。ステップS63では、アラーム音停止処理を行い、アラーム音を停止させる。
通常、アラーム音が鳴動すると、利用者はその音を聞いてアラーム音を止めようとするか、またはなぜ音が鳴っているのかを確認しようとする。
【0103】
アラーム音を止めようとする場合、利用者は、蓋部を開けて音を止めるための操作をするが、この実施例では、蓋部を第2開状態にまで開く操作をすればアラーム音を止められる。
また、アラーム音を鳴らす条件設定が1つの場合は特にその鳴動理由を利用者に知らせる必要がない場合もあるが、アラーム音を鳴動させたとき、あるいは鳴動を停止させる操作をしたときに、その鳴動理由(設定された時間が来たことなど)や利用者が予め設定したメッセージを表示部1に表示するようにしてもよい。この表示により利用者に注意を喚起させることができる。
【0104】
さらに、鳴動条件が2つ以上設定されている場合、アラーム音を変えることにより鳴動理由を利用者に報知することもできるが、上記と同じように、各アラームごとに予め設定されていた鳴動理由やメッセージを表示するようにしてもよい。
また、鳴動停止後、鳴動理由が表示されている場合において、その後利用者が蓋部を第2開状態にまで開く操作をした場合には、その表示を消すようにしてもよい。あるいは第2開状態を一定時間維持する長押しをした場合に表示を消すようにしてもよい。
【0105】
この実施例によれば、アラーム停止のために蓋部を第2開状態まで開けるという操作をすればよく、特定の鳴動停止キーを押す必要もないので利用者の負担軽減と誤操作を防止できる。
【0106】
<実施例8:マナーモードの設定機能>
ここでは、着信音等が鳴らないマナーモードの設定および解除を、蓋部の開閉操作により行う場合について説明する。
マナーモードの設定および解除は、マナーモード切替部69が、第2開状態検出部52によって検出される第2開状態と、第1開状態検出部51によって検出される蓋部の閉状態とを監視することによって行う。
この実施例では、通話中でないときかつ着信信号検出中でないときに、蓋部を第2開状態にまで開く操作が検出され、その後、所定時間内に蓋部が閉じられたことが検出された場合にマナーモードを切り替えるものとする。
【0107】
すなわち、マナーモードが解除されている状態で、第2開状態まで開く操作をした後一定時間内に蓋部を閉じる操作がされた場合には、マナーモードの起動状態に設定する。
マナーモードが設定されている状態で上記と同じ一連の操作がされた場合には、マナーモードを解除する。
図12に、マナーモード切替処理のフローチャートを示す。
ステップS71において、第2開状態検出部52によって第2開状態が検出されたか否かチェックする。検出されなかったときは処理を終了し、一方検出された場合はステップS72へ進む。
ステップS72において、通話中でないことおよび着信信号検出中でないことをチェックする。
【0108】
通話中でもなく、かつ着信信号検出中でもない場合は、ステップS73へ進み、通信中の場合、あるいは着信信号検出中の場合は処理を終了する。
ステップS73において、監視タイマーを起動させ、そのタイマーの設定時間内(たとえば1秒)に蓋部が閉じられたか否かチェックする。閉じられたか否かは、第1開状態検出部51からの検出信号によりチェックする。
その設定時間内に閉じられたことを検出した場合はステップS74へ進み、そうでないときは処理を終了する。
ステップS74において、現在のマナーモードの設定状態が起動(ON)又は解除(OFF)のどちらであるかをチェックする。このチェックは、データ記憶部10に記憶されたマナーモードの設定情報を確認することにより行うことができる。
現在、起動(ON)状態の場合は、ステップS76へ進み、マナーモードを解除(OFF)に設定し、解除(OFF)状態の場合はステップS75へ進みマナーモードを起動(ON)に設定する。
【0109】
マナーモードが現在どちらの状態にあるかは、従来と同じようにマナーモードである旨の表示を表示部1にすればよい。
以上のようにマナーモードの起動と解除を、同じ一連の操作で行うことができるので、利用者の負担を軽減し、誤操作を防止できる。
また、上記のように蓋部の開閉動作をするのではなく、所定時間(たとえば2秒)以上、蓋部を第2開状態とした場合に、マナーモードを切り替えるようにしてもよい。この場合、第1開状態への復帰機構を設けることが好ましい。
なお、上記説明では、通話中又は着信信号検出中はマナーモードの切り替えは行わないものとしたが、これに限るものではない。
【0110】
<実施例9:特定宛先への自動発信機能>
ここでは、所定の操作をした場合に、予め登録された1つの宛先又は複数の宛先のうち1ヶ所の宛先に自動発信する処理について説明する。
所定の操作としては、蓋部を第1開状態にまで開く操作とその後の一定時間内に第2開状態にまで開く操作とからなる一連の操作を利用する。
【0111】
図13に、この発明の特定宛先への自動発信処理のフローチャートを示す。
ステップS81において、着信信号が検出されている状態か否かチェックする。着信信号が検出されていない場合、ステップS82へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS82において、通話中か否かチェックする。通話中でない場合、ステップS83へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS83において、第1開状態が検出されたか否かチェックする。すなわち、通話中でもなく、かつ着信信号検出中でもない場合に、利用者が蓋部を開けて第1開状態としたか否かチェックする。ここで、第1開状態が検出された場合ステップS84へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS84において、現在発信先限定モードの起動状態か否かチェックする。発信先限定モードとは、登録された自動発信先のみに発信を限定し、他の発信宛先には発信動作を起こさないモードをいい、予め設定登録してデータ記憶部10に記憶しておく。現在発信先限定モードである場合はステップS85へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0112】
ステップS85において、自動発信先が設定登録されているか否かチェックする。1つ以上自動発信先が登録されている場合は、ステップS86へ進み、そうでない場合はステップS89へ進む。
ステップS86において、発信メッセージを表示する。登録された自動発信先が1ヶ所の場合は、その自動発信先を特定する表示とその自動発信先に自動発信する旨のメッセージを表示する。
また、登録された自動発信先が複数ある場合は、登録された自動発信先の一部又は全部を表示させて、利用者に発信先を選択することを要求する旨の表示をする。
ここで、ステップS83で第1開状態が検出されただけでは、すぐに自動発信先へ自動発信することは行わず、ステップS86のメッセージを表示した状態で待機する。
自動発信先が2つ以上登録されている場合は、図示していないが、ステップS86の後に発信先の選択入力がされるのを監視する処理を追加する。
【0113】
一方、ステップS89において、現在発信先は登録された発信先のみに限定されている旨と、登録された発信先はない旨を表示し、新たに自動発信先を登録することを容易にできるようにするために、発信履歴又は着信履歴を表示する。発信履歴等のかわりに、登録された電話帳のリストを表示してもよい。
ステップS86の後、ステップS87において、第2開状態が検出されるか否かチェックする。第2開状態が検出された場合ステップS88へ進み、検出されなかった場合ステップS89へ進む。
ステップS87からステップS89に進んだ場合は、登録された発信先のみに発信が限定されている旨と発信履歴を表示すればよい。また、発信履歴等を表示するかわりに、ステップS86の表示のままでもよい。あるいは、新たに自動発信先を登録することを問合わせる旨の表示をしてもよい。
【0114】
ステップS87において、第2開状態が検出された場合、すなわち、利用者がステップS86の表示を確認してその宛先に自動発信してもよいと考え、蓋部を第2開状態にまで開く操作をした場合は、その操作を自動発信の指示とみなし、ステップS88へ進んで、設定登録された自動発信先に自動発信する。
ステップS87において、第2開状態のチェックは一定時間(たとえば10秒)だけとし、その時間内に第2開状態が検出されなければステップS89へ進むのではなく、通話以外の他の機能(たとえばメール送信機能やカメラ機能)が実行できるようにするために、処理を終了してもよい。
【0115】
この実施例によれば、登録された自動発信先に自動発信するモード(発信先限定モード)に設定されている場合に、蓋部を閉じた状態から第1開状態に開けただけでは自動発信動作に入らないので、利用者の意図しない自動発信先への発信を防止することができる。
また、第1開状態で表示される登録自動発信先やメッセージを確認した後に、発信処理をさせることができるので、安全かつ確実に利用者の意図した相手に電話をかけることができる。いわゆる「かけまちがい」を防止できる。
さらに、表示メッセージの確認後に行う蓋部を第2開状態へ開く操作は、通常の電話をかける操作の一部として含まれる「機器の蓋部を耳にあてがう」という動作の後にもできるので、利用者の操作負担は少なく、誤操作を防止することができる。
【0116】
次に、この実施例において、自動発信先を登録し、発信先限定モードの設定および解除をする処理について説明する。
図14に、この発明の自動発信先登録および発信先限定モードの設定処理のフローチャートを示す。ここでは、発信先限定モードの設定は、パスワードの入力を必要とする例を示している。
まず、ステップS91において、自動発信先登録処理を終了するか否かチェックする。終了しない入力があった場合はステップS92へ進み、処理を終了する入力があった場合は、処理を終了する。
ステップS92において、自動発信先の登録を行う。すなわち、利用者が自動発信先の番号を直接キー入力するか、あるいは電話帳に登録された相手先番号を選択する操作をした後、登録指示入力をした場合に、その相手先番号を自動発信先番号として、データ記憶部10に記憶させる。
【0117】
次に、ステップS93において、あらかじめ設定しておいたパスワードを入力する。ステップS94では、入力されたパスワードと設定済みのパスワードが同じかどうかを確認し、同じ場合は、ステップS95に進み、発信先を限定する発信先限定モードに設定する。ステップS94で、入力されたパスワードと設定済みのパスワードが同じでない場合は、ステップS96に進み、発信先を限定しない発信先非限定モードに設定する。
発信先非限定モードとは、利用者の意思によって入力された任意の発信先へ電話をかけることができるモードである。
なお、自動発信先を2箇所以上設定する場合は、ステップS92において、複数の発信先を登録すればよい。さらに、パスワードを設定した場合は、たとえば図13のステップS86の表示処理のところで、パスワードの入力を要求する表示をしてもよい。
以上のような処理を行うことにより、「発信先限定モード」に設定された場合は、発信先を登録された相手先のみに固定できる。
また、パスワードを入力させることで、発信先の変更をすることができる者を、そのパスワードを知っている特定の者だけに限定することができる。
【0118】
<実施例10:電話帳起動機能>
ここでは、特定条件を満たしたときに蓋部を第2開状態にまで開く操作をした場合、電話帳を表示および編集することができるようにする処理について説明する。
ここで、電話帳を表示し編集するプログラムはアプリケーションプログラムの一つの実施例である。すなわち、特定条件下で第2開状態にまで開く操作をした場合に起動させる処理は、電話帳のプログラムに限られることはなく、予め設定された任意のアプリケーションプログラムとすることができる。
ここで説明する電話帳のプログラムを起動させるための特定条件とは、通話中でないこと、かつ着信信号を検出していないことの両条件が満たされている場合とする。このような特定条件も、起動させるアプリケーションプログラムごとに設定できるようにしてもよい。
【0119】
図15に、電話帳起動処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS101において、蓋部101が第2開状態にまで開かれたか否かチェックする。第2開状態が検出された場合は、ステップS102へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS102において、現在通話中か否かチェックする。通話中でない場合はステップS103へ進み、通話中の場合は処理を終了する。
ステップS103において、現在着信信号検出中か否かチェックする。着信信号検出中でない場合は、ステップS104へ進み、電話帳の表示および編集をすることのできるアプリケーションソフトを起動させる。一方、着信信号検出中の場合は、処理を終了する。
この実施例では、ステップS104においては、たとえば電話帳をデータ記憶部10から読み出し、電話帳の一覧表を表示させる。あるいは電話帳を検索するための表示や、編集するための表示をしてもよい。
【0120】
このような処理を実行する機能を備えた場合は、着信中でもなく、通話中でもない場面で、利用者が蓋部を開けて第2開状態にまで開く操作をするだけで、電話帳が表示される。
すなわち、電話帳を表示させるために特定のキーを目視で探して入力する必要はなく、誤入力を防止し、電話帳表示のための操作性を向上させることができる。
ここでは、アプリケーションソフトの一つとして電話帳機能を例としてとり上げ説明したが、利用者の使用頻度の高い他のアプリケーションソフトの起動のために、蓋部を第2開状態まで開くという操作を対応づけておけば実際の使用局面において操作性をより向上させることができる。
【0121】
<実施例11:スライド式機器の構成>
以上の実施例は、すべて、図2に示した折たたみ式の携帯情報機器を対象として説明してきた。しかし、この発明の携帯情報機器は、「折りたたみ式」に限定するものではなく、以下に述べるようなスライド式の携帯情報機器でもよい。
図17と図18に、この発明のスライド式の携帯情報機器の一実施例の概略構成図を示す。このスライド式の機器は、蓋部101を本体部102に対して一定方向にスライドさせることのできる機構を持つ。
このスライド式も、蓋部101,本体部102および連結部103とから構成されるが、連結部103は、たとえばレール構造の溝と凸部とからなるスライド機構を有する。本体部102の両側の側面に細長い溝を設け、蓋部101の両側の側面に細長い凸部を設け、この凸部を溝に挿入して溝方向に移動できるようにする。また、蓋部101を閉じた状態と、第1開状態と第2開状態の3ヶ所で一時的に蓋部が固定されるように、半固定機構を備える。また、第2開状態にした後、第1開状態に必ず戻る復帰機構を設けてもよい。
【0122】
図17(a)と図18(a)は蓋部101を閉じた状態を示し、図17(b)と図18(b)は蓋部101を第1開状態まで開いた状態を示し、図17(c)と図18(c)は蓋部101を第2開状態まで開いた状態を示している。
ここで、閉状態から第1開状態にまで開くスライド量よりも、第2開状態にまで開くスライド量の方が大きいものとする。
【0123】
このスライド式の場合は、閉じた状態等を検出するために、図示したようにたとえば1つの磁石J1と3つのホール素子(H1,H2,H3)を設ける。
図17に示すように、磁石J1を蓋部101の右下端部分に設けている。また、蓋部を閉じた状態を検出するために、ホール素子H1を本体部102の右下端部に設ける。
図18(a)に示すように、閉じた状態では、磁石J1とホール素子H1とが近接し所定の電圧が発生する。この電圧を測定することにより、閉じた状態であることがわかる。
【0124】
また、図17(b)および図18(b)の第1開状態を検出するために、第1開状態のときに位置する磁石J1の真下の本体部に、ホール素子H2を設ける。
さらに、図17(c)および図18(c)の第2開状態を検出するために、第2開状態のときに位置する磁石J1の真下の本体部に、ホール素子H3を設ける。
このような構成では、磁石J1とホール素子H2とが第1開状態検出部51の役割を果し、磁石J1とホール素子H3とが第2開状態検出部52の役割を果す。
図17および図18のスライド式の機器では、主として図17(b)の状態から図17(c)の第2開状態にまで蓋部を開く操作をすることにより、上記実施例で説明した各機能を実現することができる。たとえば、着信時に、図17(c)の第2開状態まで蓋部101を開けば着信することができる。
【0125】
<実施例12:擬似的第2開状態の検出>
以上の実施例では、この発明の携帯情報機器において、物理的に「第2開状態」という状態を形成し、蓋部101を第2開状態にまで開くという操作をするものとして説明してきた。すなわち、蓋部を開いた状態として、回動角あるいはスライド量の異なる第1開状態と第2開状態とを有していた。
ここでは、物理的に第2開状態という状態を形成するのではなく、蓋部101の特定の開閉動作を、第2開状態とみなす実施例について説明する。
この実施例では、従来の折りたたみ式の携帯電話と同様に、蓋部を閉じた状態と開いた状態(第1開状態とする)の2通りの状態を有し、図2(c)のような第2開状態は設けない。
【0126】
したがって、この実施例では、図1の第2開状態検出部52は設けない。すなわち、図3のスイッチ104と突起105は設けなくてよい。
また、第1開状態検出部51は、図示していないが、連結部103に連動する突起とそれを受ける固定されたスイッチを設け、第1開状態のときに突起がスイッチを押すように配置することで、図2(b)の第1開状態を検出する。このような構成のもとで、第1開状態検出部51から得られた次のような一連の情報を検出した場合に、制御部60が第2開状態が検出されたとみなす。
(1)蓋部101の第1開状態が検出されていること。
(2)次に、蓋部101と本体部102のなす角度が第1開状態よりも小さくなり、第1開状態が検出されないこと。
(3)次に、所定時間(たとえば1秒)内に、蓋部の第1開状態が検出されたこと。
この(1)から(3)の状態の検出がされたことをもって第2開状態が検出されたとみなすことは、擬似第2開状態検出部の処理に相当する。
【0127】
たとえば、着信時にその着信に応答して通話を開始する場合を考えると、利用者は次のような操作をすることになる。ここで、上記(1)から(3)の一連の状態の検出をした場合に第2開状態に相当する操作がされたものとみなし、着信処理(図5のステップS3)に入るものとする。
着信によってリンガーの鳴動を確認した利用者は、蓋部101を第1開状態にまで開く操作をし、表示された発信先などの情報を確認する。次に、蓋部101を第1開状態でない状態とした後、1秒以内に蓋部101を第1開状態にまで開く操作をし、機器を耳にあてがう。この後通話を開始する。ここで蓋部101を第1開状態でない状態とするためには、蓋部101をわずかに閉じる方向に回動させるだけでよい。あるいは蓋部101を一旦閉じてしまってもよい。
【0128】
図16に、この実施例の擬似的第2開状態の検出処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS111において、第1開状態検出部51により第1開状態が検出されたか否かチェックする。第1開状態が検出された場合はステップS112へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0129】
第1開状態検出部51によって第1開状態が一旦検出された後に、ステップS112において、蓋部の第1開状態でないことが検出されたか否かチェックする。
第1開状態でないことを検出した場合はステップS113へ進み、そうでない場合はステップS112をループする。
ステップS113において、タイマーを初期設定し起動させる。たとえば、1秒間をカウントするタイマーを起動させる。
ステップS114でタイマーをカウントアップし、ステップS115で、所定時間(たとえば1秒)が経過したか否かチェックする。まだ所定時間が経過していない場合はステップS116へ進み、経過してしまった場合は処理を終了する。
ステップS116において、第1開状態が検出されたか否かチェックする。第1開状態が検出されない場合はステップS114へ戻る。
一方、検出された場合は、第2開状態が検出されたものとみなし、ステップS117へ進む。
【0130】
ステップS117において、第2開状態が検出されたことに対応する処理を実行する。たとえば、第2開状態が検出されたことを示す情報をデータ記憶部10に一時記憶する。また必要ならば第2開状態に予め対応づけられた機能を起動するための処理を行う。
【0131】
以上のような処理を行うことにより、擬似的に「第2開状態」という状態に対応する操作がされたことが検出できる。
このようにして第2開状態を検出すれば、上記した実施例1〜10の操作よりは複雑な操作をする必要はあるが、図3に示したようなスイッチと突起からなる構成を設ける必要がなくなり、部品点数の減少に伴い、製造コストの低下と製造工程の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】この発明の携帯情報機器の一実施例の構成ブロック図である。
【図2】この発明の携帯情報機器の一実施例の概略構造図である。
【図3】この発明の第2開状態検出部の一実施例の概略構成図である。
【図4】この発明の第2開状態検出部の他の実施例の概略構成図である。
【図5】この発明の携帯情報機器の着信および発信処理のフローチャートである。
【図6】この発明のスピーカ音量の調節機能のフローチャートである。
【図7】この発明の留守番応答機能のフローチャートである。
【図8】この発明のキャッチホン設定機能のフローチャートである。
【図9】この発明の電子メール受信機能のフローチャートである。
【図10】この発明のマルチメディア判別起動処理のフローチャートである。
【図11】この発明のアラーム音停止機能のフローチャートである。
【図12】この発明のマナーモード切替処理のフローチャートである。
【図13】この発明の自動発信機能のフローチャートである。
【図14】この発明の自動発信先登録処理等のフローチャートである。
【図15】この発明の電話帳起動処理のフローチャートである。
【図16】この発明の擬似的第2開状態の検出処理のフローチャートである。
【図17】この発明のスライド式の携帯情報機器の一実施例の概略構成図である。
【図18】この発明のスライド式の携帯情報機器の一実施例の概略構成図である。
【図19】従来の携帯電話の概略構成図である。
【符号の説明】
【0133】
1 表示部
2 入力部
3 マイク
4 スピーカ
5 リンガー
6 通話制御部
10 データ記憶部
20 プログラム記憶部
31 メール着信検出部
32 キャッチホン信号検出部
33 着信信号検出部
34 回線閉結部
35 回線切替部
40 通信回線
51 第1開状態検出部
52 第2開状態検出部
60 制御部
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯情報機器に関し、特に、開閉可能な機構を有し、通話および通信が可能な折りたたみ式あるいは、蓋部及び本体部を有する携帯情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話やPDAなどの小型の情報機器が開発されている。特に、携帯電話において、携帯時(非通話時)の意図しない操作キーの押下防止や、持ち運びの利便性の観点から、折りたたみ式の携帯電話が提供されている(たとえば、特許文献1,2)。
従来の折りたたみ式の携帯電話は、一般的に、ディスプレイを備えた蓋部と、操作キー等を備えた本体部とが、ヒンジ機構を有する連結部によって開閉可能に連結されている。
【0003】
図19に、この従来の折りたたみ式の携帯電話の概略構成図を示す。
蓋部101は、ヒンジ機構の回転軸を中心として一定角度範囲内を回動させることが可能であり、一定角度以上は回動できない構造となっている。蓋部101と本体部102とが閉じられた状態から蓋部を開ける操作は、手動または特定のボタンを押すことにより自動で行われる。
このような折りたたみ式の携帯電話では、閉じられた状態で着信があった場合、蓋部101を開けることによってすぐに回線を接続し通話を開始することができるものや、蓋部101を開けた後特定の通話ボタン151を押下げることにより回線を接続し通話を開始することができるものがある。
また、今日の携帯電話では、通話機能のみならず、留守番電話機能,キャッチホン機能,電子メールの送受信,画像データの送受信や再生ができる機能等を備え、多機能化が図られている。
【0004】
たとえば、次のような機能が提供されている。
(a)通話音量変更
通話中に、特定のキー(図19の152)を押すことにより、通話音量の変更をするものである。
(b)留守電機能
非通話時に、特定のキー(図19の152)を一定時間以上押し続けること(長押し)により設定又は解除され、着信があった場合に音声応答,伝言メモ録音をするものである。
(c)キャッチホン機能
通話中に、回線からキャッチホン信号を検知した場合に、特定のキー(図19の151)を押すことにより、現在の通話を保留して別の通話に切り替えるものである。
(d)メール表示機能
受信したメールを読むために、通常の初期画面からメールソフトを起動させる一連の操作をし、表示画面に受信したメールを選択表示させるものである。
【0005】
(e)画像・音楽起動機能
受信した画像や音楽データを視聴するために、一連の操作をして、画像ビューワーや音楽プレーヤー等のソフトを起動させるものである。
(f)アラーム機能
所望の時刻やイベント発生条件を設定しておき、その時刻やイベント条件が満たされたときに、アラームを鳴動させるものである。またアラームを停止するためには、一般に、蓋部を開いた後、特定のキー(図19の153)を押す操作をする。
(g)マナーモード機能
着信音等を鳴らさずに、バイブレーションで着信等があったことを伝えるものである。マナーモードの設定または解除は、蓋部を開けた後、特定キー(図19の154)の長押しをすることで行っている。
【0006】
この他にも、蓋部を開けただけで予め登録された特定の宛先に自動発信する携帯電話機(特許文献3参照)や、発信機能がない着信専用機が提供されている。
【特許文献1】特公平5−80188号公報
【特許文献2】特開2001−251398号公報
【特許文献3】特許第2531436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、以上のような多機能を持つ従来の折りたたみ式の携帯電話では、利用者が蓋部を開ける操作をする他に、各機能を起動させるための特定のキー入力操作をする必要があった。この特定の操作は、一回のキー入力操作ですむものもあれば、一回であっても長押し操作を必要とするもの、数回の一連のキー入力操作が必要なものなどがあった。
利用者は、操作方法をその機能の数だけ憶える必要があり、多機能になればなるほど操作は複雑となる傾向があり、利用者の負担は大きく操作性が問題となってきた。
【0008】
たとえば、着信時に蓋を開けるとすぐに着信するもの(特許文献1.)では、発信者を確認した後に通話に出ることができない。すなわち、通話したくない相手であっても通話が始まることになり、通話開始前に発信者の確認ができない。
また、着信時に蓋を開けた後に、通話ボタンを押すことによって通話が始まるタイプのものでは、通話前に発信者の確認ができたとしても、小さな通話ボタンを探して押さなければならず、正確な操作が必要となる。
【0009】
また、上記した各機能についても、次のような問題があった。
(a)通話中は、電話自体をすでに耳にあてがっているので、音量を変更するためには、通話を中断し、一旦電話を耳から離して、目視により特定キーを確認した後、そのキーを押し、電話を耳の近くに戻すという一連の操作をする必要があった。すなわち音量の変更のためには、通話を中断して所定の操作を行う必要があった。
(b)留守電機能を設定または解除する際には、特定キーを目視により探して押す必要があり、長押しなどの特有の操作をする必要があった。
(c)利用者が通話中にキャッチホン信号を検知した場合、電話を耳から離して通話の切り替えるための特定キーを目視により探す必要があり、特別の操作をする必要があった。
(d)受信メールの到着を確認した後、その受信メールを表示させて読む場合には、メールソフト起動のために機種ごとに予め決められた一連の操作をする必要があり、その操作は複雑なものが多く、慣れるまでは操作が煩雑であった。
【0010】
(e)受信した画像や音声データを視聴するために、その画像ファイルの選択操作や専用ソフトを起動させる一連の操作をする必要があるが、この一連の操作も複雑なものが多く、慣れるまではその操作が煩雑であった。
また、メールソフト,画像ビューワー,音声プレーヤーなどの特定の機能を起動させる一連の操作は、それぞれ異なる場合が多く、利用者はそれらの機能を起動させる操作を覚えておく必要があり、利用者の負担が大きい。
(f)アラームを停止させるためには、蓋部を開いた後に、目視により特定のキーを探して押す必要があり、特別の操作をする必要があった。
(g)マナーモードの設定または解除をするためにも、蓋部を開けて目視により特定のキーを探して押すという特別の操作をする必要があった。
【0011】
上記各機能を実現するためには、特定のキー入力操作が必要となる場合が多いが、小型の携帯電話では、小型化の観点からそれぞれの機能ごとに専用のキーを設けることは困難であり、1つのキーに対して複数の機能が割り当てられることが多い。
この場合、利用者は、どのキーがどの機能に対応するのかをすべて覚えておくのは困難であり、使用頻度の低い機能はその入力キーや操作を忘れているために使用したいときに使用できない場合もあって、操作性は良いとは言えない。また、一連のキー入力操作によって機能を起動させる場合も同様の問題があり、利用者の負担が大きい。
【0012】
また、蓋部を開けただけで予め登録された特定の宛先に自動発信するものでは、自動発信に設定されている場合に、利用者がその設定がされていたことを忘れていたとすると、利用者は特定宛先以外に電話をしたいのに、蓋部を開けただけで、不意に意図しない自動発信をしてしまうことになり、具備した便利な機能が逆に誤操作になる場合もある。
【0013】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、2つの開状態を有し、蓋部の開閉操作を利用して所望の機能を実現し、利用者の操作負担の軽減や誤操作の防止を図り、操作性の向上を図ることのできる携帯情報機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、操作部を備えた本体部と、蓋部と、蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第2開状態を検出する第2開状態検出部とを備えたことを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
ここで、前記第2開状態が第1開状態よりも蓋部の閉状態からの移動量が大きく、第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線閉結部が通信回線を捕捉するようにしてもよい。
【0015】
また、通信回線を捕捉する回線閉結部と、通信回線を通して受信された着信信号を検出する着信信号検出部をさらに備え、前記着信信号検出部が着信信号を検出した場合、その後第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線閉結部が通信回線を捕捉し着信処理を行うことを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
【0016】
さらに、通信回線を捕捉する回線閉結部と、発信したい相手先の番号を設定する発信先設定部と、設定された発信先に発信を行う発信制御部とをさらに備え、発信先設定部により発信先番号が設定され、第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記発信制御部は、前記回線閉結部に通信回線を捕捉させ発信処理を行うことを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
【0017】
また、前記第2開状態検出部が、1組のスイッチと突起部とからなり、前記第2開状態では、スイッチが突起部により押され、スイッチの接点が閉じられた状態となるような構造としてもよい。また、前記スイッチおよび突起部は、それぞれ前記連結部の近傍の蓋部および本体部に設けてもよい。ここで、前記蓋部が凹部を備え、その凹部に前記スイッチが配置され、前記第2開状態のときに、前記突起部が前記凹部に当接しスイッチを押すようにしてもよい。
【0018】
また、第2開状態検出部が、1組の磁石とホール素子から構成され、磁石とホール素子は、それぞれ蓋部および本体部のうち互いに異なる側に設けてもよい。
【0019】
また、この発明は、前記連結部が、ヒンジ機構を有し、蓋部と本体部とが回動可能に接続され、前記第2開状態が第1開状態よりもその回動角が大きいことを特徴とする折りたたみ式の携帯情報機器を提供するものである。
また、前記連結部が蓋部を本体部に対して一定方向にスライドさせることのできるスライド機構を有し、蓋部と本体部とが一定方向にスライド可能に接続され、前記第2開状態が第1開状態よりも閉状態からのスライド量が大きいことを特徴とするスライド式の携帯情報機器を提供するものである。
【0020】
さらに、この発明の機器が音量調節機能を有する場合には、通話音量を変更する通話音量調節部をさらに備え、前記回線閉結部が回線を捕捉した後の通話中において、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出した場合、前記通話音量調節部が、通話音量を所定レベル分だけ変更することを特徴とする。
また、この発明の機器が留守番応答機能を有する場合は、留守であることを通知するメッセージの送信を含む留守番応答処理を実行する留守番応答部をさらに備え、前記着信信号検出部が着信信号を検出した場合、第2開状態検出部が第2開状態を検出し、その後の所定時間内に第1開状態検出部が閉状態を検出したときに、あるいは、第2開状態検出部が予め決められた時間続けて第2開状態を検出したときに、前記留守番応答部が留守番応答処理を行うことを特徴とする。
【0021】
また、この発明の機器がキャッチホン設定機能を有する場合は、通信回線を介して受信されるキャッチホン信号を検出するキャッチホン信号検出部と、通信回線を切り替える回線切替部とをさらに備え、キャッチホン信号検出部がキャッチホン信号を検出した場合に、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線切替部が通信回線を先の通話回線または後の通話回線のいずれかに交互に切り替えることを特徴とする。
また、この発明の機器がメール受信機能を有する場合は、電子メールの着信があったことを検出するメール着信部と、電子メールを処理する制御部とをさらに備え、メール着信部が電子メールが着信したことを検出した場合に、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記制御部が電子メールを処理することのできるプログラムを起動させることを特徴とする。
【0022】
また、この発明の機器がマルチメディアデータ判別機能を有する場合は、受信したマルチメディアデータの種類を判別するマルチメディアデータ判別部をさらに備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記マルチメディア判別部が判別したマルチメディアデータの種類に適した処理を実行することを特徴とする。
また、この発明の機器がアラーム設定機能を有する場合は、アラーム音の鳴動を設定および停止するアラーム報知設定部をさらに備え、アラーム音が鳴動している場合に、第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、アラーム報知設定部が前記アラーム音を停止させることを特徴とする。
【0023】
また、この発明の機器がマナーモード設定機能を有する場合は、着信音を鳴らさないマナーモードの設定および解除を行うマナーモード切替部をさらに備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出した後所定時間内に第1開状態検出部が蓋部の閉状態を検出した場合、あるいは、第2開状態検出部が予め決められた時間続けて第2開状態を検出した場合、前記マナーモード切替部がマナーモードの設定および解除を交互に切り替えることを特徴とする。
また、この発明の機器が自動発信機能を有する場合は、自動発信を行うべき相手先を登録する自動発信先登録部と、自動発信を行うべき相手先として登録された発信先のみに発信先を固定する自動発信先固定部と、設定された発信先に発信を行う発信制御部とをさらに備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記自動発信先固定部によって固定された自動発信先があれば、前記発信制御部がその自動発信先へ自動的に発信を行うことを特徴とする。
【0024】
また、この発明は、操作部を備えた本体部と、蓋部と、蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、特定のアプリケーションソフトを起動させる制御部を備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記制御部が前記特定のアプリケーションソフトを起動させることを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
さらに、この発明は、操作部を備えた本体部と、蓋部と、蓋部が本体部に対して移動し、蓋部を一定の移動量だけ移動させた第1開状態で蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第1開状態を検出する第1開状態検出部と、前記第1開状態検出部が、前記第1開状態を検出した後、第1開状態でない状態を検出し、その後所定時間内に第1開状態を再度検出した場合、特定の機能を実行する制御部を備えたことを特徴とする携帯情報機器を提供するものである。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、蓋部を移動させた状態として移動量の異なる2つの状態(第1開状態,第2開状態)を設け、その2つの状態を検出するようにしているので、蓋部をこの2つの状態のいずれかとする操作をこの発明の携帯情報機器の各種機能を起動させる操作に関係づければ、利用者の操作上の負担を軽減し、誤操作を防止することができ、利用者の操作性を向上させることができる。
特に、着信信号を検出している場合に、第2開状態が検出されたとき、回線を捕捉し着信処理を行うようにすれば、着信専用キーを探して押す必要がなく、一連の着信動作の流れの中で通話に入ることができるので、利用者の操作負担は少なく、誤操作も防止でき着信時の操作性を著しく向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図に示す実施例に基づいて本発明を詳述する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。
以下の実施例では、この発明の携帯情報機器は、蓋部と本体部とを備え、原則として蓋部が本体部に対して回動可能な折りたたみ式の機器であるものとして説明する。ただし、後述するように、スライド式の携帯情報機器でも、同様の操作や機能を実現することができる。さらに、表示部が本体に対して回転するような形状の物でもよい。
<この発明の携帯情報機器の構成>
図1に、この発明の携帯情報機器の一実施例の構成ブロック図を示す。
この発明の携帯情報機器は、従来の携帯電話やPDA等の情報端末と同様に、表示部1,入力部2,データ記憶部10,プログラム記憶部20,制御部60とを備え、音声通話をするために、マイク3,スピーカ4,リンガー5,通話制御部6を備える。
【0027】
また、外部の通信機器に対して、通信回線40を介して音声通話やデータ通信を行うための構成ブロック(31〜35)を備える。
さらに、この発明は通話等の機能を動作させるために、第1開状態検出部51と第2開状態検出部52とを備える。この発明では、後述するように、2つの開状態(第1開状態,第2開状態)を有し、特に第2開状態を検出することによって特定の機能を作動させるようにしたことを特徴とする。
【0028】
制御部60は、この発明の機器の多数の機能を実現するための部分であり、主としてマイクロコンピュータと各機能ごとのソフトウェアとによって構成される。マイクロコンピュータは、主として、CPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ,タイマーなどから構成され、ROM,RAMあるいはハードディスクなどの記憶装置に記憶されたソフトウェアに基づいて、必要なハードウェアを有機的に動作させることにより各機能を実現するものである。ソフトウェアは、通常予めROM等に固定記録されて提供されるが、ハードディスクやICメモリカード,CD−ROM等の記録媒体に記録された形式で提供してもよい。
また、ソフトウェアは通信回線40を介して、外部のサーバ等からダウンロードすることにより入手することもできる。
【0029】
表示部1は、文字,記号,画像等の視覚情報を表示する部分であり、携帯性の観点から、LCD,EL素子などが使用される。入力部2は、文字,記号,各機能の起動,設定等のための入力を行う部分であり、キーボード,マウス,ペンなどのポインティングデバイスが使用できる。マイク3とスピーカ4は、主として通話に用いられるものであるが、スピーカは音楽プレーヤー22が起動されたときの音やアラーム音の出力にも用いられる。リンガー5は、着信があったときの報知音を鳴らすものである。
通話制御部6は、マイク3,スピーカ4,リンガー5を制御する部分であり、主として通話時の音量,音質およびAD変換,DA変換等を行うものである。
【0030】
データ記憶部10は、この装置の各機能を実現する上で書き換え可能に記憶すべき情報や予め消去できないように固定記録された情報を記憶する部分である。たとえば、データ記憶部10には、発信先情報11,留守電情報12,設定情報13が記憶される。
データ記憶部10は、ROM,RAM,フラッシュメモリなど半導体の記憶素子の他、ハードディスク,ICメモリカードなどが用いられる。
【0031】
プログラム記憶部20は、この発明の装置の各機能を実現するプログラムを記憶する部分であり、データ記憶部20と同様に、半導体記憶素子やハードディスク等が用いられる。プログラムは、機能ごとにモジュール化された状態で記憶されることが好ましい。
プログラム記憶部20には、たとえば、電子メールの送受信を行うメールソフト21,音楽データの再生を行う音楽プレーヤー22,静止画や動画の再生を行う画像ビューワー23などのプログラムが記憶される。これらのプログラムは、必須の機能として予めプログラム記憶部20に固定記録される場合や、後に利用者が必要に応じて、記憶媒体やネットワークを介してダウンロードして書き換え可能なものとして記憶してもよい。
通信回路40とは、一般加入電話回線,ISDN回線,ADSL回線,FTTH回線,無線通話回線,無線通信回線など現在利用されているあらゆる回線を意味し、特に限定するものではない。
ただし、この発明の携帯情報機器は、携帯性を有し、主として移動して使用されるものであるので、携帯電話やPHSと同様に無線通話や無線通信の可能な回線に接続できることが好ましい。
【0032】
そこで、この発明の機器は、通話および通信をするための回線接続機能を有するが、主として、図1に示したようなメール着信検出部31,キャッチホン信号検出部32,着信信号検出部33,回線閉結部34,回線切替部35を備えている。
メール着信検出部31は通信回線40を介して送信されてくるメール着信信号を検出する部分であり、ここでメールの着信があったことが検出されると、たとえばその後メールソフト21等が起動され、電子メールの内容がダウンロードされる。
着信信号検出部33は、通信回線40を介して送信されてくる通話の着信を示す信号を検出する部分であり、たとえば、この着信信号が検出されると、通話制御部6によってリンガー5の鳴動が行われる。
回線閉結部34は、通信回線40を介して他の情報装置との間で通話または通信をすることができるように接続するための部分であり、利用者の特定の操作に従って、いわゆる回線接続に相当するオフフック,回線切断に相当するオンフック動作をする部分である。
【0033】
キャッチホン信号検出部32は、通信回線40を介して送信されてくるキャッチホン信号を検出する部分であり、回線切替部35は、現在通話中の回線(先の通話回線)と、新たに着信したキャッチホン信号による回線(後の通話回線)に対して、接続をどちらかに切り替える部分である。
制御部60は、前記したように、特定のプログラムに基づいて、必要なハードウェアを動作させて各種機能を実現する部分であるが、たとえば、図1に示すような多数の機能ブロック(61〜72)を実現する。この各機能(61〜72)は一実施例であってこれらに限るものではなく、この他に必要な機能を備えてもよい。
また、すべての機能が必須ではなく、設計仕様により取捨選択することができる。たとえば、発信制御部61は必須の機能であるが、アラーム報知設定部68が必要でなければ備えなくてもよい。さらに、これらの機能をすべて備えているが、機能ごとに起動可または不可の設定ができるようにしてもよい。
【0034】
発信制御部61は、設定,選択あるいは入力された発信先の番号に接続する動作(発信処理)をする部分である。発信先設定部62は、ダイヤルすべき1つの発信先を特定する部分であり、発信制御部61によりこの特定された発信先に発信処理が行われる。
発信先の設定は種々の方法が考えられるが、たとえば、通常の電話機と同様に、利用者がキーを用いて発信先番号を入力することによって設定することができる。
【0035】
あるいは、複数の発信先が発信先情報11としてすでに記憶されている場合は、その発信先情報11の一覧(電話帳)を一旦表示させて、その後利用者に1つの発信先を選択する操作をさせた後発信処理をしてもよい。
また、1つの自動発信先が固定的にすでに設定されている場合には、特定の操作をすることにより、その自動発信先を発信先に設定すればよい。
特定の操作の例としては、後述するように、発信先設定部62で発信先が特定された後、第2開状態にまで蓋部を開く操作が検出された場合に、利用者が発信を意図する指示をしたものとみなして発信処理を行うようにしてもよい。
【0036】
スピーカ音量調節部63は、特定の操作に基づいて、スピーカ4から出力される音量を増減させる部分であり、具体的には通話制御部6を制御する部分である。
ここで、従来の音楽プレーヤーと同様に回転式のボリュームコントローラを設けたり、音量増減用のスライド式のコントローラを設けたり、増加および減少用のそれぞれ専用のキースイッチを設けて、利用者が押下操作をして音量の調節をすることもできるが、この発明では、音量調節用の専用のコントローラやキースイッチを設けずに、後述するように、特定の蓋部の開閉操作によって音量の調節を行う。
【0037】
留守電応答部64は、いわゆる留守時に所定の不在メッセージを流し、相手の伝言を録音する機能を設定および起動させる部分である。
この発明では、この留守電応答機能を設定および解除をするために、後述するような蓋の開閉操作を用いる。
【0038】
着信拒否部65は、通話目的の着信があったときに、特定の操作に基づいてその着信を中止させる部分である。たとえば、着信によりリンガー5が鳴動したが、通話したくない相手であるために、リンガー5の鳴動を止める処理、あるいは、一旦回線接続するがすぐに回線切断する処理を行う。ここで特定の操作とは、後述するように着信時に第1開状態から蓋を閉じる操作を意味する。
【0039】
メールソフト起動部66は、受信した電子メールを読むために特定の操作を検出することによりメールソフト21を起動させる部分である。ここで、特定の操作とは、後述するように第1開状態からさらに第2開状態にまで蓋を開く操作を意味する。
【0040】
マルチメディアデータ判別部67は、特定の操作を検出することにより受信あるいはダウンロードしたデータの種類を判断し、そのデータに関連するプログラムを起動させる部分である。
ここで、特定の操作とは、後述するように、マルチメディアデータを受信した後に、第2開状態にまで蓋を開く操作をすることを意味する。
また、マルチメディアとは、たとえば、音声,画像,文書などの情報をいうが、受信したファイル形式(MP3,JPEG,GIF,TXTなど)やそのデータ内容の特徴を確認することによりその種類を判別する。さらに、たとえば、受信したデータがGIF形式であることを確認した場合には、受信したデータを扱うことのできる画像ビューワー23を起動させる。
【0041】
アラーム報知設定部68は、アラーム音を鳴らすタイマーの設定や、タイマーによる所定時間の経過後、アラームを鳴らしたり、鳴動したアラーム音を停止する部分である。
この発明では、アラーム音を停止させるために、特定のキーを探して入力するのではなく、後述するように、アラーム鳴動中に第2開状態にまで蓋を開くことによりアラームを停止させる。
【0042】
マナーモード切替部69は、特定の操作を検出することにより、マナーモードの設定および解除を行う部分である。マナーモードとは、通常の携帯電話に採用されているものと同様に、着信音を鳴らすことなく着信するモードであり、着信音を鳴らさないかわりに振動により着信を知らせてもよい。ここで、特定の操作とは、後述するように、第2開状態にまで蓋を開いた後、さらに蓋を閉じるという一連の操作を意味する。
【0043】
自動発信先登録部70は、発信すべき相手先を登録するとともに、特定の操作をしたときにその登録された相手先に自動的に発信処理を行う部分である。ここで、特定の操作とは、たとえば、後述するように通話中でも着信状態でもない場合に、第2開状態にまで蓋を開ける操作を意味する。
【0044】
自動発信先固定部71とは、自動発信先登録部70によって登録された発信先のうち特定の発信先のみに発信できるようにし、他の発信先には発信できないようにする部分である。この発信先の固定および解除は、たとえば、予め設定されたパスワードを入力することによって行えばよい。
【0045】
電話帳機能起動部72は、電話帳を作成,編集,削除および表示等するプログラムを起動させる部分である。電話帳は、発信相手先の電話番号,メール番号,名前等の個人情報を記録しておくものである。
この発明では、電話帳を編集等する機能を起動させるために、特定のキー入力操作をするのではなく、後述するように蓋部を第2開状態まで開く操作により行う。
【0046】
上記制御部60の機能として示したものは、主として、従来特定のキーの入力あるいは一連のキー入力操作で行っていたものを、蓋部を第2開状態にまで開くという操作を含む操作で行うものである。
このような第2開状態にまで蓋部を開くという操作を含む操作をすることで、使用者の操作上の負担の軽減や誤操作の防止等を図り、操作性の向上を図ることができる。
たとえば、通話中はすでに機器本体を耳にあてがっているため、キー操作部分を直接見ることができず、この状態で何らかのキー入力を行うためには、一旦機器本体を耳から離して通話を中断することが必要な場合があったが、通話中において耳にあてがったまま蓋部の所定の開閉操作(例えば、第2開状態とする操作)をすることによって所定の機能(たとえば、スピーカ音量調節)を動作させることができれば、通話を中断することもなく、利用者の使い勝手を著しく向上できる。
なお、制御部の機能(61〜72)をすべて備える必要はないことを述べたが、逆にすべての機能を備えた場合は、起動する機能と起動させない機能とを予め設定するようにしてもよい。
【0047】
また、1つの操作に複数の機能の起動を対応づけて設定するようにしてもよい。ただし、どのような条件が成立するときに、どの機能を起動させるかを予め明確に設定しておく必要がある。
たとえば、蓋部の閉状態から第2開状態への操作をすることに対して、発信機能の起動と着信機能の起動とを対応付けることが可能であるが、着信信号の受信中にこの操作がされたときは、着信機能を起動させ、発信機能は起動させないようにする。
すなわち、同じ第2開状態へ開く操作に対して2つの機能が対応づけられていたとしても、その操作に加えてその機能を起動する条件を設定あるいは固定記録しておくことにより、起動すべき機能を明確に決めておくことができる。
【0048】
<蓋部の開閉操作の説明>
次に、この発明の携帯情報機器の蓋部の開閉操作について説明する。前記したように、蓋部の開閉操作により、種々の機能が実現される。
図2に、この発明の携帯情報機器の一実施例の概略構造図を示す。
図2には、一実施例としていわゆる折りたたみ式の携帯情報機器を示している。
この発明の携帯情報機器は、主として、蓋部101,本体部102および連結部103から構成される。蓋部101には、LCD,ELなど各種情報を表示する表示部1やスピーカ4が含まれる。
本体部102には、操作部が含まれる。たとえば複数のキーからなる入力部2やマイク3が含まれる。連結部103は、蓋部101と本体部102とが完全に離れてしまわないように結合する部分であり、いわゆるヒンジ機構を含む。
【0049】
図2の場合は、この連結部103を回転軸として、蓋部101が本体部102に対して一定角度だけ回動できるように構成される。
すなわち、蓋部101と本体部102とは、その一方の端部(連結部103)で結合され、その端部で開閉可能なように組み立てられている。
この開閉可能な構成自体は、従来の折りたたみ式の携帯電話と同じものを利用することができる。ただし、この発明では、次のような2つの開状態を実現するように蓋部を開くことを特徴とする。
【0050】
図2(a)は、蓋部101を閉じた状態を示している。
図2(b),図2(c)はどちらも蓋部101を開いた状態を示しているが、図2(b)を第1開状態と呼び、図2(c)を第2開状態と呼ぶ。
図2(b)の第1開状態は、蓋部101を開いたときに、安定して蓋部101が固定される1つの状態を示している。この第1開状態の蓋部101と本体部102とのなす角を、第1回動角θ1と呼ぶ。
この第1開状態では、一般に、入力部2のキー入力操作、表示部1に表示されたメールや画像を見ること、およびメール作成等が行われる。
【0051】
図2(c)の第2開状態は、図2(b)の第1開状態よりもさらに蓋部101を開いた状態である。この第2開状態の蓋部101と本体部102とのなす角を、第2回動角θ2と呼び、θ2>θ1である。また、蓋部は第2開状態よりもさらに開くことはできないものとする。
この発明では、蓋部101を開いたときに、安定して固定される。このような2つの開状態を実現するためには、連結部103にラッチ機構を設ければよい。閉状態から蓋部101を開いていくと、第1回動角θ1まで開いたときにラッチ機構が働き、一旦第1開状態として安定して固定されるようにする。また、第1開状態において、利用者がさらに蓋部101を開く方向に回動させ、第2回動角θ2まで開いたときに第2開状態として安定して固定されるようにする。
【0052】
また、利用者が第2開状態まで蓋部を開いた後開く動作を解除したとき、第2開状態で蓋部が安定して固定されるのではなく、蓋部101が第1開状態にまで戻るようにしてもよい。すなわち、第2開状態は、利用者が力を加えて蓋部を開いているときのみ一時的に維持され、力を加えるのをやめると第2開状態から第1開状態に自動的に戻るようにしてもよい。
このように第2開状態から第1開状態に自動的にもどるようにするためには、連結部103にバネやコイル等からなる復帰機構を設ければよい。
また、連結部103には、第2開状態よりもさらに開くことができないように、ラッチ機構を設けることが好ましい。
【0053】
図2に示したように、蓋部101と本体部102との相対的な位置関係は、閉状態(図2(a)),第1開状態(図2(b))および第2開状態(図2(c))という3つの状態が存在する。
この発明では、この3つの状態を区別して検出するための機構を備える。たとえば、閉状態と第1開状態とを検出するために、1対の磁石とホール素子からなる第1開状態検出部51を設ける。このホール素子は磁界が生じると一定の電圧を発生する性質を有するものである。第1開状態検出部51は、蓋部101と本体部102の端部で連結部103のない側に設けられる。
【0054】
たとえば、磁石を蓋部101に配置し、かつホール素子を本体部102に配置し、蓋部101を閉じたときに、磁石とホール素子とが数mm以内の距離で対向するように構成する。
すなわち、蓋部101が閉じられた状態では、磁石とホール素子とが近接し、ホール素子に磁界が入り一定電圧が発生させられる。この電圧が発生していることを検出することにより、閉状態が検出される。磁石とホール素子は、それぞれ図4の磁石121とホール素子122に相当する。また、第1開状態では、図示していないが、連結部103に連動する突起とそれを受ける固定されたスイッチを設け、第1開状態のときに突起がスイッチを押すように配置することで検出される。
【0055】
また、第2開状態を検出するためには、たとえば、連結部103の近傍に、スイッチとスイッチをON/OFFするための突起からなる第2開状態検出部52を設ければよい。
図3に、第2開状態検出部52の一実施例の概略構成図を示す。
図3(a)は、第1開状態における蓋部101,本体部102および第2開状態検出部51の構成を示している。
第2開状態検出部51は、スイッチ104と突起105とから構成される。図3では、突起105を本体部102の表面で、連結部103に近い端部に設け、スイッチ104を蓋部101の連結部103近傍の端部に設けている。この第1開状態ではスイッチ104と突起105とは離れており、スイッチ104はまだ押されていない。
【0056】
スイッチ104は、蓋部101の表面に設けてもよいが、蓋部101の一部分に突起105を受容できる程度の凹部を設け、突起105が凹部に挿入されたときにスイッチが押されるように、その凹部の底に設けてもよい。
図3(b)は、蓋部101をさらに開き、第2開状態とした場合を示している。このとき、突起105が凹部に挿入され、スイッチ104が押され、スイッチの接点が閉じられる。すなわちスイッチ104がON状態となる。第2開状態検出部52は、スイッチ104のONまたはOFFを検出するものであり、スイッチがON状態のときに、第2開状態であることを検出し、OFF状態のときは第2開状態でないと判断する。
【0057】
図3に示すような機構を設けることにより第2開状態が検出されるが、第1開状態から第2開状態への蓋部101の移動は、使用者の意図的な操作により行われる。この使用者の意図的な操作は、使用者がこの機器を片手に持って表示部1を見ながら行うことも可能であるが、回動角のθ1からθ2への変化はわずかであり、スイッチ104を押すための力も少なくてよいので、通話中などの機器を耳にあてがっているような状態でも、機器を耳や顔の側面に押しつけるような操作をするだけで、第2開状態まで開く操作を容易にできる。
すなわち、第1開状態から第2開状態への操作は、蓋部の表示面や、本体部の操作部を見なくてもできるので、利用者にとって良好な操作性を提供することができる。
【0058】
したがって、第2開状態へ開く操作をすることを、特定の機能を実行するための操作に対応づければ、操作性の向上および使用者の負担の軽減をすることができる。たとえば、通話中に行う第2開状態への開く操作をスピーカ音量の増減機能に対応づければ、機器を耳にあてがった通話状態のままで、音量の調節が可能であり、音量調節の操作性が向上できる。
【0059】
図4に、この発明の第2開状態検出部52の他の実施例の概略構成図を示す。ここでは、第2開状態検出部52を、1組の磁石123とホール素子124により構成する。
この1組の磁石123とホール素子124とは、連結部103の近傍に設ける。たとえば、磁石123を蓋部101に設け、ホール素子124を本体部102に設け、図4(a)の蓋部101を閉じた状態と、図4(b)の第1開状態の場合には、磁石123とホール素子124とが、一定距離以上離れた状態を維持し、図4(c)の第2開状態では、両者が一定距離内に近づき、所定の電圧を発生することができるような位置に配置する。
【0060】
この図4の構成の場合、磁石123とホール素子124とが接近し、所定の電圧が発生したことを検出している場合を第2開状態と判断し、電圧が発生していない場合を第2開状態でないと判断する。
なお、図4において、磁石121とホール素子122とは前記したように第1開状態検出部51を構成し、所定の電圧が発生していない場合を第1開状態と判断し、電圧が発生している場合を閉状態と判断する。
【0061】
<実施例1:着信機能と発信機能>
ここでは、この発明の着信処理および発信処理について説明する。特に、従来のような特定のキー入力操作をするのではなく、図2に示したような蓋部を第2開状態へ開く操作をすることにより、着信処理または発信処理を起動させることを特徴とする。
図5に、この発明の携帯情報機器の着信および発信機能のフローチャートを示す。
まず、ステップS1において、着信信号検出部33によって着信信号が検出されるか否かチェックする。着信信号が検出された場合、ステップS2へ進み、第2開状態検出部52によって第2開状態が検出されるか否かチェックする。
【0062】
第2開状態が検出された場合、利用者が意図的に着信して通話に入る操作をしたとみなして、ステップS3の着信処理を実行する。着信処理とは、回線閉結部34による回線の捕捉、通話制御部6によりマイクおよびスピーカで通話できる状態にすることを含む。
ステップS2で、第2開状態が検出されない場合は、ステップS1へ戻る。
【0063】
以上がこの発明の着信処理であるが、利用者が意図的に第2開状態まで、蓋部101を開く操作をしたときに、回線を捕捉し、通話可能な状態となる。
また、蓋部を閉じた状態や蓋部を第1開状態まで開けた状態では、着信信号を検出しても、リンガー5が鳴動しているだけで、通話できる状態とはならない。
【0064】
したがって、着信があった場合に、第1開状態まで蓋部を開けたときに、その着信の発信者の名前あるいは番号を表示するようにしておけば、利用者は通話に入る前にその発信者を確認することができ、出たくない相手である場合には、その通話に出ないこともできる。
また、たとえば、第1開状態まで蓋部を開けた後、機器を耳にあてがい、耳にあてがった状態で機器の蓋部101を耳や顔の側面に押しつける動作をして第2開状態とすることにより、すぐに通話可能な状態とすることができる。
【0065】
図2に示したような折りたたみ式の携帯情報機器では、スピーカ4は、蓋部101の先端に配置されており、「蓋部を開く,機器の蓋部を耳にあてがう,通話をする」という一連の動作は着信時に自然な動作であるので、蓋部を耳にあてがった後、蓋部を耳に押しつけて第2開状態とする動作も、利用者に負担をかけずに容易にできると考えられる。すなわち、この発明の一連の着信動作は、着信の専用キーを目視で探して押すという操作よりも、操作性は良好である。
【0066】
また、利用者が蓋部101を押して第2開状態とした場合、第2開状態で蓋部101が安定して固定されるようにしてもよいが、前記したように、蓋部の第1開状態への復帰機構を設けることにより、一旦第2開状態とした後、押すのをやめると第1開状態に戻るようにしてもよい。
【0067】
さらに、通話が終了して回線を切断するときは、蓋部を閉じる操作をすればよいが、第1開状態への復帰機構を備えている場合は、通話終了後において第1開状態から第2開状態へ開く操作をしたときに回線を切断するようにしてもよい。この場合、図5のフローにはないが、通話中に第2開状態を検出したときは回線切断をするという処理を追加すればよい。
【0068】
次に発信処理について説明する。
ステップS1において、着信信号が検出されていない場合、ステップS4へ進む。ステップS4において、発信先を特定する加入者番号が入力されたか否かチェックする。入力されていない場合はステップS1へ戻り、入力された場合はステップS5へ進む。
【0069】
ここで、加入者番号の入力は、利用者が直接キー入力してもよいし、電話帳を表示させてその中から発信すべき相手を選択することや、相手先を特定する発声を音声認識することによって行ってもよい。すなわち加入者番号の入力は従来から利用されている種々の方法を利用することができる。
【0070】
ステップS5において、第2開状態が検出されるか否かチェックする。第2開状態が検出されない場合はステップS4へ戻るが、検出された場合はステップS6へ進み、発信処理を行う。
発信処理とは、回線閉結部34による回線捕捉や、入力された加入者番号情報の通信回線40へ送信することを含む。
折りたたみ式の携帯情報機器では、相手先に電話をかける場合、「蓋部を開ける,相手先の加入者番号を入力する,発信起動用のキーを押す,機器の蓋部を耳にあてがう」という一連の動作をして、相手がその通話に出るのを待つというのが従来の一般的な流れである。
【0071】
一方、この発明の場合は、「発信起動用のキーを押す」という操作が不要となり、「蓋部を第1開状態まで開ける、相手先の加入者番号を入力する、機器の蓋部を耳にあてがう、蓋部を耳あるいは顔の側面に押しつけて第2開状態まで蓋部を開く」という一連の動作をすることにより相手先に電話をかける。
この場合、機器を耳にあてがった後に、そのままの状態で発信操作をし、そのまま相手が通話に出るのを待つことができ、一連の動作は利用者に負担をかけることなく容易にすることができる。すなわち加入者番号を入力した後は、発信起動用キーを目視で探す必要はなく、スムーズな動作で電話をかけることができ、発信時の操作性は向上する。
【0072】
<実施例2:スピーカ音量調節>
ここでは、この発明の通話中におけるスピーカの音量調節をする処理について説明する。
スピーカの音量を変更する操作として、図2に示したような蓋部を第2開状態へ開く操作を利用する。スピーカの音量調節は、通常通話中に行われ、スピーカ音量調節部63が、通話制御部6を制御することにより行う。
【0073】
図6に、この発明のスピーカ音量の調節機能のフローチャートを示す。
まず、ステップS11において、現在通話中か否かチェックする。たとえば、回線閉結部34が回線を捕捉し、かつ相手が応答または自己が着信処理をした場合に、現在通話中であることを示す情報を記憶しておく。この記憶情報をチェックすることにより、通話中であるか否かをチェックすればよい。通話中の場合は、ステップS12へ進み、通話中でないときは処理を終了する。通話中の場合、蓋部101が第1開状態まで開かれた状態であるとする。
【0074】
通話中の場合、ステップS12において、第2開状態検出部52によって第2開状態が検出されるか否かチェックする。第2開状態が検出されない場合はステップS11へ戻り、検出された場合はステップS13へ進む。
第1開状態まで蓋部101を開いた状態で機器を耳にあてがって通話をしているときに、利用者がスピーカの音量を変更したいと思った場合、蓋部101を耳または顔の側面に押しあてることにより第2開状態とする。また、この実施例の機器を行う場合は、耳への押しあてを中止したときに、蓋部が第1開状態にまで自動的に戻る復帰機構を備えることが好ましい。
【0075】
ステップS13において、現在の通話音量がすでに最大音量に設定されているか否かチェックする。すでに最大音量となっている場合は、ステップS14へ進み、通話音量を最低レベル(=0)に変更する。一方、最大音量となっていない場合は、ステップS15へ進み、通話音量を予め定められた一定レベルだけ増加させる。
このフローチャートの場合、通話中に、利用者が一回第2開状態へ蓋部を開く操作をすることにより、スピーカ音量が一段階だけ増加させられる。すなわち、第2開状態へ蓋部を開く操作をするごとに、音量が一定レベルずつステップ的に増加させられる。また、最大音量まで行きつくと、次回の第2開状態へ開く操作により、最小音量に変更され、サイクリックに音量が変更される。
【0076】
この実施例2では、通話中に機器を耳から離さずに耳にあてがったままの状態でスピーカの音量の調節ができるので、音量調節のために通話を中断する必要はなく、通話中の音量変更を容易な操作ですることができ、スムーズな通話が可能である。
【0077】
上記説明では、第2開状態へ開く操作をするごとにステップ的に一定レベルずつ音量を増加させるものとしたが、復帰機構を有する場合において、蓋部101を第2開状態にまで開いている時間を計測し、その第2開状態の維持時間(長押し時間)に対応させて音量の増加量を変動させるようにしてもよい。
たとえば、長押し時間が1秒以内であれば、1レベルだけ音量を増加させ、長押し時間が2秒のときは、2レベル分だけ音量を増加させるようにすればよい。
【0078】
また、所定時間(たとえば5秒)以上第2開状態を維持した場合、その長押し操作は音量のステップ的な増減の方向の切り替え操作としてもよい。たとえば、ステップ的な音量の増加をさせている場合に、この所定時間(5秒)以上第2開状態が維持された場合、次の第2開状態へ開く操作からは、ステップ的に音量を減少させる操作とする。
ステップ的に音量を減少させていく場合は、ステップS13において最小か否かチェックするとともに、ステップS14において通話音量を最大に変更するようにすればよい。
【0079】
また、ステップ的に音量を上げていった場合の最大音量に上限を設けるようにしてもよい。
これは、誤操作により音量が必要以上に大きくなりすぎるのを防止するためである。
この場合、利用者によって望ましい最大音量は異なるので、上限とする最大音量は、利用者が設定できるようにしてもよい。
たとえば、ハードウェア上は音量としてレベル0〜10までの10段階の変更が可能である場合に、上限をレベル7と予め設定する。そして、レベル7の音量状態で、第2開状態へ開く操作がされた場合は、レベル8へ増加させるのではなく、ステップS14においてレベル0へ音量を変更する。
【0080】
また、特定のキーの押下をした状態で第2開状態へ開く操作をした場合に、音量を1レベルだけ減少させるようにしてもよい。
この場合、特定のキーを押下げずに第2開状態へ開く操作をすることにより1レベル分の音量の増加をさせ、特定のキーを押下げたまま第2開状態へ開く操作をすることにより1レベル分の音量の減少をさせる。
このように特定のキーの押下操作と組み合わせることにより、サイクリックな音量の変更だけでなく、利用者の意思に基づく音量の増減が可能となる。
【0081】
<実施例3:留守番応答機能>
ここでは、この発明の留守番応答機能の設定および解除と、着信拒否機能について、説明する。
留守番応答機能の設定および解除のために、従来は特定のキーの押下操作が行われることが多いが、この発明では、蓋部の第2開状態へ開く操作と閉じる操作を利用する。
図7に、この発明の留守番応答機能の起動処理のフローチャートを示す。
ここでは、着信信号検出時に、留守番応答機能を起動させ、自己で通話をする代わりに、留守電用メッセージを流して応答する場合について説明する。
まず、ステップS21において、着信信号検出部33によって着信信号を検出したか否かチェックする。着信信号を検出している場合はステップS22へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0082】
ステップS22において、第1開状態検出部51によって第1開状態が検出されたか否かチェックする。第1開状態が検出された場合、すなわち利用者が着信があったことに気づき、蓋部101を第1開状態まで開けた場合は、ステップS23へ進み、そうでない場合はステップS21へ戻る。
ただし、このステップS22の判断は必須のものではなく、ステップS21で着信信号を検出した場合、ステップS23へ進んでもよい。
【0083】
ステップS23において、第2開状態が検出されたか否かチェックする。利用者が意図的に蓋部を第2開状態にまで開いた場合には、ステップS24へ進み、そうでないときは処理を終了する。
ステップS24において、タイマーを起動させ、経過時間をカウントして、所定の時間(たとえば1秒)以内に、蓋部が閉じられたか否かチェックする。
閉じられたことの検出は、第1開状態検出部51によって行う。
【0084】
利用者が蓋部を第2開状態になるまで開き、その後所定時間内に蓋部を閉じた場合には、ステップS25へ進み、留守番機能を起動させる。
ここで、留守番応答機能には、留守であることや電話に出られない旨を通知するメッセージの送出,相手側の音声の録音,相手側の電話番号情報の受信などが含まれる。
一方、一旦第2開状態とされても所定時間内に蓋部が閉じられなければ、留守番応答機能の開始の操作はされなかったものとみなし、処理を終了するか、あるいは、着信処理を行うようにしてもよい。
【0085】
このような操作により着信時に留守応答をするようにすれば、着信時の一般的な流れの操作と同様な蓋部の開閉動作で留守応答をすることができるので、利用者にとってわかりやすい操作で迅速に留守応答が可能となる。
また、上記説明では、蓋部の開く操作と閉じる操作という2つの一連の操作で留守応答に入るものとしたが、この他に、第2開状態としている時間を計測し、より長時間(たとえば2秒間)蓋部の第2開状態を維持する操作(長押し操作)をした場合に、留守応答を開始するようにしてもよい。
【0086】
また、ステップS22で、第1開状態を検出した後、第2開状態を検出することなく、蓋部の閉じた状態を検出した場合は、「着信拒否」を意図した操作とみなし、一旦着信処理をして回線を接続した後、すぐに回線を切断する処理をしてもよい。これにより、着信時に第1開状態で発信者を確認したときに、通話したくない相手の場合は、何も応答することなく強制的に回線切断をすることができる。
また、「着信拒否」の操作をしたとみなしたとき、強制的に回線を切断するのではなく、着信音だけを停止するようにしてもよい。この場合、相手側は、呼び出し音が鳴ったままになるが、着信側では、利用者にとっては着信のない状態とほぼ同じとなる。
なお、留守番機能の起動は、図7のフローチャートのように着信時に限るものではなく、着信時以外の状態においても同様の一連の蓋部の開閉動作をすることにより行うようにしてもよい。
また、留守応答を起動した状態において、蓋部を第2開状態へ開く操作と、その後所定時間(たとえば1秒)内の閉じる操作をすることにより、留守番機能を解除するようにしてもよい。
【0087】
<実施例4:キャッチホン設定機能>
ここでは、通話中においてキャッチホン信号を受信した場合に、通話回線を他の回線に切り替える処理について説明する。通話中は、機器を耳にあてがっているが、この実施例では、機器の蓋部を耳に押しあてて第2開状態とする動作により、機器を耳にあてがった状態のままでキャッチホン切替処理を行い回線を切り替える。
通話は、蓋部を第1開状態にまで開けた状態で行っているものとする。キャッチホン信号の検出はキャッチホン信号検出部32により行い、キャッチホン信号が検出された場合、制御部60が、回線切替部35に対して回線の切替を指示する。回線切替部35は、回線閉結部34を介して現在の捕捉回線(先の通話回線)を保留し、他の回線(後の通話回線)を接続させる。
【0088】
図8に、キャッチホン設定機能のフローチャートを示す。
図8において、まず、ステップS31において、通話中か否かチェックする。通話中か否かは、回線閉結部34による回線捕捉をしたときにデータ記憶部10に記憶された通話情報の有無を確認すればよい。
通話中である場合ステップS32へ進み、そうでないとき処理を終了する。
ステップS32において、キャッチホン信号検出部32によってキャッチホン信号が検出されたか否かチェックする。検出されたときはステップS33へ進み、そうでないときは、ステップS31へ戻る。
キャッチホン信号が検出されたとき、キャッチホン信号が検出されたことがスピーカを介して、利用者にも知らされるので、利用者は他の着信があったことを知ることができる。そこで、この実施例では、他の着信に回線を切り替えたい場合、利用者は、機器を耳にあてがったままの状態で意図的に蓋部101を第2開状態にまで開く操作をする。
【0089】
ステップS33において、第2開状態検出部52によって第2開状態が検出されたか否かチェックする。
第2開状態が検出されなかったときは処理を終了するが、第2開状態が検出された場合、ステップS34へ進みキャッチホン切替処理を行う。
この実施例では、機器を耳にあてがった状態のままで、キャッチホン信号の受信に伴う回線の切替が容易にできる。
また、現通話回線を他の着信回線(後の通話回線)に切り替えた後、さらに、利用者が第2開状態にまで開く動作をした場合には、他の着信回線を保留とし、現通話回線(先の通話回線)に切り替える処理をする。すなわち、通話中にキャッチホン信号が受信された場合、第2開状態にまで開く操作をするごとに交互に先の通話回線と後の通話回線とを切り替えるようにすればよい。ただし、この場合は、前記した第1開状態への復帰機構を設けることが好ましい。
【0090】
この実施例において、キャッチホン信号の回線切り替えのために、蓋部を第2開状態へ開く操作を利用しているので、通話中に、機器を耳から離すことなく迅速かつ容易に回線の切り替えができる。
【0091】
<実施例5:電子メール受信機能>
ここでは、電子メールの着信があったことを検出した場合に、所定の操作でメールソフト21を起動させて受信メールを読める状態とする処理について説明する。
この実施例のメールソフト起動のための所定の操作として、蓋部を第2開状態へ開く操作を利用する。
メールの着信があった場合、メール着信検出部31が着呼信号データを分析し、着呼信号データのヘッダー内にメールの識別情報を検出することによりメール着信があったものと判断することができる。
【0092】
図9に、電子メール着信時におけるメールソフト起動までのフローチャートを示す。
まず、ステップS41において、メール着信検出部31によって電子メールの着信があったことが検出されたか否かチェックする。検出された場合ステップS42へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0093】
ステップS42において、第2開状態が検出されたか否かチェックする。
メール着信が検出された場合、図示していないが、通話着信と同様に、リンガー5を鳴動させるなどして、メールが着信したことが利用者に報知される。利用者がこの報知によりメール着信があったことを知ると、利用者は蓋部を開くという操作をすることが従来行われている。
そこで、この発明では、この従来の操作の整合性を考慮して、利用者がメール着信があったことを知った後、蓋部を開いて第1開状態とした後、さらに意図的に第2開状態とすることにより、自動的にメールソフトを起動するようにする。
【0094】
すなわち、ステップS42において、第2開状態が検出された場合、ステップS43へ進み、メールソフト21を起動させる。
メールソフトが起動された場合、着信したメールの内容をすぐに表示部1に表示するようにする。これによれば、蓋部を第2開状態へ開くという操作をするだけで、迅速かつ容易に、着信したメールの内容を読むことができる。
【0095】
もし着信したメールが複数ある場合や、未読メールが2つ以上残っている場合は、たとえば、1回目の第2開状態への開く操作により最新の受信メールの内容を表示し、その後さらに蓋部を第2開状態へ開く操作がされた場合には、その次に新しい受信メールあるいは未読メールの内容を表示するようにしてもよい。
すなわち、着信した未読メールが複数ある場合に、蓋部を第2開状態とする操作をするごとに、その複数個の受信メールを順番に表示するようにしてもよい。
【0096】
また、上記の操作によりメールソフト21が起動された状態において、蓋部を所定時間(たとえば2秒)以上第2開状態にまで開くという長押し操作をした場合には、メールソフト21を終了させるようにしてもよい。このようにメールソフトの起動処理も終了処理も、蓋部を第2開状態にまで開くという操作に関連した操作で行うようにすれば、利用者の負担を軽減でき、誤操作を防止することもできる。
【0097】
<実施例6:マルチメディア判別起動機能>
ここでは、マルチメディア情報を受信(ダウンロード)した後に、所定の操作で、そのマルチメディア情報に対応づけられたソフトウェアを起動させる処理について説明する。
ここでソフトウェアを起動させるための所定の操作として、蓋部を第2開状態へ開く操作を利用する。
マルチメディア情報としては、文字,図形,記号,画像,音楽など種々のものがあるが、マルチメディアデータ判別部67によって、受信したマルチメディア情報の種類を判別する。
この判別は、従来から行われているように、受信データのファイル形式(JPEG,MP3,TXTなど)を確認することにより行うことができる。
図10に、マルチメディア判別起動処理のフローチャートを示す。ここでは、マルチメディア情報のうち、画像と音楽の2つの種類だけを判別するフローを示しているが、これに限るものではない。
【0098】
ステップS51において、着信によって通信回線40を介して送られてきたマルチメディア情報をダウンロードし、データ記憶部10に保存する。保存処理は、利用者の指示により行ってもよく、あるいは自動的に行ってもよい。
この実施例では、利用者は、受信したマルチメディア情報が保存されたことを表示等で知った後、そのマルチメディア情報を視聴するために蓋部を第2開状態にまで開く操作をする。
ステップS52において、第2開状態が検出された否かチェックする。
第2開状態が検出されたとき、ステップS53へ進むが、そうでないときは処理を終了する。
【0099】
ステップS53において、ダウンロードされたマルチメディア情報が画像データか否かチェックする。
画像データの場合は、ステップS55へ進み、画像ビューワー23を起動させる。
画像データでない場合はステップS54へ進み、音楽データか否かチェックする。音楽データの場合は、ステップS56へ進み、音楽プレーヤー22を起動させる。
【0100】
画像ビューワー23または音楽プレーヤー22を起動させた後、自動的にダウンロードしたそのマルチメディア情報をすぐに再生する処理をしてもよい。
あるいは、起動後に、さらに蓋部を第2開状態にまで開く操作をした場合に、そのマルチメディア情報を再生するようにしてもよい。
また、画像ビューワーあるいは音楽プレーヤーが起動されている状態で、蓋部を所定時間(たとえば3秒)以上、第2開状態とする長押し操作をした場合、起動されているソフトを終了させる処理をしてもよい。
この実施例では、多数のキー入力操作を必要とせず、蓋部を第2開状態にまで開くという容易な操作をするだけで、ダウンロードした情報を保存した後すぐにそのマルチメディア情報を視聴するソフトを起動させることができる。
また、起動処理と終了処理のどちらも蓋部を第2開状態へ開く操作に関連する操作で行うので、利用者の負担を軽減でき、誤操作を防止できる。
【0101】
<実施例7:アラーム音停止機能>
ここでは、アラーム音が鳴動している場合に、蓋部を第2開状態にまで開く操作をすることによりアラーム音を停止させる機能について説明する。
アラーム音を鳴らす時間や発生イベントの設定は、アラーム報知設定部68により行う。たとえば、利用者が、アラームを鳴動させるべき時間を入力部2から入力し、その時間をデータ記憶部10に記憶しておき、アラーム鳴動監視をスタートさせる。そして、記憶されたアラーム鳴動時間と現在の時刻とをつねに比較し、一致した場合に、スピーカ4あるいはリンガー5を用いてアラーム音を鳴動させる。
【0102】
図11に、この発明のアラーム音停止機能のフローチャートを示す。
まず、ステップS61において、現在アラーム音が鳴動中か否かチェックする。鳴動中か否かは、記憶された時間等をチェックすることによりできる。
アラーム鳴動中でなければ処理を終了するが、鳴動中の場合はステップS62へ進む。
ステップS62において、第2開状態か否かチェックする。第2開状態検出部51によって第2開状態であることが検出された場合はステップS63へ進み、そうでない場合はステップS61へ戻る。ステップS63では、アラーム音停止処理を行い、アラーム音を停止させる。
通常、アラーム音が鳴動すると、利用者はその音を聞いてアラーム音を止めようとするか、またはなぜ音が鳴っているのかを確認しようとする。
【0103】
アラーム音を止めようとする場合、利用者は、蓋部を開けて音を止めるための操作をするが、この実施例では、蓋部を第2開状態にまで開く操作をすればアラーム音を止められる。
また、アラーム音を鳴らす条件設定が1つの場合は特にその鳴動理由を利用者に知らせる必要がない場合もあるが、アラーム音を鳴動させたとき、あるいは鳴動を停止させる操作をしたときに、その鳴動理由(設定された時間が来たことなど)や利用者が予め設定したメッセージを表示部1に表示するようにしてもよい。この表示により利用者に注意を喚起させることができる。
【0104】
さらに、鳴動条件が2つ以上設定されている場合、アラーム音を変えることにより鳴動理由を利用者に報知することもできるが、上記と同じように、各アラームごとに予め設定されていた鳴動理由やメッセージを表示するようにしてもよい。
また、鳴動停止後、鳴動理由が表示されている場合において、その後利用者が蓋部を第2開状態にまで開く操作をした場合には、その表示を消すようにしてもよい。あるいは第2開状態を一定時間維持する長押しをした場合に表示を消すようにしてもよい。
【0105】
この実施例によれば、アラーム停止のために蓋部を第2開状態まで開けるという操作をすればよく、特定の鳴動停止キーを押す必要もないので利用者の負担軽減と誤操作を防止できる。
【0106】
<実施例8:マナーモードの設定機能>
ここでは、着信音等が鳴らないマナーモードの設定および解除を、蓋部の開閉操作により行う場合について説明する。
マナーモードの設定および解除は、マナーモード切替部69が、第2開状態検出部52によって検出される第2開状態と、第1開状態検出部51によって検出される蓋部の閉状態とを監視することによって行う。
この実施例では、通話中でないときかつ着信信号検出中でないときに、蓋部を第2開状態にまで開く操作が検出され、その後、所定時間内に蓋部が閉じられたことが検出された場合にマナーモードを切り替えるものとする。
【0107】
すなわち、マナーモードが解除されている状態で、第2開状態まで開く操作をした後一定時間内に蓋部を閉じる操作がされた場合には、マナーモードの起動状態に設定する。
マナーモードが設定されている状態で上記と同じ一連の操作がされた場合には、マナーモードを解除する。
図12に、マナーモード切替処理のフローチャートを示す。
ステップS71において、第2開状態検出部52によって第2開状態が検出されたか否かチェックする。検出されなかったときは処理を終了し、一方検出された場合はステップS72へ進む。
ステップS72において、通話中でないことおよび着信信号検出中でないことをチェックする。
【0108】
通話中でもなく、かつ着信信号検出中でもない場合は、ステップS73へ進み、通信中の場合、あるいは着信信号検出中の場合は処理を終了する。
ステップS73において、監視タイマーを起動させ、そのタイマーの設定時間内(たとえば1秒)に蓋部が閉じられたか否かチェックする。閉じられたか否かは、第1開状態検出部51からの検出信号によりチェックする。
その設定時間内に閉じられたことを検出した場合はステップS74へ進み、そうでないときは処理を終了する。
ステップS74において、現在のマナーモードの設定状態が起動(ON)又は解除(OFF)のどちらであるかをチェックする。このチェックは、データ記憶部10に記憶されたマナーモードの設定情報を確認することにより行うことができる。
現在、起動(ON)状態の場合は、ステップS76へ進み、マナーモードを解除(OFF)に設定し、解除(OFF)状態の場合はステップS75へ進みマナーモードを起動(ON)に設定する。
【0109】
マナーモードが現在どちらの状態にあるかは、従来と同じようにマナーモードである旨の表示を表示部1にすればよい。
以上のようにマナーモードの起動と解除を、同じ一連の操作で行うことができるので、利用者の負担を軽減し、誤操作を防止できる。
また、上記のように蓋部の開閉動作をするのではなく、所定時間(たとえば2秒)以上、蓋部を第2開状態とした場合に、マナーモードを切り替えるようにしてもよい。この場合、第1開状態への復帰機構を設けることが好ましい。
なお、上記説明では、通話中又は着信信号検出中はマナーモードの切り替えは行わないものとしたが、これに限るものではない。
【0110】
<実施例9:特定宛先への自動発信機能>
ここでは、所定の操作をした場合に、予め登録された1つの宛先又は複数の宛先のうち1ヶ所の宛先に自動発信する処理について説明する。
所定の操作としては、蓋部を第1開状態にまで開く操作とその後の一定時間内に第2開状態にまで開く操作とからなる一連の操作を利用する。
【0111】
図13に、この発明の特定宛先への自動発信処理のフローチャートを示す。
ステップS81において、着信信号が検出されている状態か否かチェックする。着信信号が検出されていない場合、ステップS82へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS82において、通話中か否かチェックする。通話中でない場合、ステップS83へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS83において、第1開状態が検出されたか否かチェックする。すなわち、通話中でもなく、かつ着信信号検出中でもない場合に、利用者が蓋部を開けて第1開状態としたか否かチェックする。ここで、第1開状態が検出された場合ステップS84へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS84において、現在発信先限定モードの起動状態か否かチェックする。発信先限定モードとは、登録された自動発信先のみに発信を限定し、他の発信宛先には発信動作を起こさないモードをいい、予め設定登録してデータ記憶部10に記憶しておく。現在発信先限定モードである場合はステップS85へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0112】
ステップS85において、自動発信先が設定登録されているか否かチェックする。1つ以上自動発信先が登録されている場合は、ステップS86へ進み、そうでない場合はステップS89へ進む。
ステップS86において、発信メッセージを表示する。登録された自動発信先が1ヶ所の場合は、その自動発信先を特定する表示とその自動発信先に自動発信する旨のメッセージを表示する。
また、登録された自動発信先が複数ある場合は、登録された自動発信先の一部又は全部を表示させて、利用者に発信先を選択することを要求する旨の表示をする。
ここで、ステップS83で第1開状態が検出されただけでは、すぐに自動発信先へ自動発信することは行わず、ステップS86のメッセージを表示した状態で待機する。
自動発信先が2つ以上登録されている場合は、図示していないが、ステップS86の後に発信先の選択入力がされるのを監視する処理を追加する。
【0113】
一方、ステップS89において、現在発信先は登録された発信先のみに限定されている旨と、登録された発信先はない旨を表示し、新たに自動発信先を登録することを容易にできるようにするために、発信履歴又は着信履歴を表示する。発信履歴等のかわりに、登録された電話帳のリストを表示してもよい。
ステップS86の後、ステップS87において、第2開状態が検出されるか否かチェックする。第2開状態が検出された場合ステップS88へ進み、検出されなかった場合ステップS89へ進む。
ステップS87からステップS89に進んだ場合は、登録された発信先のみに発信が限定されている旨と発信履歴を表示すればよい。また、発信履歴等を表示するかわりに、ステップS86の表示のままでもよい。あるいは、新たに自動発信先を登録することを問合わせる旨の表示をしてもよい。
【0114】
ステップS87において、第2開状態が検出された場合、すなわち、利用者がステップS86の表示を確認してその宛先に自動発信してもよいと考え、蓋部を第2開状態にまで開く操作をした場合は、その操作を自動発信の指示とみなし、ステップS88へ進んで、設定登録された自動発信先に自動発信する。
ステップS87において、第2開状態のチェックは一定時間(たとえば10秒)だけとし、その時間内に第2開状態が検出されなければステップS89へ進むのではなく、通話以外の他の機能(たとえばメール送信機能やカメラ機能)が実行できるようにするために、処理を終了してもよい。
【0115】
この実施例によれば、登録された自動発信先に自動発信するモード(発信先限定モード)に設定されている場合に、蓋部を閉じた状態から第1開状態に開けただけでは自動発信動作に入らないので、利用者の意図しない自動発信先への発信を防止することができる。
また、第1開状態で表示される登録自動発信先やメッセージを確認した後に、発信処理をさせることができるので、安全かつ確実に利用者の意図した相手に電話をかけることができる。いわゆる「かけまちがい」を防止できる。
さらに、表示メッセージの確認後に行う蓋部を第2開状態へ開く操作は、通常の電話をかける操作の一部として含まれる「機器の蓋部を耳にあてがう」という動作の後にもできるので、利用者の操作負担は少なく、誤操作を防止することができる。
【0116】
次に、この実施例において、自動発信先を登録し、発信先限定モードの設定および解除をする処理について説明する。
図14に、この発明の自動発信先登録および発信先限定モードの設定処理のフローチャートを示す。ここでは、発信先限定モードの設定は、パスワードの入力を必要とする例を示している。
まず、ステップS91において、自動発信先登録処理を終了するか否かチェックする。終了しない入力があった場合はステップS92へ進み、処理を終了する入力があった場合は、処理を終了する。
ステップS92において、自動発信先の登録を行う。すなわち、利用者が自動発信先の番号を直接キー入力するか、あるいは電話帳に登録された相手先番号を選択する操作をした後、登録指示入力をした場合に、その相手先番号を自動発信先番号として、データ記憶部10に記憶させる。
【0117】
次に、ステップS93において、あらかじめ設定しておいたパスワードを入力する。ステップS94では、入力されたパスワードと設定済みのパスワードが同じかどうかを確認し、同じ場合は、ステップS95に進み、発信先を限定する発信先限定モードに設定する。ステップS94で、入力されたパスワードと設定済みのパスワードが同じでない場合は、ステップS96に進み、発信先を限定しない発信先非限定モードに設定する。
発信先非限定モードとは、利用者の意思によって入力された任意の発信先へ電話をかけることができるモードである。
なお、自動発信先を2箇所以上設定する場合は、ステップS92において、複数の発信先を登録すればよい。さらに、パスワードを設定した場合は、たとえば図13のステップS86の表示処理のところで、パスワードの入力を要求する表示をしてもよい。
以上のような処理を行うことにより、「発信先限定モード」に設定された場合は、発信先を登録された相手先のみに固定できる。
また、パスワードを入力させることで、発信先の変更をすることができる者を、そのパスワードを知っている特定の者だけに限定することができる。
【0118】
<実施例10:電話帳起動機能>
ここでは、特定条件を満たしたときに蓋部を第2開状態にまで開く操作をした場合、電話帳を表示および編集することができるようにする処理について説明する。
ここで、電話帳を表示し編集するプログラムはアプリケーションプログラムの一つの実施例である。すなわち、特定条件下で第2開状態にまで開く操作をした場合に起動させる処理は、電話帳のプログラムに限られることはなく、予め設定された任意のアプリケーションプログラムとすることができる。
ここで説明する電話帳のプログラムを起動させるための特定条件とは、通話中でないこと、かつ着信信号を検出していないことの両条件が満たされている場合とする。このような特定条件も、起動させるアプリケーションプログラムごとに設定できるようにしてもよい。
【0119】
図15に、電話帳起動処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS101において、蓋部101が第2開状態にまで開かれたか否かチェックする。第2開状態が検出された場合は、ステップS102へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS102において、現在通話中か否かチェックする。通話中でない場合はステップS103へ進み、通話中の場合は処理を終了する。
ステップS103において、現在着信信号検出中か否かチェックする。着信信号検出中でない場合は、ステップS104へ進み、電話帳の表示および編集をすることのできるアプリケーションソフトを起動させる。一方、着信信号検出中の場合は、処理を終了する。
この実施例では、ステップS104においては、たとえば電話帳をデータ記憶部10から読み出し、電話帳の一覧表を表示させる。あるいは電話帳を検索するための表示や、編集するための表示をしてもよい。
【0120】
このような処理を実行する機能を備えた場合は、着信中でもなく、通話中でもない場面で、利用者が蓋部を開けて第2開状態にまで開く操作をするだけで、電話帳が表示される。
すなわち、電話帳を表示させるために特定のキーを目視で探して入力する必要はなく、誤入力を防止し、電話帳表示のための操作性を向上させることができる。
ここでは、アプリケーションソフトの一つとして電話帳機能を例としてとり上げ説明したが、利用者の使用頻度の高い他のアプリケーションソフトの起動のために、蓋部を第2開状態まで開くという操作を対応づけておけば実際の使用局面において操作性をより向上させることができる。
【0121】
<実施例11:スライド式機器の構成>
以上の実施例は、すべて、図2に示した折たたみ式の携帯情報機器を対象として説明してきた。しかし、この発明の携帯情報機器は、「折りたたみ式」に限定するものではなく、以下に述べるようなスライド式の携帯情報機器でもよい。
図17と図18に、この発明のスライド式の携帯情報機器の一実施例の概略構成図を示す。このスライド式の機器は、蓋部101を本体部102に対して一定方向にスライドさせることのできる機構を持つ。
このスライド式も、蓋部101,本体部102および連結部103とから構成されるが、連結部103は、たとえばレール構造の溝と凸部とからなるスライド機構を有する。本体部102の両側の側面に細長い溝を設け、蓋部101の両側の側面に細長い凸部を設け、この凸部を溝に挿入して溝方向に移動できるようにする。また、蓋部101を閉じた状態と、第1開状態と第2開状態の3ヶ所で一時的に蓋部が固定されるように、半固定機構を備える。また、第2開状態にした後、第1開状態に必ず戻る復帰機構を設けてもよい。
【0122】
図17(a)と図18(a)は蓋部101を閉じた状態を示し、図17(b)と図18(b)は蓋部101を第1開状態まで開いた状態を示し、図17(c)と図18(c)は蓋部101を第2開状態まで開いた状態を示している。
ここで、閉状態から第1開状態にまで開くスライド量よりも、第2開状態にまで開くスライド量の方が大きいものとする。
【0123】
このスライド式の場合は、閉じた状態等を検出するために、図示したようにたとえば1つの磁石J1と3つのホール素子(H1,H2,H3)を設ける。
図17に示すように、磁石J1を蓋部101の右下端部分に設けている。また、蓋部を閉じた状態を検出するために、ホール素子H1を本体部102の右下端部に設ける。
図18(a)に示すように、閉じた状態では、磁石J1とホール素子H1とが近接し所定の電圧が発生する。この電圧を測定することにより、閉じた状態であることがわかる。
【0124】
また、図17(b)および図18(b)の第1開状態を検出するために、第1開状態のときに位置する磁石J1の真下の本体部に、ホール素子H2を設ける。
さらに、図17(c)および図18(c)の第2開状態を検出するために、第2開状態のときに位置する磁石J1の真下の本体部に、ホール素子H3を設ける。
このような構成では、磁石J1とホール素子H2とが第1開状態検出部51の役割を果し、磁石J1とホール素子H3とが第2開状態検出部52の役割を果す。
図17および図18のスライド式の機器では、主として図17(b)の状態から図17(c)の第2開状態にまで蓋部を開く操作をすることにより、上記実施例で説明した各機能を実現することができる。たとえば、着信時に、図17(c)の第2開状態まで蓋部101を開けば着信することができる。
【0125】
<実施例12:擬似的第2開状態の検出>
以上の実施例では、この発明の携帯情報機器において、物理的に「第2開状態」という状態を形成し、蓋部101を第2開状態にまで開くという操作をするものとして説明してきた。すなわち、蓋部を開いた状態として、回動角あるいはスライド量の異なる第1開状態と第2開状態とを有していた。
ここでは、物理的に第2開状態という状態を形成するのではなく、蓋部101の特定の開閉動作を、第2開状態とみなす実施例について説明する。
この実施例では、従来の折りたたみ式の携帯電話と同様に、蓋部を閉じた状態と開いた状態(第1開状態とする)の2通りの状態を有し、図2(c)のような第2開状態は設けない。
【0126】
したがって、この実施例では、図1の第2開状態検出部52は設けない。すなわち、図3のスイッチ104と突起105は設けなくてよい。
また、第1開状態検出部51は、図示していないが、連結部103に連動する突起とそれを受ける固定されたスイッチを設け、第1開状態のときに突起がスイッチを押すように配置することで、図2(b)の第1開状態を検出する。このような構成のもとで、第1開状態検出部51から得られた次のような一連の情報を検出した場合に、制御部60が第2開状態が検出されたとみなす。
(1)蓋部101の第1開状態が検出されていること。
(2)次に、蓋部101と本体部102のなす角度が第1開状態よりも小さくなり、第1開状態が検出されないこと。
(3)次に、所定時間(たとえば1秒)内に、蓋部の第1開状態が検出されたこと。
この(1)から(3)の状態の検出がされたことをもって第2開状態が検出されたとみなすことは、擬似第2開状態検出部の処理に相当する。
【0127】
たとえば、着信時にその着信に応答して通話を開始する場合を考えると、利用者は次のような操作をすることになる。ここで、上記(1)から(3)の一連の状態の検出をした場合に第2開状態に相当する操作がされたものとみなし、着信処理(図5のステップS3)に入るものとする。
着信によってリンガーの鳴動を確認した利用者は、蓋部101を第1開状態にまで開く操作をし、表示された発信先などの情報を確認する。次に、蓋部101を第1開状態でない状態とした後、1秒以内に蓋部101を第1開状態にまで開く操作をし、機器を耳にあてがう。この後通話を開始する。ここで蓋部101を第1開状態でない状態とするためには、蓋部101をわずかに閉じる方向に回動させるだけでよい。あるいは蓋部101を一旦閉じてしまってもよい。
【0128】
図16に、この実施例の擬似的第2開状態の検出処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS111において、第1開状態検出部51により第1開状態が検出されたか否かチェックする。第1開状態が検出された場合はステップS112へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0129】
第1開状態検出部51によって第1開状態が一旦検出された後に、ステップS112において、蓋部の第1開状態でないことが検出されたか否かチェックする。
第1開状態でないことを検出した場合はステップS113へ進み、そうでない場合はステップS112をループする。
ステップS113において、タイマーを初期設定し起動させる。たとえば、1秒間をカウントするタイマーを起動させる。
ステップS114でタイマーをカウントアップし、ステップS115で、所定時間(たとえば1秒)が経過したか否かチェックする。まだ所定時間が経過していない場合はステップS116へ進み、経過してしまった場合は処理を終了する。
ステップS116において、第1開状態が検出されたか否かチェックする。第1開状態が検出されない場合はステップS114へ戻る。
一方、検出された場合は、第2開状態が検出されたものとみなし、ステップS117へ進む。
【0130】
ステップS117において、第2開状態が検出されたことに対応する処理を実行する。たとえば、第2開状態が検出されたことを示す情報をデータ記憶部10に一時記憶する。また必要ならば第2開状態に予め対応づけられた機能を起動するための処理を行う。
【0131】
以上のような処理を行うことにより、擬似的に「第2開状態」という状態に対応する操作がされたことが検出できる。
このようにして第2開状態を検出すれば、上記した実施例1〜10の操作よりは複雑な操作をする必要はあるが、図3に示したようなスイッチと突起からなる構成を設ける必要がなくなり、部品点数の減少に伴い、製造コストの低下と製造工程の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】この発明の携帯情報機器の一実施例の構成ブロック図である。
【図2】この発明の携帯情報機器の一実施例の概略構造図である。
【図3】この発明の第2開状態検出部の一実施例の概略構成図である。
【図4】この発明の第2開状態検出部の他の実施例の概略構成図である。
【図5】この発明の携帯情報機器の着信および発信処理のフローチャートである。
【図6】この発明のスピーカ音量の調節機能のフローチャートである。
【図7】この発明の留守番応答機能のフローチャートである。
【図8】この発明のキャッチホン設定機能のフローチャートである。
【図9】この発明の電子メール受信機能のフローチャートである。
【図10】この発明のマルチメディア判別起動処理のフローチャートである。
【図11】この発明のアラーム音停止機能のフローチャートである。
【図12】この発明のマナーモード切替処理のフローチャートである。
【図13】この発明の自動発信機能のフローチャートである。
【図14】この発明の自動発信先登録処理等のフローチャートである。
【図15】この発明の電話帳起動処理のフローチャートである。
【図16】この発明の擬似的第2開状態の検出処理のフローチャートである。
【図17】この発明のスライド式の携帯情報機器の一実施例の概略構成図である。
【図18】この発明のスライド式の携帯情報機器の一実施例の概略構成図である。
【図19】従来の携帯電話の概略構成図である。
【符号の説明】
【0133】
1 表示部
2 入力部
3 マイク
4 スピーカ
5 リンガー
6 通話制御部
10 データ記憶部
20 プログラム記憶部
31 メール着信検出部
32 キャッチホン信号検出部
33 着信信号検出部
34 回線閉結部
35 回線切替部
40 通信回線
51 第1開状態検出部
52 第2開状態検出部
60 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部とを備えたことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項2】
通信回線を捕捉する回線閉結部と、
通信回線を通して受信された着信信号を検出する着信信号検出部をさらに備え、
前記着信信号検出部が着信信号を検出した場合、その後第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線閉結部が通信回線を捕捉し着信処理を行うことを特徴とする請求項1の携帯情報機器。
【請求項3】
通信回線を捕捉する回線閉結部と、
発信したい相手先の番号を設定する発信先設定部と、
設定された発信先に発信を行う発信制御部とをさらに備え、
発信先設定部により発信先番号が設定され、
第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記発信制御部は、前記回線閉結部に通信回線を捕捉させ発信処理を行うことを特徴とする請求項1の携帯情報機器。
【請求項4】
前記第2開状態検出部が、1組のスイッチと突起部とからなり、前記第2開状態では、スイッチが突起部により押され、スイッチの接点が閉じられた状態となることを特徴とする請求項1の携帯情報機器。
【請求項5】
第2開状態検出部が、1組の磁石とホール素子から構成され、磁石とホール素子は、それぞれ蓋部および本体部のうち互いに異なる側に設けられることを特徴とする請求項1の携帯情報機器。
【請求項6】
前記連結部が蓋部を本体部に対して一定方向にスライドさせることのできるスライド機構を有し、蓋部と本体部とが一定方向にスライド可能に接続され、前記第2開状態が第1開状態よりも閉状態からのスライド量が大きいことを特徴とするスライド式の請求項1の携帯情報機器。
【請求項7】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、通信回線を捕捉する回線閉結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
通話音量を変更する通話音量調節部を備え、
前記回線閉結部が回線を捕捉した後の通話中において、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出した場合、前記通話音量調節部が、通話音量を所定レベル分だけ変更することを特徴とする携帯情報機器。
【請求項8】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
通信回線を通して受信された着信信号を検出する着信信号検出部と、
前記第1開状態を検出する第1開状態検出部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
留守であることを通知するメッセージの送信を含む留守番応答処理を実行する留守番応答部を備え、
前記着信信号検出部が着信信号を検出した場合、第2開状態検出部が第2開状態を検出し、その後の所定時間内に第1開状態検出部が閉状態を検出したときに、あるいは、第2開状態検出部が予め決められた時間続けて第2開状態を検出したときに、前記留守番応答部が留守番応答処理を行うことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項9】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、通信回線を捕捉する回線閉結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
通信回線を介して受信されるキャッチホン信号を検出するキャッチホン信号検出部と、通信回線を切り替える回線切替部とを備え、
キャッチホン信号検出部がキャッチホン信号を検出した場合に、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線切替部が通信回線を先の通話回線または後の通話回線のいずれかに交互に切り替えることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項10】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
電子メールの着信があったことを検出するメール着信部と、電子メールを処理する制御部とを備え、
メール着信部が電子メールが着信したことを検出した場合に、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記制御部が電子メールを処理することのできるプログラムを起動させることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項11】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
受信したマルチメディアデータの種類を判別するマルチメディアデータ判別部を備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記マルチメディア判別部が判別したマルチメディアデータの種類に適した処理を実行することを特徴とする携帯情報機器。
【請求項12】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
アラーム音の鳴動を設定および停止するアラーム報知設定部を備え、
アラーム音が鳴動している場合に、第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、アラーム報知設定部が前記アラーム音を停止させることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項13】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第1開状態を検出する第1開状態検出部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
着信音を鳴らさないマナーモードの設定および解除を行うマナーモード切替部を備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出した後所定時間内に第1開状態検出部が蓋部の閉状態を検出した場合、あるいは、第2開状態検出部が予め決められた時間続けて第2開状態を検出した場合、
前記マナーモード切替部がマナーモードの設定および解除を交互に切り替えることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項14】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
自動発信を行うべき相手先を登録する自動発信先登録部と、
自動発信を行うべき相手先として登録された発信先のみに発信先を固定する自動発信先固定部と、
設定された発信先に発信を行う発信制御部とを備え、
前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記自動発信先固定部によって固定された自動発信先があれば、前記発信制御部がその自動発信先へ自動的に発信を行うことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項15】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
特定のアプリケーションソフトを起動させる制御部を備え、
前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記制御部が前記特定のアプリケーションソフトを起動させることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項16】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部を一定の移動量だけ移動させた第1開状態で蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第1開状態を検出する第1開状態検出部と、
前記第1開状態検出部が、前記第1開状態を検出した後、第1開状態でない状態を検出し、その後所定時間内に第1開状態を再度検出した場合、特定の機能を実行する制御部を備えたことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項1】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部とを備えたことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項2】
通信回線を捕捉する回線閉結部と、
通信回線を通して受信された着信信号を検出する着信信号検出部をさらに備え、
前記着信信号検出部が着信信号を検出した場合、その後第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線閉結部が通信回線を捕捉し着信処理を行うことを特徴とする請求項1の携帯情報機器。
【請求項3】
通信回線を捕捉する回線閉結部と、
発信したい相手先の番号を設定する発信先設定部と、
設定された発信先に発信を行う発信制御部とをさらに備え、
発信先設定部により発信先番号が設定され、
第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記発信制御部は、前記回線閉結部に通信回線を捕捉させ発信処理を行うことを特徴とする請求項1の携帯情報機器。
【請求項4】
前記第2開状態検出部が、1組のスイッチと突起部とからなり、前記第2開状態では、スイッチが突起部により押され、スイッチの接点が閉じられた状態となることを特徴とする請求項1の携帯情報機器。
【請求項5】
第2開状態検出部が、1組の磁石とホール素子から構成され、磁石とホール素子は、それぞれ蓋部および本体部のうち互いに異なる側に設けられることを特徴とする請求項1の携帯情報機器。
【請求項6】
前記連結部が蓋部を本体部に対して一定方向にスライドさせることのできるスライド機構を有し、蓋部と本体部とが一定方向にスライド可能に接続され、前記第2開状態が第1開状態よりも閉状態からのスライド量が大きいことを特徴とするスライド式の請求項1の携帯情報機器。
【請求項7】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、通信回線を捕捉する回線閉結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
通話音量を変更する通話音量調節部を備え、
前記回線閉結部が回線を捕捉した後の通話中において、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出した場合、前記通話音量調節部が、通話音量を所定レベル分だけ変更することを特徴とする携帯情報機器。
【請求項8】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
通信回線を通して受信された着信信号を検出する着信信号検出部と、
前記第1開状態を検出する第1開状態検出部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
留守であることを通知するメッセージの送信を含む留守番応答処理を実行する留守番応答部を備え、
前記着信信号検出部が着信信号を検出した場合、第2開状態検出部が第2開状態を検出し、その後の所定時間内に第1開状態検出部が閉状態を検出したときに、あるいは、第2開状態検出部が予め決められた時間続けて第2開状態を検出したときに、前記留守番応答部が留守番応答処理を行うことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項9】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、通信回線を捕捉する回線閉結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
通信回線を介して受信されるキャッチホン信号を検出するキャッチホン信号検出部と、通信回線を切り替える回線切替部とを備え、
キャッチホン信号検出部がキャッチホン信号を検出した場合に、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記回線切替部が通信回線を先の通話回線または後の通話回線のいずれかに交互に切り替えることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項10】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
電子メールの着信があったことを検出するメール着信部と、電子メールを処理する制御部とを備え、
メール着信部が電子メールが着信したことを検出した場合に、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記制御部が電子メールを処理することのできるプログラムを起動させることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項11】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
受信したマルチメディアデータの種類を判別するマルチメディアデータ判別部を備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したときに、前記マルチメディア判別部が判別したマルチメディアデータの種類に適した処理を実行することを特徴とする携帯情報機器。
【請求項12】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
アラーム音の鳴動を設定および停止するアラーム報知設定部を備え、
アラーム音が鳴動している場合に、第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、アラーム報知設定部が前記アラーム音を停止させることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項13】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第1開状態を検出する第1開状態検出部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
着信音を鳴らさないマナーモードの設定および解除を行うマナーモード切替部を備え、前記第2開状態検出部が第2開状態を検出した後所定時間内に第1開状態検出部が蓋部の閉状態を検出した場合、あるいは、第2開状態検出部が予め決められた時間続けて第2開状態を検出した場合、
前記マナーモード切替部がマナーモードの設定および解除を交互に切り替えることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項14】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
自動発信を行うべき相手先を登録する自動発信先登録部と、
自動発信を行うべき相手先として登録された発信先のみに発信先を固定する自動発信先固定部と、
設定された発信先に発信を行う発信制御部とを備え、
前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記自動発信先固定部によって固定された自動発信先があれば、前記発信制御部がその自動発信先へ自動的に発信を行うことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項15】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部の本体部に対する移動量が異なる第1開状態および第2開状態に蓋部を移動することができるように、蓋部と本体部とを接続する連結部と、
前記第2開状態を検出する第2開状態検出部と、
特定のアプリケーションソフトを起動させる制御部を備え、
前記第2開状態検出部が第2開状態を検出したとき、前記制御部が前記特定のアプリケーションソフトを起動させることを特徴とする携帯情報機器。
【請求項16】
操作部を備えた本体部と、蓋部と、
蓋部が本体部に対して移動し、蓋部を一定の移動量だけ移動させた第1開状態で蓋部と本体部とを接続する連結部と、前記第1開状態を検出する第1開状態検出部と、
前記第1開状態検出部が、前記第1開状態を検出した後、第1開状態でない状態を検出し、その後所定時間内に第1開状態を再度検出した場合、特定の機能を実行する制御部を備えたことを特徴とする携帯情報機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−74582(P2006−74582A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257163(P2004−257163)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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