説明

携帯端末および領域特定処理実行方法

【課題】点検システムにおいて点検時に用いる携帯端末の動きに応じて移動するアイコンを表示領域中に表示し、特定の表示領域にアイコンを移動させると特定の処理が実行されるように構成し、利用者が点検時に携帯端末を持っていない方の手がふさがっている場合等でも、片手で点検結果の入力作業等の処理を簡易に実行できる携帯端末および領域特定処理実行方法を提供することを課題とする。
【解決手段】表示領域中にアイコンを表示し、変位検出部にて検出された物理量の変位に基づいて、表示されるアイコンを表示領域内で移動させ、移動されたアイコンの表示領域中の表示座標と、記憶部に記憶された特定領域とを比較することにより、当該アイコンが当該特定領域に存在するか判定し、アイコンが特定領域に存在すると判定された場合、記憶部に記憶された当該特定領域に対応する領域特定処理を検索し、当該領域特定処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末および領域特定処理実行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車や設備機器などの点検作業においては、点検に用いる図面や点検シートなどを作業現場等に点検者が持参して点検作業が行われている。近年、これらの図面等のデータを入力した携帯端末を利用することにより、実際の図面等を作業現場等に持参することなく点検作業が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の設備検査装置では、図面情報を記憶した本体部とキーボードを具備する携帯端末とから構成され、本体部から携帯端末に送信された図面情報を用いて設備点検を行い、携帯端末のキーボードを用いて点検結果を入力する装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2に記載の点検システムでは、点検情報を記憶したサーバとタッチパネル等の操作部を具備する携帯端末を用いて、サーバから携帯端末に送信された点検情報を用いて設備点検を行い、点検作業員がタッチパネル等を操作して点検結果を管理するシステムが開示されている。
【0005】
また、特許文献3に記載の設備点検支援システムでは、設備点検関連情報を蓄積したホストコンピュータとタッチパネルを具備する複数の携帯端末とを用いて、ホストコンピュータから携帯端末に送信された設備点検関連情報を参照することにより、異なる場所で複数の点検作業員が設備点検を行うシステムが開示されている。
【0006】
また、加速度センサにて検出した変位に連動して画面表示の変更等の処理を行う携帯端末が開発されている。
【0007】
例えば、特許文献4に記載の携帯端末は、搭載されている加速度センサにて検出した加速度の方向に従って携帯端末の表示画面のスクロールやズームを行い、加速度の大きさに従ってスクロールやズームのスピードを変化させている。
【0008】
【特許文献1】特開平8−171414号公報
【特許文献2】特開2004−310616号公報
【特許文献3】特開2006−48584号公報
【特許文献4】特開2002−297284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の点検システムにおいて用いる特許文献1〜3等に記載の携帯端末では、利用者が点検結果を入力する際に携帯端末のキーボードやタッチパネル等の入力部を用いて操作する必要があり、利用者の携帯端末を持っていない方の手がふさがっている場合などは、利用者は片手で携帯端末を操作しなければならず、入力作業が困難になるという問題点を有していた。
【0010】
また、従来の加速度センサを搭載した特許文献4等に記載の携帯端末においては、加速度センサを搭載しているため利用者が携帯端末を振る等の操作により入力作業等の操作を片手で行えるものの、加速度センサにて検出した変位量が可視化されていないため、利用者が携帯端末の細かい動きを把握することが困難となり、入力作業等の誤操作の要因となるなどの問題点を有していた。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、点検システムにおいて点検時に用いる携帯端末の動きに応じて移動するアイコンを表示領域中に表示し、特定の表示領域にアイコンを移動させると特定の処理が実行されるように構成することにより、利用者が点検時に携帯端末を持っていない方の手がふさがっている場合等でも、片手で点検結果の入力作業等の処理を簡易に実行できる携帯端末および領域特定処理実行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するため、本発明の携帯端末は、制御部と、記憶部と、表示部と、携帯端末が移動する際に生じる物理量の変位を検出する変位検出部と、を少なくとも備えた携帯端末であって、上記記憶部は、上記表示部において表示される表示領域中の特定領域と、当該特定領域にアイコンが存在する場合に実行される領域特定処理と、を対応付けて記憶する領域記憶手段を備え、上記制御部は、上記表示部の上記表示領域中に上記アイコンを表示するアイコン表示手段と、上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位に基づいて、上記アイコン表示手段により表示される上記アイコンを上記表示領域内で移動させるアイコン移動手段と、上記アイコン移動手段により移動された上記アイコンの上記表示領域中の表示座標と、上記領域記憶手段に記憶された上記特定領域とを比較することにより、当該アイコンが当該特定領域に存在するか判定する領域判定手段と、上記領域判定手段により上記アイコンが上記特定領域に存在すると判定された場合、上記領域記憶手段に記憶された当該特定領域に対応する上記領域特定処理を検索し、当該領域特定処理を実行する領域特定処理実行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の携帯端末は、上記記載の携帯端末において、上記変位検出部は、3軸加速度センサであり、上記物理量は、重力加速度、または、加速度を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の携帯端末は、上記記載の携帯端末において、上記制御部は、上記領域判定手段により上記アイコンが上記特定領域に存在すると判定された場合、当該アイコンの表示形式を変更するアイコン表示形式変更手段を更に備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の携帯端末は、上記記載の携帯端末において、上記表示形式は、上記アイコンの色または形状を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の携帯端末は、上記記載の携帯端末において、上記アイコン表示手段は、上記表示領域に背景画像を表示し、当該背景画像上に上記アイコンを重畳して表示することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の携帯端末は、上記記載の携帯端末において、上記アイコン表示手段は、上記アイコンを半透明にて表示することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の携帯端末は、上記記載の携帯端末において、上記制御部は、上記表示部の上記表示領域中に障害物を表示する障害物表示手段を更に備え、上記アイコン移動手段は、上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位に基づいて、上記アイコン表示手段により表示される上記アイコンを上記表示領域内で移動させる際に、上記障害物表示手段により表示された上記障害物上を上記アイコンが移動できないように画像表示制御すること、を特徴とする。
【0019】
また、本発明の携帯端末は、上記記載の携帯端末において、上記アイコン表示手段は、上記アイコンを円形または球形の形状にて表示すること、を特徴とする。
【0020】
また、本発明の携帯端末は、上記記載の携帯端末において、上記記憶部は、上記物理量の変位の数値条件と、上記変位検出部にて当該数値条件を満たす上記物理量の変位が検出された際に実行される数値条件特定処理と、を対応付けて記憶する数値条件記憶手段を更に備え、上記制御部は、上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位と、上記数値条件記憶手段に記憶された上記数値条件とを比較することにより、上記物理量の変位が上記数値条件を満たすかを判定する数値条件判定手段と、上記数値条件判定手段により上記数値条件を満たすと判定された場合、上記数値条件記憶手段に記憶された当該数値条件に対応する上記数値条件特定処理を検索し、当該数値条件特定処理を実行する数値条件特定処理実行手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、制御部と、記憶部と、表示部と、携帯端末が移動する際に生じる物理量の変位を検出する変位検出部と、を少なくとも備えた携帯端末を用いて実行される領域特定処理実行方法であって、上記記憶部は、上記表示部において表示される表示領域中の特定領域と、当該特定領域にアイコンが存在する場合に実行される領域特定処理と、を対応付けて記憶する領域記憶手段を備え、上記制御部において実行される、上記表示部の上記表示領域中に上記アイコンを表示するアイコン表示ステップと、上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位に基づいて、上記アイコン表示ステップにて表示される上記アイコンを上記表示領域内で移動させるアイコン移動ステップと、上記アイコン移動ステップにて移動された上記アイコンの上記表示領域中の表示座標と、上記領域記憶手段に記憶された上記特定領域とを比較することにより、当該アイコンが当該特定領域に存在するか判定する領域判定ステップと、上記領域判定ステップにて上記アイコンが上記特定領域に存在すると判定された場合、上記領域記憶手段に記憶された当該特定領域に対応する上記領域特定処理を検索し、当該領域特定処理を実行する領域特定処理実行ステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、上記記載の領域特定処理実行方法において、上記変位検出部は、3軸加速度センサであり、上記物理量は、重力加速度、または、加速度を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、上記記載の領域特定処理実行方法において、上記制御部において実行される、上記領域判定ステップにて上記アイコンが上記特定領域に存在すると判定された場合、当該アイコンの表示形式を変更するアイコン表示形式変更ステップを更に含むことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、上記記載の領域特定処理実行方法において、上記表示形式は、上記アイコンの色または形状を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、上記記載の領域特定処理実行方法において、上記アイコン表示ステップにおいて、上記表示領域に背景画像を表示し、当該背景画像上に上記アイコンを重畳して表示することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、上記記載の領域特定処理実行方法において、上記アイコン表示ステップにおいて、上記アイコンを半透明にて表示することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、上記記載の領域特定処理実行方法において、上記制御部において実行される、上記表示部の上記表示領域中に障害物を表示する障害物表示ステップを更に含み、上記アイコン移動ステップにおいて、上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位に基づいて、上記アイコン表示ステップにて表示される上記アイコンを上記表示領域内で移動させる際に、上記障害物表示ステップにて表示された上記障害物上を上記アイコンが移動できないように画像表示制御することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、上記記載の領域特定処理実行方法において、上記アイコン表示ステップにおいて、上記アイコンを円形または球形の形状にて表示することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の領域特定処理実行方法は、上記記載の領域特定処理実行方法において、上記記憶部は、上記物理量の変位の数値条件と、上記変位検出部にて当該数値条件を満たす上記物理量の変位が検出された際に実行される数値条件特定処理と、を対応付けて記憶する数値条件記憶手段を更に備え、上記制御部において実行される、上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位と、上記数値条件記憶手段に記憶された上記数値条件とを比較することにより、上記物理量の変位が上記数値条件を満たすかを判定する数値条件判定ステップと、上記数値条件判定ステップにて上記数値条件を満たすと判定された場合、上記数値条件記憶手段に記憶された当該数値条件に対応する上記数値条件特定処理を検索し、当該数値条件特定処理を実行する数値条件特定処理実行ステップと、を更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、表示される表示領域中の特定領域と、当該特定領域にアイコンが存在する場合に実行される領域特定処理と、を対応付けて記憶部に記憶し、表示領域中にアイコンを表示し、変位検出部にて検出された物理量の変位に基づいて、表示されるアイコンを表示領域内で移動させ、移動されたアイコンの表示領域中の表示座標と、記憶部に記憶された特定領域とを比較することにより、当該アイコンが当該特定領域に存在するか判定し、アイコンが特定領域に存在すると判定された場合、記憶部に記憶された当該特定領域に対応する領域特定処理を検索し、当該領域特定処理を実行するので、利用者が携帯端末を移動させることで、その動きに連動して表示領域上に表示されたアイコンを特定領域に移動させることにより、領域特定処理を実行させることができるという効果を奏する。すなわち、本発明は、変位検出部(例えば、加速度センサ、ジャイロスコープ、磁気センサ等)にて、利用者が携帯端末を振る等の移動動作により検出された物理量の変位を、表示部に表示されるアイコンにより可視化することができるという効果を奏する。これにより、本発明は、利用者の携帯端末の細かい動きをアイコンにより利用者に視覚的に把握させることが容易にできるようになり、アイコンの特定領域への移動に連動して実行される領域特定処理の誤操作の要因を軽減することができるという効果を奏する。
【0031】
また、この発明によれば、変位検出部は、3軸加速度センサであり、物理量は、重力加速度、または、加速度を含むので、3軸方向の携帯端末の動きを可視化することができ、一軸加速度センサ等のその他のセンサを用いる場合に比べて、物理量の変位に基づいて実行する携帯端末への入力処理等のバリエーションを増やす等、操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【0032】
また、この発明によれば、アイコンが特定領域に存在すると判定された場合、当該アイコンの表示形式を変更するので、表示領域内の特定領域にアイコンを移動させたことを容易かつ確実に視覚的にとらえることができ、入力操作の効率化を図ることができるという効果を奏する。
【0033】
また、この発明によれば、表示形式は、アイコンの色または形状を含むので、表示領域内の特定領域にアイコンを移動させた場合に、画面上に表示されるアイコンの色や形状(例えば、大きさ、形等)を変更することにより、視認性をさらに高めることができる。これにより、一例として、屋外で行う点検作業など、画面が見づらい場合においても、本発明は、アイコン表示の確認がとりやすくなり、作業効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0034】
また、この発明によれば、表示領域中に背景画像を表示し、当該背景画像上にアイコンを重畳して表示するので、背景画像(例えば、点検用の図面やチェックシート等の画像等)の確認とアイコンの操作を同時に行うことができ、作業効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0035】
また、この発明によれば、アイコンを半透明にて表示するので、アイコンと同時に背景表示を確認でき、これにより、作業効率を向上させることができる。すなわち、アイコンが半透明でない場合には、アイコンがある部分の背景画像を確認するためには、アイコンを他の位置に移動させる必要があるため、当該移動により誤操作を引き起こすおそれがあるが(例えば、意図しない特定領域へ移動させてしまい、領域特定処理が実行されてしまう等)、本発明は、アイコンを半透明にて表示することにより、背景画像の視認性を高めることができるので不必要な移動操作を必要とせず、誤操作を軽減することができるという効果を奏する。
【0036】
また、この発明によれば、表示領域中に障害物を表示し、変位検出部にて検出された物理量の変位に基づいて、表示されるアイコンを表示領域内で移動させる際に、表示された障害物上をアイコンが移動できないように画像表示制御するので、表示領域内の特定領域の間に障害物を配置することができる。これにより、本発明は、例えば、特定領域間の区切りとして障害物を表示させることで、視覚的に特定領域の境を把握することができるようなるという効果を奏する。また、本発明は、特定領域間の区切りとして障害物を表示させる場合には、アイコンを異なる領域に移動させる操作において特定の障害物を回避させる移動の操作を利用者に要求するため、意図しない特定領域にアイコンが移動してしまうことを防止することができ、操作の確実性を上げることができるという効果を奏する。
【0037】
また、この発明によれば、アイコンを円形または球形の形状にて表示するので、アイコンの移動をスムーズに制御することができる。これにより、本発明は、アイコンの形状を円形または球形にすることにより、アイコンの重心から外周部への距離が等距離になるので、表示領域内でのアイコンの移動がアイコンの向きによって変化し、制約されることが少なくなるという効果を奏する。例えば、本発明は、アイコンが一定の方向から障害物の同一部位に衝突する場合、アイコンの向きに関係なく同じ挙動を示すことができるという効果を奏する。
【0038】
また、この発明によれば、物理量の変位の数値条件と、変位検出部にて当該数値条件を満たす物理量の変位が検出された際に実行される数値条件特定処理と、を対応付けて記憶部に記憶し、変位検出部にて検出された物理量の変位と、記憶部に記憶された数値条件とを比較することにより物理量の変位が数値条件を満たすかを判定し、数値条件を満たすと判定された場合、記憶部に記憶された当該数値条件に対応する数値条件特定処理を検索し、当該数値条件特定処理を実行するので、アイコンの特定領域への移動による領域特定処理とは異なる、特定の数値条件を満たす移動動作による数値条件特定処理を実行することができる。これにより、本発明は、上下方向、水平方向、前後方向に携帯端末を強くまたは軽く振ることで、携帯端末が移動する際に生じる物理量の変位が所定の数値条件(例えば、閾値、数値範囲、特定の値等)を満たす移動動作を検知した場合に、例えば、背景画像の変更、検査結果の記録、再試行などの別の処理(数値条件特定処理)を連動させて行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に、本発明にかかる携帯端末および領域特定処理実行方法並びにプログラムの実施の形態を図面に基づいて、詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0040】
特に以下の実施の形態においては、本発明の携帯端末を点検作業の際に用いる図面(点検図面、点検チェックシート等)を表示し、点検結果を入力する装置として適用した例について説明するが、この場合に限られず、他の実施の形態においても同様に適用することができる。
【0041】
[本発明の概要]
以下、本発明の概要について図1〜図8を参照して説明し、その後、本発明の構成および処理等について詳細に説明する。図1は、本発明の基本処理を示すフローチャートである。また、図2は、携帯端末100の表示領域中に表示されるアイコン1の一例を示す概念図である。また、図3は、携帯端末100の表示領域に表示される特定領域の一例を示す概念図である。また、図4は、領域特定処理の一例を示す概念図である。また、図5〜図6は、携帯端末100の表示領域中に表示される障害物2の一例を示す概念図である。また、図7は、数値条件特定処理の一例を示すフローチャートである。また、図8は、数値条件特定処理の一例を示す概念図である。
【0042】
本発明は、概略的に、以下の基本的特徴を有する。すなわち、本発明の携帯端末100は、制御部と、記憶部と、表示部と、携帯端末100が移動する際に生じる物理量の変位を検出する変位検出部と、を少なくとも備えて構成される。
【0043】
まず、図1に示すように、携帯端末100の制御部は、表示部の表示領域中にアイコン1を表示する(ステップSA−1)。
【0044】
ここで、図2を参照して、携帯端末100の表示領域中に表示されるアイコン1の一例について以下に説明する。図2において、一例として、携帯端末100の制御部は、携帯端末100の表示領域に点検に用いる図面(例えば、点検対象のコンピュータ等の基板の図面等)を背景画像として表示し、変位検出部にて検出された物理量の変位に基づいて移動するアイコン1を表示領域に背景画像に重畳して表示している。
【0045】
図2に示すように、携帯端末100の制御部は、表示領域に背景画像(例えば、点検箇所の図面、チェックシート等)を表示してもよい。また、携帯端末100の制御部は、当該背景画像上にアイコン1を重畳して表示してもよい。また、携帯端末100の制御部は、アイコン1を円形または球形の形状に表示してもよい。また、携帯端末100の制御部は、アイコン1を半透明に表示してもよい。
【0046】
図1に戻り、携帯端末100の変位検出部10は、携帯端末100が移動する際に生じる物理量の変位を検出する(ステップSA−2)。ここで、携帯端末100の変位検出部10は、例えば、加速度センサ、ジャイロスコープ、または、磁気センサ等で構成されていてもよく、また、それらの任意の組み合わせで構成されていてもよい。
【0047】
ここで、「物理量」とは、測定対象に固有な、客観的に測定できる量(例えば、時間、質量、速度、スカラー、ベクトル等)である。一例として、物理量としては、加速度センサを用いた測定では、加速度や重力加速度等であり、ジャイロスコープを用いた測定では、角速度等であり、磁気センサを用いた測定では、磁場の大きさや方向等である。
【0048】
そして、携帯端末100の制御部は、変位検出部10にて検出された物理量の変位に基づいて、アイコン1を表示部の表示領域内で移動させる(ステップSA−3)。すなわち、携帯端末100の制御部は、変位検出部10にて検出された物理量の変位から移動の方向、距離、時間、速度等を算出し、当該算出された値に従って表示部の表示領域内においてアイコン1の表示座標を変更するように画像制御を行う。一例として、変位検出部10が3軸加速度センサにより構成される携帯端末100を利用者が移動させた場合、携帯端末100の制御部は、変位検出部10にて検出されたX,Y,Z軸で表せる3次元の軸ごとの加速度または重力加速度に基づいて、表示部の表示領域内の2次元(例えば、X−Y平面等)上の移動方向、距離、時間、速度等の変化を算出し、これらの算出された値に連動して表示領域内でアイコン1の表示座標を変化させてもよい。
【0049】
ここで、再び図2を参照して、携帯端末100の変位検出部10にて検出された物理量の変位に基づくアイコン1の表示領域内での移動について以下に説明する。
【0050】
図2に示すように、携帯端末100の制御部は、表示領域の上側に表示されているアイコン1を、携帯端末100の変位検出部10にて検出された物理量の変位(例えば、利用者が携帯端末100を上側から下側へ振る操作により生じた加速度等の変位)に連動して、表示領域の下側へ移動するように画像制御してもよい。
【0051】
再び図1に戻り、携帯端末100の記憶部には、表示部において表示される表示領域中の特定領域と、当該特定領域にアイコン1が存在する場合に実行される領域特定処理と、を対応付けて記憶する領域特定処理テーブル106aが予め格納されており、携帯端末100の制御部は、移動されたアイコン1の表示領域中の表示座標と、領域特定処理テーブル106aに記憶された特定領域とを比較し、アイコン1が表示領域中の特定領域に存在するか判定する(ステップSA−4)。
【0052】
ここで、「特定領域」とは、表示部において表示される表示領域中の全部または一部を占有する領域であって、領域特定処理と関連付けられた領域である。なお、利用者の操作の便宜のため、表示領域中に特定領域を表示してもよい。
【0053】
また、「領域特定処理」とは、携帯端末100の表示領域中の特定領域にアイコン1が存在する場合に、携帯端末100の制御部にて実行される処理である。例えば、領域特定処理は、利用者が行う検査の判定結果(例えば、検査の合格、不合格等)の入力処理等であってもよい。
【0054】
ここで、図3を参照して、携帯端末100の表示領域に表示される特定領域の一例について以下に説明する。
【0055】
図3に示すように、一例として、特定領域は、携帯端末100の表示部の表示領域の左下頂点周辺部(矩形の表示領域の下側の左隅:特定領域a)、および、携帯端末100の表示領域の右下頂点周辺部(矩形の表示領域の下側の右隅:特定領域b)に指定されている。図3において、領域特定処理テーブル106aは、特定領域aについて、特定領域aを特定する情報(例えば、特定領域aの座標情報等)と、当該特定領域aにアイコン1が存在する場合に実行される領域特定処理と、を対応付けて記憶し、特定領域bについて、特定領域bを特定する情報(例えば、特定領域bの座標情報等)と、当該特定領域bにアイコン1が存在する場合に実行される領域特定処理と、を対応付けて記憶する。
【0056】
そして、図3に示すように、携帯端末100の制御部は、表示領域中の特定領域にアイコン1の表示座標の全てまたは少なくとも一部が包含されている場合に、アイコン1が特定領域に存在すると判定してもよい。
【0057】
また、携帯端末100の制御部は、表示領域中の特定領域にアイコン1が存在すると判定された場合、アイコン1の表示形式(例えば、アイコン1の色または形状等)を変更してもよい。一例として、利用者が携帯端末100の表示領域中の特定領域にアイコン1を移動させた場合に、携帯端末100の制御部は、アイコン1の色を変更(例えば、半透明から不透明へ、黄色から青色や赤色へ、縞模様から格子模様へ、点灯表示から点滅表示への変更等)するよう画像制御してもよい。また、一例として、利用者が携帯端末100の表示領域中の特定領域にアイコン1を移動させた場合に、携帯端末100の制御部は、アイコン1の形状を変更(例えば、円形から矩形へ、小型から大型への変更等)するよう画像制御してもよい。図3に示す例では、アイコン1が特定領域aに移動された場合には、格子模様に表示形式が変更され、アイコン1が特定領域bに移動された場合には、縞模様に表示形式が変更されている。
【0058】
再び図1に戻り、携帯端末100の制御部は、アイコン1が表示領域中の特定領域に存在すると判定された場合(ステップSA−4、Yes)、領域特定処理テーブル106aに記憶された当該特定領域に対応する領域特定処理を検索する(ステップSA−5)。
【0059】
そして、携帯端末100の制御部は、検索された領域特定処理に規定された処理を実行する(ステップSA−6)。
【0060】
ここで、図4を参照して、領域特定処理の一例について以下に説明する。
【0061】
図4に示すように、携帯端末100の制御部は、アイコン1が表示領域中の左下頂点周辺の特定領域aに存在する場合には、「検査対象について検査結果が合格であった旨」を入力する領域特定処理を行い、また、アイコン1が表示領域中の右下頂点周辺の特定領域bに存在する場合には、「検査対象について検査結果が不合格であった旨」を入力する領域特定処理を行ってもよい。すなわち、利用者は、携帯端末100の移動操作によりアイコン1を移動させることで、所望の点検対象の検査結果(合格、不合格)を携帯端末100に入力する。
【0062】
再び図1に戻り、携帯端末100の制御部は、アイコン1が表示領域中の特定領域に存在しないと判定された場合(ステップSA−4、No)、処理を終了し、ステップSA−2に戻る。
【0063】
ここで、携帯端末100の制御部は、表示領域中に障害物2を表示し、変位検出部にて検出された物理量の変位に基づいて、アイコン1を表示領域内で移動させる際に、障害物2上をアイコン1が移動できないように画像表示制御してもよい。
【0064】
ここで、図5〜図6を参照して、携帯端末100の表示領域中に表示される障害物2の一例について以下に説明する。
【0065】
図5に示す例において、携帯端末100の表示領域中の障害物2は、三角形の形状で表されているが、アイコン1の表示領域中の移動を妨げるような任意の形状となっていてもよい。
【0066】
具体的には、図5において、一例として、障害物2は、携帯端末100の表示領域の左下頂点周辺部(特定領域a)と右下頂点周辺部(特定領域b)の中間位置に三角形の形状で表示されており、アイコン1を左下頂点周辺部(特定領域a)から右下頂点周辺部(特定領域b)へ移動させるためには、携帯端末100の左右への操作だけでなく、障害物2を回避するためにアイコン1を上側へ移動させ、左から右へ移動させ、さらに、下側へ移動させる操作を利用者に要求する。
【0067】
また、図6に示すように、携帯端末100の表示領域中の障害物2−1〜2は、表示領域中の判定結果1〜3の入力処理に対する領域特定処理と対応付けられた特定領域1〜3の境界に表示されてもよい。このように、本発明は、判定結果数に対応した任意の数の特定領域を表示領域中に表示してもよいが、利用者の誤操作を防止するために特定領域間の区切りとして任意の数の障害物2を任意の位置に配置することができる。
【0068】
具体的には、図6において、一例として、障害物2−1〜2は、携帯端末100の表示領域の特定領域1〜3の境界に棒状の形状で表示されており、アイコン1を異なる特定領域に移動させるためには、携帯端末100の上下への操作だけでなく、障害物2−1〜2を回避するためにアイコン1を左から右へ一度移動させ、上下に移動させ、さらに、右から左へ移動させる操作を利用者に要求する。
【0069】
また、携帯端末100の記憶部は、数値条件特定処理テーブル106cとして、物理量の変位の数値条件と、変位検出部10にて数値条件を満たす物理量の変位が検出された際に実行される数値条件特定処理と、を対応付けて記憶し、携帯端末100の制御部は、変位検出部にて検出された物理量の変位と、記憶部に記憶された数値条件とを比較することにより物理量の変位が数値条件を満たすかを判定し、数値条件を満たすと判定された場合、記憶部に記憶された当該数値条件に対応する数値条件特定処理を検索し、当該数値条件特定処理を実行してもよい。
【0070】
ここで、「数値条件」とは、基準となる数値、数値範囲等である。一例として、加速度の変位を判定する場合において、数値条件は、1)閾値以上/以下(例えば、5m/s2以上、0.3m/s2以下等)、2)一定範囲内(例えば、1m/s2以上から3m/s2以下等)、または、3)特定値(例えば、30m/s2等)であってもよい。
【0071】
ここで、携帯端末100の制御部が行う数値条件特定処理の一例について図7〜図8を参照して説明する。
【0072】
図7は、携帯端末100が行う数値条件特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、図7に示すように、携帯端末100の変位検出部10は、携帯端末100が移動する際に生じる物理量の変位を検出する(ステップSB−1)。
【0074】
そして、携帯端末100の制御部は、変位検出部10にて検出された物理量の変位と、記憶部に記憶された数値条件とを比較することにより物理量の変位が数値条件を満たすかを判定する(ステップSB−2)。
【0075】
そして、携帯端末100の制御部は、変位検出部10にて検出された物理量の変位が数値条件を満たすと判定された場合(ステップSB−2、Yes)、数値条件特定処理テーブル106aに記憶された当該数値条件に対応する数値条件特定処理を検索する(ステップSB−3)。
【0076】
そして、携帯端末100の制御部は、数値条件特定処理テーブル106aに記憶された数値条件特定処理を実行し、処理を終了する(ステップSB−4)。
【0077】
ここで、図8に示すように、利用者が携帯端末100を一定以上の振り幅で、上下方向へ、一定以上の速度で振り、変位検出部10にて数値条件を満たす物理量の変位が検出された場合に、携帯端末100の表示領域に表示する背景画像を変更する等(例えば、「図面1」から「図面2」への変更処理等)の数値条件特定処理を行ってもよい。また、一例として、利用者が携帯端末100を一定値以下の振り幅で、水平方向へ、一定値以下の速度で振り、変位検出部10にて数値条件を満たす物理量の変位が検出された場合に、検査結果の記録処理等の数値条件特定処理を行ってもよい。また、一例として、利用者が携帯端末100を水平方向に、一定以上の速度で回転させ、変位検出部10にて数値条件を満たす物理量の変位が検出された場合に、検査結果の記録の再試行処理等の数値条件特定処理を実行してもよい。
【0078】
再び図7に戻り、携帯端末100の制御部は、変位検出部10にて検出された物理量の変位が数値条件を満たさないと判定された場合(ステップSB−2、No)、処理を終了する。
以上で本発明の概要の説明を終える。
【0079】
[本携帯端末100の構成]
次に、図9を参照し、本携帯端末100の構成を説明する。図9は、本発明が適用される本携帯端末100の構成の一例を示すブロック図である。
【0080】
図9において、携帯端末100は、概略的に、携帯端末100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、通信制御インターフェース部104、表示部114や画像撮影部112や変位検出部10に接続される入出力制御インターフェース部108、各種のデータベースやテーブルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。また、携帯端末100は、ネットワーク通信(例えば、通信回線を介したインターネット通信等)を実現する通信装置(図示せず)および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、インターネット等のネットワーク300に通信可能に接続されており、このネットワーク300を介して、記憶部206を少なくとも備えたサーバ装置200と通信可能に接続されていてもよい。なお、サーバ装置200の構成については後述する。
【0081】
また、図9において、入出力制御インターフェース部108は、表示部114や変位検出部10や画像撮影部112の制御を行う。ここで、表示部114は、表示領域中にアイコン1、障害物2、背景画像等を表示する機能を備えた表示手段であり、例えば、液晶や有機EL(Electro−Luminescence)等から構成されるディスプレイ等であってもよい。また、変位検出部10は、携帯端末100の移動の際に生じる物理量(例えば、加速度、重力加速度、角速度、磁束、方向、距離、角度、速度、時間、圧力等)の変位を検出する変位検出手段であり、一例として、携帯端末100の動きを電気信号に変える機能を有するセンサ(例えば、3軸加速度センサやジャイロスコープや磁気センサ等)等である。また、画像撮影部112は、点検作業における検査対象の点検箇所や点検証拠を撮影する画像撮影手段であり、例えば、CCD(Chrage Coupled Device)やCMOS(Complememtary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子等から構成されるビデオカメラやデジタルカメラやWebカメラ等である。
【0082】
また、図9において、記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブル(領域特定処理テーブル106a、背景情報データベース106b、および、数値条件特定処理テーブル106c)は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースや変位検出部10にて検出された物理量の変異等を格納する。
【0083】
これら記憶部106の各構成のうち、領域特定処理テーブル106aは、表示領域中の全部または一部を占有する領域である特定領域と、当該特定領域にアイコン1が存在する場合に実行される入出力処理等である領域特定処理と、を対応付けて記憶する領域記憶手段である。一例として、領域特定処理テーブル106aは、利用者により予め設定された表示領域中の領域(例えば、矩形の表示領域の下側の左右の隅等)と、利用者が行う検査の判定結果(例えば、検査の合格、不合格等)の入力処理等を対応付けて記憶してもよい。
【0084】
また、背景情報データベース106bは、利用者によりスキャナ等の画像読取部(図示せず)等にて予め読み込まれた、点検作業における検査対象の画像等(例えば、図面、点検シート、仕様書等)を記憶する画像記憶手段である。ここで、背景情報データベース106bは、検査対象の図面等の画像を記憶していてもよく、また、検査対象上における指示位置と、検査対象の所定領域の図面等の画像とを対応付けて記憶していてもよい。
【0085】
また、数値条件特定処理テーブル106cは、利用者による携帯端末100の移動の際に生じる物理量(例えば、加速度、角速度等)の変位の基準となる数値、数値範囲等である数値条件と、利用者による携帯端末100の移動により変位検出部10にて当該数値条件を満たす物理量の変位が検出された際に実行される領域特定処理とは異なる入出力処理等である数値条件特定処理と、を対応付けて記憶する数値条件記憶手段である。一例として、数値条件特定処理テーブル106cは、利用者が携帯端末100を上下に移動させる際の加速度の範囲条件(例えば、5m/s2以上から8m/s2以下の加速度等)と、携帯端末100の表示領域に表示する背景画像の変更(例えば、背景情報データベースに格納された検査対象の図面から点検シートへの変更等)の処理等と、を対応付けて記憶してもよい。
【0086】
また、図9において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、アイコン表示部102a、アイコン移動部102b、領域判定部102c、領域特定処理実行部102d、アイコン表示形式変更部102e、障害物表示部102f、数値条件判定部102g、および、数値条件特定処理実行部102hを備えて構成されている。
【0087】
このうち、アイコン表示部102aは、表示部114の表示領域中にアイコン1を表示するアイコン表示手段である。ここで、アイコン1となる円形や球形等の任意の画像データは予め記憶部106に格納されていてもよく、また、アイコン表示部102aは、予め記憶部106に格納された表示領域に背景画像を表示し、当該背景画像上にアイコン1を重畳して表示してもよく、さらに、アイコン1を半透明にて表示してもよい。
【0088】
また、アイコン移動部102bは、変位検出部10にて検出された物理量の変位に基づいて、アイコン表示部102aにより表示されるアイコン1を表示領域内で移動させるアイコン移動手段である。
【0089】
また、領域判定部102cは、アイコン移動部102bにより移動されたアイコン1の表示領域中の表示座標と、領域特定処理テーブル106aに記憶された特定領域とを比較することにより、当該アイコンが当該特定領域に存在するか判定する領域判定手段である。
【0090】
また、領域特定処理実行部102dは、領域判定部102cによりアイコン1が特定領域に存在すると判定された場合、領域特定処理テーブル106aに記憶された当該特定領域に対応する領域特定処理を検索し、当該領域特定処理を実行する領域特定処理実行手段である。
【0091】
また、アイコン表示形式変更部102eは、領域判定部102cによりアイコン1が特定領域に存在すると判定された場合、当該アイコン1の表示形式を変更するアイコン表示形式変更手段である。ここで、アイコン1の表示形式は、アイコン1の色または形状を含んでもよい。
【0092】
また、障害物表示部102fは、表示部114の表示領域中に障害物2を表示する障害物表示手段である。ここで、障害物2となる三角形や矩形等の画像データは予め記憶部106に格納されていてもよく、障害物表示部102fは、障害物2の画像データを予め定めた位置(例えば、特定領域の区切りの位置等)に表示する。
【0093】
また、数値条件判定部102gは、変位検出部10にて検出された物理量の変位と、数値条件特定処理テーブル106cに記憶された数値条件とを比較することにより物理量の変位が数値条件を満たすかを判定する数値条件判定手段である。
【0094】
また、数値条件特定処理実行部102hは、数値条件判定部102gにより数値条件を満たすと判定された場合、数値条件特定処理テーブル106cに記憶された当該数値条件に対応する数値条件特定処理を検索し、当該数値条件特定処理を実行する数値条件特定処理実行手段である。
【0095】
また、図9において、通信制御インターフェース部104は、本携帯端末100とネットワーク300との間における通信制御を行ってもよい。すなわち、通信制御インターフェース部104は、サーバ装置200等の外部装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有していてもよい。また、ネットワーク300は、本携帯端末100とサーバ装置200等の外部装置とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網、一般電話回線網を含む。)、イントラネット等であってもよい。以上で、携帯端末100の構成の説明を終える。
【0096】
[サーバ装置200の構成]
次に、サーバ装置200の詳細について図9を参照して説明する。
【0097】
まず、サーバ装置200は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、インターネット等のネットワーク300に通信可能に接続されており、このネットワーク300を介して、携帯端末100に通信可能に接続されており、記憶部206を備えて構成されている。サーバ装置200は、WEBサーバやASPサーバ等として構成していてもよい。また、サーバ装置200のハードウェア構成は、一般に市販されるワークステーション、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置およびその付属装置により構成していてもよい。また、サーバ装置200の各機能は、サーバ装置200のハードウェア構成中のCPU、ディスク装置、メモリ装置、入力装置、出力装置、通信制御装置等およびそれらを制御するプログラム等により実現される。
【0098】
ここで、サーバ装置200の記憶部206は、本実施形態において、利用者が点検作業を行う際に、携帯端末100の領域特定処理実行部102dにて実行された領域特定処理により入力された点検箇所の点検結果、および、画像撮影部112にて撮影された点検箇所の点検証拠等を記録してもよい。以上で、サーバ装置200の構成の説明を終える。
【0099】
[領域特定処理実行処理]
次に、このように構成された本実施の形態における携帯端末100を用いた領域特定処理実行処理の一例について、以下に図10〜図13等を参照して詳細に説明する。ここで、図10は、本実施の形態における領域特定処理実行処理の一例を示すフローチャートである。図11〜図12は、本実施の形態における射影変換方法の一例を示す図である。また、また、図13は、本実施の形態における照合検査の記録処理の一例を示す概念図である。
【0100】
まず、図10に示すように、携帯端末100の制御部102は、画像撮影部112を制御することにより、検査対象上で点検者が指さした位置に対して点検者の指した指先を含む画像を撮影する(ステップSC−1)。ここで、携帯端末100の制御部102は、画像撮影部112にて撮影した点検箇所の画像を、正面方向から撮影したように射影変換してもよい。
【0101】
ここで、図11および図12を参照して、携帯端末100の制御部102で行う射影変換について説明する。
【0102】
制御部102で行う射影変換は、例えば、画像撮影部112で撮像した画像を射影の逆変換を用いて元の状態に復元することにより実行される。射影変換の一例について以下に説明する。図11に示すように、まず、射影変換を行う際には、画像撮影部112で撮像した画像面である撮像面70における画像の消失点を求める。例えば、撮像面70における画像形状である撮像面形状71が図11に示すような矩形の場合、消失点は、消失点S1と消失点S2との2ヶ所に求められる。なお、この消失点とは、所定の形状を射影した場合に、実際の形状では平行に形成される2つの直線の延長線同士が交わる点をいう。このように消失点を求めることにより、消失点に基づいて射影前の元の大きさや、射影変換を行う際のパラメータである射影変換パラメータ(a11〜a32)を求め、下記の[式1]より射影変換を行う。つまり、[式1]によって、射影変換前の座標(x,y,1)から射影変換後の座標(u,v,1)を求めることにより、射影変換を行う。
【0103】
【数1】

【0104】
このように、射影変換前の座標である撮像面形状71の座標を射影変換することにより、射影変換後の座標を求めて図12に示すように射影変換後の形状である射影変換後形状75を求めることができる。この射影変換後形状75は、画像撮影部112で撮像した実物を正面方向から見た形状、即ち、撮像した面を垂直方向に見た場合における形状である実物形状76と相似の形状になっている。なお射影変換は、上述した技術の他、各種の従来技術を用いることができる。
【0105】
再び図10に戻り、制御部102は、検査対象上で点検者の指示した指先の位置を認識する(ステップSC−2)。
【0106】
そして、制御部102は、利用者によりスキャナ等の画像読取部にて予め読み込まれ、背景情報データベース106bに格納された検査対象の少なくとも一部を含む第1の画像と、ステップSC−1において制御部102の処理により画像撮影部112にて取得された当該検査対象の少なくとも一部と点検者の指先とを含む第2の画像と、を比較することにより、検査対象上における指示位置の検索をする(ステップSC−3)。
【0107】
ここで、点検者の指先に簡単な識別マーク(例えば、赤丸のシール等)を貼っている場合には、制御部102は、利用者によりスキャナ等の画像読取部にて予め読み込まれ、背景情報データベース106bに格納された検査対象の少なくとも一部を含む第1の画像と、ステップSC−1において制御部102の処理により画像撮影部112にて取得された当該検査対象の少なくとも一部と識別マークとを含む第2の画像と、を比較することにより、識別マークに基づいて、検査対象上における指示位置の検索をしてもよい。
【0108】
そして、制御部102は、背景情報データベース106bが検査対象の図面等の画像を記憶している場合、ステップSC−3において制御部102の処理により取得された指示位置に基づいて、背景情報データベース106bに記憶された図面から指示位置を包含する所定領域の検査図面を抽出し、表示領域に表示する(ステップSC−4)。すなわち、制御部102は、図面からステップSC−3において制御部102の処理により取得された指示位置に基づいて、指示位置を包含する所定領域の図面を切り出し、表示領域に表示する。
【0109】
ここで、制御部102は、背景情報データベース106bが検査対象上における指示位置と検査対象の所定領域の図面等の画像とを対応付けて記憶している場合、ステップSC−3において制御部102の処理により取得された指示位置に対応する所定領域の図面情報を、背景情報データベース106bから検索し、表示領域に表示してもよい。すなわち、制御部102は、ステップSC−3において制御部102の処理により取得された指示位置に対応する背景情報データベース106bに記憶される所定領域の図面を呼び出し、表示領域に表示してもよい。
【0110】
そして、アイコン表示部102aは、検査結果の入力処理を行うために、表示領域中にアイコン1を表示する(ステップSC−5)。
【0111】
そして、制御部102は、変位検出部10を制御することにより、点検者による携帯端末100の移動により生じる加速度の変位を検出する(ステップSC−6)。
【0112】
そして、数値条件判定部102gは、変位検出部10にて検出された加速度の変位と、数値条件特定処理テーブル106cに記憶された数値条件(例えば、携帯端末100の水平方向への一定値以下の加速度等)とを比較することにより、変位検出部10にて検出された加速度の変位が当該数値条件を満たすかを判定する(ステップSC−7)。
【0113】
そして、アイコン移動部102bは、変位検出部10にて検出された加速度の変位が数値条件判定部102gにおいて数値条件を満たすと判定されない場合(ステップSC−7、No)、変位検出部10にて検出された加速度の変位に連動して、アイコン1を表示領域内で移動させる(ステップSC−8)。
【0114】
そして、領域判定部102cは、移動されたアイコン1の表示領域中の表示座標と、領域特定処理テーブル106aに記憶された特定領域とを比較し、アイコン1が表示領域中の特定領域に存在するか判定する(ステップSC−9)。
【0115】
そして、領域判定部102cにより、アイコン1が表示領域中の特定領域に存在すると判定された場合(ステップSC−9、Yes)、領域特定処理実行部102dは、領域特定処理テーブル106aに記憶された当該特定領域に対応する領域特定処理を検索する(ステップSC−10)。
【0116】
そして、領域特定処理実行部102dは、検索された領域特定処理である、検査結果の入力処理(例えば、検査の合格、検査の不合格等)を実行し、処理を終了し、ステップSC−6に戻る(ステップSC−11)。
【0117】
一方、領域判定部102cにより、アイコン1が表示領域中の特定領域に存在しないと判定された場合(ステップSC−9、No)、制御部102は処理を終了し、ステップSC−6に戻る。
【0118】
また、数値条件判定部102gにて、変位検出部10にて検出された加速度の変位が数値条件を満たすと判定された場合(ステップSC−7、Yes)、数値条件特定処理実行部102hは、数値条件特定処理テーブル106cに記憶された当該数値条件に対応する数値条件特定処理を検索する(ステップSC−12)。
【0119】
そして、数値条件特定処理実行部102hは、ステップSC−12において入力された検査結果に対して、検索された数値条件特定処理である検査結果の記録処理(例えば、携帯端末100の記憶部106への検査結果の記録等)を実行し、処理を終了する(ステップSC−13)。
【0120】
ここで、制御部102が行う検査結果の記録処理の一例について図13を参照して説明する。
【0121】
図13に示すように、点検者により照合検査の検査結果の記録が行われる場合、携帯端末100の制御部102は、携帯端末100の画像撮影部112を制御することにより、照合検査を行った点検箇所を撮影し、当該画像に点検ログ(例えば、撮影日時等)を加えて点検証拠記録としてもよい。そして、携帯端末100の制御部102は、検査結果に当該点検証拠記録を添付して検査結果の記録処理を行ってもよい。
【0122】
また、図13に示すように、携帯端末100の制御部102は、検査結果の記録処理により当該検査結果等をサーバ装置200へ送信し、サーバ装置200の記憶部206に記録してもよい。以上で、本照合検査の記録処理の説明を終える。
【0123】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0124】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0125】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0126】
また、携帯端末100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0127】
例えば、携帯端末100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて携帯端末100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などは、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0128】
また、このコンピュータプログラムは、携帯端末100に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0129】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0130】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0131】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(領域特定処理テーブル106a〜数値条件特定処理106c)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースや変位検出部10にて検出された物理量の変位等を格納する。
【0132】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上詳述に説明したように、本発明によれば、携帯端末100の動きに応じて移動するアイコン1を表示領域中に表示することができ、特定の表示領域にアイコン1を移動させると特定の処理が実行でき、片手で入力作業等の処理を簡易に実行できる携帯端末100および領域特定処理実行方法を提供することができるので、例えば、指さし確認を行う設備点検や車両点検等の点検業務などを支援する情報処理機器および情報処理分野等の様々な分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の基本処理を示すフローチャートである。
【図2】本発明の表示領域中に表示されるアイコン1の一例を示す図である。
【図3】本発明の表示領域に表示される特定領域の一例を示す図である。
【図4】領域特定処理の一例を示す図である。
【図5】本発明の表示領域中に表示される障害物2の一例を示す図である。
【図6】本発明の表示領域中に表示される障害物2の一例を示す図である。
【図7】数値条件特定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】数値条件特定処理の一例を示す図である。
【図9】本実施の形態における携帯端末100の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】本実施の形態における領域特定処理実行処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態における射影変換方法の一例を示す図である。
【図12】本実施の形態における射影変換方法の一例を示す図である。
【図13】本実施の形態における照合検査の記録処理の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0135】
1 アイコン
2 障害物
100 携帯端末
10 変位検出部
102 制御部
102a アイコン表示部
102b アイコン移動部
102c 領域判定部
102d 領域特定処理実行部
102e アイコン表示形式変更部
102f 障害物表示部
102g 数値条件判定部
102h 数値条件特定処理実行部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a 領域特定処理テーブル
106b 背景情報データベース
106c 数値条件特定処理テーブル
108 入出力制御インターフェース部
112 画像撮影部
114 表示部
200 サーバ装置
206 記憶部
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、記憶部と、表示部と、携帯端末が移動する際に生じる物理量の変位を検出する変位検出部と、を少なくとも備えた携帯端末であって、
上記記憶部は、
上記表示部において表示される表示領域中の特定領域と、当該特定領域にアイコンが存在する場合に実行される領域特定処理と、を対応付けて記憶する領域記憶手段
を備え、
上記制御部は、
上記表示部の上記表示領域中に上記アイコンを表示するアイコン表示手段と、
上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位に基づいて、上記アイコン表示手段により表示される上記アイコンを上記表示領域内で移動させるアイコン移動手段と、
上記アイコン移動手段により移動された上記アイコンの上記表示領域中の表示座標と、上記領域記憶手段に記憶された上記特定領域とを比較することにより、当該アイコンが当該特定領域に存在するか判定する領域判定手段と、
上記領域判定手段により上記アイコンが上記特定領域に存在すると判定された場合、上記領域記憶手段に記憶された当該特定領域に対応する上記領域特定処理を検索し、当該領域特定処理を実行する領域特定処理実行手段と、
を備えたことを特徴とする、携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
上記変位検出部は、3軸加速度センサであり、上記物理量は、重力加速度、または、加速度を含むことを特徴とする、携帯端末。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末において、
上記制御部は、
上記領域判定手段により上記アイコンが上記特定領域に存在すると判定された場合、当該アイコンの表示形式を変更するアイコン表示形式変更手段
を更に備えたことを特徴とする、携帯端末。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末において、
上記表示形式は、上記アイコンの色または形状を含むことを特徴とする、携帯端末。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の携帯端末において、
上記アイコン表示手段は、
上記表示領域に背景画像を表示し、当該背景画像上に上記アイコンを重畳して表示することを特徴とする、携帯端末。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の携帯端末において、
上記アイコン表示手段は、
上記アイコンを半透明にて表示することを特徴とする、携帯端末。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の携帯端末において、
上記制御部は、
上記表示部の上記表示領域中に障害物を表示する障害物表示手段
を更に備え、
上記アイコン移動手段は、
上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位に基づいて、上記アイコン表示手段により表示される上記アイコンを上記表示領域内で移動させる際に、上記障害物表示手段により表示された上記障害物上を上記アイコンが移動できないように画像表示制御することを特徴とする、携帯端末。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載の携帯端末において、
上記アイコン表示手段は、
上記アイコンを円形または球形の形状にて表示することを特徴とする、携帯端末。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つに記載の携帯端末において、
上記記憶部は、
上記物理量の変位の数値条件と、上記変位検出部にて当該数値条件を満たす上記物理量の変位が検出された際に実行される数値条件特定処理と、を対応付けて記憶する数値条件記憶手段
を更に備え、
上記制御部は、
上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位と、上記数値条件記憶手段に記憶された上記数値条件とを比較することにより、上記物理量の変位が上記数値条件を満たすかを判定する数値条件判定手段と、
上記数値条件判定手段により上記数値条件を満たすと判定された場合、上記数値条件記憶手段に記憶された当該数値条件に対応する上記数値条件特定処理を検索し、当該数値条件特定処理を実行する数値条件特定処理実行手段と、
を更に備えたことを特徴とする、携帯端末。
【請求項10】
制御部と、記憶部と、表示部と、携帯端末が移動する際に生じる物理量の変位を検出する変位検出部と、を少なくとも備えた携帯端末を用いて実行される領域特定処理実行方法であって、
上記記憶部は、
上記表示部において表示される表示領域中の特定領域と、当該特定領域にアイコンが存在する場合に実行される領域特定処理と、を対応付けて記憶する領域記憶手段
を備え、
上記制御部において実行される、
上記表示部の上記表示領域中に上記アイコンを表示するアイコン表示ステップと、
上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位に基づいて、上記アイコン表示ステップにて表示される上記アイコンを上記表示領域内で移動させるアイコン移動ステップと、
上記アイコン移動ステップにて移動された上記アイコンの上記表示領域中の表示座標と、上記領域記憶手段に記憶された上記特定領域とを比較することにより、当該アイコンが当該特定領域に存在するか判定する領域判定ステップと、
上記領域判定ステップにて上記アイコンが上記特定領域に存在すると判定された場合、上記領域記憶手段に記憶された当該特定領域に対応する上記領域特定処理を検索し、当該領域特定処理を実行する領域特定処理実行ステップと、
を含むことを特徴とする、領域特定処理実行方法。
【請求項11】
請求項10に記載の領域特定処理実行方法において、
上記変位検出部は、3軸加速度センサであり、上記物理量は、重力加速度、または、加速度を含むことを特徴とする、領域特定処理実行方法。
【請求項12】
請求項10に記載の領域特定処理実行方法において、
上記制御部において実行される、
上記領域判定ステップにて上記アイコンが上記特定領域に存在すると判定された場合、当該アイコンの表示形式を変更するアイコン表示形式変更ステップ
を更に含むことを特徴とする、領域特定処理実行方法。
【請求項13】
請求項12に記載の領域特定処理実行方法において、
上記表示形式は、上記アイコンの色または形状を含むことを特徴とする、領域特定処理実行方法。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか一つに記載の領域特定処理実行方法において、
上記アイコン表示ステップにおいて、
上記表示領域に背景画像を表示し、当該背景画像上に上記アイコンを重畳して表示することを特徴とする、領域特定処理実行方法。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか一つに記載の領域特定処理実行方法において、
上記アイコン表示ステップにおいて、
上記アイコンを半透明にて表示することを特徴とする、領域特定処理実行方法。
【請求項16】
請求項10から15のいずれか一つに記載の領域特定処理実行方法において、
上記制御部において実行される、
上記表示部の上記表示領域中に障害物を表示する障害物表示ステップ
を更に含み、
上記アイコン移動ステップにおいて、
上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位に基づいて、上記アイコン表示ステップにて表示される上記アイコンを上記表示領域内で移動させる際に、上記障害物表示ステップにて表示された上記障害物上を上記アイコンが移動できないように画像表示制御することを特徴とする、領域特定処理実行方法。
【請求項17】
請求項10から16のいずれか一つに記載の領域特定処理実行方法において、
上記アイコン表示ステップにおいて、
上記アイコンを円形または球形の形状にて表示することを特徴とする、領域特定処理実行方法。
【請求項18】
請求項10から17のいずれか一つに記載の領域特定処理実行方法において、
上記記憶部は、
上記物理量の変位の数値条件と、上記変位検出部にて当該数値条件を満たす上記物理量の変位が検出された際に実行される数値条件特定処理と、を対応付けて記憶する数値条件記憶手段
を更に備え、
上記制御部において実行される、
上記変位検出部にて検出された上記物理量の変位と、上記数値条件記憶手段に記憶された上記数値条件とを比較することにより、上記物理量の変位が上記数値条件を満たすかを判定する数値条件判定ステップと、
上記数値条件判定ステップにて上記数値条件を満たすと判定された場合、上記数値条件記憶手段に記憶された当該数値条件に対応する上記数値条件特定処理を検索し、当該数値条件特定処理を実行する数値条件特定処理実行ステップと、
を更に含むことを特徴とする、領域特定処理実行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−282857(P2009−282857A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135923(P2008−135923)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】