説明

携帯端末

【課題】1の条件について2以上の音データを指定することができる携帯端末を提供すること。
【解決手段】携帯端末1において、各2以上の音データを含む1又は複数の音グループを記憶する音グループ記憶テーブル22と、条件ごとに、前記1以上の音グループのうちの1つを記憶する条件−音グループ対応記憶テーブル23と、ある条件が満たされる状態となった場合に、条件−音グループ対応記憶テーブル23により該条件について記憶される前記音グループに含まれる前記2以上の音データのうちいずれか少なくとも1つを選択して再生する再生部41と、を含んだことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザが携帯端末で再生する音を指定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近時の携帯端末には、多数の音データ(楽曲データや音声データなど)を記憶し、これらを利用して発信者ごとに着信音を鳴り分けることによって着信音で発信者が識別できるように構成されているものがある。
【0003】
特許文献1にはこのような携帯端末の例が記載されている。特許文献1に記載の携帯端末では、複数の音データがグループ分けして記憶され、各グループは発光部の発色パターンと対応付けられている。ユーザは、条件ごと(ここでは電話番号ごと)に予め音データを指定しておく。着信時には、携帯端末は、発信者番号通知サービスにより通知された発信元電話番号から上記指定された音データを特定して読み出し、該特定した音データにより着信音を鳴動させるとともに、該特定した音データの属する上記グループに対応する発色パターンにより発光部を発光させる。こうして、発信者ごとの着信音鳴り分けが実現されている。
【特許文献1】特開2004−214972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、1の条件について2以上の着信音用音データを指定することはできなかった。同様に、例えばアラームなどについても、1つのアラーム条件について2以上の音データを指定することはできなかった。
【0005】
従って本発明の課題の一つは、1の条件について2以上の音データを指定することができる携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明に係る携帯端末は、各2以上の音データを含む1又は複数の音グループを記憶する音グループ記憶手段と、条件ごとに、前記1以上の音グループのうちの1つを記憶する条件−音グループ対応記憶手段と、ある条件が満たされる状態となった場合に、前記条件−音グループ対応記憶手段により該条件について記憶される前記音グループに含まれる前記2以上の音データのうちいずれか少なくとも1つを選択して再生する再生手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
これによれば、音データをグループ化し、条件ごとにグループを記憶することとしたので、上記携帯端末のユーザは1の条件について2以上の音データを指定することができる。
【0008】
また、上記携帯端末において、前記再生手段は、前記音グループに含まれる前記2以上の音データの中から、少なくとも1の音データをランダムに選択して再生する、こととしてもよい。これによれば、携帯端末のユーザは意外性を楽しむことができるようになる。
【0009】
また、上記携帯端末において、前記音グループ記憶手段は、前記音グループに含まれる2以上の音データを順序付けて記憶し、前記再生手段は、前記音グループに含まれる前記2以上の音データを、前記音グループ記憶手段に記憶される順序で再生する、こととしてもよい。これによれば、携帯端末のユーザは予め指定した順序で音データを楽しむことができるようになる。
【0010】
また、上記携帯端末において、前記再生手段は、前記音グループに含まれる前記2以上の音データのうち、特定の音データを再生し、その後他の音データを再生する、こととしてもよい。これによれば、ユーザは、再生された音によって、複数の条件のうちいずれの条件を満たす状態となったのかを知ることができる。
【0011】
また、上記携帯端末において、前記再生手段は、前記条件が満たされる状態となった場合に選択する前記音データを、所定期間ごとに変更する、こととしてもよい。これによれば、再生する音データを定期的(例えば一週間や一ヶ月)に変更することができるようになるので、ユーザが飽きることのないようにすることができる。
【0012】
また、上記各携帯端末において、前記再生手段は、前記条件が満たされる状態となった場合に、まずその動作モードに応じた音データを再生し、その後、前記条件−音グループ対応記憶手段により該条件と対応付けて記憶される前記音グループに含まれる前記2以上の音データのうちいずれか少なくとも1つを再生する、こととしてもよい。これによれば、ユーザは、再生された音により、条件が満たされたことによって携帯端末がどの動作モード(音声着信モードやメール着信モードなど)になったのかを知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る携帯端末1のハードウェア構成を示す図である。携帯端末1は移動体通信システムにおいて携帯電話やPHS端末として使用される情報処理端末であり、同図に示すように、CPU10、受信部11、送信部12、RAM13、ROM14、入力部15、表示部16、スピーカ17、マイク18を含んで構成される。
【0015】
CPU10は携帯端末1の各部を制御するとともに、通信や入出力に係る所定の処理を行う。
【0016】
受信部11は、図示しない基地局装置から到来した電波をアンテナにより受信し、デジタル信号に変換してCPU10に出力する。送信部12は、CPU10から入力されたデジタル信号を無線信号に変換し、図示しない基地局装置に対してアンテナから無線送信する。
【0017】
RAM13及びROM14は、それぞれ読み込みと書き込みの両方が行なえる記憶装置及び読み込み専用の記憶装置であり、CPU10で処理されるプログラムや、該プログラムの処理に伴い必要となるデータ(設定データ、アドレスデータ、メールデータなど)を記憶する。CPU10は、RAM13又はROM14に記憶されるプログラムを実行し、必要に応じてデータを読み出すことにより、上記所定の処理を行う。CPU10はまた、必要に応じてRAM13にデータを書き込む。
【0018】
入力部15は、例えばキーパッドなどの入力手段(音声入力を除く)である。一方、マイク18は音声入力手段である。これらは、ユーザにより入力されたキータッチ情報や音声信号をデジタル信号に変換し、CPU10に出力する。
【0019】
表示部16は、例えばディスプレイなどの映像出力手段である。また、スピーカ17は音声出力手段である。これらは、CPU10から入力されたデジタル信号を、それぞれ画像信号及び音声信号に変換して出力する。
【0020】
本実施形態では、CPU10は、受信部11から入力されたデジタル信号に応じて以下に示す各処理を行う。ここでは、このデジタル信号は音声着信があったことを示す信号(音声着信信号)若しくはメール着信があったことを示す信号(メール着信信号)のいずれかであるとして説明する。なお、音声着信信号は発信元電話番号を含み、メール着信信号は発信元メールアドレスを含む信号である。
【0021】
音声着信信号が入力された場合、CPU10はユーザに対して音声着信があったことを通知するための処理(音声着信通知処理)を行う。そしてユーザが入力部15又はマイク18において所定の入力動作を行うと、入力部15又はマイク18はCPU10にこの入力動作を示すデジタル信号を入力し、このデジタル信号の入力を受けたCPU10は音声着信通知処理を停止するとともに所定の通話処理を開始する。
【0022】
メール着信信号が入力された場合には、CPU10はユーザに対してメール着信があったことを通知するための処理(メール着信通知処理)を行う。そしてユーザが入力部15又はマイク18において所定の入力動作を行うと、入力部15又はマイク18はCPU10にこの入力動作を示すデジタル信号を入力し、このデジタル信号の入力を受けたCPU10は所定のメール表示処理を開始する。なお、CPU10は、ユーザの動作の有無に関わらず、メール着信通知処理を予め設定された時間で終了する。
【0023】
以下、音声着信通知処理及びメール着信通知処理を行うための携帯端末1の構成及び機能の詳細について説明する。
【0024】
図2は、携帯端末1の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、CPU10は機能的に設定部40、再生部41、及びカレンダ42を含んで構成される。また、RAM13及びROM14は記憶部20を構成し、音データDB21、音グループ記憶テーブル22、条件−音グループ対応テーブル23、動作モード−音データ対応テーブル24、及び設定テーブル25を記憶している。
【0025】
まず、音データDB21及び各テーブルについて説明する。
【0026】
音データDB21は、音データを記憶するデータベースである。ここで記憶される音データはビット列により構成され、後述する再生部41は、このビット列に応じてスピーカ17を制御することにより音データを再生する。音データは、その内容から、流行曲やクラシックなどの楽曲である楽曲データと、人の発する言葉である音声データと、に分類される。
【0027】
音グループ記憶テーブル22は、各2以上の上記音データを含む1又は複数の音グループを記憶するテーブルである。図3には、音グループ記憶テーブル22の例が示されている。同図に示すように、音グループ記憶テーブル22は複数の音グループ(音グループ#1,#2,・・・,#n)を記憶しており、それぞれについて2以上の音データ(ここではこの音データは楽曲データであり、図3ではSong A,Song B,・・・のように示している。)を記憶している。音グループ記憶テーブル22は、各音データをXバイトのビット列により記憶している。このビット列は音データDB21のアドレスを示すビット列であることが好適である。
【0028】
また、音グループ記憶テーブル22は、各音グループに含まれる2以上の音データを順序付けて記憶している。具体的には、音グループの先頭アドレス(例えばRAM13におけるメモリアドレス。以下、音グループ先頭アドレスと称する。)を決めて、該音グループ先頭アドレスから順に楽曲#1のビット列,楽曲#2のビット列,・・・のように各音データを続けて記憶する。さらに、音グループ記憶テーブル22は、例えば3曲分の音データを記憶する場合には、楽曲#3のビット列に続けて楽曲#4のビット列を記憶する代わりに、所定の終了コード(例えば‘FF’)を記憶する。
【0029】
条件−音グループ対応テーブル23は、条件ごとに、上記音グループのうちの1つを記憶するテーブルである。図4には、条件−音グループ対応テーブル23の例が示されている。同図に示すように、本実施形態では、「発信元が〜である音声着信があったこと」及び「発信元が〜であるメール着信があったこと」を上記条件としている。
【0030】
動作モード−音データ対応テーブル24は、携帯端末1の動作モードと対応付けて音データを記憶する。この動作モードは、例えば音声着信やメール着信など、携帯端末1の機能ごとに異なるCPU10の処理動作を示すものである。具体的には、音声着信モードやメール着信モードなどが挙げられる。また、ここで記憶される音データは、「音声着信です」「メールを受信しました」などの音声データである。図5ではこれらをVoice A,Voice B,・・・のように示している。
【0031】
設定テーブル25は、後述する再生部41の処理モードを記憶する。この処理モードには「ランダム再生」「ノーマル再生」「先頭固定再生」「所定期間毎変更再生」があり、設定テーブル25は、ユーザの選択に応じて、これらのうちいずれか少なくとも1つを記憶する。ここで、「ランダム再生」及び「ノーマル再生」については、いずれか1つのみが記憶される。これら各処理モードの詳細については後述する。
【0032】
次に、設定部40及び再生部41の処理について説明する。
【0033】
設定部40は、ユーザから入力部15を介して、音グループと音データの対応付け、条件と音グループの対応付け、動作モードと音データの対応付け、及び処理モードの設定を受け付ける。以下、それぞれについて説明する。
【0034】
音グループと音データの対応付けでは、ユーザはまず音グループを入力し、次に該音グループに含む音データを音データDB21に記憶される音データの中から選択する。設定部40はこれらの入力及び選択を受け付け、音グループ記憶テーブル22に書き込む。
【0035】
条件と音グループの対応付けでは、ユーザはまず条件を入力する。この条件は上述のように「発信元が〜である音声着信があったこと」及び「発信元が〜であるメール着信があったこと」であるが、ユーザは具体的な電話番号、メールアドレス、又は電話帳がグループ分けされている場合におけるグループ名を指定してこれらの条件を入力する。さらにユーザは、入力した条件と対応付ける音グループを、音グループ記憶テーブル22から選択する。設定部40はこれらの入力及び選択を受け付け、条件−音グループ対応テーブル23に書き込む。
【0036】
動作モードと音データの対応付けでは、ユーザは複数の動作モードの中から1つの動作モードを選択し、選択した動作モードと対応付ける音データを音データDB21に記憶される音データの中から選択する。設定部40はこれらの選択を受け付け、動作モード−音データ対応テーブル24に書き込む。
【0037】
処理モードの設定では、ユーザは「ランダム再生」「ノーマル再生」のいずれかを選択する。ユーザはまた、必要に応じ「先頭固定再生」及び「所定期間毎変更再生」を選択する。設定部40は選択された処理モードを設定テーブル25に書き込む。
【0038】
再生部41は、受信部11から音声着信信号及びメール着信信号の入力を受け付ける。そして、これらの受け付けた信号及びこれらに含まれる発信元電話番号又は発信元メールアドレスに基づき、条件−音グループ対応テーブル23に記憶される条件のうちのいずれかが満たされる状態となったか否かを判断する。そして、再生部41は、ある条件が満たされる状態となったと判断した場合に、まずその動作モードに応じた音データを再生し、その後条件−音グループ対応テーブル23において該条件(以下、満足条件と称する。)について記憶される音グループに含まれる音データのうちいずれか少なくとも1つを選択して再生する。
【0039】
まず、動作モードに応じた音データの再生について説明する。
【0040】
CPU10は受信部11から入力された信号に応じた機能を起動し、再生部41は起動された機能に応じた動作モードを取得する。具体的には、受信部11から入力された信号が音声着信信号である場合、ここで起動される機能は音声着信機能であるので、再生部41は、CPU10の動作モードとして音声着信モードを取得する。一方、受信部11から入力された信号がメール着信信号である場合、ここで起動される機能はメール着信機能であるので、再生部41は、CPU10の動作モードとしてメール着信モードを取得する。再生部41は、こうして取得した動作モードと対応付けて動作モード−音データ対応テーブル24に記憶される音データを読み出し、読み出した音データを再生する。
【0041】
次に、条件−音グループ対応テーブル23に記憶される音グループに含まれる音データの再生について説明する。
【0042】
再生部41は、再生に際してまず設定テーブル25を参照し、その記憶内容に応じて上記再生を行う。
【0043】
例えば設定テーブル25において「ランダム再生」が記憶されている場合には、再生部41は、条件−音グループ対応テーブル23において満足条件について記憶される音グループに含まれる音データの中から、少なくとも1の音データをランダムに選択して再生する。すなわち、再生部41は、所定の乱数発生条件により乱数を発生させ、該乱数に応じて音データをランダムに選択して再生する。なお、再生部41は、1曲目の再生が終了した場合、他の曲を同様にランダムに選択して再生を継続することが好適である。
【0044】
また、設定テーブル25において「ノーマル再生」が記憶されている場合には、再生部41は条件−音グループ対応テーブル23において満足条件について記憶される音グループに含まれる音データを、上記音グループ先頭アドレスから、条件−音グループ対応テーブル23に記憶される順序で選択して再生する。
【0045】
さらに、設定テーブル25において「先頭固定再生」が記憶されている場合には、再生部41は「ランダム再生」及び「ノーマル再生」のいずれが記憶されているかに関わらず、音グループに含まれる2以上の音データのうち特定の音データ(例えば楽曲#1)をまず初めに再生し、その後他の音データを「ランダム再生」及び「ノーマル再生」のいずれかにより再生する。
【0046】
また、設定テーブル25において「所定期間毎変更再生」が記憶されている場合、再生部41は、選択する音データを所定期間ごと(例えば1日ごと、1週間ごと、1着信ごとなど。ユーザが指定するようにすることが好適である。)に変更する。
【0047】
ここで、カレンダ42は、当日の年月日を示す当日データを記憶している。上記所定期間が1日や1週間などの経過期間で示される場合、再生部41は上記変更に際し、カレンダ42が記憶している当日データを参照し、該当日データが示す年月日と対応付けて、選択する音データを変更したことを記憶部20に記憶する。その後再生部41は当日データを毎日参照し続け、上記記憶した年月日から上記所定期間が経過したことを検出する。こうして所定期間の経過を検出すると、再生部41は、再度選択する音データの変更を行う。
【0048】
選択する音データの変更例について説明する。例えば、「ランダム再生」では乱数発生条件の変更、「ノーマル再生」では音データの選択順序の変更(例えば楽曲#2から順に再生し、最後に楽曲#1を再生するように変更)、「先頭固定再生」では初めに再生する音データの変更(例えば楽曲#2を特定の音データとするように変更)などが挙げられる。また、条件−音グループ対応テーブル23において条件ごとに複数の音グループを記憶しておき、これら複数の音グループのうち再生のために使用する音グループを所定期間ごとに変更することとしてもよい。
【0049】
以下では、以上説明した機能のうち、「ランダム再生」及び「ノーマル再生」について、携帯端末1の処理フローを参照しながら再度より詳細に説明する。
【0050】
図6は、ノーマル再生に係るCPU10の処理フローを示す図である。同図S11に示すように、CPU10は、着信があった場合にS12以下の処理を行う。着信があると、CPU10は該着信を示す条件について条件−音グループ対応テーブル23に記憶される音グループを読み出すことにより、本再生に係る音データを記憶する音グループを決定する(S12)。
【0051】
次に、CPU10は音グループ記憶テーブル22を参照し、S12で決定した音グループについての音グループ先頭アドレスを読み出して再生指示アドレスに設定する(S13)。そして、再生指示アドレスから順次メモリ(ここでは音グループ記憶テーブル22)に格納されているデータを読み出す。ここで読み出されるデータは音データDB21のアドレスであり、CPU10は該アドレスに基づき音データDB21から音データ(ビット列)を読み出し、ユーザの再生終了指示(例えばオフフック処理の実行)があるまで再生する(S14,S16)。ユーザの再生終了指示なく該音データの最後まで再生すると(S15,S16)、CPU10は再生指示アドレスにX(音グループ記憶テーブル22において各音データに対応するビット列のビット長)を加算する(S17)。すなわち、再生指示アドレスを次に再生する音データを示すデータの先頭に変更する。そしてCPU10は再生指示アドレスから順次メモリに格納されているデータを読み出し、そこに格納されているデータが終了コードであるか否かを判定する(S18)。終了コードでなければ、CPU10は引き続き順次メモリに格納されているデータを読み出し、このデータに応じて音データDB21から音データを読み出して再生する(S14)。一方、終了コードであれば、CPU10はその処理をS13に戻し、S12で決定した音グループについての音グループ先頭アドレスから音データの再生を繰り返す。
【0052】
図7は、ランダム再生に係るCPU10の処理フローを示す図である。同図S21に示すように、CPU10は、着信があった場合にS22以下の処理を行う。着信があると、CPU10は該着信を示す条件について条件−音グループ対応テーブル23に記憶される音グループを読み出すことにより、本再生に係る音データを記憶する音グループを決定する(S22)。ここでは、S22で決定された音グループは4つの音データを含むものとして説明する。
【0053】
次に、CPU10は乱数を発生する(S23)。このとき、CPU10はS22で決定した音グループが含んでいる音データの個数に応じた乱数を発生させる。ここでは、乱数nは1乃至4のいずれかとなる。
【0054】
乱数を発生させると、CPU10は音グループ記憶テーブル22を参照し、S22で決定した音グループについての音グループ先頭アドレスを読み出す。そして音グループ先頭アドレスと発生させた乱数nに応じて再生指示アドレスを設定する(S24)。具体的には、再生指示アドレス=音グループ先頭アドレス+(n−1)×Xとする。そして、再生指示アドレスから順次メモリ(ここでは音グループ記憶テーブル22)に格納されているデータを読み出す。ここで読み出されるデータは音データDB21のアドレスであり、CPU10は該アドレスに基づき音データDB21から音データ(ビット列)を読み出し、ユーザの再生終了指示(例えばオフフック処理の実行)があるまで再生する(S25,S27)。ユーザの再生終了指示なく該音データの最後まで再生すると(S26,S27)、CPU10はその処理をS23に戻し、再度乱数を発生させて音データを選択し、再生する。
【0055】
以上説明したように、携帯端末1によれば、音データをグループ化し、条件ごとにグループを記憶することとしたので、ユーザは1の条件について2以上の音データを指定することができるようになる。
【0056】
また、「ランダム再生」によれば、ユーザは意外性を楽しむことができる。一方、「ノーマル再生」によれば、ユーザは予め指定した順序で音データを楽しむことができる。さらに、「先頭固定再生」によれば、ユーザは、まず初めに再生された音によって、複数の条件のうちいずれの条件を満たす状態となったのかを知ることができる。また、「所定期間毎変更再生」によれば、再生する音データを定期的(例えば一週間や一ヶ月)に変更することができるようになるので、ユーザが飽きることのないようにすることができる。
【0057】
また、携帯端末1は動作モードに応じた音データを再生するので、ユーザは、再生された音により、条件が満たされたことによって携帯端末1がどの動作モードになったのかを知ることができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態ではCPU10が音声着信信号により音声着信通知処理を行う場合と、メール着信信号によりメール着信通知処理を行う場合と、について説明したが、ユーザに対して音データによる通知処理を行う処理であれば、どのようなものにでも本発明を適用することができる。この場合、例えばアラーム通知処理では、上記条件として「〜時〜分になったこと」などを使用することができ、さらに上記動作モードは「アラーム通知モード」とすることが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯端末の機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る音グループ記憶テーブルを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る条件−音グループ対応テーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る条件グループ−音データ対応テーブルを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 携帯端末、10 CPU、11 受信部、12 送信部、13 RAM、14 ROM、15 入力部、16 表示部、17 スピーカ、18 マイク、20 記憶部、21 音データDB、22 音グループ記憶テーブル、23 条件−音グループ対応テーブル、24 動作モード−音データ対応テーブル、25 設定テーブル、40 設定部、41 再生部、42 カレンダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各2以上の音データを含む1又は複数の音グループを記憶する音グループ記憶手段と、
条件ごとに、前記1以上の音グループのうちの1つを記憶する条件−音グループ対応記憶手段と、
ある条件が満たされる状態となった場合に、前記条件−音グループ対応記憶手段により該条件について記憶される前記音グループに含まれる前記2以上の音データのうちいずれか少なくとも1つを選択して再生する再生手段と、
を含むことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記再生手段は、前記音グループに含まれる前記2以上の音データの中から、少なくとも1の音データをランダムに選択して再生する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記音グループ記憶手段は、前記音グループに含まれる2以上の音データを順序付けて記憶し、
前記再生手段は、前記音グループに含まれる前記2以上の音データを、前記音グループ記憶手段に記憶される順序で再生する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記再生手段は、前記音グループに含まれる前記2以上の音データのうち、特定の音データを再生し、その後他の音データを再生する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記再生手段は、前記条件が満たされる状態となった場合に選択する前記音データを、所定期間ごとに変更する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯端末において、
前記再生手段は、前記条件が満たされる状態となった場合に、まずその動作モードに応じた音データを再生し、その後、前記条件−音グループ対応記憶手段により該条件と対応付けて記憶される前記音グループに含まれる前記2以上の音データのうちいずれか少なくとも1つを再生する、
ことを特徴とする携帯端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−166518(P2007−166518A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363566(P2005−363566)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】