説明

携帯端末

【課題】発光部と入力センシング部とを備える携帯端末において、複雑な筐体構造にすることなく、多彩なイルミネーションを実現する。
【解決手段】筐体2内にメイン基板4が配置され、このメイン基板4上にディスプレイ5、タッチパネル6及び保護スクリーン3が積層されて構成される。タッチパネル6は、同一面上に入力センシング部10と発光部20とが配置され、入力センシング部10は、ディスプレイ5の表示エリアに配置されており、静電容量方式タッチパネル等を用い、それらをコントロールするためのセンシング制御ICを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯端末へのユーザのニーズは多種多様であり、イルミネーションにおいても、多様化、カスタマイズ性が重視されており、端末のデザインを損なわずに、多彩なイルミネーションの実現が求められている。ところが、ディスプレイ周辺にイルミネーションを設ける場合、ディスプレイ、あるいは、タッチパネルの周辺空間に、個別にイルミネーションを施すための発光体を備える必要があり、ディスプレイ、タッチパネルの保持構造、端末の筐体構造が複雑になるとともに、ディスプレイの表示エリアから、端末の外形までの額縁寸法が増大してしまうことになる。
【0003】
ここで、EL素子による発光部とタッチパネルとを積層した構造が、例えば、特許文献1,2に開示されている。これらの文献に開示された技術を用いれば、ディスプレイ部とタッチパネル部とを有する携帯端末の小型化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−158758号公報
【特許文献2】特開平11−119913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1,2に開示された技術においては、EL素子による発光部とタッチパネルとを積層した構造であるため、それぞれの保持構造や端末の筐体構造が複雑になるといった問題点を解決することはできない。
【0006】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、発光部と入力センシング部とを備える携帯端末において、複雑な筐体構造にすることなく、多彩なイルミネーションを実現することができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、
発光部と入力センシング部とを備える携帯端末において、
前記発光部は、前記入力センシング部の周囲にて該入力センシング部と同一面上に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明においては、発光部と入力センシング部とを備える構成において、発光部が、入力センシング部の周囲にて入力センシング部と同一面上に配置されているため、複雑な筐体構造にすることなく、多彩なイルミネーションを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の携帯端末の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図2】図1に示した携帯端末の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の携帯端末の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0012】
本形態は図1に示すように、筐体2内にメイン基板4が配置され、このメイン基板4上にディスプレイ5、タッチパネル6及び保護スクリーン3が積層されて構成されており、タッチパネル6に、発光部20及び入力センシング部10が設けられている。なお、これらディスプレイ5、タッチパネル6及び保護スクリーン3のそれぞれは、接着材料等で貼り付けられていても、分離されていてもよい。
【0013】
ディスプレイ5は、情報を表示するための表示パネルであり、LCDや有機EL素子等が用いられる。
【0014】
タッチパネル6は、同一面上に入力センシング部20と発光部10とが配置されている。入力センシング部20は、ディスプレイ5の表示エリアに配置されており、静電容量方式タッチパネル等を用い、それらをコントロールするためのセンシング制御IC11(図2参照)を備えている。発光部10は、入力センシング部20の外周部に配置され、有機ELや無機EL等の発光素子を用い、それらを駆動するための発光素子駆動IC21(図2参照)を備えている。なお、発光部10は、必ずしも入力センシング部20の外周部全周に渡って配置する必要は無く、イルミネーションを施す必要のある部分のみに配置すればよい。また、イルミネーションのバリエーションを多彩にするため、複数の発光エリアに分割し、発光エリア毎に発光制御を独立して行ってもよい。また、メイン基板4は、携帯端末1全体を制御するものであって、フレキシブル基板(不図示)を介してタッチパネル6に接続されているが、このフレキシブル基板が、発光部20と入力センシング部10と共通に接続されてそれぞれからの信号を共通に取り出してもよく、発光部20と入力センシング部10と個別に接続されてそれぞれからの信号を個別に取り出してもよい。
【0015】
保護スクリーン3は、ディスプレイ5やタッチパネル6の外装に対する保護を目的として最外装部に配置されている。保護スクリーン3のディスプレイ表示エリアの外周部には、ディスプレイ5やタッチパネルの電極配線を外部から視認不可能とするマスク印刷が施された遮光エリアと、マスク印刷が施されていない発光エリアとを備えている。
【0016】
以下に、上記のように構成された携帯端末1の動作について説明する。
【0017】
図2は、図1に示した携帯端末1の動作を説明するための図である。
【0018】
図2(a)に示すように、入力センシング部10にてセンシングされた入力操作は、入力センシング部10のセンシング制御IC11を介してホストCPU30に伝達される。そして、ホストCPU30において、発光素子駆動IC21に対して、発光部20を駆動させるための信号が出力され、発光素子駆動IC21の制御によって、発光部20が必要な部分のみ発光制御されるというように発光イルミネーションが制御される。
【0019】
また、図2(b)に示すように、センシング制御IC11と発光素子駆動IC21を連動させることにより、入力センシング部10にてセンシングされた入力操作に基づいて、ホストCPU30を介することなく、入力センシング部10のセンシング制御IC11からの直接の制御によって発光部20における発光イルミネーションが制御されてもよい。それにより、消費電力の低減やレスポンス向上が可能となる。
【符号の説明】
【0020】
1 携帯端末
2 筐体
3 保護スクリーン
4 メイン基板
5 ディスプレイ
6 タッチパネル
10 入力センシング部
11 センシング制御IC
20 発光部
21 発光素子駆動IC
30 ホストCPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と入力センシング部とを備える携帯端末において、
前記発光部は、前記入力センシング部の周囲にて該入力センシング部と同一面上に配置されていることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記発光部は、前記入力センシング部の周囲の一部のみに配置されている携帯端末。
【請求項3】
請求項1の記載の携帯端末において、
前記発光部は、互いに独立して発光が制御される複数の発光エリアからなる携帯端末。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記携帯端末のメイン基板に接続されたフレキシブル基板は、前記発光部及び前記入力センシング部と共通に接続されている携帯端末。
【請求項5】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記発光部及び前記入力センシング部上に配置された保護スクリーンを有し、
前記保護スクリーンは、その一部に、前記発光部及び前記入力センシング部における電極配線を外部から視認不可能とするマスク印刷が施されている携帯端末。
【請求項6】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記発光部は、前記入力センシング部からの直接の制御によって駆動する携帯端末。
【請求項7】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記入力センシング部に静電容量式タッチパネルを用いた携帯端末。
【請求項8】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記発光部に有機EL素子を用いた携帯端末。
【請求項9】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記発光部に無機EL素子を用いた携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−208864(P2012−208864A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75536(P2011−75536)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】