説明

携帯通信端末及びその制御プログラム

【課題】 携帯通信端末にてメッセージ交換サービスを利用する場合に、相手方ユーザの状況を的確に判断できるようにする。
【解決手段】
制御部10は、メモリ部18のプログラム格納部19のメッセージ交換アプリケーションプログラムが起動し、通信回路11及びアンテナ12を介した通信によりメッセージ交換が可能な状態(オンライン状態)になると、近距離無線通信部28を制御して近距離無線通信が可能な他者携帯電話端末が存在するか検知する。そして、他者携帯電話端末が存在する場合には、その端末が電話帳に登録されているか判断し、電話帳に登録されている場合には、ユーザは「連れ有り」の状況におかれていることを、メッセージ交換の相手先端末へ通知するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の通信端末との間で略々リアルタイムなメッセージ交換を実行可能な携帯通信端末及びその携帯通信端末の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、通信機能を搭載したパーソナルコンピュータにて使用されるソフトウェアの一つとして、主にテキストからなるメッセージを、インターネット等のネットワークを通じて他の通信端末(例えばパーソナルコンピュータ)との間で略々リアルタイムに交換可能とするソフトウェア(いわゆるインスタントメッセンジャーと呼ばれるメッセージ交換用ソフトウェア)が知られている。
【0003】
また従来より、携帯電話システムにおいては、携帯電話端末間で略々リアルタイムなメッセージ交換を可能とするサービスが携帯電話オペレータにより提供されている。この携帯電話端末向けのメッセージ交換サービスでは、テキストを用いたいわゆるチャットのようなメッセージ交換の他に、音声通話や画像を利用したメッセージ交換なども可能となされている。
【0004】
また、特開2007−227999号の公開特許公報(特許文献1)には、携帯情報端末において、近距離データ通信規格に準拠した通信が可能な他の携帯情報端末を探索し、その探索に応じて他の携帯情報端末から送信されてきた名前と状態情報を取得し、それら取得した名前と状態情報により他の携帯情報端末の状態を表示し、その表示された他の携帯情報端末の中から、操作者の指示により会話のための通信相手先端末が選択された時に、当該選択された他の携帯情報端末機との間で会話のための通信が可能となる会話システム、携帯情報端末機が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−227999号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したインスタントメッセンジャー等のメッセージ交換ソフトウェアは、自端末の画面上に相手方端末の状況を表示することで、相手方がメッセージ交換を行える状態にあるかどうかを、ユーザへ通知するような機能を備えている。すなわち例えば、ユーザの通信端末(例えばパーソナルコンピュータ)上で動作しているメッセージ交換ソフトウェアと同じソフトウェアが起動済みの状態で且つ、当該ユーザの通信端末とネットワークを通じて相互に接続状態(オンライン状態)になっている相手方の通信端末(例えばパーソナルコンピュータ)が存在する場合において、メッセージ交換ソフトウェアは、相手方の通信端末の現在の状況を確認し、その確認した状況を画面表示等することにより、当該相手方の通信端末との間でリアルタイムなメッセージ交換が可能であるかどうか等をユーザに通知可能となされている。なお、この場合の画面表示例としては、例えば、リアルタイムなメッセージ交換が可能であることを示す表示や、相手方の通信端末であるパーソナルコンピュータがスクリーンセイバー動作中であったりスリープ状態であること(つまりリアルタイムなメッセージ交換が出来ないこと)を示す表示などを挙げることができる。そして、相手方の通信端末が略々リアルタイムなメッセージ交換を行える状況にある場合、それら通信端末で略々リアルタイムなメッセージ交換が可能となる。すなわちこのことを言い換えると、上述したインスタントメッセンジャーにより略々リアルタイムなメッセージ交換を行う場合には、ユーザは、常にパーソナルコンピュータの前に居て、そのパーソナルコンピュータを操作しなければならないことになる。
【0007】
これに対し、前述した携帯電話オペレータにより提供されるメッセージ交換サービスを利用する場合、携帯電話端末はユーザが常に携帯しているものであるため、上述のパーソナルコンピュータでインスタントメッセンジャーを利用する場合よりも、リアルタイムなメッセージ交換がより行い易くなるという利点がある。
【0008】
その一方で、携帯電話端末にてメッセージ交換サービスを利用する場合は、例えば、ユーザが現在おかれている状況がメッセージ交換を行い難いものであったとしても、相手方からメッセージ交換サービスを通じた連絡が来てしまうことがある。すなわち言い換えると、携帯電話端末にてメッセージ交換サービスを利用する場合、ユーザは、相手方ユーザの現在の状況が連絡を取っても良い状況であるかどうかを見極めてからメッセージの送信を行わなければならない。しかしながら、現状では相手方ユーザの状況を的確に判断することができない。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、携帯通信端末にてメッセージ交換サービスを利用する場合において、相手方ユーザの状況を的確に判断可能とする携帯通信端末及びその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の携帯通信端末は、所定の通信網を通じた通信を行うための通信部と、通信部を介した通信により、少なくとも相手先通信端末との間でメッセージ交換を行うための処理、及び使用者の状況を示す情報を相手先通信端末へ通知するための処理を行うメッセージ交換処理部と、相手先通信端末との間で交換されるメッセージを使用者へ通知及び使用者が入力するためのユーザインターフェース部と、近距離無線通信を行うための近距離無線通信部と、少なくとも近距離無線通信が可能な複数の他者端末を各々特定できる情報を登録保持する特定情報登録部と、通信部を介した通信により相手先通信端末との間でメッセージ交換が可能な状態である時に、近距離無線通信が可能な他者端末が存在するか検知し、当該検知された他者端末が特定情報保持部に登録済みの端末である場合には、メッセージ交換処理部を制御して、他者が自端末使用者の近傍に存在することを表す所定情報を、使用者の状況を示す情報として上記相手先通信端末へ通知させる制御部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0011】
また、本発明の制御プログラムは、所定の通信網を通じた通信を行うための通信手段と、所望のメッセージを使用者へ通知及び使用者が入力するためのユーザインターフェース手段と、近距離無線通信を行うための近距離無線通信手段と、少なくとも近距離無線通信が可能な複数の他者端末を各々特定できる情報を登録保持する特定情報登録手段とを有した携帯通信端末の制御プログラムであって、通信手段を介した通信により、少なくとも相手先通信端末との間でメッセージ交換を行うための処理、及び、使用者の状況を示す情報を相手先通信端末へ通知するための処理を行うメッセージ交換処理部と、通信手段を介した通信により相手先通信端末との間でメッセージ交換が可能な状態である時に、近距離無線通信が可能な他者端末が存在するか検知し、当該検知された他者端末が特定情報保持手段に登録済みの端末である場合には、メッセージ交換処理部を制御して、他者が自端末使用者の近傍に存在することを表す所定情報を使用者の状況を示す情報として相手先通信端末へ通知させる制御部として携帯通信端末を動作させることにより、上述した課題を解決する。
【0012】
すなわち、本発明によれば、携帯通信端末にてメッセージ交換サービスを利用する場合において、近距離無線通信により自端末の周囲に他の端末が存在するか検知し、他の端末が存在する場合にはその端末が自端末に登録されているか判定し、登録されている時には、その旨を使用者がおかれている状況として、メッセージ交換の相手先へ通知するようになされている。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、携帯通信端末にてメッセージ交換サービスを利用する場合において、近距離無線通信により自端末の周囲に他の端末の存在を検知し、さらに、検知した端末が自端末内に登録(例えば電話帳に登録)されているときには、そのことを使用者の状況として、すなわち例えば自端末の使用者は「連れがいる」状況におかれていることを、メッセージ交換の相手先へ通知することにより、その通知を受けた相手先のユーザは、メッセージ交換の際の相手の状況を的確に判断することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0015】
なお、以下の実施形態では、本発明の携帯通信端末及びその制御プログラムの適用例として、携帯電話端末とその制御プログラムを挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。また、本実施形態では、携帯電話端末などのユーザ端末間で略々リアルタイムなメッセージ交換を行う例を挙げており、そのメッセージ交換は、携帯電話オペレータにより提供されているメッセージ交換サービスを利用して行われてもよく、また、携帯電話オペレータにより提供されるメッセージ交換サービスではなく、インスタントメッセンジャーによるメッセージ交換の場合と同様にインターネット等を経由して行われてもよい。本実施形態では、それら携帯電話オペレータにより提供されているメッセージ交換サービスを利用したメッセージ交換と、インスタントメッセンジャー等にてインターネット経由で行われるメッセージ交換とを、特に区別せずに説明する。勿論、本発明は、それらのメッセージ交換以外の技術により実現されるメッセージ交換の際にも適用可能である。
【0016】
[携帯電話端末の概略的な内部構成]
図1には、本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示す。
【0017】
図1において、通信アンテナ12は、例えば内蔵アンテナであり通話やパケット通信のための信号電波の送受信を行う。本実施形態において、略々リアルタイムなメッセージ交換が行われる場合、テキストや画像等のメッセージはパケット通信により送受信され、音声通話のメッセージは音声通話回線を用いて送受信される。通信回路11は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。上記通信回路11にて受信された通話音声データは、データラインを介して音声処理部23へ送られ、音声以外のテキストや画像等の受信データは、一旦、制御部10へ送られて処理された後、必要に応じて当該制御部10から各部へ送られる。
【0018】
音声処理部23は、上記通信回路11から圧縮符号化された受話音声データが供給された時には、当該圧縮符号化された受信音声データを伸張復号化し、その伸張復号化後の受信音声データを、データラインを介してスピーカ20或いは図示しないイヤホンへ送る。なお、音声処理部23の機能は、制御部10がソフトウェアにより実現することも可能である。
【0019】
スピーカ21は、携帯電話端末に設けられている受話用のスピーカやリンガ(着信音)、アラーム音、警告音、再生音楽、ディジタル音声、再生動画像の音声等の出力用スピーカからなる。当該スピーカ21の信号入力側には、図示しないディジタル/アナログ変換器と増幅器が設けられている。上記音声処理部23から供給された音声データは、上記ディジタル/アナログ変換器によりアナログ音声信号に変換された後、増幅器により増幅されてから当該スピーカ21へ供給される。これにより、当該スピーカ21からは、通話音声やリンガ音,再生音楽等の音声が空気中に出力される。
【0020】
マイクロホン22は、送話用及び外部音声集音用のマイクロホンである。このマイクロホン22の信号出力側には、図示しない増幅器とアナログ/ディジタル変換器が設けられている。上記マイクロホン22からの音声信号は、上記増幅器により所定のレベルに増幅された後、アナログ/ディジタル変換器にてディジタル音声データに変換されて音声処理部23へ送られる。そして、その音声データは、音声処理部23にて符号化された後、データラインを介して通信回路11へ送られ、そこで変調や周波数変換等の各種処理を受けた後に、通信アンテナ12から送信される。
【0021】
操作部14は、本実施形態の携帯電話端末の図示しない筐体上に設けられているテンキーや発話キー、終話/電源キー等の各キーや十字キー,ジョグダイヤル等の各操作子と、それら操作子が操作された時の操作信号を発生する操作信号発生器とからなる。本実施形態において、上記操作部14の各操作子は、ユーザによる電源のオン/オフ操作、発信や着信の指示操作、電話番号入力操作や電子メール等の文字入力操作、略々リアルタイムなメッセージ交換を行うための本発明の制御プログラム(以下、メッセージ交換アプリケーションプログラムと表記する。)の起動指示や、当該メッセージ交換アプリケーションプログラム起動後におけるメッセージ入力等の各種操作、表示部13の画面上に表示されたメニュー項目の選択操作、ディジタルカメラ機能における撮影や画像の保存,再生操作及びそれらに関連する他の各指示操作のために用いられる。
【0022】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示デバイスと、その表示デバイス用の表示駆動回路とを含み、上記表示デバイスの画面上に文字や記号、静止画像や動画像等を表示する。また、本実施形態において、当該表示部13は、ユーザ端末間で交換されたメッセージ等を表示させるためのユーザインターフェース用デバイスとしても用いられる。
【0023】
なお、本実施形態におけるメッセージ交換は、音声を通じても行うことができ、当該音声を用いてメッセージ交換を行う際のユーザインターフェース用デバイスにはスピーカ21やマイクロホン22等も含まれる。また、テキストを用いたメッセージ交換が行われる場合には、テキスト入力を行うための上記操作部14もユーザインターフェース用デバイスに含まれる。
【0024】
画像処理部24は、制御部10による制御の元で、表示部13に表示される文字、記号、画像、各種ユーザインターフェース画面、ユーザ端末間で交換されたメッセージ等の画像信号を生成する処理を行う。なお、画像処理部24の機能は、制御部10がソフトウェアにより実現することも可能である。
【0025】
時計部15は、年月日及び日時のような時刻情報や、ユーザにより設定された時間の計測などに用いられる時間情報等を生成する。当該時計部15により生成された時刻や時間等は、表示部13の画面上に表示されたり、スケジュール管理やアラーム報知などのためにも用いられる。また、時計部15により生成される時間情報は、本実施形態のメッセージ交換アプリケーションプログラムの実行時の後述するタイマ値のカウントなどの際にも用いられる。
【0026】
カメラ部17は、レンズ系と、オートフォーカス機構及び露出機構、撮像素子等を備えたカメラデバイスである。カメラ制御部16は、操作部14のシャッターボタンの操作に応じて上記カメラ部17の撮像素子による撮像を行い、また、当該カメラ部17における写真撮影の際のオートフォーカス機構の制御や露出機構の制御、撮像素子における撮像制御などを行い、当該撮像により得られた撮像信号を画像処理部24へ送る。
【0027】
加速度検出部25は、加速度検出センサからなり、制御部10による制御の元で、当該携帯電話端末へ加えられた振動等に伴う加速度を計測し、その計測した加速度信号をアナログ/ディジタル変換し、当該ディジタル化された加速度データを制御部10へ送る。
【0028】
位置検出部26は、例えばGPS(Global Positioning System)アンテナとそのGPS制御部からなる位置検出センサであり、上記制御部10による制御の元で、当該携帯電話端末の現在位置を検出する。すなわち、GPSアンテナは、GPSにおける測地衛星の発信する電波を受信し、GPS制御部は、GPSアンテナの電波受信に基づいて、自端末の現在位置の緯度及び経度を求める。これらGPSアンテナ及びGPS制御部により得られたGPSデータ(緯度,経度を表すデータ)は、制御部10へ送られる。
【0029】
照度検出部27は、照度検出センサからなり、制御部10による制御の元で、当該携帯電話端末の周囲の明るさを計測し、その計測した照度信号をアナログ/ディジタル変換し、当該ディジタル化された照度データを制御部10へ送る。なお、当該携帯電話端末の周囲の明るさは、カメラ部17の撮像素子からの撮像信号に含まれる輝度信号から計測することも可能である。撮像信号から明るさを計測する場合、当該携帯電話端末には別途照度検出センサを設けなくてもよくなる。
【0030】
近距離無線通信部28は、近距離無線通信用アンテナ29を用いて、例えばいわゆるブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)や、UWB(Ultra Wide Band)方式、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を行うための通信デバイスである。なお、本実施形態において、近距離無線通信部28は、ブルートゥース方式やUWB方式、無線LAN用の各通信デバイスを全て備えているものであってもよいし、それらの何れか一つ若しくは二つの通信デバイスからなるものであってもよい。
【0031】
メモリ部18は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)のような書き換え可能な記憶媒体を含み、例えば、OS(Operating System)等のプログラムや、略々リアルタイムなメッセージ交換を行うための本発明の制御プログラム(メッセージ交換アプリケーションプログラム)、本実施形態の携帯電話端末に搭載されている加速度検出センサや位置検出センサ,照度検出センサなどの制御、及び、それら各センサからの検出データにより加速度や位置、照度を求めるための演算プログラムの他、スケジュール管理アプリケーションプログラム(いわゆるスケジューラ)、電話帳(アドレス帳)管理アプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラム、各種の初期設定値、フォントデータ、各辞書データ、機種名情報や端末識別情報、上記メッセージ交換アプリケーションプログラムが当該端末のユーザの状況を判断する際に用いるタイマ設定情報や加速度設定情報,位置設定情報,照度設定情報などの各種設定データ、スケジューラにより管理されるスケジュールデータ、電話帳管理アプリケーションにより管理される電話帳(他の携帯電話端末等をそれぞれ特定可能な電話番号等が蓄積されたアドレス帳)データなどをも記憶し、必要に応じて地図データなども記憶する。なお、上記各プログラムはメモリ部18のプログラム格納領域19に格納され、上記各種データはデータ格納領域20に格納される。RAMは、制御部10が各アプリケーションプログラムの実行時に各種データを一時的に格納する作業領域として用意されており、また、加速度検出センサや位置検出センサ,照度検出センサ等により実際に検出されたデータも必要に応じて一時的に格納される。その他、メモリ部18には、着脱可能な外部メモリカードや小型のハードディスクドライブが含まれていてもよい。
【0032】
上記制御部10は、通信回路11における通信の制御、音声処理部23や画像処理部22、加速度検出部25、位置検出部26、照度検出部27、カメラ制御部16、時計部15等の各部の制御を行う。特に、本実施形態の場合、制御部10は、上記メモリ部18のプログラム格納領域19に蓄積されているメッセージ交換アプリケーションプログラムを実行することにより、後述するようなメッセージ交換を実現するための各種処理やメッセージ交換を行う際の当該端末のユーザの状況判断等の処理を行う。
【0033】
その他、図1には図示を省略しているが、本発明の携帯電話端末は、キー照明や着信ライト,撮影補助光ライト用などのLED(発光ダイオード)とその駆動部、各部へ電力を供給するバッテリとその電力をコントロールするパワーマネージメントIC部、いわゆる電子マネーのための情報記憶と信号の送受信を行う電子財布部、ディジタルテレビジョン放送やディジタルラジオ放送の受信アンテナ及び受信チューナ部とそのAVコーデック部、外部メモリ用スロットなど、一般的な携帯電話端末に設けられる各構成要素についても備えている。
【0034】
[メッセージ交換を行う際のユーザの状況判定とその通知]
本発明実施形態の携帯電話端末は、本実施形態のメッセージ交換アプリケーションプログラムの起動後、他のユーザ端末との間で略々リアルタイムなメッセージ交換が可能な状態(つまりオンライン状態)になっている場合に、自端末が備えている加速度検出部25,位置検出部26,照度検出部27等の各種検出センサから収集したデータや、近距離無線通信部28により収集したデータ、スケジューラにより管理されているユーザのスケジュール帳から収集したデータ、電話帳管理アプリケーションプログラムにより管理される電話帳(アドレス帳)から収集したデータ、時計部15から収集したデータ等を元に、当該端末のユーザが現在おかれている状況を判定し、その判定により得られた上記ユーザの状況を表す情報を、上記メッセージ交換の相手先ユーザ端末へ通知可能となされている。すなわち、本実施形態において、携帯電話端末は、メッセージ交換により連絡を取ってもよいかどうかを相手側のユーザが的確に判断するための材料となる情報を、上記ユーザの状況を表す情報として、その相手先の携帯電話端末へ通知する。そして、その情報を受け取った上記相手先のユーザ端末では、その情報が例えば表示部の画面に表示されたり、音声により出力されることになる。これにより、当該相手先のユーザは、メッセージ交換により連絡を取ってもよいかどうかを的確に判断することができるようになる。
【0035】
以下、本実施形態のメッセージ交換アプリケーションプログラムの起動後、メッセージ交換が行われる際に、本実施形態の携帯電話端末にて実行される上記ユーザの状況判定とその判定結果の通知について、幾つかのユースケースを例に挙げて説明する。
【0036】
図2には、本実施形態の携帯電話端末に備えられている各種検出センサから収集されるデータや、近距離無線通信により収集したデータ、スケジュール帳から収集したデータ、電話帳から収集したデータ等の各種データと、ユーザの状況との対応関係の一例を示す。なお、この図2に示した各種データとユーザの状況の対応関係は、上記メッセージ交換アプリケーションプログラムにより管理されるものであり、当該メッセージ交換アプリケーションプログラムにて初期設定されてもよいし、操作部14を通じたユーザからの入力により上記対応関係が任意に変更設定されてもよい。また、本実施形態において、上記各種データとユーザの状況の対応関係として上記初期設定とユーザ設定の何れを用いるかについては、例えばユーザからの指示入力により選択可能となされており、さらに、上記各種データの何れをどのように組み合わせて用いるか、また、各種データとしてどの程度の値を採用するかなどについても、例えばユーザからの指示入力により指定可能となされている。
【0037】
本実施形態の携帯電話端末は、メッセージ交換アプリケーションプログラムが起動すると、例えば図2に示したような対応表の情報をメモリ部18上に用意する。また、携帯電話端末は、各種検出センサ、近距離無線通信部28、スケジュール帳、電話帳、時計部15からデータの収集を行い、その収集したデータを用いて、一例として以下に記すような演算や計測処理を実行し、それら演算や計測の結果から図2の対応表の情報を参照して、ユーザの状況を判定する。
【0038】
すなわち例えば、メッセージ交換アプリケーションプログラム起動後の携帯電話端末は、時計部15にて生成される時間情報から得られる一定時間毎に、位置検出部26にてGPSデータ(位置情報)を取得して自端末が存在している地図上の位置を検出し、上記一定時間毎に取得した位置情報の変化により自端末が移動していることを検知した場合には、地図上における自端末の移動経路の演算を行うと共に、一定時間毎の移動距離つまり自端末の移動速度を算出する。
【0039】
次いで、携帯電話端末は、上述のように算出した自端末の移動速度と、予め設定された所定の移動速度との比較を行う。なお、本実施形態では、上記所定の移動速度の一例として、「人間が人力で移動できる速度(例えば20km/h未満)」や「人間が歩く速度」等が予め設定される。すなわち本実施形態において、携帯電話端末は、上記算出した自端末の移動速度と上記所定の移動速度との比較により、上記算出した自端末の移動速度が、例えば「人間が人力で移動できる速度」以上のスピードであるか、或いは、「人間が歩く速度」より速い速度で且つ「人間が人力で移動できる速度」よりは遅い速度であるか判定する。
【0040】
さらに、携帯電話端末は、上述のように演算した自端末の移動経路と地図データとの比較を行う。なお、本実施形態では、上記自端末の移動経路に対して比較対象となされる地図データの一例として、「線路」や「道路」が予め設定される。すなわち本実施形態において、携帯電話端末は、自端末の移動経路と地図データとの比較により、当該自端末の移動経路が「線路」や「道路」に沿っている(つまり自端末が線路上や道路上を移動している)か判定する。
【0041】
また、メッセージ交換アプリケーションプログラム起動後の携帯電話端末は、加速度検出部25により自端末に加えられた加速度を検出し、当該検出した加速度データにより、自端末に加えられた加減速の強さを計測すると共に、時計部15にて生成される時間情報により、上記自端末に加減速が加えられた時間の間隔を計測する。
【0042】
次いで、携帯電話端末は、上述のように計測した加減速の強さ及び当該加減速が加えられた時間の間隔と、予め設定された所定の強さ及び時間間隔との比較を行う。なお、本実施形態では、上記所定の強さ及び時間間隔の一例として、或る程度以上の強さの加減速が不定期の時間間隔で発生する場合(つまり偶に加減速が検出される状態)と、かなり強い加減速が或る程度の周期性を有した時間間隔で発生する場合(つまり激しい加減速が繰り返し検出される状態)とが予め設定される。すなわち本実施形態において、携帯電話端末は、上記計測した加減速の強さ及び時間間隔と上記予め設定された所定の強さ及び時間間隔との比較により、自端末に対して「偶に加減速が加えられた」か、或いは、「短時間に激しい加減速が加えられた」か判定する。
【0043】
そして、本実施形態の携帯電話端末は、自端末の移動速度が例えば「人間が人力で移動できる速度」以上のスピードであると判定すると同時に、自端末の移動経路が「線路上の移動」であると判定し、さらに自端末に対して「偶に加減速が加えられている」と判定した場合には、「ユーザが電車に乗って移動」していると判断し、ユーザの状況は「電車で移動中」であると判定する。
【0044】
一方、本実施形態の携帯電話端末は、自端末の移動速度が例えば「人間が人力で移動できる速度」以上のスピードであると判定すると同時に、自端末の移動経路が「道路上の移動」であると判定し、さらに自端末に対して「偶に加減速が加えられている」と判定した場合には、「ユーザが車に乗って移動」していると判断し、ユーザの状況は「車で移動中」であると判定する。
【0045】
或いは、本実施形態の携帯電話端末は、自端末の移動速度が例えば「人間が歩く速度」よりは速く且つ「人間が人力で移動できる速度」よりは遅い速度であると判定すると同時に、自端末に対して或る程度周期的な時間間隔で一定以上の「激しい加減速が加えられている」と判定した場合には、「ユーザが走って移動」していると判断し、ユーザの状況は「ランニング中」であると判定する。なお、図2では例示を省略しているが、自端末の移動速度が例えば「人間が歩く速度」程度であると判定すると同時に、自端末に対して或る程度周期的な時間間隔で一定未満の緩い「加減速が加えられている」と判定した場合には、「ユーザが歩いて移動」していると判断し、ユーザの状況は「歩行中」であると判定することも可能である。その他にも、自端末の移動速度が例えば「人間が歩く速度」よりは速く且つ「人間が人力で移動できる速度」よりは遅い速度であると判定すると同時に、自端末に対して例えば「殆ど加減速が加わらないか若しくは偶に加減速が加えられている」と判定した場合には、「ユーザが自転車で走行している」していると判断し、ユーザの状況は「サイクリング中」であると判定することも可能である。
【0046】
また、メッセージ交換アプリケーションプログラム起動後の携帯電話端末は、近距離無線通信部28を通じて近距離無線通信が可能な他の通信端末(例えば携帯電話端末)をサーチし、近距離無線通信が可能な他の通信端末が存在する場合には、当該他の通信端末との間で近距離無線通信を行う。
【0047】
さらに、携帯電話端末は、少なくとも近距離無線通信が可能な状態の他の通信端末が自端末に登録されているかどうか、すなわち本実施形態の場合は上記他の通信端末の使用者が自端末の電話帳内等に登録されているかどうかを判定すると共に、電話帳内に登録されている場合には時計部15の時間情報を用いて一定時間以上、当該他の通信端末が自端末の近くに存在するかどうか判定する。
【0048】
そして、本実施形態において、携帯電話端末は、上記近距離無線通信が可能な他の通信端末が自端末に登録されいると判定し、且つ、当該他の通信端末が一定時間以上、自端末の近くに存在していると判定した場合には、「ユーザには連れがいる」と判断し、ユーザの状況は「連れ有り」であると判定する。すなわち本実施形態において、当該「連れ有り」のユーザ状況は、電話帳に登録済みの他の通信端末が近傍に存在していることを示す内容、言い換えると、ユーザはメッセージ交換に不適な状況にあることを示す内容となっている。
【0049】
また、メッセージ交換アプリケーションプログラム起動後の携帯電話端末は、時計部15にて生成される時間情報により現在の年月日及び時刻を求めると共に、スケジューラが管理しているスケジュール帳を参照して、現在の年月日及び時刻を含んだスケジュールが登録されているかどうか判定する。
【0050】
そして、本実施形態において、携帯電話端末は、現在の年月日及び時刻を含んだスケジュールがスケジュール帳に登録されていると判定した場合には、ユーザは何らかのスケジュールにより「忙しい(Busy)状態」にあると判定すると共に、ユーザの状況は「予定有り」であると判定する。なお、スケジュールの内容によっては、必ずしもユーザの状況が「忙しい(Busy)」とは限らないことがあり、その場合、上記ユーザの状況は、当該スケジュールの内容に応じたもの(例えばスケジュールの内容そのものを表すもの等)にしてもよい。
【0051】
また、メッセージ交換アプリケーションプログラム起動後の携帯電話端末は、照度検出部27により周囲の明るさを検出し、当該検出した照度データにより、自端末の周囲の明るさを求める。同時に、携帯電話端末は、時計部25にて生成される時間情報により、当該自端末の周囲の明るさが継続している時間を計測すると共に、現在時刻を求める。
【0052】
次いで、携帯電話端末は、上述のように計測した周囲の明るさ及びその明るさが継続する時間と、予め設定された所定の明るさ及び所定の継続時間との比較、及び、現在時刻と予め設定された所定の時刻範囲との比較を行う。なお、本実施形態では、上記所定の明るさの一例として夜間等のように一定レベル以下の照度が予め設定され、また、上記所定の継続時間の一例として少なくとも数時間が予め設定され、さらに、上記所定の時刻範囲の一例として午後10時から午前7時までの時刻が予め設定される。すなわち本実施形態において、携帯電話端末は、上記計測した周囲の明るさ及びその明るさの継続時間と上記所定の明るさ及び所定の継続時間との比較、及び現在時刻と所定の時刻範囲との比較により、「一定時間以上、暗い」状態が継続し、且つ、現在時刻が「午後10時から午前7時」の間であるか判定する。
【0053】
そして、本実施形態において、携帯電話端末は、「一定時間以上、暗い」状態が継続し、且つ、現在時刻が「午後10時から午前7時」の間であると判定した場合には、ユーザは「就寝中」であると判定すると共に、ユーザの状況は「就寝中」であると判定する。
【0054】
その他、図2では図示を省略しているが、本実施形態の携帯電話端末は、例えばディジタルテレビジョン放送やディジタルラジオ放送の受信機能が動作している時(つまりユーザがテレビジョン放送等を視聴等している時)や、音楽再生や動画再生アプリケーションプログラムが動作中(つまりユーザが音楽聴取や動画視聴等を行っている時)には、ユーザは「テレビジョンやラジオ放送を視聴」していたり「音楽を聴取、動画を視聴」していると判断して、ユーザの状況を「放送視聴中」や「音楽、動画再生中」等と判定する。
【0055】
また、位置検出によりユーザが例えば自宅や会社,学校等のような予め決めた所定の場所に居ることが検出されている場合には、例えばユーザの周囲に電話帳に登録された他者端末が一定時間以上存在しているような場合であっても、ユーザの状況として上述したような「連れ有り」とはせず、例えば「自宅に居る」や「会社に居る」,「学校に居る」などとして通知することも可能である。すなわち、自宅や会社、学校などにユーザが居る場合、ユーザの周囲には電話帳登録済みの家族や同僚、級友などが存在する可能性が高いため、前述した「連れ有り」の場合とは区別して通知することが望ましい。
【0056】
本実施形態の携帯電話端末は、上述したような各判定により得られた「ユーザの状況」を表す情報を、メッセージ交換の相手先のユーザ端末(例えば携帯電話端末)へ通知する。これにより、相手先のユーザ端末には、当該通知されたユーザの状況を表す情報が例えば表示等されることになり、当該相手先端末のユーザは、メッセージ交換を行っても良いかどうかを正確に判断することが可能となる。すなわち例えば、ユーザの状況が「連れ有り」であるような場合、相手先端末のユーザは、メッセージ交換を行うのは好ましくないと判断するようなことが可能となる。
【0057】
なお、上述した移動速度と移動経路や加減速の強さに基づくユーザの状況判定や、近距離無線通信によるユーザの状況判定、スケジュールに基づくユーザの状況判定、周囲の明るさと現在時刻に基づくユーザの状況判定は、それぞれ個別に行われてもよく、また、それぞれ適宜組み合わされてもよい。例えば、移動速度と移動経路や加減速の強さに基づくユーザ状況判定において、「電車で移動中」や「車で移動中」,「ランニング中」等の判定がなされている時に、近距離無線通信によるユーザ状況判定により「連れ有り」と判定された場合には、それら「電車で移動中」や「車で移動中」,「ランニング中」等のユーザ状況判定結果と共に、上記近距離無線通信に基づく「連れ有り」等のユーザ状況判定結果を表す情報を、メッセージ交換の相手先のユーザ端末(例えば携帯電話端末)へ通知するようなことが可能である。同様に例えば、スケジュールに基づくユーザ状況結果と共に、上記近距離無線通信に基づく「連れ有り」等のユーザ状況判定結果を表す情報を、メッセージ交換の相手先のユーザ端末へ通知するようなことが可能である。また例えば、「電車で移動中」や「車で移動中」,「ランニング中」等のユーザ状況判定結果と共に、スケジュールに基づくユーザ状況結果を表す情報を、メッセージ交換の相手先のユーザ端末へ通知するようなことが可能である。
【0058】
[ユーザの状況判定の処理の流れ]
図3及び図4には、本発明実施形態の携帯電話端末におけるユーザの状況判定及び更新処理の流れを示す。なお、これら図3,図4のフローチャートに示す処理は、携帯電話端末のメモリ部18のプログラム格納領域19に格納された本実施形態のメッセージ交換アプリケーションプログラムを、図1の制御部10が実行することにより実現される処理である。
【0059】
図3及び図4において、上記メッセージ交換アプリケーションプログラムが起動すると、制御部10は、先ずステップS1の処理として、時計部15において生成される時間情報のうち、特に他の携帯電話端末が自端末の近くに存在している時間が一定時間以上になるかどうかを計測(カウント)するためのタイマ値をクリアし、ステップS2へ処理を進める。
【0060】
ステップS2の処理に進むと、制御部10は、ユーザの状況を表す情報を決めるための変数βの値を「オンライン(on line)」を示す値に設定する。
【0061】
次に、制御部10は、ステップS3へ処理を進め、スケジューラと連携し、スケジュール帳に登録されているスケジュールの年月日及び日時と、時計部15から得られる現在の年月日及び日時とを比較し、現在の年月日及び日時に何らかのスケジュールが登録されているか否か判定する。なお、ステップS3の処理の際にスケジューラが起動していない状態である場合、制御部10は、当該スケジューラを起動させることも行う。
【0062】
そして、制御部10は、ステップS3において現在の年月日及び日時に何らかのスケジュールが登録されていると判定した場合には、ステップS4の処理として、ユーザの状況を「予定有り」に更新する。
【0063】
このステップS4の処理後、制御部10は、ステップS18へ処理を進め、一定時間だけ待った後に、ステップS2へ処理を戻し、変数βの値を「オンライン」を示す値に設定する。
【0064】
一方、ステップS3において、現在の年月日及び日時に何もスケジュールが登録されていないと判定すると、制御部10は、ステップS5へ処理を進める。
【0065】
ステップS5の処理に進むと、制御部10は、時計部15から得られる時間情報により、現在時刻が前述の所定の時刻範囲(本実施形態では午後10時から午前7時までの間)であるか否か、及び、照度検出部27が測定している周囲の明るさが所定の明るさ(本実施形態では夜間等の暗さ)で且つその暗さが所定の時間(一定時間)以上継続するか否かの判定を行う。
【0066】
そして、制御部10は、ステップS5において、現在時刻が午後10時から午前7時までの間であり、且つ、一定時間以上暗い状態が継続していると判定した場合には、ステップS6の処理として、ユーザの状況を「就寝中」に更新する。
【0067】
このステップS6の処理後、制御部10は、ステップS18へ処理を進め、一定時間だけ待った後に、ステップS2へ処理を戻し、変数βの値を「オンライン」を示す値に設定する。
【0068】
一方、ステップS5において、現在時刻が午後10時から午前7時までの間でないか、又は、一定時間以上暗い状態が継続していないと判定した場合、制御部10は、ステップS7へ処理を進める。
【0069】
ステップS7の処理に進むと、制御部10は、位置検出部26から得られるGPSデータと時計部15にて生成される時間情報とに基づいて前述したように自端末の移動速度を求め、その移動速度が「人間が人力で移動できる速度」の例えば20km/h以上の速度であるか否か判定する。
【0070】
そして、制御部10は、ステップS7において、自端末の移動速度が20km/h未満であると判定した場合にはステップS11へ処理を進め、一方、20km/h以上であると判定した場合にはステップS8へ処理を進める。
【0071】
ステップS8の処理に進むと、制御部10は、位置検出部26から得られるGPSデータと地図データとから、自端末の移動経路を求め、その移動経路が線路上であるか否か判定する。
【0072】
そして、制御部10は、ステップS8において、自端末が線路上を移動していると判定した場合には、ステップS10へ処理を進め、変数βの値を「電車で移動」を示す値に更新する。このステップS10の処理後、制御部10は、ステップS11へ処理を進める。
【0073】
一方、ステップS8において、自端末の移動経路が線路上ではないと判定した場合には、ステップS9へ処理を進め、変数βの値を「車で移動」を示す値に更新する。このステップS9の処理後、制御部10は、ステップS11へ処理を進める。
【0074】
ステップS11の処理に進むと、制御部10は、近距離無線通信部28を通じて、自端末の近くに近距離無線通信が可能な他のユーザ端末(例えば携帯電話端末)が存在しているかどうかを探す。
【0075】
そして、制御部10は、ステップS12の処理として、自端末の近くに近距離無線通信が可能な他の携帯電話端末が存在するか否か判定し、近距離無線通信が可能な状態の他の携帯電話端末が存在していると判定した場合にはステップS13へ処理を進め、一方、存在していないと判定した場合にはステップS17へ処理を進める。
【0076】
ステップS17の処理に進むと、制御部10は、時計部15の前記タイマ値をクリアし、ユーザの状況を変数βの設定値に対応した内容に更新した後、ステップS18へ処理を進め、一定時間だけ待った後に、ステップS2へ処理を戻し、変数βの値を「オンライン」を示す値に設定する。
【0077】
一方、ステップS12において、近距離無線通信が可能な状態の他の携帯電話端末が存在していると判定してステップS13の処理に進むと、制御部10は、電話帳(アドレス帳)管理アプリケーションプログラムと連携し、自端末の電話帳に登録されている情報と、上記他の携帯電話端末から近距離無線通信を通じて取得した情報とを比較し、電話帳内に上記他の携帯電話端末が登録されているか否か判定する。
【0078】
そして、制御部10は、上記他の携帯電話端末が電話帳内に登録されていると判定した場合にはステップS14へ処理を進め、一方、登録されていないと判定した場合にはステップS17へ処理を進める。
【0079】
この場合もステップS17の処理に進むと、制御部10は、時計部15の前記タイマ値をクリアし、ユーザの状況を変数βの設定値に対応した内容に更新した後、ステップS18へ処理を進め、一定時間だけ待った後に、ステップS2へ処理を戻し、変数βの値を「オンライン」を示す値に設定する。
【0080】
一方、ステップS13において、上記他の携帯電話端末が電話帳に登録されていると判定してステップS14の処理に進むと、制御部10は、当該他の携帯電話端末が自端末の近くに存在している時間が一定時間以上になるかどうかを計測するためのタイマ値のカウンタアップを開始する。
【0081】
次に、制御部10は、ステップS15の処理として、上記時計部15のカウント値が予め決めた一定値α(つまり一定時間)以上になったか否か判定する。
【0082】
そして、制御部10は、ステップS15において、タイマカウント値が一定値α以上になったと判定した場合にはステップS16へ処理を進める。
【0083】
ステップS16の処理に進むと、制御部10は、ユーザの状況を「連れ有り」に更新した後、ステップS18へ処理を進める。
【0084】
一方、制御部10は、ステップS15において、タイマカウント値が一定値α以上になる前に上記他の携帯電話端末が自端末から離れた場合、すなわち例えば近距離無線通信が可能な距離から離れた場合には、ステップS18へ処理を進める。
【0085】
ステップS18の処理に進むと、制御部10は、一定時間だけ待った後に、ステップS2へ処理を戻し、変数βの値を「オンライン」を示す値に設定する。
【0086】
[まとめ]
以上説明したように、本発明実施形態によれば、携帯電話端末が備えている加速度検出センサや位置検出センサ,照度検出センサなどの各種センサから収集した情報や、近距離無線通信、電話帳、スケジュール帳などから収集した情報を元に、現在のユーザがおかれている状況を示す情報をリアルタイムに更新し、そのユーザの状況を示す情報を、メッセージ交換の相手先端末へ通知可能となされている。したがって、相手先のユーザ端末では、その通知されたユーザの状況を表す情報を表示等することで、当該相手先端末のユーザは、メッセージ交換を行っても良いかどうかを正確に判断することが可能となっている。特に、本実施形態の携帯電話端末の場合、ユーザが常に身につけているものであり、また多くの検出センサ等から収集した情報を用いるため、従来のパーソナルコンピュータにてインスタントメッセンジャーを用いたメッセージ交換の場合よりも、きめ細かくユーザの状況を判定して相手先へ通知することが可能となる。
【0087】
なお、上述した本発明の実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0088】
本実施形態の携帯通信端末は、携帯電話端末に限定されず、各種センサや近距離無線通信機能を備えているのであれば、例えばPDA(Personal Digital Assistant)や携帯型パーソナルコンピュータ、携帯型テレビゲーム装置、携帯型ディジタルテレビジョン受信機、カーナビゲーション装置など様々な端末にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部回路構成を示すブロック図である。
【図2】各種検出センサや近距離無線通信、スケジュール帳等から収集したデータに基づいてユーザの状況を判定する際の、各種データとユーザの対応関係の説明に用いる図である。
【図3】本発明実施形態の携帯電話端末がユーザの状況判定及び更新を行う際の処理の流れのうち、スケジュール、明るさ及び時間帯、及び移動速度に基づいてユーザの状況判定及び更新を行う処理部分を示すフローチャートである。
【図4】本発明実施形態の携帯電話端末がユーザの状況判定及び更新を行う際の処理の流れのうち、他の携帯電話端末の存在及び電話帳の登録内容に基づいてユーザの状況判定及び更新を行う処理部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
10 制御部、11 通信回路、12 通信アンテナ、13 表示部、14 操作部、15 時計部、16 カメラ制御部、17 カメラ部、18 メモリ部、19 プログラム格納部、20 データ格納部、21 スピーカ、22 マイクロホン、23 音声処理部、24 画像処理部、25 加速度検出部、26 位置検出部、27 照度検出部、28 近距離無線通信部、29 近距離無線通信用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信網を通じた通信を行うための通信部と、
上記通信部を介した通信により、少なくとも、相手先通信端末との間でメッセージ交換を行うための処理、及び、使用者の状況を示す情報を相手先通信端末へ通知するための処理を行うメッセージ交換処理部と、
上記メッセージ交換処理部を介して上記相手先通信端末との間で交換されるメッセージを、使用者へ通知及び使用者が入力するためのユーザインターフェース部と、
近距離無線通信を行うための近距離無線通信部と、
少なくとも近距離無線通信が可能な複数の他者端末を各々特定できる情報を登録保持する特定情報登録部と、
上記通信部を介した通信により相手先通信端末との間で上記メッセージ交換が可能な状態である時に、上記近距離無線通信部を制御して近距離無線通信が可能な他者端末が存在するか検知し、当該検知された他者端末が上記特定情報保持部に登録済み端末である場合には、上記メッセージ交換処理部を制御して、他者が自端末使用者の近傍に存在することを表す所定情報を、上記使用者の状況を示す情報として上記相手先通信端末へ通知させる制御部とを有する、
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
時間を計測する時計部を有し、
上記制御部は、上記特定情報登録部に登録済みの端末が、上記時計部にて計測された一定時間以上、上記近距離無線通信部による近距離無線通信が可能な状態にある時に、上記メッセージ交換処理部を制御して上記所定情報を上記使用者の状況を示す情報として上記相手先通信端末へ通知させることを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
上記通信部は、携帯電話通信網を用いた無線通信を行い、
上記特定情報登録部は、当該携帯電話通信網を用いた無線通信が可能な複数の他者端末をそれぞれ特定する電話帳情報を登録保持することを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項4】
自端末の少なくとも移動速度を検出する移動速度検出部と、
自端末が移動した際の移動経路を検出する移動経路検出部と、
自端末に加わる加減速を検出する加減速検出部とを有し、
上記制御部は、上記移動速度検出部にて得られた移動速度情報及び移動経路検出部にて得られた移動経路情報と上記加減速検出部にて得られた加減速情報により、上記使用者が移動時に使用している移動手段を判定し、上記メッセージ交換処理部を制御して、上記移動手段を使用して使用者が移動していることを表す情報を、上記使用者の状況を示す情報として上記相手先通信端末へ通知させることを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項5】
上記制御部は、上記移動速度検出部にて得られた移動速度情報と上記加減速検出部にて得られた加減速情報により、上記使用者が少なくとも歩行若しくは走って移動しているか判定し、上記メッセージ交換処理部を制御して、上記使用者が少なくとも歩行若しくは走って移動していることを表す情報を、上記使用者の状況を示す情報として上記相手先通信端末へ通知させることを特徴とする請求項4記載の携帯通信端末。
【請求項6】
使用者のスケジュール情報を管理するスケジュール管理部と、
少なくとも現在時刻を計測する時計部とを有し、
上記制御部は、上記スケジュール管理部にて得られる使用者のスケジュール情報と上記時計部にて得られた現在時刻情報により、少なくともスケジュールに関連した使用者の状況を判定し、上記メッセージ交換処理部を制御して、上記判定した使用者の状況を示す情報を上記相手先通信端末へ通知させることを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項7】
自端末の周囲の明るさを検出する照度検出部と、
少なくとも現在時刻を計測する時計部とを有し、
上記制御部は、上記照度検出部にて得られた自端末周囲の明るさ情報と上記時計部にて得られた現在時刻情報により、少なくとも就寝に関連する使用者の状況を判定し、上記メッセージ交換処理部を制御して、上記判定した使用者の状況を示す情報を上記相手先通信端末へ通知させることを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項8】
所定の通信網を通じた通信を行うための通信手段と、所望のメッセージを使用者へ通知及び使用者が入力するためのユーザインターフェース手段と、近距離無線通信を行うための近距離無線通信手段と、少なくとも近距離無線通信が可能な複数の他者端末を各々特定できる情報を登録保持する特定情報登録手段とを有した携帯通信端末の制御プログラムであって、
上記通信手段を介した通信により、少なくとも、相手先通信端末との間でメッセージ交換を行うための処理、及び、使用者の状況を示す情報を相手先通信端末へ通知するための処理を行うメッセージ交換処理部と、
上記通信手段を介した通信により相手先通信端末との間で上記メッセージ交換が可能な状態である時に、上記近距離無線通信手段を制御して近距離無線通信が可能な他者端末が存在するか検知し、当該検知された他者端末が上記特定情報保持手段に登録済みの端末である場合には、上記メッセージ交換処理部を制御して、他者が自端末使用者の近傍に存在することを表す所定情報を、上記使用者の状況を示す情報として上記相手先通信端末へ通知させる制御部として、
携帯通信端末を動作させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−188903(P2009−188903A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29032(P2008−29032)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】