説明

携帯電子機器

【課題】携帯電子機器において、ユーザの注意を喚起する。
【解決手段】携帯電子機器1は、自身の現在位置の情報である現在位置データを取得する位置取得部17,18と、安全な場所と安全でない場所とを判別可能な地図データ31を記憶する記憶部20と、地図データ31に基づいて、現在位置データが示す現在位置が安全な場所内であるか否かを判定する安全性判定部42〜44と、現在位置が安全な場所内でないと判定された場合に報知を行う報知部13とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、携帯電話機を開示する。
特許文献1の携帯電話機は、撮像部を備える。
特許文献1の携帯電話機などの携帯電子機器は、撮像部を用いて画像を撮像することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−312144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯電子機器を用いて撮像をする場合、ユーザは、撮影に集中してしまうことがある。この場合、周囲の状況に対するユーザの注意力は、散漫になってしまう。
なお、携帯電子機器には、この他にも音楽を再生する機能や、通話機能を有するものがある。このような場合にも、周囲の状況に対するユーザの注意力は、散漫になることがある。
【0005】
このように携帯電子機器では、ユーザの注意を喚起することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点の携帯電子機器は、自身の現在位置の情報である現在位置データを取得する位置取得部と、安全な場所と安全でない場所とを判別可能な地図データを記憶する記憶部と、前記地図データに基づいて、前記現在位置データが示す現在位置が前記安全な場所内であるか否かを判定する安全性判定部と、前記安全性判定部により現在位置が安全な場所内でないと判定された場合に報知を行う報知部とを有する。
【0007】
好適には、画像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像している画像を表示する表示部とを有し、前記報知部は、前記表示部が前記撮像部によって撮像されたプレビュー画像を表示している場合に、報知を行ってもよい。
【0008】
好適には、表示部を有し、前記報知部は、前記表示部に、報知を行ってもよい。
【0009】
好適には、前記位置取得部は、現在位置の特定に利用可能な電波を受信する受信部と、位置の移動方向および移動加速度の少なくとも一方を検出する移動検出センサとを有し、前記安全性判定部は、前記地図データと前記変位量取得部による位置の変位量とを比較し、当該位置の変位量の示す位置が安全な場所内であるか否かを判定してもよい。
【0010】
好適には、前記報知部は、前記移動検出センサによる現在位置を含む現在位置エリアの境界と、前記安全な場所の境界とが重なる場合に報知を行ってもよい。
【0011】
好適には、前記安全性判定部は、前記地図データに基づいて、前記現在位置エリアに安全でない場所が含まれるか否かを判断し、前記現在位置エリアに安全でない場所が含まれる場合に、前記移動検出センサによって検出される現在位置が安全な場所であるか否かを判断してもよい。
【0012】
好適には、前記撮像部は、被写体に近接して撮影するマクロモードを有し、前記安全性判定部は、前記撮像部が前記マクロモードである場合には、前記現在位置の安全性の判定をしなくてもよい。
【0013】
好適には、前記報知部は、前記受信部の受信電波に基づく現在位置が、前記地図データから判別される屋内である場合には、報知を行わなくてもよい。
【0014】
好適には、前記報知部は、前記受信部の受信電波に基づく現在位置が、前記地図データから判別される道路上の構造物である場合には、報知を行わなくてもよい。
【0015】
好適には、前記安全性判定部は、前記地図データから判別される道路または当該道路から所定の範囲の周辺部を安全でない場所と判断してもよい。
【0016】
好適には、前記安全性判定部は、前記地図データから判断される道路の幅が大きいほど、当該道路の周辺部の幅を広くしてもよい。
【0017】
好適には、時刻を計測する時計部を有し、前記安全性判定部は、前記道路の周辺部の幅を時間帯に応じて変化させてもよい。
【0018】
好適には、前記安全性判定部は、前記道路の周辺部の幅を、昼間の時間帯よりも夜間の時間帯において広くしてもよい。
【0019】
好適には、前記地図データは、前記安全な場所と前記安全でない場所とが異なる色で色分けされたテクスチャデータを有し、前記安全性判定部は、前記テクスチャデータの色に基づいて、前記安全な場所と前記安全でない場所とを判別してもよい。
【0020】
好適には、前記報知部は、報知後に位置が変化しない場合には、前記安全性判定部により現在位置が安全な場所内でないと再び判定されたとしても、2回目以降の報知を行わなくてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、電子機器においてユーザの注意を喚起できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機の外観の斜視図である。
【図2】図2は、図1の携帯電話機のハードウェア構成図である。
【図3】図3は、撮影時に図1の携帯電話機に実現される機能を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1の携帯電話機が撮像中に実行する位置報知処理の一例のフローチャートである。
【図5】図5は、GPS受信部による現在位置と設定部による現在位置の安全性の確認処理との関係の一例の説明図である。
【図6】図6は、GPS受信部による現在位置と設定部による現在位置の安全性の確認処理との関係の他の例の説明図である。
【図7】図7は、判定エリアと現在位置エリアとの関係を示す説明図である。
【図8】図8は、表示部に表示される報知の報知画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1の外観の斜視図である。
図1の携帯電話機1は、上部筐体101、下部筐体102およびヒンジ部103を有する。
【0025】
上部筐体101および下部筐体102は、略同一サイズの長方形形状を有する。
上部筐体101と下部筐体102とは、ヒンジ部103により開閉可能に連結される。
図1は、上部筐体101と下部筐体102とを開いた状態である。
上部筐体101には、表示部13が設けられる。
下部筐体102には、操作部12の複数の入力キーが設けられる。
【0026】
図2は、図1の携帯電話機1のハードウェア構成図である。
携帯電話機1は、たとえば無線通信部(RF)11、操作部(KEY)12、表示部(DISP)13、音声モデム部(MODEM)14、タイマ(RTC)15、撮像部(CAM)16、GPS受信部(GPS)17、6軸センサ(SOR)18、CPU(Central Processing Unit)19、記憶部(MEM)20、およびこれらを接続するシステムバス21とを有する。
【0027】
無線通信部11は、図示しない基地局との通信チャネルを確立し、基地局と通信データを送受する。
そして、無線通信部11は、CPU19からの入力信号に含まれる通信データを基地局へ無線送信する。
また、無線通信部11は、基地局から受信した通信データを含む信号をCPU19へ出力する。
【0028】
操作部12は、複数の入力キーを有する。
複数の入力キーには、たとえばテンキー、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、発信キーなどがある。
入力キーは、図1に示すように、携帯電話機1の下部筐体102の前面に配置される。
そして、操作部12は、ユーザにより操作された入力キーに対応する入力データを含む操作信号をCPU19へ出力する。
【0029】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display Device)や有機EL(Electro-Luminescence)デバイスなどを有する。
LCDまたは有機ELデバイスは、図1に示すように、携帯電話機1の上部筐体101の前面に配置される。
そして、表示部13は、CPU19から入力された表示信号に含まれる表示データを表示する。
これにより、表示部13には、たとえば撮像時のプレビュー画像、報知を表示する。
【0030】
タイマ15は、時刻および経過時間を計測する。
そして、タイマ15は、経過時間などを計測し、計測した経過時間の情報を含む信号をCPU19へ出力する。
【0031】
音声モデム部14は、スピーカ22およびマイクロホン23に接続される。
そして、音声モデム部14は、マイクロホン23に入力された音声をサンプリングし、音声データを含む信号をCPU19へ出力する。
また、音声モデム部14は、CPU19からの入力信号に含まれる音声データによりスピーカ22を駆動する。
これにより、スピーカ22からたとえば報知音や音声が再生される。
【0032】
GPS受信部17は、GPS衛星からのGPS電波を受信する。GPS電波には、GPS衛星の位置情報と時刻情報とが含まれる。GPS衛星は、地球の衛星軌道上に複数個配置されている。
そして、GPS受信部17は、受信した情報を含む信号をCPU19へ出力する。
CPU19は、少なくとも個のGPS衛星からのGPS電波を用いて三角法などにより、GPS受信部17(携帯電話機1)の位置を演算できる。
GPS受信部17の位置情報としては、緯度、経度、高度が得られる。
GPS電波による位置は、電波の受信状況にもよるが、通常は数メートル程度の誤差により計測可能である。
【0033】
6軸センサ18は、6軸センサ18に作用する力による歪みなどを検出する。
6軸センサ18の検出値には、たとえば6軸センサ18のx軸方向の加速度、y軸方向の加速度、z軸方向の加速度、x軸の周囲での回転方向の加速度、y軸の周囲での回転方向の加速度、z軸の周囲での回転方向の加速度がある。
そして、6軸センサ18は、これらの検出値を含む信号をCPU19へ出力する。
CPU19は、これらの検出値を積分することにより、6軸センサ18(携帯電話機1)の移動量および移動方向を演算できる。
この6軸センサ18の検出値に基づく現在位置の変位量は、6軸センサ18の検出値の精度などに応じた精度となり、たとえば数メートル程度の範囲内であれば、数十センチメートル程度の誤差により計測可能である。
【0034】
撮像部16は、CMOSセンサやCCDなどを有する。
撮像部16は、たとえば図1の携帯電話機1の上部筐体101の背面に配置される。
そして、撮像部16は、撮像した画像データを含む撮像信号をCPU19へ出力する。
また、CPU19は、撮像部16の動作モードを設定する信号を撮像部16へ出力する。撮像部16の動作モードには、スナップ画像や風景画像を撮像するための通常モードの他に、マクロモードがある。マクロモードは、撮像部16は、撮像部16数センチから数十センチの距離にある被写体を撮像するモードである。
【0035】
記憶部20は、CPU19が読み込んで実行可能なプログラム、CPU19が使用するデータなどを有する。
記憶部20は、後述する図3に示すように、地図データ31、判定エリア32、撮像データ33などを記憶する。
【0036】
地図データ31は、携帯電話機1の現在位置を表示部13に表示したり、携帯電話機1を用いたルート案内の画像を表示部13に表示するためのデータである。
このため、地図データ31は、地図や航空写真のテクスチャデータ、道路リンクデータなどを有する。地図のテクスチャデータでは、道路、建物などが色分けして表示される。航空写真のテクスチャデータでは、実在する道路や建物が写っている。道路リンクデータは、たとえば道路の車線数情報などを有する。
【0037】
判定エリア32は、携帯電話機1を用いた撮像中の安全性を確認する範囲として設定される。判定エリア32は、ユーザの現在位置が安全であるか否かの判断に使用される。判定エリア32は、たとえば数メートル程度の半径のエリアであればよい。
たとえば風景やスナップ写真などを撮像する場合、携帯電話機1のユーザは、被写体の写り方を調整するために、携帯電話機1のプレビュー画像を見ながら移動することがある。この場合おいて、携帯電話機1は、ユーザが道路などに飛び出さないように報知することが望ましい。
【0038】
撮像データ33は、携帯電話機1により撮像した画像のデータである。
【0039】
記憶部20に記憶されるプログラムは、たとえばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたものをインストールしたものであればよい。また、記憶部20に記憶されるプログラムは、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
【0040】
CPU19は、プログラムを実行するコンピュータである。
そして、CPU19が、記憶部20に記憶されるプログラムを実行することで、携帯電話機1の制御部が実現される。
制御部は、携帯電話機1の動作を制御する。
【0041】
図3は、撮影時に図1の携帯電話機1に実現される機能を示すブロック図である。
撮影時には、CPU19には、撮像制御部(CAM_CTRL)41、判定エリア32の設定部(SET)42、変位量取得部(DIFF)43、判定部(JDG)44、報知制御部(ALM_CTRL)45が実現される。
【0042】
撮像制御部41は、撮像部16を用いた撮像処理を実行する。
撮像制御部41には、撮像部16から撮像信号が入力される。撮像制御部41は、撮像信号に含まれる画像データを表示データとした表示信号を表示部13へ出力する。これにより、表示部13には、撮像部16により撮像されている画像がプレビュー画像として表示される。
撮像制御部41には、操作部12から操作信号が入力される。撮像制御部41は、たとえば撮像動作を指示する操作信号が入力されると、撮像部16から入力される撮像信号に含まれる画像データを記憶部20に保存する。これにより、記憶部20には、撮像テータが保存される。
【0043】
設定部42は、撮像中に周期的に、GPS受信部17の受信に基づく現在位置のデータに対して判定エリア32を設定する。
設定部42には、タイマ15およびGPS受信部17が接続される。
そして、設定部42は、タイマ15により所定の周期が計測されると、判定エリア32の設定処理を開始する。設定部42は、GPS受信部17の受信電波に基づいて、携帯電話機1の現在位置を特定する。設定部42は、地図データ31を読み込み、現在位置から所定の半径(例えばNメートル:Nは自然数)の範囲が安全であるか否かを判断する。
現在位置から所定の半径の範囲が安全でない場合、設定部42は、判定エリア32を設定する。判定エリア32は、当該所定の半径の範囲とすればよい。また、設定部42は、起動信号を出力する。
現在位置から所定の半径の範囲が安全である場合、設定部42は、判定エリア32を設定しない。
【0044】
また、設定部42は、判定エリア32を設定する場合、その設定に先立って、GPS受信部17の受信に基づく現在位置に対して、判定エリア32よりも小さい半径(例えばMメートル:MはNより小さい自然数)の現在位置エリアを設定する。
そして、設定部42は、地図データ31に基づいて、現在位置エリアが安全であるか否かを判断する。
現在位置エリアが安全である場合、設定部42は、判定エリア32を設定する。
現在位置エリアが安全でない場合、設定部42は、報知信号を出力する。
【0045】
変位量取得部43は、判定エリア32に対する現在位置の変位量を取得する。
変位量取得部43には、6軸センサ18および設定部42に接続される。
変位量取得部43は、設定部42から起動信号が入力されると、現在位置の変位量を取得する。
変位量取得部43は、6軸センサ18の検出値に基づいて、設定部42から起動信号が入力されてからの現在位置の変位量を取得する。たとえば、変位量取得部43は、設定部42から起動信号が入力されてからの6軸センサ18の検出値を積分する。
これにより、変位量取得部43は、現在位置の移動量および移動方向を演算する。
【0046】
判定部44は、判定エリア32と現在位置の変位量とを比較する。
これにより、判定部44は、現在位置が安全であるか否かを判定する。
判定部44には、設定部42および変位量取得部43が接続される。
判定部44は、設定部42から起動信号が入力されると、現在位置が安全であるか否かを判定する。
判定部44は、変位量取得部43が生成した現在位置の変位量と判定エリア32とを比較する。たとえば判定部44は、現在位置に対して、判定エリア32よりも半径が小さい現在位置エリアを設定する。現在位置エリアは、たとえば半径1m程度のエリアであればよい。
そして、判定部44は、現在位置エリアの境界と、判定エリア32の境界とを比較する。
現在位置エリアの境界が判定エリア32の境界とが重なる場合、判定部44は、現在位置が安全ではないと判定する。判定部44は、報知信号を出力する。
現在位置エリアの境界が判定エリア32の境界とが重ならない場合、判定部44は、現在位置が安全であると判定する。
【0047】
報知制御部45は、ユーザに対して当該報知を行う制御を実行する。
報知制御部45には、表示部13、設定部42および判定部44が接続される。
報知制御部45は、設定部42または判定部44から報知信号が入力されると、所定の報知を表示するための表示データを含む信号を表示部13へ出力する。
これにより、表示部13には、プレビュー画像に重ねて、所定の報知が表示される。
プレビュー画像を見ながら移動しているユーザは、報知を視認する。
【0048】
次に、図3に示す撮像中の携帯電話機1の動作について説明する。
図4は、図1の携帯電話機1が撮像中に実行する位置報知処理の一例のフローチャートである。
【0049】
携帯電話機1を用いて撮像をする場合、CPU19は、カメラ機能の起動処理を実行する。これにより、携帯電話機1には、図3のカメラ機能が実現される。
なお、CPU19は、たとえば操作部12において携帯電話機1の撮像機能を起動するキーが操作されたことに基づいて、カメラ機能の起動処理を実行すればよい。
【0050】
携帯電話機1のカメラ機能が起動されると、撮像部16は、CPU19からの設定信号に基づいて、設定された通常モードまたはマクロモードにより動作する。
なお、CPU19は、たとえば操作部12において撮像部16の動作モードを設定するキーが操作されたことに基づいて、撮像部16に動作モードを指示すればよい。
【0051】
撮像部16は、所定の期間毎に、設定された動作モードにより撮像する。撮像部16は、撮像した画像データを含む信号を撮像制御部41へ出力する。撮像制御部41は、当該画像データを含む信号を表示部13へ出力する。
これにより表示部13には、撮像部16が撮像している画像がプレビュー表示される。
【0052】
このように撮像制御部41によりプレビュー処理が実行されている一方で、図3の設定部42、変位量取得部43、判定部44、および報知制御部45は、撮像中のユーザの安全性を確認し、必要に応じて報知する。
【0053】
図4に示すように、携帯電話機1のカメラ機能が起動されると、図3の操作部12は、まず、撮像部16のフォーカス設定を判断する(ステップST1)。
設定部42は、たとえば撮像部16から動作モードを取得し、取得した動作モードがマクロモードであるか否かを判断する。
【0054】
撮像部16がマクロモードで動作している場合、設定部42は、安全性確認処理を休止する(ステップST2)。
これにより変位量取得部43、判定部44および報知制御部45が休止する。
変位量取得部43、判定部44および報知制御部45が動作することによる消費電力を抑えることができる。
【0055】
安全確認処理を休止した後、設定部42は、携帯電話機1が撮像中であるか否かを判断する(ステップST3)。
携帯電話機1が撮像中でない場合、設定部42は、カメラ機能を停止する(ステップST4)。
これにより、携帯電話機1は、通常の待ち受け状態に戻る。
携帯電話機1が撮像中である場合、設定部42は、所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップST5)。
設定部42は、たとえばタイマ15により計測される経過時間が所定の時間となったか否かに基づいて判断する。
所定の時間が経過していない場合、設定部42は、撮像中であるか否かを判断する。
所定の時間が経過している場合、設定部42は、ステップST1のフォーカス確認処理に戻る。
【0056】
以上のマクロモードでの処理期間では、携帯電話機1は、カメラによる撮像モードとなっている。ユーザは、表示部13に表示された画面により被写体の写りを確認しながら、被写体を接写する。
マクロモードでの処理期間において、ユーザは、被写体に対して移動することが考えられるが、マクロモードの場合は被写体との距離が短いため、ユーザはプレビュー画面を見ながら大きく移動することはないと考えられる。
なお、マクロモードの際に判定部44および報知制御部45を動作させない理由は、マクロモードの際には近接したものを撮影することが多いため、ユーザが動き回ることはないと考えられ、また、判定部44および報知制御部45を動作させなくともユーザは安全だと考えられるためである。
【0057】
これに対して、撮像部16がマクロモード以外の動作モードで動作している場合、ユーザは、プレビュー画面を見ながら大きく移動することが予想される。
そのため、ステップST1においてマクロモード以外であると判断した場合、設定部42は、GPS受信部17による現在位置を測位する(ステップST6)。
設定部42は、GPS受信部17から衛星の位置情報を取得し、この衛星の位置情報に基づいて例えば三角法などにより携帯電話機1(ユーザ)の現在位置を演算する。
【0058】
GPS受信部17による現在位置を演算すると、設定部42は、現在位置の安全性を確認する。
まず、設定部42は、現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する(ステップST7)。
具体的には、設定部42は、地図データ31から現在位置を含む地域のテクスチャデータを取得する。
そして、設定部42は、取得したテクスチャデータと現在位置とを比較し、現在位置が安全であるか否かを判断する。
【0059】
たとえばテクスチャデータにおいて建物と建物以外とが色分けされている場合、設定部42は、テクスチャデータから現在位置と重なる地点の色成分を抽出する。
そして、設定部42は、抽出した色成分が建物の色であるか否かを判断する。
抽出した色成分が建物の色である場合には、設定部42は、現在位置が屋内であると判断する。
この場合、設定部42は、安全性確認処理を休止し(ステップST2)、撮像中であるか否かを判断する(ステップST3)。その後、所定時間が経過すると、設定部42は、ステップST1のフォーカス確認処理に戻る。
【0060】
GPSによる現在位置と重なる地点の色成分が建物以外の色である場合には、設定部42は、ステップST7において、現在位置が屋外であると判断する。
なお、地図データ31に建物のテクスチャデータが含まれている場合、設定部42は、当該建物データを取得し、当該建物データによる建物の位置情報に基づいて、現在位置が建物内であるか否かを判断してもよい。
【0061】
GPSによる現在位置と重なる地点が屋外である場合、設定部42は、GPSによる測位点に重なりがあるか否かを判断する(ステップST8)。
たとえば測位点の道路上に歩道橋などの構造物がある場合、その測位点には重なりがある。
具体的には、設定部42は、地図データ31を用いて、GPSによる測位点に重なりがあるか否かを判断する。
設定部42は、たとえば地図データ31の道路リンクデータを用いてGPSによる現在位置が道路上であると判断される場合には、測位点のテクスチャデータの色成分を抽出する。
抽出した色が道路の色である場合、設定部42は、GPSによる測位点に重なりがないと判断する。
【0062】
抽出した色が道路の以外の色である場合、設定部42は、GPSによる測位点に重なりがあると判断する。
この場合、設定部42は、さらに現在位置の高度が、地表からの所定の高度以上であるか否かを判断する(ステップST9)。
そして、現在位置の高度が所定の高度以上である場合、設定部42は、現在位置が歩道橋などの構造物上であると判断する。
この場合、設定部42は、安全性確認処理を休止し(ステップST2)、撮像中であるか否かを判断する(ステップST3)。その後、所定時間が経過すると、設定部42は、ステップST1のフォーカス確認処理に戻る。
【0063】
GPSによる測位点に重なりがない場合、設定部42は、ステップST8の判断の後に判定エリア32の設定処理を開始する。
また、現在位置の高度が所定の高度以上でない場合、設定部42は、ステップST9の判断の後に判定エリア32の設定処理を開始する。
【0064】
判定エリア32の設定処理において、設定部42は、まず、判定エリア32の設定の要否を判断する。
具体的には、設定部42は、まず、GPSによる現在位置の周囲の半径Nメートル以内が安全であるか否かを判断する(ステップST10)。
設定部42は、たとえば地図データ31を読み込み、GPSによる現在位置の周囲の半径Nメートル以内に道路が存在するか否かを判断する。
半径Nメートル以内に道路が存在する場合、設定部42は、安全ではないと判断する。設定部42は、当該半径Nメートルの範囲を検出エリアに設定する。
この場合、設定部42は、さらに現在位置の周囲のM(<N)メートル以内が安全であるか否かを判断する(ステップST11)。
【0065】
半径Mメートル以内に道路が存在しない場合、設定部42は、安全であると判断する。
現在位置のMメートル以内が安全である場合、設定部42は、判定エリア32の設定処理を開始する。
設定部42は、変位量取得部43および判定部44に起動信号を出力する。
設定部42から起動信号が入力されると、変位量取得部43は、6軸センサ18の検出値に基づいて、GPS受信部17による現在位置からの位置の変位量を検出し、判定部44へ出力する。
【0066】
そして、設定部42は、撮影する方向を検出し(ステップST12)、変位量を検出する(ステップST13)。
位置の変位量が入力されると、判定部44は、判定エリア32を用いて、現時点での現在位置の安全性を確認する。
具体的には、判定部44は、6軸センサ18の検出値に基づく位置の変位量に基づく現在位置の周囲に半径Mメートルの現在位置エリアを設定し、現在位置エリアの境界と、安全エリアの境界とが重なるか否かを判断する(ステップST14)。
現在位置エリアの境界が安全エリアの境界と重ならない場合、判定部44は、現時点での現在位置が安全であると判断する。
この場合、変位量取得部43は、ステップST12からST14の6軸センサ18の検出値に基づく位置の変位量の検出を継続する。また、判定部44は、変位量取得部43から位置の変位量が入力されると、当該時点での現在位置の安全性の確認を継続する。
【0067】
現在位置エリアの境界が安全エリアの境界と重なる場合、判定部44は、現時点での現在位置が安全でないと判断する。
判定部44は、報知制御部45へ報知信号を出力する。報知制御部45は、所定の報知を表示部13に表示させる。
これにより、表示部13には、プレビュー画像に重ねて、所定の報知が表示される(ステップST15)。
プレビュー画像を見ながら移動しているユーザは、報知を視認する。
【0068】
また、半径Mメートル以内の現在位置エリアに道路が存在する場合、設定部42は、ステップST11の判断において、安全でないと判断する。
設定部42は、報知制御部45へ報知信号を出力する。報知制御部45は、所定の報知を表示部13に表示させる。
これにより、表示部13には、プレビュー画像に重ねて、所定の報知が表示される(ステップST15)。
プレビュー画像を見ながら移動しているユーザは、報知を視認する。
【0069】
以上のような撮像中の安全性の確認および報知処理の実行中に、操作部12の撮影キーが操作されると(ステップST16)、撮像制御部41は、現時点で撮像部16から入力される画像データを記憶部20に保存する(ステップST17)。
操作部12によりカメラ機能が終了されると、撮像制御部41は、カメラ機能を停止する。または、携帯電話機1がたとえば所定の無操作期間が経過して節電モードになると、撮像制御部41は、カメラ機能を停止する(ステップST18〜ST19)。
また、警告地点から移動した場合(ステップST20)、撮像制御部41は、撮像部16から入力される画像データを記憶部20に保存する(ステップST21)。撮像制御部41は、カメラ機能を停止する(ステップST19)。
そして、操作部12が操作されたりすることなくタイマ15により所定の経過時間が計測されると(ステップST22)、設定部42は、ステップのフォーカス確認処理に戻る。
【0070】
また、GPSによる現在位置の周囲の半径Nメートルの判定エリア以内に道路が存在しない場合、設定部42は、ステップST10において、安全であると判断する。
この場合、設定部42は、判定エリア32を設定しない。
判定エリア32を設定しない場合において、操作部12の撮影キーが操作されると(ステップST23)、撮像制御部41は、現時点で撮像部16から入力される画像データを記憶部20に保存する(ステップST24)。
設定部42の処理は、ステップST1のフォーカス確認処理に戻る。
操作部12によりカメラ機能が終了されると、撮像制御部41は、カメラ機能を停止する。または、携帯電話機1がたとえば所定の無操作期間が経過して節電モードになると、撮像制御部41は、カメラ機能を停止する(ステップST25〜ST26)。
そして、操作部12の撮像キーが操作されたりすることなくタイマ15により所定の時間が計測されると(ステップST27)、設定部42は、ステップST1のフォーカス確認処理に戻る。
【0071】
図5は、GPS受信部17による現在位置と設定部42による現在位置の安全性の確認処理との関係の一例の説明図である。
図5は、ビル51および道路52を含む地域のテクスチャデータによる画像である。
ビル51と道路52とは、色分けされている。なお、図5の画像は、たとえばGPS受信部17を用いたナビゲーション時に表示部13に表示される。
また、図5には、GPS受信部17による現在位置として、屋外の第1の地点53と、建物内の第2の地点54とが図示されている。
【0072】
そして、GPS受信部17による現在位置が屋外の第1の地点53である場合、設定部42は、図4のステップST7において屋外と判断する。
また、第1の地点53は、道路52上でもないため、設定部42は、判定エリア32を設定する。
これにより、携帯電話機1では、判定エリア32と現在位置とによる安全性の判定および警告処理が実行される。
また、GPS受信部17による現在位置が屋内の第2の地点54である場合、設定部42は、図4のステップST7において屋内と判断する。
この場合、設定部42は、判定エリア32を設定しない。
【0073】
図6は、GPS受信部17による現在位置と設定部42による現在位置の安全性の確認処理との関係の他の例の説明図である。
図6は、道路61と道路上の歩道橋62とを含む地域のテクスチャデータによる画像である。
道路61と歩道橋62とは、色分けされている。なお、図6の画像は、たとえばGPS受信部17を用いたナビゲーション時に表示部13に表示される。
また、図6には、歩道橋62上の第3の地点63が図示されている。
そして、GPS受信部17による現在位置が歩道橋62および道路61と重なる第3の地点63である場合、設定部42は、図4のステップST9において現在位置の高度が所定の高度以上であると判断する。
この場合、設定部42は、判定エリア32を設定しない。
【0074】
図7は、判定エリア32と現在位置エリアとの関係を示す説明図である。
図7は、道路71を含む地域のテクスチャデータによる画像である。
また、図7には、道路71外の地点に、第4の地点72が図示されている。
また、図7には、判定エリア32の範囲73と、現在位置エリアの範囲74とが図示されている。
【0075】
GPS受信部17による現在位置が道路外の第4の地点72である場合、設定部42は、図4のステップST10において、現在位置の半径Nメートルの判定エリア32内が安全でないと判断する。
また、設定部42は、ステップST11において、現在位置の半径Mメートルの現在位置エリア内が安全であると判断する。
そして、図7の第4の地点72からたとえば図7の上方へユーザが移動すると、変位量取得部43は、6軸センサ18の検出値に基づいて第4の地点72からの変位量を検出する。
その後、6軸センサ18の検出値に基づく現在位置についての現在位置エリアの境界と、判定エリア32の境界とが重なると、判定部44は、現在位置が安全でないと判断する。
報知制御部45は、ステップST15において、プレビュー画像を表示している表示部13に、報知を表示させる。
【0076】
図8は、表示部13に表示される報知の報知画面の一例である。
図8の表示画面では、画面中央に「後方注意」の報知が表示されている。
また、「後方注意」の報知の後ろに、撮影中のプレビュー画像が重ねて表示されている。
【0077】
以上のように、本実施形態では、ユーザが携帯電話機1により撮像しながら移動する場合、携帯電話機1の移動を検出し、安全でない場所へ移動した場合にはプレビュー画面に報知を表示する。
よって、本実施形態では、撮像しながら移動するユーザに対して、注意を喚起することができる。
たとえば写真の撮影において撮影者が画角を調整するために表示画面を見ながら後退し、背後への注意が薄い場合において、ユーザに対して注意を喚起することができる。
【0078】
また、本実施形態では、GPS受信部17と6軸センサ18とを組み合わせて携帯電話機1の現在位置を取得している。GPS電波による測位には、受信環境などに応じてユーザの位置精度が十分に得られない場合がある。
また、本実施形態では、GPS受信部17による現在位置に対して判定エリア32を設定し、この判定エリア32と6軸センサ18の検出値とに基づいて現在位置を判定する。
よって、本実施形態では、現在位置の移動を高精度に検出し、報知を行うことができる。また、GPS通信を減らすことができる。
【0079】
また、本実施形態では、6軸センサ18の検出値に基づく位置の変位量が示す現在位置に対して現在位置エリアを設定し、この現在位置エリアと判定エリア32とが重なるか否かに基づいて現在位置の安全性を判定している。
よって、本実施形態では、6軸センサ18の検出値に基づく位置の変位量が実際に判定エリア32外となる前に報知を行い、安全マージンを確保できる。
また、現在位置エリアを設定することにより、本実施形態では、GPS電波による現在位置または6軸センサ18の検出値に基づく現在位置に誤差が含まれていたとしても、その誤差による判定誤りを減らすことができる。
【0080】
また、本実施形態では、原則的には、現在位置エリアが安全な場所であり、かつ、判定エリア32に安全でない場所が含まれる場合に判定エリア32を設定し、それ以外の場合には、判定エリア32を設定しない。
そして、設定部42により判定エリア32が設定されない場合には、変位量取得部43および判定部44は休止状態となる。
よって、本実施形態では、安全性を監視する必要性が低い場合には、変位量取得部43および判定部44の動作による消費電力を減らすことができる。
【0081】
また、本実施形態では、撮像部16がマクロモードである場合には、設定部42により判定エリア32が設定されない。
なお、撮像部16がマクロモードである場合、ユーザがプレビュー画像を見ながら大きく移動することは考え難い。そのため、ユーザが安全な場所から安全でない場所へ移動してしまうことも考え難い。
また、本実施形態では、GPS受信部17による現在位置が屋内である場合には、設定部42により判定エリア32が設定されない。
また、本実施形態では、GPS受信部17による現在位置が道路上の歩道橋などの構造物である場合には、設定部42により判定エリア32が設定されない。
なお、ユーザが歩道橋から道路へプレビュー画像を見ながら移動するとは考え難い。
これらの場合も安全性を監視する必要性が低い場合に相当する。
そのため、本実施形態では、変位量取得部43および判定部44の動作による消費電力を減らしている。
ただし、たとえば撮影中に撮像部16のフォーカス設定を変更することが予想されるため、本実施形態の設定部42は、一定時間毎にこれらの確認を繰り返し実行する。
なお、カメラ起動時に既にマクロ設定になっている場合には、使用者が意図的にマクロ設定へ変更したとは限らない。この場合には、撮像制御部41が、マクロ設定への設定変更の有無を確認してもよい。
【0082】
また、本実施形態では、必要性が低い警告がプレビュー画面に重ねて表示されることがないので、ユーザは、当該警告に煩わされなくなる。
【0083】
このように本実施形態では、GPS機能と6軸センサ18とを用いて、周囲に道路等な危険な場所であっても安全に注意しながらカメラ撮影を行うことができる。
また、本実施形態では、危険箇所が近くにある場合に使用者に通知することで事前に事故を防ぐことが可能となる。
また、本実施形態では、カメラのフォーカス設定、屋内外判定、高度判定によりシステムの動作・停止を切替えるため、電力量の消費も抑えることができる。
加えて、カメラの使用において、画角調整などでの移動期間は、カメラの試用期間に比べて短いと考えられる。そのため、本実施形態では、カーナビゲーション装置のように常にGPS通信を行う必要がないことにより、消費電力を抑えることができる。
【0084】
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0085】
たとえば上記実施形態では、設定部42は、図4のステップST10において半径Nメートル以内が安全でない場合に、判定エリア32を設定する。
この他にも例えば、設定部42は、半径Nメートル以内が安全である場合に、判定エリア32を設定してもよい。
また、判定部44は、半径が互いに異なる複数の範囲について安全性を判断し、安全と判断された最大半径の範囲などを判定エリア32に設定してもよい。
【0086】
上記実施形態では、判定部44は、判定エリア32の境界と、現在位置エリアの境界との重なりの有無に基づいて、現在位置が安全であるか否かを判断する。
この他にも例えば、判定部44は、現在位置が判定エリア32内であるか否かに基づいて現在位置が安全であるか否かを判断してもよい。
【0087】
上記実施形態では、設定部42は、地図データ31から判別される道路を安全でない場所と判断する。
この他にも例えば、設定部42は、道路以外の場所を安全でない場所と判断してもよい。このような場所としては、たとえば道路から所定の範囲の周辺部がある。
そして、道路から所定の範囲の周辺部を判断する場合において、設定部42は、地図データ31から判断される道路の幅が大きいほど、道路の周辺部として安全でないと判断される場所を広い幅により判断してもよい。
また、設定部42は、タイマ15により計測される時刻に基づいて判断する時間帯に応じて当該周辺部の幅を変化させて判断してもよい。
たとえば、設定部42は、昼間の時間帯よりも夜間の時間帯において周辺部の幅を広くして判断してもよい。
【0088】
上記実施形態では、設定部42または判定部44は、現在位置が安全でないと判断すると、報知信号を報知制御部45へ出力する。
このため、設定部42または判定部44により現在位置が安全でないと判断される度に、表示部13には報知が表示される。
この他にも例えば、表示部13は、たとえば報知後に現在位置が変化しない場合には、再び同じ現在位置の報知信号が入力されたとしても、2回目以降の報知を行わないようにしてもよい。
【0089】
上記実施形態では、携帯電話機1は、プレビュー画面を表示する表示部13に報知を表示している。
この他にも例えば、携帯電話機1は、スピーカ22から音声により報知を行っても、プレビュー画面を表示する表示部13とは別の表示部13に報知を表示しても、振動発生装置による振動などにより報知を行ってもよい。
【0090】
上記実施形態は、携帯電話機1の例である。
この他にも例えば、本発明は、PHS端末、携帯ゲーム機器、PDA、携帯ナビゲーション装置、携帯再生装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0091】
1…携帯電話機(携帯電子機器)、13…表示部(報知部)、16…撮像部、17…GPS受信部(受信部、位置取得部)、18…6軸センサ(移動検出センサ、位置取得部)、20…記憶部、31…地図データ、32…判定エリア、42…設定部(安全性判定部)、43…変位量取得部(安全性判定部)、44…判定部(安全性判定部)、52、61、71…道路、62…歩道橋(道路上の構造物)、73…判定エリアの範囲、74…現在位置エリアの範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の現在位置の情報である現在位置データを取得する位置取得部と、
安全な場所と安全でない場所とを判別可能な地図データを記憶する記憶部と、
前記地図データに基づいて、前記現在位置データが示す現在位置が前記安全な場所内であるか否かを判定する安全性判定部と、
前記安全性判定部により現在位置が安全な場所内でないと判定された場合に報知を行う報知部と
を有する携帯電子機器。
【請求項2】
画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像している画像を表示する表示部と
を有し、
前記報知部は、
前記表示部が前記撮像部によって撮像されたプレビュー画像を表示している場合に、報知を行う
請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
表示部を有し、
前記報知部は、
前記表示部に、報知を行う
請求項1または2記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記位置取得部は、
現在位置の特定に利用可能な電波を受信する受信部と、
位置の移動方向および移動加速度の少なくとも一方を検出する移動検出センサと
を有し、
前記安全性判定部は、
前記地図データと前記変位量取得部による位置の変位量とを比較し、当該位置の変位量の示す位置が安全な場所内であるか否かを判定する
請求項1から3のいずれか一項記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記報知部は、
前記移動検出センサによる現在位置を含む現在位置エリアの境界と、前記安全な場所の境界とが重なる場合に報知を行う
請求項4記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記安全性判定部は、
前記地図データに基づいて、前記現在位置エリアに安全でない場所が含まれるか否かを判断し、前記現在位置エリアに安全でない場所が含まれる場合に、前記移動検出センサによって検出される現在位置が安全な場所であるか否かを判断する
請求項5記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記撮像部は、
被写体に近接して撮影するマクロモードを有し、
前記安全性判定部は、
前記撮像部が前記マクロモードである場合には、前記現在位置の安全性の判定をしない
請求項2記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記報知部は、
前記受信部の受信電波に基づく現在位置が、前記地図データから判別される屋内である場合には、報知を行わない
請求項4から6のいずれか一項記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記報知部は、
前記受信部の受信電波に基づく現在位置が、前記地図データから判別される道路上の構造物である場合には、報知を行わない
請求項4から6および8のいずれか一項記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記安全性判定部は、
前記地図データから判別される道路または当該道路から所定の範囲の周辺部を安全でない場所と判断する
請求項1から9のいずれか一項記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記安全性判定部は、
前記地図データから判断される道路の幅が大きいほど、当該道路の周辺部の幅を広くする
請求項10記載の携帯電子機器。
【請求項12】
時刻を計測する時計部を有し、
前記安全性判定部は、
前記道路の周辺部の幅を時間帯に応じて変化させる
請求項10または11記載の携帯電子機器。
【請求項13】
前記安全性判定部は、
前記道路の周辺部の幅を、昼間の時間帯よりも夜間の時間帯において広くする
請求項12記載の携帯電子機器。
【請求項14】
前記地図データは、
前記安全な場所と前記安全でない場所とが異なる色で色分けされたテクスチャデータを有し、
前記安全性判定部は、
前記テクスチャデータの色に基づいて、前記安全な場所と前記安全でない場所とを判別する
請求項1から13のいずれか一項記載の携帯電子機器。
【請求項15】
前記報知部は、
報知後に位置が変化しない場合には、前記安全性判定部により現在位置が安全な場所内でないと再び判定されたとしても、2回目以降の報知を行わない
請求項1から14のいずれか一項記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−95067(P2011−95067A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248316(P2009−248316)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】