説明

携帯電子表示装置、携帯電子表示装置の制御方法、及び携帯電子表示装置の制御プログラム

【課題】
2つ以上の画面を有する携帯電子表示装置において、使用者が現在見ている画面を判別し、使用者が画面表示切り替えのための操作を特に意識することなく、自然な感覚でページ送りを行う。
【解決手段】
2つ以上の画面を有する携帯電子表示装置において、それぞれの画面部には、当該画面部の地面に対する傾きを検出する傾き検出手段とが設けられており、それぞれの前記画面部の前記傾きの値を比較することにより、使用者が目視している画面部を検出する目視画面検出手段と、前記目視画面検出手段により、使用者が目視する画面部が、一の画面部から別の画面部へ移行したことを検出したとき、予め設定されたページ送り実行条件が満たされているか否かを判断し、当該ページ送り実行条件が満たされている場合に、ページ送りを実行する画面表示制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電子表示装置に関し、特に携帯電子表示装置の画面表示の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、読書のスタイルとして紙媒体の書籍に代わって、電子媒体による文章データを携帯電子表示装置に表示させて読むという方式が拡大している。この方式のための携帯電子表示装置は、例えば「電子ブック」という呼称が代表的である。図9Aおよび図9Bは、一般的な電子ブックとして使用されている、携帯情報端末の例を示したもので、図9Aは1画面タイプ、図9Bは見開き2画面タイプの電子ブックである。これらは共に、電子ブック101本体に設けられた画像表示部102に表示された画像を、操作ボタン103を操作することによりページ送りし、通常の本と同じように読み進めていくものである。この電子ブックによる読書スタイルは、大量の文書データをコンパクトに持ち運べる、コストが低いといった紙媒体にはないメリットに加え、紙資源節約効果などの観点からも期待が持たれている。
【0003】
しかしながらこのような電子ブックにおいては、ページ送り(表示画面切り替え)を実行するためには、電子ブック特有のボタン等の操作を行う必要があった。このような操作は通常の本を読む時にページをめくる動作とは本質的に異なり、一般に煩雑で使用者に違和感を覚えさせるため、長時間の使用はしにくいものであった。このため、携帯電子表示装置の使用者にとってできるだけ自然な感覚でページ送りを実行するための技術が検討されている。
【0004】
例えば電子ブックを傾けることによってページ送りを行う技術として、特許文献1には、デュアルビュー液晶画面を有する携帯電子表示装置に傾きセンサを設け、携帯電子表示装置を傾けることによってページ送りを行う技術が記載されている。ここでデュアルビュー液晶は、異なる2方向から画面を見たときに、それぞれ異なる画像を見ることができるようにした表示装置である。このページ送り方法では、使用者は画面の右から左へと表示された文章を読み進む場合には、まず携帯電子表示装置の画面には1ページ目と2ページ目をそれぞれ右側と左側から見ることができるように表示する。そして携帯電子表示装置を左に傾けて画面の右側から1ページ目を読み、続いて携帯電子表示装置を右に傾け画面の左側から2ページ目を読む。次に再び使用者が携帯電子表示装置を左に傾けたとき、画面表示を切り替え、以降同様に右側から3ページ目、左側から4ページ目と読み進められるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−116791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述した携帯電子表示装置のページ送り方法は、見開き2画面を有する折りたたみタイプの電子ブックには適用できないという問題点がある。
【0007】
すなわち、見開き2画面タイプの電子ブックを実際に使用する場合、折りたたみ部分を180度開いた状態で使用するよりは、通常の本を読む場合と同様に、多少角度をつけた状態で使用するのが自然である。このような状態では、ディスプレイにデュアルビュー液晶を適用した場合、例えば右画面に対して装置の右側から画面を見る分には問題はないが、装置の左側から画面を見ようとしても、折りたたみ角度によっては左画面に遮られて見ることができない。また2つの画面に多少角度をつけた状態で使用している場合、両画面は常にそれぞれ傾きを有しており、個々の画面の傾きの値自体からは、現在使用者が見ている画面がどちら側なのかを判別することもできない。
【0008】
本発明の目的は上記課題を解決し、2つ以上の画面を有していても、使用者が操作を特に意識せず自然な感覚でページ送りできる携帯電子表示装置、携帯電子表示装置の制御方法、及び携帯電子表示装置の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯電子表示装置は、互いがなす角度を変化させることができる少なくとも2つの画面部と、前記画面部の各々に設けられ、地面に対する傾きを検出する傾き検出手段と、それぞれの前記画面部の前記傾きの値を比較することにより、使用者が目視している画面部を検出する目視画面検出手段と、前記目視画面検出手段により、使用者が目視する画面部が移行したことを検出し、かつ、予め設定されたページ送り実行条件が満たされていると判断した場合に、ページ送りを実行する画面表示制御手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
また、携帯電子表示装置の制御方法は、互いがなす角度を変化させることができる少なくとも2つの画面部を有し、それぞれの前記画面部には、当該画面部の地面に対する傾きを検出する傾き検出手段が設けられた携帯電子表示装置の制御方法であって、それぞれの前記画面部の前記傾きの値を比較することにより、使用者が目視している画面部を検出する目視画面検出手順と、前記目視画面検出手順により、使用者が目視する画面部が移行したことを検出し、かつ、予め設定されたページ送り実行条件が満たされていると判断した場合に、ページ送りを実行する画面表示制御手順と、を有することを特徴としている。
【0011】
また、携帯電子表示装置の制御プログラムは、互いがなす角度を変化させることができる少なくとも2つの画面部を有し、それぞれの前記画面部には、当該画面部の地面に対する傾きを検出する傾き検出手段が設けられた携帯電子表示装置の制御プログラムであって、それぞれの前記画面部の前記傾きの値を比較することにより、使用者が目視している画面部を検出する目視画面検出ステップと、 前記目視画面検出ステップにより、使用者が目視する画面部が移行したことを検出し、かつ、予め設定されたページ送り実行条件が満たされていると判断した場合に、ページ送りを実行する画面表示制御ステップと、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、2つ以上の画面を有する携帯電子表示装置においても、使用者が画面表示切り替えのための操作を特に意識することなく、自然な感覚でページ送りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の電子ブックを示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の動作を示すフロー図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のページ送り制御の動作を示すフロー図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の電子ブックを示す模式図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の動作を示すフロー図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態のページ送り制御Bの動作を示すフロー図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における、画面表示の変化の様子を示す模式図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態の動作を示すフロー図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態の電子ブックを示す模式図である。
【図11A】一般的な、1画面タイプの電子ブックを示す模式図である。
【図11B】一般的な、2画面見開きタイプの電子ブックを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本実施の形態による、電子ブックとしての携帯電子表示装置の構成を示すブロック図である。電子ブック1は、少なくとも2つの画面部2を有し、それぞれの画面部2同士がなす角度は変化させることができる。また画面部2にはそれぞれ、画面部2の地面に対する傾きをそれぞれ検出する傾き検出部3が設けられている。目視画面検出部4は、それぞれの画面部2の傾きの値を比較することにより、使用者が目視している画面部を特定する。画面表示制御部5は、目視画面検出部4が、使用者が目視する画面部が一の画面部から別の画面部へ移行したことを検出する。そして当該画面の移行が、予め設定されたページ送り実行条件を満たす場合か否かを判断する。そして当該ページ送り実行条件を満たしている場合に、ページ送りを実行する。
【0016】
この実施の形態では、各画面の傾きの値の変化で使用者の目視画面の移動を検出し、ページ送りすべき画面となったときに自動でページ送りを実行するようにしている。これにより、複数画面を有する電子ブックにおいて、使用者が画面表示切り替えのための操作を特に意識することなく、自然な感覚でページ送りを行うことができる。
【0017】
次に本発明の第2の実施の形態を、図面を参照して説明する。本実施の形態における電子ブックは2画面見開き型で、その基本構成は図1に示したものと同様である。さらにまたこの電子ブックは、無線や外部記憶媒体からデータ取得する機構や、取得したデータを記憶しておく記憶部、データを処理するデータ処理部を有していてもよい。
【0018】
図2(a)〜(d)は、本実施の形態の2画面見開き型の電子ブックを示す模式図である。なお以下の説明において、図1に示したものと同じ構成要素については、それぞれ同一の符号を付している。電子ブック1の画面部2のディスプレイは、通常の液晶表示装置が用いられる。また左右の画面部にはそれぞれ、図1に示した傾き検出部3としての角速度センサ31、32を実装し、両画面の地面に対する傾きをそれぞれ検出する。そして当該検出された両画面の傾きの値を、図1に示した目視画面検出部4で比較し、次のように使用者が現在見ている画面が左右どちらであるかを判定している。
【0019】
まず、図2のような2画面見開き型の電子ブックを使用する場合には、使用者は画面を180度開くのではなく、通常の本を読む場合と同様に、2つの画面に多少仰角をつけた状態で使用することが一般的と考えられる。また2つの画面を同時に見るという場合は少ないため、実際の使用中には、使用者は電子ブックの画面に向かって、左画面を見ている時は図2(a)、右画面を見ている時には図2(b)に近い角度になるように電子ブックを保持するのが自然である。したがって図1の目視画面検出部4では、使用者が上半身を直立させ、電子ブックを顔より低い位置で、顔と正対するような自然な姿勢で保持していることを前提として、地面に対する傾きの値が小さい方の画面を使用者が現在見ている画面と判定する。
【0020】
この電子ブック1は、使用者が画面の右から左へと表示された文章を読み進む場合には、通常の右開きの書籍と同様に、まず電子ブック1の右画面に1ページ目、左画面に2ページ目をそれぞれ表示する。そして使用者は電子ブック1を例えば図2(b)の状態に保持して1ページ目を読み、続いて電子ブック1を図2(a)の状態となる方向に傾きを変えて2ページ目を読む。次に再び使用者が電子ブックを図2(b)の状態となる方向に傾けたとき、画面表示が切り替わり、右画面に3ページ目、左画面に4ページ目が表示される。以後同様に、使用者が右画面から左画面へと電子ブック1の傾きを変えて読み進み、再び右画面を見る状態に傾きを変えたときに画面が切り替わり、使用者は以降のページを読み進めていくことができる。
【0021】
次に、上述した2画面見開き型の電子ブック1の具体的なページ送り動作について、図3および図4に示したフローチャートを参照して説明する。なお以下の説明において、図1および図2に示したものと同じ構成要素については、それぞれ同一の符号を付している。
【0022】
図3において、まず動作ステップA1では、電子ブック1の左右画面部を開くことにより、読み始めるページが左右の画像表示部2に表示される。
【0023】
続いて動作ステップA2において、左右画面にそれぞれ配置された角速度センサが起動し、右画面および左画面の、地面に対するそれぞれの傾きの値を測定する。さらに動作ステップA3において、目視画面検出部4は、左右両画面の傾きの測定値から電子ブック1の目視角度の変化があるかどうかを検出する。ここで目視角度の変化とは、左右両画面のそれぞれの傾きの値の大小関係が逆転した場合のことをいうものとする。例えば図2(c)の状態から図2(d)の状態に変化した場合、右画面の傾きが左画面より大きい状態から、左画面の傾きが右画面より大きい状態に変化することになる。目視画面検出部4では、この左右両画面の傾きの値の相対的な大小関係を監視している。目視画面検出部4ではまた、傾きの値が小さな方の画面を、使用者が現在見ている画面と判定する。なお目視角度の変化が検出されるまでは次の動作は実行されない。
【0024】
動作ステップA3において、目視角度の変化が検出された場合、動作ステップA4に移行する。動作ステップA4では図4に示すようなページ送り制御プロセスに従って、画面表示制御部5によりページ送りを実行する。図4は、動作ステップA4におけるページ送り制御動作の内容を示すフローチャートである。動作ステップC1では、目視画面検出部4により、使用者が見ている画面が左画面から右画面に移ったのか、右画面から左画面へ移ったのかを監視する。動作ステップC2で、現在見ている画面が左画面から右画面に移ったと判定された場合、動作ステップC3に移行し、読んでいる文章の1ページ目が右側、つまり右開き本タイプであるならばページ送りを実行する。読んでいる本が左開き本タイプである場合は、ページ送りは行わず、図3の動作ステップA3へ戻る。一方、動作ステップC2で、使用者が見ている画面は右画面から左画面に移ったと判定されたときは、動作ステップC4に移行し、読んでいる文章の1ページ目が左側、つまり左開き本タイプであるならばページ送りを実行する。読んでいる本が右開き本タイプである場合は、ページ送りは行わず、図3の動作ステップA3へ戻る。
【0025】
図3に示すように、以降のページについても同様にページ送りをしながら読み進んで行けるように、動作ステップA3と動作ステップA4はループ状になっている。
【0026】
動作ステップA3において目視角度が変化しない状態で、使用者が終了の指示を入力すると電子ブックの動作が終了する。当該終了の指示の入力がなければ、目視角度の変化を待つループを動作ステップA3と動作ステップA5とで実現している。
【0027】
以上の動作ステップにより、2画面見開き型の電子ブックの表示画面を読んでいくにあたり、2画面の利点を活かして、使用者は自然な動作でページ送りを実行しつつ画面を読み進めることができる。
【0028】
なお、電子ブックの画面の数は2つに限らず、3画面以上であっても、各画面が相互に異なる角度に設定できる構造で、かつ読み進める画面の順序が決まっていれば、同様に本発明を適用することができる。また、上述した両画面の傾きの検出は、加速度センサを用いるなど、別の方法で実現することもできる。
【0029】
この実施の形態では、複数画面を有する電子ブックにおいて、使用者が現在見ている画面を常に特定し、使用者が見ている画面が移り変わるタイミングで、自然な動作によりページをめくる処理を行うことができるようにしている。このため、使用者はページ送りのための操作を特に意識することなく画面を読み進めることができる。
【0030】
次に本発明の第3の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0031】
本実施の形態における電子ブックは、上述の本発明の第2の実施の形態における図1および図2に示した構成に加え、図5に示すように、画面の見開き角度を検出する見開き角度検出装置6を有しているものである。この見開き角度検出装置6は、例えば画面連結部に回転型の可変抵抗器を、画面の見開き角度によってその抵抗値が変化するように搭載したものとし、当該抵抗値を測定することにより、画面の見開き角度を検出することができる。
【0032】
本実施の形態は、電子ブックの画面見開き部をある程度折り曲げて使用している場合には、使用者は目視していない側の画面はほとんど見えないことから、このような場合には当該画面を非表示とし、消費電力低減を図るというものである。
【0033】
図6および図7は、本発明の第3の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。なお以下の説明において、図3、4における構成要請および動作ステップと同様のものについてはそれぞれ同じ符号を付している。
【0034】
図6において、動作ステップA1〜A3は、図3に示した本発明の第2の実施の形態の場合と同様であるが、第3の実施の形態では、動作ステップA3において、目視角度の変化が検出された場合、動作ステップB1に移行する。動作ステップB1では、見開き角度検出装置6によって検出された電子ブック1の画面見開き角度が90度未満であるかどうかのチェックを行う。ここで見開き角度が90度未満ではないという判定がなされた場合は、動作ステップB2の「ページ送り制御A」を実施する。この「ページ送り制御A」は、図4に示したページ送り制御フローと全く同じである。一方、画面見開き角度が90度未満であると判定された場合は動作ステップB3へ進み「ページ送り制御B」を実施する。この「ページ送り制御B」の動作フローの内容を図7に示す。図7において、動作ステップC1では、目視画面検出部4により、使用者が見ている画面が左右どちら側であるかを判定し、動作ステップD1で使用者が見ている画面のみを表示するようにする。動作ステップC2で、現在見ている画面が左画面から右画面に移ったと判定された場合、動作ステップC3に移行し、読んでいる文章の1ページ目が右側、つまり右開き本タイプであるならばページ送りを実行する。読んでいる本が左開き本タイプである場合は、ページ送りは行わず、図6の動作ステップA3へ戻る。一方、動作ステップC2で、使用者が見ている画面は右画面から左画面に移ったと判定されたときは、動作ステップC4に移行し、読んでいる文章の1ページ目が左側、つまり左開き本タイプであるならばページ送りを実行する。読んでいる本が右開き本タイプである場合は、ページ送りは行わず、図6の動作ステップA3へ戻る。
【0035】
これ以降は、上述した本発明の第2の実施の形態と同様であるが、第3の実施の形態においては、常に使用者が現在見ている方の画面のみが表示され、見ていない側の画面は非表示となっている。図8(a)〜(c)は、ページを読み進めて行くのに応じた画面表示制御の例を示す。この画面表示の制御は、ページ送り動作と同様に使用者が見ている画面が移り変わるタイミングで行われ、見ていない画面が自動的に非表示となるため、使用者は特別な操作を意識することなしに、電子ブックの低消費電力化を図ることができる。
【0036】
なお、ここでは一方の画面の非表示とする条件として、画面の見開き角度が90度未満と設定したが、この角度は90度に限る必要はなく、状況に応じて他の角度に変更しても本実施の形態の効果を実現することができる。
【0037】
次に本発明の第4の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0038】
図9は、本発明の第4の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。動作の対象は、図2に示した2画面見開き型電子ブックに、さらに図10に示すように両画面側に使用者の顔を認識するカメラ7がそれぞれ設けられた電子ブックである。なお図9において、図6における動作ステップと同様のものについては同じ符号で表示している。
【0039】
図9において、動作ステップA1〜A3およびB1は、図6に示した本発明の第3の実施の形態の場合と同様である。第4の実施の形態では、動作ステップB1において、両画面の見開き角度が例えば90度未満と判定された場合、動作ステップE1に移行し、カメラ7を起動する。続いて動作ステップE2において、目視画面側のカメラにより、例えば使用者の顔認識を行い、顔の向きや黒目位置等の画像解析から使用者の視線方向を検出する、といった公知の方法により、視線方向が当該画面に向いているか否かを判別する。ここでは使用者が当該画面を見ていない場合は待機し、当該画面を見ていることを認識できたら動作ステップB3へ移行し、以降の動作は上記の本発明の第3の実施の形態の場合と同様である。
【0040】
この実施の形態では、各画面側に備えられたカメラにより、使用者が当該画面を見ているかどうかを確認しているため、使用者の姿勢自体が傾いた時など、意図しないページ送り動作の発生を抑制することができる。
【0041】
なお、上述した携帯電子表示装置の動作制御手順は、プログラムとして装置内に実装し、実行することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 携帯電子表示装置
2 画面部
3 傾き検出部
4 目視画面検出部
5 画面表示制御部
6 見開き角度検出装置
7 カメラ
31、32 角速度センサ
101 電子ブック
102 画像表示部
103 操作ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いがなす角度を変化させることができる少なくとも2つの画面部と、
前記画面部の各々に設けられ、地面に対する傾きを検出する傾き検出手段と、
それぞれの前記画面部の前記傾きの値を比較することにより、使用者が目視している画面部を検出する目視画面検出手段と、
前記目視画面検出手段により、使用者が目視する画面部が移行したことを検出し、かつ、予め設定されたページ送り実行条件が満たされていると判断した場合に、ページ送りを実行する画面表示制御手段と、
を有することを特徴とした、携帯電子表示装置。
【請求項2】
前記目視画面検出手段は、前記傾き検出手段が検出する、それぞれの前記画面部の地面に対する傾きの値のうち、最も小さい値を有する画面部を、使用者が目視している画面部と判定することを特徴とした、請求項1に記載の携帯電子表示装置。
【請求項3】
前記ページ送り実行条件は、使用者が目視する画面部が、それぞれの前記画面部に表示されているページのうち、最後のページが表示されている画面部から別の画面部へ移行した場合であることを特徴とした、請求項1または2に記載の携帯電子表示装置。
【請求項4】
前記画面部のうち、使用者が目視している画面部のみを表示状態とすることを特徴とした、請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯電子表示装置。
【請求項5】
前記画面部同士がなす角度を検出する、画面見開き角度検出手段をさらに有することを特徴とした、請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯電子表示装置。
【請求項6】
前記画面部同士がなす角度が、予め設定した値より小さい場合に、前記画面部のうち、前記目視画面検出手段によって使用者が目視していると判定された画面部のみを表示状態とすることを特徴とした、請求項5に記載の携帯電子表示装置。
【請求項7】
前記画面部にはそれぞれ、使用者の顔を認識し、使用者が当該画面部を目視しているか否かを判定する、目視判定手段をさらに有することを特徴とした、請求項1乃至6のいずれかに記載の携帯電子表示装置。
【請求項8】
前記目視画面検出手段によって使用者が目視していると判定された画面部が、当該画面部に設けられた前記目視判定手段によって、使用者が当該画面部を目視していないと判定されている場合は、ページ送りの実行を保留することを特徴とした、請求項7に記載の携帯電子表示装置。
【請求項9】
互いがなす角度を変化させることができる少なくとも2つの画面部を有し、それぞれの前記画面部には、当該画面部の地面に対する傾きを検出する傾き検出手段が設けられた携帯電子表示装置の制御方法であって、
それぞれの前記画面部の前記傾きの値を比較することにより、使用者が目視している画面部を検出する目視画面検出手順と、
前記目視画面検出手順により、使用者が目視する画面部が移行したことを検出し、かつ、予め設定されたページ送り実行条件が満たされていると判断した場合に、ページ送りを実行する画面表示制御手順と、
を有することを特徴とした、携帯電子表示装置の制御方法。
【請求項10】
前記目視画面検出手順は、前記傾き検出手段が検出する、それぞれの前記画面部の地面に対する傾きの値のうち、最も小さい値を有する画面部を、使用者が目視している画面部と判定することを特徴とした、請求項9に記載の携帯電子表示装置の制御方法。
【請求項11】
前記ページ送り実行条件は、使用者が目視する画面部が、それぞれの前記画面部に表示されているページのうち、最後のページが表示されている画面部から別の画面部へ移行した場合であることを特徴とした、請求項9または10に記載の携帯電子表示装置の制御方法。
【請求項12】
前記画面部のうち、使用者が目視している画面部のみを表示状態とすることを特徴とした、請求項9乃至11のいずれかに記載の携帯電子表示装置の制御方法。
【請求項13】
前記画面部同士がなす角度を検出する手順をさらに有することを特徴とした、請求項9乃至12のいずれかに記載の携帯電子表示装置の制御方法。
【請求項14】
前記画面部同士がなす角度が、予め設定した値より小さい場合に、前記画面部のうち、使用者が目視していると判定された画面部のみを表示状態とすることを特徴とした、請求項13に記載の携帯電子表示装置の制御方法。
【請求項15】
前記画面部にはそれぞれ、使用者の顔を認識し、使用者が当該画面部を目視しているか否かを判定する目視判定手順をさらに有することを特徴とした、請求項9乃至14のいずれかに記載の携帯電子表示装置の制御方法。
【請求項16】
前記目視画面検出手順において使用者が目視していると判定された画面部が、当該画面部に設けられた前記目視判定手順によって、使用者が当該画面部を目視していないと判定されている場合は、ページ送りの実行を保留することを特徴とした、請求項15に記載の携帯電子表示装置の制御方法。
【請求項17】
互いがなす角度を変化させることができる少なくとも2つの画面部を有し、それぞれの前記画面部には、当該画面部の地面に対する傾きを検出する傾き検出手段が設けられた携帯電子表示装置の制御プログラムであって、
それぞれの前記画面部の前記傾きの値を比較することにより、使用者が目視している画面部を検出する目視画面検出ステップと、
前記目視画面検出ステップにより、使用者が目視する画面部が移行したことを検出し、かつ、予め設定されたページ送り実行条件が満たされていると判断した場合に、ページ送りを実行する画面表示制御ステップと、
を有することを特徴とした、携帯電子表示装置の制御プログラム。
【請求項18】
前記目視画面検出ステップは、前記傾き検出手段が検出する、それぞれの前記画面部の地面に対する傾きの値のうち、最も小さい値を有する画面部を、使用者が目視している画面部と判定することを特徴とした、請求項17に記載の携帯電子表示装置の制御プログラム。
【請求項19】
前記ページ送り実行条件は、使用者が目視する画面部が、それぞれの前記画面部に表示されているページのうち、最後のページが表示されている画面部から別の画面部へ移行した場合であることを特徴とした、請求項17または18に記載の携帯電子表示装置の制御プログラム。
【請求項20】
前記画面部のうち、使用者が目視している画面部のみを表示状態とすることを特徴とした、請求項17乃至19のいずれかに記載の携帯電子表示装置の制御プログラム。
【請求項21】
前記画面部同士がなす角度を検出するステップをさらに有することを特徴とした、請求項17乃至20のいずれかに記載の携帯電子表示装置の制御プログラム。
【請求項22】
前記画面部同士がなす角度が、予め設定した値より小さい場合に、前記画面部のうち、使用者が目視していると判定された画面部のみを表示状態とすることを特徴とした、請求項21に記載の携帯電子表示装置の制御プログラム。
【請求項23】
前記画面部にはそれぞれ、使用者の顔を認識し、使用者が当該画面部を目視しているか否かを判定する目視判定ステップをさらに有することを特徴とした、請求項17乃至22のいずれかに記載の携帯電子表示装置の制御プログラム。
【請求項24】
前記目視画面検出ステップにおいて使用者が目視していると判定された画面部が、当該画面部に設けられた前記目視判定ステップによって、使用者が当該画面部を目視していないと判定されている場合は、ページ送りの実行を保留することを特徴とした、請求項23に記載の携帯電子表示装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公開番号】特開2011−113108(P2011−113108A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266017(P2009−266017)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】