説明

携帯電話用防水カバー

【課題】携帯電話の携行性を損なわずに携帯電話を安定的に防水することが可能な、新規かつ改良された携帯電話用防水カバーを提供する。
【解決手段】本発明に係る携帯電話用防水カバーは、内部に携帯電話が収容可能に携帯電話の外形と同じ形状の空間が形成され、収容される携帯電話を密着して覆うようにポリウレタン材質からなり、上端面に携帯電話が挿脱可能な収容孔が穿設されるカバー体と、前記カバー体の上端面に繰り返し貼り剥がし可能であり、収容孔を開閉する粘着体と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話に水が浸入することを防止する携帯電話用防水カバーに係り、特に、柔軟性に優れたポリウレタン材質からなる携帯電話状のカバー体に携帯電話の収容を図る収容孔が穿設されるとともに、前記収容孔を開閉する粘着体が設けられて携帯電話用防水カバーが構成されることにより、収容された携帯電話をカバー体が密着して覆うことができ、且つ、カバー体にはエンボス模様が形成されるが、収容された携帯電話に形成されたカメラの部位には透明な材質からなる透明体が形成される携帯電話用防水カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話は、移動中に基地局を介して一般電話加入者または他の移動通信電話機と通話可能な装置であり、最近には音楽の再生機能およびカメラ機能に加えて、テレビの視聴機能や簡単なインターネット検索機能など各種の機能が実装されることにより現代人にとって必要不可欠なものと考えられている。
【0003】
これらの各種の機能を行うために、携帯電話の内部に電子基板および電気回路などが組み込まれているが、携帯電話の内部に水が流入すれば電子基板および電気回路に水による腐食が発生し、且つ、濡れた状態の電子基板および電気回路に電流が印加されれば過電圧が発生して携帯電話の内部部品の損傷をもたらす場合が頻発していた。
【0004】
このため、携帯電話を携帯した状態では水泳場や海水浴場などで安全に使用することができず、しかも、個人の不注意により携帯電話が水濡れ・水没してしまったときには携帯電話の故障が必然的に発生するといった欠点が従来から問題視されていた。
【0005】
このような欠点を補完するために、最近では、携帯電話を防水化することができる防水装置が絶えず開発されつつある。前記防水装置は、大体において、携帯電話を収容するビニール材質のケースが形成され、前記ケースの一方側にケースの内部を密閉する開閉手段が形成されて、ケースに携帯電話を収容し、開閉手段をロックして携帯電話を外部から遮断して密封することにより、携帯電話を携帯したままで水泳場や海水浴場に入ったり携帯電話を水中に落としたりしても携帯電話の内部に水が浸入するような現象が防止されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記防水装置は、防水機能に限定されて携帯し難いため実用性に劣り、しかも、携帯電話のデザイン性を考慮しない形となっているため使用が忌避されるといった欠点があった。
【0007】
また、前記防水装置は、ビニール材質のものであるため、例えば水泳場や海水浴場に入ったときに床面に擦り付けたり、尖った構造物に引っ掻かれたりすればひきちぎれ易くなる。そして、ひきちぎれた個所に水が流入して長時間水に浸されていれば、開閉手段に水が流入することにより、ケース内部の携帯電話に水が浸入して防水機能を行うことができない結果、その効用性が低下するといった欠点があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、柔軟性に優れたポリウレタン材質からなる携帯電話状のカバー体に携帯電話の収容を図る収容孔が穿設されるとともに、前記収容孔を開閉する粘着体が設けられて携帯電話用防水カバーが構成されることにより、携帯電話の携行性を損なわずに携帯電話を安定的に防水することが可能な、新規かつ改良された携帯電話用防水カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、本発明において提供される下記の構成によって達成される。
【0010】
本発明に係る携帯電話用防水カバーの第1の実施形態は、内部に携帯電話が収容可能に携帯電話の外形と同じ形状の空間が形成され、収容される携帯電話を密着して覆うようにポリウレタン材質からなり、上端面に携帯電話が挿脱可能な収容孔が穿設されるカバー体と、前記カバー体の上端面に繰り返し貼り剥がし可能であり、収容孔を開閉する粘着体と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る携帯電話用防水カバーは、前記粘着体の下外側面に延設されて収容孔を開閉可能に、カバー体の収容孔の外側部位に繰り返し貼り剥がし可能なフィルム材質の拡張体が配設される。
【0012】
さらに、本発明に係る携帯電話用防水カバーにおいて、前記収容孔は、内側に湾曲した曲線部と、前記曲線部同士が遭遇する個所に形成される丸みを帯びた拡張部と、を備える。
【0013】
本発明に係る携帯電話用防水カバーの第2の実施形態は、内部に携帯電話が収容可能な空間が形成され、携帯電話の収容時に携帯電話にくっつかないようにエンボス模様が陰刻形状で刻まれ、収容された携帯電話に形成されるカメラの部位には外部が透視可能な透明体が形成され、上端面に携帯電話が挿脱可能な収容孔が穿設されるカバー体と、前記カバー体に穿設された収容孔の上端面に繰り返し貼り剥がし可能であり、収容孔を開閉する粘着体と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る携帯電話用防水カバーは、内部に携帯電話が収容可能な空間が形成され、携帯電話の収容時に携帯電話にくっつかないようにエンボス模様が陰刻形状で刻まれ、収容された携帯電話に形成されるカメラの部位に開放される開放溝が凹設され、上端面に携帯電話が挿脱可能な収容孔が穿設されるカバー体と、外部が透視可能な透明材質から形成されるが、前記カバー体と同様に携帯電話が挿脱可能にカバー体の収容孔と同じ形状の挿入孔が穿設されてカバー体の上側に縫着される透明体と、前記透明体に穿設された挿入孔の上端面に繰り返し貼り剥がし可能であり、挿入孔を開閉する粘着体と、を備えることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係る携帯電話用防水カバーにおいて、前記カバー体の収容孔および透明体の挿入孔は、互いに同じ形状を有し、且つ、内側に湾曲した曲線部と、前記曲線部が遭遇する部位に形成される丸みを帯びた拡張部と、をそれぞれ備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る携帯電話用防水カバーによれば、内部に携帯電話が収容されるカバー体がポリウレタン材質からなり、且つ、カバー体に繰り返し貼り剥がし可能な粘着体が形成されることから、ポリウレタン特有の伸びる性質によりカバー体そのものが弾性を有するため、収容孔が広く拡開されて携帯電話のカバー体への挿入が一層容易に行われ、カバー体に収容された携帯電話とカバー体との間の離隔空間が発生しないつつも、粘着体をカバー体の上端面に貼着して収容孔を密閉することにより、水がカバー体の内部に浸入する現象が防止されて携帯電話の安定的な防水がなされるという効果が奏される。
【0017】
また、粘着体の下外側面にカバー体の収容孔の外側部位に繰り返し貼り剥がし可能なフィルム材質の拡張体が形成されることから、フィルム固有の柔軟性により収容孔への密閉力を向上させてカバー体の内部への水の流入を効率よく遮断することができるという効果がある。
【0018】
さらに、前記収容孔は、内側に湾曲した曲線部と、前記曲線部同士が遭遇する個所に形成される丸みを帯びた拡張部と、を備えることから、曲線部の湾曲分だけ粘着体のカバー体の上端面への粘着面積が広くなってカバー体の内部を一層安全に密閉することができ、しかも、カバー体に力を加えるときに拡張部が拡張されて携帯電話のカバー体への挿入が容易に行われるという効果がある。
【0019】
さらに、携帯電話が収容されるカバー体にエンボス模様が陰刻形状で刻まれ、収容された携帯電話に形成されたカメラの部位には透明な材質からなる透明体が形成されることから、エンボス模様が形成されたカバー体により収容された携帯電話にカバー体がくっつかなくなる結果、カバー体への携帯電話の挿入が簡単に行われ、且つ、カバー体に収容された携帯電話のカメラの部位に形成された透明体によりカメラが外部に透視されてカメラ機能が実現されるなど実用性を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーの好適な形態を示す例示図。
【図2A】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーに携帯電話が収容される好適な形態を示す斜視図。
【図2B】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーに携帯電話が収容される好適な形態を示す斜視図。
【図2C】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーに携帯電話が収容される好適な形態を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話が収容されたカバー体に粘着体が貼着される好適な形態を示す例示図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る粘着体に拡張体が形成されてカバー体に貼着される好適な形態を示す例示図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る粘着体に拡張体が形成されてカバー体に貼着される好適な形態を示す断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーに穿設される収容孔の他の例を示す例示図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーに穿設される他の例の収容孔に携帯電話が挿入される実施の形態を示す例示図。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る他の例の収容孔に挿入された携帯電話を粘着体により密閉する形態を示す例示図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話用防水カバーの好適な形態を示す例示図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話用防水カバーの好適な形態を示す断面図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るカバー体の上に透明体が縫着される携帯電話用防水カバーの好適な形態を示す例示図。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るカバー体の上に透明体が縫着される携帯電話用防水カバーの好適な形態を示す断面図。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るカバー体の下側に透明体が縫着される携帯電話用防水カバーの好適な形態を示す断面図。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るカバー体に開放溝が多数凹設される好適な形態を示す断面図。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る収容孔および挿入孔の好適な形態を示す断面図。
【図16A】本発明の第2の実施形態に係る収容孔および挿入孔に携帯電話が収容される好適な形態を示す断面図。
【図16B】本発明の第2の実施形態に係る収容孔および挿入孔に携帯電話が収容される好適な形態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーの好適な形態を示す例示図であり、図2のAからCは、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーに携帯電話が収容される好適な形態を示す斜視図であり、図3は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話が収容されたカバー体に粘着体が貼着される好適な形態を示す例示図である。本発明に適用される通常の携帯電話用防水カバーは、携帯電話を防水材質の防水カバーに収容して、携帯電話が水に浸されたときに防水カバーにより水が携帯電話の内部に浸入することを防止するように構成される。
【0023】
本発明に係る携帯電話用防水カバーは、第1及び第2の実施の形態としてそれぞれ構成され、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話用防水カバーは、図1及び図3に示すように、大別して、携帯電話1が収容されるカバー体10と、カバー体10を密閉する粘着体30と、を備える。
【0024】
カバー体10は、内部に携帯電話1が収容可能に携帯電話1の外形と同じ形状の空間が形成され、内部に収容される携帯電話1を密着して覆うようにポリウレタン材質からなり、上端面に携帯電話1が挿脱可能な収容孔20が穿設される。
【0025】
粘着体30は、カバー体10の上端面に繰り返し貼り剥がし可能であって収容孔20の開閉を図るように構成される。より具体的には、粘着体30の一方側はカバー体10に継続的に固定され、粘着体30の他方側のカバー体10への貼り剥がしが繰り返し行われて収容孔20を開閉する。
【0026】
このため、粘着体30のカバー体10に対する貼り剥がしが行われて、収容孔20を開放するときには携帯電話1の一方側を挿入してカバー体10の端部に携帯電話1の端部を位置させ、携帯電話1の他方側を収容孔20に挿入した後に、カバー体10の他方側の端部に位置させて携帯電話1をカバー体10に収容する。
【0027】
このとき、カバー体10はポリウレタン材質からなるため、収容孔20が広く拡開され、且つ、カバー体10そのものが弾性を有するため携帯電話1の挿入が一層容易になされる。
【0028】
また、収容孔20により携帯電話1がカバー体10の内部に挿入される態様を説明すると、まず、図2のA及びBに示すように、カバー体10の収容孔20を両側に広げて収容孔20を拡張させ、携帯電話1の一方側の端部を収容孔20に挿入した後に押し込んで収容孔20の一方側に収容させ、収容孔20を元に戻して挿入された携帯電話1の一方側を収容孔20の一方側に収容する。
【0029】
携帯電話1の一方側が収容孔20の一方側に収容されれば、図2Cに示すように、携帯電話1の他方側を収容孔20の他方側に挿入し、携帯電話1の他方側が収容孔20に挿入されれば、カバー体10を引っ張ることでカバー体10内への携帯電話1の収容が完了する。
【0030】
さらに、カバー体10への携帯電話1の収容がなされると、粘着体30をカバー体10の上端面に貼着して収容孔20を密閉する。
【0031】
ポリウレタン材質からなるカバー体10は、収容された携帯電話1を密着して覆うことにより携帯電話1のデザインが表出され、且つ、携行し易いため実用性を高めることができるという効果があり、携帯電話1とカバー体10との間の離隔空間が発生しないため一層効率よい密閉がなされて水がカバー体10の内部に浸入するような現象が防止されて携帯電話1の安定的な防水がなされる。
【0032】
また、粘着体30は、カバー体10に繰り返し貼り剥がし可能に粘着剤を粘着体30の下部に塗布することが好ましく、繰り返し貼り剥がし可能な粘着剤は公知の技術であるため、ここでは、粘着体30に塗布される粘着剤についての詳細な説明は省く。
【0033】
さらに、粘着体30は、カバー体10と同様にポリウレタン材質から形成されて、収容孔20を圧着するときにカバー体10に密着されることにより、密閉力を一層高めることができる。
【0034】
ここで、図4及び図5に示すように、粘着体30の下外側面に延設されて収容孔20を開閉可能にカバー体10の収容孔20の外側部位に貼り剥がし可能なフィルム材質の拡張体40が形成される。
【0035】
拡張体40により、カバー体10に貼着されたときにフィルム固有の柔軟性により収容孔20への密閉力を向上させてカバー体10の内部への水の流入を効率よく遮断することができるという効果がある。
【0036】
さらに、拡張体40の下部には、粘着体30と同様に粘着剤を塗布して、カバー体10に対する貼り剥がしが繰り返し行われるようにすることが好ましい。
【0037】
ここで、収容孔20は、図6から図8に示すように、内側に湾曲した曲線部23と、曲線部23同士が遭遇する個所に形成される丸みを帯びた拡張部25と、を備える。
【0038】
また、収容孔20により携帯電話1がカバー体10の内部に挿入される態様を説明すれば、カバー体10の収容孔20の曲線部23を両側に広げて収容孔20を拡開させ、携帯電話1の一方側の端部を収容孔20の拡張部25に挿入した後に押し込んで収容孔20の一方側に収容させ、携帯電話1の他方側を収容孔20の他方側の拡張部25に挿入してカバー体10の内部への携帯電話1の収容が完了する。
【0039】
このため、曲線部23が内側に湾曲した形状を呈して、曲線部23の湾曲分だけ粘着体30のカバー体10の上端面への粘着面積が広くなって粘着体30のカバー体10への粘着力が向上してカバー体10の内部を一層安全に密閉することができ、収容孔20の拡張部25により、携帯電話1をカバー体10に収容するためにカバー体10に力を加えるときに拡張部25が拡張されて、携帯電話1のカバー体10への挿入が容易に行われる。また、カバー体10の力を抜くと、拡張部25は元の広さに戻って粘着剤がカバー体10に貼着してカバー体10の内部が密閉されることにより、カバー体10の内部に水が浸入することが防止される。
【0040】
<第2の実施形態>
ここで、本発明に係る携帯電話用防水カバーの第2の実施形態は、大別して、携帯電話1が収容されるカバー体110と、カバー体110に収容された携帯電話1がカメラ機能を行うように外部が透視可能な透明体120と、カバー体110を密閉する粘着体130と、を備える。
【0041】
図9及び図10に示すように、カバー体110は、携帯電話1の外形とほとんど同様に形成されて内部に携帯電話1を収容可能に構成され、携帯電話1を収容するときに携帯電話1の表面にくっつかないようにエンボス模様111が陰刻形状で刻まれ、上端面に対して携帯電話1が挿脱可能に収容孔113が穿設される。
【0042】
カバー体110に陰刻形状で刻まれたエンボス模様111は、携帯電話1とカバー体110とを離隔させて携帯電話1にカバー体110がくっつかないものの、エンボス模様111そのものが不透明であるため外部が透視されない結果、携帯電話1のカメラ機能が実現されなくなる恐れがあるため、カバー体110に包まれた携帯電話1に形成されるカメラの部位に外部が透視可能な透明材質の透明体120を形成して携帯電話1をカバー体110に収容してもカメラ機能を使用できるようにする。
【0043】
粘着体130は、カバー体110に穿設された収容孔113の上端面への貼り剥がしが繰り返し行われて、収容孔113の開閉を図るように構成されて、粘着体130のカバー体110への貼り剥がしが行われて収容孔113が開放されるときには携帯電話1の一方側を挿入してカバー体110の端部に携帯電話1の端部を位置させ、携帯電話1の他方側を収容孔113に挿入した後にカバー体110の他方側の端部に位置させて携帯電話1をカバー体110に収容させ、携帯電話1がカバー体110内に収容されれば、粘着体130を収容孔113に貼着してカバー体110の内部を密閉する。
【0044】
ここで、第2の実施形態によるカバー体110に透明体120が形成される他の形態を説明すれば、図11及び図12に示すように、内部に携帯電話1が収容可能な空間が形成されてエンボス模様111が陰刻形状で刻まれ、上端面に携帯電話1が収容される収容孔113が穿設されたカバー体110の上側に、外部が透視可能な透明材質から形成され、カバー体110の外形と同様に携帯電話1が挿脱可能な形状を有し、カバー体110の収容孔113と同じ形状の挿入孔123が穿設される透明体120を形成し、透明体120はカバー体110の外側に縫着される。
【0045】
また、カバー体110は内部に収容された携帯電話1のカメラの部位に、カメラが外部を透視可能に開放される開放溝118が凹設される。
【0046】
さらに、透明体120に穿設された挿入孔123の上端面への粘着体130の貼り剥がしが繰り返し行われて透明体120の挿入孔123を開閉する。
【0047】
このため、携帯電話1のカメラの部位に凹設された開放溝118により、カメラが透明体120を介して外部を透視することができてカメラ機能をも実現することができ、且つ、携帯電話1の防水機能はもちろん、エンボス模様111付きカバー体110により収容された携帯電話1にカバー体110がくっつかなくなる結果、カバー体110への携帯電話1の挿入が簡単に行われて実用性を高めることができるという効果がある。
【0048】
さらに、カバー体110および透明体120はポリウレタン材質から形成されるため、収容孔113および挿入孔123が拡開され、且つ、カバー体110および透明体120そのものが弾性を有するため携帯電話の挿脱が容易に行われる。
【0049】
ここで、携帯電話1の種類によってカメラが携帯電話1の両側または上下側のうちどちらか一方側に形成される場合に備えて、図13に示すように、カバー体110の下側に収容された携帯電話1に形成されるカメラの部位に開放される開放溝118が凹設され、外部が透視可能な透明材質からなる透明体120もまたカバー体110の下側に縫着されるように構成して、携帯電話1の下側においても開放溝118を介してカバー体110の下側に縫着された透明体120を通じて外部を透視してカメラの機能を実現する。
【0050】
さらに、図14に示すように、携帯電話1の種類および携帯電話1の機能によってカメラの位置はそれぞれ異なってくるため、開放溝118はカバー体110の表面に多数凹設される。
【0051】
ここで、図15に示すように、カバー体110および透明体120は縫合されるため、携帯電話1を挿入するように穿設されたカバー体110の収容孔113および透明体120の挿入孔123は互いに同じ形状を有するように形成される。具体的に、カバー体110の収容孔113および透明体120の挿入孔123は、内側に湾曲した曲線部114、124と、曲線部114、124同士が遭遇する部位に形成される丸みを帯びた拡張部115、125と、をそれぞれ備える。
【0052】
収容孔113および挿入孔123により携帯電話1が透明体120を介してカバー体110の内部に挿入される態様を説明すれば、図16のA及びBに示すように、透明体120に穿設される挿入孔123の曲線部124およびカバー体110に穿設される収容孔113の曲線部114をそれぞれ両側に広げて収容孔113および挿入孔123を拡開させ、携帯電話1の一方側の端部を挿入孔123の拡張部125および収容孔113の拡張部115に挿入した後に押し込んで収容孔113および挿入孔123の一方側に収容させ、携帯電話1の他方側を収容孔113および挿入孔123の他方側の拡張部115、125にそれぞれ挿入してカバー体110内への携帯電話1の収容が完了する。
【0053】
これにより、曲線部114、124が内側に湾曲した形状を呈して、曲線部114、124の湾曲分だけ粘着体130のカバー体110の上端面への粘着面積が広くなって粘着体130のカバー体110への粘着力が向上してカバー体110の内部を一層安全に密閉することができ、収容孔20の拡張部25により、携帯電話1をカバー体110に収容するためにカバー体110および透明体120に力を加えるときに拡張部115、125が拡張されて、携帯電話1のカバー体110への挿入が容易に行われる。また、カバー体110および透明体120の力を抜くと、拡張部115、125は元の広さに戻って粘着剤130がカバー体110に貼着してカバー体110の内部が密閉されることにより、カバー体110の内部に水が浸入することが防止される結果、携帯電話1の防水機能を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0054】
1:携帯電話、
10:カバー体、
20:収容孔、
23:曲線部、
25:拡張部、
30:粘着体、
40:拡張体、
110:カバー体、
111:エンボス模様、
113:収容孔、
114:曲線部、
115:拡張部、
118:開放溝、
120:透明体、
123:挿入孔、
124:曲線部、
125:拡張部、
130:粘着体、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に携帯電話(1)が収容可能に前記携帯電話(1)の外形と同じ形状の空間が形成され、収容される前記携帯電話(1)を密着して覆うようにポリウレタン材質からなり、上端面に前記携帯電話(1)が挿脱可能な収容孔(20)が穿設されるカバー体(10)と、
前記カバー体(10)の上端面に繰り返し貼り剥がし可能であり、前記収容孔(20)を開閉する粘着体(30)と、
を備える携帯電話用防水カバー。
【請求項2】
前記粘着体(30)の下外側面に延設されて前記収容孔(20)を開閉可能に、前記カバー体(10)の前記収容孔(20)の外側部位に繰り返し貼り剥がし可能なフィルム材質の拡張体(40)が配設されることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話用防水カバー。
【請求項3】
前記収容孔(20)は、内側に湾曲した曲線部(23)と、前記曲線部(23)同士が遭遇する個所に形成される丸みを帯びた拡張部(25)と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯電話用防水カバー。
【請求項4】
内部に携帯電話(1)が収容可能な空間が形成され、前記携帯電話(1)の収容時に前記携帯電話にくっつかないようにエンボス模様(111)が陰刻形状で刻まれ、収容された前記携帯電話(1)に形成されるカメラの部位には外部が透視可能な透明体(120)が形成され、上端面に前記携帯電話(1)が挿脱可能な収容孔(113)が穿設されるカバー体(110)と、
前記カバー体(110)に穿設された前記収容孔(113)の上端面に繰り返し貼り剥がし可能であり、前記収容孔(113)を開閉する粘着体(130)と、
を備える携帯電話用防水カバー。
【請求項5】
内部に携帯電話(1)が収容可能な空間が形成され、前記携帯電話(1)の収容時に前記携帯電話(1)にくっつかないようにエンボス模様(111)が陰刻形状で刻まれ、収容された前記携帯電話(1)に形成されるカメラの部位に開放される開放溝(118)が凹設され、上端面に前記携帯電話(1)が挿脱可能な収容孔(113)が穿設されるカバー体(110)と、
外部が透視可能な透明材質から形成されるが、前記カバー体(110)と同様に前記携帯電話(1)が挿脱可能に前記カバー体(110)の前記収容孔(113)と同じ形状の挿入孔(123)が穿設されて前記カバー体(110)の上側に縫着される透明体(120)と、
前記透明体(120)に穿設された前記挿入孔(123)の上端面に繰り返し貼り剥がし可能であり、前記挿入孔(123)を開閉する粘着体(130)と、
を備えることを特徴とする携帯電話用防水カバー。
【請求項6】
前記カバー体(110)の下側に収容された前記携帯電話(1)に形成される前記カメラの部位に開放される開放溝(118)が凹設され、外部が透視可能な透明材質から形成される前記透明体(120)が前記カバー体(110)の下側に縫着されることを特徴とする請求項5に記載の携帯電話用防水カバー。
【請求項7】
前記開放溝(118)は、前記カバー体(110)の表面に多数凹設されることを特徴とする請求項6に記載の携帯電話用防水カバー。
【請求項8】
前記カバー体(110)の前記収容孔(113)および前記透明体(120)の前記挿入孔(123)は、互いに同じ形状を有し、且つ、内側に湾曲した曲線部(114、124)と、前記曲線部(114、124)が遭遇する部位に形成される丸みを帯びた拡張部(115、125)と、をそれぞれ備えることを特徴とする請求項7に記載の携帯電話用防水カバー。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【公開番号】特開2012−5130(P2012−5130A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136254(P2011−136254)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(511149887)株式会社設計通 (1)
【Fターム(参考)】