説明

携帯電話端末

【課題】 表示部の利便性を向上することができる携帯電話端末を得る。
【解決手段】 ヒンジ部8を中心に開閉可能に連結された上側筐体1及び下側筐体2を有する折り畳み式の携帯電話端末は、上側筐体1の表及び裏面にそれぞれ表示部3,4を備えると共に、更に下側筐体2の裏面にも表示部10を備える。したがって、本発明による折り畳み式の携帯電話端末が折り畳まれた状態で、ユーザは、上側筐体1裏面の表示部4と下側筐体2裏面の表示部10とを視認することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話端末に関し、特に上側筐体の表及び裏面にそれぞれ表示部を有する折り畳み式の携帯電話端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒンジ部を中心に開閉可能に連結された上側筐体及び下側筐体からなる折り畳み式の携帯電話端末として、上側筐体の表及び裏面にそれぞれ表示部を有する折り畳み式の携帯電話端末がある。このような携帯電話端末では、折り畳んだ状態(筐体を閉じた状態)において上側筐体の裏面に設けられた表示部に各種情報を表示することにより、ユーザは閉状態でも表示内容を確認することができ、利便性が向上する。
【0003】
また、特許文献1及び2には、表示画面の拡大のために3つの表示部を備えるようにした携帯電話端末が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−175609号公報
【特許文献2】特開2001−237933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した折り畳み式の携帯電話端末が折り畳んだ状態で机などに置かれる場合、上側筐体を上にして端末を置くのであればユーザは上側筐体の裏面に設けられた表示部を確認することができるが、下側筐体を上にして端末を置くと、上側筐体の裏面に設けられた表示部は机と向き合うことになり、ユーザは表示内容を確認することができない。したがって、ユーザは携帯電話端末を机などに置く際に、置く向きを気にせねばならず不便であった。
【0006】
また、近年の多くの折り畳み式の携帯電話端末にはカメラ機能が備えられている。折り畳んだ状態で上側筐体の裏面に設けられた表示部に被写体を映しながらカメラの撮影ができる端末においては、下側筐体にカメラを実装する必要があるが、このような携帯電話端末において筐体を開いた状態でカメラ撮影をする場合、カメラのレンズに端末を持つ手が掛からないようにユーザは下側筐体の下側を持つ必要があり、操作時に気を使わねばならず不便であった。
【0007】
また、カメラを上側筐体に実装している携帯電話端末においては、筐体を開いた状態でカメラ撮影をする場合はカメラのレンズに手が掛かるなどの操作性には問題ないが、折り畳んだ状態でカメラ撮影を行う場合、下側筐体に表示部がないため表示部に被写体を映しながら撮影を行うことができなかった。
【0008】
なお、特許文献1及び2に記載の携帯電話端末は表示画面の拡大のために3つの表示部を備えているものであり、上述した折り畳み式の携帯電話端末と同様、ユーザが携帯電話端末を机などに置く際に、置く向きを気にせねばならない。
【0009】
本発明の目的は、表示部の利便性を向上することができる携帯電話端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による携帯電話端末は、ヒンジ部を中心に開閉可能に連結された第1及び第2の筐体を含み、前記第1の筐体は、前記第1及び第2の筐体の閉状態において前記第2の筐体と向かい合う表面に第1の表示部を、裏面に第2の表示部をそれぞれ有する折り畳み式の携帯電話端末であって、前記第2の筐体の裏面に第3の表示部を備えることを特徴とする。
【0011】
前記携帯電話端末において、前記第1及び第2の筐体の開閉を検出する開閉検出手段と、前記開閉検出手段による前記第1及び第2の筐体の閉状態の検出に応答して、前記第2及び第3の表示部の一方に情報を表示せしめ他方をオフせしめる制御手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
前記携帯電話端末において、前記一方が設けられた面と同一の面に端末周辺の明るさを検出する光センサ部を備え、前記制御手段は、前記第1及び第2の筐体の閉状態において前記光センサ部により検出される明るさレベルが所定の閾値レベルより小であるとき、前記一方をオフせしめ前記他方に情報を表示せしめることを特徴とする。
【0013】
前記携帯電話端末において、前記制御手段は、前記第1及び第2の筐体の閉状態において所定のユーザ操作に応答して、前記第2及び第3の表示部の表示を切替えることを特徴とする。
【0014】
前記携帯電話端末において、前記第2の表示部が設けられた面と同一の面にカメラ部を備え、前記制御手段は、前記第1及び第2の筐体の閉状態において前記カメラ部が起動されると、前記カメラ部からの画像を前記第3の表示部に表示せしめることを特徴とする。
【0015】
このように、本発明では、ヒンジ部を中心に開閉可能に連結された第1及び第2の筐体を有する折り畳み式の携帯電話端末は、第1の筐体の表及び裏面にそれぞれ表示部を備えるのみならず、更に第2の筐体の裏面にも表示部を備えるようにしている。したがって、本発明による折り畳み式の携帯電話端末が折り畳まれた状態で、ユーザは、第1の筐体裏面の表示部と第2の筐体裏面の表示部とを視認することが可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ヒンジ部を中心に開閉可能に連結された第1及び第2の筐体を有し、第1の筐体の表及び裏面にそれぞれ表示部を備えた折り畳み式の携帯電話端末において、第2の筐体の裏面にも表示部を備えるようにしたことにより、携帯電話端末が折り畳んだ状態で机などに置かれる際、第1の筐体と第2の筐体のどちらを上側にして置かれたとしてもユーザは表示部を視認することができ、携帯電話端末を机などに置く際に置く向きを気にする必要がないので、利便性を向上することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の実施例による携帯電話端末の筐体を開いた状態での外観を示す図であり、(a)は携帯電話端末を正面から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図であり、(c)は携帯電話端末を背面から見た図である。また、図2は図1の携帯電話端末の筐体を閉じた状態での外観を示す図であり、(a)は携帯電話端末を上側筐体側から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図であり、(c)は携帯電話端末を下側筐体側から見た図である。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明の実施例による携帯電話端末は、上側筐体1と下側筐体2がヒンジ部8で接続されヒンジ部8を中心に開閉可能な折り畳み式の携帯電話端末である。図1(a)に示すように、上側筐体1の正面側(折り畳んだ状態で下側筐体2と向かい合う表面)には第1の表示部3と、受話部7と、磁石14とを備え、図1(c)に示すように、上側筐体1の背面側(裏面)にはカメラ部6と、光センサ5と、第2の表示部4とを備えている。また、図1(a)に示すように、下側筐体2の正面側(折り畳んだ状態で上側筐体1と向かい合う表面)には操作部11と、送話部12と、磁気センサ16とを備え、図1(c)に示すように、下側筐体2の背面側(裏面)には電池部9と、第3の表示部10とを備え、図1(b)に示すように、下側筐体2の側面側にはサイドキー13を備えている。
【0020】
図3は本発明の実施例による携帯電話端末の構成を示すブロック図である。図3に示すように、第1の表示部3、カメラ部6、第2の表示部4、光センサ5、操作部11、サイドキー13、第3の表示部10及び磁気センサ16は制御部15に接続されている。また、上側筐体1の磁石14と下側筐体2の磁気センサ16は、上側筐体1と下側筐体2の開閉を検出する開閉検出手段である。なお、図3においては、図1及び図2に示した受話部7、送話部12及び電池部9は本発明と直接関係しないため、その図示を省略している。
【0021】
図1に示すように、携帯電話端末の筐体を開いている状態においては、磁気センサ16は開状態を検出する。制御部15は磁気センサ16による開状態の検出に応答して、第1の表示部3に各種情報を表示させる(図1(a)参照)。このとき、第2の表示部4及び第3の表示部10は制御部15によりオフされる(図1(c)参照)。
【0022】
図2に示すように、携帯電話端末の筐体を閉じている状態においては、磁気センサ16は閉状態を検出する。制御部15は磁気センサ16による閉状態の検出に応答して、第2の表示部4に各種情報を表示させる(図2(a)参照)。このとき、第1の表示部3は制御部15によりオフされ、第3の表示部10も制御部15によりオフされる(図2(c)参照)。
【0023】
図4は本発明の実施例による携帯電話端末の下側筐体2を下側にして端末を机20に置いた場合の状態を示す図であり、(a)は携帯電話端末を上側筐体側から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図である。また、図5は本発明の実施例による携帯電話端末の上側筐体1を下側にして端末を机20に置いた場合の状態を示す図であり、(a)は携帯電話端末を下側筐体側から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図である。
【0024】
図4に示すように、携帯電話端末を折り畳んだ状態で下側筐体2を下側にして机20に置いた場合、第2の表示部4は各種情報を表示した状態のままである(図4(a)参照)。次に図5に示すように、携帯電話端末を折り畳んだ状態で上側筐体1を下側にして机20に置いた場合、光センサ5は下側で光が遮断されたことを検出する。すなわち、光センサ5により検出される明るさレベルが所定の閾値レベルより小となって光が遮断されたと判断されると、制御部15は第3の表示部10に各種情報を表示させる(図5(a)参照)。このとき、第2の表示部4の表示は制御部15によりオフされる。
【0025】
以上説明したように、本発明の実施例による折り畳み式の携帯電話端末は、3つの表示部3,4及び10を備えており、筐体を閉じている状態で端末を机などに置く場合、上側筐体1を上側にして置いた場合は第2の表示部4には情報を表示したままとなり、また、下側筐体2を上側にして置いた場合は光センサ5の検出結果を基に第3の表示部10に情報を表示し、第2の表示部4の表示はオフする。このように、携帯電話端末の上側筐体1と下側筐体2のどちら側を上にして置いても上側となる表示部には各種情報が表示されるので、ユーザは端末を置く向きなどを気にする必要がなく、よって利便性を向上することができる。
【0026】
なお、本発明の実施例においては更に、例えばサイドキー13を押下することにより、ユーザが第2の表示部4と第3の表示部10の表示を切替えることができるようにしてもよい。
【0027】
すなわち、図2に示すように、携帯電話端末の筐体を閉じた状態で第2の表示部4のみが各種情報の表示を行なっている状態において、ユーザがサイドキー13を押下すると、制御部15はサイドキー13の押下に応答して、第2の表示部4の表示をオフし、第3の表示部10に各種情報の表示を行なわせる。このときの状態が図6に示されている。なお、図6は図2の状態においてサイドキー13が押下された場合の携帯電話端末の外観を示す図であり、(a)は携帯電話端末を上側筐体側から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図であり、(c)は携帯電話端末を下側筐体側から見た図である。
【0028】
この場合、再びサイドキー13が押下されれば、制御部15の制御により第3の表示部10の表示がオフされ、第2の表示部4に表示が切替えられることは勿論である。
【0029】
また、本発明の実施例による携帯電話端末では、下側筐体2に第3の表示部10を設けているため、携帯電話端末の筐体を閉じた状態で上側筐体1に設けられたカメラ部6を用いて撮影を行なう場合でも、ユーザはカメラ部6からの画像を確認しながら撮影を行うことができる。
【0030】
図7は本発明の実施例による携帯電話端末の筐体を閉じた状態でカメラ部6を用いて撮影を行なう場合の状態を示す図である。まず、携帯電話端末の筐体を閉じた状態でカメラ部6が起動されると、図7に示すように、制御部15は第3の表示部10をオンし、カメラ部6からの画像を第3の表示部10に表示させる。したがって、ユーザは被写体30を第3の表示部10で確認しながら撮影を行うことができるのである。なお、この場合、サイドキー13をカメラ撮影のシャッターキーとして用いるようにしてもよい。
【0031】
従来の携帯電話端末は表示部を1つ、または2つ備えているものが一般的であり、携帯電話端末の筐体を閉じている状態でカメラ撮影できるものとしては、カメラを下側筐体に実装して上側筐体の背面側の表示部に被写体を映して撮影するものがある。その他、ヒンジ部に回転ヒンジ構造や2軸ヒンジ構造を採用して上側筐体の正面側の表示部に被写体を映して撮影するものもある。本発明の実施例による携帯電話端末は下側筐体2の背面側に第3の表示部10を備えているため、カメラ6を上側筐体1に実装し通常の折り畳み式のヒンジ8を採用しても、携帯電話端末の筐体を閉じた状態でカメラ撮影をする場合、上述したように下側筐体2に実装している第3の表示部10に被写体を映して撮影をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例による携帯電話端末の筐体を開いた状態での外観を示す図であり、(a)は携帯電話端末を正面から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図であり、(c)は携帯電話端末を背面から見た図である。
【図2】図1の携帯電話端末の筐体を閉じた状態での外観を示す図であり、(a)は携帯電話端末を上側筐体側から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図であり、(c)は携帯電話端末を下側筐体側から見た図である。
【図3】図1の携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例による携帯電話端末の下側筐体を下側にして端末を机に置いた場合の状態を示す図であり、(a)は携帯電話端末を上側筐体側から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図である。
【図5】本発明の実施例による携帯電話端末の上側筐体を下側にして端末を机に置いた場合の状態を示す図であり、(a)は携帯電話端末を下側筐体側から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図である。
【図6】図2の状態においてサイドキーが押下された場合の携帯電話端末の外観を示す図であり、(a)は携帯電話端末を上側筐体側から見た図であり、(b)は携帯電話端末を側面から見た図であり、(c)は携帯電話端末を下側筐体側から見た図である。
【図7】本発明の実施例による携帯電話端末の筐体を閉じた状態でカメラ部を用いて撮影を行なう場合の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1 上側筐体
2 下側筐体
3 第1の表示部
4 第2の表示部
5 光センサ
6 カメラ部
7 受話部
8 ヒンジ部
9 電池部
10 第3の表示部
11 操作部
12 送話部
13 サイドキー
14 磁石
15 制御部
16 磁気センサ
20 机
30 被写体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ部を中心に開閉可能に連結された第1及び第2の筐体を含み、前記第1の筐体は、前記第1及び第2の筐体の閉状態において前記第2の筐体と向かい合う表面に第1の表示部を、裏面に第2の表示部をそれぞれ有する折り畳み式の携帯電話端末であって、
前記第2の筐体の裏面に第3の表示部を備えることを特徴とする携帯電話端末。
【請求項2】
前記第1及び第2の筐体の開閉を検出する開閉検出手段と、前記開閉検出手段による前記第1及び第2の筐体の閉状態の検出に応答して、前記第2及び第3の表示部の一方に情報を表示せしめ他方をオフせしめる制御手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の携帯電話端末。
【請求項3】
前記一方が設けられた面と同一の面に端末周辺の明るさを検出する光センサ部を備え、前記制御手段は、前記第1及び第2の筐体の閉状態において前記光センサ部により検出される明るさレベルが所定の閾値レベルより小であるとき、前記一方をオフせしめ前記他方に情報を表示せしめることを特徴とする請求項2記載の携帯電話端末。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1及び第2の筐体の閉状態において所定のユーザ操作に応答して、前記第2及び第3の表示部の表示を切替えることを特徴とする請求項2または3記載の携帯電話端末。
【請求項5】
前記第2の表示部が設けられた面と同一の面にカメラ部を備え、前記制御手段は、前記第1及び第2の筐体の閉状態において前記カメラ部が起動されると、前記カメラ部からの画像を前記第3の表示部に表示せしめることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載の携帯電話端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−36636(P2007−36636A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216605(P2005−216605)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】