説明

撮像再生装置

【課題】動画データに対応する位置情報を効率良く記録し、再生時にはその位置情報を動画の概要とともに明確に表示する。
【解決手段】指定された動画ファイルに含まれる撮像場所の位置情報が変化点位置情報531から読み出されて、その位置情報の各位置を全て網羅する地図情報が地図情報取得部352によって地図情報データベース800から取得される。また、各位置に対応するサムネイルがサムネイル取得部330によって変化点サムネイル532から取得される。位置情報、地図情報およびサムネイルに基づいて地図描画部360によって地図が描画される。何れかのサムネイルがユーザによって選択指示されると、そのサムネイルに対応する動画が動画再生部310によって再生される。再生された動画表示は、描画された地図と重ね合せ部380によって重ね合わされて、表示部390に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画の撮像再生装置に関し、特に撮像装置、再生装置、撮像再生装置、および、これらにおける処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動画を撮像するための撮像装置が普及し、多くのユーザが気軽に動画を撮像できるようになっている。ユーザは簡単な操作によって動画を撮像できるため、気が向くままに街並みや風景を撮像し、その結果、撮像された動画データが大量に蓄積されていくことになる。
【0003】
このように大量に動画データが蓄積されていくと、ユーザは自身で撮像したものであってもその撮像した位置を全て記憶しておくことは困難になる。そのため、撮像した動画データとその撮像位置とを何らかの形で関連付けておくことが必要になる。例えば、カメラ部によって撮像された画像データとGPS(Global Positioning System)から取得した位置データとを相関付けて記録する記録システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−18506号公報(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、画像データと位置データとを記録することにより、画像データ再生時に位置データに基づいた位置表示を行っている。しかしながら、この従来技術では位置データの記録タイミングについて明らかではない。もし、動画の撮像中に一定間隔毎に位置データを全て記録した場合には、その間隔次第ではデータ領域を多く費やしてしまうおそれがある。一方、動画ファイル単位で位置データを記録した場合には、場所を移動しながら撮像が行われた際に、正確な撮像位置を記録することができなくなるおそれがある。
【0005】
また、場所を移動しながら撮像が行われた場合、動画再生の候補となる撮像位置の地理的分布とその動画の概要を容易に把握できることが望ましい。
【0006】
そこで、本発明は、動画データに対応する位置情報を効率良く記録し、再生時にはその位置情報を動画の概要とともに明確に表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、動画データに付随する位置情報を取得する位置情報取得手段と、上記位置情報に含まれる複数の位置を網羅する地図情報を取得する地図情報取得手段と、上記複数の位置にそれぞれ対応する複数の代表画像を取得する代表画像取得手段と、上記地図情報および上記位置情報に基づいて上記複数の位置およびこれらに対応する代表画像を印した地図を地図表示画面に描画する地図描画手段と、上記地図表示画面を表示する表示手段とを具備することを特徴とする動画再生装置である。これにより、地図表示画面の対応する位置に縮小画像を表示させ、その縮小画像の選択によって動画データの再生操作指示を直感的に行わせるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記動画データは1つの動画ファイルとして実現されることができる。これにより、1つの動画ファイルに複数の位置を記録しておいて、それら複数の位置から画面表示を行わせるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記複数の位置は撮像時の位置情報の変化を示す位置として記録され得る。すなわち、位置情報に変化を生じた場合のみ当該位置を記録しておいて、再生の際にその位置を利用することによって処理の効率化をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記複数の代表画像を選択する操作指示を受け付ける操作受付手段と、上記複数の代表画像のうち上記操作受付手段によって選択の操作指示を受け付けられた代表画像に対応する動画データを再生して再生表示画面に出力する動画再生手段と、上記再生表示画面と上記地図表示画面とを同一画面に重ね合わせる重ね合せ手段とをさらに具備し、上記表示手段が上記重ね合わされた画面を表示するようにしてもよい。これにより、地図表示画面における選択によって動画データが再生された様子を明示させるという作用をもたらす。また、このとき、上記重ね合せ手段が、再生中の動画データに対応する位置を中心として上記地図表示画面の上に上記再生表示画面を重ね合わせるようにしてもよい。これにより、地図表示画面における元の位置をより明確にユーザに意識させるという作用をもたらす。
【0011】
また、本発明の第2の側面は、撮像した画像を動画データとして記録する動画記録手段と、上記動画データの記録中に撮像場所の位置情報を撮像位置情報として取得する撮像位置情報取得手段と、上記撮像位置情報取得手段によって取得された前記撮像位置情報を前回撮像位置情報として保持する前回撮像位置情報保持手段と、上記撮像位置情報と上記前回撮像位置情報とを比較して上記撮像位置情報の示す位置が上記前回撮像位置情報の示す位置より変化したことを示す変化点を検出する変化点検出手段と、上記変化点が検出されると上記撮像位置情報を変化点位置情報として記録する変化点位置情報記録手段と、上記変化点が検出されると撮像中の動画の縮小画像を代表画像として生成する代表画像生成手段と、上記変化点位置情報を取得する位置情報取得手段と、上記変化点位置情報に含まれる複数の位置を網羅する地図情報を取得する地図情報取得手段と、上記複数の位置にそれぞれ対応する上記代表画像を取得する代表画像取得手段と、上記地図情報および上記位置情報に基づいて上記複数の位置およびこれらに対応する代表画像を印した地図を地図表示画面に描画する地図描画手段と、上記地図表示画面を表示する表示手段とを具備することを特徴とする動画再生装置である。これにより、動画撮像時に変化点を検出してその際の位置情報および縮小画像を記録しておいて、位置情報に基づいて表示された縮小画像の選択によって動画データの再生操作指示を直感的に行わせるという作用をもたらす。
【0012】
また、本発明の第3の側面は、動画データに付随する位置情報を取得する手順と、上記位置情報に含まれる複数の位置を網羅する地図情報を取得する手順と、上記複数の位置にそれぞれ対応する複数の代表画像を取得する手順と、上記地図情報および上記位置情報に基づいて上記複数の位置およびこれらに対応する代表画像を印した地図を地図表示画面に描画する手順と、上記地図表示画面を表示する手順とを具備することを特徴とする動画再生方法またはこれら手順をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。これにより、地図表示画面の対応する位置に縮小画像を表示させ、その縮小画像の選択によって動画データの再生操作指示を直感的に行わせるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、動画データに対応する位置情報を効率良く記録し、再生時にはその位置情報を動画の概要とともに明確に表示することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置100の一構成例を示す図である。この撮像装置100は、操作部110と、カメラ部120と、メモリ130と、表示部140と、記録部150と、制御部160とを備える。
【0016】
操作部110は、ユーザからの操作入力を受け付けるものである。この操作部110は、撮像装置に備えられた操作ボタンや、表示部140と一体化されたタッチパネルとして実現することができる。
【0017】
カメラ部120は、被写体を撮像するものであり、レンズなどの光学ブロックや、CCD(Charge Coupled Devices)などの信号変換部を含んで構成される。メモリ130は、カメラ部120によって撮像された動画データを一時的に保持する作業領域であり、一般に揮発性メモリが使用される。
【0018】
表示部140は、撮像中の動画や再生動画などをLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイに表示するものである。なお、この表示部140は、上述のように、操作部110と一体化して構成してもよい。
【0019】
記録部150は、撮像された動画データやその動画データに付随する情報を記録するものであり、一般に不揮発性の記録媒体が使用される。制御部160は、撮像装置100の各部を制御するものであり、例えばプログラム制御されるマイコンなどにより実現される。
【0020】
また、撮像装置100は、GPS受信部170や速度/加速度センサー180を内蔵もしくは外部接続することができる。GPS受信部170は、GPS衛星から撮像装置100の位置に関する情報(位置情報)を受信するものである。速度/加速度センサー180は、撮像装置100の速度や加速度を感知するセンサーであり、例えば、角速度を感知するジャイロセンサーや、加速度を感知する加速度センサーを用いることができる。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態における撮像装置100の動画記録のための機能構成例を示す図である。ここでは、位置測定部210と、撮像位置情報取得部220と、前回撮像位置情報保持部230と、変化点検出部240と、位置測定タイマー250と、システムタイマー260と、サムネイル生成部270と、速度/加速度測定部280とを想定している。
【0022】
位置測定部210は、撮像装置100の所在位置を測定するものであり、例えば、撮像装置100の外部のGPSが利用される。撮像位置情報取得部220は、動画の撮像中に撮像場所の位置情報を位置測定部210から取得するものであり、図1のGPS受信部170に相当するものである。前回撮像位置情報保持部230は、撮像位置情報取得部220によって取得された撮像場所の位置情報を前回撮像位置情報として保持するものである。ここで、位置情報としては、例えば、GPS受信部170より取得した緯度および経度に関する情報でもよく、また、図8において説明する地名情報データベース700を利用して取得される国名、都市名、地域名などの地名に関する情報であってもよい。
【0023】
変化点検出部240は、撮像位置情報取得部220によって取得された撮像位置情報と前回撮像位置情報保持部230に保持された前回撮像位置情報とを比較するものであり、撮像位置情報の示す位置と前回撮像位置情報の示す位置とが変化している場合にそれを「変化点」として検出する。例えば、前回撮像位置情報保持部230に保持された緯度および経度に関する情報と撮像位置情報の示す緯度および経度に関する情報とを比較し、所定距離離れていることを検出した場合に、「変化点」として検出してもよく、また、前回撮像位置情報保持部230に保持された地名と撮像位置情報が示す地名とを比較し、地名が異なっている場合に、「変化点」として検出してもよい。例えば、所定距離としては、位置情報に対応する地名が変わり得る程度であることが望ましく、例えば、数百メートルから数キロメートルを想定することができる。
【0024】
なお、変化点検出部240は、変化点を検出した場合、撮像位置情報の示す位置を新たな前回撮像位置情報として前回撮像位置情報保持部230に保持させる。また、動画データの記録開始時には、記録動作が開始されたときの撮像位置情報を前回撮像位置情報として前回撮像位置情報保持部230に保持させるようにしてもよい。
【0025】
変化点検出部240において変化点が検出された場合、撮像位置情報取得部220によって取得された撮像位置情報は、新たな前回撮像位置情報として前回撮像位置情報保持部230に保持される。また、この場合、撮像位置情報取得部220によって取得された撮像位置情報は、メタデータ530における変化点位置情報531に記録される。さらにこのとき、変化点位置情報531に対応する撮像中の動画の縮小画像がサムネイル生成部270によってサムネイル(代表画像)として生成されて、メタデータ530における変化点サムネイル532に記録される。
【0026】
位置測定タイマー250は、撮像位置情報取得部220における位置情報の取得間隔を計時するタイマーである。これにより、撮像位置情報取得部220は、一定間隔で位置測定部210から位置情報を取得することができる。
【0027】
システムタイマー260は、現在時刻を計時するものである。このシステムタイマー260による現在時刻は、変化点位置情報531の一部もしくは付随する情報として記録される。
【0028】
サムネイル生成部270は、変化点検出部240において変化点が検出された際に撮像中の動画の縮小画像をサムネイルとして生成するものである。上述のように、このサムネイル生成部270によって作成されたサムネイルは変化点サムネイル532に記録される。
【0029】
速度/加速度測定部280は、撮像装置100の速度や加速度を含む運動状態を感知するセンサーであり、図1の速度/加速度センサー180に相当するものである。したがって、例えば、角速度を感知するジャイロセンサーや、加速度を感知する加速度センサーを用いることができる。
【0030】
メタデータ530は、動画データに付随する情報を保持するものであり、上述の変化点位置情報531や変化点サムネイル532を含む。なお、このメタデータ530のデータ構造については後述する。
【0031】
図3は、本発明の実施の形態におけるメタデータ530の記録タイミングの一例を示す図である。ここでは、時刻t1からt4の間に撮像装置によって動画が撮像されたものとする。そして、位置測定タイマー250に規定される一定間隔で撮像位置情報取得部220が位置測定部210から位置情報を取得するものとする。
【0032】
まず、時刻t1に撮像が開始されると、撮像位置情報取得部220によって位置Aの位置情報が取得され、その位置情報が変化点位置情報Lとして記録される。また、このとき、サムネイル生成部270によってサムネイルが生成されて、そのサムネイルが変化点サムネイルPとして記録される。その後、一定間隔経過後に撮像位置情報取得部220によって位置情報の取得が行われるが、前回の位置から所定距離離れていないため、メタデータの記録は行わない。
【0033】
さらに一定間隔経過して時刻t2に撮像位置情報取得部220が位置情報を取得すると、前回の位置Aから所定距離離れているため、取得した位置Bの位置情報が変化点位置情報Lとして記録される。また、このとき、サムネイル生成部270によってサムネイルが生成されて、そのサムネイルが変化点サムネイルPとして記録される。
【0034】
このような動作を繰り返し、その後、時刻t3に撮像位置情報取得部220が位置情報を取得すると、前回の位置Bから所定距離離れているため、取得した位置Cの位置情報が変化点位置情報Lとして記録される。また、このとき、サムネイル生成部270によってサムネイルが生成されて、そのサムネイルが変化点サムネイルPとして記録される。
【0035】
このようにして、前回の位置から所定距離離れた際に位置情報やサムネイルを記録することにより、効率の良いメタデータの記録が行われる。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態における動画ファイル500のファイル構造の一例を示す図である。動画ファイル500は、ファイルヘッダ510と、動画データ520と、メタデータ530と、その他のデータ540とから構成される。
【0037】
ファイルヘッダ510は、動画ファイル500のヘッダ情報を記録する領域であり、動画データ520やメタデータ530の動画ファイル500における位置(アドレス)などを保持する。動画データ520は、動画の内容を記録するものであり、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式などの圧縮方式が用いられる。
【0038】
メタデータ530は、動画データ520に付随する情報を記録する領域であり、変化点位置情報531や変化点サムネイル532などを含む。変化点位置情報531は、変化点検出部240によって変化点が検出された際の撮像装置100の位置情報を記録するものである。変化点サムネイル532は、変化点検出部240によって変化点が検出された際に撮像中であった動画のサムネイルを記録するものである。
【0039】
図5は、本発明の実施の形態における位置情報600のデータ構造の一例を示す図である。図4における変化点位置情報531に記録される位置情報600は、共通情報610と、個別情報620と、開始時刻601と、終了時刻602とを備える。
【0040】
共通情報610は、位置情報600全体に共通する情報を記録するものである。個別情報620は、各変化点に対応する個別の情報を記録するものである。また、開始時刻601および終了時刻602は、個別情報620に対応する動画の開始時刻および終了時刻をそれぞれ記録するものである。
【0041】
このように、位置情報600には、複数の撮像位置に関する個別情報620およびその動画の開始時刻および終了時刻が記録される。
【0042】
図6は、本発明の実施の形態における位置情報600の共通情報610のデータ構造の一例を示す図である。この共通情報610は、4バイト(1バイトは8ビット)のGPSタグバージョン611と、7バイトの測地系612とを保持する。
【0043】
GPSタグバージョン611は、個別情報620で用いられるフォーマットのバージョンを示すものである。測地系612は、個別情報620で用いられる緯度および経度の測地基準を示すものである。この測地系612としては、例えば、Tokyo Datumと呼ばれる日本測地系やWGS−84などの世界測地系が利用される。
【0044】
図7は、本発明の実施の形態における位置情報600の個別情報620のデータ構造の一例を示す図である。この個別情報620は、100バイトの必須項目630と、30バイトのオプション項目640とから構成される。
【0045】
必須項目630は、2バイトの南北区分621と、24バイトの緯度622と、2バイトの東西区分623と、24バイトの経度624と、1バイトの高度区分625と、8バイトの高度626と、2バイトのGPS受信機状態627と、8バイトの測位信頼性628と、24バイトの測位時間629と、3バイトの使用衛星数631と、2バイトのGPS測位方法632とから構成される。これらのデータは位置測定部210によって測定されたデータに対応するものである。
【0046】
緯度622は、GPSにより測位された緯度を示すものである。南北区分621は、緯度622の北緯または南緯の別を示すものである。経度624は、GPSにより測位された経度を示すものである。東西区分623は、経度624の東経または西経の別を示すものである。高度626は、GPSにより測定された高度を示すものである。高度区分625は、高度626の海抜高度などの区分を示すものである。
【0047】
GPS受信機状態627は、GPSにおける測位の成功または失敗の別を示すものである。測位信頼性628は、GPSにおける測位時のDOP(Dilution Of Precision)値、すなわち測定精度の劣化の度合いを示すものであり、その度合いに応じて例えば四段階程度(A乃至Dなど)の指標を付与することができる。測位時間629は、測位された時間を示すものである。使用衛星数631は、測位に使用されたGPS衛星の数を示すものである。GPS測位方法632は、二次元測位または三次元測位の別を示すものである。
【0048】
また、オプション項目640は、2バイトの速度単位641と、8バイトの速度642と、2バイトの進行方向単位643と、8バイトの進行方向644と、2バイトの画像方位単位645と、8バイトの画像方位646とから構成される。これらのデータは速度/加速度測定部280によって測定されたデータに対応するものである。
【0049】
速度642は、測定された速度を示すものである。速度単位641は、速度642の単位を示すものである。進行方向644は、撮像装置100の進行方向を示すものである。進行方向単位643は、進行方向644の単位を示すものである。画像方位646は、撮像されている画像の方位を示すものである。画像方位単位645は、画像方位646の単位を示すものである。
【0050】
図8は、本発明の実施の形態における撮像装置100の動画再生のための機能構成例を示す図である。ここでは、動画再生部310と、位置情報取得部320と、サムネイル取得部330と、地名情報取得部351と、地図情報取得部352と、地図描画部360と、重ね合せ部380と、表示部390と、操作受付部410と、地名情報データベース700と、地図情報データベース800とを想定している。
【0051】
動画再生部310は、動画データ520における動画を再生するものである。この動画再生部310による動画の再生時刻、すなわち再生されている動画部分に対応する時刻は、変化点位置情報531の索引に用いられる。
【0052】
位置情報取得部320は、地図全体を描画する際には変化点位置情報531から各位置の位置情報を取得し、また、動画再生中には動画再生部310による動画の再生時刻によって変化点位置情報531を索引して再生位置の位置情報を取得するものである。再生時刻によって変化点位置情報531を索引する場合には、位置情報600における開始時刻601および終了時刻602と再生時刻とを比較することにより、対応する動画部分が特定され、対応する場所の個別情報が取得される。
【0053】
サムネイル取得部330は、地図全体を描画する際に変化点サムネイル532から各位置におけるサムネイルを取得するものである。
【0054】
地名情報データベース700は、地名情報を位置情報と関連付けて保持するデータベースである。地名情報取得部351は、地図全体を描画する際に、位置情報取得部320により取得された位置情報によって地名情報データベース700を索引して、関連する地名情報を取得するものである。
【0055】
地図情報データベース800は、地図を描画するための地図情報を緯度や経度による位置情報と関連付けて保持するデータベースである。地図情報取得部352は、地図全体を描画する際に、位置情報取得部320によって取得された位置情報によって地図情報データベース800を索引して、関連する地図情報を取得するものである。
【0056】
地図描画部360は、地図情報取得部352によって取得された地図情報、位置情報取得部320によって取得された位置情報、地名情報取得部351によって取得された地名情報、サムネイル取得部330によって取得されたサムネイルに基づいて、撮像位置を記した地図を描画するものである。
【0057】
重ね合せ部380は、地図描画部360によって描画された地図と動画再生部310によって再生された動画とを重ね合わせて1画面分の表示データを生成するものである。表示部390は、重ね合せ部380によって生成された表示データをLCD等のディスプレイに表示するものである。操作受付部410は、ユーザからの操作指示入力を受け付けるものであり、例えば、撮像装置に備えられた操作ボタンや、表示部390と一体化されたタッチパネル等を想定することができる。
【0058】
図9は、本発明の実施の形態における動画再生前画面の表示例を示す図である。操作受付部410が動画ファイル選択の指示を受けると、表示部390には地図表示画面391が表示される。
【0059】
地図表示画面391には、操作受付部410により選択された動画ファイルに含まれる動画の撮像位置(この例では、3個所)が地図上に描画されて印される。これら撮像位置は、位置情報取得部320によってメタデータ530の変化点位置情報531から取得されたものである。また、地図は地図情報取得部352によって地図情報データベース800から取得されたものである。また、撮像位置に付された地名(この例では、場所A、場所B、および、場所C)は地名情報データベース700から取得されたものである。
【0060】
撮像位置のマークには色や模様などによってその撮像位置に応じた属性情報を表示することができる。例えば、位置情報のGPS受信機状態627が測位の失敗を示しているときには撮像位置の色を赤色にして、その撮像位置は推測によるものである旨を表示することができる。また、位置情報の測位信頼性628に応じて青色から赤色に変化させて、その撮像位置の正しさの度合い(確率)を表示することができる。なお、ここでは撮像位置のマークの形状として丸印を採用しているが、これに限るものではなく、多角形や星形などの形状を有するものであってもよい。
【0061】
また、地図表示画面391には、操作受付部410により選択された動画ファイルに含まれる動画の各位置におけるサムネイル(この例では、サムネイルA(392)、B(393)およびC(394)の3個所)が地図上に示される。これらサムネイルは、サムネイル取得部330によって変化点サムネイル532から取得されたものである。
【0062】
この動画再生前画面において、操作受付部410により何れかのサムネイルが選択指示されると、対応する動画の再生が開始する。
【0063】
図10は、本発明の実施の形態における動画再生中画面の表示例を示す図である。ここでは、操作受付部410によってサムネイルA(392)が選択指示されることにより、サムネイルA(392)に対応する動画が再生表示画面395に表示される。この再生表示画面395は、場所Aの位置が中心となるように、重ね合せ部380によって重ね合せられる。すなわち、サムネイルB(393)が選択指示された場合にはサムネイルB(393)に対応する動画が場所Bの位置の中心に表示され、また、サムネイルC(394)が選択指示された場合にはサムネイルC(394)に対応する動画が場所Cの位置の中心に表示されることになる。
【0064】
サムネイルA(392)に対応する動画の再生が終了した後は、再び図9に例示した画面に戻ってユーザからの操作指示を待機する。もしくは、動画ファイルにおける記録順序に従って、サムネイルB(393)に対応する動画の再生表示画面395を場所Bの位置の中心に表示し、次にサムネイルC(394)に対応する動画の再生表示画面395を場所Cの位置の中心に表示してもよい。
【0065】
なお、ここでは地図上にコンテンツとしての再生表示画面395を表示する、いわゆるコンテンツ・オン・マップ(Contents On Map)の例を示したが、これに限定することなく、再生表示画面395を表示部390の全体に表示するようにしてもよい。
【0066】
図11は、本発明の実施の形態における動画再生までの処理手順の一例を示す流れ図である。動画ファイルが指定されると、その動画ファイルのメタデータ530の変化点位置情報531が位置情報取得部320によって読み出されて、動画ファイル内の全ての位置情報が取得される(ステップS911)。
【0067】
取得された位置情報に含まれる位置を全て網羅する地図情報が地図情報取得部352によって取得されるとともに(ステップS912)、各位置の地名情報が地名情報取得部351によって取得される(ステップS913)。また、各位置に対応するサムネイルがサムネイル取得部330によって取得される(ステップS914)。そして、これら取得された位置情報、地図情報、地名情報およびサムネイルに基づいて、地図描画部360によって地図表示画面391に表示すべき地図が描画される(ステップS915)。
【0068】
その後、操作受付部410によって動画の再生指示が受け付けられると(ステップS917)、動画再生部310によってその動画の再生が開始する(ステップS920)。この再生された動画の再生表示画面395は、地図表示画面391の上に重ね合せ部380によって重ね合わせられて、表示部390に表示される(ステップS921)。このとき、重ね合せ部380は、再生中の動画に対応する位置を中心として地図表示画面391の上に重ね合せを行う。
【0069】
このように、本発明の実施の形態によれば、サムネイル取得部330により取得されたサムネイルを地図上の対応する位置に示しておいて、何れかのサムネイルがユーザによって選択指示された際にそのサムネイルに対応する動画を再生表示画面395に表示することにより、直感的に分かり易いユーザインターフェースを提供することができる。
【0070】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0071】
すなわち、請求項1において、位置情報取得手段は例えば位置情報取得部320に対応する。また、地図情報取得手段は例えば地図情報取得部352に対応する。また、代表画像取得手段は例えばサムネイル取得部330に対応する。また、地図描画手段は例えば地図描画部360に対応する。また、表示手段は例えば表示部390に対応する。
【0072】
また、請求項2において、操作受付手段は例えば操作受付部410に対応する。また、動画再生手段は例えば動画再生部310に対応する。また、重ね合せ手段は例えば重ね合せ部380に対応する。
【0073】
また、請求項4において、動画記録手段は例えば記録部150に対応する。また、撮像位置情報取得手段は例えば撮像位置情報取得部220に対応する。また、前回撮像位置情報保持手段は例えば前回撮像位置情報保持部230に対応する。また、変化点検出手段は例えば変化点検出部240に対応する。また、変化点位置情報記録手段は例えば変化点位置情報531に対応する。また、代表画像生成手段は例えばサムネイル生成部270に対応する。位置情報取得手段は例えば位置情報取得部320に対応する。また、地図情報取得手段は例えば地図情報取得部352に対応する。また、代表画像取得手段は例えばサムネイル取得部330に対応する。また、地図描画手段は例えば地図描画部360に対応する。また、表示手段は例えば表示部390に対応する。
【0074】
また、請求項5または6において、動画データに付随する位置情報を取得する手順は例えばステップS911に対応する。また、位置情報に含まれる複数の位置を網羅する地図情報を取得する手順は例えばステップS912に対応する。また、複数の位置にそれぞれ対応する複数の代表画像を取得する手順は例えばステップS914に対応する。また、地図情報および位置情報に基づいて複数の位置およびこれらに対応する代表画像を印した地図を地図表示画面に描画する手順は例えばステップS915に対応する。また、地図表示画面を表示する手順は例えばステップS921に対応する。
【0075】
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態における撮像装置100の一構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における撮像装置100の動画記録のための機能構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるメタデータ530の記録タイミングの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における動画ファイル500のファイル構造の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における位置情報600のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における位置情報600の共通情報610のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における位置情報600の個別情報620のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における撮像装置100の動画再生のための機能構成例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における動画再生前画面の表示例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における動画再生中画面の表示例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における動画再生までの処理手順の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0077】
100 撮像装置
110 操作部
120 カメラ部
130 メモリ
140 表示部
150 記録部
160 制御部
170 GPS受信部
180 速度/加速度センサー
210 位置測定部
220 撮像位置情報取得部
230 前回撮像位置情報保持部
240 変化点検出部
250 位置測定タイマー
260 システムタイマー
270 サムネイル生成部
280 速度/加速度測定部
310 動画再生部
320 位置情報取得部
330 サムネイル取得部
351 地名情報取得部
352 地図情報取得部
360 地図描画部
380 重ね合せ部
390 表示部
410 操作受付部
500 動画ファイル
510 ファイルヘッダ
520 動画データ
530 メタデータ
531 変化点位置情報
532 変化点サムネイル
700 地名情報データベース
800 地図情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データに付随する位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報に含まれる複数の位置を網羅する地図情報を取得する地図情報取得手段と、
前記複数の位置にそれぞれ対応する複数の代表画像を取得する代表画像取得手段と、
前記地図情報および前記位置情報に基づいて前記複数の位置およびこれらに対応する代表画像を印した地図を地図表示画面に描画する地図描画手段と、
前記地図表示画面を表示する表示手段と
を具備することを特徴とする動画再生装置。
【請求項2】
前記動画データは1つの動画ファイルであることを特徴とする請求項1記載の動画再生装置。
【請求項3】
前記複数の位置は撮像時の位置情報の変化を示す位置であることを特徴とする請求項1記載の動画再生装置。
【請求項4】
前記複数の代表画像を選択する操作指示を受け付ける操作受付手段と、
前記複数の代表画像のうち前記操作受付手段によって選択の操作指示を受け付けられた代表画像に対応する動画データを再生して再生表示画面に出力する動画再生手段と、
前記再生表示画面と前記地図表示画面とを同一画面に重ね合わせる重ね合せ手段とをさらに具備し、
前記表示手段は、前記重ね合わされた画面を表示することを特徴とする請求項1記載の動画再生装置。
【請求項5】
前記重ね合せ手段は、再生中の動画データに対応する位置を中心として前記地図表示画面の上に前記再生表示画面を重ね合わせることを特徴とする請求項4記載の動画再生装置。
【請求項6】
撮像した画像を動画データとして記録する動画記録手段と、
前記動画データの記録中に撮像場所の位置情報を撮像位置情報として取得する撮像位置情報取得手段と、
前記撮像位置情報取得手段によって取得された前記撮像位置情報を前回撮像位置情報として保持する前回撮像位置情報保持手段と、
前記撮像位置情報と前記前回撮像位置情報とを比較して前記撮像位置情報の示す位置が前記前回撮像位置情報の示す位置より変化したことを示す変化点を検出する変化点検出手段と、
前記変化点が検出されると前記撮像位置情報を変化点位置情報として記録する変化点位置情報記録手段と、
前記変化点が検出されると撮像中の動画の縮小画像を代表画像として生成する代表画像生成手段と、
前記変化点位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記変化点位置情報に含まれる複数の位置を網羅する地図情報を取得する地図情報取得手段と、
前記複数の位置にそれぞれ対応する前記代表画像を取得する代表画像取得手段と、
前記地図情報および前記位置情報に基づいて前記複数の位置およびこれらに対応する代表画像を印した地図を地図表示画面に描画する地図描画手段と、
前記地図表示画面を表示する表示手段と
を具備することを特徴とする動画再生装置。
【請求項7】
動画データに付随する位置情報を取得する手順と、
前記位置情報に含まれる複数の位置を網羅する地図情報を取得する手順と、
前記複数の位置にそれぞれ対応する複数の代表画像を取得する手順と、
前記地図情報および前記位置情報に基づいて前記複数の位置およびこれらに対応する代表画像を印した地図を地図表示画面に描画する手順と、
前記地図表示画面を表示する手順と
を具備することを特徴とする動画再生方法。
【請求項8】
動画データに付随する位置情報を取得する手順と、
前記位置情報に含まれる複数の位置を網羅する地図情報を取得する手順と、
前記複数の位置にそれぞれ対応する複数の代表画像を取得する手順と、
前記地図情報および前記位置情報に基づいて前記複数の位置およびこれらに対応する代表画像を印した地図を地図表示画面に描画する手順と
前記地図表示画面を表示する手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−135069(P2007−135069A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327597(P2005−327597)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】