説明

撮像装置及びプログラム

【課題】撮影に関する撮影報知を適切に制御できるようにする。
【解決手段】中央制御部11は、撮像部16で画像を撮影するにあたって、撮影報知を行った後に撮影する通常モードが設定されているのか、撮影報知を省略して撮影する緊急モードのいずれに設定されているかに応じて報知部20による撮影報知(例えば、LEDライト点灯、シャッター音など)を制御する。緊急モードでは、予め指定された送信先(警察や自宅など)に、撮影された画像を送信して現場の様子を送信先に知らせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を撮影する撮像手段を備える撮像装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カメラ機能付き携帯電話機やカメラ装置などの撮像装置で画像を撮影する場合に、撮影中であることを光で報知したり、シャッターキーの操作時に擬似的なシャッター音を出力させたりすることで、盗撮行為を抑制するようにしている。更に、このような盗撮行為を未然に抑制する技術としては、従来、撮影の直前に音声メッセージを出力させることによって、撮影を行うことを周囲に強制的に報知させてから撮影を開始するようにした技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−242096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮影時を報知したり、事前報知したりする技術にあっては、盗撮行為を効果的に抑制することが可能であるが、例えば、犯罪現場、事故現場などに遭遇したような場合に、110番、119番などの緊急連絡先に通報するほか、その現場を証拠写真として撮影しようとしても、撮影時の報知や事前報知によって撮影中であることや撮影することを犯人や当事者などに気付かれてしまう、という問題点があった。
【0005】
本発明の課題は、撮影に関する撮影報知を適切に制御できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、画像を撮影する撮像手段を備える撮像装置であって、前記撮像手段による画像の撮影を報知する報知手段と、この報知手段による報知後に前記撮像手段による撮影を行う第1撮影モード、前記報知手段による報知を省略して前記撮像手段による撮影を行う第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する設定手段と、この設定手段によって第1撮影モード、第2撮影モードのどちらの撮影モードに設定されているかを判別する判別手段と、前記撮像手段によって画像を撮影するにあたって、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、予め指定された通信先と通信する通信手段を更に備え、前記設定手段は、前記通信手段によって予め指定された通信先と通信を行った場合には、前記第2撮影モードに設定する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記撮像手段に対して撮影開始を指示する操作手段と、この操作手段の操作状況を検出する検出手段と、を更に備え、前記設定手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記第1撮影モード、前記第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記撮像手段によって撮影された画像を記憶手段に保存するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記撮像手段によって撮影された画像を予め指定された送信先に送信するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、位置情報を取得する取得手段を更に備え、前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記取得手段によって取得された位置情報を前記撮像手段によって撮影された画像に付加するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、周囲の環境、時刻情報の少なくともいずれか一方を取得する取得手段を更に備え、前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記取得手段によって取得された周囲の環境、時刻情報の少なくともいずれか一方に応じた撮影条件で撮影するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記撮像手段による画像の撮影を連続的に行うか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、前記報知手段は、前記撮像手段による画像の撮影を音及び光によって報知する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
また、上述した課題を解決するために請求項10記載の発明は、画像を撮影する撮像手段を備える撮像装置であって、前記撮像手段による画像の撮影後にその画像を記憶手段に保存する第1撮影モード、前記撮像手段による画像の撮影後にその画像を記憶手段に保存することなく予め指定された送信先に対して送信する第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する設定手段と、この設定手段によって第1撮影モード、第2撮影モードのどちらの撮影モードに設定されているかを判別する判別手段と、この判別手段による判別結果に基づいて、前記撮像手段によって撮影された画像の保存及び送信を制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項10に従属する発明として、予め指定された通信先と通信する通信手段を更に備え、前記設定手段は、前記通信手段によって予め指定された通信先と通信した場合に、前記第2撮影モードに設定する、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項10に従属する発明として、前記撮像手段に対して撮影開始を指示する操作手段と、この操作手段の操作状況を検出する検出手段と、を更に備え、前記設定手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記第1撮影モード、前記第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
また、上述した課題を解決するために請求項13記載の発明は、コンピュータに対して、撮像手段による画像の撮影を報知する機能と、前記報知後に前記撮像手段による撮影を行う第1撮影モード、前記報知を省略して前記撮像手段による撮影を行う第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する機能と、前記第1撮影モード、前記第2撮影モードのどちらの撮影モードに設定されているかを判別する機能と、前記撮像手段によって画像を撮影するにあたって、前記判別結果に基づいて前記報知を制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0019】
また、上述した課題を解決するために請求項14記載の発明は、コンピュータに対して、撮像手段による画像の撮影後にその画像を記憶手段に保存する第1撮影モード、前記撮像手段による画像の撮影後にその画像を記憶手段に保存することなく予め指定された送信先に対して送信する第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する機能と、前記第1撮影モード、前記第2撮影モードのどちらの撮影モードに設定されているかを判別する機能と、前記判別結果に基づいて、前記撮像手段によって撮影された画像の保存及び送信を制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、撮影に関する撮影報知を適切に制御することができ、利便性を高めることか可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】撮像装置として適用したカメラ機能付き携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図。
【図2】カメラ機能付き携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】撮影モード記憶部M3を説明するための図。
【図4】特定通信相手・特定送信先記憶部M4を説明するための図。
【図5】周囲環境・時刻記憶部M5を説明するための図。
【図6】撮影条件記憶部M6を説明するための図。
【図7】電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1側の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図8】カメラ機能処理A(図7のステップA6)を詳述するためのフローチャート。
【図9】通常モード処理(図8のステップB5)を詳述するためのフローチャート。
【図10】シャッターキー操作に応じて実行開始される通常モード撮影処理(図9のステップC6)を詳述するためのフローチャート。
【図11】緊急モード処理(図8のステップB4)を詳述するためのフローチャート。
【図12】シャッターキー操作に応じて実行開始される緊急モード撮影処理(図11のステップE11)を詳述するためのフローチャート。
【図13】カメラ機能処理B(図7のステップA9)を詳述するためのフローチャート。
【図14】(1)、(2)は、通常モードでの画像表示画面を例示した図、(3)、(4)は、緊急モードでの画像表示画面を例示した図。
【図15】第2実施形態において、カメラ機能起動操作が行われた場合に実行開始されるカメラ機能処理A(図7のステップA6)を詳述するためのフローチャート。
【図16】撮影処理(図15ステップH6)詳述するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施形態1)
以下、図1〜図14を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、撮像装置としてカメラ機能付き携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、このカメラ機能付き携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、この折り畳みタイプの携帯電話機1には音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、カメラ機能(撮像機能)などが備えられている。
【0023】
携帯電話機1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット3に接続されると、電子メールの送受信が可能となったり、Webサイトをアクセスして閲覧可能となったり、外部保管するための画像を画像管理装置4に送信してその保管を依頼可能となったりする。画像管理装置4は、携帯電話機1からの保管依頼に応じて画像の保管サービスを提供する業者側のサーバ装置で、携帯電話機1から送信された画像を無線通信網2、インターネット3を介して受信して、当該携帯電話機1に対応して保管するほか、携帯電話機1からの呼び出し要求に応じて当該携帯電話機1に対応の画像を読み出して、要求元の携帯電話機1宛に送信するようにしている。
【0024】
図2は、カメラ機能付き携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、二次電池(図示省略)を備えた電池部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリ(図示省略)などを有している。記憶部13には、プログラム記憶部M1、各種情報一時記憶部M2、撮影モード記憶部M3、特定通信相手・特定送信先記憶部M4、周囲環境・時刻記憶部M5、撮影条件記憶部M6、画像記憶部M7などが設けられている。なお、記憶部13は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しない所定の外部サーバ上にあってもよい。
【0025】
プログラム記憶部M1は、図7〜図13に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。各種情報一時記憶部M2は、フラグ情報、タイマ情報、画面情報など、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域である。なお、撮影モード記憶部M3、特定通信相手・特定送信先記憶部M4、周囲環境・時刻記憶部M5、撮影条件記憶部M6、画像記憶部M7については後で詳述するものとする。
【0026】
無線通信部14は、図示しない無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調した後、音声信号処理部15を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAT1から発信出力させる。
【0027】
撮像部16は、カメラ機能を構成する構成要素で、撮像素子(例えば、CCDあるいはCMOS)を有し、静止画撮影のほかに動画撮影も可能となっている。そして、撮像部16は、撮影レンズ、ミラーなどのレンズ・ミラーブロック、照明用のフラッシュ、それらの駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路などを備え、光学ズームを調整制御したり、オートフォーカス時の駆動制御、シャッター駆動制御、露出、ホワイトバランスなどを制御したりする。また、撮像部16は、被写体に応じて望遠/広角の切り替えができる2焦点式レンズやズームレンズを備え、焦点距離を可変する画角変更機構を作動させて望遠/広角やズーム撮影を行うようにしている。
【0028】
表示部17は、高精細液晶を使用し、例えば、文字情報、待受画像などの表示情報を表示するもので、その表示画面上にソフトキー(タッチキー)を構成するためにタッチ操作部(図示省略)が積層配置されている。なお、表示部17は、携帯電話機1に備えたが、外部モニタなど、任意の外部表示装置であってもよい。操作部18は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部11は、操作部18からの入力操作信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)19は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC19から現在日時を取得する。
【0029】
報知部20は、サウンドスピーカ20A、LEDライト(発光ダイオード)20B、振動モータ20Cを備え、着信報知を行ったり、アラーム報知を行ったりするほか、撮影に関する撮影報知を行ったりする。ここで、撮影報知は、カメラ機能の起動に応じてLEDライト20Bを点灯させて撮影可能状態であることを報知したり、シャッターキー操作に応じてサウンドスピーカ20Aから擬似的なシャッター音を発生させてシャッターキーが操作されたことを報知したりする。周囲環境検出部21は、携帯電話機1の周囲の明るさを検出する照度計(照度センサ)で、中央制御部11は、周囲環境検出部21によって検出された周囲の環境(周囲の明るさ)に合った撮影条件を選択して撮像部16に与え、撮像部16の動作を制御するようにしている。位置取得部22は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS情報(現在の位置情報)をアンテナAT2で受信して現在の位置情報を取得する。
【0030】
図3は、撮影モード記憶部M3を説明するための図である。
撮影モード記憶部M3は、複数の撮影モードのいずれが現在有効な撮影モードであるかを記憶するもので、「項目」、「設定フラグ」を有する構成となっている。「項目」は、撮影モードの種類を示し、第1撮影モード、第2撮影モードとして、“通常モード”、“緊急モード”、を有している。“通常モード”は、カメラ機能の起動に応じた撮影報知(LEDランプ点灯、シャッター音)を行った後に撮像部16による撮影を開始させる撮影モード(第1撮影モード)である。
【0031】
“緊急モード”は、カメラ機能の起動に応じた撮影報知(LEDランプ点灯、シャッター音)を省略して撮像部16による撮影を開始させる撮影モード(第2撮影モード)で、ユーザ操作によって“通常モード”から“緊急モード”に任意に設定可能であるほか、特定通信相手に音声通話を行った場合には自動的に緊急モードに設定するようにしている。例えば、犯罪現場、事故現場などに遭遇し、110番、119番などの特定通信相手に通報した後、自動的にカメラ機能を起動して緊急モードに設定するようにしている。このように“緊急モード”は、犯罪現場、事故現場などに遭遇した場合に有効な撮影モードであるが、それに限らず、この“緊急モード”をどのように使用するかは任意であり、特定通信相手からの着信時にも自動的にカメラ機能を起動して緊急モードに設定するようにしている。
【0032】
「設定フラグ」は、上述した複数の撮影モードのうち、現在有効な撮影モードはどれかを示すフラグで、上述のように“通常モード”と“緊急モード”とを自動的に切り替え可能なほか、ユーザ操作によって任意に切り替え可能となっている。なお、図示の例では、「設定フラグ」が“1”となっている“緊急モード”が現在有効な撮影モードであることを示している。中央制御部11は、撮像部16によって画像を撮影するにあたって、どのような撮影モードに設定されているかに応じて撮影報知を制御するようにしている。すなわち、“通常モード”に設定されている場合には、報知部20による報知(LEDライトの点灯やシャッター音による報知)を行った後に撮像部16による撮影を開始させるが、“緊急モード”に設定されている場合には、報知部20による報知を省略して撮像部16による撮影を開始させるようにしている。
【0033】
この緊急モードでは、撮像部16によって撮影する際に、フラッシュを使用しないようにしているため、周囲の環境にあった撮影条件に設定すると共に、例えば、1秒間に8枚の撮影を行う連続撮影を行うようにしている。また、緊急モードでは、撮像部16によって撮影された画像を自動的に電子メールによって特定送信先(例えば、自宅や警察など)に対して送信するようにしているが、その際、現在の位置情報を画像に付加して送信するようにしている。また、どのような撮影モードに設定されているかに応じて撮影報知を制御するほか、撮影された画像を画像記憶部M7に保存するか否かを制御するようにしている。つまり、“通常モード”ではシャッターキーが操作される毎に、撮像部16によって撮影された画像が画像記憶部M7に保存されるが、緊急モードでは、撮影報知を省略するほかに、撮像部16によって撮影された画像の保存を禁止するようにしている。なお、“通常モード”においては、シャッターキーが操作される毎に、撮像部16によって撮影された画像を無線通信網2、インターネット3を介して画像管理装置4に送信して外部保管させるようにしてもよい。
【0034】
図4は、特定通信相手・特定送信先記憶部M4を説明するための図である。
特定通信相手・特定送信先記憶部M4は、例えば、犯罪現場、事故現場に遭遇した場合などでの緊急通信先(連絡先)を記憶するもので、ユーザ操作によって任意に設定可能となっている。そして、特定通信相手・特定送信先記憶部M4は、「項目」、「内容」を有する構成で、「項目」は、緊急通信先の種類を示し、“特定通信相手”、“特定送信先”を有している。“特定通信相手”は、例えば、110番、119番などの電話番号のほか、民間警備会社の電話番号、親の電話番号などである。“特定送信先”は、警察署、消防署、親宛などのメールアドレスであるが、“特定通信相手”と“特定送信先”とを分けずに、上述した“特定通信相手”に対応付けて“特定送信先”を記憶するようにしてもよい。
【0035】
図5は、周囲環境・時刻記憶部M5を説明するための図である。
周囲環境・時刻記憶部M5は、光量の少ない環境での特殊撮影(ナイトビジョン撮影など)に移行させるための周囲環境や時間帯を記憶するもので、ユーザ操作によって任意に設定可能となっている。そして、周囲環境・時刻記憶部M5は、「項目」、「内容」を有する構成で、「項目」は、“周囲環境(明るさ)”、“時間帯”を有している。“周囲環境(明るさ)”に対応する「内容」には、“***ルクス以下”が記憶され、また、“時間帯”に対応する「内容」には、“18:00〜06:00”
が記憶されている。
【0036】
中央制御部11は、上述した“緊急モード”において、周囲環境検出部21によって検出された周囲環境(周囲の明るさ)を取得すると共に、RTC19から現在時刻を取得し、この周囲環境、現在時刻に基づいて周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致しているか、つまり、ナイトビジョン撮影が必要であるかを判別するようにしている。この場合、周囲環境、現在時刻のいずれか一方が周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致していることを条件にナイトビジョン撮影が必要であると判別するようにしているが、周囲環境及び現在時刻の両方が周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致していることを条件にナイトビジョン撮影が必要であると判別するようにしてもよい。
【0037】
図6は、撮影条件記憶部M6を説明するための図である。
撮影条件記憶部M6は、各種の撮影シーンなどに応じて選択される撮影条件を記憶するもので、その「項目」には、“オートフォーカス”、“フラッシュ”、“連続撮影”、“撮影サイズ”、“シャッタースピード”、“ホワイトバランス”、…などを有し、図示の例では、“オートフォーカス”に対応する「内容」には、オートフォーカス機能を駆動させることを示す“オン”が記憶されている。“フラッシュ”に対応する「内容」には、周囲の明るさに応じてフラッシュを自動的に点灯させることを示す“オート”が記憶されている。“連続撮影”に対応する「内容」には、例えば、1秒間に8枚の撮影を行う連写機能を非動作状態にする“オフ”が記憶されている。なお、そのほかの撮影条件としては、絞り、広角撮影などが記憶されている。
【0038】
次に、この第1実施形態における携帯電話機1の動作概念を図7〜図13に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0039】
図7は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1側の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局2Aとの間で通信を行って位置登録をしたりする待受処理を行った後に(ステップA2)、操作待ち状態や着信待ち状態となる。
【0040】
いま、任意の情報を設定する設定操作が行われると(ステップA3でYES)、その操作に対応する設定処理として、例えば、特定通信相手・特定送信先記憶部M4、周囲環境・時刻記憶部M5などに対する設定処理が行われる(ステップA4)。その後、上述のステップA3に戻る。また、待ち状態においてカメラ機能起動操作が行われると(ステップA5でYES)、つまり、メニュー画面の中からカメラ機能の起動を指示するメニュー項目を選択する操作が行われたり、カメラ機能の起動を指示するキー操作が行われたりすると、そのカメラ機能起動操作に応答してカメラ機能処理Aの実行に移る(ステップA6)。
【0041】
図8は、カメラ機能処理A(図7のステップA6)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、カメラ機能起動操作に応答してカメラ機能を起動した後(ステップB1)、撮影モード記憶部M3を参照し、「設定フラグ」が“1”の撮影モードを読み出し(ステップB2)、緊急モードであるかを調べ(ステップB3)、「設定フラグ」が“1”の撮影モードが通常モードであれば(ステップB3でNO)、通常モード処理に移るが(ステップB5)、「設定フラグ」が“1”の撮影モードが緊急モードであれば(ステップB3でYES)、緊急モード処理に移る(ステップB4)。
【0042】
図9は、通常モード処理(図8のステップB5)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、カメラ機能の起動に応じた撮影報知として報知光出力開始を行って、LEDライト20Bの点灯を開始させた後(ステップC1)、撮影条件記憶部M6の内容を読み出して(ステップC2)、この撮影条件を撮像部16に設定する(ステップC3)。この場合、撮影条件に応じて各種の撮影パラメータが調整され、この撮影条件下でのスルー映像(モニタ画像)が表示部17に表示される(ステップC4)。図14(1)は、通常モードでのモニタ画像表示画面を示し、この表示画面には、複数のソフトキー(タッチキー)として「緊急へ」、「シャッター」、「メニュー」が配置表示されている。
【0043】
ここで、撮影開始を指示する「シャッター」のソフトキー(シャッターキー)がタッチ操作されると(ステップC5でYES)、後述する通常モード撮影処理に移る(ステップC6)。また、撮影モード変更操作として通常モードから緊急モードへの変更を指示する「緊急へ」のソフトキー(撮影モード変更キー)がタッチ操作されると(ステップC7でYES)、通常モードから緊急モードに切り替えるために、撮影モード記憶部M3の通常モードに対応する「設定フラグ」を“0”とし、緊急モードに対応する「設定フラグ」を“1”とした後(ステップC8)、図8の緊急モード処理(ステップB4)に移る。
【0044】
また、カメラ機能の終了を指示する終了操作が行われたときには(ステップC9でYES)、報知光出力を停止するなどの各種処理を行った後、カメラ機能を終了させる(ステップC10)。なお、カメラ機能の終了を指示する終了操作は、各種の機能メニューの表示を指示する「メニュー」のソフトキー(メニューキー)をタッチ操作してメニュー画面を表示させた後、そのメニュー画面の中からカメラ機能の終了を指示するメニュー項目を選択することによって行われる。そして、カメラ機能終了後は、この図9の通常モード処理及び図8のカメラ機能処理Aから抜けて図7のステップA3に戻る。また、その他の操作が行われたときには(ステップC11でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、撮影条件の変更処理などを行った後(ステップC12)、上述のステップC4に戻る。
【0045】
図10は、シャッターキー操作に応じて実行開始される通常モード撮影処理(図9のステップC6)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、通常モードにおいてシャッターキーが操作されると、撮影報知として報知音出力を行って、サウンドスピーカ20Aから擬似的なシャッター音を発生出力させる(ステップD1)。そして、撮像部16を駆動させて撮影条件下で撮影された画像を取得する撮影処理を行い(ステップD2)、この取得した画像を各種情報一時記憶部M2に一時記憶させると共に(ステップD3)、この画像を表示部17に表示させる(ステップD4)。図14(2)は、通常モードでシャッターキーが操作された場合の画像表示画面を示した図で、この表示画面には複数のソフトキー(タッチキー)として「保存」、「撮り直し」、「メニュー」が配置表示されている。
【0046】
この場合、ユーザは、画像表示画面内の各種のソフトキーをタッチ操作することによって、表示画像の撮り直しを指示したり、カメラ機能のサブメニュー機能として、位置情報の付加を指示したり、画像補正を指示したりすることが可能となる。ここで、画像の保存を指示する「保存」のソフトキー(保存キー)がタッチ操作されると、各種情報一時記憶部M2内の画像を画像記憶部M7に記録保存させた後(ステップD5)、各種情報一時記憶部M2内の画像を消去する(ステップD6)。そして、この図10の通常モード撮影処理から図9のステップC4に戻る。なお、画像記憶部M7内に保存された画像は、無線通信網2、インターネット3を介して画像管理装置4に送信し、いつでも自由に外部保存させることができる(以下、同様)。
【0047】
なお、図10のフローチャートでは、「撮り直し」や「メニュー」のソフトキーがタッチ操作された場合の処理を図示省略したが、「撮り直し」のソフトキー(撮り直しキー)がタッチ操作された場合には、画像保存処理(ステップD5)をスキップした後、一時記憶の画像を消去する処理に移る(ステップD6)。また、「メニュー」のソフトキー(メニューキー)が操作されて、位置情報の付加、画像補正などのサブメニュー機能が選択された場合には、その選択機能を実行した後、保存キーの操作待ち状態になる。なお、画像の保存処理は、保存キーが操作された際に実行開始する場合に限らず、キー操作以外にも一定時間が経過した際に実行開始するようにしてもよい。
【0048】
一方、図11は、緊急モード処理(図8のステップB4)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、カメラ機能の起動に応じた撮影報知を省略するために、LEDライト20Bの点灯を禁止した後(ステップE1)、周囲環境検出部21によって検出された周囲環境(周囲の明るさ)を取得すると共に、RTC19から現在時刻を取得し(ステップE2)、この周囲環境と現在時刻に基づいて周囲環境・時刻記憶部M5を参照し(ステップE3)、取得した周囲環境、現在時刻のいずれか一方が周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致しているか否かによってナイトビジョン撮影が必要であるか否かを判別する(ステップE4)。
【0049】
いま、周囲環境、現在時刻の両方が周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致せず、ナイトビジョン撮影が必要ではないと判別したときには(ステップE4でNO)、上述した通常撮影モードと同様に撮影条件記憶部M6の内容を読み出して(ステップE6)、この撮影条件を撮像部16に設定する(ステップE7)。また、取得した周囲環境、現在時刻のいずれか一方が周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致し、ナイトビジョン撮影が必要であると判別したときには(ステップE4でYES)、ナイトビジョン撮影用として予め決められている撮影条件を撮像部16に設定する(ステップE5)。ただし、緊急モードであるため、ステップE7、ステップE5において、撮影条件記憶部M6の内容に関わらず、撮影条件のフラッシュは“オフ”が設定され、連続撮影は“オン”が設定される。
【0050】
このように撮影条件を撮像部16に設定すると、この撮影条件に応じて各種の撮影パラメータが調整され、シャッター操作前に撮像素子に映し出された画像がスルー画像(モニタ画像)として表示部17に表示される(ステップE8)。この場合、緊急モードの設定状態であることを示す緊急モードマークを表示させるために、その点滅表示を開始させる(ステップE9)。図14(3)は、緊急モードにおいてモニタ画像が表示されている画像表示画面を示した図で、この表示画面には、上述の緊急モードマークのほか、撮影モードを明示する文字列(緊急モード)が表示され、また、複数のソフトキー(タッチキー)として、「通常へ」、「シャッター」、「メニュー」が配置表示されている。
【0051】
ここで、撮影開始を指示するシャッターキーが操作されると(ステップE10でYES)、後述する緊急モード撮影処理に移る(ステップE11)。また、緊急モードから通常モードへの変更を指示する「通常へ」のソフトキー(撮影モード変更キー)が操作されると(ステップE12でYES)、撮影モード記憶部M3の緊急モードに対応する「設定フラグ」を“0”とし、通常モードに対応する「設定フラグ」を“1”とすることによって緊急モードから通常モードへの切り替えを行った後(ステップE13)、図8の通常モード処理(ステップB5)に移る。また、カメラ機能の終了を指示する終了操作が行われると(ステップE14でYES)、カメラ機能を終了させる(ステップE15)。なお、カメラ機能の終了を指示する終了操作は、各種の機能メニューの表示を指示するメニューキーをタッチ操作してメニュー画面を表示させた後、そのメニュー画面の中からカメラ機能の終了を指示するメニュー項目を選択することによって行われる。このようにしてカメラ機能を終了させた後は、この図10の緊急モード処理及び図8のカメラ機能処理Aから抜けて図7のステップA3に戻る。
【0052】
図12は、シャッターキー操作に応じて実行開始される緊急モード撮影処理(図11のステップE11)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、シャッターキー操作に応じた撮影報知を省略するために、サウンドスピーカ20Aから擬似的なシャッター音の出力を禁止する(ステップF1)。そして、撮像部16を駆動させて撮影条件下で撮影された画像を取得する撮影処理を行い(ステップF2)、この取得した画像を各種情報一時記憶部M2に一時記憶させると共に(ステップF3)、この画像を表示部17に表示させる(ステップF4)。この場合、緊急モードでは撮影条件として
フラッシュが“オフ”、連続撮影が“オン”に設定されているので、フラッシュを使用せず、1回のシャッター操作で連続撮影された複数枚の撮影画像が一時記憶される。
【0053】
図14(4)は、緊急モードでシャッターキーが操作された場合の画像表示画面を示した図で、この表示画面には複数のソフトキー(タッチキー)として「送信」、「撮り直し」が配置表示されている。いま、画像の送信を指示する「送信」のソフトキー(送信キー)がタッチ操作されると、位置取得部22から現在の位置情報を取得して(ステップF5)、一時記憶の画像に付加する(ステップF6)。そして、特定通信相手・特定送信先記憶部M4から送信先情報を読み出し(ステップF7)、この送信先を電子メールの宛先として、「一時記憶の画像+位置情報+付加情報」を送信する(ステップF8)。
【0054】
なお、電子メールの宛先を読み出す際には、特定通信相手・特定送信先記憶部M4の内容を一覧表示させ、その中からユーザ操作で選択された特定送信先を電子メールの宛先として読み出すようにしているが、予め指定されている特定送信先を電子メールの宛先として選択するようにしてもよい。例えば、特定通信相手・特定送信先記憶部M4に「設定フラグ」の項目を設け、ユーザ操作によって任意に設定しておいた「設定フラグ」が“1”の特定送信先を電子メールの宛先として読み出すようにしてもよい。また、「画像+位置情報+付加情報」を送信する際には、連続撮影された画像の全てを送信するようにしているが、その一部を送信するようにしてもよい。なお、一部の画像を送信する場合、各画像を画像認識によってその優劣を判別して最良の画像(例えば、人物の正面の顔を含む画像)を送信するようにしてもよい。また、一覧表示されている複数のサムネイル画像の中からユーザ操作で選択された画像を送信するようにしてもよい。
【0055】
そして、次のステップF9に移り、当該一時記憶の画像を各種情報一時記憶部M2から消去した後、この図12の緊急モード撮影処理から図11のステップC4に戻る。なお、図12のフローチャートでは、撮り直しキーが操作された場合の処理を図示省略したが、撮り直しキーが操作されたときには、上述の画像送信処理(ステップF5〜F8)をスキップした後、一時記憶の画像を消去する処理に移る(ステップF9)。なお、この画像送信処理は、上述したように送信キーが操作された際に実行開始するようにしたが、キー操作以外にも一定時間が経過した際に実行開始するようにしてもよい。
【0056】
一方、通話相手に対する発信操作が行われると(図7のステップA7でYES)、この通話相手への発信とその呼び出しに応じて通話可能状態とする発信・通話処理を実行した後(ステップA8)、カメラ機能処理Bの実行に移る(ステップA9)。
図13は、カメラ機能処理B(図7のステップA9)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、特定通信相手・特定送信先記憶部M4から特定通信相手を読み出し(ステップG1)、今回の発信操作の通話相手(例えば、警察、親)が、読み出した特定通信相手のいずれかに該当しているかを判別し(ステップG2)、そのいずれでもなければ(ステップG2でNO)、この図13のカメラ機能処理Bから抜けて図7のステップA3に戻るが、いずれかの特定通信相手に該当していれば(ステップG2でYES)、この特定通信相手への発信操作に応じて一時的に撮影モード記憶部M3の通常モードに対応する「設定フラグ」を“0”とし、緊急モードに対応する「設定フラグ」を“1”とすることによって緊急モードに一時的に設定する(ステップG3)。そして、カメラ機能を起動した後(ステップG4)、緊急モード処理に移る(ステップG5)。
【0057】
この場合の緊急モード処理も上述した場合と同様で、撮影報知を禁止すると共に(図11のステップE1)、ナイトビジョン撮影が必要か否かに応じた撮影条件を設定した後(ステップE2〜E7)、シャッター操作に応じて緊急モード撮影処理に移る(ステップE10、E11)。この緊急モード撮影処理も上述した場合と同様で、撮影報知を禁止すると共に(図12のステップF1)、画像送信処理(ステップF5〜F8)などを行う。
【0058】
他方、電話着信を検出した際にも(図7のステップA10でYES)、着信報知を行って通話可能状態とする着信・通話処理を実行した後(ステップA11)、上述したカメラ機能処理Bの実行に移る(ステップA9)。ここで、今回の着信した通話相手が特定通信相手のいずれかに該当していれれば(図13のステップG2)、緊急モードに一時的に設定した後(ステップG3)、カメラ機能を起動させて(ステップG4)、緊急モード処理に移る(ステップG5)。また、電源オフ操作が行われたときには(ステップA12でYES)、電源オフ処理に移り(ステップA13)、その他の操作が行われたときには(ステップA14でYES)、例えば、メール送信処理など、その他の操作に応じた処理に移る(ステップA15)。
【0059】
以上のように、第1実施形態において中央制御部11は、撮像部16画像を撮影するにあたって、撮影報知を行った後に撮影する通常モードが設定されているのか、撮影報知を省略して撮影する緊急モードのいずれに設定されているかに応じて報知部20による撮影報知(例えば、LEDライト点灯、シャッター音など)を制御するようにしたので、どのような撮影モードに設定されているかに応じて撮影報知を適切に制御することができ、例えば、警察に通報した後に、報知せずに撮影することができるので、犯人など周囲の人に気づかれずに撮影することが可能となり、利便性を高めることかできる。
【0060】
予め指定された通信先と通信を行った場合には、緊急モードに設定するようにしたので、その通信先との通信終了後に自動的に緊急モードにすることができる。例えば、犯罪現場、事故現場などに遭遇し、110番、119番などの特定通信相手に通報した後に、自動的に緊急モードに設定することができる。また、家族などの特定通信相手からの着信時にも自動的に緊急モードに設定することができる。したがって、ユーザが犯罪現場、事故現場などに遭遇して特定通信相手に通報した場合に限らず、例えば、ユーザが迷子、迷い人になったような場合に家族などの特定通信相手からの着信に応じて緊急モードに設定することができる。
【0061】
どのような撮影モードに設定されているかに応じて、撮影された画像を画像記憶部M7に保存するか否かを制御するようにしたので、緊急モードでは、撮像部16によって撮影された画像の保存を禁止することで、無意味な撮影となり、緊急モードでの盗撮行為を効果的に抑制することができる。
【0062】
どのような撮影モードに設定されているかに応じて、撮影された画像を予め指定された送信先に送信するか否かを制御するようにしたので、緊急モードでは、予め指定された送信先(例えば、警察)に撮影された画像を送信することによって、犯罪現場、事故現場などに遭遇した場合にその現場の様子を警察などに知らせることができ、また、家族からの着信に応じて現在の場所の様子を家族に知らせることができる。
【0063】
どのような撮影モードに設定されているかに応じて、取得した現在の位置情報を撮影された画像に付加するか否かを制御するようにしたので、緊急モードでは、撮影された画像に位置情報を付加することによって、画像を受け取った相手側では、撮影現場を容易にかつ確実に特定することができる。
【0064】
どのような撮影モードに設定されているかに応じて、周囲の環境、現在時刻の少なくともいずれか一方に応じた撮影条件で撮影するか否かを制御するようにしたので、緊急モードでは、自動的に環境にあった撮影条件で撮影することが可能となる。
【0065】
どのような撮影モードに設定されているかに応じて、画像の撮影を連続的に行うか否かを制御するようにしたので、緊急モードでは、犯行現場などをより確実に撮影することができる。
【0066】
撮影報知は、LEDランプを点灯したり、シャッター音を発生したりすることによって行うようにしたので、通常モードでは注意喚起力の高い報知によって盗撮行為を抑制することができる。
【0067】
どのような撮影モードに設定されているかに応じて、撮影された画像の保存及び送信を制御するようにしたので、撮影した画像の保存と送信を適切に制御することができ、利便性を高めることか可能となる。
【0068】
なお、上述した第1実施形態においては、特定通信相手との通信終了後に、自動的にカメラ機能を起動して緊急モードになるようにしたが、例えば、特定通信相手との通信終了後、所定期間内にカメラ機能を起動する操作があった場合に、カメラ機能を起動して緊急モードになるようにしてもよい。
【0069】
(実施形態2)
以下、本発明の第2実施形態について図15及び図16を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、カメラ機能起動操作が行われた場合に、撮影モードの現在の設定に従って緊急モードと通常モードとを切り替えるようにしたが、この第2実施形態においては、シャッターキー操作時にその操作状況に応じて緊急モードと通常モードとを切り替えるようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0070】
図15は、第2実施形態において、カメラ機能起動操作が行われた場合に実行開始されるカメラ機能処理A(図7のステップA6)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、カメラ機能を起動した後(ステップH1)、撮影条件記憶部M6の内容を読み出して(ステップH2)、この撮影条件を撮像部16に設定する(ステップH3)。この場合、撮像部16では撮影条件に応じて各種の撮影パラメータを調整し、シャッター操作前に撮像素子に映し出された画像は、スルー画像(モニタ画像)として表示部17に表示される(ステップH4)。
【0071】
ここで、撮影開始を指示するシャッターキーが操作されると(ステップH5でYES)、後述する撮影処理を実行した後(ステップH6)、上述のステップH4に戻る。また、カメラ機能の終了を指示する終了操作が行われると(ステップH7でYES)、カメラ機能を終了させた後(ステップH8)、図7のステップA3に戻る。その他の操作が行われると(ステップH9でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、撮影条件の設定処理などを行った後(ステップH10)、上述のステップH4に戻る。
【0072】
図16は、撮影処理(図15のステップH6)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、シャッターキーの操作状況(継続操作時間)を検出して(ステップI1)、長押し操作(例えば、1.5秒以上)が行われたのか短押し操作が行われたのかを判別し(ステップI2)、短押し操作が行われたときには(ステップI2でNO)、一時的に撮影モード記憶部M3の「通常モード」に対応する「設定フラグ」を“1”とし、「緊急モード」に対応する「設定フラグ」を“0”とすることによって通常モードに一時設定する(ステップI3)。そして、撮影報知としてLEDライト20Bの点灯を開始させた後(ステップI4)、図10の通常モード撮影処理に移り(ステップI5)、シャッター音を出力させると共に、撮像部16を駆動させて撮影条件下で撮影された画像を取得する撮影処理を行い、この画像を表示部17に表示させて記録保存させる。そして、撮影報知としてLEDライト20Bの点灯を停止させた後(ステップI6)、図15のステップH4に戻る。
【0073】
一方、長押し操作が行われたときには(ステップI2でYES)、一時的に撮影モード記憶部M3の「通常モード」に対応する「設定フラグ」を“1”とし、「緊急モード」に対応する「設定フラグ」を“0”とすることによって緊急モードに一時設定する(ステップI7)。そして、撮影報知を省略するためにLEDライト20Bの点灯を禁止した後(ステップI8)、周囲環境検出部21によって検出された周囲環境(周囲の明るさ)を取得すると共に、RTC19から現在時刻を取得し(ステップI9)、この周囲環境、現在時刻に基づいて周囲環境・時刻記憶部M5を参照し、取得した周囲環境、現在時刻のいずれか一方が周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致しているか否かに応じてナイトビジョン撮影が必要であるか否かを判別する(ステップI10)。
【0074】
いま、周囲環境、現在時刻の両方が周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致せず、ナイトビジョン撮影が必要ではないと判別したときには(ステップI10でNO)、上述した通常撮影モードと同様、撮影条件記憶部M6の内容を読み出して(ステップI12)、この撮影条件を撮像部16に設定する(ステップI13)。また、取得した周囲環境、現在時刻のいずれか一方が周囲環境・時刻記憶部M5の「内容」に合致し、ナイトビジョン撮影が必要であると判別したときには(ステップI10でYES)、ナイトビジョン撮影用として予め決められている撮影条件を撮像部16に設定する(ステップI11)。ただし、緊急モードであるため、ステップI13、ステップI11において、撮影条件記憶部M6の内容に関わらず、撮影条件のフラッシュは“オフ”が設定され、連続撮影は“オン”が設定される。
【0075】
そして、緊急モードマークの点滅表示を開始させると共に(ステップI14)、図12の緊急モード撮影処理に移り(ステップI15)、シャッター音の出力を禁止すると共に、撮像部16を駆動させて撮影条件下で撮影された画像を取得する撮影処理を行い、この画像を表示部17に表示させるほか、位置情報などを付加して送信先に送信する。そして、緊急モードマークの点滅表示を消去した後(ステップI16)、図14のステップH4に戻る。
【0076】
以上のように、この第2実施形態においては、撮影開始を指示する操作が行われた際に、その操作状況に基づいて撮影モードを設定するようにしたので、撮影モードを設定するための専用の操作が不要となり、ユーザが所望する撮影モードに対応する撮影開始操作を行うだけで、撮影モードを容易に設定することができると共に、撮影を開始することができる。
【0077】
なお、上述した第2実施形態においては、撮影を開始する操作の操作状況として、シャッターキーを長押し操作した場合に緊急モード、短押し操作した場合に通常モードになるようにしたが、例えば、ダブル操作とシングル操作など、任意の操作状況によって撮影モードを選択するようにしてもよい。
【0078】
また、上述した各実施形態において緊急モードでは、撮像部16によって撮影された画像の保存を禁止することによって、緊急モードでの盗撮行為を抑制するようにしたが、緊急モードでは、撮像部16によって撮影された画像の送信を禁止することによって、盗撮行為を抑制するようにしてもよい。すなわち、通常モードでは、シャッターキーが操作される毎に、撮像部16によって撮影された画像を無線通信網2、インターネット3を介して画像管理装置4に送信して外部保管させるようにし、緊急モードでは、画像管理装置4への送信(外部保管)を禁止するようにしてもよい。
【0079】
また、上述した各実施形態において緊急モードでは、撮影報知(LEDライトの点灯やシャッター音による報知)を禁止するようにしたが、シャッター音につては、周囲に聞こえない程度に、つまり、ユーザだけに聞こえる程度に小音量で出力するようにしてもよい。また、緊急モードでは連続撮影を行うようにしたが、1枚の撮影を行う単数撮影を行うようにしてもよい。
【0080】
また、上述した各実施形態においては、特定通信相手との通信を音声通話とした場合を例示したが、テレビ電話による通話、メール通信など、任意の通信であってもよい。また、緊急モードの場合に、周囲環境や現在時刻に応じた撮影条件としてナイトビジョン撮影を例示したが、周囲環境や現在時刻に応じた任意の撮影条件であってもよい。また、撮影する画像は、静止画、動画など、任意の種別の画像であってもよい。
【0081】
その他、記憶部13は、メモリカードや外付けハードディスクなど、任意の外部記憶装置であってもよい。また、表示部17は、外部モニタなど、任意の外部表示装置であってもよい。また、折り畳みタイプの携帯電話機に限らず、ストレートタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であってもよく、更に、撮像装置としては、カメラ機能付き携帯電話機に限らず、カメラ機能付きPDA、カメラ機能付き音楽プレイヤーなどであってもよく、勿論、デジタルカメラなどのカメラ装置自体であってもよい。
【0082】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 カメラ機能付き携帯電話機
2 無線通信網
3 インターネット
4 画像管理装置
11 中央制御部
13 記憶部
14 無線通信部
16 撮像部
17 表示部
18 操作部
19 RTC
20 報知部
20A サウンドスピーカ
20B LEDライト
21 周囲環境検出部
22 位置取得部
M1 プログラム記憶部
M2 各種情報一時記憶部
M3 撮影モード記憶部
M4 特定通信相手・特定送信先記憶部
M5 周囲環境・時刻記憶部
M6 撮影条件記憶部
M7 画像記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影する撮像手段を備える撮像装置であって、
前記撮像手段による画像の撮影を報知する報知手段と、
この報知手段による報知後に前記撮像手段による撮影を行う第1撮影モード、前記報知手段による報知を省略して前記撮像手段による撮影を行う第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する設定手段と、
この設定手段によって第1撮影モード、第2撮影モードのどちらの撮影モードに設定されているかを判別する判別手段と、
前記撮像手段によって画像を撮影するにあたって、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
予め指定された通信先と通信する通信手段を更に備え、
前記設定手段は、前記通信手段によって予め指定された通信先と通信を行った場合には、前記第2撮影モードに設定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像手段に対して撮影開始を指示する操作手段と、
この操作手段の操作状況を検出する検出手段と、
を更に備え、
前記設定手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記第1撮影モード、前記第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記撮像手段によって撮影された画像を記憶手段に保存するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記撮像手段によって撮影された画像を予め指定された送信先に送信するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
位置情報を取得する取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記取得手段によって取得された位置情報を前記撮像手段によって撮影された画像に付加するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
周囲の環境、時刻情報の少なくともいずれか一方を取得する取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記取得手段によって取得された周囲の環境、時刻情報の少なくともいずれか一方に応じた撮影条件で撮影するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記報知手段による報知を制御すると共に、前記撮像手段による画像の撮影を連続的に行うか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項9】
前記報知手段は、前記撮像手段による画像の撮影を音及び光によって報知する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項10】
画像を撮影する撮像手段を備える撮像装置であって、
前記撮像手段による画像の撮影後にその画像を記憶手段に保存する第1撮影モード、前記撮像手段による画像の撮影後にその画像を記憶手段に保存することなく予め指定された送信先に対して送信する第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する設定手段と、
この設定手段によって第1撮影モード、第2撮影モードのどちらの撮影モードに設定されているかを判別する判別手段と、
この判別手段による判別結果に基づいて、前記撮像手段によって撮影された画像の保存及び送信を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
予め指定された通信先と通信する通信手段を更に備え、
前記設定手段は、前記通信手段によって予め指定された通信先と通信した場合に、前記第2撮影モードに設定する、
ようにしたことを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記撮像手段に対して撮影開始を指示する操作手段と、
この操作手段の操作状況を検出する検出手段と、
を更に備え、
前記設定手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記第1撮影モード、前記第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する、
ようにしたことを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項13】
コンピュータに対して、
撮像手段による画像の撮影を報知する機能と、
前記報知後に前記撮像手段による撮影を行う第1撮影モード、前記報知を省略して前記撮像手段による撮影を行う第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する機能と、
前記第1撮影モード、前記第2撮影モードのどちらの撮影モードに設定されているかを判別する機能と、
前記撮像手段によって画像を撮影するにあたって、前記判別結果に基づいて前記報知を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータに対して、
撮像手段による画像の撮影後にその画像を記憶手段に保存する第1撮影モードと、前記撮像手段による画像の撮影後にその画像を記憶手段に保存することなく予め指定された送信先に対して送信する第2撮影モードのいずれか一方の撮影モードに設定する機能と、
前記第1撮影モード、前記第2撮影モードのどちらの撮影モードに設定されているかを判別する機能と、
前記判別結果に基づいて、前記撮像手段によって撮影された画像の保存及び送信を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−278962(P2010−278962A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132018(P2009−132018)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】