説明

撮像装置

【課題】より単純な操作により連写速度を可変設定することができるようにする。
【解決手段】ロータリースイッチの回転が検出されたならば、その回転角度を検出し(ステップS106)、この検出した回転角度に対応するフレームレートを読み出して(ステップS107)、設定する(ステップS108)。ステップS109〜S112のループが繰り返し実行されている連写中において、フレームレートを変更する場合には、ロータリースイッチを回転操作する。すると、ステップS112の判断がYESとなる。したがって、ステップS112からステップS106に戻り、前述と同様に、ロータリースイッチの回転角度を検出して、この検出した回転角度に対応するフレームレートをフレームレートデータテーブル121から読み出し(ステップS107)、この読み出したフレームレートを設定する(ステップS108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連写機能を備えた撮像装置、この撮像装置に用いられる撮像制御プログラム及び撮像制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連写中に連写速度(フレームレート)を変更することが可能なカメラが提案されている。このカメラは、突出方向に付勢されたレリーズ釦を有するとともに、このレリーズ釦の押下深度に応じてONとなる複数の検出スイッチを有している。そして、この複数の検出スイッチによりレリーズ釦の押下状態を検出し、この検出したレリーズ釦の押下状態に応じて連写速度を可変制御するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−148693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述したカメラにあっては、ユーザが連写速度を調整する際には、レリーズ釦を押下している手指を下方に動作させて、レリーズ釦の操作深度を増加させる下方向操作と、逆に手指を上方に動作させて、レリーズ釦の操作深度を減少させる上方向操作とのツウアクション操作が必要となる。このため、連写速度の低減を意図して手指を上方向に操作すべきときに下方向に操作したり、連写速度の増加を意図して手指を下方向に操作すべきときに上方向に操作する誤操作が発生しやすく、ユーザの意図に従って連写速度を設定することが困難となる。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、より単純な操作により連写速度を可変設定することのできる撮像装置、この撮像装置に用いられる撮像制御プログラム及び撮像制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明は、装置本体に設けられた回転自在な操作手段と、この操作手段の回転を検出する検出手段と、設定されたフレームレートに従って被写体を順次撮像する撮像手段と、前記検出手段により検出された前記操作手段の回転に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記検出手段は、前記操作手段の回転角度を検出する回転角度検出手段であり、前記制御手段は、前記回転角度検出手段により検出される前記回転角度に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記回転角度検出手段により検出される前記回転角度が大きくなるに従って、高いフレームレートを設定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記検出手段は、前記操作手段の回転速度を検出する回転速度検出手段であり、前記制御手段は、前記回転速度検出手段により検出される前記回転速度に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、上記請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記回転速度出手段により検出される前記回転速度が高くなるに従って高いフレームレートを設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、上記請求項1乃至5の何れかに記載の発明において、前記制御手段は、前記検出手段による前記操作手段の最初の回転検出に応答して、前記撮像手段を起動させる起動制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項7記載の発明は、上記請求項1乃至6の何れかに記載の発明において、前記撮像手段により前記フレームレートで撮像された画像データを順次記憶する所定の記憶容量を有する画像記憶手段を備え、前記制御手段は、前記画像記憶手段が記憶状態が満杯となったか否かを判断する記憶状態判断手段と、この記憶状態判断手段により前記画像記憶手段の記憶状態が満杯となったと判断された場合、前記撮像手段の動作を停止させる停止制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項8記載の発明は、上記請求項1乃至6の何れかに記載の発明において、前記検出手段により前記操作手段の最後の回転が検出されてからの経過時間を計時する計時手段を備え、前記制御手段は、前記経過時間が所定時間以上となったか否かを判断する判断手段と、この判断手段により前記経過時間が所定時間以上となったと判断された場合、前記撮像手段の動作を停止させる停止制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項9記載の発明は、上記請求項1乃至8の何れかに記載の発明において、前記制御手段は、第1のモードと第2のモードのいずれが設定されているか否かを判断する判断手段を備え、この判断手段により前記第1のモードが設定されていると判断した場合には、前記撮像手段のフレームレートを可変設定する制御を実行し、前記第2のモードが設定されていると判断した場合には、前記前記撮像手段のフレームレートを可変設定する以外の他の制御を実行することを特徴とする。
【0014】
また、請求項10記載の発明は、上記請求項2又は3記載の発明において、前記操作手段の回転角度に対応してフレームレートを記憶した第1のフレームレート記憶手段を備え、前記制御手段は、前記第1のフレームレート記憶手段から前記回転角度検出手段により検出される回転角度に対応するフレームレートを読み出して、前記撮像手段のフレームレートを可変設定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項11記載の発明は、上記請求項4又は5記載の発明において、前記操作手段の回転速度に対応してフレームレートを記憶した第2のフレームレート記憶手段を備え、前記制御手段は、前記第2のフレームレート記憶手段から前記回転速度検出手段により検出される回転速度に対応するフレームレートを読み出して、前記撮像手段のフレームレートを可変設定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項12記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記撮像手段により撮像されて前記画像記憶手段に順次記憶された画像データを、当該画像データが撮像された際のフレームレートとともに記憶媒体に記憶させる記憶制御手段を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項13記載の発明は、装置本体に設けられた回転自在な操作手段と、この操作手段の回転を検出する検出手段と、設定されたフレームレートに従って被写体を順次撮像する撮像手段とを備える撮像装置が有するコンピュータを、前記検出手段により検出された前記操作手段の回転に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定する制御手段として機能させることを特徴とする。
【0018】
また、請求項14記載の発明は、装置本体に設けられた回転自在な操作手段と、この操作手段の回転を検出する検出手段と、設定されたフレームレートに従って被写体を順次撮像する撮像手段とを備える撮像装置における撮像制御方法であって、前記検出手段により検出された前記操作手段の回転に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定する制御ステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、より単純な操作により連写速度を可変設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の各実施の形態に共通する撮像装置1の概略構成を示すブロック図である。この撮像装置1は、バスライン2を介して各部に接続された制御部3を備えており、この制御部3は、撮像装置1の各部を制御するワンチップマイコンである。撮像部4は、CMOS等のイメージセンサからなりフォーカスレンズ、ズームレンズ等で構成される撮像レンズ5の光軸上に配置されている。ユニット回路6は、撮像部4から出力される被写体の光学像に応じたアナログの撮像信号が入力される回路であって、入力した撮像信号を保持するCDSと、その撮像信号を増幅するゲイン調整アンプ(AGC)、増幅された撮像信号をデジタルの撮像信号に変換するA/D変換器(ADC)等から構成されている。撮像部4の出力信号はユニット回路6を経て、各々デジタル信号として信号処理部7に送られる。
【0021】
この送られたデジタル信号は、信号処理部7にて各種信号処理された後、画像処理部8に送られて、各種画像処理が施されるとともに、表示部9に供給されることにより、スルー画像として表示される。また、画像記録時において、画像処理部8で処理された信号は、さらに符号化されて画像記録部(外部記録媒体を含む)10に記録され、画像再生時において、画像記録部10から読み出された画像データは画像処理部8で復号化されて表示部9に表示される。
【0022】
また、バスライン2には、TG(Timing Generator)11、ROM(プログラムメモリ)12及びバッファメモリ13が接続されている。TG11は、制御部3が設定するフレームレートに従ったタイミングで、撮像部4及びユニット回路6を駆動する。ROM12には静止画撮影時、連写時、スルー画像撮影時等の各撮影時における適正な露出値(EV)に対応する絞り値(F)とシャッタースピードとの組み合わせを示すプログラム線図を構成するプログラムAEデータや、EV値表も格納されている。そして、制御部3がプログラム線図により設定されるシャッタースピードに基づき設定した電荷蓄積時間はシャッターパルスとして、TG11を介して撮像部4に供給され、これに従い撮像部4が動作することにより電荷蓄積時間すなわち露光時間が制御される。つまり撮像部4は電子シャッターとして機能する。さらに、ROM12には、後述するフローチャートに示すプログラム及びデジタルカメラとして機能するに必要な各種プログラムが格納されている。バッファメモリ13は、画像データ等を一時保存するバッファであるとともに、制御部3のワーキングメモリ等としても使用される。
【0023】
すなわち、前記画像処理部8は、信号処理部7から送られてきたベイヤーデータに、ペデスタルクランプ等の処理を施した後、RGBデータに変換し、更にRGBデータを輝度(Y)信号及び色差(UV)信号に変換する。この画像処理部8で変換されたYUVデータは、1フレーム分のデータがバッファメモリ13に格納される。バッファメモリ13に格納された1フレーム分のYUVデータは表示部9へ送られ、そこでビデオ信号に変換された後、スルー画像として表示される。
【0024】
また、静止画撮影モードにおいて使用者によるシャッターキー操作が検出されると、撮像部4及びユニット回路6をスルー画像撮像時とは異なる静止画撮影用の駆動方式や駆動タイミングに切り替えることにより静止画撮影処理を実行し、この静止画撮影処理によりバッファメモリ13に格納された1フレーム分のYUVデータは、画像処理部8でJPEG方式等によるデータ圧縮後コード化され、バッファメモリ13内でファイル化された後、バスライン2を介して画像記録部10に静止画データ(静止画ファイル)として記録される。
【0025】
また、連写(動画撮影)モードにおいて連写開始指示が検出されると、連写処理を開始し、連写終了指示が検出されるまでの複数フレーム分のYUVデータをバッファメモリ13に格納する。このバッファメモリ13に格納された複数フレーム分のYUVデータは、連写終了指示後において制御部3へ送られ、JPEG方式等(動画撮影の場合は所定のMPEGのコーデック)によりデータ圧縮後コード化されて、バッファメモリ13及びバスライン2を介してフレームデータとしファイル名を付されて画像記録部10に書き込まれる。また、制御部3は、静止画又は連写画像(動画)の再生時には画像記録部10から読み出された静止画や連写(動画)のデータを伸張し、静止画データや連写画像(動画像)のフレームデータとしてバッファメモリ13の画像データ作業領域に展開する。なお、連写(動画撮影)モードにおいて録画開始指示が検出されると、撮像部4及びユニット回路6をスルー画像撮像時の駆動タイミングとは異なる駆動タイミングに切り替えることにより連写処理を開始する。
【0026】
さらに、バスライン2には、入力検出部14が接続されている。入力検出部14には、キー入力部17が接続されているとともに、ロータリースイッチ15がスイッチ検出部16を介して接続されている。キー入力部17は、シャッターキー、モード設定キー、電源キー等の複数の操作キーを含み、入力検出部14は使用者によるキー操作に応じたキー入力信号を検出して制御部3に出力する。
【0027】
前記ロータリースイッチ15は、装置本体(図示せず)に回転自在に設けられた円盤状の操作部151を有している。この操作部151の裏面側には、図2に示すように可動接点152が設けられており、この可動接点152には所定の電圧が印加されている。一方前記装置本体側には、操作部151に対して、5°、60°、90°、120°、180°、210°、270°〜(270°超)となる位置に各々配置された固定設定153〜159が設けられている。これら固定設定153〜159は、各々異なる抵抗値からなる抵抗R1〜R7を介して、前記スイッチ検出部16に接続されている。したがって、スイッチ検出部16が入力電圧に基づく抵抗値R1〜R7を検出し、あるいは抵抗値R1〜R7に応じた電圧を検出することにより、ロータリースイッチ15が5°、60°、90°、120°、180°、210°、270°〜のいずれの回転角の状態にあるかを検出することが可能である。
【0028】
また、前記ROM12は、前述したプログラム等とともに、図3に示すフレームレートデータテーブル121が格納されている。このフレームレートデータテーブル121には、前記各抵抗「R1」〜「R7」及びこれに対応するロータリースイッチ15の回転角度「5°」〜「270°〜」毎に、対応するフレームレート「1FPS」、「10FPS」、「20FPS」、「30FPS」、「40FPS」、「50FPS」、「60FPS」が記憶されている。
【0029】
図4は、本発明の第1の実施の形態おける処理手順を示すフローチャートである。キー入力部17に設けられているモード設定キーが操作されて撮影モードが設定されると、制御部3はROM12に格納されているプログラムに従ってこのフローチャートに示すように制御を実行する。すなわち、TG11を制御して撮像部4をスルー画像時のフレームレートで駆動し、このフレームレートで得られるフレーム画像データに基づき、表示部9にスルー画像を表示させる(ステップS101)。
【0030】
次に、ロータリースイッチ15の回転が検出されたか否かを判断し(ステップS102)、検出されない場合には、その他の処理を実行する(ステップS103)。ロータリースイッチ15の回転が検出された場合には、連写モードが設定されているか否かを判断する(ステップS104)。連写モードが設定されておらず、静止画撮影モード(単写モード)が設定されている場合には、その他のロータリースイッチ処理を実行する(ステップS105)。ここで、その他のロータリースイッチ処理とは、ロータリースイッチ15の回転操作に応じて、前記撮像レンズ5が有するズームレンズを駆動制御するズーム処理、あるいは表示部9に表示させている選択メニューを切り替え表示する表示制御等である。
【0031】
したがって、ロータリースイッチ15は、連写モードが設定されている場合には、後述するようにフレームレート(連写速度)を変更するための操作キーとして機能し、静止画撮影モードが設定されている場合には、ズームキー等として機能することができる。これにより、ロータリースイッチ15の多機能化を図ることができる。
【0032】
そして、ステップS104での判断の結果、連写モードが設定されている場合、つまり連写モードが設定されている状態でロータリースイッチ15が回転操作された場合には、スイッチ検出部16が入力電圧に基づき検出した抵抗値R1〜R7を検出し、あるいは抵抗値R1〜R7に応じた電圧を検出することにより、ロータリースイッチ15の回転角度(5°、60°、90°、120°、180°、210°、270°〜)を検出する(ステップS106)。
【0033】
次に、この検出した回転角度に対応するフレームレートをフレームレートデータテーブル121から読み出す(ステップS107)。そして、この読み出したフレームレートを設定するとともに、バッファメモリ13に記憶する(ステップS108)。このステップS108で、読み出されたフレームレートが設定されることにより、TG11は設定されたフレームレートに従ったタイミングで、撮像部4及びユニット回路6を駆動する。
【0034】
したがって、撮影処理を実行して、設定されたフレームレートで撮像部4、ユニット回路6及び信号処理部7を介してフレーム画像データを取得し(ステップS109)、この取得したフレーム画像データをバッファメモリ13に順次保存する(ステップS110)。次に、このようにしてフレーム画像データが順次保存されることにより、バッファメモリ13が満杯となってしまったか否かを判断する(ステップS111)。バッファメモリ13が満杯となっていない場合には、ロータリースイッチ15の回転が検出されたか否かを判断し(ステップS112)、ロータリースイッチ15の回転が検出されない場合には、ステップS109に戻る。
【0035】
したがって、バッファメモリ13が満杯となるまでは、ロータリースイッチ15が再度操作されるまでステップS109〜S112のループが、前記ステップS108で設定されたフレームレートに対応するタイミングで繰り返される。これにより、バッファメモリ13には、ロータリースイッチ15の回転角度に応じて設定されたフレームレートで撮影されたフレーム画像データが順次記憶されていく。
【0036】
したがって、ユーザは、ロータリースイッチ15を単純なワンアクション操作により任意の角度に回転させることにより、所望のフレームレートを容易に設定することができる。
【0037】
しかも、シャッターキーを操作することなく、ロータリースイッチ15を操作すれば連写も開始されることから、連写開始操作と連写速度設定操作をワンアクションで行うことができる。
【0038】
前記ステップS109〜S112のループが繰り返し実行されている連写中において、フレームレートを変更する場合には、ロータリースイッチ15を回転操作する。すると、ステップS112の判断がYESとなる。したがって、ステップS112からステップS106に戻り、前述と同様に、ロータリースイッチ15の回転角度を検出して、この検出した回転角度に対応するフレームレートをフレームレートデータテーブル121から読み出し(ステップS107)、この読み出したフレームレートを設定するとともに、バッファメモリ13に記憶する(ステップS108)。しかる後に、前記ステップS109〜S112のループを繰り返す。
【0039】
したがって、ロータリースイッチ15を回転操作する、単純な操作により連写速度(フレームレート)を可変設定することが可能となる。
【0040】
また、前記ステップS109〜S112のループが繰り返し実行されている連写中において、順次フレームレートと当該フレームレートで撮影されたフレーム画像データとが順次保存されることにより、バッファメモリ13が満杯になると、ステップS111の判断がYESとなる。したがって、ステップS111からステップS113に進み、連写を終了する。
【0041】
したがって、連写終了指示を要することなく、バッファメモリ13が満杯となることにより、自動的に連写を終了することができる。
【0042】
そして、ステップS113に続くステップS114では、バッファメモリ13に格納された複数フレーム分の画像データ(YUVデータ)を、所定のMPEGのコーデックによりデータ圧縮、符号化する。また、この圧縮、符号化した一連のフレーム画像データにファイル名を付して画像記録部10に記録する(ステップS115)。このとき、このステップS115においては、前記ステップS108でフレームレートが変更される毎にバッファメモリ13に記憶したフレームレートを、当該フレームレートで撮影された先頭フレーム画像データのヘッダーに書き込んで記録する。
【0043】
したがって、画像記録部10に記録された連写ファイル(動画ファイル)を再生表示する際に、途中で撮影フレームレートが変化しても、ヘッダーに記憶されているフレームレートに従って再生フレームレートを制御することができる。よって、撮影時にフレームレートの変更を伴いつつ継続的に連写しても、異なるフレームレートで撮影された連写部分が全て自然な動きとなるように支障なく再生することができる。
【0044】
また、ステップS115で記録処理が実行されると、バッファメモリ13内の画像データは不要となることから、次回の連写に備えてバッファメモリ13をクリアし(ステップS116)、ステップS101に戻る。
【0045】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態において、ロータリースイッチ15には、図5に示すように固定接点160と、前記操作部151が30°回転する毎にこの固定接点160に1回接触する可動接点161が設けられている。この可動接点161には所定の電圧が印加されている。前記固定接点160は、カウンター162及び回転速度演算部163を介して前記バスライン2に接続されており、回転速度演算部163には計時部164が接続されている。
【0046】
前記カウンター162は、可動接点161が固定接点160に接触した回数をカウントするものである。計時部164は、制御部3からの制御信号により制御されて動作し、一定周期のクロック信号を発生するとともに、経過時間を計時するものである。回転速度演算部163は、カウンター162によりカウントされた接触回数と計時部164からのクロック信号とに基づき、単位時間当たりの接触回数であるロータリースイッチ15の回転速度、つまり回転速度=接触回数/秒=C/秒を演算するものである。
【0047】
また、本実施の形態において前記ROM12は、前述したプログラム等とともに、図6に示すフレームレートデータテーブル122が格納されている。このフレームレートデータテーブル122には、回転速度(C/秒)である「1回/秒」、「2回/秒」、「3回/秒」、「4回/秒」、「5回/秒」、「6回/秒」、「7回〜/秒」毎に、対応するフレームレート「1FPS」、「10FPS」、「20FPS」、「30FPS」、「40FPS」、「50FPS」、「60FPS」が記憶されている。
【0048】
図7は、本発明の第2の実施の形態おける処理手順を示すフローチャートである。キー入力部17に設けられているモード設定キーが操作されて撮影モードが設定されると、制御部3はROM12に格納されているプログラムに従ってこのフローチャートに示すように制御を実行する。すなわち、TG11を制御して撮像部4をスルー画像時のフレームレートで駆動し、このフレームレートで得られるフレーム画像データに基づき、表示部9にスルー画像を表示させる(ステップS201)。また、計時部164をスタートさせる(ステップS202)。
【0049】
次に、ロータリースイッチ15の回転が検出されたか否かを、カウンター162のカウント値に変化があったか否かにより判断する(ステップS203)。カウンター162のカウント値に変化がなく、ロータリースイッチ15の回転が検出されない場合には、その他の処理を実行する(ステップS204)。カウンター162のカウント値に変化があり、ロータリースイッチ15の回転が検出された場合には、連写モードが設定されているか否かを判断する(ステップS205)。連写モードが設定されておらず、静止画撮影モード(単写モード)が設定されている場合には、その他のロータリースイッチ処理を実行する(ステップS206)。なお、このステップS206におけるその他のロータリースイッチ処理とは、前述した第1の実施の形態と同様である。
【0050】
したがって、ロータリースイッチ15は、連写モードが設定されている場合には、後述するようにフレームレート(連写速度)を変更するための操作キーとして機能し、静止画撮影モードが設定されている場合には、ズームキー等として機能することができる。これにより、ロータリースイッチ15の多機能化を図ることができる。
【0051】
そして、ステップS205での判断の結果、連写モードが設定されている場合、つまり連写モードが設定されている状態でロータリースイッチ15が回転操作された場合には、回転速度(C/秒)の演算処理を実行する(ステップS207)。すなわち、カウンター162のカウント値Cと、計時部164のクロックにより計時した単位時間(1秒)とに基づき、回転速度(C/秒)を演算させてこれを取得する。また、カウンター162を「0」にリセットする(ステップS208)。
【0052】
次に、この検出した回転速度(C/秒)に対応するフレームレートをフレームレートデータテーブル122から読み出す(ステップS209)。そして、この読み出したフレームレートを設定するとともに、バッファメモリ13に記憶する(ステップS210)。このステップS210で、読み出されたフレームレートが設定されることにより、TG11は設定されたフレームレートに従ったタイミングで、撮像部4及びユニット回路6を駆動する。
【0053】
したがって、撮影処理を実行して、設定されたフレームレートで撮像部4、ユニット回路6及び信号処理部7を介してフレーム画像データを取得し(ステップS211)、この取得したフレーム画像データをバッファメモリ13に順次保存する(ステップS212)。次に、このようにしてフレーム画像データが順次保存されることにより、バッファメモリ13が満杯となってしまったか否かを判断する(ステップS213)。バッファメモリ13が満杯となっていない場合には、ロータリースイッチ15の回転が検出されたか否かを、カウンター162のカウント値に変化があったか否かにより判断する(ステップS212)。
【0054】
カウンター162のカウント値に変化がなく、ロータリースイッチ15の回転が検出されない場合には、計時部164が計時している時間に基づき、カウンター162のカウント値に変化がない時間、つまりロータリースイッチ15が回転操作されずに放置されている非操作が所定時間以上継続したか否かを判断する(ステップS215)。このロータリースイッチ15が回転操作されずに放置されている非操作が所定時間以上継続していない場合には、ステップS211に戻る。
【0055】
したがって、第1にバッファメモリ13が満杯となるまで、第2にロータリースイッチ15が再度操作されるまで、第3に非操作が所定時間以上となるまで、ステップS211〜S215のループが、前記ステップS210で設定されたフレームレートに対応するタイミングで繰り返される。これにより、バッファメモリ13には、ロータリースイッチ15の回転速度に応じて設定されたフレームレートで撮影されたフレーム画像データが順次記憶されていく。
【0056】
したがって、ユーザは、ロータリースイッチ15をワンアクション操作により任意の角度に回転させることにより、所望のフレームレートを設定することができる。
【0057】
しかも、シャッターキーを操作することなく、ロータリースイッチ15を操作すれば連写も開始されることから、連写開始操作と連写速度設定操作をワンアクションで行うことができる。
【0058】
また、前記ステップS211〜S215のループが繰り返し実行されている連写中において、フレームレートを変更する場合には、ロータリースイッチ15を回転操作する。すると、カウンター162の値に変化が生じ、ステップS214の判断がYESとなる。したがって、ステップS214からステップS207に戻り、前述と同様に、ロータリースイッチ15の回転速度(C/秒)を演算させて、この演算させた回転速度(C/秒)に対応するフレームレートをフレームレートデータテーブル122から読み出し(ステップS209)、この読み出したフレームレートを設定するとともに、バッファメモリ13に記憶する(ステップS210)。しかる後に、前記ステップS211〜S215のループを繰り返す。
【0059】
したがって、ロータリースイッチ15を回転操作する、単純な操作により連写速度(フレームレート)を可変設定することが可能となる。
【0060】
また、前記ステップS211〜S215のループが繰り返し実行されている連写中において、順次フレームレートと当該フレームレートで撮影されたフレーム画像データとが順次保存されることにより、バッファメモリ13が満杯になると、ステップS213の判断がYESとなる。したがって、ステップS213からステップS216に進み、連写を終了する。
【0061】
したがって、連写終了指示を要することなく、バッファメモリ13が満杯となることにより、自動的に連写を終了することができる。
【0062】
また、前記ステップS211〜S215のループが繰り返し実行されている連写中において、ロータリースイッチ15が回転操作されずに放置されている非操作が所定時間以上継続すると、ステップS215の判断がYESとなる。したがって、ステップS215からステップS216に進み、連写を終了する。
【0063】
したがって、ロータリースイッチ15を回転操作することなく所定時間以上放置すれば、自動的に連写を終了することができる。また、このようにロータリースイッチ15を回転操作することなく放置すれば、自動的に連写を終了することから、無用な連写を未然に防止することもできる。
【0064】
そして、ステップS216に続くステップS217では、バッファメモリ13に格納された複数フレーム分の画像データ(YUVデータ)を、所定のMPEGのコーデックによりデータ圧縮、符号化する。また、この圧縮、符号化した一連のフレーム画像データにファイル名を付して画像記録部10に記録する(ステップS218)。このとき、このステップS218においては、前記ステップS210でフレームレートが変更される毎にバッファメモリ13に記憶したフレームレートを当該フレームレートで撮影された先頭フレーム画像データのヘッダーに書き込んで記録する。
【0065】
したがって、画像記録部10に記録された連写ファイル(動画ファイル)を再生表示する際に、途中で撮影フレームレートが変化しても、第1の実施の形態と同様に、ヘッダーに記憶されているフレームレートに従って再生フレームレートを制御することができる。よって、撮影時にフレームレートの変更を伴いつつ継続的に連写しても、異なるフレームレートで撮影された連写部分が全て自然な動きとなるように支障なく再生することができる。
【0066】
また、ステップS218で記録処理が実行されると、バッファメモリ13内の画像データは不要となることから、次回の連写に備えてバッファメモリ13をクリアし(ステップS219)、ステップS201に戻る。
【0067】
なお、本実施の形態等の説明においては、専ら連写という語句を用いたが、連写は動画撮影と同義語であり、動画撮影と読み替えることができる。また、本実施の形態においては、本発明を専用機器である撮像装置に適用した場合を示したが、連写機能を備えた機器であれば、携帯電話機等の各種機器に適用し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図2】本発明の第1に実施の形態におけるロータリースイッチの詳細を示す回路図である。
【図3】同実施の形態におけるフレームレートデータテーブルを示す概念図である。
【図4】同実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2に実施の形態におけるロータリースイッチの詳細を示す回路図である。
【図6】同実施の形態におけるフレームレートデータテーブルを示す概念図である。
【図7】同実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 撮像装置
3 制御部
4 撮像部
5 撮像レンズ
6 ユニット回路
7 信号処理部
8 画像処理部
9 表示部
10 画像記録部
11 TG
12 ROM
13 バッファメモリ
14 入力検出部
15 ロータリースイッチ
16 スイッチ検出部
17 キー入力部
121 フレームレートデータテーブル
122 フレームレートデータテーブル
151 操作部
162 カウンター
163 回転速度演算部
164 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に設けられた回転自在な操作手段と、
この操作手段の回転を検出する検出手段と、
設定されたフレームレートに従って被写体を順次撮像する撮像手段と、
前記検出手段により検出された前記操作手段の回転に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定する制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記操作手段の回転角度を検出する回転角度検出手段であり、
前記制御手段は、前記回転角度検出手段により検出される前記回転角度に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記回転角度検出手段により検出される前記回転角度が大きくなるに従って、高いフレームレートを設定することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記操作手段の回転速度を検出する回転速度検出手段であり、
前記制御手段は、前記回転速度検出手段により検出される前記回転速度に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記回転速度出手段により検出される前記回転速度が高くなるに従って高いフレームレートを設定することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記検出手段による前記操作手段の最初の回転検出に応答して、前記撮像手段を起動させる起動制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像手段により前記フレームレートで撮像された画像データを順次記憶する所定の記憶容量を有する画像記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記画像記憶手段が記憶状態が満杯となったか否かを判断する記憶状態判断手段と、
この記憶状態判断手段により前記画像記憶手段の記憶状態が満杯となったと判断された場合、前記撮像手段の動作を停止させる停止制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記検出手段により前記操作手段の最後の回転が検出されてからの経過時間を計時する計時手段を備え、
前記制御手段は、前記経過時間が所定時間以上となったか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により前記経過時間が所定時間以上となったと判断された場合、前記撮像手段の動作を停止させる停止制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、
第1のモードと第2のモードのいずれが設定されているか否かを判断する判断手段を備え、
この判断手段により前記第1のモードが設定されていると判断した場合には、前記撮像手段のフレームレートを可変設定する制御を実行し、前記第2のモードが設定されていると判断した場合には、前記前記撮像手段のフレームレートを可変設定する以外の他の制御を実行することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記操作手段の回転角度に対応してフレームレートを記憶した第1のフレームレート記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記第1のフレームレート記憶手段から前記回転角度検出手段により検出される回転角度に対応するフレームレートを読み出して、前記撮像手段のフレームレートを可変設定することを特徴とする請求項2又は3記載の撮像装置。
【請求項11】
前記操作手段の回転速度に対応してフレームレートを記憶した第2のフレームレート記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記第2のフレームレート記憶手段から前記回転速度検出手段により検出される回転速度に対応するフレームレートを読み出して、前記撮像手段のフレームレートを可変設定することを特徴とする請求項4又は5記載の撮像装置。
【請求項12】
前記撮像手段により撮像されて前記画像記憶手段に順次記憶された画像データを、当該画像データが撮像された際のフレームレートとともに記憶媒体に記憶させる記憶制御手段を備えることを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
【請求項13】
装置本体に設けられた回転自在な操作手段と、この操作手段の回転を検出する検出手段と、設定されたフレームレートに従って被写体を順次撮像する撮像手段とを備える撮像装置が有するコンピュータを、
前記検出手段により検出された前記操作手段の回転に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定する制御手段として機能させることを特徴とする撮像制御プログラム。
【請求項14】
装置本体に設けられた回転自在な操作手段と、この操作手段の回転を検出する検出手段と、設定されたフレームレートに従って被写体を順次撮像する撮像手段とを備える撮像装置における撮像制御方法であって、
前記検出手段により検出された前記操作手段の回転に応じて、前記撮像手段のフレームレートを可変設定する制御ステップを含むことを特徴とする撮像制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−128840(P2009−128840A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306828(P2007−306828)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】