撮像装置
【課題】2つの撮像素子を用いた連続撮影において、撮像の度に焦点調節を行った場合であっても、連続撮影を高速に行うことが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】光学系からの光束を互いに異なる第1方向および第2方向に分割する光束分割手段と、第1撮像用画素と第1焦点検出用画素とを有する第1の撮像素子と、第2撮像用画素と第2焦点検出用画素とを有する第2の撮像素子と、第1の撮像素子と第2の撮像素子とに交互に撮像を行わせる撮像制御手段と、第1の撮像素子による撮像が行われている場合には第2焦点検出用画素の出力に基づいて第1焦点信号を出力し、第2の撮像素子による撮像が行われている場合には第1焦点検出用画素の出力に基づいて第2焦点信号を出力する焦点検出手段と、第1焦点信号と第2焦点信号との一方に基づいて光学系の焦点状態を調節する焦点調節手段と、を備える撮像装置。
【解決手段】光学系からの光束を互いに異なる第1方向および第2方向に分割する光束分割手段と、第1撮像用画素と第1焦点検出用画素とを有する第1の撮像素子と、第2撮像用画素と第2焦点検出用画素とを有する第2の撮像素子と、第1の撮像素子と第2の撮像素子とに交互に撮像を行わせる撮像制御手段と、第1の撮像素子による撮像が行われている場合には第2焦点検出用画素の出力に基づいて第1焦点信号を出力し、第2の撮像素子による撮像が行われている場合には第1焦点検出用画素の出力に基づいて第2焦点信号を出力する焦点検出手段と、第1焦点信号と第2焦点信号との一方に基づいて光学系の焦点状態を調節する焦点調節手段と、を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学系からの光束を2方向に分割する構成を備えた撮像装置が知られている。例えば特許文献1には、光路上に、交換レンズから到来する光束を反射光束と透過光束に1:1分割するハーフミラー面を備える光分割プリズムを設置したデジタルカメラが記載されている。このデジタルカメラは、それぞれが撮影用画素および焦点検出用画素から構成される2つの撮像素子を有しており、反射光束と透過光束とをそれぞれ異なる撮像素子により受光する。2つの撮像素子の出力を交互に用いて画像データを生成することにより、連続撮影を行うことも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−177903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のデジタルカメラには、2つの撮像素子を用いた連続撮影において撮像の度に焦点調節を行うと、高速な連続撮影を行うことができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、フォーカシングレンズを有する光学系からの光束を、互いに異なる第1方向および第2方向に分割する光束分割手段と、第1方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された第1撮像用画素と、該第1撮像用画素の配列中に配置された第1焦点検出用画素とを有する第1の撮像素子と、第2方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された第2撮像用画素と、該第2撮像用画素の配列中に配置された第2焦点検出用画素とを有する第2の撮像素子と、第1の撮像素子と第2の撮像素子とに交互に撮像を行わせる撮像制御手段と、第1の撮像素子による撮像が行われている場合には第2焦点検出用画素の出力に基づいて光学系の焦点状態を検出して第1焦点信号を出力し、第2の撮像素子による撮像が行われている場合には第1焦点検出用画素の出力に基づいて光学系の焦点状態を検出して第2焦点信号を出力する焦点検出手段と、焦点検出手段により出力された第1焦点信号と第2焦点信号との一方に基づいてフォーカシングレンズを駆動させ、光学系の焦点状態を調節する焦点調節手段と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、2つの撮像素子を用いた連続撮影において、撮像の度に焦点調節を行った場合であっても、連続撮影を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示す図である。
【図2】ボディ制御装置214の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の撮像素子220の撮像面を示す平面図である。
【図4】撮像用画素配列および焦点検出用画素配列の拡大図である。
【図5】焦点検出用画素320を光束の入射方向側(光学系側)から見た断面図である。
【図6】焦点検出用画素320を横方向(図1の紙面側)から見た断面図である。
【図7】撮影用画素310、311、312を光束の入射方向側(光学系側)から見た断面図である。
【図8】撮影用画素310、311、312を横方向(図1の紙面側)から見た断面図である。
【図9】マイクロレンズを用いた瞳分割方式による焦点検出の説明図である。
【図10】デフォーカス量演算部214bによる焦点検出演算の詳細を説明するための図である。
【図11】連続撮影時の各撮像素子の動作を示すタイムチャートである。
【図12】連続撮影動作のフローチャートである。
【図13】焦点検出処理P1のフローチャートである。
【図14】焦点調節処理P2のフローチャートである。
【図15】撮像処理P3のフローチャートである。
【図16】焦点調節処理P2と撮像処理P3が重複する場合のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示す図である。デジタルカメラ201は交換レンズ202とカメラボディ203から構成され、マウント部204を介して交換レンズ202がカメラボディ203に装着される。
【0009】
交換レンズ202はレンズ制御装置206や撮影光学系などを備えている。交換レンズ202の撮影光学系は、ズーミングレンズ208、レンズ209、フォーカシングレンズ210、および絞り211などの光学部材から構成される。レンズ制御装置206はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、フォーカシングレンズ210と絞り211の駆動制御、ズーミングレンズ208、フォーカシングレンズ210および絞り211の状態検出、後述するボディ制御装置214との通信によりレンズ情報の送信とカメラ情報の受信などを行う。
【0010】
一方、カメラボディ203はボディ制御装置214、液晶表示装置駆動回路215、液晶表示素子216、メモリカード219、第1の撮像素子220、第2の撮像素子221、ハーフミラー223などを備えている。ハーフミラー223は、交換レンズ202から到来する光束を反射光束と透過光束とに1:1に分割するペリクルミラーである。ハーフミラー223は、反射光束が第2の撮像素子221の方向へ、透過光束が第1の撮像素子220の方向へ、それぞれ向かうように配置されている。第1の撮像素子220はハーフミラー223を透過した光束を受光する固体撮像素子(例えばCMOSやCCDなど)であり、交換レンズ202の予定結像面(撮像面)に配置される。一方、第2の撮像素子221はハーフミラー223を反射した光束を受光する固体撮像素子であり、交換レンズ202の他の予定結像面(撮像面)に配置される。
【0011】
ボディ制御装置214はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221からの画像信号の読み出しと補正、レンズ制御装置206との通信(レンズ情報の受信、デフォーカス量などのカメラ情報の送信)、交換レンズ202の焦点状態(デフォーカス量)の検出、およびカメラ全体の動作制御を行う。ボディ制御装置214とレンズ制御装置206はマウント部204に設けられた電気接点213を介して通信を行い、レンズ情報、デフォーカス量、絞り情報などの各種情報の授受を行う。
【0012】
この一実施の形態のデジタルカメラでは、液晶表示素子駆動回路215と液晶表示素子216によりEVF(Electric View Finder)を構成し、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221による撮像画像を液晶表示素子216に表示して接眼レンズ217を介して撮影者に視認させる。なお、撮像画像はメモリカード219に記録される。
【0013】
第1の撮像素子220および第2の撮像素子221にはそれぞれ撮像用画素が2次元状に配置されるとともに、焦点検出位置に対応した部分に焦点検出用画素列が組み込まれている。交換レンズ202を透過してハーフミラー223により分割された光束により第1の撮像素子220および第2の撮像素子221上に形成された各被写体像は、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221によりそれぞれ光電変換され、ボディ制御装置214へ画像信号が出力される。
【0014】
図2は、ボディ制御装置214の構成を示すブロック図である。ボディ制御装置214は、蓄積制御部214a、デフォーカス量演算部214b、レンズ駆動量演算部214c、レンズ駆動制御部214dなどを有する。本実施形態においてこれらの各部は、ボディ制御装置214が不図示のROM等に格納された所定の制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実装されるが、これらの各部を専用の電子回路として構成してもよい。
【0015】
蓄積制御部214aは、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221がそれぞれ有している焦点検出用画素の電荷の蓄積制御を、それぞれ独立して行う。具体的には、焦点検出用画素に電荷の蓄積開始や、焦点検出用画素からの蓄積された電荷の読み出しなどを行う。デフォーカス量演算部214bは、蓄積制御部214aにより読み出された焦点検出用画素の出力に基づいて焦点検出位置におけるデフォーカス量を演算し、このデフォーカス量を焦点信号としてレンズ駆動量演算部214cに出力する。レンズ駆動量演算部214cは、デフォーカス量演算部214bから出力された焦点信号(デフォーカス量)に基づいて、フォーカシングレンズ210を合焦点へと駆動させるために必要なレンズ駆動量を演算する。レンズ駆動制御部214dは、レンズ駆動量演算部214cにより演算されたレンズ駆動量を含むフォーカシングレンズ210の駆動指示を交換レンズ202に送信してレンズ制御装置206にフォーカシングレンズ210を駆動させ、交換レンズ202の焦点状態を調節する。
【0016】
ボディ制御装置214は上述した各処理に加えて、撮像画素の出力に基づき生成した画像信号をメモリカード219に格納する処理や、画像信号を液晶表示素子駆動回路215へ送り画像信号を液晶表示素子216に表示させる処理、レンズ制御装置206へ絞り制御情報を伝達し絞り開口の大きさを制御させる処理などを実行する。
【0017】
レンズ制御装置206は、レンズ情報をフォーカシング状態、ズーミング状態、絞り設定状態、絞り開放F値などに応じて変更する。具体的には、レンズ制御装置206は、ズーミングレンズ208、フォーカシングレンズ210の位置と、絞り211の絞り位置をモニターし、モニター情報に応じてレンズ情報を演算したり、あるいは予め用意されたルックアップテーブルからモニター情報に応じたレンズ情報を選択する。また、レンズ制御装置206は、フォーカシングレンズ210の駆動指示を受信すると、当該駆動指示に含まれるレンズ駆動量に基づいてフォーカシングレンズ210を不図示のモーター等の駆動源により合焦点へと駆動するとともに、受信した絞り制御情報に基づいて絞り211を不図示のモーター等の駆動源により駆動する。
【0018】
(撮像用画素および焦点検出用画素の説明)
図3は、第1の撮像素子220の撮像面を示す平面図である。第1の撮像素子220は、単一の基板上において行方向とそれに直交する方向の列方向に二次元正方配列された撮像用画素および焦点検出用画素から構成される。すなわち、撮像用画素は行方向と列方向に稠密に配列されており、第1の撮像素子220では画素の稠密配列方向は行方向と列方向になる。図3において、点100は撮影画面中心(交換レンズ202の光軸と第1の撮像素子220の交点)であり、直線101は点100を通る行方向(水平方向)の直線であり、直線102は点100を通る列方向(垂直方向)の直線である。
【0019】
直線102の上方向が図1に示すAの方向であり、下方向が図1に示すBの方向である。直線103は点100を中心に直線101を反時計回りに45度回転した直線であり、
直線104は点100を中心に直線101を時計回りに45度回転した直線である。第1の撮像素子220は直線103と直線104により4つの区域に分割され、区域110と区域130は点100から行方向で右方向および左方向に広がる区域であり、区域150と区域170は点100から列方向で上方向および下方向に広がる区域である。
【0020】
点100を中心とする楕円105、106において、点100を含む楕円105の内側が画面中心近傍の領域107であり、楕円105の外側でかつ楕円106の内側の領域は中間的な領域108であり、楕円106の外側の領域は画面周辺の領域109である。
【0021】
図3において、小さな長方形で示した領域に焦点検出用画素が配列されている。この領域が焦点検出領域(焦点検出エリア)となる。長方形の長手方向が焦点検出用画素の配列方向を、長方形の長手方向の長さは焦点検出領域の長さ(焦点検出用画素の配列画素数)をそれぞれ示している。焦点検出領域以外には撮像用画素が配列されており、複数の焦点検出領域の間の領域は撮像用画素のみの領域となっている。
【0022】
本実施形態では、第2の撮像素子221が有する焦点検出用画素は、図3に示した第1の撮像素子220の焦点検出用画素と略同一の位置に配置されている。すなわち、第2の撮像素子221の撮像面も、図3に示した通りの構成となっている。
【0023】
図4は撮像用画素配列および焦点検出用画素配列の拡大図である。なお図4は、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221の、焦点検出用画素が行方向に配列された領域を拡大して示した図である。撮像用画素は緑画素310、赤画素311、青画素312の3種類の画素からなり、これらの画素がベイヤー配列で2次元配列されている。撮像用画素(緑画素310、赤画素311、青画素312)はそれぞれ、マイクロレンズと、光電変換部と、不図示の色フィルタ(赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類)とからなる。
【0024】
図4において、焦点検出用画素320は行方向に連続的に配列され、焦点検出領域を形成する。焦点検出用画素320の配列の周囲は撮像用画素により取り囲まれている。なお、焦点検出用画素が列方向に配列された領域は、ちょうど図4を時計回りに90度回転させたものとなるので、説明を省略する。
【0025】
図5は焦点検出用画素320を光束の入射方向側(光学系側)から見た断面図であり、図6は焦点検出用画素320を横方向(図1の紙面側)から見た断面図である。焦点検出用画素320はそれぞれ、マイクロレンズ10と一対の光電変換部12、13とからなる。焦点検出用画素320において、焦点検出用の光電変換部12、13の前方にマイクロレンズ10が配置され、マイクロレンズ10により光電変換部12、13が前方に投影される。光電変換部12、13は半導体回路基板29上に形成される。
【0026】
図7は撮影用画素310、311、312を光束の入射方向側(光学系側)から見た断面図であり、図8は撮影用画素310、311、312を横方向(図1の紙面側)から見た断面図である。撮影用画素310、311、312はそれぞれ、マイクロレンズ10と撮像用の光電変換部11とからなる。撮像用画素310、311、312において、撮像用の光電変換部11の前方にマイクロレンズ10が配置され、マイクロレンズ10により光電変換部11が前方に投影される。光電変換部11は半導体回路基板29上に形成される。不図示の色フィルタはマイクロレンズ10と光電変換部11の中間に配置される。
【0027】
撮像用画素の光電変換部11は、マイクロレンズ10により所定の絞り開口径(例えばF1.0)の光束をすべて受光するような形状に設計される。一方、焦点検出用画素の一対の光電変換部12、13は、マイクロレンズ10により所定の絞り開口径(例えばF2.8)の光束をすべて受光するような形状に設計される。
【0028】
(デフォーカス量演算部214bによる焦点状態の検出処理の説明)
図9はマイクロレンズを用いた瞳分割方式による焦点検出の説明図である。焦点検出用画素のマイクロレンズ50、60は光学系の予定結像面近傍に配置されている。マイクロレンズ50は、その背後に配置された一対の光電変換部52、53の形状をマイクロレンズ50、60から投影距離d0だけ離間した射出瞳90上に投影し、その投影形状は測距瞳92、93を形成する。なお、投影距離d0はマイクロレンズの曲率、屈折率、マイクロレンズと光電変換部の間の距離などに応じて決まる距離であって、以下では測距瞳距離という。マイクロレンズ60は、その背後に配置された一対の光電変換部62、63の形状を投影距離(測距瞳距離)d0だけ離間した射出瞳90上に投影し、その投影形状は測距瞳92、93を形成する。すなわち、投影距離d0にある射出瞳90上で各焦点検出用画素の光電変換部の投影形状(測距瞳92、93)が一致するように、各画素の投影方向が決定されている。つまり、一対の測距瞳92、93と、一対の光電変換部52、53および一対の光電変換部62、63は、マイクロレンズ50、60を介して共役な関係となっている。
【0029】
なお、図9では便宜的に、光軸上にある焦点検出用画素(マイクロレンズ50と一対の光電変換部52、53からなる)と、隣接する焦点検出用画素(マイクロレンズ60と一対の光電変換部62、63からなる)を模式的に例示しているが、焦点検出用画素が画面周辺の光軸から離れた位置にあった場合においても、一対の光電変換部はそれぞれ一対の測距瞳から各マイクロレンズに到来する光束を受光する。焦点検出用画素の配列方向は、一対の測距瞳の並び方向すなわち一対の光電変換部の並び方向と一致させる。
【0030】
光電変換部52は、測距瞳92を通過しマイクロレンズ50に向う焦点検出光束72によりマイクロレンズ50上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。光電変換部53は測距瞳93を通過し、マイクロレンズ50に向う焦点検出光束73によりマイクロレンズ50上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。また、光電変換部62は測距瞳92を通過し、マイクロレンズ60に向う焦点検出光束82によりマイクロレンズ60上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。光電変換部63は測距瞳93を通過し、マイクロレンズ60に向う焦点検出光束83によりマイクロレンズ60上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
【0031】
上記のような焦点検出用画素を直線状に複数個配置し、各画素の一対の光電変換部の出力を測距瞳92および測距瞳93に対応した出力グループにまとめることによって、測距瞳92と測距瞳93を各々通過する焦点検出光束が焦点検出用画素列上に形成する一対の像の強度分布に関する情報が得られる。これらの情報に対して後述する像ズレ検出演算処理(相関演算処理、位相差検出処理)を施すことにより、いわゆる瞳分割型位相差検出方式で一対の像の像ズレ量が検出される。さらに、像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔に応じた変換演算を行うことにより、予定結像面に対する現在の結像面(予定結像面上のマイクロレンズアレイの位置に対応した焦点検出位置における結像面)の偏差(デフォーカス量)が算出される。デフォーカス量演算部214bは以上のような演算を行うことにより、交換レンズ202の焦点状態を検出する。
【0032】
なお、上記説明では測距瞳は交換レンズの開口制限要素(絞り開口、レンズ外形、フードなど)によって制限されていない(けられていない)状態として説明を行ったが、交換レンズの開口制限要素によって測距瞳が制限される場合には、焦点検出用画素の光電変換部は制限を受けた測距瞳を通過する光束を焦点検出光束として受光することになる。
【0033】
図10は、デフォーカス量演算部214bによる焦点検出演算の詳細を説明するための図である。焦点検出用画素列から出力される一対のデータ列(α1〜αM、β1〜βM:Mはデータ数)に対し、下記(1)式に示すような高周波カットフィルター処理を施し、第1データ列(A1〜AN)、第2データ列(B1〜BN)を生成することによって、データ列から相関処理に悪影響を及ぼすノイズ成分や高周波成分を除去する。
An=αn+2×α(n+1)+α(n+2),
Bn=βn+2×β(n+1)+β(n+2) ・・・(1)
【0034】
上述した(1)式において、n=1〜Nである。また、α1〜αMは図9において測距瞳92を通る焦点検出光束により形成された像の画像データに相当し、β1〜βMは測距瞳93を通る焦点検出光束により形成された像の画像データに相当する。なお、演算時間の短縮を図る場合や、すでに大きくデフォーカスしていて高周波成分が少ないことがわかっている場合などには、この処理を省略することもできる。
【0035】
次にデータ列An、Bnに対し下記(2)式に示す相関演算を行い、相関量C(k)を演算する。
C(k)=Σ|An−B(n+k)| ・・・(2)
【0036】
上述した(2)式において、Σ演算はnについて累積される総和演算である。nのとる範囲は、ずらし量kに応じてAn、Bn+kのデータが存在する範囲に限定される。ずらし量kは整数であり、データ列のデータ間隔(画素ピッチ)を単位とした相対的シフト量である。(2)式の演算結果は、図10(a)に示すように、一対のデータの相関が高いシフト量(図10(a)ではk=kj=2)において相関量C(k)が極小(小さいほど相関度が高い)になる。
【0037】
次に、下記(3)〜(6)式による3点内挿の手法を用いて連続的な相関量に対する極小値C(x)を与えるシフト量xを求める。
x=kj+D/SLOP ・・・(3),
C(x)= C(kj)-|D| ・・・(4),
D={C(kj-1)−C(kj+1)}/2 ・・・(5),
SLOP=MAX{C(kj+1)−C(kj),C(kj-1)−C(kj)} ・・・(6)
【0038】
上述の(3)式で算出されたずらし量xの信頼性があるかどうかは、以下のようにして判定される。図10(b)に示すように、一対のデータの相関度が低い場合は内挿された相関量の極小値C(x)の値が大きくなる。したがって、C(x)が所定のしきい値以上の場合は算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。あるいは、C(x)をデータのコントラストで規格化するために、コントラストに比例した値となるSLOPでC(x)を除した値が所定値以上の場合は、算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。さらにはまた、コントラストに比例した値となるSLOPが所定値以下の場合は、被写体が低コントラストであり、算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。図10(c)に示すように、一対のデータの相関度が低く、シフト範囲kmin〜kmaxの間で相関量C(x)の落ち込みがない場合は、極小値C(x)を求めることができず、このような場合は焦点検出不能と判定する。
【0039】
算出されたずらし量xの信頼性があると判定された場合は、被写体像面の予定結像面に対するデフォーカス量DEFを下記(7)式で求めることができる。
DEF=KX・PY・x ・・・(7)
【0040】
上述の(7)式において、PYは検出ピッチ(焦点検出用画素のピッチ)であり、KXは一対の測距瞳を通過する光束の重心の開き角の大きさ(測距瞳重心間隔と測距瞳距離によって決まる)によって決まる変換係数である。
【0041】
(連続撮影機能の説明)
本実施形態のデジタルカメラ201は、2つの撮像素子に交互に撮像を行わせることにより、高速に連続撮影を行う機能を有している。以下、この機能について説明する。
【0042】
図11は、連続撮影時の各撮像素子の動作を示すタイムチャートである。1つの撮像素子による1回の撮影サイクルCは、図11に示すように、焦点検出処理P1、焦点調節処理P2、および撮像処理P3の3つの処理からなる。焦点検出処理P1は、蓄積制御部214aによる焦点検出用画素の電荷の蓄積および読み出しと、デフォーカス量演算部214bによる焦点状態の検出(デフォーカス量の演算)と、レンズ駆動量演算部214cによるフォーカシングレンズ駆動部212の駆動量の演算からなる処理である。焦点調節処理P2は、レンズ駆動制御部214dによる交換レンズ202の焦点状態の調節からなる処理である。撮像処理P3は、ボディ制御装置214による撮像素子(第1の撮像素子220または第2の撮像素子221)の露光制御と、撮像素子の出力の読み出しと、当該出力に基づく画像データの作成と、メモリカード219への画像データの記録と、からなる処理である。
【0043】
なお図11では説明の便宜上、焦点検出処理P1に要する時間は、焦点調節処理P2および撮像処理P3に要する時間と等しいものとしている。各処理に要する時間がこれとは異なる場合については後に詳述する。
【0044】
連続撮影を行う際、ユーザは不図示の操作部材を用いて、デジタルカメラ201の動作モードを連続撮影用のモードに設定する。上記のモードを設定した後、ユーザがデジタルカメラのレリーズボタン(不図示)の全押し操作を行うと、ボディ制御装置214は全押し操作が行われている間、図11に示すシーケンスで連続撮影を行う。
【0045】
ボディ制御装置214はまず、第1の撮像素子220において焦点検出処理P1を実行し、焦点信号の出力とレンズ駆動量の演算とを行う(時刻T0〜T1)。次に、第1の撮像素子220の出力に基づくレンズ駆動量を用いて焦点調節処理P2を実行し(時刻T1〜T2)、焦点調節の完了後に撮像処理P3を実行する(時刻T2〜T3)。これと並行して、第2の撮像素子221では焦点検出処理P1を実行する(時刻T1〜T3)。なお焦点調節中(フォーカシングレンズ210の駆動中)であっても焦点検出が行えることは周知である。
【0046】
第1の撮像素子220において撮像処理P3が完了すると、ボディ制御装置214は当該撮像素子における次の撮影サイクルCを開始する。つまり、新たに焦点検出処理P1が開始される(時刻T3〜T5)。ボディ制御装置214はこれと並行して、第2の撮像素子221における焦点調節処理P2を実行し、その後、撮像処理P3を実行する(時刻T3〜T5)。
【0047】
以上のように、ボディ制御装置214は、第1の撮像素子220による撮像が行われている場合には第2の撮像素子221の出力に基づく焦点状態の検出およびフォーカシングレンズ210の駆動を行い、第2の撮像素子221による撮像が行われている場合には第1の撮像素子220の出力に基づく焦点状態の検出およびフォーカシングレンズ210の駆動を行う。またボディ制御装置214は、第1の撮像素子220と第2の撮像素子221との一方による撮像が行われている場合、フォーカシングレンズ210を駆動させない。
【0048】
図12は、連続撮影動作のフローチャートである。まずステップS101では、ボディ制御装置214がレリーズボタンの全押し操作が行われているか否かを判定する。レリーズボタンの全押し操作が行われていない場合には、本処理は終了する。他方、レリーズボタンの全押し操作が行われていた場合にはステップS102に進む。ステップS102ではボディ制御装置214が、連続撮影開始後に初めてステップS102に到達したか否かを判定する。連続撮影の開始後、ステップS102に初めて到達した場合には、処理はステップS103に進む。
【0049】
ステップS103では、ボディ制御装置214(蓄積制御部214a、デフォーカス量演算部214b、およびレンズ駆動量演算部214c)が、第1の撮像素子220を対象に後述する焦点検出処理P1を実行する。次にボディ制御装置214は、ステップS104およびステップS105の処理と、ステップS106の処理と、を並行して実行する。ステップS104では、ボディ制御装置214(レンズ駆動制御部214d)により、第1の撮像素子220を対象に後述する焦点調節処理P2が実行される。ステップS105では、ボディ制御装置214が、第1の撮像素子220を対象に後述する撮像処理P3を実行する。他方、ステップS104およびステップS105と並行するステップS106では、ボディ制御装置214(蓄積制御部214a、デフォーカス量演算部214b、およびレンズ駆動量演算部214c)により、第2の撮像素子221を対象に後述する焦点検出処理P1が実行される。その後、本処理はステップS101に戻り、上述の各ステップが繰り返し実行される。
【0050】
2回目以降の繰り返しでは、ステップS102において否定判定がなされ、処理はステップS107に進む。ステップS107では、ボディ制御装置214が、前回実行した撮像処理P3においてどちらの撮像素子により撮像処理P3がなされたかを判定する。直近の撮像処理P3が第1の撮像素子220についてなされたものであった場合、本処理は前述したステップS104およびステップS106に進む。他方、直近の撮像処理P3が第2の撮像素子221についてなされたものであった場合、処理は以下に述べるステップS108およびステップS109に進む。ボディ制御装置214は、前述したステップS104およびステップS106と同様に、ステップS108の処理とステップS109およびステップS110の処理とを並行して実行する。
【0051】
ステップS108ではボディ制御装置214(蓄積制御部214a、デフォーカス量演算部214b、およびレンズ駆動量演算部214c)が、第1の撮像素子220を対象に後述する焦点検出処理P1を実行する。他方、ステップS108と並行して実行されるステップS109では、ボディ制御装置214(レンズ駆動制御部214d)がステップS104と同様に、第2の撮像素子221を対象に後述する焦点調節処理P2を実行する。そしてステップS110では、ボディ制御装置214がステップS105と同様に、第2の撮像素子221を対象に後述する撮像処理P3を実行する。
【0052】
図13は、焦点検出処理P1のフローチャートである。まずステップS201において蓄積制御部214aが、処理対象の撮像素子が有する焦点検出用画素の蓄積制御を行う。ステップS202ではデフォーカス量演算部214bが、処理対象の撮像素子が有する焦点検出用画素の出力を読み出し、前述の方法によりデフォーカス量を演算して焦点信号を出力する。ステップS203ではレンズ駆動量演算部214cが、ステップS202で出力された焦点信号(デフォーカス量)に基づいて、ピントを合わせるために必要なフォーカシングレンズ210のレンズ駆動量を演算する。
【0053】
図14は、焦点調節処理P2のフローチャートである。ステップS301ではレンズ駆動制御部214dが、ステップS203でレンズ駆動量演算部214cにより演算されたレンズ駆動量を含むフォーカシングレンズ210の駆動指示を、レンズ制御装置206に送信する。レンズ制御装置206はこの駆動指示に応じてフォーカシングレンズ210を駆動する。
【0054】
図15は、撮像処理P3のフローチャートである。まずステップS401ではボディ制御装置214が、処理対象の撮像素子が有する撮像用画素の蓄積制御を行う。ステップS402ではボディ制御装置214が、処理対象の撮像素子が有する撮像用画素の出力を読み出し、種々の画像処理(例えばノイズ除去やホワイトバランス補正など)を実行して画像データを作成する。ステップS403ではボディ制御装置214がステップS402で作成された画像データをメモリカード219に記録する。なお、レリーズボタンの半押し操作がなされた場合には、撮像処理P3を除き図12に示した処理と同様の処理が実行される。つまり、第1の撮像素子220と第2の撮像素子221とに交互に焦点検出処理および焦点調節処理が行われる。図12に示した処理と半押し時に行われる処理との具体的な相違点は、ステップS101において全押し操作ではなく半押し操作が検知される点、ステップS107において前回の撮像処理ではなく前回の焦点検出処理について判定が行われる点、ステップS105およびステップS110が取り除かれる点である。
【0055】
次に、焦点検出処理P1、焦点調節処理P2、および撮像処理P3に要する時間が図11に示したものとは異なる場合について説明する。これら3つの処理に要する時間は常に一定になるとは限らない。例えば焦点検出処理P1に要する時間は、被写体のコントラストに応じて変化する。また、焦点調節処理P2に要する時間は、レンズ駆動量やフォーカシングレンズ210の駆動速度により変化する。ボディ制御装置214は、第1の撮像素子220と第2の撮像素子221との一方による撮像が行われている場合、フォーカシングレンズ210が駆動されないように各部を制御する。換言すれば、ボディ制御装置214は、いずれかの撮像素子が撮像を行っている環、フォーカシングレンズ210の駆動を禁止する。
【0056】
図16は、焦点調節処理P2と撮像処理P3が重複する場合のタイミングチャートである。図16では時刻T13において、第1の撮像素子220では撮像処理P3が行われている。他方、第2の撮像素子221では時刻T13においてちょうど焦点検出処理P1が終了している。通常であれば、このときボディ制御装置214は、第2の撮像素子221の出力に基づくレンズ駆動量を用いて焦点調節処理P2を実行するはずである。しかしながら、撮像中にフォーカシングレンズ210を駆動することは、撮像結果に影響を及ぼしてしまう。そこでボディ制御装置214は、第1の撮像素子220における撮像処理P3が完了するまで、第2の撮像素子221における焦点調節処理P2を実行しない。すなわち、第1の撮像素子220における撮像処理P3の完了待ち処理P4を実行する。
【0057】
上述した第1の実施の形態によるデジタルカメラによれば、次の作用効果が得られる。
(1)ペリクルミラー223は、フォーカシングレンズ210を有する撮影光学系からの光束を、互いに異なる第1方向および第2方向に分割する。カメラボディ203は第1の撮像素子220と第2の撮像素子221とを有している。第1の撮像素子220は第1方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された撮像用画素と当該撮像用画素の配列中に配置された焦点検出用画素とを有する。また第2の撮像素子221は第2方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された撮像用画素と当該撮像用画素の配列中に配置された焦点検出用画素とを有する。ボディ制御装置214は第1の撮像素子220と第2の撮像素子221とに交互に撮像を行わせる。デフォーカス量演算部214bは、第1の撮像素子220による撮像が行われている場合には第2の撮像素子221の出力に基づいて撮影光学系の焦点状態を検出して焦点信号を出力し、第2の撮像素子221による撮像が行われている場合には第1の撮像素子220の出力に基づいて撮影光学系の焦点状態を検出して焦点信号を出力する。レンズ駆動制御部214dは、デフォーカス量演算部214bにより出力された第1の撮像素子220の出力に基づく焦点信号と第2の撮像素子221の出力に基づく焦点信号との一方に基づいてフォーカシングレンズ210を駆動させ、撮影光学系の焦点状態を調節する。このようにしたので、2つの撮像素子を用いた連続撮影において、撮像の度に焦点調節を行った場合であっても、連続撮影を高速に行うことができる。
【0058】
(2)レンズ駆動制御部214dは、第1の撮像素子220と第2の撮像素子221との一方による撮像が行われている場合、フォーカシングレンズ210を駆動させない。このようにしたので、2つの撮像素子を用いた連続撮影において、一方の撮像素子に基づいて行われる焦点調節が、他方の撮像素子の撮像に影響を及ぼすことがない。
【0059】
(3)第1の撮像素子220は、第2の撮像素子221における焦点検出用画素の位置と略同一の位置に焦点検出用画素が配置されている。このようにしたので、2つの撮像素子により交互に行われる連続撮影を、同一の被写体部分にピントを合わせたまま実行することが可能となる。
【0060】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0061】
(変形例1)
上述した実施形態では、静止画の連続撮影を行う機能について説明した。本発明は静止画の撮影ではなく動画の撮影やいわゆるスルー画を撮影する際にも適用することができる。例えば、動画の撮影において、各フレームを2つの撮像素子で交互に撮像する構成とすることも可能であるし、スルー画を2つの撮像素子で交互に撮像しEVF等に表示することも可能である。
【0062】
(変形例2)
デジタルカメラ201にメモリカード219を複数装着可能にしてもよい。この場合、第1の撮像素子220により撮像された画像データを一方のメモリーカードに、第2の撮像素子221により撮像された画像データを他方のメモリーカードに、それぞれ記録してもよい。このようにすることで、メモリーカードへの記録に要する時間が高速撮影のボトルネックになることを回避することができる。
【0063】
(変形例3)
上述した実施形態において、2つの撮像素子の焦点検出用画素は略同一の位置に配置されていた。このようにするのではなく、第1の撮像素子220における焦点検出用画素の位置とは異なる位置に、第2の撮像素子221の焦点検出用画素が配置されるようにしてもよい。このようにすることで、一方の撮像素子において焦点検出が困難な場合であっても、他方の撮像素子において確実に焦点検出を行うことが可能となる。
【0064】
(変形例4)
撮影光学系からの高速を2方向に分割する光学部材は、ペリクルミラーに限定されない。例えばハーフミラー面を有するプリズムとしてもよい。
【0065】
(変形例5)
上述の実施形態では連続撮影は可能な限り高速に行う構成となっていた。これをボディ制御装置214が、第1の撮像素子220による撮像と、第2の撮像素子221による撮像とを、所定の一定間隔(所定時間)ごとに交互に行わせるようにしてもよい。例えば撮像前の焦点調節処理が上記の所定時間よりも短かった場合、ボディ制御装置214に所定時間が経過するまで待機する処理を実行させれば、このような構成とすることができる。このようにすることで、連続撮影が規則的に行われ、規則的な撮影結果を得ることが可能となる。
【0066】
(変形例6)
第1の撮像素子220および第2の撮像素子221が有する撮像用画素が、上述した実施形態の焦点検出用画素と同様に、一対の光電変換部を有する構成としてもよい。このような構成とすることで、任意の画素を焦点検出用画素としても、撮像用画素としても利用することが可能となり、焦点検出エリアを柔軟に設定することが可能となる。
【0067】
(変形例7)
焦点検出処理P1、焦点調節処理P2、および撮像処理P3を、更に細分化してもよい。例えば上述した実施の形態では、撮像処理P3に画像処理の実行およびメモリカード219への画像データの記録が含まれていたが、これらを撮像処理P3とは別の処理単位(例えば記録処理と称する)とし、撮像処理P3から除外してもよい。これは、記録処理が行われている最中にフォーカシングレンズ210が駆動されても、記録される画像データには何ら影響を及ぼさないためである。このように、各処理を細分化して、互いに影響を及ぼさないように構成することにより、連続撮影を更に高速化することが可能となる。
【0068】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
201…デジタルカメラ、202…交換レンズ、206…レンズ制御装置、210…フォーカシングレンズ、214…ボディ制御装置、214a…蓄積制御部、214b…デフォーカス量演算部、214c…レンズ駆動量演算部、214d…レンズ駆動制御部、220…第1の撮像素子、221…第2の撮像素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学系からの光束を2方向に分割する構成を備えた撮像装置が知られている。例えば特許文献1には、光路上に、交換レンズから到来する光束を反射光束と透過光束に1:1分割するハーフミラー面を備える光分割プリズムを設置したデジタルカメラが記載されている。このデジタルカメラは、それぞれが撮影用画素および焦点検出用画素から構成される2つの撮像素子を有しており、反射光束と透過光束とをそれぞれ異なる撮像素子により受光する。2つの撮像素子の出力を交互に用いて画像データを生成することにより、連続撮影を行うことも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−177903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のデジタルカメラには、2つの撮像素子を用いた連続撮影において撮像の度に焦点調節を行うと、高速な連続撮影を行うことができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、フォーカシングレンズを有する光学系からの光束を、互いに異なる第1方向および第2方向に分割する光束分割手段と、第1方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された第1撮像用画素と、該第1撮像用画素の配列中に配置された第1焦点検出用画素とを有する第1の撮像素子と、第2方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された第2撮像用画素と、該第2撮像用画素の配列中に配置された第2焦点検出用画素とを有する第2の撮像素子と、第1の撮像素子と第2の撮像素子とに交互に撮像を行わせる撮像制御手段と、第1の撮像素子による撮像が行われている場合には第2焦点検出用画素の出力に基づいて光学系の焦点状態を検出して第1焦点信号を出力し、第2の撮像素子による撮像が行われている場合には第1焦点検出用画素の出力に基づいて光学系の焦点状態を検出して第2焦点信号を出力する焦点検出手段と、焦点検出手段により出力された第1焦点信号と第2焦点信号との一方に基づいてフォーカシングレンズを駆動させ、光学系の焦点状態を調節する焦点調節手段と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、2つの撮像素子を用いた連続撮影において、撮像の度に焦点調節を行った場合であっても、連続撮影を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示す図である。
【図2】ボディ制御装置214の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の撮像素子220の撮像面を示す平面図である。
【図4】撮像用画素配列および焦点検出用画素配列の拡大図である。
【図5】焦点検出用画素320を光束の入射方向側(光学系側)から見た断面図である。
【図6】焦点検出用画素320を横方向(図1の紙面側)から見た断面図である。
【図7】撮影用画素310、311、312を光束の入射方向側(光学系側)から見た断面図である。
【図8】撮影用画素310、311、312を横方向(図1の紙面側)から見た断面図である。
【図9】マイクロレンズを用いた瞳分割方式による焦点検出の説明図である。
【図10】デフォーカス量演算部214bによる焦点検出演算の詳細を説明するための図である。
【図11】連続撮影時の各撮像素子の動作を示すタイムチャートである。
【図12】連続撮影動作のフローチャートである。
【図13】焦点検出処理P1のフローチャートである。
【図14】焦点調節処理P2のフローチャートである。
【図15】撮像処理P3のフローチャートである。
【図16】焦点調節処理P2と撮像処理P3が重複する場合のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示す図である。デジタルカメラ201は交換レンズ202とカメラボディ203から構成され、マウント部204を介して交換レンズ202がカメラボディ203に装着される。
【0009】
交換レンズ202はレンズ制御装置206や撮影光学系などを備えている。交換レンズ202の撮影光学系は、ズーミングレンズ208、レンズ209、フォーカシングレンズ210、および絞り211などの光学部材から構成される。レンズ制御装置206はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、フォーカシングレンズ210と絞り211の駆動制御、ズーミングレンズ208、フォーカシングレンズ210および絞り211の状態検出、後述するボディ制御装置214との通信によりレンズ情報の送信とカメラ情報の受信などを行う。
【0010】
一方、カメラボディ203はボディ制御装置214、液晶表示装置駆動回路215、液晶表示素子216、メモリカード219、第1の撮像素子220、第2の撮像素子221、ハーフミラー223などを備えている。ハーフミラー223は、交換レンズ202から到来する光束を反射光束と透過光束とに1:1に分割するペリクルミラーである。ハーフミラー223は、反射光束が第2の撮像素子221の方向へ、透過光束が第1の撮像素子220の方向へ、それぞれ向かうように配置されている。第1の撮像素子220はハーフミラー223を透過した光束を受光する固体撮像素子(例えばCMOSやCCDなど)であり、交換レンズ202の予定結像面(撮像面)に配置される。一方、第2の撮像素子221はハーフミラー223を反射した光束を受光する固体撮像素子であり、交換レンズ202の他の予定結像面(撮像面)に配置される。
【0011】
ボディ制御装置214はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221からの画像信号の読み出しと補正、レンズ制御装置206との通信(レンズ情報の受信、デフォーカス量などのカメラ情報の送信)、交換レンズ202の焦点状態(デフォーカス量)の検出、およびカメラ全体の動作制御を行う。ボディ制御装置214とレンズ制御装置206はマウント部204に設けられた電気接点213を介して通信を行い、レンズ情報、デフォーカス量、絞り情報などの各種情報の授受を行う。
【0012】
この一実施の形態のデジタルカメラでは、液晶表示素子駆動回路215と液晶表示素子216によりEVF(Electric View Finder)を構成し、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221による撮像画像を液晶表示素子216に表示して接眼レンズ217を介して撮影者に視認させる。なお、撮像画像はメモリカード219に記録される。
【0013】
第1の撮像素子220および第2の撮像素子221にはそれぞれ撮像用画素が2次元状に配置されるとともに、焦点検出位置に対応した部分に焦点検出用画素列が組み込まれている。交換レンズ202を透過してハーフミラー223により分割された光束により第1の撮像素子220および第2の撮像素子221上に形成された各被写体像は、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221によりそれぞれ光電変換され、ボディ制御装置214へ画像信号が出力される。
【0014】
図2は、ボディ制御装置214の構成を示すブロック図である。ボディ制御装置214は、蓄積制御部214a、デフォーカス量演算部214b、レンズ駆動量演算部214c、レンズ駆動制御部214dなどを有する。本実施形態においてこれらの各部は、ボディ制御装置214が不図示のROM等に格納された所定の制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実装されるが、これらの各部を専用の電子回路として構成してもよい。
【0015】
蓄積制御部214aは、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221がそれぞれ有している焦点検出用画素の電荷の蓄積制御を、それぞれ独立して行う。具体的には、焦点検出用画素に電荷の蓄積開始や、焦点検出用画素からの蓄積された電荷の読み出しなどを行う。デフォーカス量演算部214bは、蓄積制御部214aにより読み出された焦点検出用画素の出力に基づいて焦点検出位置におけるデフォーカス量を演算し、このデフォーカス量を焦点信号としてレンズ駆動量演算部214cに出力する。レンズ駆動量演算部214cは、デフォーカス量演算部214bから出力された焦点信号(デフォーカス量)に基づいて、フォーカシングレンズ210を合焦点へと駆動させるために必要なレンズ駆動量を演算する。レンズ駆動制御部214dは、レンズ駆動量演算部214cにより演算されたレンズ駆動量を含むフォーカシングレンズ210の駆動指示を交換レンズ202に送信してレンズ制御装置206にフォーカシングレンズ210を駆動させ、交換レンズ202の焦点状態を調節する。
【0016】
ボディ制御装置214は上述した各処理に加えて、撮像画素の出力に基づき生成した画像信号をメモリカード219に格納する処理や、画像信号を液晶表示素子駆動回路215へ送り画像信号を液晶表示素子216に表示させる処理、レンズ制御装置206へ絞り制御情報を伝達し絞り開口の大きさを制御させる処理などを実行する。
【0017】
レンズ制御装置206は、レンズ情報をフォーカシング状態、ズーミング状態、絞り設定状態、絞り開放F値などに応じて変更する。具体的には、レンズ制御装置206は、ズーミングレンズ208、フォーカシングレンズ210の位置と、絞り211の絞り位置をモニターし、モニター情報に応じてレンズ情報を演算したり、あるいは予め用意されたルックアップテーブルからモニター情報に応じたレンズ情報を選択する。また、レンズ制御装置206は、フォーカシングレンズ210の駆動指示を受信すると、当該駆動指示に含まれるレンズ駆動量に基づいてフォーカシングレンズ210を不図示のモーター等の駆動源により合焦点へと駆動するとともに、受信した絞り制御情報に基づいて絞り211を不図示のモーター等の駆動源により駆動する。
【0018】
(撮像用画素および焦点検出用画素の説明)
図3は、第1の撮像素子220の撮像面を示す平面図である。第1の撮像素子220は、単一の基板上において行方向とそれに直交する方向の列方向に二次元正方配列された撮像用画素および焦点検出用画素から構成される。すなわち、撮像用画素は行方向と列方向に稠密に配列されており、第1の撮像素子220では画素の稠密配列方向は行方向と列方向になる。図3において、点100は撮影画面中心(交換レンズ202の光軸と第1の撮像素子220の交点)であり、直線101は点100を通る行方向(水平方向)の直線であり、直線102は点100を通る列方向(垂直方向)の直線である。
【0019】
直線102の上方向が図1に示すAの方向であり、下方向が図1に示すBの方向である。直線103は点100を中心に直線101を反時計回りに45度回転した直線であり、
直線104は点100を中心に直線101を時計回りに45度回転した直線である。第1の撮像素子220は直線103と直線104により4つの区域に分割され、区域110と区域130は点100から行方向で右方向および左方向に広がる区域であり、区域150と区域170は点100から列方向で上方向および下方向に広がる区域である。
【0020】
点100を中心とする楕円105、106において、点100を含む楕円105の内側が画面中心近傍の領域107であり、楕円105の外側でかつ楕円106の内側の領域は中間的な領域108であり、楕円106の外側の領域は画面周辺の領域109である。
【0021】
図3において、小さな長方形で示した領域に焦点検出用画素が配列されている。この領域が焦点検出領域(焦点検出エリア)となる。長方形の長手方向が焦点検出用画素の配列方向を、長方形の長手方向の長さは焦点検出領域の長さ(焦点検出用画素の配列画素数)をそれぞれ示している。焦点検出領域以外には撮像用画素が配列されており、複数の焦点検出領域の間の領域は撮像用画素のみの領域となっている。
【0022】
本実施形態では、第2の撮像素子221が有する焦点検出用画素は、図3に示した第1の撮像素子220の焦点検出用画素と略同一の位置に配置されている。すなわち、第2の撮像素子221の撮像面も、図3に示した通りの構成となっている。
【0023】
図4は撮像用画素配列および焦点検出用画素配列の拡大図である。なお図4は、第1の撮像素子220および第2の撮像素子221の、焦点検出用画素が行方向に配列された領域を拡大して示した図である。撮像用画素は緑画素310、赤画素311、青画素312の3種類の画素からなり、これらの画素がベイヤー配列で2次元配列されている。撮像用画素(緑画素310、赤画素311、青画素312)はそれぞれ、マイクロレンズと、光電変換部と、不図示の色フィルタ(赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類)とからなる。
【0024】
図4において、焦点検出用画素320は行方向に連続的に配列され、焦点検出領域を形成する。焦点検出用画素320の配列の周囲は撮像用画素により取り囲まれている。なお、焦点検出用画素が列方向に配列された領域は、ちょうど図4を時計回りに90度回転させたものとなるので、説明を省略する。
【0025】
図5は焦点検出用画素320を光束の入射方向側(光学系側)から見た断面図であり、図6は焦点検出用画素320を横方向(図1の紙面側)から見た断面図である。焦点検出用画素320はそれぞれ、マイクロレンズ10と一対の光電変換部12、13とからなる。焦点検出用画素320において、焦点検出用の光電変換部12、13の前方にマイクロレンズ10が配置され、マイクロレンズ10により光電変換部12、13が前方に投影される。光電変換部12、13は半導体回路基板29上に形成される。
【0026】
図7は撮影用画素310、311、312を光束の入射方向側(光学系側)から見た断面図であり、図8は撮影用画素310、311、312を横方向(図1の紙面側)から見た断面図である。撮影用画素310、311、312はそれぞれ、マイクロレンズ10と撮像用の光電変換部11とからなる。撮像用画素310、311、312において、撮像用の光電変換部11の前方にマイクロレンズ10が配置され、マイクロレンズ10により光電変換部11が前方に投影される。光電変換部11は半導体回路基板29上に形成される。不図示の色フィルタはマイクロレンズ10と光電変換部11の中間に配置される。
【0027】
撮像用画素の光電変換部11は、マイクロレンズ10により所定の絞り開口径(例えばF1.0)の光束をすべて受光するような形状に設計される。一方、焦点検出用画素の一対の光電変換部12、13は、マイクロレンズ10により所定の絞り開口径(例えばF2.8)の光束をすべて受光するような形状に設計される。
【0028】
(デフォーカス量演算部214bによる焦点状態の検出処理の説明)
図9はマイクロレンズを用いた瞳分割方式による焦点検出の説明図である。焦点検出用画素のマイクロレンズ50、60は光学系の予定結像面近傍に配置されている。マイクロレンズ50は、その背後に配置された一対の光電変換部52、53の形状をマイクロレンズ50、60から投影距離d0だけ離間した射出瞳90上に投影し、その投影形状は測距瞳92、93を形成する。なお、投影距離d0はマイクロレンズの曲率、屈折率、マイクロレンズと光電変換部の間の距離などに応じて決まる距離であって、以下では測距瞳距離という。マイクロレンズ60は、その背後に配置された一対の光電変換部62、63の形状を投影距離(測距瞳距離)d0だけ離間した射出瞳90上に投影し、その投影形状は測距瞳92、93を形成する。すなわち、投影距離d0にある射出瞳90上で各焦点検出用画素の光電変換部の投影形状(測距瞳92、93)が一致するように、各画素の投影方向が決定されている。つまり、一対の測距瞳92、93と、一対の光電変換部52、53および一対の光電変換部62、63は、マイクロレンズ50、60を介して共役な関係となっている。
【0029】
なお、図9では便宜的に、光軸上にある焦点検出用画素(マイクロレンズ50と一対の光電変換部52、53からなる)と、隣接する焦点検出用画素(マイクロレンズ60と一対の光電変換部62、63からなる)を模式的に例示しているが、焦点検出用画素が画面周辺の光軸から離れた位置にあった場合においても、一対の光電変換部はそれぞれ一対の測距瞳から各マイクロレンズに到来する光束を受光する。焦点検出用画素の配列方向は、一対の測距瞳の並び方向すなわち一対の光電変換部の並び方向と一致させる。
【0030】
光電変換部52は、測距瞳92を通過しマイクロレンズ50に向う焦点検出光束72によりマイクロレンズ50上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。光電変換部53は測距瞳93を通過し、マイクロレンズ50に向う焦点検出光束73によりマイクロレンズ50上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。また、光電変換部62は測距瞳92を通過し、マイクロレンズ60に向う焦点検出光束82によりマイクロレンズ60上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。光電変換部63は測距瞳93を通過し、マイクロレンズ60に向う焦点検出光束83によりマイクロレンズ60上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
【0031】
上記のような焦点検出用画素を直線状に複数個配置し、各画素の一対の光電変換部の出力を測距瞳92および測距瞳93に対応した出力グループにまとめることによって、測距瞳92と測距瞳93を各々通過する焦点検出光束が焦点検出用画素列上に形成する一対の像の強度分布に関する情報が得られる。これらの情報に対して後述する像ズレ検出演算処理(相関演算処理、位相差検出処理)を施すことにより、いわゆる瞳分割型位相差検出方式で一対の像の像ズレ量が検出される。さらに、像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔に応じた変換演算を行うことにより、予定結像面に対する現在の結像面(予定結像面上のマイクロレンズアレイの位置に対応した焦点検出位置における結像面)の偏差(デフォーカス量)が算出される。デフォーカス量演算部214bは以上のような演算を行うことにより、交換レンズ202の焦点状態を検出する。
【0032】
なお、上記説明では測距瞳は交換レンズの開口制限要素(絞り開口、レンズ外形、フードなど)によって制限されていない(けられていない)状態として説明を行ったが、交換レンズの開口制限要素によって測距瞳が制限される場合には、焦点検出用画素の光電変換部は制限を受けた測距瞳を通過する光束を焦点検出光束として受光することになる。
【0033】
図10は、デフォーカス量演算部214bによる焦点検出演算の詳細を説明するための図である。焦点検出用画素列から出力される一対のデータ列(α1〜αM、β1〜βM:Mはデータ数)に対し、下記(1)式に示すような高周波カットフィルター処理を施し、第1データ列(A1〜AN)、第2データ列(B1〜BN)を生成することによって、データ列から相関処理に悪影響を及ぼすノイズ成分や高周波成分を除去する。
An=αn+2×α(n+1)+α(n+2),
Bn=βn+2×β(n+1)+β(n+2) ・・・(1)
【0034】
上述した(1)式において、n=1〜Nである。また、α1〜αMは図9において測距瞳92を通る焦点検出光束により形成された像の画像データに相当し、β1〜βMは測距瞳93を通る焦点検出光束により形成された像の画像データに相当する。なお、演算時間の短縮を図る場合や、すでに大きくデフォーカスしていて高周波成分が少ないことがわかっている場合などには、この処理を省略することもできる。
【0035】
次にデータ列An、Bnに対し下記(2)式に示す相関演算を行い、相関量C(k)を演算する。
C(k)=Σ|An−B(n+k)| ・・・(2)
【0036】
上述した(2)式において、Σ演算はnについて累積される総和演算である。nのとる範囲は、ずらし量kに応じてAn、Bn+kのデータが存在する範囲に限定される。ずらし量kは整数であり、データ列のデータ間隔(画素ピッチ)を単位とした相対的シフト量である。(2)式の演算結果は、図10(a)に示すように、一対のデータの相関が高いシフト量(図10(a)ではk=kj=2)において相関量C(k)が極小(小さいほど相関度が高い)になる。
【0037】
次に、下記(3)〜(6)式による3点内挿の手法を用いて連続的な相関量に対する極小値C(x)を与えるシフト量xを求める。
x=kj+D/SLOP ・・・(3),
C(x)= C(kj)-|D| ・・・(4),
D={C(kj-1)−C(kj+1)}/2 ・・・(5),
SLOP=MAX{C(kj+1)−C(kj),C(kj-1)−C(kj)} ・・・(6)
【0038】
上述の(3)式で算出されたずらし量xの信頼性があるかどうかは、以下のようにして判定される。図10(b)に示すように、一対のデータの相関度が低い場合は内挿された相関量の極小値C(x)の値が大きくなる。したがって、C(x)が所定のしきい値以上の場合は算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。あるいは、C(x)をデータのコントラストで規格化するために、コントラストに比例した値となるSLOPでC(x)を除した値が所定値以上の場合は、算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。さらにはまた、コントラストに比例した値となるSLOPが所定値以下の場合は、被写体が低コントラストであり、算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。図10(c)に示すように、一対のデータの相関度が低く、シフト範囲kmin〜kmaxの間で相関量C(x)の落ち込みがない場合は、極小値C(x)を求めることができず、このような場合は焦点検出不能と判定する。
【0039】
算出されたずらし量xの信頼性があると判定された場合は、被写体像面の予定結像面に対するデフォーカス量DEFを下記(7)式で求めることができる。
DEF=KX・PY・x ・・・(7)
【0040】
上述の(7)式において、PYは検出ピッチ(焦点検出用画素のピッチ)であり、KXは一対の測距瞳を通過する光束の重心の開き角の大きさ(測距瞳重心間隔と測距瞳距離によって決まる)によって決まる変換係数である。
【0041】
(連続撮影機能の説明)
本実施形態のデジタルカメラ201は、2つの撮像素子に交互に撮像を行わせることにより、高速に連続撮影を行う機能を有している。以下、この機能について説明する。
【0042】
図11は、連続撮影時の各撮像素子の動作を示すタイムチャートである。1つの撮像素子による1回の撮影サイクルCは、図11に示すように、焦点検出処理P1、焦点調節処理P2、および撮像処理P3の3つの処理からなる。焦点検出処理P1は、蓄積制御部214aによる焦点検出用画素の電荷の蓄積および読み出しと、デフォーカス量演算部214bによる焦点状態の検出(デフォーカス量の演算)と、レンズ駆動量演算部214cによるフォーカシングレンズ駆動部212の駆動量の演算からなる処理である。焦点調節処理P2は、レンズ駆動制御部214dによる交換レンズ202の焦点状態の調節からなる処理である。撮像処理P3は、ボディ制御装置214による撮像素子(第1の撮像素子220または第2の撮像素子221)の露光制御と、撮像素子の出力の読み出しと、当該出力に基づく画像データの作成と、メモリカード219への画像データの記録と、からなる処理である。
【0043】
なお図11では説明の便宜上、焦点検出処理P1に要する時間は、焦点調節処理P2および撮像処理P3に要する時間と等しいものとしている。各処理に要する時間がこれとは異なる場合については後に詳述する。
【0044】
連続撮影を行う際、ユーザは不図示の操作部材を用いて、デジタルカメラ201の動作モードを連続撮影用のモードに設定する。上記のモードを設定した後、ユーザがデジタルカメラのレリーズボタン(不図示)の全押し操作を行うと、ボディ制御装置214は全押し操作が行われている間、図11に示すシーケンスで連続撮影を行う。
【0045】
ボディ制御装置214はまず、第1の撮像素子220において焦点検出処理P1を実行し、焦点信号の出力とレンズ駆動量の演算とを行う(時刻T0〜T1)。次に、第1の撮像素子220の出力に基づくレンズ駆動量を用いて焦点調節処理P2を実行し(時刻T1〜T2)、焦点調節の完了後に撮像処理P3を実行する(時刻T2〜T3)。これと並行して、第2の撮像素子221では焦点検出処理P1を実行する(時刻T1〜T3)。なお焦点調節中(フォーカシングレンズ210の駆動中)であっても焦点検出が行えることは周知である。
【0046】
第1の撮像素子220において撮像処理P3が完了すると、ボディ制御装置214は当該撮像素子における次の撮影サイクルCを開始する。つまり、新たに焦点検出処理P1が開始される(時刻T3〜T5)。ボディ制御装置214はこれと並行して、第2の撮像素子221における焦点調節処理P2を実行し、その後、撮像処理P3を実行する(時刻T3〜T5)。
【0047】
以上のように、ボディ制御装置214は、第1の撮像素子220による撮像が行われている場合には第2の撮像素子221の出力に基づく焦点状態の検出およびフォーカシングレンズ210の駆動を行い、第2の撮像素子221による撮像が行われている場合には第1の撮像素子220の出力に基づく焦点状態の検出およびフォーカシングレンズ210の駆動を行う。またボディ制御装置214は、第1の撮像素子220と第2の撮像素子221との一方による撮像が行われている場合、フォーカシングレンズ210を駆動させない。
【0048】
図12は、連続撮影動作のフローチャートである。まずステップS101では、ボディ制御装置214がレリーズボタンの全押し操作が行われているか否かを判定する。レリーズボタンの全押し操作が行われていない場合には、本処理は終了する。他方、レリーズボタンの全押し操作が行われていた場合にはステップS102に進む。ステップS102ではボディ制御装置214が、連続撮影開始後に初めてステップS102に到達したか否かを判定する。連続撮影の開始後、ステップS102に初めて到達した場合には、処理はステップS103に進む。
【0049】
ステップS103では、ボディ制御装置214(蓄積制御部214a、デフォーカス量演算部214b、およびレンズ駆動量演算部214c)が、第1の撮像素子220を対象に後述する焦点検出処理P1を実行する。次にボディ制御装置214は、ステップS104およびステップS105の処理と、ステップS106の処理と、を並行して実行する。ステップS104では、ボディ制御装置214(レンズ駆動制御部214d)により、第1の撮像素子220を対象に後述する焦点調節処理P2が実行される。ステップS105では、ボディ制御装置214が、第1の撮像素子220を対象に後述する撮像処理P3を実行する。他方、ステップS104およびステップS105と並行するステップS106では、ボディ制御装置214(蓄積制御部214a、デフォーカス量演算部214b、およびレンズ駆動量演算部214c)により、第2の撮像素子221を対象に後述する焦点検出処理P1が実行される。その後、本処理はステップS101に戻り、上述の各ステップが繰り返し実行される。
【0050】
2回目以降の繰り返しでは、ステップS102において否定判定がなされ、処理はステップS107に進む。ステップS107では、ボディ制御装置214が、前回実行した撮像処理P3においてどちらの撮像素子により撮像処理P3がなされたかを判定する。直近の撮像処理P3が第1の撮像素子220についてなされたものであった場合、本処理は前述したステップS104およびステップS106に進む。他方、直近の撮像処理P3が第2の撮像素子221についてなされたものであった場合、処理は以下に述べるステップS108およびステップS109に進む。ボディ制御装置214は、前述したステップS104およびステップS106と同様に、ステップS108の処理とステップS109およびステップS110の処理とを並行して実行する。
【0051】
ステップS108ではボディ制御装置214(蓄積制御部214a、デフォーカス量演算部214b、およびレンズ駆動量演算部214c)が、第1の撮像素子220を対象に後述する焦点検出処理P1を実行する。他方、ステップS108と並行して実行されるステップS109では、ボディ制御装置214(レンズ駆動制御部214d)がステップS104と同様に、第2の撮像素子221を対象に後述する焦点調節処理P2を実行する。そしてステップS110では、ボディ制御装置214がステップS105と同様に、第2の撮像素子221を対象に後述する撮像処理P3を実行する。
【0052】
図13は、焦点検出処理P1のフローチャートである。まずステップS201において蓄積制御部214aが、処理対象の撮像素子が有する焦点検出用画素の蓄積制御を行う。ステップS202ではデフォーカス量演算部214bが、処理対象の撮像素子が有する焦点検出用画素の出力を読み出し、前述の方法によりデフォーカス量を演算して焦点信号を出力する。ステップS203ではレンズ駆動量演算部214cが、ステップS202で出力された焦点信号(デフォーカス量)に基づいて、ピントを合わせるために必要なフォーカシングレンズ210のレンズ駆動量を演算する。
【0053】
図14は、焦点調節処理P2のフローチャートである。ステップS301ではレンズ駆動制御部214dが、ステップS203でレンズ駆動量演算部214cにより演算されたレンズ駆動量を含むフォーカシングレンズ210の駆動指示を、レンズ制御装置206に送信する。レンズ制御装置206はこの駆動指示に応じてフォーカシングレンズ210を駆動する。
【0054】
図15は、撮像処理P3のフローチャートである。まずステップS401ではボディ制御装置214が、処理対象の撮像素子が有する撮像用画素の蓄積制御を行う。ステップS402ではボディ制御装置214が、処理対象の撮像素子が有する撮像用画素の出力を読み出し、種々の画像処理(例えばノイズ除去やホワイトバランス補正など)を実行して画像データを作成する。ステップS403ではボディ制御装置214がステップS402で作成された画像データをメモリカード219に記録する。なお、レリーズボタンの半押し操作がなされた場合には、撮像処理P3を除き図12に示した処理と同様の処理が実行される。つまり、第1の撮像素子220と第2の撮像素子221とに交互に焦点検出処理および焦点調節処理が行われる。図12に示した処理と半押し時に行われる処理との具体的な相違点は、ステップS101において全押し操作ではなく半押し操作が検知される点、ステップS107において前回の撮像処理ではなく前回の焦点検出処理について判定が行われる点、ステップS105およびステップS110が取り除かれる点である。
【0055】
次に、焦点検出処理P1、焦点調節処理P2、および撮像処理P3に要する時間が図11に示したものとは異なる場合について説明する。これら3つの処理に要する時間は常に一定になるとは限らない。例えば焦点検出処理P1に要する時間は、被写体のコントラストに応じて変化する。また、焦点調節処理P2に要する時間は、レンズ駆動量やフォーカシングレンズ210の駆動速度により変化する。ボディ制御装置214は、第1の撮像素子220と第2の撮像素子221との一方による撮像が行われている場合、フォーカシングレンズ210が駆動されないように各部を制御する。換言すれば、ボディ制御装置214は、いずれかの撮像素子が撮像を行っている環、フォーカシングレンズ210の駆動を禁止する。
【0056】
図16は、焦点調節処理P2と撮像処理P3が重複する場合のタイミングチャートである。図16では時刻T13において、第1の撮像素子220では撮像処理P3が行われている。他方、第2の撮像素子221では時刻T13においてちょうど焦点検出処理P1が終了している。通常であれば、このときボディ制御装置214は、第2の撮像素子221の出力に基づくレンズ駆動量を用いて焦点調節処理P2を実行するはずである。しかしながら、撮像中にフォーカシングレンズ210を駆動することは、撮像結果に影響を及ぼしてしまう。そこでボディ制御装置214は、第1の撮像素子220における撮像処理P3が完了するまで、第2の撮像素子221における焦点調節処理P2を実行しない。すなわち、第1の撮像素子220における撮像処理P3の完了待ち処理P4を実行する。
【0057】
上述した第1の実施の形態によるデジタルカメラによれば、次の作用効果が得られる。
(1)ペリクルミラー223は、フォーカシングレンズ210を有する撮影光学系からの光束を、互いに異なる第1方向および第2方向に分割する。カメラボディ203は第1の撮像素子220と第2の撮像素子221とを有している。第1の撮像素子220は第1方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された撮像用画素と当該撮像用画素の配列中に配置された焦点検出用画素とを有する。また第2の撮像素子221は第2方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された撮像用画素と当該撮像用画素の配列中に配置された焦点検出用画素とを有する。ボディ制御装置214は第1の撮像素子220と第2の撮像素子221とに交互に撮像を行わせる。デフォーカス量演算部214bは、第1の撮像素子220による撮像が行われている場合には第2の撮像素子221の出力に基づいて撮影光学系の焦点状態を検出して焦点信号を出力し、第2の撮像素子221による撮像が行われている場合には第1の撮像素子220の出力に基づいて撮影光学系の焦点状態を検出して焦点信号を出力する。レンズ駆動制御部214dは、デフォーカス量演算部214bにより出力された第1の撮像素子220の出力に基づく焦点信号と第2の撮像素子221の出力に基づく焦点信号との一方に基づいてフォーカシングレンズ210を駆動させ、撮影光学系の焦点状態を調節する。このようにしたので、2つの撮像素子を用いた連続撮影において、撮像の度に焦点調節を行った場合であっても、連続撮影を高速に行うことができる。
【0058】
(2)レンズ駆動制御部214dは、第1の撮像素子220と第2の撮像素子221との一方による撮像が行われている場合、フォーカシングレンズ210を駆動させない。このようにしたので、2つの撮像素子を用いた連続撮影において、一方の撮像素子に基づいて行われる焦点調節が、他方の撮像素子の撮像に影響を及ぼすことがない。
【0059】
(3)第1の撮像素子220は、第2の撮像素子221における焦点検出用画素の位置と略同一の位置に焦点検出用画素が配置されている。このようにしたので、2つの撮像素子により交互に行われる連続撮影を、同一の被写体部分にピントを合わせたまま実行することが可能となる。
【0060】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0061】
(変形例1)
上述した実施形態では、静止画の連続撮影を行う機能について説明した。本発明は静止画の撮影ではなく動画の撮影やいわゆるスルー画を撮影する際にも適用することができる。例えば、動画の撮影において、各フレームを2つの撮像素子で交互に撮像する構成とすることも可能であるし、スルー画を2つの撮像素子で交互に撮像しEVF等に表示することも可能である。
【0062】
(変形例2)
デジタルカメラ201にメモリカード219を複数装着可能にしてもよい。この場合、第1の撮像素子220により撮像された画像データを一方のメモリーカードに、第2の撮像素子221により撮像された画像データを他方のメモリーカードに、それぞれ記録してもよい。このようにすることで、メモリーカードへの記録に要する時間が高速撮影のボトルネックになることを回避することができる。
【0063】
(変形例3)
上述した実施形態において、2つの撮像素子の焦点検出用画素は略同一の位置に配置されていた。このようにするのではなく、第1の撮像素子220における焦点検出用画素の位置とは異なる位置に、第2の撮像素子221の焦点検出用画素が配置されるようにしてもよい。このようにすることで、一方の撮像素子において焦点検出が困難な場合であっても、他方の撮像素子において確実に焦点検出を行うことが可能となる。
【0064】
(変形例4)
撮影光学系からの高速を2方向に分割する光学部材は、ペリクルミラーに限定されない。例えばハーフミラー面を有するプリズムとしてもよい。
【0065】
(変形例5)
上述の実施形態では連続撮影は可能な限り高速に行う構成となっていた。これをボディ制御装置214が、第1の撮像素子220による撮像と、第2の撮像素子221による撮像とを、所定の一定間隔(所定時間)ごとに交互に行わせるようにしてもよい。例えば撮像前の焦点調節処理が上記の所定時間よりも短かった場合、ボディ制御装置214に所定時間が経過するまで待機する処理を実行させれば、このような構成とすることができる。このようにすることで、連続撮影が規則的に行われ、規則的な撮影結果を得ることが可能となる。
【0066】
(変形例6)
第1の撮像素子220および第2の撮像素子221が有する撮像用画素が、上述した実施形態の焦点検出用画素と同様に、一対の光電変換部を有する構成としてもよい。このような構成とすることで、任意の画素を焦点検出用画素としても、撮像用画素としても利用することが可能となり、焦点検出エリアを柔軟に設定することが可能となる。
【0067】
(変形例7)
焦点検出処理P1、焦点調節処理P2、および撮像処理P3を、更に細分化してもよい。例えば上述した実施の形態では、撮像処理P3に画像処理の実行およびメモリカード219への画像データの記録が含まれていたが、これらを撮像処理P3とは別の処理単位(例えば記録処理と称する)とし、撮像処理P3から除外してもよい。これは、記録処理が行われている最中にフォーカシングレンズ210が駆動されても、記録される画像データには何ら影響を及ぼさないためである。このように、各処理を細分化して、互いに影響を及ぼさないように構成することにより、連続撮影を更に高速化することが可能となる。
【0068】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
201…デジタルカメラ、202…交換レンズ、206…レンズ制御装置、210…フォーカシングレンズ、214…ボディ制御装置、214a…蓄積制御部、214b…デフォーカス量演算部、214c…レンズ駆動量演算部、214d…レンズ駆動制御部、220…第1の撮像素子、221…第2の撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカシングレンズを有する光学系からの光束を、互いに異なる第1方向および第2方向に分割する光束分割手段と、
前記第1方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された第1撮像用画素と、該第1撮像用画素の配列中に配置された第1焦点検出用画素とを有する第1の撮像素子と、
前記第2方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された第2撮像用画素と、該第2撮像用画素の配列中に配置された第2焦点検出用画素とを有する第2の撮像素子と、
前記第1の撮像素子と前記第2の撮像素子とに交互に撮像を行わせる撮像制御手段と、
前記第1の撮像素子による撮像が行われている場合には前記第2焦点検出用画素の出力に基づいて前記光学系の焦点状態を検出して第1焦点信号を出力し、前記第2の撮像素子による撮像が行われている場合には前記第1焦点検出用画素の出力に基づいて前記光学系の焦点状態を検出して第2焦点信号を出力する焦点検出手段と、
前記焦点検出手段により出力された前記第1焦点信号と前記第2焦点信号との一方に基づいて前記フォーカシングレンズを駆動させ、前記光学系の焦点状態を調節する焦点調節手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記焦点調節手段は、前記第1の撮像素子と前記第2の撮像素子との一方による撮像が行われている場合、前記フォーカシングレンズを駆動させないことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の撮像装置において、
前記撮影制御手段は、前記第1の撮像素子による撮像と、前記第2の撮像素子による撮像とを、一定間隔ごとに交互に行わせることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記第1の撮像素子は、前記第2の撮像素子における前記第2焦点検出用画素の位置と略同一の位置に前記第1焦点検出用画素が配置されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記第1の撮像素子は、前記第2の撮像素子における前記第2焦点検出用画素の位置とは異なる位置に配置された前記第1焦点検出用画素を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記光束分割手段はペリクルミラーであることを特徴とする撮像装置。
【請求項1】
フォーカシングレンズを有する光学系からの光束を、互いに異なる第1方向および第2方向に分割する光束分割手段と、
前記第1方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された第1撮像用画素と、該第1撮像用画素の配列中に配置された第1焦点検出用画素とを有する第1の撮像素子と、
前記第2方向に分割された光束による像を画像信号に変換する二次元状に配列された第2撮像用画素と、該第2撮像用画素の配列中に配置された第2焦点検出用画素とを有する第2の撮像素子と、
前記第1の撮像素子と前記第2の撮像素子とに交互に撮像を行わせる撮像制御手段と、
前記第1の撮像素子による撮像が行われている場合には前記第2焦点検出用画素の出力に基づいて前記光学系の焦点状態を検出して第1焦点信号を出力し、前記第2の撮像素子による撮像が行われている場合には前記第1焦点検出用画素の出力に基づいて前記光学系の焦点状態を検出して第2焦点信号を出力する焦点検出手段と、
前記焦点検出手段により出力された前記第1焦点信号と前記第2焦点信号との一方に基づいて前記フォーカシングレンズを駆動させ、前記光学系の焦点状態を調節する焦点調節手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記焦点調節手段は、前記第1の撮像素子と前記第2の撮像素子との一方による撮像が行われている場合、前記フォーカシングレンズを駆動させないことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の撮像装置において、
前記撮影制御手段は、前記第1の撮像素子による撮像と、前記第2の撮像素子による撮像とを、一定間隔ごとに交互に行わせることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記第1の撮像素子は、前記第2の撮像素子における前記第2焦点検出用画素の位置と略同一の位置に前記第1焦点検出用画素が配置されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記第1の撮像素子は、前記第2の撮像素子における前記第2焦点検出用画素の位置とは異なる位置に配置された前記第1焦点検出用画素を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記光束分割手段はペリクルミラーであることを特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−242549(P2012−242549A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111546(P2011−111546)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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