説明

撮影装置

【課題】対象物体を素早く撮影し、対象物体が真正の書類等であるか否かを判断できる撮影装置を提供する。
【解決手段】撮影装置は、照明装置で第1の波長と第2の波長の波長の光を照射することができ、カメラで異なる波長における撮影対象の画像を撮影する。異なる波長における画像を処理することにより、撮影対象の材質を知ることが出来る。また、撮影された画像は、撮影装置等に格納された登録画像と照合され、画像判定に使われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の波長を用いて、非接触で物体を撮影する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図24は、物質の違いによる光の反射率の違いを説明する図である。
光を当てた時、どのように反射するかは物質固有の性質による。図24は、その例を示したものである。図24は、物質Aと物質Bのある1点を取り出し、光に対する特性を示したものである。横軸は対象物体に照射する光の波長を表している。縦軸はその光を当てた時の光の反射率を表している。物質Aと物質Bでは、光の波長に対する反射率の特性が異なっている。そのため、例えば、図24のA、B、C、Dの波長を選び、そのときの反射率の値を比較することで、物質Aと物質Bを判定することが出来る。
【0003】
非接触で物質を判定する発明として、特許文献1などがある。水分に吸収されやすい波長、または、水分に吸収されにくい波長の光を光源から照射し、カメラで撮影することで水分の含有を判断するものである。
【0004】
一方、非接触で伝票などを読み取る従来の撮影装置としては、特許文献2、特許文献3などがある。
図25は、従来の非接触撮影装置の概要を示す図である。
【0005】
まず、読み取る対象となる書類13を置く台座10がある。台座10には支柱11が付いており、その支柱11の上にヘッダ部12があり、このヘッダ部12の中に読み取り装置がある。読み取り装置が撮影した画像をPC14などに送り、伝票や小切手などの読み取り処理を行う。
【特許文献1】特開平9−61351号公報
【特許文献2】特開2002−342752号公報
【特許文献3】特開2000−148887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の複数波長を使った撮影装置は、対象物体を固定して撮影するという構造である。しかし、この構造の場合、台座などを必要とするために装置が大きくなり、取り扱い難いという問題がある。また、対象物体を台座に置いてから撮影するため、撮影に時間がかかり、素早く撮影をしたいという利用には不向きである。
【0007】
また、従来の伝票などの読み取り装置も上記と同様に台座などに書類を固定する方式であるため、同じ問題を持っている。また、読み取っている伝票などが本物かどうかを判定する手段がないという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、対象物体を素早く撮影し、対象物体が真正の書類等であるか否かを判断できる撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮影装置は、撮影対象の画像データを取得するカメラと、該撮影対象を単一でない波長で照射する照明と、撮影されるべき撮影対象の登録画像を格納する格納手段と、該登録画像と取得された該撮影対象の画像データとを比較し、一致するか否かを判断する比較判断手段と、該単一でない波長で得られた該撮影対象の画像から該撮影対象の材質を判定する材質判定手段とを備え、該撮影対象を前記カメラ及び前記照明に対してかざすことにより該画像データの取得を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、撮影対象をかざすようにして撮影するので、素早く撮影対象を撮影することが出来る。また、複数の波長で撮影対象を照射して、画像を得るので、これらの輝度から撮影対象の材質を知ることが出来る。これにより、撮影対象が、期待される真正の撮影対象であるか、偽物であるかを判断することが出来る。また、登録画像と比較する手段を持つことによっても、真正の撮影対象か、偽物であるかを判断することが出来る。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、非接触型の撮影装置で、複数の波長を用いて対象物体を撮影することができる。その際、複数波長間での位置ずれや照明強度の差を補正する機能を持つ。そのため、波長特性から材質を判定することができる。また、画像のマッチング処理機能を有している。そのため、偽札や偽小切手の防止機能を持つ読み取り装置として利用することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態の撮影装置は、1)画像のマッチング機能、及び、2)複数波長で画像を撮影して固有の波長特性を調べることにより対象物体の材質を判定する機能、を持つことを特徴としている。これらの機能を備えることにより、材質判定に基づく偽造防止機能付きの小切手読み取り装置や偽札の判定装置として利用する事が出来る。
【0013】
図1は、本発明の実施形態の撮影装置の外観図である。
複数波長で物体を撮影する撮影装置を置き、対象物体を撮影装置の前に「かざす」という利用方法をとる。こういった構造にすることにより、対象物体を保持する台座等が不要になり、装置を小型化・軽量化する事が出来る。また、撮影対象を装置にかざすだけで撮影が出来るため、素早く撮影及び(伝票等の真偽の)判定等をすることができる。
【0014】
また、本発明の撮影装置は複数波長で画像を撮影する。複数波長で物体を撮影することにより、波長に対する特性に基づき対象物体の材質を判定することが出来る。材質を判定する機能を、小切手や紙幣の偽造防止機能として利用することが可能である。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に基づいた材質判定機能を用いた不正防止機能について説明する図である。
図2のケースAのように、対象物体全体の波長特性を判定する、または、ケースBのように判別対象物体の一部に予め波長特性が既知の物質を取り付け、その材質判定を行うことで偽造を防止する、という方法が可能である。
【0016】
複数波長の画像から撮影対象の材質を判定するため、本発明の撮影装置は材質判定部を備えている。
図3は、複数波長の画像を撮影する2通りの方法を説明する図である。
【0017】
図3(a)は、異なる波長の光を照射する照明をそれぞれ設ける構成で、構成が単純で安価に実現することが出来る。特に照明として安価なLEDを用いることで、コストを抑えることができる。しかし、図3(a)では、撮影対象をかざすようにして撮影するため、照射光の波長を切り替えている間に対象物体が移動してしまう可能性がある。そのため、複数波長の画像間での位置ずれ、という問題が起きる。
【0018】
図3(b)は、連続波長の光を照射する照明を使い、カメラで撮影する際にフィルタを用いて特定の波長の光の反射光を撮影するもので、カメラ側にフィルタを用意するため、構成が複雑で値段が高くなる。しかし、図3(b)は、複数の異なった波長画像を同時に撮影できるため、照射波長を切り替えている間に対象物体が移動してしまう問題がない点が利点である(そのため、複数波長の画像間での位置ずれは起こらない)。
【0019】
図3(a)及び図3(b)のどちらが良いかは、値段及び想定している対象物体の移動速度によって異なる。そのため、実際の応用場面に応じて最適な方法を選ぶ。
また、本撮影装置は、撮影対象となる物体の情報を保持する判定対象物体情報保持部を備えている。判定対象物体情報保持部には、例えば、紙幣や小切手といった、撮影対象となる物体の情報を保持する。具体的には、1)撮影対象物体の画像、及び、2)材質判定のための波長特性情報、を持つ。
【0020】
本発明を紙幣や小切手の読み取り装置として使用する場合には、1)登録されている画像と現在撮影されている画像との比較、及び、登録されている物体の材質と現在撮影されている物体の材質の比較、という2つの方法によって、今撮影されている物体は何なのか、そして、偽造されていないか、という判定を行う。判定対象物体情報保持部は、比較のための情報を保持する。
【0021】
また、本撮影装置は画像を比較するマッチング処理部を備えている。紙幣のマークや数字、小切手のサインなどをマッチング処理部で比較することで、現在撮影している画像が登録されているものかどうか、あるいは本物なのかどうかを判定することができる。
【0022】
例えば、紙幣に書かれているマークや数字を比較することによって、紙幣の種類を判別する事が出来る。また、小切手に書かれているサインを、予め登録しておき、本人のサインと比較することによって、本物かどうかを判別することができる。
【0023】
マッチング処理の詳細については、以下の文献を参照されたい。
「画像解析ハンドブック」p707〜p746 東京大学出版会 ISBN 4−13−061107−0 1991年1月17日 初版
これまでに述べた構成とすることで、撮影装置の前にかざすだけで紙幣の種類を読み取り、かつ、偽札を判定する装置や、小切手が本物かどうかを判定する装置が可能となる。
【0024】
図4は、異なる波長の光を撮影対象に照射する場合の問題点を説明する図である。
本発明の実施形態においては、照明波長を変えた時の撮影物体の反射率の特性に基づいて、材質を判定する。しかし、照明装置が出す光の強度は、図4に示す波長λ1と波長λ2のように波長によって分布が異なる場合がある。特に図3(a)のように、異なる波長の光を照射する照明を複数設けて切り替える場合は、その傾向が大きくなる。その結果、同じ位置(図4の点P(x、y))でも、波長λ1と波長λ2の照明強度が異なってしまう。このような状態では、波長特性に基づいて材質を判定することはできない。
【0025】
図5は、波長によって照明強度が異なる理由を説明する図である。
波長によって照明強度が異なる理由の1つとして、次の理由がある。複数の波長を照明装置で切り替える図3(a)の場合には、波長の異なるLEDなどの照明装置を取り付ける。その取り付け位置や取り付け方向がずれるため、撮影物体の位置によって波長間の照明の強度が異なってしまうという問題が起こる(図5(b))。
【0026】
この問題を解決する方法として、1つのレンズの中に複数の発光素子を入れることが出来る。LEDは図5(a)に示すように、レンズ部分と発光素子部分からなっている。図5(c)のように、1つのレンズの中に2つ以上の波長に対応した発光素子を入れることで、取り付け位置の違い、及び、取り付け方向の違いに基づく波長間の照明強度の違いをなくすことが出来る。
【0027】
また、波長によって照明強度が異なる理由として、波長によって電気→エネルギー変換効率や発光素子の面積、屈折率が異なること等が挙げられる。そのため、複数波長間での照明強度の違いを完全に無くすることは難しい。そこで、カメラで撮影した後に、その輝度を補正する方法をとる。
【0028】
図6は、波長による輝度の差を輝度補正テーブルを使って補正する方法を説明する図である。
まず、測定点毎に、各波長の照明強度を予め測定しておき、輝度補正テーブルとして記録しておく。実際に物体を撮影した際には、この輝度補正テーブルに基づいて輝度を補正する。それにより、波長間の照明強度の違いの影響をなくし、正確な材質判定をすることが出来る。
【0029】
照明強度分布は、照明から距離に依存して変わるため、輝度補正テーブルは距離毎に持つ構成とすることが出来る。現在の入力画像に対して、どの距離の輝度補正テーブルを使用すべきかは、距離センサを使用する方法や登録画像とのマッチングの結果から距離を決定する方法がある。
【0030】
本撮影装置は物体との距離を測定する距離センサを装備する構成とすることができる。距離センサの出力に基づいて、最適な輝度補正テーブルを選び、輝度を補正することにより、正しい材質判定をすることができる。
【0031】
また、距離センサを使うことにより、撮影対象となる物体があるかないかを判定することができる。撮影対象となる物体がない場合には、照明を消したり、画像の撮影を停止することにより、電力やプロセッサパワーを節約することができる。
【0032】
図7及び図8は、材質判定のための構成を説明する図である。
本撮影装置は、複数波長の画像を用いて物体の材質を判定する。その際、材質の判定処理はカメラが撮影している画面全体に対して行う必要はない。
【0033】
例えば、図7に示すように撮影領域の中から、撮影物体が映っている小領域を抜き出し、その領域に対してだけ判定処理をすることで、演算量を低減することができる。また、この小領域内のピクセルを適当に間引いて材質判定する構成にすることもできる。例えば、1ピクセルおきに間引いて判定することで演算量を1/4に低減することが出来る。
【0034】
材質判定領域保持部は、どの領域のどのピクセルを用いて対象物体の材質判定を行うか、という情報を保持する。
また、材質判定部が判定した材質判定の記録を材質判定結果保存部が保持しておく。画像マッチングの結果が一致した一方で、材質判定の結果が登録されたものとは違った場合、偽造などの不正行為が行われた可能性がある。そこで、撮影された物体の材質が登録されているものとは違うという材質判定結果が一定回数以上あったら、警告を上げるなどの処理を行う。
【0035】
照明装置で照射する複数波長のうち1波長を、判定対象物体情報中の登録画像とのマッチングに最適な波長に選択しておく。例えば、紙幣の模様や小切手のサインなどは、可視光領域で見えるようなインクを使用している。そこで、材質判定に使う複数波長のうちの一つを可視光領域のものとし、他の波長と組み合わせて材質の判定を行う。こうすることで、使用する照明の波長の数を減らすことができ、内部のバッファ量や照明装置の部品数等を減らすことができ、コストが削減できる。
【0036】
また、図8に示すように、撮影装置に現在撮影中の画像や材質判定領域などを表示するモニタ機能を備える構成とすることもできる。モニタ機能があることにより、利用者が撮影物体をかざすとき、材質判定領域がきちんと物体内に収まっているかどうかを確認することが出来る。
【0037】
図9は、異なる波長を照射して得られた画像のデータの格納方法を説明する図である。
照明とカメラを同期させ、カメラの撮影フィールド毎に別の波長で撮影する、という構成にすることもできる。
【0038】
カメラは画像を撮影する際、図9のように1行間隔で操作するタイプがある(インターレス方式)。偶数行目及び奇数行目をそれぞれ、偶数フィールド、奇数フィールドという。
【0039】
例えば、λ1、λ2という2波長で対象物体を撮影する場合を例に取る。まず、対象物体を波長λ1で照射する。カメラは奇数フィールド(図9の1〜n)に、この波長λ1の画像を記録する。奇数フィールドの撮影が終わった瞬間に、照明をλ2に切り替えて、今度は偶数フィールドに画像を記録する。このように、1枚の画像に2波長分の画像を格納することが出来る。このように、1枚分の画像に2波長分のデータを格納することにより、必要とされるバッファの容量を小さくすることができる。このようなことが出来るのは、材質判定には、画像の全体を使用する必要はなく、一部の情報で良いということから、材質判定用には撮影対象の画像全体は保存しないようにした構成としている。
【0040】
本発明の実施形態では、材質判定用の波長での撮影、及び、画像マッチング用の波長の撮影を行う。このとき、材質判定用の波長では画面全領域の情報が必要な訳ではない。そこで、はじめに材質判定用の波長で撮影し、最後に画像マッチング用の波長の撮影を行うことで、バッファを有効利用することができる。
【0041】
複数波長を用いて対象物体の材質を判定するためには、複数波長の照明強度が一定でなければならない。そのため、照明強度の違いを補正するために輝度補正テーブルを設ける。この輝度補正テーブルは出荷時に設定しておく。また、以下に述べるように、入力画像を用いて輝度補正テーブルを新規に生成、または、更新するという構成にすることもできる。
【0042】
入力画像を用いて輝度補正テーブルを新規に作成するには以下の様にする。まず、初期状態では輝度補正テーブルを0で初期化する。このとき、輝度補正が出来ないため、材質の判定は行わない。
【0043】
撮影装置に物体がかざされた場合は、材質判定を行わずに直接、判定対象物体の登録画像と入力画像とのマッチング処理を行う。その結果、入力画像と判定対象物体との類似度が、予め設定していた閾値よりも高かった場合、その入力画像は予め登録されている判定対象物体である可能性が高い(不正に作成したものが最初にかざされる確率は小さいと仮定している)。そこで、今の入力画像の輝度が、予め分かっている判定対象物体の波長特性に一致するように、輝度補正テーブルを生成する。輝度補正テーブルが生成された後は、このテーブルに基づき輝度補正及び材質判定を行う。同様の方法で入力画像を使って、輝度補正テーブルを更新する事も可能である。
【0044】
本撮影装置では、判定対象物体の登録時の情報を用いて輝度補正テーブルを新規に生成、または、更新するという構成することも出来る。
判定対象物体の登録時の情報を用いて輝度補正テーブルを新規に作成する場合は以下のようにする。まず、初期状態では輝度補正テーブルを0で初期化する。
このとき、輝度補正が出来ないため、材質の判定は行わない。
【0045】
ここで、判定対象物体情報部に判定対象物体の画像を登録する。判定対象物体情報は紙幣や小切手など既知の物体であるため、波長特性も既知である。この既知の物体を判定対象物体情報保持部に記憶する際、輝度補正テーブルも生成する。具体的には、今の登録された判定対象物体が既知の波長特性になるように輝度補正テーブルを生成する。輝度補正テーブルが生成された後は、このテーブルに基づき輝度補正および材質判定を行う。
【0046】
また、同様の方法で判定対象情報を使って、輝度補正テーブルを更新することも可能である。
図10は、標準反射物体を用いた輝度補正の方法を説明する図である。
【0047】
本撮影装置は波長間の輝度の補正を行うために、波長特性が既知の標準反射物体を撮影装置が持ち、カメラの撮影領域に写るような構成とすることができる。
例えば、図10のような構成にする。カメラの上方に波長特性が既知の標準反射物体を設置する。撮影対象をかざす際に、この標準反射物体が撮影対象の一部に重なるようにして撮影する。するとカメラには撮影対象と標準反射物体が同時に写ることになる。この標準反射物体の波長特性は既知であるため撮影装置は撮影した複数波長の画像の輝度を、標準反射物体の輝度から補正することができる。
【0048】
本撮影装置の別の構成として、波長特性が既知の標準反射物体を撮影対象側が持つ構成とすることができる。例えば、紙幣などをかざす時に、利用者がリストバンド等を装着するようにし、このリストバンドに標準反射物体を組み込んでおく。あるいは、紙幣を保持するホルダーに標準反射物体を組み込んでおく。
【0049】
図11は、撮影対象の位置ずれの対処方法を説明する図である。
先に述べたように、図3(a)の構成の撮影装置の場合、複数の波長を撮影する際、照明装置の照射光の波長を切り替えながら撮影するため、撮影時間にずれが生ずる。そのため図11のように、各波長の画像を撮影する間に対象物体の位置がずれてしまう場合がある。
【0050】
これらの画像の間の位置ずれを補正するため、平行移動や回転などの画像変換を与えながら画像マッチングを行い、画像が最も一致する位置を探索する。そのように位置合わせを行った後に、波長特性を調べて材質判定を行う。
【0051】
撮影装置にネットワーク通信機能を備える構成とすることができる。ネットワーク機能を有することにより、他の撮影装置との連携や遠隔操作、遠隔監視が出来るようになる。
ネットワーク通信機能を備えることにより、判定対象物体情報の登録を一台の撮影装置に行うことによって、他の全ての撮影装置に登録することが可能となる。
【0052】
ネットワークを介して判定対象物体情報の情報を更新する際には、不正な登録や情報の漏洩を未然に防ぐため、判定対象物体情報を暗号化して送信し、受信の際には、復号して登録する構成とすることができる。
【0053】
また、ネットワークを通じて他の撮影装置にメッセージを送る機能を備えた構成とすることができる。例えば、材質判定の結果、偽の紙幣が使われたことを検出した場合、その情報を他の撮影装置に通知し、「該当する紙幣の使用を一時中断するように」というメッセージを送ることができる。
【0054】
ICカードなどの外部記憶媒体からデータを読み取る外部記憶媒体アクセス部を持つ構成とすることが出来る。外部記憶媒体を使って判定対象物体情報を登録することにより、新しい判定対象物体を簡単に登録することができる。例えば、偽札判別装置として使う場合、新種の紙幣などに素早く対応することができる。
【0055】
また、撮影装置に対象物体を撮影するカメラとは別に、周辺を撮影するためのカメラを備えておき、一定時間間隔で画像を蓄積する構成とすることもできる。
これにより、材質判定によって不正な紙幣や小切手などを検出した際、それを使用した人物を撮影しておくことができる。また、その画像をネットワークを介して配信することで、同じ人物による不正使用を事前に防止することができる。
【0056】
本発明の実施形態の構成では、1)撮影物体と予め登録してある判定対象物体情報との画像マッチング処理、及び、2)材質判定、を行うことができる。そのため、紙幣や小切手などが本物かどうかという判定を、画像のマッチング処理と材質判定という2つの方面から確認できる。そのため、より正確な判断が出来るようになる。
【0057】
また、本発明の実施形態では、撮影対象の物体(紙幣や小切手など)を台座等に固定すること無く、カメラにかざした状態で、撮影及び材質判定が出来るように、輝度補正テーブルを備えている。そのため、対象物体をおくための台座などは必要なくなるため、装置を小型・軽量化することができる。また、対象物体を撮影装置の前にかざすだけで良いため、素早く撮影することができる。小売店の店頭などで紙幣や小切手の読み取り装置として利用する際には有効である。
【0058】
LEDなどの1つの照明装置のレンズの中に、複数の発光素子を入れることにより、照明装置の取り付け位置の違い、及び、取り付け方向の違いによる波長間の照明強度の違いをなくすことができる。その結果、材質判定をより正確に行うことが出来るようになる。
【0059】
本撮影装置は、カメラからの距離や位置による照明強度の違いを補正する輝度補正テーブルを備えている。材質判定は波長間の反射率の違いに基づいて行うため、照明の強度が距離や位置によって異なっていると、正確な材質判断を行うことができない。それに対して、本撮影装置では輝度補正テーブルを使って輝度を補正することで正確な材質判定を行うことができる。
【0060】
照明の強度分布は照明からの距離に依存して変わるため、輝度補正テーブルは距離毎に持つ。この結果、より正確な材質判定を行うことができる。
対象物体までの距離を測定する距離センサを装備する構成とすることで距離センサの出力に基づいて、最適な輝度補正テーブルを選び、輝度を補正することにより、正しい材質判定をすることができる。
【0061】
また、距離センサによって、撮影対象となる物体の有無を判定することが出来る。そのため、撮影対象となる物体がない場合には、照明を消したり、画像の撮影を停止することにより、電力やプロセッサパワーを節約することができる。
【0062】
波長特性に基づく材質判定を行う場合、同じ材質で有れば、どの領域に対して判定を行っても同じ結果が得られる。そのため、撮影画面全体に対して波長特性による材質判定を行う必要はない。そこで、材質判定領域保持部に、どの領域のどのピクセルを用いて対象物体の材質を判定するかという情報を保持する。それにより、画面全体に対して材質判定を行うより演算量を低減することが出来る。
【0063】
材質判定部が判定した材質判定の記録を材質判定結果保存部が保持しておく。撮影物体の材質が登録されていたものとは違う、という結果が出た場合、不正行為がなされた可能性がある。そこで、材質判定結果保存部に判定結果を保存しておき、その内容によって、警告を上げることが出来るようになる。
【0064】
材質判定用に照明装置が照射する複数波長のうち1波長を、判定対象物体の登録画像とのマッチングに最適な波長に選択することが出来る。その結果、画像マッチングの精度を維持したまま、材質判定用の波長の数を減らすことができるため、内部のバッファ容量や照明の部品数等を減らし、コストを削減することができる。
【0065】
現在撮影している画像や材質判定領域などを表示するモニタ機能を備える。モニタ機能があることにより、利用者が撮影物体をかざす時、きちんと撮影されているか、または、材質判定領域がきちんと物体内に収まっているか、などを確認しながら利用することができ、安心して利用することができる。
【0066】
カメラ画像の偶数フィールドと奇数フィールドで別の波長の画像を撮影することにより、2波長の画像の撮影時間の間隔を、1波長の画像を1フレームで撮影する時より短くすることができる。その結果2波長の画像間での撮影物体の位置ずれが小さくなるため、より正確な材質判定を行うことが出来る。
【0067】
撮影に材質判定用の撮影を行い、必要な情報のみ退避させ、その後、マッチング用の撮影を行うことで、小さなメモリにて動作することが出来る。
図12は、マッチング用の画像データと材質判定用の画像データの撮影順序とメモリ領域の関係を示す図である。
【0068】
図12の上側のように、最初に材質判定用の撮影をした場合、1つ目の波長で撮影した画像データが画像バッファであるメモリに格納される。そして、材質判定に必要な分だけの画像データを残して、他の画像データは、捨てる、あるいは、他のメモリに退避する。そして、2つ目の波長で撮影対象を撮影し、画像データを画像バッファに格納すると、2つの波長の画像データが1つの画像バッファに収まることになる。なお、ここで、2つ目の波長での撮影画像は、画像マッチングのための画像であるため、画像データ全体が必要であると仮定している。これに対し、図12の下の場合には、先に画像マッチングのための画像データを1つ目の波長で撮影し、次に、材質判定用の画像を2つ目の波長で撮影すると、先の画像データは全ての画像データが必要であるため、画像バッファ内に全て保管されなくてはならない。この上に、2つ目の波長で材質判定用画像データを取得し、画像バッファに格納しようとすると、画像バッファに収まらなくなってしまう。材質判定用画像データから材質判定に必要な部分の画像データのみを取り出すには、一旦全画像データを格納する必要があるので、先に画像マッチング用画像データを撮影すると、余分に画像バッファの容量を必要とする。
【0069】
輝度補正テーブルは、工場出荷時に予め設定しておくことが出来る。しかし、入力画像を基にテーブルを更新する構成とすれば、工場出荷時に輝度補正テーブルを校正する必要がない。そのため、生産コストを低減することが出来る。
【0070】
また、本撮影装置では入力画像を使った輝度補正テーブルの更新を、一定時間間隔で行うことが出来る。このことにより、照明装置の経年変化(時間がたつにつれて照明の強度が減衰する)の影響を抑えることができ、材質判定の精度を高いまま、維持することができる。
【0071】
標準反射物体を撮影範囲内に常に置いておく構成とすることにより、標準反射物体を用いて、常に輝度補正テーブルを更新することができる。そのため、より正確な材質判定を行うことが出来るようになる。
【0072】
画像マッチングを用いて複数波長の画像の位置合わせをすることにより、画像間の撮影物体の位置ずれを補正することが出来る。その結果、材質判定を高い精度で行うことが出来る。
【0073】
ネットワーク通信機能を備えることにより、他の撮影装置との連携やリモート操作、監視が出来るようになる。例えば、リモートで撮影装置を監視することや、一台の撮影装置に判定対象物体情報を登録するだけで他の全ての撮影装置に登録すること等が可能となる。
【0074】
判定対象物体情報を暗号化して送信し、受信の際には復号して登録することにより、判定対象物体情報に関する情報が漏洩し、不正に使用されることを防ぐことが出来る。
また、ネットワークを通じて他の撮影装置にメッセージを送る機能を備えることによって、例えば、材質判定の結果、偽の紙幣が使われたことを検出した場合、その情報を他の撮影装置に通知し、「該当する紙幣の使用を一時中断するように」といったメッセージを送ることができるようになる。
【0075】
ICカードなどの外部記憶媒体から判定対象物体情報を登録・更新することにより、判定対象物体情報を素早く更新することが出来る。例えば、紙幣判定の場合、事前に登録されてはいない種類の紙幣の判定を行いたい場合には、ICカードなどを使って、その情報を登録することで、素早く使用することが出来るようになる。
【0076】
撮影装置に、判定対象物体を撮影するカメラとは別に、装置周辺を撮影するカメラを備えておき、一定時間間隔で画像を撮影する構成にできる。これにより、材質判定によって不正な紙幣や小切手などを検出した際、それを使用した人物を撮影しておくことが可能になる。また、その画像をネットワークを介して配信することで、同じ人物による同じ行為を事前に防ぐことができる。
【0077】
以下では本発明の実施形態の構成例を示すが、これらの構成例では、小切手の読み取り装置を例にする。
図13は、本発明の実施形態に従った第1の構成例を示す図である。この構成例は、撮影装置単体で動作する構成となっている。また、図14は、第1の構成例の外観図である。図14によれば、撮影装置は、カメラ、照明装置、距離センサ、外部モニタを備え、撮影対象をかざすようにして配置すると、これの画像を撮影する構成となっている。
【0078】
全体制御部20は、照明装置22、カメラ23、マッチング処理部26、判定対象物体情報保持部25など各部に適切な命令を出し、装置全体を制御する。
距離センサ21は、対象物体までの距離を測定するデバイスである。赤外線を照射し、その反射光をとらえることで距離を測定するタイプなどが使用可能である。
【0079】
照明装置22は、撮影対象に光を照射し、マッチング処理用の画像の撮影、及び、材質判定用の波長特性を取得するために用いる。
図3(a)の構成とした場合、具体的な照明装置として、ピーク波長の異なるLEDを備えたものを使用することが出来る。また、ピーク波長の異なる複数の発光素子を1つのレンズに封入したLEDを使用することもできる。
【0080】
図3(b)の構成とした場合、照明装置22は連続した波長の光を照射するものを使用する。具体的には、ハロゲンランプやキセノンランプなどを使用する。
材質判定には複数の波長の光を使用するが、この複数の波長のうちの1つを画像マッチング用の波長と共通にしておく。そうすることで、材質判定に使用する波長を1つ減らすことができ、コストを削減できる。また、カメラが撮影する回数を減らすことができるため、レスポンス速度を向上させることができる。
【0081】
カメラ23はマッチング用及び材質判定用として、複数波長の対象物体の画像を撮影する。具体的には、CMOSやCCDなどといった撮像素子を使用することができる。図3(b)の構成とした場合、カメラに材質判定用の波長に対応したフィルタ及び撮像素子を用意する。
【0082】
画像バッファ24は、カメラで撮影した画像を保持する領域である。複数の波長でカメラが撮影した画像は、まず画像バッファ24に保存される。その後、輝度補正部30で輝度を補正した後、マッチング処理部26での画像マッチング、材質判定部27での波長特性の判定に使用される。
【0083】
マッチング用の画像と材質判定用の画像を撮影する際、最初に材質判定用の画像を撮影し、必要な部分だけ退避させた後にマッチング用の画像を撮影する。こうすることで、画像バッファを有効に使用することができる。
【0084】
判定対象物体情報保持部25は、画像マッチングや材質判定の対象となる物体の情報を保存する。例えば、本撮影装置を小切手を識別する装置として利用する際には、予め登録されている本人のサインを登録しておき、カメラで撮影した画像とのマッチングを行う。サインを判定対象物体情報と比較することにより、正当な小切手かどうかを判定することができる。
【0085】
また、偽札識別装置として使用するには、紙幣のデザインを記録しておく。マッチング処理を行うことで、現在撮影されている紙幣が予め登録されたものであるかどうか、判定することができる。予め登録されている紙幣と一致したならば、紙幣の種類が特定できたことになる。判定対象物体情報を更新することで、各種の紙幣を識別することができるようになる。
【0086】
判定対象物体情報保持部25が持つ情報には具体的には以下のものがある。
1)マッチング用画像、
2)材質判定用の波長特性
更に、3)判定対象領域の情報を追加する構成とすることもできる。
【0087】
本構成例では、マッチング画像用として小切手のサインの画像を用い、また、小切手の一部に波長特性が既知の物質を埋め込んでおき、材質判定を行うことで、偽造小切手を識別することができる。
【0088】
マッチング処理部26は、カメラ23で撮影した画像と判定対象物体情報保持部25に保存されている登録画像を比較処理し、画像が一致しているかどうかを判定する。その際、平行移動、回転などの画像変換を行いながらマッチングすることで、対象物体をかざすことによる画像の変形に対応することができる。
【0089】
また、複数波長間の位置ずれを補正するためにもマッチング処理部のマッチング結果を使用する。
材質判定部27は、複数波長で撮影した画像の輝度情報から撮影物体の材質を判定する。
【0090】
図15は、材質判定処理部の行う処理内容のフローチャートを示す。各波長の画像は輝度補正部によって予め補正されているとする。すなわち、登録情報と撮影画像の波長特性の曲線の形状が同じで、輝度の大きさだけが異なるような場合には、輝度補正部において、撮影画像の輝度が補正され、登録情報の波長特性との差が非常に小さくなるようになっている。
【0091】
図15において、ステップS10で、登録情報と撮影画像の波長特性の差Δを0に初期化する。ステップS11において、判定に使用するピクセル番号nを1に初期化する。ステップS12において、材質判定領域保持部29からn番目の座標(x、y)を取得する。ステップS13においては、材質判定に使用する波長の番号mを1に初期化する。ステップS14において、波長λmの撮影画像と登録情報の波長特性の差を計算し、Δに加算する。具体的には、、波長mの入力画像中の点(x、y)の輝度をPm(x、y)とし、登録物体の波長mの反射率をR(m)としたとき、
Δ=Δ+|Pm(x、y)−R(m)|
を計算する。ステップS15においては、mを1増加し、ステップS16において、全波長について処理をしたか否かを判断する。ステップS16の判断がNOの場合には、ステップS14に戻る。ステップS16の判断がYESの場合には、ステップS17において、nを1増加し、ステップS18において、全座標を処理したか否かを判断する。ステップS18の判断がNOの場合には、ステップS12に戻り、ステップS18の判断がYESの場合には、処理を終了する。
【0092】
材質判定領域保持部29は、材質判定部27が材質の判定に使用する撮影画面内の領域を保持する。具体的には、1)判定対象となる点の位置を順に記憶する。または、2)判定対象領域の中心座標、及び、判定領域の一辺の長さを記憶する、という方法で判定領域を記憶する。
【0093】
材質判定結果保持部28は、材質判定部27の判定の結果、入力された画像が登録されている対象物体の材質と異なっていた場合、不正使用の可能性があるため、その情報を記録しておくものである。材質判定結果保持部28は、図16に示す情報を保持する。
【0094】
図16は、材質判定結果保持部の保持する情報の例である。
Noは撮像装置が検出した材質不一致の連続番号である。時刻は、材質不一致を検出した時刻である。IDとは材質不一致を検出した対象物体を一意に表す番号である。例えば、Aさんの小切手はID=1058と割り振っておく。このIDが分かれば、どの小切手で材質不一致が発生しているかが分かる。また、同じIDで連続して発生している場合には、不正行為が行われている可能性が高いため、外部モニタ装置に警告メッセージを表示する。なお、材質判定結果保持部28の保持する情報として、上記では、材質不一致が検出された場合のみを記憶しているが、通常の動作ログとして、材質一致が検出された場合の情報も合わせて格納するようにしても良い。
【0095】
輝度補正部30及び輝度補正テーブル31は、複数波長の照明強度の違いを補正するものである。具体的に、輝度補正テーブルは図17(a)のようなデータ構造をとる。
図17は、輝度補正テーブルのデータ構造の例を説明する図であるが、輝度補正テーブル31は、図17(a)のようなデータを、カメラから対象物体への距離が5cm用、6cm用・・・と距離毎に持つ。中心から相対距離Lとは、図17(b)に示すように、画面中央からの距離を、撮影領域の長さに対する比で表したものである。照明の強度は円形状で変化するため、中心から相対距離が同じであるなら、同じ補正係数を利用できるためである。
【0096】
輝度補正部30は、距離センサ21の出力に応じて対象物体までの距離を測定し、その結果を用いて、適切な輝度補正テーブル31を選択する。この時、対象物体との距離に一致する輝度補正テーブルがなかった場合、存在する輝度補正テーブル31の中で最も対象物体との距離が近いものを選ぶ。あるいは、距離が近い2つのテーブルを選び、そのテーブルの値から線形補間などから、該当距離に対する輝度補正テーブル31を求めることもできる。
【0097】
本撮影装置では、輝度補正テーブル31を以下に述べるように入力画像を用いて生成する。
まず、初期状態では輝度補正テーブルを0で初期化する。最初に、撮影装置に物体がかざされた時に、材質判定は行わずに直接、登録画像とのマッチング処理を行う。その結果、入力画像と判定対象物体との画像の類似度が、予め設定していた閾値よりも高かった場合、その入力画像は判定対象物体であると判断する。
類似度は、入力画像と判定対象物体の登録情報とのピクセル毎の値の差を加算した結果を使うことが出来る。そこで、今の入力画像の輝度が、予め分かっている判定対象物体の波長特性に一致するように、輝度補正テーブル31を生成する。
【0098】
具体的には次のようにする。照明波長がλmの時の入力画像中の点(x、y)の輝度が、Pm(x、y)であったとする。一方、判定対象物体の反射率がR(m)であったとする。点(x、y)に対する輝度補正係数は、
輝度補正係数=R(m)/Pm(x、y)
と表すことが出来る。
【0099】
また、輝度補正テーブルは、入力画像を用いて定期的に更新する。更新の際は、ある入力画像があった時に、その入力画像が登録画像とのマッチング処理、および、材質判定の結果から、予め登録されている判定対象物体であった場合のみ、上記手段を適用して更新を行う。定期的に輝度補正テーブルを更新することにより、時間経過による照明強度の変化による影響を取り除くことができる。
【0100】
輝度補正部30は、画像バッファ24から各波長で撮影した画像を取り出す。そして、画面中央からの相対距離に応じた補正係数を用いて、画像輝度を補正する。具体的には以下の計算を行う。
【0101】
補正後の点(x、y)の輝度=補正前の点(x、y)の輝度×補正係数(x、y)
外部記憶媒体アクセス部32は、ICカードなど外部記憶媒体とのデータの読み書き処理を行う。撮影装置内に登録されている判定対象物体情報を、外部記憶媒体に対して読み書きすることができるため、新しい判定対象物体を複数の撮影装置に登録する場合、全ての撮影装置で登録処理を行う必要が無く、1台の撮影装置に登録した後、外部記憶媒体を用いて他の撮影装置に同じ内容を登録することができる。
【0102】
外部モニタ装置33は、現在撮影中の画像や材質判定領域を表示する機能を担う。外部モニタ装置33の例としては、図8に示したようなものである。
外部モニタ機能があることにより、利用者は対象物体がきちんと撮影できているかを確認しながら、撮影対象物体をかざすことができる。
【0103】
図18は、本発明の実施形態に従った撮影装置の第2の構成例を示している。
また、図19は、第2の構成例の外観図である。
この第2の構成例では、撮影装置にパソコンなど外部プロセッサをつなげて動作する。なお、図18において、図13と同様の構成要素には同様に参照番号を付して説明を省略する。
【0104】
図19では、撮影装置は、カメラ、照明装置、距離センサを備え、外部プロセッサであるPCに接続されている。撮影対象は、撮影装置にかざすように配置され、撮影される。
図18の第2の構成例は、画像のマッチング処理は外部のプロセッサ51で行い、材質判定は撮像装置50内で行う。画像マッチングは処理が重いため、外部のプロセッサ51で行い、処理の軽い材質判定は、撮影装置50内で行うことで、処理の負荷を分散させることができる。
【0105】
この第2の構成例では、マッチング処理と材質判定処理を別々に行うため、判定対象物体情報保持部も2つに分かれている。(図中の44と48)。判定対象物体保持部44にはマッチング処理を行うための登録画像が保持されている。一方、判定対象物体情報保持部48は、材質判定処理を行うための波長特性情報を保持する。
【0106】
輝度補正テーブル31は、最初に登録される判定対象情報を用いて生成する。
まず、初期状態では、輝度補正テーブルを0で初期化する。
最初に判定対象情報の登録が行われた時に、その登録画面の輝度が、予め分かっている判定対象物体固有の波長特性に一致するように、輝度補正テーブルを生成する。
【0107】
照明波長がλmの時の登録画像中の点(x、y)の輝度が、Pm(x、y)であったとする。一方、判定対象物体の反射率がR(m)であったとする。点(x、y)に対する輝度補正係数は、
輝度補正係数=R(m)/Pm(x、y)
と表すことができる。
【0108】
また、判定対象物体の登録があった時、上記と同様の方法を使って定期的に輝度補正テーブル31を更新する。定期的に輝度補正テーブル31を更新することにより、時間経過による照明強度の変化による影響を取り除くことが出来る。
【0109】
通信部47は、撮影装置50を外部プロセッサ51の通信部46と回線を介してデータのやりとりを行う。照明・カメラ同期回路40は、前述した、インターレス方式の撮影において、カメラの撮影動作と照明の波長の切り替え動作を同期させ、1つの画像データに2つの波長によって得た画像データを取り込むために使用される。
【0110】
処理の重いマッチング処理を外部プロセッサ51で行うために、外部プロセッサ51には、判定対象物体情報保持部44の他に、マッチング処理部45が設けられる。また、撮影装置50から送られてきた画像データを格納するために、画像バッファ43も設けられ、ユーザは、外部モニタ装置42を使って、撮影対象が正しく配置されているか否かをユーザが確認することが出来る。外部プロセッサ51の全体制御部41は、外部プロセッサ51の各部の制御を行う処理部である。
【0111】
図20は、本発明の実施形態に従った撮影装置の第3の構成例を示している。
第3の構成例では、撮影装置にパソコンなど外部プロセッサをつなげて動作する。図21は、第3の構成例の外観図である。第3の構成例においては、図21に示されるように、新たに標準反射物体が設けられている。なお、図20においては、図13、及び図18と同様の構成要素には同様の参照番号を付して説明を省略する。
【0112】
図20の第3の構成例では、画像のマッチング処理、及び、材質判定処理を外部プロセッサで行う。従って、判定対処物体情報保持部25、マッチング処理部45、材質判定部27、材質判定結果保持部28、材質判定領域保持部29、輝度補正部30、輝度補正テーブル31が外部プロセッサ51に設けられている。
主な処理を外部プロセッサで行うため、撮影装置本体のコストを下げることが出来る。
【0113】
撮影装置50から外部プロセッサ51へのデータ送信は次のようにする。まず、画像マッチング用の画像は画像全体を外部プロセッサ51に送る。一方、材質判定用の画像は、材質判定領域保持部29が持っている材質判定領域内の画像情報のみを外部プロセッサ51に送る。このようにすることで、撮影装置50と外部プロセッサ51との通信情報量を削減することができ、撮影のレスポンスを向上させることができる。そのために材質判定領域保持部29は、撮影装置50と外部プロセッサ51の両方に存在する。
【0114】
第3の構成例では、図21に示すように、材質判定用の複数波長画像の輝度補正を行うため、標準反射物体を装備している。各波長の画像を撮影装置50から受け取った外部プロセッサは、標準反射物体の輝度を利用して、各波長の画像の輝度を補正する。
【0115】
標準反射物体は、撮影領域の前面に存在していないため、撮影領域全体の輝度を補正するには、次のようにする。
まず、撮影領域内の照明強度の分布は既知であるとする。例えば、照明が集中する中心部が最も明るく、周辺に行くに従って、照明強度は低下する。この照明強度の低下を、線形で近似する。撮影領域の中心から距離Xだけ離れたところに存在する標準反射物体の輝度がPであったとする。すると、撮影領域の中心からx離れた位置に標準反射物体があったとした時の輝度の近似値P(x)は、
P(x)=P+(X−x)×α
となる。αは中心からの距離に比例した輝度低下量を表す定数である。αは事前に測定しておく。上式を画面内の各点に適用することで、撮影領域全体の標準反射物体の輝度の近似値を得ることができる。その結果、標準反射物体の波長特性を事前に測定しておくことで、波長間の輝度の違いを補正することができる。
【0116】
図22は、本発明の実施形態に従った撮影装置の第4の構成例を示している。
図23は、第4の構成例の外観図である。図23においては、撮影装置に距離センサ、照明装置、カメラ、周辺撮影カメラ、外部モニタ装置が取り付けられ、撮影装置自身がネットワークに接続されている。なお、図22においては、図13と同様な構成には同様な参照番号を付し、説明を省略する。
【0117】
図22の第4の構成例では、撮影装置単体で動作し、また、ネットワーク機能を有している。更に、撮影装置周辺を監視するための、周辺撮影カメラ60を装備している。
第4の構成例は、ネットワーク通信部62を備えている。ネットワーク通信機能を備えることにより、リモートで撮影装置の状態を監視することや、一台の撮影装置に判定対象物体情報を登録するだけで他の全ての撮影装置に登録すること等が可能となる。
【0118】
ネットワークを使った不正を防ぐため、本発明の実施形態に従ったネットワーク通信部は暗号機能を装備する。
また、ネットワークを通じて他の撮影装置にメッセージを送る機能を備え、偽の小切手が使われたことを検出した際に、その情報を他の撮影装置に警告メッセージとして送ることが出来る。
【0119】
また、第4の構成例では、装置周辺を撮影する周辺撮影カメラ60を備えており、一定時間間隔で画像を撮影する。この周辺撮影カメラ60は画角の広いカメラを採用し、広範囲の映像を撮影できるものにする。周辺撮影カメラ60によって撮影された画像データは、周辺撮影カメラ用バッファ61に格納される。
周辺撮影カメラで周囲を監視しておくことにより、不正な小切手などを検出した際、それを使用した人物を同時に撮影することが可能である。
【0120】
(付記1)撮影対象の画像データを取得するカメラと、
該撮影対象を単一でない波長で照射する照明と、
撮影されるべき撮影対象の登録画像を格納する格納手段と、
該登録画像と取得された該撮影対象の画像データとを比較し、一致するか否かを判断する比較判断手段と、
該単一でない波長で得られた該撮影対象の画像から該撮影対象の材質を判定する材質判定手段と、
を備え、
該撮影対象を前記カメラ及び前記照明に対してかざすことにより該画像データの取得を行うことを特徴とする撮影装置。
【0121】
(付記2)前記照明は、異なる波長に強度ピークを持つ複数の光源を有し、これらの光源を切り替えて、前記単一でない波長で前記撮影対象の画像を得ることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
【0122】
(付記3)前記照明は、連続した波長の範囲の光を照射する光源を有し、前記カメラで画像を撮影する場合に、フィルタを用いて、特定波長の画像を取得することを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
【0123】
(付記4)更に、異なる波長の光が前記撮影対象を照射する輝度の差を補正する輝度補正手段を備えることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
(付記5)前記輝度補正手段は、輝度の補正のための補正係数を格納する輝度補正テーブルを備えることを特徴とする付記4に記載の撮影装置。
【0124】
(付記6)更に、前記撮影対象との間の距離を測定する距離センサを有し、
前記輝度補正手段は、該撮影対象との間の距離毎に、輝度を補正するための補正係数を格納する輝度補正テーブルを備えることを特徴とする付記4に記載の撮影装置。
【0125】
(付記7)前記撮影対象の材質判定は、該撮影対象の画像の内の一部を用いて行われることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
(付記8)前記材質判定の結果、前記撮影対象の材質が予め定められた材質でないと判断された場合に、異なる材質が認められた撮影に関する情報を格納することを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
【0126】
(付記9)前記照明で照射する波長の内、1つの波長で得られた画像を前記登録画像との比較に用いることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
(付記10)前記撮影装置を使用するユーザに、前記撮影対象がどのような体勢で保持されているかを示すモニタ手段を更に備えることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
【0127】
(付記11)前記カメラが取得する画像の走査線の偶数番目と奇数番目で異なる波長を用いた画像データの取得を行うことを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
(付記12)取得された画像を格納する画像バッファを備え、
はじめに材質判定のための画像データ取得を行い、材質判定に必要な画像データのみを残した後に、前記登録画像との比較用画像データの取得を行い、逆の順序で画像データ取得を行い画像バッファに格納する場合よりも、画像バッファに要求される記憶容量を小さく抑えることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
【0128】
(付記13)異なる波長の光が前記撮影対象を照射する輝度の差を補正するために、輝度の補正のための補正係数を格納する輝度補正テーブルを有する輝度補正手段を更に備えることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
【0129】
(付記14)前記輝度補正テーブルは、前記撮影装置の最初の動作の時に、取得した画像データと登録データを比較し、類似の度合いが所定の範囲に有る場合に、該取得された画像データを用いて生成されることを特徴とする付記13に記載の撮影装置。
【0130】
(付記15)異なる波長の光が前記撮影対象を照射する輝度の差を補正するために、標準反射物体を前記撮影対象と共に撮影することを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
(付記16)更に、ネットワーク通信機能を備えることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
【0131】
(付記17)前記登録画像及び該登録画像の波長特性をネットワークで接続された装置に登録し、あるいは、前記登録画像及び該登録画像の波長特性を該装置からの指示に基づいて更新することを特徴とする付記16に記載の撮影装置。
【0132】
(付記18)ネットワーク通信においては、暗号化されたデータをやりとりすることを特徴とする付記16に記載の撮影装置。
(付記19)外部記憶媒体からデータを読み取る外部記憶媒体アクセス手段を更に備え、該外部記憶媒体から、前記登録画像及び該登録画像の波長特性の登録及び更新を行うことを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
【0133】
(付記20)前記撮影装置の、前記撮影対象を撮影している際の周囲の状況を撮影する周辺撮影用カメラを更に備えることを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
(付記21)撮影対象の画像データを取得するステップと、
該撮影対象を単一でない波長で照射するステップと、
撮影されるべき撮影対象の登録画像を格納する格納ステップと、
該登録画像と取得された該撮影対象の画像データとを比較し、一致するか否かを判断する比較判断ステップと、
該単一でない波長で得られた該撮影対象の画像から該撮影対象の材質を判定する材質判定ステップと、
を備え、
該撮影対象をかざすような方法で画像データの取得を行うことを特徴とする撮影方法。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の実施形態の撮影装置の外観図である。
【図2】本発明の実施形態に基づいた材質判定機能を用いた不正防止機能について説明する図である。
【図3】複数波長の画像を撮影する2通りの方法を説明する図である。
【図4】異なる波長の光を撮影対象に照射する場合の問題点を説明する図である。
【図5】波長によって照明強度が異なる理由を説明する図である。
【図6】波長による輝度の差を輝度補正テーブルを使って補正する方法を説明する図である。
【図7】材質判定のための構成を説明する図(その1)である。
【図8】材質判定のための構成を説明する図(その2)である。
【図9】異なる波長を照射して得られた画像のデータの格納方法を説明する図である。
【図10】標準反射物体を用いた輝度補正の方法を説明する図である。
【図11】撮影対象の位置ずれの対処方法を説明する図である。
【図12】マッチング用の画像データと材質判定用の画像データの撮影順序とメモリ領域の関係を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に従った第1の構成例を示す図である。
【図14】第1の構成例の外観図である。
【図15】材質判定処理部の行う処理内容のフローチャートを示す。
【図16】材質判定結果保持部の保持する情報の例である。
【図17】輝度補正テーブルのデータ構造の例を説明する図である。
【図18】本発明の実施形態に従った撮影装置の第2の構成例を示している。
【図19】第2の構成例の外観図である。
【図20】本発明の実施形態に従った撮影装置の第3の構成例を示す図である。
【図21】第3の構成例の外観図である。
【図22】本発明の実施形態に従った撮影装置の第4の構成例を示す図である。
【図23】第4の構成例の外観図である。
【図24】物質の違いによる光の反射率の違いを説明する図である。
【図25】従来の非接触撮影装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
20、41 全体制御部
21 距離センサ
22 照明装置
23 カメラ
24、43 画像バッファ
25、44、48 判定対象物体情報保持部
26、45 マッチング処理部
27 材質判定部
28 材質判定結果保持部
29 材質判定領域保持部
30 輝度補正部
31 輝度補正テーブル
32 外部記憶媒体アクセス部
33、42 外部モニタ装置
46、47 通信部
50 撮影装置
51 外部プロセッサ
60 周辺撮影カメラ
61 周辺撮影カメラ用バッファ
62 ネットワーク通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影対象の画像データを取得するカメラと、
該撮影対象を第1の波長と第2の波長で照射する照明と、
撮影されるべき撮影対象の登録画像を格納する格納手段と、
前記カメラ及び前記照明を用い、該第1の波長を照射することにより第1の画像を、該第2の波長を照射することにより第2の画像を撮影する撮影手段と、
該第1の画像と該第2の画像から該撮影対象の材質を判定する材質判定手段と、
前記材質判定手段の判定の結果に応じて、該第1の画像と該登録画像とを比較し、一致するか否かを判断する比較判断手段と、
を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記照明は、異なる波長に強度ピークを持つ複数の光源を有し、これらの光源を切り替えて、前記第1の波長と第2の波長で前記撮影対象の画像を得ることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
更に、異なる波長の光の、前記撮影対象を照射する輝度の差を補正する輝度補正手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記輝度補正手段は、輝度の補正のための補正係数を格納する輝度補正テーブルを備えることを特徴とする請求項3に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記材質判定の結果、前記撮影対象の材質が予め定められた材質でないと判断された場合に、異なる材質が認められた撮影に関する情報を格納することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記撮影装置を使用するユーザに、前記撮影対象がどのような体勢で保持されているかを示すモニタ手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項7】
前記カメラが取得する画像の走査線の偶数番目と奇数番目で異なる波長を用いた画像データの取得を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項8】
取得された画像を格納する画像バッファを備え、
はじめに材質判定のための画像データ取得を行い、材質判定に必要な画像データのみを残した後に、前記登録画像との比較用画像データの取得を行い、逆の順序で画像データ取得を行い画像バッファに格納する場合よりも、画像バッファに要求される記憶容量を小さく抑えることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項9】
異なる波長の光が前記撮影対象を照射する輝度の差を補正するために、輝度の補正のための補正係数を格納する輝度補正テーブルを有する輝度補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記輝度補正テーブルは、前記撮影装置の最初の動作の時に、取得した画像データと登録データを比較し、類似の度合いが所定の範囲に有る場合に、該取得された画像データを用いて生成されることを特徴とする請求項9に記載の撮影装置。
【請求項11】
異なる波長の光が前記撮影対象を照射する輝度の差を補正するために、標準反射物体を前記撮影対象と共に撮影することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項12】
更に、ネットワーク通信機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項13】
前記登録画像及び該登録画像の波長特性をネットワークで接続された装置に登録し、あるいは、前記登録画像及び該登録画像の波長特性を該装置からの指示に基づいて更新することを特徴とする請求項12に記載の撮影装置。
【請求項14】
ネットワーク通信においては、暗号化されたデータをやりとりすることを特徴とする請求項12に記載の撮影装置。
【請求項15】
外部記憶媒体からデータを読み取る外部記憶媒体アクセス手段を更に備え、該外部記憶媒体から、前記登録画像及び該登録画像の波長特性の登録及び更新を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項16】
前記撮影装置の、前記撮影対象を撮影している際の周囲の状況を撮影する周辺撮影用カメラを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項17】
前記照明で照射する前記第1の波長と前記第2の波長の内、1つの波長が可視光領域であることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−284596(P2006−284596A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128953(P2006−128953)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【分割の表示】特願2003−83927(P2003−83927)の分割
【原出願日】平成15年3月25日(2003.3.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】