説明

撮影装置

【課題】意図しない電源投入を抑止すると共に、短時間での電源投入を可能とする撮影装置を提供する。
【解決手段】被写体を撮影する撮影手段と、当該撮影装置に電源を投入する際に接触される接触面を有する被接触手段と、前記接触面に前記ユーザが接触しているか否かを判断する接触判断手段(ステップ101)と、前記接触判断手段により前記ユーザが接触していると判断されると前記撮影手段による撮影が可能なように当該撮影装置を起動する起動手段(ステップ102)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子機器にユーザが電源を投入するための技術として、ユーザが電源ボタンを長押しすることで電源を投入する技術がある。このような技術を採用している電子機器は、例えばデジタルカメラやカメラ付き携帯電話機、銀塩式カメラなど、比較的小型の電子機器が多い。
【0003】
一方、このような電子機器では、その機能を実行する際に生体情報を用いるものがある。例えば、特許文献1、2には、画像情報を記憶する機能を実行するために指紋情報などを用いた技術が開示されている。また、認証機能を実行するために指紋情報を用いる携帯電話機も知られている。
【特許文献1】特開2005−236794号公報
【特許文献2】特開2004−171488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器に対して電源を投入する際に、ユーザが意図しない電源投入を回避するために、上記指紋情報などの生体情報を用いて認証した後に電源を投入する場合、まず、生体情報をユーザから取得し、取得した生体情報と予め記憶しておいた生体情報とが一致するか否かを判断する必要があるため、処理に時間がかかるという問題がある。更に上述したデジタルカメラやカメラ付き携帯電話など、電池で動作する電子機器では、このような負荷の大きい処理により電池が消耗するため好ましくない。
【0005】
更に上述したような長押しにより電源を投入する技術では、押している時間の長さだけ電源投入までに時間がかかるという問題がある。
【0006】
このように従来の技術では、意図しない電源投入を抑止するための処理あるいは操作に時間がかかるという問題点があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑み、意図しない電源投入を抑止すると共に、短時間での電源投入を可能とする撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、被写体を撮影する撮影手段と、当該撮影装置に電源を投入する際に接触される接触面を有する被接触手段と、前記接触面に前記ユーザが接触しているか否かを判断する接触判断手段と、前記接触判断手段により前記ユーザが接触していると判断されると前記撮影手段による撮影が可能なように当該撮影装置を起動する起動手段と、を有する。
【0009】
ここで、請求項1に記載の発明では、接触判断手段により当該撮影装置に電源を投入する際に接触される接触面にユーザが接触しているか否かを判断し、起動手段により、前記接触判断手段により前記ユーザが接触していると判断されると前記撮影手段による撮影が可能なように当該撮影装置を起動するので、ユーザが長押しする必要がなく、また負荷の軽い処理により実現できるので、意図しない電源投入を抑止すると共に、短時間での電源投入を可能とする撮影装置を提供することが可能となる。
【0010】
また、請求項2の発明は、前記接触判断手段が、前記接触面の温度を検出する温度検出手段を有し、該温度検出手段により検出された温度が予め定められた範囲内の場合に前記ユーザが接触していると判断するものである。
【0011】
ここで、請求項2の発明では、接触判断手段により温度に基づいて接触を判断することができるため、短時間での電源投入を可能とすることができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、前記接触判断手段が、前記接触面に接触しているユーザの指から指紋を検出する指紋検出手段を有し、該指紋検出手段により指紋が検出された場合に前記ユーザが接触していると判断するものである。
【0013】
ここで、請求項3の発明では、接触判断手段により指紋が検出された場合に接触を判断するため、短時間での電源投入を可能とすることができる。
【0014】
また、請求項4の発明は、前記撮影手段が、撮影装置筐体から光軸方向に伸長及び沈動することで突出長が変化可能な光学ユニットと、前記光学ユニットの突出長を制御することにより被写体像を結像位置に合焦させる光学ユニット制御手段と、を有し、前記光学ユニット制御手段が、前記起動手段により当該撮影装置が起動されると前記光学ユニットを伸長すると共に所定の距離未満の被写体に対して合焦した場合に、前記光学ユニットの伸長を中止するものである。
【0015】
ここで、請求項4の発明では、レンズユニットの伸長中に所定の距離未満の被写体に対して合焦した場合に光学ユニットの伸長を中止するので、更にレンズを保護することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、意図しない電源投入を抑止するとともに、短時間で電源投入を可能とする撮影装置を提供することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
以下、デジタルカメラ10の構成について説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を説明する。
【0019】
デジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ21と、撮影時に必要に応じて被写体を照射する光を発するストロボ44と、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ20と、が備えられている。また、デジタルカメラ10の上面には、撮影を実行する際に押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッターボタン)56Aと、電源スイッチ56Bと、が備えられている。
【0020】
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10のレリーズボタン56Aは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
【0021】
そして、デジタルカメラ10では、レリーズボタン56Aを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。また、上記AE機能は、後述するように電源投入時にも動作する。
【0022】
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ20の接眼部と、撮影された被写体像やメニュー画面等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)38と、撮影を行うモードである撮影モード及び被写体像をLCD38に再生するモードである再生モードの何れかのモードに設定する際にスライド操作されるモード切替スイッチ56Cと、が備えられている。
【0023】
また、デジタルカメラ10の背面には、十字カーソルボタン56Dと、撮影時にストロボ44を強制的に発光させるモードである強制発光モードを設定する際に押圧操作される強制発光スイッチ56Eと、が更に備えられている。
【0024】
なお、十字カーソルボタン56Dは、LCD38の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成されている。
【0025】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を説明する。
【0026】
デジタルカメラ10は、前述のレンズ21を含んで構成された光学ユニット22と、レンズ21の光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)24と、入力されたアナログ信号に対して各種のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部26と、を含んで構成されている。この光学ユニット22は、デジタルカメラ10の筐体から光軸方向に伸長及び沈動することで突出長が変化可能となっている。この光学ユニット22の突出長は、後述するCPU(中央処理装置)40により制御される。
【0027】
また、デジタルカメラ10は、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、入力されたデジタルデータに対して各種のデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。
【0028】
なお、デジタル信号処理部30は、所定容量のラインバッファを内蔵し、入力されたデジタルデータを後述するメモリ48の所定領域に直接記憶させる制御も行う。
【0029】
CCD24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデジタル信号処理部30の入力端に、各々接続されている。従って、CCD24から出力された被写体像を示すアナログ信号はアナログ信号処理部26によって所定のアナログ信号処理が施され、ADC28によってデジタル画像データに変換された後にデジタル信号処理部30に入力される。
【0030】
一方、デジタルカメラ10は、被写体像やメニュー画面等をLCD38に表示させるための信号を生成してLCD38に供給するLCDインタフェース36と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU40と、撮影により得られたデジタル画像データ等を記憶するメモリ48と、メモリ48に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース46と、を含んで構成されている。
【0031】
更に、デジタルカメラ10は、可搬型のメモリカード52をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース50と、デジタル画像データに対する圧縮処理及び伸長処理を行う圧縮・伸長処理回路54と、を含んで構成されている。
【0032】
なお、本実施の形態のデジタルカメラ10では、メモリ48としてVRAM(Video RAM)、SRAM又はDRAM、フラッシュメモリのうちのいずれか1つ以上が用いられ、メモリカード52としてスマートメディア(Smart Media(登録商標))が用いられている。
【0033】
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース36、CPU40、メモリインタフェース46、外部メモリインタフェース50、及び圧縮・伸長処理回路54はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU40は、デジタル信号処理部30及び圧縮・伸長処理回路54の作動の制御、LCD38に対するLCDインタフェース36を介した各種情報の表示、メモリ48及びメモリカード52へのメモリインタフェース46、外部メモリインタフェース50を介したアクセスを各々行うことができる。
【0034】
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、CCD24の駆動はCPU40によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
【0035】
更に、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられており、光学ユニット22に備えられた図示しない焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータの駆動もCPU40によりモータ駆動部34を介して制御される。上記ズームモータにより光学ユニット22は伸長及び沈動するようになっている。
【0036】
すなわち、本実施の形態に係るレンズ21は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ、及び絞り駆動モータは含まれるものであり、これらのモータは各々CPU40の制御によりモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動される。
【0037】
更に、前述のレリーズボタン56A、電源スイッチ56B、モード切替スイッチ56C、十字カーソルボタン56D、及び強制発光スイッチ56E(同図では、「操作部56」と総称。)はCPU40に接続されており、CPU40は、これらの操作部56に対する操作状態を常時把握できる。
【0038】
ここで本実施の形態に係る電源スイッチ56Bは、指紋センサ60と温度センサ62とを有する。指紋センサ60は、後述する接触面に位置する画像を例えばCMOSイメージセンサなどの撮影素子により取得するもので、その画像は例えばメモリ48に記憶される。本実施の形態では、この指紋センサ60が取得した画像を用いて指紋認証を行うものではなく、画像が指紋を示しているか否かだけを判断する。この処理の負荷は、指紋認証処理の負荷と比較して著しく軽いため、短時間で処理を実行することができる。なお、この処理は、一例として指紋センサ60により取得された画像に所定の太さより細い線が複数並んでいる場合に指紋と判断する処理であるが、これに限定されるものではない。
【0039】
また、温度センサ62は、後述する接触面の温度を検出し、検出された温度はCPU40により把握することができる。
【0040】
また、デジタルカメラ10には、ストロボ44とCPU40との間に介在されると共に、CPU40の制御によりストロボ44を発光させるための電力を充電する充電部42が備えられている。更に、ストロボ44はCPU40にも接続されており、ストロボ44の発光はCPU40によって制御される。
【0041】
次に、図3を用いて本発明に特に関係する電源スイッチ56Bの外観例について説明する。本実施の形態に係る電源スイッチ56Bは、押圧操作型のボタン形式のものとされている。また、電源スイッチ56Bは、上述したように指紋センサ60と温度センサ62とを有し、その外観は同図に示されるように円柱形状となっている。この円柱部分がユーザの指の押圧操作により筐体に沈動すると、指紋センサ60と温度センサ62がそれぞれ動作するようになっている。
【0042】
また、上記円柱部分の上面がユーザによる接触が可能な接触面とされており、その接触面は2つの同心円を含んで構成される。ここで内側の円は、指紋センサ60が接触面の位置の画像を取得するために透明な面となっている。この透明な面に接触された物体の画像を指紋センサ60が取得し、当該画像が指紋を示しているか否か判断する。
【0043】
一方、上記同心円における外側の円が温度検出面になっており、当該外側の円の温度を温度センサ62が検出する。
【0044】
なお、以上説明した電源スイッチ56Bは、必ずしもこのようなボタン形式である必要はなく、図4に示されるように、接触面のみの構成としても良い。この場合、指紋センサ60と温度センサ62は常に動作している必要があるため、同図に示されるように接触面とは別に、指紋センサ60と温度センサ62がそれぞれ動作させるためのボタンを設けるようにしても良い。
【0045】
また、上述した電源スイッチ56Bは、指紋センサ60と温度センサ62とを有する構成となっているが、指紋センサ60と温度センサ62のいずれか一方のみを有する構成としても良い。
【0046】
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の撮影時における全体的な動作について簡単に説明する。
【0047】
まず、CCD24は、光学ユニット22を介した撮影を行い、被写体像を示すR(赤)、G(緑)、B(青)毎のアナログ信号をアナログ信号処理部26に順次出力する。アナログ信号処理部26は、CCD24から入力されたアナログ信号に対して相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を施した後にADC28に順次出力する。
【0048】
ADC28は、アナログ信号処理部26から入力されたR、G、B毎のアナログ信号を各々12ビットのR、G、Bの信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に順次出力する。デジタル信号処理部30は、内蔵しているラインバッファにADC28から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ48の所定領域に直接格納する。
【0049】
メモリ48の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU40による制御に応じてデジタル信号処理部30により読み出され、所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行なうと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって所定ビット、例えば8ビットのデジタル画像データを生成する。
【0050】
そして、デジタル信号処理部30は、生成した所定ビットのデジタル画像データに対しYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ48の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
【0051】
なお、LCD38は、CCD24による連続的な撮影によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されており、LCD38をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCDインタフェース36を介して順次LCD38に出力する。これによってLCD38にスルー画像が表示されることになる。
【0052】
ここで、レリーズボタン56Aがユーザによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点でメモリ48に格納されているYC信号を、圧縮・伸長処理回路54によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に記録する。
【0053】
次に、各種フローチャートを用いて電源投入時においてCPU40により実行される処理の流れについて説明する。まず、図5のフローチャートを用いて処理の全体の流れについて説明する。
【0054】
最初のステップ101で、CPU40は、接触判断処理を実行する。この接触判断処理は、ユーザにより上記接触面が接触されていると判断されると終了する処理である。次のステップ102で、CPU40は、撮影が可能なように当該デジタルカメラ10を起動する。そしてステップ103で、CPU40は、光学ユニット伸長処理を実行する。
【0055】
次に、上記接触判断処理の流れについて、図6、図7のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図6は、温度センサ62を用いて判断する処理を示し、図7は指紋センサ60を用いて判断する処理を示している。
【0056】
最初に図6のフローチャートから説明する。ステップ201で、CPU40は、温度センサ62からの出力信号に基づいて温度tを検出し、ステップ202で、温度tがT1からT2の範囲内にあるか否かを判断し、肯定判断した場合には処理を終了し、否定判断した場合には再びステップ201の処理を実行する。
【0057】
なお、上述したT1、T2は例えばT1を20度とし、T2を35度とするなど、人の指の温度の温度センサ62による検知範囲内を示す値とする。
【0058】
次に図7のフローチャートについて説明する。ステップ301で、CPU40は、指紋センサ60からの出力信号に基づいて接触面の画像を検出し、CPU40は、ステップ302で、画像が指紋を示しているか否かを判断し、肯定判断した場合には処理を終了し、否定判断した場合には再びステップ301の処理を実行する。
【0059】
上記接触判断処理(図5:ステップ101)において、温度が所定範囲内にあり、かつ指紋が検出された場合に接触と判断する場合、上記図6、図7に示された2つの処理を実行し、いずれか一方で接触を判断する場合、対応する処理のみを実行する。
【0060】
次に、図8のフローチャートを用いて上記光学ユニット伸長処理(図5:ステップ103)の流れを説明する。
【0061】
ステップ401で、CPU40は、モータ駆動部34に光学ユニット22の伸長開始を指示する。これにより光学ユニット22の伸長が行われる。伸長している間に、CPU40は、ステップ402で、所定の距離Lmm(ミリメートル)未満の被写体に対して合焦しているか否かを判断することにより、光学ユニット22からLmm以内に何らかの物体が存在するか否かを判断する。このLとして、光学ユニット22が完全に伸長した場合の光学ユニット22の先端と筐体までの長さが挙げられる。
【0062】
ステップ402で、CPU40が肯定判断した場合、ステップ404で、CPU40は、光学ユニット22の伸長動作の中止をモータ駆動部34に指示し、処理を終了する。一方、ステップ402で、CPU40が否定判断した場合、ステップ403で、CPU40は、光学ユニット22の伸長動作が完了したか否かを判断し、肯定判断した場合には処理が終了し、否定判断した場合には再びステップ402の処理を実行する。
【0063】
なお、光学ユニット22の伸長動作の中止した後に、光学ユニット22を沈動するようにしても良い。
【0064】
以上説明したように本実施の形態では、被写体を撮影する撮影手段(図2:撮像系)と、当該撮影装置に電源を投入する際に接触される接触面を有する被接触手段(電源スイッチ56B)と、前記接触面に前記ユーザが接触しているか否かを判断する接触判断手段(ステップ101)と、前記接触判断手段により前記ユーザが接触していると判断されると前記撮影手段による撮影が可能なように当該撮影装置を起動する起動手段(ステップ102)と、を有する。
【0065】
また、前記接触判断手段は、前記接触面の温度を検出する温度検出手段(ステップ201)を有し、該温度検出手段により検出された温度が予め定められた範囲内の場合(ステップ202でY)に前記ユーザが接触していると判断する。
【0066】
また、前記接触判断手段は、前記接触面に接触しているユーザの指から指紋を検出する指紋検出手段(ステップ301)を有し、該指紋検出手段により指紋が検出された場合(ステップ302でY)に前記ユーザが接触していると判断する。
【0067】
また、前記撮影手段は、撮影装置筐体から光軸方向に伸長及び沈動することで突出長が変化可能な光学ユニット(光学ユニット22)と、前記光学ユニットの突出長を制御することにより被写体像を結像位置に合焦させる光学ユニット制御手段(CPU40)と、を有し、前記光学ユニット制御手段は、前記起動手段により当該撮影装置が起動されると前記光学ユニットを伸長する(ステップ401)と共に所定の距離未満の被写体に対して合焦した場合(ステップ402でY)に、前記光学ユニットの伸長を中止する(ステップ404)。
【0068】
なお、以上説明した各フローチャートにおける判断処理で用いられた各値は、その値に限定されるものではなく、ユーザによる設定、或いは仕様として適宜定めることができる。また、各フローチャートの処理の流れは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で処理順序を入れ替えたり、新たなステップを追加したり、不要なステップを削除したりすることができることは言うまでもない。
【0069】
更に、本実施の形態では本発明をデジタルカメラに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ付き携帯電話機、カメラ付きPDA(Personal Digital(Data) Assistants)、カメラ付きパソコン等の撮影機能を有する電子機器に適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態に係るデジタルカメラの外観上の構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係るデジタルカメラの電気系の構成を示す図である。
【図3】電源スイッチの外観例を示す図(その1)である。
【図4】電源スイッチの外観例を示す図(その2)である。
【図5】実施の形態に係る電源投入時の処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図6】接触判断処理(温度センサを用いる処理)の流れを示すフローチャートである。
【図7】接触判断処理(指紋センサを用いる処理)の流れを示すフローチャートである。
【図8】光学ユニット伸長処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
10 デジタルカメラ
22 光学ユニット
40 CPU
56B 電源スイッチ
60 指紋センサ
62 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影手段と、
当該撮影装置に電源を投入する際に接触される接触面を有する被接触手段と、
前記接触面に前記ユーザが接触しているか否かを判断する接触判断手段と、
前記接触判断手段により前記ユーザが接触していると判断されると前記撮影手段による撮影が可能なように当該撮影装置を起動する起動手段と、
を有する撮影装置。
【請求項2】
前記接触判断手段は、前記接触面の温度を検出する温度検出手段を有し、該温度検出手段により検出された温度が予め定められた範囲内の場合に前記ユーザが接触していると判断する請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記接触判断手段は、前記接触面に接触しているユーザの指から指紋を検出する指紋検出手段を有し、該指紋検出手段により指紋が検出された場合に前記ユーザが接触していると判断する請求項1に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記撮影手段は、
撮影装置筐体から光軸方向に伸長及び沈動することで突出長が変化可能な光学ユニットと、
前記光学ユニットの突出長を制御することにより被写体像を結像位置に合焦させる光学ユニット制御手段と、
を有し、
前記光学ユニット制御手段は、前記起動手段により当該撮影装置が起動されると前記光学ユニットを伸長すると共に所定の距離未満の被写体に対して合焦した場合に、前記光学ユニットの伸長を中止する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−83373(P2008−83373A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263089(P2006−263089)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】