説明

放送受信記録再生装置

【課題】自動再生する未視聴の録画番組の枯渇を防ぐ放送受信記録再生装置を得る。
【解決手段】録画番組管理部106は、録画した放送番組のうち自動再生の対象となる自動再生録画番組の録画量を監視し、当該録画量が所定値以下となった場合に、追加録画制御部108が直近に放送が開始される放送番組を録画し、更新録画制御部109がいずれかの自動再生録画番組よりも所望度の高い放送番組が放送開始される場合には、所望度の高い放送番組を録画して所望度の最も低い前記自動再生録画番組を削除し、自動再生部110が自動再生録画番組を所望度の高い順に自動再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の嗜好に基づき放送番組を自動的に録画し、後に自動再生により自動再生させる放送受信記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者の嗜好に合致する放送番組を自律的に録画し、後に録画した番組を自動的に順次再生する録画再生装置が提案されている。例えば、特許文献1には、記録を開始した番組の画像テキスチャ、音声キーワード、又番組に関わる記述情報を検出し、それらの認識、検出したレベルを基に番組の嗜好レベルを記憶されたレベルと比較し、嗜好レベルが低いとされるときは記録した番組の消去を行い、利用者の嗜好レベルの高い番組のみを記録する記録方法が開示されている。また、特許文献2には、利用者が自分の嗜好情報を映像視聴装置またはサーバに、事前に登録し、番組提供者側は、各番組に属性情報を登録し、利用者の嗜好情報に基づいて、利用者に対する各番組の嗜好度を自動的に計算し、利用者の嗜好度が最も高い番組を決定して順次再生することで、利用者は別段の操作なしに自動再生する再生装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3888575号
【特許文献2】特開2003−289481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の記録方法および再生方法では、利用者の嗜好に合致する放送番組を記憶媒体に順次録画し、後に記憶媒体に録画されている録画番組を再生すると、全ての録画番組の再生が終了した時点で未視聴の録画番組は枯渇するという課題があった。たとえ途中で放送番組が追加で録画される可能性が合ったとしても、録画番組の枯渇を完全に防ぐことはできない。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、未視聴の録画番組の残量に応じて自動で放送番組を録画し、または利用者の嗜好に合致する放送番組を適宜録画して、記憶媒体中の未視聴の録画番組の残量を一定以上保つことにより、自動再生する未視聴の録画番組の枯渇を防ぐ放送受信記録再生装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る放送受信記録再生装置は、放送番組に対する利用者の嗜好性の度合いを示す所望度を算出する評価部と、放送番組を録画する録画部と、録画した放送番組のうち、自動再生の対象となる自動再生録画番組の録画量を監視する管理部と、録画量が所定値以下となった場合に、直近に放送が開始される放送番組を録画する追加録画制御部と、いずれかの自動再生録画番組よりも、所望度の高い放送番組が放送開始される場合には、所望度の高い放送番組を録画し、所望度の最も低い前記自動再生録画番組を削除する更新録画制御部と、自動再生録画番組を所望度の高い順に自動再生し、自動再生後の自動再生録画番組を削除または視聴済録画番組とする自動再生部とを備えるように構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の放送受信記録再生装置は、録画量が所定値以下となった場合に、直近に放送が開始される放送番組を録画する追加録画制御部と、いずれかの自動再生録画番組よりも、所望度の高い放送番組が放送開始される場合には、所望度の高い放送番組を更新録画する更新録画制御部と、自動再生録画番組を所望度の高い順に自動再生する自動再生部とを備えるように構成したので、自動再生録画番組の残量を一定以上に保つと共に、利用者の所望度の高い放送番組を録溜めることができる。また、利用者は嗜好に合った放送番組を自動再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1による放送受信記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による放送受信記録再生装置の追加録画処理の動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1による放送受信記録再生装置の更新録画処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1による放送受信記録再生装置の自動再生処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2による放送受信記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態2による放送受信記録再生装置の追加録画処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1、この発明の実施の形態1による放送受信記録再生装置100の構成を示すブロック図である。
放送受信記録再生装置100は、チューナ101、デマックス102、電子番組表管理部(管理部)103、番組評価部(評価部)104、記憶部105、録画番組管理部106、録画部107、追加録画制御部108、更新録画制御部109、自動再生部110、ビデオデコード部111およびオーディオデコード部112で構成されている。さらにこの放送受信記録再生装置100は、放送波を受信するアンテナ200、映像を表示するディスプレイ300、および音声などを再生するスピーカ400に接続され、録画再生システムを構成している。録画再生システムは、アンテナ200が放送波を受信し、当該放送受信記録再生装置100が入力された放送波からビデオ信号およびオーディオ信号を生成し、ビデオ信号をディスプレイ300に、オーディオ信号をスピーカ400に出力する。
【0010】
次に、放送受信記録再生装置100の各構成について説明する。
チューナ101は、利用者によって指定されたチャンネルの放送波から放送ストリームを取得する。なお、放送ストリームは、例えば日本のデジタル放送で一般的に用いられるMPEG−2 TSなどとし、少なくとも電子番組表、ビデオストリームおよびオーディオストリームが多重化されているものとする。
【0011】
デマックス102は、チューナ101から入力される放送ストリームから、電子番組表、ビデオストリーム、およびオーディオストリームを取得する。取得した電子番組表、ビデオストリームおよびオーディオストリームはそれぞれ電子番組表管理部103、ビデオデコード部111およびオーディオデコード部112に出力される。
電子番組表管理部103は、デマックス102から入力される電子番組表を記憶する。追加録画制御部108、更新録画制御部109および番組評価部104からの要求に応じて、記憶している電子番組表を提供する。また、電子番組表に記載された放送番組の放送が開始される際、更新録画制御部109に動作指示を出力する。
【0012】
番組評価部104は、放送番組に対する利用者の嗜好の度合い、即ち予め利用者が設定している嗜好キーワードが電子番組表の番組情報内に出現する回数(以下、所望度と称する)を算出する。
記憶部105は、放送番組のオーディオストリームおよびビデオストリームと、電子番組表に記載された番組情報とを関連付けて録画する。以下、記憶部105に録画した放送番組を録画番組と呼ぶ。各録画番組は、自動再生の対象であるか否かを示すフラグを有している。以下、自動再生の対象となる録画番組を自動再生録画番組、自動再生対象録画番組の合計時間を自動再生残量(録画量)と呼ぶ。
【0013】
録画番組管理部106は、記憶部105に記憶された録画番組を管理している。具体的には、自動再生対象録画番組の残量である自動再生残量を監視し、当該自動再生残量が所定の下限値を下回っている場合には追加録画制御部108を制御する。なお、利用者は初期設定として自動再生残量の下限値を設定することができる。さらに録画番組管理部106は、更新録画制御部109および自動再生部110から入力される指示に基づき、不要となった録画番組を記憶部105から削除する、あるいは視聴済録画番組とする。
【0014】
録画部107は、電子番組表に記載されている放送番組を記憶部105へ録画する。具体的には、録画すべき放送番組のチャンネルの選局指示をチューナ101に出力し、チューナ101から得られる放送ストリームを記憶部105に録画する。
この録画部107により録画された直後の録画番組は自動再生の対象であると設定される。つまり、後述する追加録画処理および更新録画処理によって録画された録画番組に加え、利用者の手動録画もしくは予約録画による録画番組も含め、全ての録画による録画番組は自動再生の対象となる。
なお、チューナ101、記憶部105および録画部107を複数組搭載することにより、複数の放送番組を同時に記憶部105に録画することが可能となる。
【0015】
追加録画制御部108は、自動再生対象録画番組の自動再生残量が所定の下限値を下回ると、追加して放送番組を録画して補充を行う。具体的には、自動再生残量が予め設定された下限値以下となると、当該自動再生残量が下限値を超えるまで直近に放送される放送番組を録画するように録画部107を制御する。これにより、自動再生残量を一定以上に保つことができる。
【0016】
更新録画制御部109は、番組評価部104が算出した所望度に基づき、録画部107に記憶されている自動再生対象録画番組よりも高い所望度の放送番組を録画して置き換える。具体的には、放送番組の放送開始時に電子番組表管理部103からの動作指示を受け付け、いずれかの自動再生対象録画番組よりも、高い所望度の放送番組が放送開始される場合、当該放送番組を録画するように録画部107を制御し、最も所望度の低い自動再生対象録画番組を削除するように録画番組管理部106に指示する。
なお、更新録画制御部109と追加録画制御部108の動作が重複するのを防止するために、更新録画制御部109の動作条件を、自動再生残量が下限値を上回っている場合に限ってもよい。
【0017】
自動再生部110は、記憶部105に録画されている自動再生対象録画番組の所望度を参照し、当該所望度の高い順に自動再生する。また、再生が終了した自動再生対象録画番組を削除または視聴済録画番組とするように録画番組管理部106に指示する。
なお、自動再生部110は、自動再生対象録画番組を再生する際、まずデマックス102のビデオストリームの出力先をビデオデコード部111に設定すると共に、オーディオストリームの出力先をオーディオデコード部112に設定する。その後、記憶部105から自動再生対象録画番組の放送ストリームを読み出してデマックス102に出力し、自動再生対象録画番組を再生する。
【0018】
ただし、上述の自動再生処理では、連続ドラマのように視聴順序に制約がある場合、録画番組の再生順序が入れ替わってしまう問題も生じる。例えば、連続ドラマの1話目よりも2話目の所望度が高い場合には、2話目から再生されてしまう。そこで、自動再生部110が所定の選択方法に従って再生する自動再生対象録画番組を選択するように構成してもよい。
【0019】
以下、自動再生部110の自動再生対象録画番組の選択方法について具体的に述べる。
まず、自動再生部110は、記憶部105に録画されている全ての自動再生対象録画番組の一覧を作成し、所望度の高い自動再生対象録画番組から順に所定の条件に合致するか判定する。所定の条件とは、「自動再生対象録画番組がシリーズでないか」、もしくは「自動再生対象録画番組がシリーズであり、かつシリーズの系統が一致し、かつ自動再生対象録画番組の一覧にエピソード番号がより若い録画番組が存在しない」とする。この所定の条件に基づいた判定結果に従って再生する自動再生対象録画番組の選択および再生順序の決定を行う。
【0020】
日本の地上デジタル放送の場合、録画番組がシリーズであるか否かは、当該録画番組の番組情報にシリーズ記述子(series_descriptor)があるか否かにより判別できる。
また、二つの録画番組のシリーズの系列が一致しているか否か、つまり連続ものであるか否かは、番組情報のシリーズ記述子(series_descriptor)に記載された地上ブロードキャスタ識別(terrestrial_broadcaster_id)およびシリーズ識別(series_id)について二つの録画番組の各値同士が、合致しているか否かにより判別できる。
さらに、録画番組のエピソード番号がより若いか否かは、番組情報のシリーズ記述子(series_descriptor)のエピソード番号(episode_number)が「0」でなく、かつ番号の大小により判別することができる。
【0021】
なお、視聴順序の制約に基づいて正しい再生順序を決定可能であれば、上記条件は適宜変更および追加可能である。
【0022】
ビデオデコード部111は、例えばMPEG−2 Video形式のビデオストリームをデコードしてビデオデータを取得し、当該ビデオデータをD/Aコンバータに通し、ディスプレイ300に表示可能なビデオ信号を取得する。
【0023】
オーディオデコード部112は、例えば日本のデジタル放送に用いられるMPEG−2 AAC形式のオーディオストリームをデコードしてオーディオデータを取得し、当該オーディオデータをD/Aコンバータに通し、スピーカ400により出力可能なオーディオ信号を取得する。
【0024】
次に、この実施の形態1に係る放送受信記録再生装置の動作について説明を行う。なお、動作説明は、追加録画処理、更新録画処理および自動再生処理に分けて行う。
<追加録画処理>
図2は、この実施の形態1に係る放送受信記録再生装置の追加録画処理動作を示すフローチャートである。
録画番組管理部106は、自動再生残量が所定の下限値を下回っているか否か判定を行う(ステップST1)。ステップST1において自動再生残量が下限値以上であると判定された場合には、ステップST1の処理に戻る。
一方、ステップST1において自動再生残量が所定の下限値を下回っていると判定された場合には、追加録画制御部108に追加録画指示を出力する(ステップST2)。
【0025】
追加録画制御部108は、ステップST2において入力された追加録画指示に従い電子番組表管理部103から電子番組表を取得し、当該電子番組表を参照して直近に放送される放送番組を選択し(ステップST3)、録画部107に当該放送番組の録画指示を出力する(ステップST4)。録画部107は、ステップST4で入力された録画指示に従い、録画すべき放送番組が放送されるチャンネルの選局指示をチューナ101に出力し(ステップST5)、チューナ101から入力される放送ストリームの断片を取得し、記憶部105に録画する(ステップST6)。ステップST7において録画すべき放送番組が終了したと判断されるまで、ステップST6およびステップST7を繰り返し、放送番組を録画する。
【0026】
<更新録画処理>
図3は、この実施の形態1に係る放送受信記録再生装置の更新録画処理動作を示すフローチャートである。なお、上述した追加録画処理と同一の処理を行うステップには図2で使用した符号と同一の符号を付す。
電子番組表管理部103は、電子番組表に記載されている各放送番組の放送開始時に、更新録画制御部109に対して動作指示を出力すると共に、放送が開始される放送番組を通知する(ステップST11)。ステップST11において動作指示が入力された更新録画制御部109は、録画番組管理部106に記録されている各自動再生対象録画番組に係る番組情報を取得する(ステップST12)。
【0027】
更新録画制御部109は、ステップST12において取得した番組情報を参照して自動再生対象録画番組の中で最も所望度が低く、かつステップST11において通知された放送が開始される放送番組よりも所望度の低い自動再生対象録画番組が存在するか否か判定を行う(ステップST13)。ステップST13において、該当する自動再生対象録画番組が存在すると判定された場合は、録画番組管理部106に対して該当した自動再生対象録画番組の削除指示を出力し(ステップST14)、録画番組管理部106は該当する自動再生対象録画番組を記憶部105から削除する(ステップST15)。
一方、ステップST13において、該当する自動再生対象録画番組が存在しないと判定された場合には、ステップST11の処理に戻り待機する。
【0028】
次に、更新録画制御部109はステップST11において通知された放送番組の録画指示を録画部107に出力する(ステップST16)。録画部107は、ステップST16の録画指示に従い、録画すべき放送番組が放送されるチャンネルの選局指示をチューナ101に出力し(ステップST5)、チューナ101から入力される放送ストリームの断片を取得して記憶部105に記録する(ステップST6)。ステップST7において録画すべき放送番組が終了したと判断されるまで、ステップST6およびステップST7を繰り返し、放送番組を録画する。
【0029】
<自動再生処理>
一般的なデジタル放送受信機は、利用者が指定したチャンネル番号に応じて同調するチャンネルをチューナ101に設定することで、デジタル放送のチャンネルを切り替えている。それに加えて、実施の形態1の放送受信記録再生装置100は、チューナ101には設定を行わない仮想的なチャンネル番号を設け、利用者がその仮想的なチャンネル番号を指定すると自動再生部110が動作するように構成されている。
【0030】
図4は、この実施の形態1に係る放送受信記録再生装置の自動再生処理動作を示すフローチャートである。
まず利用者の操作により、自動再生部110に動作指示が入力される(ステップST21)。自動再生部110は、ステップST21において入力された動作指示を受けて、録画番組管理部106から自動再生対象録画番組の番組情報を取得する(ステップST22)。自動再生部110は、ステップST22において取得した番組情報から得られる所望度を比較し、所望度の高い順に再生する自動再生対象録画番組を選択する(ステップST23)。自動再生部110は、ステップST23において選択した自動再生対象録画番組の放送ストリームの断片を記憶部105から取得し、デマックス102に出力する(ステップST24)。
【0031】
デマックス102は、ステップST24において取得した放送ストリームからビデオストリームおよびオーディオストリームを分離し、ビデオデコード部111にビデオストリームの断片、オーディオデコード部112にオーディオストリームの断片を出力する(ステップST25)。ビデオデコード部111は入力されたビデオストリームをデコードしてビデオ信号を取得してディスプレイ300に出力し、オーディオストリームをデコードしてオーディオ信号を取得してスピーカ400に出力する(ステップT26)。自動再生部110は、再生すべき自動再生対象録画番組が終了したか否か判定を行い(ステップST27)、終了していないと判定された場合には、ステップST24に戻り上述の処理を繰り返す。一方、終了したと判定された場合には録画番組管理部106に再生済みの自動再生対象録画番組の削除指示を出力し録画番組管理部106が該当する自動再生対象録画番組を削除し(ステップST28)、処理を終了する。なお、ステップST28の処理以外にも、自動再生対象録画番組を視聴済録画番組として保管するように処理しても良い。
【0032】
なお、上述した自動再生処理では所望度を考慮して再生順序を決定する構成を示したが、これに放送順序を考慮して再生順序を決定するように構成してもよい。その場合、ステップST23において所望度の高い順に再生する自動再生対象録画番組を選択した後に、当該自動再生対象録画番組がシリーズであるか否かなどの条件で判定を行い、再生順序を決定する。
【0033】
以上のように、この実施の形態1によれば、自動再生残量がある所定値以下となった場合に、追加録画制御部108が直近の放送番組を録画するように構成したので、自動再生残量を一定以上に保ち、自動再生の対象となる録画番組が枯渇するのを防止することができる。
【0034】
また、この実施の形態1によれば、更新録画制御部109が、放送番組の放送が開始される放送番組の所望度と、自動再生対象録画番組の所望度を比較し、より所望度の高い放送番組が開始される場合には当該放送番組を録画して置き換えるように構成したので、利用者の所望度が高い放送番組を録溜めることができる。
【0035】
また、この実施の形態1によれば、自動再生部110が自動再生対象録画番組の所望度や放送順序を考慮して自動再生するように構成したので、利用者は嗜好に合った放送番組を正しい順序で自動再生することができる。
【0036】
実施の形態2.
実施の形態1において示した放送受信記録再生装置100では、自動再生残量が所定の下限値以下の場合、追加録画制御部108が直近の放送番組を録画するように構成している。しかし、放送番組の選別を行わず、闇雲に直近の放送番組を録画した場合、更新録画制御部109により録画番組が置き換えられる可能性が高く、追加録画制御部108による録画が無駄になる可能性がある。そこで、この実施の形態2ではより効率的に追加録画処理を行う追加録画制御部108の構成を示す。
【0037】
図5は、実施の形態2に係る放送受信記録再生装置の構成を示すブロック図であり、実施の形態1の放送受信記録再生装置100の追加録画制御部108に録画予約部108aを追加して設けている。なお以下では、実施の形態1に係る放送受信記録再生装置100の構成要素と同一または相当する部分には実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0038】
自動再生残量が所定の下限値を下回っている場合、実施の形態1の追加録画制御部108では直近に放送が開始される放送番組を録画するように録画部107を制御する。しかし、自動再生残量と同じ時間内には自動再生対象録画番組が枯渇することはないため、この実施の形態2の追加録画制御部108は、自動再生残量と同じ時間内に放送が開始される放送番組を録画予約するように録画予約部108aを制御する。
なお、以下では録画予約部108aに録画予約されている放送番組の合計時間を予約総量と呼ぶ。
【0039】
追加録画制御部108は、電子番組表を参照して自動再生残量と同じ時間内に放送が開始される放送番組を、所望度の高い順に、かつ自動再生残量と予約総量の合計が所定の下限値を超えるまで選択する。また、選択した放送番組を録画予約するように録画予約部108aを制御する。
なお、追加録画制御部108が予約する放送番組を選択する際に、複数の放送番組の放送時間帯が重なった場合には、それらの放送番組の中で所望度を比較し、当該所望度の高い順に同時に録画できる数だけ放送番組を選択し、放送時間帯が重なった残りの放送番組の録画は無視するものとする。
【0040】
録画予約部108aは、追加録画制御部108が電子番組表を参照して選択した複数個の放送番組を録画予約として記憶する。また、この録画予約に基づき、録画部107に対して放送番組の開始時刻には録画開始指示を出力し、放送番組の終了時刻には録画終了指示を出力する。
録画部107は、録画予約部108aの録画開始指示および録画終了指示に従い、指定された放送番組を録画する。
【0041】
次に、この実施の形態2の放送受信記録再生装置の追加録画処理について図6のフローチャートに従って説明を行う。なお、実施の形態1の追加録画処理と同一の処理を行うステップには図2で使用した符号と同一の符号を付す。
<追加録画処理>
録画番組管理部106は、自動再生残量が所定の下限値を下回っているか否か判定を行う(ステップST1)。ステップST1において自動再生残量が下限値以上であると判定された場合には、ステップST1の処理に戻る。一方、ステップST1において自動再生残量が所定の下限値を下回っていると判定された場合には、追加録画制御部108に追加録画指示を出力する(ステップST2)。
【0042】
追加録画制御部108は、ステップST2において入力された追加録画指示に従い電子番組表管理部103から電子番組表を取得すると共に、録画予約部108aの現在の予約総量を取得する(ステップST31)。さらに、自動再生残量と同じ時間内に放送が開始される放送番組を電子番組表から所望度の高い順に選択し(ステップST32)、選択した放送番組の中で放送時間帯が重複しているものがあるか否か判定する(ステップST33)。
【0043】
ステップST33において重複していると判定された場合には、当該重複している各放送番組の所望度を比較し、所望度が最も高い放送番組のみを選択する(ステップST34)。ステップST33において重複していないと判定された場合にはステップST35に進む。次に、追加録画制御部108は選択した放送番組の録画予約指示を録画予約部108aに出力し(ステップST35)、自動再生残量と予約総量の合計時間が所定の下限値を超えたか否か判定する(ステップST36)。
ステップST36において、所定の下限値を超えていないと判定された場合にはステップST32の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップST36において、所定の下限値を超えたと判定された場合、処理を終了する。
【0044】
以上のように、この実施の形態2によれば、追加録画制御部108に録画予約部108aを設け、自動再生残量と同じ時間内に放送が開始される放送番組を録画するように構成したので、無駄の少ない追加録画処理を実施することができる。これにより、録画部の実行回数を抑制することができ、放送受信記録再生装置の消費電力を抑制することができる。
【符号の説明】
【0045】
100 放送受信記録再生装置、101 チューナ、102 デマックス、103 電子番組表管理部、104 番組評価部、105 記憶部、106 録画番組管理部、107 録画部、108 追加録画制御部、108a 録画予約部、109 更新録画制御部、110 自動再生部、111 ビデオデコード部、112 オーディオデコード部、200 アンテナ、300 ディスプレイ、400 スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像音声信号と番組情報とからなる放送番組を受信し、前記映像音声信号を記憶および再生する放送受信記録再生装置において、
前記放送番組に対する利用者の嗜好性の度合いを示す所望度を算出する評価部と、
前記放送番組を録画する録画部と、
前記録画した放送番組のうち、自動再生の対象となる自動再生録画番組の録画量を監視する管理部と、
前記録画量が所定値以下となった場合に、直近に放送が開始される放送番組を録画する追加録画制御部と、
いずれかの前記自動再生録画番組よりも、所望度の高い放送番組が放送開始される場合には、前記所望度の高い放送番組を録画し、所望度の最も低い前記自動再生録画番組を削除する更新録画制御部と、
前記自動再生録画番組を所望度の高い順に自動再生し、自動再生後の自動再生録画番組を削除または視聴済録画番組とする自動再生部とを備えたことを特徴とする放送受信記録再生装置。
【請求項2】
前記追加録画制御部は、放送番組の録画予約を受け付ける録画予約部を備え、
自動再生録画番組の録画量が所定値以下となった場合に、前記録画量の時間内に放送される放送番組の中で、最も所望度の高い放送番組を選択し、前記録画予約部に録画予約指示を出力することを特徴とする請求項1記載の放送受信録画再生装置。
【請求項3】
前記自動再生部は、自動再生録画番組の放送順序を考慮して自動再生することを特徴とする請求項1または請求項2記載の放送受信記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−217033(P2011−217033A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81866(P2010−81866)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】