説明

料金算出システム、料金算出方法及び料金算出プログラム

【課題】利用量に応じて課金を行なう画像形成装置においてコンテンツ管理サーバが提供したコンテンツに対する課金を、画像形成装置自体の課金とは別に算出することができる料金算出システム、料金算出方法及び料金算出プログラムを提供する。
【解決手段】コンテンツ管理サーバ20は、コンテンツデータを要求に応じて複合機10に送信すると、複合機10に対応する仮想機器の機器識別子に関連付けてカウンタ値を記録する。複合機10は、印刷による出力カウンタ値を記録する。料金計算管理サーバ50の制御手段51は、複合機10から取得した出力カウンタ値及びコンテンツ管理サーバ20から取得した仮想機器の機器識別子のカウンタ値を記録する。制御手段51は、料金算出に用いるカウンタ値がすべてある場合、本体機器及び仮想機器のカウンタボリュームの算出処理を実行し、算出したカウンタボリュームから料金表データを用いて料金を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の出力枚数に応じて料金算出を行なう料金算出システム、料金算出方法及び料金算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
料金を請求する場合、利用量に応じた課金を行なうことがある。例えば、複合機やファクシミリ装置等の画像形成装置を常に良好な状態に維持するための保守サービスを実施し、保守料金を請求する場合等である。この場合、出力枚数をカウンタで計数し、保守管理などを含めた利用料金を、所定の単位期間毎に請求する。
【0003】
このような利用量に応じて請求を行なう場合に、請求料金を効率的に計算する料金計算処理システムが考えられている(特許文献1参照。)。この特許文献1においては、カウンタ報告処理部及び料金計算データ生成部を備えたカウンタ報告入力システムを用いる。機種、機番、登録回数が入力された場合、カウンタ報告処理部は、契約データベースに記録された契約マスタを検索し、プライスコードを取得する。入力されたデータ及びプライスコードを取得した料金計算データ生成部は、料金計算対象データの生成し、料金計算システムに供給する。料金計算システムの料金計算処理部は、料金計算対象データを受信し、料金計算処理を実行する。
【0004】
一方、インターネットの発達により、ネットワークを介してコンテンツを取得し、手元の画像形成装置においてカタログ等の印刷を行なうためのシステムも検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2においては、販売代理店の端末からメーカのサーバへのWebオーダに基づき印刷会社の印刷装置でカスタマイズカタログを印刷する。顧客との商談が購買成約まで進むと、販売代理店はメーカのサーバに営業プロセス報告(進行情報の入力)を行なう。サーバは、営業プロセス報告中のカタログ番号に対応する課金タグを課金情報データベースから読み出し、この課金タグに相当する金額を、購買成約に至ったカスタマイズカタログのカタログ代金として販売代理店に請求する。このため、販売代理店側で予め想定枚数分のカタログを用意する必要がなく、カタログ代を大幅に低減できる。
【特許文献1】特開2007−94516号公報(第1頁及び図1)
【特許文献2】特開2003−6523号公報(第1頁、図1及び図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2のように余分なカタログを用意しないようにするために、損害保険会社の代理店等に設置された画像形成装置において、ネットワークを介して取得したカタログを印刷することがある。この場合、特許文献1のように、使用される画像形成装置に対して利用量に応じて課金が行なわれる場合には、画像形成装置を使用する損害保険会社の代理店が、カタログ制作の代金を支払うことになる。
【0006】
従来、カタログは、損害保険会社側が準備をしており、代理店がカタログの代金についての支払はしていない。一方、代理店における画像形成装置は、損害保険会社において使用するカタログ等のコンテンツの印刷以外にも利用される。そこで、損害保険会社側が従来から料金負担していたコンテンツの印刷については、画像形成装置のユーザ(ここでは代理店)とは別に分配して請求できるような仕組みがあれば便利である。この場合、料金算出に従来から使用していた構成のデータを用いて、仕組みが構築できれば効率的である。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、利用量に応じて課金を行なう画像形成装置においてコンテンツ管理サーバが提供したコンテンツに対する課金を、画像形成装置自体の課金とは別に算出することができる料金算出システム、料金算出方法及び料金算出プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、機器を特定する機器識別子に関連付けて出力枚数に関するカウンタ値を記録したカウンタ値データ記憶手段と、機器の出力枚数に応じて料金を算出するための料金表データを記録した料金表データ記憶手段と、画像形成装置と、これに提供するコンテンツ及び提供したコンテンツによる画像形成装置の出力枚数を管理するコンテンツ管理サーバとに接続された制御手段とを備えた料金算出システムであって、前記制御手段は、画像形成装置の機器識別子と、この画像形成装置における出力枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する出力カウンタ値取得手段と、仮想機器の機器識別子と、この仮想機器に関連付けられた画像形成装置がコンテンツ管理サーバから提供されたコンテンツを印刷することにより出力した枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する提供カウンタ値取得手段と、料金算出対象の機器識別子を特定する対象特定手段と、料金算出対象の画像形成装置の機器識別子からこの画像形成装置の仮想機器の機器識別子を特定し、この仮想機器のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得する仮想機器カウンタ値取得手段と、前記画像形成装置のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得し、この画像形成装置に対応する仮想機器のカウンタ値を減算した出力枚数を算出し、この出力枚数に応じた第1の料金を、前記料金表を用いて算出する第1料金算出手段と、前記仮想機器のカウンタ値に対応する出力枚数に応じた第2の料金を、前記料金表を用いて算出する第2料金算出手段と、を備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の料金算出システムにおいて、1の機器識別子に対して1の料金請求先を特定する料金請求先識別子を記録した機器属性データ記憶手段を更に備え、前記制御手段は、画像形成装置の機器識別子に関連付けられている料金請求先識別子に対して前記第1の料金を請求し、前記画像形成装置に対応する仮想機器の機器識別子に関連付けられている料金請求先識別子に対して前記第2の料金を請求する処理を実行する請求処理手段を更に備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の料金算出システムにおいて、画像形成装置の機器識別子から、仮想機器の機器識別子を特定するための変換表に関するデータを記憶した変換表データ記憶手段を更に備え、この変換表データ記憶手段に記録された変換表が、前記コンテンツ管理サーバにも記録されていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、機器を特定する機器識別子に関連付けて出力枚数に関するカウンタ値を記録したカウンタ値データ記憶手段と、機器の出力枚数に応じて料金を算出するための料金表データを記録した料金表データ記憶手段と、画像形成装置と、これに提供するコンテンツ及び提供したコンテンツによる画像形成装置の出力枚数を管理するコンテンツ管理サーバとに接続された制御手段とを備えた料金算出システムを用いた料金算出方法であって、前記制御手段は、画像形成装置の機器識別子と、この画像形成装置における出力枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する出力カウンタ値取得段階と、仮想機器の機器識別子と、この仮想機器に関連付けられた画像形成装置がコンテンツ管理サーバから提供されたコンテンツを印刷することにより出力した枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する提供カウンタ値取得段階と、料金算出対象の機器識別子を特定する対象特定段階と、料金算出対象の画像形成装置の機器識別子からこの画像形成装置の仮想機器の機器識別子を特定し
、この仮想機器のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得する仮想機器カウンタ値取得段階と、前記画像形成装置のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得し、この画像形成装置に対応する仮想機器のカウンタ値を減算した出力枚数を算出し、この出力枚数に応じた第1の料金を、前記料金表を用いて算出する第1料金算出段階と、前記仮想機器のカウンタ値に対応する出力枚数に応じた第2の料金を、前記料金表を用いて算出する第2料金算出段階と、を実行することを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、機器を特定する機器識別子に関連付けて出力枚数に関するカウンタ値を記録したカウンタ値データ記憶手段と、機器の出力枚数に応じて料金を算出するための料金表データを記録した料金表データ記憶手段と、画像形成装置と、これに提供するコンテンツ及び提供したコンテンツによる画像形成装置の出力枚数を管理するコンテンツ管理サーバとに接続された制御手段とを備えた料金算出システムを用いて料金を算出するプログラムであって、前記制御手段を、画像形成装置の機器識別子と、この画像形成装置における出力枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する出力カウンタ値取得手段、仮想機器の機器識別子と、この仮想機器に関連付けられた画像形成装置がコンテンツ管理サーバから提供されたコンテンツを印刷することにより出力した枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する提供カウンタ値取得手段、料金算出対象の機器識別子を特定する対象特定手段、料金算出対象の画像形成装置の機器識別子からこの画像形成装置の仮想機器の機器識別子を特定し、この仮想機器のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得する仮想機器カウンタ値取得手段、前記画像形成装置のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得し、この画像形成装置に対応する仮想機器のカウンタ値を減算した出力枚数を算出し、この出力枚数に応じた第1の料金を、前記料金表を用いて算出する第1料金算出手段、及び前記仮想機器のカウンタ値に対応する出力枚数に応じた第2の料金を、前記料金表を用いて算出する第2料金算出手段として機能させることを要旨とする。
【0013】
(作用)
本発明によれば、制御手段は、画像形成装置の機器識別子と、この画像形成装置における出力枚数に関するカウンタ値とを受信して、カウンタ値データ記憶手段に記録する。制御手段は、仮想機器の機器識別子と、この仮想機器に関連付けられた画像形成装置がコンテンツ管理サーバから提供されたコンテンツを印刷することにより出力した枚数に関するカウンタ値とを受信して、カウンタ値データ記憶手段に記録する。制御手段は、料金算出対象の機器識別子を特定する。制御手段は、料金算出対象の画像形成装置の機器識別子からこの画像形成装置の仮想機器の機器識別子を特定し、この仮想機器のカウンタ値をカウンタ値データ記憶手段から取得する。制御手段は、画像形成装置のカウンタ値をカウンタ値データ記憶手段から取得し、この画像形成装置に対応する仮想機器のカウンタ値を減算した出力枚数を算出し、この出力枚数に応じた第1の料金を、料金表を用いて算出する。制御手段は、仮想機器のカウンタ値に対応する出力枚数に応じた第2の料金を、料金表を用いて算出する。すなわち、コンテンツ管理サーバが提供したコンテンツを画像形成装置が印刷した枚数については仮想機器の出力枚数として管理する。そして、料金算出において、画像形成装置の通常の料金から仮想機器の出力枚数を減算した出力枚数に応じた金額を第1の料金として算出し、仮想機器の出力枚数に応じた金額を第2の料金として算出する。このため、利用量に応じて課金を行なう画像形成装置においてコンテンツ管理サーバが提供したコンテンツに対する課金を、画像形成装置自体の課金とは別に算出することができる。
【0014】
本発明によれば、制御手段は、画像形成装置の機器識別子に関連付けられている料金請求先識別子に対して第1の料金を請求し、画像形成装置に対応する仮想機器の機器識別子に関連付けられている料金請求先識別子に対して第2の料金を請求する処理を実行する。従来の料金請求システムにおいては、1台の機器に対して1の料金請求先が関連付けられ
ていたデータを用いていた。このため、このデータを用いても、画像形成装置に関連付けられた料金請求先と、画像形成装置に対応する仮想機器に関連付けられた料金請求先とを関連付けられるので、1台の画像形成装置に対して複数の料金請求先を設定することができる。従って、従来の料金請求システムにおいて使用していたデータ構成を用いても、1台の画像形成装置に対して複数の料金請求先に異なる料金を請求することができる。
【0015】
本発明によれば、画像形成装置の機器識別子から、仮想機器の機器識別子を特定するための変換表に関するデータを記憶した変換表データ記憶手段を更に備える。また、この変換表データ記憶手段に記録された変換表が、コンテンツ管理サーバにも記録されている。このため、複数の請求先に料金請求する画像形成装置が新たに登録された場合、コンテンツ管理サーバは、料金算出システムから画像形成装置に対応する仮想機器の機器識別子を取得する必要がない。従って、コンテンツ管理サーバは、画像形成装置からコンテンツを提供する際には、この画像形成装置の機器識別子に対応する仮想機器の機器識別子を、変換表を用いて特定できるので、迅速にコンテンツを提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用量に応じて課金を行なう画像形成装置においてコンテンツ管理サーバが提供したコンテンツに対する課金を、画像形成装置自体の課金とは別に算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態においては、複合機(Multi Function Peripheral:MFP)10の出力枚数に応じて課金
を行なう場合の料金算出システムについて説明する。本実施形態では、この複合機10は、損害保険会社の支店・営業所の職員や代理店等がユーザとして利用し、複合機10の機器保守管理会社は、このユーザに対して課金する。また、コンテンツ管理会社が、損害保険会社が準備したコンテンツ(カタログや帳票等)を管理し、支店・営業所や代理店に提供する。このようなコンテンツは、支店・営業所や代理店に設置された複合機10において印刷される。ここで、各複合機10において印刷された枚数については、複合機10の機器保守管理会社は、コンテンツ管理会社に対して課金を行なう。この場合、本実施形態では、コンテンツの提供により複合機10で印刷した枚数に対しては、各複合機10に対応する仮想機器の出力枚数として管理する。
【0018】
本実施形態の複合機10は、画像形成装置として機能し、印刷処理及び複写処理等の画像形成処理を実行する。更に、この複合機10は、コンテンツ管理会社のコンテンツ管理サーバ20にネットワークを介して接続されている。
【0019】
複合機10は、各種指示を取得する操作部(図示せず)、コンテンツ一覧を表示するための表示部(図示せず)及び内蔵時計を備える。更に、複合機10は、制御部11及び出力カウンタデータ記憶部12を備える。
【0020】
制御部11は、図示しないCPU、RAM及びROM等のメモリを有し、後述する処理(印刷データ取得段階、印刷制御段階、出力枚数カウント段階及びカウンタ報告段階等を含む処理)を行なう。そして、制御部11は、コンテンツ取得手段110、印刷制御手段111、出力枚数カウント手段112及びカウンタ報告手段115として機能する。また、制御部11は、この複合機10の機器識別子を記憶している。
【0021】
コンテンツ取得手段110は、印刷を行なうコンテンツデータをコンテンツ管理サーバ20から取得する処理を実行する。
印刷制御手段111は、印刷データに基づいて印刷実行手段(図示せず)を制御する処
理を実行する。
【0022】
出力枚数カウント手段112は、複合機10が画像形成処理を行なう度に出力した枚数をカウントし、これらを合計したカウント値を出力カウンタデータ記憶部12に記録する処理を実行する。本実施形態では、モノクロによる画像形成処理、フルカラーによる画像形成処理及びフルカラーによる印刷処理のそれぞれの出力枚数をカウントする。ここで、出力枚数カウント手段112は、モノクロ及びフルカラーのそれぞれについて、印刷処理及び複写処理のすべての画像形成処理における出力枚数をカウントするとともに、フルカラーによる印刷処理の出力枚数のみを個別にカウントする。
【0023】
カウンタ報告手段115は、この複合機10におけるカウント値を、後述する機器管理ホストサーバ40に送信する処理を定期的に実行する。このために、カウンタ報告手段115には、予め定めた送信時刻が記憶されている。
【0024】
出力カウンタデータ記憶部12には、図2(a)に示すように、出力カウンタデータ120が記録されている。この出力カウンタデータ120は、画像形成処理が行なわれる度に更新される。出力カウンタデータ120には、本実施形態では、モノクロカウンタ値、フルカラーカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値に関するデータが含まれる。
【0025】
モノクロカウンタ値データ領域には、この複合機10において白黒で画像形成処理を実行したときに出力された枚数の初期値からの累積値(モノクロカウンタ値)に関するデータが記録される。
【0026】
フルカラーカウンタ値データ領域には、この複合機10においてカラーで画像形成処理を実行したときに出力された枚数の初期値からの累積値(フルカラーカウンタ値)に関するデータが記録される。このフルカラーカウンタ値は、印刷処理で出力された枚数(カウンタ値)と複写処理で出力された枚数(カウンタ値)とを含む。
【0027】
フルカラープリントカウンタ値データ領域には、この複合機10においてカラーで印刷処理を実行したときに出力された枚数の初期値からの累積値(フルカラープリントカウンタ値)に関するデータが記録される。
【0028】
一方、複合機10は、ネットワークを介してコンテンツ管理サーバ20に接続されている。このコンテンツ管理サーバ20は、複合機10に対して、カタログや帳票等の各種コンテンツデータを提供する。コンテンツ管理サーバ20は、制御部21、提供コンテンツデータ記憶部22及び提供カウンタデータ記憶部23を備える。
【0029】
制御部21は、図示しないCPU、RAM及びROM等のメモリを有し、後述する処理(印刷データ提供段階、提供枚数カウント段階及びカウンタ報告段階等を含む処理)を行なう。そして、制御部21は、コンテンツ提供手段211、提供枚数カウント手段212及びカウンタ報告手段215として機能する。
【0030】
コンテンツ提供手段211は、複合機10からの要求に応じてコンテンツデータを送信する処理を実行する。
提供枚数カウント手段212は、コンテンツデータに応じて複合機10が印刷する出力毎の枚数を取得し、これらを合計したカウンタ値を提供カウンタデータ記憶部23に記録する処理を実行する。この場合、提供枚数カウント手段212は、コンテンツを提供した複合機10の機器識別子に基づいて仮想機器の機器識別子を特定し、これに関連付けてカウンタ値を記録する。このため、提供枚数カウント手段212は、本体機器(複合機10)の機器識別子から仮想機器の機器識別子を変換するための変換テーブルを記憶している
。本実施形態では、具体的には、図6に示すように、「0〜9」の各第1コード600を「A〜J」の各第2コード700に変換するテーブルである。この変換テーブルにより、第1コードからなる機器識別子は、同じ桁数の第2コードからなる機器識別子に変換される。更に、この変換テーブルにより、仮想機器の機器識別子は、他の機器識別子とは重複しないような値に変換される。
【0031】
カウンタ報告手段215は、このコンテンツ管理サーバ20において複合機10に提供したコンテンツのカウンタ値を、後述する料金計算管理サーバ50に送信する処理を定期的に実行する。このため、カウンタ報告手段215は、予め定めた送信予定時刻を記憶している。カウンタ報告手段115は、送信予定時刻になる度に、提供カウンタデータ記憶部23に記録された後述するデータを料金計算管理サーバ50に送信する。
【0032】
提供コンテンツデータ記憶部22には、提供可能なコンテンツデータが記録される。このコンテンツデータは、カタログや帳票等のコンテンツデータが入力された場合に記録される。コンテンツデータには、コンテンツ識別子、コンテンツタイトル及びコンテンツ内容に関するデータが含まれる。
【0033】
コンテンツ識別子データ領域、コンテンツタイトルデータ領域及びコンテンツ内容データ領域には、各コンテンツを特定するための識別子、このコンテンツのタイトル及びこのコンテンツの内容に関するデータが記録されている。本実施形態においては、コンテンツの内容に関するデータには、コンテンツの出力種別(モノクロ又はフルカラー)と、出力枚数及びコンテンツの印刷データが含まれる。
【0034】
提供カウンタデータ記憶部23には、図2(b)に示すように、提供カウンタレコード230が記録されている。この提供カウンタレコード230は、コンテンツの提供が行なわれる度に更新される。提供カウンタレコード230には、本実施形態では、仮想機器の機器識別子、モノクロカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値が含まれる。
【0035】
仮想機器の機器識別子データ領域には、コンテンツを提供した複合機10に対応する仮想機器を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録される。
モノクロカウンタ値データ領域には、白黒で提供したコンテンツによって、この仮想機器に対応する複合機10において出力された枚数の初期値からの累積値(モノクロカウンタ値)に関するデータが記録される。
【0036】
フルカラープリントカウンタ値データ領域には、カラーで提供したコンテンツによって、この仮想機器に対応する複合機10において印刷された枚数の初期値からの累積値(フルカラープリントカウンタ値)に関するデータが記録される。
【0037】
また、図1の複合機10には、ネットワークを介して機器管理ホストサーバ40が接続されている。この機器管理ホストサーバ40は、複数の複合機10についての保守監視を行なっており、各複合機10からカウンタ値に関するデータを定期的に取得する。本実施形態では、この機器管理ホストサーバ40及び後述する料金計算管理サーバ50が料金算出システムとして機能する。
【0038】
機器管理ホストサーバ40は、制御手段41、機器属性データ記憶部42、機器対応データ記憶部43、請求先データ記憶部44及びカウンタ値データ記憶部45を備えている。ここで、機器属性データ記憶部42は、機器属性データ記憶手段として機能する。更に、この機器管理ホストサーバ40には、各種データの入力を行なう入力端末(図示せず)が接続されている。
【0039】
制御手段41は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(請求処理段階を含む請求管理段階、及びカウンタ値管理段階等を含む処理)を行なう。そして、制御手段41は、請求管理手段410及びカウンタ値管理手段411として機能する。
【0040】
請求管理手段410は、請求処理手段として機能し、保守契約から請求に関するデータの管理処理を行なう。具体的には、この請求管理手段410は、保守サービス契約に関するデータの登録処理を実行する。更に、請求管理手段410は、受信した料金計算結果に応じて請求処理を実行する。
【0041】
カウンタ値管理手段411は、各複合機10におけるカウンタ値の管理処理を行なう。具体的には、このカウンタ値管理手段411は、各複合機10から取得したカウンタ値をカウンタ値データ記憶部45に記録する処理を実行する。更に、カウンタ値管理手段411は、予め定めた送信時刻を記憶している。本実施形態では、カウント値の種別毎(モノクロカウンタ値、フルカラーカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値毎)に送信する送信予定スケジュールを記憶している。そして、カウンタ値管理手段411は、この送信予定スケジュールに従って、カウンタ値データ記憶部45に記録したカウンタ値を料金計算管理サーバ50に送信する処理を実行する。更に、請求管理手段410は、変換表データ記憶手段として機能し、本体機器の機器識別子から仮想機器の機器識別子を特定するための変換テーブルを記憶している。
【0042】
機器属性データ記憶部42には、図2(c)に示すように、機器属性レコード420が記録されている。この機器属性レコード420は、複合機10について保守契約の登録が行なわれた場合に記録される。この機器属性レコード420は、機器識別子、請求先識別子及び請求種別フラグに関するデータを含む。本実施形態では、この機器属性レコード420には、1の機器識別子に対して1の請求先識別子が関連付けられている。
【0043】
機器識別子データ領域には、各機器を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録されている。本実施形態では、各複合機10(本体機器)の機器識別子又はこれに対応する仮想機器の機器識別子が記録される。
【0044】
請求先識別子データ領域には、この機器についての請求先に関するデータが記録されている。
請求種別フラグデータ領域には、この機器に関しての請求の種類を特定するためのフラグに関するデータが記録されている。本実施形態では、この仮想機器を設定して複数の請求先に対して請求を行なう種類の場合には、これを特定する「複数請求フラグ」が記録される。なお、仮想機器の機器属性レコード420は複合機10の請求先が複数ある場合に記録されるので、仮想機器の請求種別フラグデータ領域には、「複数請求フラグ」が記録される。
【0045】
機器対応データ記憶部43には、図3(a)に示すように、機器対応レコード430が記録されている。この機器対応レコード430は、「複数請求フラグ」の請求識別フラグを含む機器属性レコード420が新たに記録された場合に記録される。この機器対応レコード430には、本体機器の機器識別子及び仮想機器の機器識別子が含まれる。
【0046】
本体機器の機器識別子データ領域には、保守対象の複合機10を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録される。
仮想機器の機器識別子データ領域には、この複合機10に対応する仮想機器を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録される。この仮想機器の機器識別子を介して、この機器対応レコード430と、仮想機器の機器属性レコード420とが関連付けられる。従って、本体機器の機器属性レコード420において複合機10の第1の請求
先識別子が関連付けられ、この機器対応レコード430の仮想機器の機器属性レコード420において、複合機10の第2の請求先識別子を関連付けることができる。
【0047】
請求先データ記憶部44には、請求先に関するデータが記録されている。この請求先レコードは、新たな請求先が登録された場合に記録される。この請求先レコードには、請求先識別子及び請求先情報に関するデータが含まれる。
【0048】
請求先識別子データ領域には、料金を請求する請求先を特定するための識別子に関するデータが記録されている。請求先情報データ領域には、この請求先に料金を請求するときの情報(請求方法、宛先や連絡先等)に関するデータが記録されている。
【0049】
カウンタ値データ記憶部45には、図3(b)に示すように、各複合機10のカウンタ値レコード450が記録される。このカウンタ値レコード450は、各機器属性レコード420が記録された場合に設定される。このカウンタ値レコード450は、機器識別子、報告日時、モノクロカウンタ値、フルカラーカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値に関するデータが記録される。
【0050】
機器識別子データ領域には、各複合機10を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録される。
報告日時データ領域には、この複合機10からカウンタ値を取得した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0051】
モノクロカウンタ値データ領域には、この複合機10において白黒で画像形成処理を実行したときに出力された枚数の初期値からの累積値(モノクロカウンタ値)に関するデータが記録される。
【0052】
フルカラーカウンタ値データ領域には、この複合機10においてカラーで画像形成処理を実行したときに出力された枚数の初期値からの累積値(フルカラーカウンタ値)に関するデータが記録される。
【0053】
フルカラープリントカウンタ値データ領域には、この複合機10においてカラーで印刷処理を実行したときに出力された枚数の初期値からの累積値(フルカラープリントカウンタ値)に関するデータが記録される。
【0054】
一方、図1に示すように、上述の機器管理ホストサーバ40には、料金計算管理サーバ50がネットワークを介して接続されている。この料金計算管理サーバ50は、各複合機10の保守に対する料金を計算する処理を行なうサーバである。この料金計算管理サーバ50は、コンテンツ管理サーバ20にもネットワークを介して接続されている。
【0055】
この料金計算管理サーバ50は、制御手段51、請求カウンタ値データ記憶部52、機器対応データ記憶部53及び料金表データ記憶部54を備えている。請求カウンタ値データ記憶部52は、カウンタ値データ記憶手段として機能し、料金表データ記憶部54は料金表データ記憶手段として機能する。
【0056】
制御手段51は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(カウンタ値記録段階、計算対象抽出段階、請求料金算出段階及び料金計算結果送信段階等を含む処理)を行なう。ここで、カウンタ値記録段階は出力カウンタ値取得段階及び提供カウンタ値取得段階を含み、計算対象抽出段階は対象特定段階を含み、請求料金算出段階は仮想機器カウンタ値取得段階、第1料金算出段階及び第2料金算出段階を含む。そして、このための料金計算プログラムを実行することにより、制御手段51は、カウンタ値記録手
段510、計算対象抽出手段511、請求料金算出手段512及び料金計算結果送信手段513等として機能する。
【0057】
カウンタ値記録手段510は、出力カウンタ値取得手段及び提供カウンタ値取得手段として機能する。カウンタ値記録手段510は、機器管理ホストサーバ40及びコンテンツ管理サーバ20から取得したカウンタ値を請求カウンタ値データ記憶部52に記録する。具体的には、カウンタ値記録手段510は、機器管理ホストサーバ40から各本体機器(複合機10)のカウンタ値を取得して記録する。更に、カウンタ値記録手段510は、コンテンツ管理サーバ20から各仮想機器のカウンタ値を取得して記録する。本実施形態では、この仮想機器のカウンタ値は、複合機10に提供したコンテンツ量を表わしていることになる。
【0058】
計算対象抽出手段511は、対象特定手段として機能し、料金計算を行なう対象機器を抽出する処理を実行する。計算対象抽出手段511は、予め定められた計算スケジュール(計算開始時刻)を記憶している。計算対象抽出手段511は、この計算開始時刻になった場合に、請求カウンタ値データ記憶部52において、料金計算に必要な種類のカウンタ値が揃っているか否かの判定を行なう。更に、計算対象抽出手段511は、必要なカウンタ値がすべて揃っている複合機10を計算対象として特定する。
【0059】
請求料金算出手段512は、仮想機器カウンタ値取得手段、第1料金算出手段及び第2料金算出手段として機能し、カウンタ値から複合機10に対する請求料金を算出する処理を実行する。具体的には、請求料金算出手段512は、最新のカウンタ値から、前回の請求料金の算出に用いたカウンタ値を減算して、各機器のカウンタボリュームを算出する。
料金計算結果送信手段513は、料金計算の結果を機器管理ホストサーバ40に送信する処理を実行する。
【0060】
請求カウンタ値データ記憶部52には、図3(c)に示すように、請求に用いる請求カウンタ値レコード520が記録されている。この請求カウンタ値レコード520は、仮想機器の機器管理ホストサーバ40又はコンテンツ管理サーバ20からカウンタ値を取得した場合に記録される。この請求カウンタ値レコード520には、機器識別子、報告日時、請求処理日時、出力種別識別子及びカウンタ値に関するデータが含まれる。
【0061】
機器識別子データ領域には、各機器を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録される。
報告日時データ領域には、この機器のカウンタ値を取得した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0062】
請求処理日時データ領域には、この請求カウンタ値レコード520を用いて請求処理を行なった年月日及び時刻に関するデータが記録される。請求処理日時が記録される前は、この請求処理日時データ領域には、データが記録されていない。
【0063】
出力種別識別子データ領域には、カウンタ値の種別を特定するための識別子データが記録される。本実施形態では、本体機器(複合機10)についての請求カウンタ値レコード520には、モノクロカウンタ値、フルカラーカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値の1つのカウンタ値を特定するための識別子(モノクロ出力識別子、フルカラー出力識別子及びフルカラープリント出力識別子)が設定される。また、仮想機器についての請求カウンタ値レコード520には、モノクロカウンタ値又はフルカラープリントカウンタ値を特定するための識別子が設定される。
カウンタ値データ領域には、各出力種別識別子に対応するカウンタ値に関するデータが記録される。
【0064】
機器対応データ記憶部53には、機器対応レコード530が記録されている。この機器対応レコード530は、機器対応データ記憶部43から新たな機器対応レコード430を取得した場合に記録される。この機器対応レコード530は、図3(a)に示す機器対応レコード430と同じデータ構成を備えている。
【0065】
料金表データ記憶部54には、カウンタボリュームに対応する料金が記録された料金表に関するデータが記録される。本実施形態では、モノクロのカウンタボリューム、フルカラーのカウンタボリューム及びフルカラープリントのカウンタボリュームをパラメータとして料金が算出される。
【0066】
次に、上述した構成のコンテンツ出力システムにおける処理について説明する。本実施形態では、保守契約登録処理、コンテンツ取得処理、カウンタ値送信処理及び料金計算処理について説明する。
【0067】
(保守契約登録処理)
まず、保守契約登録処理について説明する。複合機10の保守契約を行なった場合、この契約内容についての登録を行なう保守契約登録処理が行なわれる。
【0068】
ここで、管理者は、入力端末を用いて機器管理ホストサーバ40に保守契約の内容を入力する。具体的には、機器管理ホストサーバ40は、管理者の登録指示を入力端末から受信すると登録処理画面を表示する。この登録画面には、保守対象の複合機10の機器識別子を入力する入力欄、請求先の請求先識別子を入力する入力欄、請求種別フラグを選択する選択欄及び登録ボタンが含まれている。
【0069】
ここで、管理者は、複合機10の機器識別子、請求種別フラグ及び請求先の請求先識別子を登録処理画面に入力する。ここで、複合機10の請求先が複数の場合には、請求種別フラグとして「複数請求フラグ」が入力される。そして、この場合、第1の請求先として複合機10を用いる代理店を特定する請求先識別子が入力され、第2の請求先としてコンテンツ管理会社を特定する請求先識別子が入力される。そして、登録ボタンが選択されると、機器管理ホストサーバ40の制御手段41は、登録処理を実行する。
【0070】
この登録処理において、制御手段41は、本体機器の登録処理を実行する。具体的には、制御手段41の請求管理手段410は、登録画面において入力された複合機10の機器識別子、請求先の請求先識別子、請求種別フラグを含む機器属性レコード420を生成して、機器属性データ記憶部42に記録する。この場合、請求種別フラグとして「複数請求フラグ」を記録した場合には、第1の請求先が、この機器属性レコード420に記録される。
【0071】
そして、制御手段41は、請求種別フラグとして「複数請求フラグ」を記録した場合には、仮想機器の機器識別子の決定処理を実行する。具体的には、制御手段41の請求管理手段410は、本体機器の機器識別子を、図6に示す変換テーブルを用いて変換する。例えば、本体機器の機器識別子が「311072」の場合、この機器識別子を変換テーブルに従って変換すると「DBBAHC」になり、これが仮想機器の機器識別子になる。そして、制御手段41は、この仮想機器の機器識別子と、第2の請求先と、「複数請求フラグ」の請求種別フラグとを含む機器属性レコード420を生成して、機器属性データ記憶部42に記録する。
【0072】
更に、制御手段41は、生成した仮想機器の機器識別子と本体機器の機器識別子とを関連付けた機器対応レコード430を生成して機器対応データ記憶部43に記録する。制御
手段41は、この機器対応レコード430を料金計算管理サーバ50に送信する。料金計算管理サーバ50は、機器管理ホストサーバ40から新たに受信した機器対応レコード430を機器対応データ記憶部53に新たに追加する。以上により、保守契約登録処理が終了する。
【0073】
(コンテンツ出力処理)
次に、コンテンツ出力処理について、図4を用いて説明する。このコンテンツ出力処理においては、複合機10を用いるユーザの指示により開始される。
【0074】
カタログや帳票等のコンテンツを印刷する場合、ユーザは、複合機10の操作部を介して、コンテンツ要求指示を行なう。この場合、複合機10の制御部11は、コンテンツ選択画面要求をコンテンツ管理サーバ20に行なう(ステップS1−1)。
【0075】
コンテンツ選択画面要求を受信したコンテンツ管理サーバ20の制御部21は、コンテンツ一覧画面の送信処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のコンテンツ提供手段211は、コンテンツ識別子及びコンテンツタイトルを提供コンテンツデータ記憶部22から抽出する。そして、コンテンツ提供手段211は、これらコンテンツタイトルを一覧表示させるコンテンツ選択画面データを生成する。この場合、コンテンツ提供手段211は、コンテンツタイトルに対応するコンテンツ識別子を関連付けてコンテンツ選択画面データに含める。そして、コンテンツ提供手段211は、このコンテンツ選択画面データを複合機10に送信する。
【0076】
複合機10の制御部11は、コンテンツ一覧画面の表示処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部11のコンテンツ取得手段110は、受信したコンテンツ選択画面データに基づいて複合機10の表示部に、コンテンツタイトルを一覧表示する。更に、このコンテンツ選択画面には、印刷部数を入力する入力欄が含まれている。
【0077】
ここで、ユーザは操作部を介して印刷するコンテンツのタイトルを選択し、印刷部数を入力欄に入力する。この場合、複合機10の制御部11は、コンテンツデータ要求処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部11のコンテンツ取得手段110は、選択されたタイトルに関連付けられているコンテンツ識別子を含むコンテンツデータ要求をコンテンツ管理サーバ20に送信する。この場合、複合機10は、このコンテンツデータ要求に、複合機10の機器識別子及び入力欄に入力された印刷部数に関するデータを含める。
【0078】
コンテンツ管理サーバ20の制御部21は、コンテンツデータの送信処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21のコンテンツ提供手段211は、取得したコンテンツ識別子を含むコンテンツデータを提供コンテンツデータ記憶部22から抽出する。そして、コンテンツ提供手段211は、抽出したコンテンツデータの印刷データを複合機10に送信する。この場合、コンテンツ提供手段211は、このコンテンツデータの出力種別(モノクロ又はフルカラー)及び出力枚数に、コンテンツデータ要求に含まれて印刷部数を乗算して、提供枚数を算出し、一時的にメモリに記録する。
【0079】
更に、コンテンツ管理サーバ20の制御部21は、仮想機器の機器識別子の特定処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21のコンテンツ提供手段211は、コンテンツデータ要求に含まれていた複合機10の機器識別子を、変換テーブルを用いて変換して、仮想機器の機器識別子を特定する。
【0080】
そして、コンテンツ管理サーバ20の制御部21は、仮想機器の出力枚数の記録処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21のコンテンツ提供手段211は
、特定した仮想機器の機器識別子を含む提供カウンタレコード230を検索する。この場合、該当する提供カウンタレコード230を抽出できなかった場合、コンテンツ提供手段211は、この仮想機器の機器識別子と、メモリに一時的に記録した提供枚数とを含む提供カウンタレコード230を生成して記録する。
【0081】
一方、該当する提供カウンタレコード230を抽出した場合、コンテンツ提供手段211は、送信したコンテンツの出力種別に応じたカウンタ値を、抽出した提供カウンタレコード230から取得し、メモリに一時的に記録した提供枚数を加算して新たなカウンタ値を算出する。そして、コンテンツ提供手段211は、このカウンタ値を抽出した提供カウンタレコード230のカウンタ値データ領域に記録する。
【0082】
一方、コンテンツデータを受信した複合機10の制御部11は、コンテンツ印刷処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部11のコンテンツ取得手段110は、コンテンツ管理サーバ20からコンテンツデータの印刷データを取得して、印刷制御手段111に提供する。印刷制御手段111は、この印刷データに基づいて、図示しない印刷実行手段を制御して、コンテンツを印刷する。この場合、制御部11の出力枚数カウント手段112は、1枚の印刷を行なう度に、この印刷の出力種別に応じた出力カウンタデータ120のカウンタ値をカウントアップする。
【0083】
そして、複合機10の制御部11は、印刷による出力枚数の記録処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部11の出力枚数カウント手段112は、出力カウンタデータ記憶部12の出力カウンタデータ120から、この印刷で出力した出力種別毎のカウンタ値を取得する。出力枚数カウント手段112は、これらカウンタ値に、メモリに記録したカウンタ値を加算した合計カウンタ値をそれぞれ算出する。そして、出力枚数カウント手段112は、算出した合計カウンタ値を、出力カウンタデータ120の新たなカウンタ値(モノクロカウンタ値又はフルカラープリントカウンタ値)として記録する。
【0084】
(複合機10からのカウンタ値送信処理)
複合機10の制御部11は、内蔵時計を用いて、予め定めた送信時刻になった場合、カウンタ値送信処理を実行する。具体的には、制御部11のカウンタ報告手段115は、出力カウンタデータ記憶部12から出力カウンタデータ120を抽出する。カウンタ報告手段115は、各カウンタ値を、対応する出力種別識別子とともに、機器管理ホストサーバ40に送信する。この場合、カウンタ報告手段115は、自分の機器識別子も送信する。
【0085】
そして、機器管理ホストサーバ40の制御手段41は、受信したカウンタ値の記録処理を実行する。具体的には、制御手段41のカウンタ値管理手段411は、受信した機器識別子を含むカウンタ値レコード450を抽出する。カウンタ値管理手段411は、抽出したカウンタ値レコード450のカウンタ値データ領域に、受信したカウンタ値を記録する。更に、カウンタ値管理手段411は、このときの日時を、報告日時として、このカウンタ値レコード450に記録する。
【0086】
その後、機器管理ホストサーバ40の制御手段41は、送信予定スケジュールに従ってカウンタ値の送信処理を実行する。具体的には、制御手段41のカウンタ値管理手段411は、送信予定時刻になった場合に、送信予定時刻に対応する出力種別のカウンタ値を、カウンタ値データ記憶部45に記録された各カウンタ値レコード450から抽出して、料金計算管理サーバ50に送信する。この場合、カウンタ値管理手段411は、各カウンタ値レコード450のカウンタ値(モノクロカウンタ値、フルカラーカウンタ値又はフルカラープリントカウンタ値)と機器識別子と報告日時とを料金計算管理サーバ50に送信する。
【0087】
料金計算管理サーバ50の制御手段51は、カウンタ値の記録処理を実行する。具体的には、制御手段51のカウンタ値記録手段510は、受信したカウンタ値レコード450の機器識別子が記録され、かつ請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を請求カウンタ値データ記憶部52から検索する。
【0088】
ここで、該当する請求カウンタ値レコード520を抽出しなかった場合には、カウンタ値記録手段510は、受信した機器識別子、報告日時、受信したカウンタ値及びこれに対応する出力種別識別子を含む請求カウンタ値レコード520を生成して、請求カウンタ値データ記憶部52に記録する。
【0089】
一方、該当する請求カウンタ値レコード520を抽出した場合には、カウンタ値記録手段510は、この抽出した請求カウンタ値レコード520のカウンタ値データ領域に、受信したカウンタ値レコード450のカウンタ値を記録する。
【0090】
(コンテンツ管理サーバ20からのカウンタ値送信処理)
コンテンツ管理サーバ20の制御部21は、内蔵時計を用いて、予め定めた送信時刻になった場合、カウンタ値送信処理を実行する。具体的には、制御部21のカウンタ報告手段215は、各提供カウンタレコード230を提供カウンタデータ記憶部23から抽出する。そして、カウンタ報告手段215は、抽出した提供カウンタレコード230を料金計算管理サーバ50に送信する。
【0091】
料金計算管理サーバ50の制御手段51は、カウンタ値の記録処理を実行する。具体的には、制御手段51のカウンタ値記録手段510は、受信した提供カウンタレコード230の機器識別子が記録され、かつ請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を請求カウンタ値データ記憶部52から検索する。
【0092】
ここで、該当する請求カウンタ値レコード520を抽出しなかった場合には、カウンタ値記録手段510は、受信した提供カウンタレコード230の機器識別子、報告日時、カウンタ値及びこのカウンタ値に対応する出力種別識別子を含む請求カウンタ値レコード520を生成して、請求カウンタ値データ記憶部52に記録する。本実施形態では、カウンタ値記録手段510は、コンテンツ管理サーバ20からモノクロカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値を受信するので、それぞれの請求カウンタ値レコード520が記録される。
【0093】
一方、該当する請求カウンタ値レコード520を抽出した場合には、カウンタ値記録手段510は、この抽出した請求カウンタ値レコード520のカウンタ値データ領域に、受信した提供カウンタレコード230の各出力種別識別子に対応するカウンタ値を記録する。
【0094】
(料金計算処理)
次に、料金計算管理サーバ50が行なう料金計算処理について説明する。
本実施形態では、料金計算管理サーバ50の制御手段51は、計算開始時刻になった場合、料金計算処理を開始する。この場合、制御手段51は、機器識別子の順番に、判定対象となる機器識別子を順次特定し、後述するステップS2−1〜S2−7を繰り返して実行する。
【0095】
料金計算管理サーバ50の制御手段51は、請求先が複数ある機器についての計算か否かを判定する(ステップS2−1)。具体的には、制御手段51の計算対象抽出手段511は、判定対象の機器識別子を含む機器属性レコード420を抽出する。この機器属性レコード420の請求識別フラグデータ領域に「複数請求フラグ」が記録されている場合に
は、計算対象抽出手段511は、請求先が複数ある機器についての計算であると特定する。
【0096】
ここで、請求先が1の機器についての料金計算の場合(ステップS2−1において「NO」の場合)、制御手段51は、料金算出に必要な本体機器のカウンタ値が揃っているか否かの判定処理を実行する(ステップS2−2)。ここでは、複合機10について、3種類のカウンタ値(モノクロカウンタ値、フルカラーカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値)が揃っているか否かを判定する。具体的には、制御手段51の計算対象抽出手段511は、この機器識別子を含む機器対応レコード430を機器対応データ記憶部43から抽出する。そして、計算対象抽出手段511は、抽出した機器対応レコード430の本体機器の機器識別子を含み、請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を検索する。この場合、本体機器の機器識別子を含み、請求処理日時が記録されていない3種類の請求カウンタ値レコード520を抽出できなかった場合、計算対象抽出手段511は、料金算出に必要なカウンタ値が不足していると判定して処理を終了する(ステップS2−2において「NO」)。
【0097】
一方、料金計算に必要な本体機器の請求カウンタ値レコード520をすべて抽出できた場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、制御手段51は、カウンタボリュームの算出処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御手段51の請求料金算出手段512は、この機器識別子を含む請求カウンタ値レコード520のうち、請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を今回の請求カウンタ値レコードとして抽出する。更に、請求料金算出手段512は、この機器識別子を含む請求カウンタ値レコード520のうち、直近の請求処理日時が記録された請求カウンタ値レコード520を前回の請求カウンタ値レコードとして検索する。なお、過去の日時が記録された請求カウンタ値レコード520を抽出できなかった場合、請求料金算出手段512は、前回の請求カウンタレコードの各カウンタ値を、予め定められた初期値として設定する。
【0098】
そして、請求料金算出手段512は、今回の請求カウンタ値レコード520の各カウンタ値Ctから前回の請求カウンタ値レコード520の対応するカウンタ値Cpを減算してカウンタボリュームCVを算出する。具体的には、請求料金算出手段512は、今回の請求カウンタ値レコード520のモノクロカウンタ値から前回の請求カウンタ値レコード520のモノクロカウンタ値を減算してカウンタボリュームを算出する。請求料金算出手段512は、今回の請求カウンタ値レコード520のフルカラーカウンタ値から前回の請求カウンタ値レコード520のフルカラーカウンタ値を減算してカウンタボリュームを算出する。計算対象抽出手段511は、今回の請求カウンタ値レコード520のフルカラープリントカウンタ値から前回の請求カウンタ値レコード520のフルカラープリントカウンタ値を減算してカウンタボリュームを算出する。例えば、本体機器のカウンタ値が図7(a)の表800に示すような場合、図7(b)の表810に示すようなカウンタボリュームが算出される。
【0099】
一方、請求先が複数ある機器についての料金計算の場合(ステップS2−1において「YES」の場合)、制御手段51は、料金算出に必要な本体機器及び仮想機器のカウンタ値がすべて揃っているか否かの判定処理を実行する(ステップS2−4)。ここでは、複合機10のすべてのカウンタ値(モノクロカウンタ値、フルカラーカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値)と、この複合機10に対応する仮想機器のすべてのカウンタ値(モノクロカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値)が揃っているか否かを判定する。
【0100】
具体的には、制御手段51の計算対象抽出手段511は、この機器識別子を含む機器対応レコード430を機器対応データ記憶部43から抽出する。そして、計算対象抽出手段
511は、抽出した機器対応レコード430の本体機器の機器識別子を含み、請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を検索する。ここで、本体機器の機器識別子を含み、請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を抽出しなかった場合、計算対象抽出手段511は、料金計算処理を終了する(ステップS2−4において「NO」)。
【0101】
更に、該当する請求カウンタ値レコード520を抽出した場合、計算対象抽出手段511は、抽出した機器対応レコード430の仮想機器の機器識別子を含み、請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を検索する。この場合、仮想機器の機器識別子を含み、請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を抽出しなかった場合、計算対象抽出手段511は、料金計算処理を終了する(ステップS2−4において「NO」)。
【0102】
一方、料金算出に必要な本体機器及び仮想機器のカウンタ値がすべて揃っている場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、制御手段51は、カウンタボリュームの算出処理を実行する(ステップS2−5)。ここでは、制御手段51は、本体機器の仮カウンタボリューム及び仮想機器のカウンタボリュームを算出する。具体的には、ステップS2−3と同様に、請求料金算出手段512は、本体機器の機器識別子を含む請求カウンタ値レコード520のうち、請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を今回の請求カウンタ値レコードとして抽出する。更に、請求料金算出手段512は、本体機器の機器識別子を含む請求カウンタ値レコード520のうち、請求処理日時が最も新しい(直近の)請求カウンタ値レコード520を前回の請求カウンタ値レコードとして検索する。
【0103】
そして、請求料金算出手段512は、仮想機器の機器識別子を含む請求カウンタ値レコード520のうち、請求処理日時が記録されていない請求カウンタ値レコード520を今回の請求カウンタ値レコードとして抽出する。更に、請求料金算出手段512は、仮想機器の機器識別子を含む請求カウンタ値レコード520のうち、直近の請求処理日時が記録された請求カウンタ値レコード520を前回の請求カウンタ値レコードとして検索する。なお、前回の請求カウンタ値レコードが抽出できなかった場合には、請求料金算出手段512は、ステップS2−3と同様に、前回の請求カウンタレコードの各カウンタ値を、予め定められた初期値として設定する。
【0104】
そして、請求料金算出手段512は、本体機器についての今回の請求カウンタ値レコード520の各カウンタ値Ctから、本体機器についての前回の請求カウンタ値レコード520の対応するカウンタ値Cpを減算して、本体機器の仮カウンタボリューム(CV)を算出する。
【0105】
更に、仮想機器についての今回の請求カウンタ値レコード520の各カウンタ値Ctから、仮想機器についての前回の請求カウンタ値レコード520の対応するカウンタ値Cpを減算して、仮想機器のカウンタボリュームCVを算出する。例えば、カウンタ値が図7(a)の表800に示すような場合、図7(c)の表820に示すようなカウンタボリュームが算出される。そして、算出したカウンタボリュームを一時的にメモリに記録する。
【0106】
次に、制御手段51は、本体機器のカウンタボリュームの算出処理を実行する(ステップS2−6)。ここで、制御手段51は、本体機器の仮カウンタボリュームから仮想機器のカウンタボリュームを減算する。具体的には、制御手段51の請求料金算出手段512は、本体機器のモノクロの仮カウンタボリュームから仮想機器のモノクロのカウンタボリュームを減算して、本体機器のモノクロのカウンタボリュームを算出する。更に、請求料金算出手段512は、本体機器のフルカラーの仮カウンタボリュームから本体機器のフル
カラープリントのカウンタボリュームを減算して、本体機器のフルカラーのカウンタボリュームを算出する。そして、請求料金算出手段512は、本体機器のフルカラープリントの仮カウンタボリュームから仮想機器のフルカラープリントのカウンタボリュームを減算して、本体機器のフルカラープリントのカウンタボリュームを算出する。例えば、本体機器及び仮想機器のカウンタ値が図7(a)の表800に示すような場合、図7(c)の表820に示すようなカウンタボリュームが算出される。そして、請求料金算出手段512は、算出したカウンタボリュームを一時的にメモリに記録する。
【0107】
そして、カウンタボリュームの算出処理が完了した場合(ステップS2−3,S2−6)、制御手段51は、料金算出処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御手段51の請求料金算出手段512は、算出したモノクロのカウンタボリューム、フルカラーのカウンタボリューム及びフルカラープリントのカウンタボリュームに対応する料金を、料金表データ記憶部54に記録された料金表データを用いて算出する。
【0108】
そして、請求料金算出手段512は、算出した料金を各機器識別子とともにメモリに一時的に記録する。請求先が複数の場合には、本体機器の機器識別子に対応付けた料金と、仮想機器の機器識別子に対応付けた料金とを記録する。更に、請求料金算出手段512は、料金の算出に用いた請求カウンタ値レコード520の請求処理日時データ領域に、現在の年月日及び時刻を記録する。
【0109】
そして、すべての機器識別子についてステップS2−1〜S2−7の処理を行なった場合、制御手段51は、料金計算結果の送信処理を実行する(ステップS2−8)。具体的には、制御手段51の料金計算結果送信手段513は、料金計算結果データを機器管理ホストサーバ40に送信する。料金計算結果送信手段513は、この料金計算結果データに、算出した料金と、これに対応付けられた各機器識別子とを含める。以上により、料金計算処理が完了する。
【0110】
料金計算結果を受信した機器管理ホストサーバ40の制御手段41は、請求処理を実行する。具体的には、制御手段41の請求管理手段410は、料金計算管理サーバ50から料金計算結果データを取得すると、この本体機器及び仮想機器の機器識別子をそれぞれ含む機器属性レコード420を機器属性データ記憶部42から抽出する。そして、請求管理手段410は、抽出した機器属性レコード420の請求先識別子を含む請求先レコードを請求先データ記憶部44から抽出する。そして、請求管理手段410は、この請求先レコードを用いて、算出した料金についての請求処理を行なう。
【0111】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態では、コンテンツ管理サーバ20は、複合機10からの要求に応じてコンテンツデータの送信処理を実行すると(ステップS1−5)、この複合機10に対応する仮想機器の機器識別子に関連付けて出力枚数の記録処理を実行する(ステップS1−7)。コンテンツデータを取得した複合機10の制御部11は、印刷による出力枚数の記録処理を実行する(ステップS1−9)。料金計算管理サーバ50は、複合機10の機器識別子及びカウンタ値を取得して請求カウンタ値データ記憶部52に記録し、コンテンツ管理サーバ20から仮想機器の機器識別子及びそのカウンタ値を取得して請求カウンタ値データ記憶部52に記録する。計算開始時刻になった場合、料金計算管理サーバ50の制御手段51は、本体機器のカウンタ値及び仮想機器のカウンタ値がすべてあるか否かの判定処理を実行する(ステップS2−4)。料金算出に用いるカウンタ値がすべてある場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、制御手段51は、本体機器及び仮想機器のカウンタボリュームの算出処理を実行する(ステップS2−5,ステップS2−6)。制御手段51は、算出したカウンタボリュームから料金表データを用いて料金を算出し(ステップS2−7)、料金計算結果を機器管理ホストサーバ40に送信する(ステップS
2−8)。機器管理ホストサーバ40の制御手段41は、料金計算結果を受信すると、この本体機器及び仮想機器の機器識別子をそれぞれ含む機器属性レコード420の各請求先識別子を特定し、各請求先識別子の請求先レコードを用いて、算出した料金についての請求処理を行なう。すなわち、コンテンツ管理サーバ20が提供したコンテンツを複合機10が印刷したときの料金については、仮想機器の出力枚数として管理する。そして、料金算出において、複合機10の通常の料金から仮想機器の出力枚数を減算した料金と、仮想機器の出力枚数に応じた料金とを別々に算出する。このため、利用量に応じて課金を行なう複合機10においてコンテンツ管理サーバ20が提供したコンテンツに対する課金を、画像形成装置自体の課金とは別に算出して、それぞれの料金を別々の請求先に請求することができる。
【0112】
・ 本実施形態では、機器属性レコード420には、1の機器識別子に対して1の請求先識別子が関連付けられている。この場合であっても、複合機10の機器識別子に関連付けられた請求先識別子と、複合機10に対応する仮想機器の機器識別子に関連付けられた請求先識別子とを関連付けられるので、1台の画像形成装置に対して複数の料金請求先を設定することができる。
【0113】
・ 本実施形態では、コンテンツ出力処理の仮想機器の機器識別子の特定処理において、コンテンツ管理サーバ20は、コンテンツデータ要求に含まれていた複合機10の機器識別子を、変換テーブルを用いて変換して、仮想機器の機器識別子を特定する。このため、コンテンツ管理サーバ20は、複数の請求先に料金請求する複合機10が新たに登録された場合、料金計算管理サーバ50からこの複合機10の仮想機器の機器識別子を取得する必要がない。従って、コンテンツ管理サーバ20は、複合機10からコンテンツ要求を受信した場合には、料金計算管理サーバ50で用いる仮想機器の機器識別子を正確に特定することができ、迅速にコンテンツを提供することができる。
【0114】
・ 本実施形態では、料金計算処理において、料金計算管理サーバ50の制御手段51は、計算開始時刻になった場合、請求先が複数ある機器についての計算か否かを特定する(ステップS2−1)。請求先が1の機器についての料金計算の場合(ステップS2−1において「NO」の場合)、制御手段51は、複合機10のすべてのカウンタ値(モノクロカウンタ値、フルカラーカウンタ値及びフルカラープリントカウンタ値)が揃っているか否かを判定する(ステップS2−2)。カウンタ値が揃っている場合には、制御手段51は、カウンタボリュームの算出処理を実行し(ステップS2−3)、料金算出処理を実行する(ステップS2−7)。一方、請求先が複数ある機器についての料金計算の場合(ステップS2−1において「YES」の場合)、制御手段51は、複合機10のすべてのカウンタ値と、この複合機10に対応する仮想機器のすべてのカウンタ値が揃っているか否かを判定する(ステップS2−4)。そして、カウンタ値が揃っている場合には、制御手段51は、カウンタボリュームの算出処理を実行し(ステップS2−3)、料金算出処理を実行する(ステップS2−7)。このため、料金算出に用いるカウンタ値がすべて揃った日に順次、料金を計算することができる。
【0115】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、コンテンツ管理サーバ20は、複合機10に送信するコンテンツデータから、複合機10が印刷する出力枚数を特定した。これに限らず、コンテンツ管理サーバ20は、提供したコンテンツによって複合機10が印刷した枚数を取得できれば、そのような方法であってもよい。例えば、複合機10が、コンテンツデータをコンテンツ管理サーバ20から受信したときには、このコンテンツデータに基づいて印刷した出力枚数に関するデータをコンテンツ管理サーバ20に送信してもよい。この場合には、実際に複合機10が印刷した枚数をより正確に取得することができる。
【0116】
○ 上記実施形態においては、料金計算管理サーバ50は、この機器対応レコード530を用いて、複合機10の機器識別子から仮想機器の機器識別子を特定した。この機器対応レコード530に代えて、変換テーブルを用いて、料金計算管理サーバ50が、複合機10の機器識別子から仮想機器の機器識別子を特定してもよい。また、コンテンツ管理サーバ20は、変換テーブルを用いて複合機10(本体機器)の機器識別子から仮想機器の機器識別子を特定した。この変換テーブルの代わりに、複合機10の機器識別子と仮想機器の機器識別子を関連付けた機器対応データ記憶部をコンテンツ管理サーバ20に設けて、この機器対応レコードから仮想機器を特定してもよい。この場合には、機器管理ホストサーバ40は、新たに保守契約登録処理により登録された本体機器の機器識別子に対して仮想機器の機器識別子を付与して、機器対応データ記憶部43に記録する。そして、機器管理ホストサーバ40は、この機器対応データ記憶部43の機器対応レコード430をコンテンツ管理サーバ20に送信する。コンテンツ管理サーバ20の制御部21は、複合機10から機器識別子を取得した場合、この機器識別子に対応する仮想機器の機器識別子を機器対応データ記憶部から抽出して特定する。この場合、仮想機器の機器識別子として任意の機器識別子を割り当てることができる。
【0117】
○ 上記実施形態の料金計算処理において、料金計算管理サーバ50の制御手段51は、計算開始時刻になった場合に料金計算処理を開始した。料金計算のタイミングはこれに限られない。例えば、所定日毎(例えば10日毎)に料金算出処理を行なってもよい。また、制御手段51は、コンテンツ管理サーバ20及び機器管理ホストサーバ40からカウンタ値を受信した場合に、料金計算に必要なカウンタ値がすべて揃っているか否かを判定して、揃っている場合に料金計算を開始してもよい。
【0118】
○ 上記実施形態においては、コンテンツ管理サーバ20は、複合機10に提供した出力枚数を仮想機器の機器識別子に関連付けて記録した。この場合、複合機10にコンテンツを提供するコンテンツ管理サーバ20は複数存在してもよい。例えば、カタログの出力を管理する第1コンテンツ管理サーバや帳票の出力を管理する第2コンテンツ管理サーバを設けてもよい。この場合、第1及び第2コンテンツ管理サーバで、複合機10に対して異なる仮想機器の機器識別子を設定し、この機器識別子に関連付けて、各コンテンツ管理サーバで複合機10に提供した出力枚数を記録する。これにより、複合機10に提供するコンテンツを管理しているコンテンツ管理サーバが複数ある場合には、それぞれのコンテンツ管理サーバに対して別個に料金を請求することができる。
【0119】
○ 上記実施形態においては、複合機10の制御部11は、モノクロによる画像形成処理、フルカラーによる画像形成処理及びフルカラーによる印刷処理のそれぞれの出力枚数をカウントした。これに限らず、複合機10の制御部11は、モノクロによる画像形成処理及びフルカラーによる画像形成処理のみをカウントしてもよい。この場合、料金計算管理サーバ50の制御手段51は、本体機器のフルカラーの仮カウンタボリュームから仮想機器のカウンタボリュームを減算して、本体機器のフルカラーのカウンタボリュームを算出する。これにより、フルカラープリントをカウントする複合機10及びフルカラープリントをカウントしない複合機10の両方の料金算出を同じ仕組みで行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】実施形態におけるシステムの概略図。
【図2】データ記憶部に記録されたデータの構成を説明する説明図であり、(a)は出力カウンタデータ記憶部、(b)は提供カウンタデータ記憶部、(c)は機器属性データ記憶部。
【図3】データ記憶部に記録されたデータの構成を説明する説明図であり、(a)は機器対応データ記憶部、(b)はカウンタ値データ記憶部、(c)は請求カウンタ値データ記憶部。
【図4】コンテンツ出力処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図5】料金計算処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図6】仮想機器の機器識別子を特定するための変換データの説明図。
【図7】料金計算に用いるカウンタボリュームを説明するための説明図であり、(a)はカウンタ値、(b)は料金の請求先が1の場合のカウンタボリューム、(c)は料金の請求先が複数の場合のカウンタボリューム。
【符号の説明】
【0121】
Cp,Ct…カウンタ値、10…画像形成装置としての複合機、11…制御部、12…出力カウンタデータ記憶部、20…コンテンツ管理サーバ、21…制御部、22…提供コンテンツデータ記憶部、23…提供カウンタデータ記憶部、40…機器管理ホストサーバ、41…制御手段、42…機器属性データ記憶部、43…機器対応データ記憶部、44…請求先データ記憶部、45…カウンタ値データ記憶部、50…料金計算管理サーバ、51…制御手段、52…請求カウンタ値データ記憶部、53…機器対応データ記憶部、54…料金表データ記憶部、110…コンテンツ取得手段、111…印刷制御手段、112…出力枚数カウント手段、115…カウンタ報告手段、211…コンテンツ提供手段、212…提供枚数カウント手段、215…カウンタ報告手段、410…請求管理手段、411…カウンタ値管理手段、510…カウンタ値記録手段、511…計算対象抽出手段、512…請求料金算出手段、513…送信手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を特定する機器識別子に関連付けて出力枚数に関するカウンタ値を記録したカウンタ値データ記憶手段と、
機器の出力枚数に応じて料金を算出するための料金表データを記録した料金表データ記憶手段と、
画像形成装置と、これに提供するコンテンツ及び提供したコンテンツによる画像形成装置の出力枚数を管理するコンテンツ管理サーバとに接続された制御手段とを備えた料金算出システムであって、
前記制御手段は、
画像形成装置の機器識別子と、この画像形成装置における出力枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する出力カウンタ値取得手段と、
仮想機器の機器識別子と、この仮想機器に関連付けられた画像形成装置がコンテンツ管理サーバから提供されたコンテンツを印刷することにより出力した枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する提供カウンタ値取得手段と、
料金算出対象の機器識別子を特定する対象特定手段と、
料金算出対象の画像形成装置の機器識別子からこの画像形成装置の仮想機器の機器識別子を特定し、この仮想機器のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得する仮想機器カウンタ値取得手段と、
前記画像形成装置のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得し、この画像形成装置に対応する仮想機器のカウンタ値を減算した出力枚数を算出し、この出力枚数に応じた第1の料金を、前記料金表を用いて算出する第1料金算出手段と、
前記仮想機器のカウンタ値に対応する出力枚数に応じた第2の料金を、前記料金表を用いて算出する第2料金算出手段と、
を備えたことを特徴とする料金算出システム。
【請求項2】
1の機器識別子に対して1の料金請求先を特定する料金請求先識別子を記録した機器属性データ記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、画像形成装置の機器識別子に関連付けられている料金請求先識別子に対して前記第1の料金を請求し、前記画像形成装置に対応する仮想機器の機器識別子に関連付けられている料金請求先識別子に対して前記第2の料金を請求する処理を実行する請求処理手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の料金算出システム。
【請求項3】
画像形成装置の機器識別子から、仮想機器の機器識別子を特定するための変換表に関するデータを記憶した変換表データ記憶手段を更に備え、
この変換表データ記憶手段に記録された変換表が、前記コンテンツ管理サーバにも記録されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の料金算出システム。
【請求項4】
機器を特定する機器識別子に関連付けて出力枚数に関するカウンタ値を記録したカウンタ値データ記憶手段と、
機器の出力枚数に応じて料金を算出するための料金表データを記録した料金表データ記憶手段と、
画像形成装置と、これに提供するコンテンツ及び提供したコンテンツによる画像形成装置の出力枚数を管理するコンテンツ管理サーバとに接続された制御手段とを備えた料金算出システムを用いた料金算出方法であって、
前記制御手段は、
画像形成装置の機器識別子と、この画像形成装置における出力枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する出力カウンタ値取得段階と、
仮想機器の機器識別子と、この仮想機器に関連付けられた画像形成装置がコンテンツ管理サーバから提供されたコンテンツを印刷することにより出力した枚数に関するカウンタ
値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する提供カウンタ値取得段階と、
料金算出対象の機器識別子を特定する対象特定段階と、
料金算出対象の画像形成装置の機器識別子からこの画像形成装置の仮想機器の機器識別子を特定し、この仮想機器のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得する仮想機器カウンタ値取得段階と、
前記画像形成装置のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得し、この画像形成装置に対応する仮想機器のカウンタ値を減算した出力枚数を算出し、この出力枚数に応じた第1の料金を、前記料金表を用いて算出する第1料金算出段階と、
前記仮想機器のカウンタ値に対応する出力枚数に応じた第2の料金を、前記料金表を用いて算出する第2料金算出段階と、
を実行することを特徴とする料金算出方法。
【請求項5】
機器を特定する機器識別子に関連付けて出力枚数に関するカウンタ値を記録したカウンタ値データ記憶手段と、
機器の出力枚数に応じて料金を算出するための料金表データを記録した料金表データ記憶手段と、
画像形成装置と、これに提供するコンテンツ及び提供したコンテンツによる画像形成装置の出力枚数を管理するコンテンツ管理サーバとに接続された制御手段とを備えた料金算出システムを用いて料金を算出するプログラムであって、
前記制御手段を、
画像形成装置の機器識別子と、この画像形成装置における出力枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する出力カウンタ値取得手段、
仮想機器の機器識別子と、この仮想機器に関連付けられた画像形成装置がコンテンツ管理サーバから提供されたコンテンツを印刷することにより出力した枚数に関するカウンタ値とを受信して、前記カウンタ値データ記憶手段に記録する提供カウンタ値取得手段、
料金算出対象の機器識別子を特定する対象特定手段、
料金算出対象の画像形成装置の機器識別子からこの画像形成装置の仮想機器の機器識別子を特定し、この仮想機器のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得する仮想機器カウンタ値取得手段、
前記画像形成装置のカウンタ値を前記カウンタ値データ記憶手段から取得し、この画像形成装置に対応する仮想機器のカウンタ値を減算した出力枚数を算出し、この出力枚数に応じた第1の料金を、前記料金表を用いて算出する第1料金算出手段、及び
前記仮想機器のカウンタ値に対応する出力枚数に応じた第2の料金を、前記料金表を用いて算出する第2料金算出手段
として機能させることを特徴とする料金算出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−147593(P2010−147593A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320054(P2008−320054)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】