説明

新規なピペリジンカルボン酸アミド誘導体

本発明は、新規なピペリジンカルボン酸アミド誘導体、及び医薬組成物の製剤中の活性成分としてのそれらの使用に関する。本発明は、これらの新規な化合物、そのような化合物を含有する医薬組成物の製造方法を含む、関連した局面、特にそのような化合物のレニン阻害剤としての使用に関する。本発明の新規なピペリジンカルボン酸アミド誘導体は、非ペプチド性を有し、かつ低分子量のレニン阻害剤であり、長い作用時間を有し、また、組織レニン−キマーゼ系が活性化されて病理生理学的に変更された局所機能、例えば腎臓、心臓及び血管リモデリング、アテローム性動脈硬化症、並びにおそらく再狭窄に至る血圧調整以外の適応症にも活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な式(I)の化合物に関する。本発明はまた、化合物の製造方法、式(I)の化合物を含有する医薬組成物、並びに特にそれらの心血管事象及び腎機能障害におけるレニン阻害剤としての使用を含む、関連した局面にも関する。
【背景技術】
【0002】
レニン−アンジオテンシン系(RAS)において、生物学的に活性なアンジオテンシンII(AngII)は、二段階機序により生成する。高度に特異的な酵素レニンは、アンジオテンシノーゲンを切断してアンジオテンシンI(AngI)とし、次にこれは比較的特異性の低いアンジオテンシン変換酵素(ACE)によって更にAngIIに加工される。AngIIは、AT1及びAT2と称される少なくとも2つの受容体サブタイプに作用することが知られている。AT1は、AngIIの周知の機能の殆どを伝達するようと思われる一方、AT2の役割は現在でも分かっていない。
【0003】
RASの調節は、心血管系疾病の治療において大きく進歩している。ACE阻害剤及びAT1遮断薬は、高血圧症を治療することが認められている(非特許文献1)。加えて、ACE阻害剤は、腎臓保護のために(非特許文献2)、鬱血性心不全(非特許文献3)及び心筋梗塞(非特許文献4)の予防に使用されている。
【0004】
レニン阻害剤の開発の論理的根拠は、レニンの特異性である(非特許文献5)。レニンの周知の基質はアンジオテンシノーゲンのみであり、これは(生理的条件下で)レニンでのみ加工される。対照的に、ACEは、AngI以外にブラジキニンも切断することができ、またセリンプロテアーゼであるキマーゼにより迂回され得る(非特許文献6)。従って、患者においてACEの阻害は、咳(5〜20%)を引き起こし、また重篤な血管神経性浮腫(0.1〜0.2%)の可能性があるブラジキニン蓄積を誘導する(非特許文献7)。キマーゼは、ACE阻害薬により阻害されない。従って、ACE阻害薬で治療されている患者において、AngIIの形成は、尚可能である。他方、AT1受容体の遮断(例えば、ロサルタンによる)は、他のAT受容体サブタイプ(例えばAT2)をAngIIに過剰発現させ、その濃度はAT1受容体の遮断により有意に増大する。要約すれば、レニン阻害剤は、RASの遮断及び安全性の局面において、ACE阻害剤及びAT1遮断薬とは異なる薬学的プロファイルを示すことが期待される。
【0005】
レニン阻害剤は、そのペプチド模倣性を原因として経口活性が不十分であることから(非特許文献8)、臨床経験が限られている(非特許文献9)。この問題と製品の高コストとにより、数種の化合物の臨床開発が中断されている。4つのキラル中心を含む一種の化合物のみが臨床試験に入っている(非特許文献10)。このように、良好な経口バイオアベイラビリティ及び長い作用時間を有するレニン阻害剤が必要とされている。最近、インビトロで高い活性を示す最初の非ペプチドレニン阻害剤が記載された(非特許文献11、非特許文献12、特許文献1)。しかしながら、これらの化合物の開発状況は知られていない。
【0006】
【非特許文献1】Waeber B. et al.,“The renin-angiotensin system: role in experimental and human hypertension”,in Birkenhager W. H.,Reid J. L.(eds):Hypertension,Amsterdam,Elsevier Science Publishing Co,1986,489-519; Weber M. A.,Am. J. Hypertens.,1992,5,247S
【非特許文献2】Rosenberg M. E. et al.,Kidney International,1994,45,403; Breyer J. A. et al.,Kidney International,1994,45,S156
【非特許文献3】Vaughan D. E. et al.,Cardiovasc. Res.,1994,28,159;Fouad-Tarazi F. et al.,Am. J. Med.,1988,84(Suppl. 3A)、83
【非特許文献4】Pfeffer M. A. et al.,N. Engl. J. Med.,1992,327,669
【非特許文献5】Kleinert H. D.,Cardiovasc. Drugs,1995,9,645
【非特許文献6】Husain A.,J. Hypertens.,1993,11,1155
【非特許文献7】Israili Z. H. et al.,Annals of Internal Medicine,1992,117,234
【非特許文献8】Kleinert H. D.,Cardiovasc. Drugs,1995,9,645
【非特許文献9】Azizi M. et al.,J. Hypertens.,1994,12,419; Neutel J. M. et al.,Am. Heart,1991,122,1094
【非特許文献10】Rahuel J. et al.,Chem. Biol.,2000,7,493; Mealy N. E.,Drugs of the Future,2001,26,1139
【非特許文献11】Oefner C. et al.,Chem. Biol.,1999,6,127
【非特許文献12】Marki H. P. et al.,Il Farmaco,2001,56,21
【特許文献1】Patent Application WO 97/09311
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、非ペプチド性を有し、かつ低分子量のレニン阻害剤に関する。長い作用時間を有し、また、組織レニン−キマーゼ系が活性化されて病理生理学的に変更された局所機能、例えば腎臓、心臓及び血管リモデリング、アテローム性動脈硬化症、並びにおそらく再狭窄に至る血圧調整以外の適応症にも活性を有する、経口活性の式(I)のレニン阻害剤について記載する。従って、本発明は、これらの式(I)で示される非ペプチド性レニン阻害剤を記載する。
【0008】
詳細には、本発明は、式(I)
【0009】
【化1】

(式中、
Wは、フェニル環、又は1〜4個の窒素原子を含む6員の非ベンゾ縮合芳香環であり、ここで前記環は、パラ位においてVで置換され;
Vは、結合;-(CH2)r-;-A-(CH2)s-;-CH2-A-(CH2)t-;-(CH2)s-A-;-(CH2)2-A-(CH2)u-;-A-(CH2)v-B-;-CH2-CH2-CH2-A-CH2-;-A-CH2-CH2-B-CH2-;-CH2-A-CH2-CH2-B-;-CH2-CH2-CH2-A-CH2-CH2-;-CH2-CH2-CH2-CH2-A-CH2-;-A-CH2-CH2-B-CH2-CH2-;-CH2-A-CH2-CH2-B-CH2-;-CH2-A-CH2-CH2-CH2-B-;-CH2-CH2-A-CH2-CH2-B-;-O-CH2-CH(OCH3)-CH2-O-;-O-CH2-CH(CH3)-CH2-O-;-O-CH2-CH(CF3)-CH2-O-;-O-CH2-C(CH3)2-CH2-O-;-O-CH2-C(CH3)2-O-;-O-C(CH3)2-CH2-O-;-O-CH2-CH(CH3)-O-;-O-CH(CH3)-CH2-O-;-O-CH2-C(CH2CH2)-O-;又は-O-C(CH2CH2)-CH2-O-を表し;
A及びBは、独立して-O-又は-S-、好ましくは-Oを表し-;
Uは、非置換アリール;一、二、三若しくは四置換アリール、ここで置換基は、ハロゲン、アルキル、アルキコシ、及び-CF3からなる群より独立して選択され;又は一、二若しくは三置換ヘテロアリールを表し、ここで置換基は、ハロゲン、アルキル、アルキコシ、及び-CF3からなる群より独立して選択され;
Qは、メチレン又はエチレン、好ましくはメチレンを表し;
Mは、アリール、キノリニル、イソキノリニル、ジヒドロキノリニル又はテトラヒドロキノリニル基を表し、ここで前記基は、場合により、アルキル;アルキコシ;-OCF3;-CF3;ヒドロキシ-アルキル;ハロゲン;アルキル-O-(CH2)0-4-CH2-;アルキル-O-(CH2)2-4-O-;R’2N-(CH2)0-4-CH2-、ここでR’は、水素、(場合により1個、2個又は3個のフッ素原子で置換された)アルキル、シクロプロピル、シクロプロピル-メチル、-C(=O)O-R’’及び-C(=O)-R’’からなる群より独立して選択され、ここでR’’は、C1-C4-アルキル、-CF3、-CH2-CF3又はシクロプロピルであり;並びにR’’’NH-C(=O)-(O)0-1-(CH2)0-4-CH2-、ここでR’’’は、アルキル又はシクロプロピルであり;からなる群より独立して選択される置換基で一又は二置換されてもよく;
R1は、アルキル又はシクロアルキル、好ましくはシクロアルキル、例えば特にシクロプロピルを表し;
nは、整数0、又は1であり;
rは、整数3、4、5、又は6であり;
sは、整数2、3、4、又は5であり;
tは、整数1、2、3、又は4であり;
uは、整数1、2、又は3であり;並びに
vは、整数2、3、又は4である。)
で示される新規な化合物、並びに光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマー混合物、例えばラセミ体、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、及びメソ体、並びにそれらの化合物の塩及び溶媒和物、並びに多形形態に関する。
【0010】
本明細書において以前及び以後に使用する一般的用語は、本開示において、別に示さない限り、以下の意味を有することが好ましい:
化合物、塩、医薬組成物、疾病及び同様物に複数形が使用される場合、これは、一つの化合物、塩、又は同様物も意味することを意図する。
【0011】
式(I)の化合物の任意の引用は、適宜及び便宜的に、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体等のエナンチオマー混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、及びメソ体、並びにそれらの化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)及び溶媒和物(水和物を含む)、並びに多形形態も指すことを理解するべきである。
【0012】
式(I)の定義において、−別に明記されない場合−用語アルキルは、単独で又は他の基との組み合わせで、1〜7個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む飽和の直鎖及び分岐鎖基、即ちC1-C4-アルキルを意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル及びヘプチルである。メチル、エチル及びイソプロピル基が好ましい。
【0013】
用語アルキコシは、単独で又は他の基との組み合わせで、R-O-基を指し、ここでRは、アルキル基である。アルキコシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ及びtert-ブトキシである。
【0014】
用語ヒドロキシ-アルキルは、単独で又は他の基との組み合わせで、HO-R-基を指し、ここでRは、アルキル基である。ヒドロキシ-アルキル基の例は、HO-CH2-、HO-CH2CH2-、HO-CH2CH2CH2-及びCH3CH(OH)-である。
【0015】
用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素、塩素又は臭素、特にフッ素又は塩素を意味する。
【0016】
用語シクロアルキルは、単独で又は組み合わせで、3〜7個の炭素原子を含む飽和の環式炭化水素環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを意味する。好ましい基は、シクロプロピル基である。
【0017】
用語アリールは、単独で又は組み合わせで、フェニル、ナフチル又はインダニル基、好ましくはフェニル基に関する。
【0018】
用語ヘテロアリールは、単独で又は組み合わせで、1〜4個の窒素原子を含む6員の芳香環;1〜3個の窒素原子を含む6員のベンゾ縮合芳香環;1個の酸素、1個の窒素若しくは1個の硫黄原子を含む5員の芳香環;1個の酸素、1個の窒素若しくは1個の硫黄原子を含む5員のベンゾ縮合芳香環;酸素、窒素及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を含む5員の芳香環、及びそのような環のベンゾ縮合誘導体;3個の窒素原子を含む5員の芳香環、及びそのベンゾ縮合誘導体;テトラゾリル環;チアジニル環;又はクマリニルを意味する。このような環系の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、トリアジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾチエニル、キナゾリニル及びキノキサリニルである。
【0019】
塩は、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩が好ましい。
【0020】
薬学的に許容される塩という表現は、生物に対して無毒な、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、亜リン酸、亜硝酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、パルモ酸(palmoic acid)、ステアリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸、及び同様物のような無機酸若しくは有機酸、又は式(I)の化合物が酸性の性質を有する場合、アルカリ若しくはアルカリ土類塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム及び同様物のような無機塩基のいずれかとの塩を包含する。薬学的に許容される塩の他の例に関して、特に"Salt selection for basic drugs",Int. J. Pharm.(1986)、33,201-217を参照することができる。
【0021】
式(I)の化合物は、不斉炭素原子を含んでもよく、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体等のエナンチオマー混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、又はメソ体の形態で調製されてもよい。本発明は、これらの全形態を包含する。混合物は、それ自体公知の方法、例えばカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、又は結晶化により分離される。
【0022】
本発明の化合物は、一つ又はそれ以上の部位、例えば酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフヒドリル縮合)及び/又は窒素を介してニトロソ化されている式(I)のニトロソ化化合物も含む。本発明のニトロソ化化合物は、当業者周知の従来の方法を用いて調製し得る。例えば、化合物のニトロソ化に関する公知の方法は、米国特許第5,380,758号、米国特許第5,703,073号、米国特許第5,994,294号、米国特許第6,242,432号及び米国特許第6,218,417号;WO98/19672;並びにOae et al.,Org. Prep. Proc. Int.,15(3):165-198(1983)に記載されている。
【0023】
nが整数1であり、環置換基-CON(R1)-Q-Mと-W-V-Uが、互いにトランスである式(I)の化合物の群が好ましい。
【0024】
nが整数0であり、式(I)のピペリジン環の3位及び4位の立体配置が、各々3R及び4Sである式(I)の化合物の群が特に好ましい。
【0025】
Mが、アリール、キノリニル、イソキノリニル、ジヒドロキノリニル又はテトラヒドロキノリニル基を表す式(I)の化合物の群が好ましく、ここで前記基は、場合によりアルキル;アルキコシ;-OCF3;-CF3;ヒドロキシ-アルキル;ハロゲン;アルキル-O-(CH2)0-4-CH2-;アルキル-O-(CH2)2-4-O-;及びR’2N-(CH2)0-4-CH2-からなる群より独立して選択される置換基で一又は二置換されてもよく、ここでR’は、水素、アルキル、シクロプロピル、及び-C(=O)-R’’からなる群より独立して選択され、ここでR’’は、C1-C4-アルキル、-CF3、-CH2-CF3又はシクロプロピルである。
【0026】
好ましい式(I)の化合物の別の群は、Mが特に場合によりアルキル、アルキコシ、-OCF3、-CF3、ヒドロキシ-アルキル及びハロゲンからなる群、好ましくはアルキル、アルキコシ及びハロゲンからなる群より独立して選択される置換基で一又は二置換されたアリール、好ましくはフェニルを表す群である。
【0027】
特に好ましい式(I)の化合物の別の群は、Mが以下の基:
【0028】
【化2】

(式中、R2は、メチル又は塩素であり、R3は水素であり、R4は、水素、-CH2CH2-O-CH3、-CH2CH2CH2-O-CH3、又はR’NH-(CH2)0-1-CH2-であり、ここでR’は、-CH2-CHF2、-CH2-CF3、シクロプロピル、-CO-CH3、-CO-CH2-CF3、-CO-CH2-CH3、又はシクロプロピル-カルボニルであるが、但しR4が水素の場合、R3は、メチル、メトキシ、塩素、又は-O-CH2CH2-O-CH3を表す。)を表す群である。
【0029】
非常に好ましい式(I)の化合物の群は、Mが以下の基:
【0030】
【化3】

(式中、R2は塩素であり,R3は水素であり、R4は-CH2CH2-O-CH3である。)を表す群である。
【0031】
非常に好ましい式(I)の化合物の群は、Mが以下の基:
【0032】
【化4】

(式中、R2は、水素であり、R3は、メトキシエトキシであり、R4は、CH2CH2CH2-O-CH3である。)を表す群である。
【0033】
好ましい式(I)の化合物の更なる群は、Qがメチレンである群である。
【0034】
好ましい式(I)の化合物の更なる群は、R1がシクロプロピルある群である。
【0035】
好ましい式(I)の化合物の別の群は、Wがパラ位においてVで置換されたフェニル、又は以下の基:
【0036】
【化5】

を表す群である。
【0037】
好ましい式(I)の化合物の別の群は、Wがパラ位においてVで置換されたフェニルを表す群である。
【0038】
特に好ましい式(I)の化合物の別の群は、Wが以下の基:
【0039】
【化6】

を表す群である。
【0040】
好ましい式(I)の化合物の更なる群は、Vが-CH2CH2O-若しくは-CH2CH2CH2O-である群であり、ここで両方の場合、二価基はその酸素原子を介して式(I)のU基に結合し、又は-OCH2CH2O-である。
【0041】
非常に好ましい式(I)の化合物の群は、Vが-OCH2CH2O-である群である。
【0042】
好ましい式(I)の化合物の別の群は、Vが-OCH2CH2O-又は特に-CH2CH2CH2O-である[好ましくは、-CH2CH2CH2O-の-CH2-部分が、式(I)のW基に結合した]群である。
【0043】
好ましい式(I)の化合物の更なる群は、Uが一、二、三又は四置換アリール、好ましくは一、二、又は三置換フェニルである群であり、ここで置換基は、ハロゲン、アルキル、アルキコシ、及び-CF3、特にハロゲン及びアルキルからなる群より独立して選択される。
【0044】
特に好ましい式(I)の化合物の別の群は、Uが2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニルを表す群である。
【0045】
特に好ましい式(I)の化合物の別の群は、Uが2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェニルを表す群である。
【0046】
本発明の好ましい実施態様は、Wがパラ位においてVで置換されたフェニル、又は以下の基:
【0047】
【化7】

を表す式(I)の化合物に関し;
Vは、-OCH2CH2O-又は-CH2CH2CH2O-を表し、ここで-CH2CH2CH2O-の-CH2-部分は、式(I)のW基に結合し;
Uは、三置換フェニルを表し、ここで置換基は、ハロゲン(特にフッ素及び塩素)並びにアルキル(特にメチル)から独立して選択され;
Qは、メチレンを表し;
Mは、以下の基:
【0048】
【化8】

を表し;
式中、R2は、メチル又は塩素であり、R3は、水素であり、R4は、水素、-CH2CH2-O-CH3、-CH2CH2CH2-O-CH3、又はR’NH-(CH2)0-1-CH2-であり、ここでR’は、アルキル(場合により1個又は2個のフッ素原子で置換された)、シクロプロピル、シクロプロピル-メチル、-CO-CH3、又は-CO-CH2-CF3であるが、但しR4が水素の場合、R3は、メチル、メトキシ、又は塩素を表し;
R1は、シクロプロピルを表し;
nは、整数0、又は1である。
【0049】
本発明は、式(I)に又は式(I)の好ましい実施態様に定義される一つ若しくはそれ以上の置換基及び記号の意味が、本明細書に定義される、例えば上記に示した好ましい化合物の群に定義される、それらの好ましい意味で置き換えた式(I)の化合物にも関する。
【0050】
特に好ましい式(I)の化合物は:
(1R*,5S*,6R*,7S*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ−フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-3,9-ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン-6-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジクロロ−ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2,3,6-トリフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド、及び
4-{4-[3-(2,3,6-トリフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミドからなる群より選択される化合物である。
【0051】
更に特に好ましい式(I)の化合物は:
(3R*,4S*)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチルベンジル)-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ-[3,4']ビピリジニル-3'-カルボン酸[2-クロロ-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、及び
(3R,4S)-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ-[3,4']ビピリジニル-3'-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミドからなる群より選択される化合物である。
【0052】
特に好ましい式(I)の化合物の別の群は:
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(2,2-ジフルオロ-エチルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(3,3,3-トリフルオロ-プロピオニルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(シクロプロピルメチル-アミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[5-(アセチルアミノ-メチル)-2-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メチルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-メチルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピオニルアミノ)-エチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-エチルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[5-(2-アセチルアミノ-エチル)-2-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(2-フルオロ-エチルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-エチルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド、及び
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-シクロプロピルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミドからなる群より選択される化合物である。
【0053】
式(I)の化合物は、例えば高血圧症、鬱血性心不全、肺高血圧症、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心不全、心臓肥大、心臓線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎疝痛、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害及び神経障害、緑内障、眼圧の上昇、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管若しくは心臓手術後の合併症、勃起不全、高アルデステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知疾患、免疫抑制剤による治療の合併症、並びにレニン−アンジオテンシン系に関連した他の疾病、又はこれらに関連する疾病の治療及び/又は予防に有用である。
【0054】
式(I)の化合物は、例えば高血圧症、鬱血性心不全、肺高血圧症、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心不全、心臓肥大、心臓線維症、心筋虚血、心筋症、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害及び神経障害、又はこれらに関連する疾病の治療及び/又は予防に特に有用である。
【0055】
一実施態様において、本発明は、レニン−アンジオテンシン系の調節不全に関連した疾病の治療又は予防方法、特に上記した疾病の治療又は予防方法に関し、該方法は、薬学的に活性な量の式(I)の化合物を、患者に投与することを含む。
【0056】
本発明の更なる局面は、式(I)の化合物、及び薬学的に許容される担体材料を含有する医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、上記した疾病の治療及び/又は予防に使用し得る。医薬組成物は、経腸、非経口、又は局所投与に使用し得る。これらは、例えば錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤若しくは縣濁剤の剤形で経口的に、例えば坐薬の剤形で経直腸で、例えば注射剤若しくは注入溶液の剤形で非経口的に、又は軟膏、クリーム若しくはオイルの剤形で局所投与し得る。
【0057】
本発明は、上記した疾病の治療又は予防のための医薬組成物の製造における、式(I)の化合物の使用にも関する。
【0058】
医薬組成物は、記載した式(I)の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩を、場合により他の治療的に価値のある物質と組み合わせて、適切な、無毒の、不活性な、治療的に適合し得る固体又は液体担体材料、及び、所望であれば、通常の医薬補助剤と共に、製剤投与形態にすることにより、任意の当業者に馴染みのある方法で製造し得る(例えばMark Gibson,Editor,Pharmaceutical Preformulation and Formulation,IHS Health Group,Englewood,CO,USA,2001; Remington,Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition,Philadelphia College of Pharmacy and Science参照)。
【0059】
式(I)の化合物、又は上記した医薬組成物は、薬理学的に活性な他の化合物、例えばACE阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、アルドステロン拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、エンドセリン受容体拮抗薬、血管拡張薬、カルシウム拮抗薬、カリウム活性化因子、利尿薬、交感神経遮断薬、βアドレナリン拮抗薬、αアドレナリン拮抗薬、並びに/又は上記した他の疾病の予防若しくは治療に有益な他の薬物、例えば11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1阻害剤及び可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化因子との組み合わせにおいても使用される。
【0060】
本発明は、インビボで式(I)の化合物それ自体に変換する、式(I)の化合物のプロドラッグにも関する。従って、式(I)の化合物の引用はいずれも、適宜及び便宜的に、式(I)の化合物の対応するプロドラッグも指すものとして理解するべきである。
【0061】
式(I)の化合物は、スキーム1に記載するタイプA(WO03/093267;WO04/002957)の化合物から調製することができ、ここでW、V、U、及びnは、式(I)に関して定義された通りである。PGは、適切な保護基を表す。Rbは、例えばけん化又は水素化により後に切断され得る適切なエステルを表す。タイプAの化合物のけん化中、タイプBの化合物が条件に応じて20〜100%収率で形成される一方、二重結合が脱共役位置に部分的に移動する。この化合物は、二重結合が尚共役する対応する類似体から分離されても、又はされなくてもよく、次に、例えばアミドカップリングによりタイプCの化合物を誘導し、ここでR1、Q、及びMは、式(I)に関して定義した通りである。アミドカップリング中、条件の最適化により、二重結合はほぼ完全に移動し得る。次に、タイプCの化合物をタイプDの化合物に還元する。最後に脱保護して、(I)の化合物に至る。勿論、還元はタイプBの化合物上でも起こり得るが、この場合、タイプBの化合物は、尚共役二重結合を有するその位置異性体から分離される。この場合、タイプEの化合物が得られ、これはアミドカップリング後、タイプDの化合物に変換される。n=0の場合、タイプA又はタイプBの共役化合物を、メタノール中マグネシウムを用いて対応する飽和化合物に還元してもよい。平衡後、トランス配置の立体異性体を単離する。(必要であれば)けん化により、タイプEの化合物に至る。
【0062】
当業者は、これらのステップの連続は、殆どの場合、別のステップが介在し(intervert)又は変更し得ることを認識するあろう。タイプBの化合物内での二重結合の移動、及びその化合物D及び化合物Eへの還元により、立体異性体混合物が形成される。これらの立体異性体は、フラッシュカラムクロマトグラフィー、HPLC、又はキラルHPLCのような標準的な方法体系により分離し得る。
スキーム1
【0063】
【化9】

スキーム2に記載するように、別のタイプFの化合物も使用でき、ここでRbは適切なエステル置換基を表し、置換基Vの前駆体に関するRaは、式(I)に定義した通りである。このタイプFの化合物をタイプGの化合物に変換し、次に該化合物を、二重結合の移動に有利に働くアミドカップリング条件を使用して、タイプHの化合物に変換する。二重結合の還元により、タイプJの化合物が形成され、次に該化合物を式(I)の化合物に変換する。また、タイプFの化合物をタイプKの化合物に変換することもできる。U-V-W-鎖を完成させてタイプLの化合物を得た後、エステルを加水分解してタイプEの化合物を形成する。
スキーム2
【0064】
【化10】

実施例
略語(本明細書で使用される):
Ac アセチル
AcOH 酢酸
Ang アンジオテンシン
aq. 水性
9-BBN 9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
BSA ウシ血清アルブミン
Bu ブチル
BuLi n-ブチルリチウム
conc. 濃縮
Cy シクロヘキシル
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC.HCl エチル-N,N-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩
EIA 酵素イムノアッセイ
ELSD 蒸発光散乱検出
eq. 当量
ES エレクトロスプレー
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
FC フラッシュクロマトグラフィー
h 時間
Hex ヘキサン
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC-MS 液体クロマトグラフィー質量分析法
Me メチル
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析法
NMO N-メチルモルホリンオキシド
OAc アセテート
OD 吸光度
org. 有機(の)
PBS リン酸緩衝生理食塩水
PG 保護基
Ph フェニル
Rf 保持値(TLC上)
rt 室温
sat. 飽和
sol, 溶液
TBAC テトラブチルアンモニウムクロリド
TBAF テトラブチルアンモニウムフロリド三水和物
TBDMS tert-ブチルジメチルシリル
TBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフ ルオロボレート
tBu tert-ブチル
Tf トリフルオロメチルスルホニル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
tR 保持時間
UV 紫外線
Vis 可視
【0065】
HPLC-又はLC-MS条件(別に示さない場合)
分析:Agilent Technologies製のZorbax 59 SB Aqua カラム、4.6x50 mm。溶離液:A:アセトニトリル;B:H2O+0.5%TFA。勾配:90%B→5%Bで2分間。流速:1mL/分。検出:UV/Vis+MS。
【0066】
分取:Agilent Technologies製のZorbax SB Aqua カラム、20x500mm。溶離液:A:アセトニトリル;B:H2O+0.05%水酸化アンモニウム(25%aq.)。勾配:80%B→10%Bで6分間。流速:40mL/分。検出:UV+MS、又はUV+ELSD。
【0067】
キラル、分析:Regis Whelk カラム、4.6x250mm、10μm。溶離液A:EtOH+0.05%Et3N。溶離液B:ヘキサン。定組成条件、1mL/分。定組成混合物は、化合物に応じて変動し得る。
キラル、分取:分析条件と同様であるが、Regis Whelk 01 カラム、50x250 mm上、流速100mL/分。
【0068】
Mitsunobuカップリング及びBoc保護のための一般的手順
所望のフェノール(2当量)を反応フラスコ内に配置する。トルエン(1mL)に溶解した化合物J3又はJ4(約80mg、1当量)を加えた後、トルエン(1mL)に溶解したアゾジカルボン酸ジピペリジン(2当量)を加える。反応混合物をN2で脱気し、最後にPBu3(3当量)を加える。反応物を1時間で90℃まで加熱(予熱したシステム上で)した後、再度室温に冷却する。Et2O(5mL)を加え、混合物を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。粗中間体を逆相HPLCで精製する。透明な生成物をジオキサン(1mL)に溶解し、ジオキサン中HCl(4M;1mL)を加える。混合物を室温で2時間撹拌する。溶媒を減圧除去して、式(I)の最終化合物の塩酸塩を与える。
【0069】
アミドカップリングのための一般的条件A
HOBt(16.9mg、0.125mmol)、DMAP(3.05mg、0.025mmol)、DIPEA(0.068mL、0.40mmol)及びEDC.HCl(28.8mg、0.150mmolを、カルボン酸(0.100mmol)及びアミン(0.100mmol)のCH2Cl2(1.00mL)中の混合物に加えた。混合物を室温で4日間撹拌した。Isolute(登録商標)(1mL 1M HCl水溶液を用いて調製した0.6gの吸着剤)を介して混合物を濾過した。有機層を減圧下で蒸発させた。粗生成物を更に精製することなく使用した。
【0070】
Boc保護のための一般的条件B
出発物質をCH2Cl2(1mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。HCl(ジオキサン中4M、0.5mL)、そして混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。1M NaOH水溶液を加え、混合物を更に5分間撹拌した。層を分離し、有機層を減圧下で蒸発させた。HPLC(X-ブリッジカラム上で、0.05%濃NH3水溶液を伴うアセトニトリル/水10:90→90:10)により精製して、表題の化合物を得た。
【0071】
酸塩化物を用いたアミドカップリングのための一般的条件C
出発物質のカルボン酸(1.00当量)をトルエンに溶解し(14mL/mmolのカルボン酸)、DMF(触媒量)を加えた。塩化オキサリル(1.30当量)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、粗酸塩化物を以下のアミドカップリングの0.100mmol部分に分割した。この酸塩化物(0.100mmol)の一部をCH2Cl2(1.00mL)に溶解し、Et3N(0.014mL、0.10mmol)及び所望のアミン(0.100mmol)のCH2Cl2(0.50mL)溶液を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、1M HCl水溶液で予め洗浄したIsolute(登録商標)を介して濾過した。CH2Cl2で溶出した後、有機層を減圧下で蒸発させて、残留物を精製せずに次のステップで使用した。
【0072】
(rac.)-(1R*,5S*)-9-メチル-7-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3,6-ジカルボン酸3-tert-ブチルエステル6-エチルエステル
(rac.)-(1R*,5S*)-9-メチル-7−オキソ−3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-3,6-ジカルボン酸3-tert-ブチルエステル6-エチルエステル(WO2003/093267、99.58g、305mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥THF(1450mL)に溶解し、混合物を0℃に冷却する。NaH(16.64g;鉱油中55%分散、381mmol)を2gずつ35分かけて加え、温度を0〜4℃に維持する。H2ガスが発生する。添加後、混合物は黄緑色で、僅かに懸濁している。反応混合物を0〜4℃で75分間撹拌する。次に、固体としてのTf2NPh(128.6g、360mmol)を、5分以内で加える。反応混合物は茶色になる。冷却浴を除去し、反応物を週末に亘り室温で撹拌する。反応混合物を1Lの氷/水上に注ぎ、溶媒を減圧除去する。残留した水相を(3x500mL)EtOAcで抽出する。一緒にした有機層を水(500mL)及びブライン(500mL)で洗浄する。次に、有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させる。粗茶色残留物(174g)に50mLのペンタンを加え、混合物を4℃で一夜撹拌する。結晶を濾過除去し、冷ヘキサン(70mL)、ヘキサン/Et2O(4:1、100mL)の冷混合物で洗浄する。これにより幾分かのTfNHPhを含有する84gの生成物を得る。この材料をシリカゲル(75g)上で濾過する。TfNHPhをCH2Cl2で洗浄する。この生成物を続いてEtOAc(3回1L)で洗浄して、減圧下で蒸発させた後、表題の化合物を与える。表題の化合物を3つのフラクションで得る:a)44.45gの灰白色結晶、b)27.98gの少々茶色い結晶、及びc)生成物及びTfNHPhを含有する15gの黄色油状物。2日後、c)フラクション中に含まれるTfNHPhが結晶化する。これを濾過して、9.43gの生成物を茶色油状物として得る。
【0073】
母液の処理:
上記で獲得した一緒にした母液を真空濃縮する。茶色油状残留物(75g)をFC(1500gシリカゲル)で、(EtOAc/ヘプタン1-9→EtOAc)勾配を用いて精製する。次に、カラムをEtOAc/MeOH9:1で洗浄する。表題の化合物を純粋な生成物として、25.44gの灰白色固体として単離する。LC-MS:tR=0.87分;ES+:459.24.
【0074】
1-アリル-4-ブロモ-ベンゼン
冷却器及び滴加漏斗を装備した3口フラスコ内で、Mg(8.76g、360mmol)をTHF(90mL)に窒素下で懸濁させる。滴加漏斗にTHF(40mL)中の1,4-ジブロモベンゼン(77.3g、327mmol)を負荷する。約5%の1,4-ジブロモベンゼン溶液をMg縣濁液に注意深く加えて、反応をヒートガンの補助により開始させる。反応が開始したら、反応混合物が穏やかに還流する速度で1,4-ジブロモベンゼン溶液を加える(約20分間)。混合物を更に30分間撹拌し、0℃に冷却する。THF(100mL)を加え、滴加漏斗に臭化アリル(30.5mL、360mmol)のTHF(50mL)溶液を満たす。臭化アリル溶液をゆっくり加え、反応温度を20℃未満に維持する。添加が完了したら、混合物を℃に冷却しながら更に30分間撹拌する。1M HCl水溶液を加える。混合物をEt2Oで希釈し、1M HCl水溶液及びブラインで洗浄する。一緒にした抽出物水溶液を、Et2Oで逆抽出する。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去する。残留物を蒸留して(11mbar、88〜92℃)、表題の化合物(39.3g、約61%)を、他の未同定不純物と共に得る。
【0075】
3-(4-ブロモ-フェニル)-プロパン-1-オール
BH3(THF中1M、412mL、412mmol)を、1-アリル-4-ブロモ-ベンゼン(204g、1.03mmol)のTHF(1.00L)溶液に、窒素下にて0℃で加える。混合物を室温まで暖めながら一夜撹拌する。NaOH(2.5M、1.65L、4.12mol)水溶液を加え、混合物を0℃に冷却する。H2O2(35%、480mL、5.15mol)を注意深く滴下し、混合物を3時間撹拌する。Et2Oを加え、相を分離する。有機層を水(1x)、及びブライン(1x)で洗浄する。該有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去する。FC(Et2O/石油エーテル1:1→Et2O)で精製して、表題の化合物(97.4g、44%)を得る。
【0076】
[3-(4-ブロモ-フェニル)-プロポキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン
3-(4-ブロモ-フェニル)-プロパン-1-オール(49.4g、230mmol)のDMF(500mL)溶液を0℃に冷却し、イミダゾール(23.77g、349mmol)及びTBDMS-Cl(52.6g、349mmol)を加える。混合物を室温まで暖めながら一夜撹拌する。混合物をヘプタン(1.0L)及び飽和NH4Cl水溶液(800mL)で希釈し、該混合物を振とうする。層が分離する。水層をヘプタンで抽出し、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去する。FC(Et2O/ヘプタン1:99→1:19)で精製して、表題の化合物(68.1g、90%)を得る。LC-MS:tR=1.24分.
【0077】
2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エタノール
ガス液滴カウンター(gas droplet counter)及び高効率冷却システムを装備した3口フラスコ内で、2,6-ジクロロ-p-クレゾール(20.0g、113mmol)、[1,3]ジオキソラン-2-オン(9.95g、113mmol)及びイミダゾール(115mg、1.70mmol)の混合物を25時間で160℃に加熱した。混合物を室温に冷却させた。FC(Et2O/ヘプタン1.1)で精製して、表題の化合物(18.7g、75%)を得た。LC-MS:tR=0.88分.
【0078】
5-ブロモ-2-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-ピリジン
2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エタノール(18.6g、84mmol)のTHF(360mL)溶液を0℃に冷却した。NaH(油中約55%、6.60g、約153mmol)を一部ずつ加え、混合物を室温で30分撹拌した。2,5-ジブロモピリジン(18.0g、76.3mmol)のTHF(60mL)溶液を滴加し、混合物を90分間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、氷を注意深く加えた。溶媒を一部減圧除去し、残留物をEtOAcで希釈した。この混合物を飽和NH4Clで洗浄した。水層をEtOAc(2x)で逆抽出した。一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン3:97)で精製して、表題の化合物(22.7g、79%)を得た。LC-MS:tR=1.13分;ES+:378.08.
【0079】
5-ブロモ-2-クロロ-N-シクロプロピル-ベンズアミド
5-ブロモ-2-クロロ安息香酸(17.6g、75mmol)のCH2Cl2(180mL)中の懸濁液に、塩化オキサリル(7.0mL、83mmol)を加えた。DMF(8滴)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した(ガス発生)。混合物を減圧下で減量し、粗残留物をCH2Cl2(530mL)で希釈した。混合物を0℃に冷却し、シクロプロピルアミン(5.8mL、83mmol)のCH2Cl2(45mL)溶液を滴加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、室温に暖めた。DIPEA(14.3mL、84mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。該混合物を更にCH2Cl2で希釈し、10%HCl水溶液、水、及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をヘキサンで粉砕し、濾過し、高真空下で乾燥して、表題の化合物(19.3g、94%)を得た。LC-MS:tR=0.84分;ES+:316.89.
【0080】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-(3-メトキシ-プロペニル)-ベンズアミド
5-ブロモ-2-クロロ-N-シクロプロピル-ベンズアミド(19.3g、70.5mmol)を、DMF(350mL)と1-プロパノール(210mL)の混合物に溶解した。Pd(OAc)2(PPh3)3(2.64g、3.53mmol)を加えた。注射器を介して(E)-2-(3-メトキシプロペニル)4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(15mL、70.5mmol)を加え、2M Na2CO3水溶液(123mL)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌し、室温に冷却させた。10%HCl水溶液をpH2に到達する迄、注意深く加えた。溶媒を一部減圧除去し、残留物をEt2O(3x)で抽出した。一緒にした有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(EtOAc/ヘプタン1:2→1:1→EtOAc)で精製して、表題の化合物(12.7g、68%)を得た。LC-MS:tR=0.82分;ES+:266.17.
【0081】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンズアミド
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-(3-メトキシ-プロペニル)-ベンズアミド(12.6g、47.6mmol)を乾燥トルエン(650mL)に溶解した。乾燥DMF(70mL)を加え、混合物を110℃に加熱した。ベンゼンスルホニルヒドラジン(24.5g、143mmol)を3時間かけて3部で加えた。混合物を合計3時間加熱し、室温に冷却させた。溶媒を減圧除去し、残留物をEt2Oで希釈した。混合物を水で洗浄し、水相をEt2Oで逆抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(EtOAc/ヘプタン1:9→1:4→1:3→1:1)で精製して、表題の化合物(10.0g、78%)を得た。LC-MS:tR=0.83分;ES+:268.19.
【0082】
[2-クロロ-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミン
LiAlH4(5.70g、151mmol)を2-クロロ-N-シクロプロピル-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンズアミド(10g、37.7mmol)のTHF(230mL)溶液に、0℃で一部ずつ加えた。氷浴を除去し、混合物を4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、0℃に冷却した。水(7.5mL)、15%NaOH水溶液(17mL)、及び水(5.7mL)を注意深く加えた。混合物を濾過し、沈殿をEtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させた。残留物をEtOAcで希釈し、得られた混合物を水、及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(EtOAc/ヘプタン1:4→1:3→1:2)で精製して、表題の化合物(5.60g、59%)を得た。LC-MS:tR=0.86分;ES+:254.19.
【0083】
シクロプロピルアミンによる置換ベンズアルデヒドの還元的アミノ化のための一般的な手順:
【0084】
【化11】

置換ベンズアルデヒド(17.8mmol、1.0当量)、シクロプロピルアミン(3.13mL、44.5mmol、2.5当量)及びナトリウムシアノボロヒドリド(1.34g、21.4mmol、1.2当量)のMeOH(100mL)溶液を、氷酢酸(3.06mL、53.4mmol、3.0当量)を滴加することにより処理した。得られた溶液を室温で一夜、16時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を滴加することにより反応混合物をクエンチし、減圧濃縮してMeOHを除去した。飽和NaHCO3水溶液(150mL)を収容する250mL分液漏斗内に粗残留物を注ぎ、EtOAcで抽出した(3x50mL)。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。FCで精製して、ベンズアミン生成物を得た。
【0085】
シクロプロピルベンズアミンのBoc-保護のための一般的な手順:
【0086】
【化12】

CH2Cl2(50mL)と1M NaOH水溶液(50mL)との二層混合物中のシクロプロピルベンズアミン(43.7mmol、1.0当量)の溶液を、Boc2O(15.1mL、65.6mmol、1.5当量)で処理した。混合物を室温で16時間激しく撹拌した。H2O(300mL)を収容する500mL分液漏斗内に混合物を注ぎ、CH2Cl2で抽出した(3x100mL)。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。FCで精製して、Boc保護アミンを得た。
【0087】
Boc保護シクロプロピルベンズアミンのアリル化のための一般的な手順:
【0088】
【化13】

火炎乾燥丸底フラスコ又はSchlenk管内に、Pd[PCy3]2(0.05当量)、CsF(2.0当量)及び対応する臭化アリール(1.0当量)をN2下で加えた。出発物質として塩化アリールを用いた場合、Pd[PCy3]2触媒の代わりに(Pd[PtBu3]Br)2ニ量体(0.025当量)を使用した。フラスコ内の気体を減圧排除し(0.1mmHg)、N2で再度満たした(3回繰り返し)。得られた固体を無水THF又はジオキサン(0.15M溶液)に溶解し、トリ-n-ブチルアリル錫(1.5当量)を加え、得られた混合物を、TLCが出発物質の完全な消費を示す迄、8〜16時間還流した。反応混合物を室温に冷却し、ガラスフィルター上のシリカゲルパッドを介して濾過し、Et2Oで洗浄した。濾液を濃縮し、FCで精製して、対応するアリルベンズアミド誘導体を与えた。
【0089】
アリルベンズアミンのハイドロボレーション/酸化のための一般的な手順:
【0090】
【化14】

マグネットスターラーバーを装備した火炎乾燥丸底フラスコ内に、アリルベンズアミン(1.0当量)及び無水THF(0.3M溶液)を加えた。溶液を0℃に冷却し、ボラン-ジメチルスルヒド複合体(1.1当量)を20分間かけて滴加した。溶液を0℃で1時間撹拌した後、室温まで暖め、更に2時間撹拌した。溶液を0℃に冷却し、1M NaOH水溶液を滴加し(注意−発熱反応)、次に30%H2O2水溶液を滴加した。混合物を室温まで暖め、2時間撹拌した。H2Oを収容する分液漏斗内に混合物を注ぎ、Et2Oで抽出した(3回)。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。FCで精製して、所望のアルコール生成物を得た。
【0091】
アリルベンズアミンの酸化的切断/還元のための一般的な手順:
【0092】
【化15】

アリルベンズアミン(1.0当量)のCH2Cl2溶液(0.4M溶液)を、-78℃に冷却し、ガスディスパージョンチューブを用いて溶液中にO3ガスを導入した。TLCで測定して全出発物質が消費される迄、オゾンガスを導入し、反応混合物は淡青色を保持した。反応物を-78℃で20分撹拌した後、EtOH(0.5M溶液)及びNaBH4(2.5当量)を加えた。混合物を一夜(16時間)、室温まで暖めた。飽和NH4Cl水溶液(5mL)を滴加して反応混合物をクエンチし、飽和NH4Cl水溶液を収容する分液漏斗内に注いだ。混合物をEt2Oで抽出した(3回)。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。FCで精製して、所望のアルコールを得た。
【0093】
ヨウ化メチルによる芳香族第一級アルコールのエーテル化のための一般的な手順:
【0094】
【化16】

第一級アルコール(1.0当量)のTHF(0.25M溶液)中の懸濁液を0℃に冷却し、NaH(油中60%、2.0当量)で処理した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温で更に30分撹拌した。縣濁液を再度0℃に冷却した後、MeI(8.0当量)を一部で加えた。反応混合物を0℃で30分撹拌し、室温で30分撹拌した後、TLCで測定して全出発物質が消費される迄、4時間加熱還流した。冷却した反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液を滴加してクエンチし、飽和NH4Cl水溶液を収容する分液漏斗内に注ぎ、EtOAcで抽出した(3回)。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。FCで精製して、メチルエーテルを得た。
【0095】
Boc保護シクロプロピルベンズアミンの脱保護のための一般的な手順:
【0096】
【化17】

Boc保護シクロプロピルベンズアミン(1.0当量)のCH2Cl2溶液(0.1〜0.5M溶液)に、ジオキサン中4M HCl(5.0当量)を加えた。得られた混合物を、TLCが出発物質の完全な変換を示す迄、室温で8〜16時間撹拌した。1M NaOH水溶液を収容する分液漏斗内に反応物を注ぎ、CH2Cl2で抽出した(3回)。FCで精製して、対応する遊離アミンを得た。
【0097】
(5-ブロモ-2-クロロ-ベンジルオキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン
(5-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-メタノール(12.8g、55.6mmol)及びイミダゾール(9.42g、138mmol)のDMF(190mL)溶液に、TBDMS-Cl(10.6g、66.7mmol)を0℃加えた。混合物を0℃で2時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液を加えた。混合物をヘプタンで抽出した(2x)。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(ヘプタン→EtOAc/ヘプタン1:49)で精製して、表題の化合物(18.0g、96%)を得た。LC-MS:tR=1.22分.
【0098】
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンズアルデヒド
(5-ブロモ-2-クロロ-ベンジルオキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン(16.7g、49.7mmol)のTHF(500mL)溶液に、BuLi(ヘキサン中1.6M、46.6mL、74.6mmol)を加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌し、-70℃を越えて上昇しないような速度でDMF(19.2mL、249mmol)を加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌し、室温まで暖めた。混合物を飽和NH4Cl水溶液上に注いだ。得られた混合物をEtOAcで数回抽出した。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(EtOAc/ヘプタン1:4)で精製して、表題の化合物(11.2g、79%)を得た。LC-MS:tR=1.15分.
【0099】
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-(2,2-ジフルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンズアルデヒド(1.50g、5.27mmol)のMeOH(53mL)溶液に、2,2-ジフルオロエチルアミン(660mg、7.90mmol)を加えた。混合物を4時間加熱還流し、室温に冷却させた。NaBH4(300mg、7.90mmol)を注意深く一部ずつ加え、混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた油状物をEtOAcで希釈した。混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-(2,2-ジフルオロ-エチル)-アミン(1.86g)を透明な粗油状物として獲得し、これをそのまま更に使用した。この粗材料をCH2Cl2(53mL)に溶解し、DIPEA(2.7mL、15.6mmol)を加えた後、Boc2O(1.70g、7.90mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。該混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、1M HCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液、及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン5:95)で精製して、表題の化合物(2.27g、96%)を得た。LC-MS:tR=1.22分.
【0100】
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-(2,2-ジフルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-(2,2-ジフルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(2.15g、4.78mmol)のTHF(48mL)溶液に、TBAF(THF中1M、9.57mL、9.57mmol)を0℃で滴加した。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。該混合物をEtOAcで希釈し、得られた混合物を飽和NH4Cl(2x)及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン30:70)で精製して、表題の化合物(591mg、37%)を得た。LC-MS:tR=0.97分;ES+:336.09.
【0101】
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-(2,2-ジフルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-(2,2-ジフルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(577mg、1.72mmol)のCH3CN(35mL)溶液にMnO2(830mg、8.59mmol)を加えた。混合物を室温で4.5時間撹拌し、MnO2(830mg、8.59mmol)を再度加えた。混合物を1時間撹拌した。該混合物をCeliteで濾過し、沈殿をCH3CN及びCH2Cl2で洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させて表題の粗化合物(563mg、98%)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.03分.
【0102】
(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-(2,2-ジフルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-(2,2-ジフルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(563mg、1.69mmol)及びシクロプロピルアミン(0.180mL、2.52mmol)のMeOH(18mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させた。NaBH4(96mg、2.53mmol)を一部ずつ加え、反応物を1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた油状物をEtOAcで希釈した。混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(558mg、88%)を得た。LC-MS:tR=0.76分;ES+:375.17.
【0103】
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンズアルデヒドオキシム
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンズアルデヒド(12.7g、44.6mmol)をCH3CN(53mL)に溶解した。この溶液にNaHCO3(11.2g、134mmol)を加え、混合物を5分間激しく撹拌した。水(96mL)を加え、混合物を10分間撹拌した。NH2OH.HCl(6.20g、89.2mmol)を滴加し、次にTBAC(622mg、2.24mmol)を滴加した。混合物を室温で1時間撹拌し、AcOH(4.00mL)をpH6〜7となるまで滴加した。混合物を水(100mL)で希釈し、この混合物をEt2Oで抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物を高真空下で乾燥して、表題の粗化合物(15.1g、98%)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.09分;ES+:341.13.
【0104】
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジルアミン
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンズアルデヒドオキシム(13.0g、43.4mmol)のEt2O(433mL)溶液に、LiAlH4(4.11g、108mmol)を一部ずつ加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物に飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液(400mL)を注意深く加えた。混合物を3時間撹拌し、Et2Oで抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。高真空下で乾燥して、表題の粗化合物(12.4g、定量的収率)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=0.84分;ES+:327.37.
【0105】
N-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジルアミン(2.00g、7.00mmol)、DIPEA(4.80mL、28.0mmol)及び3,3,3-トリフルオロプロピオン酸(0.927mL、10.5mmol)のCH2Cl2(70mL)溶液に、TBTU(3.37g、10.5mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。CH2Cl2(30mL)を加え、混合物を飽和NH4Cl水溶液(2x)、1M NaOH水溶液(1x)及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン40:60)で精製して、表題の化合物(1.80g、65%)を得た。LC-MS:tR=1.10分;ES+:396.15.
【0106】
N-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド
N-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド(1.80g、4.55mmol)のTHF(45mL)溶液に、TBAF(THF中1M、9.10mL、9.10mmol)を0℃で加えた。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。EtOAc(100mL)を加え、混合物を飽和NH4Cl水溶液(3x)及び水(4x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン70:30)で精製して、表題の化合物(835mg、65%)を得た。LC-MS:tR=0.76分;ES+:323.02.
【0107】
N-(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド
N-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド(841mg、2.99mmol)のCH3CN(60mL)溶液に、MnO2(1.44g、14.9mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。MnO2(1.44g、14.9mmol)を再度加え、混合物を90分間撹拌した。混合物をCeliteで濾過し、沈殿をCH3CN及びCH2Cl2で洗浄した。溶媒を減圧除去し、残留物を高真空下で乾燥して、表題の粗化合物(840mg、定量的収率)を獲得し、これを精製せずに使用した。LC-MS:tR=0.84分;ES+:341.21.
【0108】
N-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド
N-(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド(840mg、3.00mmol)及びシクロプロピルアミン(0.320mL、4.51mmol)のMeOH(30mL)中の混合物を4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させた。NaBH4(170mg、4.51mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。残留物をEtOAcで希釈し、得られた混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 90:10)で精製して、表題の化合物(929mg、96%)を得た。LC-MS:tR=0.64分;ES+:321.05.
【0109】
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-シクロプロピルメチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジルアミン(2.00g、7.00mmol)及びシクロプロパンカルボキシアルデヒド(0.784mL、10.5mmol)のMeOH(70mL)中の混合物を4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させた。NaBH4(397mg、10.5mmol)を一部ずつ加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた油状物をEtOAcで希釈した。得られた混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-シクロプロピルメチル-アミンを得た。この粗生成物をCH2Cl2(70mL)に溶解した。DIPEA(3.60mL、21.0mmol)及びBoc2O(2.30g、10.5mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、該混合物をCH2Cl2(30mL)で希釈した。得られた混合物を1M HCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液、及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(ヘプタン→EtOAc/ヘプタン10:90)で精製して、Boc2Oが混入した表題の化合物(3.60g、定量的収率)を得た。LC-MS:tR=1.25分;ES+:440.80.
【0110】
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-シクロプロピルメチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-シクロプロピルメチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(3.08g、7.00mmol)のTHF(68mL)溶液に、TBAF(THF中1M、14.0mL、14.0mmol)を0℃で加えた。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。EtOAcを加え、混合物を飽和NH4Cl水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2→CH2Cl2/MeOH 9:1)で精製して、表題の化合物(1.00g、44%)を得た。LC-MS:tR=0.99分;ES+:326.10.
【0111】
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-シクロプロピルメチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-シクロプロピルメチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.00g、3.07mmol)のCH3CN(61mL)溶液に、MnO2(1.48g、15.3mmol)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌し、MnO2(1.48g、15.3mmol)を再度加えた。混合物を1時間撹拌し、Celiteで濾過した。沈殿をCH3CN及びCH2Cl2で洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させた。残留物を高真空下で乾燥して、表題の粗化合物(1.00g、定量的収率)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.06分.
【0112】
(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピルメチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-シクロプロピルメチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.00g、3.09mmol)、Et3N(0.646mL、4.64mmol)及びシクロプロピルアミン(0.325mL、4.64mmol)のMeOH(10.5mL)中の混合物を4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(292mg、7.71mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液を加えた。混合物をEtOAcで抽出した(2x)。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(MeOH/CH2Cl21:49)で精製して、表題の化合物(535mg、48%)を得た。LC-MS:tR=0.81分;ES+:406.20.
【0113】
N-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-アセトアミド
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジルアミン(2.00g、7.00mmol)及びDIPEA(4.80mL、28.0mmol)のCH2Cl2(70mL)溶液に、AcCl(0.547mL、7.70mmol)を0℃で加えた。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。CH2Cl2(30mL)を加え、混合物を飽和NH4Cl水溶液(2x)、1M NaOH水溶液(1x)及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン60:40)で精製して、表題の化合物(2.10g、91%)を得た。LC-MS:tR=1.07分;ES+:369.19.
【0114】
N-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-アセトアミド
N-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-アセトアミド(2.05g、6.00mmol)のTHF(60mL)溶液に、TBAF(THF中1M、12.0mL、12.0mmol)を0℃加えた。混合物を室温まで暖めながら2時間撹拌した。EtOAc(100mL)を加え、混合物を飽和NH4Cl水溶液(1x)及び水(4x1)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 90:10)で精製して、表題の化合物(750mg、59%)を得た。LC-MS:tR=0.63分;ES+:237.09.
【0115】
N-(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-アセトアミド
N-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-アセトアミド(588mg、2.75mmol)のCH3CN(27mL)溶液にNMO(1.15g、8.26mmol)を加えた。溶液を室温で30分間撹拌し、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(97mg、0.28mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、Celiteで濾過した。沈殿をCH3CNで洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させた。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(382mg、66%)を得た。LC-MS:tR=0.71分;ES+:253.07.
【0116】
N-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-アセトアミド
N-(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-アセトアミド(382mg、1.81mmol)及びシクロプロピルアミン(0.194mL、2.71mmol)のMeOH(18mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(102mg、2.71mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。EtOAc(50mL)を加え、得られた混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(371mg、81%)を得た。LC-MS:tR=0.53分;ES+:253.11.
【0117】
tert-ブチル-[2-クロロ-5-(2-ニトロ-ビニル)-ベンジルオキシ]-ジメチル-シラン
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンズアルデヒド(14.0g、49.1mmol)及び酢酸アンモニウム(3.79g、49.1mmol)のニトロメタン(8.19mL、152mmol)及びAcOH(39mL)中の混合物を、3時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、水上に注いだ。得られた混合物をEtOAcで数回抽出した。一緒にした有機抽出物を水及び飽和NaHCO3水溶液で数回洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物を一夜、高真空下で乾燥し、DMF(217mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、イミダゾール(8.36g、123mmol)及びTBDMS-Cl(8.84g、58.6mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液上に注いだ。得られた混合物をEtOAcで数回抽出した。一緒にした有機抽出物を水及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン2:8)で精製して、表題の化合物(9.50g、59%)を得た。LC-MS:tR=1.18分.
【0118】
2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチルアミン
tert-ブチル-[2-クロロ-5-(2-ニトロ-ビニル)-ベンジルオキシ]-ジメチル-シラン(3.95g、11.5mmol)のEt2O(115mL)溶液にLiAlH4(1.09g、28.7mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加えた。混合物を1時間撹拌し、層を分離した。水層をEt2Oで数回抽出した。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物を高真空下で乾燥して、表題の粗化合物(3.20g、93%)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=0.90分;ES+:341.18.
【0119】
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
K2CO3(728mg、5.27mmol)及びメチルクロロホルメート(0.405mL、5.27mmol)を、2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチルアミン(1.05gmg、3.51mmol)のCH2Cl2(36mL)溶液に加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、メチルクロロホルメート(0.304mL、3.95mmol)を再度加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、メチルクロロホルメート(0.304mL、3.95mmol)を再度加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、CH2Cl2(30mL)を加えた。得られた混合物を飽和NH4Cl水溶液(2x)、10%K2CO3水溶液(1x)及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-カルバミン酸メチルエステルを得た。この粗生成物をTHF(36mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、LiAlH4(400mg、10.5mmol)を一部ずつ注意深く加えた。混合物を室温まで暖め、室温で一夜撹拌した。混合物を飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液(50mL)上に注ぎ、該混合物を室温で2時間撹拌した。混合物Et2Oで抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-メチル-アミンを得た。この粗生成物をCH2Cl2(36mL)に溶解した。DIPEA(1.80mL、10.5mmol)を加えた後、Boc2O(2.30g、10.5mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、CH2Cl2(50mL)を加えた。混合物を1M HCl水溶液、ブライン、飽和NaHCO3水溶液、及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン4:1)で精製して、表題の化合物(1.00g、91%)を得た。LC-MS:tR=0.84分;ES+:355.23.
【0120】
[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(600mg、1.45mmol)のTHF(14.2mL)溶液に、TBAF(THF中1M、2.90mL、2.90mmol)を0℃で加えた。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。EtOAcを加え、混合物を飽和NH4Cl水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 19:1)で精製して、表題の化合物(435mg、定量的収率)を得た。LC-MS:tR=0.93分.
【0121】
[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(435mg、1.45mmol)のCH2Cl2(30mL)溶液にNMO(607mg、4.35mmol)を加えた。混合物を30分間撹拌し、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(51.0mg、0.145mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、Celiteで濾過した。濾液を減圧下で蒸発させた。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH19:1)で精製して、表題の化合物(330mg、76%)を得た。LC-MS:tR=1.00分.
【0122】
[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(325mg、1.09mmol)、Et3N(0.228mL、1.64mmol)及びシクロプロピルアミン(0.115mL、1.64mmol)のMeOH(3.66mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(103mg、2.73mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液を加えた。該混合物をEtOAcで数回抽出した。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFCで精製して、表題の化合物(186mg、50%)を得た。LC-MS:tR=0.79分;ES+:339.39.
【0123】
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
K2CO3(363mg、2.63mmol)及びメチルクロロホルメート(0.202mL、2.63mmol)を、3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジルアミン(500mg、1.76mmol)のCH2Cl2(18mL)溶液に加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、メチルクロロホルメート(0.151mL、1.97mmol)を再度加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、CH2Cl2(30mL)を加えた。得られた混合物を飽和NH4Cl水溶液(2x)、10%K2CO3水溶液(1x)及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-カルバミン酸メチルエステルを得た。この粗生成物をTHF(18mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、LiAlH4(200mg、5.27mmol)を一部ずつ注意深く加えた。混合物を室温まで暖め、室温で一夜撹拌した。混合物を飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液(50mL)上に注ぎ、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-メチル-アミンを得た。この粗生成物をCH2Cl2(18mL)に溶解した。DIPEA(0.900mL、5.26mmol)を加えた後、Boc2O(1.15g、5.27mmol)を加えた。混合物を室温で一夜撹拌し、CH2Cl2(50mL)を加えた。該混合物を1M HCl水溶液、ブライン、飽和NaHCO3水溶液、及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン50:50)で精製して、表題の化合物、Boc2O、及び[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-ベンジル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステルの混合物(0.900g)を得た。表題の化合物が439mg(83%)を占めるこの粗混合物を、精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.10分;ES+:344.13.
【0124】
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(450mg、1.13mmol)のTHF(11mL)溶液にTBAF(THF中1M、2.25mL、2.25mmol)を0℃で加えた。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。EtOAc(50mL)を加え、得られた混合物を飽和NH4Cl水溶液(2x)及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン40:60)で精製して、表題の化合物(110mg、34%)を得た。LC-MS:tR=0.91分;ES+:271.10.
【0125】
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(110mg、0.385mmol)のCH3CN(7.70mL)溶液にMnO2(372mg、3.85mmol)を加えた。混合物を室温で4.5時間撹拌し、MnO2(186mg、1.93mmol)を再度加えた。混合物を1時間撹拌し、Celiteで濾過した。沈殿をCH3CN及びCH2Cl2で洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させた。残留物を高真空下で乾燥して、表題の粗化合物(95mg、87%)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=0.99分.
【0126】
(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(95mg、0.335mmol)及びシクロプロピルアミン(0.036mL、0.50mmol)のMeOH(3.30mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(19mg、0.50mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた油状物をEtOAc(20mL)で希釈し、この混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(CH2Cl2/MeOH 90:10)で精製して、表題の化合物(81mg、75%)を得た。LC-MS:tR=0.73分;ES+:366.20.
【0127】
N-{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド
2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチルアミン(1.30g、4.33mmol)、3,3,3-トリフルオロプロピオン酸(0.574mL、6.50mmol)及びDIPEA(2.97mL、17.3mmol)のCH2Cl2(43mL)溶液にTBTU(2.09g、6.50mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、CH2Cl2を加えた。混合物を飽和NH4Cl水溶液、10%Na2CO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン60:40)で精製して、表題の化合物(500mg、28%)を得た。LC-MS:tR=1.12分;ES+:410.14.
【0128】
N-[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド
N-{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド(500mg、1.22mmol)のTHF(15.8mL)溶液にTBAF(THF中1M、2.46mL、2.46mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液を加えた。混合物を、EtOAcで抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物を水で洗浄し(4x)、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(CH2Cl2/MeOH 19:1)で精製して、表題の化合物(230mg、64%)を得た。LC-MS:tR=0.79分.
【0129】
N-[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド
N-[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド(225mg、0.761mmol)のCH2Cl2(16mL)溶液にNMO(318mg、2.28mmol)を加えた。混合物を30分撹拌し、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(26.7mg、0.076mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、Celiteで濾過した。濾液を減圧下で蒸発させた。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 19:1)で精製して、表題の化合物(180mg、81%)を得た。LC-MS:tR=0.88分;ES+:335.28.
【0130】
N-[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド
N-[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミド(175mg、0.596mmol)、Et3N(0.125mL、0.896mmol)及びシクロプロピルアミン(0.063mL、0.90mmol)のMeOH(2.00mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(56.4mg、1.49mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液を加えた。混合物をEtOAcで数回抽出し、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(130mg、65%)を得た。LC-MS:tR=0.65分;ES+:335.12.
【0131】
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-エチル-アミン
2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチルアミン(1.05g、3.50mmol)及びアセトアルデヒド(1.19mL、21.0mmol)のMeOH(35mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(198mg、5.25mmol)を一部ずつ加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた油状物をEtOAcで希釈し、混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 19:1→9:1)で精製して、表題の化合物(320mg、28%)を得た。LC-MS:tR=0.90分;ES+:369.22.
【0132】
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-エチル-アミン(320mg、0.976mmol)、DIPEA(0.501mL、2.93mmol)及びBoc2O(320mg、1.47mmol)のCH2Cl2(10mL)中の混合物を、室温で2時間撹拌した。CH2Cl2(30mL)を加え、混合物をHCl水溶液1M、飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン20:80)で精製して、表題の化合物(298mg、71%)を得た。LC-MS:tR=1.25分;ES+:428.19.
【0133】
[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(298mg、0.696mmol)のTHF(6.82mL)溶液にTBAF(THF中1M、1.39mL、1.39mmol)を0℃で加えた。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。EtOAcを加え、混合物を飽和NH4Cl水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 19:1)で精製して、表題の化合物(110mg、50%)を得た。LC-MS:tR=0.97分;ES+:314.11.
【0134】
[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(110mg、0.319mmol)のCH2Cl2(7.0mL)溶液にNMO(133mg、0.956mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(11.2mg、0.032mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、Celiteで濾過した。濾液を減圧下で蒸発させた。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 49:1)で精製して、表題の化合物(80mg、80%)を得た。LC-MS:tR=1.07分.
【0135】
[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(80.1mg、0.257mmol)、Et3N(0.054mL、0.386mmol)及びシクロプロピルアミン(0.027mL、0.386mmol)のMeOH(0.86mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(24.2mg、0.642mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液を加えた。該混合物をEtOAcで数回抽出し、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(40mg、44%)を得た。LC-MS:tR=0.81分;ES+:353.22.
【0136】
N-{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-アセトアミド
2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチルアミン(252mg、0.840mmol)及びDIPEA(0.575mL、3.36mmol)のCH2Cl2(8.4mL)溶液にAcCl(0.063mL、0.88mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液を加えた。層を分離し、有機層を1M NaOH水溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 19:1)で精製して、表題の化合物(190mg、66%)を得た。LC-MS:tR=1.09分;ES+:342.19.
【0137】
N-[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-アセトアミド
N-{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-アセトアミド(190mg、0.555mmol)のTHF(7.10mL)溶液にTBAF(THF中1M、1.12mL、1.12mmol)を0℃で加えた。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加え、混合物をEtOAcで抽出した(3x)。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 19:1)で精製して、表題の化合物(100mg、79%)を得た。LC-MS:tR=0.67分;ES+:284.11.
【0138】
N-[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-アセトアミド
N-[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-アセトアミド(100mg、0.439mmol)のCH2Cl2(9.22mL)溶液にNMO(184mg、1.32mmol)を加えた。混合物を30分間撹拌し、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(15.5mg、0.044mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、Celiteで濾過した。濾液を減圧下で蒸発させた。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 49:1)で精製して、表題の化合物(50mg、50%)を得た。LC-MS:tR=0.75分;ES+:267.10.
【0139】
N-[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-アセトアミド
N-[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-アセトアミド(50.1mg、0.222mmol)、Et3N(0.046mL、0.332mmol)及びシクロプロピルアミン(0.023mL、0.332mmol)のMeOH(0.50mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(21.0mg、0.554mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液を加えた。混合物をEtOAcで数回抽出し、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(35mg、59%)を得た。LC-MS:tR=0.59分;ES+:267.17.
【0140】
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-(2-フルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンズアルデヒド(1.50g、5.27mmol)、DIPEA(1.80mL、10.5mmol)及び2-フルオロエチルアミン塩酸塩(873mg、7.90mmol)のMeOH(53mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。反応物を室温に冷却させ、NaBH4(300mg、7.91mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。EtOAc(100mL)を加え、混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-(2-フルオロ-エチル)-アミンを得た。この粗生成物をCH2Cl2(70mL)中で希釈した。DIPEA(2.70mL、15.8mmol)を加えた後、Boc2O(1.70g、7.91mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。該混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、1M HCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン10:90)で精製して、表題の化合物(1.92g、85%)を得た。LC-MS:tR=1.22分;ES+:417.17.
【0141】
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-(2-フルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-(2-フルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.91g、4.42mmol)のTHF(44.2mL)溶液にTBAF(THF中1M、8.84mL、8.84mmol)を0℃で加えた。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。EtOAc(100mL)を加え、得られた混合物を飽和NH4Cl水溶液(2x)及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン30:70)で精製して、表題の化合物(901mg、64%)を得た。LC-MS:tR=0.64分;ES+:318.07.
【0142】
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-(2-フルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-(2-フルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(801mg、2.52mmol)のCH3CN(50mL)溶液にMnO2(1.22g、12.6mmol)を加えた。混合物を室温で4.5時間撹拌し、MnO2(1.22g、12.6mmol)を再度加えた。混合物を1時間撹拌し、Celiteで濾過した。沈殿をCH3CN及びCH2Cl2で洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させた。残留物を高真空下で乾燥して、表題の粗化合物(800mg、定量的収率)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.01分.
【0143】
(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-(2-フルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-(2-フルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(850mg、2.69mmol)及びシクロプロピルアミン(0.290mL、4.05mmol)のMeOH(27mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(153mg、4.40mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、EtOAcを加えた。得られた混合物を、飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(845mg、88%)を得た。LC-MS:tR=0.76分;ES+:357.19.
【0144】
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジルアミン(2.00g、7.00mmol)のMeOH(70mL)溶液にアセトアルデヒド(2.4mL、42mmol)を加えた。混合物を4時間加熱還流し、室温に冷却させた。NaBH4(397mg、10.5mmol)を一部ずつ1時間かけて加えた。溶媒を減圧除去した。残留物をEtOAc(100mL)で希釈し、得られた混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-エチル-アミン(3.07g)を得た。この粗材料をCH2Cl2(70mL)に溶解した。DIPEA(3.60mL、21.0mmol)を加えた後、Boc2O(2.29g、10.5mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。該混合物をCH2Cl2(30mL)で希釈し、1M HCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン5:95)で精製して、表題の化合物(850mg、29%)を得た。LC-MS:tR=1.23分;ES+:414.23.
【0145】
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(628mg、1.52mmol)のTHF(14.9mL)溶液にTBAF(THF中1M、3.03mL、3.03mmol)を0℃で滴加した。混合物を室温まで暖めながら1時間撹拌した。EtOAcを加え、混合物を飽和NH4Cl水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(MeOH/CH2Cl219:1)で精製して、表題の化合物(300mg、66%)を得た。LC-MS:tR=0.98分;ES+:300.28.
【0146】
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(295mg、0.984mmol)のCH3CN(20mL)溶液にMnO2(475mg、4.92mmol)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、MnO2(475mg、0.984mmol)を再度加えた。混合物を1時間撹拌し、Celiteで該混合物を濾過し、CH3CN及びCH2Cl2で洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させて、表題の粗化合物(240mg、82%)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.02分.
【0147】
(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(240mg、0.806mmol)、シクロプロピルアミン(0.085mL、1.2mmol)及びEt3N(0.169mL、1.21mmol)のMeOH(2.7mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(76.2mg、2.01mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液を加えた。混合物をEtOAcで数回抽出した。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(MeOH/CH2Cl21:49)で精製して、表題の化合物(125mg、46%)を得た。LC-MS:tR=0.78分;ES+:380.20.
【0148】
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンズアルデヒド(1.73g、6.06mmol)及びシクロプロピルアミン(0.64mL、9.1mmol)のMeOH(60mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(344mg、9.09mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、水(20mL)を加えた。溶媒を一部減圧除去した。得られた水性懸濁液を水(50mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液、及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-アミン(1.54g)を得た。この粗材料をCH2Cl2(60mL)に溶解した。DIPEA(3.1mL、18mmol)を加えた後、Boc2O(1.98g、9.09mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2(40mL)を加え、混合物を1M HCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(ヘプタン→EtOAc/ヘプタン5:95)で精製して、表題の化合物(1.54g、78%)を得た。LC-MS:tR=1.26分;ES+:426.14.
【0149】
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(700mg、1.64mmol)のMeOH(32mL)溶液に1M NaOH水溶液(16mL)を加えた。混合物を2時間加熱還流し、室温に冷却させた。溶媒を一部減圧除去し、得られた水層を水(100mL)で希釈した。混合物をEt2Oで抽出した(3x)。一緒にした有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン40:60)で精製して、表題の化合物(550mg、定量的収率)を得た。LC-MS:tR=0.98分;ES+:312.04.
【0150】
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-ベンジル)-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(526mg、1.69mmol)のCH3CN(34mL)溶液にMnO2(815mg、8.44mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、Celiteで濾過し、CH3CN及びCH2Cl2で洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させて、表題の粗化合物(563mg、定量的収率)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.05分;ES+:310.04.
【0151】
(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
(4-クロロ-3-ホルミル-ベンジル)-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(563mg、1.82mmol)及びシクロプロピルアミン(0.195mL、2.73mmol)のMeOH(18mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(103mg、2.73mmol)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた油状物をEtOAc(100mL)で希釈し、得られた混合物を、飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(343mg、54%)を得た。LC-MS:tR=0.78分;ES+:351.39.
【0152】
tert-ブチル-(2-クロロ-5-ビニル-ベンジルオキシ)-ジメチル-シラン
(5-ブロモ-2-クロロ-ベンジルオキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1.00g、2.98mmol)のジメトキシエタン(30mL)溶液にPd(PPh3)4(173mg、0.149mmol)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、K2CO3(411mg、2.98mmol)、水(10mL)及び4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.53mL、2.98mmol)を加えた。混合物を素早く加熱還流し、還流下で2時間撹拌した。混合物を室温に冷却させ、Et2O(100mL)で希釈した。混合物を水で洗浄し、水層をEt2Oで逆抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン5:95)で精製して、表題の化合物(822mg、98%)を得た。LC-MS:tR=1.22分.
【0153】
2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エタノール
tert-ブチル-(2-クロロ-5-ビニル-ベンジルオキシ)-ジメチル-シラン(800mg、2.83mmol)のTHF(28mL)溶液に、9-BBN(THF中0.5M、34.0mL、17.0mmol)を0℃で30分間かけて滴加した。混合物を0℃で30分間、室温で4時間撹拌した。該混合物を再度0℃に冷却し、1M NaOH水溶液(39.0mL)及びH2O2(33%、9.8mL、113mmol)を滴加した。混合物を室温まで暖めながら2時間撹拌し、0℃に冷却した。飽和Na2S2O3水溶液(100mL)を注意深く加え、この混合物を一夜、室温まで穏やかに暖めた。溶媒を一部減圧除去し、水性残留物をEtOAcで抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン40:60)で精製して、表題の化合物(677mg、80%)を得た。LC-MS:tR=1.10分;ES+:301.08.
【0154】
メタンスルホン酸2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチルエステル
2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エタノール(2.00g、6.65mmol)のCH2Cl2(66mL)溶液に、0℃でEt3N(1.02mL、7.31mmol)及び塩化メタンスルホニル(0.57mL、7.31mmol)を滴加した。反応物を0℃で1時間撹拌し、CH2Cl2(40mL)で希釈した。得られた混合物を飽和NH4Cl水溶液で洗浄した(2x)。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、表題の粗化合物(2.55g、定量的収率)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.13分;ES+:379.29.
【0155】
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-シクロプロピル-アミン
メタンスルホン酸2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチルエステル(1.76g、4.65mmol)のEtOH(46mL)溶液にシクロプロピルアミン(1.14mL、16.3mmol)を加えた。混合物を2時間加熱還流し、シクロプロピルアミン(0.57mL、8.2mmol)を再度加えた。混合物を一夜加熱還流し、室温に冷却させた。溶媒を減圧除去し、残留物をFC(EtOAc/ヘプタン50:50→7M NH3/MeOH)で精製して、表題の化合物(865mg、68%)を得た。LC-MS:tR=0.92分;ES+:340.39.
【0156】
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
DIPEA(2.61mL、5.60mmol)及びBoc2O(1.22g、5.60mmol)を、{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-シクロプロピル-アミン(1.73g、5.09mmol)のCH2Cl2(50mL)溶液に加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。該混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液、飽和NH4Cl水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン10:90)で精製して、表題の化合物(2.14g、96%)を得た。LC-MS:tR=1.26分.
【0157】
[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
{2-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-クロロ-フェニル]-エチル}-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(2.10g、4.77mmol)のMeOH(96mL)中の懸濁液に、1M NaOH水溶液(48mL)を加えた。混合物を90分間加熱還流した。該混合物を室温に冷却させ、溶媒を一部減圧除去した。得られた水性混合物を水(100mL)で希釈し、Et2Oで抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン40:60)で精製して、表題の化合物(1.34g、86%)を得た。LC-MS:tR=0.98分;ES+:326.30.
【0158】
[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[2-(4-クロロ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチル]-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.33g、4.08mmol)のCH3CN(41mL)溶液に、1M NaOH水溶液(48mL)を加えた。混合物を室温で一夜撹拌した。混合物をCeliteで濾過し、CH3CN及びCH2Cl2で洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させて、表題の粗化合物(1.32g、定量的収率)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.05分.
【0159】
[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
[2-(4-クロロ-3-ホルミル-フェニル)-エチル]-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.32g、4.08mmol)及びシクロプロピルアミン(0.438mL、6.1mmol)のMeOH(41mL)中の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却させ、NaBH4(232mg)を一部ずつ加えた。混合物を1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。EtOAc(100mL)を加え、混合物を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 95:5)で精製して、表題の化合物(883mg、59%)を得た。LC-MS:tR=0.82分;ES+:365.38.
【0160】
(rac.)-(1R*,5S*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3,6,9-トリカルボン酸3,9-ジ-tert-ブチルエステル6-エチルエステル(A1)
化合物F3(56.0g、106mmol)、2-クロロ-3,6-ジフルオロフェノール(34.8g、211mmol)、アザジカルボン酸ジピペリジド(53.4g、211mmol)及びPBu3(85%、83mL、317mmol)のトルエン(1.20L)中の混合物を、窒素下で1時間加熱還流する。混合物を室温に冷却させる。混合物をEtOAc(2.00L)で希釈し、該混合物を1M NaOH水溶液(2x900mL)で洗浄する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去する。残留物をFC(EtOAc/ヘプタン1:19→1:1)で精製して、表題の化合物(67.5g、94%)を得る。LC-MS:tR=1.24分;ES+:617.25.
【0161】
6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-5',6'-ジヒドロ-2'H-[3,4']ビピリジニル-1',3'-ジカルボン酸1'-tert-ブチルエステル3'-メチルエステル(A2)
5-ブロモ-2-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-ピリジン(13.0g、34.5mmol)のTHF(700mL)溶液に、BuLi(ヘキサン中1.6M、39.3mL、45.2mmol)を-78℃で加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、ZnCl2(THF中0.72M、78.6mL、56.5mmol)を加えた。混合物を室温に暖めた。4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(WO2004/002957、11.0g、28.3mmol)及びPd(PPh3)4(813mg、0.704mmol)を加えた。混合物を70℃で30分間撹拌し、次に室温で一夜撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加え、混合物をEtOAcで抽出した(2x)。有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(ヘプタン/EtOAc 9:1→5:5)で精製して、表題の化合物(10.7g、70%)を得た。LC-MS:tR=1.16分;ES+:537.33.
【0162】
(rac.)-(1R*,5S*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノン-7-エン-3,6,9-トリカルボン酸3,9-ジ-tert-ブチルエステル(B1)
マグネットスターラーを装備した250mL丸底フラスコ内で、化合物A1(4.72g、6.97mmol)をEtOH(100mL)に溶解する。次に、これに1M NaOH水溶液(50mL)を加え、得られた無色溶液を80℃で14時間加熱する。得られた薄桃色溶液を室温に冷却させ、注意深くpH1.5に酸性化する。揮発性物質を真空下で除去し、得られた残留物をEtOAc(300mL)と水(300mL)間に分割する。水相を分離し、EtOAcで逆抽出する(3x300mL)。次に、一緒にした有機抽出物をブライン(500mL)で洗浄し、活性炭で脱色し、MgSO4上で乾燥する。Celiteベッドを介して濾過し、無色濾液を真空下で濃縮して、白色泡状物を得る。(rac.)-(1R*,5S*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3,6,9-トリカルボン酸3,9-ジ-tert-ブチルエステル[1.01g、22%;Rf=0.55(1:1Hex:EtOAc+1%AcOH)]と表題の化合物(2.77g、61%)とは、FC(SiO2、2:1ヘキサン:EtOAc+1%AcOH)を用いて分離し得る。残留AcOHは、最初にヘプタンと共沸させ、次にトルエンと共沸させることにより、定量的に除去し得る。Rf=0.50(1:1Hex:EtOAc+1%AcOH);ES−=646.8.
【0163】
7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-3,6,9-トリカルボン酸3,9-ジ-tert-ブチルエステル(E1)の4種の可能なジアステレオ異性体の混合物
マグネットスターラーを装備した250mL丸底フラスコ内で、化合物B1(1.17g、1.80mmol)及びPd/C(10%w/w、1.20g)をMeOH(100mL)中に懸濁させる。得られた縣濁液を脱酸素した後、H2ガスを15分間フラッシュする。最後に、バルーンで維持した固定的なH2雰囲気下にて、反応混合物を室温で激しく撹拌する。2時間後、化合物B1の定量的消費が認識され得る。次に、反応容器をN2で激しくパージし、Celite及びSiO2ベッドを介して縣濁液を濾過する。不溶物を大量のCH2Cl2及びEtOAcで洗浄した後、濾液を真空濃縮して、表題の化合物を4種のジアステレオマー混合物(1.116g、95%粗収率、ES−=648.9)として得る。この材料を、精製せずに更に使用する。
【0164】
(rac.)-(1R*,5S*,6R*,7S*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-6-[シクロプロピル-(2,3-ジクロロ-ベンジル)-カルバモイル]-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]-ノナン-3,9-ジカルボン酸ジ-tert-ブチルエステル(D2)及び(rac.)-(1R*,5S*,6R*,7R*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-6-[シクロプロピル-(2,3-ジクロロ-ベンジル)-カルバモイル]-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]-ノナン-3,9-ジカルボン酸ジ-tert-ブチルエステル(D1)
マグネットスターラーを装備した100mL丸底フラスコ内で、化合物E1(905mg、1.39mmol)、シクロプロピル-(2,3-ジクロロ-ベンジル)-アミン(2,3-ジクロロベンズアルデヒドとシクロプロピルアミンから、還元的アミノ化により調製、600mg、2.78mmol)、HOBt(282mg、2.08mmol)、及びDMAP(509mg、4.17mmol)をDMF(10mL)中で混合する。次に、EDC.HCl(400mg、2.08mmol)を加え、得られた黄色溶液を室温で撹拌し、反応の進行をLC-MSで追跡する。56時間後に進行が86%変換にて完全に停止したら、反応混合物を150mLのEt2Oで希釈し、冷10%HCl水溶液(150mL)でクエンチする。有機フラクションを分離し、水性フラクションをEt2Oで逆抽出する(3x100mL)。一緒にした有機抽出物を、1M NaOH水溶液(100mL)、水(150mL)及びブライン(150mL)で連続して洗浄する。MgSO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、白色泡状物を得る。カラムクロマトグラフィー(SiO2、1.5:1ヘキサン:Et2O)を用いて更に精製して、表題の化合物(0.8591g、73%)を16:80:4のジアステレオマー混合物として得る。
【0165】
かように得られた200mgの混合物を、次に10mLの95%CH3CN+4.9%H2O+0.1%ギ酸に溶解する。次に、この溶液を、Phenomenex Synes 4μ maxRP 80 angstrom 100x21.20 mmカラムを装備したHPLC上に、500μLフラクションにて注入する。定組成の95%CH3CN+4.9%H2O+0.1%ギ酸により20mL/分の速度で溶出して、2種の主なジアステレオマーを得る:
化合物D1:tR=5.04分、ES−=848.1、白色泡状物、40.0mg(20%単離収率)
化合物D2:tR=6.64分、ES−=848.1、白色泡状物、140.4mg(70%単離収率)
【0166】
(rac.)-(3R*,4S*)-3-[シクロプロピル-(2,3-ジメチルベンジル)カルバモイル]-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D3)
化合物E2(90mg、0.17mmol)、(2,3-ジメチルベンジル)シクロプロピル-アミン(2,3-ジメチルベンズアルデヒドとシクロプロピルアミンとの還元的アミノ化により調製、90mg、0.51mmol)、DMAP(5mg、0.04mmol)、DIPEA(0.118mL、0.69mmol)、HOBt(29mg、0.21mmol)及びEDC.HCl(49mg、0.26mmol)のCH2Cl2(3mL)溶液を、18時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、1M HCl水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。表題の化合物は、更に精製しなかった。LC-MS:tR=1.25分、ES+=681.37.
【0167】
(3R,4S)-3-{[5-クロロ-2-(3-メトキシプロピル)ベンジル]シクロプロピルカルバモイル}-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D4)
化合物E3(0.052g、0.10mmol)、[5-クロロ-2-(3-メトキシプロピル)-ベンジル]シクロプロピルアミン(0.073g、0.30mmol)、DMAP(0.003g、0.03mmol)、DIPEA(0.068mL、0.40mmol)、HOBt(0.017g、0.13mmol)及びEDC.HCl(0.029g、0.15mmol)のCH2Cl2(2mL)溶液を48時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、1M HCl水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。表題の化合物は、更に精製しなかった。LC-MS:tR=1.27分、ES+=761.44.
【0168】
(3R,4S)-3-{[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-カルバモイル}-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D5)
化合物E3(200mg、0.383mmol)、[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミン(120mg、0.473mmol)、HOBt(64.7mg、0.479mmol)、DMAP(11.7、0.096mmol)、DIPEA(0.262mL、1.53mmol)、及びEDC.HCl(110mg、0.574mmol)のCH2Cl2(4mL)中の混合物を、室温で48時間撹拌した。1M HCl水溶液で予め洗浄したIsolute(登録商標)を介して、混合物を濾過した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。FC(EtOAc)で精製して、表題の化合物(280mg、98%)を得た。LC-MS:tR=1.26分、ES+=747.54.
【0169】
(rac.)-(3R*,4S*)-3'-{[2-クロロ-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンジル]-シクロプロピル-カルバモイル}-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-3',4',5',6'-テトラヒドロ-2'H-[3,4']ビピリジニル-1'-カルボン酸tert-ブチルエステル(D6)
化合物E4(1.00g、1.90mmol)、[5-クロロ-2-(3-メトキシプロピル)-ベンジル]シクロプロピルアミン(531mg、2.09mmol)、DIPEA(1.30mL、7.61mmol)、DMAP(58.1mg、0.476mmol)、HOBt(321mg、2.38mmol)及びEDC.HCl(547mg、2.86mmol)のCH2Cl2(4mL)中の混合物を、室温で4日間撹拌した。EDC.HCl(100mg、0.506mmol)を再度加え、混合物を24時間撹拌した。CH2Cl2を加え、混合物を1M HCl水溶液(1x)、水(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2→CH2Cl2/MeOH97:3)で精製して、表題の化合物(1.14g、79%)を得た。LC-MS:tR=1.26分、ES+=762.50.
【0170】
(rac.)-(3R*,4S*)-3'-{[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-カルバモイル}-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-3',4',5',6'-テトラヒドロ-2'H-[3,4']ビピリジニル-1'-カルボン酸tert-ブチルエステル(D7)
化合物E4(1.00g、1.90mmol)、[5-クロロ-2-(3-メトキシエチル)-ベンジル]シクロプロピルアミン(533mg、2.09mmol)、DIPEA(1.30mL、7.61mmol)、DMAP(58.1mg、0.476mmol)、HOBt(321mg、2.38mmol)及びEDC.HCl(547mg、2.86mmol)のCH2Cl2(4mL)中の混合物を、室温で5日間撹拌した。EDC.HCl(100mg、0.506mmol)を再度加え、混合物を24時間撹拌した。CH2Cl2を加え、混合物を1M HCl水溶液(1x)、水(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(CH2Cl2→CH2Cl2/MeOH97:3)で精製して、表題の化合物(1.12g、79%)を得た。LC-MS:tR=1.24分、ES+=746.16.
【0171】
(3R,4S)-3-[(5-{[tert-ブトキシカルボニル-(2,2-ジフルオロ-エチル)-アミノ]-メチル}-2-クロロ-ベンジル)-シクロプロピル-カルバモイル]-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D8)
一般的条件Aに従って、化合物E3及び(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-(2,2-ジフルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.28分、ES+=880.26.
【0172】
(3R,4S)-3-({2-クロロ-5-[(3,3,3-トリフルオロ-プロピオニルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D9)
一般的条件Aに従って、化合物E3及びN-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミドから調製した。LC-MS:tR=1.21分、ES+=828.20.
【0173】
(3R,4S)-3-({5-[(tert-ブトキシカルボニル-シクロプロピルメチル-アミノ)-メチル]-2-クロロ-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D10)
一般的条件Aに従って、化合物E3及び(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピルメチル-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.31分、ES+=872.31.
【0174】
(3R,4S)-3-{[5-(アセチルアミノ-メチル)-2-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-カルバモイル}-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D11)
一般的条件Aに従って、化合物E3及び(N-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-アセトアミドから調製した。LC-MS:tR=1.19分、ES+=758.22.
【0175】
(3R,4S)-3-({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-エチル]-2-クロロ-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D12)
一般的条件Aに従って、化合物E3及び[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.29分、ES+=844.33.
【0176】
(3R,4S)-3-({5-[(tert-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-2-クロロ-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D13)
一般的条件Aに従って、化合物E3及び(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.28分、ES+=832.31.
【0177】
(3R,4S)-3-({2-クロロ-5-[2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピオニルアミノ)-エチル]-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D14)
一般的条件Aに従って、化合物E3及びN-[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-3,3,3-トリフルオロ-プロピオンアミドから調製した。LC-MS:tR=1.22分、ES+=840.25.
【0178】
(3R,4S)-3-({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル-エチル-アミノ)-エチル]-2-クロロ-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D15)
一般的条件Aに従って、化合物E3及び[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.30分.
【0179】
(3R,4S)-3-{[5-(2-アセチルアミノ-エチル)-2-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-カルバモイル}-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D16)
一般的条件Aに従って、化合物E3及びN-[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-アセトアミドから調製した。LC-MS:tR=1.22分、ES+=774.29.
【0180】
(3R,4S)-3-[(5-{[tert-ブトキシカルボニル-(2-フルオロ-エチル)-アミノ]-メチル}-2-クロロ-ベンジル)-シクロプロピル-カルバモイル]-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D17)
一般的条件Aに従って、化合物E3及び(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-(2-フルオロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.28分、ES+=864.27.
【0181】
(3R,4S)-3-({5-[(tert-ブトキシカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-2-クロロ-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D18)
一般的条件Cに従って、化合物E3及び(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-エチル-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.30分、ES+=846.32.
【0182】
(3R,4S)-3-({5-[(tert-ブトキシカルボニル-シクロプロピル-アミノ)-メチル]-2-クロロ-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D19)
一般的条件Cに従って、化合物E3及び(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.31分、ES+=856.37.
【0183】
(3R,4S)-3-({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル-シクロプロピル-アミノ)-エチル]-2-クロロ-ベンジル}-シクロプロピル-カルバモイル)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(D20)
一般的条件Cに従って、化合物E3及び[2-(4-クロロ-3-シクロプロピルアミノメチル-フェニル)-エチル]-シクロプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステルから調製した。LC-MS:tR=1.31分、ES+=872.35.
【0184】
(rac.)-(3R*,4S*)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル(E2)
化合物L2(0.15g、0.27mmol)のMeOH(1mL)溶液に、1M NaOH水溶液を加えた(1mL)。混合物を70℃で2時間撹拌した。水を加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗残留物をシリカゲルパッド上で精製して、表題の化合物(93mg、65%)を得た。LC-MS:tR=1.12分、ES+=524.24.
【0185】
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル(E3)
上述したキラルカラムを装備した分取用HPLCを用いて、化合物E2(4.46g、8.5mmol)を分離した。97%ヘキサン、3%エタノール、及び0.1%TFAからなる定組成溶離液を適用した。表題の化合物(1.35g、30%)を得た。分析用キラルHPLC(分取用と同一の溶離液):tR=29.00分.
【0186】
(rac.)-(3R*,4S*)-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-3',4',5',6'-テトラヒドロ-2'H-[3,4']ビピリジニル-1',3'-ジカルボン酸1'-tert-ブチルエステル(E4)
化合物L4(4.92g、9.12mmol)の1M NaOH水溶液(75mL)及びMeOH(75mL)中の混合物を、70℃で4.5時間撹拌した。pHが約4に到達する迄、1M HCl水溶液を加えた。混合物をEtOAcで抽出した(3x)。一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物を高真空下で乾燥して、表題の粗化合物(4.63g、97%)を獲得し、これを精製せずに更に使用した。LC-MS:tR=1.08分、ES+:525.40.
【0187】
4-{4-[2-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]フェニル}-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(F1)
4-[2-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]ブロモベンゼン(WO03/093267、7.95g、24mmol)のTHF(200mL)溶液に、78℃でBuLi(ヘキサン中1.6M、17.12mL、27.4mmol)を加えた。溶液を-78℃で30分撹拌した後、ZnCl2(THF中1M、30mL、30mmol)を加えた。得られた溶液を室温まで暖め、THF(20mL)中の4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(WO2004/002957、7.79g、20mmol)と、Pd(PPh3)4(0.69g、0.60mmol)を加えた。反応混合物を1時間で50℃に加熱し、室温で16時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、飽和NH4Cl水溶液を加えた。EtOAcを加え、有機相をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(EtOAc/ヘプタン2:8→1:0)で精製して、表題の化合物(8.1g、82%)を得た。LC-MS:tR=1.23分、ES+:506.47.
【0188】
(rac.)-(1R*,5S*)-7-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-プロピル]-フェニル}-9-メチル-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3,6-ジカルボン酸3-tert-ブチルエステル6-エチルエステル(F2)
[3-(4-ブロモ-フェニル)-プロポキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(102.1g、310mmol)のTHF(1.50L)溶液を、窒素下で-78℃に冷却する。BuLi(ヘキサン中1.5M、212mL、318mmol)を加える。30分後、ZnCl2(THF中1M、465mL、465mmol)を加える。混合物を室温まで暖める。THF(100mL)中の(rac.)-(1R*,5S*)-9-メチル-7-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3,6-ジカルボン酸3-tert-ブチルエステル6-エチルエステル(83.6g、155mmol)を加え、次にPd(PPh3)4(4.48g、3.87mmol)を加える。混合物を30分間加熱還流し、室温に冷却させる。混合物をEtOAcで希釈し、1M NaOH水溶液で洗浄する(1x)。有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去する。残留物をFC(MeOH/CH2Cl21:49→1:24→3:47→2:23)で精製して、表題の化合物(88.6g、実質的に定量的)を得る。LC-MS:tR=0.98分;ES+:559.24.
【0189】
(rac.)-(1R*,5S*)-7-[4-(3-ヒドロキシ-プロピル)-フェニル]-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]-ノン-6-エン-3,6,9-トリカルボン酸3,9-ジ-tert-ブチルエステル6-エチルエステル(F3)
化合物F2(32.0g、57.3mmol)を乾燥1,2-ジクロロエタン(590mL)に溶解する。NaHCO3(48.2g、573mmol)及び1-クロロエチルクロロホルメート(62.5mL、573mmol)を加え、縣濁液を80℃に加熱する。3時間後、反応混合物を室温に冷却させる。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。残留物を高真空下で15分間乾燥する。生成物をMeOH(400mL)で希釈し、混合物を20分間で50℃に加熱する。反応混合物を室温に冷却させ、溶媒を減圧除去する。黄色固体を高真空下で1時間乾燥する。固体をCH2Cl2(190mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却する。DIPEA(49.1mL、287mmol)及びBoc2O(37.5g、172mmol)を加える。混合物を室温まで暖めながら一夜撹拌する。反応混合物をCH2Cl2(110mL)で希釈する。有機層を1M HCl水溶液(2x300mL)、及び飽和NaHCO3水溶液(300mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残留物をFC(CH2Cl2/MeOH 100:0→2:98→5:95)で精製して、表題の化合物(26.2g、86%)を得る。LC-MS:tR=1.05分;ES+:531.33.
【0190】
4-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-プロピル]-フェニル}-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル(G1)
4-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-プロピル]-フェニル}-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(WO2004/002957、17.1g、35.0mmol)を、DMSO(300mL)とTHF(100mL)の混合物中に溶解する。NaOH水溶液(1M、70mL及び2M、50mL)を加える。混合物を7時間で50℃に加熱した後、0℃に冷却し、水(100mL)を加える。HCl水溶液(1M、100mL)を加えてpHを2に調整し、反応混合物をEtOAcで抽出する(2x250mL)。一緒にした有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去する。淡茶色油状物を高真空下で乾燥する(18g)。LC-MS:tR=0.86分;[M+H]+=362.05.
【0191】
この粗化合物(17.98g)をDMF(300mL)に溶解した後、イミダゾール(6.84g、97.7mmol)及びTBDMS-Cl(11.1g、73.8mmol)を加える。混合物を室温で14時間撹拌する。飽和NH4Cl水溶液(250mL)及び水(250mL)を加え、混合物をEt2Oで抽出する(2x250mL)。一緒にした有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残留物をTHF(300mL)に溶解し、MeOH(125mL)、水(125mL)及びK2CO3(3.00g)を加える。混合物を室温で10分間撹拌する。飽和NH4Cl水溶液(250mL)及び水(25mL)を加え、混合物をEtOAcで抽出する(2x250mL)。一緒にした有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残留物をFC(ヘキサン/EtOAc=4/1〜1/1)で精製して、表題の化合物(5.1g、32%)を得る。LC-MS:tR=1.16分;ES+=476.35.
【0192】
4-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-プロピル]-フェニル}-3-[シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-カルバモイル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(H1)
化合物G1(2g、4.21mmol)をCH2Cl2(30mL)に溶解し、(1-クロロ-2-メチル-プロペニル)-ジメチル-アミン(618mg、4.63mmol)を加える。混合物を室温で5分間撹拌し、シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミン(3-メトキシ-2-メチルベンズアルデヒド、Comins,D. L.; Brown,J. D.,J. Org. Chem.,1989,54,3730とシクロプロピルアミンから、還元的アミノ化により調製、844mg、4.42mmol)及びDIPEA(815mg、6.32mmol)を加える。混合物を室温で15分撹拌し、CH2Cl2(100mL)で希釈し、10%クエン酸水溶液(100mL)で抽出する。水層をCH2Cl2(50mL)で洗浄する。一緒にした有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。粗物質をFC(CH2Cl2/MeOH 19/1)で精製して、表題の化合物(3.36g、定量的収率)を得る。LC-MS:tR=1.28分;ES+=649.42.
【0193】
4-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-プロピル]-フェニル}-3-[シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-カルバモイル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(H2)
化合物H1と同一の手順により、シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミンの代わりにシクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミン(2,3-ジメチルベンズアルデヒド及びシクロプロピルアミンから、還元的アミノ化により調製)を使用して、化合物G1(2.00g)から化合物H2(2.84g、定量的収率)を調製する。LC-MS:tR=1.30分;ES+=633.45.
【0194】
4-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-プロピル]-フェニル}-3-[シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-カルバモイル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(J1)
Pd/C(10%;340mg)を窒素下でEtOH(25mL)中に懸濁させる。化合物H1(3.36g、5.19mmol)のEtOH(25mL)溶液を加える。混合物をH2(3bar)下に3時間配置し、Celiteを用いて濾過し、真空下で濃縮する。残留物を高真空下で乾燥して、表題の化合物(2.20g、65%)を与え、これを精製せずに更に使用する。LC-MS:tR=1.31分;ES+=651.46.
【0195】
4-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-プロピル]-フェニル}-3-[シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-カルバモイル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(J2)
化合物J1と同一の手順により、化合物H2(2.84g、4.47mmol)から表題の化合物(2.42g、85%)を得る。LC-MS:tR=1.32分;ES+=635.47.
【0196】
3-[シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-カルバモイル]-4-[4-(3-ヒドロキシ-プロピル)-フェニル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(J3)
化合物J1(2.20g、3.38mmol)をTHF(50mL)に溶解した後、TBAF(1.21g、3.84mmol)を加える。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、EtOAc(250mL)で希釈し、水(200mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。残留物をFC(ヘキサン/EtOAc1/1)で精製して、表題の化合物(0.91g、50%)を得る。LC-MS:tR=1.07分;ES+=537.37.
【0197】
3-[シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-カルバモイル]-4-[4-(3-ヒドロキシ-プロピル)-フェニル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(J4)
化合物J3と同一の手順により、化合物J2(2.42g)から表題の化合物(0.91g、46%)を得る。LC-MS:tR=1.08分;ES+=521.36.
【0198】
4-{4-[2-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(K1)
Mg(1.40g、58mmol)をAr下で化合物F1(8.10g、17mmol)のMeOH(40mL)溶液に加えた。温度を30℃未満に保持しながら、混合物を1時間撹拌した。1M HCl水溶液(115mL、115mmol)を滴加し、混合物を1時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出した(2x)。一緒にした有機層を水で洗浄し、ブライン、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(EtOAc/ヘプタン2:1)で精製して、表題の化合物の2:3トランス/シス混合物(7.6g、93%)を得た。LC-MS:tR=1.23分、ES+=508.47.
【0199】
4-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]ピペリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(K2)
化合物K1(7.60g、15.4mmol)のTHF(150mL)溶液に、Ar下にて0℃でTBAF(4.86g、15.4mmol)加えた。混合物を1時間撹拌した後、飽和NH4Cl水溶液(100mL)を加え、反応混合物をEtOAcで抽出した(2x)。有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(EtOAc/ヘプタン2:1→1:0)で精製して、表題の化合物(5.06g、87%)を得た。LC-MS:tR=0.91分、ES+=380.30.
【0200】
4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(L1)
化合物K2(5.50g、15mmol)、2,6-ジクロロ-p-クレゾール(3.08g、18mmol)、アゾジカルボン酸ジピペリジド(7.31g、29mmol)及びPBu3(14mL、58mmol)のトルエン(150mL)中の混合物を、16時間で50℃に加熱した。混合物を室温に冷却させ、濾過し、沈殿をトルエンで洗浄した。濾液をEtOAcで希釈し、水(2x)及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗物質をFC(EtOAc/ヘプタン0:1→1:9→2:8)で精製して、表題の化合物を無色油状物(7.3g、90%)として得た。LC-MS:tR=1.18分、ES+=538.34.
【0201】
(rac.)-(3R*,4S*)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}-ピペリジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(L2)
化合物L1(0.21g、0.38mmol)のMeOH(2mL)溶液に、Ar下でNaOMe(6mg、0.11mmol)を加えた。混合物を70℃で3日間撹拌した。水を加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。表題の化合物(150mg、72%)は、更に精製しなかった。LC-MS:tR=1.18分、ES+=538.32.
【0202】
6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-3',4',5',6'-テトラヒドロ-2'H-[3,4']ビピリジニル-1',3'-ジカルボン酸1'-tert-ブチルエステル3'-メチルエステル(L3)の全ての可能な立体異性体の混合物
化合物A2(7.00g、13.0mmol)をMeOH(130mL)に溶解した。Mg(500mg、20.6mmol)をゆっくり加えた。混合物を1時間撹拌し、Mg(608mg、25.0mmol)を再度加えた。混合物を3時間撹拌した。1M HCl水溶液をゆっくり加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。高真空下で乾燥して、未加工の表題の化合物(4.92g、70%)を得た。LC-MS:tR=1.16分、ES+=539.43.
【0203】
(rac.)-(3R*,4S*)-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-3',4',5',6'-テトラヒドロ-2'H-[3,4']ビピリジニル-1',3'-ジカルボン酸1'-tert-ブチルエステル3'-メチルエステル(L4)
化合物L3(5.40g、10.0mmol)及びMeONa(540mg、10.0mmol)のMeOH(250mL)中の混合物を、70℃で一夜撹拌した。MeONa(54mg、1.00mmol)を再度加え、混合物を70℃で5時間撹拌した。MeONa(54mg、1.00mmol)を再度加え、混合物70℃で一夜撹拌した。pH6〜7に到達する迄、1M HCl水溶液を加えた。溶媒を減圧下で蒸発させ、混合物をEtOAcで抽出した。一緒にした有機抽出物を水、及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(1%Et3Nを伴う、ヘプタン/EtOAc8:2)で精製して、表題の化合物(4.92g、91%)を得た。LC-MS:tR=1.16分、ES+=539.43.
【0204】
実施例1
(rac.)-(1R*,5S*,6R*,7R*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-6-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジクロロ-ベンジル)-アミド
マグネットスターラーを装備した25mL丸底フラスコ内で、化合物D1(31mg、0.037mmol)をCH2Cl2(1mL)に溶解する。0℃で、4M HCl(ジオキサン、0.36mL)を滴加し、得られた溶液を2時間かけて室温まで暖めた後、室温で更に8時間撹拌する。次に、揮発性物質を真空下で除去し、得られた残留物をCH2Cl2(10mL)と1M NaOH水溶液(10mL)間に分割する。有機層を分離し、水性洗浄液をCH2Cl2(3x10mL)で逆抽出する。一緒にした有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、濾液を真空下で濃縮する。かように得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、95:5 CH2Cl2:MeOH中2M NH3)により更に精製して、表題の化合物(15.2mg、63%)を得る。Agilent Zorbax RX-C18 4.6x150mm HPLCカラム上でtR=2.0分(定組成、49.8 CH3CN+49.9% H2O+0.1%ギ酸);ES+=648.1.
【0205】
実施例2
(rac.)-(1R*,5S*,6R*,7S*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-6-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジクロロ-ベンジル)-アミド
マグネットスターラーを装備した25mL丸底フラスコ内で、化合物D2(54mg、0.064mmol)をCH2Cl2(1mL)に溶解する。0℃で、4M HCl(ジオキサン、0.47mL)を滴加し、得られた溶液を2時間かけて室温まで暖めた後、室温で更に8時間撹拌する。次に、揮発性物質を真空下で除去し、得られた残留物をCH2Cl2(10mL)と1M NaOH水溶液(10mL)間に分割する。有機層を分離し、水性洗浄液をCH2Cl2(3x10mL)で逆抽出する。一緒にした有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、濾液を真空下で濃縮する。かように得られた粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、95:5CH2Cl2:MeOH中2M NH3)により更に精製して、表題の化合物(36.1mg、87%)を得る。Agilent Zorbax RX-C18 4.6x150mmHPLCカラム上でtR=3.1分(定組成、49.8CH3CN+49.9%H2O+0.1%ギ酸);ES+=648.1.
【0206】
実施例3
4-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド
表題の化合物は、上述した一般的手順に従って、化合物J3及び2-クロロ-3,6-ジフルオロフェノールから調製する。LC-MS:tR=0.99分;ES+:583.23.
【0207】
実施例4
4-{4-[3-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド
表題の化合物は、上述した一般的手順に従って、化合物J3及び2,6-ジクロロ-p-クレゾールから調製する。LC-MS:tR=1.02分;ES+:595.43.
【0208】
実施例5
4-{4-[3-(2,3,6-トリフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド
表題の化合物は、上述した一般的手順に従って、化合物J3及び2,3,6-トリフルオロフェノールから調製する。LC-MS:tR=0.98分;ES+:567.48.
【0209】
実施例6
4-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド
表題の化合物は、上述した一般的手順に従って、化合物J4及び2-クロロ-3,6-ジフルオロフェノールから調製する。LC-MS:tR=1.00分;ES+:567.26.
【0210】
実施例7
4-{4-[3-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド
表題の化合物は、上述した一般的手順に従って、化合物J4及び2,6-ジクロロ-p-クレゾールから調製する。LC-MS:tR=1.04分;ES+:579.44.
【0211】
実施例8
4-{4-[3-(2-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド
表題の化合物は、上述した一般的手順に従って、化合物J4及び2-クロロ-6-フルオロ-3-メチルフェノールから調製する。LC-MS:tR=1.04分;ES+:563.47.
【0212】
実施例9
4-{4-[3-(2,3,6-トリフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド
表題の化合物は、上述した一般的手順に従って、化合物J4及び2,3,6-トリフルオロフェノールから調製する。LC-MS:tR=1.00分;ES+:551.48.
【0213】
実施例10
(rac.)-(3R*,4S*)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチルベンジル)-アミド
化合物D3(0.068g、0.10mmol)をCH2Cl2(1mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。ジオキサン(1mL)中4M HClを加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をHPLCで精製して、表題の化合物(37mg、63%)を得た。LC-MS:tR=0.95分、ES+=581.44.
【0214】
実施例11
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
化合物D4(0.076g、0.10mmol)をCH2Cl2(1mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。ジオキサン(1mL)中4M HClを加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をHPLCで精製して、表題の化合物(44mg、67%)を得た。LC-MS:tR=0.99分、ES+=661.41.
【0215】
実施例12
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
化合物D5(279mg、0.375mmol)をCH2Cl2(3mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、HCl(ジオキサン中4M、1.00mL)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。HCl(ジオキサン中4M、1.00mL)を再度加え、混合物を室温で2時間撹拌した。HCl(ジオキサン中4M、1.00mL)を再度加え、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物が僅かに塩基性になる迄、1M NaOH水溶液を加えた。Isolute(登録商標)を用いて混合物を濾過した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をFC(MeOH/CH2Cl2 1:19)で精製して、表題の化合物(120mg、50%)を得た。LC-MS:tR=0.96分、ES+=645.49.
【0216】
実施例13
(3R,4S)-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ-[3,4']ビピリジニル-3'-カルボン酸[2-クロロ-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
化合物D6(1.14g、1.50mmol)のCH2Cl2(4.13mL)溶液を0℃に冷却し、HCl(ジオキサン中4M、3.75mL)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。CH2Cl2を加え、混合物を1M NaOH水溶液で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をHPLCで精製して、表題のラセミ化合物(621mg、63%)を得た。このラセミ体をHPLC(Regis Whelk、溶離液B 75%→30%で30分、次に定組成)で分離して、表題の化合物(167mg、27%)を得た。LC-MS:tR=0.95分;ES+:684.49.キラルHPLCカラム:tR=17.0分.
【0217】
実施例14
(3R,4S)-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ-[3,4']ビピリジニル-3'-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
化合物D7(1.12g、1.50mmol)のCH2Cl2(4.13mL)溶液を0℃に冷却し、HCl(ジオキサン中4M、3.75mL)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。CH2Cl2を加え、混合物を1M NaOH水溶液で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をHPLCで精製して、表題のラセミ化合物(392mg、40%)を得た。このラセミ体をHPLC(Regis Whelk、溶離液B 75%→30%で30分、次に定組成)で分離して、表題の化合物を(167mg、27%)を得た。LC-MS:tR=0.94分;ES+:646.50.キラルHPLCカラム:tR=17.4分.
【0218】
実施例15
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(2,2-ジフルオロ-エチルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D8から調製し、表題の化合物を得た(17.8mg、26%二ステップで)。LC-MS:tR=0.83分;ES+:682.21.
【0219】
実施例16
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(3,3,3-トリフルオロ-プロピオニルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D9から調製し、表題の化合物を得た(30.0mg、42%二ステップで)。LC-MS:tR=0.95分;ES+:727.81.
【0220】
実施例17
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(シクロプロピルメチル-アミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D10から調製し、表題の化合物を得た(20.3mg、30%二ステップで)。LC-MS:tR=0.84分;ES+:672.30.
【0221】
実施例18
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[5-(アセチルアミノ-メチル)-2-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D11から調製し、表題の化合物を得た(30mg、46%二ステップで)。LC-MS:tR=0.91分;ES+:658.25.
【0222】
実施例19
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メチルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D12から調製し、表題の化合物を得た(34.3mg、53%二ステップで)。LC-MS:tR=0.82分;ES+:646.25.
【0223】
実施例20
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-メチルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D13から調製し、表題の化合物を得た(24.1mg、38%二ステップで)。LC-MS:tR=0.81分;ES+:630.26.
【0224】
実施例21
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピオニルアミノ)-エチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D14から調製し、表題の化合物を得た(30.0mg、40%二ステップで)。LC-MS:tR=0.96分;ES+:742.24.
【0225】
実施例22
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-エチルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D15から調製し、表題の化合物を得た(11.8mg、18%二ステップで)。LC-MS:tR=0.83分;ES+:660.28.
【0226】
実施例23
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[5-(2-アセチルアミノ-エチル)-2-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D16から調製し、表題の化合物を得た(11.8mg、18%二ステップで)。LC-MS:tR=0.93分;ES+:672.27.
【0227】
実施例24
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(2-フルオロ-エチルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D17から調製し、表題の化合物を得た(21.2mg、32%二ステップで)。LC-MS:tR=0.82分;ES+:682.21.
【0228】
実施例25
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-エチルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D18から調製し、表題の化合物を得た(38.7mg、60%二ステップで)。LC-MS:tR=0.81分;ES+:644.20.
【0229】
実施例26
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D19から調製し、表題の化合物を得た(41.1mg、63%二ステップで)。LC-MS:tR=0.81分;ES+:656.24.
【0230】
実施例27
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-シクロプロピルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド
一般的条件Bに従って化合物D20から調製し、表題の化合物を得た(45.7mg、68%二ステップで)。LC-MS:tR=0.82分;ES+:670.24.
【0231】
生物学的アッセイ
1.AngI蓄積及びレニン阻害を見積もる酵素イムノアッセイ(EIA)
1.1 AngI-BSAコンジュゲートの調製
1.3mg(1μmol)のAngI[1-10(Bachem、H-1680)]及び17mg(0.26μmol)のBSA(Fluka、05475)を、4mLの0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4中に溶解し、その後グルタルアルデヒドのH2O(Sigma G-5882)中の1:100希釈物2mLを滴加した。混合物を4℃で一夜インキュベートした後、2リットルの0.9%NaClに対して室温で4時間、2回透析し、次に2リットルのPBS 1Xに対して室温で一夜透析した。次に、シリンジフィルター、0.45μm(Nalgene、Cat.No.194-2545)を用いて溶液を濾過した。コンジュゲートは、0.05%アジ化ナトリウム中、ポリプロピレン管内にて4℃で少なくとも12ヶ月保管することができる。
【0232】
1.2 BSA-AngI被覆MTPの調製
テフロン(登録商標)製ビーカー内にてPBS 1X中で1:100,000に希釈した(正確な希釈は、コンジュゲートのバッチに依存する)80μlのAngI(1-10)/BSAコンジュゲートを含むマイクロタイタープレート(MPT384、MaxiSorp(登録商標)、Nunc)を、4℃で一夜インキュベートし、空にして、90μlのブロッキング溶液[PBS 1X中0.5%BSA(Sigma A-2153)、0.02%NaN3]で満たし、室温で少なくとも2時間、又は4℃で一夜インキュベートした。96ウェルMTP(MaxiSorp(登録商標)、Nunc)を200μlのコンジュゲートで被覆し、ブロッキング溶液が3%BSAを含有する以外は上記と同様の250μlのブロッキング溶液でブロックした。プレートは、ブロッキング溶液中で、4℃で1ヶ月間保管することができる。
【0233】
1.3 384ウェルMTP内のAngI-EIA
AngI(1-10)/BSA被覆MTPを洗浄緩衝液(PBS 1X、0.01%Tween20)で3回洗浄し、アッセイ緩衝液(PBS 1X、1mM EDTA、0.1%BSA、pH7.4)中で最終濃度1:100,000に希釈した75μlの一次抗体溶液(抗AngI抗血清、ウマ血清中で1:10に予め希釈)で満たした。5μlのレニン反応物(又はアッセイ緩衝液中の基準)(下記参照)を一次抗体溶液に加え、プレートを4℃で一夜インキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄液緩衝液で3回洗浄し、二次抗体[洗浄液緩衝液中で1:2,000に希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ結合抗ウサギIgG(Amersham Bioscience、NA 934V)]と共に室温で2時間インキュベートした。プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した後、基質溶液[1.89mM ABTS(2.2'-アジノ-ジ-(3-エチル-ベンゾチアゾリンスルホネート)](Roche Diagnostics、102 946)及び基質緩衝液(0.1M酢酸ナトリウム、0.05Mリン酸二水素ナトリウム、pH4.2)中2.36mM H2O2[30%、(Fluka、95300]と共に、室温で1時間インキュベートした。マイクロプレートリーダー内にて405nmでプレートのODを判読した(BMG製のFLUOStar Optima)。レニン反応中のAngIの生成を、平行して測定したAngI(1-10)の基準曲線のODと、サンプルのODとを比較することにより定量した。
【0234】
2.一次レニン阻害アッセイ:緩衝液中のIC50、384ウェルMTP
以前に記載されているアッセイ(Fischli W. et al.,Hypertension,1991,18:22-31)からレニンアッセイを適合させ、これは2ステップからなる:第一ステップでは、組み換えヒトレニンをその基質(市販のヒトテトラデカペプチドレニン基質)と共にインキュベートして、生成物アンジオテンシンI(AngI)を形成する。第二ステップでは、蓄積されたAngIを免疫学的アッセイ(酵素イムノアッセイ、EIA)により測定する。このアッセイの詳細な記載は、以下に見出される。EIAは、非常に感度が高く、緩衝液又は血漿中でのレニン活性の測定に非常に適している。本アッセイに使用される低いレニン濃度により(アッセイチューブ当たり2fmol又は10pM)、この一次アッセイでは、阻害剤の親和性を低いpM濃度迄測定することが可能である。
【0235】
2.1 方法体系
アッセイ緩衝液(PBS 1X、1mM EDTA、0.1%BSA、pH7.4)中の組み換えヒトレニン(3pg/μl)、ヒトテトラデカペプチド(1-14)基質(Bachem、M-1120)[10mM HCl中5μM]、ヒドロキシキノリンサルフェート(Fluka、55100)[H2O中30mM]及びアッセイ緩衝液を4℃にて100:30:10:145の比で予め混合した。ウェル当たり47.5μlのこのプレミックスを、ポリプロピレンプレート(MTP384、Nunc)内に移動した。試験化合物を100%DMSO中で溶解及び希釈し、2.5μlをプレミックスに加えた後、37℃で3時間インキュベートした。インキュベーション期間の終わりに、5μlのレニン反応物(又はアッセイ緩衝液中の基準)をEIAアッセイ(上述した)内に移動し、レニンにより生成されたAngIを定量した。レニン阻害(AngI低下)の百分率を化合物の各濃度に関して計算し、酵素活性を50%(IC50)阻害したレニン阻害の濃度を決定した。式(I)の化合物は、0.1nM〜300nM、特に1nM〜30nMのIC50値を示した。
【0236】
阻害の例:
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
Wは、フェニル環、又は1〜4個の窒素原子を含む6員の非ベンゾ縮合芳香環であり、ここで前記環は、パラ位においてVで置換され;
Vは、結合;-(CH2)r-;-A-(CH2)s-;-CH2-A-(CH2)t-;-(CH2)s-A-;-(CH2)2-A-(CH2)u-;-A-(CH2)v-B-;-CH2-CH2-CH2-A-CH2-;-A-CH2-CH2-B-CH2-;-CH2-A-CH2-CH2-B-;-CH2-CH2-CH2-A-CH2-CH2-;-CH2-CH2-CH2-CH2-A-CH2-;-A-CH2-CH2-B-CH2-CH2-;-CH2-A-CH2-CH2-B-CH2-;-CH2-A-CH2-CH2-CH2-B-;-CH2-CH2-A-CH2-CH2-B-;-O-CH2-CH(OCH3)-CH2-O-;-O-CH2-CH(CH3)-CH2-O-;-O-CH2-CH(CF3)-CH2-O-;-O-CH2-C(CH3)2-CH2-O-;-O-CH2-C(CH3)2-O-;-O-C(CH3)2-CH2-O-;-O-CH2-CH(CH3)-O-;-O-CH(CH3)-CH2-O-;-O-CH2-C(CH2CH2)-O-;又は-O-C(CH2CH2)-CH2-O-を表し;
A及びBは、独立して-O-又は-S-を表し;
Uは、非置換アリール;一、二、三若しくは四置換アリール、ここで置換基は、ハロゲン、アルキル、アルキコシ、及び-CF3からなる群より独立して選択され;又は一、二若しくは三置換ヘテロアリールを表し、ここで置換基は、ハロゲン、アルキル、アルキコシ、及び-CF3からなる群より独立して選択され;
Qは、メチレン又はエチレンを表し;
Mは、アリール、キノリニル、イソキノリニル、ジヒドロキノリニル又はテトラヒドロキノリニル基を表し、ここで前記基は、場合により、アルキル;アルキコシ;-OCF3;-CF3;ヒドロキシ-アルキル;ハロゲン;アルキル-O-(CH2)0-4-CH2-;アルキル-O-(CH2)2-4-O-;R’2N-(CH2)0-4-CH2-、ここでR’は、水素、(場合により1個、2個又は3個のフッ素原子で置換された)アルキル、シクロプロピル、シクロプロピル-メチル、-C(=O)O-R’’及び-C(=O)-R’’からなる群より独立して選択され、ここでR’’は、C1-C4-アルキル、-CF3、-CH2-CF3又はシクロプロピルであり;並びにR’’’NH-C(=O)-(O)0-1-(CH2)0-4-CH2-、ここでR’’’は、アルキル又はシクロプロピルであり;からなる群より独立して選択される置換基で一又は二置換されてもよく;
R1は、アルキル又はシクロアルキルを表し;
nは、整数0、又は1であり;
rは、整数3、4、5、又は6であり;
sは、整数2、3、4、又は5であり;
tは、整数1、2、3、又は4であり;
uは、整数1、2、又は3であり;並びに
vは、整数2、3、又は4である。)
で示されるピペリジンカルボン酸アミドからなる群より選択される化合物、並びに光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマー混合物、例えばラセミ体、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、及びメソ体、並びにそれらの化合物の塩及び溶媒和物、並びに多形形態。
【請求項2】
nが整数1であり、環置換基-CON(R1)-Q-Mと-W-V-Uが、互いにトランスである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが整数0であり、式(I)のピペリジン環の3位及び4位の立体配置が、各々3R及び4Sである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Mが、アリール、キノリニル、イソキノリニル、ジヒドロキノリニル又はテトラヒドロキノリニル基を表し、ここで前記基は、場合によりアルキル;アルキコシ;-OCF3;-CF3;ヒドロキシ-アルキル;ハロゲン;アルキル-O-(CH2)0-4-CH2-;アルキル-O-(CH2)2-4-O-;及びR’2N-(CH2)0-4-CH2-からなる群より独立して選択される置換基で一又は二置換されてもよく、ここでR’は、水素、アルキル、シクロプロピル、及び-C(=O)-R’’からなる群より独立して選択され、ここでR’’は、C1-C4-アルキル、-CF3、-CH2-CF3又はシクロプロピルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
Mが、以下の基:
【化2】

(式中、R2は、メチル又は塩素であり、R3は水素であり、R4は、水素、-CH2CH2-O-CH3、-CH2CH2CH2-O-CH3、又はR’NH-(CH2)0-1-CH2-であり、ここでR’は、-CH2-CHF2、-CH2-CF3、シクロプロピル、-CO-CH3、-CO-CH2-CF3、-CO-CH2-CH3、又はシクロプロピル-カルボニルであるが、但しR4が水素の場合、R3はメチル、メトキシ、塩素、又は-O-CH2CH2-O-CH3を表す。)を表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Qがメチレンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Wが、パラ位においてVで置換されたフェニル、又は以下の基:
【化3】

を表す、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Vが、-CH2CH2O-若しくは-CH2CH2CH2O-であり、ここで両方の場合、二価基はその酸素原子を介して式(I)のU基に結合し、又は-OCH2CH2O-である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Uが、一、二又は三置換フェニルであり、ここで置換基は、ハロゲン、アルキル、アルキコシ、及び-CF3からなる群より独立して選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
R1がシクロプロピルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
(1R*,5S*,6R*,7S*)-7-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-6-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジクロロ-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2,3,6-トリフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(3-メトキシ-2-メチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド、
4-{4-[3-(2-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド、及び
4-{4-[3-(2,3,6-トリフルオロ-フェノキシ)-プロピル]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチル-ベンジル)-アミド:からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
(3R*,4S*)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸シクロプロピル-(2,3-ジメチルベンジル)-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ-[3,4']ビピリジニル-3'-カルボン酸[2-クロロ-5-(3-メトキシ-プロピル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、及び
(3R,4S)-6-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ-[3,4']ビピリジニル-3'-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メトキシ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド:からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(2,2-ジフルオロ-エチルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(3,3,3-トリフルオロ-プロピオニルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(シクロプロピルメチル-アミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[5-(アセチルアミノ-メチル)-2-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-メチルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-メチルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピオニルアミノ)-エチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-エチルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[5-(2-アセチルアミノ-エチル)-2-クロロ-ベンジル]-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸{2-クロロ-5-[(2-フルオロ-エチルアミノ)-メチル]-ベンジル}-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-エチルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド、
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸(2-クロロ-5-シクロプロピルアミノメチル-ベンジル)-シクロプロピル-アミド、及び
(3R,4S)-4-{4-[2-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェノキシ)-エトキシ]-フェニル}-ピペリジン-3-カルボン酸[2-クロロ-5-(2-シクロプロピルアミノ-エチル)-ベンジル]-シクロプロピル-アミド:からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、及び薬学的に許容される担体材料を含有する医薬組成物。
【請求項15】
医薬として使用するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
高血圧症、鬱血性心不全、肺高血圧症、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心不全、心臓肥大、心臓線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎疝痛、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害及び神経障害、緑内障、眼圧の上昇、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管若しくは心臓手術後の合併症、勃起不全、高アルデステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知疾患、免疫抑制剤による治療の合併症、並びにレニン−アンジオテンシン系に関連した他の疾病、又はこれらに関連する疾病の治療及び/又は予防用の医薬組成物の製造のための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の使用。


【公表番号】特表2008−542257(P2008−542257A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512998(P2008−512998)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051641
【国際公開番号】WO2006/129237
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】