説明

新規な固体分散体およびその製造方法

【課題】難溶性あるいは不溶性の薬物の溶解性改善と放出制御能の付与を同時に単一の製造プロセスで行ない、均一な組成を有し、かつ薬物の優れた徐放性を有する固体分散体を提供する。
【解決手段】(i)薬物、(ii)担体、(iii)可塑剤、(iV)薬物放出調整成分を含んでなる固体分散体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、p38MAPキナーゼ阻害薬の固体分散体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
難溶性の化合物を親水性重合体マトリックス内に均質な溶液または溶融物を形成し、続いて、溶剤を冷却するかまたは取り除くことによって混合物を凝固させることで製造される固体分散体は、溶解性や吸収性を改善し薬剤の生物利用性を高めるとは公知である。例えばグリゼオフルビンを親水性重合体のポリエチレングリコールに分散させて固体分散体とし、その溶解性などを改善している(非特許文献1)。さらに、スルファチアゾールとポリビニルピロリドンの固体分散体(非特許文献2)、フィソキサゾールやスルファメチゾールとポリビニルピロリドンの固体分散体(非特許文献3)などが知られている。
また特許文献1には、2軸エクストルーダーを使用する固体分散体の製造方法が記載されている。この方法は、有機溶媒を使用しない点で優れた方法である。しかしながら、従来の技術はいずれも難溶性あるいは不溶性の薬物の溶解性改善を目的として固体分散体化しており、溶解性改善と放出制御能の付与を同時に単一の製造プロセスで行うことを意図したものではなかった。
特許文献2〜5には、優れたp38MAPキナーゼ活性を有する化合物が記載されている。
【特許文献1】特許第2527107号公報
【特許文献2】WO 00/64894号公報
【特許文献3】WO 01/10865号公報
【特許文献4】WO 01/74811号公報
【特許文献5】WO 02/51442号公報
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・ファーマコロジカル・サイエンス(J.Pharm. Sci.)、60(9)、1281−1302(1971)
【非特許文献2】ジャーナル・オブ・ファーマコロジカル・サイエンス(J.Pharm. Sci.)、58(5)、538−549(1969)
【非特許文献3】ケミカル・ファーマコロジカル・ブル(Chem. Pharm. Bull.)、27(5)、1223−1230(1979)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の問題に鑑み、本発明は、難溶性あるいは不溶性の薬物の溶解性改善と放出制御能の付与を同時に単一の製造プロセスで行うことを意図したもので、均一な組成を有し、優れた徐放性を有する固体分散体およびその製造法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、(i)p38MAPキナーゼ阻害薬などの薬物、(ii)担体、(iii)可塑剤および(iv)薬物放出調整成分を含んでなる固体分散体の混合工程において、溶媒を使用せずに加熱融解させて混練することにより、薬物を非晶質化して溶解性を改善すると同時に薬物放出速度が制御可能な成形体が得られることを見出した。また本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、驚いたことに本発明の固体分散体は薬物の良好な徐放性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)p38MAPキナーゼ阻害薬を含有してなる固体分散体、
(2)p38MAPキナーゼ阻害薬が式(I)
【化1】


〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基又はアシル基を、
は置換基を有していてもよい芳香族基を、
3は水素原子、置換基を有していてもよいピリジル基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を、
Xは酸素原子又は酸化されていてもよい硫黄原子を、
Yは結合手、酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子又は式 NR4(式中、R4は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又はアシル基を示す)で表される基を、及びZは結合手または置換基を有していてもよい2価の鎖状炭化水素基を示す。〕で表される、N−オキシド化されていてもよい化合物又はその塩である(1)記載の固体分散体、
(3)p38MAPキナーゼ阻害薬が N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-ベンジル-N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミンまたはN-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミンのいずれかであることを特徴とする(1)記載の固体分散体、
(4)p38MAPキナーゼ阻害薬の大部分がアモルファスである(1)記載の固体分散体、
(5)徐放性を有する(1)記載の固体分散体(徐放性固体分散体)、
(6)投与後の急激な血中濃度の立ち上がりを抑制しかつ持続的な血中濃度を与える(1)記載の固体分散体、
(7)同用量の通常の速放性製剤と比較して、投与後の最高血中濃度がおよそ60%以下でかつ血中濃度−時間下曲線面積がおよそ60%以上となる血中濃度を与える(1)記載の固体分散体、
(8)同用量の通常の速放性製剤と比較して、投与後の最高血中濃度の半分の濃度を超える時間が2倍以上となる血中濃度を与える(1)記載の固体分散体、
(9)可塑剤または/および薬物放出調整成分を含有する(1)記載の固体分散体、
(10)担体として高分子担体を含有することを特徴とする(1)記載の固体分散体、
(11)担体として約60℃〜350℃の融点を有する担体を含有することを特徴とする(1)記載の固体分散体、
(12)担体として親水性重合体を含有することを特徴とする(1)記載の固体分散体、
(13)可塑剤がポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコールおよびクエン酸トリエチルから選ばれる可塑剤であることを特徴とする(9)記載の固体分散体、
(14)薬物放出調整成分が親水性化合物であることを特徴とする(9)記載の固体分散体、
(15)溶剤を使用せずに(i)薬物、(ii)担体、(iii)可塑剤および(iv)薬物放出調整成分を混合することを特徴とする固体分散体の製造方法、
(16)加熱溶融して混練することを特徴とする(15)記載の製造方法、
(17)2軸エクストルーダーで混練することを特徴とする(15)記載の製造方法、
(18)薬物がp38MAPキナーゼ阻害剤であることを特徴とする(15)記載の製造方法、
(19)(15)記載の製造方法で製造される固体分散体(徐放性固体分散体)、
(20)(1)記載の固体分散体を含有する医薬組成物(特に、徐放性製剤)に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、難溶性あるいは不溶性の薬物の溶解性改善と放出制御能の付与を同時に単一の製造プロセスで行うことができ、均一な組成を有し、かつ薬物の優れた徐放性を有する固体分散体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本願明細書において、「固体分散体」とは、例えば、溶融法、溶媒法または溶融−溶媒法等により調製され得る、固体状態で不活性な担体またはそのマトリックス中に1種または2種以上の活性成分が分散したもの(ジャーナル・オブ・ファーマコロジカル・サイエンス(J. Pharm. Sci.),Vol.60,1281-1302,1971)をいう。
本発明の固体分散体は、特に非晶形(アモルファス)であることが望ましい。
本発明の固体分散体は融解物の形態で構成成分の均一な混練物を形成し、該混練物を押出し、押出し物を成形することによって得られる。また目的に応じて任意の大きさに切断して用いることもできる。
本発明の固体分散体は適当な粉砕機を用いて粉砕すれば任意の粒子径を有する固体分散体粒子を簡単に得ることができ、そのまま散剤又は顆粒剤として利用することもできる。またこの粉砕された微細粒子を用いて錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤などとして利用することもできる。
本発明に使用される薬物としては、関節疾患治療剤などとして使用されるp38MAPキナーゼ阻害剤((WO 00/64894、WO01/10865、WO01/74811、WO02/51442)等に記載のチアゾール系化合物等)、JNK阻害剤(WO02/62792等に記載の化合物)などが挙げられる。
これら薬物の中でも、本発明で使用される固状薬物がチアゾール化合物あるいはオキサゾール化合物などのp38MAPキナーゼ阻害薬またはJNK阻害薬であることが好ましい。さらには該薬物が式(I)
【化2】


〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基又はアシル基を、
は置換基を有していてもよい芳香族基を、
3は水素原子、置換基を有していてもよいピリジル基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を、
Xは酸素原子又は酸化されていてもよい硫黄原子を、
Yは結合手、酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子又は式 NR4(式中、R4は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又はアシル基を示す)で表される基を、及びZは結合手または置換基を有していてもよい2価の鎖状炭化水素基を示す。〕で表される、Nオキシド化されていてもよい化合物又はその塩で示される化合物であることが好ましい。
【0008】
前記式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基又はアシル基を示す。
1で示される「アシル基」としては、例えば式:−(C=O)−R5、−(C=O)−OR5、−(C=O)−NR56、−(C=S)−NHR5 又は−SO2−R7〔式中、R5は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基、R6は水素原子又はC1−6アルキル基、R7は置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す〕で表されるアシル基等が挙げられる。
前記式中、R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、鎖状又は環状炭化水素基(例、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル等)等が挙げられる。このうち、炭素数1ないし16個の鎖状又は環状炭化水素基等が好ましい。
「アルキル」としては、例えばC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が好ましく、特にC1−3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)が好ましい。
「アルケニル」としては、例えばC2−6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル等)等が好ましい。
「アルキニル」としては、例えばC2−6アルキニル(例えば、エチニル、プロパルギル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ヘキシニル等)等が好ましい。
「シクロアルキル」としては、例えばC3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)等が好ましい。
「アリール」としては、例えばC6−14アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、2−アンスリル等)等が好ましい。
「アラルキル」としては、例えばC7−16アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル等)等が好ましい。
【0009】
5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としては、例えばオキソ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、カルボキシC2−6アルケニル(例、2−カルボキシエテニル、2−カルボキシ−2−メチルエテニル等)、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、C6−14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、2−アンスリル等)、ハロゲン化されていてもよいC1−8アルコキシ、C1−6アルコキシ−カルボニル−C1−6アルコキシ(例、エトキシカルボニルメチルオキシ等)、ヒドロキシ、C6−14アリールオキシ(例、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ等)、C7−16アラルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ等)、メルカプト、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、C6−14アリールチオ(例、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ等)、C7−16アラルキルチオ(例えば、ベンジルチオ、フェネチルチオ等)、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ等)、モノ−C6−14アリールアミノ(例、フェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノ等)、ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ等)、ジ−C6−14アリールアミノ(例、ジフェニルアミノ等)、ホルミル、カルボキシ、C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル等)、C3−6シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、C6−14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、C7−16アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、3−フェニルプロピオニル等)、C6−14アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニル等)、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等)、5又は6員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル等)、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル等)、C6−14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル等)、5又は6員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイル等)、C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、C6−14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)、C1−6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等)、C6−14アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル等)、ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ(例、アセチルアミノ等)、C6−14アリール−カルボニルアミノ(例、ベンゾイルアミノ、ナフトイルアミノ等)、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ等)、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等)、C6−14アリールスルホニルアミノ(例、フェニルスルホニルアミノ、2−ナフチルスルホニルアミノ、1−ナフチルスルホニルアミノ等)、C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ等)、C6−14アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ等)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ等)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ等)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等)、C6−14アリール−カルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ等)、ニコチノイルオキシ、置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、5ないし10員芳香族複素環基(例、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル等)、スルホ、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフェナモイル等が挙げられる。
【0010】
該「炭化水素基」は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC2−6アルケニル(例、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、2−ブテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、5−へキセン−1−イル)等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC2−6アルキニル(例、2−ブチン−1−イル、4−ペンチン−1−イル、5−へキシン−1−イル等)等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)等が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4,4−ジクロロシクロヘキシル、2,2,3,3−テトラフルオロシクロペンチル、4−クロロシクロヘキシル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1−8アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−8アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)等が挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等)等が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
【0011】
前記「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「5ないし7員飽和環状アミノ」としては、例えば、1個の窒素原子と炭素原子以外に、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5ないし7員飽和環状アミノが挙げられ、具体例としては、ピロリジン−1−イル、ピペリジノ、ピペラジン−1−イル、モルホリノ、チオモルホリノ、ヘキサヒドロアゼピン−1−イル等が挙げられる。
該「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「置換基」としては、例えばC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C6−14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、2−アンスリル等)、C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル等)、5ないし10員芳香族複素環基(例、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル等)、オキソ等が1ないし3個挙げられる。
【0012】
5で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員(単環、2環又は3環式)複素環、好ましくは(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員、特に好ましくは5ないし6員)芳香族複素環、(ii)5ないし10員(好ましくは、5ないし6員)非芳香族複素環又は(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基等が挙げられる。
上記「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環」としては、例えば、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[b]フラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン等の芳香族複素環、又はこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1又は2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環等が挙げられる。
上記「5ないし10員非芳香族複素環」としては、例えば、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサゾール、オキサジアゾリン、チアジアゾリン、トリアゾリン、チアジアゾール、ジチアゾール等が挙げられる。
上記「7ないし10員複素架橋環」としては、例えば、キヌクリジン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
【0013】
該「複素環基」として好ましくは、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を、好ましくは1ないし4個含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の(単環又は2環式)複素環基である。具体的には、例えば2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル等の芳香族複素環基、例えば1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル、2−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ等の非芳香族複素環基等である。
このうち、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含む5又は6員の複素環基等が更に好ましい。具体的には、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、3−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル、2−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ等が挙げられる。
該「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては、例えば前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のもの等が挙げられる。
該「複素環基」は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0014】
6で示される「C1−6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」としては、例えば前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」がそれぞれ挙げられる。
1で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」としては、例えば前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」がそれぞれ挙げられる。
1で示される「置換基を有していてもよいアミノ基」としては、例えば(1)置換基を1又は2個有していてもよいアミノ基及び(2)置換基を有していてもよい環状アミノ基等が挙げられる。
上記(1)の「置換基を1又は2個有していてもよいアミノ基」の「置換基」としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、アシル基、置換基を有していてもよいアルキリデン基等が挙げられる。これら「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」としては、前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものがそれぞれ挙げられる。該「アシル基」としては、前記R1で示される「アシル基」と同様のものが挙げられる。
該「置換基を有していてもよいアルキリデン基」の「アルキリデン基」としては、例えばC1−6アルキリデン基(例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン等)等が挙げられる。該「置換基を有していてもよいアルキリデン基」の「置換基」としては、前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが1ないし5個、好ましくは1ないし3個挙げられる。
上記「置換基を1又は2個有していてもよいアミノ基」の「置換基」が2個の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0015】
上記(2)の「置換基を有していてもよい環状アミノ基」の「環状アミノ基」としては、1個の窒素原子と炭素原子以外に、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5ないし7員非芳香族環状アミノ基が挙げられ、具体例としては、ピロリジン−1−イル、ピペリジノ、ピペラジン−1−イル、モルホリノ、チオモルホリノ、ヘキサヒドロアゼピン−1−イル、イミダゾリジン−1−イル、2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、テトラヒドロ−1(2H)−ピリミジニル、3,6−ジヒドロ−1(2H)−ピリミジニル、3,4−ジヒドロ−1(2H)−ピリミジニル等が挙げられる。「置換基を有していてもよい環状アミノ」の「置換基」としては、例えば、前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」として詳述した「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ基」の「置換基」と同様のもの等が1ないし3個挙げられる。
1個のオキソを有する5ないし7員非芳香族環状アミノ基の具体例としては、2−オキソイミダゾリジン−1−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、2−オキソテトラヒドロ−1(2H)−ピリミジニル、2−オキソ−3,6−ジヒドロ−1(2H)−ピリミジニル、2−オキソ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−ピリミジニル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソピペリジノ、2−オキソピペラジン−1−イル、3−オキソピペラジン−1−イル、2−オキソ−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピン−1−イル等が挙げられる。
【0016】
1としては、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアルキル基等が好ましい。
該「置換基を有していてもよいアミノ基」として更に好ましくは、式:−(C=O)−R5、−(C=O)−OR5、−(C=O)−NR56、−(C=S)−NHR5 又は−SO2−R7〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表されるアシルを1又は2個有していてもよいアミノ基である。特に好ましくは、式:−(C=O)−R5 又は −(C=O)−NR56〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表されるアシルを1又は2個有していてもよいアミノ基である。
該「置換基を有していてもよいアリール基」として好ましくは、例えばC1−6アルキルチオ、C6−14アリールチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−14アリールスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル及びカルボキシ等から選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC6−14アリール基(好ましくはフェニル等)等である。
該「置換基を有していてもよいアルキル基」として好ましくは、例えばハロゲン原子、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC1−6アルコキシ−カルボニル等から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなど)が好ましく、特にメチル、エチルなどのC1−3アルキル基が好ましい。
なかでも、R1としては、(i)C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのC1−4アルキル基)、(ii)C1−6アルキルチオ(例、メチルチオ)、C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)およびハロゲン原子(例、塩素原子、フッ素原子)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル基)または(iii)式−(C=O)−R5'〔式中、R5'は(i)C1−6アルキル基(例、メチルなどのC1−3アルキル基)、(ii)C6−14アリール基(例、フェニル基)または(iii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員の複素環基(例、ピリジル基などの炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1ないし2個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環基)を示す〕で表されるアシルを1又は2個有していてもよいアミノ基などが好ましい。R5'およびR5''としては、フェニル基またはピリジル基が好適である。
【0017】
前記式中、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示す。
で示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」としては、例えば芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。
該「芳香族炭化水素基」としては、例えば炭素数6ないし14個の単環式又は縮合多環式(2又は3環式)芳香族炭化水素基等が挙げられる。その具体例として、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、2−アンスリル等のC6−14アリール等、好ましくはC6−10アリール等(例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等、好ましくはフェニル等)が挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)芳香族複素環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基等が挙げられる。
上記「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環」としては、例えば、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[b]フラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン等の芳香族複素環、又はこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1又は2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環等が挙げられる。
該「芳香族複素環基」として好ましくは、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を、好ましくは1ないし4個含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の(単環又は2環式)芳香族複素環基等、具体的には、例えば2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル等の芳香族複素環基が挙げられる。
該「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としては、例えば前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが1ないし5個、好ましくは1ないし3個挙げられる。置換基の個数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0018】
2としては、(1)置換基を有していてもよいC6−14アリール基または(2)置換基を有していてもよい炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員の芳香族複素環基が好ましく、なかでも(1)ハロゲン原子(例、塩素原子、フッ素原子)もしくはC1−6アルコキシ(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル基、ナフチル基)、(2)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員の芳香族複素環基(例、ピリジル基、チエニル基などの炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1ないし2個のヘテロ原子を含む5ないし6員の芳香族複素環基)などが好ましく、特にフェニル基、ピリジル基などが好適である。
【0019】
前記式中、R3は水素原子、置換基を有していてもよいピリジル基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。
3で示される「置換基を有していてもよいピリジル基」の「置換基」としては、例えば前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが挙げられる。
該「ピリジル基」は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。また、該「ピリジル基」の環内窒素原子は、N−オキシド化されていてもよい。
3で示される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」の「芳香族炭化水素基」としては、前記したRで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族炭化水素基」と同様のもの等が挙げられ、好ましくは例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、2−アンスリル等のC6−14アリール等、更に好ましくはC6−10アリール等(例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等、好ましくはフェニル等)等である。R3で示される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」の「置換基」としては、前記したRで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の置換基と同様のもの等が挙げられる。
3としては、置換基を有していてもよいC6−14アリール基が好ましく、なかでも1または2個のC1−6アルキル(例、メチル、エチルなど)またはC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなど)で置換されていてもよいC6−14アリール基などが好ましく、特に1または2個のC1−6アルキルまたはC1−6アルコキシで置換されていてもよいフェニル基(例、3−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニルなど)などが好適である。
【0020】
前記式中、Xは酸素原子又は酸化されていてもよい硫黄原子を示す。
Xで示される「酸化されていてもよい硫黄原子」としては、S、SO、SOが挙げられる。
Xとして好ましくは、酸化されていてもよい硫黄原子である。更に好ましくはSである。
【0021】
前記式中、Yは結合手、酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子又は式 NR4(式中、R4は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又はアシル基を示す)を示す。
Yで示される「酸化されていてもよい硫黄原子」としては、S、SO、SOが挙げられる。
4で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、例えば前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものが挙げられ、なかでも、メチル、エチルなどのC1−6アルキル基、特にメチルなどのC1−3アルキル基が好ましい。
4で示される「アシル基」としては、例えば前記R1で示される「アシル基」と同様のものが挙げられる。
Yとしては、酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、式 NR4(式中、R4は前記と同意義を示す)で表される基などが好ましく、なかでも酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、式 NR'(R'は水素原子またはC1−6アルキル基)で表される基などが好ましく、さらには酸素原子、S、SO、NH、N(CH)などが好ましく特にOまたはNHが好適である。
【0022】
前記式中、Zは結合手または置換基を有していてもよい2価の鎖状炭化水素基を示す。
Zで表される「置換基を有していてもよい2価の鎖状炭化水素基」の「2価の鎖状炭化水素基」としては、例えばC1−15アルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン等、好ましくはC1−6アルキレン等)、C2−16アルケニレン基(例えばビニレン、プロピレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、3−ペンテニレン等)、C2−16アルキニレン基(エチニレン、プロピニレン、1−ブチニレン、2−ブチニレン、1−ペンチニレン、2−ペンチニレン、3−ペンチニレン等)等が挙げられ、好ましくはC1−15アルキレン基、特に好ましくはC1−6アルキレン基等である。Zで表される「置換基を有していてもよい2価の鎖状炭化水素基」の「置換基」としては、例えば前記R5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のもの等が挙げられる。
Zとしては、C1−3アルキル(例、メチル)、オキソなどの置換基を有していてもよい低級アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレンなどのC1−6アルキレン基、特にC1−3アルキレン基)が好ましく、なかでもオキソを有していてもよいC1−6アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレンなどのC1−3アルキレン基、特にメチレン)が好適である。
より具体的には、Zとしては−CH−、−(CH−、−(CH−、−CO−、−CHCO−、−(CHCO−、−CH(CH)−などが用いられ、特に−CH−、−CO−などが好適である。
【0023】
化合物(I)中の窒素原子はN−オキシド化されていてもよい。例えば式
【化3】

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環の5位に置換している4−ピリジル基の構成原子としての窒素原子はN−オキシド化されていてもよく、化合物(I)としては、例えば式
【化4】

〔式中、nは0又は1を示し、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物又はその塩等が好ましい。
【0024】
化合物(I)としては、例えば、次の(A)〜(F)に示す化合物などが好ましく用いられる。
(A)R1が置換基を有していてもよいアミノ基、R2が置換基を有していてもよいC6−14アリール基、R3が置換基を有していてもよいC6−14アリール基、Xが硫黄原子、Yが酸素原子又は式 NR4(式中、R4は前記と同意義を示す)で表される基又は(及び)Zが置換基を有していてもよい低級アルキレン基である化合物(I)。
(B)R1が(i)C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのC1−4アルキル基)、
(ii)C1−6アルキルチオ(例、メチルチオ)、C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)およびハロゲン原子(例、塩素原子、フッ素原子)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル基)または
(iii)式−(C=O)−R5'〔式中、R5'は(i)C1−6アルキル基(例、メチルなどのC1−3アルキル基)、(ii)C6−14アリール基(例、フェニル基)または(iii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員の複素環基(例、ピリジル基などの炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1ないし2個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環基)を示す〕で表されるアシルを1又は2個有していてもよいアミノ基;
2がハロゲン原子(例、塩素原子、フッ素原子)もしくはC1−6アルコキシ(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル基、ナフチル基)、または炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員の芳香族複素環基(例、ピリジル基、チエニル基などの炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1ないし2個のヘテロ原子を含む5ないし6員の芳香族複素環基);
3が1または2個のC1−6アルキル(例、メチル)またはC1−6アルコキシ(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル基);
Xが硫黄原子;
Yが酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子または式 NR'(R'は水素原子またはC1−6アルキル基)で表される基(特に、酸素原子、S、SO、NH、N(CH)など);
ZがオキソまたはC1−6アルキル(例、メチルなどのC1−3アルキル)を有していてもよいC1−6アルキレン基(特に、C1−3アルキレン基)または結合手である化合物(I)。
【0025】
(C)R1が式−(C=O)−R5''〔式中、R5''は(i)C6−14アリール基(例、フェニル基)または(ii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員の複素環基(例、ピリジル基などの炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1ないし2個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環基)を示す〕で表されるアシルを1又は2個有していてもよいアミノ基;
2がC6−14アリール基(例、フェニル基)または炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種のヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員の芳香族複素環基(例、ピリジル基などの炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1ないし2個のヘテロ原子を含む5ないし6員の芳香族複素環基);
3が1または2個のC1−6アルキル(例、メチル)またはC1−6アルコキシ(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル基);
Xが硫黄原子;
YがO、NHまたはS;
Zが結合手またはオキソを有していてもよいC1−6アルキレン基(特に、オキソを有していてもよいメチレン、エチレンなどのC1−3アルキレン基)である化合物(I)。
【0026】
(D)参考例A1〜A79で製造される化合物(I)。
(E)[4-(3,5-ジメチルフェニル)-5-(2-フェニルメチルオキシ-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミン(参考例B化合物1)、
N-[4-[2-ベンゾイルアミノ-4-(4-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物2)、
N-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[2-[(3-ピリジルカルボニルアミノ)]-4-ピリジル]-1,3-チアゾール-2-イル]ニコチンアミド(参考例B化合物3)、
N-[4-[2-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物4)、
N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物5)、
N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンジルアミン(参考例B化合物6)、
N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド塩酸塩(参考例B化合物7)、
N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンジルアミン二塩酸塩(参考例B化合物8)。
(F)N-[5-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(参考例B化合物9)、
N-[5-(2-ベンジルアミノ-4-ピリジル)-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(参考例B化合物10)、
N-[4-[4-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物13)、
N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド(参考例B化合物14)、
N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド(参考例B化合物15−2)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド(参考例B化合物15−3)、
N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド(参考例B化合物15−4)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド(参考例B化合物15−6)、
N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物16−1)、
N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド(参考例B化合物16−2)、
N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-(4-メトキシフェニル)プロピオンアミド(参考例B化合物16−3)、
N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-4-フェニルブチルアミド(参考例B化合物16−5)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物16−7)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド(参考例B化合物16−8)、
N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物16−9)、
N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド(参考例B化合物16−10)、
N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物16−11)、
N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド(参考例B化合物16−12)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物16−15)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド(参考例B化合物16−16)、
N-ベンジル-N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン(参考例B化合物19−2)、
N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン(参考例B化合物19−3)、
N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン(参考例B化合物19−4)、
N-ベンジル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン(参考例B化合物19−5)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン(参考例B化合物19−6)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン(参考例B化合物19−7)、
N-ベンジル-N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン(参考例B化合物19−8)、
N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン(参考例B化合物19−9)、
N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン(参考例B化合物19−10)、
N-ベンジル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン(参考例B化合物19−17)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン(参考例B化合物19−18)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン(参考例B化合物19−19)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(参考例B化合物20)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド(参考例B化合物21−1)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド(参考例B化合物21−2)、
N-ベンジル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン(参考例B化合物21−5)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン(参考例B化合物21−6)、
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン(参考例B化合物25−1)、
N-(4-フルオロベンジル)-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン(参考例B化合物25−2)、
(S)-N-[4-(3-メチルフェニル)-5-(2-(1-フェニルエチルアミノ)-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]ニコチンアミド、
(R)-N-[4-(3-メチルフェニル)-5-(2-(1-フェニルエチルアミノ)-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]ニコチンアミド、
(S)-N-[4-(3-メチルフェニル)-5-(2-(1-フェニルエチルアミノ)-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-メチルニコチンアミド、
(R)-N-[4-(3-メチルフェニル)-5-(2-(1-フェニルエチルアミノ)-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-メチルニコチンアミド、
(S)-N-[4-(3-メチルフェニル)-5-(2-(1-フェニルエチルアミノ)-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-クロロニコチンアミド、
(R)-N-[4-(3-メチルフェニル)-5-(2-(1-フェニルエチルアミノ)-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-クロロニコチンアミド、
(S)-N-[4-(3-メチルフェニル)-5-(2-(1-フェニルエチルアミノ)-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-メトキシニコチンアミド、
(R)-N-[4-(3-メチルフェニル)-5-(2-(1-フェニルエチルアミノ)-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-メトキシニコチンアミド、
N-[5-(2-ベンジルアミノ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]ニコチンアミド、
N-[5-(2-ベンジルアミノ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-メトキシニコチンアミド、
N-[5-(2-ベンジルアミノ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-クロロニコチンアミド、
N-[5-(2-ベンジルアミノ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-メチルニコチンアミド、
N-[5-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]ニコチンアミド、
N-[5-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-メチルニコチンアミド、
N-[5-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-クロロニコチンアミド、
N-[5-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-メトキシニコチンアミド、
(S)-N-(1-フェニルエチル)-4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(R)-N-(1-フェニルエチル)-4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(S)-N-(1-フェニルエチル)-4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(R)-N-(1-フェニルエチル)-4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(S)-N-(1-フェニルエチル)-4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(R)-N-(1-フェニルエチル)-4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(S)-N-(1-フェニルエチル)-4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(R)-N-(1-フェニルエチル)-4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(S)-N-(1-フェニルエチル)-4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(R)-N-(1-フェニルエチル)-4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(S)-N-(1-フェニルエチル)-4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、
(R)-N-(1-フェニルエチル)-4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン。
【0027】
化合物(I)の塩としては、例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等無機酸との塩、又は酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
より具体的には、該薬物が N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-ベンジル-N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミンのいずれかであることがさらに好ましい。
上記例示したチアゾール化合物などは例えばWO00/64894などに開示される方法によって製造することができる。
【0028】
本発明で用いられる担体としては、該担体の軟化温度が、好ましくは約60〜約350℃、さらに好ましくは約80〜約270℃、特に好ましくは約100〜約220℃にある担体を使用することができる。
本発明中の担体としては高分子担体が好ましく使用される。
該高分子担体としては、親水性重合体などが用いられる。
【0029】
親水性重合体としては、例えば、水溶性重合体、腸溶性重合体、胃溶性重合体などが用いられる。
水溶性重合体としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、メチルセルロース等のアルキルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等のポリアルケニルピロリドン、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコールなどが用いられる。
腸溶性重合体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーS、乾燥メタクリル酸コポリマーLDなどが用いられる。
胃溶性重合体としては、例えば、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートなどが用いられる。
その他、カルボキシメチルセルロース、オイドラギット、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カンテン、ゼラチン、キトサンなども用いることができる。これらの親水性重合体は、1種または2種類以上混合して使用しても良い。
さらに具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−55, HP−50、信越化学(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(AS−LF、信越化学(株)製)、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC、フロイント産業(株)製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体(Eudragit L100(メタクリル酸コポリマーL)もしくはEudragitS100(メタクリル酸コポリマーS)、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit L100−55(乾燥メタクリル酸コポリマーLD)もしくはEudragitL30D−55(メタクリル酸コポリマーLD)、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体(Eudragit FS30D、Rohm社製)、ポリビニルアセテートフタレート、シェラックなどのポリマーが好ましく用いられ、なかでもヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−55, HP−50、信越化学(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(AS−LF、信越化学(株)製)が好ましく用いられる。
本発明で用いられる可塑剤は、固体分散体を形成する際にポリマーのガラス転移温度を下げるために使用される。
本発明の可塑剤としては例えば、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、マクロゴール類、トリアセチン、脂肪酸トリグリセライドなどが例示できるが、これらに限られることなく、担体の転移温度を低下させる作用を有する化合物であればすべて使用することができる。可塑剤として、より具体的にはクエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール(PEG6000など)、ポリエチレンオキサイド(Polyoxなど)など種々の化合物が使用可能であるが、とりわけポリエチレンオキサイド(Polyoxなど)は薬物放出調整成分としての作用も兼ね備えることができ好ましい。
本発明で用いられる薬物放出調整成分は、固体分散体に水を浸入しやすくし薬物放出を調整するために使用される。本発明の薬物放出調整成分は固体分散体内部に水を引き込むための親水性を有しておればよく、親水性化合物であることが好ましい。固体分散体の大きさ、形状により薬物放出調整成分の種類、使用量を調節することにより、薬物の放出速度を制御することが出来る。上記親水性化合物としては親水性重合体あるいは親水性低分子化合物が好ましく用いられる。
例えば、親水性重合体は薬物放出速度を抑制または促進するために用いられ、親水性低分子化合物は薬物放出速度を促進するために用いられる。さらに親水性重合体を用いて抑制または促進した薬物放出速度を、親水性低分子化合物を用いてさらに微調整することもできる。
親水性重合体としては、例えば、前記した水溶性重合体、腸溶性重合体、胃溶性重合体などが用いられる。
本発明で用いられる親水性重合体が例えば、ゲル形成能を有するなど高い放出制御能を有する場合には徐放性の度合いを高めることが出来る。
この様なゲル形成可能なポリマーとしては、水と接触することにより急速に高粘度のゲルを形成し、消化管内での滞留性を延長するポリマーであればよい。このようなゲル形成性ポリマーとしては、25℃における5%水溶液の粘度が約3000mPa・s以上のポリマーであるものが好ましい。また、通常ゲル形成性ポリマーが、分子量400000−10000000程度のポリマーが一般に好ましい。このようなゲル形成性ポリマーは粉末状、顆粒状ないしは細粒状のものが製剤化するうえで好適である。このようなゲル形成性ポリマーとしては、具体的にはポリエチレンオキサイド(PEO、例えばPolyox WSR303 (分子量7000000)、Polyox WSR Coagulant (分子量5000000)、Polyox WSR 301 (分子量4000000)、Polyox WSR N-60K (分子量2000000)、Polyox WSR 205 (分子量600000) ; Dow Chemical社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Metlose 90SH10000、Metlose 90SH50000、Metlose 90SH30000 、信越化学(株)製)、カルボキシメチルセルロース(CMC−Na、Sanlose F−1000MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、例えばHPC−H、日本曹達(株)製)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシビニルポリマー(ハイビスワコー(R)103、104、105、和光純薬(株)製;カーボポール943、Goodrich社製)、キトサン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、などが挙げられ、なかでも ポリエチレンオキサイド(PEO、例えばPolyox WSR303 (分子量7000000)、Polyox WSR Coagulant (分子量5000000)、Polyox WSR 301 (分子量4000000))などが好ましい。
これらは単独または少なくとも2種以上の粉末を適当な比率で混合して用いてもよい。とりわけPEO、HPMC、HPC、CMC−Na、カルボキシビニルポリマーなどがゲル形成性ポリマーとして好ましく用いられる。
親水性低分子化合物としては、例えば、乳糖、グラニュー糖などの糖類、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコール類、無機塩類および有機塩類などが用いられ、なかでも乳糖、グラニュー糖、マンニトールなどが好ましい。
さらに薬物放出調整成分は上記成分に加えて、崩壊剤を含有することもできる。このような崩壊剤としては、例えば微粒二酸化ケイ素(日本アエロジル製、アエロジル)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(五徳薬品製、ECG−505)、クロスカルメロースナトリウム(例えば、旭化成(株)製、アクジゾル)、クロスポビドン(例えば、BASF社製、コリドンCL)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学(株))、カルボキシメチルスターチ(松谷化学(株))、カルボキシメチルスターチナトリウム(木村産業製、エキスプロタブ)、部分α化デンプン(旭化成(株)製、PCS)などが用いられる。
【0030】
本明細書中、固体分散体とは上記(i)薬物、(ii)担体、(iii)可塑剤、(iv)薬物放出調整成分と、必要に応じて他の物質とが均一に混合された固体の組成物をいう。他の物質とは、上記固形物質以外の物質をいい、特に限定されない。他の物質としては、例えば、界面活性剤、流動化剤、滑沢剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などが用いられる。
固体分散体中の他の物質は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
本発明の固形分散体中における(i)薬物の含有量は、製剤の形態等によって相違するが、通常固体分散体全体に対して約0.1ないし約99.9重量%、好ましくは約0.1ないし約50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし約30重量%程度となるよう決定される。
本発明の固体分散体における(ii)担体の含有量は、剤型、投与方法などにより異なるが、製剤全量に対して、通常約0.1〜約99.9%(w/w)である。
本発明の固体分散体における(iii)可塑剤の含有量は、剤型、投与方法などにより異なるが、製剤全体に対して、通常約0〜約99.9(w/w)%、好ましくは約0.1〜約99.9(w/w)%である。
本発明の固体分散体における(iv)薬物放出調整成分の含有量は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、製剤全量に対して、通常約0〜約99.9(w/w)%、好ましくは約0.1〜約99.9%(w/w)である。
特に、薬物放出調整成分が親水性重合体の場合、製剤全量に対して、通常約0〜約90%(w/w)である。
薬物放出調整成分が親水性低分子化合物の場合、製剤全量に対して、通常約0〜約90%(w/w)である。
なお、本発明の固体分散体における薬物放出調整成分と薬物との重量比は、通常0.01:1から100:1の範囲であればよく、好ましくは0.02:1から50:1、より好ましくは0.1:2から20:1であり、さらに好ましくは0.3:1ないし10:1、より好ましくは1:1ないし10:1である。
本発明の固体分散体中における他の物質の比率は目的に応じて任意に決定することができる。例えば、固体分散体における他の物質の含有量は、製剤の形態等によって相違するが、製剤全体に対して0〜99.9重量%、好ましくは0.1ないし50重量%、さらに好ましくは0.5ないし30重量%程度である。
本明細書中、「徐放性製剤」とは、例えば、日本薬局方溶出試験法第2法(パドル法)を、適当な試験液900mLを用いてパドルの回転数100rpmの条件で実施した場合の「試験開始30分後における製剤からの薬物溶出率」が85%未満である製剤を意味する。ここで、試験液としては、例えば、試験液に製剤中の薬物が100%溶出したときの該薬物濃度が、該薬物の飽和溶解度の1/3以下となるような試験液が用いられる。また、試験液としては、製剤技術分野において慣用のもの、例えば水、緩衝液などが用いられる。
また、本明細書中では、前記と同様の条件下で日本薬局方溶出試験法第2法(パドル法)を実施した場合の、試験開始30分後における製剤からの薬物溶出率が85%以上である製剤を速放性製剤という。
通常の速放性製剤は生体に投与後は急激な血中薬物濃度の立ち上がりを示し短時間で最高血中濃度に達した後速やかな低下を示すのに対し、本発明の固体分散体は徐放性を有するため生体に投与後の血中薬物濃度は緩やかに上昇しかつ持続的な推移を示す。本発明の固体分散体を投与後の最高血中濃度は同用量の通常の速放性製剤と比較して、低く抑制され、通常の速放性製剤の最高血中濃度のおよそ60%以下でかつ持続的な血中薬物濃度を示すため、血中濃度−時間下曲線面積は通常の速放性製剤のおよそ60%以上である。
本発明の固体分散体は徐放性を有するため生体に投与後の血中薬物濃度は緩やかに上昇し最高血中濃度に達した後緩やかに低下する。従って本発明の固体分散体を投与後に最高血中濃度の半分の濃度を超えている時間は同用量の通常の速放性製剤を投与後に最高血中濃度の半分の濃度を超えている時間よりも2倍以上長くなる。
【0031】
本願明細書において「加熱融解」、「混合」は、それぞれ慣用の方法および装置を用いて行えばよい。
「加熱融解」および「混合」は、例えば、慣用されている、熱源を有する撹拌機、混練機等を用いて行うことができる。また、内部を加圧できる構造を有しているものがより好ましい。
【0032】
別法として、シリンダー内にスクリューを有する押出機(例、単軸押出機、2軸押出機等)、射出成形機(例、2軸型エクストルーダー等)の射出装置を使用することができる。中でも好ましくは、2軸型エクストルーダーの射出装置である。
この場合、上記(i)薬物、(ii)担体、(iii)可塑剤および(iv)薬物放出調整成分と、必要に応じて他の物質とを、これらの装置のホッパーから、適切な加熱融解温度に維持した装置内部に投入し、スクリューを回転させることにより、固形物質が融解し、均一に混練される。あるいは必要に応じて装置内部に投入する前に、予備的に混合することもできる。本発明の製造方法における圧力、温度、粉体供給速度、ダイ口径、スクリューの形状、スクリュー回転数などの設定条件は使用する薬物、担体、可塑剤、薬物放出調整成分または機種などにより異なるが、薬物や担体、可塑剤、薬物放出調整成分分解温度以下になるようにそれぞれを組み合わせることが重要で、目的とする製品特性にあわせて変化させることが必要である。
【0033】
本発明の製造方法によれば、次のような性質を有する固体分散体(医薬組成物)を得ることができる。
(1)薬物放出速度が制御された固体分散体(医薬組成物)。
(2)徐放性に優れた固体分散体(医薬組成物)。
(3)溶解性の改善された固体分散体(医薬組成物)。
(4)固体分散体に含まれる薬物(例、p38MAPキナーゼ阻害薬)の大部分がアモルファスである。
【0034】
本発明の製造方法によって得られる固体分散体は、必要に応じて粉砕等を行い、それ自体経口投与用医薬組成物等として使用することができる。本発明の固体分散体の形状としては、任意の形、大きさに成形可能であるが、例えばペレット状、顆粒状などが挙げられる。
また、本発明の固体分散体に、一般的に医薬品製剤の分野で使用される添加剤を添加し、常法により細粒剤、微細顆粒、顆粒、錠剤、カプセル剤、などの医薬組成物とすることもできる。
該添加剤としては、製剤素材として慣用されている各種有機、無機担体物質などの薬学的に許容される担体が用いられ、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、シュクロ−ス、有孔デンプン、マンニトール、ケイ酸カルシウム(商品名:フローライトRE)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(商品名:ノイシリン)、軽質無水ケイ酸(商品名:サイリシア)、白糖・デンプン球状顆粒(品名:ノンパレル)、結晶セルロース・カルボキシメチルセルロース(商品名:アビセルRC)、ヒドロキシプロピルスターチなどが用いられる。
滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、メチルセルロース(商品名:メトローズSM)、クロスカルメロ−スナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロ−ス、デンプングリコ−ル酸ナトリウム、部分アルファー化デンプンなどが用いられる。
滑沢剤としては、例えば、タルク、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、酸化マグネシウムなどが用いられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(商品名:プルロニック)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、セタノールなどが用いられる。
吸着剤としては、例えば、有孔デンプン、ケイ酸カルシウム(商品名:フローライトRE)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(商品名:ノイシリン)、軽質無水ケイ酸(商品名:サイリシア)などが用いられ、防腐剤の好適な例としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが用いられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸などが用いられる。
これらの添加剤は、単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
かくして得られる本発明の医薬組成物における固体分散体の含有量は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、製剤全量に対して、通常0.1〜100%(w/w)である。
また、本発明の医薬組成物における添加剤の含有量は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、製剤全体に対して、通常0〜99.9%(w/w)である。
【0035】
本発明の製造方法で得られた固体分散体またはそれを含有する医薬組成物は、薬物の種類等に応じて、哺乳動物(例、ラット、マウス、モルモット、サル、ウシ、イヌ、ブタ、ヒト等)に投与することができる。
薬物が化合物(I)又はその塩である場合には、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、優れたアデノシンA受容体拮抗作用を示し、(経口)吸収性、(代謝)安定性等にも優れるため、アデノシンA受容体関連疾患、例えば喘息、アレルギー疾患、炎症、アジソン病(Addison's disease)、自己免疫性溶血性貧血、クローン病(Crohn's disease)、乾せん、リウマチ、中枢神経疾患(例えば、脳出血及び脳梗塞等の脳血管障害、頭部外傷、脊髄損傷、脳浮腫、多発性硬化症等)、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS))、糖尿病等の予防治療剤として用いることができる。好ましくは、中枢神経疾患、喘息、アレルギー疾患等の予防治療剤である。
また、薬物が化合物(I)又はその塩である場合には、また優れたp38MAPキナーゼ阻害作用、TNF−α阻害作用(TNF−α産生阻害作用、TNF−α作用阻害作用)を示し、この作用に基づく安全な医薬品としても有用である。
例えば、薬物が化合物(I)またはその塩である医薬組成物は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、p38MAPキナーゼ関連疾患やTNF−α関連疾患、例えば関節炎(例、慢性関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎、滑膜炎)、毒血症(例、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、トキシックショック症候群)、炎症性腸疾患(例、クローン病、潰瘍性大腸炎)、炎症性肺疾患(例、慢性肺炎、珪肺、肺サルコイドーシス、肺結核)、あるいは悪液質(例、感染による悪液質、癌性悪液質、後天性免疫不全症候群(エイズ)による悪液質)、動脈硬化症、クロイツフェルト−ヤコブ病、ウイルス感染(例、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルス感染)、アトピー性皮膚炎、全身性エリスマトーデス、エイズ脳症、髄膜炎、狭心症、心筋梗塞、うっ血性心不全、肝炎、移植、透析低血圧、汎発性血管内凝固症候群等の予防治療剤としても用いることができる。好ましくは、リウマチ等の予防治療剤として用いられる。
さらに薬物が化合物(I)又はその塩である場合には、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、以下の各種疼痛の予防・治療剤として用いることができる。
癌性疼痛、炎症による急性痛、慢性炎症に伴う痛み、術後痛(切開創の痛み、深部痛、内臓痛、術後慢性痛など)、筋肉痛(慢性痛疾患に伴う筋肉痛、肩こりなど)、関節痛、歯痛、顎関節痛、頭痛(偏頭痛、緊張型頭痛、発熱に伴う頭痛、高血圧に伴う頭痛)、内臓痛(心臓痛、狭心痛、腹痛、腎臓の痛み、尿管の痛み、膀胱の痛み、産婦人科領域の痛み(中間痛、月経困難、陣痛))、神経痛(椎間板ヘルニア、神経根痛、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛)、反射性交感神経性萎縮症、複雑局所痛症候群など。
加えて、薬物が化合物(I)又はその塩である場合には、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、破骨細胞活性化抑制剤、破骨細胞形成阻害剤としても用いることができる。
破骨細胞は造血系細胞が分化、融合して多核化した骨基質分解能を有する細胞で、骨代謝においては骨を新たに形成する骨芽細胞に対して骨を吸収する役割を担っている。骨の量や形態の維持はこれら両細胞の行う形成と吸収の均衡の上に成立しており、破骨細胞が活性化して骨の吸収が亢進するとこの均衡が破綻して骨量の減少や形態上の破壊、変形が生じる。また、破骨細胞はカルシウム貯蔵器官である骨の吸収を介して血中カルシウム濃度の調整に関与するため、極度に破骨細胞が活性化すると血中カルシウム濃度が上昇する。
薬物が化合物(I)又はその塩である場合には、破骨細胞の活性化を抑制し、破骨細胞の形成を阻害することができるので、例えば、(i)閉経後または老人性の原発性骨粗鬆症、(ii)炎症(リウマチなど)、血液系悪性疾患(悪性リンパ腫、白血病など)、内分泌異常(甲状腺機能亢進症、糖尿病など)または副腎皮質ホルモンなどの薬剤投与に起因する続発性骨粗鬆症、(iii)腫瘍の骨転移またはリウマチに伴う骨・関節組織の破壊または変形、(iv)Paget病または(v)高カルシウム血症などの予防・治療剤として使用することができる。
薬物が化合物(I)又はその塩であって、疼痛予防・治療効果ならびに破骨細胞活性化抑制または(および)形成阻害効果を併有する化合物は、関節痛などの疼痛を軽減すると同時に、骨・関節組織の破壊または変形などの破骨細胞に関連する疾患を予防・治療する効果を有する点で有用である。
【0036】
本発明の固体分散体の使用に際しては、上記した薬物(以下本発明の化合物と略記する)と他の薬物(以下、併用薬物と略記する)とを組み合わせることにより、
(1)本発明の化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明の化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られるなどの優れた効果を得ることができる。
本明細書では、本発明の化合物と併用薬物とを組み合わせてなる医薬を、「本発明の併用剤」と呼ぶ場合がある。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物を含有する固体分散体またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、滑膜切除術後、Prosorba columnを用いた治療後、単核細胞治療法を用いた後などに、本発明の併用剤を用いることもできる。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の固体分散体の投与、(2)本発明の化合物を含有する固体分散体またはその医薬組成物と併用薬物を含有する医薬組成物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物を含有する固体分散体またはその医薬組成物と併用薬物を含有する医薬組成物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物を含有する固体分散体またはその医薬組成物と併用薬物を含有する医薬組成物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物を含有する固体分散体またはその医薬組成物と併用薬物を含有する医薬組成物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
【0037】
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明の化合物および上記併用薬物を含有する固体分散体またはその医薬組成物を上記の方法に従って製造し、あるいは上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、坐剤、徐放剤等として本発明の化合物を含有する固体分散体またはその医薬組成物と共に、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、投与等)に安全に投与することができる。
上記併用薬物を含有する医薬組成物の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
本発明の併用剤における本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし約99.9重量%、好ましくは約0.1ないし約50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし約20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし約99.9重量%、好ましくは約0.1ないし約50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし約20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし約99.98重量%、好ましくは約10ないし約90重量%程度である。
また、本発明の化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合、本発明の化合物および併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし約99.9重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし約99.99重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度である。
【0038】
本発明の併用剤の投与量は、薬物の種類、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間などにより異なるが、例えば、関節炎の患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、本発明の化合物および併用薬物として、それぞれ1日約0.01〜約1000mg/kg、好ましくは約0.01〜約100mg/kg、より好ましくは約0.1〜約100mg/kg、とりわけ約0.1〜約50mg/kgを、なかでも約1.5〜約30mg/kgを1日1回から数回に分けて投与される。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、たとえば経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001〜2000mg、好ましくは約0.01〜500mg、さらに好ましくは、約0.1〜100mg程度であり、これを通常1日1〜4回に分けて投与する。
【0039】
本発明の医薬を投与するに際しては、同時期に投与してもよいが、併用薬物を先に投与した後、本発明の化合物を投与してもよいし、本発明の化合物を先に投与し、その後で併用薬物を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に本発明の化合物を投与する方法が挙げられる。本発明の化合物を先に投与する場合、本発明の化合物を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
好ましい投与方法としては、例えば、経口投与製剤に製形された併用薬物約0.001〜200mg/kgを経口投与し、約15分後に経口投与製剤に製形された本発明の化合物 約0.005〜100mg/kgを1日量として経口投与する。
【実施例】
【0040】
本発明は、更に以下の参考例、実施例、比較例および試験例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の参考例、実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。「%」は特記しない限り重量パーセントを示す。但し、収率は mol/mol%を示す。
その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s:シングレット(singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
q:カルテット(quartet)
dd:ダブルダブレット(double doublet)
ddd:ダブルダブルダブレット(double double doublet)
dt:ダブルトリプレット(double triplet)
br:ブロード(broad)
J:カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
CDCl3:重クロロホルム
H-NMR:プロトン核磁気共鳴
Me:メチル
【0041】
参考例A1 2-フェニルメチルオキシ-4-メチルピリジン
水素化ナトリウム (60%パラフィン分散物, 5.0 g, 120 mmol) をヘキサン (5 mL) で2回洗浄し、テトラヒドロフラン (200 mL) に懸濁した。この懸濁液にベンジルアルコール(14 g, 120 mmol) のテトラヒドロフラン (50 mL) 溶液を0℃で滴下し、室温に昇温して15分間かき混ぜた。この溶液に2-ブロモ-4-メチルピリジン (19.5 mL, 110 mmol) のテトラヒドロフラン (50 mL) 溶液を加え、14時間加熱還流させた。反応混合物に水 (200 mL) を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物を減圧下で蒸留し、表題化合物 13 g (67 mmol, 収率 67 %) を得た。
沸点 116-118℃(400 Pa)。
1H-NMR (CDCl3)δ: 2.30 (3H, s), 5.37 (2H, s), 6.63 (1H, s), 6.72 (1H, d, J= 5.1Hz), 7.29-7.50 (5H, m), 8.03 (1H, d, J= 5.1 Hz).
参考例A2 N-(3,5-ジメチルベンゾイル)プロピレンイミン
3,5-ジメチル安息香酸 (25 g, 0.17 mol) とN,N-ジメチルホルムアミド (0.1 mL) を0℃で塩化チオニル (50 mL) に加えた。混合物を2時間加熱還流させた。過剰の塩化チオニルを減圧下で留去し、残さにトルエン (50 mL) を加えた。トルエンを減圧下で留去し、油状の3,5-ジメチルベンゾイルクロリドを得た。プロピレンイミン (14 mL, 0.18 mol) のテトラヒドロフラン (160 mL) 溶液を1N-水酸化ナトリウム水溶液 (180 mL) に加えた。この混合物に0℃で3,5-ジメチルベンゾイルクロリドを滴下した。滴下終了後、さらに30分かき混ぜた。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物 31 g (0.16 mol, 収率 99%) を得た。
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.39 (3H, d, J= 5.5 Hz), 2.13 (1H, d, J= 3.7 Hz), 2.37 (6H, s), 2.47-2.62 (2H, m), 7.19 (1H, s), 7.64 (2H, s).
【0042】
参考例A3 1-(3,5-ジメチルフェニル)-2-(2-フェニルメチルオキシ-4-ピリジル)エタノン
ジイソプロピルアミン (9.6 mL, 69 mmol) の無水テトラヒドロフラン (60 mL) 溶液を-50℃に冷却し、かき混ぜながら1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液 (43 mL, 69 mmol) を滴下した。滴下終了後10分間かき混ぜ、続いて2-フェニルメチルオキシ-4-メチルピリジン (12 g, 62 mmol) の無水テトラヒドロフラン (12 mL) 溶液を -30 ℃で滴下した。1時間かき混ぜた後、N-(3,5-ジメチルベンゾイル)プロピレンイミン (12 g, 62 mmol) の無水テトラヒドロフラン (12 mL) 溶液を -30 ℃で滴下した。滴下終了後徐々に室温まで昇温し、2時間かき混ぜた。反応混合物に水 (60 mL) を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液は水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル、5:1)で精製し、表題化合物 9.1 g (27 mmol, 収率 44 %)を得た。
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.37 (6H, s), 4.20 (2H, s), 5.37 (2H, s), 6.72 (1H, s), 6.81 (1H, d, J=5.1Hz), 7.22 (1H, s), 7.30-7.49 (5H, m), 7.59 (2H, s), 8.12 (1H, d, J=5.1Hz).
参考例A4 2-ブロモ-1-(3,5-ジメチルフェニル)-2-(2-フェニルメチルオキシ-4-ピリジル)エタノン臭化水素酸塩
1-(3,5-ジメチルフェニル)-2-(2-フェニルメチルオキシ-4-ピリジル)エタノン (3.3 g, 10 mmol) を酢酸 (10 mL) に溶かし、臭素 (0.51 mL, 10 mmol) を加えて室温で30分かき混ぜた。析出した粗結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し表題化合物 4.8 g (9.8 mmol, 収率 98%)を得た。
融点 88-90℃。
参考例A5 N-(4-メトキシベンゾイル)プロピレンイミン
プロピレンイミン(25 mL, 0.36 mol)のテトラヒドロフラン(200 mL)溶液を2N-水酸化ナトリウム水溶液(180 mL)に加えた。この混合物に0℃で4-メトキシベンゾイルクロリド(51 g, 0.30 mol)のテトラヒドロフラン(100 mL)溶液を滴下した。滴下終了後、さらに30分かき混ぜた。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物 49g(0.26 mol,収率 86 %)を得た。
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.39 (3H, d, J= 5.6 Hz), 2.11 (1H, d, J= 3.0 Hz), 2.51-2.57 (2H, m), 3.87 (3H, s), 6.94 (2H, d, J= 8.8 Hz), 8.00 (2H, d, J= 8.8 Hz).
【0043】
参考例A6 1-(4-メトキシフェニル)-2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)エタノン
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルピリジン(20 g,97 mmol)の無水テトラヒドロフラン(300 mL)溶液を-78℃に冷却し、かき混ぜながら 1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液(140 mL,0.22 mol)を滴下した。滴下終了後室温で30分間かき混ぜた後、-78℃に冷却した。N-(4-メトキシベンゾイル)プロピレンイミン(25 g,0.13 mol)の無水テトラヒドロフラン(50 mL)溶液を滴下した。滴下終了後室温で2時間かき混ぜた。反応混合物に水(100 mL)及びジイソプロピルエーテル(300 mL)を加え、得られた粗結晶を濾取した。この粗結晶をテトラヒドロフラン-ヘキサンから再結晶することにより表題化合物 23 g (67 mmol,収率 69 %)を得た。
融点 187-190℃。
参考例A7 4-[2-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
1-(4-メトキシフェニル)-2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)エタノン(4.5 g, 13 mmol)の酢酸(100 mL)溶液に臭素(0.68 mL, 13 mmol)を加え、混合物を室温で30分間かき混ぜた。反応混合物を濃縮した。残さをアセトニトリル(40 mL)に溶かし、その溶液にチオ尿素(1.1 g, 14 mmol)、トリエチルアミン(1.9 mL, 14 mmol)を加え、混合物を80℃で2時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、濃縮した。残さに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)を加え、得られた固体を濾取し、水洗した。この固体に2N-塩酸(35 mL)を加え、混合物を100℃で45分間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、8N-水酸化ナトリウム水溶液(10 mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)を加えた。得られた粗結晶を濾取し、水洗した。この粗結晶をエタノールから再結晶することにより表題化合物 2.7 g(9.1 mmol, 収率 69 %)を得た。
融点 251-254℃。
【0044】
参考例A8 2-(2-アミノ-4-ピリジル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノン
1-(4-メトキシフェニル)-2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)エタノン(6.1 g , 18 mmol)に2N-塩酸(30 mL)を加え、混合物を100℃で2時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、8N-水酸化ナトリウム水溶液(10 mL)を加えた。得られた粗結晶を濾取し、水洗した。この粗結晶をテトラヒドロフラン-へキサンから再結晶することにより表題化合物4.0 g(16 mmol , 収率92 %)を得た。
融点 170-174℃。
参考例A9 2-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノン
2-(2-アミノ-4-ピリジル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノン(3.8 g , 16 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(80 mL)溶液に、ベンゾイルクロリド(4.4 g, 31 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.57 g , 4.7 mmol)を加え、混合物を70℃で12時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、水(50 mL)を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。残さをテトラヒドロフラン(80 mL)とメタノール(20 mL)の混合溶媒に溶かし、1N-水酸化ナトリウム水溶液(50 mL)を加えた。混合物を室温で3時間かき混ぜた。反応混合物を濃縮し、水(100 mL)を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。残さを酢酸エチル-ヘキサンから再結晶することにより表題化合物3.1 g(8.9 mmol , 収率57 %)を得た。
融点 136-139℃。
参考例A10 1-(3,5-ジメチルフェニル)-2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)エタノン
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルピリジン(17 g , 82 mmol)の無水テトラヒドロフラン(250 mL)溶液を -78 ℃に冷却し、かき混ぜながら1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液(120 mL,0.19 mol)を滴下した。滴下終了後0℃で30分間かき混ぜた後、-78℃に冷却した。N-(3,5-ジメチルベンゾイル)プロピレンイミン(21 g , 0.11 mol)の無水テトラヒドロフラン(50 mL)溶液を滴下した。滴下終了後室温で2時間かき混ぜた。反応混合物に水(100 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。残さをテトラヒドロフラン-ヘキサンから再結晶することにより表題化合物13 g(37 mmol , 収率46 %)を得た。
融点 133-136℃。
【0045】
参考例A11 2-(2-アミノ-4-ピリジル)-1-(3,5-ジメチルフェニル)エタノン
1-(3,5-ジメチルフェニル)-2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)エタノン(12 g , 36 mmol)に2N-塩酸(50 mL)を加え、混合物を100℃で1時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、8N-水酸化ナトリウム水溶液(15 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。残さを酢酸エチルから再結晶することにより表題化合物6.8 g(28 mmol , 収率77 %)を得た。
融点 123-126℃。
参考例A12 2-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-1-(3,5-ジメチルフェニル)エタノン
2-(2-アミノ-4-ピリジル)-1-(3,5-ジメチルフェニル)エタノン(6.4 g ,27 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(100 mL)溶液に、ベンゾイルクロリド(7.5 g , 53 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(1.0 g , 8.3 mmol)を加え、混合物を70℃で12時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、水(50 mL)を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。残さをテトラヒドロフラン(150 mL)とメタノール(40 mL)の混合溶媒に溶かし、1N-水酸化ナトリウム水溶液(50 mL)を加えた。混合物を室温で3時間かき混ぜた。反応混合物を濃縮し、水(100 mL)を加え、2N-塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて中和した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。残さをシリガゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル、2:1)で精製し、表題化合物6.4 g(19 mmol , 収率70 %)を得た。
油状物。
H-NMR(CDCI3)δ:2.39(6H,s),4.33(2H,s),6.98-7.01(1H,m),7.23(1H,s)、7.45-7.58(3H,m),7.63(2H,s),7.89-7-94(2H,m),8.21(1H,d,J=5.2 Hz),8.36(1H,s),8.71(1H,br).
【0046】
参考例A13
参考例A5に準じ、4-メトキシベンゾイルクロリドの代わりに、3-メチルベンゾイルクロリドおよび3-メトキシベンゾイルクロリドをそれぞれ用いて、下記の参考例A化合物13−1および13−2を合成した。
参考例A化合物13−1:N-(3-メチルベンゾイル)プロピレンイミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.39 (3H, d, J= 5.5 Hz), 2.14 (1H, d, J= 3.3 Hz), 2.41 (3H, s), 2.51-2.66 (2H, m), 7.32-7.39 (2H, m), 7.79-7.87 (2H, m).
参考例A化合物13−2:N-(3-メトキシベンゾイル)プロピレンイミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.40 (3H, d, J= 5.9 Hz), 2.14 (1H, d, J= 2.9 Hz), 2.52-2.65 (2H, m), 3.86 (3H, s), 7.10 (1H, ddd, J= 8.4, 2.6, 1.1 Hz), 7.37 (1H, dd, J= 8.4, 7.3 Hz), 7.55 (1H, dd, J= 2.6, 1.5 Hz), 7.63 (1H, ddd, J= 7.3, 1.5, 1.1 Hz).
参考例A14
参考例A6に準じ、N-(4-メトキシベンゾイル)プロピレンイミンの代わりに、N-(3-メチルベンゾイル)プロピレンイミンを用いて、下記の参考例A化合物14を合成した。
参考例A化合物14:2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノン
融点 144-146℃。
参考例A15 4-(メチルチオ)チオベンズアミド
4-メチルチオベンゾニトリル(12 g)を4N 塩化水素の酢酸エチル溶液(130 mL)に溶かした。この溶液にジチオリン酸 O,O-ジエチル(15 mL)を加え、混合物を室温で22時間かき混ぜた。反応混合物に水(100 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。不溶物を濾過した後、濾液を飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残さを酢酸エチルから再結晶することにより表題化合物 10 g(収率 67 %)を得た。
融点 176-178℃。
【0047】
参考例A16
参考例A15に準じ、4-メチルチオベンゾニトリルの代わりに、4-フルオロベンゾニトリル、2-クロロベンゾニトリル、ブチロニトリルおよびバレロニトリルをそれぞれ用いて、下記の参考例A化合物16―1〜16−4を合成した。
参考例A化合物16−1:4-フルオロチオベンズアミド
融点 156-157℃。
参考例A化合物16−2:2-クロロチオベンズアミド
融点 58-59℃。
参考例A化合物16−3:チオブチルアミド
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.99 (3H, t, J= 7.6 Hz), 1.72-1.93 (2H, m), 2.64 (2H, t, J= 7.6 Hz), 7.02 (1H, br s), 7.77 (1H, br s).
参考例A化合物16−4:チオバレルアミド
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.94 (3H, t, J= 7.3 Hz), 1.31-1.49 (2H, m), 1.68-1.83 (2H, m), 2.67 (2H, t, J= 7.7 Hz), 6.92 (1H, br s), 7.73 (1H, br s).
参考例A17 4-[2-メチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノン(6.0 g, 18 mmol)の酢酸(50 mL)溶液に臭素(1.0 mL, 18 mmol)を加え、混合物を室温で30分間かき混ぜた。反応混合物を濃縮した。残さをN,N-ジメチルホルムアミド(50 mL)に溶かし、その溶液にチオアセトアミド(1.4 g, 19 mmol)を加え、混合物を室温で20時間かき混ぜた。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体に2N-塩酸(30 mL)を加え、混合物を100℃で1時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、2N-水酸化ナトリウム水溶液(200 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水洗いした。この抽出液を乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して表題化合物 2.8 g(収率 54 %)を得た。
融点 152-153℃。
【0048】
参考例A18
参考例A17に準じ、チオアセトアミドの代わりに、チオプロピオンアミドおよび4-(メチルチオ)チオベンズアミドをそれぞれ用いて、下記の参考例化合物18−1および18−2を合成した。
参考例A化合物18−1:4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
融点 144-146℃。
参考例A化合物18−2:4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
融点 181-183℃。
参考例A19
参考例A17に準じ、2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノンの代わりに、1-(4-メトキシフェニル)-2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)エタノンを用いて、下記の参考例A化合物19を合成した。
参考例A化合物19:4-[4-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
融点 140-141℃。
参考例A20
参考例A8に準じ、1-(4-メトキシフェニル)-2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)エタノンの代わりに、2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノンを用いて、下記の参考例A化合物20を合成した。
参考例A化合物20:2-(2-アミノ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノン
融点 119-120℃。
参考例A21 2-(2-アミノ-4-ピリジル)-2-ブロモ-1-(3-メチルフェニル)エタノン臭化水素酸塩
2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノン(20 g, 61 mmol)の酢酸(60 mL)溶液に臭素(3.2 mL, 62 mol)を加え、混合物を80℃で2時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、得られた固体をろ取して表題化合物 19 g(収率 81 %)を得た。
融点 182-185℃。
【0049】
参考例A22
参考例A9に準じ、2-(2-アミノ-4-ピリジル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンの代わりに、2-(2-アミノ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノンを用いて、下記の参考例A化合物22を合成した。
参考例A化合物22:N-[4-[2-(3-メチルフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリジル]ベンズアミド
融点 67-69℃。
参考例A23 4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
2-(2-アミノ-4-ピリジル)-2-ブロモ-1-(3-メチルフェニル)エタノン臭化水素酸塩(5.0 g, 13 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(40 mL)に溶かし、その溶液に4-フルオロチオベンズアミド(2.1 g, 13 mmol)を加え、混合物を室温で16時間かき混ぜた。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥し、溶媒を留去した。残さをエタノールから再結晶することにより表題化合物 3.9 g(11 mmol, 収率 83 %)を得た。
融点 160-162℃。
参考例A24
参考例A23に準じ、4-フルオロチオベンズアミドの代わりに、2-クロロチオベンズアミド、チオブチルアミドおよびチオバレルアミドをそれぞれ用いて、下記の参考例A化合物24−1〜24−3を合成した。
参考例A化合物24−1:4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
融点 175-177℃。
参考例A化合物24−2:4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
融点 113-115℃。
参考例A化合物24−3:4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.98 (3H, t, J= 7.3 Hz), 1.39-1.59 (2H, m), 1.74-1.92 (2H, m), 2.34 (3H, s), 3.04 (2H, t, J= 7.4 Hz), 4.14 (2H, br s), 6.44 (1H,s), 6.56 (1H, dd, J= 5.1, 1.5 Hz), 7.09-7.26 (3H, m), 7.41 (1H, s), 7.96 (1H, d, J= 5.4 Hz).
【0050】
参考例A25 2-フルオロ-4-メチルピリジン
ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー (Journal of Medicinal Chemistry),33巻,1667−1675頁,1990年に記載の方法に準じて合成した。
沸点 82-86℃(10kPa)。
参考例A26 2-(2-フルオロ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノン
アルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアミン(44 mL, 0.31 mol)の無水テトラヒドロフラン(300 mL)溶液を-78℃に冷却し、かき混ぜながら1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液(190 mL, 0.31 mol)を滴下した。滴下終了後10分間かき混ぜ、続いて2-フルオロ-4-メチルピリジン(34.5 g, 0.31 mol)の無水テトラヒドロフラン(30 mL)溶液を加えた。反応混合物を-10℃で30分間かき混ぜた。反応溶液を-78℃に冷却しN-(3-メチルベンゾイル)プロピレンイミン(52 g, 0.30 mol)の無水テトラヒドロフラン(30 mL)溶液を滴下した。滴下終了後室温で2時間かき混ぜた。反応混合物に水(100 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液は水洗い、乾燥後、溶媒を留去した。残さをイソプロピルエーテルから再結晶することにより表題化合物 35 g(収率 52 %)を得た。
融点 66-67℃。
参考例A27
参考例A26に準じ、N-(3-メチルベンゾイル)プロピレンイミンの代わりに、N-(3-メトキシベンゾイル)プロピレンイミンを用いて、下記の参考例A化合物27を合成した。
参考例A化合物27:2-(2-フルオロ-4-ピリジル)-1-(3-メトキシフェニル)エタノン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 3.86 (3H, s), 4.31 (2H, s), 6.86 (1H, s), 7.03-7.19 (2H, m), 7.31-7.59 (3H, m), 8.18 (1H, d, J= 5.6 Hz).
【0051】
参考例A28 [5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミン
2-(2-フルオロ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノン(8.5 g, 37 mmol)の酢酸(50 mL)溶液に臭素(1.9 mL, 37 mmol)を加え、1時間室温でかき混ぜた。反応混合物を濃縮した。この残さとチオ尿素(3.0 g, 40 mmol)のアセトニトリル(50 mL)混合物にトリエチルアミン(5.2 mL, 37 mmol)を加え、80℃で2時間かき混ぜた。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)を注ぎ、析出した固体をろ取した。得られた固体を水洗いした後、乾燥した。粗結晶をエタノールから再結晶して表題化合物 3.7 g(収率 35 %)を得た。
融点 214-218℃。
参考例A29
参考例A28に準じ、2-(2-フルオロ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノンの代わりに、2-(2-フルオロ-4-ピリジル)-1-(3-メトキシフェニル)エタノンを用いて、下記の参考例A化合物29を合成した。
参考例A化合物29:[5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミン
融点 190-191℃。
【0052】
参考例A30 5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール
2-(2-フルオロ-4-ピリジル)-1-(3-メチルフェニル)エタノン(12 g, 53 mmol)の酢酸(90 mL)溶液に臭素(2.7 mL, 52 mmol)を加え、2時間室温でかき混ぜた。反応混合物を濃縮した。この残さをN,N-ジメチルホルムアミド(60 mL)に溶かし、4-(メチルチオ)チオベンズアミド(9.6 g, 52 mmol)を加え、室温で15時間かき混ぜた。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液は水洗い、乾燥後、溶媒を留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、4:1)で精製して表題化合物 4.7 g(収率 23 %)を得た。
融点 97-100℃。
参考例A31 5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール
5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール(2.7 g, 6.9 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(60 mL)溶液にm-クロロ過安息香酸(3.3 g, 14 mmol)を加え、室温で1時間かき混ぜた。反応混合物に8N-水酸化ナトリウム水溶液を加え、得られた固体をろ取した。この固体をエタノールから再結晶することにより表題化合物 2.5 g(収率 85 %)を得た。
融点 196-199℃。
【0053】
参考例B1 [4-(3,5-ジメチルフェニル)-5-(2-フェニルメチルオキシ-4-ピリジル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミン
2-ブロモ-1-(3,5-ジメチルフェニル)-2-(2-フェニルメチルオキシ-4-ピリジル)エタノン臭化水素酸塩 (4.8 g, 9.8 mmol) とチオ尿素 (0.77 g, 11 mmol) のアセトニトリル (40 mL) 溶液に、トリエチルアミン (1.4 mL, 10 mmol) を滴下し、室温で3時間かき混ぜた。溶媒を減圧濃縮し、残さに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、乾燥、溶媒を留去した。得られた粗結晶を酢酸エチルより再結晶して表題化合物 2.0 g (5.2 mmol, 収率 53%) を得た。
融点 141-143℃。
参考例B2 N-[4-[2-ベンゾイルアミノ-4-(4-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
4-[2-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン(0.42 g, 1.4 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(10 mL)溶液に、ベンゾイルクロリド(0.59 g, 4.2 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.05 g, 0.4 mmol)を加え、混合物を70℃で19時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)を加えた。得られた粗結晶を濾取し、水洗した。この粗結晶をエタノールから再結晶することにより表題化合物 0.26 g(0.51 mmol, 収率 37 %)を得た。
融点 230-233℃。
参考例B3 N-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[2-[(3-ピリジルカルボニルアミノ)]-4-ピリジル]-1,3-チアゾール-2-イル]ニコチンアミド
4-[2-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン(0.41 g, 1.4 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(10 mL)溶液に、ニコチン酸クロリド塩酸塩(0.72 g, 4.1 mmmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.05 g, 0.4 mmol)を加え、混合物を70℃で19時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)を加えた。得られた粗結晶を濾取し、水洗した。この粗結晶をエタノールから再結晶することにより表題化合物 0.23 g(0.44 mmol, 収率 33 %)を得た。
融点 229-232℃。
【0054】
参考例B4 N-[4-[2-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
2-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノン(0.72 g,2.1 mmol)の酢酸(20 mL)溶液に臭素(0.11 mL , 2.1 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で1時間かき混ぜた。反応混合物を濃縮した。残さをアセトニトリル(20 mL)に溶かし、その溶液にチオ尿素(0.17 g , 2.2 mmol)、トリエチルアミン(0.35 mL , 2.5 mmol)を加え、混合物を80℃で5時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)を加え、得られた固体を濾取し、水洗した。得られた粗結晶を濾取し、水洗した。この粗結晶をエタノールから再結晶することにより表題化合物0.17 g(0.43 mmol , 収率21 %)を得た。
融点 221-224℃。
参考例B5 N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
2-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-1-(3,5-ジメチルフェニル)エタノン(6.4 g , 19 mmol)の酢酸(80 mL)溶液に臭素(1.0 mL , 19 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で1時間かき混ぜた。反応混合物を濃縮した。残さをアセトニトリル(100 mL)に溶かし、その溶液にチオ尿素(1.5 g , 19 mmol)、トリエチルアミン(2.8 mL , 20 mmol)を加え、混合物を80℃で3時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)を加え、得られた固体を濾取し、水洗した。得られた粗結晶を濾取し、水洗した。この粗結晶をエタノールから再結晶することにより表題化合物5.0 g(13 mmol , 収率68 %)を得た。
融点 120-123℃。
参考例B6 N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンジルアミン
塩化アルミニウム(0.55g,4.1mmol)の無水テトラヒドフラン(30mL)の懸濁液に、水素化アルミニウムリチウム(0.16 g , 4.1 mmol)を加え、15分間室温でかき混ぜた。その溶液にN-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(0.40 g ,1.0 mmol)の無水テトラヒドロフラン(10 mL)溶液を加え、混合物を2時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。残さを酢酸エチル-ヘキサンから再結晶することにより表題化合物0.20 g(0.51 mmol , 収率51 %)を得た。
融点 99-102℃。
【0055】
参考例B7 N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド塩酸塩
N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(0.45 g , 1.1 mmol)のメタノール(30 mL)懸濁液に、10%塩化水素のメタノール溶液(10 mL)を加え、混合物を室温で30分間かき混ぜた。溶媒を留去して残さをメタノールから再結晶することにより表題化合物0.36 g(0.83 mmol , 収率73 %)を得た。
融点 202-207℃。
参考例B8 N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンジルアミン二塩酸塩
N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンジルアミン(0.80 g , 2.1 mmol)のメタノール(50 mL)懸濁液に、10%塩化水素のメタノール溶液(10 mL)を加え、混合物を室温で5時間かき混ぜた。溶媒を留去して残さをメタノール-酢酸エチルから再結晶することにより表題化合物0.73 g(1.6 mmol , 収率76 %)を得た。
融点 161-163℃。
【0056】
参考例B1ないしB6で得られた化合物の構造式を以下に示す。
参考例B1
【化5】

【0057】
参考例B2
【化6】

【0058】
参考例B3
【化7】

【0059】
参考例B4
【化8】

【0060】
参考例B5
【化9】

【0061】
参考例B6
【化10】

【0062】
参考例B9 N-[5-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド
N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(0.96 g, 2.4 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(20 mL)溶液に、塩化アセチル(0.26 mL, 3.7 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.09 g, 0.76 mmol)を加え、混合物を70℃で16時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)を加えた。得られた粗結晶をろ取し、水洗した。この粗結晶を酢酸エチルから再結晶することにより表題化合物 0.32 g(収率 30 %)を得た。
融点 238-241℃。
参考例B10
参考例B9に準じ、N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミドの代わりに、N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-ベンジルアミンを用いて、下記の参考例B化合物10を合成した。
参考例B化合物10:N-[5-(2-ベンジルアミノ-4-ピリジル)-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド
融点 217-219℃。
参考例B11
参考例B4に準じ、チオ尿素の代わりに、N-メチルチオ尿素を用いて、下記の参考例B化合物11を合成した。
参考例B化合物11:N-[4-[4-(4-メトキシフェニル)-2-メチルアミノ-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
融点 237-241℃。
【0063】
参考例B12
参考例B4に準じ、2-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンの代わりに、N-[4-[2-(3-メチルフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリジル]ベンズアミドを用いて、下記の参考例B化合物12を合成した。
参考例B化合物12:N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
融点 216-217℃。
参考例B13 N-[4-[4-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
2-(2-ベンゾイルアミノ-4-ピリジル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノン(1.2 g, 3.4 mmol)の酢酸(10 mL)溶液に臭素(0.18 mL, 3.5 mmol)を加え、混合物を室温で30分間かき混ぜた。反応混合物を濃縮した。残さをN,N-ジメチルホルムアミド(20 mL)に溶かし、その溶液にチオアセトアミド(0.30 g, 19 mmol)を加え、混合物を室温で20時間かき混ぜた。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 mL)を加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水洗いした。この抽出液を乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1)で精製して表題化合物 0.68 g(収率 50 %)を得た。
融点 134-135℃。
参考例B14 N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド
4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン(0.81 g, 2.2 mmol)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液に塩化フェニルアセチル(0.33 mL, 2.5 mmol)とトリエチルアミン(0.31 mL, 2.2 mmol)を加え、混合物を室温で13時間かき混ぜた。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 mL)を加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水洗いした。この抽出液を乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)で精製して表題化合物 0.86 g(収率 80 %)を得た。
融点 187-190℃。
【0064】
参考例B15
参考例B14に準じ、4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミンの代わりに、4-[4-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミン、4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミンおよび4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジルアミンをそれぞれ用いて、下記の参考例B化合物15−1〜15−6を合成した。
参考例B化合物15−1:N-[4-[4-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド
融点 118-120℃。
参考例B化合物15−2:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド
融点 107-108℃。
参考例B化合物15−3:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド
融点 109-111℃。
参考例B化合物15−4:N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド
融点 92-93℃。
参考例B化合物15−5:N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド
融点 141-142℃。
参考例B化合物15−6:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド
融点 205-206℃。
【0065】
参考例B16
参考例B14および15に準じ、塩化フェニルアセチルの代わりに、ベンゾイルクロリド、塩化3-フェニルプロピオニル、塩化3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル、塩化3-(4-フルオロフェニル)プロピオニル、塩化4-フェニルブチリル、塩化5-フェニルバレリル、2-チオフェンカルボニルクロリドおよび2-ナフトイルクロリドをそれぞれ用いて、下記の参考例B化合物16−1〜16−18を合成した。
参考例B化合物16−1:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
融点 113-114℃。
参考例B化合物16−2:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド
融点 126-127℃。
参考例B化合物16−3:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-(4-メトキシフェニル)プロピオンアミド
融点 137-138℃。
参考例B化合物16−4:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-(4-フルオロフェニル)プロピオンアミド
融点 116-117℃。
参考例B化合物16−5:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-4-フェニルブチルアミド
融点 92-93℃。
参考例B化合物16−6:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-5-フェニルバレルアミド
融点 86-87℃。
参考例B化合物16−7:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
非晶状粉末。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.08 (3H, t, J= 7.1 Hz), 1.80-1.99 (2H, m), 2.34 (3H, s), 3.04 (2H, t, J= 7.7 Hz), 6.88 (1H, dd, J= 5.2, 1.7 Hz), 7.15-7.63 (7H, m), 7.90-7.95 (2H, m), 8.11 (1H, d, J= 5.2 Hz), 8.51 (1H, s), 8.61 (1H, br s).
参考例B化合物16−8:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド
融点 103-104℃。
参考例B化合物16−9:N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
非晶状粉末。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.99 (3H, t, J= 7.2 Hz), 1.40-1.60 (2H, m), 1.76-1.93 (2H, m), 2.34 (3H, s), 3.06 (2H, t, J= 7.7 Hz), 6.88 (1H, dd, J= 5.0, 1.7 Hz), 7.10-7.26 (3H, m), 7.41 (1H, s), 7.46-7.61 (3H, m), 7.94 (2H, dd, J= 8.1, 1.5 Hz), 8.10 (1H, d, J= 5.0 Hz), 8.52 (1H, s), 8.71 (1H, br s).
参考例B化合物16−10:N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド
融点 77-78℃。
参考例B化合物16−11:N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
融点 126-128℃。
参考例B化合物16−12:N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド
融点 169-171℃。
参考例B化合物16−13:N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
融点 138-140℃。
参考例B化合物16−14:N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド
融点 156-158℃。
参考例B化合物16−15:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
融点 180-182℃。
参考例B化合物16−16:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド
融点 174-175℃。
参考例B化合物16−17:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-2-チオフェンカルボキサミド
融点 145-147℃。
参考例B化合物16−18:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-2-ナフトアミド
融点 184-186℃。
【0066】
参考例B17 N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-メチルフェニルアセトアミド
N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド(0.50 g, 1.2 mmol)のジメチルスルホキシド(5 mL)溶液に水素化ナトリウム(60%パラフィン分散物、58 mg, 1.5 mmol)を加え、室温で1時間かき混ぜた。この反応液にヨウ化メチル(0.09 mL, 1.5 mmol)を加え、室温で1時間かき混ぜた。反応混合物に10%塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥し濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、7:1→4:1)で精製し、ヘキサンで洗浄して表題化合物 0.18 g(収率 35 %)を得た。
融点 75-76℃。
参考例B18
参考例B17に準じ、N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミドの代わりに、N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミドを用いて、下記の参考例B化合物18を合成した。
参考例B化合物18:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-メチル-3-フェニルプロピオンアミド
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.46 (3H, t, J= 7.5 Hz), 2.32 (3H, s), 2.51 (2H, t, J= 7.9 Hz), 2.93 (2H, t, J= 7.9 Hz), 3.10 (2H, q, J= 7.5 Hz), 3.22 (3H, s), 6.98 (1H, s), 7.03-7.29 (9H, m), 7.37 (1H, s), 8.37 (1H, d, J= 3.6 Hz).
【0067】
参考例B19
参考例B6に準じ、N-[4-[2-アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミドの代わりにN-[4-[4-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド、N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド、N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド、N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド、N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド、N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド、N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド、N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミドおよびN-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-2-ナフトアミドをそれぞれ用いて、下記の参考例B化合物19−1〜19−20を合成した。
【0068】
参考例B化合物19−1:N-ベンジル-N-[4-[4-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
融点 132-133℃。
参考例B化合物19−2:N-ベンジル-N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
融点 106-107℃。
参考例B化合物19−3:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン
融点 97-98℃。
参考例B化合物19−4:N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン
融点 52-53℃
参考例B化合物19−5:N-ベンジル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.06 (3H, t, J= 7.4 Hz), 1.77-1.96 (2H, m), 2.33 (3H, s), 3.00 (2H, t, J= 7.7 Hz), 4.38 (2H, d, J= 5.4 Hz), 4.83 (1H, br t), 6.32 (1H,s), 6.53 (1H, dd, J= 5.4, 1.6 Hz), 7.10-7.40 (9H, m), 8.01 (1H, d, J= 5.4 Hz).
参考例B化合物19−6:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.08 (3H, t, J= 7.5 Hz), 1.78-1.93 (2H, m), 2.32 (3H, s), 2.81 (2H, t, J= 7.0 Hz), 3.01 (2H, t, J= 7.7 Hz), 3.42 (2H, dt, J= 6.2, 7.0 Hz), 4.52 (1H, br t), 6.30 (1H,s), 6.51 (1H, dd, J= 5.2, 1.5 Hz), 7.11-7.34 (8H, m), 7.43 (1H, s), 8.00 (1H, d, J= 5.2 Hz).
参考例B化合物19−7:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-プロピル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.08 (3H, t, J= 7.4 Hz), 1.78-1.93 (4H, m), 2.32 (3H, s), 2.66 (2H, t, J= 7.2 Hz), 3.01 (2H, t, J= 7.7 Hz), 3.16 (2H, dt, J= 6.2, 7.2 Hz), 4.52 (1H, br s), 6.26 (1H,s), 6.49 (1H, dd, J= 5.2, 1.5 Hz), 7.07-7.32 (8H, m), 7.42 (1H, s), 7.98 (1H, d, J= 5.2 Hz).
参考例B化合物19−8:N-ベンジル-N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.97 (3H, t, J= 7.3 Hz), 1.38-1.59 (2H, m), 1.73-1.90 (2H, m), 2.33 (3H, s), 3.02 (2H, t, J= 7.7 Hz), 4.37 (2H, d, J= 5.7 Hz), 4.83 (1H, t, J= 7.3 Hz), 6.31 (1H,s), 6.52 (1H, d, J= 5.5 Hz), 7.09-7.43 (9H, m), 8.00 (1H, d, J= 5.5 Hz).
参考例B化合物19−9:N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.98 (3H, t, J= 7.3 Hz), 1.39-1.59 (2H, m), 1.74-1.92 (2H, m), 2.32 (3H, s), 2.81 (2H, t, J= 7.0 Hz), 3.04 (2H, t, J= 7.7 Hz), 3.41 (2H, dt, J= 6.1, 7.0 Hz), 4.55 (1H, t, J= 6.1 Hz), 6.30 (1H,s), 6.51 (1H, d, J= 5.1 Hz), 7.06-7.19 (3H, m), 7.20-7.38 (5H, m), 7.43 (1H, s), 7.99 (1H, d, J= 5.1 Hz).
参考例B化合物19−10:N-[4-[2-ブチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン
油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.98 (3H, t, J= 7.1 Hz), 1.39-1.57 (2H, m), 1.75-1.98 (4H, m), 2.32 (3H,s), 2.67 (2H, t, J= 7.8 Hz), 3.04 (2H, t, J= 7.7 Hz), 3.16 (2H, dt, J= 5.9, 6.2 Hz), 4.52 (1H, t, J= 5.9 Hz), 6.26 (1H,s), 6.49 (1H, d, J= 5.1 Hz), 7.06-7.38 (8H, m), 7.42 (1H, s), 7.97 (1H, d, J= 5.1 Hz).
参考例B化合物19−11:N-ベンジル-N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
融点 143-146℃。
参考例B化合物19−12:N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン
融点 97-98℃。
参考例B化合物19−13:N-[4-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン
融点 110-112℃。
参考例B化合物19−14:N-ベンジル-N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
融点 84-86℃。
参考例B化合物19−15:N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン
融点 113-114℃。
参考例B化合物19−16:N-[4-[2-(2-クロロフェニル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン
融点 101-102℃。
参考例B化合物19−17:N-ベンジル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
融点 134-136℃。
参考例B化合物19−18:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン
融点 137-139℃。
参考例B化合物19−19:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン
融点 106-107℃。
参考例B化合物19−20:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-ナフチルメチル)アミン
融点 144-145℃。
【0069】
参考例B20
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド
N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(0.50 g, 1.0 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)溶液にm-クロロ過安息香酸(0.55 g, 2.2 mmol)を加え、室温で1時間かき混ぜた。反応混合物に8N-水酸化ナトリウム水溶液を加え、得られた固体をろ取した。この固体をエタノールから再結晶することにより表題化合物 0.29 g(収率 54%)を得た。
融点 212-214℃。
【0070】
参考例B21
参考例B20に準じ、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミドの代わりにN-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-2-チオフェンカルボキサミド、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-2-ナフトアミド、N-ベンジル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン、N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミンおよびN-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルチオフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-ナフチルメチル)アミンをそれぞれ用いて、下記の実施例化合物21−1〜21−7を合成した。
【0071】
参考例B化合物21−1:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]フェニルアセトアミド
融点 244-245℃。
参考例B化合物21−2:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-3-フェニルプロピオンアミド
融点 236-237℃。
参考例B化合物21−3:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-2-チオフェンカルボキサミド
融点 199-201℃。
参考例B化合物21−4:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-2-ナフトアミド
融点 231-233℃。
参考例B化合物21−5:N-ベンジル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
融点 148-150℃。
参考例B化合物21−6:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-フェニルプロピル)アミン
融点 167-168℃。
参考例B化合物21−7:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-ナフチルメチル)アミン
融点 167-168℃。
【0072】
参考例B22 N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-ベンジルアミン
[5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミン(0.29 g, 1.0 mmol)とベンジルアミン(1.2 mL, 11 mmol)の混合物を150℃で3時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 mL)を加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水洗いした。この抽出液を乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1)で精製して表題化合物 0.16 g(収率 41 %)を得た。
融点 178-179℃。
【0073】
参考例B23
参考例B22に準じ、ベンジルアミンの代わりに、4-メトキシベンジルアミン、3-メトキシベンジルアミン、2-メトキシベンジルアミン、4-クロロベンジルアミン、3-クロロベンジルアミン、(R)-1-フェニルエチルアミン、(S)-1-フェニルエチルアミンおよびN-ベンジル-N-メチルアミンをそれぞれ用いて、下記の参考例B化合物23―1〜23−8を合成した。
参考例B化合物23−1:N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(4-メトキシベンジル)アミン
融点 183-184℃。
参考例B化合物23−2:N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-メトキシベンジル)アミン
融点 152-154℃。
参考例B化合物23−3:N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-メトキシベンジル)アミン
融点 158-159℃。
参考例B化合物23−4:N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(4-クロロベンジル)アミン
融点 182-183℃。
参考例B化合物23−5:N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(3-クロロベンジル)アミン
融点 180-181℃。
参考例B化合物23−6:(R)-N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(1-フェニルエチル)アミン
融点 94-98℃。
参考例B化合物23−7:(S)-N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(1-フェニルエチル)アミン
融点 93-96℃。
参考例B化合物23−8:N-[4-[2-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-ベンジル-N-メチルアミン
融点 138-140℃。
【0074】
参考例B24
参考例B22に準じ、[5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミンの代わりに、[5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミンを用いて、下記の参考例B化合物24を合成した。
参考例B化合物24:N-[4-[2-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-ベンジルアミン
融点 217-218℃。
参考例B25
参考例B22に準じ、[5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミンの代わりに、5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾールを、ベンジルアミンの代わりに、2-フェニルエチルアミン、4-フルオロベンジルアミン、N-ベンジル-N-メチルアミン、N-メチル-2-フェニルエチルアミンおよび2-チエニルメチルアミンをそれぞれ用いて、下記の参考例B化合物25−1〜25−5を合成した。
参考例B化合物25−1:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン
融点 174-176℃。
参考例B化合物25−2:N-(4-フルオロベンジル)-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
融点 155-158℃。
参考例B化合物25−3:N-ベンジル-N-メチル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミン
融点 165-166℃。
参考例B化合物25−4:N-メチル-N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミン
融点 116-117℃。
参考例B化合物25−5:N-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-チエニルメチル)アミン
融点 107-109℃。
【0075】
参考例B26
4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-5-(2-フェニルチオ-4-ピリジル)-1,3-チアゾール
5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール(0.40 g, 0.94 mmol)とチオフェノール(1.0 mL, 9.7 mmol)の混合物を150℃で10時間かき混ぜた。反応混合物を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水洗いした。この抽出液を乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1)で精製して、エタノールから再結晶することにより表題化合物 0.34 g(収率 70 %)を得た。
融点 116-118℃。
参考例B27 5-(2-ベンジルチオ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール
水素化ナトリウム(60%パラフィン分散物、0.13 g, 3.2 mmol)をヘキサンで2回洗浄した後、N,N-ジメチルホルムアミド(15 mL)に懸濁した。この懸濁液にフェニルメタンチオール(0.35 mL, 3.0 mmol)を加え、10分間かき混ぜた。この混合物に5-(2-フルオロ-4-ピリジル)-4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール(0.49 g, 1.2 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)溶液を加え、さらに1時間かき混ぜた。反応混合物に8N-水酸化ナトリウム水溶液を加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水洗いした。この抽出液を乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)で精製して表題化合物 0.48 g(収率 79 %)を得た。
融点 182-185℃。
【0076】
参考例B28 4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-5-(2-フェニルスルホニル-4-ピリジル)-1,3-チアゾール
4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-5-(2-フェニルチオ-4-ピリジル)-1,3-チアゾール(0.48 g, 0.93 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)溶液にm-クロロ過安息香酸(0.51 g, 2.4 mmol)を加え、室温で1時間かき混ぜた。反応混合物に8N-水酸化ナトリウム水溶液を加え、得られた固体をろ取した。この固体をエタノールから再結晶することにより表題化合物 0.42g(収率 82 %)を得た。
融点 126-128℃。
【0077】
上記の参考例B9〜28で製造された化合物を表1〜表6に示す。
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
【表3】

【0080】
【表4】

【0081】
【表5】

【0082】
【表6】

【0083】
実施例1
参考例B化合物16-1で得られたN-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド(以下、化合物Aと記載する)4gにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、品種:HP-55、信越化学工業社製)6g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(商品名:TC-5、品種:TC-5S、信越化学工業社製)3gおよびポリエチレンオキシド(商品名:Polyox、品種:WSR 303、ダウ・ケミカル社製)7gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末20gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
実施例2
化合物A 4gにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、品種:HP-55、信越化学工業社製)6g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(商品名:TC-5、品種:TC-5S、信越化学工業社製)3gおよびポリエチレンオキシド(商品名:Polyox、品種:WSR 303、ダウ・ケミカル社製)7gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末20gを口径6 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mm乃至15 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
【0084】
実施例3
化合物A 12gにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、品種:HP-55、信越化学工業社製)18g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(商品名:TC-5、品種:TC-5S、信越化学工業社製)9gおよびポリエチレンオキシド(商品名:Polyox、品種:WSR Coagulant、ダウ・ケミカル社製)21gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末60gのうち20gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mm乃至15 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
実施例4
実施例3で調製した混合末60gのうち20gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を100℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mm乃至15 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
【0085】
実施例5
実施例3で調製した混合末60gのうち20gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を110℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mm乃至15 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
実施例6
化合物A 12gにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、品種:HP-55、信越化学工業社製)18g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(商品名:TC-5、品種:TC-5S、信越化学工業社製)9gおよびポリエチレンオキシド(商品名:Polyox、品種:WSR 303、ダウ・ケミカル社製)21gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末60gのうち20gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
【0086】
実施例7
実施例6で調製した混合末60gのうち20gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を100℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
実施例8
実施例6で調製した混合末60gのうち20gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を110℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
【0087】
実施例9
化合物A 9gにヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(商品名:信越AQOAT、品種:AS-LF、信越化学工業社製)13.5g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(商品名:TC-5、品種:TC-5S、信越化学工業社製)6.75gおよびポリエチレンオキシド(商品名:Polyox、品種:WSR Coagulant、ダウ・ケミカル社製)15.75gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末45gのうち15gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mm乃至15 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
実施例10
実施例9で調製した混合末45gのうち15gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を100℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mm乃至15 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
【0088】
実施例11
実施例9で調製した混合末45gのうち15gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を110℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mm乃至15 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
実施例12
化合物A 4gにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、品種:HP-55、信越化学工業社製)6g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(商品名:TC-5、品種:TC-5S、信越化学工業社製)7gおよびポリエチレンオキシド(商品名:Polyox、品種:WSR 303、ダウ・ケミカル社製)3gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末20gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
【0089】
実施例13
化合物A 4gにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、品種:HP-55、信越化学工業社製)6g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(商品名:TC-5、品種:TC-5S、信越化学工業社製)9gおよびポリエチレンオキシド(商品名:Polyox、品種:WSR 303、ダウ・ケミカル社製)1gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末20gを口径3 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約10 mmの長さにカッターナイフで切断し、ペレット状の試料を得た。
実施例14
化合物A 12gにヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(商品名:信越AQOAT、品種:AS-LF、信越化学工業社製)6g、乳糖9gおよびマクロゴール6000(日本油脂社製)3gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末30gのうち10gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
【0090】
実施例15
実施例14で調製した混合末30gのうち10gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を100℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
実施例16
実施例14で調製した混合末30gのうち10gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を110℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
【0091】
実施例17
化合物A 12gにヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(商品名:信越AQOAT、品種:AS-LF、信越化学工業社製)9g、アエロジル(日本アエロジル社製)6gおよびマクロゴール6000(日本油脂社製)3gを秤取した後、乳鉢を用いて手動で約3分間混合した。この混合末30gのうち10gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を90℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
実施例18
実施例17で調製した混合末30gのうち10gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を100℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
実施例19
実施例17で調製した混合末30gのうち10gを口径1 mmΦのダイを装着した2軸エクストルーダー(コニカルスクリュHB-1、井元製作所製)を用いてバレル温度を110℃に設定し、80 rpmのスクリュー回転数で成形処理を行い固体分散体の成形体を得た。このようにして得られた成形体を、約1 mmの長さに簡易ペレタイザ(井元製作所製)で切断し、顆粒状の試料を得た。
【0092】
比較例1
[フィルムコーティング液の製造]精製水34.50 Lにヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC-5)3,038gおよびマクロゴール6000(PEG6000)705.6gを溶解した。得られる溶液に、酸化チタン940.8gおよび黄色三二酸化鉄18.82gを分散させた精製水7.840 Lを加えてフィルムコーティング液を製造した。
[素錠の製造]化合物A 22,500g、乳糖33,730gおよびトウモロコシデンプン6,750gを流動層造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)2,025gを溶解した水溶液40,510gを噴霧して造粒した。得られる造粒末62,690gをパワーミル(昭和化学機械工作所製)を通し、整粒末とした。得られる整粒末61,540g、カルメロースカルシウム(ECG-505)1,917gおよびステアリン酸マグネシウム447.3gをタンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)で混合し、得られる混合末62,550gを打錠機(菊水製作所製)で打錠し、素錠を得た。
[フィルム錠の製造]得られる素錠196,000錠に、フィルムコーティング機(パウレック社製)中で前記フィルムコーティング液を噴霧し、1錠当たり化合物A 100 mgを含有する下記処方のフィルムコーティング錠196,000錠を得た。
【表7】

【0093】
試験例1
実施例1において得られたペレット状の固体分散体と、比較例1において得られたフィルム錠のイヌでの経口吸収性を評価した。雄性ビーグル犬(体重約12 kg)5頭を試験前一夜絶食し、水は自由摂取とした。製剤投与前に流動食(粉砕固形餌50g+水80g)を給餌し、摂食30分後に製剤を60 mLの水と共に経口投与した。投与量は化合物A量換算で100 mg/bodyとした。投与1、2、4、6、8および12時間後に前腕部正中皮静脈から血液約1 mLを採取し、血漿を遠心分離後、血漿中薬物濃度をHPLCにて測定した。得られた血漿中薬物濃度より、血中薬物濃度下面積(AUC)および平均滞留時間(MRT)を台形法で算出した。最高血漿中濃度(Cmax)および最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は実測値より求めた。
各製剤をイヌに経口投与後の化合物Aの血漿中濃度を図1に、この結果より算出された薬物速度論的パラメーターを表8に示す。

【表8】


図1および表8の結果から明らかなように、製剤例1の固体分散体は、比較例1のフィルム錠と比較してAUCは大きく変わらないもののCmaxは約40%にまで低下し、またTmaxが約5時間、MRTが約3時間延長し、明らかな徐放性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上から明らかなように、本発明によれば、難溶性あるいは不溶性の薬物の溶解性改善と放出制御能の付与が同時に単一の製造プロセスで行われる、均一な組成を有し、かつ薬物の優れた徐放性を有する固体分散体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の固体分散体に含まれる化合物Aの血漿中での濃度変化を示すグラフである。横軸は本発明の固体分散体を投与した後の時間(時)を、縦軸は化合物Aの血漿中濃度(μg/mL)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
p38MAPキナーゼ阻害薬を含有してなる固体分散体。
【請求項2】
p38MAPキナーゼ阻害薬が式(I)
【化1】


〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基又はアシル基を、
は置換基を有していてもよい芳香族基を、
3は水素原子、置換基を有していてもよいピリジル基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を、
Xは酸素原子又は酸化されていてもよい硫黄原子を、
Yは結合手、酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子又は式 NR4(式中、R4は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又はアシル基を示す)で表される基を、及びZは結合手または置換基を有していてもよい2価の鎖状炭化水素基を示す。〕で表される、N−オキシド化されていてもよい化合物又はその塩である請求項1記載の固体分散体。
【請求項3】
p38MAPキナーゼ阻害薬が N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンズアミド、N-ベンジル-N-[4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]アミンまたはN-[4-[4-(3-メチルフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3-チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]-N-(2-フェニルエチル)アミンのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の固体分散体。
【請求項4】
p38MAPキナーゼ阻害薬の大部分がアモルファスである請求項1記載の固体分散体。
【請求項5】
徐放性を有する請求項1記載の固体分散体。
【請求項6】
投与後の急激な血中濃度の立ち上がりを抑制しかつ持続的な血中濃度を与える請求項1記載の固体分散体。
【請求項7】
同用量の通常の速放性製剤と比較して、投与後の最高血中濃度がおよそ60%以下でかつ血中濃度−時間下曲線面積がおよそ60%以上となる血中濃度を与える請求項1記載の固体分散体。
【請求項8】
同用量の通常の速放性製剤と比較して、投与後の最高血中濃度の半分の濃度を超える時間が2倍以上となる血中濃度を与える請求項1記載の固体分散体。
【請求項9】
可塑剤または/および薬物放出調整成分を含有する請求項1の固体分散体。
【請求項10】
担体として高分子担体を含有することを特徴とする請求項1記載の固体分散体。
【請求項11】
担体として約60℃〜350℃の軟化温度を有する担体を含有することを特徴とする請求項1記載の固体分散体。
【請求項12】
担体として親水性重合体を含有することを特徴とする請求項1記載の固体分散体。
【請求項13】
可塑剤がポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコールおよびクエン酸トリエチルから選ばれる可塑剤であることを特徴とする請求項9記載の固体分散体。
【請求項14】
薬物放出調整成分が親水性化合物であることを特徴とする請求項9記載の固体分散体。
【請求項15】
溶剤を使用せずに(i)薬物、(ii)担体、(iii)可塑剤および(iv)薬物放出調整成分を混合することを特徴とする固体分散体の製造方法。
【請求項16】
加熱溶融して混練することを特徴とする請求項15記載の製造方法。
【請求項17】
2軸エクストルーダーで混練することを特徴とする請求項15記載の製造方法。
【請求項18】
薬物がp38MAPキナーゼ阻害剤であることを特徴とする請求項15記載の製造方法。
【請求項19】
請求項15記載の製造方法で製造される固体分散体。
【請求項20】
請求項1記載の固体分散体を含有する医薬組成物。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−223903(P2007−223903A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203799(P2004−203799)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】