説明

新規な複素環オキシム誘導体、その製造方法及びこれらを含む薬剤組成物

血糖降下薬及び血中脂質低下薬としての、式(I)[式中、Xは、水素若しくはハロゲン原子、又はアルキル基を表し、R1、R2、R3及びR4は、明細書中と同義であり、Aは、明細書中と同義のアルキレン鎖を表し、Bは、1個の基で置換されている、アルキル又はアルケニル基を表し、そしてDは、ピリジン環を表す]の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい複素環オキシム化合物、その製造方法及びこれらを含む薬剤組成物に関する。
【0002】
本発明に記述される化合物は、新しく、かつ特に興味深い薬理学的特性を有する:これらは、優れた血糖降下薬及び脂質低下薬である。
【0003】
インスリン非依存性II型糖尿病の治療は、インスリンの分泌を促進し、かつ末梢標的組織におけるその作用を促進することを目的とした、多数の経口血糖降下化合物の上市をよそに不充分なままである。
【0004】
最近10年間、チアゾリジンジオン構造を有する分類の化合物(US 5,089,514、US 5,306,726)は、インスリン非依存性II型糖尿病を有する動物モデルの標的末梢組織(骨格筋、肝臓、脂肪組織)におけるインスリンに対する感受性を促進することにより、著しい抗糖尿病活性を証明している。これらの化合物はまた、同じ動物モデルにおけるインスリンのレベル及び脂質のレベルを低下させ、そして脂肪細胞株への前脂肪細胞のインビトロ分化を誘導する(A. Hiragunら, J. Cell. Physiol., 1988, 134, 124-130;R.F. Kleitzenら, Mol. Pharmacol., 1992, 41, 393-398)。
【0005】
チアゾリジンジオンであるロシグリタゾン(rosiglitazone)により前脂肪細胞株を処理すると、aP2及びアジプシンのような脂質代謝の特異的遺伝子の発現、更にはまたグルコーストランスポーターのGLUT1及びGLUT4の発現が誘導されるが、このことは、インビボで観察されるチアゾリジンジオン類の作用が、脂肪組織を介して調節しうることを示唆している。この特異的作用は、核転写因子:「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ」(PPARγ2)の刺激により得られる。このような化合物は、脂肪組織又は骨格筋のような末梢組織においてインスリンに対する感受性を回復させることができる(J.E. Gerich, New Engl. Med., 19, 321, 1231-1245)。
【0006】
しかし、チアゾリジンジオン構造を有する化合物(トログリタゾン(troglitazone)、ロシグリタゾン)は、ヒトにおける副作用、特に肝臓障害を妨げることが証明されている(Script No 2470. 1999, Sept. 8th, 25)。
【0007】
多数の血糖降下薬は、顕著な副作用(肝臓、心臓、造血)を有しており、このため、インスリン非依存性II型糖尿病の治療においてその長期使用が限定されている。
【0008】
毒性が低く、かつ長期間にわたり有効である、新しい治療薬の開発は、この病気において不可欠である。
【0009】
更には、高脂血症が、糖尿病においてしばしば観察される(Diabetes Care, 1995, 18 (supplement 1), 86/8/93)。高脂血症との高血糖症の合併は、糖尿病における心血管疾患のリスクを上昇させる。高血糖症、高脂血症及び肥満症は、食物の大量摂取及び慢性的な運動不足を特徴とする、現代世界の病気となっている。
【0010】
これらの病気の発生数の上昇は、このような疾患において有効な新しい治療薬の開発を必要とする:優れた血糖降下及び脂質低下活性を有しながら、チアゾリジンジオン類で観察される副作用を回避する化合物は、結果としてこれらの病気の治療及び/又は予防において非常に有益であり、そして特にインスリン非依存性II型糖尿病の治療において末梢インスリン耐性を低下させ、かつグルコース制御を正常化させるために適応とされる。
【0011】
本発明の化合物は新しいという事実に加えて、上記薬理学的基準を満たしており、そして優れた血糖降下薬及び脂質低下薬である。
【0012】
本発明は、特に式(I):
【0013】
【化12】

【0014】
[式中、
1は、アリール、ヘテロアリール又は(C3−C8)シクロアルキル基を表し、
2は、水素原子、あるいは直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基、アリール基又はアリール−(C1−C6)アルキル基(ここで、アルキル部分は、直鎖であっても分岐であってもよい)を表し、
Xは、水素若しくはハロゲン原子、又は直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基を表し、
3及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素若しくはハロゲン原子、直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル、直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルコキシあるいは直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキルアミノ基又はジ(C1−C6)アルキルアミノ基(ここで、アルキル部分は、直鎖であっても分岐であってもよい)を表し、
Dは、ピリジン核を表し、
Aは、(C1−C6)アルキレン鎖(ここで、CH2基は、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子により、又はNRa基(ここで、Raは、水素原子又は直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基を表す)により置き換えられていてもよい)を表し、
Bは、直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基又は直鎖若しくは分岐(C2−C6)アルケニル基を表し、これらの基は、式(II):
【0015】
【化13】

【0016】
(式中、R5は、−COOR基を表し、そしてR6は、−OR’基を表し、そしてここで、R及びR’は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又は直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基(非置換であるか、又は1個以上のハロゲン原子により置換されている)を表す)で示される基により置換されている]で示される化合物[ただし、
* オキシム:R1−C(=N−OR2)−は、Z又はE立体配置を有することができ、
* アリールは、フェニル、ナフチル又はビフェニル基(ここで、これらの基は、部分水素化されていてもよい)を意味するものと理解され、
* ヘテロアリールは、5〜10個の環員を含み、そして酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、任意の芳香族単環又は二環式基(ここで、二環式ヘテロアリール基の場合には、1個の環上で部分水素化されていてもよい)を意味するものと理解され、そして
こうして定義されたアリール及びヘテロアリール基は、直鎖又は分岐(C1−C6)アルキル、直鎖又は分岐(C1−C6)ポリハロアルキル、直鎖又は分岐(C1−C6)アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、NRbc(ここで、Rb及びRcは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す)、エステル、アミド、ニトロ、シアノ、及びハロゲン原子から選択される、1〜3個の基により置換されていてもよい]、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩に関する。
【0017】
薬剤学的に許容しうる酸としては、特に限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、ホスホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、ショウノウ酸、シュウ酸などに言及することができる。
【0018】
薬剤学的に許容しうる塩基としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、tert−ブチルアミンなどに言及することができる。
【0019】
本発明の好ましい化合物は、R1が、アリール基、そして特にフェニル基を表す、式(I)の化合物である。
【0020】
本発明の式(I)の化合物の好ましいR2基は、アルキル基、そして特にメチル基である。
【0021】
とりわけ、本発明の式(I)の化合物は、Dが、これが縮合している環と一緒に、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン系を表す、化合物である。
【0022】
3及びR4の好ましい基は、水素原子である。
【0023】
好ましくは、Aは、CH2基が酸素原子により置き換えられているアルキレン鎖を表す。
【0024】
とりわけ、本発明は、Aが、エチレンオキシ基を表す、式(I)の化合物に関する。
【0025】
Xは、好ましくは水素原子を表す。
【0026】
好ましいR5基は、COOH又はCOOMe基である。
【0027】
好ましいR6基は、OEt又はOCH2CF3基である。
【0028】
好ましいB基は、−CH2−CH(R5)(R6)基、そしてとりわけ−CH2−CH(R5)(R6)基(ここで、R5は、COOH、COOMe又はCOOEt基を表し、そしてR6は、メトキシ、エトキシ又はトリフルオロエトキシ基を表す)である。
【0029】
非常に有利には、本発明は、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン構造[ここで、
Xは、水素原子を表し、
1は、フェニル、シクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基を表し、
Aは、−CH2−CH2−O−鎖を表し、
2は、メチル基を表し、
3及びR4は、同時に水素原子を表し、
Bは、−CH2−CH(R5)(R6)基(ここで、R5は、COOMe、COOEt又はCOOH基を表し、そしてR6は、エトキシ又はトリフルオロエトキシ基を表す)を表す]を有する、式(I)の化合物に関する。
【0030】
更には、本発明は、式(I)の下記化合物:
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、
* (2S)−2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、
* 3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* (2S)−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* (2S)−2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* (2S)−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、
* 3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* 3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イルエトキシ)−フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 3−[4−(2−{4−クロロ−5−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* 3−[4−(2−{4−クロロ−5−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル、
* 3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* 3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル、
* (2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル、
* 3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* (2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* 3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]−2−エトキシプロパン酸、
*(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* (2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(4−ピリジニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(4−ピリジニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* (2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* (2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(フェノキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(フェノキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロペンチル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル、
* 3−[4−(2−{6−[シクロペンチル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]−2−エトキシプロパン酸、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(ヒドロキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸
に関する。
【0031】
本発明の好ましい化合物のエナンチオマー、ジアステレオ異性体、及びまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうる付加塩は、本発明の不可欠な部分を形成する。
【0032】
本発明はまた、式(I)の化合物の製造方法であって、式(III):
【0033】
【化14】

【0034】
[式中、D、R1及びXは、式(I)と同義である]で示される化合物を出発物質として使用すること、そして
これを塩基性媒体中で式(IV):
【0035】
【化15】

【0036】
[式中、A、B、R3及びR4は、式(I)と同義であり、そしてHalは、ハロゲン原子を表す]で示される化合物と縮合することにより、式(V):
【0037】
【化16】

【0038】
[式中、R1、R3、R4、A、B、D及びXは、式(I)と同義である]で示される化合物を得ること、そして
これを式:R2O−NH2[ここで、R2は、式(I)と同義である]の化合物の作用に付すことにより、式(I):
【0039】
【化17】

【0040】
で示される化合物を得ること、そして
これを従来の分離法により精製してもよく、必要に応じて薬剤学的に許容しうる酸又は塩基との付加塩に変換し、そして場合により従来の分離法により異性体に分離することを特徴とする方法に関する。
【0041】
有利な変形態様は、式(I)の化合物の製造方法であって、式(III):
【0042】
【化18】

【0043】
[式中、D、R1及びXは、式(I)と同義である]で示される化合物を出発物質として使用すること、そして
これを式:R2O−NH2[ここで、R2は、式(I)と同義である]の化合物と縮合することにより、式(VI):
【0044】
【化19】

【0045】
[式中、R1、R2、D及びXは、式(I)と同義である]で示される化合物を得ること、そして
これを塩基性媒体中で式(IV):
【0046】
【化20】

【0047】
[式中、A、B、R3及びR4は、式(I)と同義であり、そしてHalは、ハロゲン原子を表す]で示される化合物と縮合することにより、式(I):
【0048】
【化21】

【0049】
で示される化合物を得ること、そして
これを従来の分離法により精製してもよく、必要に応じて薬剤学的に許容しうる酸又は塩基との付加塩に変換し、そして場合により従来の分離法により異性体に分離することを特徴とする方法に関する。
【0050】
式(III)の化合物は、市販の製品であるか、又は当業者であれば従来の化学反応又は文献に記載の反応により容易に得られる。
【0051】
本発明はまた、式(I)の化合物の合成における中間体として、並びに血糖降下薬及び脂質低下薬として使用するための、式(V):
【0052】
【化22】

【0053】
[式中、D、X、A、R1、R3、R4及びBは、式(I)と同義である]で示される化合物に関する。
【0054】
本発明の好ましい式(V)の化合物は、R1が、(C3−C8)シクロアルキル基を表す化合物である。
【0055】
更には、好ましい式(V)の化合物は、下記:
* 3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル、
* 3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* 3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル、
* (2S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル、
* 3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* (2S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、
* 3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸、
* 3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸、
* (2S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸、
* 3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 2(S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 3−(4−{2−[6−(シクロペンチルカルボニル)−1−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル、
* 3−(4−{2−[6−(シクロペンチルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、
* 2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(ヒドロキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−エトキシ)フェニル]プロパン酸、
* 3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸
である。
【0056】
本発明の化合物は、非常に有用な薬理学的特性を有する。
【0057】
本化合物は、血糖レベルを低下させるのに特に優れた活性を証明している。このような性質の結果として、これらは、高血糖症、脂質異常症の治療及び/又は予防において、そして特に、インスリン非依存性II型糖尿病、耐糖能異常、X症候群関連疾患(高血圧症、肥満症、インスリン耐性、アテローム動脈硬化症、高脂血症を含む)、冠状動脈疾患及び他の心血管疾患(動脈性高血圧、心不全、静脈不全を含む)、腎疾患(糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症を含む)、網膜症、内皮細胞の活性化に関連する疾患、乾癬、多嚢胞性卵巣症候群、認知症、糖尿病合併症並びに骨粗鬆症の治療において治療的に使用することができる。
【0058】
これらは、認知症における認知機能を改善するため、及び糖尿病の合併症、腸炎症性疾患、筋緊張性ジストロフィー、膵炎、動脈硬化症、黄色腫のための、アルドースレダクターゼ阻害剤として使用することができる。
【0059】
これらの化合物の活性はまた、I型糖尿病、高トリグリセリド血症、X症候群、インスリン耐性、糖尿病における脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、動脈性高血圧、心不全、及び心血管疾患、特にアテローム動脈硬化症を含む、他の疾患の治療及び/又は予防にも推奨される。
【0060】
本化合物は更に、食欲の調節に、特に肥満症、食欲不振、大食症及び神経性食思不振症のような疾患に罹患している対象の食物摂取の調節に使用するために適応とされる。
【0061】
よって本化合物は、高脂血症、高血糖症、骨粗鬆症、耐糖能異常、インスリン耐性又はインスリン耐性が続発性生理病理学的機序である疾患に及ぼす有利な作用があるため、高コレステロール血症、肥満症の予防又は治療に使用することができる。
【0062】
これらの化合物の使用により、総コレステロール、体重、レプチン耐性、血漿グルコース、トリグリセリド、LDL、VLDL及びまた血漿中遊離脂肪酸を減少させることができる。本化合物は、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、フィブラート類、ニコチン酸、コレスチラミン、コレスチポール、プロブコール、GLP1、メトホルミン、ビグアニド類又はグルコース再吸収阻害剤と併用して使用することができ、そして治療される患者に相乗的に作用するように一緒にして、又は異なる時点で投与することができる。
【0063】
これらは更に、癌病態及び特にホルモン依存性癌(乳癌や結腸癌など)において活性を示し、そしてまたこれらの病態に関わる血管形成過程に対する阻害作用を有する。
【0064】
本発明の薬剤組成物としては、特に、経口、非経口、鼻内、経皮(per- or trans-cutaneous)、直腸内、経舌、眼内又は呼吸器内投与に適したもの、そして特に錠剤又は糖衣錠、舌下錠、サシェ剤、パケット(paquet)、ゼラチンカプセル剤、グロセット剤(glossette)、トローチ剤、坐剤、クリーム剤、軟膏剤、皮膚用ゲル剤及び飲用又は注射用アンプル剤に言及することができる。
【0065】
用量は、患者の性別、年齢及び体重、投与経路、治療適応症又は任意の併用療法の性質に応じて変化し、そして24時間あたり1回以上の投与において服用されるとき0.1mg〜1gの範囲である。
【0066】
本発明はまた、肥満症及びボディー・マス・インデックス(BMI)が25より大きいことを特徴とする過体重の治療及び/又は予防において使用するための薬剤組成物を得るための、本明細書に前記と同義の式(I)又は(V)の複素環化合物と、酸化防止剤との間の新しい複合薬に関する。
【0067】
本発明の酸化防止剤は、更に具体的には、抗フリーラジカル剤若しくはフリーラジカル捕捉剤、抗リポペルオキシダント剤、キレート化剤、又はグルタチオン、ビタミンC若しくはビタミンEのような内因性酸化防止剤を再生することができる物質、及びまた薬剤学的に許容しうる酸又は塩基とのその付加塩である。
【0068】
本発明の複合薬の酸化防止剤は、更に好ましくは、ユビキノン又はコエンザイムQ10のようなキノン化合物を代表とし、これらは、フリーラジカル捕捉剤として作用するが、またビタミンEを再生することができる。
【0069】
本発明の好ましい複合薬は、(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸及びコエンザイムQ10である。
【0070】
更には、本発明の複合薬は、全く驚くべき薬理学的特性を有する:出願人は、この複合薬の2種の化合物の間に相乗作用が存在すること、このため体脂肪の非常に顕著な減少を達成できること、またこのため肥満症及びボディー・マス・インデックス(BMI)が25より大きいことを特徴とする過体重の治療及び/又は予防において有用であることを証明した。
【0071】
米国では、肥満症は、男性の20%及び女性の25%が罹患している。30以上のボディー・マス・インデックス(BMI=体重(kg)/身長2(m2))を有する患者は、肥満と考えられている(Int. J. Obes., 1998, 22, 39-47;Obesity Lancet, 1997, 350, 423-426)。肥満症(BMI≧30)及び過体重(25<BMI<30)は、種々の起源を持ちうる:これらは、食物摂取の脱制御により、ホルモン撹乱により、又は治療法の適用(スルホニル尿素でのII型糖尿病の治療によって患者の体重が増加する)により生じることがある。同様に、I型(インスリン依存性)糖尿病では、インスリン療法もまた、患者の体重増加の一因である(In Progress in Obesity Research, 8th International Congress on Obesity, 1999, 739-746;Annals of Internal Medicine, 1998, 128, 165-175)。
【0072】
肥満症及び過体重は、心血管疾患の確立したリスク因子である:これらは、インスリン耐性、脂質異常症及び大血管障害(腎症、網膜症、脈管障害)の出現の素因を与えるため、脳血管障害及びインスリン非依存性糖尿病のリスクの顕著な上昇と関連している。更に別の病態は、肥満症又は過体重の結果である:詳細には、嚢胞内結石(vesicular calculi)、呼吸器不全、数種の癌、及び非常に重篤な肥満症の場合には早死に言及することができる(N. Engl. J. Med., 1995, 333, 677-385;JAMA, 1993, 270, 2207-2212)。
【0073】
本発明の複合薬により、減量を達成することができ、そしてたとえ作用が穏やかだとしても、肥満症に関連する全てのリスク因子が有意に減少する(Int. J. Obes., 1997, 21, 55-9;Int. J. Obes., 1992, 21, S5-9)。
【0074】
よって本発明の複合薬は、肥満症及び25より大きいボディー・マス・インデックス(BMI)を特徴とする過体重の治療及び/又は予防において有用であることが認められるだろう。
【0075】
したがって本発明は、肥満症及びボディー・マス・インデックス(BMI)が25より大きく30より小さいことを特徴とする過体重の治療及び/又は予防を目的とする薬剤組成物を得る際の、式(I)又は(V)の化合物と、酸化防止剤との間の複合薬の使用に関する。
【0076】
詳細には、本発明の複合薬は、I型又はII型糖尿病の治療のような治療処置により誘発される、肥満症及び25より大きく30より小さいボディー・マス・インデックス(BMI)を特徴とする過体重の治療及び/又は予防において有用である。
【0077】
したがって本発明は、I型又はII型糖尿病の治療のような治療処置により誘発される、肥満症及び25より大きく30より小さいボディー・マス・インデックス(BMI)を特徴とする過体重の治療及び/又は予防を目的とする薬剤組成物を得る際の、式(I)又は(V)の化合物と、酸化防止剤との間の複合薬の使用に関する。
【0078】
本発明はまた、1種以上の薬剤学的に許容しうる賦形剤と組合せた、本明細書に前記と同義の、式(I)又は(V)の化合物と、酸化防止剤との間の複合薬を含む薬剤組成物に関する。
【0079】
本発明の薬剤組成物としては、特に、経口、非経口又は鼻内投与に適したもの、錠剤又は糖衣錠、舌下錠、ゼラチンカプセル剤、トローチ剤、坐剤、クリーム剤、軟膏剤、皮膚用ゲル剤などに言及することができる。
【0080】
詳細には、本発明は、1種以上の薬剤学的に許容しうる賦形剤と組合せた、本明細書に前記と同義の式(I)又は(V)の化合物と、コエンザイムQ10又はビタミンEのような酸化防止剤とを含む薬剤組成物に関する。
【0081】
使用される用量は、患者の性別、年齢及び体重、投与経路、治療適応症又は併用療法の性質により変化するが、24時間あたり1回以上の投与で複合薬の各成分0.1mg〜1gの範囲である。
【0082】
以下の実施例及び調製法により本発明を例証するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0083】
調製例1
3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ−2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル
工程A
シクロプロピル(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)メタノン
丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−カルボニトリル3g(21mmol)を無水テトラヒドロフラン35mlに溶解した。次に、トリメチルシリルクロリド5.35ml(42mmol)及びフェニルマグネシウムブロミド126ml(126mmol)(テトラヒドロフラン中1M)を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。次に、それを2M塩化アンモニウム溶液100mlで加水分解した。次に、10%塩酸を使用してpHを1に酸性化し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。次に、濃水酸化アンモニウム溶液を使用して、その溶液のpHを9にした。水相をジクロロメタン100mlで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:9/1、次に8/2)により精製して、標記生成物をベージュ色の固体の形態で得た。
融点:159℃。
MS:m/z=187[M+H]
【0084】
工程B
3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b−ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル
丸底フラスコ中、アルゴン下で、工程Aで得た化合物0.500g(2.68mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解した。次に、水素化ナトリウム0.161g(4.02mmol)を加えた。その混合物を周囲温度で1時間撹拌し、0℃に冷却した。次に、溶液を、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した3−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル1g(3.48mmol)に加えた。反応混合物を周囲温度で5時間撹拌した。次に、それを飽和塩化アンモニウム溶液50mlで加水分解した。水相をジクロロメタン50mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:9/1、次に、8/2)により精製して、標記生成物を黄色の固体の形態で得た。
融点:159℃。
MS:m/z=437[M+H]
【0085】
調製例2
3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b−ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル
二首フラスコ中、不活性雰囲気下で、調製例1の工程Aで得られた化合物(0.600g)を無水N,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解し、次に水素化ナトリウム0.193g(5.31mmol)(油中60%)を加えた。混合物を周囲温度で1時間30分撹拌し、0℃に冷却した。次に、得られたアニオンを、無水N,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解した3−{4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル0.485g(1.26mmol)に加えた。反応混合物を周囲温度で7時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発し、残留物を水40mlに取った。それを酢酸エチル40mlで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:10/0、9/1、次に、8/2)により精製して、標記生成物を赤色の固体の形態で得た。
融点:123℃。
MS:m/z=513[M+Na]
【0086】
調製例3
3−(4−{2−[−6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]−エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル
工程A
6−(1−シクロへキシルビニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
アルゴン雰囲気下で、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−カルボニトリル1.5g(10.48mmol)を無水テトラヒドロフラン20mlに溶解した。次に、トリメチルシリルクロリド2.66ml(20.96mmol)を加えた。次に、その混合物を、無水テトラヒドロフラン20mlに溶解したシクロへキシルマグネシウムクロリド31ml(62.87mmol)に加えた。反応混合物を周囲温度で20時間撹拌した。次に、それを2M塩化アンモニウム50mlで加水分解した。6M塩酸を使用したpH1への酸性化の後、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。次に、水酸化アンモニウム水溶液を使用して、それをpH8に塩基性化し、ジクロロメタン20mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:9/1、8/2次に、7/3)により精製して、標記生成物を黄色を帯びた固体の形態で得た。
融点:160℃。
MS:m/z=229[M+H]
【0087】
工程B
3−(4−{2−[6−(シクロへキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]−エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル
二首フラスコ中、アルゴン下で、工程Aで得られた化合物0.376g(1.65mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解し、水素化ナトリウム0.091g(3.79mmol)(油中60%)を加えた。混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次に、それを3−{4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル0.616g(2.15mmol)及び無水N,Nジメチルホルムアミド10mlを含有する溶液に加えた。反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。次に、それを飽和塩化アンモニウム溶液30mlで加水分解し、酢酸エチル30mlで3回抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液50mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発して、標記生成物を黄色の油状物の形態で得た。
MS:m/z=479[M+H]
【0088】
調製例4
(2S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ−2,3−b]−ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル
手順は調製例3と同様にしたが、工程Bで3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチルを(2S)−3−{4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチルに代えた。
[α]=−7(メタノール、c=1)。
【0089】
調製例5
3−(4−{2−[6−(シクロへキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル−エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル
手順は調製例2と同様にしたが、調製例3の工程Aから出発した。黄色の油状物。
MS:m/z=533[M+H]
【0090】
調製例6
(2S)−3−(4−{2−[6−(シクロへキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル
手順は調製例3と同様にしたが、工程Bで3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチルを(2S)−3−{4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチルに代えた。
[α]=−15(メタノール、c=1)。
【0091】
調製例7
3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸
調製例1で得られた化合物(0.340g)をテトラヒドロフラン20mlに溶解した。次に、水20mlに溶解した水酸化リチウム0.102g(2.34mmol)を加えた。混合物を周囲温度で2時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発し、酢酸水溶液を使用して、残留物をpH3に酸性化した。水相をジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:97/3)により精製して、標記生成物を黄色のガム状物の形態で得た。
MS:m/z=423[M+H]
【0092】
調製例8
3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b−ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
調製例2で得られた化合物(0.200g)をテトラヒドロフランに溶解し、0℃に冷却した。次に、水10mlに溶解した水酸化リチウム一水和物0.052g(1.23mmol)を加えた。反応混合物を0℃から周囲温度に1時間30分撹拌した。溶媒を蒸発し、得られた白色の残留物を水20mlに溶解した。酢酸水溶液を使用して、pH3に酸性化した後、抽出をジクロロメタン10mlで3回実施した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:95/5)により精製して、標記生成物を白色の固体の形態で得た。
融点:113℃。
MS:m/z=475[M−H]
【0093】
調製例9
3−(4−{2−[6−(シクロへキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸
丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、調製例3で得られた化合物0.200g(0.42mmol)を50/50 水/テトラヒドロフラン混合物30mlに溶解した。次に、水酸化リチウム53mg(1.26mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次に、テトラヒドロフランを減圧下で蒸発した。酢酸水溶液を使用して、残留物をpH3に酸性化し、酢酸エチル20mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(純粋なジクロロメタン、次にジクロロメタン/メタノール:95/5、次に90/10)により精製して、標記生成物を黄色の油状物の形態で得た。
MS:m/z=465[M+H]
【0094】
調製例10
(2S)−3−(4−{2−[6−(シクロへキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸
丸底フラスコ中、調製例4で得られた化合物0.180g(0.38mmol)をテトラヒドロフラン4mlに溶解し、0℃に冷却した。次に、水7mlに溶解した水酸化リチウム0.048g(1.14mmol)を加えた。反応混合物を0℃から周囲温度に9時間撹拌した。溶媒を蒸発した。残留物をジエチルエーテル10mlで洗浄した。酢酸を使用して水相をpH3に酸性化した。それをエーテル10mlで3回抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発して、標記生成物を油状物の形態で得た。
[α]=−11(メタノール、c=1)。
CE:純度≧99%;ee≧98%。
【0095】
調製例11
3−(4−{2−[6−(シクロへキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
手順は調製例9と同様にしたが、調製例5で得られた化合物から出発した。黄色の油状物。
MS:m/z=519[M+H]
【0096】
調製例12
2(S)−3−(4−{2−[6−(シクロへキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
手順は調製例9と同様にしたが、調製例6で得られた化合物から出発した。油状物。
[α]=−11(メタノール、c=1)。
CE:純度≧99%;ee≧98%。
【0097】
調製例13
3−(4−{2−[6−(シクロペンチルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル
手順は調製例3と同様にしたが、工程Aでシクロへキシルマグネシウムクロリドをシクロペンチルマグネシウムクロリドに代えた。
【0098】
調製例14
3−(4−{2−[6−(シクロペンチルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸
手順は調製例9と同様にしたが、調製例13で得られた化合物から出発した。
【0099】
実施例1
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
工程A
フェニル(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)メタノン
丸底フラスコ中、アルゴン下で、テトラヒドロフラン中の1Mフェニルマグネシウムブロミド25.2mlを無水テトラヒドロフラン7mlに溶解した。別の丸底フラスコ中、アルゴン下で、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−カルボニトリル0.6g及びトリメチルシリルクロリド1.07mlをテトラヒドロフラン7mlに溶解した。次に、その溶液を、周囲温度にて、マグネシウム溶液にピペットで滴下した。一晩撹拌した後、混合物を2N塩化アンモニウム溶液20mlで加水分解した。次に、10%塩酸を使用してpHを1に調整し、得られた溶液を周囲温度で2時間撹拌した。濃水酸化アンモニウム溶液を使用して、溶液のpHを9に調整し、水相をジクロロメタン20mlで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。シリカゲルのクロマトグラフィー(純粋なジクロロメタン、次にジクロロメタン/メタノール:99/1)により精製した後、標記化合物を黄色の固体の形態で得た。
融点:174℃。
【0100】
工程B
(E)−フェニル(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)メタノンO−メチルオキシム
丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、工程Aで得られた化合物4.5g、塩化メトキシアンモニウム2.26g及びピリジン2.2mlを無水エタノール200mlに溶解した。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発し、残留物を水150mlに取った。水相をジクロロメタン100mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:5/1)により精製した。2個の異性体、Z及びEを、そのような方法で分離及び単離した。
E異性体:白色の個体。
融点:158℃。
【0101】
工程C
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
丸底フラスコ中、不活性雰囲気下で、工程Bで得られた化合物0.400gを無水N,N−ジメチルホルムアミド16mlに溶解した。次に、水素化ナトリウム0.096g(油中60%)を加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次に、その溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド8mlに溶解した3−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル0.690gに加えた。反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。次に、それを飽和塩化アンモニウム溶液30mlで加水分解した。水相をジクロロメタン30mlで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーに(石油エーテル/酢酸エチル:8/2)より精製して、標記生成物を黄色の油状物の形態で得た。
MS:m/z=502[M+H]
【0102】
実施例2
(2S)−2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
手順は調製例1と同様にしたが、工程Cで3−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチルを(2S)−3−{4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチルに代えた。
[α]=−5(メタノール、c=1)。
【0103】
実施例3
3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)プロパン酸メチル
手順は調製例1と同様にしたが、工程Cで3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチルを3−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチルに代えた。
【0104】
実施例4
メチル(2S)−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)プロパン酸メチル
手順は調製例1と同様にしたが、工程Cで3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチルを(2S)−3−{4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチルに代えた。
【0105】
実施例5
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸
実施例1で得られた化合物(0.360g)を50/50 水/テトラヒドロフラン混合物20mlに溶解した。次に、水酸化リチウム0.094gを加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。次に、テトラヒドロフランを蒸発し、酢酸水溶液を使用して、得られた残留物をpH3に酸性化した。その水相をジクロロメタン50mlで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:97/3)により精製して、標記生成物を僅かに黄色のガム状物の形態で得た。
MS:m/z=488[M+H]
【0106】
実施例6
(2S)−2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸
実施例2で得られた化合物(0.140g)をテトラヒドロフラン3mlに溶解し、0℃に冷却した。次に、水5mlに溶解した水酸化リチウム一水和物0.035g(0.84mmol)を加えた。反応混合物を0℃から周囲温度に3時間撹拌した。溶媒を蒸発した。得られた残留物をジエチルエーテル10mlで洗浄した。酢酸水溶液を使用して、水相をpH3に酸性化した。次に、それをエーテル10mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:95/5)により精製した。
[α]=−10(メタノール、c=1)。
CE:純度≧99%;ee≧98%。
【0107】
実施例7
3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
実施例6について使用した手順に従い、実施例5で得られた化合物から出発して、標記の酸を、黄色のムースの形態で得た(0.900g)。
MS:m/z=541[M+H]
【0108】
実施例8
(2S)−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
丸底フラスコ中、実施例4で得られた化合物0.070g(0.13mmol)をテトラヒドロフラン1.5mlに溶解し、0℃に冷却した。次に、水2.5mlに溶解した水酸化リチウム0.016g(0.39mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を蒸発し、次に酢酸を使用して、残留物をpH3に酸性化した。水相をエーテル10mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:95/5)により精製した。
[α]=−15(メタノール、c=1)。
CE:純度≧99%;ee≧98%。
【0109】
実施例9
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
工程A
(Z)−フェニル(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)メタノンO−メチルオキシム
丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、実施例1の工程Aで得られた化合物4.5g、塩化メトキシアンモニウム2.26g及びピリジン2.2mlを無水エタノール200mlに溶解した。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発し、残留物を水150mlに取った。水相をジクロロメタン100mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:5/1)により精製した。2個の異性体、Z及びEを、そのような方法で分離及び単離した。
Z異性体:白色の固体。
融点:189℃。
【0110】
工程B
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
手順は実施例1の工程Cと同様にした。
黄色の油状物
MS:m/z=502[M+H]
【0111】
実施例10
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸
実施例9で得られた化合物から出発し、実施例5の手順に従って標記の酸を得た。
黄色のガム状物
MS:m/z=488[M+H]
【0112】
実施例11
2−エトキシ−3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
工程A
フェニル(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)メタノン
丸底フラスコ中、三酸化クロム31mg(0.31mmol)をジクロロメタン140mlに溶解し、次にtert−ブタノールヒドロペルオキシド3.43ml(24.99mmol)(水中70%)をゆっくりと加えた。溶液は深赤色に変わった。フェニル(1H−ピロロ[2,4−b]ピリジン−5−イル)メタノール(1.4g)をゆっくりと加えた。黄色に変わった反応混合物を、外気中、周囲温度で21時間撹拌した。過酸化物を重亜硫酸ナトリウム溶液30mlで中和し、混合物をジクロロメタン50mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次に、減圧下で蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:6/4、次に5/5)により精製して、標記生成物をピンク色の固体の形態で得た。
融点:174℃。
MS:m/z=223[M+H]
【0113】
工程B
フェニル(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)メタノンO−メチルオキシム
丸底フラスコ中、不活性雰囲気下で、工程Aで得られた化合物1g(4.50mmol)を無水エタノール40mlに溶解した。次に、ピリジン0.55ml(6.75mmol)及びO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩0.564g(6.75mmol)を加えた。反応混合物を、還流下で15時間撹拌し、次に周囲温度に戻した。エタノールを減圧下で蒸発し、残留物を水/ジクロロメタン混合物(50ml)に取った。それをジクロロメタン50mlで3回抽出し、次に有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。シリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:6/4)により、50/50の比率の2個の目的異性体の混合物を白色の固体の形態で得た。
融点:145℃。
MS:m/z=252[M+H]
【0114】
工程C
2−エトキシ−3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)−(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、工程Bで得られた化合物0.800g(3.18mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、次に水素化ナトリウム0.191g(4.77mmol)(油中60%)を加えた。混合物を周囲温度で1時間半撹拌した。次に、形成されたアニオンを0℃に冷却した。次に、それをヨウ化カリウム52mg(10mol%)、3−{4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル1.47g(3.82mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド25mlを含む混合物に移した。反応混合物を0℃から周囲温度に2時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発した。残留物を水20mlに取り、酢酸エチル(3回、各回20ml)で抽出した。有機相をブライン30mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。シリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:7/3、次に6/4)により、標記生成物を50/50のZ/E比の2個の異性体の混合物として、黄色の油状物の形態で得た。
MS:m/z=502[M+H]
【0115】
実施例12
3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル
丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、実施例11の工程Bで得られた化合物0.800g(3.18mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、次に水素化ナトリウム0.191g(4.77mmol)(油中60%)を加えた。混合物を周囲温度で1時間半撹拌した。次に、形成されたアニオンを0℃に冷却した。その後、それをヨウ化カリウム52mg(10mol%)、3−{4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル1.47g(3.82mmol)及び無水N,N−ジメチルホルムアミド25mlを含む混合物に移した。反応混合物を0℃から周囲温度に2時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発した。残留物を水20mlに取り、酢酸エチル(3回、各回20ml)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液30mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。シリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:7/3、次に6/4)により、標記生成物を50/50のZ/E比の2個の異性体の混合物として、黄色の油状物の形態で得た。
MS:m/z=556[M+H]
【0116】
実施例13
2−エトキシ−3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸
実施例11で得られた化合物(0.500g)をテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0℃に冷却した。次に、水17mlに溶解した水酸化リチウム一水和物0.113g(2.70mmol)を加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次に溶媒を蒸発した。残留物を水10mlに取り、酢酸水溶液を使用してpH3に酸性化した。それをジクロロメタン10mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:9/1)により精製して、標記生成物を白色のガム状物の形態で得た。
MS:m/z=488[M+H]
【0117】
実施例14
3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
実施例12で得られた化合物(0.500g)をテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0℃に冷却した。次に、水17mlに溶解した水酸化リチウム一水和物0.113g(2.70mmol)を加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次に溶媒を蒸発した。残留物を水10mlに取り、酢酸水溶液を使用してpH3に酸性化した。それをジクロロメタン10mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:9/1)により精製して、標記生成物を白色の固体の形態で得た。
融点:182℃(分解)。
MS:m/z=542[M+H]
【0118】
実施例15
3−[4−(2−{4−クロロ−5−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−プロパン酸メチル
工程A
4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
丸底フラスコ中、アルゴン下で、4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン6g(39.32mmol)をテトラヒドロフラン90mlに溶解し、0℃に冷却した。次に、水素化ナトリウム1.73g(43.25mmol)(油中60%)を少量ずつ加えた。混合物を0℃で15分間撹拌した。次に、トリイソプロピルシリルクロリド8.42ml(39.32mmol)を加えた。反応混合物を還流下で3時間撹拌した。それを飽和塩化アンモニウム溶液50mlで加水分解し、ジクロロメタン50mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(純粋な石油エーテル、次に石油エーテル/酢酸エチル:95/5)により精製して、標記生成物を黄色を帯びた油状物の形態で得た。
MS:m/z=309[M+H]+35Cl;311[M+H]+37Cl。
【0119】
工程B
[4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル](フェニル)メタノール
三つ首フラスコ中、アルゴン下で、工程Aで得られた化合物1.5g(4.86mmol)を無水テトラヒドロフラン50mlに溶解し、−78℃に冷却した。次に、sec−ブチルリチウム8.2ml(10.69mmol)(ヘキサン/シクロヘキサン混合物中の溶液中1.3M)を滴下した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。次に、蒸留したベンズアルデヒド1.3ml(12.15mmol)を加えた。周囲温度に戻しながら、混合物を14時間撹拌した。それを飽和塩化アンモニウム溶液50mlで加水分解し、ジクロロメタン(3回、各回50ml)で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:98/2)により精製して、標記生成物を無色の油状物の形態で得た。
MS:m/z=416[M+H]+35Cl;418[M+H]+37Cl。
【0120】
工程C
[4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル](フェニル)メタノン
工程Bで得られた化合物(1.4g)をトルエン90mlに溶解し、二酸化マンガン2.93g(33.70mmol)を加えた。Dean Stark装置を配置した。反応混合物を還流下で18時間撹拌し、次に周囲温度に戻した。次に、混合物をセライトで濾過し、濾液を蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:95/5)により精製して、標記化合物を白色の固体の形態で得た。
融点:104℃。
MS:m/z=413[M+H]+35Cl;418[M+H]+37Cl。
【0121】
工程D
(Z)−[4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル](フェニル)メタノンO−メチルオキシム
丸底フラスコ中、アルゴン下で、工程Cで得られた化合物2.3g(5.57mmol 1当量)を無水エタノール90mlに溶解した。次に、ピリジン0.68ml(8.36mmol)及びO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩0.698g(8.36mmol)を加えた。反応混合物を還流下で46時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発した。残留物を水100mlに取り、ジクロロメタン50mlで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物を精製し、2個のオキシムを、BIOTAGEカラムにより、画分250mgで分離した(石油エーテル/酢酸エチル:500ml 8/2、150ml 8/2〜7/3及び400ml 7/3)。
Z異性体:白色の固体。
融点:110℃。
【0122】
工程E
(Z)−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)(フェニル)メタノンO−メチルオキシム
丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、工程Dで得られた化合物0.800g(1.81mmol)をテトラヒドロフラン8mlに溶解した。次に、フッ化テトラブチルアンモニウム4ml(3.98mmol)(テトラヒドロフラン中の溶液中1M)を加えた。反応混合物を周囲温度で19時間撹拌した。次に、それを水10mlで加水分解し、ジクロロメタン10mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。得られた残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:8/2、7/3、次に6/4)により精製して、標記生成物を白色の固体の形態で得た。
融点:176℃。
MS:m/z=286[M+H]+35Cl;288[M+H]+37Cl。
【0123】
工程F
3−[4−(2−{4−クロロ−5−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−プロパン酸メチル
二首フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、工程Eで得られた化合物(0.300g)を無水N,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶解し、次に水素化ナトリウム0.063g(1.58mmol)(油中60%)を加えた。混合物を周囲温度で1時間30分撹拌し、0℃に冷却した。次に、得られたアニオンを、3−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル0.485g(1.26mmol)、ヨウ化カリウム17mg及び無水N,N−ジメチルホルムアミド8mlを含有する混合物に加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発し、残留物を水10mlに取った。それを酢酸エチル10mlで3回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:8/2、7/3、次に6/4)により精製して、標記生成物を無色の油状物の形態で得た。
MS:m/z=590[M+H]+35Cl;592[M+H]+37Cl。
【0124】
実施例16
3−[4−(2−{4−クロロ−5−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
実施例15で得られた化合物(0.300g)をテトラヒドロフランに溶解し、0℃に冷却した。次に、水10mlに溶解した水酸化リチウム一水和物0.064g(1.53mmol)を加えた。反応混合物を0℃から周囲温度に1時間半撹拌した。溶媒を蒸発し、残留物を水10mlに溶解した。酢酸水溶液を使用して酸性化した後、それをジクロロメタン10mlで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。得られた白色の粉末をヘキサンで洗浄し、ガラスフリットを通して濾過し、真空下で乾燥した。
融点:186℃。
MS:m/z=576[M+H]+35Cl;578[M+H]+37Cl。
【0125】
実施例17
3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例1で得られた化合物から出発した。
【0126】
実施例18
3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)プロパン酸メチル
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例2で得られた化合物から出発した。
【0127】
実施例19
3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例3で得られた化合物から出発した。
【0128】
実施例20
(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル−エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例4で得られた化合物から出発した。
【0129】
実施例21
3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例5で得られた化合物から出発した。
【0130】
実施例22
(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例6で得られた化合物から出発した。
【0131】
実施例23
3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例7で得られた化合物から出発した。
【0132】
実施例24
3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例8で得られた化合物から出発した。
【0133】
実施例25
3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例9で得られた化合物から出発した。
【0134】
実施例26
(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例10で得られた化合物から出発した。
【0135】
実施例27
3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例11で得られた化合物から出発した。
【0136】
実施例28
(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例12で得られた化合物から出発した。
【0137】
実施例29
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(4−ピリジニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
手順は実施例1の工程B及びCと同様にしたが、4−ピリジニル(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)メタノンから出発した。
【0138】
実施例30
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(4−ピリジニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸
手順は実施例5と同様にしたが、実施例29で得られた化合物から出発した。
【0139】
実施例31
(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル
手順は実施例1と同様にしたが、工程Bで得られた異性体を分離せず、工程Cで3−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチルを(2S)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチルに代えた。
【0140】
実施例32
(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
手順は実施例5と同様にしたが、実施例31で得られた化合物から出発した。
【0141】
実施例33
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(フェノキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
手順は実施例1と同様にしたが、工程Bで塩化メトキシアンモニウムを塩化フェノキシアンモニウムに代え、得られた異性体を分離しなかった。
【0142】
実施例34
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(フェノキシイミノ)(フェニル)メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸
手順は実施例5と同様にしたが、実施例33で得られた化合物から出発した。
【0143】
実施例35
3−[4−(2−{6−[シクロペンチル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例13で得られた化合物から出発した。
【0144】
実施例36
3−[4−(2−{6−[シクロペンチル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸
手順は実施例1の工程Bと同様にしたが、調製例14で得られた化合物から出発した。
【0145】
実施例37
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル
手順は実施例1と同様にしたが、工程Bで得られた異性体を分離しなかった。
【0146】
実施例38
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸
手順は実施例5と同様にしたが、実施例37で得られた化合物から出発した。
【0147】
実施例39
3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸
調製例8で得られた化合物(0.00198mol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.00594mol)及びピリジン(0.00594mol)をメタノール30mlに加えた。3時間加熱還流した。蒸発乾固した。塩酸(1N)100mlを加え、次にジクロロメタン50mlで2回抽出し、減圧下で蒸発して、標記生成物を白色の固体の形態で得た。
【0148】
実施例40
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(ヒドロキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸
手順は実施例1と同様にしたが、工程Bで塩化メトキシアンモニウムをヒドロキシルアミン塩酸塩に代えた。
黄色を帯びた油状物。
【0149】
実施例41
3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸
手順は実施例39と同様にしたが、調製例7で得られた化合物から出発した。
黄色を帯びた固体。
MS:m/z=438.5[M+H]
【0150】
薬理学的試験
実施例A: 急性毒性試験
急性毒性は、それぞれマウス8匹(26±2グラム)からなる群への経口投与後に評価した。マウスは、第1日目の経過中を一定間隔で、そして処置後2週間毎日観察した。LD50(マウスの50%の死亡を引き起こす用量)を評価して、本発明の化合物の低毒性を証明した。
【0151】
実施例B: 遺伝モデルにおける有効性
実験動物の突然変異及びまた食餌規制飼育に対する様々な感受性が、肥満症及びインスリンに対する耐性に関連する、インスリン非依存性糖尿病及び高脂血症を有する動物モデルの開発を可能にした。
【0152】
遺伝マウスモデル(ob/ob)(Diabetes, 1982, 31(1), 1-6)及びズッカー(Zucker)(fa/fa)ラットは、これらの疾患の生理病理学を理解するために、及び新しい抗糖尿病化合物の有効性を試験するために、種々の実験室により開発された(Diabetes, 1983, 32, 830-838)。
【0153】
ob/obマウスにおける抗糖尿病及び脂質低下作用
インビボ試験に10週齢のオスのob/obマウス(ハーラン(Harlan))を用いた。このマウスを25℃で12時間の明暗サイクルに保持した。このマウスは、2g/lの基本的高血糖症を有していた。これらのマウスを、その血糖値に関してはランダムに選択して、8つの群を形成した。経口経路により試験する化合物を、ヒドロキシエチルセルロースの混合物(HEC 1%)に溶解し、10ml/kgの容量で1日1回4日間、3mg/kgで投与した。対照群には、処置群と同じ条件下で溶媒を投与した。生成物の活性は、最終投与の24時間後に血糖、血中トリグリセリド及び血中インスリンを測定し、そして毎日体重を測定することにより評価した。
【0154】
本発明の化合物は、標準物質として使用したロシグリタゾンで得られた効果に匹敵する、非常に良好な血糖低下能を証明した。
【0155】
一例として、3mg/kgの用量で投与された実施例32の化合物は、対照群に比較して血中トリグリセリドを37%減少させ、対照群に比較して血中インスリンを23%減少させ、そして対照群に比較して血糖を43%減少させた。
【0156】
更には、インビボ試験中に副作用は観察されなかった。
【0157】
実施例C: 薬剤組成物
それぞれ5mgの用量の(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸(実施例32)を含む1000錠の錠剤
(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸(実施例32) 5g
コムギデンプン 20g
トウモロコシデンプン 20g
乳糖 30g
ステアリン酸マグネシウム 2g
シリカ 1g
ヒドロキシプロピルセルロース 2g
【0158】
実施例D: 体重の変化
オスのC57ブラック6ob/obマウス(8〜12週齢)を使用した。1週間の隔離後、マウスを秤量して、次にその体重の関数としてランダムに選択して、6つの均質な群(開始体重には有意な差がない)を形成した。マウスを秤量後、試験すべき様々な複合薬を1日1回7日間、腹腔内注射した。これらの分子は、良好な溶解を保証するために65℃に加熱した5%DMSO/15%ソルトール(Solutol)/H2O適量の溶液として注射した。この溶液は更に注射前に予熱した。マウスは毎日秤量して、7日間の処置後に到達した体重を記録した。
【0159】
得られた結果は明らかに以下を証明している:
・ 式(I)又は(V)の化合物と酸化防止剤との間の本発明の複合薬が、肥満マウスの体重の有意な減少を達成させること、
・ 複合薬の2成分の間に相乗作用が存在すること(複合薬を用いて確認された減量分は、各成分を単独投与で使用するときよりもはるかに大きかった)。
【0160】
実施例E: 薬剤組成物
それぞれ30mgの用量の(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸(実施例32)及び10mgの用量のコエンザイムQ10を含む100錠の錠剤
(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸(実施例32) 3g
コエンザイムQ10 1g
コムギデンプン 20g
トウモロコシデンプン 20g
乳糖 30g
ステアリン酸マグネシウム 2g
シリカ 1g
ヒドロキシプロピルセルロース 2g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
1は、アリール、ヘテロアリール又は(C3−C8)シクロアルキル基を表し、
2は、水素原子、あるいは直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基、アリール基又はアリール−(C1−C6)アルキル基(ここで、アルキル部分は、直鎖であっても分岐であってもよい)を表し、
Xは、水素若しくはハロゲン原子、又は直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基を表し、
3及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素若しくはハロゲン原子、直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル、直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルコキシあるいは直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキルアミノ基又はジ(C1−C6)アルキルアミノ基(ここで、アルキル部分は、直鎖であっても分岐であってもよい)を表し、
Dは、ピリジン核を表し、
Aは、(C1−C6)アルキレン鎖(ここで、CH2基は、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子により、又はNRa基(ここで、Raは、水素原子又は直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基を表す)により置き換えられていてもよい)を表し、
Bは、直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基又は直鎖若しくは分岐(C2−C6)アルケニル基を表し、これらの基は、式(II):
【化2】


(式中、R5は、−COOR基を表し、そしてR6は、−OR’基を表し、そしてここで、R及びR’は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又は直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基(非置換であるか、又は1個以上のハロゲン原子により置換されている)を表す)で示される基により置換されている]で示される化合物[ただし、
* オキシム:R1−C(=N−OR2)−は、Z又はE立体配置を有することができ、
* アリールは、フェニル、ナフチル又はビフェニル基(ここで、これらの基は、部分水素化されていてもよい)を意味するものと理解され、
* ヘテロアリールは、5〜10個の環員を含み、そして酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、任意の芳香族単環又は二環式基(ここで、二環式ヘテロアリール基の場合には、1個の環上で部分水素化されていてもよい)を意味するものと理解され、そして
こうして定義されたアリール及びヘテロアリール基は、直鎖又は分岐(C1−C6)アルキル、直鎖又は分岐(C1−C6)ポリハロアルキル、直鎖又は分岐(C1−C6)アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、NRbc(ここで、Rb及びRcは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、直鎖若しくは分岐(C1−C6)アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す)、エステル、アミド、ニトロ、シアノ、及びハロゲン原子から選択される、1〜3個の基により置換されていてもよい]、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩。
【請求項2】
1が、フェニル基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩。
【請求項3】
2が、アルキル基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩。
【請求項4】
Aが、エチレンオキシ基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩。
【請求項5】
Dが、これが縮合している環と一緒に、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン系を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩。
【請求項6】
Xが、水素原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩。
【請求項7】
3及びR4が、水素原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩。
【請求項8】
Bが、−CH2−CH(R5)(R6)基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩。
【請求項9】
2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−プロパン酸メチル、(2S)−2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、(2S)−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]プロパン酸、(2S)−2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)−(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−プロパン酸、(2S)−3−[4−(2−{6−[(E)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]プロパン酸メチル、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、
2−エトキシ−3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2.2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、2−エトキシ−3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、3−[4−(2−{5−[(メトキシイミノ)−(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−プロパン酸、3−[4−(2−{4−クロロ−5−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、3−[4−(2−{4−クロロ−5−[(Z)−(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル、3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル、(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル、3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)−メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸、3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸、(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸、3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、(2S)−3−[4−(2−{6−[シクロヘキシル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(4−ピリジニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(4−ピリジニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−プロパン酸、(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(フェノキシイミノ)(フェニル)−メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸メチル、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(フェノキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、3−[4−(2−{6−[シクロペンチル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸メチル、3−[4−(2−{6−[シクロペンチル(メトキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)−フェニル]プロパン酸メチル、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−プロパン酸、2−エトキシ−3−[4−(2−{6−[(ヒドロキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸、3−[4−(2−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−エトキシプロパン酸である、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(III):
【化3】


[式中、D、R1及びXは、式(I)と同義である]で示される化合物を出発物質として使用すること、そして
これを塩基性媒体中で式(IV):
【化4】


[式中、A、B、R3及びR4は、式(I)と同義であり、そしてHalは、ハロゲン原子を表す]で示される化合物と縮合することにより、式(V):
【化5】


[式中、R1、R3、R4、A、B、D及びXは、式(I)と同義である]で示される化合物を得ること、そして
これを式:R2O−NH2[ここで、R2は、式(I)と同義である]の化合物の作用に付すことにより、式(I):
【化6】


で示される化合物を得ること、そして
これを従来の分離法により精製してもよく、必要に応じて薬剤学的に許容しうる酸又は塩基との付加塩に変換し、そして場合により従来の分離法により異性体に分離することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(III):
【化7】


[式中、D、R1及びXは、式(I)と同義である]で示される化合物を出発物質として使用すること、そして
これを式:R2O−NH2[ここで、R2は、式(I)と同義である]の化合物と縮合することにより、式(VI):
【化8】


[式中、R1、R2、D及びXは、式(I)と同義である]で示される化合物を得ること、そして
これを塩基性媒体中で式(IV):
【化9】


[式中、A、B、R3及びR4は、式(I)と同義であり、そしてHalは、ハロゲン原子を表す]で示される化合物と縮合することにより、式(I):
【化10】


で示される化合物を得ること、そして
これを従来の分離法により精製してもよく、必要に応じて薬剤学的に許容しうる酸又は塩基との付加塩に変換し、そして場合により従来の分離法により異性体に分離することを特徴とする方法。
【請求項12】
式(I)の化合物の合成において中間体として使用するための、請求項10記載の式(V):
【化11】


[式中、X、B、D、A、R1、R3及びR4は、請求項1と同義である]で示される化合物。
【請求項13】
3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル、3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル、(2S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル、3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、(2S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸メチル、3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸、3−(4−{2−[6−(シクロプロピルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸、(2S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸、3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、2(S)−3−(4−{2−[6−(シクロヘキシルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、3−(4−{2−[6−(シクロペンチルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸メチル、3−(4−{2−[6−(シクロペンチルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸である、請求項12記載の式(V)の化合物。
【請求項14】
活性成分として、少なくとも1種の請求項1〜9、12若しくは13のいずれか1項記載の式(I)若しくは式(V)の化合物、又は酸若しくは塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩を、単独で、又は1種以上の薬剤学的に許容しうる賦形剤と組合せて含む、薬剤組成物。
【請求項15】
高血糖症、脂質異常症の治療及び/又は予防用医薬の製造における、そして特に、インスリン非依存性II型糖尿病、インスリン耐性、耐糖能異常、X症候群関連疾患、冠状動脈疾患及び他の心血管疾患、腎疾患、網膜症、内皮細胞の活性化に関連する疾患、乾癬、多嚢胞性卵巣症候群、認知症、骨粗鬆症、腸炎症性疾患、筋緊張性ジストロフィー、膵炎、動脈硬化症、黄色腫の治療における、及び更にI型糖尿病、肥満症、食欲の調節、食欲不振、大食症、神経性食思不振症、更には癌病態及び特にホルモン依存性癌(乳癌や結腸癌など)の治療又は予防における使用のための、並びに血管形成阻害薬として使用するための、請求項14記載の薬剤組成物。
【請求項16】
請求項1〜9、12又は13のいずれか1項記載の式(I)又は(V)の化合物及び酸化防止剤を含む複合薬。
【請求項17】
式(I)の化合物が、(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにまた酸又は塩基との薬剤学的に許容しうるその付加塩である、請求項16記載の複合薬。
【請求項18】
酸化防止剤が、コエンザイムQ10である、請求項16又は17記載の複合薬。
【請求項19】
酸化防止剤が、ビタミンEである、請求項16又は17記載の複合薬。
【請求項20】
(2S)−3−[4−(2−{6−[(メトキシイミノ)(フェニル)メチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸及びコエンザイムQ10である、請求項16又は17記載の複合薬。
【請求項21】
活性成分として、請求項16〜20のいずれか1項記載の複合薬を、単独で、又は1種以上の薬剤学的に許容しうる賦形剤と組合せて含む、薬剤組成物。
【請求項22】
肥満症の治療及び/又は予防用医薬の製造において使用するための、請求項21記載の薬剤組成物。
【請求項23】
25より大きく30より小さいボディー・マス・インデックスを特徴とする過体重の治療及び/又は予防用医薬の製造において使用するための、請求項21記載の薬剤組成物。
【請求項24】
肥満症の治療及び/又は予防を目的とする薬剤組成物を得る際の、請求項16〜20のいずれか1項記載の複合薬の使用。
【請求項25】
治療処置により誘導される肥満症の治療及び/又は予防を目的とする薬剤組成物を得る際の、請求項16〜20のいずれか1項記載の複合薬の使用。
【請求項26】
I型又はII型糖尿病の治療により誘導される肥満症の治療及び/又は予防を目的とする薬剤組成物を得る際の、請求項16〜20のいずれか1項記載の複合薬の使用。
【請求項27】
25より大きく30より小さいボディー・マス・インデックスを特徴とする過体重の治療及び/又は予防を目的とする薬剤組成物を得る際の、請求項16〜20のいずれか1項記載の複合薬の使用。
【請求項28】
治療処置により誘導される、25より大きく30より小さいボディー・マス・インデックスを特徴とする過体重の治療及び/又は予防を目的とする薬剤組成物を得る際の、請求項16〜20のいずれか1項記載の複合薬の使用。
【請求項29】
I型又はII型糖尿病の治療により誘導される、25より大きく30より小さいボディー・マス・インデックスを特徴とする過体重の治療及び/又は予防を目的とする薬剤組成物を得る際の、請求項16〜20のいずれか1項記載の複合薬の使用。

【公表番号】特表2009−520007(P2009−520007A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546513(P2008−546513)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002778
【国際公開番号】WO2007/077313
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【Fターム(参考)】